JP2008044984A - 粘着組成物および該粘着組成物を用いた粘着フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】単量体(a)、(b)を重合してなる重量平均分子量100万〜200万の共重合体(A)100部、前記共重合体(A)の存在下で単量体(c)、(d)を重合してなる重量平均分子量1万〜10万の共重合体(B)20〜150部、重合度が3以上で25℃で液体のポリオール(C)0.1〜10部、多官能性化合物(D)0.003〜3部を含む粘着組成物。
(a):反応性官能基を有する単量体、(b):(a)と共重合可能な単量体、(c):カルボキシル基又は水酸基の少なくともいずれか一方を有する単量体、(d):(c)と共重合可能な単量体。
【選択図】なし
Description
偏光フィルム等の各種光学フィルムは、粘着組成物を用いて、被着体であるガラスや他の光学フィルムに貼着される。一度被着体に貼着した後、貼着自体に不具合が発見された場合、ガラス等から偏光フィルムが剥がされ、新たな偏光フィルムが貼着される。この貼り直す作業のことを「リワーク」という。リワークの際には、粘着層が被着体表面に残存しないことが要求される。
粘着組成物の主たる成分の分子量や粘着組成物の架橋度を調整し、粘着力を高くすることによって、偏光フィルムの寸法変化に抗して、過酷な環境下でも発泡、浮き・剥がれが生じないようにする試みがなされた。
しかし、特許文献1〜3に記載される粘着組成物を用いてなる粘着フィルムは、いずれも被着体に貼着後、上記のような過酷な環境下に長期間曝されると、光学フィルムの周辺端部に極めて小さい気泡がスジ状に連なった状態で発生してしまう。スジ状に連なった極めて小さい気泡が一種のヒビのように見えることから、この現象は「クラック」と呼ばれる。
また、電子顕微鏡でなければ確認できない10μm以下の気泡が、中央部に1m2あたり10個程度発生してしまう。
さらに、20インチ以上の表示装置では、見やすさの観点から光源の輝度を高く設定しなければならない。特許文献1〜3に記載される粘着組成物を用いてなる粘着フィルムは、20インチ未満の表示装置では白抜けは問題視されなかった。しかし、20インチ以上で使用される高輝度の光源を用いた表示装置では白抜けが目立ってしまう。
表示装置に対する種々の要求が高まる今日、耐久性レベルも例外ではなく、もはや単に発泡、浮き・剥がれ、白抜けが生じないというだけでは不十分となってきた。即ち、かつてクラックの発生は何ら問題視されなかったが、近年はクラックが発生しないことや20インチ以上で使用される高輝度の光源を用いた表示装置においても白抜けしないことも求められるようになってきた。
(a):反応性官能基およびエチレン性不飽和二重結合を有する単量体。
(b):(a)と共重合可能な他のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体。
(c):カルボキシル基又は水酸基の少なくともいずれか一方を有し、エチレン性不飽和二重結合を有する単量体。
(d):(c)と共重合可能な他のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体。
次いで重合度が3以上で25℃で液体であるポリアルキレンオキサイド鎖を有するポリオール(C)0.1〜10重量部、及び上記共重合体(A)および/または上記共重合体(B)と反応可能な反応性官能基を少なくとも2個有する多官能性化合物(D)0.003〜3重量部を添加することを特徴とする粘着組成物の製造方法に関する。
(a):反応性官能基およびエチレン性不飽和二重結合を有する単量体。
(b):(a)と共重合可能な他のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体。
(c):カルボキシル基又は水酸基の少なくともいずれか一方を有し、エチレン性不飽和二重結合を有する単量体。
本発明の粘着組成物に含まれる共重合体(A)は、反応性官能基およびエチレン性不飽和二重結合を有する単量体(a)と、(a)と共重合可能な他のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体(b)とをラジカル共重合して得られる共重合体である。反応性官能基としては、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、アミド基、マレイミド基、イタコンイミド基、スクシンイミド基、エポキシ基等が挙げられる。また、単量体(a)および単量体(b)としては、(メタ)アクリル系単量体、ビニル系単量体が好適に用いられる。
アミド基を有する単量体(a)の具体例としては、(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。
マレイミド基を有する単量体(a)の具体例としては、N−シクロヘキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−フェニルマレイミド等が挙げられる。
イタコンイミド基を有する単量体(a)の具体例としては、N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミド等が挙げられる。
エポキシ基を有する単量体(a)の具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの単量体は、単独であるいは複数組み合わせて使用することができる。
例えば、共重合体(A)は、共重合体(A)を構成する単量体の合計100重量部に対して、0.001〜1重量部の重合開始剤を用いて、塊状重合、溶液重合などの方法、好ましくは溶液重合法により合成される。重合開始剤としては、アゾ系化合物、有機過酸化物が用いられ、重合開始剤は2種類以上を併用しても良い。また、溶液重合の場合、重合溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール等が用いられる。重合溶媒は2種類以上混合して用いても良い。
