JP7064560B2 - 両面粘着シート - Google Patents

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Description

本発明は、剥離ライナー付の両面粘着シートに関する。
近年、様々な技術分野において、高い透明性を有する両面粘着シートが利用されている。例えばフラットパネルディスプレイの技術分野においては、表示装置等の製造に光学用両面粘着シートが利用されている。具体的には、液晶ディスプレイ等の表示装置やタッチパネル等の入力装置は各種の基板や膜体を含む積層構造部を有するところ、当該積層構造内で隣り合う所定の部品間を接合するために、或いは、隣り合う部品間の間隙を充填するために、透明な両面粘着シートが用いられる場合がある。そのような両面粘着シートについては、例えば、下記の特許文献1~3に記載されている。
特開2012-188595号公報 特開2015-200698号公報 特開2016-26321号公報
両面粘着シートは、両粘着面が一対の剥離ライナーで被覆された態様で製造されて出荷される場合がある。このような剥離ライナー付の両面粘着シートについては、その使用にあたって各剥離ライナーが所定のタイミングで両面粘着シート本体から剥離されるところ、作業効率等の観点から、手作業による剥離ライナーの剥離を行いやすいことが、求められる場合がある。
また、従来、両粘着面に剥離ライナーを伴う両面粘着シート本体から一方の剥離ライナーが剥離される際には、両面粘着シート本体の粘着面の一部が当該剥離ライナーに引っ張られて当該粘着面ないし粘着剤層に部分的な破損や欠損の生ずる場合がある。
本発明は、以上のような事情のもとで考え出されたものであって、剥離ライナーの剥離作業を行いやすく且つ剥離ライナー剥離時の粘着剤層の部分的な破損や欠損を抑制するのに適するとともに、効率よく製造するのに適した、剥離ライナー付の両面粘着シートを提供することを、目的とする。
本発明の第1の側面により提供される両面粘着シートは、第1剥離ライナーと、第2剥離ライナーと、当該第1および第2剥離ライナーの間に位置する両面粘着シート本体とを含む積層構造を有する。両面粘着シート本体は、少なくとも一つの粘着剤層を有する。このような両面粘着シート本体は、単一の粘着剤層によって構成されてもよいし、両粘着面をなす二つの粘着剤層と当該粘着剤層間の基材等とを含む積層構造を有してもよい。また、両面粘着シート本体における粘着剤層の外周端の少なくとも一部の領域は、シート面内方向において、第1剥離ライナーの外周端および第2剥離ライナーの外周端から内方に5~2000μmの距離にある。シート面内方向とは、本両面粘着シートないし両面粘着シート本体の面内方向をいうものとする。このようなシート面内方向において、粘着剤層の外周端の少なくとも一部の領域は、第1剥離ライナーにて最も近接する外周端に対してシートの内方に5~2000μmの距離にあり、且つ、第2剥離ライナーにて最も近接する外周端に対してシートの内方に5~2000μmの距離にある。
剥離ライナー付の本両面粘着シートにおける両面粘着シート本体の有する粘着剤層の外周端の少なくとも一部の領域は、上述のように、シート面内方向において、第1剥離ライナーの外周端および第2剥離ライナーの外周端のそれぞれから内方に5~2000μmの距離にある。すなわち、両面粘着シート本体の粘着剤層の外周端は、少なくともその一部の領域において、第1および第2剥離ライナーの外周端からシート面内方向に離れて位置する。両面粘着シート本体が単一の粘着剤層よりなる場合には例えば、両面粘着シートの厚さ方向の断面にて当該シートの外周端部に例えば凹形状をなすように、粘着剤層の外周端は、第1および第2剥離ライナーの外周端からシート面内方向に離れて位置する領域を有する。両粘着面をなす二つの粘着剤層と当該粘着剤層間の基材とを含む積層構造を両面粘着シート本体が有する場合には例えば、各粘着剤層の外周端は、第1および第2剥離ライナーの外周端からシート面内方向に離れて位置する領域を有する。そして、各剥離ライナー外周端からシート面内方向に離れて位置する粘着剤層外周端と各剥離ライナー外周端との間のシート面内方向の離隔距離は、上述のように5~2000μmである。このような本両面粘着シートからの剥離ライナーの剥離の際には、両面粘着シート本体の粘着剤層の外周端が第1および第2剥離ライナーの外周端からシート面内方向に離れて位置する部位(外周端離隔部位)を利用すると、剥離作業を行いやすい。具体的には、外周端離隔部位では、例えば作業者の指先を、粘着剤層に当接させずに剥離対象の第1または第2剥離ライナーに当接させやすく、従って、剥離対象の剥離ライナーと粘着剤層との間の界面の端から両者の分離が開始するように当該剥離ライナーにおいて剥離のための適切な変形を開始させやすい。このように、本両面粘着シートでは、両面粘着シート本体から例えば手作業によって剥離ライナーを剥離させやすい。
また、本両面粘着シートの外周端離隔部位では、上述のように、剥離ライナーの剥離に際して作業者の指先等を粘着剤層に当接させずに剥離対象の第1または第2剥離ライナーに当接させやすい。これとともに、本両面粘着シートの外周端離隔部位では、上述のように、剥離対象の剥離ライナーと粘着剤層との間の界面の端から両者の分離が開始するように当該剥離ライナーにおいて剥離のための適切な変形を開始させやすい。これらは、それぞれ、外周端離隔部位を利用して剥離ライナーの剥離を行うことが可能な本両面粘着シートにおいて、剥離ライナー剥離時に両面粘着シート本体の粘着面の一部が当該剥離ライナーに引っ張られて当該粘着面ないし粘着剤層に部分的な破損や欠損が生ずるのを抑制するうえで、好適である。
加えて、本両面粘着シートでは、各剥離ライナー外周端からシート面内方向に離れて位置する粘着剤層外周端と当該各剥離ライナー外周端との間のシート面内方向の離隔距離は、上述のように5~2000μmである。このような構成を伴う本両面粘着シートは、効率よく製造するのに適する。具体的には、次のとおりである。
まず、打抜き加工や切削加工等の加工を経て本両面粘着シートを生ずるための両面粘着シート原材を用意する。この両面粘着シート原材は、プリ第1剥離ライナーと、プリ第2剥離ライナーと、少なくとも一つの粘着剤層を有して当該プリ第1およびプリ第2剥離ライナーの間に位置するプリ両面粘着シート本体とを含む積層構造を有する。次に、両面粘着シート原材がその厚さ方向に加圧力を受けた状態で、当該両面粘着シート原材に対し、目的の外郭寸法を有する両面粘着シートが形成されるように加工を施す。両面粘着シート原材が厚さ方向に加圧力を受けた状態では、当該原材のプリ両面粘着シート本体における弾性体たる粘着剤層は、加圧力に応じて弾性変形し得て、加圧力に応じた伸び率で原材の面内方向に弾性的に伸び広がり、原材の外周端ではプリ第1剥離ライナーとプリ第2剥離ライナーとの間から弾性的に膨出した状態をとり得る。加工の手段としては、例えば、打抜き加工および/または切削加工が挙げられる。当該加工工程では、具体的には、加工によって両面粘着シートの外周端の一部または全部が新たに形作られて目的の外郭寸法の両面粘着シートが得られるように、厚さ方向に加圧力を受けた状態にある両面粘着シート原材に対して打抜き加工および/または切削加工等の加工が施される。加圧状態が解かれて得られる両面粘着シートにおいて、粘着剤層は、弾性変形状態から非変形状態に復帰し、加工工程で新たに生じた両面粘着シート外周端にて第1剥離ライナーと第2剥離ライナーとの間で内方に退避した状態をとる。すなわち、製造される両面粘着シートにおいては、粘着剤層外周端は、各剥離ライナー外周端からシート面内方向において内方に離れて位置する領域を有することとなる。そして、粘着剤層の弾性変形とその後の形状復帰とを利用した結果として生じる各剥離ライナー外周端と粘着剤層外周端との間の離隔の距離は、比較的に短い5~2000μmの範囲内に収まる傾向にある。一方、両面粘着シート本体ないしそれの有する粘着剤層よりも例えば5000μm以上に外郭寸法の大きな剥離ライナーを伴う両面粘着シートを製造するには、例えば、両面粘着シート本体と外郭寸法が同一の剥離ライナーを両粘着面に伴う両面粘着シートを製造した後に、両面粘着シート本体よりもそのように外郭寸法の大きな剥離ライナーに各剥離ライナーを貼り替える必要がある。しかしながら、このような手法は、材料費や工程数の観点から、効率的でない。各剥離ライナー外周端からシート面内方向に離れて位置する粘着剤層外周端と当該各剥離ライナー外周端との間のシート面内方向の離隔距離が5~2000μmである本両面粘着シートは、粘着剤層の弾性変形とその後の形状復帰とを利用した上述のような過程を経て効率よく製造するのに適するのである。
以上のように、本発明の第1の側面に係る両面粘着シートは、剥離ライナーの剥離作業を行いやすく且つ剥離ライナー剥離時の粘着剤層の部分的な破損や欠損を抑制するのに適するとともに、効率よく製造するのに適する。加えて、シート面内方向において各剥離ライナー外周端から離れて位置する粘着剤層外周端と当該各剥離ライナー外周端との間の離隔距離が5~2000μmである本両面粘着シートは、両面粘着シート本体について求められる寸法を実現しつつも両面粘着シートの外郭寸法すなわち剥離ライナーの外郭寸法が両面粘着シート本体の寸法を大きく超えて過大となるのを回避するのに適する。
本発明の第1の側面において、好ましくは、両面粘着シート本体の粘着剤層の外周端は、シート面内方向において、第1剥離ライナーの外周端および第2剥離ライナーの外周端のそれぞれから内方に5~2000μmの距離にある。すなわち、両面粘着シート本体の粘着剤層の外周端は、全域にわたり、第1剥離ライナーにて最も近接する外周端に対してシートの内方に5~2000μmの距離にあり、且つ、第2剥離ライナーにて最も近接する外周端に対してシートの内方に5~2000μmの距離にある。
本発明の第1の側面において、好ましくは、両面粘着シート本体の粘着剤層の厚さは25μm以上である。このような構成は、上述の外周端離隔部位において各剥離ライナー外周端と粘着剤層外周端との間の離隔距離を5μm以上に確保するうえで好適である。
本発明の第1の側面において、好ましくは、両面粘着シート本体の粘着剤層の23℃における貯蔵弾性率は1.0×104Pa以上である。このような構成は、各剥離ライナー外周端と粘着剤層外周端との間の上述の離隔距離が5~2000μmである本両面粘着シートについて、当該粘着剤層の弾性変形とその後の形状復帰とを利用して効率よく製造するうえで好適である。
本発明の第2の側面により提供される両面粘着シートは、第1剥離ライナーと、第2剥離ライナーと、当該第1および第2剥離ライナーの間に位置する両面粘着シート本体とを含む積層構造を有する。両面粘着シート本体は、例えば第1剥離ライナー側の第1粘着剤層と、例えば第2剥離ライナー側の第2粘着剤層と、当該第1および第2粘着剤層の間に位置する基材とを含む積層構造を有する。第1粘着剤層の外周端の少なくとも一部の領域は、シート面内方向において、第1剥離ライナーの外周端および第2剥離ライナーの外周端から内方に5~2000μmの距離にある。第2粘着剤層の外周端の少なくとも一部の領域は、シート面内方向において、第1剥離ライナーの外周端および第2剥離ライナーの外周端から内方に5~2000μmの距離にある。シート面内方向とは、本両面粘着シートないし両面粘着シート本体の面内方向をいうものとする。このようなシート面内方向において、第1粘着剤層の外周端の少なくとも一部の領域は、第1剥離ライナーにて最も近接する外周端に対してシートの内方に5~2000μmの距離にあり、且つ、第2剥離ライナーにて最も近接する外周端に対してシートの内方に5~2000μmの距離にある。これとともに、当該シート面内方向において、第2粘着剤層の外周端の少なくとも一部の領域は、第1剥離ライナーにて最も近接する外周端に対してシートの内方に5~2000μmの距離にあり、且つ、第2剥離ライナーにて最も近接する外周端に対してシートの内方に5~2000μmの距離にある。
剥離ライナー付の本両面粘着シートにおける両面粘着シート本体の有する各粘着剤層(第1粘着剤層,第2粘着剤層)の外周端の少なくとも一部の領域は、上述のように、シート面内方向において、第1剥離ライナーの外周端および第2剥離ライナーの外周端のそれぞれから内方に5~2000μmの距離にある。すなわち、両面粘着シート本体の各粘着剤層の外周端は、少なくともその一部の領域において、第1および第2剥離ライナーの外周端からシート面内方向に離れて位置する。そして、各剥離ライナー外周端からシート面内方向に離れて位置する第1粘着剤層外周端と各剥離ライナー外周端との間のシート面内方向の離隔距離、および、各剥離ライナー外周端からシート面内方向に離れて位置する第2粘着剤層外周端と各剥離ライナー外周端との間のシート面内方向の離隔距離は、それぞれ、上述のように5~2000μmである。このような本両面粘着シートからの剥離ライナーの剥離の際には、両面粘着シート本体の第1粘着剤層の外周端が第1および第2剥離ライナーの外周端からシート面内方向に離れて位置する部位(第1外周端離隔部位)や、第2粘着剤層の外周端が第1および第2剥離ライナーの外周端からシート面内方向に離れて位置する部位(第2外周端離隔部位)を利用すると、剥離作業を行いやすい。具体的には、第1外周端離隔部位では、例えば作業者の指先を、第1粘着剤層に当接させずに当該第1粘着剤層側にあって剥離対象の例えば第1剥離ライナーに当接させやすく、従って、第1剥離ライナーと第1粘着剤層との間の界面の端から両者の分離が開始するように第1剥離ライナーにおいて剥離のための適切な変形を開始させやすい。また、第2外周端離隔部位では、例えば作業者の指先を、第2粘着剤層に当接させずに当該第2粘着剤層側にあって剥離対象の例えば第2剥離ライナーに当接させやすく、従って、第2剥離ライナーと第2粘着剤層との間の界面の端から両者の分離が開始するように第2剥離ライナーにおいて剥離のための適切な変形を開始させやすい。このように、本両面粘着シートでは、両面粘着シート本体から例えば手作業によって剥離ライナーを剥離させやすい。
また、本両面粘着シートの各外周端離隔部位では、上述のように、剥離ライナーの剥離に際して作業者の指先等を粘着剤層に当接させずに剥離対象の剥離ライナーに当接させやすい。これとともに、本両面粘着シートの各外周端離隔部位では、上述のように、剥離対象の剥離ライナーと粘着剤層との間の界面の端から両者の分離が開始するように当該剥離ライナーにおいて剥離のための適切な変形を開始させやすい。これらは、それぞれ、各外周端離隔部位を利用して剥離ライナーの剥離を行うことが可能な本両面粘着シートにおいて、剥離ライナー剥離時に両面粘着シート本体の粘着面の一部が当該剥離ライナーに引っ張られて当該粘着面ないし粘着剤層に部分的な破損や欠損が生ずるのを抑制するうえで、好適である。
加えて、本両面粘着シートでは、各剥離ライナー外周端からシート面内方向に離れて位置する第1粘着剤層外周端と当該各剥離ライナー外周端との間のシート面内方向の離隔距離、および、各剥離ライナー外周端からシート面内方向に離れて位置する第2粘着剤層外周端と当該各剥離ライナー外周端との間のシート面内方向の離隔距離は、それぞれ、上述のように5~2000μmである。このような構成を伴う本両面粘着シートは、効率よく製造するのに適する。具体的には、次のとおりである。
