JP2002364762A - 切換弁および樹脂製部品 - Google Patents
切換弁および樹脂製部品Info
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- F25—REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
- F25B—REFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
- F25B41/00—Fluid-circulation arrangements
- F25B41/20—Disposition of valves, e.g. of on-off valves or flow control valves
- F25B41/26—Disposition of valves, e.g. of on-off valves or flow control valves of fluid flow reversing valves
Abstract
条件での運転においても、変形、破壊しない切換弁であ
り、冷媒および添加剤が含有された冷凍機油に対しても
十分な耐性を有して強度やシール性を維持することので
きるヒートポンプの切換弁および樹脂製部品を提供す
る。 【解決手段】 スライド弁をヒートポンプの流体圧で動
作させる切換弁において、そのスライド弁がポリエーテ
ルケトン系樹脂組成物の成形体であリ、また、該ポリエ
ーテルケトン系樹脂組成物が、樹脂組成物全体に対し
て、フッ素系樹脂を3〜35 重量%含み、また、該ポリエ
ーテルケトン系樹脂組成物が、炭素繊維、マイカ、タル
ク、黒鉛、およびウィスカの中から選ばれる少なくとも
1種をさらに含む。
Description
製部品に関するものであり、特にフロンガス代替冷媒を
使用した冷凍サイクルを有する冷凍機、空調機等のヒー
トポンプシステムにおいて使用される流体の移動方向を
切換えるための多方向弁式の切換弁および樹脂製部品に
関する。
タやマイクロプロセッサによるサイクル制御により機能
性が向上し、他の暖房機器に比べて安全性、清浄性に優
れていることから冷暖房兼用機器としてその地位を確立
しつつある。また、より一層の高機能化、高効率化が図
られ、暖房機器としてはより高温での連続運転が行なわ
れるようになってきているため、このヒートポンプシス
テムでの切換弁は、シール性を長期間維持できるなどの
耐久性が要求されるようになっている。
換弁は、電磁的に駆動されるパイロットバルブによっ
て、複数のポートにそれぞれ所要圧力の流体を導入し、
その流体圧力によってスライド弁を有する切換弁を駆動
し、複数の流体移送パイプの導通と遮断を行なうもので
あり、図1および図2を利用して以下にその構造を説明
する。図1はヒートポンプシステムの概念図であり、図
2は切換弁22の一部断面図である。冷房運転では、圧
縮機21により圧縮された冷媒は切換弁22を介して室
外熱交換器23に送られる。室外熱交換器23にて放熱
した冷媒は、絞り機構24を通過することにより体積膨
張とともに、さらに冷却される。この冷媒は室内熱交換
器25で室内の冷房に使われた後切換弁22を介し圧縮
機21に送られる。暖房運転では、圧縮機21より送り
出された冷媒は切換弁22を介し室内熱交換器25に送
られ、室内の暖房に使われた後、室外熱交換器23に送
られる。上記のように切換弁22は冷房と暖房での圧縮
機21より送り出された冷媒の流れ方向を切換えるため
のものである。なお、図1中の切換弁22は冷房運転を
表している。図2に示す構造の切換弁におけるパイロッ
トバルブBは、電磁コイル16と、その磁界により駆動
されるプランジャ17および磁界が消失した場合にプラ
ンジャ17を元の位置に復帰させるためのスプリング1
8とから構成されている。
