JP2000329250A - 作動媒体の流路切換装置における駆動機構 - Google Patents

作動媒体の流路切換装置における駆動機構

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JP2000329250A
JP2000329250A JP2000114613A JP2000114613A JP2000329250A JP 2000329250 A JP2000329250 A JP 2000329250A JP 2000114613 A JP2000114613 A JP 2000114613A JP 2000114613 A JP2000114613 A JP 2000114613A JP 2000329250 A JP2000329250 A JP 2000329250A
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JP2000114613A
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Isamu Toyama
勇 外山
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Fuji International Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作動媒体の流路切換装置において、流路を切
り換えるためのシフト部材の新規な駆動機構を提供す
る。 【解決手段】 本発明の回動駆動機構30は、弁体20
と駆動源との間を伝動機構6で結ぶとともに、この伝動
機構6は、永久磁石61によって構成される駆動要素6
Aと、磁性体63によって構成される受動要素6Bとに
よって、互いに非接触状態で回転を伝達するものであ
り、且つケーシング10は、この受動要素6Bを内部に
密閉した状態に収納するとともに駆動要素6Aから駆動
源に至る部位は、ケーシング10における密閉範囲外に
設ける。また回動駆動機構30は、受動要素6Bと弁体
20との間に駆動要素6Aからの回転を減速して弁体2
0の回動切換を行う、歯車列34を並設した減速機構3
1を具え、且つこの減速機構31は、受動要素6Bと共
にケーシング10内部に密閉状態に収納されることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えばヒートポンプ
タイプの冷暖房機に組み込まれる、作動媒体の流路切換
装置において、流路を切り換える際、シフトされる部材
の駆動機構に関するものであって、本出願人がすでに出
願に及んでいる特願平11−102360号「冷暖房装
置における作動媒体の流路切換装置」の分割出願に係る
ものである。
【0002】
【発明の背景】冷暖房装置は、室内機と室外機の間を循
環する作動媒体(室内熱交換器〜コンプレッサ〜室外熱
交換器の間で高低圧気体であり、室外熱交換器〜毛細管
〜室内熱交換器の間で液体である)に熱を運搬させて、
室内の熱を室外に放出、または室外の熱を室内に取り込
んで室温を調節している。そして冷房と暖房との切り換
えは、作動媒体の循環方向を反対に切り換えることによ
り行われる。ところで作動媒体を逆循環させるには、実
際にはコンプレッサを逆回転させて作動媒体を逆循環さ
せることはできないため、例えば四方弁と呼ばれる切換
弁が必要とされる。このものは、その作動性の改良等を
図るべく、種々の開発が行われているものであって、そ
の傾向は特開昭61−6468号に見られるように弁体
をスライドさせて切り換えるものからケーシング内を弁
体を回動させて流路を切り換えるものに変わりつつあ
る。
【0003】そして本発明人は装置全体のコンパクト化
や低コスト化等を目的として、弁体をシフトさせる切換
構造と、弁体との両者を融合させ、特願平9−1249
48号「冷暖房装置における高低圧気体の流路切換装
置」、特願平9−124949号「冷暖房装置における
