JP3143331B2 - 高温加熱用調理機器の調理面構造 - Google Patents

高温加熱用調理機器の調理面構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般に、高温加熱用調
理機器の調理面構造に関し、特に金属へらに対する摩耗
耐久性が向上するように改良され、高温度で食品を調理
しても、食品の焦げ付きの少ない、また、焦げ付き跡の
目立たない高温加熱用調理機器の調理面構造に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ホットプレート、、電気鍋、フライパン
などの調理面に、フッ素樹脂等の非粘着性トップコート
層を有する高温加熱用調理機器の調理面構造には、種々
の調理面構造が知られている。
【0003】図5は、ホットプレートを概略的に示す断
面図である。図5を参照して、このホットプレート21
は、プレート側面22と、プレート底面23を有する。
金属素材24の内表面25には、高温加熱用調理機器の
調理面構造26が形成されている。
【0004】次に、従来の高温加熱用調理機器の調理面
構造26を更に詳細に説明する。図6は従来の高温加熱
用調理機器の調理面構造を概略的に示す断面図である。
図6を参照して、この高温加熱用調理機器の調理面構造
26は、例えば、アルミニウム合金ダイキャスト成型品
等の金属素材24の調理面とすべき表面をサンドブラス
ト等で面荒らしし、面荒らしがされた調理面とすべき表
面26a上に当該表面24aを覆うフッ素樹脂層27を
備える。
【0005】また、図7は、調理面を構成する金属素材
24と、該金属素材24の調理面とすべき表面24aを
少なくとも覆うように設けられ、かつ、含水酸化物ゾル
を脱水処理してゲルとし、このゲルを加熱して無機酸化
物を被膜として、調整するための塗料(以下、ゾルゲル
塗料)を該表面に塗布することにより形成された金属酸
化物を主成分とする硬質無機質層28と、硬質無機質層
28の表面を覆うように設けられたフッ素樹脂層25と
を備え、特に、300℃以上、例えば、350℃程度の
高温調理を行っても、調理面が食品等により焦げ付いた
り、また、しみ汚染が生じたりすることのない高温加熱
用調理機器の調理面構造があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
高温加熱用調理機器の調理面構造では、実調理時使用さ
れる各種金属へらに対する耐傷付き性が懸念され、その
ため金属へら先端部およびへらコーナー部を削り取り角
を円くした付属の小さな専用金属へらを使用するように
なっていた。その結果、混ぜる、切る、ひっくり返す等
の調理食品の加工作業においてその効率を落とし、不便
であった。
【0007】また、そのためへら先端部およびへらコー
ナー部を削り取り角を円くしていない一般の金属へらを
使用し、フッ素樹脂層に傷や剥がれを生じ焦げ等の跡
や、しみ汚染等の跡も残りその結果、見苦しい利用価値
のない調理面となるという問題があった。
【0008】本発明は、以上のような問題を解決するた
めになされたものであって、従来調理面構造に比べ、金
属へらに対する耐傷付き性を向上させることはもちろ
ん、300℃以上、例えば、350℃程度の高温調理を
行っても、調理面が食品等により焦げ付いたり、また、
しみ汚染を生じたりすることのない高温加熱用調理機器
の調理面構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の高温加熱用調理機器の調理面構造は、高温
加熱用調理機器の調理面に形成される被膜であって調理
面を構成する金属素材と、該金属素材の調理面とすべき
表面を少なくとも覆うように設けられたセラミック溶射
硬質無機質層と、該セラミック溶射硬質無機質層の表面
を覆うように設けられ、かつ含水酸化物ゾルを脱水処理
してゲルとし、このゲルを加熱して無機酸化物を被膜と
して、調整するための塗料(ゾルゲル塗料)を当該表面
に塗布することにより形成された金属酸化物を主成分と
する硬質無機質層と、該硬質無機質層の表面を覆うよう
に設けられた非粘着性樹脂層とを備える。上記ゾルゲル
塗料は好ましくは、少なくとも2種類の金属アルコキシ
ド化合物と金属酸化物粒子とを含むものである。
【0010】そして、前記セラミック溶射硬質無機質層
