JP2547657B2 - 高温調理機器用皮膜およびその製造方法 - Google Patents

高温調理機器用皮膜およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、一般に、電子レンジやオーブントースタ
等の加熱室の壁面、ホットプレートや調理鍋等の加熱調
理面等の基材の上に形成される皮膜の構造に関するもの
であり、より特定的には、食品油質が付着しても、油染
みが目立たないように改良された高温調理機器用皮膜に
関するものである。この発明は、さらにそのような高温
調理機器用皮膜の製造方法に関する。
[従来の技術] 第3図はオーブンレンジの斜視図であり、第4図は該
オーブンレンジに用いられている内箱の斜視図である。
これらの図を参照して、オーブンレンジ2は本体部4と
ドア6とからなる。本体部4には、内箱8が嵌込まれ
る。内箱8は、左右の側壁10,10′と天板12と底板14と
背板16と前板18とからなる。天板12には、天板12に設け
られたヒータ(図示せず)の熱を、内箱8内に導入する
ための複数個の孔が設けられてなる高温熱照射孔部20が
設けられている。
第5図は、電気ホットプレートの断面図である。電気
ホットプレート24は、プレート板26と蓋28とからなる。
プレート板26にはシーズヒータ30が埋め込まれている。
プレート板26はアルミニウム合金鋳造物ダイキャスト材
で形成されている。第4図および第5図を参照して、高
温調理機器の内箱8の壁面および電気ホットプレートの
プレート板26の調理面25には、耐熱性を有するステンレ
ス鋼板、ホーロー仕上げした鋼板あるいは4フッ化エチ
レン樹脂、PES樹脂、シリコン樹脂、ポリシロキサン樹
脂等の結合材と無機質顔料と、充填材とからなる耐熱性
高分子組成物またはセラミックが塗布された耐熱性金属
が使用されている。
ところで、高温高速の調理機器の開発においては、調
理食品の味をよくするために、また時間の有効利用を図
るために、調理時間を短縮するという要求がある。その
ため、食料品を高温下で処理する必要があり、第4図お
よび第5図を参照して、調理面25、オーブンの内箱の内
壁、ドア内面を高温耐熱性のものにする必要がある。し
かしながら、前述した従来のオーブンレンジおよび電気
ホットプレートでは、高温耐熱性の点において不十分で
あった。
そこで、本出願人会社は、すでに、ポリチタノカルボ
シランを結合材とする有機溶剤ワニス、耐熱性の金属酸
化物または複合酸化物からなる耐熱顔料、および塗料用
添加剤を含む塗料を、ホットプレートの調理面またはオ
ーブンレンジの内箱の壁面等に焼き付けて耐熱酸化性、
耐蝕性および清掃性の向上ならびに食品の焦げつき防止
を図る技術を開示した(以下、先行技術1という)。
また、これらをさらに改良するために、上記ポリチタ
ノカルボシランを結合材とした塗料と馴染みのよいフッ
素樹脂粉末を20%以下の配合量で添加した塗料を最上層
部に塗膜形成する技術を開示した(特願平1−104239
号:先行技術2という)。
またさらに、上記フッ素樹脂粉末を配合したポリチタ
ノカルボシランを結合材とした塗料を塗膜形成した上
に、さらにフッ素樹脂の薄膜状の非粘着性皮膜を最上層
部に形成した技術も開示した(特願平1−170308号:先
行技術3という)。
[発明が解決しようとする課題] 前述の先行技術1において、ポリチタノカルボシラン
を主成分とする塗料から形成された塗膜は、300〜320
℃、20分の焼付け条件で硬化焼結し、さらに温度を上昇
させると、約400℃からポリチタノカルボシランのポリ
マがセラミック化する。長時間加熱するか、または600
〜800℃の高温下にさらに加熱することにより、このポ
リチタノカルボシランポリマは完全にセラミック化す
る。こうして得られたセラミック質塗膜は高温耐熱性を
持つ点において、他に類を見ない。
しかしながら、このセラミック質塗膜を用いた調理機
器においても、以下に述べる問題点をあった。すなわ
