JP6600914B2 - 偏光板用粘着剤組成物 - Google Patents

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本発明は、液晶表示装置の液晶セルなどの光学部品に偏光板を貼着するために用いられる粘着剤組成物に関する。
近年、車両搭載用、屋外計器用及びパソコン用などのディスプレイや、テレビなどの表示装置の軽量化及び薄型化により、液晶表示装置が広く使用されるようになり、その需要はますます増加傾向にある。それに伴い液晶表示装置の使用環境も、屋内外を問わず非常に過酷になってきている。液晶表示装置は、液晶セル(所定の方向に配向した液晶成分を2枚のガラス基板で挟んで構成される)のガラス基板の外面に、光学用粘着剤組成物から形成された粘着剤層を介して偏光板又は偏光板と位相差板との積層体など(以下、これらをまとめて「偏光板」という)を貼着してなるものである。
上記した偏光板は、ポリビニルアルコール系偏光子の両面をトリアセチルセルロース系保護フィルムで挟んだ3層構造を有しているが、これらの材料の特性から寸法安定性に乏しい。また、偏光板は延伸によって成形されているため、熱及び湿度による伸縮が起こり易い。このため、液晶表示装置においては、偏光板の伸縮により生じる内部応力を、粘着剤層が吸収・緩和することができないと、偏光板に作用する残留応力の分布が不均一となり、特にその周縁部に応力が集中することが生じる。周辺部に応力が集中すると、液晶表示装置の周縁部が中央より明るくなったり、或いは暗くなったりし、液晶表示装置に、色むら・白抜けが発生する原因になる。
また、液晶表示装置に色むら・白抜けが発生する上記以外の他の要因としては、応力によって偏光板や粘着剤層に発生する光学的な歪(複屈折の発生など)が考えられる。
一方で、液晶ディスプレイ等の製造工程において、偏光板を液晶セルなどの光学部品に貼着するに際し、例えば、貼着位置にずれが生じた場合などにおいて、貼着から所定の時間が経過した後に、粘着剤層を介して貼着された偏光板を剥離し、高価な液晶セルを再利用することが必要となる場合がある。そのため、偏光板に塗布されて粘着剤層を形成する粘着剤には、ある時間経過後であっても液晶セルから比較的容易に剥離することができる、再剥離性能(リワーク性)が要求される。再剥離性能は、接着耐久性を付与するための強粘着力化とは相反する性質であり、これらの相反する性能を両立させることが求められている。さらには、形成した粘着剤層が、貼着から所定の時間が経過した後であっても被着体から比較的容易に剥離できる性能を示し、この比較的容易に剥離することができる所定の時間帯が確保されたものになるとともに、その時間帯が経過した後においては、強粘着力化が達成された粘着剤層の形成を可能にすることができる粘着剤が求められている。
上記したような問題点を解決するために、下記に挙げるように、多くの手段が検討されてきた。例えば、高温又は高温高湿の環境下においても耐久性に優れ、且つ、リワーク性も有する粘着剤組成物として、反応性官能基を含有するアクリル系共重合体(A)と、イソシアネート化合物(B)と、ポリエーテル変性シリコーン(C)と、シランカップリング剤とを含有する粘着剤組成物が開示されている(特許文献1参照)。また、被着体に貼着後、高温高湿下等に長期間曝されても、貼着界面に発泡・浮き・剥れ・光漏れ現象が発生しないだけではなく、加工性にも優れる粘着層の形成が可能な粘着剤として、アクリル系ポリマー100重量部と、イソシアネート系硬化剤5〜50重量部とを含有する光学用粘着剤が開示されている(特許文献2参照)。また、架橋処理後に優れた粘着特性を発現し、殊に、再剥離性に優れ、加熱処理及び高湿処理により浮きや剥れの生じない粘着剤層を形成できる粘着剤組成物として、カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマー(a1)を2〜20重量%含有するエチレン性不飽和モノマーをラジカル重合してなるアクリル系重合体(A)100重量部に対して、特定の変性ポリイソシアネート化合物(B)を5〜30重量部含有する粘着剤組成物が開示されている(特許文献3参照)。さらに、熟成期間が短くても、優れた耐久性と光漏れ防止性を有する粘着剤層を形成し得る偏光板用粘着剤組成物として、特定のアクリル系ポリマー(A)100質量部と、イソシアヌレート構造を有するトリレンジイソシアネート系化合物(B)4〜20質量部を含有する偏光板用粘着剤組成物が開示されている(特許文献4参照)。
しかしながら、上記した従来技術には下記のような問題があり、実用化するには必ずしも十分ではなかった。すなわち、粘着剤層の耐久性を改善するためには、上記したように、硬化剤を多く使用して架橋構造を剛直にすることが有効であるが、硬化剤としてイソシアネート化合物を多く使用した場合、アクリル系重合体とイソシアネート化合物との相溶性が悪くなり、塗工後、粘着シートのヘイズが上昇し、画面全体のコントラスト比が低下し、色むら・白抜けが悪化するといった問題が生じることがあった。ヘイズの上昇は、透明性が重要な偏光板用粘着剤としては致命的な欠陥となる。また、イソシアネート化合物を多量に使用した場合、粘着シートを長期間保存した際に、アクリル系重合体との架橋が過多となったり、イソシアネート化合物のウレタン重合体が生成することにより、凝集力が上がり過ぎて、タックの低下や、耐久性において重大な剥れ等の問題が生じることがあった。
本発明者らは、色むら・白抜けの発生を防止できるだけでなく、経時での耐久性にも優れた粘着剤層を形成することが可能な粘着剤組成物として、(メタ)アクリル酸エステル単量体aと、カルボキシル基含有単量体bと、ジアルキル置換アクリルアミド単量体cとの共重合体Aと、ポリイソシアネート化合物d、金属キレート化合物e及びエポキシ化合物fで構成される硬化剤Bとからなり、硬化剤Bにおける化合物の使用割合が、共重合体A100質量部当たり、化合物dが5〜20質量部、化合物eが0.1〜2質量部、化合物fが0.1〜5質量部である偏光板用粘着剤組成物を提案している(特許文献5参照)。この粘着剤組成物は、ジアルキル置換アクリルアミド単量体cを構成成分として含む共重合体と、三種の硬化剤を併用することで、粘着剤層の経時の耐久性を向上させることをねらったものである。
