JPH11201297A - 切換弁およびスライド弁の製造方法 - Google Patents

切換弁およびスライド弁の製造方法

Info

Publication number
JPH11201297A
JPH11201297A JP256898A JP256898A JPH11201297A JP H11201297 A JPH11201297 A JP H11201297A JP 256898 A JP256898 A JP 256898A JP 256898 A JP256898 A JP 256898A JP H11201297 A JPH11201297 A JP H11201297A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
valve
slide valve
switching valve
slide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP256898A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuru Tanaka
満 田中
Noriyuki Morita
紀幸 森田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Ranco Japan Ltd
Original Assignee
NTN Corp
Ranco Japan Ltd
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, Ranco Japan Ltd, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP256898A priority Critical patent/JPH11201297A/ja
Publication of JPH11201297A publication Critical patent/JPH11201297A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sliding Valves (AREA)
  • Multiple-Way Valves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性に優れかつ冷凍機油に添加される各種
の添加剤に対する耐久性を有し、高温度で長期間の連続
運転が可能なヒートポンプシステムの切換弁を提供し、
またそのスライド弁を効率よく製造する 【解決手段】 スライド弁1をヒートポンプの流体圧で
動作させる切換弁22において、スライド弁1の少なく
とも弁座11に対する摺接面を自己潤滑性樹脂で形成
し、スライド弁1の摺接面を除く残部をフェノール樹脂
などの熱硬化性樹脂またはエステル基もしくはアミノ基
を有さない結晶性熱可塑性樹脂で形成した切換弁とす
る。このスライド弁1は、成形用金型内の摺接面形成部
を覆うように、予め成形した自己潤滑性樹脂層部材を配
置し、次いで前記金型内に熱硬化性樹脂またはエステル
基もしくはアミノ基を有さない結晶性熱可塑性樹脂を充
填して一体に成形して製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ヒートポンプシ
ステムの切換弁に関し、更に詳しくは、冷凍機、空調機
等のヒートポンプシステムに使用される流体の移動方向
を切り換える多方向弁式の切換弁およびそれに用いるス
ライド弁の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的なヒートポンプシステムにおける
切換弁は、電磁的に駆動されるパイロットバルブによっ
て、複数のポートにそれぞれ所要圧力の流体を導入し、
その流体圧力によってスライド弁を有する切換弁を駆動
し、複数の流体移送パイプの導通と遮断を行なうもので
