本発明の光学用両面粘着シートは、基材(基材層)を有しない、いわゆる「基材レスタイプ」の粘着シートであってもよいし、基材を有するタイプの粘着シートであってもよい。なお、本明細書において、「基材レスタイプ」の粘着シートを「基材レス粘着シート」と称する場合があり、基材を有するタイプの粘着シートを「基材付き粘着シート」と称する場合がある。中でも、本発明の光学用両面粘着シートは、粘着シートの厚みを確保しつつ粘着剤層の厚みを比較的薄くすることができ、これによって粘着剤層の形成がより容易とすることができる観点から、基材の両面に粘着剤層を有する基材付き粘着シートが好ましい。本明細書において、「粘着シート」という場合には、テープ状のもの、すなわち、「粘着テープ」も含まれるものとする。
本発明の光学用両面粘着シートの厚みは、500μm以上であり、好ましくは500μmを超え、より好ましくは550μm以上、さらに好ましくは600μm以上である。上記厚みが500μm以上であると、本発明の光学用両面粘着シートは、車載用の光学製品内に用いた際の貼り合わせ性が良好となる。また、上記厚みの上限は、特に限定されないが、3000μm以下が好ましく、より好ましくは2500μm以下、さらに好ましくは2000μm以下、特に好ましくは1500μm以下である。なお、本発明の光学用両面粘着シートの厚みには、後述の剥離ライナーの厚みは含まれない。従って、本発明の光学用両面粘着シートが基材レス粘着シートである場合の粘着シートの厚みは、粘着剤層の一方の表面から他方の表面までの距離であり、本発明の光学用両面粘着シートが基材付き粘着シートである場合の粘着シートの厚みは、基材の一方の面に設けられた粘着剤層の表面から基材の他方の面に設けられた粘着剤層の表面までの距離である。
(粘着剤層)
本発明の光学用両面粘着シートは、粘着剤層を少なくとも1層有する。上記粘着剤層を構成する粘着剤としては、特に限定されないが、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、フッ素系粘着剤、エポキシ系粘着剤などが挙げられる。中でも、粘着剤層を構成する粘着剤としては、透明性、粘着性、耐候性、コスト、粘着剤の設計のしやすさの点より、アクリル系粘着剤が好ましい。つまり、上記粘着剤層は、アクリル系粘着剤から構成されたアクリル系粘着剤層であることが好ましい。上記粘着剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記アクリル系粘着剤層は、ベースポリマーとしてアクリル系ポリマーを含有する。上記アクリル系ポリマーは、ポリマーを構成するモノマー成分として、アクリル系モノマー(分子中に(メタ)アクリロイル基を有するモノマー)を含むポリマーである。上記アクリル系ポリマーは、ポリマーを構成するモノマー成分として(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むポリマーであることが好ましい。なお、アクリル系ポリマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記粘着剤層を形成する粘着剤組成物は、いずれの形態であってもよい。例えば、粘着剤組成物は、エマルジョン型、溶剤型(溶液型)、活性エネルギー線硬化型、熱溶融型(ホットメルト型)などであってもよい。中でも、生産性の点、光学特性や外観性に優れる粘着剤層が得やすい点より、溶剤型、活性エネルギー線硬化型の粘着剤組成物が好ましく、特に、活性エネルギー線硬化型の粘着剤組成物が好ましい。上記粘着剤組成物が活性エネルギー線硬化型の粘着剤組成物であると、比較的厚い粘着剤層であっても十分に硬化された粘着剤層を容易に得ることができるため、好ましい。
上記活性エネルギー線としては、例えば、α線、β線、γ線、中性子線、電子線などの電離性放射線や、紫外線などが挙げられ、特に、紫外線が好ましい。即ち、上記活性エネルギー線硬化型の粘着剤層は、紫外線硬化型の粘着剤層が好ましい。
つまり、上記粘着剤層は、アクリル系ポリマーをベースポリマーとして含有するアクリル系粘着剤層であり、活性エネルギー線硬化型のアクリル系粘着剤組成物により形成されることが好ましい。
上記アクリル系粘着剤組成物としては、例えば、アクリル系ポリマーを必須成分とするアクリル系粘着剤組成物、アクリル系ポリマーを構成する単量体(モノマー)の混合物(「モノマー混合物」と称する場合がある)又はその部分重合物を必須成分とするアクリル系粘着剤組成物などが挙げられる。前者としては、例えば、いわゆる溶剤型のアクリル系粘着剤組成物などが挙げられる。また。後者としては、例えば、いわゆる活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物などが挙げられる。上記「モノマー混合物」とは、ポリマーを構成するモノマー成分のみからなる混合物を意味する。また、上記「部分重合物」とは、「プレポリマー」と称する場合もあり、上記モノマー混合物の構成成分のうち1又は2以上の成分が部分的に重合している組成物を意味する。
上記アクリル系ポリマーは、アクリル系モノマーを必須のモノマー成分(単量体成分)として構成(形成)された重合体である。上記アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを必須のモノマー成分として構成(形成)された重合体であることが好ましい。すなわち、上記アクリル系ポリマーは、構成単位として、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むことが好ましい。本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び/又は「メタクリル」(「アクリル」及び「メタクリル」のうち、いずれか一方又は両方)を表し、他も同様である。なお、上記アクリル系ポリマーは、1種又は2種以上のモノマー成分により構成される。
必須のモノマー成分としての上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく挙げられる。なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル(ステアリル(メタ)アクリレート)、イソステアリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどの炭素数が1〜20の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。中でも、上記直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、炭素数が4〜18の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、より好ましくはアクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)、アクリル酸n−ブチル(BA)、イソステアリルアクリレート(ISTA)である。なお、プラスチック材料に対する接着信頼性をより向上させる観点からは、上記直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、中でも、炭素数が4〜10の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、より好ましくはアクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)、アクリル酸n−ブチル(BA)である。また、上記直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記アクリル系ポリマーを構成する全モノマー成分(100重量%)中の、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの割合は、特に限定されないが、50重量%以上(例えば、50〜100重量%)であることが好ましく、より好ましくは53〜90重量%、さらに好ましくは55〜85重量%である。
上記アクリル系ポリマーは、ポリマーを構成するモノマー成分として、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとともに、共重合性モノマーを含んでいてもよい。すなわち、上記アクリル系ポリマーは、構成単位として、共重合性モノマーを含んでいてもよい。なお、共重合性モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記共重合性モノマーとしては、特に限定されないが、高湿環境下での白濁化の抑制と耐久性向上、接着信頼性、各種添加剤との相溶性、透明性の点より、分子内に窒素原子を有するモノマー、分子内に水酸基を有するモノマーが好ましく挙げられる。すなわち、上記アクリル系ポリマーは、構成単位として、分子内に窒素原子を有するモノマーを含むことが好ましい。また、上記アクリル系ポリマーは、構成単位として、分子内に水酸基を有するモノマーを含むことが好ましい。
上記分子内に窒素原子を有するモノマーは、分子内(1分子内)に窒素原子を少なくとも1つ有するモノマー(単量体)である。本明細書において、上記「分子内に窒素原子を有するモノマー」を「窒素原子含有モノマー」と称する場合がある。上記窒素原子含有モノマーとしては、特に限定されないが、環状窒素含有モノマー、(メタ)アクリルアミド類などが好ましく挙げられる。なお、窒素原子含有モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記環状窒素含有モノマーは、(メタ)アクリロイル基又はビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性の官能基を有し、かつ環状窒素構造を有するものであれば特に限定されない。上記環状窒素構造は、環状構造内に窒素原子を有するものが好ましい。
上記環状窒素含有モノマーとしては、例えば、N−ビニル環状アミド(ラクタム系ビニルモノマー)、窒素含有複素環を有するビニル系モノマーなどが挙げられる。
上記N−ビニル環状アミドとしては、例えば、下記式(1)で表されるN−ビニル環状アミドが挙げられる。
(式(1)中、R
1は2価の有機基を示す)
上記式(1)におけるR1は2価の有機基であり、好ましくは2価の飽和炭化水素基又は不飽和炭化水素基であり、より好ましくは2価の飽和炭化水素基(例えば、炭素数3〜5のアルキレン基など)である。
上記式(1)で表されるN−ビニル環状アミドとしては、例えば、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−3−モルホリノン、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニル−1,3−オキサジン−2−オン、N−ビニル−3,5−モルホリンジオンなどが挙げられる。
上記窒素含有複素環を有するビニル系モノマーとしては、例えば、モルホリン環、ピペリジン環、ピロリジン環、ピペラジン環等の窒素含有複素環を有するアクリル系モノマーなどが挙げられる。
上記窒素含有複素環を有するビニル系モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリロイルモルホリン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルピラジン、N−ビニルモルホリン、N−ビニルピラゾール、ビニルピリジン、ビニルピリミジン、ビニルオキサゾール、ビニルイソオキサゾール、ビニルチアゾール、ビニルイソチアゾール、ビニルピリダジン、(メタ)アクリロイルピロリドン、(メタ)アクリロイルピロリジン、(メタ)アクリロイルピペリジンなどが挙げられる。
上記窒素含有複素環を有するビニル系モノマーとしては、中でも、窒素含有複素環を有するアクリル系モノマーが好ましく、より好ましくは(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリロイルピロリジン、(メタ)アクリロイルピペリジンである。
上記(メタ)アクリルアミド類としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。上記N−アルキル(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−オクチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。さらに、上記N−アルキル(メタ)アクリルアミドには、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのようなアミノ基を有する(メタ)アクリルアミドも含まれる。上記N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(n−ブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(t−ブチル)(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
また、上記(メタ)アクリルアミド類には、例えば、各種のN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドも含まれる。上記N−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(1−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
また、上記(メタ)アクリルアミド類には、例えば、各種のN−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミドも含まれる。上記N−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