ち、800℃の高温を出す赤外線ヒータを用いたオーブン
庫内においては、魚、牛肉、豚肉、鶏肉等の調理食品か
ら飛散する肉質と油質の点滴が塗膜に付着し、焦げ付い
て、炭化する。このときの壁面の温度が250℃以下であ
れば、また、300℃の加熱されても調理時間が30分以内
であれば、壁面に付着した固化物もすぐに剥がれ、清掃
性に何ら問題はない。
しかしながら、第4図を参照して、庫内温度を300℃
という高温にすると、一般壁面(側壁10,10′および背
板16)は280〜300℃の高温に加熱され、高温熱照射光部
20から出てくる800℃の熱線が照射される底面14は300℃
もの高温になる。また、温風を循環させ、庫内を300℃
にするコンベクション機能を有するオーブンレンジにお
いては、温風噴出し孔の近傍は約400〜450℃の高温にな
る。このような高温下において、塗膜に付着した油滴
は、付着性が非常に強力で、通常の清掃によってはなか
なかとれない。そこで、そのまま使用することになるの
であるが、7時間〜100時間も使用すると、付着した油
滴が固化し、炭化し、最後に灰化し、皮膜を浸食し、素
地面を露出させるという事態を引起こす。したがって、
このポリチタノカルボシランを主成分とする塗膜は、実
用上問題であった。
次に、先行技術2の問題点について説明する。第6図
は、先行技術2に開示された皮膜構造の断面図である。
第6図を参照して、32Aは高温調理機の調理面あるいは
加熱質壁面等の基材を表わしている。基材32Aの上に、
主成分であるポリチタノカルボシランがセラミック化し
てなるセラミック層34Aが形成されている。セラミック
層34A内には、顔料粒子36Aが埋め込まれている。セラミ
ック層34A上には、非粘着性を呈する樹脂を含む非粘着
性樹脂層38Aが形成されている。セラミック層34Aと非粘
着性樹脂層38Aとの界面において、非粘着性樹脂40Aとポ
リチタノカルボシランとの割合は上下に連続的に変化し
ている。すなわち、セラミック層34Aの上層部にいくに
つれて、非粘着性樹脂40Aの濃度は高くなり、セラミッ
ク層34Aの最上層部においては、非粘着性樹脂40Aの濃度
は100%になっている。しかし、現実には、量産ライン
で、第4図に示すオーブンあるいは第5図に示すホット
プレートを製造してみると、先行技術2のものはセラミ
ック層34Aの上に非粘着性の樹脂粉末を焼成するもので
あるため、第6図に示す構造のものに仕上げることは大
変難しく、ほとんどが、吹付け時の塗料の霧が二次的に
付着し、非粘着性樹脂40Aがセラミック層の最上層部に
浮上沈着していない。また、第6図に示すように仕上げ
ようとすると、塗料の十分量を吹付けて、膜厚を余分に
大きくし、光沢のある塗りが上がり面にしないとできな
い。ところが、このような厚膜の仕上げを行なうと、波
打ちや“タレ”を生じて、見苦しい外観になる恐れがあ
る。また、非粘着性樹脂40Aの濃度が最上層部で100%に
なっていても、塗料添加用の高温耐熱材料である、4フ
ッ化樹脂粉末は融点に達しても、流動性が悪く、粒子と
粒子の密接した微細空間を持っているため、高温の食品
焦げ付きによる非粘着性は十分といいがたい。
次に、先行技術3の問題点について説明する。第7図
は、先行技術3に開示されている皮膜構造の断面図であ
る。第7図を参照して、Eは、高温調理機器の調理面あ
るいは加熱室壁面等の基材を表わしている。基材Hの上
に、主成分でありポリチタノカルボシランと顔料粒子と
フッ素樹脂粉末を含む塗料がセラミック化してなるセラ
ミック層Aが形成されている。セラミック層Aの上にフ
ッ素樹脂層Cが形成されている。フッ素樹脂層Cは、セ
ラミック層Aの上に、ディスパージョン系のフッ素樹脂
の液状塗料を霜降り状または薄く連続して塗布し、焼付
けて形成する。
また、この先行技術3には、第8図に示す皮膜構造も
開示されている。すなわち、基材Eの上に、主成分であ
るポリチタノカルボシランと顔料粒子がセラミック化し