まず、打抜き加工や切削加工等の加工を経て本両面粘着シートを生ずるための両面粘着シート原材を用意する。この両面粘着シート原材は、プリ第1剥離ライナーと、プリ第2剥離ライナーと、当該プリ第1およびプリ第2剥離ライナーの間に位置するプリ両面粘着シート本体とを含む積層構造を有する。プリ両面粘着シート本体は、例えばプリ第1剥離ライナー側の第1粘着剤層と、例えばプリ第2剥離ライナー側の第2粘着剤層と、当該第1および第2粘着剤層の間に位置する基材とを含む積層構造を有する。次に、両面粘着シート原材がその厚さ方向に加圧力を受けた状態で、当該両面粘着シート原材に対し、目的の外郭寸法を有する両面粘着シートが形成されるように加工を施す。両面粘着シート原材が厚さ方向に加圧力を受けた状態では、当該原材のプリ両面粘着シート本体における弾性体たる各粘着剤層は、加圧力に応じて弾性変形し得て、加圧力に応じた伸び率で原材の面内方向に弾性的に伸び広がり、原材の外周端ではプリ第1剥離ライナーまたはプリ第2剥離ライナーとプリ両面粘着シート本体の基材との間から弾性的に膨出した状態をとり得る。加工の手段としては、例えば、打抜き加工および/または切削加工が挙げられる。当該加工工程では、具体的には、加工によって両面粘着シートの外周端の一部または全部が新たに形作られて目的の外郭寸法の両面粘着シートが得られるように、厚さ方向に加圧力を受けた状態にある両面粘着シート原材に対して打抜き加工および/または切削加工等の加工が施される。加圧状態が解かれて得られる両面粘着シートにおいて、各粘着剤層は、弾性変形状態から非変形状態に復帰し、加工工程で新たに生じた両面粘着シート外周端にて第1剥離ライナーまたは第2剥離ライナーと基材との間で内方に退避した状態をとる。すなわち、製造される両面粘着シートにおいては、第1粘着剤層外周端は各剥離ライナー外周端からシート面内方向において内方に離れて位置する領域し、且つ、第2粘着剤層外周端は各剥離ライナー外周端からシート面内方向において内方に離れて位置する領域を有することとなる。そして、粘着剤層の弾性変形とその後の形状復帰とを利用した結果として生じる各剥離ライナー外周端と粘着剤層外周端(第1粘着剤層外周端,第2粘着剤層外周端)との間の離隔の距離は、比較的に短い5~2000μmの範囲内に収まる傾向にある。一方、両面粘着シート本体ないしそれの有する粘着剤層よりも例えば5000μm以上に外郭寸法の大きな剥離ライナーを伴う両面粘着シートを製造するには、例えば、両面粘着シート本体と外郭寸法が同一の剥離ライナーを両粘着面に伴う両面粘着シートを製造した後に、両面粘着シート本体よりもそのように外郭寸法の大きな剥離ライナーに各剥離ライナーを貼り替える必要がある。しかしながら、このような手法は、材料費や工程数の観点から、効率的でない。各剥離ライナー外周端からシート面内方向に離れて位置する第1粘着剤層外周端と当該各剥離ライナー外周端との間のシート面内方向の離隔距離、および、各剥離ライナー外周端からシート面内方向に離れて位置する第2粘着剤層外周端と当該各剥離ライナー外周端との間のシート面内方向の離隔距離が、それぞれ5~2000μmである本両面粘着シートは、粘着剤層の弾性変形とその後の形状復帰とを利用した上述のような過程を経て効率よく製造するのに適するのである。
以上のように、本発明の第2の側面に係る両面粘着シートは、剥離ライナーの剥離作業を行いやすく且つ剥離ライナー剥離時の粘着剤層の部分的な破損や欠損を抑制するのに適するとともに、効率よく製造するのに適する。加えて、シート面内方向において各剥離ライナー外周端から離れて位置する第1粘着剤層外周端と当該各剥離ライナー外周端との間の離隔距離、および、シート面内方向において各剥離ライナー外周端から離れて位置する第2粘着剤層外周端と当該各剥離ライナー外周端との間の離隔距離が、それぞれ5~2000μmである本両面粘着シートは、両面粘着シート本体について求められる寸法を実現しつつも両面粘着シートの外郭寸法すなわち剥離ライナーの外郭寸法が両面粘着シート本体の寸法を大きく超えて過大となるのを回避するのに適する。
本発明の第2の側面において、好ましくは、両面粘着シート本体の第1粘着剤層の外周端は、シート面内方向において、第1剥離ライナーの外周端および第2剥離ライナーの外周端のそれぞれから内方に5~2000μmの距離にある。すなわち、両面粘着シート本体の第1粘着剤層の外周端は、全域にわたり、第1剥離ライナーにて最も近接する外周端に対してシートの内方に5~2000μmの距離にあり、且つ、第2剥離ライナーにて最も近接する外周端に対してシートの内方に5~2000μmの距離にある。
本発明の第2の側面において、好ましくは、両面粘着シート本体の第2粘着剤層の外周端は、シート面内方向において、第1剥離ライナーの外周端および第2剥離ライナーの外周端のそれぞれから内方に5~2000μmの距離にある。すなわち、両面粘着シート本体の第2粘着剤層の外周端は、全域にわたり、第1剥離ライナーにて最も近接する外周端に対してシートの内方に5~2000μmの距離にあり、且つ、第2剥離ライナーにて最も近接する外周端に対してシートの内方に5~2000μmの距離にある。
本発明の第2の側面において、好ましくは、両面粘着シート本体の第1粘着剤層の厚さは25μm以上である。このような構成は、上述の第1外周端離隔部位において各剥離ライナー外周端と第1粘着剤層外周端との間の離隔距離を5μm以上に確保するうえで好適である。好ましくは、両面粘着シート本体の第2粘着剤層の厚さは25μm以上である。このような構成は、上述の第2外周端離隔部位において各剥離ライナー外周端と第2粘着剤層外周端との間の離隔距離を5μm以上に確保するうえで好適である。
本発明の第1の側面において、好ましくは、両面粘着シート本体の第1粘着剤層の23℃における貯蔵弾性率は1.0×104Pa以上である。このような構成は、各剥離ライナー外周端と第1粘着剤層外周端との間の上述の離隔距離が5~2000μmである本両面粘着シートについて、当該第1粘着剤層の弾性変形とその後の形状復帰とを利用して効率よく製造するうえで好適である。好ましくは、両面粘着シート本体の第2粘着剤層の23℃における貯蔵弾性率は1.0×104Pa以上である。このような構成は、各剥離ライナー外周端と第2粘着剤層外周端との間の上述の離隔距離が5~2000μmである本両面粘着シートについて、当該第2粘着剤層の弾性変形とその後の形状復帰とを利用して効率よく製造するうえで好適である。
本発明の一の実施形態に係る両面粘着シートの部分断面図である。 図1に示す両面粘着シートの部分拡大断面図である。 本発明の一の実施形態に係る両面粘着シートの部分断面図である。 図3に示す両面粘着シートの部分拡大断面図である。
図1は、本発明の一の実施形態に係る剥離ライナー付両面粘着シートたる粘着シートX1の部分断面図である。粘着シートX1は、両面粘着シート本体たる粘着シート本体10および剥離ライナーL1,L2を含む積層構造を有する。粘着シート本体10は、剥離ライナーL1,L2間に位置し、粘着剤層11よりなる。粘着シート本体10ないし粘着剤層11は、被着体に貼着し得る粘着面11',11'を有し、且つ、本実施形態では光透過性を有する。このような粘着シート本体10は、例えば、フラットパネルディスプレイ等の製造において利用可能な光学用両面粘着シートである。液晶ディスプレイ等の表示装置やタッチパネル等の入力装置は各種の基板や膜体を含む積層構造部を有するところ、当該積層構造内で隣り合う所定の部品間を接合するための光学用両面粘着シートとして、或いは、隣り合う部品間の間隙を充填するための光学用両面粘着シートとして、粘着シート本体10は利用可能である。粘着シートX1は、このような粘着シート本体10の粘着面11',11'を被覆するための剥離ライナーL1,L2を伴う剥離ライナー付両面粘着シートである。
粘着シートX1における粘着シート本体10ないし粘着剤層11は、主剤として粘着剤を含有する。主剤とは、含有成分中で最も大きな重量割合を占める成分とする。粘着剤層11は、例えば、アクリル系粘着剤たるアクリル系ポリマー、ウレタン系粘着剤たるポリウレタン、シリコーン系粘着剤、およびゴム系粘着剤からなる群より選択される少なくとも一種を含む。両面粘着シートの粘着剤層に求められる程度の粘着力と高い透明性とを併せて実現するという観点からは、粘着剤層11中の粘着剤としてはアクリル系ポリマーを採用するのが好ましい。
粘着剤層11がアクリル系粘着剤たるアクリル系ポリマーを含有する場合、好ましくは、当該アクリル系ポリマーは、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル、および/または、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル、に由来するモノマーユニットを重量割合で最も多い主たるモノマーユニットとして含む。以下では、「(メタ)アクリル」をもって、「アクリル」および/または「メタクリル」を表す。
上記アクリル系ポリマーのモノマーユニットをなすための、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、即ち、上記アクリル系ポリマーを形成するためのモノマー成分に含まれる直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸s-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、および(メタ)アクリル酸エイコシルなど、炭素数が1~20の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。アクリル系ポリマーのための当該(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、一種類の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いてもよいし、二種類以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いてもよい。本実施形態では、アクリル系ポリマーのための当該(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、好ましくは、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、およびアクリル酸イソステアリルからなる群より選択される少なくとも一種が用いられる。
上記アクリル系ポリマーにおける、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来のモノマーユニットの割合は、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。すなわち、当該アクリル系ポリマーを形成するための原料のモノマー成分組成における(メタ)アクリル酸アルキルエステルの割合は、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。このような(メタ)アクリル酸アルキルエステル割合を伴うモノマー成分組成に由来するモノマーユニット構成を、上記アクリル系ポリマーは有することとなる。直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの割合に関する当該構成は、アクリル系粘着剤たるアクリル系ポリマーの粘着性等の基本特性を、当該アクリル系ポリマーを含んで形成される粘着剤層11にて適切に発現させるうえで好適である。
粘着剤層11に含有されるアクリル系ポリマーは、脂環式モノマーに由来するモノマーユニットを含んでもよい。アクリル系ポリマーのモノマーユニットをなすための脂環式モノマー、即ち、当該アクリル系ポリマーを形成するためのモノマー成分に含まれる脂環式モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、二環式炭化水素環を有する(メタ)アクリル酸エステル、および、三環以上の炭化水素環を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘプチル、および(メタ)アクリル酸シクロオクチルが挙げられる。二環式炭化水素環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ボルニルおよび(メタ)アクリル酸イソボルニルが挙げられる。三環以上の炭化水素環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸トリシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸2-メチル-2-アダマンチル、および(メタ)アクリル酸2-エチル-2-アダマンチルが挙げられる。アクリル系ポリマーのための脂環式モノマーとしては、一種類の脂環式モノマーを用いてもよいし、二種類以上の脂環式モノマーを用いてもよい。本実施形態では、アクリル系ポリマーのための脂環式モノマーとして、好ましくは、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボルニル、およびメタクリル酸イソボルニルからなる群より選択される少なくとも一種が用いられる。
上記アクリル系ポリマーにおける、脂環式モノマー由来のモノマーユニットの割合は、当該アクリル系ポリマーを含んで形成される粘着剤層11において適度な柔軟性を実現するという観点から、好ましくは5~60重量%、より好ましくは10~50重量%、より好ましくは12~40重量%である。
粘着剤層11に含有されるアクリル系ポリマーは、水酸基含有モノマーに由来するモノマーユニットを含んでもよい。水酸基含有モノマーは、モノマーユニット内に少なくとも一つの水酸基を有することとなるモノマーである。粘着剤層11内のアクリル系ポリマーが水酸基含有モノマーユニットを含む場合、粘着剤層11において接着性や適度な凝集力を得られやすい。
上記アクリル系ポリマーのモノマーユニットをなすための水酸基含有モノマー、即ち、当該アクリル系ポリマーを形成するためのモノマー成分に含まれる水酸基含有モノマーとしては、例えば、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル、ビニルアルコール、およびアリルアルコールが挙げられる。水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6-ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシラウリル、および(メタ)アクリル酸(4-ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチルが挙げられる。アクリル系ポリマーのための水酸基含有モノマーとしては、一種類の水酸基含有モノマーを用いてもよいし、二種類以上の水酸基含有モノマーを用いてもよい。本実施形態では、アクリル系ポリマーのための水酸基含有モノマーとして、好ましくは、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2-ヒドロキシプロピル、アクリル酸4-ヒドロキシブチル、およびメタクリル酸4-ヒドロキシブチルからなる群より選択される少なくとも一種が用いられる。
上記アクリル系ポリマーにおける、水酸基含有モノマー由来のモノマーユニットの割合は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは2重量%以上、より好ましくは3重量%以上、より好ましくは7重量%以上、より好ましくは10重量%以上、より好ましくは15重量%以上である。上記アクリル系ポリマーにおける、水酸基含有モノマー由来のモノマーユニットの割合は、好ましくは35重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。水酸基含有モノマーの割合に関するこれら構成は、当該アクリル系ポリマーを含んで形成される粘着剤層11において接着性や適度な凝集力を実現するうえで好適である。
粘着剤層11に含有されるアクリル系ポリマーは、窒素原子含有モノマーに由来するモノマーユニットを含んでもよい。窒素原子含有モノマーは、モノマーユニット内に少なくとも一つの窒素原子を有することとなるモノマーである。粘着剤層11内のアクリル系ポリマーが窒素原子含有モノマーユニットを含む場合、粘着剤層11において硬さや良好な接着信頼性を得られやすい。