また、上記環状窒素含有モノマー、上記(メタ)アクリルアミド類以外の窒素原子含有モノマーとしては、例えば、アミノ基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、イミド基含有モノマー、イソシアネート基含有モノマーなどが挙げられる。上記アミノ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチル等が挙げられる。上記シアノ基含有モノマーとしては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。上記イミド基含有モノマーとしては、マレイミド系モノマー(例えば、N−シクロヘキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−フェニルマレイミド等)、イタコンイミド系モノマー(例えば、N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミド等)、スクシンイミド系モノマー(例えば、N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミド等)など挙げられる。上記イソシアネート基含有モノマーとしては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートなどが挙げられる。
中でも、上記窒素原子含有モノマーとしては、環状窒素含有モノマーが好ましく、N−ビニル環状アミドがより好ましい。より具体的には、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)が特に好ましい。
上記アクリル系ポリマーが、ポリマーを構成するモノマー成分として上記窒素原子含有モノマーを含有する場合、上記アクリル系ポリマーを構成する全モノマー成分(100重量%)中の、上記窒素原子含有モノマーの割合は、特に限定されないが、接着性に優れる粘着剤層を得る点、また、高湿環境下での白濁化の抑制と耐久性向上、接着信頼性を得る点より、1重量%以上が好ましく、より好ましくは3重量%以上であり、さらに好ましくは5重量%以上である。また、上記窒素原子含有モノマーの割合の上限は、適度な柔軟性を有する粘着剤層を得る点、透明性に優れる粘着剤層を得る点より、30重量%以下が好ましく、より好ましくは25重量%以下であり、さらに好ましくは20重量%以下である。
上記分子内に水酸基を有するモノマーは、分子内(1分子内)に水酸基(ヒドロキシル基)を少なくとも1つ有するモノマーであり、(メタ)アクリロイル基又はビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性の官能基を有し、かつヒドロキシル基を有するものが好ましく挙げられる。ただし、上記分子内に水酸基を有するモノマーには、上記窒素原子含有モノマーは含まれないものとする。すなわち、本明細書において、分子内に窒素原子と水酸基をともに有するモノマーは、上記「窒素原子含有モノマー」に含まれるものとする。本明細書においては、上記「分子内に水酸基を有するモノマー」を「水酸基含有モノマー」と称する場合がある。なお、水酸基含有モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記水酸基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシラウリル、(メタ)アクリル酸(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)などの水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;ビニルアルコール;アリルアルコールなどが挙げられる。
中でも、上記水酸基含有モノマーとしては、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、より好ましくはアクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEA)、アクリル酸4−ヒドロキシブチル(4HBA)である。
上記アクリル系ポリマーが、ポリマーを構成するモノマー成分として上記水酸基含有モノマーを含有する場合、上記アクリル系ポリマーを構成する全モノマー成分(100重量%)中の、上記水酸基含有モノマーの割合は、特に限定されないが、高湿環境下での白濁化の抑制と耐久性向上、接着信頼性を得る点より、0.5重量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.8重量%以上であり、さらに好ましくは1重量%以上である。また、上記水酸基含有モノマーの割合の上限は、適度な凝集力を得て、また透明性と誘電率を低く抑える点より、30重量%以下であることが好ましく、より好ましくは25重量%以下であり、さらに好ましくは20重量%である。
上記アクリル系ポリマーを構成する全モノマー成分(100重量%)中の、上記窒素原子含有モノマー及び上記水酸基含有モノマーの割合の合計は、特に限定されないが、高湿環境下での白濁化の抑制と耐久性向上、接着信頼性を得る点より、5重量%以上であることが好ましく、より好ましくは10重量%以上であり、さらに好ましくは15重量%以上である。また、上記割合の合計の上限は、適度な柔軟性を有する粘着剤層を得る点、透明性に優れる粘着剤層を得る点より、50重量%以下であることが好ましく、より好ましくは40重量%以下であり、さらに好ましくは35重量%以下である。
窒素原子含有モノマー及び水酸基含有モノマー以外の共重合性モノマーとしては、さらに、脂環構造含有モノマーが挙げられる。上記脂環構造含有モノマーは、(メタ)アクリロイル基またはビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性の官能基を有し、かつ脂環構造を有するものであれば特に限定されない。例えば、シクロアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートは、上記脂環構造含有モノマーに含まれる。なお、脂環構造含有モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記脂環構造含有モノマーにおける脂環構造は、環状の炭化水素構造であり、炭素数5以上であることが好ましく、炭素数5〜24がより好ましく、炭素数6〜15がさらに好ましく、炭素数6〜10が特に好ましい。
上記脂環構造含有モノマーとしては、例えば、シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロブチル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、下記式(2)で表されるHPMPA、下記式(3)で表されるTMA−2、下記式(4)で表されるHCPAなどの(メタ)アクリル系モノマーが挙げられる。これらの中でも、シクロヘキシルアクリレート(CHA)が好ましい。
上記アクリル系ポリマーが、ポリマーを構成するモノマー成分として上記脂環構造含有モノマーを含有する場合、上記アクリル系ポリマーを構成する全モノマー成分(100重量%)中の、上記脂環構造含有モノマーの割合は、特に限定されないが、耐久性向上、接着信頼性を得る点より、10重量%以上であることが好ましい。また、上記脂環構造含有モノマーの割合の上限は、適度な柔軟性を有する粘着剤層を得る点より、50重量%以下であることが好ましい。
さらに、共重合性モノマーとしては、例えば、多官能性モノマーが挙げられる。上記多官能性モノマーとしては、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレートなどが挙げられる。なお、多官能性モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記アクリル系ポリマーが、ポリマーを構成するモノマー成分として上記多官能モノマーを含有する場合、上記アクリル系ポリマーを構成する全モノマー成分(100重量%)中の、上記多官能性モノマーの割合は、特に限定されないが、0.5重量%以下(例えば、0重量%を超えて0.5重量%以下)が好ましく、より好ましくは0.1重量%以下(例えば、0重量%を超えて0.1重量%以下)である。
また、上記共重合性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルが挙げられる。上記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシトリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−エトキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸4−エトキシブチルなどが挙げられる。中でも、上記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルは、アクリル酸アルコキシアルキルエステルが好ましく、より好ましくはアクリル酸2−メトキシエチル(MEA)である。なお、上記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記アクリル系ポリマーが、ポリマーを構成するモノマー成分として、上記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルを含む場合、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと上記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルとの割合は、特に限定されないが、[前者:後者](重量比)で、100:0〜25:75が好ましく、より好ましくは100:0〜50:50である。
他にも、上記共重合性モノマーとしては、例えば、カルボキシル基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー、芳香族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル、ビニルエステル類、芳香族ビニル化合物、オレフィン類又はジエン類、ビニルエーテル類、塩化ビニルなどが挙げられる。上記カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などが挙げられる、また、上記カルボキシル基含有モノマーには、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物基含有モノマーも含まれるものとする。上記エポキシ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどが挙げられる。上記スルホン酸基含有モノマーとしては、例えば、ビニルスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。上記芳香族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸ベンジルなどが挙げられる。上記ビニルエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどが挙げられる。上記芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、ビニルトルエンなどが挙げられる。上記オレフィン類又はジエン類としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレンなどが挙げられる。上記ビニルエーテル類としては、例えば、ビニルアルキルエーテルなどが挙げられる。
上記アクリル系ポリマーは、優れた腐食防止効果を有するアクリル系粘着剤層を得る点より、ポリマーを構成するモノマー成分として酸性基含有モノマーを含まない又は実質的に含まないことが好ましく、特にカルボキシル基含有モノマーを含まない又は実質的に含まないことが好ましい。アクリル系粘着剤層が優れた腐食防止効果を有すると、アクリル系粘着剤層が光学製品内において、被着体としての光学部材に接触した際にアクリル系粘着剤層が光学部材に化学的に作用して光学部材の外観や機能を損なうことを抑制できる。酸性基含有モノマーとしては、例えば、カルボキシル基含有モノマー、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマーなどが挙げられる。具体的には、上記アクリル系ポリマーを構成する全モノマー成分(100重量%)中の、酸性基含有モノマーの割合が、0.05重量%以下(好ましくは0.01重量%以下)であるものは、実質的に含有しないということができる。
上記アクリル系ポリマーとしては、上記の中でも、炭素数が4〜18の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを50〜90重量%(好ましくは55〜85重量%)、窒素原子含有モノマー及び水酸基含有モノマーからなる群より選ばれた1種以上のモノマーを10〜50重量%(好ましくは15〜45重量%)含むモノマー成分から構成されたアクリル系ポリマーであることが好ましく、炭素数が4〜10の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを50〜90重量%(好ましくは55〜75重量%)、窒素原子含有モノマー及び水酸基含有モノマーからなる群より選ばれた1種以上のモノマーを10〜47重量%(好ましくは15〜45重量%)、炭素数が6〜10の脂環構造含有モノマーを0〜40重量%(好ましくは0〜30重量%)含むモノマー成分から構成されたアクリル系ポリマーであることがより好ましい。なお、上記含有量(重量%)は、アクリル系ポリマーを構成する全モノマー成分(100重量%)に対する含有量である。
上記粘着剤層が含有する、上記アクリル系ポリマーなどのベースポリマーは、モノマー成分を重合することにより得られる。この重合方法としては、特に限定されないが、例えば、溶液重合方法、乳化重合方法、塊状重合方法、活性エネルギー線照射による重合方法(活性エネルギー線重合方法)などが挙げられる。中でも、粘着剤層の透明性、コストなどの点より、溶液重合方法、活性エネルギー線重合方法が好ましく、より好ましくは活性エネルギー線重合方法である。