の厚みを10〜20μmにしている。
【0011】更に、前記含水酸化物ゾルを脱水処理して
ゲルとし、このゲルを加熱して無機酸化物を被膜とし
て、調整するための塗料を塗布することにより形成され
た金属酸化物を主成分とする硬質無機質層の厚みを15
μm以上にしている。なお、上記の「金属」という用語
には、アルミニウム(Al),チタン(Ti),亜鉛
(Zn),ジルコニウム(Zr)等の金属の他、硅素
(Si)等の半金属類を含むものである。また、上記の
「ゾルゲル塗料」という用語は、含水酸化物ゾルを脱水
処理してゲルとし、このゲルを加熱して無機酸化物をあ
る一定の形状、または、基板上の被膜として調整するた
めの塗料をいう。
【0012】
【作用】上記の高温加熱用調理機器の調理面構造によれ
ば、300℃以上、例えば350℃の温度での高温食品
調理においても耐焦げ付き性、耐しみ付き汚染性能は確
保しながら、更に、従来の調理面構造に比べ金属へらに
対する耐傷付き性および耐剥離性を向上させる。
【0013】そして、セラミック溶射硬質無機質層の厚
みを10〜20μmにすることにより、気孔の少ない緻
密な硬質無機質層をセラミック溶射硬質無機質層の上に
安定して形成する。
【0014】更に、金属酸化物を主成分とした硬質無機
質層を15μm以上にすることにより、高温食品調理時
の耐焦げ付き性、耐しみ付き汚染性能を向上させる。
【0015】
【実施例】本発明の高温加熱用調理機器の調理面構造の
一実施例を図1乃至図4とともに説明する。
【0016】図1は、本発明が適用されたホットプレー
トの断面図である。ホットプレート10はプレート側面
11とプレート底面12からなる。金属素材1の内表面
2に、金属へらが使え、300〜350℃の高温で調理
しても、焦げ付きや、しみ汚染を起こさない調理面構造
3が形成されている。
【0017】次に、金属へらが使え、300〜350℃
の高温で調理しても、焦げ付きや、しみ汚染を起こさな
い調理面構造3について、更に詳細に説明する。
【0018】図3は、本発明の高温加熱用調理機器の調
理面構造3の断面図である。図3は、金属素材(母材)
の表面の概念図である。図2および図3を参照して、金
属素材1の表面に、凸状である山部4の高さがHが10
〜60μm、山部4のピッチDが50〜400μmであ
る凹凸面1aが形成されている。山部4の高さHは谷部
5の底から山部4の頂上までの垂直方向の距離である。
【0019】前記凹凸面1aを覆うように、10〜20
μmの厚みを有するセラミック溶射硬質無機質層6が形
成されている。更に、該セラミック溶射硬質無機質層6
の表面を覆うように、15μm以上の厚みを有するゾル
ゲル塗料を加水分解して形成された金属酸化物を主成分
とする硬質無機質層7が形成されている。該硬質無機質
層7の上に、厚み10±5μmを有するポリエーテルサ
ルフォン(PES)やポリフェニレンスルファイド(P
PS)系の変性フッ素樹脂塗料からなるプライマー層8
が設けられ、その上に、15〜25μmの厚みを有する
フッ素樹脂塗料からなる非粘着性樹脂層9が設けられて
いる。
【0020】次に、図2および図4を参照して、上述の
構造を有する調理面構造の製造方法について説明する。
図4は、図2に示す調理面構造の拡大図である。図2に
示す調理面構造を形成するためには、まず、金属素材1
の表面に山部4と谷部5からなる凹凸面1aを形成する
必要がある。このような凹凸面1aは、通常行う粒度#
50〜150のサンドブラストではなく、ジェットタガ
ネ(2〜4mmφ)で、エアー圧力6〜8kg/cm2
で、2〜3分実施して形成される。これにより、砂型鋳
物肌の凹凸に近い模様が形成される。
【0021】一方、金属素材1を形成するおりに、例え
ば、金属素材1が、アルミニウムダイキャスト成型品か
ら製作するときにはダイキャスト金型に調理面に相当す
る部分を予めエンボス加工を施した金型にしておいて、
アルミニウムダイキャスト成型加工時に図1を参照して
上記金属素材の調理面となる内表面2に凹凸模様を形成
する。
【0022】図2および図4を再び参照して、更に、粒
度#10〜20のブラストで、エアー圧力6〜10kg
/cm2で2〜3分実施することにより、図4を参照し
て、粗面化とセラミック溶射硬質無機質層6との密着性
を確保する粗面Xが得られる。なお、この粗面Xを形成
する工程は、従来の特開平4−341221号公報に記
