JP2002327160A - 粘着剤組成物及び該組成物を用いたディスプレイ用粘着シート - Google Patents
粘着剤組成物及び該組成物を用いたディスプレイ用粘着シートInfo
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Abstract
の異常な状態におかれても、気泡の発生や白化による透
明性・視認性の低下を起こさない粘着剤層を形成するた
めの粘着剤組成物、及び、透明基材上に該粘着剤組成物
からなる粘着剤層を形成した耐湿性に優れたディスプレ
ー用粘着シートを提供すること。 【解決手段】 (a)(メタ)アクリル酸アルコキシア
ルキルエステルを主成分とし、これにカルボキシル基含
有モノマーを共重合させて得られる粘着性ポリマー10
0重量部と、(b)メタクリル酸アルキルエステル、メ
タクリル酸シクロアルキルエステル、メタクリル酸ベン
ジルまたはスチレンから選ばれる1種または2種以上の
モノマーを主成分とし、これにアミノ基又はアミド基含
有モノマーを共重合させて得られる低分子量ポリマー5
〜40重量部及び(c)架橋剤0.001〜2.0重量
部を含有する粘着剤組成物及びそれを用いた粘着シート
Description
該組成物を用いたディスプレイ用粘着シートに関し、特
に、液晶表示装置やタッチパネルなどにおいて使用さ
れ、高温高湿の異常な条件におかれた場合であっても、
粘着剤層における気泡の発生による視認性の低下を引き
起こすことがなく、粘着剤層が白化しても常温に戻せば
透明性及び視認性を回復する粘着剤層を形成するための
粘着剤組成物、及び、該組成物を用いたディスプレイ用
粘着シートに関するものである。
ディスプレイパネル(PDP)などのフラットパネルデ
ィスプレイ(FPD)が、様々な分野で表示装置として
使用されている。これらの表示装置には、反射防止フィ
ルムやプロテクトフィルムなどが使用されている。
FPDを表示装置として利用するだけでなく、それらの
表面にタッチパネルを設けて、入力装置としても利用さ
れている。このタッチパネルにも、保護フィルム、反射
防止フィルムやITO蒸着樹脂フィルムなどが使用され
ている。
剤)により貼着され使用されているが、高透明性及び高
耐久性などが要求されるために、その粘着剤としては主
としてアクリル系粘着剤が使用されている。そして、こ
れらのFPDやタッチパネルは、その利用分野の拡大と
ともに、より高温・高湿条件に置かれることが増えてい
る。こうした中で、より高温・高湿下で十分な粘着性能
が得られるようなアクリル系粘着剤の改良が行われてい
る。
の炭素数が1〜20のアクリル酸アルキルエステルを主
成分とし、アクリル酸などの官能基含有単量体を0.1
〜10重量%、及び、共重合可能なその他のモノマーを
0〜40重量%程度共重合させたアクリル系ポリマー、
架橋剤、及び、場合によっては粘着付与樹脂などの添加
したものであり、高温・高湿条件下での粘着性能の改良
は、分子量や分子量分布などを調製することにより行わ
れている。
ルム用粘着剤組成物として、特開平10−310754
号公報で、カルボキシル基含有樹脂組成物とアミノ基含
有樹脂組成物とを含有した粘着剤組成物が高温条件下で
の発泡やふくれの発生を抑制できること開示している。
剤では、高温・高湿条件下では徐々に粘着剤層の透明性
が低下し、一度透明性が低下すると、常温に戻しても容
易には透明性が回復しないものであった。
る粘着剤層の透明度の低下は、フィルム貼着面の側端部
から水分が浸入して接着剤層の白化と微細気泡の発生を
引き起こすものであり、従来の粘着剤では、高湿下で水
分が侵入すると、常温に戻しても容易に水分が抜けない
ために透明性が回復しないことがわかった。また、高湿
下から常温に戻した際に粘着剤層中の水分が過飽和とな
り、界面で水分が凝縮して一時的に白化が大きくなるこ
とがわかった。そこで、本発明は、FDPやタッチパネ
ルにおいて、高温高湿下の異常な状態におかれてた場合
であっても、粘着剤層の気泡の発生による視認性の低下
を引き起こすことがなく、粘着剤層が白化しても常温に
戻せば透明性及び視認性を回復する粘着剤層を形成する
ための粘着剤組成物、及び、透明フィルム上に該粘着剤