上記アクリル系ポリマーのモノマーユニットをなすための窒素原子含有モノマー、即ち、当該アクリル系ポリマーを形成するためのモノマー成分に含まれる窒素原子含有モノマーとしては、例えば、N-ビニル環状アミドおよび(メタ)アクリルアミド類が挙げられる。窒素原子含有モノマーたるN-ビニル環状アミドとしては、例えば、N-ビニル-2-ピロリドン、N-ビニル-2-ピペリドン、N-ビニル-3-モルホリノン、N-ビニル-2-カプロラクタム、N-ビニル-1,3-オキサジン-2-オン、およびN-ビニル-3,5-モルホリンジオンが挙げられる。窒素原子含有モノマーたる(メタ)アクリルアミド類としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-n-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-オクチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジプロピル(メタ)アクリルアミド、およびN,N-ジイソプロピル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。アクリル系ポリマーのための窒素原子含有モノマーとしては、一種類の窒素原子含有モノマーを用いてもよいし、二種類以上の窒素原子含有モノマーを用いてもよい。本実施形態では、アクリル系ポリマーのための窒素原子含有モノマーとして、好ましくはN-ビニル-2-ピロリドンが用いられる。
上記アクリル系ポリマーにおける、窒素原子含有モノマー由来のモノマーユニットの割合は、当該アクリル系ポリマーを含んで形成される粘着剤層11において、適度な硬さや、接着性、透明性を実現するという観点から、好ましくは1重量%以上、より好ましくは3重量%以上、より好ましくは5重量%以上である。また、上記アクリル系ポリマーにおける、窒素原子含有モノマー由来のモノマーユニットの割合は、当該アクリル系ポリマーを含んで形成される粘着剤層11において、充分な透明性を実現するという観点や、硬くなり過ぎることを抑制して良好な接着信頼性を実現するという観点から、好ましくは30重量%以下、より好ましくは25重量%以下である。
粘着剤層11に含有されるアクリル系ポリマーは、カルボキシ基含有モノマーに由来するモノマーユニットを含んでもよい。カルボキシ基含有モノマーは、モノマーユニット内に少なくとも一つのカルボキシ基を有することとなるモノマーである。粘着剤層11内のアクリル系ポリマーがカルボキシ基含有モノマーユニットを含む場合、粘着剤層11において良好な接着信頼性が得られることがある。
上記アクリル系ポリマーのモノマーユニットをなすためのカルボキシ基含有モノマー、即ち、当該アクリル系ポリマーを形成するためのモノマー成分に含まれるカルボキシ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、およびイソクロトン酸が挙げられる。アクリル系ポリマーのためのカルボキシ基含有モノマーとしては、一種類のカルボキシ基含有モノマーを用いてもよいし、二種類以上のカルボキシ基含有モノマーを用いてもよい。本実施形態では、アクリル系ポリマーのためのカルボキシ基含有モノマーとして、好ましくはアクリル酸が用いられる。
上記アクリル系ポリマーにおける、カルボキシ基含有モノマー由来のモノマーユニットの割合は、当該アクリル系ポリマーを含んで形成される粘着剤層11において、被着体表面に極性基が存在する場合の当該極性基とカルボキシ基の相互作用の寄与を得て良好な接着信頼性を確保するという観点から、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上である。また、上記アクリル系ポリマーにおける、カルボキシ基含有モノマー由来のモノマーユニットの割合は、当該アクリル系ポリマーを含んで形成される粘着剤層11において硬くなり過ぎることを抑制して良好な接着信頼性を実現するという観点から、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下である。
粘着剤層11に含有されるアクリル系ポリマーは、共重合性架橋剤たる多官能(メタ)アクリレートに由来する架橋構造を有してもよい。多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、およびビニル(メタ)アクリレートが挙げられる。アクリル系ポリマーのための多官能(メタ)アクリレートとしては、一種類の多官能(メタ)アクリレートを用いてもよいし、二種類以上の多官能(メタ)アクリレートを用いてもよい。本実施形態では、アクリル系ポリマーのための多官能(メタ)アクリレートとして、好ましくは、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、およびトリメチロールプロパントリアクリレートからなる群より選択される少なくとも一種が用いられる。
上記アクリル系ポリマーにおける、多官能(メタ)アクリレート由来のモノマーユニットの割合は、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.03重量%以上、より好ましくは0.05重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上である。上記アクリル系ポリマーにおける、多官能(メタ)アクリレート由来のモノマーユニットの割合は、好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下である。多官能(メタ)アクリレートの割合に関するこれら構成は、当該アクリル系ポリマーを含んで形成される粘着剤層11において適度な硬さや接着性を実現するうえで好適である。
粘着剤層11が以上のようなアクリル系ポリマーを粘着剤として含有する場合、粘着剤層11における当該アクリル系ポリマーの含有率は、例えば85~100重量%である。
粘着剤層11は、室温での高い粘着性を実現するという観点から例えば、原料モノマー組成が上述のアクリル系ポリマーとは異なるアクリル系オリゴマーを含有してもよい。粘着剤層11がそのようなアクリル系オリゴマーを含有する場合、粘着剤層11中のアクリル系オリゴマーの含有量は、粘着剤層11中の粘着剤ないしアクリル系ポリマー100重量部に対して例えば0.1~20重量部である。
上記オリゴマーは、好ましくは、環状構造を有する(メタ)アクリル酸エステル(環含有(メタ)アクリル酸エステル)に由来するモノマーユニットと、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するモノマーユニットとを含む重合体である。
上記オリゴマーのモノマーユニットをなすための環含有(メタ)アクリル酸エステル、即ち、当該オリゴマーを形成するためのモノマー成分に含まれる環含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、二環式炭化水素環を有する(メタ)アクリル酸エステル、三環以上の炭化水素環を有する(メタ)アクリル酸エステル、および、芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘプチル、および(メタ)アクリル酸シクロオクチルが挙げられる。二環式炭化水素環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ボルニルおよび(メタ)アクリル酸イソボルニルが挙げられる。三環以上の炭化水素環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸トリシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸2-メチル-2-アダマンチル、および(メタ)アクリル酸2-エチル-2-アダマンチルが挙げられる。芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、および(メタ)アクリル酸ベンジルが挙げられる。オリゴマーのための環含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、一種類の環含有(メタ)アクリル酸エステルを用いてもよいし、二種類以上の環含有(メタ)アクリル酸エステルを用いてもよい。本実施形態では、オリゴマーのための環含有(メタ)アクリル酸エステルとして、好ましくは、アクリル酸ジシクロペンタニルおよびメタクリル酸ジシクロペンタニルからなる群より選択される少なくとも一種が用いられる。
上記オリゴマーにおける、環含有(メタ)アクリル酸エステル由来のモノマーユニットの割合は、当該オリゴマーを含んで形成される粘着剤層11において適度な柔軟性を実現するという観点から、好ましくは10~90重量%、より好ましくは20~80重量%、より好ましくは35~75重量%である。
上記オリゴマーのモノマーユニットをなすための、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、即ち、当該オリゴマーを形成するためのモノマー成分に含まれる、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸s-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、および(メタ)アクリル酸エイコシルなど、炭素数が1~20の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。上記オリゴマーのための当該(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、一種類の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いてもよいし、二種類以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いてもよい。本実施形態では、上記オリゴマーのための当該(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、好ましくはメタクリル酸メチルが用いられる。
上記オリゴマーにおける、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来のモノマーユニットの割合は、当該オリゴマーを含んで形成される粘着剤層11において適度な弾性率を実現するという観点から、好ましくは10~90重量%、より好ましくは15~80重量%、より好ましくは20~60重量%である。
また、上記オリゴマーは、カルボキシ基含有モノマーや、アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー、イソシアネート基含有モノマー、イミド基含有モノマーに由来するモノマーユニットを含んでいてもよい。
上記オリゴマーの重量平均分子量(Mw)は、例えば1000~30000であり、好ましくは1000~20000、より好ましくは1500~10000である。上記オリゴマーを含んで形成される粘着剤層11において良好な粘着力を確保するという観点からは、当該オリゴマーの重量平均分子量は1000以上であるのが好ましい。一方、上記オリゴマーを含んで形成される粘着剤層11において特に室温での粘着力を確保するという観点からは、当該オリゴマーの重量平均分子量は30000以下であるのが好ましい。
上記オリゴマーの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法により測定することができる。例えば、GPC測定装置(商品名「HLC-8120GPC」,東ソー株式会社製)を使用して、下記の測定条件の下、標準ポリスチレン換算値として重量平均分子量(Mw)を求めることができる。
・カラム:TSKgel SuperAWM-H(上流側,東ソー株式会社製)とTSKgel SuperAW4000(東ソー株式会社製)とTSKgel SuperAW2500(下流側,東ソー株式会社製)とを直列に接続
・カラムサイズ:各カラムとも6.0mmφ×150mm
・カラム温度(測定温度):40℃
・溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
・流量:0.4mL/分
・サンプル注入量:20μL
・サンプル濃度:約2.0g/L(テトラヒドロフラン溶液)
・標準試料:ポリスチレン
・検出器:示差屈折計(RI)
粘着剤層11は、シランカップリング剤を含有してもよい。シランカップリング剤としては、例えば、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、およびN-フェニル-アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。シランカップリング剤としては、商品名「KBM-403」(信越化学工業株式会社製)等の市販品も挙げられる。シランカップリング剤としては、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
粘着剤層11がシランカップリング剤を含有する場合、粘着剤層11中のシランカップリング剤の含有量は、粘着剤層11中の粘着剤ないしアクリル系ポリマー100重量部に対して好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.02重量部以上である。また、粘着剤層11中のシランカップリング剤の含有量は、アクリル系ポリマー100重量部に対して好ましくは1重量部以下、より好ましくは0.5重量部以下である。シランカップリング剤の含有量に関する当該構成は、当該シランカップリング剤を含んで形成される粘着剤層11において、加湿条件下での高い接着性、特にガラスに対する高い接着性を、実現するうえで好適である。