載された高温加熱用調理機器の調理面構造の形成工程と
同一である。
【0023】次に、プラズマ溶射装置を用いて、Al2
3−TiO2のセラミック溶射材で、ガン距離80〜1
00mm、流量30〜40g/min、使用ガスにアル
ゴンと水素を用いた条件で、膜厚Aが10〜20μmに
なるように仕上げられたセラミック溶射硬質無機質層6
を形成する。該セラミック溶射硬質無機質層6の表面粗
さは、図2を参照して、粗面Yのように、表面粗さがR
a=20±10μm(中心線平均粗さ)になるようにさ
れる。
【0024】次に、塗料装置を用いて、表1にその組成
を示すSiO2系のゾルゲル塗料を粗面Yに吹き付け
て、120〜200℃で、10〜20分間焼き付けを行
って、膜厚Bが15μm以上になるように仕上げられ
た、ゾルゲル塗料を加水分解して形成された金属酸化物
を主成分とする、硬質、緻密な非晶質無機質層7(硬質
無機質層)を形成する。
【0025】次に、粗面Zを硬質、緻密な非晶質無機質
層7の上に、非粘着性樹脂層9を形成する。非粘着性樹
脂層9は、厚みCが10〜30μm好ましくは15〜2
5μmに仕上がるように、デイスパージョン型の4フッ
化エチレン樹脂塗料(公知の市販塗料)を吹き付けて、
380〜420℃で、20分間の焼成で硬化させること
により、形成される。非粘着性樹脂層9と、硬質、緻密
な非晶質無機質層7の密着性をよくするために、硬質、
緻密な非晶質無機質層7の上に図2および図4に示すよ
うにプライマー層8を薄く(約5〜10μm)塗布し、
90〜120℃で10分間強制乾燥するという工程を加
えてもよい。
【0026】
【表1】
【0027】このように構成された、金属素材1の粗面
X、厚み10〜20μmのセラミック溶射硬質無機質層
6と、その粗面Yおよび厚み15μm以上の硬質、緻密
な非晶質無機質層7と、その粗面Zおよび厚み10〜3
0μmの非粘着性樹脂層9と、その粗面Sとを含む調理
面構造3を、図1に示すホットプレートの調理面にし
た。
【0028】ホットプレート10の内表面2の側面11
は、調理面でないため、金属へらでこすられることはな
い。それゆえに、側面11においては、セラミック溶射
硬質無機質層6の厚みを膜厚が10〜20μm、硬質、
緻密な非晶質無機質層7の厚みを15μm以上、非粘着
性樹脂層9の厚みを10〜30μmにするという条件は
不要である。側面11の内面は、セラミック溶射硬質無
機質層6および硬質、緻密な非晶質無機質層7の厚みを
散布程度、非粘着性樹脂層9の厚みを10〜30μmに
なるように、即ち、金属へらでこすると多少傷の付く被
膜を構成にした。
【0029】本実施例の高温加熱用調理機器の調理面構
造によれば、金属へらに対する耐傷付き性および耐剥離
性を向上させることはもちろん、300℃以上、例え
ば、350℃での食品調理においても耐焦げ付き性、耐
しみ付き汚染性を向上させるように、金属素材1表面の
凹凸形状、金属素材1の表面上に形成されるセラミック
溶射硬質無機質層6とその厚み、更に、セラミック溶射
硬質無機質層6上に形成される硬質、緻密な非晶質無機
質層7の厚みおよび、非粘着性樹脂層9の厚みの4つの
条件が適切に選ばれている。
【0030】即ち、調理面となる金属素材表面に形成さ
れる凹凸面1aは、その凸状の山部4の高さが10〜6
0μm、かつ、山部4のピッチが50〜400μmに選
ばれている。上記凹凸面1aを覆うセラミック溶射硬質
無機質層6は、その膜厚が、10〜20μmに選ばれて
いる。そして、上記セラミック溶射硬質無機質層6を覆
う硬質、緻密な非晶質無機質層7は、その膜厚が、15
μm以上に選ばれている。更に、上記硬質、緻密な非晶
質無機質層7の表面を覆う非粘着性樹脂層9の厚みが1
0〜30μmに選ばれている。このように条件が選ばれ
ることにより、金属へらに対する耐傷付き性および耐剥
離性が向上し。300℃から350℃での食品調理にお
いても耐焦げ付き性、耐しみ付き汚染性が向上する。
【0031】以上のように構成された一実施例に示すホ
ットプレートは、従来の技術以上の金属へらに対する摩
耗耐久性を兼ね備えながら、300〜350℃の高温調
理を行っても、調理食品の付着耐剥離性と、耐汚染性、
耐しみ付き性を確保しているので、調理工程において、
食品の調理時の手さばきとカット作業で切れの良い素早
い作業が可能でありながら、更に、高温調理による味の