高低圧気体の流路切換装置」、特願平9−176515
号「切換衝撃を抑制した四方弁」等の特許出願に関与し
ている。
【0004】しかしながら弁体をシフトさせる切換構造
を弁体と融合させ、装置のコンパクト化を図っても、そ
の一方で弁体をある程度複雑化させることは免れず、こ
れに起因して弁体の気密性は確保しにくいものになって
いた。また一般的に、切換構造を担う実質的な駆動部材
を、弁体を収納するケーシングの外部に設ける設計仕様
となるため、駆動部材がケーシングの一部を貫通する状
態となるのは免れ得ず、この貫通部でシール性を確保し
にくいという問題があった。
【0005】このためこのような事態を回避すべく、実
質的な駆動部材を図7(a)に示すように永久磁石によ
って駆動要素6A′と、受動要素6B′とに二分割し、
非接触状態で回転を伝達する手法が、特開平9−144
926号「密封式方向制御弁」、実開平3−57571
号「冷暖房兼用のエアコンデショナーにおける回転型冷
媒切換弁装置」等に開示されている。もちろんこの場
合、駆動部材の受動要素6B′を、弁体20′とともに
ケーシング10′内に密閉し、シール性の向上を図って
いる。このような技術思想においては非接触であるが故
に懸念される回転伝達の不確実さを排除ないしは克服す
ることに専ら技術者の意識が注がれており、その結果、
伝達力の確実性という点から、双方を永久磁石によって
構成することが技術常識として固定観念化されており、
それ以外の技術的工夫は何らなされていないのが現状で
あった。
【0006】しかしながらこのような技術常識に従って
いたのでは、結局のところ、技術的改良に限界があるこ
とが見出された。すなわち例えば図7(a)に示すよう
に双方の永久磁石の伝動作用面を単にほぼ水平状に形成
した場合には、双方の永久磁石が互いに強く吸着し合う
傾向にあるため、必然的に駆動要素6A′を取り付けて
いるモータMや受動要素6B′を取り付けている減速機
構31′等にスラスト方向への摩擦力が加わることにな
り、このためモータMや減速機構31′等に過負荷が掛
かり、場合によってはこれらの作動が不安定になった
り、寿命そのもののを短くしてしまう等の不具合を生じ
ることが判った。もちろんこのような事態を回避すべく
モータMや減速機構31′にスラスト軸受を設けること
で上記摩擦力をある程度軽減することはできるものの、
完全には解消できず、また構成部材や組立工数が増え、
結果的にコスト上昇を招くことは、免れ得なかった。
【0007】一方、図7(b)に示すように、永久磁石
によって構成された駆動要素6A′と受動要素6B′と
を互いに嵌め合い構造にすることで、上記モータMや減
速機構等31′等に作用していたスラスト方向の摩擦力
を解消し得るものである。これは、永久磁石を互いに嵌
め合い構造にすることで、双方間に作用する磁力が、モ
ータ軸に垂直なラジアル方向に作用することや、永久磁
石の磁極を偶数、且つ対向して設けることによって、こ
の磁力そのものを容易に相殺し得ること等が要因として
挙げられる。しかしながらこのような構造を採った場合
には、減速機構31′を密閉したケーシング10′に対
して、モータMを結合させるまでに、鉄粉等が受動要素
6B′の付近に不用意に吸着されたり、あるいはケーシ
ング10′を密閉するための溶接等が、例えば受動要素
6B′の近くで行われた場合には、溶接時の熱によって
受動要素6B′の磁力が弱められる熱減磁を招く等の新
たな問題が懸念されていた。
【0008】
【分割出願を試みた技術的事項】本発明はこのような背
景からなされたものであって、本出願人が既に出願に及
んでいる上記特願平11−102360号「冷暖房装置
における作動媒体の流路切換装置」に開示された、弁体
をシフトさせるための駆動機構は、モータや減速機構等
に過負荷を与えず、部材そのものの作動をより確実なも
のにするとともに、部材の長寿命化をも図るという効果
が新たに見出され、それ自体でも独立して評価し得るも
のであるため、原出願を分割出願に及び別途権利取得を
試みるものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1記載の
作動媒体の流路切換装置における駆動機構は、作動媒体
の複数の流路が集合するように設けられたケーシング
と、このケーシング内を回動駆動機構により回動する弁
体とを具えて成り、弁体を適宜回動させて流路を切り換
えるようにした作動媒体の流路切換装置において、前記
回動駆動機構は、弁体と駆動源との間を伝動機構で結ぶ
とともに、この伝動機構は、永久磁石と磁性体とを組み
合わせた、互いに非接触状態で回転を伝達する駆動要素
と受動要素とを具えて成り、且つ前記ケーシングは、こ
の受動要素を内部に密閉した状態に収納するとともに駆
動要素から駆動源に至る部位は、ケーシングにおける密
閉範囲外に設けられることを特徴として成るものであ
る。この発明によれば、永久磁石と磁性体と組み合わせ
て伝動機構を構成するため、両者間に作用する吸着力を
適度に軽減することができる。従って例えば双方の伝動
作用面を単にほぼ水平状態に形成した場合、モータや減
速機構等の部材に作用するスラスト方向の摩擦力を効果
的に軽減することができ、各部材の作動の安定化や長寿
命化が図れる。またスラスト方向の摩擦力が軽減できる
ことに起因して、高価なスラスト軸受を設ける必要がな
く、部品点数や組立工数を大幅に削減でき、軽量化をも
達成できる。更に比較的高価な永久磁石を、伝動機構の
一方のみに適用するため、低コスト化が達成される。因
みに永久磁石はヨークと呼ばれる継鉄によって通常、対
を成すように設けられるものであって、このものは磁力
が他の部材に及ぼす鉄損等の悪影響を防ぐものでもあ
り、この継鉄も永久磁石とともに一方のみにすることが
でき、部品点数を更に削減できる。また更に、弁体を実
質的に回動させる受動要素が、密閉されたケーシング内
部に収納されるため、例えば作動媒体が回動軸の周辺部
分から漏出してもケーシング外に漏出することなく、効
率良く熱交換が行える。
【0010】また請求項2記載の作動媒体の流路切換装
置における駆動機構は、前記請求項1記載の要件に加
え、前記伝動機構は、駆動要素を永久磁石で構成し、受
動要素を磁性体で構成することを特徴として成るもので
ある。この発明によれば、受動要素を磁性体で構成する
ため、受動要素をケーシングの内部に密閉してから、駆
動要素を結合するまでに鉄粉等が不用意に吸着されるこ
とがない。また受動要素を納めた後にケーシングを密閉
する際、溶接等が受動要素の近辺で行われても、受動要
素は磁性体で構成されているため、溶接熱によって磁力
が低下する熱減磁の心配がない。
【0011】更にまた請求項3記載の作動媒体の流路切
換装置における駆動機構は、前記請求項1または2記載
の要件に加え、前記回動駆動機構は、受動要素と弁体と
の間に駆動要素からの回転を減速して弁体の回動切換を
行う、歯車列を並設した減速機構を具え、且つこの減速
機構は、前記受動要素と共にケーシング内部に密閉状態
に収納されることを特徴として成るものである。この発
明によれば、弁体の回動切換が小型のモータによって円
滑且つ確実に行え、例えばウォームギヤを適用する場合
に比べ、ギヤ比が自由に設定でき、また安価に製造でき
る。
【0012】また請求項4記載の作動媒体の流路切換装
置における駆動機構は、前記請求項1、2または3記載
の要件に加え、前記駆動要素と受動要素とは、回転を伝
達する作用面を、それぞれ互いに嵌め合い状態に形成す
ることを特徴として成るものである。この発明によれ
ば、駆動要素から受動要素への伝達作用面をスラスト方
向ないしはラジアル方向に広く形成でき、より強い伝達
力を必要とする場合や装置の設置スペースが限定される
場合でも、確実に回転を伝達できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明を図示の実施の形態に
基づき説明する。説明にあたっては、本発明の駆動機構
を具えた流路切換装置をヒートポンプタイプの冷暖房装
