JP2014028983A - 粘着剤、粘着シートおよびディスプレイ - Google Patents

粘着剤、粘着シートおよびディスプレイ Download PDF

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克哲 福田
Minoru Nakamura
稔 中村
Mai Sasaki
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Abstract

【課題】本発明は、粘着性、透明性、非白化性、耐発泡性および耐剥がれ性が優れ、さらに段差追従性をも併せ持つ粘着剤、粘着シートならびにディスプレイの提供を目的とする。
【解決手段】アクリル系共重合体(A)と、ポリイソシアネート系硬化剤(B)及びシランカップリング剤(C)とを含み、前記アクリル系共重合体(A)は、SP値8以上9.00未満のアルキル基含有エチレン性不飽和単量体(A1)40〜80重量%と、SP値9.00以上15以下の極性基含有エチレン性不飽和単量体(A2)20〜60重量%とをラジカル重合してなり、前記極性基を有するエチレン性不飽和単量体(A2)は、水酸基(a1)を有し、かつホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が、−40℃以上120℃以下であるエチレン性不飽和単量体を含む、粘着剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、粘着剤に関する。
近年のエレクトロニクスの飛躍的な進歩により、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、リアプロジェクションディスプレイ(RPJ)、ELディスプレイ、発光ダイオ−ドディスプレイなどの様々なフラットパネルディスプレイ(FPD)が、表示装置として広く使用されている。このような表示装置には、通常、外部光源からの反射を防ぐための反射防止フィルムや、表示装置表面の傷付き防止の為の保護フィルム(プロテクトフィルム)など、用途に応じて様々なフィルムが使用されている。例えば、LCDに使用する液晶セル用部材には、偏光フィルムや位相差フィルムが使用されている。
また、FPDは、表示装置として利用に加えてタッチパネルのような入力装置として利用されている。タッチパネルには、一般的に保護フィルム、反射防止フィルムおよび透明電極フィルムなどが使用されている。これらのフィルムは、粘着剤(感圧式接着剤ともいう)を使用して貼り付けるのが一般的である。
タッチパネルの用途に使用する粘着剤には、粘着性、透明性に加え、高温かつ高湿の環境で使用した場合に、粘着剤層に気泡が発生しないこと(耐発泡性)、貼り付けた各フィルムに浮きや剥がれが生じないこと(耐剥がれ性)、粘着剤層が白く変色しないこと(非白化性)、透明電極を腐食しない性質(耐腐食性)が必要である、さらに透明電極は、基材上に回路があるため段差が存在する。そして透明電極の上に粘着シートを貼り合わせる場合、当該段差を粘着剤層で埋める性質(段差追従性)等の性能が必要である。
また、タッチパネルは、LCDを元に構成しているため、偏光板を貼り合せて使用するのが一般的である。この偏光板は、粘着剤を使用して液晶セルに貼り付ける。偏光板用の粘着剤には、高温かつ高湿環境のような過酷な環境で使用した場合でも、偏光板が液晶セルから剥がれや、浮きが生じない性能と、液晶セルの光が漏れない性能(光漏れ耐性)を両立する必要がある。この光漏れは、LCDが高温かつ高湿の環境で使用した場合、偏光板が収縮または膨張することで寸法が変化する際に生じる応力を、粘着剤層で緩和できず偏光板に由来する残留応力が残るために起こる。
さらに、タッチパネルは、スマートホンなどの携帯情報端末に使用しているため、落下を考慮した耐衝撃性が重要である。そこで、タッチパネルの表面層には、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、またはシクロオレフィン(COP)等の透明性が高いプラスチックフィルムを使用している。しかし、透明性が高いプラスチックは、素材が硬く柔軟性が低いため多量の可塑剤を配合することで所望の柔軟性、加工性および成型性を得ている。ところが、この可塑剤が原因になって、タッチパネルを高温環境で使用すると当該プラスチックフィルムと粘着剤層との間にガスが発生する(アウトガスともいう)問題があった。
上記の問題に対して、耐発泡性および耐剥がれ性を改善するために、カルボキシル基などの官能基を含有するモノマーを共重合する手法や、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)の高いモノマー(高Tgモノマー)や高Tgのオリゴマー(低分子量ポリマー)を配合するなどの手法が知られている。また、非白化性及び耐腐食性を改善するためにカルボキシル基以外の架橋可能な官能性アクリレートおよびアルコキシアルキルアクリレートを共重合する手法が知られている。また、アウトガスを防止するために、粘着付与剤を添加する手法、または金属キレートを配合する手法が知られている。
具体的には、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルを主成分とし、これにカルボキシル基含有モノマーを共重合して得た粘着性ポリマー100重量部と、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、メタクリル酸ベンジルまたはスチレンから選ばれる1種または2種以上のモノマーを主成分とし、これにアミノ基又はアミド基含有モノマーを共重合させて得られる低分子量ポリマー5〜40重量部及び架橋剤0.001〜2.0重量部を含有する粘着剤が知られている(特許文献1参照)。
また、カルボキシル基含有モノマーを必須として、実質的に水酸基含有モノマーを含まないアクリル系共重合体と、ベンゾトリアゾールやその誘導体を特定重量比で混合した粘着剤と、前記アクリル系共重合体中のカルボキシル基と反応できる官能基を有するエポキシ架橋剤を、特定重量比で配合して架橋して得た粘着剤を用いた金属貼着用粘着シートが知られている(特許文献2参照)。
また、アルコキシアルキルアクリレートを主成分とし、これにカルボキシル基含有モノマー0.1〜10重量%を共重合して得た重量平均分子量60万以上の粘着性ポリマー100重量部と、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、メタクリル酸ベンジルまたはスチレンから選ばれるモノマーを主成分とし、これにアミノ基含有モノマーやアミド基含有モノマーを0.5〜10重量%共重合して得たガラス転移温度が60℃以上で重量平均分子量5万以下の低分子量ポリマー5〜40重量部と、架橋剤0.001〜2.0重量部を配合した粘着剤が知られている(特許文献3参照)。
また、アルキル基の炭素数が4〜12のアクリレートモノマーを全モノマー成分に対して50重量%以上含み、且つモノマー成分としてカルボキシル基含有モノマーを全モノマー成分100重量部に対して3〜10重量部含んでおり、さらに重量平均分子量が50万〜90万であるアクリル系ポリマーと、ホモポリマーを形成した際のガラス転移温度が60〜190℃であり且つ環状構造を有するエチレン性不飽和単量体を全モノマー成分に対して50重量%以上含み、且つモノマー成分としてカルボキシル基含有モノマーを全モノマー成分100重量部に対して3〜10重量部含んでおり、さらに重量平均分子量が3000〜6000であるオリゴマーを配合した粘着剤から形成した透明両面粘着テープが知られている(特許文献4参照)。