粘着剤層11は、紫外線吸収剤を含有してもよい。紫外線吸収剤は、紫外線を効率よく吸収可能であり且つ吸収したエネルギーを熱や赤外線などに変えて放出可能な化学種である。そのような紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、オキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤、およびシアノアクリレート系紫外線吸収剤が挙げられる。粘着剤層11は、一種類の紫外線吸収剤を含有してもよいし、二種類以上の紫外線吸収剤を含有してもよい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2-(2-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール(商品名「TINUVIN PS」,BASF社製)、ベンゼンプロパン酸3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシの炭素数7~9のアルキルエステル(商品名「TINUVIN 384-2」,BASF社製)、オクチル3-[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェニル]プロピオネートおよび2-エチルヘキシル-3-[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2イル)フェニル]プロピオネートの混合物(商品名「TINUVIN 109」,BASF社製)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール(商品名「TINUVIN 900」,BASF社製)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール(商品名「TINUVIN 928」,BASF製)、メチル3-(3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートとポリエチレングリコール300との反応生成物(商品名「TINUVIN 1130」,BASF社製)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-p-クレゾール(商品名「TINUVIN P」,BASF社製)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール(商品名「TINUVIN 234」,BASF社製)、2-[5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル]-4-メチル-6-(tert-ブチル)フェノール(商品名「TINUVIN 326」,BASF社製)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジ-tert-ペンチルフェノール(商品名「TINUVIN 328」,BASF社製)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール(商品名「TINUVIN 329」,BASF社製)、2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール](商品名「TINUVIN 360」,BASF社製)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-ドデシル-4-メチルフェノール(商品名「TINUVIN 571」,BASF社製)、2-[2-ヒドロキシ-3-(3,4,5,6-テトラヒドロフタルイミド-メチル)-5-メチルフェニル]ベンゾトリアゾール(商品名「Sumisorb 250」,住友化学株式会社製)、および2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-tert-オクチルフェノール](商品名「アデカスタブ LA-31」,株式会社ADEKA製)が挙げられる。
ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2-(4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-ヒドロキシフェニルと[(炭素数10~16のアルキルオキシ)メチル]オキシランとの反応生成物(商品名「TINUVIN 400」,BASF社製)、2-[4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-[3-(ドデシルオキシ)-2-ヒドロキシプロポキシ]フェノール)、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス-(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンと(2-エチルヘキシル)-グリシド酸エステルとの反応生成物(商品名「TINUVIN 405」,BASF社製)、2,4-ビス(2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル)-6-(2,4-ジブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(商品名「TINUVIN 460」,BASF社製)、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[(ヘキシル)オキシ]-フェノール(商品名「TINUVIN 1577」,BASF社製)、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[2-(2-エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]-フェノール(商品名「アデカスタブ LA-46」,株式会社ADEKA製)、および2-(2-ヒドロキシ-4-[1-オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)-4,6-ビス(4-フェニルフェニル)-1,3,5-トリアジン(商品名「TINUVIN 479」,BASF社製)が挙げられる。
サリチル酸エステル系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニル2-アクリロイルオキシベンゾエート、フェニル2-アクリロイルオキシ-3-メチルベンゾエート、フェニル2-アクリロイルオキシ-4-メチルベンゾエート、フェニル2-アクリロイルオキシ-5-メチルベンゾエート、フェニル2-アクリロイルオキシ-3-メトキシベンゾエート、フェニル2-ヒドロキシベンゾエート、フェニル2-ヒドロキシ-3-メチルベンゾエート、フェニル2-ヒドロキシ-4-メチルベンゾエート、フェニル2-ヒドロキシ-5-メチルベンゾエート、フェニル2-ヒドロキシ-3-メトキシベンゾエート、および2,4-ジ-tert-ブチルフェニル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート(商品名「TINUVIN 120」,BASF社製)が挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤やオキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸、2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシベンゾフェノン、4-ドデシルオキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、4-ベンジルオキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(商品名「KEMISORB 111」,ケミプロ化成株式会社製)、2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン(商品名「SEESORB 106」,シプロ化成株式会社製)、および2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノンが挙げられる。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、アルキル2-シアノアクリレート、シクロアルキル2-シアノアクリレート、アルコキシアルキル2-シアノアクリレート、アルケニル2-シアノアクリレート、およびアルキニル2-シアノアクリレートが挙げられる。
粘着剤層11に含有される紫外線吸収剤は、高い紫外線吸収性を有するとともに高い光安定性を有するという観点や、透明性の高い粘着剤層11を得やすいという観点から、好ましくは、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、およびベンゾフェノン系紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも一種である。粘着剤層11に含有される紫外線吸収剤は、より好ましくは、炭素数6以上の炭化水素基および水酸基を置換基として有するフェニル基がベンゾトリアゾール環を構成する窒素原子に結合しているベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤である。
粘着剤層11が紫外線吸収剤を含有する場合、粘着剤層11中の紫外線吸収剤の含有量は、粘着剤層11における波長350nmの光の透過率を制御して高い紫外線吸収性を実現するという観点から、粘着剤層11中の粘着剤ないしアクリル系ポリマー100重量部に対して好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.05重量部以上、より好ましくは0.1重量部以上である。また、粘着剤層11中の紫外線吸収剤の含有量は、粘着剤層11において紫外線吸収剤の添加に伴う粘着剤の黄色化現象の発生を抑制して優れた光学特性や高い透明性を実現するという観点から、粘着剤層11中の粘着剤ないしアクリル系ポリマー100重量部に対して好ましくは10重量部以下、より好ましくは9重量部以下、より好ましくは8重量部以下である。
粘着剤層11は、光安定剤を含有してもよい。粘着剤層11は、光安定剤を含有する場合、好ましくは紫外線吸収剤を共に含有する。光安定剤は、紫外線等の光の照射に因って生成し得るラジカルを捕捉可能な化学種である。光安定剤としては、例えば、フェノール系光安定剤、リン系光安定剤、チオエーテル系光安定剤、および、ヒンダードアミン系光安定剤等のアミン系光安定剤が、挙げられる。粘着剤層11は、一種類の光安定剤を含有してもよいし、二種類以上の光安定剤を含有してもよい。
フェノール系光安定剤としては、例えば、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、4-ヒドロキシメチル-2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、ブチル化ヒドロキシアニソール、n-オクタデシル3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)プロピオネート、ジステアリル(4-ヒドロキシ-3-メチル-5-tert-ブチル)ベンジルマロネート、トコフェロール、2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2'-メチレンビス(4-エチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4'-メチレンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、4,4'-ブチリデンビス(6-tert-ブチル-m-クレゾール)、4,4'-チオビス(6-tert-ブチル-m-クレゾール)、スチレン化フェノール、N,N'-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシヒドロシンナミド、ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸エチルエステル)カルシウム、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタン、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、1,6-ヘキサンジオール-ビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、2,2'-メチレンビス[6-(1-メチルシクロヘキシル)-p-クレゾール]、1,3,5-トリス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌル酸、トリエチレングリコール-ビス[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート]、2,2'-オキサミドビス[エチル3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルアニリノ)-2,4-ジオクチルチオ-1,3,5-トリアジン、ビス[2-tert-ブチル-4-メチル-6-(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-メチルベンジル)フェニル]テレフタレート、3,9-ビス{2-[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ]-1,1-ジメチルエチル}-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、および3,9-ビス{2-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]-1,1-ジメチルエチル}-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンが挙げられる。
リン系光安定剤としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、トリス[2-tert-ブチル-4-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニルチオ)-5-メチルフェニル]ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6-トリ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)-4,4'-n-ブチリデンビス(2-tert-ブチル-5-メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)-1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10-ジハイドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナンスレン-10-オキサイド、およびトリス(2-[(2,4,8,10-テトラキス-tert-ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン-6-イル)オキシ]エチル)アミンが挙げられる。
チオエーテル系光安定剤としては、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチル、およびチオジプロピオン酸ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート化合物、並びに、テトラキス[メチレン(3-ドデシルチオ)プロピオネート]メタン等のポリオールのβ-アルキルメルカプトプロピオン酸エステル化合物が挙げられる。
アミン系光安定剤としては、例えば、コハク酸ジメチルと4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールとの重合物(商品名「TINUVIN 622」,BASF社製)、当該重合物とN,N',N'',N'''-テトラキス-(4,6-ビス-(ブチル-(N-メチル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ)-トリアジン-2-イル)-4,7-ジアザデカン-1,10-ジアミンとの1対1反応生成物(商品名「TINUVIN 119」,BASF社製)、ポリ[{6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2-4-ジイル}{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}](商品名「TINUVIN 944」,BASF社製)、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート(商品名「TINUVIN 770」,BASF社製)、デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)-4-ピペリジニル)エステルと1,1-ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンとの反応生成物(商品名「TINUVIN 123」,BASF社製)、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート(商品名「TINUVIN 144」,BASF社製)、シクロヘキサンおよび過酸化N-ブチル2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジンアミン-2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンの反応生成物と2-アミノエタノールとの反応生成物(商品名「TINUVIN 152」,BASF社製)、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケートおよびメチル1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルセバケートの混合物(商品名「TINUVIN 292」,BASF社製)、並びに、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジノールおよび3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとの混合エステル化物(商品名「アデカスタブ LA-63P」,株式会社ADEKA製)が挙げられる。アミン系安定剤としては、特にヒンダードアミン系安定剤が好ましい。