は、プランジャ17が左側に寄っていて、弁部17aは
ポート5を開放し、高圧流体を流入させるポート2と導
通している。この場合、弁本体Aの右側の弁室9aが高
圧となり、スライド弁1(バルブスライドとも称され
る)はその取付け部材と一体の隔壁19と20とともに
左側に移動し、パイプ6とパイプ7とを導通する。な
お、弁本体Aには、流体流入管10から高圧の熱媒体
(流体)が流入する。ついで、電磁コイル16に通電
し、プランジャ17が矢印の方向にスプリング18に抗
して吸引されると、弁部17aがポート3を開放して高
圧流体のポート2と導通され、またポート5と低圧側の
ポート4とが導通する。すると、弁本体Aの右側の弁室
9aの高圧流体は低圧側ポート4から流出して低圧とな
り、ポート3がポート2と導通するので、高圧流体が弁
室9b内に流入して高圧部を形成し、スライド弁1は隔
壁19と20とともに右端に移動してパイプ7とパイプ
8とを導通する。
流体流入管10の流入口と複数本の流体移送バイプ6、
7、8の流体流出入口が設けられている。そして、この
ような弁本体Aでは、スライド弁1の弁座に対する摺接
面12と弁室9c内に開口している流体の出入口6a、
7a、8aとを有する弁座11の表面と気密的に接触し
ながら図2に示す矢印の方向に左右に摺動する。このよ
うな切換弁Aは、高価な熱媒体をスライド弁1を摺動さ
せながら所定の入口から所定の出口に流動するように切
換えて、エネルギーを制御するものであるから、熱媒体
(冷媒或いは熱媒のいずれであってもよい)が当該シス
テムから漏洩しないように構成される必要があり、その
ためにスライド弁1の摺接面12と弁座11の表面とを
極めて気密に接触させている。
脂、セラミック、樹脂シートと金属製部品の複合材料な
どが使用されている。また、少なくとも摺動面がポリア
リーレンスルフィド系樹脂とポリテトラフルオロエチレ
ン樹脂および芳香族ポリエステル樹脂とが混合されて成
形された樹脂体とから構成されるスライド弁が知られて
いる(特開平5−60254)。一方、近年、一般的に
冷媒として使用されてきたフロン系冷媒が、オゾン層破
壊等の環境問題により、代替冷媒の開発が進められてお
り、二酸化炭素や炭化水素系ガス、アンモニアなどが冷
媒に使用され始めている。
イクルにおける圧縮機の信頼性の向上、システム構成部
品の耐熱性、耐久性の向上を図るために、スライド弁
は、従来 100〜120℃程度の使用温度であったが、冷媒
等の変更や効率向上のため、より高圧、高温になり、温
度は 150〜200℃程度といったより高温での使用にな
り、このような使用環境でも、十分な強度やシール性を
維持する必要が生じた。さらに昨今の環境問題から、代
替冷媒に移行するまでの新冷媒やオゾン層を破壊しない
代替冷媒が使用されており、これらの冷媒では、従来の
フロン系冷媒に比べ冷凍効率が劣るため、非常に高圧な
状態(従来の 1.5 倍から 4 倍程度)での使用になり、
従来のスライド弁では強度不足になり、スライド弁の変
形や破壊といった不具合が生じている。ここでいう新冷
媒としてはR407C、R410等のフッ素系の冷媒で
あリ、代替冷媒とは、ハロゲンを含まない二酸化炭素、
炭化水素系ガス、アンモニア等の冷媒である。
機油に各種の添加剤を加えて回転部分の焼き付きを防止
しており、切換弁の構成部品は冷凍機油添加剤(例え
ば、流動点調整、抗乳化性、熱安定性、および電気絶縁
性を高めるための周知の添加剤であり、特に極圧添加
剤)に耐える素材で形成する必要性も生じた。特に、熱
媒体における添加剤は、ヒートポンプ内の水分によって
高温状態の運転中に加水分解し、フェノールまたはクレ
ゾールを生成する。これらはナイロン樹脂などの合成樹
脂製のスライド弁を溶解可能な有機溶剤であって、これ
に接したナイロン樹脂は膨張し、スライド弁の摺動面に
凹凸または泡状面(発泡)を形成して気密性の摺動を困