さらに、アルコキシアルキルアクリレート(成分A)及び架橋可能な官能基を有するアクリル系モノマー(成分B)を必須として重合した重量平均分子量40万〜160万のアクリル系ポリマーおよび架橋剤を含む粘着剤であって、アクリル系ポリマーを構成する全モノマー成分100重量部に対する成分Aの含有量が45〜99.5重量部、成分Bの含有量が0.5〜4.5重量部であり、アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分中にカルボキシル基含有モノマーを実質的に含まない粘着剤が知られている(特許文献5参照)。
また、アルキル基の炭素数が4〜18のアクリレートモノマー(成分A)と、アミド基含有アクリレートモノマー(成分B)および、アルコキシアルキルアクリレートを共重合した酸価が5mgKOH/g以下である透明粘着シートが知られている(特許文献6参照)。
また、アルコキシアルキルアクリレートモノマー(成分A)45〜99.5重量部と、水酸基を有するアクリレートモノマー0.5〜4.5重量部とを共重合したアクリル系ポリマーであって、架橋構造化した後のゲル分率が40〜80%であり、カルボキシル基含有モノマーを実質的に含まない粘着剤が知られている(特許文献7参照)。
また、被着体からのアウトガスを抑制する目的で、アクリル系ポリマーに、スチレン系やα−メチルスチレン系の粘着付与剤をアクリル系ポリマー100重量部に対して、0.5〜15重量部混合し、イソシアネート系架橋剤で架橋した粘着剤が知られている(特許文献8参照)。
また、被着体からのアウトガスを抑制する目的で、全モノマーに対して40〜99重量部のアクリル酸ブチルもしくはアクリル酸エチル又はこれらの混合物(成分A)、1〜15重量部のα,β−エチレン型不飽和カルボン酸(成分B)、及び0〜55重量%のアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリルもしくはスチレン又はこれらの混合物(成分C)を含んで成り、重量平均分子量が40万以上であるアクリル系共重合体と、前記アクリル系共重合体100重量部に対して0.5〜2.0重量部の金属キレート化合物を配合した粘着剤が知られている(特許文献9参照)。
特開2002−327160号公報 特開2006−45315号公報 特許第4788937号公報 特許第4515118号公報 特開2009−79203号公報 特開2011−74308号公報 特開2010−215923号公報 特許第4437631号公報 特開平6−49425号公報
しかし、特許文献1および2の粘着剤は、カルボキシル基の存在により金属を腐食する問題がある。
また、特許文献3および4の粘着剤は、基材フィルムとの密着性が低いため、耐発泡性および耐剥がれ性が劣る。さらに、当該粘着剤は透明電極との接着性が低いため段差追従性が劣る問題があった。
また、特許文献5、6および7の粘着剤は、非白化性を得るためアルコキシアルキルアクリレートを使用しているが、そのレベルは低いという問題があった。また、当該粘着剤は、重合開始剤が残存しやすいため、ポリマー中のアルコキシアルキル基が分解しやすい。そのため、耐発泡性および耐剥がれ性が劣る問題があった。さらに、使用したアルコキシアルキルアクリレートはTgが低いため(一般に−45℃以下)、粘着剤の凝集力が低く、粘着力が不足不するという問題があった。
しかし、特許文献8の粘着剤は、高温かつ高湿の環境にさらされた場合、粘着剤に配合した粘着付与剤が染み出すことで耐発泡性および耐剥がれ性を確保できない。さらには、当該染み出しが汚染につながる問題があった。また、特許文献9の粘着剤は、金属キレート化合物の存在により金属が腐食する問題があった。
本発明は、粘着性、透明性、非白化性、耐発泡性および耐剥がれ性が優れ、さらに段差追従性をも併せ持つ粘着剤、粘着シートならびにディスプレイの提供を目的とする。
本発明は、少なくともSP値9.00以上15以下の極性基を有するエチレン性不飽和単量体(A2)10〜80重量%をラジカル重合したアクリル系共重合体(A)と、ポリイソシアネート系硬化剤(B)と、シランカップリング剤(C)とを配合した構成の光学用粘着剤である。ここでSP値は、溶解度パラメーターを意味する。
上記構成の本発明は、アクリル系共重合体(A)の合成に使用した極性基を有するエチレン性不飽和単量体(A2)は、SP値が9.00以上15以下と高い。そして、当該単量体を使用したアクリル系共重合体(A)は、水に対する親和性が高い。粘着剤を、粘着テープに加工した後、例えば、液晶セルのガラス板へ貼り付けて、高温かつ高湿の環境に放置すると水が粘着剤層に浸入する。しかし、粘着剤層は、SP値が高い単量体(A2)を多量に使用した共重合体(A)を含むので水との親和性が高い。これにより透明な粘着剤層は、白色に変化しにくいので非白化性が優れる。つまり、本発明では粘着剤層に水を適度に浸入させている。そして当該粘着剤層は、極性基を含むため、高温かつ高湿の環境に放置した場合でも粘着力が低下しにくいため耐剥がれ性が優れるため、粘着剤層に気泡が発生しにくいため耐発泡性が優れる。さらには段差追従性にも優れる。なお、高温かつ高湿の環境とは、温度が高く、湿度も高い雰囲気を意味する。
本発明により、粘着性、透明性、非白化性、耐発泡性および耐剥がれ性が優れ、さらに段差追従性をも併せ持つ粘着剤、粘着シートならびにディスプレイを提供することができた。
本発明の粘着剤は、アクリル系共重合体(A)と、ポリイソシアネート系硬化剤(B)及びシランカップリング剤(C)とを配合することが好ましい。
アクリル系共重合体(A)は、SP値が8以上9.00未満のアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(A1)20〜90重量%と、SP値が9.00以上15以下の極性基を有するエチレン性不飽和単量体(A2)10〜80重量%とをラジカル重合して得ることが好ましい。
本発明の粘着剤は、アクリル系共重合体(A)の合成に、SP値が9.00以上15以下の極性基を有するエチレン性不飽和単量体(A2)を10〜80重量%使用することで粘着性と耐剥がれ性が向上し、特に非白化性が向上する。この理由として、当該単量体を使用したアクリル系共重合体(A)は、水に対する親和性が高い。次に、粘着剤を、粘着テープに加工した後、例えば、液晶セルのガラス板へ貼り付けて、高温かつ高湿の環境に放置すると水が粘着剤層に浸入する。しかし、粘着剤層は、SP値が高い単量体(A2)を多量に使用した共重合体(A)を含むので水との親和性が高い。これにより透明な粘着剤層は、白色に変化しにくいので非白化性が優れる。つまり、本発明では粘着剤層に水を適度に浸入させている。そして当該粘着剤層は、極性基を含むため、高温かつ高湿の環境に放置した場合でも粘着力が低下しにくいため耐剥がれ性が優れるため、粘着剤層に気泡が発生しにくいため耐発泡性が優れる。さらには段差追従性にも優れる。極性基は、水酸基(a1)、アミド基(a2)、アミノ基(a3)、ニトリル基(a4)、およびカルボキシル基(a5)が好ましい
本発明においてSP値は、溶解度パラメーターである。このSP値は、Fedorsの算出法[「Polymer Engineering and Science」、第14巻、第2号(1974)、148〜154ページ]を参照し、下記数式1により算出することで求めることができる。
Figure 2014028983
δ:溶解度パラメーター(SP値)
Δei:モル蒸発エネルギー
Δvi:モル体積
ここで溶解度パラメーターの単位は(cal/mol)1/2である。
上記、式1に対して主な原子または、原子団に与えられたΔei及びΔviの固有値を
表1に示す。
Figure 2014028983
Δi:モル蒸発エネルギー (cal/mol)
Δvi:モル体積 (cm3/mol)
また、上記式によって計算された主な単量体の溶解度パラメーター(SP値)及び、ホモポリマーのガラス転移温度を表2に示す。