特開2010−159346号公報 特開2011−37927号公報 特開2010−209229号公報 国際公開第2011/062127号 特開2011−128439号公報
しかしながら、本発明者らが提案している上記技術でも、形成した粘着剤層は、経時の耐久性には優れるものの、イソシアネート化合物を多く使用した場合、粘着シートや粘着剤付偏光板をさらに長期間保存すると、アクリル系重合体の架橋が過多となったり、イソシアネート化合物のウレタン重合体が生成することによって凝集力が上がり過ぎたりしてしまい、タックの低下や、耐久性の低下の問題が生じることがあり、シート等の長期保存安定性の面で、必ずしも十分に満足し得るものではなかった。
従って、本発明の目的は、偏光板を貼着するための粘着剤層の形成に用いられた場合に、イソシアネート系の硬化剤を多く使用したとしても、偏光板の伸縮に起因する、例えば、液晶表示装置における色むら・白抜けの発生を防止することが可能であるとともに、経時の耐久性、特に、長期保存安定性に優れた粘着剤層を実現することが可能な粘着剤組成物を提供することである。
上記目的は、以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、アクリル共重合体(A)と、イソシアネート化合物(B)と、を含有する偏光板用粘着剤組成物であって、前記アクリル共重合体(A)は、(a1)成分として、側鎖炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸エステルを70〜99.89質量%、(a2)成分として、カルボン酸ビニルエステルを0.1〜25質量%、(a3)成分として、カルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルを0.01〜5質量%を含み、前記イソシアネート化合物(B)の含有量は、前記アクリル共重合体(A)100質量部に対して、2〜50質量部であり、膜厚が25μmの塗膜として形成された場合、そのヘイズが1.5以下であることを特徴とする偏光板用粘着剤組成物を提供する。
上記した偏光板用粘着剤組成物の好ましい構成としては、下記のことが挙げられる。すなわち、前記イソシアネート化合物(B)は、イソシアヌレート系の化合物であること;さらに、金属キレート化合物(C)及び/又はエポキシ化合物(D)を含有すること;前記アクリル共重合体(A)は、酢酸エチルで5%に希釈した粘着剤2.5gを、メタノール/酢酸エチル混合溶媒30mlに溶解させる溶解試験をした場合に、メタノールの濃度が85質量%の混合溶媒に溶解し、かつ、溶液が無色透明になること;前記(a2)成分であるカルボン酸ビニルエステルは、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、及びカプリン酸ビニルからなる群より選択される少なくとも1種であること;シランカップリング剤(E)をさらに含有することが好ましい。
また、本発明で提供される偏光板用粘着剤組成物は、偏光板を貼着するための粘着剤層として用いられた場合、長期保存安定性に関する下記の評価試験において、目視確認された剥れが0.2mm以上0.5mm未満で、且つ、発泡が5個以内であることが好ましい。
評価試験:シリコーン樹脂コートされたPETフィルム上に、厚さ20μmの粘着剤層を形成し、粘着剤層を形成した面に、厚さ180μmの偏光フィルムを貼り合わせた後、23℃、50%RHの雰囲気で7日間養生した評価用サンプルを、50℃(DRY)の雰囲気下に10日(240時間)放置し、80℃(DRY)と、60℃90%RHの雰囲気下にそれぞれ500時間放置し、放置後の評価用サンプルを目視観察する
本発明によれば、偏光板を貼着するための粘着剤層の形成に用いられた場合、イソシアネート系の硬化剤を従来よりも多く使用したとしても、偏光板の伸縮に起因する、例えば、液晶表示装置における色むら・白抜けの発生を防止することが可能であるとともに、経時の耐久性、特に長期保存安定性に優れた粘着剤層の形成を実現することが可能な粘着剤組成物が提供される。
次に、発明を実施するための好ましい形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。なお、本発明の特許請求の範囲及び明細書における「(メタ)アクリル」という用語は、「アクリル」及び「メタクリル」の双方を意味し、また、「(メタ)アクリレート」という用語は、「アクリレート」及び「メタクリレート」の双方を意味する。
本実施の形態の偏光板用粘着剤組成物は、特有のモノマー組成で設計されたアクリル共重合体(A)と、比較的に多くのイソシアネート化合物(B)と、を含有する粘着剤組成物であり、該粘着剤組成物で形成した塗膜は、アクリル系重合体(A)を硬化剤であるイソシアネート化合物で架橋した架橋部分を有するものになるが、アクリル系重合体(A)の形成成分であるカルボン酸ビニルエステルが、イソシアネート化合物(B)からなるウレタン重合体との相溶性を非常に優れたものとしており、塗膜の透明性が良好で、且つ、剛直な架橋構造を形成できることから、その結果、本発明の顕著な効果を実現したものになる。具体的には、本実施の形態の偏光板用粘着剤組成物を構成するアクリル共重合体(A)は、モノマー組成が、(a1)成分として、側鎖炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸エステルを70〜99.89質量%、(a2)成分として、カルボン酸ビニルエステルを0.1〜25質量%、(a3)成分として、カルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルを0.01〜5質量%を含み、上記アクリル共重合体(A)に併用するイソシアネート化合物(B)の含有量は、上記アクリル共重合体(A)100質量部に対して、2〜50質量部である。さらに、上記構成の粘着剤組成物は、膜厚が25μmの塗膜として形成された場合、そのヘイズが1.5以下である、透明性の高いものであることを特徴とする。以下、各構成成分について、それぞれ説明する。