また、上記のモノマー成分の重合に際しては、各種の一般的な溶剤が用いられてもよい。上記溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類;トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類などの有機溶剤が挙げられる。なお、溶剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記のモノマー成分の重合に際しては、重合反応の種類に応じて、熱重合開始剤や光重合開始剤(光開始剤)などの重合開始剤が用いられてもよい。なお、重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記熱重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、アゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤(例えば、ジベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルマレエート等)、レドックス系重合開始剤等が挙げられる。なかでも、特開2002−69411号公報に開示されたアゾ系重合開始剤が好ましい。上記アゾ系重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(以下、「AIBN」と称する場合がある)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(以下、「AMBN」と称する場合がある)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリアン酸などが挙げられる。なお、熱重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記アクリル系ポリマーの重合の際に上記アゾ系重合開始剤を用いる場合、上記熱重合開始剤の使用量は、特に限定されないが、例えば、上記アクリル系ポリマーを構成する全モノマー成分100重量部に対して、0.05重量部以上であることが好ましく、より好ましくは0.1重量部以上であり、また、0.5重量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.3重量部以下である。
上記光重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤等が挙げられる。他にも、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤が挙げられる。上記ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、アニソールメチルエーテル等が挙げられる。上記アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−(t−ブチル)ジクロロアセトフェノン等が挙げられる。上記α−ケトール系光重合開始剤としては、例えば、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン等が挙げられる。上記芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤としては、例えば、2−ナフタレンスルホニルクロライド等が挙げられる。上記光活性オキシム系光重合開始剤としては、例えば、1−フェニル−1,1−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)−オキシム等が挙げられる。上記ベンゾイン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン等が挙げられる。上記ベンジル系光重合開始剤としては、例えば、ベンジル等が挙げられる。上記ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。上記ケタール系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。上記チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、ドデシルチオキサントン等が挙げられる。上記アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。上記チタノセン系光重合開始剤としては、例えば、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等が挙げられる。なお、光重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記アクリル系ポリマーの重合の際に上記光重合開始剤を用いる場合、上記光重合開始剤の使用量は、特に限定されないが、例えば、上記アクリル系ポリマーを構成する全モノマー成分100重量部に対して、0.01重量部以上であることが好ましく、より好ましくは0.1重量部以上であり、また、3重量部以下であることが好ましく、より好ましくは1.5重量部以下である。
上記粘着剤層は、紫外線吸収剤(UVA)を含有していてもよい。なお、紫外線吸収剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、オキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤などが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系化合物)としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(商品名「TINUVIN PS」、BASF社製)、ベンゼンプロパン酸および3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ(C7−9側鎖および直鎖アルキル)のエステル化合物(商品名「TINUVIN 384−2」、BASF社製)、オクチル3−[3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネートおよび2−エチルヘキシル−3−[3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2イル)フェニル]プロピオネートの混合物(商品名「TINUVIN 109」、BASF社製)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(商品名「TINUVIN 900」、BASF社製)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール(商品名「TINUVIN 928」、BASF製)、メチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート/ポリエチレングリコール300の反応生成物(商品名「TINUVIN 1130」、BASF社製)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール(商品名「TINUVIN P」、BASF社製)、2(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(商品名「TINUVIN 234」、BASF社製)、2−[5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール(商品名「TINUVIN 326」、BASF社製)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール(商品名「TINUVIN 328」、BASF社製)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール(商品名「TINUVIN 329」、BASF社製)、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール](商品名「TINUVIN 360」、BASF社製)、メチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートとポリエチレングリコール300との反応生成物(商品名「TINUVIN 213」、BASF社製)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール(商品名「TINUVIN 571」、BASF社製)、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド−メチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール(商品名「Sumisorb 250」、住友化学株式会社製)、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−tert−オクチルフェノール](商品名「アデカスタブ LA−31」、株式会社ADEKA製)などが挙げられる。
ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物)としては、例えば、2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヒドロキシフェニルと[(C10−C16(主としてC12−C13)アルキルオキシ)メチル]オキシランとの反応生成物(商品名「TINUVIN 400」、BASF社製)、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−[3−(ドデシルオキシ)−2−ヒドロキシプロポキシ]フェノール)、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンと(2−エチルヘキシル)−グリシド酸エステルの反応生成物(商品名「TINUVIN 405」、BASF社製)、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(商品名「TINUVIN 460」、BASF社製)、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール(商品名「TINUVIN 1577」、BASF社製)、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[2−(2−エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]−フェノール(商品名「アデカスタブ LA−46」、株式会社ADEKA製)、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン(商品名「TINUVIN 479」、BASF社製)などが挙げられる。他にも、下記式(5)で示される化合物(商品名「TINUVIN 477」、BASF社製)が挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系化合物)、オキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤(オキシベンゾフェノン系化合物)としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸(無水及び三水塩)、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(商品名「KEMISORB 111」、ケミプロ化成株式会社製)、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン(商品名「SEESORB 106」、シプロ化成株式会社製)、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
サリチル酸エステル系紫外線吸収剤(サリチル酸エステル系化合物)としては、例えば、フェニル2−アクリロイルオキシベンゾエート、フェニル2−アクロリイルオキシ−3−メチルベンゾエート、フェニル2−アクリロイルオキシ−4−メチルベンゾエート、フェニル2−アクリロイルオキシ−5−メチルベンゾエート、フェニル2−アクリロイルオキシ−3−メトキシベンゾエート、フェニル2−ヒドロキシベンゾエート、フェニル2−ヒドロキシ−3−メチルベンゾエート、フェニル2−ヒドロキシ−4−メチルベンゾエート、フェニル2−ヒドロキシ−5−メチルベンゾエート、フェニル2−ヒドロキシ−3−メトキシベンゾエート、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート(商品名「TINUVIN 120」、BASF社製)などが挙げられる。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤(シアノアクリレート系化合物)としては、例えば、アルキル2−シアノアクリレート、シクロアルキル2−シアノアクリレート、アルコキシアルキル2−シアノアクリレート、アルケニル2−シアノアクリレート、アルキニル2−シアノアクリレートなどが挙げられる。
上記紫外線吸収剤としては、高い紫外線吸収性を有しつつ、優れた光学特性、高い透明性を有する粘着剤層の得やすさの点、優れた光安定性をもつ点より、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも1の紫外線吸収剤が好ましく、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤がより好ましい。特に、炭素数が6以上の基及び水酸基を置換基として有するフェニル基がベンゾトリアゾール環を構成する窒素原子に結合しているベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。