あり、図1および図2を利用して以下にその構造を説明
する。
【0003】図1は、ヒートポンプシステムの概略図で
あり、図2は切換弁22の一部断面図である。
【0004】冷房運転では、圧縮機21により圧縮され
た冷媒は、切換弁22を介し室外熱交換器23に送られ
る。室外熱交換器23にて放熱した冷媒は、絞り機構2
4を通過することにより体積膨張すると共にさらに冷却
される。この冷媒は、室内熱交換器25で室内の冷房に
使われた後、切換弁22を介して圧縮機21に送られ
る。
【0005】暖房運転では、圧縮機21より送り出され
た冷媒は、切替弁22を介して室内熱交換器25に送ら
れ、室内の暖房に使われた後、室外熱交換器23に送ら
れる。上記のように切換え弁22は、冷房と暖房での圧
縮機21より送り出された冷媒の流れ方向を切り換える
ためのものである。なお、図1中に示した切換弁22は
冷房運転状態を示している。
【0006】図2に示す構造の切換弁におけるパイロッ
トバルブBは、電磁コイル16と、その磁界により駆動
されるプランジャ17および磁界が消失した場合にプラ
ンジャ17を元の位置に復帰させるためのスプリング1
8とから構成されている。
【0007】そして、初期の状態におけるパイロットバ
ルブBは、プランジャ17が左側に寄っていて、弁部1
7aはポート5を開放し、高圧流体を流入させるポート
2と導通している。この場合、弁本体Aの右側の弁室9
aが高圧となり、スライド弁1(バルブスライドとも称
される。)は、その取付け部材と一体の隔壁19、20
と共に左側に移動し、パイプ6とパイプ7とを導通す
る。なお、弁本体Aには流体流入管10から高圧の熱媒
体(流体)が流入する。
【0008】次いで、電磁コイル16に通電し、プラン
ジャ17が矢印の方向にスプリング18の弾性力に抗し
て吸引されると、弁部17aがポート3を開放して高圧
流体のポート2と導通され、またポート5と低圧側のポ
ート4とが導通する。
【0009】すると、弁本体Aの右側の弁室9aの高圧
流体は、低圧側のポート4から流出して低圧となり、ポ
ート3がポート2と導通するので、高圧流体が弁室9b
内に流入して高圧部を形成し、スライド弁1は、隔壁1
9、20と共に右側に移動してパイプ7とパイプ8とを
導通する。
【0010】ところで、弁室9cに対応する部分には、
流体流入管10の流入口と複数本の流体移送パイプ6、
7、8の流体流出入口が設けられている。そして、この
ような弁本体Aでは、スライド弁1の下端面と、弁室9
c内に開口している流体の出入口6a、7a、8aを有
する弁座11の表面と気密的に接触しながら図2に示す
矢印の方向(図中左右方向)に摺動する。
【0011】このような切換弁22は、高価な熱媒体を
スライド弁1を摺動させながら所定の入口から所定の出
口に流動するように切り換えて、エネルギーを制御する
ものであるから、熱媒体(冷媒または熱媒のいずれでも
よい)が当該システムから漏洩しないように構成される
必要があり、そのためにスライド弁1の下端面と弁座1
1の表面とを気密に接触させている。
【0012】通常、スライド弁1は、ナイロン(ポリア
ミド)樹脂、セラミック、樹脂シートと金属製部品の複
合部材が使用されてきた。
【0013】近年、このようなヒートポンプの機能は、
インバータやマイクロプロセッサを用いたサイクル制御
によってより向上し、しかもこのシステムの安全性と清
浄性は、他の暖房機器よりも優れていることから、冷房
機器や暖房機器としての地位が確率されつつある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
ヒートポンプを、より高機能化し高効率化するために、
従来より広い温度範囲において高圧での連続運転性が求
められた結果、圧縮機の動作の信頼性を向上させ、ヒー
トポンプシステムを構成する部品に耐熱性と耐久性を向
上させる必要が生じた。
【0015】具体的には、切換弁の構成部品は、例えば
150〜200℃といった高温でも機能する素材で構成