[アクリル共重合体(A)]
本実施の形態で使用するアクリル共重合体(A)は、(a1)成分として、側鎖炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸エステルと、(a2)成分として、カルボン酸ビニルエステルと、(a3)成分として、カルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルを含む共重合体である。アクリル共重合体(A)を構成する(a1)〜(a3)成分のそれぞれの含有割合は、(a1)成分が70〜99.89質量%、(a2)成分が0.1〜25質量%、(a3)成分が0.01〜5質量%であることを要す。
(a1)成分の含有割合が70質量%未満であると、粘着剤層を形成した場合に、基材への密着性や粘着剤層の可撓性が低下し、基材からの剥れや浮きが生じ、十分な耐久性が得られず、一方99.89質量%を超えると、併用する(a2)成分及び(a3)成分を規定量含むことができなくなる。また、(a2)成分の含有割合が0.1質量%未満であると、得られるアクリル共重合体(A)の親水性が低くなり、イソシアネートとの相溶性が不足するため、本発明者らの検討によれば、このような構成とした場合は、偏光板を貼着するための粘着剤層として用いた場合にヘイズが上昇してしまい、コントラスト比を低下させ、色むら・白抜けの発生を十分抑えることができなくなる。
一方、(a2)成分の含有割合が25質量%を超えると、共重合性が低下する。また、(a3)成分は、その含有割合が、0.01質量%未満と少な過ぎると、共重合体(A)の架橋剤による架橋度合いが少なくなり、十分に色むら・白抜けの発生を抑えることができない。一方、(a3)成分の使用割合が5質量%を超えると架橋剤添加後の粘着剤のポットライフが短くなり、さらに、粘着剤層を形成した場合に耐久性において劣り、剥れが生じ易くなる。
(a1)成分としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート及びベンジル(メタ)アクリレートなどの、芳香族環を有するモノマーを挙げることができる。これらは単独で又は組み合わせて用いることができる。
(a2)成分のカルボン酸ビニルエステルは、本発明の必須の構成成分であるアクリル共重合体(A)を特徴づけるものである。カルボン酸ビニルエステルを含むアクリル共重合体(A)は、時間の経過とともに加水分解が進行し、本発明の粘着剤組成物中に遊離の酸を生成するものと考えられる。そして、この遊離の酸が、粘着剤組成物中に残留しているイソシアネート化合物(B)と適度に反応することにより、アクリル共重合体(A)との架橋を抑制し、或いは、ウレタン重合体の分子量の増大を抑制することが可能となる。これにより、(a2)成分を含むアクリル共重合体(A)と、後述するイソシアネート化合物(B)とを含有する本発明の粘着剤組成物は、偏光板を貼着するための粘着剤層として用いると、経時で優れた耐久性を示すだけでなく、偏光板等を長期間保存した後であっても、変わらずに優れた耐久性を示すものとなり、ゆえに、長期保存安定性に優れた粘着剤層付偏光板等を提供することが可能となったと考えられる。このような、本発明を特徴づける(a2)成分としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプリン酸ビニルなどを挙げることができ、これらは単独で、或いは組み合わせて用いることができる。
また、上記した(a1)成分及び(a2)成分とともに、アクリル共重合体(A)を構成する(a3)成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、無水マレイン酸、イタコン酸などを挙げることができる。好ましくは、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレートを挙げることができる。これらは単独で、又は組み合わせて用いることができる。
上記した(a1)〜(a3)成分を含むアクリル共重合体(A)は、酢酸エチルで5%に希釈した粘着剤2.5gを、メタノール/酢酸エチル混合溶媒30mlさせる溶解試験をした場合に、メタノールの濃度が85質量%の混合溶媒に溶解し、かつ、溶液が無色透明になるものであることが好ましい。より好ましくは、メタノールの濃度がより大きい、メタノールの濃度が90質量%の混合溶媒、さらにはメタノールの濃度が95質量%の混合溶媒に溶解し、溶液が無色透明になるものであることが好ましい。すなわち、上記した条件を満足する、メタノールを高濃度で含む混合溶媒に溶解した場合に溶液が無色透明になるようなアクリル共重合体(A)を用い、これに後述するイソシアネート化合物(B)を併用して粘着剤組成物とし、該粘着剤組成物を偏光板の粘着剤層の形成材料として用いれば、イソシアネート化合物(B)の相溶性に優れるため、粘着剤層のヘイズ値を低く保つことが可能となるため、好ましい。
上記に対し、メタノールを高濃度で含むメタノール/酢酸エチル混合溶媒への溶解性の低いアクリル共重合体は、比較的Tgが低いため、耐久性を向上させるのに有効であるが、従来の粘着剤の場合、メタノール/酢酸エチル混合溶媒への溶解性が低く、メタノール濃度が80質量%以上の混合溶媒を添加すると白濁し、イソシアネート化合物との相溶性に劣ることがあった。特に、イソシアネート化合物を多量に用いた場合には相溶性が悪化してしまい、粘着剤組成物を粘着剤層として用いた場合に、ヘイズが上昇してしまったり、粘着シートを長期間保存した際に、アクリル共重合体との架橋が過多となったり、イソシアネート化合物のウレタン重合体が生成することにより、凝集力が上がり過ぎて、タックの低下や、耐久性において重大な剥れ等の問題が発生するおそれがあった。
しかし、本発明の粘着剤組成物では、アクリル共重合体(A)の構成成分として、(a2)で規定するカルボン酸ビニルエステルを特定量含むため、Tgが比較的低く、親水性な共重合体を得ることが可能であり、当該アクリル共重合体(A)は、イソシアネート化合物(B)を多く使用した構成の粘着剤組成物としても、前述したような問題は生じない。