Figure 2014028983
SP値が9.00以上15以下の極性基を有するエチレン性不飽和単量体(A2)[以下、という]は、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルなどの水酸基含有エチレン性不飽和単量体(a1);、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドンなどアミド基含有エチレン性不飽和単量体(a2);、アミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのアミノ基含有エチレン性不飽和単量体(a3);、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル基含有エチレン性不飽和単量体(a4);、(メタ)アクリル酸、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、p−カルボキシベンジルアクリレート、エチレンオキサイドの付加モル数が2〜18のフタル酸アクリレート、フタル酸モノヒドロキシプロピルアクリレート、コハク酸モノヒドロキシエチルアクリレート、β−カルボキシエチルアクリレート、2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチルアクリレート、マレイン酸、モノエチルマレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、及びフマル酸などカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a5)などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの単量体の中でも、非白化性、耐発泡性および耐剥がれ性の観点から水酸基含有エチレン性不飽和単量体(a1)、アミド基含有エチレン性不飽和単量体(a2)及び、アミノ基含有エチレン性不飽和単量体(a3)が好ましく、特に水酸基含有エチレン性不飽和単量体(a1)がより好ましい。なお、上記例示には無いが数式1の計算式によりSP値が9.00以上15以下の範囲に入る単量体を使用することができる。
また、単量体(A2)は、そのホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が−40℃以上120℃以下であることも好ましい。ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が前記範囲内にあることで、粘着力および耐剥がれ性がより向上する。ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)は、−30℃以上100℃以下がより好ましい。
本発明において単量体(A2)のホモポリマーのガラス転移温度(Tg)は、「ポリマーハンドブック 第4版(Polymer Handbook, Fourth Edition)」、J.Brandrup,E.H.Immergut, and E.A.Grulke著(1999)に拠った。
単量体(A2)は、全単量体100重量%中、10〜80重量%使用することが好ましい。単量体(A2)を10〜80重量%使用することで非白化性が向上し、さらに粘着性および耐剥がれ性を向上できる。また単量体(A2)は、20〜60重量%を使用することがより好ましい。
アクリル系共重合体(A)の合成には、単量体(A2)以外にSP値が8以上9.00未満のアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(A1)20〜90重量%使用することが好ましい。SP値が8以上9.00未満の範囲であることで、アクリル系共重合体(Aの極性を適切にできるため、金属、ガラス、プラスチックなどの極性が高い被着体に対して粘着性が向上することで耐剥がれ性が向上し、さらに非白化性も向上する。
本発明において単量体(A1)は、例えば、アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体が好ましい。具体的には、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、さらにはシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸環状アルキルエステルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの単量体のうち、特に、(メタ)アクリル酸ブチルおよび(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルは、適度な粘着性を得るため、および重合平均分子量を調節しやすいためより好ましい。
単量体(A1)は、全単量体100重量%中、20〜90重量%で使用することが好ましい。単量体(A1)を20〜90重量%使用することで、アクリル系共重合体(A)を適切な重量平均分子量の範囲に合成できる。さらに耐剥がれ性および非白化性がより向上する。単量体(A1)の使用量は、40〜80重量%がより好ましい。
本発明では、発明の効果を損ねない範囲においては、他のエチレン性不飽和単量体を使用することができる。具体的には、メトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどのアルキレンオキサイド基含有エチレン性不飽和単量体、酢酸ビニル、クロトン酸ビニル、スチレンなどのビニル系単量体が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、本発明でアクリル系重合体とは、(メタ)アクリル酸エステル単量体を含むエチレン性不飽和単量体の重合体である。なお、本発明において、(メタ)アクリル酸エステル単量体とは、アクリル酸エステル単量体及びメタクリル酸エステル単量体の両方を意味する。他の類似用語も同様である。又、重合体とは「単独重合体」及び「共重合体」の両方を意味する。
本発明においてアクリル系共重合体(A)は、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等で合成できる。これらの重合方法の中でも透明性や粘着性の観点から溶液重合が好ましい。また、アクリル系共重合体(A)の重量平均分子量は、20万〜100万が好ましい。重量平均分子量を前記範囲内にすることで粘着性および耐剥がれ性がより向上する。また重量平均分子量は、40万〜80万がより好ましい。アクリル系共重合体(A)は、重量平均分子量がことなる共重合体を2種以上使用しても良い。
また、アクリル系共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比率を表す分子量分布(Mw/Mn)は、20以下が好ましい。この分子量分布が20以下にすることで粘着性および耐剥がれ性がより向上する。なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の値である。
アクリル系共重合体(A)は、エチレン性不飽和単量体を、ラジカル重合開始剤を用いてラジカル重合を行い得ることができる。ラジカル重合は、溶液重合する場合は、例えば、酢酸エチル、トルエン、キシレン、アニソール、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどの溶剤の存在下で重合させるのが好ましい。ラジカル重合温度は60〜120℃の範囲が好ましく、重合時間は5〜12時間が好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、公知のものを使用できるが、重合温度条件下でラジカルを発生しうる化合物であれば特に制限はない。例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α、α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド類;