水酸基を有する単量体(c)としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、(4−ヒドロキシメチルヘキシル)−メチルアクリレート、クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート類、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート類、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
これらの単量体は、単独であるいは複数組み合わせて使用することができる。
共重合体(B)は、共重合体(A)の存在下で、カルボキシル基およびエチレン性不飽和二重結合を有する単量体(c)および(c)と共重合可能な他のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体(d)を、共重合体(A)と同様な方法でラジカル共重合することにより製造することができる。共重合体(B)は、単量体(a)と単量体(b)とを転化率50〜90%までラジカル共重合して共重合体(A)を重合した後に、反応系内に残留する単量体(a)および単量体(b)、並びに新たに反応系内に加えられる単量体(c)を、共重合体(A)の存在下でラジカル共重合して製造することが好ましい。
また、共重合体(B)を重合するにあたっては、さらに新たな単量体(d)を反応系内に加え、共重合してもよい。
単量体(c)の共重合比率は、共重合体(B)を構成する単量体の合計100重量%中0.1〜50重量%であることが好ましく、0.5〜30重量%であることがより好ましい。
上記の転化率で共重合体(A)および共重合体(B)を重合することにより、共重合体(A)100重量部に対して共重合体(B)を20〜150重量部の範囲に収めることが容易となる。
このようなポリアルキレンオキサイド鎖を有するポリオール(C)の例としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、ペンテンオキサイド、へキシレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを少なくとも1種類重合して得られるジオールなどが挙げられる。
多官能性化合物(D)は、単独であるいは複数組み合わせて使用することができる。
シランカップリング剤(E)としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトブチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
また、粘着組成物には、紫外線吸収剤、酸化防止剤、粘着付与樹脂、可塑剤、消泡剤、レベリング調整剤を、共重合体(A)100重量部に対して、それぞれ0.01〜20重量部程度を配合しても良い。
(1)反応性官能基およびエチレン性不飽和二重結合を有する単量体(a)および(a)と共重合可能な他のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体(b)を好ましくは転化率50〜90%でラジカル共重合して共重合体(A)を重合する工程。
(2)共重合体(A)の重合時に残留する単量体(a)および単量体(b)、並びに新たに反応系内に加える、カルボキシル基又は水酸基の少なくともいずれか一方を有し、エチレン性不飽和二重結合を有する単量体(c)、さらには、必要に応じて新たに反応系内に加える、(c)と共重合可能な他のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体(d)を共重合体(A)の存在下、好ましくは転化率70%〜100%でラジカル共重合して共重合体(B)を重合する工程。
(3)ポリアルキレンオキサイド鎖を有するポリオール(C)と、共重合体(A)および/または共重合体(B)と反応可能な反応性官能基を少なくとも2個有する多官能性化合物(D)とを添加する工程。
本発明の粘着フィルムは、本発明の粘着剤からなる粘着剤層が、光学フィルムの少なくとも一方の面に形成されている粘着フィルムであり、各種光学部材の形成に好適に用いられる。例えば、液晶表示部材のガラスに対して、好適に貼付し、使用される。
また、粘着剤層の乾燥膜厚は、光学フィルムの伸縮に起因する応力集中を吸収、緩和するのに適切な膜厚を考慮して、1〜200μmであることが好ましい。より好ましくは、3〜100μmである。
1μm未満であると粘着性が乏しくなり、200μmを越えると粘着フィルムの製造、取り扱いが難しくなる。
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート99部、4−ヒドロキシブチルアクリレート1部、アセトン150部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.06部を仕込み、この反応容器内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下で、この反応溶液を60℃に昇温させ、5時間反応させた。反応開始より5時間後、トルエンを190部とアクリル酸0.25部および2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5部を添加して、70℃に昇温し、6時間反応させた。トルエン60部を添加して室温まで冷却し、固形分20%の重合体溶液Aを得た。