てなるセラミック層Dが形成されている。セラミック層
Dの上に、主成分であるポリチタノカルボシラン、顔料
粒子、フッ素樹脂粉末がセラミック化してなるセラミッ
ク層Aが形成されている。セラミック層Aの上にフッ素
樹脂層Cが形成されている。
先行技術3において、以上のように構成される高温調
理機器用皮膜は、ポリチタノカルボシランの持つ高温耐
熱性という優秀な特徴を保持しつつ、非粘着性をも有す
る。したがって、この皮膜は、完全な長期耐久性を有す
る非粘着性を有するとともに、セラミック皮膜への、汚
染物質の浸透による染色を防ぐ皮膜構造になっている。
しかしながら、量産を行なって、製品にした電子レンジ
のオーブンは、実際の、豚肉、牛肉、鶏肉等を調理して
みると、油分の付着または焦げ付き付着面の面におい
て、一様、良好な結果が得られる。しかしながら、よく
見ると、清掃後に残る油脂分の付着跡がセラミック層A
に染込んでおり、見る角度によっては、油染み跡が顕著
に立つという問題があり、もう一歩のところで、十分で
ない。
この発明は、上記のような問題点を解決するためにな
されたもので、ポリチタノカルボシランの持つ高温耐熱
性とフッ素樹脂膜の持つ非粘着性という特徴を保持しつ
つ、かつ、上記油染み跡が目立たないように改良され
た、高温調理機器用皮膜およびその製造方法を提供する
ことを目的とする。
[課題を解決するための手段] この発明に従う高温調理機器用皮膜は、高温調理機器
の調理面あるいは加熱室壁面等の基材の上に形成される
ものである。当該皮膜は、主成分であるポリチタノカル
ボシランワニス、耐熱顔料およびフッ素樹脂を含む黒色
塗料が前記基材上に塗布され、セラミック化したセラミ
ック層を備えている。上記セラミック層の上には、上記
セラミック層と異なる色調を有する凹凸層が斑点模様状
に形成されている。上記凹凸層を覆うように、上記セラ
ミック層の上にフッ素樹脂層が形成されている。
この発明の他の局面に従う高温調理機器用皮膜の製造
方法においては、まず、基材の上に主成分であるポリチ
タノカルボシランワニス、耐熱顔料およびフッ素樹脂を
含む黒色塗料を塗布し、その後これをセラミック化する
ことによって、セラミック層を形成する。上記セラミッ
ク層の上に、上記セラミック層と異なる色調を有する斑
点模様の凹凸層を形成する。上記凹凸層を覆うように、
上記セラミック層の上にフッ素樹脂層を形成する。
[作用] この発明に係る高温調理機器用皮膜によれば、黒色セ
ラミック層の上に、該黒色セラミック層と異なる色調を
有する斑点模様状の凹凸層が形成されているので、調理
済み後、食品油質が付着しても、光干渉現象によって、
油染みが目立たなくなる。
この発明に係る高温調理機器用皮膜の製造方法によれ
ば、黒色セラミック層の上に、該黒色セラミック層と異
なる色調を有する斑点模様の凹凸層を形成される。それ
ゆえに、調理済み後、食品油質が付着しても、光干渉現
象によって、油染みが目立たない高温調理機器用皮膜が
得られる。
[実施例] 以下、本発明の一実施例を図について説明する。
第1図は、この発明の一実施例に係る高温調理機器用
皮膜の断面図である。第1図を参照して、基材Eの上に
塗料Dが10〜20ミクロン仕上げになるように、スプレー
塗布される。基材Eには、予め、脱脂、錆落とし、化成
処理、サンドブラスト等の前処理を行なったアルミニウ
ムメッキ鋼板、13あるいは18Cr系のステンレス鋼板が用
いられた。
塗料Pとしては、ポリチタノカルボシラン(たとえ
ば、宇部興産株式会社製のチラノコート)を結合材とし
た有機溶剤ワニスに、高温に耐えるFe,Co,Mn,Cr等の金
属酸化物または複合酸化物の有機顔料、増粘剤、シリコ
ンオイルおよび有機溶剤を混合してなるものを使用し
た。塗料Dの一般的な配合割合を次にまとめる。
チラノコートを含む有機溶剤ワニス:20〜30部 耐熱顔料:30〜40部 分散剤とオイル:1〜2部 溶剤:30〜40部 なお、上記配合割合において、塗料の比重が1.1〜1.