置に適用した場合を例に挙げて説明する。ここで冷暖房
装置の全体構成について説明すると、図1に示すように
コンプレッサ2の吐出口及び吸入口から第一配管H1及
び第四配管H4が作動媒体の流路切換装置1に接続され
ている。また作動媒体の流路切換装置1からは、室内熱
交換器3及び室外熱交換器5へ第二配管H2及び第三配
管H3が接続されている。室内熱交換器3と室外熱交換
器5とは、作動媒体の減圧を行う毛細管4を間に挟んで
配管がなされて接続される。
【0014】作動媒体は、暖房運転時には図1、3に示
すようにコンプレッサ2、作動媒体の流路切換装置1、
室内熱交換器3、毛細管4、室外熱交換器5、作動媒体
の流路切換装置1、そして再びコンプレッサ2へと戻っ
て循環している。また冷房運転時には図4に示すように
作動媒体はコンプレッサ2、作動媒体の流路切換装置
1、室外熱交換器5、毛細管4、室内熱交換器3、作動
媒体の流路切換装置1、そして再びコンプレッサ2へと
戻って循環している。
【0015】次に本発明を具えた作動媒体の流路切換装
置1について説明する。このものは、一例として図1、
2に示すように、ケーシング10内を仕切部10aによ
って仕切り、下部を減速作用室7とし、上部を切換弁室
8としている。切換弁室8内には回動駆動機構30によ
って一定角度往復回動する弁体20を具えて成る。なお
回動駆動機構30とは、駆動源たるモータMや減速作用
室7内に構成される減速機構31等を含み、弁体20の
回動切換を行う部材を総称するものである。また詳細に
ついては後述するが、本明細書に記載する流路切換と
は、文字通り流路を完全に切り換えた状態と、弁体20
とケーシング10との連通を一部遮断し、例えば作動媒
体の流量をコントロールした状態との、どちらか一方ま
たは双方を示すものである。以下流路切換装置の各構成
部について説明する。
【0016】まずケーシング10について説明する。ケ
ーシング10は、図2に示すように一例として概ね円筒
管状を成し、内部は気密性が保たれ、下部の減速作用室
7と上部の切換弁室8とは仕切部10aにより仕切られ
ている。なおケーシング10は、ワンパッケージ状の一
体的な構成をとるものであるが、実際には減速作用室
7、切換弁室8及び仕切部10aを形成する部位が、そ
れぞれ個別に形成され、溶着、ボルト等によるネジ留
め、あるいは各部材に直接形成されたネジ同士の螺合等
により一体的に構成される。そしてケーシング10の上
面中心には第一接続口11が開口され、ここにコンプレ
ッサ2の吐出口と接続される第一配管H1が接続され
る。また仕切部10aの三カ所に第二接続口12、第三
接続口13及び第四接続口14が開口されている。なお
第四接続口14は仕切部10aのほか、ケーシング10
の上面や側壁に設けてもよい。また図3、4に示すよう
に第二接続口12と室内熱交換器3とは第二配管H2に
より接続され、第三接続口13と室外熱交換器5とは第
三配管H3により接続され、第四接続口14とコンプレ
ッサ2の吸入口とが第四配管H4により接続されてい
る。更に仕切部10aの中心には、後述する弁体20の
回動軸26が挿入される。なおこのようにケーシング1
0は、作動媒体を圧縮するコンプレッサ2の吐出口及び
吸入口と接続され、また運転中内部が低圧状態となる。
【0017】次に本発明の駆動機構である回動駆動機構
30により、切換弁室8内で回動シフトされる弁体20
について説明する。弁体20は、一例として図1、2に
示すように左右側面が円弧状のほぼ直方体形状であり、
底部を開口するケース部20aと、このケース部20a
の底部開放側を塞ぐように一体的に組み付けられる閉塞
板20bとを具えて成り、内部に連通室20cが形成さ
れている。連通室20cは、気密性が保持されており、
上面から下面に連通する二つの流路が設けられるため、
上面中心には第一切換路口21が開口し、下面の左右位
置には、第二切換路口22及び第三切換路口23が開口
している。そして第一切換路口21から第二切換路口2
2へと連通する流路を第一切換路R1とし、第一切換路