組成物からなる粘着剤層を形成した耐湿性に優れたディ
スプレー用粘着シートを提供することを課題としてい
る。
ついて鋭意研究を重ねた結果、親水性の高い(メタ)ア
クリル酸アルコキシアルキルを主成分とするポリマー
に、アミノ基又はアミド基を有する低分子量ポリマーと
架橋剤を添加した粘着剤組成物からなる粘着剤層が、高
温・高湿下での被着体や基材(支持体)等からのアウト
ガスの発生の抑制だけでなく、微細な気泡の発生を抑制
し、高温・高湿下で白化による透明性の低下があるもの
の、高温・高湿条件から常温に戻すと容易に透明性が回
復することを見いだし、発明を完成した。
(a)(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル
を主成分とし、これにカルボキシル基含有モノマーを
0.1〜10重量%共重合させて得られる重量平均分子
量60万以上の粘着性ポリマー100重量部と、(b)
メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸シクロア
ルキルエステル、メタクリル酸ベンジルまたはスチレン
から選ばれる1種または2種以上のモノマーを主成分と
し、これにアミノ基含有モノマー又はアミド基含有モノ
マーを0.5〜10重量%共重合させて得られる、ガラ
ス転移温度が60℃以上で重量平均分子量5万以下の低
分子量ポリマー5〜40重量部と、(c)架橋剤0.0
01〜2.0重量部とを含有することを特徴としてお
り、架橋剤としては特にエポキシ化合物が好ましい。
は、厚さ10〜500μmの透明樹脂フィルムの少なく
とも1つの表面に、前記の粘着剤組成物からなる粘着剤
層を形成したことを特徴としており、さらに、透明基材
に貼着し60℃、95%Rh雰囲気に48時間静置した
ときの含水率が4重量%以上で、23℃、65%Rh雰
囲気に取り出して24時間後に測定したヘイズ値が3%
以下であることを特徴としている。
粘着性ポリマー、(b)低分子量ポリマー及び(c)架
橋剤で構成される。この(a)粘着性ポリマーは、(メ
タ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルを主成分と
し、これにカルボキシル基含有モノマーを0.1〜10
重量%共重合させて得られる共重合体であって、重量平
均分子量が60万以上のものである。
ステルの例としては、(メタ)アクリル酸2-メトキシエ
チル、(メタ)アクリル酸2-メトキシプロピル、(メ
タ)アクリル酸3-メトキシプロピル、(メタ)アクリル
酸2-メトキシブチル、(メタ)アクリル酸4-メトキシブ
チル、(メタ)アクリル酸2-エトキシエチル、(メタ)
アクリル酸3-エトキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-
エトキシブチルなどを挙げることができる。なお、(メ
タ)アクリル酸は、アクリル酸とメタクリル酸の両方を
意味する。カルボキシル基含有モノマーの例としては、
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸β-カルボキ
シエチル、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマ
ル酸などを挙げることができる。
クリル酸アルコキシアルキルエステルから選ばれる1種
又は2種以上のモノマー(以下アルコキシモノマーとす
ることがある)を主成分とし、これにカルボキシル基含
有モノマーを0.1〜10重量%含むモノマー混合物を
共重合させて得られるものであるが、これらのモノマー
以外に、共重合可能なモノマーを加えた共重合体として
も良い。
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸ブチル及び(メタ)アクリル酸オク
チルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メ
タ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル
酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸フェニ
ル及び(メタ)アクリル酸ベンジルなどの(メタ)アク
リル酸アリールエステル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロ
キシエチルなどの水酸基含有モノマー、アリルグリシジ
ルエーテル、(メタ)アクリル酸グリシジルエーテルな
どのエポキシ基含有モノマー、フッ素置換(メタ)アク
リル酸アルキルエステル、(メタ)アクリロニトリルな
どのほか、スチレン及びメチルスチレンなどのビニル基
含有芳香族化合物、酢酸ビニル、ハロゲン化ビニル化合
物などを挙げることができる。
モノマー51〜99.9重量%、カルボキシル基含有モ
ノマー0.1〜10重量%、その他の共重合可能なモノ
マー0〜48.9重量%である。好ましくは、アルコキ
シモノマー65〜99.9重量%、カルボキシル基含有
モノマー0.1〜10重量%、その他の共重合可能なモ
ノマー0〜34.9重量%であり、より好ましくは、ア
ルコキシモノマー80〜99.5重量%、カルボキシル
基含有モノマー0.5〜10重量%、その他の共重合可
能なモノマー0〜19.5重量%である。アルコキシモ
ノマーの混合比が50%以下であると、高湿下から常温
に戻した際に大きな白化が起こりやすい。また、カルボ
キシル基含有モノマーの混合比が、0.1重量%未満及
び10重量%を越えると、成分(b)との相溶性が低下
し粘着剤層にくすみが生じやすい。共重合可能なモノマ
ーは、粘着力の調製、凝集力の調製、せん断の調製及び
屈折率の調整などのために配合することができるが、少
ない方がよい。
(a)粘着性ポリマーの分子量は、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量
が60万以上であるが、好ましくは80万〜150万で
ある。この重量平均分子量が、60万未満では、高温高
湿雰囲気下における気泡の発生を抑制することができな
い。
分子量ポリマーは、メタクリル酸アルキルエステル、メ
タクリル酸シクロアルキルエステル、メタクリル酸ベン
ジルまたはスチレンから選ばれる1種または2種以上の
モノマーを主成分とし、これにアミノ基含有モノマー又
はアミド基含有モノマーを0.5〜10重量%共重合さ
せて得られるポリマーである。特に、メタクリル酸アル
キルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、
メタクリル酸ベンジルまたはスチレンから選ばれる1種
または2種以上のモノマーを80〜99.5重量%、ア
ミノ基含有モノマー又はアミド基含有モノマーを0.5
〜10重量%、その他の共重合可能なモノマーを0〜1
0重量%を共重合させたものが好ましい。
は、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラ
ウリルなどを挙げることができ、メタクリル酸シクロア
ルキルの例としてはメタクリル酸シクロヘキシルなどを
挙げることができる。また、アミノ基含有モノマーの例
としては、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)
アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸
ジメチルアミノプロピル、ビニルピリジンなどを挙げる
ことができ、アミド基含有モノマーの例としては、(メ
タ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルア
ミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプ
ロピル(メタ)アクリルアミドなどを挙げることができ
る。さらに、その他の共重合可能なモノマーとしては、
アクリル酸アルキルエステル及び(メタ)アクリル酸ア
ルコキシアルキルエステルなどがある。
(b)低分子量ポリマーの分子量は、GPCによる重量
平均分子量が5万以下であるが、好ましくは1万〜5万
である。この重量平均分子量が、5万を越えるもので
は、成分(a)との相溶性が低下しくすみや相分離が生
じやすい。また、(b)低分子量ポリマーのガラス転移