t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサンなどのパーオキシエステル類;
シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類;
2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレート、などのパーオキシケタール類;
クメンヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルシクロヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオ
キサイド類;
ベンゾイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;
ビス(t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート類などの有機過酸化物、又はこれらの混合物があげられる。
またラジカル重合開始剤としてアゾ化合物も使用することもできる。例示するならば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(略称:AIBN)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などの2,2’−アゾビスブチロニトリル類、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などの2,2’−アゾビスバレロニトリル類、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)などの2,2’−アゾビスプロピオニトリル類、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)などの1,1’−アゾビス−1−アルカンニトリル類などが使用できる。
ラジカル重合開始剤は、エチレン性不飽和単量体100重量部に対し、0.01〜10重量部使用することが好ましく、0.1〜2重量部がより好ましい。
本発明においてポリイソシアネート系硬化剤(B)は、2個以上のイソシアネート基を有する、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、および脂環族ポリイソシアネート等が好ましい。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート等を挙げることができる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(別名:HMDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(別名:IPDI、イソホロンジイソシアネート)、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
上記ポリイソシアネートのビュレット体、ヌレート体、及びアダクト体などを挙げることができる。
ビュレット体とは、上記イソシアネートモノマーが自己縮合してなる、ビュレット結合を有する自己縮合物をいい、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット体(スミジュールN−75、住化バイエルウレタン社製;デュラネート 24A−90CX、旭化成製)などが挙げられる。
ヌレート体とは、上記イソシアネートモノマーの3量体をいい、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体(スミジュールN−3300、住化バイエルウレタン社製;コロネートHX、日本ポリウレタン工業株式会社製;アクアネート100、日本ポリウレタン社製;アクアネート110、日本ポリウレタン工業株式会社製;デュラネートTPA100、旭化成製)、イソホロンジイソシアネートの3量体(VESTANAT T−1890、エボニック デグサジャパン株式会社製;デスモジュールZ−4370、住化バイエルウレタン社製)、トリレンジイソシアネートの3量体(コロネート 2030、日本ポリウレタン株式会社製)などが挙げられる。
アダクト体とは、上記イソシアネートモノマーと低分子活性水素含有化合物とを反応させてなる、2官能以上のイソシアネート化合物をいい、例えば、3官能のイソシアネート化合物としては、トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートとを反応させた化合物(コロネートHL、日本ポリウレタン株式会社製;スミジュールHT、住化バイエルウレタン社製;タケネートD−160N、三井化学ポリウレタン社製)、トリメチロールプロパンとトリレンジイソシアネートとを反応させた化合物(コロネートL、日本
ポリウレタン株式会社製;スミジュールL−75、住化バイエルウレタン社製;タケネートD−102、三井化学ポリウレタン社製)、トリメチロールプロパンとキシリレンジイソシアネートとを反応させた化合物(タケネートD−110N、三井化学ポリウレタン社製)、トリメチロールプロパンとイソホロンジイソシアネートとを反応させた化合物(タケネートD−140N、三井化学ポリウレタン社製;マイテックNY215A、三菱化学株式会社製)、2官能のイソシアネート化合物としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートとモノアルコールから製造されたアロハネート化合物(デュラネートD−201、旭化成製;コロネート2770、日本ポリウレタン工業製)などが挙げられる。
なお、低分子活性水素含有化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、2−メチル−1,8−オクタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ポリオキシエチレングリコール(付加モル数10以下)、ポリオキシプロピレングリコール(付加モル数10以下)、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール,トリシクロデカンジメタノール、シクロペンタジエンジメタノール、ダイマージオール等の脂肪族あるいは脂環族ジオール類;
1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、4,4’−メチレンジフェノール、4,4’−(2−ノルボルニリデン)ジフェノール、4,4’−ジヒドロキシビフェノール、o−,m−,及びp−ジヒドロキシベンゼン、4,4’−イソプロピリデンフェノール、あるいはビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノール類にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させてなるビスフェノール類等の芳香族ジオール類;