難にする。
環境下において、耐熱耐久性に劣るという問題があっ
た。例えば、表面に微小な発泡が生じるいわゆるブリス
ター現象などによりシール性を維持することが困難にな
ったり、高温高圧下での強度の低下などが生じやすく耐
久性が劣ったりするなどの問題があった。
性に劣るため、切換時の衝撃により割れたり欠けが生じ
たりするおそれがあり、しかも弾力性がないのでスライ
ド弁および弁座の摺接面を精密に仕上加工する必要があ
り、製造コストの上昇を招くという問題があった。さら
に、複合材料製スライド弁は、熱膨張係数の違いによる
接合面での剥離などが生じる問題があった。
になされたもので、耐熱性に優れ、フロンガス代替冷媒
等の高圧条件での運転においても、変形、破壊しない切
換弁であり、冷媒および添加剤が含有された冷凍機油に
対しても十分な耐性を有して強度やシール性を維持する
ことができるヒートポンプの切換弁および樹脂製部品を
提供することを目的とする。
ヒートポンプの流体圧で動作させる切換弁において、そ
のスライド弁がポリエーテルケトン系樹脂組成物の成形
体であることを特徴とする。また、該ポリエーテルケト
ン系樹脂組成物が、樹脂組成物全体に対して、フッ素系
樹脂を 3〜35 重量%含むことを特徴とする。また、該
ポリエーテルケトン系樹脂組成物が、炭素繊維、マイ
カ、タルク、黒鉛、およびウィスカの中から選ばれる少
なくとも1種をさらに含むことを特徴とする。
式の切換弁であることを特徴とする。また、上記ヒート
ポンプは、フロンガス代替冷媒を使用した冷凍サイクル
で使用されることを特徴とする。
使用され、かつ樹脂組成物を成形してなリ、該冷凍サイ
クルはフロンガス代替冷媒を使用した冷凍サイクルであ
り、上記樹脂組成物は、樹脂組成物全体に対して、フッ
素系樹脂を 3〜35 重量%含むポリエーテルケトン系樹
脂組成物であることを特徴とする。
樹脂組成物から形成されるスライド弁を使用するので、
150〜200℃程度の高温でも十分な強度やシール性を維持
することができるとともに、冷媒および添加剤が含有さ
れた冷凍機油に対しても十分な耐性を有する。また、本
発明の樹脂製部品は、このスライド弁と同じ組成を有す
るので、上述のスライド弁や冷凍サイクル内の摺動部材
や他の部品として使用することができる。ここで、冷凍
サイクルとは、冷凍機油共存下において冷媒が圧縮、凝
縮、膨張、蒸発を繰り返し、熱の移動を行なう系をい
う。
ケトン系樹脂組成物は、ポリエーテルケトン系樹脂(以
下、PEKと略称する)に配合剤が配合された樹脂組成
物であり、PEKは、芳香族基がエーテル結合とケトン
結合で連結された構造を有する樹脂をいい、その繰り返
し単位を化1に示す。またはそのような繰り返し単位と
ともに、例えば化2の式にそれぞれ示した繰り返し単位
をPEK本来の特性を失わないように重合させた共重合
体である。
を以下に列記する。また、PEKは、例えば特開昭S4-9
0265等に記載されている方法で作製できる。
PEEK450Pの商品名で市販されているPEKであ
る。
品名で市販されているPEKである。
ASF社商品名UItrapekA2000で市販され
ているPEKである。
は、該成形体の曲げ弾性率が 2500〜15000MPa であるこ
とが好ましい。曲げ弾性率が 2500MPa 未満であると、
スライド弁の摺動面がクリープ変形したり、スライド弁
自体が圧縮圧力により破壊したりするため、切換え動作
が困難になったり、冷媒がリークしたりする。また 150
00MPa をこえると、気密的シール性が保てずヒートポン
プシステムの能力が低下する。
限定されることなく射出成形可能なフッ素樹脂を含め
て、以下に示す種々のフッ素系樹脂が挙げられる。例え
ば、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(以下、PTFE