温度(Tg)は、60℃以上であるが、好ましくは80
〜120℃である。このTgは、Foxの式により計算
した値である。このTgが、60℃未満であると、高温
高湿条件での気泡の発生を抑制できない。
は、(a)粘着性ポリマー100重量部に対して、5〜
40重量部であるが、特に10〜25重量部が好まし
い。この低分子量ポリマーの配合量が5重量部未満であ
ると、高温高湿条件での気泡の発生を抑制できず、40
重量部を越えると常温に戻したときに透明性が回復しに
くい。
子量ポリマーを製造する方法としては、溶液重合、塊状
重合、乳化重合、懸濁重合などの従来公知の重合方法に
より製造できる。
橋剤としては、エポキシ化合物系架橋剤、イソシアネー
ト化合物系架橋剤、金属キレート化合物系架橋剤、アジ
リジン化合物系架橋剤及びアミノ樹脂系架橋剤を挙げる
ことができる。中でも、分子内に2個以上のエポキシ基
を有するエポキシ化合物系架橋剤、分子内に2個以上の
イソシアネート基を有するイソシアネート化合物系架橋
剤、及びアジリジン化合物系架橋剤が好ましく、特に、
エポキシ化合物系架橋剤が好ましい。
るエポキシ化合物系架橋剤としては、1,3-ビス(N,N-ジ
グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N',N'-
テトラグリジル-m-キシリレンジアミン、N,N,N',N'-テ
トラグリジルアミノフェニルメタン、トリグリシジルイ
ソシアヌレート、m-N,N-ジグリシジルアミノフェニルグ
リシジルエーテル、N,N-ジグリシジルトルイジン、N,N-
ジグリシジルアニリン、ペンタエリスリトールポリグリ
シジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエ
ーテル等のエポキシ基を2個以上有する化合物が好まし
い。
基を有するイソシアネート化合物系架橋剤の例として
は、トリレンジイソシアネート(TDI)、クロルフェ
ニレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナ
ート、テトラメチレンジイソシアナート、イソホロンジ
イソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、
水添されたジフェニルメタンジイソシアネートなどのイ
ソシアネートモノマー及びこれらイソシアネートモノマ
ーをトリメチロールプロパンなどと付加したイソシアネ
ート化合物やイソシアヌレート化物、ビュレット型化合
物、さらには公知のポリエーテルポリオールやポリエス
テルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエン
ポリオール、ポリイソプレンポリオールなど付加反応さ
せたウレタンプレポリマー型のイソシアネート等を挙げ
ることができる。
しては、トリメチロールプロパントリ-β-アジリジニル
プロピオネート、トリメチロールプロパントリ-β-(2-
メチルアジリジン)プロピオネート、テトラメチロール
メタントリ-β-アジリジニルプロピオネート、トリエチ
レンメラミン等を挙げることができる。
性ポリマー100重量部に対して0.0001〜2.0
重量部であるが、前記エポキシ化合物系架橋剤を使用し
た場合には、0.0001〜0.1重量部が好ましく、
0.001〜0.05重量部が特に好ましい。
及び本発明の効果を損なわない範囲で有れば、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、粘着付与樹脂、可
塑剤、消泡剤及び濡れ性調製剤等を配合しても良い。
さ10〜500μmの透明樹脂フィルムの少なくとも1
つの表面に、前記の粘着剤組成物からなる粘着剤層を形
成したものである。この透明樹脂フィルムの例として
は、トリアセチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリアセチレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフトレート、ポリイミド、ポリアラ
ミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルメ
タクリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスル
フォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミ
ド、ポリエーテルアミド、ポリフェニルスルファイド、
ポリビニルアルコール及びポリビニルアセタール等を挙
げることができる。さらに、これらのフィルムの少なく
とも1つの表面に透明金属薄膜を形成した金属薄膜積層
型透明樹脂フィルムでも良い。透明金属薄膜を有する金
属薄膜積層型透明樹脂フィルムの例としては、ITO蒸
着トリアセチルセルロース、銅蒸着トリアセチルセルロ
ース、酸化スズ(SnO2)蒸着トリアセチルセルロース、
ITO蒸着ポリエチレンテレフタレート、銅蒸着ポリエ
チレンテレフタレート、酸化スズ(SnO2)蒸着ポリエチ
レンテレフタレート、ITO蒸着ポリカーボネート、銅
蒸着ポリカーボネートおよび酸化スズ(SnO2)蒸着ポリ
カーボネート等を挙げることができる。
成させる方法としては、剥離紙等に粘着剤組成物を塗布
・流延した後に、加熱により溶剤や水などの溶媒あるい
は分散媒を除去するとともに架橋反応させて粘着剤層を
形成した後、透明樹脂フィルムに粘着剤層を転写する方
法、透明樹脂フィルム上に直接粘着剤組成物を塗布・流
延し溶媒あるいは分散媒を除去するとともに架橋反応さ
せる方法などが例示できる。また、(a)粘着性ポリマ
ーを構成するモノマー混合物に(b)低分子量ポリマー
及び(c)架橋剤を配合し、剥離紙などの支持体又は透
明樹脂フィルムに塗布・流延した後、UVを照射して塊
状重合を行った後に、加熱して架橋反応させることによ
り粘着剤層を形成しても良い。この架橋反応は、常温で
7日程度静置することにより、架橋が安定する。こうし
て得られる架橋反応後の粘着剤層の酢酸エチル中25℃
で測定したゲル分率は、50〜90重量%となるが、好
ましくは60〜80重量%の範囲内にある。
記粘着剤組成物を所定の温度で架橋反応させて粘着剤層
を形成することにより、透明基材に貼着し、60℃、9
5%Rh(相対湿度)雰囲気に48時間静置したときの
含水率が4重量%以上、23℃、65%Rh雰囲気に取
り出して24時間後に測定したヘイズ値が3%以下とし
たものが好ましい。特に、60℃、95%Rh雰囲気に
48時間静置したときの含水率が4〜10重量%、23
℃、65%Rh雰囲気に取り出して24時間後に測定し
たヘイズ値が0.01〜3%にすることが好ましい。含
水率が4%未満の場合は、高湿条件下での白化速度を遅
くできるが、常温常湿下に戻したときに透明性が回復し
にくい。逆に、含水率が10重量%を越えると、貼着面
端部での剥がれが生じやすい。この透明基材としては、
ガラス及び前記透明樹脂フィルム等が挙げられる。
ルフィルム上に粘着剤層を形成し、60mm×130m
mに裁断した後に、その粘着シートを70mm×150
mmに裁断された厚さ1mmのポリカーボネートに貼り
付け、60℃,90%RH雰囲気下に48時間静置し、
粘着剤の重量増加を測定することにより求める。
さらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によ
って限定されるものではない。なお、製造例および実施
例で示す部は重量部を示し、重量平均分子量はGPCに
より測定した値である。
及び窒素導入管を備えた反応装置に、アクリル酸メトキ
シエチル(MEA)95部、アクリル酸(AA)5部及
び酢酸エチル(EtAc)150部を仕込み、アゾビス
イソブチロニトリル(AIBN)0.2部を加え、窒素
ガス気流中68℃にて8時間重合反応を行なった。反応
終了後、酢酸エチルにて希釈し、固形分濃度20重量%
に調整し、粘度7.2(Pa・秒)、重量平均分子量1
05万の粘着ポリマー溶液(Aー1)を得た。
0.2部をAIBN0.25部と代えた以外は同様にし
て、粘度3.5(Pa・秒)、重量平均分子量85万の
粘着ポリマー溶液(A−2)を得た。
5部をMEA85部、アクリル酸ブチル10部に代えた
以外は同様にして、粘度6.8(Pa・秒)、重量平均
分子量100万の粘着ポリマー溶液(A−3)を得た。