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート99部、4−ヒドロキシブチルアクリレート1部、アセトン150部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.06部を仕込み、この反応容器内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下で、この反応溶液を60℃に昇温させ、5時間反応させた。反応開始より5時間後、トルエンを190部と2−ヒドロキシエチルメタクリレート0.25部および2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5部を添加して、70℃に昇温し、6時間反応させた。トルエン60部を添加して室温まで冷却し、固形分20%の重合体溶液Bを得た。
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート99部、4−ヒドロキシブチルアクリレート1部、アセトン150部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.06部を仕込み、この反応容器内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下で、この反応溶液を60℃に昇温させ、8時間反応させた。反応開始より8時間後、トルエンを250部を添加して室温まで冷却し、固形分20%の重合体溶液Cを得た。
4HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート
BA:ブチルアクリレート
AA:アクリル酸
2HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
なお、共重合体の重量平均分子量(Mw)は、GPC測定で求めたポリスチレン換算の重量平均分子量であり、GPC測定条件は以下のとおりである。
装置:Shodex GPC System−21(昭和電工(株)製)
カラム:Shodex KF−602.5を1本、Shodex KF−606Mを2本(昭和電工(株)製)の合計3本を連結して使用。
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.5ml/min
温度:40℃
試料濃度:0.1wt%
試料注入量:50μl
合成例1で得られた重合体溶液A500重量部に対して、重合度34のポリプロピレングリコール(25℃で液体)3.5部、TDI/TMP(トリレンジイソシネートのトリメチロールプロパンアダクト体)0.08部およびシランカップリング剤「KBM−403」(信越化学工業(株)製)0.15部を添加してよく撹拌して粘着組成物を得た。この粘着組成物を剥離処理されたポリエステルフィルムに塗工して乾燥させ、25μmの粘着剤層を設けた後に、それを偏光フィルムの片面に転写して偏光フィルムを粘着加工した。この粘着加工された偏光フィルムを温度23℃相対湿度50%の条件で1週間熟成させて粘着剤層付き偏光フィルムを得た。
重合体溶液Aに代えて重合体溶液B、重合度34のポリプロピレングリコールに代えて重合度17のポリプロピレングリコール(25℃で液体)、TDI/TMP(トリレンジイソシネートのトリメチロールプロパンアダクト体)に代えてXDI/TMP(キシリレンジイソシネートのトリメチロールプロパンアダクト体)、「KBM−403」に代えてシランカップリング剤「KBE−403」(信越化学工業(株)製)をそれぞれ用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤層付き偏光フィルムを得た。
重合度34のポリプロピレングリコールに代えて重合度520のポリプロピレングリコール(25℃で固体)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤層付き偏光フィルムを得た。
重合度34のポリプロピレングリコールに代えてプロピレングリコール(単量体)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤層付き偏光フィルムを得た。
重合度34のポリプロピレングリコールに代えてエチレングリコール(単量体)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤層付き偏光フィルムを得た。
重合度34のポリプロピレングリコールに代えて1、4−ブタンジオールを用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤層付き偏光フィルムを得た。
重合度34のポリプロピレングリコールを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤層付き偏光フィルムを得た。
重合度34のポリプロピレングリコールの添加量を3.5部から0.05部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤層付き偏光フィルムを得た。
重合度34のポリプロピレングリコールの添加量を3.5部から15部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤層付き偏光フィルムを得た。
重合体溶液Aに代えて重合体溶液Bを用い、TDI/TMP(トリレンジイソシネートのトリメチロールプロパンアダクト体)を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤層付き偏光フィルムを得た。
重合体溶液Aに代えて重合体溶液B、TDI/TMP(トリレンジイソシネートのトリメチロールプロパンアダクト体)0.08部に代えてXDI/TMP(キシリレンジイソシネートのトリメチロールプロパンアダクト体0.001部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤層付き偏光フィルムを得た。
重合体溶液Aに代えて重合体溶液B、TDI/TMP(トリレンジイソシネートのトリメチロールプロパンアダクト体)0.08部に代えてXDI/TMP(キシリレンジイソシネートのトリメチロールプロパンアダクト体)5部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤層付き偏光フィルムを得た。