と略称する)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体樹脂(以下、PFAと
略称する)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロ
プロピレン共重合体樹脂(以下、FEPと略称する)、
ポリクロロトリフルオロエチレン共重合体樹脂、テトラ
フルオロエチレン−エチレン共重合体樹脂、クロロトリ
フルオロエチレン−エチレン共重合体樹脂、ポリビニリ
デンフルオライド樹脂、ポリビニルフルオライド樹脂、
テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−
パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂等を
挙げることができる。また、上述のフッ素系樹脂を構成
するモノマーを、例えば 1:10〜10:1 のモル比で共重
合させた共重合体や3元共重合体などの固体潤滑特性を
示すフッ素化ポリオレフィン樹脂であってもよい。
高く、耐熱特性に優れているパーフルオロ系のPTF
E、PFA、FEP等がスライド弁などを製造する過程
での熱に耐えるため好ましい。例えば、PFA、FEP
の溶融粘度は、約 380℃においてそれぞれ 103〜104Pa
・s 、約 4×104〜105Pa・s であり、またPTFEの溶
融粘度は、約 340〜380℃において約 1010〜1011Pa・s
である。本発明に使用できるフッ素系樹脂は、約 340〜
380℃において約 103〜1011Pa・s 程度の溶融粘度を有
するフッ素系樹脂が好ましい。
〜370℃)よりも 60〜100℃以上熱分解点が高いので好
ましい。このPTFEは、テトラフルオロエチレンの重
合体であり成形用の粉末であっても、また、いわゆる固
体潤滑用の微粉末であってもよい。PTFEは、再生P
TFE粉末であっても使用できる。再生PTFE粉末と
は、バージン材を一度焼成した後、粉砕して得られる粉
末であり、このものは繊維状になり難い性質を有してお
り、配合した樹脂組成物を良好な溶融粘度に維持するの
で、成形性を改善する優れた添加剤であり特に好まし
い。フッ素系樹脂としては、例えばテフロン7J、34
0J(いずれも三井デュポンフロロケミカル社製商品
名)、テフゼル200(三井フロロケミカル社製商品
名)、フルオンG163、L169、PFA−P63
(いずれも旭硝子社製商品名)、ポリフロンM12、ル
ブロンL5(いずれもダイキン工業社製商品名)、KT
L610、KT400H(いずれも喜多村社製商品名)
などが例示できる。
に限定することなく用いることができるが、粒状で粒径
が 70μm 以下、好ましくは 1〜50μm の粒径が樹脂組
成を均一にするため好ましい。
全体に対して、フッ素系樹脂を 3〜35 重量%配合する
ことが好ましい。特に好ましい配合量としては、15〜25
重量%が強度、摺動性、シール性の観点から望まし
い。フッ素系樹脂をこの範囲内で配合することにより、
スライド弁の駆動が低トルクとなり、良好な切換え動作
が得られる。フッ素系樹脂が 35 重量%をこえると、所
定の強度、弾性率が得られず、スライド弁の強度不足に
より使用時の高圧のため変形や破壊が生じ、シール性を
保てなくなるおそれがある。
黒鉛、ウィスカを、それぞれ単独で、あるいは混合物と
してPEK組成物に配合することが好ましい。曲げ強
さ、曲げ弾性率を向上させるのに、特に好ましくは炭素
繊維である。配合割合は、PEK組成物全体に対して、
3〜40 重量%、好ましくは 10〜20重量%配合すること
が好ましい。3 重量%未満では、曲げ弾性率の向上効果
が得られず、スライド材としての弾性率も得られず、ス
ライド材の変形や破壊が発生しバルブとしての機能をは