する必要がある。
【0016】また、圧縮機では、冷凍機油に各種の添加
剤を加えて回転部分の焼き付きを防止しており、切換弁
の構成部品は添加剤(例えば、流動点調整、抗乳化性、
熱安定性、電気絶縁性を高めるための周知の添加剤であ
り、特に極圧添加剤)に耐える素材で形成する必要性も
生じた。
【0017】特に、熱媒体における添加剤は、ヒートポ
ンプ内の水分によって高温状態の運転中に加水分解し、
フェノールまたはクレゾールを生成する。これらはナイ
ロン樹脂などの合成樹脂製のスライド弁を溶解可能な有
機溶剤であって、これに接したナイロン樹脂は膨張し、
スライド弁の摺動面に凹凸または泡状面(発泡)を形成
して気密性の摺動を困難にする。
【0018】このような問題は、四フッ化エチレン樹脂
シートを金属部品に接着した複合部材のスライド弁を採
用することにより避けられるが、このような複合部材で
は、金属と樹脂シートの線膨張係数の差が大きいことか
ら、接着面に剥離現象が起こるという問題が生じる。
【0019】また、特開平5−60254号公報に記載
のポリフェニレンサルファイド樹脂に四フッ化エチレン
樹脂および芳香族ポリエステル樹脂を添加した組成物か
らなるスライド弁は、高温・高圧の条件下で使用可能な
構造とするためには、所要の機械的強度を確保する必要
があるため、厚肉となり大型化が避けられない。
【0020】そこで、この発明の課題は、上記した問題
点を解決してスライド弁が耐熱性に優れかつ冷凍機油に
添加される各種の添加剤に対する耐久性を有すると共
に、高機能化、高効率化されていくシステムに対応する
べく、低コスト、小型、軽量で高温度で長期間の連続運
転が可能なヒートポンプの切換弁を提供し、またそのス
ライド弁を効率よく製造することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、ヒートポンプシステムに使用
される切換弁であって、この切換弁におけるスライド弁
の少なくとも弁座に対する摺接面を自己潤滑性樹脂で形
成し、前記スライド弁の前記摺接面を除く残部を熱硬化
性樹脂またはエステル基もしくはアミノ基を有さない結
晶性熱可塑性樹脂で形成した切換弁としたのである。
【0022】また、スライド弁の成形用金型内の摺接面
形成部を覆うように、予め成形した自己潤滑性樹脂層部
材を配置し、次いで前記金型内に熱硬化性樹脂またはエ
ステル基もしくはアミノ基を有さない結晶性熱可塑性樹
脂を充填して一体に形成することからなる切換弁用のス
ライド弁を製造したのである。
【0023】切換弁に係る発明では、スライド弁の摺接
面を除く残部(主要部)が耐熱性、耐溶剤性に優れたフ
ェノール樹脂のような熱硬化性樹脂またはエステル基も
しくはアミノ基を有さない結晶性熱可塑性樹脂で形成さ
れており、かつ摺動面が自己潤滑性樹脂で形成されてい
るから、150〜200℃といった高温でも熱変形がな
く、冷凍機油の添加剤で腐食したり、熱媒体の添加剤か
ら加水分解によって生じたフェノールまたはクレゾール
などに溶解しない。
【0024】また、熱硬化性樹脂またはエステル基もし
くはアミノ基を有さない結晶性熱可塑性樹脂と、四フッ
化エチレン樹脂などの自己潤滑性樹脂樹脂との線膨張係
数の差が小さいことから、これらの接着面に剥離現象が
起こり難い。
【0025】また、ヒートポンプの熱媒体が、従来より
も高温・高圧に設定された場合でもスライド弁は変形せ
ず、気密的摺動性を維持できる。
【0026】
【発明の実施の形態】この発明に用いるスライド弁主要
部材料の熱硬化性樹脂またはエステル基もしくはアミノ
基を有さない結晶性熱可塑性樹脂は、例えば熱変形温度
が150℃以上あるような耐熱性に優れた樹脂であり、
その種類を限定することなく採用できる。熱硬化性樹脂
の具体例としては、フェノール樹脂、またはユリア樹
脂、メラミン樹脂などのアミノ樹脂、不飽和ポリスチレ
ン、エポキシ樹脂、アリル樹脂(ジアリルフタレート樹
脂)などが挙げられる。フェノール樹脂は、この発明の