重合体溶液Aに代えて重合体溶液Cを用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤層付き偏光フィルムを得た。
PPG:ポリプロピレングリコール
PEG:ポリエチレングリコール
TDI−TMP:トリレンジイソシネートのトリメチロールプロパンアダクト体
XDI−TMP:キシリレンジイソシネートのトリメチロールプロパンアダクト体
KBM−403:信越化学工業(株)製シランカップリング剤「KBM−403」
KBE−403:信越化学工業(株)製シランカップリング剤「KBE−403」
各実施例、比較例で得られた粘着剤層付き偏光フィルムを25mm×150mmの大きさにカットし、剥離シートを剥がして厚さ1.1mmのガラスにラミネーターを用いて貼り付け、50℃、5気圧の条件のオートクレーブ内に20分保持させてガラスに密着させた。この試験片を23℃−50%で1週間放置した後に、180°ピール試験(剥離速度300mm/min)を実施し、ピール後のガラスの曇りを目視で観察した。
○:実用上全く問題がない。
×:実用上問題がある。
粘着剤層付き偏光フィルムを200mm×200mmの大きさにカットし、剥離シートを剥がして厚さ1.1mmのガラスにラミネーターを用いて貼り付け、50℃、5気圧の条件のオートクレーブ内に20分保持させてガラスに密着させ、80℃の雰囲気中に500時間(耐熱性試験)、あるいは60℃−90%RHの雰囲気中に500時間それぞれ放置した(耐湿熱性試験)。
500時間放置後、室温に戻し、偏光フィルムの発泡、浮き・剥がれ、クラックの発生状態を観察した。
発泡とは、粘着剤層とガラスとの界面(周辺端部以外)に比較的大きな気泡が発生している状態である。
浮き・剥がれとは、粘着加工した偏光フィルムがガラスから浮き上がり、剥がれてしまっている状態である。
クラックとは、偏光フィルムの周辺端部に、直径1mm以下の細かい気泡がスジ状に連なるように発生している状態である。
それぞれの評価基準は以下の通りである。
◎:発生せず、優れている。
○:発生せず。
△:軽微な発生が認められる。
×:顕著な発生が認められる。
粘着剤層付き偏光フィルムを200mm×200mmの大きさにカットし、剥離シートを剥がして厚さ1.1mmのガラスの両面に、それぞれの偏光フィルムの吸収軸が直交するようにラミネーターを用いて貼り付けた。続いて、この偏光フィルムを貼り付けたガラスを50℃、5気圧の条件のオートクレーブ内に20分保持させてガラスに密着させた。60℃−90%RHの雰囲気中で500時間放置した後の偏光フィルムとガラスとの積層物に、20インチ以上で使用される高輝度の光源を用いて光を透過させた。積層物の各辺の中心から、白くなっている部分の端までの長さを測定し、その平均値を示した。この長さが短い方が光漏れがしにくいことを示す。
○:白抜け部の長さが5mm未満、実用上全く問題がない。
△:白抜け部の長さが5mm以上15mm未満、実用上やや問題がある。
×:白抜け部の長さが15mm以上、実用上問題がある。
Claims (5)
- 下記単量体(a)および(b)をラジカル共重合してなる重量平均分子量100万以上200万以下の共重合体(A)と、該共重合体(A)100重量部に対して、上記共重合体(A)の存在下で下記単量体(c)および(d)をラジカル共重合してなる重量平均分子量1万以上10万以下の共重合体(B)20〜150重量部、重合度が3以上で25℃で液体であるポリアルキレンオキサイド鎖を有するポリオール(C)0.1〜10重量部、上記共重合体(A)および/または上記共重合体(B)と反応可能な反応性官能基を少なくとも2個有する多官能性化合物(D)0.003〜3重量部からなる粘着組成物。
(a):反応性官能基およびエチレン性不飽和二重結合を有する単量体。
(b):(a)と共重合可能な他のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体。
(c):カルボキシル基又は水酸基の少なくともいずれか一方を有し、エチレン性不飽和二重結合を有する単量体。
(d):(c)と共重合可能な他のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体。 - 共重合体(A)、共重合体(B)のガラス転移温度が、−60℃〜0℃であることを特徴とする請求項1記載の粘着組成物。
- 下記単量体(a)および(b)をラジカル共重合し、重量平均分子量100万以上200万以下の共重合体(A)を得、該共重合体(A)100重量部に対して、上記共重合体(A)の存在下で共重合体(A)の重合後に残留する単量体(a)および単量体(b)並びに下記単量体(c)をラジカル共重合し、重量平均分子量1万以上10万以下の共重合体(B)20〜150重量部を含む共重合体を得、
次いで重合度が3以上で25℃で液体であるポリアルキレンオキサイド鎖を有するポリオール(C)0.1〜10重量部、及び上記共重合体(A)および/または上記共重合体(B)と反応可能な反応性官能基を少なくとも2個有する多官能性化合物(D)0.003〜3重量部を添加することを特徴とする粘着組成物の製造方法。
(a):反応性官能基およびエチレン性不飽和二重結合を有する単量体。
(b):(a)と共重合可能な他のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体。
(c):カルボキシル基又は水酸基の少なくともいずれか一方を有し、エチレン性不飽和二重結合を有する単量体。 - 請求項3記載の製造方法により得られることを特徴とする粘着組成物。
- 請求項1、2または4記載の粘着組成物からなる粘着剤層が、光学フィルムの少なくとも一方の面に形成されてなることを特徴とする粘着フィルム。
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