一方、本発明者らの検討によれば、アクリル共重合体(A)のメタノール/酢酸エチルの混合溶媒への溶解性において、例えば、メタノール濃度が95質量%以上と極めて高い混合溶媒に溶解するアクリル共重合体(A)を用いて粘着剤組成物を構成した場合は、下記のような不都合が生じる場合があるので好ましくない。すなわち、メタノールに対する極めて高い溶解性を示す上記したようなアクリル共重合体(A)と、イソシアネート化合物(B)とを含有する粘着剤組成物を用いて粘着剤層を形成した場合、基材への密着性や粘着剤層の可撓性が低下し、基材からのハガレや浮きが生じ、十分な耐久性が得られない場合があるので好ましくない。
また、アクリル共重合体(A)の重量平均分子量(GPC測定、標準ポリスチレン換算)は、30万〜200万の範囲であることが好ましく、より好ましい重量平均分子量は、40万〜150万の範囲である。重量平均分子量が30万未満であると、粘着剤組成物とし、かつ、偏光板の粘着剤層として用いられた場合、色むら・白抜けの発生の抑制及びその粘着剤層の耐久性が不十分となる傾向があるので好ましくない。一方、重量平均分子量が、200万を超えると、後述するようなイソシアネート化合物(B)との相溶性が劣化し、形成した粘着剤層のヘイズ値が上昇したり、その粘着剤層の耐久性が不十分となることがあるので好ましくない。
上述した条件を満たすアクリル共重合体(A)は、通常の溶液重合、塊状重合、乳化重合又は懸濁重合などにより製造することができる。特に、アクリル共重合体(A)が溶液として得られる溶液重合により製造することが好ましい。すなわち、アクリル共重合体(A)が溶液として得られることにより、そのまま本実施の形態の粘着剤組成物の製造に使用することができるからである。この溶液重合に使用する溶剤としては、例えば、酢酸エチル、トルエン、n−ヘキサン、アセトン及びメチルエチルケトンなどの有機溶剤を挙げることができる。
また、重合に使用する重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキシド、ラウリルパーオキシドなどの過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリルなどのアゾビス化合物;高分子アゾ重合開始剤などを挙げることができ、これらは単独で或いは組み合わせて用いることができる。また、重合においては、アクリル共重合体(A)の分子量を調整するために、従来公知の連鎖移動剤を使用することもできる。
[イソシアネート化合物(B)]
本実施の形態で用いられるイソシアネート化合物(B)は、1分子中にイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート化合物であり、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどとトリメチロールプロパンなどとのアダクト体、イソシアヌレート化合物、ビュレット型化合物、などを挙げることができる。好ましくは、トリレンジイソシアネート及びキシリレンジイソシアネートの化合物であり、単独で或いは組み合わせて用いることができる。
具体的には、トリレンジイソシアネート=イソシアヌレート変性体[(三井化学社製、商品名:タケネートD−204)、(三井化学社製、商品名:タケネートD−262)、(日本ポリウレタン社製、商品名:コロネート2030)]や、トリレンジイソシアネート=アダクト型架橋剤(日本ポリウレタン社製、商品名:コロネートL)などを挙げることができる。本発明者らの検討によれば、イソシアヌレート系化合物を用いることがより好ましい。本願発明者らの検討によれば、イソシアヌレート系の硬化剤を用いると、架橋がより剛直な構造となるため、偏光板の収縮に伴う粘着剤の変形を抑制することができ、耐久性が良好となる。
イソシアネート化合物(B)の含有量は、共重合体(A)100質量部に対して2〜50質量部であり、好ましくは4〜20質量部、さらに好ましくは8〜20質量部である。本実施の形態の粘着剤組成物は、先に述べたように、アクリル共重合体(A)の構成成分としてカルボン酸ビニルエステル(a2)を特定量含んでいるため、他の構成のアクリル共重合体に比べて親水性が高い。そのため、従来のものに比べてイソシアネート化合物(B)を多く使用した場合であっても、アクリル共重合体(A)との相溶性がよく、透明性の高い粘着剤組成物を提供することが可能となる。イソシアネート化合物(B)の含有割合が2質量部未満であると、色むら・白抜けの発生を抑えることができない。一方、イソシアネート化合物(B)の含有割合が50質量部を超えると、粘着剤組成物の凝集力が過多となり、貼着する偏光板の剥れの原因になる。
[金属キレート化合物(C)、エポキシ化合物(D)]
本実施の形態の粘着剤組成物は、さらに、金属キレート化合物(C)及び/又はエポキシ化合物(D)を含有することが好ましい。本発明で用いることのできる金属キレート化合物(C)としては、例えば、アルミニウムキレート、ジルコニウムキレート、チタニウムキレートなどの金属キレート化合物が挙げられる。これらの中でも、アルミニウムキレート及びチタニウムキレートなどが好ましく、これらは、単独で或いは組み合わせて用いることができる。
金属キレート化合物(C)の含有量は、アクリル共重合体(A)100質量部に対して、0.1〜2.0質量部であることが好ましい。金属キレート化合物(C)の含有量が0.1質量部未満であると、イソシアネート系硬化剤とアクリル系重合体との架橋が過多となり、経時での貼着する偏光板の剥れの原因になることがある。一方、金属キレート化合物(C)の含有量が2.0質量部を超えると、粘着剤組成物の凝集力が過多となり、貼着する偏光板の剥れの原因になることがあるので、好ましくない。