粘着剤層11が光安定剤を含有する場合、粘着剤層11中の光安定剤の含有量は、粘着剤層11において充分な耐光性を実現するという観点から、粘着剤層11中の粘着剤ないしアクリル系ポリマー100重量部に対して好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.2重量部以上である。また、粘着剤層11中の光安定剤の含有量は、粘着剤層11において光安定剤に因る着色を抑制して高い透明性を実現するという観点から、粘着剤層11中の粘着剤ないしアクリル系ポリマー100重量部に対して好ましくは5重量部以下、より好ましくは3重量部以下である。
粘着剤層11に含有される粘着剤ないしアクリル系ポリマーは、上述の共重合性架橋剤ではない架橋剤で架橋されていてもよい。当該架橋剤による粘着剤ないしアクリル系ポリマーの架橋を利用して、粘着剤層11のゲル分率を調整することが可能である。そのような架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、およびアミン系架橋剤が挙げられる。粘着剤層11は、一種類の当該架橋剤を含有してもよいし、二種類以上の当該架橋剤を含有してもよい。本実施形態では、好ましくはイソシアネート系架橋剤およびエポキシ系架橋剤からなる群より選択される少なくとも一種が用いられる。
イソシアネート系架橋剤としては、例えば、低級脂肪族ポリイソシアネート類、脂環式ポリイソシアネート類、および芳香族ポリイソシアネート類が挙げられる。低級脂肪族ポリイソシアネート類としては、例えば、1,2-エチレンジイソシアネート、1,4-ブチレンジイソシアネート、および1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられる。脂環式ポリイソシアネート類としては、例えば、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、および水素添加キシレンジイソシアネートが挙げられる。芳香族ポリイソシアネート類としては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、およびキシリレンジイソシアネートが挙げられる。また、イソシアネート系架橋剤としては、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート付加物(商品名「コロネートL」,日本ポリウレタン工業株式会社製)、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート付加物(商品名「コロネートHL」,日本ポリウレタン工業株式会社製)、およびトリメチロールプロパン/キシリレンジイソシアネート付加物(商品名「タケネートD-110N」,三井化学株式会社製)等の市販品も挙げられる。
エポキシ系架橋剤(多官能エポキシ化合物)としては、例えば、N,N,N',N'-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン、ジグリシジルアニリン、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o-フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジル-トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、レゾルシンジグリシジルエーテル、およびビスフェノール-S-ジグリシジルエーテルが挙げられる。また、エポキシ系架橋剤としては、エポキシ基を二つ以上有するエポキシ系樹脂も挙げられる。加えて、エポキシ系架橋剤としては、商品名「テトラッドC」(三菱ガス化学株式会社製)等の市販品も挙げられる。
アクリル系ポリマー間を架橋するための以上のような架橋剤を粘着剤層11が含有する場合、粘着剤層11中の当該架橋剤の含有量は、粘着剤層11において被着体に対する充分な接着信頼性を実現するという観点から、粘着剤層11中の粘着剤ないしアクリル系ポリマー100重量部に対して好ましくは0.001重量部以上、より好ましくは0.01重量部以上である。また、粘着剤層11中の当該架橋剤の含有量は、粘着剤層11において適度な柔軟性を発現させて良好な粘着力を実現するという観点から、粘着剤層11中の粘着剤ないしアクリル系ポリマー100重量部に対して好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下である。
粘着剤層11は、必要に応じて、架橋促進剤、粘着付与樹脂、老化防止剤、充填剤、顔料や染料などの着色剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、可塑剤、軟化剤、界面活性剤、および帯電防止剤などの添加剤を更に含有してもよい。粘着付与樹脂としては、例えば、ロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、および油溶性フェノールが挙げられる。
粘着シート本体10ないし粘着剤層11の厚さは、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、より好ましくは25μm以上、より好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上、より好ましくは200μm以上である。また、粘着シート本体10ないし粘着剤層11の厚さは、好ましくは1000μm以下、より好ましくは900μm以下、より好ましくは800μm以下である。
光学用の粘着シート本体10ないし粘着剤層11の厚さ方向のヘーズは、例えば3%以下であり、好ましくは2.5%以下、より好ましくは2%以下、より好ましくは1.5%以下、より好ましくは1%以下である。ヘーズは、JIS K 7136に準拠して測定される値とする。また、光学用の粘着シート本体10ないし粘着剤層11について、可視光波長領域における全光線透過率は、例えば85%以上である。全光線透過率は、JIS K 7361-1に準拠して測定される値とする。
粘着剤層11の23℃における貯蔵弾性率、即ち、粘着剤層11の構成材料の23℃における貯蔵弾性率は、好ましくは1.0×104Pa以上、より好ましくは5.0×104Pa以上、より好ましくは1.0×105Pa以上である。また、粘着剤層11の23℃における貯蔵弾性率の上限は、例えば1.0×107Paである。このような貯蔵弾性率については、例えば、動的粘弾性測定装置(商品名「ARES」,レオメトリック社製)を使用して行う動的粘弾性測定から求めることができる。本測定においては、測定モードをせん断モードとし、測定温度範囲を例えば-70℃~150℃とし、昇温速度を例えば5℃/分とし、周波数を例えば1Hzとする。
粘着シートX1における剥離ライナーL1は、粘着シート本体10の一方の粘着面11'を被覆するための要素であり、粘着シート本体10を被着体に貼り合せる際に粘着シート本体10から剥がされる。粘着シートX1における剥離ライナーL2は、粘着シート本体10の他方の粘着面11'を被覆するための要素であり、粘着シート本体10を被着体に貼り合せる際に粘着シート本体10から剥がされる。剥離ライナーL1,L2としては、例えば、樹脂フィルムや紙などのライナー基材の表面に剥離処理層を有する剥離ライナーや、フッ素系ポリマーやポリオレフィン系樹脂等の低接着性材料からなる剥離ライナーを用いることができる。剥離ライナー用の樹脂フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレートが挙げられる。剥離処理層は、例えば、シリコーン系剥離処理剤、長鎖アルキル系剥離処理剤、フッ素系剥離処理剤、または硫化モリブデン剥離処理剤をライナー基材表面に作用させることによってライナー基材に生ずる表面処理層である。剥離ライナー用のフッ素系ポリマーとしては、例えばポリテトラフルオロエチレンが挙げられる。剥離ライナー用のポリオレフィン系樹脂としては、例えばポリエチレンおよびポリプロピレンが挙げられる。剥離ライナーL1,L2の厚さは、それぞれ、例えば5~200μmである。
粘着シートX1における粘着シート本体10たる粘着剤層11の外周端11aの一部または全部の領域は、シート面内方向において、例えば図2に示すように、剥離ライナーL1,L2の外周端L1a,L2aから離れた位置にある。シート面内方向とは、粘着シートX1ないし粘着シート本体10(粘着剤層11)の厚さ方向に直交する面内方向をいうものとする。剥離ライナーL1,L2の外周端L1a,L2aは、シート面内方向において同一位置にあってもよいし、異なる位置にあってもよい。剥離ライナーL1,L2について図2に示す外周端L1a,L2aは、シート面内方向において同一位置にある。本実施形態において具体的には、粘着剤層11の外周端11aの一部または全部の領域は、シート面内方向において、剥離ライナーL1にて最も近接する外周端L1aに対してシートの内方に5~2000μmの距離にあり、且つ、剥離ライナーL2にて最も近接する外周端L2aに対してシートの内方に5~2000μmの距離にある。剥離ライナーL1の外周端L1aからシート面内方向に離れて位置する粘着剤層11の外周端11aと当該外周端L1aとの間のシート面内方向の離隔距離Dは、好ましくは10μm以上、より好ましくは30μm以上、より好ましくは40μm以上、より好ましくは50μm以上である。また、当該外周端11a,L1a間の離隔距離Dは、好ましくは1500μm以下、より好ましくは1000μm以下、より好ましくは500μm以下、より好ましくは300μm以下である。剥離ライナーL2の外周端L2aからシート面内方向に離れて位置する粘着剤層11の外周端11aと当該外周端L2aとの間のシート面内方向の離隔距離Dは、好ましくは10μm以上、より好ましくは30μm以上、より好ましくは40μm以上、より好ましくは50μm以上である。また、当該外周端11a,L2a間の離隔距離Dは、好ましくは1500μm以下、より好ましくは1000μm以下、より好ましくは500μm以下、より好ましくは300μm以下である。
以上のような構成の粘着シートX1は、例えば次のようにして製造することができる。まず、打抜き加工や切削加工等の加工を経て粘着シートX1を生ずるための、剥離ライナー付両面粘着シート原材を用意する。例えば、所定の剥離ライナー上に粘着剤層11形成用の粘着剤組成物を塗布して粘着剤組成物層を形成し、当該粘着剤組成物層上に更なる剥離ライナーを積層し、剥離ライナー間で粘着剤組成物を硬化させることによって、剥離ライナー付両面粘着シート原材を作製することができる。この剥離ライナー付両面粘着シート原材は、剥離ライナーL1を生ずるためのプリ第1剥離ライナーと、剥離ライナーL2を生ずるためのプリ第2剥離ライナーと、当該プリ第1およびプリ第2剥離ライナーの間に位置するプリ両面粘着シート本体(粘着剤層)とを含む積層構造を有する。次に、剥離ライナー付両面粘着シート原材がその厚さ方向に加圧力を受けた状態で、当該粘着シート原材に対し、目的の外郭寸法を有する粘着シートX1が形成されるように加工を施す。剥離ライナー付両面粘着シート原材が厚さ方向に加圧力を受けた状態では、当該原材のプリ粘着シート本体ないし弾性体たる粘着剤層は、加圧力に応じて弾性変形し得て、加圧力に応じた伸び率で原材の面内方向に弾性的に伸び広がり、原材の外周端ではプリ第1剥離ライナーとプリ第2剥離ライナーとの間から弾性的に膨出した状態をとり得る。加工の手段としては、例えば、打抜き加工および/または切削加工が挙げられる。打抜き加工としては、例えば、いわゆるトムソン加工、即ち、トムソン刃を使用して行う打抜き加工が、挙げられる。切削加工としては、例えば、いわゆるフルバック加工が挙げられる。当該加工工程では、具体的には、加工によって粘着シートX1の外周端の一部または全部が新たに形作られて目的の外郭寸法の粘着シートX1が得られるように、厚さ方向に加圧力を受けた状態にある剥離ライナー付両面粘着シート原材に対して打抜き加工および/または切削加工等の加工が施される。そして、加圧状態が解かれて得られる粘着シートX1において、粘着剤層11は、弾性変形状態から非変形状態に復帰し、加工工程で新たに生じた粘着シートX1の外周端にて剥離ライナーL1と剥離ライナーL2との間で内方に退避した状態をとる。すなわち、製造される粘着シートX1においては、例えば図2に示すように、粘着剤層11の外周端11aの一部または全部の領域は、剥離ライナーL1,L2の外周端L1a,L2aからシート面内方向において内方に離れて位置することとなる。
粘着剤層11形成用の粘着剤組成物としては、例えば、活性エネルギー線の照射によって重合反応が進行して硬化可能な粘着剤組成物が用いられる。すなわち、粘着剤層11は、例えば活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物の硬化物である。アクリル系粘着剤層形成用の活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物は、アクリル系ポリマーを形成するためのモノマー、オリゴマー、および光重合開始剤を少なくとも含有する。当該組成物中のモノマーおよびオリゴマーは、アクリル系ポリマーを形成するための所定組成のモノマー混合物のいわゆる部分重合物として供することができる。また、当該粘着剤組成物は、形成される粘着剤層11の成分として必要に応じて採用されるその他の成分を含有してもよい。粘着剤層11の硬化のために活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物に照射される活性エネルギー線としては、例えば、紫外線、α線、β線、γ線、中性子線、および電子線が挙げられ、好ましくは紫外線が採用される。活性エネルギー線の照射を受けた、アクリル系粘着剤層形成用の活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物においては、光重合開始剤の活性化を経て開始反応が生じ、アクリル系ポリマーの形成に向けて重合反応が進行する。粘着剤層形成用の硬化性粘着剤組成物の硬化手法として紫外線照射等の活性エネルギー線照射を採用すると、当該粘着剤組成物の塗膜が比較的に厚い場合であっても、適切に硬化した粘着剤層を得やすい。したがって、粘着剤層11が活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物の硬化物であるという構成は、比較的に厚くても充分に硬化した粘着剤層11を実現するうえで好適である。