たさない。また、40 重量%をこえて配合すると曲げ弾
性率が 15000MPa をこえ、スライド材としてシール性が
著しく悪化し冷凍効率が低下するため好ましくない。ま
た、特に 10〜20 重量%配合することにより、シール性
が向上する。
N系およびピッチ系のどちらでもよく、曲げ強さ、曲げ
弾性率の向上効果からPAN系が特に好ましい。PAN
系炭素繊維の市販品としては東邦レーヨン社製ベスファ
イトCMF0160NS等があげられる。また、ピッチ
系炭素繊維の市販品としては、クレハ社製M107T等
が挙げられる。
限定することなく一般市販品を使用できる。市販品とし
てはS325(カナダマイカ社製)が挙げられる。ま
た、タルクも一般市販品を使用できる。市販品としては
クラウンタルクPP(松村産業社製)が挙げられる。ま
た、黒鉛としては、天然品、人造品のどちらでも限定す
ることなく、一般的に市販されている黒鉛が使用でき、
市販品としてはACP(日本黒鉛社製)が挙げられる。
く、チタン酸カリウムウィスカ、チタン酸バリウムウィ
スカ、酸化チタンウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、ホウ酸
アルミニウムウィスカー、硫酸カルシウムウィスカ、硫
酸マグネシウムウィスカ、短繊維状合成ケイ酸カルシウ
ム水和物ウィスカ、炭酸カルシウムウィスカ等を単独あ
るいは混合物として使用できる。チタン酸カリウムウィ
スカの市販品としては、大塚化学社製ティスモN等が挙
げられる。
脱しない範囲において水酸化マグネシウム、水酸化アル
ミニウム、三酸化アンチモン等の無機難燃剤、ハロゲン
系、リン系等の有機難燃剤、酸化防止剤、紫外線防止
剤、滑剤、分散剤、カップリング剤、発泡剤、架橋剤、
着色剤、可塑剤等の添加剤を添加することができる。
用することにより、少なくとも二方向以上の多方向切換
弁として応用することができる。また、本発明に係る樹
脂製部品は、上述のスライド弁として使用することがで
きる。また耐熱耐冷媒性に優れているため、スライド弁
以外にも冷凍サイクル内での樹脂部品に使用できる。本
発明の切換弁、樹脂製部品は、フロンガス代替冷媒等の
高圧条件での運転においても、変形、破壊しない機械的
強度を有している。また、フロンガス代替冷媒および添
加剤が含有された冷凍機油を用いた冷凍サイクルにおい
ても、耐薬品性に優れ、ブリスター現象や抽出物の発生
等がみられない。ここで、フロンガス代替冷媒とは、分
子内にフッ素、塩素などのハロゲン原子を含まない冷媒
をいう。具体的には、二酸化炭素ガス、炭化水素系ガ
ス、アンモニアガス等を例示できる。
に説明する。[ ]内は表1に記載した略号を示す。 (1)ポリエーテルケトン樹脂[PEK]:PEK22
0G(ビクトレックス社製商品名) (2)ポリエーテルエーテルケトン樹脂[PEEK]:
PEEK450P(ビクトレックス社製商品名) (3)ポリフェニレンサルファイド樹脂[PPS]:T
4AG(トープレン社製商品名) (4)テトラフルオロエチレン樹脂[PTFE]:KT
L610(喜多村社製商品名) (5)炭素繊維[CF]:ベスファイトCMF0160
NS(東邦レーヨン製商品名) (6)タルク[タルク]:クラウンタルクPP(松村産
業社製商品名) (7)マイカ[マイカ]:S325(カナダマイカ社製
商品名) (8)ウィスカ[ウィスカ]:チタン酸カリウムウィス
カ、ティスモ−N(大塚化学社製商品名) (9)黒鉛[黒鉛]:ACP(日本黒鉛社製商品名) これらの材料を表1に示した割合で配合し、二軸押出機
を用いてペレット状に造粒し、射出成形で図3および図
4に示したスライド弁(家庭用エアコン 7kw相当品)を
形成した。図3および図4に示すように、スライド弁1
は、弁座に対する摺接面12を有する本体13より構成
されている。なお、14は流体通路を、15は溝をそれ
ぞれ示す。