本発明で用いることのできるエポキシ化合物(D)としては、ビスフェノール型化合物(化合物W)、脂肪族グリシジルエーテル化合物(化合物X)、ビフェニル型化合物(化合物Y)の他、分子内にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ系樹脂(化合物Z)を挙げることができる。例えば、化合物Wとしては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、レゾルシノール、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等のビスフェノール類のグリシジルエーテルを挙げることができる。また、化合物Xとしては、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテルなどのアルコール類のグリシジルエーテルを挙げることができる。また、化合物Yとしては、2官能以上のグリシジル基を有するビフェニル型化合物を挙げることができる。また、化合物Zとしては、分子内にエポキシ基を2つ以上有するポリグリシジル化合物を挙げることができる。上記に挙げたような、化合物W、化合物X、化合物Y及び化合物Zとしては、重量平均分子量が2,000未満、エポキシ当量が200以下であることが好ましい。重量平均分子量が2,000以上であると、アクリル共重合体(A)との相溶性が悪くなり、架橋密度も下がり耐久性が劣化することがあるので好ましくない。また、エポキシ当量が200を超えると、アクリル共重合体(A)との相溶性が悪くなり、架橋密度も下がることがあるので好ましくない。
本発明で用いることのできる具体的な化合物Wとしては、三菱化学社製の商品名:JER828(エポキシ当量184〜194、Mw370)や、三菱化学社製の商品名:JER807(エポキシ当量160〜175、Mw350)などを挙げることができる。また、具体的な化合物Xとしては、ナガセケムテックス社製の商品名:デナコールEX−850(エポキシ当量122、Mw218)などを挙げることができる。また、具体的な化合物Yとしては、三菱化学社製の商品名:JERYX4000(エポキシ当量186、Mw354)などを挙げることができる。また、化合物Zとしては、例えば、三菱ガス化学社製、商品名「テトラッドC」、「テトラッドX」などを挙げることができる。
上記したようなエポキシ化合物(D)を用いる場合、その含有量は、アクリル共重合体(A)100質量部に対して、1〜10質量部程度であることが好ましい。エポキシ化合物(D)の含有量が1質量部未満であると、架橋密度が下がり、色むらも悪くなることがあり、一方、エポキシ化合物(D)の含有量が10質量部を超えると架橋過剰になるため、耐久性に劣化することがあるので好ましくない。
本実施の形態の粘着剤組成物においては、イソシアネート化合物(B)とともに、金属キレート化合物(C)及び/又はエポキシ化合物(D)を併用することによって、イソシアネート化合物(B)の架橋の進行をより適切に抑制することが可能となる。したがって、このような構成の粘着剤組成物を用いて偏光板上に粘着剤層を形成した場合には、偏光板の貼着に用いられる粘着剤層は、発泡や剥れを生じず、より優れた長期保存安定性を示すものとなる。
[その他の成分]
本実施の形態の粘着剤組成物は、さらに、シランカップリング剤(E)を含有することが好ましい。このシランカップリング剤(E)は、いずれも粘着剤の分野において公知であり、公知のシランカップリング剤はいずれも本実施の形態で使用することができる。シランカップリング剤(E)の含有量は、アクリル共重合体(A)100質量部に対して、0.01〜5質量部であることが好ましい。
本実施の形態の粘着剤組成物は、さらに粘着力を調整する目的など、必要な特性に応じて、本発明の効果を損なわない範囲において、種々の添加剤を含有してもよい。例えば、テルペン系、テルペン−フェノール系、クマロンインデン系、スチレン系、ロジン系、キシレン系、フェノール系又は石油系などの粘着付与樹脂、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、顔料などを含有することができる。また、本実施の形態の粘着剤組成物の製造方法自体は公知の方法でよく、特に限定されないが、有機溶剤を含んだ溶液形態であることが好ましく、この場合、粘着剤層の形成が容易となる。
以上の構成を有する本実施の形態の粘着剤組成物は、膜厚が25μmの塗膜として形成された場合、そのヘイズが1.5以下であることを要する。好ましくは、ヘイズが1.0以下である。なお、本実施の形態においては、以下の方法で作製した塗膜を評価用サンプルとして用いてヘイズを測定した。すなわち、溶液状の粘着剤組成物を、シリコーン樹脂コートされた離型性のPETフィルム上に塗布後、90℃で乾燥することによって溶媒を除去し、厚さ25μmの粘着剤層を形成した。この粘着剤層を形成した面に、厚さ100μmのPETフィルムを貼り合せた後、23℃、50%RHの雰囲気で7日間養生することにより、評価用サンプルを作製した。評価用サンプルから離型性のPETフィルムを剥がしたサンプルを、JIS 7361−1に準拠したヘイズメーター(日本電色工業社製、商品名:NDH5000)にて全光線透過率を測定し、ヘイズの値を求めた。
以上の構成を有する本実施の形態の粘着剤組成物は、アクリル共重合体(A)の構成成分としてカルボン酸ビニルエステル(a2)を用いることによって、アクリル共重合体(A)の親水性を高め、イソシアネート化合物(B)との相溶性を改善することができるため、イソシアネート化合物(B)を多量に使用しても、粘着剤層を形成した場合にはヘイズが低下せず、コントラスト比を悪化させないものとなり、色むら・白抜けの発生を抑制することが可能となる。また、上記カルボン酸ビニルエステル(a2)は、時間の経過とともに加水分解が進行して遊離の酸を生成し、この遊離の酸が、粘着剤組成物中或いは粘着剤層中に残留しているイソシアネート化合物と適度に反応することによって、イソシアネート化合物のウレタン重合体化やアクリル共重合体の架橋度合を制御することができたものと考えられる。この結果、長期保存安定性に優れた粘着剤層として形成されることが可能となり、これを偏光板やシート等に利用することで、色むら・白抜けの発生の抑制のみならず、初期及び経時の耐久性、リワーク性及び長期保存安定性のバランスに優れた粘着剤層付偏光板等を提供することが可能になったと考えられる。