また、上記紫外線吸収剤は、より高い紫外線吸収性を得る点から、下記で求められる吸光度Aが0.5以下であることが好ましい。
吸光度A:前記紫外線吸収剤の0.08%トルエン溶液に対して、波長400nmの光を当て、測定される吸光度
上記粘着剤層が紫外線吸収剤を含有する場合、上記粘着剤層(特にアクリル系粘着剤層)中の上記紫外線吸収剤の含有量は、特に限定されないが、波長350nmの光の透過率を制御して高い紫外線吸収性を得る点より、ベースポリマー100重量部に対して、0.01重量部以上であることが好ましく、より好ましくは0.05重量部以上であり、さらに好ましくは0.1重量部以上である。また、上記紫外線吸収剤の含有量の上限は、紫外線吸収剤の添加に伴う粘着剤の黄色化現象の発生を抑制し、優れた光学特性、高い透明性、及び、優れた外観特性を得る点より、ベースポリマー100重量部に対して、10重量部以下であることが好ましく、より好ましくは9重量部以下であり、さらに好ましくは8重量部以下である。
上記粘着剤層は、光安定剤を含有していてもよい。上記粘着剤層が光安定剤を含有する場合は、特に、上記紫外線吸収剤とともに光安定剤を含有することが好ましい。光安定剤は、光酸化で生成するラジカルを捕捉できるので、粘着剤層の光(特に紫外線)に対する耐性を向上させることができる。なお、光安定剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記光安定剤としては、特に限定されないが、例えば、フェノール系光安定剤(フェノール系化合物)、リン系光安定剤(リン系化合物)、チオエーテル系光安定剤(チオエーテル系化合物)、アミン系光安定剤(アミン系化合物)(特にヒンダードアミン系安定剤(ヒンダードアミン系化合物))などが挙げられる。
上記フェノール系光安定剤(フェノール系化合物)としては、例えば、2,6−ジ−第3級ブチル−4−メチルフェノール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−第3級ブチルフェノール、2,6−ジ−第3級ブチル−4−エチルフェノール、ブチル化ヒドロキシアニソール、n−オクタデシル3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第3級ブチルフェニル)プロピオネート、ジステアリル(4−ヒドロキシ−3−メチル−5−第3級ブチル)ベンジルマロネート、トコフェロール、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−第3級ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−第3級ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−第3級ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−第3級ブチル−m−クレゾール)、4,4’−チオビス(6−第3級ブチル−m−クレゾール)、スチレン化フェノール、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−第3級ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド、ビス(3,5−ジ−第3級ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチルエステル)カルシウム、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第3級ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−第3級ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[3−(3,5−ジ−第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾール]、1,3,5−トリス(4−第3級ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第3級ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌル酸、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−第3級ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、2,2’−オキサミドビス[エチル3−(3,5−ジ−第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第3級ブチルアニリノ)−2,4−ジオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、ビス[2−第3級ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第3級ブチル−5−メチルベンジル)フェニル]テレフタレート、3,9−ビス{2−[3−(3−第3級ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス{2−[3−(3,5−ジ−第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどが挙げられる。
リン系光安定剤(リン系化合物)としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−第3級ブチルフェニル)ホスファイト、トリス[2−第3級ブチル−4−(3−第3級ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル]ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−第3級ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−第3級ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ−第3級ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−n−ブチリデンビス(2−第3級ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第3級ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−第3級ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、トリス(2−[(2,4,8,10−テトラキス−第3級ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ]エチル)アミンなどが挙げられる。
チオエーテル系光安定剤(チオエーテル系化合物)としては、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、ジミリスチル、ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート化合物;テトラキス[メチレン(3−ドデシルチオ)プロピオネート]メタン等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル化合物などが挙げられる。
アミン系光安定剤(アミン系光安定剤)としては、例えば、コハク酸ジメチルおよび4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合物(商品名「TINUVIN 622」、BASF社製)、コハク酸ジメチルおよび4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合物とN,N’,N’’,N’’’−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミンとの1対1の反応生成物(商品名「TINUVIN 119」、BASF社製)、ジブチルアミン・1,3−トリアジン・N、N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物(商品名「TINUVIN 2020」、BASF社製)、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2−4−ジイル}{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル}イミノ]ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ})(商品名「TINUVIN 944」、BASF社製)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートおよびメチル1、2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケートの混合物(商品名「TINUVIN 765」、BASF社製)、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(商品名「TINUVIN 770」、BASF社製)、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物(商品名「TINUVIN 123」、BASF社製)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート(商品名「TINUVIN 144」、BASF社製)、シクロヘキサンおよび過酸化N−ブチル2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンアミン−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンの反応生成物と2−アミノエタノールとの反応生成物(商品名「TINUVIN 152」、BASF社製)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートおよびメチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケートの混合物(商品名「TINUVIN 292」、BASF社製)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールおよび3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとの混合エステル化物(商品名「アデカスタブ LA−63P」、株式会社ADEKA製)などが挙げられる。アミン系安定剤としては、特に、ヒンダードアミン系安定剤が好ましい。
上記粘着剤層が光安定剤を含有する場合、上記粘着剤層(特に、アクリル系粘着剤層)中の、光安定剤の含有量は、特に限定されないが、光に対する耐性を発現しやすくする点より、ベースポリマー100重量部に対して、0.1重量部以上であることが好ましく、より好ましくは0.2重量部以上である。また、上記含有量の上限は、光安定剤自体による着色が生じにくくなり、高い透明性が得やすい点、光学特性の点より、ベースポリマー100重量部に対して、5重量部以下であることが好ましく、より好ましくは3重量部以下である。
上記粘着剤層の形成には、特に限定されないが、架橋剤が用いられていてもよい。例えば、アクリル系粘着剤層におけるアクリル系ポリマーを架橋し、ゲル分率をコントロールすることができる。なお、架橋剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記架橋剤としては、特に限定されないが、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン系架橋剤などが挙げられる。中でも、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤が好ましく、より好ましくはイソシアネート系架橋剤である。
上記イソシアネート系架橋剤(多官能イソシアネート化合物)としては、例えば、1,2−エチレンジイソシアネート、1,4−ブチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなどの低級脂肪族ポリイソシアネート類;シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネートなどの脂環族ポリイソシアネート類;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート類などが挙げられる。また、上記イソシアネート系架橋剤としては、例えば、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート付加物(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン工業株式会社製)、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート付加物(商品名「コロネートHL」、日本ポリウレタン工業株式会社製)、トリメチロールプロパン/キシリレンジイソシアネート付加物(商品名「タケネートD−110N」、三井化学株式会社製)などの市販品も挙げられる。