熱硬化性樹脂として好ましいものであるが、下記の化1
で表わされる繰り返し構造単位からなるノボラック樹脂
(A)または下記の化2で表わされる繰り返し構造単位
からなるレゾール樹脂(B)のいずれであってもよい。
【0027】前記のエステル基もしくはアミノ基を有さ
ない結晶性熱可塑性樹脂としては、ポリアリーレンサル
ファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテル
エーテルケトン樹脂、シンジオタクティック構造ポリス
チレン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂などを挙げること
ができる。これらのエステル基もしくはアミノ基を有さ
ない結晶性熱可塑性樹脂は、耐熱性に優れており、結晶
性であるために冷凍機油中の添加剤や有機溶媒にも耐性
があり、この発明に好適である。
【0028】なお、エステル基もしくはアミノ基を有す
る結晶性熱可塑性樹脂では、吸水性のある冷凍機油使用
下で長期間に亘って高温・高圧で使用された場合、エス
テル基またはアミノ基が加水分解を起こし、物性が低下
するので好ましくない。
【0029】以上のような熱硬化性樹脂またはエステル
基もしくはアミノ基を有さない結晶性熱可塑性樹脂は、
例えばガラス繊維などの補強繊維のような一般的な添加
剤、または無機物粉末であるミネラル、グラファイトも
しくはウィスカのような無機質繊維を配合したものであ
ってもよい。
【0030】
【化1】
【0031】
【化2】
【0032】この発明に適用できる市販のフェノール樹
脂としては、日本合成化工社製:ニッカライトGP20
0、三井東圧化学社製:ミレックスSP2000などを
例示できる。または、この発明に適用できるポリアリー
レンサルファイド樹脂としては、東ソー社製:GS4
0、大日本インキ化学工業社製:DIC−PPS FZ
1140などを例示できる。
【0033】この発明における摺接面部材の自己潤滑性
樹脂は、フッ素含有樹脂のような自己潤滑性のある周知
の樹脂を採用できる。特に四フッ化エチレン樹脂を含有
する樹脂が好適である。
【0034】四フッ化エチレン樹脂を含有する樹脂から
なる自己潤滑性樹脂層部材(摺接面部材)は、四フッ化
エチレン樹脂粉末に耐摩耗性を向上させる添加剤等を加
えた混合材料を、加圧成形したのち焼成し、円柱状の成
形体に成形した後、シート状にスカイブ加工したものを
採用して良い。
【0035】このような四フッ化エチレン樹脂シートの
片面または両面に対して、一般にトス処理と呼ばれる水
酸化ナトリウム水溶液による表面処理を施せば、熱硬化
性樹脂またはエステル基もしくはアミノ基を有さない結
晶性熱可塑性樹脂との接着強度が向上して剥離現象が起
こり難くなって好ましい。
【0036】また、四フッ化エチレン樹脂を含有する樹
脂からなる自己潤滑性樹脂層部材(摺接面部材)は、熱
硬化性樹脂またはエステル基もしくはアミノ基を有さな
い結晶性熱可塑性樹脂に四フッ化エチレン樹脂粉末を添
加した樹脂組成物からなる成形体であってもよい。
【0037】この場合、採用する熱硬化性樹脂またはエ
ステル基もしくはアミノ基を有さない結晶性熱可塑性樹
脂は、スライド弁の摺接面を除く残部を形成する材料と
同一の樹脂を採用すれば、摺接面部材との界面の親和性
が優れ好ましい。
【0038】このような摺接面部材に用いる樹脂組成物
は、射出成形法、オートモールド成形法、加熱圧縮成形
法等によって形成できる。
【0039】四フッ化エチレン樹脂からなる市販の成形
用粉末としては、例えば三井・デュポン・フロロケミカ
ル社製:テフロン7J、旭硝子社製:フルオンG16
3、L169、ダイキン工業社製:ポリフロンM12、
ルブロンL15などを例示できる。四フッ化エチレン樹
脂製シートの成形方法としては、オートモールド成形法
やスカイブ加工によるシート成形なども採用できる。
【0040】スライド弁の少なくとも弁座に対する摺接