口21から第三切換路口23へと連通する流路を第二切
換路R2としている。また上記第一切換路口21内には
前記第一配管H1が挿入されている。一方、弁体20の
下面中心には回動軸26が弁体20に固定して設けら
れ、前記ケーシング10の仕切部10aに回動自在に挿
入されており、この回動軸26と前記第一配管H1とに
より弁体20は切換弁室8内にて一定角度回動自在に保
持される。
【0018】なお第二切換路口22及び第三切換路口2
3には、Oリング24を介して表面にフッ素樹脂のコー
ティングがなされたもの、もしくはフッ素樹脂で形成さ
れた円筒形状のシーリング25を外端を突出した状態で
内嵌めしている。これにより仕切部10aの内壁面にシ
ーリング25がOリング24によって弾性的に押し当て
られ、開口端部から作動媒体が漏出しないように図られ
ている。また弁体20のケース部20a及び閉塞板20
bは、一例として金属材料から成る板材をプレス加工し
て形成されるが、ガラス、プラスチック等適宜の材料で
形成されても構わない。因みに弁体20は、運転中常時
コンプレッサ2から高圧状態の作動媒体が送り込まれる
ため、内部が高圧状態となる。
【0019】次に減速作用室7内に構成される減速機構
31について説明する。このものは駆動源たるモータM
からの回動を減速して、弁体20の回動軸26に伝達す
るものであり、図2に示すように一例としてシャフト3
2に複数のギヤ33を回動自在に嵌め込んだ歯車列34
を並設するように構成される。そして相互の歯車列34
間において順次減速を行い、最終的に適宜の減速比を得
るものであり、一方のシャフト32の先端部が回動軸2
6を適宜の角度回動させる。また複数のギヤ33のうち
最初に駆動を受けるギヤ33には、その先端部に後述す
る伝動機構6の受動要素6Bが設けられる。なお減速機
構31を構成する目的は、主に小型モータの小さな力
で、弁体20を回動させるようにするためである。
【0020】因みに流路切換装置の内部を循環する作動
媒体は、近年、特定フロンから指定・代替フロンへと移
行してきており、このような状況下では媒体そのものの
飽和蒸気圧が高まる傾向にあるため、移行前と同等の熱
交換効率を得ようとすれば、当然、回路中に作用させる
圧力を高めることになり、コンプレッサ2をはじめ、流
路切換装置内部における弁体20やシール部材等におい
て相応の強度が要求されてきている。従って今後、弁体
20を回動させるにあたっても、より大きな力が要求さ
れてくるものであり、モータMの大きさがある程度限定
される流路切換装置にあっては、減速機構31に、一層
より厳しい減速比が求められることが予想される。
【0021】次に伝動機構6について説明する。伝動機
構6は、モータMにより直接回転駆動される駆動要素6
Aと、これを受けて非接触状態で回転する受動要素6B
とを具えて成るものである。なお伝動機構6は、永久磁
石61と磁性体63との組み合わせによって形成される
ものであって、この実施の形態では、一例として駆動要
素6Aを永久磁石61で形成し、受動要素6Bを鋼板等
の磁性体63で形成している。もちろんこの磁性体63
は、鋼板のみに限定されるものではなく、鉄やステンレ
ス等、磁場に置かれた際に磁気を帯びる、いわゆる磁気
誘導現象によって磁化する、種々の部材が適用できる。
そして前述したように磁性体63を適用して成る受動要
素6Bが、前記ギヤ33のうち最初に駆動を受けるもの
の先端部に設けられ、永久磁石61を適用して成る駆動
要素6Aがケーシング10の密閉範囲外となるモータM
の出力軸に設けられる。
【0022】すなわちまずモータMにより永久磁石61
を回転させて、その磁力で非接触状態にある鋼板を回転
させ、歯車列34、回動軸26を介して最終的に弁体2
0の回動切換を行うのである。このように永久磁石61
を収納する部位は、必ずしも気密性が保持される必要は
なく、実際にはモータMを固定するブラケット等に取り
付けられる。また鋼板を適用して成る受動要素6Bが、