上記エポキシ系架橋剤(多官能エポキシ化合物)としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、ジグリシジルアニリン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジル−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノール−S−ジグリシジルエーテルの他、分子内にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ系樹脂などが挙げられる。また、上記エポキシ系架橋剤としては、例えば、商品名「テトラッドC」(三菱ガス化学株式会社製)などの市販品も挙げられる。
上記粘着剤層の形成に架橋剤が用いられる場合、上記架橋剤の使用量は、特に限定されないが、プラスチック材料に対して十分な接着信頼性を得る点より、ベースポリマー100重量部に対して、0.001重量部以上であることが好ましく、より好ましくは0.01重量部以上である。また、上記使用量の上限は、粘着剤層において適度な柔軟性を得て、粘着力を向上させる点より、ベースポリマー100重量部に対して、10重量部以下であることが好ましく、より好ましくは5重量部以下である。
上記粘着剤層(特に、アクリル系粘着剤層)は、シランカップリング剤を含有していてもよい。なお、シランカップリング剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。上記粘着剤層がシランカップリング剤を含有すると、加湿条件下での接着性、特にガラスに対する接着性を向上させることができる。
上記シランカップリング剤としては、特に限定されないが、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。さらに、シランカップリング剤としては、例えば、商品名「KBM−403」(信越化学工業株式会社製)などの市販品も挙げられる。中でも、上記シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
上記粘着剤層がシランカップリング剤を含有する場合、上記粘着剤層(特に、アクリル系粘着剤層)中の、上記シランカップリング剤の含有量は、特に限定されないが、上記ベースポリマー100重量部に対して、0.01重量部以上であることが好ましく、より好ましくは0.02重量部以上である。また、上記シランカップリング剤の含有量の上限は、上記ベースポリマー100重量部に対して、1重量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.5重量部以下である。
上記粘着剤層は、必要に応じて、さらに、架橋促進剤、粘着付与樹脂(ロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノールなど)、老化防止剤、充填剤、着色剤(顔料や染料など)、酸化防止剤、連鎖移動剤、可塑剤、軟化剤、界面活性剤、帯電防止剤などの添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で含有していてもよい。なお、このような添加剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記粘着剤層の95℃の弾性率は、特に限定されないが、4.0×104Pa以上が好ましく、より好ましくは5.0×104Pa以上、さらに好ましくは6.0×104Pa以上である。上記弾性率が4.0×104Pa以上(特に、5.0×104Pa以上)であると、本発明の光学用両面粘着シートを有する光学製品が設置された車内が高温環境下になった場合であっても、粘着剤層中に泡が発生しにくく、プラスチック材料に対する接着信頼性に優れるため、好ましい。上記95℃の弾性率の上限は、特に限定されないが、1.0×106Pa以下が好ましく、より好ましくは5.0×105Pa以下、さらに好ましくは1.0×105Pa以下である。なお、本発明の光学用両面粘着シートが基材付き粘着シートである場合は、少なくとも一方の粘着剤層が、上記範囲内の95℃の弾性率を有する粘着剤層であればよい。特に、プラスチック材料に対する接着信頼性に優れる観点から、少なくとも、プラスチック材料である光学部材に貼付する側の粘着剤層が、上記範囲内の95℃の弾性率を有する粘着剤層であることが好ましい。
上記95℃の弾性率の測定は、以下のようにして求められる。粘着剤層(厚さ:約2mm)としてから、これをφ7.9mmに打ち抜き、円柱状のペレットを作製して測定用サンプルとする。φ7.9mmパラレルプレートの治具に上記測定サンプルを固定し、動的粘弾性測定装置(レオメトリックス社製、ARES)により、貯蔵弾性率G’の温度依存性を測定する。すなわち、測定:せん断モード、温度範囲:−70℃〜150℃、昇温速度:5℃/分、周波数:1Hzにて測定した際の、95℃での貯蔵弾性率(G')をいう。
上記粘着剤層の25℃の弾性率は、特に限定されないが、1.0×106Pa以下が好ましく、より好ましくは5.0×105Pa以下、さらに好ましくは2.0×105Pa以下である。上記弾性率が1.0×106Pa以下であると、本発明の光学用両面粘着シートの被着体である光学部材に対する貼り合わせ性、光学部材に対する段差追従性が向上する傾向にあり、好ましい。上記25℃の弾性率の下限は、特に限定されないが、1.0×104Pa以上が好ましく、より好ましくは5.0×104Pa以上、さらに好ましくは1.0×105Pa以上である。なお、本発明の光学用両面粘着シートが基材付き粘着シートである場合は、少なくとも一方の粘着剤層が、上記範囲内の25℃の弾性率を有する粘着剤層であればよい。
上記25℃の弾性率の測定は、以下のようにして求められる。粘着剤層(厚さ:約2mm)としてから、これをφ7.9mmに打ち抜き、円柱状のペレットを作製して測定用サンプルとする。φ7.9mmパラレルプレートの治具に上記測定サンプルを固定し、動的粘弾性測定装置(レオメトリックス社製、ARES)により、貯蔵弾性率G’の温度依存性を測定する。すなわち、測定:せん断モード、温度範囲:−70℃〜150℃、昇温速度:5℃/分、周波数:1Hzにて測定した際の、25℃での貯蔵弾性率(G')をいう。
上記粘着剤層のヘイズは、特に限定されないが、光学製品の外観特性、透明性、視認性の点より、5%以下が好ましく、より好ましくは3%以下であり、さらに好ましくは1%以下である。本明細書において、ヘイズは、例えば、ヘイズメーターを用い、JIS K 7136に準じて測定することができる。
上記粘着剤層の全光線透過率は、特に限定されないが、光学製品の外観特性、透明性、視認性の点より、85%以上が好ましく、より好ましくは90%以上であり、さらに好ましくは92%以上である。本明細書において、全光線透過率は、例えば、ヘイズメーターを用い、JIS K 7361−1に準じて測定することができる。なお、上記全光線透過率は、波長400〜780nmの光(可視光)の透過率である。
上記粘着剤層のa*は、特に限定されないが、優れた光学特性、優れた外観特性を得る点より、−0.5以上であることが好ましく、より好ましくは−0.3以上であり、さらに好ましくは−0.1以上である。また、優れた光学特性、優れた外観特性を得る点より、0.5以下であることが好ましく、より好ましくは0.3以下であり、さらに好ましくは0.1以下である。なお、本明細書において、a*値は、L*a*b*表色系のa*値であり、JIS Z 8781−4(2013年)に準拠し、例えば、簡易型分光色差計(商品名「DOT−3C」、株式会社村上色彩技術研究所製)により測定することができる。
上記粘着剤層のb*は、特に限定されないが、1.0以下であることが好ましく、より好ましくは0.8以下であり、さらに好ましくは0.6以下である。b*が1.0以下であると、光学特性に優れ、外観特性に優れる。本発明の光学用両面粘着シートが用いられている光学製品(特に、LCDをはじめとする表示パネルを有する光学製品)で、画面の明るさ、色の濃さ、色合いを損なわないという利点がある。なお、本明細書において、b*値は、L*a*b*表色系のb*値であり、JIS Z 8781−4(2013年)に準拠し、例えば、簡易型分光色差計(商品名「DOT−3C」、株式会社村上色彩技術研究所製)により測定することができる。
本発明の光学用両面粘着シートが基材付き粘着シートである場合、上記粘着剤層の厚み(1つの粘着剤層の厚み)は、特に限定されないが、100〜2925μmが好ましく、より好ましくは200〜2000μm、さらに好ましくは300〜1000μmである。上記厚みが100μm以上であると、本発明の光学用両面粘着シートは、車載用の光学製品内に用いた場合、貼り合わせ性がより良好となる。また、基材の両面に設けられた2つの粘着剤層は、それぞれ、同一の厚みであってもよいし、互いに異なる厚みであってもよい。
上記粘着剤層(特に、アクリル系粘着剤層)の作製方法は、特に限定されないが、例えば、上記粘着剤組成物を基材又は剥離ライナー上に塗布(塗工)し、得られた粘着剤組成物層を乾燥硬化させることや、上記粘着剤組成物を基材又は剥離ライナー上に塗布(塗工)し、得られた粘着剤組成物層に活性エネルギー線を照射して硬化させることが挙げられる。また、必要に応じて、さらに、加熱乾燥してもよい。
上記活性エネルギー線としては、例えば、α線、β線、γ線、中性子線、電子線などの電離性放射線や、紫外線などが挙げられ、特に、紫外線が好ましい。また、活性エネルギー線の照射エネルギー、照射時間、照射方法などは特に制限されない。
上記粘着剤組成物は、公知乃至慣用の方法で作製することができる。例えば、溶剤型のアクリル系粘着剤組成物は、上記アクリル系ポリマーを含有する溶液に、必要に応じて、添加剤を混合することにより、作製することができる。例えば、活性エネルギー線硬化型のアクリル系粘着剤組成物は、上記アクリル系モノマーの混合物又はその部分重合物に、必要に応じて、添加剤を混合することにより、作製することができる。
なお、上記粘着剤組成物の塗布(塗工)には、公知のコーティング法を利用してもよい。例えば、グラビヤロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーター、コンマコーター、ダイレクトコーターなどのコーターが用いられてもよい。
特に、活性エネルギー線硬化型の粘着剤組成物により粘着剤層を形成する場合、活性エネルギー線硬化型の粘着剤組成物は光重合開始剤を含むことが好ましい。なお、活性エネルギー線硬化型の粘着剤組成物が紫外線吸収剤を含有する場合には、光重合開始剤として、広い波長範囲で吸光特性を有する光重合開始剤を少なくとも含むことが好ましい。例えば、紫外光に加え、可視光でも吸光特性を有する光重合開始剤を少なくとも含むことが好ましい。これは、紫外線吸収剤の作用により活性エネルギー線による硬化の阻害が懸念されるところ、広い波長範囲で吸光特性を有する光重合開始剤を含んでいると、粘着剤組成物において高い光硬化性が得やすくなるからである。
本発明の光学用両面粘着シートが基材付き粘着シートである場合、特に限定されないが、少なくとも1つの粘着剤層が、上記粘着剤層の好ましい態様として例示及び説明された粘着剤層であることが好ましい。また、本発明の光学用両面粘着シートが基材付き粘着シートである場合、基材の両面に設けられた2つの粘着剤層は、同一の組成の粘着剤層であってもよいし、異なる組成の粘着剤層であってもよい。異なる組成の粘着剤層としては、例えば、粘着剤層中に含まれるベースポリマーを構成する原料モノマーの種類や使用量が異なる場合、粘着剤層中に含まれるベースポリマーは同一であるがベースポリマーや添加剤の含有量が異なる場合などが挙げられる。中でも、2つの粘着剤層は、同一の組成の粘着剤層(即ち、同一の粘着剤組成物から形成された粘着剤層)であることが好ましい。
(基材)
本発明の光学用両面粘着シートが基材付き粘着シートである場合の基材としては、特に限定されないが、例えば、プラスチックフィルム、反射防止(AR)フィルム、偏光板、位相差板などの各種光学フィルムが挙げられる。上記プラスチックフィルムなどの素材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリサルフォン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、商品名「アートン」(環状オレフィン系ポリマー、JSR株式会社製)」、商品名「ゼオノア」(環状オレフィン系ポリマー、日本ゼオン株式会社製)等の環状オレフィン系ポリマーなどのプラスチック材料が挙げられる。なお、これらのプラスチック材料は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、上記の「基材」とは、粘着シートを被着体(光学部材等)に貼付する際には、粘着剤層とともに被着体に貼付される部分である。粘着シートの使用時(貼付時)に剥離される剥離ライナーは「基材」には含まない。
上記基材の面内位相差Reは、特に限定されないが、20nm以下が好ましく、より好ましくは10nm以下、さらに好ましくは1nm以下、特に好ましくは0.5nm以下である。上記面内位相差が20nm以下であると、基材に起因する虹ムラ(複屈折による着色)を起こりにくくし、光学製品の視認性をより向上させることができ、好ましい。なお、本明細書において面内位相差は23℃、波長590nmにおける基材の面内位相差値をいう。Reは、面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率をnxとし、面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率をnyとし、基材の厚みをd(nm)としたとき、Re=(nx−ny)×dによって求められる。
なお、上記基材の面内位相差(Re)は、極端に大きくてもよい。この場合、上記基材の面内位相差は、特に限定されないが、4000nm以上が好ましく、より好ましくは6000nm以上、さらに好ましくは8000nm以上、特に好ましくは10000nm以上である。上記面内位相差が4000nm以上であると、基材の厚みが厚い場合であっても、虹ムラを起こりにくくし、光学製品の視認性をより向上させることができ、好ましい。上記面内位相差の上限は、特に限定されないが、例えば、20000nm以下が好ましく、より好ましくは15000nm以下、さらに好ましくは13000nm以下である.