面を四フッ化エチレン樹脂などの自己潤滑性樹脂で形成
するには、スライド弁の成形用金型内の摺接面形成部を
覆うように、予め成形した自己潤滑性樹脂層部材を配置
し、次いで前記金型内に熱硬化性樹脂またはエステル基
もしくはアミノ基を有さない結晶性熱可塑性樹脂を充填
して複合成形を行なって一体に成形する。この際の成形
方法は、射出成形、加熱圧縮成形のいずれであってもよ
い。
【0041】
【実施例】図2に示した弁本体Aのスライド弁1とし
て、図3および図4に示すものを使用した。
【0042】すなわち、弁本体Aは、その構造の詳細を
既述したように、電磁的に駆動されるパイロットバルブ
Bによって、ポート2、3、4、5にそれぞれ所要圧力
の流体を導入し、その流体圧力によって駆動されるスラ
イド弁1により、流体移送パイプ6、7、8の導通と遮
断を行なうものである。
【0043】切換弁には、弁室9cに通じるように高圧
の流体流入管10の流入口が形成され、複数本の流体移
送パイプ6、7、8の流体の出入口6a、7a、8aが
配置形成されている。このような弁本体Aでは、スライ
ド弁1の下端面が、流体の出入口6a、7a、8aが開
口する弁座11と気密に接触しながら図2に示す矢印の
方向(図中左右)に摺動(スライド)する。
【0044】〔実施例1〕スライド弁成形用金型内の摺
接面形成部に、予め成形した厚さ1.5mmの四フッ化
エチレン樹脂シートを配置し、次いで前記金型内にガラ
ス繊維60重量%を含むフェノール樹脂を射出成形して
複合的に一体となったスライド弁(家庭用エアコン7k
w相当品)を作製した。なお、四フッ化エチレン樹脂シ
ート12は、スライド弁主要部13が他部品に接触する
ときに起こりやすい剥離を防止し、また弁座との接触面
積の可及的縮小を図り摩擦抵抗を低減させるため、スラ
イド弁主要部13の底面より若干小さいものを使用し
た。なお、図中符号14は、流体通路を示し、符号15
は溝である。
【0045】〔実施例2〕成形用金型内の摺接面形成部
に、ポリフェニレンサルファイド樹脂60重量%と四フ
ッ化エチレン樹脂40重量%からなる組成物による厚さ
2mmの板状素材を、スライド弁の摺接面形状に加工し
た摺接部を配置し、次いで前記金型内にガラス繊維40
重量%を含むポリフェニレンサルファイド樹脂を射出成
形して複合的に一体となったスライド弁(家庭用エアコ
ン7kw相当品)を作製した。その他は実施例1と同じ
である。
【0046】〔比較例1〕成形用金型内の摺接面形成部
に、予め成形した厚さ1.5mmの四フッ化エチレン樹
脂シートを配置し、次いで前記金型内にガラス繊維30
重量%を含むポリアミド66樹脂(アミノ基を含む)を
射出成形して複合的に一体となったスライド弁(家庭用
エアコン7kw相当品)を作製した。その他は実施例1
と同じである。
【0047】〔比較例2〕成形用金型内に、芳香族ポリ
エステル樹脂(エステル基含む)15重量%と、四フッ
化エチレン樹脂15重量%と、残部ポリフェニレンサル
ファイド樹脂からなる樹脂組成物を射出成形してスライ
ド弁(家庭用エアコン7kw相当品)を作製した。上記
した通り作成した実施例および比較例のスライド弁に対
して、以下の実機耐久試験を行ない結果を表1に示し
た。
【0048】〔実機耐久試験〕図1および図2に示した
ヒートポンプを使用し、高温・高圧の条件の下で切換弁
にスライド弁を取り付け、初期および耐久運転(100
0回往復動)後のスライド弁のシール性、変形の有無、
剥がれの有無、発泡およびクラックの有無を調査した。
【0049】
【表1】
【0050】表1に示した結果からも明らかなように、
実施例1、2はいずれも外観に異常が認められず、シー
ル性にも問題がなかった。
【0051】これに対してスライド弁主要部にアミノ基
を含む結晶性熱可塑性樹脂を用いた比較例1は、変形は
なかったがスライド弁主要部に発泡が認められた。ま
た、シート部材がスライド弁主要部から部分的に剥がれ
ていた。
【0052】また、スライド弁主要部にエステル基を含