BN0.2部をAIBN0.5部に代えた以外は同様に
して、粘度1.5(Pa・秒)、重量平均分子量50万
の粘着ポリマー溶液(CA−1)を得た。
A95部の代わりに、アクリル酸n-ブチル(BA)50
部及びMEA45部を用いた以外は同様にして、粘度
3.6(Pa・秒)、重量平均分子量85万の粘着ポリ
マー溶液(CA−2)を得た。
5部の代わりに、アクリル酸2-ヒドロキシエチル(2-H
EA)5部を用いた以外は同様にして、粘度7.8(P
a・秒)、重量平均分子量85万の粘着ポリマー溶液
(CA−3)を得た。
A95部、AA5部の代わりに、MEA85部、AA1
5部を用いた以外は同様にして、粘度9.2(Pa・
秒)、重量平均分子量85万の粘着ポリマー溶液(CA
−4)を得た。
及び窒素導入管を備えた反応装置にトルエン100部を
仕込み、窒素気流中90℃に昇温した。ついで、メタク
リル酸メチル(MMA)99部、メタクリル酸ジメチル
アミノエチル(DMAEMA)1部、アゾビスイソブチ
ロニトリル1部を滴下ロートより、2時間かけて滴下
し、さらにアゾビスイソブチロニトリル1部を追加して
リフラックスさせて5時間重合した。反応終了後、トル
エンにて希釈して固形分45%に調整し、粘度10(P
a・秒)、Tg 104℃、重量平均分子量2万の低分
子量ポリマー溶液(B−1)を得た。
及び窒素導入管を備えた反応装置にトルエン100部を
仕込み、窒素気流中90℃に昇温した。ついで、メタク
リル酸メチル99部、メタクリル酸ジメチルアミノエチ
ル1部、アゾビスイソブチロニトリル1部を滴下ロート
より、2時間かけて滴下し、さらにアゾビスイソブチロ
ニトリル1部を追加してリフラックスさせて5時間重合
した。反応終了後、トルエンにて希釈して固形分45%
に調整し、粘度10(Pa・秒)、Tg 104℃、重
量平均分子量4万の低分子量ポリマー溶液(B−2)を
得た。
9部、DMAEMA1部の代わりに、MMA92部、D
MAEMA8部を用いた以外は同様にして、粘度7.0
(Pa・秒)、Tg104℃、重量平均分子量3万の低
分子量ポリマー溶液(B−3)を得た。
9部、DMAEMA1部の代わりに、スチレン99部、
アクリルアミド1部を用いた以外は同様にして、粘度1
0(Pa・秒)、Tg105℃、重量平均分子量4万の
低分子量ポリマー溶液(B−4)を得た。
A99部の代わりに、メタクリル酸n-ブチル(n−BM
A)99部とした以外は同様にして、粘度10(Pa・
秒)、Tg20℃、重量平均分子量4万の低分子量ポリ
マー溶液(CB−1)を得た。
A99部、DMAEMA1部の代わりに、MMA100
部とした以外は同様にして、粘度10(Pa・秒)、T
g 105℃、重量平均分子量4万の低分子量ポリマー
溶液(CB−2)を得た。
A99部、DMAEMA1部の代わりに、MMA85
部、DMAEMA15部とした以外は同様にして、粘度
5.0(Pa・秒)、Tg89℃、重量平均分子量2万
の低分子量ポリマー溶液(CB−3)を得た。
形分として)に製造例4で得た重合体溶液10部(固形
分として)を加え、さらに架橋剤としてエポキシ化合物
系架橋剤(テトラッドC、三菱瓦斯化学(株)製)0.
05部を加えてよく混合し粘着剤組成物とした。
エチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、乾燥
後の厚みが25μmとなるように塗布し、80℃で溶媒
を除去して乾燥するとともに架橋反応させ、乾燥面に厚
み38μmの剥離処理したPETフィルムを貼り合わせ
て、23℃、65%RHで7日静置し、セパレーター付
きの粘着シートを得た。
定方法で、ゲル分率、含水率、耐発泡性、貼付面端部の
剥がれ及びヘイズ値を測定した。得られた結果を表2に
示す。
シートを50mm×50mmに裁断し、その裁断した粘
着シートからから粘着剤を剥がし取り、粘着剤の初期重
量を秤量した。その粘着剤を100gの酢酸エチルに浸
漬し室温で24時間静置する。その後、200メッシュ
金網でろ過し、メッシュに残った残分を80℃で2時間
乾燥し、秤量する。初期の重量及び残分の重量から、次
式[I]によりゲル分率を算出する。
ネートを70mm×150mmに裁断し秤量する(この