上記基材は、透明であることが好ましい。上記基材の可視光波長領域における全光線透過率(JIS K 7361−1に準じる)は、特に限定されないが、85%以上が好ましく、より好ましくは88%以上である。また、上記基材のヘイズ(JIS K 7136に準じる)は、特に限定されないが、1.5%以下が好ましく、より好ましくは1.0%以下である。
上記基材の厚みは、特に限定されないが、75〜500μmが好ましく、より好ましくは80〜300μm、さらに好ましくは100〜200μmである。基材の厚みが75μm以上であると、本発明の光学用両面粘着シートは、車載用の光学製品内に用いた場合、貼り合わせ性がより良好となる。
上記基材は単層および複層のいずれの形態を有していてもよい。また、上記基材の表面には、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理等の物理的処理、下塗り処理等の化学的処理などの公知慣用の表面処理が適宜施されていてもよい。
(剥離ライナー)
本発明の光学用両面粘着シートは、使用時まで、粘着剤層の表面(粘着面)に剥離ライナー(セパレーター)が設けられていてもよい。なお、本発明の光学用両面粘着シートの各粘着面は、2枚の剥離ライナーによりそれぞれ保護されていてもよいし、両面が剥離面となっている剥離ライナー1枚により、ロール状に巻回される形態(巻回体)で保護されていてもよい。剥離ライナーは粘着剤層の保護材として用いられ、被着体に貼付する際に剥がされる。また、本発明の光学用両面粘着シートが基材レス粘着シートの場合、剥離ライナーは粘着剤層の支持体としての役割も担う。なお、剥離ライナーは必ずしも設けられなくてもよい。
上記剥離ライナーとしては、慣用の剥離紙などを使用でき、特に限定されないが、例えば、剥離処理層を有する基材、フッ素ポリマーからなる低接着性基材や無極性ポリマーからなる低接着性基材などが挙げられる。上記剥離処理層を有する基材としては、例えば、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離処理剤により表面処理されたプラスチックフィルムや紙等が挙げられる。上記フッ素ポリマーからなる低接着性基材におけるフッ素系ポリマーとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体等が挙げられる。また、上記無極性ポリマーとしては、例えば、オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)等が挙げられる。なお、剥離ライナーは公知乃至慣用の方法により形成することができる。
剥離ライナーが剥離処理層を有する場合、剥離ライナーの厚み(1層の厚み)は、特に限定されないが、75〜250μmが好ましく、より好ましくは100〜200μm、さらに好ましくは100〜150μmである。上記厚みが75μm以上であると、500μm以上もの厚みを有する光学用両面粘着シートを巻回体にした場合に、剥離処理層にシワが入りにくくすることができる傾向にあり、好ましい。
(本発明の光学用両面粘着シート)
本発明の光学用両面粘着シートのヘイズは、特に限定されないが、光学製品の外観特性、透明性、視認性の点より、5%以下が好ましく、より好ましくは3%以下であり、さらに好ましくは1.5%以下、特に好ましくは1%以下である。
本発明の光学用両面粘着シートの全光線透過率は、特に限定されないが、光学製品の外観特性、透明性、視認性の点より、85%以上が好ましく、より好ましくは90%以上であり、さらに好ましくは92%以上である。
本発明の光学用両面粘着シートのa*は、特に限定されないが、優れた光学特性、優れた外観特性を得る点より、−0.5以上であることが好ましく、より好ましくは−0.3以上であり、さらに好ましくは−0.1以上である。また、優れた光学特性、優れた外観特性を得る点より、0.5以下であることが好ましく、より好ましくは0.3以下であり、さらに好ましくは0.1以下である。
本発明の光学用両面粘着シートのb*は、特に限定されないが、1.5以下であることが好ましく、より好ましくは1.1以下であり、さらに好ましくは0.7以下、特に好ましくは0.4以下である。b*が1.5以下であると、光学特性に優れ、外観特性に優れる。本発明の光学用両面粘着シートが用いられている光学製品(特に、LCDをはじめとする表示パネルを有する光学製品)で、画面の明るさ、色の濃さ、色合いを損なわないという利点がある。
本発明の光学用両面粘着シートの粘着力は、特に限定されないが、光学部材に対する接着性の点より、6N/20mm以上であることが好ましく、より好ましくは7N/20mm以上であり、さらに好ましくは10N/20mm以上である。上記粘着力は、180°引きはがし粘着力であり、JIS Z 0237に準拠して、引張速度300mm/min、引張角度180°(度)の条件で、被着体から引き剥がすことにより測定することができる。なお、本発明の光学用両面粘着シートの少なくとも一方の粘着面の粘着力が上記範囲内であればよいが、両方の粘着面の粘着力が上記範囲内であることが好ましい。
本発明の光学用両面粘着シートは、厚みが500μm以上である。このため、車載用の光学製品に用いた際に、光学部材の貼り合わせ性が良好となる。
本発明の光学用両面粘着シートは、特に限定されないが、公知乃至慣用の製造方法に従って製造されることが好ましい。例えば、本発明の光学用両面粘着シートが基材レス粘着シートである場合には、剥離ライナー上に上記の方法により上記粘着剤層を形成することにより得られる。また、本発明の光学用両面粘着シートが基材付き粘着シートである場合には、上記粘着剤層を基材の表面に直接形成することにより得てもよいし(直写法)、いったん剥離ライナー上に上記粘着剤層を形成した後、基材に転写する(貼り合わせる)ことにより、基材上に上記粘着剤層を設けることにより得てもよい(転写法)。中でも、本発明の光学用両面シートは500μm以上の厚みを有するため、十分に硬化した粘着剤層を形成しやすい観点から、転写法が好ましい。
本発明の光学用両面粘着シートは、車載用の光学製品に用いられる。具体的には、車載用の光学製品に用いる光学部材を貼り合わせる用途(光学部材貼り合わせ用途)に用いられる。
上記光学部材とは、光学的特性(例えば、偏光性、光屈折性、光散乱性、光反射性、光透過性、光吸収性、光回折性、旋光性、視認性等)を有する部材をいう。上記光学部材を構成する基板としては、特に限定されないが、例えば、表示装置(画像表示装置)、入力装置等の機器(光学機器)を構成する基板又はこれらの機器に用いられる基板が挙げられ、例えば、偏光板、波長板、位相差板、光学補償フィルム、輝度向上フィルム、導光板、反射フィルム、反射防止フィルム、ハードコートフィルム(PETフィルム等のプラスチックフィルムの少なくとも片面にハードコート処理が施されたフィルム)、透明導電フィルム、意匠フィルム、装飾フィルム、表面保護板(プラスチックカバー)、プリズム、レンズ、カラーフィルター、透明基板(ガラスセンサー、ガラス製表示パネル、液晶表示パネル(LCD)、透明電極付きガラス板等のガラス基板(インセル、オンセル等)等)、ベゼル(枠)や、さらにはこれらが積層されている基板(これらを総称して「機能性フィルム」と称する場合がある)等が挙げられる。また、これらのフィルムは、印刷層、金属ナノワイヤ層、導電性高分子層等を有していてもよい。また、これらのフィルムには、金属細線がメッシュ印刷されていてもよい。なお、上記の「板」及び「フィルム」は、それぞれ板状、フィルム状、シート状等の形態を含むものとし、例えば、「偏光フィルム」は、「偏光板」及び「偏光シート」等を含むものとする。
上記光学部材としては、タッチセンサーやフィルムセンサーも挙げられる。より具体的には、表面にITO(酸化インジウムスズ)層を有するフィルム;表面に酸化亜鉛(ZnO)層を有するフィルム;表面に金属ナノ粒子を含む液を塗布することにより得られるフィルム、金属ナノ粒子を含む液で表面をメッシュ印刷することにより得られるフィルムなどの金属ナノ粒子を用いたフィルム;表面にカーボンナノチューブを含む分散液を塗布することにより得られるフィルム、カーボンナノチューブを含む液で表面をメッシュ印刷することにより得られるフィルムのようなカーボンナノチューブを用いたフィルム:表面にグラフェン層を有するフィルムのようなグラフェンを用いたフィルム;表面に導電性高分子層を有するフィルム、導電性高分子を含む液でメッシュ印刷することにより得られるフィルムのような導電性高分子を用いたフィルムなどの透明導電フィルムが挙げられる。他にも、フィルムにメッシュ状の金属細線パターンを施したフィルム、金属層を有するフィルムなどの金属(特に、銅)を用いたフィルムが挙げられる。さらには、銀ナノワイヤーフィルムが挙げられる。
