JP2010196003A - 偏光板用粘着剤組成物およびこれを利用した偏光板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
次の成分(A)ないし(C)
(A)カルボキシル基含有モノマーを1〜8質量%含有するモノマー混合物を重合し
て得られ、重量平均分子量が25万〜60万であり、かつ重量平均分子量(M
w)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.5以下である(メタ)
アクリル系ポリマー 100質量部
(B)エポキシ架橋剤 0.01〜 10質量部
(C)イソシアネート化合物 6〜 20質量部
を含有することを特徴とする偏光板用粘着剤組成物。
【選択図】なし
Description
次の成分(A)ないし(C)
(A)カルボキシル基含有モノマーを1〜8質量%含有するモノマー混合物を重合し
て得られ、重量平均分子量が25万〜60万であり、かつ重量平均分子量(M
w)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.5以下である(メタ)
アクリル系ポリマー 100質量部
(B)エポキシ架橋剤 0.01〜 10質量部
(C)イソシアネート化合物 6〜 20質量部
を含有することを特徴とする偏光板用粘着剤組成物である。
アクリル系ポリマーの製造:
撹拌機、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコに、ブチルアクリレート97.8質量部、アクリル酸2質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.2質量部、酢酸エチル50質量部、ノルマルドデシルメルカプタン(NDM)0.1質量部を仕込みフラスコ内に窒素ガスを導入しながらフラスコの内容物を60℃に加熱した。次いで、十分に窒素ガス置換した重合開始剤アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.1質量部を攪拌下にフラスコ内に添加した。フラスコ内の内容物の温度が60℃に維持できるように、加熱及び冷却を10時間行い最後に酢酸エチル150部を添加してアクリル系ポリマーA1溶液を得た。このアクリル系ポリマーA1について、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を下記GPC測定条件に従って測定し、分散度(Mw/Mn)を求めた。また、不揮発分(nV)および粘度についても下記方法により測定した。測定結果をモノマー組成と併せて表1に示す。
測定装置:HLC−8120GPC(東ソー社製)
GPCカラム構成:以下の5連カラム(すべて東ソー社製)
(1)TSK−GEL HXL−H (ガードカラム)
(2)TSK−GEL G7000HXL
(3)TSK−GEL GMHXL
(4)TSK−GEL GMHXL
(5)TSK−GEL G2500HXL
サンプル濃度:1.0mg/cm3となるように、テトラヒドロフランで希釈
移動相溶媒:テトラヒドロフラン
流量: 1ml/min
カラム温度:40℃
精秤したブリキシャーレ(n1)にアクリル系共重合体溶液を1g程度入れ、合計重量(n2)を精秤した後、105℃で3時間加熱した。その後、このブリキシャーレを室温のデシケータ内に1時間静置し、次いで再度精秤し加熱後の合計重量(n3)を測定した。得られた重量測定値(n1〜n3)を用いて下記式から不揮発分を算出した。
不揮発分(%)=100×[加熱後重量(n3−n1)/加熱前重量(n2−n1)]
B型粘度計を使用して、室温にて測定した。
ブチルアクリレートとアクリル酸の配合量をそれぞれ95.4質量部と4質量部に代えた以外は製造例1と同様にしてアクリル系ポリマーA2溶液を得た。このポリマーのMw、Mn、不揮発分、粘度を製造例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
モノマー組成をブチルアクリレート92.95質量部、アクリル酸7質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.05質量部に代えた以外は製造例1と同様にしてアクリル系ポリマーA3溶液を得た。このポリマーのMw、Mn、不揮発分、粘度を製造例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコに、ブチルアクリレート67.8質量部、ベンジルアクリレート25質量部、フェノキシエチルアクリレート3質量部、アクリル酸4質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.2質量部、NDM0.1質量部、酢酸エチル70質量部を加え、窒素ガスを導入しながらフラスコの内容物を60℃に加熱した。次いで、開始剤としてAIBN 0.1質量部を十分に窒素ガス置換した攪拌下にフラスコ内に添加した。フラスコ内の内容物の温度が60℃に維持できるように、加熱及び冷却を10時間行い最後に酢酸エチル110部を添加してアクリル系ポリマーA4溶液を得た。このポリマーについて、製造例1と同様にしてMw、Mn、不揮発分、粘度を測定した。結果を表1に示す。
攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコに、ブチルアクリレート95.8質量部、アクリル酸4質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.2質量部、酢酸エチル90質量部を仕込みフラスコ内に窒素ガスを導入しながらフラスコの内容物を60℃に加熱した。次いで、十分に窒素ガス置換したAIBN 0.1質量部を攪拌下にフラスコ内に添加した。フラスコ内の内容物の温度が60℃に維持できるように、加熱及び冷却を5時間行い、その後65℃に昇温し4時間攪拌した。最後に酢酸エチル110部を添加してアクリル系ポリマーB1溶液を得た。このポリマーについて、製造例1と同様にしてMw、Mn、不揮発分、粘度を測定した。結果を表1に示す。
攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコに、ブチルアクリレート95.5質量部、アクリル酸0.5質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート4質量部、酢酸エチル90質量部を仕込みフラスコ内に窒素ガスを導入しながらフラスコの内容物を70℃に加熱した。次いで、十分に窒素ガス置換したAIBN 0.1質量部を攪拌下にフラスコ内に添加した。フラスコ内の内容物の温度が60℃に維持できるように、加熱及び冷却を10時間行い最後に酢酸エチル110部を添加してアクリル系ポリマーB2溶液を得た。このポリマーについて、製造例1と同様にしてMw、Mn、不揮発分、粘度を測定した。結果を表1に示す。
攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコに、ブチルアクリレート95.8質量部、アクリル酸4質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.2質量部、NDM0.2部、酢酸エチル50質量部を仕込みフラスコ内に窒素ガスを導入しながらフラスコの内容物を60℃に加熱した。次いで、十分に窒素ガス置換したAIBN 0.1質量部を攪拌下にフラスコ内に添加した。フラスコ内の内容物の温度が60℃に維持できるように、加熱及び冷却を10時間行い最後に酢酸エチル150部を添加してアクリル系ポリマーB3溶液を得た。このポリマーについて、製造例1と同様にしてMw、Mn、不揮発分、粘度を測定した。結果を表1に示す。
攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコに、ブチルアクリレート95.8質量部、アクリル酸4質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.2質量部、酢酸エチル50質量部を仕込みフラスコ内に窒素ガスを導入しながらフラスコの内容物を60℃に加熱した。次いで、十分に窒素ガス置換したAIBN 0.1質量部を攪拌下にフラスコ内に添加した。フラスコ内の内容物の温度が60℃に維持できるように、加熱及び冷却を10時間行い最後に酢酸エチル190部を添加してアクリル系ポリマーB4溶液を得た。このポリマーについて、製造例1と同様にしてMw、Mn、不揮発分、粘度を測定した。結果を表1に示す。
粘着剤層を有する偏光板の作製:
(粘着剤組成物の調製)
製造例1により得られたアクリル系ポリマーA1溶液のアクリル系ポリマーA1(固形分)100質量部に対して、イソシアネート化合物としてTDI系のコロネートL(日本ポリウレタン社製)8質量部、エポキシ系硬化剤としてテトラッドX(三菱瓦斯化学社製)0.2質量部、シランカップリング剤としてKBM−403(信越化学工業株式会社製)0.2質量部を添加し、これらを充分混合して粘着剤組成物を得た。
泡抜け後、ドクターブレードを用い剥離処理されたポリエステルフィルムに塗工し、すぐに90℃で3分間乾燥した。乾燥後、偏光板に張り合わせ、室温23℃、湿度50%の条件で7日間静置して熟成させて粘着剤層を有する偏光板を得た。
アクリル系ポリマー、エポキシ架橋剤およびイソシアネート化合物を下記表2のように代えた以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物を得た。また、得られた粘着剤組成物を用い、実施例1と同様にして粘着剤層を有する偏光板を作製した。
実施例1〜6および比較例1〜8で得た粘着剤組成物および偏光板について、粘着力、ゲル分率、光弾性係数、耐久性、光漏れ防止性および白化の有無を以下の評価方法で評価した。これらの結果を表2および3にまとめて示す。
粘着剤層を有する偏光板を70mm×25mmの大きさに裁断し試験片を作成した。試験片からポリエステルフィルムを剥離し、ガラス板の片面にラミネータロールを用いて貼着した後、50℃、5気圧に調整されたオートクレーブ中に20分間保持した。次いで23℃、50%RH環境下に1時間放置した後、90°方向に300mm/minの速度で引っ張り、剥離強度を測定した。