向上と高速調理ができる。
【0032】なお、上記一実施例では、緻密な非晶質無
機質層7として、表1にその組成を示すSiO2系のゾ
ルゲル塗料を用いた場合を例示したが、そのような緻密
な非晶質無機質層7(硬質無機質層)としては、例え
ば、ホーロー仕上げのようなガラシ質層であっても同様
の効果を奏する。しかしながら、ホーロー仕上げをする
には、高温処理を必要とするため、例えば、調理面を構
成する金属素材として、アルミニウム合金ダイキャスト
等の融点の低い金属素材を用いることはできない。
【0033】また、緻密な硬質無機質層は、例えば、ア
ルマイト仕上げしたγ−Al23・H2O等としてもよ
いが、アルミニウム合金ダイキャスト等(JIS AD
C12等)の鋳物には、アルマイト仕上げができず、ア
ルマイト仕上げによる効果は望めない。
【0034】また、プラズマ溶射等の溶射手段で溶射物
質を溶融して吹き付ける方法や、粉体塗装のように粉体
を吹き付けてから焼成によって溶融する方法のみでは、
気孔の少ない緻密な硬質無機質層を形成することができ
ず300℃以上の高温調理を行った場合焦げ付き汚染性
に劣る。
【0035】プラズマ溶射手段や、粉体塗装により形成
された硬質無機質層の多孔質層(ポーラス層)の気孔を
封孔し、緻密な層にするには高い溶融温度、例えば、約
800〜1000℃、または、それ以上の温度が必要と
なり、調理面構造を構成する金属素材(母材)の耐熱性
が問題となる。
【0036】また、セラミック溶射法を用いて、厚さ3
0〜60μm程度の硬質無機質層を形成したが、形成さ
れた硬質無機質層は多孔質層(ポーラス層)であった。
【0037】低温で気孔の少ない緻密な硬質無機質層を
形成するには、ゾルゲル塗料のように液体塗料を用いる
ことが必要である。その場合、本実施例のようにセラミ
ック溶射硬質無機質層の表面を覆うようにゾルゲル塗料
を塗布する場合は、ゾルゲル塗料を塗布後および焼き付
けを行う過程でセラミック溶射硬質無機質層(ポーラス
層)より気泡が発生し、気孔の少ない緻密な硬質無機質
層を形成することができなくなる。そのため、セラミッ
ク溶射硬質無機質層の厚みは10〜20μmまでの厚み
に抑える必要がある。そして、上述するようにゾルゲル
塗料を用いれば、低温で、気孔の少ない緻密な硬質無機
質層をセラミック溶射硬質無機質層の上に形成すること
ができる。
【0038】また、プラズマ溶射等の溶射により形成さ
れる硬質無機質層の色は、金属酸化物の色になるが、本
発明に従えば、ゾルゲル塗料のゾル中に、例えば、Co
−Fe−Mn系複合酸化物等の黒色無機質顔料を混入す
ることにより、硬質無機質層を容易に黒色とすることが
できる。したがって、非粘着樹脂層が傷や剥がれを生
じ、硬質無機質層が露出しても黒色等にすることで、目
立ちにくく、また、焦げ等の後やしみ汚染等の後も目立
たない。
【0039】実用テストにおける金属へらに対する摩耗
テストでは、従来の技術に比べ本発明のものは2万回行
っても以上が認められず向上しており、また、300〜
350℃における高温での牛ステーキの調理テストを1
0回繰り返しても異常が認められなかった。
【0040】また、塗膜剥離強度をモース硬度計にて測
定すると従来の技術の高温加熱用調理機器の調理面構造
ではモース硬度3度に対して本発明の高温加熱用調理機
器の調理面構造ではモース硬度4度であった。
【0041】本実施例では、従来の技術以上の金属へら
に対する摩耗耐久性を兼ね備えながら、300〜350
℃の高温調理においても焦げ等の汚染に耐える強固な被
膜を有する高温加熱用調理機器の調理面構造を形成する
ことができた。その結果、混ぜる、切る、ひっくり返す
等の調理食品の加工作業が効率良くできることに加え従
来にない早いスピードでおいしい調理、仕上げ外観の良
い調理ができるという効果を奏する。
【0042】なお、本実施例では、表1に示すようにS
iO2系のゾルゲル塗料を用いた例を示したが、本発明
に従う高温加熱用調理機器の調理面構造を製造する際に
用いるゾルゲル塗料としては、SiO2系のゾルゲル塗
料以外のゾルゲル塗料として、チタニア(SiO2)系
ゾルゲル塗料、ジルコニア(ZrO2)系ゾルゲル塗料
や、アルミナ(Al23)系ゾルゲル塗料を好適に用い
ることができる。チタニア(TiO2)系ゾルゲル塗料
の主成分としては、例えば、チタンイソプロポキシド
(Ti[OC374)、ジルコニア(ZrO2)系ゾル