上記表示装置としては、例えば、液晶表示装置、有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置、PDP(プラズマディスプレイパネル)、電子ペーパー等が挙げられる。また、上記入力装置としては、タッチパネル等が挙げられる。
本発明の光学用両面粘着シートは、中でも、車載用の光学製品内のエアーギャップを埋めることに用いるフルラミネーション用粘着シートであることが特に好ましい。本発明の光学用両面粘着シートを車載用の光学製品のフルラミネーション用として用いると、光学製品内での光の反射や拡散による光量の損失を低減させることができ、光学製品の視認性をより向上させることができる。
上記車載用の光学製品は、本発明の光学用両面粘着シートを少なくとも含む。上記車載用の光学製品としては、上述の光学部材を有する製品などが挙げられ、例えば、カーナビゲーション、DVDプレーヤー、ブルーレイディスクプレーヤー、音楽プレーヤー、液晶テレビ、有機EL、各種メーター表示部などが挙げられる。
上記車載用の光学製品が用いられる車としては、例えば、自動車、自転車、バイク(原動機付自転車を含む)、電車、機関車などが挙げられ、中でも、自動車が好ましい。
より具体的に、本発明の光学用両面粘着シートが車載用の光学製品に用いられている態様を説明する。図1及び2は、それぞれ、本発明の光学用両面粘着シートが用いられた車載用の光学製品の一例を示す概略断面図である。具体的には、図1及び2それぞれにおいて、本発明の光学用両面粘着シートは、フルラミネーション用として用いられている。なお、本発明の光学用両面粘着シートが車載用の光学製品に用いられている態様は、図1及び2の態様に限定されない。
図1の車載用の光学製品1では、ガラスセンサー5;偏光板9a;偏光板9a、液晶ディスプレイ10、及び偏光板9bを保護するベゼル7;並びに、フォーム6によって囲まれた領域に、ガラスセンサー5と偏光板9aとを貼り合わせるようにして本発明の光学用両面粘着シート8が用いられている。なお、車載用の光学製品において、本発明の光学用両面粘着シート8が用いられている領域は、従来はエアーギャップとなっていたが、このエアーギャップを本発明の光学用両面粘着シート8で埋めることによって、車載用の光学製品1はフルラミネーション技術が採用された車載用の光学製品となっている。なお、図1において、粘着シート4は、公知乃至慣用の光学用両面粘着シートを用いることができるが、本発明の光学用両面粘着シートを用いてもよい。
図2の車載用の光学製品1は、オンセルタイプ又はインセルタイプの光学製品の一例である。図2の車載用の光学製品1では、プラスチックカバー2;印刷層3;偏光板9a;偏光板9a、オンセル又はインセル11、及び偏光板9bを保護するベゼル7;並びに、フォーム6によって囲まれた領域に、プラスチックカバー2と偏光板9aとを貼り合わせるようにして本発明の光学用両面粘着シート8が用いられている。なお、車載用の光学製品において、本発明の光学用両面粘着シート8が用いられている領域は、従来はエアーギャップとなっていたが、このエアーギャップを本発明の光学用両面粘着シート8で埋めることによって、車載用の光学製品1はフルラミネーション技術が採用された車載用の光学製品となっている。
図1及び2には、ベゼルを有する車載用の光学製品(ベゼル付きの車載用の光学製品)の一例を示したが、本発明の光学用両面粘着シートは、ベゼルを有しない車載用の光学製品(ベゼルレスの車載用の光学製品)に、特に、フルラミネーション用に用いてもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、配合部数(重量部)は、全て固形分(不揮発分)換算の値である。
(アクリル系ポリマーの調整例1)
ジシクロペンタニルメタクリレート(DCPMA、メタクリル酸ジシクロペンタニル):60重量部、メチルメタクリレート(MMA、メタクリル酸メチル):40重量部、連鎖移動剤としてのα−チオグリセロール:3.5重量部、及び重合溶媒としてのトルエン:100重量部を、4つ口フラスコに投入し、これらを窒素雰囲気下にて70℃で1時間撹拌した。次に、重合開始剤としての2,2’−アゾビスイソブチロニトリル:0.2重量部を4つ口フラスコに投入し、70℃で2時間反応させ、続いて、80℃で2時間反応させた。その後、反応液を130℃の温度雰囲気下に投入し、トルエン、連鎖移動剤、及び未反応モノマーを乾燥除去し、固形状のアクリル系ポリマー(「アクリル系ポリマー(A)と称する場合がある」)を得た。なお、アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量は、5.1×103であった。
(実施例1)
アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA):67重量部、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP):15重量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEA):18重量部から構成されるモノマー混合物に、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」、BASF社製):0.035重量部、及び、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製):0.035重量部を配合した後、粘度(BH粘度計No.5ローター、10rpm、測定温度30℃)が約20Pa・sになるまで紫外線を照射して、上記モノマー成分の一部が重合したプレポリマー組成物を得た。
上記プレポリマー組成物に、上記アクリル系ポリマー(A):5重量部、ヘキサンジオールアクリレート(HDDA):0.075重量部、シランカップリング剤(商品名「KBM−403」、信越化学工業株式会社製):0.3重量部を混合し、アクリル系粘着剤組成物を得た。
上記アクリル系粘着剤組成物を、ポリエチレンテレフタレート(PET)系剥離ライナー(日東電工株式会社製、厚み:125μm)上に塗布し、粘着剤組成物層を形成した。次いで、上記粘着剤組成物層上に、PET系剥離ライナー(日東電工株式会社製、厚み:125μm)を設け、上記粘着剤組成物層を被覆して酸素を遮断した。そして、[剥離ライナー/粘着剤組成物層/剥離ライナー]の構成を有する積層体(積層体(I))を得た。
次に、上記積層体(I)に対して、積層体(I)の上面(剥離ライナー側)から、ブラックライト(株式会社東芝製)にて、照度3mW/cm2の紫外線を300秒間照射した。さらに90℃の乾燥機で2分間乾燥処理を行い、残存モノマーを揮発させて、[剥離ライナー/粘着剤層/剥離ライナー]の構成を有する積層体(積層体(II))を得た。なお、粘着剤層の厚みは500μmであった。
上記積層体(II)の片面の剥離ライナーを剥離し、上記粘着剤層の表面と、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚み:125μm、面内位相差Re:4200nm)の一方の表面とを貼り合わせ、[剥離ライナー/粘着剤層/PETフィルム]の構成を有する積層体(積層体(III))を得た。
さらに、別途作製した積層体(II)の片面の剥離ライナーを剥離し、粘着剤層の表面と、上記積層体(III)のPETフィルムの表面とを貼り合わせ、[剥離ライナー/粘着剤層/PETフィルム/粘着剤層/剥離ライナー]の構成を有する両面粘着シート(基材付き両面粘着シート)を作製した。両面粘着シートの厚み(剥離ライナーを除く厚み)は、1125μmであった。
(実施例2)
アクリル酸n−ブチル(BA):57重量部、シクロヘキシルアクリレート(CHA):12重量部、アクリル酸4−ヒドロキシブチル(4HBA):23重量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEA):8重量部から構成されるモノマー混合物に、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」、BASF社製):0.05重量部、及び、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製):0.05重量部を配合した後、粘度(BH粘度計No.5ローター、10rpm、測定温度30℃)が約20Pa・sになるまで紫外線を照射して、上記モノマー成分の一部が重合したプレポリマー組成物を得た。
上記プレポリマー組成物に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA):0.1重量部、シランカップリング剤(商品名「KBM−403」、信越化学工業株式会社製):0.3重量部を混合し、アクリル系粘着剤組成物を得た。