(ASTM D638)を測定するとともに、以下に示
す実機耐久試験および高温耐圧試験を行なった。
にスライド弁を取り付け 150℃、4MPa の条件のもと
で、初期および耐久運転( 20,000 回往復運動)後のス
ライド弁のシール性、外観調査として変形の有無、発泡
およびクラックの有無を調査した。
にスライド弁を取り付け、温度 170℃にて、5MPa の圧
力をかけ、2 時間放置し破壊や変形の有無を確認した。
結果を表1に示す。
例9は、いずれも外観に異常は認められず、シール性に
問題はなく、高温圧縮破壊試験においても変形はみられ
なかった。充填材の配合していない比較例1では、摺動
性不良により、摺動面が摩耗し耐久試験後にリークが発
生した。炭素繊維のみを配合した比較例2では曲げ弾性
率が高くシール性が初期から悪くリークが大きかった。
フッ素樹脂が所定量以上配合されている比較例3は、曲
げ弾性率が低いため、耐久試験後に変形がみられ、リー
クが若干みられた。また高温圧縮破壊試験では破壊が起
こった。PPS樹脂に炭素繊維を配合した比較例4で
は、高温での曲げ弾性率は低下しているとかんがえられ
たが、シール性を発揮するまでの曲げ弾性率まで低下し
ておらず、シール性が初期から悪くリークが大きかっ
た。また、高温圧縮破壊試験では変形が見られた。PP
S樹脂にPTFEを配合した比較例5では、初期のシー
ル性は良好であったが、耐久試験中には変形しリークが
発生した。また、充填材を所定量以上に配合した比較例
6、比較例7は成形性が悪く均一な成形体が得られなか
った。
したスライド弁を使用するので、耐熱性、耐圧性、摺動
性に優れ、かつ各種の添加剤が添加された冷凍機油に対
して耐久性を有する。その結果、長期間高温下で連続運
転が可能となる。また、フッ素系樹脂、炭素繊維、タル
ク、マイカ、黒鉛、ウィスカ等の充填材を含むPEK組
成物を用いるので、特に摺動性が向上し、切換弁の耐久
性がより向上する。また、耐変形性が向上するため高温
高圧での使用に際し、リーク等の問題を起こすこともな
い。フッ素系樹脂の配合比率を 3〜35 重量%とするの
で、上述の特性がより向上する。また、切換弁は上述の
スライド弁を用いた二方向以上の多方向切換弁であるの
で、冷暖房能力に優れた空調機が得られる。
使用され、かつ上記樹脂組成物の成形体であるので、冷
凍サイクル内で使用されても耐熱耐久性を有する。
Claims (6)
- 【請求項1】 スライド弁をヒートポンプの流体圧で動
作させる切換弁において、前記スライド弁はポリエーテ
ルケトン系樹脂組成物の成形体であることを特徴とする
切換弁。 - 【請求項2】 前記ポリエーテルケトン系樹脂組成物
が、樹脂組成物全体に対して、フッ素系樹脂を 3〜35
重量%含むことを特徴とする請求項1記載の切換弁。 - 【請求項3】 前記ポリエーテルケトン系樹脂組成物
が、炭素繊維、マイカ、タルク、黒鉛、およびウィスカ
の中から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とす
る請求項2記載の切換弁。 - 【請求項4】 前記切換弁が二方向以上の多方向弁式の
切換弁であることを特徴とする請求項1、請求項2、ま
たは請求項3のいずれか1項記載の切換弁。 - 【請求項5】 前記ヒートポンプは、フロンガス代替冷
媒を使用した冷凍サイクルで使用されることを特徴とす
る切換弁。 - 【請求項6】 冷凍サイクル内で使用され、かつ樹脂組
成物を成形してなる樹脂製部品であって、前記冷凍サイ
クルはフロンガス代替冷媒を使用した冷凍サイクルであ
り、前記樹脂組成物は、樹脂組成物全体に対して、フッ
素系樹脂を 3〜35 重量%含むポリエーテルケトン系樹
脂組成物であることを特徴とする樹脂製部品。
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