1,1,1−トリメチロールプロパン、1,1,1−トリメチロールブタン、1,1,1−トリメチロールペンタン、1,1,1−トリメチロールヘキサン、1,1,1−トリメチロールヘプタン、1,1,1−トリメチロールオクタン、1,1,1−トリメチロールノナン、1,1,1−トリメチロールデカン、1,1,1−トリメチロールウンデカン、1,1,1−トリメチロールドデカン、1,1,1−トリメチロールトリデカン、1,1,1−トリメチロールテトラデカン、1,1,1−トリメチロールペンタデカン、1,1,1−トリメチロールヘキサデカン、1,1,1−トリメチロールヘプタデカン、1,1,1−トリメチロールオクタデカン、1,1,1−トリメチロールナノデカン、1,1,1−トリメチロール−sec−ブタン、1,1,1−トリメチロール−tert−ペンタン、1,1,1−トリメチロール−tert−ノナン、1,1,1−トリメチロール−tert−トリデカン、1,1,1−トリメチロール−tert−ヘプタデカン、1,1,1−トリメチロール−2−メチル−ヘキサン、1,1,1−トリメチロール−3−メチル−ヘキサン、1,1,1−トリメチロール−2−エチル−ヘキサン、1,1,1−トリメチロール−3−エチル−ヘキサン、1,1,1−トリメチロールイソヘプタデカンなどのトリメチロール分岐アルカン類、トリメチロールブテン、トリメチロールヘプテン、トリメチロールペンテン、トリメチロールヘキセン、トリメチロールヘプテン、トリメチロールオクテン、トリメチロールデセン、トリメチロールドデセン、トリメチロールトリデセン、トリメチロールペンタデセン、トリメチロールヘキサデセン、トリメトロールヘプタデセン、トリメチロールオクタデセン、1,2,6−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、グリセリン等の3官能ポリオール類;
ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、キシリトール等の4官能以上のポリオール類;
エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ペンチレンジアミン、ヘキシレンジアミン、ヘプチレンジアミン、オクチレンジアミン、ノニレンジアミン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリアミノプロパン等の脂肪族ポリアミン類;
フェニレンジアミン、トリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル等の芳香族ポリアミン類;
エチレンジチオール、プロピレンジチオール、ブチレンジチオール、ペンチレンジチオール、ヘキシレンジチオール、ヘプチレンジチオール、オクチレンジチオール、ノニレンジチオール、ジメルカプトジシクロヘキシルメタン、3−メルカプトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルチオール、1,3−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)等のポリチオール類を挙げることができる。
本発明のポリイソシアネート系硬化剤(B)は、上記したイソシアネートモノマーと低分子活性水素含有化合物とを反応させることで得ることができる。その際、イソシアネートモノマーとジオール、また、これら低分子活性水素含有化合物は、それぞれを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリイソシアネート系硬化剤(B)の中でも、十分な架橋構造を形成するという理由で、2官能以上のイソシアネート化合物が好ましい。さらに密着性及び接着耐久性などを考慮すると、アダクト体が好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体などの3官能イソシアネート化合物、及び1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートとモノアルコールから製造されたアロハネート化合物が好ましい。特に、密着性、耐湿熱性の観点より2官能イソシアネート化合物が好ましい。これらのポリイソシアネート系硬化剤(B)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においてポリイソシアネート系硬化剤(B)は、アクリル系共重合体(A)100重量部に対して0.01〜10重量部用いることが好ましく、0.05〜8重量部用いることがより好ましく、0.1〜5重量部・BR>Pいることがさらに好ましい。
本発明において硬化剤は、本発明の効果を損なわない範囲において多官能エポキシ化合物を併用することもできる。多官能エポキシ化合物を併用することで、粘着剤層の耐熱性をより向上させることができる。多官能エポキシ化合物は、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA・エピクロロヒドリン型エポキシ樹脂、N,N,N’N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン等が挙げられる。
本発明において多官能エポキシ化合物は、共重合体(A)100重量部に対して0.1〜5重量部用いることが好ましい。
タッチパネル等のディスプレイには、透明導電膜の周辺部に銀ペースト等で形成した10〜30μm程度の段差の導電回路を有する場合が多い。そして、本発明の粘着剤を用いた粘着テープをその導電回路に貼り付けた場合、アクリル系共重合体(A)とポリイソシアネート系硬化剤(B)との組み合わせの効果により、段差の角等に気泡が残存しない優れた段差追従性を実現できる。ここで、透明導電膜とはITO(インジウム・スズ)フィルムなどの金属薄膜フィルム、ポリチオフェンやポリアニリン等の導電性高分子薄膜などが挙げられる。なお、本発明において段差埋め込み性は、40℃〜50℃程度の低温熱ラミネートでの段差埋め込み性を意味するものであり、プリント配線板の技術分野で実施されている、ドライフィルム状の接着シートを80℃〜200℃程度で配線回路上へラミネートすることで段差を埋め込む、高温熱ラミネートとは区別すべきものである。
本発明においてシランカップリング剤(C)を使用すると粘着剤層と被着体との粘着力を向上できる。加えて耐発泡性および耐剥がれ性も向上できる。
シランカップリング剤(C)は、具体的には、例えば、γ−(メタ)アクリロキシメチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリブトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシランなどの(メタ)アクリロキシ基を有するアルコキシシラン化合物;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシランなどのビニル基を有するアルコキシシラン化合物;
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシランなどのアミノアルキル基を有するアルコキシシラン化合物;
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、β−メルカプトメチルフェニルエチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、6−メルカプトヘキシルトリメトキシシラン、10−メルカプトデシルトリメトキシシランなどのメルカプト基を有するアルコキシシラン化合物;
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシランなどのアルキル基を有するアルコキシシラン化合物;
フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシランなどのフェニル基を有するアルコキシシラン化合物;
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラプロポキシシランなどの置官基を有さないアルコキシシラン化合物;