重量をWcとする)。セパレーター付き粘着シートを6
0mm×130mmに裁断し、剥離処理したPETフイ
ルム(セパレーター)を剥がして粘着シートを秤量する
(この重量をWsとする)。この粘着シートを裁断した
ポリカーボネートに貼り付け、60℃,90%RH雰囲
気下に48時間静置した。その後、直ちにその積層体を
秤量し(この重量をW1とする)、その積層体から50
μmPETフィルムを剥がし、剥がしたPETフィルム
を秤量する(この重量をWpとする)。含水率は次式
[II]により算出した。
同様に積層体を作製し、80℃,90%RH雰囲気下に
48時間静置し、その後23℃,65%RH雰囲気下に
1時間静置して、積層体の発泡の有無、貼付面端部での
剥がれの有無を目視により観察した。耐発泡性の評価
は、 ◎・・・発泡はまったく観察されなかった。 ○・・・僅かに微細な発泡が認められるが、実用上、問
題ないレベルである。 △・・・微細な発泡が多く、実用上、やや問題があるレ
ベルであった。 ×・・・発泡が多く、大きな発泡及びふくれが観察され
た。 の4段階で行った。
を作製し、60℃,90%RH雰囲気下に48時間静置
し、さらに23℃,65%RH雰囲気下に24時間静置
した。その後、積層体の全光線透過率と拡散透過率を測
定して、次式[III]によりヘイズ値を算出した。
ポリマー溶液の種類を表1に示すように代えて粘着剤組
成物を得るとともに、実施例1と同様の測定を行った。
結果を表2に示す。
ルムの表面に本発明の粘着剤組成物からなる粘着剤層を
形成した本発明のディスプレイ用粘着剤は、高温高湿雰
囲気下において、基材又は被着体からのアウターガスに
よる発泡や、粘着剤層中の微細な発泡を抑制するととも
に、高温高湿雰囲気下において白化が起こっても、常温
・常湿雰囲気下に戻すと透明性が容易に回復するという
優れた効果を有するものである。
1)
70mm×150mmに裁断し秤量する(この重量をW
cとする)。セパレーター付き粘着シートを60mm×
130mmに裁断し、剥離処理したPETフイルム(セ
パレーター)を剥がして粘着シートを秤量する(この重
量をWsとする)。この粘着シートを裁断したガラス板
に貼り付け、60℃,90%RH雰囲気下に48時間静
置した。その後、直ちにその積層体を秤量し(この重量
をW1とする)、その積層体から50μmPETフィル
ムを剥がし、剥がしたPETフィルムを秤量する(この
重量をWpとする)。含水率は次式[II]により算出し
た。
Claims (5)
- 【請求項1】 (a)(メタ)アクリル酸アルコキシア
ルキルエステルを主成分とし、これにカルボキシル基含
有モノマーを0.1〜10重量%共重合させて得られる
重量平均分子量60万以上の粘着性ポリマー100重量
部と、(b)メタアクリル酸アルキルエステル、メタク
リル酸シクロアルキルエステル、メタアクリル酸ベンジ
ルまたはスチレンから選ばれる1種または2種以上のモ
ノマーを主成分とし、これにアミノ基含有モノマー又は
アミド基含有モノマーを0.5〜10重量%共重合させ
て得られる、ガラス転移温度が60℃以上で重量平均分
子量5万以下の低分子量ポリマー5〜40重量部と、
(c)架橋剤0.001〜2.0重量部とを含有するこ
とを特徴とする粘着剤組成物。 - 【請求項2】 架橋剤が、エポキシ化合物であることを
特徴とする請求項第1項記載の粘着剤組成物。 - 【請求項3】 厚さ10〜500μmの透明樹脂フィル
ムの少なくとも1つの表面に、請求項第1項又は第2項
記載の粘着剤組成物からなる粘着剤層を形成したことを
特徴とするディスプレイ用粘着シート - 【請求項4】 透明基材に貼着し60℃、95%Rh雰
囲気に48時間静置したときの含水率が4重量%以上
で、23℃、65%Rh雰囲気に取り出して24時間後
に測定したヘイズ値が3%以下であることを特徴とする
請求項第3項記載のディスプレイ用粘着シート - 【請求項5】 透明樹脂フィルムが、少なくとも1つの
表面に金属薄膜を有する金属薄膜積層型透明樹脂フィル
ムであることを特徴とする請求項第3項乃至第4項記載
のディスプレイ用粘着シート
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