む樹脂を使用した比較例2は、変形および発泡は認めら
れなかったが、シール性については実施例より劣るもの
であった。
【0053】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように、ヒー
トポンプシステムの切換弁におけるスライド弁の少なく
とも弁座に対する摺接面を自己潤滑性樹脂で形成し、残
部を熱硬化性樹脂またはエステル基もしくはアミノ基を
有さない結晶性熱可塑性樹脂で形成したので、スライド
弁が耐熱性に優れており、しかも冷凍機油に添加された
各種の添加剤に対する耐久性を有し、高温度で長期間の
連続運転が可能な切換弁となる利点がある。
【0054】また、自己潤滑性樹脂層部材と熱硬化性樹
脂またはエステル基もしくはアミノ基を有さない結晶性
熱可塑性樹脂を複合成形する製造法により、前記の切換
弁に適用できるスライド弁を、低コストで効率よく製造
できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒートポンプシステムの概略図
【図2】ヒートポンプシステムにおける切換弁の実施形
態の断面図
【図3】スライド弁の一部断面側面図
【図4】スライド弁の底面図
【符号の説明】
A 弁本体 B パイロットバルブ 1 スライド弁 2、3、4、5 ポート 6、7、8 流体移送パイプ 6a、7a、8a 流体の出入口 9a、9b、9c 弁室 10 流体流入管 11 弁座 12 自己潤滑性樹脂層 13 スライド弁主要部 14 流体通路 15 溝 16 電磁コイル 17 プランジャ 17a 弁部 18 スプリング 19、20 隔壁 21 圧縮機 22 切換弁 23 室外熱交換器 24 絞り機構 25 室内熱交換器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒートポンプシステムに使用される切換
    弁であって、この切換弁におけるスライド弁の少なくと
    も弁座に対する摺接面を自己潤滑性樹脂で形成し、前記
    スライド弁の前記摺接面を除く残部を熱硬化性樹脂また
    はエステル基もしくはアミノ基を有さない結晶性熱可塑
    性樹脂で形成したことを特徴とする切換弁。
  2. 【請求項2】 自己潤滑性樹脂が、四フッ化エチレン樹
    脂を含有する樹脂組成物である請求項1記載の切換弁。
  3. 【請求項3】 熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂である
    請求項1または2記載の切換弁。
  4. 【請求項4】 切換弁が、2方以上の多方向弁式の切換
    弁である請求項1〜3のいずれか1項に記載の切換弁。
  5. 【請求項5】 スライド弁の成形用金型内の摺接面形成
    部を覆うように、予め成形した自己潤滑性樹脂層部材を
    配置し、次いで前記金型内に熱硬化性樹脂またはエステ
    ル基もしくはアミノ基を有さない結晶性熱可塑性樹脂を
    充填して一体に形成することからなるスライド弁の製造
    方法。
JP256898A 1998-01-08 1998-01-08 切換弁およびスライド弁の製造方法 Pending JPH11201297A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP256898A JPH11201297A (ja) 1998-01-08 1998-01-08 切換弁およびスライド弁の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP256898A JPH11201297A (ja) 1998-01-08 1998-01-08 切換弁およびスライド弁の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11201297A true JPH11201297A (ja) 1999-07-27