[偏光板]
上述のように、本実施の形態の粘着剤組成物によって形成された粘着剤層を表面に有する偏光板は、高温或いは高温高湿下においてもガラス基板などから剥れることなく、粘着剤層に発泡が生じることのない特性(耐久性)と、長期間時間が経過しても容易に剥離でき、また、剥離後において、基板などに残留物が生じない特性(リワーク性)とを併せ持つ。さらに、本実施の形態の粘着剤組成物によって形成された粘着剤層を表面に有する偏光板は、長期間保存した場合であっても、タックの低下や、耐久性の低下の問題が生じることはなく、優れた長期保存安定性を示すものである。
特に、偏光板が、ディスコティック液晶がコートされている偏光板である場合には、コートされていない偏光板(一般的には、無処理トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、通常接触角は60〜70°)に比べて、85〜95°と接触角が高く、粘着剤との密着性が劣るため、粘着剤層とパネルガラス表面との間の発泡又は偏光板の浮き、剥れが発生しやすく、かつ、白抜けが発生しやすいなどの課題があった。しかし、本実施の形態の粘着剤組成物を使用することにより課題を解決することが可能となった。
ここで、ディスコティック液晶がコートされている偏光板とは、TACフィルム上に、側鎖の末端に架橋基を有しているトリフェニレン系のディスコティック化合物が架橋し、配向状態に保たれたディスコティック層が有する視野角拡大フィルムと偏光フィルムとが一体化してなる偏光板を意味する。例えば、ポリビニルアルコール系偏光子(PVA)の両面に、それぞれTACフィルムを貼り合わせてなる偏光フィルムの片面に、例えば、ディスコティック液晶からなる視野角拡大機能層を塗布により設けたもの、または、視野角拡大フィルムを接着剤で貼り合わせたものなどを挙げることができる。特に、ディスコティック液晶がコートされた偏光板は、モニター(通常7〜26インチ)用に使用され、上記で説明したように視野角を拡大するために使用されている。
また、上記偏光板が、延伸フィルム、例えば、延伸トリアセチルセルロース系フィルム、延伸ポリシクロオレフィン系フィルム又は延伸セルロースアセテートプロピオネートフィルムを基材とした偏光板である場合には、一般的な偏光板(無処理TACフィルムを使用したもの)に比べて、フィルムが延伸されているために、収縮率が大きく、特に、対角型に色むら・白抜けが発生し、それを抑制するのに不十分であるなどの課題があった。しかし、本実施の形態の粘着剤組成物を使用することにより、このような課題を解決することも可能となった。なお、上記した偏光板は、テレビ(通常15〜60インチ)用に使用され、色相、コントラストを向上させ、位相差をなくすためのものである。
本実施の形態の粘着剤組成物は、通常使用されている塗布装置、例えば、ロール塗布装置などを用いて、上記したような偏光板の片面又は両面に塗工し、塗工層を乾燥することにより、粘着剤層として形成される。また、必要に応じて、粘着剤層を、加熱架橋又は紫外線などの光によって硬化をすることもできる。また、本実施の形態の粘着剤組成物を、まず、シリコーン樹脂などの剥離剤を表面にコートしたポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)などの離型フィルムに粘着剤組成物を塗布して乾燥し、粘着剤層を形成した後に、粘着剤層に偏光板を貼り合わせてもよい。
本実施の形態の粘着剤組成物を用いて偏光板に粘着剤層を形成する場合の塗工量は、乾燥後の粘着剤層の厚さが、10〜50μmとなる程度であることが好ましく、より好ましくは10〜30μmである。粘着剤層の厚さを上記した範囲内とすることにより、より耐久性、リワーク性、長期保存安定性のバランスがとれた粘着剤付偏光板となる。以上の本実施の形態の粘着剤組成物を用いた偏光板は、通常使用されている手段にて、例えば、液晶表示装置のガラス基板上に貼着することができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、文中「部」及び「%」とあるのは質量基準である。
[実施例1]
撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を備えた反応装置に、窒素ガスを封入後、酢酸エチル150部とともに、(a1)成分として、ブチルアクリレート74.26部、メチルアクリレート19.80部と、(a2)成分として酢酸ビニル4.95部と、(a3)成分としてアクリル酸0.99部と、重合開始剤として、アゾビスイソブチロニトリル0.1部を仕込んだ。そして、これを撹拌させながら、窒素ガス気流中において、65℃で7時間反応させた。反応終了後、酢酸エチルで希釈し、固形分30.0質量%、重量平均分子量60万のアクリル共重合体溶液A−1を得た。
上記で得られた共重合体溶液A−1の固形分100部に対して、イソシアネート化合物(B)として、トリレンジイソシアネート=イソシアヌレート型架橋剤(三井化学社製、商品名:タケネートD−204)4部と、シランカップリング剤(E)として信越化学社製の商品名:X−41−1056を0.1部添加した後、充分に混合して、実施例1の粘着剤組成物を得た。
[実施例2〜30]
実施例1における単量体成分及び配合量を、表1−1〜1−4に記載のものに替えたこと以外は、実施例1と同様にし、それぞれの粘着剤組成物を得た。
[比較例1〜9]
実施例1における単量体成分及び配合量を、表1−5に記載のものに替えたこと以外は、実施例1と同様にし、それぞれの粘着剤組成物を得た。
Figure 0006600914
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なお、表中の略語は、以下の化合物を表す。
BA:ブチルアクリレート
MA:メチルアクリレート
EA:エチルアクリレート
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
PHEA:フェノキシエチルアクリレート
VAC:酢酸ビニル