上記の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α-ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、およびチオキサントン系光重合開始剤が挙げられる。ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、および2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オンが挙げられる。アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2,2-ジエトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、および4-(t-ブチル)ジクロロアセトフェノンが挙げられる。α-ケトール系光重合開始剤としては、例えば、2-メチル-2-ヒドロキシプロピオフェノン、および1-[4-(2-ヒドロキシエチル)フェニル]-2-メチルプロパン-1-オンが挙げられる。芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤としては、例えば2-ナフタレンスルホニルクロリドが挙げられる。光活性オキシム系光重合開始剤としては、例えば1-フェニル-1,1-プロパンジオン-2-(o-エトキシカルボニル)-オキシムが挙げられる。ベンゾイン系光重合開始剤としては、例えばベンゾインが挙げられる。ベンジル系光重合開始剤としては、例えばベンジルが挙げられる。ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3'-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、およびポリビニルベンゾフェノンが挙げられる。ケタール系光重合開始剤としては、例えばベンジルジメチルケタールが挙げられる。チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば、チオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-メチルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、およびドデシルチオキサントンが挙げられる。活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物における光重合開始剤の含有量は、例えば0.01~3重量%である。
粘着剤層11形成用の粘着剤組成物としては、粘着剤たるアクリル系ポリマーを既に含有して例えば加熱乾燥によって硬化可能な溶剤型粘着剤組成物やエマルション型粘着剤組成物を用いてもよい。当該組成物は、形成される粘着剤層11の成分として必要に応じて採用されるその他の成分を含有してもよい。当該粘着剤組成物中のアクリル系ポリマーは、アクリル系ポリマー形成用の原料モノマー成分を重合して得ることができる。重合手法としては、例えば、溶液重合、乳化重合、および塊状重合が挙げられる。溶液重合を行うに際しては、溶媒として、例えば、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、脂環式炭化水素類、エステル類、およびケトン類を用いることができる。芳香族炭化水素類の溶媒としては、例えば、トルエンおよびベンゼンが挙げられる。脂肪族炭化水素類の溶媒としては、例えば、n-ヘキサンおよびn-ヘプタンが挙げられる。脂環式炭化水素類の溶媒としては、例えば、シクロヘキサンおよびメチルシクロヘキサンが挙げられる。エステル類の溶媒としては、例えば、酢酸エチルおよび酢酸n-ブチルが挙げられる。ケトン類の溶媒としては、例えば、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトンが挙げられる。溶液重合においては、一種類の溶媒を用いてもよいし、二種類以上の溶媒を用いてもよい。
アクリル系ポリマーを得るために原料モノマー成分を重合する際には、重合開始剤を用いることができる。重合反応の種類に応じて、例えば、光重合開始剤や熱重合開始剤を用いることができる。重合の際には、一種類の重合開始剤を用いてもよいし、二種類以上の重合開始剤を用いてもよい。
光重合開始剤としては、例えば、上記のベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α-ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、およびチオキサントン系光重合開始剤が挙げられる。光重合開始剤の使用量は、例えば、モノマー成分全量(100重量部)に対して0.01~3重量部である。
熱重合開始剤としては、例えば、アゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤、およびレドックス系重合開始剤が挙げられる。アゾ系重合開始剤としては、例えば、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス-2-メチルブチロニトリル、2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオン酸)ジメチル、および4,4'-アゾビス-4-シアノバレリアン酸が挙げられる。過酸化物系重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイルおよびtert-ブチルペルマレエートが挙げられる。熱重合開始剤の使用量は、例えば、モノマー成分全量(100重量部)に対して0.05~0.3重量部である。
上記アクリル系ポリマーを得るための重合に際しては、アクリル系ポリマーの分子量を調整するために、連鎖移動剤を使用することができる。連鎖移動剤としては、例えば、α-チオグリセロール、2-メルカプトエタノール、2,3-ジメルカプト-1-プロパノール、オクチルメルカプタン、t-ノニルメルカプタン、ドデシルメルカプタン(ラウリルメルカプタン)、t-ドデシルメルカプタン、グリシジルメルカプタン、チオグリコール酸、チオグリコール酸メチル、チオグリコール酸エチル、チオグリコール酸プロピル、チオグリコール酸ブチル、チオグリコール酸t-ブチル、チオグリコール酸2-エチルヘキシル、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸イソオクチル、チオグリコール酸デシル、およびチオグリコール酸ドデシルが挙げられる。連鎖移動剤としては、一種類の連鎖移動剤を用いてもよいし、二種類以上の連鎖移動剤を用いてもよい。本実施形態では、連鎖移動剤として、好ましくはα-チオグリセロールが用いられる。連鎖移動剤の使用量は、例えば、アクリル系ポリマーを得るためのモノマー成分全量(100重量部)に対して0.01~0.5重量部である。
活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物や、溶剤型粘着剤組成物、エマルション型粘着剤組成物などの、粘着剤層11形成用の粘着剤組成物が、上述のアクリル系オリゴマーを含む場合、当該オリゴマーは、所定組成の原料モノマー成分を重合して得ることができる。重合手法としては、例えば、溶液重合、乳化重合、および塊状重合が挙げられる。溶液重合のための溶媒としては、アクリル系ポリマーを得るための溶液重合に用いることのできる溶媒として上記したものが挙げられる。当該溶液重合においては、一種類の溶媒を用いてもよいし、二種類以上の溶媒を用いてもよい。また、上記オリゴマーを得るために原料モノマー成分を重合する際には、重合開始剤を用いることができる。当該重合開始剤としては、アクリル系ポリマーを得るための重合に用いることのできる重合開始剤として上記した光重合開始剤や熱重合開始剤が挙げられる。重合の際には、一種類の重合開始剤を用いてもよいし、二種類以上の重合開始剤を用いてもよい。
例えば以上のようにして製造される剥離ライナー付両面粘着シートたる粘着シートX1における粘着シート本体10ないし粘着剤層11の外周端11aの一部または全部の領域は、例えば図2に示すように、剥離ライナーL1,L2の外周端L1a,L2aからシート面内方向に離れて位置する。粘着シートX1の厚さ方向の断面にて当該シートの外周端部に例えば凹形状をなすように、粘着剤層11の外周端11aは、剥離ライナーL1,L2の外周端L1a,L2aからシート面内方向に離れて位置する領域を有するのである。そして、剥離ライナーL1,L2の外周端L1a,L2aからシート面内方向に離れて位置する粘着剤層11の外周端11aと当該外周端L1a,L2aとの間のシート面内方向の離隔距離Dは、上述のように5~2000μmである。このような粘着シートX1からの剥離ライナーL1または剥離ライナーL2の剥離の際には、粘着シート本体10ないし粘着剤層11の外周端11aが剥離ライナーL1,L2の外周端L1a,L2aからシート面内方向に離れて位置する部位(外周端離隔部位)を利用すると、剥離作業を行いやすい。具体的には、外周端離隔部位では、例えば作業者の指先を、粘着剤層11に当接させずに剥離対象の剥離ライナーL1または剥離ライナーL2に当接させやすく、従って、剥離対象の剥離ライナーと粘着剤層11との間の界面の端から両者の分離が開始するように当該剥離ライナーにおいて剥離のための適切な変形を開始させやすい。このように、粘着シートX1では、粘着シート本体10から例えば手作業によって剥離ライナーL1,L2を剥離させやすい。
また、粘着シートX1の外周端離隔部位では、上述のように、剥離ライナーL1または剥離ライナーL2の剥離に際して作業者の指先等を粘着剤層11に当接させずに剥離対象の剥離ライナーL1または剥離ライナーL2に当接させやすい。これとともに、粘着シートX1の外周端離隔部位では、上述のように、剥離対象の剥離ライナーL1または剥離ライナーL2と粘着剤層11との間の界面の端から両者の分離が開始するように当該剥離ライナーにおいて剥離のための適切な変形を開始させやすい。これらは、それぞれ、外周端離隔部位を利用して剥離ライナーの剥離を行うことが可能な粘着シートX1において、剥離ライナー剥離時に粘着シート本体10ないし粘着剤層11の粘着面11'の一部が当該剥離ライナーに引っ張られて粘着面11'ないし粘着剤層11に部分的な破損や欠損が生ずるのを抑制するうえで、好適である。
加えて、粘着シートX1では、剥離ライナーL1,L2の外周端L1a,L2aからシート面内方向に離れて位置する粘着剤層11の外周端11aと当該外周端L1a,L2aとの間のシート面内方向の離隔距離Dは、上述のように5~2000μmである。このような構成を伴う粘着シートX1は、上述のように、粘着剤層の弾性変形とその後の形状復帰とを利用して効率よく製造するのに適する。粘着剤層の弾性変形とその後の形状復帰とを利用した結果として生じる剥離ライナーL1,L2の外周端L1a,L2aと粘着剤層11の外周端11aとの間の離隔の距離(離隔距離D)は、比較的に短い5~2000μmの範囲内に収まる傾向にある。一方、粘着シート本体10ないし粘着剤層11よりも例えば5000μm以上に外郭寸法の大きな剥離ライナーを伴う両面粘着シートを製造するには、例えば、粘着シート本体10ないし粘着剤層11と外郭寸法が同一の剥離ライナーを粘着面11',11'に伴う剥離ライナー付両面粘着シートを製造した後に、粘着シート本体10よりもそのように外郭寸法の大きな剥離ライナーに各剥離ライナーを貼り替える必要がある。しかしながら、このような手法は、材料費や工程数の観点から、効率的でない。剥離ライナーL1,L2の外周端L1a,L2aからシート面内方向に離れて位置する粘着剤層11の外周端11aと当該外周端L1a,L2aとの間の離隔距離Dが5~2000μmである粘着シートX1は、粘着剤層の弾性変形とその後の形状復帰とを利用した上述のような過程を経て効率よく製造するのに適するのである。
以上のように、剥離ライナー付両面粘着シートたる粘着シートX1は、剥離ライナーL1,L2の剥離作業を行いやすく且つ剥離ライナー剥離時の粘着剤層11の部分的な破損や欠損を抑制するのに適するとともに、効率よく製造するのに適する。加えて、シート面内方向において剥離ライナーL1,L2の外周端L1a,L2aから離れて位置する粘着剤層11の外周端11aと当該外周端L1a,L2aとの間の離隔距離Dが5~2000μmである粘着シートX1は、粘着シート本体10について求められる寸法を実現しつつも粘着シートX1の外郭寸法すなわち剥離ライナーL1,L2の外郭寸法が粘着シート本体10の寸法を大きく超えて過大となるのを回避するのに適する。
粘着シートX1における粘着シート本体10ないし粘着剤層11の厚さは、上述のように、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、より好ましくは25μm以上、より好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上、より好ましくは200μm以上である。このような構成は、粘着剤層11において被着体に対する充分な粘着力を実現するうえで好適である。また、粘着剤層11の厚さが25μm以上であって、好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上、より好ましくは200μm以上であるという構成は、上述の外周端離隔部位において剥離ライナーL1,L2の外周端L1a,L2aと粘着剤層11の外周端11aとの間の離隔距離Dを5μm以上であってより長く確保するうえで好適である。粘着剤層が厚いほど、当該粘着剤層が厚さ方向に加圧力を受けた時の当該粘着剤層の面内方向への弾性変形量は大きい傾向にあるからである。一方、粘着剤層11の形成のし易さという観点からは、粘着シート本体10ないし粘着剤層11の厚さは、上述のように、好ましくは1000μm以下、より好ましくは900μm以下、より好ましくは800μm以下である。
粘着剤層11の23℃における貯蔵弾性率は、上述のように、好ましくは1.0×104Pa以上、より好ましくは5.0×104Pa以上、より好ましくは1.0×105Pa以上である。このような構成は、上述の外周端離隔部位における離隔距離Dが5~2000μmである粘着シートX1について、粘着剤層の弾性変形とその後の形状復帰とを利用して効率よく製造するうえで好適である。
図3は、本発明の一の実施形態に係る剥離ライナー付両面粘着シートたる粘着シートX2の部分断面図である。粘着シートX2は、両面粘着シート本体たる粘着シート本体20および剥離ライナーL1,L2を含む積層構造を有する。粘着シート本体20は、剥離ライナーL1,L2間に位置し、第1粘着剤層たる粘着剤層21と、第2粘着剤層たる粘着剤層22と、当該粘着剤層21,22間に位置する基材23とを含む積層構造を有し、且つ、本実施形態では光透過性を有する。粘着シート本体20における粘着剤層21は、被着体に貼着し得る粘着面21'を有し、粘着剤層22は、被着体に貼着し得る粘着面22'を有する。このような粘着シート本体20は、例えば、フラットパネルディスプレイ等の製造において利用可能な光学用両面粘着シートである。液晶ディスプレイ等の表示装置やタッチパネル等の入力装置は各種の基板や膜体を含む積層構造部を有するところ、当該積層構造内で隣り合う所定の部品間を接合するための光学用両面粘着シートとして、或いは、隣り合う部品間の間隙を充填するための光学用両面粘着シートとして、粘着シート本体20は利用可能である。粘着シートX2は、このような粘着シート本体20における粘着面21',22'を被覆するための剥離ライナーL1,L2を伴う剥離ライナー付両面粘着シートである。