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどのグリシジル基を有するアルコキシシラン化合物;
その他、アルコキシシラン化合物として、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルシラザン、ジフェニルジメトキシシラン、1,3,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
シランカップリング剤(C)は、粘着剤層中においては、アルコキシ基が加水分解したシランカップリング剤のけい素が結合した形態で存在することが好ましい。この形態をとることで、粘着剤層中に侵入した水と親和しやすくなることで非白化性がより向上する。そして、シランカップリング剤(C)は、粘着剤層中を比較的自由に移動し、水と親和することがより好ましい。そのため、非白化性がより向上するためシランカップリング剤(C)は、アルコキシ基以外の反応性官能基を有さない、または、アクリル系共重合体(A)が有する官能基と反応しにくい官能基を有するものがより好ましい。例えば、アルコキシ基以外に脂環エポキシ基を有するものがより好ましい。なお、前記記載はシランカップリング剤(C)が、脂環エポキシ基以外の反応性官能基を有することを妨げるものではない。
脂環エポキシ基を有するシランカップリング剤としては、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランなどが挙げられる。また、アルコキシ基以外の反応性基を有さないシランカップリング剤とは、上記、アルキル基を有するアルコキシシラン化合物、フェニル基を有するアルコキシシラン化合物、及び置官基を有さないアルコキシシラン化合物である。さらに好ましくは、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリエトキシシランである。なお、シランカップリング剤(C)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤(C)は、アクリル系共重合体(A)100重量部に対して、0.001〜1重量部使用することが好ましい。シランカップリング剤(C)は、前記範囲で使用すること粘着力をより向上できる。シランカップリング剤(C)は、0.005〜0.8重量部使用することがより好ましい。
本発明の粘着剤は、アクリル系共重合体(A)、ポリイソシアネート系硬化剤(B)及びシランカップリング剤(C)に加えて、必要に応じて、他の樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂を併用することもできる。また、用途に応じて、カップリング剤、粘着付与剤、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン等の充填剤、着色剤、軟化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、消泡剤、光安定剤、耐候安定剤、硬化促進剤、硬化遅延剤、リン酸エステル等の添加剤を配合しても良い。
本発明の粘着シートは、少なくとも、上記の粘着剤を組成物から形成した粘着剤層を含むことが好ましい。粘着シートは、粘着剤を剥離ライナー上に塗工することで得ることができる。または、粘着剤を基材上に直接塗工することによっても得ることができる。粘着シートは、粘着剤を剥離ライナー上に塗工し、粘着剤層を形成し、さらに剥離ライナーを貼り合わせることで、基材のない粘着シート、いわゆるキャスト粘着シートとして使用することができる。なお、基材は、粘着剤層と十分密着し容易に剥離しないものである。一方、剥離ライナーは、剥離処理がされるなど粘着剤層と容易に剥離できるものである。本発明において粘着テープ、粘着シートおよび粘着フィルムは同義語である。
粘着剤の塗工には、適当な液状媒体を添加して粘度を調整することもできる。具体的には、例えば、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶剤;ジエチルエーテル、メトキシトルエン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、またはその他の炭化水素系溶剤等が挙げられる。ただし、水やアルコールは、アクリル系共重合体(A)とポリイソシアネート系硬化剤(B)との反応阻害を引き起こす可能性があるため、慎重に使用する必要がある。
塗工方法は、特に制限は無く、マイヤーバー、アプリケーター、刷毛、スプレー、ローラー、グラビアコーター、ダイコーター、リップコーター、コンマコーター、ナイフコーター、リバースコ−ター、スピンコーター等種々の塗工方法が挙げられる。乾燥方法には特に制限はなく、熱風乾燥、赤外線や減圧法を利用したものが挙げられる。乾燥条件としては、通常60〜180℃程度の熱風や蒸気加熱でよい。
本発明において基材は、特に制限されないが、例えばプラスチックフィルムや、反射防止(AR)フィルム、偏光板、位相差板などの各種光学フィルムが挙げられる。前記プラスチックフィルムとしては、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリウレタンフィルム、ナイロンフィルム、ポリオレフィンフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、シクロオレフィンフィルム等が挙げられる。基材の厚さは特に制限されないが、10〜2000μmが好ましい。
粘着剤層の厚みは、2〜1000μmが好ましく、5〜500μmがさらに好ましい。なお、粘着剤層は単層でも、2層以上の積層いずれの形態でもよい。
本発明の粘着シートの被着体(貼り付ける相手)は、特に制限されないが、透明導電膜を有するアクリル板、ポリカーボネート板、シクロオレフィンフィルム、ガラス、またはポリエチレンテレフタレートなどが好ましい。
本発明の粘着シートは、光学部材の貼合わせに使用することが好ましい。光学部材がシート状の場合は光学フィルムともいうが、具体的には、具体的には、偏光フィルム、位相差フィルム、楕円偏光フィルム、反射防止フィルム、輝度向上フィルム等を挙げることができる。
上記のような光学部材を基材に使用した粘着シートを、例えば、液晶セル用ガラス部材に貼着することによって、シート状の光学部材/粘着剤層/液晶セル用ガラス部材を順次積層した液晶セル部材を得ることができる。本発明では、光学部材が偏光板である場合、特に有用であり、耐剥がれ性の良好な積層体を得ることができる。
また、本発明の粘着シートは、液晶セル部材に使用できるため液晶パネル、プラズマディスプレイパネル(PDP)などのディスプレイに用いることができる。また本発明の粘着シートは、これらのディスプレイをタッチパネルとして製造する際に使用することがより好ましい。特にタッチパネル内部の透明導電膜と導電回路が形成された面へ直接貼り付けることが好ましい。このような場合でも導電回路の段差を埋める段差追従性が良好であるため、タッチパネル内部の気泡の混入を最小限にすることができる。さらに本発明の粘着シートは、粘着剤層の各種構成により、高温かつ高湿の環境に放置されても導電回路の腐食が起きにくく、粘着剤層の透明性も損なわれにくい。さらには、タッチパネルの支持体であるアクリル板、ポリカーボネート板等のプラスチック基材との貼り合せに使用することが好ましい。このような場合でも、プラスチック基材からのアウトガスを抑制することができ、高温または高温高湿環境下に放置されても、浮きや剥がれを生じることなく、高い透明性を維持することができる。