β−CEA:β−カルボキシエチルアクリレート(ダイセル・サイテック社製)
タケネートD−204:TDIイソシアヌレート変性体(三井化学社製)
タケネートD−262:TDIイソシアヌレート変性体(三井化学社製)
コロネート2030:TDIイソシアヌレート(日本ポリウレタン社製)
コロネートL:TDIイソシアネートアダクト体(日本ポリウレタン社製)
アルミキレートA:アルミニウムトリスアセチルアセトネート(川研ファインケミカル社製)
テトラッドX:N,N,N’,N’−テトラグリジル−m−キシリレンジアミン(三菱ガス化学社製)
JER807:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱化学社製)
JER828:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製)
X−41−1056:シランカップリング剤(信越化学社製)
X−41−1810:シランカップリング剤(信越化学社製)
KBM−403:シランカップリング剤(信越化学社製)
なお、上記において、重量平均分子量の値は、GPC(GEL Permeation Chromatography)法により測定したポリスチレン換算分子量である。詳しくは、共重合体を常温で乾燥させて得られた塗膜をテトラヒドロフランに溶解し、高速液体クロマトグラフ(島津製作所製、LC−10ADvp、カラムKF−G+KF−806×2本)で測定し、ポリスチレン換算での重量平均分子量を求めた。
[評価]
上記した実施例及び比較例で作製した各粘着剤組成物を用いて、以下の方法で偏光板に粘着剤層を形成し、粘着剤層付偏光板を作製した。すなわち、実施例及び比較例の粘着剤組成物を、シリコーン樹脂コートされたPETフィルム(離型性基材)上に塗布後、90℃で乾燥することによって溶媒を除去し、厚さ20μmの粘着剤層を形成した。この粘着剤層を形成した面に、厚さ180μmの偏光フィルムを貼り合わせた後、23℃、50%RHの雰囲気で7日間養生することにより、評価用サンプルを作製した。なお、試料サイズは、80mm×150mmとした。なお、偏光フィルムとしては、WV偏光板又はTAC偏光板を用いた。そして、作製された粘着剤付偏光板の評価用サンプルを用いて、後述する各試験を行い、各評価基準に基づき評価した。そして、結果を表2−1〜2−5に示した。
1.耐久性試験(発泡、剥れの確認):80℃(DRY)又は60℃90%RH
上記で作製した評価用サンプルを、ガラスに貼り付けた後、80℃(DRY)と、60℃90%RHのそれぞれの雰囲気下に500時間放置した後、発泡及び剥れについて目視により確認した。なお、以下の評価基準で評価し、A〜Cまでを合格と判定し、D、Eを不合格と判定した。評価は、A評価については、いずれの試験条件においても満足した場合とし、B〜E評価は、少なくともいずれか一方の試験条件で評価用サンプルがB〜Eに該当する状態となっていた場合に、B〜Eと評価した。
<評価基準>
A:偏光板に剥れはなく、発泡は確認されなかった。
B:偏光板に確認された剥れは0.2mm未満であり、発泡は3個以内であった。
C:偏光板に確認された剥れは0.2mm以上0.5mm未満であり、発泡は、5個以内であった。
D:偏光板に確認された剥れは0.5mm以上1.0mm未満であり、発泡は6個〜20個であった。
E:偏光板に確認された剥れは1.0mm以上であり、発泡は、20個を超えていた。
2.長期保存安定性(保存後の耐久性)試験
上記で作製した評価用サンプルを、50℃(DRY)の雰囲気下に10日(240時間)放置した後、上述した耐久性試験を行い、発泡及び剥れについて目視により確認した。なお、以下の評価でA〜Cまでを合格と判定し、D、Eを不合格と判定した。評価は、上述した耐久性試験の場合と同様に行った。
<評価基準>
A:偏光板に剥れはなく、発泡は確認されなかった。
B:偏光板に確認された剥れは0.2mm未満であり、発泡は3個以内であった。
C:偏光板に確認された剥れは0.2mm以上0.5mm未満であり、発泡は、5個以内であった。
D:偏光板に確認された剥れは0.5mm以上1.0mm未満であり、発泡は6個〜20個であった。
E:偏光板に確認された剥れは1.0mm以上であり、発泡は、20個を超えていた。
3.白抜け試験
上記で作製した評価用サンプル2枚を、80℃(DRY)の雰囲気下に500時間放置した後、液晶パネルの上下面にクロスニコルにして貼り合わせ、液晶モニターのバックライトを点灯して、白抜けの状態を目視で観察した。なお、以下の評価でA〜Cを合格と判定し、Dを不合格と判定した。
<評価基準>
A:偏光板に白抜けは観察されなかった。
B:偏光板に白抜けが僅かに観察された。
C:偏光板に白抜けが少し確認された。
D:偏光板に白抜けが観察された。
4.ヘイズ試験
実施例及び比較例で作製した粘着剤組成物を、シリコーン樹脂コートされた離型性のPETフィルム(以下、離型フィルムと記載)上に塗布後、90℃で乾燥することによって溶媒を除去し、厚さ25μmの粘着剤層を形成した。この粘着剤層を形成した面に、厚さ100μmのPETフィルムを貼り合せた後、23℃、50%RHの雰囲気で7日間養生することにより、評価用サンプルを作製した。評価用サンプルから剥離フィルムを剥がしたサンプルを、JIS7361−1に準拠したヘイズメーター(日本電色工業社製、商品名:NDH5000)にて全光線透過率を測定した。試料サイズは、80mm×80mmとした。なお、ヘイズが1.0未満のものは、白化がなく良好な透明性を有し、1.0以上1.5以下のものは、僅かに白化が観察されるものの実用する上で問題はないため、本実施の形態においては、ヘイズが1.5以下のものを合格と判定した。一方で、ヘイズが1.5を超えて2.0以下のものは少し白化が確認され、2.0を超えたものは白化が確認され、これらは実用には不適当なものであった。
5.粘着力(対ガラス)試験