粘着シート本体20における粘着剤層21,22は、それぞれ、主剤として粘着剤を含有する。粘着剤層21,22における粘着剤その他の構成材料については、粘着剤層11における粘着剤その他の構成材料について上述したのと同様である。粘着剤層21および粘着剤層22は、同一組成の粘着剤組成物から形成されるものであってもよいし、異なる組成の粘着剤組成物から形成されるものであってもよい。
粘着剤層21,22の厚さは、それぞれ、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、より好ましくは25μm以上、より好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上、より好ましくは200μm以上である。また、粘着剤層21,22の厚さは、それぞれ、好ましくは1000μm以下、より好ましくは900μm以下、より好ましくは800μm以下である。
光学用の粘着シート本体20の厚さ方向のヘーズは、例えば3%以下であり、好ましくは2.5%以下、より好ましくは2%以下、より好ましくは1.5%以下、より好ましくは1%以下である。ヘーズは、JIS K 7136に準拠して測定される値とする。また、光学用の粘着シート本体20について、可視光波長領域における全光線透過率は、例えば85%以上である。全光線透過率は、JIS K 7361-1に準拠して測定される値とする。
粘着剤層21,22の23℃における貯蔵弾性率は、それぞれ、好ましくは1.0×104Pa以上、より好ましくは5.0×104Pa以上、より好ましくは1.0×105Pa以上である。また、粘着剤層21,22の23℃における貯蔵弾性率の上限は、例えば1.0×107Paである。このような貯蔵弾性率については、上述のように、例えば動的粘弾性測定装置(商品名「ARES」,レオメトリック社製)を使用して行う動的粘弾性測定から求めることができる。
粘着シート本体20の基材23は、粘着シート本体20において支持体として機能する部位である。基材23をなすための材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、アクリル、ポリスチレン、アセテート、ポリエーテルスルホン、およびトリアセチルセルロースが挙げられる。基材23は、一種類の材料からなってもよし、二種類以上の材料からなってもよい。基材23は、多層構造を有してもよい。また、基材23における粘着剤層21側の表面および粘着剤層22側の表面は、それぞれ、粘着剤層との密着性の向上のための表面処理が施されていてもよい。そのような表面処理としては、コロナ処理やプラズマ処理等の物理的処理、および、下塗り処理等の化学的処理が、挙げられる。このような基材23の厚さは、15~150μmであり、好ましくは25~125μm、より好ましくは38~100μmである。
粘着シートX2の剥離ライナーL1は、粘着シート本体20における粘着面21'を被覆するための要素であり、粘着シート本体20を被着体に貼り合せる際に粘着シート本体20から剥がされる。粘着シートX2の剥離ライナーL2は、粘着シート本体20の粘着面22'を被覆するための要素であり、粘着シート本体20を被着体に貼り合せる際に粘着シート本体20から剥がされる。粘着シートX2の剥離ライナーL1,L2の構成および厚さについては、粘着シートX1の剥離ライナーL1,L2の構成および厚さについて上述したとおりである。
粘着シートX2において、粘着シート本体20の粘着剤層21の外周端21aの一部または全部の領域は、シート面内方向において、例えば図4に示すように、剥離ライナーL1,L2の外周端L1a,L2aから離れた位置にある。シート面内方向とは、粘着シートX2ないし粘着シート本体20の厚さ方向に直交する面内方向をいうものとする。剥離ライナーL1,L2の外周端L1a,L2aは、シート面内方向において同一位置にあってもよいし、異なる位置にあってもよい。剥離ライナーL1,L2について図4に示す外周端L1a,L2aは、シート面内方向において同一位置にある。本実施形態において具体的には、粘着剤層21の外周端21aの一部または全部の領域は、シート面内方向において、剥離ライナーL1にて最も近接する外周端L1aに対してシートの内方に5~2000μmの距離にあり、且つ、剥離ライナーL2にて最も近接する外周端L2aに対してシートの内方に5~2000μmの距離にある。剥離ライナーL1の外周端L1aからシート面内方向に離れて位置する粘着剤層21の外周端21aと当該外周端L1aとの間のシート面内方向の離隔距離D1は、好ましくは10μm以上、より好ましくは30μm以上、より好ましくは40μm以上、より好ましくは50μm以上である。当該外周端21a,L1a間の離隔距離D1は、好ましくは1500μm以下、より好ましくは1000μm以下、より好ましくは500μm以下、より好ましくは300μm以下である。剥離ライナーL2の外周端L2aからシート面内方向に離れて位置する粘着剤層21の外周端21aと当該外周端L2aとの間のシート面内方向の離隔距離D1は、好ましくは10μm以上、より好ましくは30μm以上、より好ましくは40μm以上、より好ましくは50μm以上である。当該外周端21a,L2a間の離隔距離D1は、好ましくは1500μm以下、より好ましくは1000μm以下、より好ましくは500μm以下、より好ましくは300μm以下である。一方、剥離ライナーL2の外周端L2aからシート面内方向に離れて位置する粘着剤層22の外周端22aと当該外周端L2aとの間のシート面内方向の離隔距離D2は、好ましくは10μm以上、より好ましくは30μm以上、より好ましくは40μm以上、より好ましくは50μm以上である。当該外周端22a,L2a間の離隔距離D2は、好ましくは1500μm以下、より好ましくは1000μm以下、より好ましくは500μm以下、より好ましくは300μm以下である。剥離ライナーL1の外周端L1aからシート面内方向に離れて位置する粘着剤層22の外周端22aと当該外周端L1aとの間のシート面内方向の離隔距離D2は、好ましくは10μm以上、より好ましくは30μm以上、より好ましくは40μm以上、より好ましくは50μm以上である。当該外周端22a,L1a間の離隔距離D2は、好ましくは1500μm以下、より好ましくは1000μm以下、より好ましくは500μm以下、より好ましくは300μm以下である。
以上のような構成の粘着シートX2は、例えば次のようにして製造することができる。まず、打抜き加工や切削加工等の加工を経て粘着シートX2を生ずるための、剥離ライナー付両面粘着シート原材を用意する。この剥離ライナー付両面粘着シート原材は、剥離ライナーL1を生ずるためのプリ第1剥離ライナーと、剥離ライナーL2を生ずるためのプリ第2剥離ライナーと、当該プリ第1およびプリ第2剥離ライナーの間に位置するプリ両面粘着シート本体とを含む積層構造を有する。このプリ両面粘着シート本体は、例えばプリ第1剥離ライナー側にあって粘着剤層21を生ずるための第1粘着剤層と、例えばプリ第2剥離ライナー側にあって粘着剤層22を生ずるための第2粘着剤層と、当該第1および第2粘着剤層の間に位置する基材とを含む積層構造を有する。粘着剤層21形成用の粘着剤組成物および当該組成物からの粘着剤層21の形成手法、並びに、粘着剤層22形成用の粘着剤組成物および当該組成物からの粘着剤層22の形成手法については、粘着剤層11形成用の粘着剤組成物および当該組成物からの粘着剤層11の形成手法として上述したのと同様である。次に、剥離ライナー付両面粘着シート原材がその厚さ方向に加圧力を受けた状態で、当該粘着シート原材に対し、目的の外郭寸法を有する粘着シートX2が形成されるように加工を施す。両面粘着シート原材が厚さ方向に加圧力を受けた状態では、当該原材のプリ両面粘着シート本体における弾性体たる各粘着剤層は、加圧力に応じて弾性変形し得て、加圧力に応じた伸び率で原材の面内方向に弾性的に伸び広がり、原材の外周端ではプリ第1剥離ライナーまたはプリ第2剥離ライナーとプリ両面粘着シート本体の基材との間から弾性的に膨出した状態をとり得る。加工の手段としては、例えば、打抜き加工および/または切削加工が挙げられる。打抜き加工としては、例えば、いわゆるトムソン加工、即ち、トムソン刃を使用して行う打抜き加工が、挙げられる。切削加工としては、例えば、いわゆるフルバック加工が挙げられる。当該加工工程では、具体的には、加工によって粘着シートX2の外周端の一部または全部が新たに形作られて目的の外郭寸法の粘着シートX2が得られるように、厚さ方向に加圧力を受けた状態にある剥離ライナー付両面粘着シート原材に対して打抜き加工および/または切削加工等の加工が施される。そして、加圧状態が解かれて得られる粘着シートX2において、粘着剤層21,22は、弾性変形状態から非変形状態に復帰し、加工工程で新たに生じた粘着シートX2の外周端にて剥離ライナーL1または剥離ライナーL2と基材23との間で内方に退避した状態をとる。すなわち、製造される粘着シートX2においては、例えば図4に示すように、粘着剤層21の外周端21aの一部または全部の領域は剥離ライナーL1,L2の外周端L1a,L2aからシート面内方向において内方に離れて位置することとなり、且つ、粘着剤層22の外周端22aは剥離ライナーL1,L2の外周端L1a,L2aからシート面内方向において内方に離れて位置することとなる。
剥離ライナー付両面粘着シートたる粘着シートX2における粘着シート本体20の有する粘着剤層21,22の外周端21a,22aの一部または全部の領域は、例えば図4に示すように、剥離ライナーL1,L2の外周端L1a,L2aからシート面内方向に離れて位置する。そして、剥離ライナーL1,L2の外周端L1a,L2aからシート面内方向に離れて位置する粘着剤層21の外周端21aと当該外周端L1a,L2aとの間のシート面内方向の離隔距離D1は、それぞれ、上述のように5~2000μmである。また、剥離ライナーL1,L2の外周端L1a,L2aからシート面内方向に離れて位置する粘着剤層22の外周端22aと当該外周端L1a,L2aとの間のシート面内方向の離隔距離D2は、それぞれ、上述のように5~2000μmである。このような粘着シートX2からの剥離ライナーL1の剥離の際には、粘着シート本体20の粘着剤層21の外周端21aが少なくとも剥離ライナーL1の外周端L1aからシート面内方向に離れて位置する部位(第1外周端離隔部位)や、粘着剤層22の外周端22aが少なくとも剥離ライナーL2の外周端L2aからシート面内方向に離れて位置する部位(第2外周端離隔部位)を利用すると、剥離作業を行いやすい。具体的には、第1外周端離隔部位では、例えば作業者の指先を、粘着剤層21に当接させずに剥離対象の剥離ライナーL1に当接させやすく、従って、剥離ライナーL1と粘着剤層21との間の界面の端から両者の分離が開始するように剥離ライナーL1において剥離のための適切な変形を開始させやすい。また、第2外周端離隔部位では、例えば作業者の指先を、粘着剤層22に当接させずに剥離対象の剥離ライナーL2に当接させやすく、従って、剥離ライナーL2と粘着剤層22との間の界面の端から両者の分離が開始するように剥離ライナーL2において剥離のための適切な変形を開始させやすい。このように、粘着シートX2では、粘着シート本体20から例えば手作業によって剥離ライナーL1,L2を剥離させやすい。
また、粘着シートX2の第1外周端離隔部位では、上述のように、剥離ライナーL1の剥離に際して作業者の指先等を粘着剤層21に当接させずに剥離対象の剥離ライナーL1に当接させやすい。これとともに、粘着シートX2の第1外周端離隔部位では、上述のように、剥離対象の剥離ライナーL1と粘着剤層21との間の界面の端から両者の分離が開始するように剥離ライナーL1において剥離のための適切な変形を開始させやすい。粘着シートX2の第2外周端離隔部位では、上述のように、剥離ライナーL2の剥離に際して作業者の指先等を粘着剤層22に当接させずに剥離対象の剥離ライナーL2に当接させやすい。これとともに、粘着シートX2の第2外周端離隔部位では、上述のように、剥離対象の剥離ライナーL2と粘着剤層22との間の界面の端から両者の分離が開始するように剥離ライナーL2において剥離のための適切な変形を開始させやすい。これらは、それぞれ、各外周端離隔部位を利用して剥離ライナーの剥離を行うことが可能な粘着シートX2において、剥離ライナー剥離時に粘着シート本体20の粘着面の一部が当該剥離ライナーに引っ張られて当該粘着面ないし粘着剤層に部分的な破損や欠損が生ずるのを抑制するうえで、好適である。
加えて、粘着シートX2では、剥離ライナーL1,L2の外周端L1a,L2aからシート面内方向に離れて位置する粘着剤層21の外周端21aと当該外周端L1a,L2aとの間のシート面内方向の離隔距離D1は、それぞれ、上述のように5~2000μmである。粘着シートX2では、剥離ライナーL1,L2の外周端L1a,L2aからシート面内方向に離れて位置する粘着剤層22の外周端22aと当該外周端L1a,L2aとの間のシート面内方向の離隔距離D2は、それぞれ、上述のように5~2000μmである。このような構成を伴う粘着シートX2は、粘着剤層の弾性変形とその後の形状復帰とを利用して効率よく製造するのに適する。粘着剤層の弾性変形とその後の形状復帰とを利用した結果として生じる剥離ライナーL1,L2の外周端L1a,L2aと粘着剤層21,22の外周端21a,22aとの間の離隔の距離(離隔距離D1,D2)は、比較的に短い5~2000μmの範囲内に収まる傾向にある。一方、粘着シート本体20ないし粘着剤層21,22よりも例えば5000μm以上に外郭寸法の大きな剥離ライナーを伴う両面粘着シートを製造するには、例えば、粘着シート本体20ないし粘着剤層21,22と外郭寸法が同一の剥離ライナーを粘着面21',22'に伴う剥離ライナー付両面粘着シートを製造した後に、粘着シート本体20よりもそのように外郭寸法の大きな剥離ライナーに各剥離ライナーを貼り替える必要がある。しかしながら、このような手法は、材料費や工程数の観点から、効率的でない。剥離ライナーL1,L2の外周端L1a,L2aからシート面内方向に離れて位置する粘着剤層21,22の外周端21a,22aと当該外周端L1a,L2aとの間の離隔距離D1,D2が5~2000μmである粘着シートX2は、粘着剤層の弾性変形とその後の形状復帰とを利用した上述のような過程を経て効率よく製造するのに適するのである。
以上のように、剥離ライナー付両面粘着シートたる粘着シートX2は、剥離ライナーL1,L2の剥離作業を行いやすく且つ剥離ライナー剥離時の粘着剤層21や粘着剤層222の部分的な破損や欠損を抑制するのに適するとともに、効率よく製造するのに適する。加えて、シート面内方向において剥離ライナーL1,L2の外周端L1a,L2aから離れて位置する粘着剤層21,22の外周端21a,22aと当該外周端L1a,L2aとの間の離隔距離D1,D2が5~2000μmである粘着シートX2は、粘着シート本体20について求められる寸法を実現しつつも粘着シートX2の外郭寸法すなわち剥離ライナーL1,L2の外郭寸法が粘着シート本体20の寸法を大きく超えて過大となるのを回避するのに適する。