本発明の粘着剤は、上記のように光学部材用粘着剤として好適であるほか、一般ラベル・シール、塗料、弾性壁材、塗膜防水材、床材、粘着性付与剤、接着剤、積層構造体用接着剤、シーリング剤、成形材料、表面改質用コーティング剤、バインダー(磁気記録媒体、インキバインダー、鋳物バインダー、焼成レンガバインダー、グラフト材、マイクロカプセル、グラスファイバーサイジング等)、ウレタンフォーム(硬質、半硬質、軟質)、ウレタンRIM、UV・EB硬化樹脂、ハイソリッド塗料、熱硬化型エラストマー、マイクロセルラー、繊維加工剤、可塑剤、吸音材料、制振材料、界面活性剤、ゲルコート剤、人工大理石用樹脂、人工大理石用耐衝撃性付与剤、インキ用樹脂、フィルム(ラミネート接着剤、保護フィルム等)、合わせガラス用樹脂、反応性希釈剤、各種成形材料、弾性繊維、人工皮革、合成皮革等の原料として、又、各種樹脂添加剤およびその原料等としても非常に有用に使用できる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。なお、例中、「部」とは「重量部」を、「%」とは「重量%」をそれぞれ示すものとする。
<合成例1>
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下管を備えた反応装置を使用して、表3の各単量体の合計量の50重量%、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量、溶剤として酢酸エチルを反応槽に仕込み、残りの単量体の全量、および酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を滴下管から約2時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈し、不揮発分40%、粘度3000mPa・sの共重合体溶液を得た。ここで、得られた共重合体を共重合体(A−1)とする。
<合成例2〜36>
表3および表4の重量比率に従って各種原料を仕込み、合成例1と同様の方法でアクリル共重合体を合成した。又、得られたアクリル共重合体の重量平均分子量を表3、表4に示す。
Figure 2014028983
Figure 2014028983
<重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)の測定>
Mw、Mnの測定は、東ソー株式会社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「HPC−8020」を用いた。GPCは溶媒(THF;テトラヒドロフラン)に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーであり、数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)との決定はポリスチレン換算で行った。又、重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除したMw/Mnを求めた。
<実施例1>
合成例1で得られた共重合体溶液の不揮発分100部に対して、キシリレンジイソシアネートトリメチロールプロパンのアダクト体の50%酢酸エチル溶液1.0部、及びシランカップリング剤としてKBE−403(信越化学製)0.2部を配合し粘着剤を得た。
得られた粘着剤を、コンマコーターを使用して、剥離ライナー(厚さ38μm)上に乾燥厚み25μmになるように塗工し、100℃で2分間乾燥させた後、粘着剤層に別の剥離ライナーを貼り合せ、この状態で室温にて7日間エージングさせ、キャスト粘着シートを得た。
<実施例2〜35、比較例1〜19>
表5および表6に示すように、共重合体の種類および硬化剤、シランカップリング剤の種類、配合量を変更した以外は実施例1と同様にして、基材レスの粘着シートを得た。
Figure 2014028983
Figure 2014028983
そして実施例1〜35および比較例1〜19で得られた粘着剤と粘着シートを用いて、以下に示す方法に従い基本物性として、塗工性、粘着力、耐発泡・耐剥がれ性、透明性を評価した。また、光学特性として、耐熱性、耐湿熱性、再剥離性、耐腐食性、耐湿熱白化性、耐PCガス膨れ性、段差埋め込み性の評価を行った。結果を表7に示す。
<塗工性>
得られた粘着剤をコンマコーターを使用して、剥離ライナー上に3m/分の塗工速度で
塗工し、以下の基準で目視評価した。
○:粘着剤層の表面が平滑。スジ、はじき等がなく塗工面が平滑なもの
×:粘着剤層の表面が平滑ではない、またはピンホールがある。
<粘着力>
得られた粘着シートの一方の剥離ライナーを剥がし、粘着剤層をPETフィルム(東洋
紡績(株)製、A−4300、厚さ100μm)に貼り合わせ、幅25mm×長さ100mmのサイズに切り取り試験用粘着シートを作製した。この試験用粘着シートの剥離ライナーを剥がし、23℃−50%RH雰囲気で、粘着剤層をガラス板(厚さ0.4mm)に貼り付け、さらにJIS Z−0237に準じてロールで圧着した。圧着から24時間経過後、万能引張試験機にて剥離強度(剥離角度180°、剥離速度300mm/分;単位N/25mm幅)を測定した。
<耐発泡性および耐剥がれ性>
得られた粘着シートの一方の剥離ライナーを剥がし、粘着剤層をPETフィルム(東洋紡績(株)製、A−4300、厚さ100μm)に貼り合わせ、幅100mm×長さ100mmのサイズに切り取り試験用粘着シートを作製した。この試験用粘着シートの剥離ライナーを剥がし、粘着剤層をガラス板に貼り付けた後、85℃の雰囲気に240時間放置した。その後23℃−50%RHの雰囲気で24時間冷却した後、粘着剤層の気泡の発生、および粘着シートの浮きや剥がれを以下の条件で目視評価した。
○:気泡、浮きおよび剥がれが全く見られない
△:気泡、浮きおよび剥がれがわずかに見られた
×:気泡、浮きおよび剥がれが多数見られた
<透明性>
得られた粘着シートの一方の剥離ライナーを剥がし、粘着剤層をPETフィルム(東洋紡績(株)製、A−4300、厚さ100μm)に貼り合わせ、幅25mm×長さ100mmのサイズに切り取り試験用粘着シートを作製した。
この試験用粘着シートの剥離ライナーを剥がし、23℃−50%RH雰囲気でガラス板にラミネーターを用いて貼着し、HAZEを測定した。なお、HAZEは日本電色工業(株)製Turbidimeter NDH5000Wを用いて測定した。評価基準は以下
の通りである。
○:HAZEが1.0未満(透明性良好)。
×:HAZEが1.0以上(透明性不良)。
<偏光板に対する適性>
1、試料の作成
得られた粘着シートの一方の剥離ライナーを剥がし、粘着剤層を、ポリビニルアルコール(PVA)系偏光子の両面をトリアセチルセルロース系保護フィルム(以下、「TACフィルム」という)で挟んだ多層構造の偏光フィルムの片面を貼り合せ、「剥離ライナー/粘着剤層/TACフィルム/PVA/TACフィルム」という構成の積層体Aを得た。
次いで、上記積層体Aを150mm×80mmの大きさに切り取り、剥離ライナーを剥がして厚さ1.1mmのフロートガラス板の両面に、それぞれの偏光板の吸収軸が直交するようにラミネーターを用いて貼着した。続いて、この積層体を貼り付けたガラス板を50℃5気圧の条件のオートクレーブ内に20分保持させてガラス板に密着させ、積層体とガラス板との評価用積層体Bを得た。
2、加熱評価
得られた評価用積層体Bを120℃の雰囲気で1000時間放置した後、評価用積層体
Bを目視で観察し、浮きおよび剥がれの有無を確認した。また評価用積層体Bに光を透過
して評価用積層体Bにからの光漏れ(白抜けともいう)を目視で確認した。
3、加熱および加湿評価
得られた評価用積層体Bを80℃−90%RHの雰囲気でで1000時間放置した後、評価用積層体Bを目視で観察し、浮きおよび剥がれの有無を確認した。また評価用積層体Bに光を透過して評価用積層体Bからの光漏れ(白抜けともいう)を目視で確認した。