ヘイズの試験において作製した粘着剤層を有するPETフィルムから、剥離フィルムを剥がしたサンプルを、厚さ180μmの偏光フィルムに貼り合わせた後、80mm×25mmの大きさに裁断し、試験片を作成した。ガラス板の片面に偏光フィルムを固定し、23℃、50%RH環境下にて、180°方向に300mm/minの速度で引っ張り、剥離強度を測定した。なお、偏光フィルムとしては、WV偏光板又はTAC偏光板を用いた。
6.メタノール濃度試験
実施例及び比較例で作製した粘着剤組成物を酢酸エチルで5%になるように希釈した。そして、希釈した上記粘着剤組成物2.5gを、メタノール濃度がそれぞれ、70質量%、85質量%、90質量%、95質量%の各メタノール/酢酸エチル混合溶液、メタノール濃度が100質量%のメタノール溶液、の各溶液30mlに溶解させる溶解試験を行った。そして、粘着剤組成物の溶解性と、溶解液の透明性を評価した。上記粘着剤組成物が溶解し、かつ、溶液が無色透明のものを「○」とし、それ以外のものを「×」と評価した。
Figure 0006600914
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上記したように、表2−1〜2−5に示したように、実施例の粘着剤組成物は、アクリル共重合体(A)の構成成分に、カルボン酸ビニルエステル(a2)を特定量の範囲で使用したことにより、イソシアネート化合物(B)との相溶性が向上し、形成した粘着剤層は、ヘイズが1.5以下と透明性に優れたものとなり、長期保存安定性にも優れたものとなることが確認された。また、実施例13に示したように、アクリル系共重合体A−1は親水性が高いため、従来のものに比べて硬化剤を多量に使用しているにもかかわらず、白抜けの発生を十分に抑制することができ、実用可能なものとなることが確認された。さらに、実施例14〜21、24、28は、イソシアネート化合物(B)だけでなく、金属キレート化合物(C)及び/又はエポキシ樹脂(D)を併用したことにより、より耐久性及び長期保存安定性が優れたものとなった。
一方、比較例5〜9は、アクリル共重合体(A)の構成成分に、(a2)成分であるカルボン酸ビニルエステルを使用しなかったため、イソシアネート化合物(B)との相溶性が悪く、形成した粘着剤層は、ヘイズが低下し、透明性が劣化したものとなった。また、比較例1、2は、アクリル共重合体(A)の構成成分に、(a2)成分であるカルボン酸ビニルエステルを過剰に使用したため、長期保存安定性が劣化したものとなった。比較例3及び4は、イソシアネート化合物(B)の量が、本発明で規定したよりも過少又は過剰であるため、耐久性が劣化したものとなった。
本発明によれば、偏光板の伸縮に起因する色むら・白抜けの発生を防止できるだけでなく、経時の耐久性、長期保存安定性にも優れた粘着剤層を形成することが可能な粘着剤組成物を提供することが可能となる。

Claims (7)

  1. アクリル共重合体(A)と、イソシアネート化合物(B)と、を含有する偏光板用粘着剤組成物であって、
    前記アクリル共重合体(A)は、
    (a1)成分として、側鎖炭素数が2〜18の(メタ)アクリル酸エステルを70〜99.89質量%、
    (a2)成分として、カルボン酸ビニルエステルを0.1〜25質量%、
    (a3)成分として、カルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルを0.01〜5質量%、を含み(但し、イソシアネート基と反応する官能基を有さない含窒素単量体を含む場合、水酸基含有モノマーを含む場合を除く)、
    前記(a2)で規定するカルボン酸ビニルエステルを前記特定量含むことで、前記アクリル共重合体(A)が親水性であり、
    前記イソシアネート化合物(B)(但し、3級炭素に結合したイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物を除く)の含有量は、前記アクリル共重合体(A)100質量部に対して、2〜50質量部であり、
    膜厚が25μmの塗膜として形成された場合、そのヘイズが1.5以下であることを特徴とする偏光板用粘着剤組成物。
  2. 前記イソシアネート化合物(B)は、イソシアヌレート系の化合物又はトリレンジイソシアネートのアダクト体を含む請求項1に記載の偏光板用粘着剤組成物。
  3. さらに、金属キレート化合物(C)及び/又はエポキシ化合物(D)を含有する請求項1又は2に記載の偏光板用粘着剤組成物。
  4. 前記アクリル共重合体(A)は、酢酸エチルで5%に希釈した粘着剤2.5gを、メタノール/酢酸エチル混合溶媒30mlに溶解させる溶解試験をした場合に、メタノールの濃度が85質量%の混合溶媒に溶解し、かつ、溶液が無色透明になる請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板用粘着剤組成物。
  5. 前記(a2)成分であるカルボン酸ビニルエステルは、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル及びカプリン酸ビニルからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光板用粘着剤組成物。
  6. さらに、シランカップリング剤(E)を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の偏光板用粘着剤組成物。
  7. 偏光板を貼着するための粘着剤層として用いられた場合、長期保存安定性に関する下記の評価試験において、目視確認された剥れが0.2mm以上0.5mm未満で、且つ、発泡が5個以内である請求項1〜6のいずれか1項に記載の偏光板用粘着剤組成物。
    評価試験:シリコーン樹脂コートされたPETフィルム上に、厚さ20μmの粘着剤層を形成し、粘着剤層を形成した面に、厚さ180μmの偏光フィルムを貼り合わせた後、23℃、50%RHの雰囲気で7日間養生した評価用サンプルを、50℃(DRY)の雰囲気下に10日(240時間)放置し、80℃(DRY)と、60℃90%RHの雰囲気下にそれぞれ500時間放置し、放置後の評価用サンプルを目視観察する
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