得られた粘着剤組成物を乾燥後の厚みが20μmになるように剥離処理したポリエステルの表面に塗布し、乾燥させた後、もう一方の面に剥離処理したポリエステルフィルムを張り合わせて、23℃、50%RHで7日間熟成させて、試験片を作製した。試験片から粘着剤約0.1gをサンプル瓶に採取し、酢酸エチル30ccを加えて24時間振とうした後、該サンプル瓶の内容物を200メッシュのステンレス製金綱でろ別し、金綱上の残留物を100℃で2時間乾燥させて、乾燥重量を測定し、次式より求めた。
ゲル分率(%)=(乾燥重量/採取した粘着剤重量)×100
得られた粘着剤組成物を乾燥後の厚みが125μmになるように、剥離処理されたポリエステルフィルム上に塗布し、80℃で2分間乾燥させて粘着フィルムを作成した。この粘着フィルム2枚を粘着剤層同士を合わせて積層した。得られた粘着層厚250μm粘着フィルムを用いて、さらに同様の操作を繰り返して粘着剤層の厚みが1mmの粘着シートを作成した。この粘着シートを23℃、50%RH環境下で7日間熟成させて試験片を作成した。試験片を15mm×50mmの大きさに裁断して、これを光弾性測定装置M−220(大塚電子社製エリプソメータ)に治具を用いて取り付け、リタデーションを、応力を変えながら測定波長633nmで測定した。応力を横軸に、リタデーションを縦軸にとった時の傾きを光弾性係数とした。
粘着剤層を有する偏光板を、150mm×250mmの大きさに裁断し、ガラス板の片面にラミネーターロールを用いて貼着し、次いで、50℃、5気圧に調整されたオートクレーブに20分間保持して、試験板を作成した。同様の試験板を2枚作成し、それぞれ、温度60℃、湿度95%RHの条件下で500時間放置、及び温度85℃の条件下で500時間放置し、以下の基準でハガレの発生等を目視で観察し評価した。
(基準)
○:発泡、ハガレ、きれつは見られない
△:発泡、ハガレ、きれつがやや見られる
×:発泡、ハガレ、きれつが全面に見られる
粘着剤層を有する偏光板2枚を、19インチワイドTNモニタ(型番:BenQ FP93VW)の表裏面に相互に直交ニコル位になるようにラミネーターロールを用いて貼着し、次いで、50℃、5気圧に調整されたオートクレーブに20分間保持して、試験板を作成した。作成した試験板を、70℃の条件下で500時間放置し、光漏れを目視で観察し、以下の基準で評価した。
(基準)
○:光漏れが見られない
△:光漏れが一部見られる
×:光漏れが全面に見られる
得られた粘着剤組成物を乾燥後の厚みが20μmになるように剥離処理したポリエステルフィルム上に塗布し、80℃で2分間乾燥後、粘着剤塗膜を目視で観察した。
また、(メタ)アクリル系ポリマーの分子量分布の広い比較例5や、重量平均分子量の小さい比較例7では、低分子量体が多く存在しポリ尿素とのポリマー鎖の絡み合いが少なく、凝集力も低下するため光漏れを有効に抑制することができず、重量平均分子量の大きい比較例8ではポリ尿素とポリマーとの相溶性が悪化するため、塗膜の白化やポリ尿素のブリードによる粘着力の低下が生じる。
本件実施例においては、多量のイソシアネート化合物を添加しているものの、ベンゼン環含有モノマーを共重合した実施例6を除いて光弾性係数はほとんど上昇していない。これは、イソシアネート化合物がポリマーの架橋にほとんど関与せず、イソシアネート化合物同士の反応によりポリ尿素を形成し、(メタ)アクリル系ポリマー鎖とIPN構造をとっているからであると考えられ、このような構造をとることで十分な耐光漏れ性が得られている。
以上
Claims (6)
- 次の成分(A)ないし(C)
(A)カルボキシル基含有モノマーを1〜8質量%含有するモノマー混合物を重合し
て得られ、重量平均分子量が25万〜60万であり、かつ重量平均分子量(M
w)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.5以下である(メタ)
アクリル系ポリマー 100質量部
(B)エポキシ架橋剤 0.01〜 10質量部
(C)イソシアネート化合物 6〜 20質量部
を含有することを特徴とする偏光板用粘着剤組成物。 - モノマー混合物が、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを50〜99質量%含有するものである請求項1記載の偏光板用粘着剤組成物。
- イソシアネート化合物が、トリレンジイソシアネートおよびその誘導体である請求項1または2記載の偏光板用粘着剤組成物。
- さらに成分(D)シランカップリング剤を含有する請求項1ないし3のいずれかの項記載の偏光板用粘着剤組成物。
- 支持体の少なくとも一方の面に請求項1ないし4のいずれかの項記載の偏光板用粘着剤組成物から形成される粘着剤層を設けてなる偏光板用粘着シート。
- 偏光フィルムの少なくとも一方の面に請求項1ないし4項記載の偏光板用粘着剤組成物から形成される粘着剤層を設けてなる偏光板。
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