8,塗料の不揮発分が55〜60%になるように配合されるの
が好ましい。また、塗料の色は、耐熱顔料および添加剤
を厳選して、真っ黒に近い黒色がよい。
次に、D層の上に塗料Aが10〜20ミクロン仕上げにな
るように、スプレー塗布される。塗料Aには、上記塗料
Dの配合割合に追加して、フッ素樹脂粉末(ヘキストジ
ャパン株式会社製のホスタフロン#9205)と15±5部添
加混合した、白味のない黒色塗料が好ましい。このA層
を室温乾燥あるいは強制乾燥し、有機溶剤を揮発させ、
あるいは半焼成状態にする。A層の上に、塗料Bがツブ
ツブ斑点状に、石目模様(皮シボ模様)になるようにス
プレー塗布される。塗布Bとしては、塗料Aにマイカ粉
顔料を2%の範囲内で添加混合したものを使用した。塗
料Bは、これに限られるものでなく、これに類する層間
密着性と高温耐熱性を有する塗料なら、いずれも使用で
きる。
次に、150℃20分の予備乾燥後、あるいは、室温乾燥
後、ディスパージョン型4フッ化エチレン樹脂のフッ素
樹脂の液状塗料C(たとえば、ダイキ工業株式会社の商
標“シルクウェア”黒色系:品番EK−4609DK)を薄く、
霜降り状あるいは薄く連続して塗布し、室温乾燥あるい
は150℃20分の予備乾燥を経て、380〜420℃の温度で10
〜20分間焼結する。すると、第1図に示す断面構造を有
する、塗膜が形成される。なお、上記実施例ではD層を
形成した場合について説明したが、このD層を省略した
構造であっても、よい。
次に、上述のような構造を有する皮膜を、従来の皮膜
に比べて、油染みが目立ちにくくなるようにするための
留意点について説明する。
まず、第1点は、チラノコートを含む有機溶剤ワニス
および耐熱顔料を主成分とするD塗料とA塗料が、従来
塗料に比べて、著しく黒色のものとされ、高温になって
も白化しない組成にされていることである。すなわち、
従来の顔料は、熱で白化しやすいチタン酸アルミ、Mn−
Fe−Cuの複合酸化物の顔料を用いたのに対して、実施例
においては、熱変色のしない顔料(チタン酸アルミおよ
びCuを含まない複合酸化物の顔料)にし、さらに、顔料
の配合とチラノコートバインダの最適配合量を求めて、
黒色仕上がりのD層,A層にした点である。
第2の点は、D層およびA層が緻密で平滑な面に仕上
がるように、塗料粒度を微細化し、かつB層のツブツブ
仕上げの状態と色調を選定した点である。実施例では、
B層として、A層の色調よりやや色差のある、白味がか
ったセラミック塗料(チラノコート)またはフッ素樹脂
塗料が選ばれた。
そして、最適の条件下でA層を形成し、さらに、最適
に選ばれた条件下でツブツブ斑点模様のB層を形成する
ことによって、油染みを目立なくすることができる。す
なわち、付着した食品の油脂分がセラミック層Aに染込
んでも、その染み跡はA層の黒色とB層のツブツブ斑点
による光干渉現象によって、見た目に染み跡が見えなく
なる。その結果、油染みが目立たなくなる。
次に、本発明を第3図および第4図に示すオーブンレ
ンジに適用して、適切な塗布方法、ディスパージョン型
フッ素樹脂塗料の積層手順、焼成条件をもとめた。内箱
8の左右の側壁10,10′、底板14、背板16、前板18およ
び前板18と接触するドア6の裏面22には、250〜450℃の
範囲の温度に耐え得るように、アルミニウムメッキ鋼板
あるいはSUS430,SUS410,SUS304のステンレス鋼板が用い
られた。天板12にはヒータが設けられており(図示せ
ず)、その最大温度が800℃にもなるので、天板12には
耐熱性のSUS444等のステンレス鋼板が使用された。
実施例1 第5図および第6図を参照して、まず、塗料Dでオー
ブン8の天板12、底板14、背板16、左右側壁10,10′の
内表面と前板18の表面に、10〜20ミクロンの仕上がり皮
膜厚みになるように塗装吹付けを行なう。次に、塗料A
を用いて、天板12以外の部分、すなわち底板14、背板1
6、左右側壁10,10′および前板18に、10〜20ミクロンの
皮膜厚みになるように、吹付け塗装を行なう。天板12は
800℃のヒータが取付けられるため、塗料Dを用いて、
第2図に示すような、1コート仕上げにする。これによ
り、800℃までの耐熱性を有する、耐久性のある塗膜が
堅持できる。次に、天板12を除いた面に、塗料Bを用い
て、第2図に示すように、まばらに分散されたツブツブ
状の斑点模様仕上げを行なう。さらに、天板12を除いた