上記アクリル系粘着剤組成物を用いて、PETフィルムとしてPETフィルム(厚み:100μm、面内位相差Re:10000nm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、[剥離ライナー/粘着剤層/PETフィルム/粘着剤層/剥離ライナー]の構成を有する両面粘着シート(基材付き両面粘着シート)を作製した。両面粘着シートの厚み(剥離ライナーを除く厚み)は、1100μmであった。
(実施例3)
アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA):40.5重量部、イソステアリルアクリレート(ISTA):40.5重量部、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP):18重量部、アクリル酸4−ヒドロキシブチル(4HBA):1重量部から構成されるモノマー混合物に、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」、BASF社製):0.05重量部、及び、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製):0.5重量部を配合した後、粘度(BH粘度計No.5ローター、10rpm、測定温度30℃)が約20Pa・sになるまで紫外線を照射して、上記モノマー成分の一部が重合したプレポリマー組成物を得た。
上記プレポリマー組成物に、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA):0.02重量部、シランカップリング剤(商品名「KBM−403」、信越化学工業株式会社製):0.3重量部混合し、アクリル系粘着剤組成物を得た。
上記アクリル系粘着剤組成物を用いて、実施例1と同様にして、[剥離ライナー/粘着剤層/PETフィルム/粘着剤層/剥離ライナー]の構成を有する両面粘着シート(基材付き両面粘着シート)を作製した。両面粘着シートの厚み(剥離ライナーを除く厚み)は、1125μmであった。
(実施例4)
粘着剤層の厚みが550μmとなるようにした以外は、実施例1で作製した積層体(II)と同様に積層体を作製し、粘着剤層のみからなり、粘着剤層の両面が剥離ライナーで保護されている基材レスタイプの両面粘着シートを作製した。両面粘着シートの厚みは550μmであった。
(実施例5)
粘着剤層の厚みが610μmとなるようにした以外は、実施例1で作製した積層体(II)と同様に積層体を作製し、粘着剤層のみからなり、粘着剤層の両面が剥離ライナーで保護されている基材レスタイプの両面粘着シートを作製した。両面粘着シートの厚みは610μmであった。
(比較例1)
粘着剤層の厚みが250μmとなるようにした以外は、実施例1で作製した積層体(II)と同様に積層体を作製し、粘着剤層のみからなり、粘着剤層の両面が剥離ライナーで保護されている基材レスタイプの両面粘着シートを作製した。両面粘着シートの厚みは250μmであった。
(評価)
実施例及び比較例で得られた両面粘着シートについて、下記の測定を行った。その結果を表1に示した。
(全光線透過率)
実施例及び比較例で得られた両面粘着シートの一方の剥離ライナーを剥がし、両面粘着シートをスライドガラス(商品名「MICRO SLIDE GLASS」、白研磨、NO.2、厚み:1.0〜1.2mm、松浪硝子株式会社製)に貼り付け、温度23℃、湿度50%RHの環境下で放置した。放置後、もう一方の剥離ライナーを取り除き、試験片とした。
なお、両面粘着シートを貼り付ける際には、ハンドローラーを用い、表面に指紋等の汚れがつかないようにし、異物や気泡を噛み込まないようにした。
上記試験片の全光線透過率を、23℃、50%RHの環境下において、ヘイズメーター(商品名「HM−150」、株式会社村上色彩技術研究所製)を用いて測定した。
全光線透過率の測定は、JIS K 7361−1に準じて行った。
(ヘイズ)
実施例及び比較例で得られた両面粘着シートの一方の剥離ライナーを剥がし、両面粘着シートをスライドガラス(商品名「MICRO SLIDE GLASS」、白研磨、NO.2、厚み:1.0〜1.2mm、松浪硝子株式会社製)に貼り付け、温度23℃、湿度50%RHの環境下で放置した。放置後、もう一方の剥離ライナーを取り除き、試験片とした。
なお、両面粘着シートを貼り付ける際には、ハンドローラーを用い、表面に指紋等の汚れがつかないようにし、異物や気泡を噛み込まないようにした。
上記試験片のヘイズを、23℃、50%RHの環境下において、ヘイズメーター(商品名「HM−150」、株式会社村上色彩技術研究所製)を用いて測定した。
ヘイズの測定は、JIS K 7136に準じて行った。
(b*(L*a*b*表色系のb*値))
実施例及び比較例で得られた両面粘着シートの一方の剥離ライナーを剥がし、両面粘着シートをスライドガラス(商品名「MICRO SLIDE GLASS」、白研磨、NO.2、厚み:1.0〜1.2mm、松浪硝子株式会社製)に貼り付け、温度23℃、湿度50%RHの環境下で放置した。放置後、もう一方の剥離ライナーを取り除き、試験片とした。
なお、両面粘着シートを貼り付ける際には、ハンドローラーを用い、表面に指紋等の汚れがつかないようにし、異物や気泡を噛み込まないようにした。
上記試験片のb*値を、簡易型分光色差計(商品名「DOT−3C」、株式会社村上色彩技術研究所製)を用いて測定した。なお、測定は、試験片の露出した粘着面に光を当てて行った。
b*値の測定は、JIS Z 8781−4(2013年)に準じて行った。
(25℃の弾性率)
実施例及び比較例で得られた粘着剤層と同様にして、厚さが約2mmとなるように粘着剤層をそれぞれ作製し、これをφ7.9mmに打ち抜き、円柱状のペレットを作製して測定用サンプルとした。φ7.9mmパラレルプレートの治具に上記測定サンプルを固定し、動的粘弾性測定装置(レオメトリックス社製、ARES、測定:せん断モード、温度範囲:−70℃〜150℃、昇温速度:5℃/分、周波数:1Hz)により、貯蔵弾性率G’の温度依存性を測定し、25℃における貯蔵弾性率G’を25℃の弾性率とした。
(95℃の弾性率)
実施例及び比較例で得られた粘着剤層と同様にして、厚さが約2mmとなるように粘着剤層をそれぞれ作製し、これをφ7.9mmに打ち抜き、円柱状のペレットを作製して測定用サンプルとした。φ7.9mmパラレルプレートの治具に上記測定サンプルを固定し、動的粘弾性測定装置(レオメトリックス社製、ARES、測定:せん断モード、温度範囲:−70℃〜150℃、昇温速度:5℃/分、周波数:1Hz)により、貯蔵弾性率G’の温度依存性を測定し、95℃における貯蔵弾性率G’を95℃の弾性率とした。
(貼り合わせ性)
実施例及び比較例で得られた両面粘着シートを80mm×80mmのサイズに切り取ったものを試験片とした。上記試験片の一方の剥離ライナーを剥離したものを、段差付ガラス(ガラスの一方の面に、市販の両面粘着シートを用いてPETフィルムを縁状に貼り付けて0.5mmの段差を設けたもの。図3、図4及び図5参照。「下ガラス」と称する場合がある。)の段差を有する側のガラス面に貼り合わせた。そして、下ガラスと両面粘着シートの積層構造を有する構造物Aを得た。次に、構造物Aにおける両面粘着シートの剥離ライナーを剥離して、構造物Aを、100mm×100mmのサイズのガラス板(「上ガラス」と称する場合がある)の一方の面に、圧力0.3MPa、真空度100Paの条件で5秒間真空プレスをかけて貼り合わせた。そして、上ガラスと両面粘着シートと下ガラスの積層構造を有する構造物Bを得た。その後、構造物Bをオートクレーブに投入し、温度50℃、圧力0.5MPaの条件で15分間、オートクレーブ処理した。オートクレーブ処理後、構造物Bをオートクレーブから取り出し、構造物Bを目視で観察し、両面粘着シートの貼り合わせ性を下記基準で評価した。なお、従来のベゼル付きの車載用の光学製品におけるエアーギャップは通常0.5〜1.5mmであるため、0.5mmの段差を設けた下ガラスを用いて評価を行った。
○(良好) :両面粘着シートの全面で気泡が無く貼り合わせができている
×(不良) :両面粘着シートが上ガラスに届かず、きれいに貼り合わせできていない
(接着信頼性)
実施例及び比較例で得られた両面粘着シートから50mm×100mmのサイズに切り取ったものを試験片とした。上記試験片の一方の剥離ライナーを剥がし、試験片をソーダガラス(厚み:0.7mm)に貼り付け、試験片のもう一方の剥離ライナーを剥がし、PPMA(商品名「MR200」、三菱レーヨン株式会社製、厚み:1mm)に貼り付けて、[ソーダガラス/両面粘着シート/PMMA]の構成を有する積層体を作製し、温度50℃、0.50MPaの環境下に15分間放置した。放置後の積層体を、さらに、95℃の環境下に100時間放置し、放置後の積層体を目視で観察した。接着信頼性を、下記のように評価した。
○(良好) :発泡が無く、且つ剥がれもない
△(使用可能) :一部発泡がある
×(不良) :発泡も剥がれもある