ゲル塗料の主成分としては、例えば、ジルコニウムイソ
プロポキシドのβ−ジケトン誘導体、またアルミナ(A
23)系ゾルゲル塗料の主成分としては、例えば、ア
ルミニウムイソプロポキシド(Ai[OCH(C
323)等を好適に用いることができる。
【0043】
【発明の効果】本発明の高温加熱用調理機器の調理面構
造は、請求項1に記載された調理面構造であれば、30
0℃以上、例えば、350℃での高温食品調理において
も、耐焦げ付き性、耐しみ付き汚染性能は確保しなが
ら、更に、従来の調理面構造に比べ金属へらに対する耐
傷付き性および耐剥離性を向上させることができる。
【0044】そして、請求項2に記載された調理面構造
であれば、セラミック溶射硬質無機質層の厚みを10〜
20μmにすることにより、気孔の少ない緻密な硬質無
機質層をセラミック溶射硬質無機質層の上に、安定して
形成することができる。
【0045】更に、請求項3に記載された調理面構造で
あれば、金属酸化物を主成分とした硬質無機質層を15
μm以上にすることにより、高温食品調理時の耐焦げ付
き性、耐しみ付き汚染性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高温加熱用調理機器の調理面構造の一
実施例を有するホットプレートを概略的に示す断面図で
ある。
【図2】本発明の一実施例に係る高温加熱用調理機器の
調理面構造を概略的に示す断面図である。
【図3】本発明の一実施例に係る高温加熱用調理機器の
調理面構造の金属素材(母材)の凹凸面の定量方法を示
した説明図である。
【図4】本発明の一実施例に係る高温加熱用調理機器の
調理面構造を概略的に示す拡大断面図である。
【図5】従来のホットプレートを概略的に示す断面図で
ある。
【図6】従来の高温加熱用調理機器の調理面構造を概略
的に示す断面図である。
【図7】従来の一例に係る高温加熱用調理機器の調理面
構造を概略的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 金属素材 1a 凹凸面 2 内表面 3 調理面構造 4 山部 5 谷部 6 セラミック溶射硬質無機質層 7 硬質無機質層(非晶質無機質層) 8 プライマー層 9 非粘着樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−341221(JP,A) 特開 平5−23253(JP,A) 特開 平6−145946(JP,A) 特開 平6−337117(JP,A) 特開 平7−177981(JP,A) 実開 平4−93030(JP,U) 実公 昭62−13794(JP,Y2) 実公 昭62−20274(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47J 36/02 A47J 37/06 311

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温加熱用調理機器の調理面に形成され
    る被膜であって調理面を構成する金属素材と、 該金属素材の調理面とすべき表面を少なくとも覆うよう
    に設けられたセラミック溶射硬質無機質層と、 該セラミック溶射硬質無機質層の表面を覆うように設け
    られ、かつ含水酸化物ゾルを脱水処理してゲルとし、こ
    のゲルを加熱して無機酸化物を被膜として、調整するた
    めの塗料を当該表面に塗布することにより形成された金
    属酸化物を主成分とする硬質無機質層と、 該硬質無機質層の表面を覆うように設けられた非粘着性
    樹脂層とを備える高温加熱用調理機器の調理面構造。
  2. 【請求項2】 前記セラミック溶射硬質無機質層の厚み
    を10〜20μmにしたことを特徴とする請求項1記載
    の高温加熱用調理機器の調理面構造。
  3. 【請求項3】 前記含水酸化物ゾルを脱水処理してゲル
    とし、このゲルを加熱して無機酸化物を被膜として、調
    整するための塗料を塗布することにより形成された金属
    酸化物を主成分とする硬質無機質層の厚みを15μm以
    上にしたことを特徴とする請求項1記載の高温加熱用調
    理機器の調理面構造。
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