実質的に弁体20を回動させる駆動部材であり、密閉さ
れたケーシング10内部に収納されるため、例えば作動
媒体が回動軸26の周辺部分から漏出しても、減速作用
室7で遮断され、効率的な熱交換が行える。因みに弁体
20の回動方向を切り換えるには、モータMに流す電流
の方向を換えることによって行える。
【0023】なおこのように永久磁石61と磁性体63
とを組み合わせて、伝動機構6を構成することによっ
て、駆動要素6Aと受動要素6Bとの間に作用する磁力
が適度に軽減されるため、モータMや減速機構31等に
作用していたスラスト方向への摩擦力が効果的に軽減さ
れ、モータMや減速機構31等の長寿命化を達成するも
のである。また例えば減速機構31の最終的な減速比
が、1/800の設定であれば駆動要素6Aを100回
転させた場合に弁体20を1/8回転すなわち45°回
動させることになる。更に、弁体20の回動切換に伴
い、ケーシング10内に第二切換路口22と第二配管H
2とが連結される一定角度と、第三切換路口23と第三
配管H3とが連結される一定角度とに、弁体20の回動
を止めるストッパを設けることが好ましい。
【0024】更にまた、この実施の形態では図示したよ
うに伝動機構6の伝動作用面をほぼ水平方向に設定して
いるが、駆動要素6Aと受動要素6Bとの間に、より強
い伝動力を必要とする場合や装置の設置スペースが限定
される場合等においては、例えば図5に示すように伝動
作用面をほぼ鉛直方向に設定する形態、すなわち駆動要
素6Aと受動要素6Bとをそれぞれ互いに嵌め合い状態
に形成し、それぞれの隣接周面に駆動要素6Aと受動要
素6Bとを設ける形態が採り得る。その場合必ずしも駆
動要素6Aの外側に受動要素6Bを配する形態だけでな
く、図6に示すように駆動要素6Aの内側に受動要素6
Bを配する形態も採り得る。
【0025】またこの実施の形態では、減速機構31を
ケーシング10に密閉した後、モータMを結合させるま
でに、鉄粉等が受動要素6Bの付近に不用意に吸着され
ることを防止すべく、駆動要素6Aに永久磁石61を適
用し、受動要素6Bに磁性体63を適用したが、伝動作
用部に鉄粉等が入り込まないようにできれば、この組み
合わせはもちろん逆でも構わない。因みに図5、6に示
す実施の形態では、ケーシング10に連結される第二配
管H2、第三配管H3及び第四配管H4等を装置の外周
部に屈曲するように配するのではなく、装置のほぼ直下
方にストレート状に配するものであって、これは冷暖房
機等の設置スペースや流路切換装置の下方に接続される
部材等の種々の条件に応じて採り得る形態である。
【0026】次に本発明を具えた作動媒体の流路切換装
置1の作動状態について説明する。説明にあたっては暖
房運転時と冷房・除湿運転時とについて説明した後、そ
の他の運転態様について説明する。 (1)暖房運転時 暖房運転を行う際には、図3に示すように弁体20の第
二切換路口22を第二配管H2に接続し、第三切換路口
23を第三配管H3に接続しない状態とする。この場合
にはコンプレッサ2からの作動媒体は、コンプレッサ
2、第一配管H1、第一切換路R1、第二配管H2、室
内熱交換器3、毛細管4、室外熱交換器5、第三配管H
3、ケーシング10内、第四接続口14、第四配管H
4、コンプレッサ2...の順で循環する。
【0027】(2)冷房・除湿運転時 冷房・除湿運転時には、図4に示すように弁体20の第
三切換路口23を第三配管H3に接続し、第二切換路口
22を第二配管H2に接続しない状態とする。この場合
にはコンプレッサ2からの作動媒体は、コンプレッサ
2、第一配管H1、第二切換路R2、第三配管H3、室
外熱交換器5、毛細管4、室内熱交換器3、第二配管H
2、ケーシング10内、第四接続口14、第四配管H
4、コンプレッサ2...の順で循環する。
【0028】(3)その他の運転態様 上記運転においては、高圧導出口を完全に重ね合わせて
連通させた状態、すなわち暖房運転時においては、弁体
20の第二切換路口22を第二配管H2に重ね合わせる