4、評価基準
加熱評価、加熱および加湿評価とも下記の基準で評価した。
◎:浮き、剥がれおよび白抜けが全くなかった。優れている。
○:浮き、剥がれおよび白抜けがわずかにあった。実用上問題がない。
△:浮き、剥がれおよび白抜けが多数あった。実用上問題がある。
×:浮き、剥がれおよび白抜けが全面的にあった。実用不可。
<再剥離性(リワーク性)>
得られた積層体Aを25mm×150mmの大きさに切り取り、剥離シートを剥がし厚さ1.1mmのフロートガラスにラミネーターを用いて貼り付けた。次いで、50℃5気圧の条件のオートクレーブ内に20分保持させてガラス板に密着させた。この試験片を23℃−50%RHの雰囲気で1週間放置した後に、○○℃で○時間放置したのち、試験片から積層体Aを180度方向に300mm/分の速度で引き剥がす180°剥離試験を行った。評価は、剥離後のガラス表面に残った粘着剤に由来する曇りを目視で観察し、以下の基準で行った。
○:曇りが全くない。優れている。
△:曇りがわずかにあった。実用上問題がない。
×:粘着剤層がガラス面に残った。実用不可。
<耐腐食性>
得られた粘着シートの一方の剥離ライナーを剥がし、粘着剤層をPETフィルム(東洋紡績(株)製、A−4300、厚さ100μm)に貼り合わせ、幅40mm×長さ100mmのサイズに切り取り試験用粘着シートを作製した。
試験用粘着シートの剥離ライナーを剥がし、23℃−50%RHにて、粘着剤層をITOによる透明導電膜が形成されたフィルム(サイズ40mm×長さ160mm)の透明導電膜上に、ラミネーターを用いて貼着し試験サンプルを得た。この試験サンプルを85℃−90%RHの環境で1000時間放置し、貼付直後の抵抗値と放置後の抵抗値を測定し、放置前後の抵抗値の変化率によって、透明導電膜の腐食の有無を評価した。なお、抵抗値は、三菱化学(株)製ローレスターGP(型番MCP−T600)を用いて測定した。
評価基準は以下の通りである。
○:抵抗値の変化率が150%未満。耐腐食性は良好。
×:抵抗値の変化率が150%以上。耐腐食性は不良。
<非白化性>
得られた粘着シートの一方の剥離ライナーを剥がし、粘着剤層をPETフィルム(東洋紡績(株)製、A−4300、厚さ100μm)に貼り合わせ、幅25mm×長さ80mmのサイズに切り取り試験用粘着シートを作製した。次いで、23℃−50%RHの雰囲気にて上記同様の透明導電膜が形成されたフィルム(サイズ40mm×長さ160mm)の透明導電膜上に、試験用粘着シートの剥離ライナーを剥がし、ラミネーターを用いて貼着した。これを85℃−90%RHの環境下で1000時間放置し、23℃−50%RHにて3時間冷却した後HAZEを測定した。なお、HAZEは日本電色工業(株)製Turbidimeter NDH5000Wを用いて測定した。評価基準は以下の通りである。
◎:HAZEが1.2未満。非白化性は優れている。
○:HAZEが1.2以上8.0未満。非白化性は実用上問題ない。
×:HAZEが8.0以上。非白化性は悪い。
<アウトガス評価>
得られた粘着シートの一方の剥離ライナーを剥がし、粘着剤層をPETフィルム(東洋紡績(株)製、A−4300、厚さ100μm)に貼り合わせ、幅25mm×長さ100mmのサイズに切り取り試験用粘着シートを作製した。次いで、試験用粘着シートの剥離ライナーを剥がし、厚さ5mmのポリカーボネート(PC)板に貼り合わせた。それを50℃の雰囲気下で0.5MPaの圧力をかけて20分間保持することでPETフィルム/粘着剤層/PC板の順に積層した試験片を作製した。この試験片を80℃のオーブン中で24時間放置した。そして23℃の雰囲気に24時間放置したのち粘着剤層とPC板との界面の状態を目視で観察し、下記の基準で評価した。
◎:界面の状態に変化がない。優れている。
○:界面に気泡または粘着剤層の浮きが僅かにある。実用上問題ない。
×:界面に気泡または粘着剤層の浮きが多数ある。実用不可。
<段差追従性>
得られた粘着シートの一方の剥離ライナーを剥がし、粘着剤層をPETフィルム(東洋紡績(株)製、A−4300、厚さ100μm)に貼り合わせ、幅25mm×長さ100mmのサイズに切り出し試験用粘着シートを作製した。
一方、銀インキをシルクスクリーン印刷機を使用して、別途用意したPETフィルム上に、線幅1cm、線間隔1cm、厚さ10μmの線パターンを印刷した。
次に、23℃−50%RH雰囲気で、試験用粘着シートの剥離ライナーを剥がし、この線パターン上に、ラミネーターを用いて貼り付けた。これをさらにオートクレーブ内で50℃−0.5MPaで20分間処理した後、さらに23℃−50%RH環境下にて24時間放置し、粘着剤層が線パターンの段差に追従できたか否かを、目視で観察を行い以下の基準で評価した。
◎:ラミネーター貼着直後に段差が粘着剤層で埋まった。
○:オートクレーブ処理直後に段差が粘着剤層で埋まった。
△:オートクレーブ処理を行い24時間後に段差が粘着剤層で埋まった。
×:オートクレーブ処理を行い24時間後でも段差が粘着剤層で埋まらない。
Figure 2014028983
表7に示すように、比較例1〜19は、塗工性、粘着力、耐発泡・耐剥がれ性、透明性、耐熱性、耐湿熱性、再剥離性、耐腐食性、耐湿熱白化性、耐PCガス膨れ性、段差埋め込み性すべてを満足することはできなかった。
一方、実施例1〜35は優れた塗工性、粘着力、耐発泡・耐剥がれ性、透明性、を有し、かつ耐熱性、耐湿熱性、再剥離性、耐腐食性、耐湿熱白化性、耐PCガス膨れ性、段差埋め込み性に優れた結果であった。
本発明の粘着剤および粘着シートは、優れた塗工性、粘着性、耐発泡・耐剥がれ性、透明性のみならず、高い耐腐食性、耐湿熱白化性、耐PCガス膨れ性、段差埋め込み性を併せ持ち、ディスプレイやタッチパネルなどの金属薄膜に直接貼り付け、固定する用途などの光学部材の接着用途に好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. アクリル系共重合体(A)と、ポリイソシアネート系硬化剤(B)及びシランカップリング剤(C)とを含み、
    前記アクリル系共重合体(A)は、SP値8以上9.00未満のアルキル基含有エチレン性不飽和単量体(A1)40〜80重量%と、SP値9.00以上15以下の極性基含有エチレン性不飽和単量体(A2)20〜60重量%とをラジカル重合してなり、
    前記極性基を有するエチレン性不飽和単量体(A2)は、水酸基(a1)を有し、かつホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が、−40℃以上120℃以下であるエチレン性不飽和単量体を含む、粘着剤。
  2. 前記アクリル系共重合体(A)の重量平均分子量が、20万〜100万であることを特徴とする請求項1記載の粘着剤。
  3. ポリイソシアネート系硬化剤(B)が、芳香脂肪族系ポリイソシアネート、脂肪族系ポリイソシアネートおよび脂環族ポリイソシアネートからなる群より選択される1種以上の化合物、またはこれらの化合物の変性体であることを特徴とする請求項1または2記載の粘着剤。
  4. シランカップリング剤(C)が、反応性官能基として、アルコキシ基および脂環エポキシ基を有する、若しくはアルコキシ基のみを有することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の粘着剤。
  5. 少なくとも、請求項1〜4いずれか記載の粘着剤から形成した粘着剤層を備えた粘着シート。
  6. 少なくとも、請求項1〜4いずれか記載の粘着剤から形成した粘着剤層を備えたディスプレイ。
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