Family

ID=11532985

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP256898A Pending JPH11201297A (ja) 1998-01-08 1998-01-08 切換弁およびスライド弁の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11201297A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002005316A (ja) * 2000-06-26 2002-01-09 Ntn Corp バルブスライドおよび樹脂製部品
JP2002364762A (ja) * 2001-06-11 2002-12-18 Ntn Corp 切換弁および樹脂製部品
WO2006075433A1 (ja) 2005-01-13 2006-07-20 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha 四方弁
JP2007033307A (ja) * 2005-07-28 2007-02-08 Osaka Gas Co Ltd 膜式ガスメータ
JP2009144880A (ja) * 2007-12-18 2009-07-02 Fuji Koki Corp 四方切換弁用ピストン装置
JP2010159882A (ja) * 2010-04-02 2010-07-22 Mitsubishi Electric Corp 四方弁
CN103307314A (zh) * 2012-03-16 2013-09-18 浙江盾安禾田金属有限公司 电磁四通换向阀
JP2015175514A (ja) * 2014-03-18 2015-10-05 株式会社栗本鐵工所 ソフトシール仕切弁
JP2016114133A (ja) * 2014-12-12 2016-06-23 株式会社不二工機 流路切換弁

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002005316A (ja) * 2000-06-26 2002-01-09 Ntn Corp バルブスライドおよび樹脂製部品
JP2002364762A (ja) * 2001-06-11 2002-12-18 Ntn Corp 切換弁および樹脂製部品
US8347917B2 (en) 2005-01-13 2013-01-08 Mitsubishi Electric Corporation Four-way valve
US7896029B2 (en) 2005-01-13 2011-03-01 Mitsubishi Electric Corporation Four-way valve
EP2400191A1 (en) 2005-01-13 2011-12-28 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Four-way valve
EP2492553A1 (en) 2005-01-13 2012-08-29 Mitsubishi Denki K.K. Four-way valve
WO2006075433A1 (ja) 2005-01-13 2006-07-20 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha 四方弁
JP2007033307A (ja) * 2005-07-28 2007-02-08 Osaka Gas Co Ltd 膜式ガスメータ
JP2009144880A (ja) * 2007-12-18 2009-07-02 Fuji Koki Corp 四方切換弁用ピストン装置
JP2010159882A (ja) * 2010-04-02 2010-07-22 Mitsubishi Electric Corp 四方弁
CN103307314A (zh) * 2012-03-16 2013-09-18 浙江盾安禾田金属有限公司 电磁四通换向阀
CN103307314B (zh) * 2012-03-16 2016-06-08 苏州华越金属有限公司 电磁四通换向阀
JP2015175514A (ja) * 2014-03-18 2015-10-05 株式会社栗本鐵工所 ソフトシール仕切弁
JP2016114133A (ja) * 2014-12-12 2016-06-23 株式会社不二工機 流路切換弁

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3295710B2 (ja) 四方切換弁用弁体とその製造方法
JPH11201297A (ja) 切換弁およびスライド弁の製造方法
US20130108493A1 (en) Valve plate for a compressor
CN106574731B (zh) 复合阀
EP0028135A2 (en) Refrigerant flow reversing valve
JP2008138995A (ja) 四方切換弁およびそれを用いた空気調和機
JP4077705B2 (ja) 四方切換弁用弁体の製造方法
EP0303553B1 (en) Hybrid composite compressor
JP4303403B2 (ja) バルブスライド
CN107532755A (zh) 柔性管
JP2716289B2 (ja) 切替弁
JPH11201304A (ja) 切換弁および樹脂製部品
JP4020068B2 (ja) 圧縮機における断熱構造
CN206610802U (zh) 冷却体、功率半导体单元及冷却系统
KR20060045233A (ko) 왕복동식 압축기의 토출밸브
JPS6323074A (ja) 四方弁
CN111183305B (zh) 阀装置
CN109210237A (zh) 流量控制装置
JP2002364762A (ja) 切換弁および樹脂製部品
WO2008062838A1 (fr) Appareillage pour fluide
CN209012515U (zh) 电磁四通换向阀及其滑块
US10132301B2 (en) Compressor and crankshaft-connecting rod assembly
CN219345578U (zh) 组合阀及车辆
JP2005188407A (ja) ピストン式圧縮機における断熱構造
CN115467805A (zh) 往复式活塞压缩机用的复合阀板、往复式活塞压缩机

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040225

A977 Report on retrieval

Effective date: 20061109

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061114

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070306

A02 Decision of refusal

Effective date: 20070626

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02