ように接続し、また冷房・除湿運転時においては、弁体
20の第三切換路口23を第三配管H3に重ね合わせる
ように接続した状態で、運転を行っている。しかしなが
ら弁体20は、必ずしも上記した位置の一方を選択して
設定する必要はなく、例えば第二切換路口22と第二配
管H2との重ね合わせ状態を幾分ずらすことによって、
重ね合わせ範囲外となる開放部を形成し、ここから作動
媒体をケーシング10内に意図的に放出させる運転が可
能である。このように高圧導出口の重ね合わせ状態の連
通を一部遮断することによって、例えば運転状態を切り
換える際のケーシング10内の圧力差や温度差等を短時
間で均一化できるものである。また上記開放部を積極的
にコントロールすることにより、回路内を循環する作動
媒体の流量を適宜調節し、要求される冷暖房能力に合わ
せた運転を行うことが可能となる。なお本明細書に記載
する流路切換とは、このように対応する切換路口と配管
とを重ね合わせ状態に連通させて流路を完全に切り換え
た状態と、この重ね合わせ状の連通を一部遮断して開放
部を形成した状態とを総称するものである。またこの実
施の形態では、作動媒体の出入口が四つ、すなわち第一
配管H1〜第四配管H4を有する、いわゆる四方弁タイ
プのものを示したが、特にこのタイプに限定されるもの
ではなく、二方弁タイプ、三方弁タイプ等、四方弁以外
のタイプにも適用できる。
【0029】
【発明の効果】まず請求項1記載の作動媒体の流路切換
装置における駆動機構によれば、永久磁石61と磁性体
63と組み合わせて伝動機構6を構成するため、両者間
に作用する磁気吸着力を適度に軽減することができる。
従って例えば双方の伝動作用面を単にほぼ水平状態に形
成した場合、モータMや減速機構31等の部材に作用す
るスラスト方向の摩擦力を効果的に軽減することがで
き、各部材の作動の安定化や長寿命化が図れる。またス
ラスト方向の摩擦力が軽減できることに起因して、高価
なスラスト軸受を設ける必要がなく、部品点数や組立工
数を大幅に削減でき、軽量化をも達成できる。更に比較
的高価な永久磁石61は、伝動機構6の一方のみに適用
するため、低コスト化が達成される。因みに永久磁石6
1はヨークと呼ばれる継鉄によって通常対を成すように
設けられるものであって、このものは磁力が他の部材に
及ぼす鉄損等の悪影響を防ぐものでもあり、この継鉄も
永久磁石61とともに一方のみにすることができ、部品
点数を更に削減できる。また更に、弁体20の回動軸2
6を実質的に回動させる受動要素6Bが、密閉されたケ
ーシング10内部に収納されるため、例えば作動媒体が
回動軸26の周辺部分から漏出してもケーシング10外
に漏出することなく、効率的な熱交換が行える。
【0030】また請求項2記載の作動媒体の流路切換装
置における駆動機構によれば、受動要素6Bを磁性体6
3で構成するため、受動要素6Bをケーシング10の内
部に密閉してから、駆動要素6Aを結合するまでに鉄粉
等が不用意に吸着されることがない。また受動要素6B
を納めた後にケーシング10を密閉する際、溶接等が受
動要素6Bの近辺で行われても、受動要素6Bは磁性体
63で構成されているため、溶接熱によって磁力が低下
する熱減磁の心配がない。
【0031】更にまた請求項3記載の作動媒体の流路切
換装置における駆動機構によれば、弁体20の回動切換
が小型のモータによって円滑且つ確実に行え、例えばウ
ォームギヤを適用する場合に比べ、ギヤ比が自由に設定
でき、安価に製造できる。
【0032】更にまた請求項4記載の作動媒体の流路切
換装置における駆動機構によれば、駆動要素6Aから受
動要素6Bへの伝達作用面をスラスト方向ないしはラジ
アル方向に広く形成できるため、例えばより強い伝達力
を必要とする場合や装置の設置スペースが限定される場
合でも、確実に回転を伝達できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の駆動機構を具えた流路切換装置の使用
状態を示す説明図(a)、並びに本装置を示す斜視図