面に、塗料Cを用いて霜降り状もしくは薄い連続した膜
になるように、吹付け仕上げを行なう。その後、150
℃、10〜15分の予備乾燥後、380〜420℃,10〜20分の焼
成を行ない、セラミック化とフッ素樹脂の塗膜化を行な
って、仕上げとする。なお、背板16の外側に熱風を循環
させるためのヒータが配設される場合には、背板16の温
度が400℃を超えるので、そのような場合には塗料Cの
コーティングは行なわない。上述の工程で、特に注意を
しなければならない点は、塗料Bのツブツブ状に分散し
た皮膜が、大きい斑点あるいは小さい斑点にならないよ
うに、また、量が多すぎたり、少なすぎたりしないよう
に、すなわち、適性なパターン見本になるように吹付け
量および吹付けパターンを調節する点である。塗料Dの
斑点が少なかったり、多すぎて白化すると、油染みが目
立ちやすくなるので、注意して仕上げる必要がある。
なお、上述の塗料Dに白色顔料を配合した塗料を用い
て、斑点模様に仕上げても、実施例と同様の効果を実現
する。
また、塗料Bに、塗料Cと同一のフッ素樹脂塗料を用い
て、斑点仕上げを行なっても実施例と同様の効果を実現
する。
実施例3 第5図に示すホットプレートの場合には、実施例14の
工程とは異なり、800℃以上の耐熱性が要求される天板
および400℃以上の耐熱性が要求される背板がないた
め、基材上に塗料D→塗料A→塗料B→塗料Cのコーテ
ィングを行なって、実施例1と同じ乾燥、焼成を行なっ
て仕上げる。
[発明の効果] 以上説明したとおり、この発明に係る高温調理機器用
皮膜によれば、黒色セラミック層の上に、該セラミック
層と異なる色調を有する斑点模様状の凹凸層が形成され
ているので、調理済み後、食品油質が付着しても、光干
渉現象によって、油染みが目立たなくなるという効果を
奏する。
また、この発明に係る高温調理機器用皮膜の製造方法
によれば、黒色セラミック層の上に、この黒色セラミッ
ク層と異なる色調を有する斑点模様の凹凸層が形成され
る。それゆえに、調理済み後、食品油質が付着しても、
光干渉現象によって油染みが目立たない、高温調理機器
用皮膜が得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施例に係る高温調理機器用皮
膜の断面図である。第2図は、この発明が適用されるオ
ーブンレンジの天板に形成される皮膜の断面図である。
第3図は、オーブンレンジの斜視図である。第4図は、
オーブンレンジに嵌込まれる内箱の斜視図である。第5
図は、電気ホットプレートの断面図である。第6図は、
本発明に関連のある先行技術に開示されている皮膜構造
の断面図である。第7図および第8図は、本発明に関連
のある他の先行技術に開示されている皮膜構造の断面図
である。 図において、2はオーブンレンジ、6はドア、10は側
壁、12は天板、14は底板、16は背板、18は前板、22はド
アの裏面、24は電気ホットプレート、25は調理面、Aは
黒色セラミック層、Bは斑点模様の凹凸層、Cはフッ素
樹脂層、Eは基材である。 なお、各図中、同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高温調理機器の調理面あるいは加熱室壁面
    等の基材の上に形成される皮膜であって、 主成分であるポリチタノカルボシランワニス、耐熱顔料
    およびフッ素樹脂を含む黒色塗料が前記基材上に塗布さ
    れ、セラミック化したセラミック層と、 前記セラミック層の上に、斑点模様状に形成され、前記
    セラミック層と異なる色調を有する凹凸層と、 前記凹凸層を覆うように前記セラミック層の上に形成さ
    れたフッ素樹脂皮膜と、 を備える高温調理機器用皮膜。
  2. 【請求項2】基材の上に、主成分であるポリチタノカル
    ボシランワニス、耐熱顔料およびフッ素樹脂を含む黒色
    塗料を塗布し、その後これをセラッミック化することに
    よって前記基材の上にセラミック層を形成する工程と、 前記セラミック層の上に、前記セラミック層と異なる色
    調を有する斑点模様の凹凸層を形成する工程と、 前記凹凸層を覆うように、前記セラミック層の上にフッ
    素樹脂層を形成する工程と、 を備えた高温調理機器用皮膜の製造方法。
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