(b)である。
【図2】流路切換装置の縦断面図(b)におけるA−A
線矢印方向から見た断面図(a)、並びにこの断面図
(a)におけるB−B線矢印方向から見た縦断面図
(b)、並びにC−C線矢印方向から見た縦断面図
(c)である。
【図3】同上暖房運転時の作動媒体の流れを示す説明図
である。
【図4】同上冷房・除湿運転時の作動媒体の流れを示す
説明図である。
【図5】伝動機構の駆動要素と受動要素とを、互いに嵌
め合い状態に形成した実施の形態を示す断面図であっ
て、図5(b)におけるA−A線矢印方向から見た断面
図(a)、並びにこの断面図(a)におけるB−B線矢
印方向から見た断面図(b)、並びにC−C線矢印方向
から見た断面図(c)である。
【図6】駆動要素の内側に受動要素を配し、第二配管を
直下方にストレート状に接続した実施の形態を示す縦断
面図である。
【図7】駆動要素と受動要素とに、永久磁石を適用した
実施の形態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 作動媒体の流路切換装置 2 コンプレッサ 3 室内熱交換器 4 毛細管 5 室外熱交換器 6 伝動機構 6A 駆動要素 6B 受動要素 7 減速作用室 8 切換弁室 10 ケーシング 10a 仕切部 11 第一接続口 12 第二接続口 13 第三接続口 14 第四接続口 20 弁体 20a ケース部 20b 閉塞板 20c 連通室 21 第一切換路口 22 第二切換路口 23 第三切換路口 24 Oリング 25 シーリング 26 回動軸 30 回動駆動機構 31 減速機構 32 シャフト 33 ギヤ 34 歯車列 61 永久磁石 63 磁性体 H1 第一配管 H2 第二配管 H3 第三配管 H4 第四配管 M モータ R1 第一切換路 R2 第二切換路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動媒体の複数の流路が集合するように
    設けられたケーシングと、このケーシング内を回動駆動
    機構により回動する弁体とを具えて成り、弁体を適宜回
    動させて流路を切り換えるようにした作動媒体の流路切
    換装置において、前記回動駆動機構は、弁体と駆動源と
    の間を伝動機構で結ぶとともに、この伝動機構は、永久
    磁石と磁性体とを組み合わせた、互いに非接触状態で回
    転を伝達する駆動要素と受動要素とを具えて成り、且つ
    前記ケーシングは、この受動要素を内部に密閉した状態
    に収納するとともに駆動要素から駆動源に至る部位は、
    ケーシングにおける密閉範囲外に設けられることを特徴
    とする作動媒体の流路切換装置における駆動機構。
  2. 【請求項2】 前記伝動機構は、駆動要素を永久磁石で
    構成し、受動要素を磁性体で構成することを特徴とする
    請求項1記載の作動媒体の流路切換装置における駆動機
    構。
  3. 【請求項3】 前記回動駆動機構は、受動要素と弁体と
    の間に駆動要素からの回転を減速して弁体の回動切換を
    行う、歯車列を並設した減速機構を具え、且つこの減速
    機構は、前記受動要素と共にケーシング内部に密閉状態
    に収納されることを特徴とする請求項1または2記載の
    作動媒体の流路切換装置における駆動機構。
  4. 【請求項4】 前記駆動要素と受動要素とは、回転を伝
    達する作用面を、それぞれ互いに嵌め合い状態に形成す
    ることを特徴とする請求項1、2または3記載の作動媒
    体の流路切換装置における駆動機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002364762A (ja) * 2001-06-11 2002-12-18 Ntn Corp 切換弁および樹脂製部品
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