粘着シートX2における粘着剤層21,22の厚さは、それぞれ、上述のように、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、より好ましくは25μm以上、より好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上、より好ましくは200μm以上である。このような構成は、粘着剤層21,22において被着体に対する充分な粘着力を実現するうえで好適である。粘着剤層21の厚さが25μm以上であって、好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上、より好ましくは200μm以上であるという構成は、上述の第1外周端離隔部位において剥離ライナーL1,L2の外周端L1a,L2aと粘着剤層21の外周端21aとの間の離隔距離D1を5μm以上であってより長く確保するうえで好適である。粘着剤層22の厚さが25μm以上であって、好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上、より好ましくは200μm以上であるという構成は、上述の第2外周端離隔部位において剥離ライナーL1,L2の外周端L1a,L2aと粘着剤層22の外周端22aとの間の離隔距離D2を5μm以上であってより長く確保するうえで好適である。粘着剤層が厚いほど、当該粘着剤層が厚さ方向に加圧力を受けた時の当該粘着剤層の面内方向への弾性変形量は大きい傾向にある。一方、粘着剤層21,22の形成のし易さという観点からは、粘着剤層21,22の厚さは、それぞれ、上述のように、好ましくは1000μm以下、より好ましくは900μm以下、より好ましくは800μm以下である。
粘着剤層21の23℃における貯蔵弾性率は、上述のように、好ましくは1.0×104Pa以上、より好ましくは5.0×104Pa以上、より好ましくは1.0×105Pa以上である。このような構成は、上述の第1外周端離隔部位における離隔距離D1が5~2000μmである粘着シートX2について、粘着剤層の弾性変形とその後の形状復帰とを利用して効率よく製造するうえで好適である。粘着剤層22の23℃における貯蔵弾性率は、上述のように、好ましくは1.0×104Pa以上、より好ましくは5.0×104Pa以上、より好ましくは1.0×105Pa以上である。このような構成は、上述の第2外周端離隔部位における離隔距離D1が5~2000μmである粘着シートX2について、粘着剤層の弾性変形とその後の形状復帰とを利用して効率よく製造するうえで好適である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔アクリル系オリゴマーの製造例〕
反応容器内で、メタクリル酸ジシクロペンタニル(DCPMA)60重量部と、メタクリル酸メチル(MMA)40重量部と、連鎖移動剤としてのα-チオグリセロール3.5重量部と、重合溶媒としてのトルエン100重量部とを含む混合物を、70℃で1時間、窒素雰囲気下で撹拌した。次に、重合開始剤としての2,2'-アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部を反応容器内の混合物に加えて反応溶液を調製し、70℃で2時間、反応を行った。続いて、80℃で2時間、反応を行った。その後、反応容器内の反応溶液を、130℃の温度雰囲気下に置き、当該反応溶液からトルエン、連鎖移動剤、および未反応モノマーを乾燥除去した。これにより、固形状のアクリル系オリゴマーを得た。当該アクリル系オリゴマーの重量平均分子量(Mw)は、5.1×103であった。
〔アクリル系粘着剤組成物C1の調製例〕
アクリル酸2-エチルヘキシル(2EHA)78重量部と、N-ビニル-2-ピロリドン(NVP)18重量部と、アクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEA)4重量部とを含有するモノマー混合物に、第1の光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」,BASF社製)0.035重量部および第2の光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」,BASF社製)0.035重量部を加えた後、当該混合物に対し、粘度測定装置を使用して粘度を測定しつつ当該混合物の粘度が約20Pa・sになるまで紫外線照射装置を使用して紫外線を照射した。粘度測定において、装置のローター回転速度は10rpmとし、測定温度は30℃とした。これにより、混合物中のモノマー成分の一部が重合した部分重合物たるプレポリマー組成物(重合反応を経ていないモノマー成分を含有する)を得た。そして、このプレポリマー組成物100重量部と、上記のアクリル系オリゴマー11.8重量部と、アクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEA)17.6重量部と、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)0.294重量部と、シランカップリング剤(商品名「KBM-403」,信越化学工業株式会社製)0.353重量部とを混合した。これにより、アクリル系粘着剤組成物(アクリル系粘着剤組成物C1)を得た。
〔アクリル系粘着剤組成物C2の調製例〕
アクリル酸n-ブチル(BA)67重量部と、アクリル酸シクロヘキシル(CHA)14重量部と、アクリル酸4-ヒドロキシブチル(HBA)19重量部とを含有するモノマー混合物に、第1の光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」,BASF社製)0.09重量部および第2の光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」,BASF社製)0.09重量部を加えた後、当該混合物に対し、粘度測定装置を使用して粘度を測定しつつ当該混合物の粘度が約20Pa・sになるまで紫外線照射装置を使用して紫外線を照射した。粘度測定において、装置のローター回転速度は10rpmとし、測定温度は30℃とした。これにより、混合物中のモノマー成分の一部が重合した部分重合物たるプレポリマー組成物(重合反応を経ていないモノマー成分を含有する)を得た。そして、このプレポリマー組成物100重量部と、アクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEA)9重量部と、アクリル酸4-ヒドロキシブチル(HEA)8重量部と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)0.12重量部と、シランカップリング剤(商品名「KBM-403」,信越化学工業株式会社製)0.3重量部とを混合した。これにより、アクリル系粘着剤組成物(アクリル系粘着剤組成物C2)を得た。
〔実施例1〕
ポリエチレンテレフタレート(PET)系の第1剥離ライナー(厚さ125μm,軽剥離タイプ,日東電工株式会社製)上に、上記のアクリル系粘着剤組成物C1を塗布し、粘着剤組成物層を形成した。次に、この粘着剤組成物層上にPET系の第2剥離ライナー(厚さ125μm,重剥離タイプ,日東電工株式会社製)を積層し、当該粘着剤組成物層を被覆して酸素を遮断した。このようにして、[第1剥離ライナー/粘着剤組成物層/第2剥離ライナー]の積層構成を有する積層体(積層体L1')を得た。次に、この積層体L1'に対し、第1剥離ライナーの側から、ブラックライト(株式会社東芝製)を使用して照度3mW/cm2の紫外線を300秒間照射した。これによって積層体L1'の粘着剤組成物層を硬化させて粘着剤層とし、[第1剥離ライナー/粘着剤層/第2剥離ライナー]の積層構成を有する積層体(積層体L1)を得た。この積層体L1における粘着剤層の厚さは500μmである。次に、この積層体L1に対してトムソン加工を行った。具体的には、打抜き加工機およびトムソン刃を使用して、積層体L1を11.6インチサイズ(長辺196.4mm×短辺104mm)に打ち抜いた。この加工においては、積層体L1に対して当接しつつ打抜き加工をなすトムソン刃が積層体L1の厚さ方向に積層体L1に加圧力を付与している状態で、当該積層体L1において外周端の全体が新たに形成される打抜き加工を施した。以上のようにして、一対の剥離ライナーとその間の両面粘着シート本体(粘着剤層)とを含む積層構造を有する実施例1の両面粘着シートを作製した。実施例1の両面粘着シートの第1および第2剥離ライナーの外周端は、シート面内方向において同一位置にある。実施例1の両面粘着シートの粘着剤層の外周端は、シート面内方向において第1および第2剥離ライナーの外周端から内方に5~2000μmの範囲内に位置していた。実施例1の両面粘着シートの長辺では、粘着剤層外周端と剥離ライナー外周端との間のシート面内方向の離隔における最長距離と最短距離との平均(長辺での平均離隔距離)は47μmであった。実施例1の両面粘着シートの短辺では、粘着剤層外周端と剥離ライナー外周端との間のシート面内方向の離隔における最長距離と最短距離との平均(短辺での平均離隔距離)は38μmであった。
〔実施例2〕
位置合わせして重ねられた10枚の実施例1の両面粘着シートに対してフルバック加工を行った。具体的には、まず、万力構造の治具の有する一対の挟持板の間に、実施例1の両面粘着シート10枚の積層物を、その外周端およびその近傍が露出しつつその厚さ方向に挟持板間で加圧力が作用し得る態様で、挟んだ。そして、積層物外周端にて粘着剤層由来の粘着剤が部分的に外部に膨出するように当該積層物の厚さ方向に作用する挟持板間の加圧力を調整した状態で、積層物外周端の全体に対し、回転刃を使用して切削量1.0mmの切削加工を施した。その後、挟持板間の加圧力から積層物を解放した。以上のようにして、一対の剥離ライナーとその間の両面粘着シート本体(粘着剤層)とを含む積層構造を有する実施例2の両面粘着シートを作製した。実施例2の両面粘着シートの第1および第2剥離ライナーの外周端は、シート面内方向において同一位置にある。実施例2の両面粘着シートの粘着剤層の外周端は、シート面内方向において第1および第2剥離ライナーの外周端から内方に5~2000μmの範囲内に位置していた。実施例2の両面粘着シートの長辺では、粘着剤層外周端と剥離ライナー外周端との間のシート面内方向の離隔における最長距離と最短距離との平均(長辺での平均離隔距離)は170μmであった。実施例2の両面粘着シートの短辺では、粘着剤層外周端と剥離ライナー外周端との間のシート面内方向の離隔における最長距離と最短距離との平均(短辺での平均離隔距離)は135μmであった。
〔実施例3〕
アクリル系粘着剤組成物C1に代えて上記のアクリル系粘着剤組成物C2を用い、且つ、形成される粘着剤層の厚さを500μmに代えて250μmとしたこと以外は実施例1と同様にして、一対の剥離ライナーとその間の両面粘着シート本体(粘着剤層)とを含む積層構造を有する実施例3の両面粘着シートを作製した。実施例3の両面粘着シートの第1および第2剥離ライナーの外周端は、シート面内方向において同一位置にある。実施例3の両面粘着シートの粘着剤層の外周端は、シート面内方向において第1および第2剥離ライナーの外周端から内方に5~2000μmの範囲内に位置していた。実施例3の両面粘着シートの長辺では、粘着剤層外周端と剥離ライナー外周端との間のシート面内方向の離隔における最長距離と最短距離との平均(長辺での平均離隔距離)は11μmであった。実施例3の両面粘着シートの短辺では、粘着剤層外周端と剥離ライナー外周端との間のシート面内方向の離隔における最長距離と最短距離との平均(短辺での平均離隔距離)は13μmであった。
〔実施例4〕
実施例1の両面粘着シートに代えて実施例3の両面粘着シートを用いたこと以外は実施例2と同様にして、一対の剥離ライナーとその間の両面粘着シート本体(粘着剤層)とを含む積層構造を有する実施例4の両面粘着シートを作製した。実施例4の両面粘着シートの第1および第2剥離ライナーの外周端は、シート面内方向において同一位置にある。実施例4の両面粘着シートの粘着剤層の外周端は、シート面内方向において第1および第2剥離ライナーの外周端から内方に5~2000μmの範囲内に位置していた。実施例4の両面粘着シートの長辺では、粘着剤層外周端と剥離ライナー外周端との間のシート面内方向の離隔における最長距離と最短距離との平均(長辺での平均離隔距離)は170μmであった。実施例4の両面粘着シートの短辺では、粘着剤層外周端と剥離ライナー外周端との間のシート面内方向の離隔における最長距離と最短距離との平均(短辺での平均離隔距離)は150μmであった。
〔実施例5〕
〈第1粘着剤層の形成〉
厚さ80μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「コスモシャイン SRF」,東洋紡株式会社製)の両面にコロナ処理を施して得た基材の片面上に、上記のアクリル系粘着剤組成物C1を塗布し、粘着剤組成物層を形成した。次に、この粘着剤組成物層上に更にPET系の第1剥離ライナー(厚さ125μm,軽剥離タイプ,日東電工株式会社製)を積層し、当該粘着剤組成物層を被覆して酸素を遮断した。このようにして、[第1剥離ライナー/粘着剤組成物層/基材]の積層構成を有する積層体(積層体L2')を得た。次に、この積層体L2'に対し、第1剥離ライナーの側から、ブラックライト(株式会社東芝製)を使用して照度3mW/cm2の紫外線を300秒間照射した。これによって積層体L2'の粘着剤組成物層を硬化させて粘着剤層(第1粘着剤層)とし、[第1剥離ライナー/粘着剤層(第1粘着剤層)/基材]の積層構成を有する積層体(積層体L2)を得た。積層体L2における第1粘着剤層の厚さは100μmである。
〈第2粘着剤層の形成〉
PET系の第3剥離ライナー(厚さ125μm,軽剥離タイプ,日東電工株式会社製)上に、上記のアクリル系粘着剤組成物C1を塗布し、粘着剤組成物層を形成した。次に、この粘着剤組成物層上に更にPET系の第2剥離ライナー(厚さ125μm,重剥離タイプ,日東電工株式会社製)を積層し、当該粘着剤組成物層を被覆して酸素を遮断した。このようにして、[第3剥離ライナー/粘着剤組成物層/第2剥離ライナー]の積層構成を有する積層体(積層体L3')を得た。次に、この積層体L3'に対し、第3剥離ライナーの側から、ブラックライト(株式会社東芝製)を使用して照度3mW/cm2の紫外線を300秒間照射した。これによって積層体L3'の粘着剤組成物層を硬化させて粘着剤層(第2粘着剤層)とし、[第3剥離ライナー/粘着剤層(第2粘着剤層)/第2剥離ライナー]の積層構成を有する積層体(積層体L3)を得た。積層体L3における第2粘着剤層の厚さは500μmである。
〈両面粘着シートの作製〉
積層体L3(第3剥離ライナー/第2粘着剤層/第2剥離ライナー)から第3剥離ライナーを剥離した後、この剥離によって露出した第2粘着剤層表面を介して、片側剥離ライナー付き第2粘着剤層を上記積層体L2の基材の露出面に対して貼り合せた。これにより、[第1剥離ライナー/第1粘着剤層(厚さ100μm)/基材(厚さ80μm)/第2粘着剤層(厚さ500μm)/第2剥離ライナー]の積層構成を有する積層体(積層体L4)を得た。次に、この積層体L4に対して実施例1と同様にしてトムソン加工を行い、一対の剥離ライナーとその間の両面粘着シート本体(第1粘着剤層/基材/第2粘着剤層)とを含む積層構造を有する実施例5の両面粘着シートを作製した。実施例5の両面粘着シートの第1および第2剥離ライナーの外周端は、シート面内方向において同一位置にある。実施例5の両面粘着シートの粘着剤層の外周端は、シート面内方向において第1および第2剥離ライナーの外周端から内方に5~2000μmの範囲内に位置していた。実施例5の両面粘着シートの長辺では、粘着剤層外周端と剥離ライナー外周端との間のシート面内方向の離隔における最長距離と最短距離との平均(長辺での平均離隔距離)は53μmであった。実施例5の両面粘着シートの短辺では、粘着剤層外周端と剥離ライナー外周端との間のシート面内方向の離隔における最長距離と最短距離との平均(短辺での平均離隔距離)は27μmであった。
〔実施例6〕
実施例1の両面粘着シート10枚に代えて実施例5の両面粘着シート10枚を用いたこと以外は実施例2と同様にして、一対の剥離ライナーとその間の両面粘着シート本体(第1粘着剤層/基材/第2粘着剤層)とを含む積層構造を有する実施例6の両面粘着シートを作製した。実施例6の両面粘着シートの第1および第2剥離ライナーの外周端は、シート面内方向において同一位置にある。実施例6の両面粘着シートの粘着剤層の外周端は、シート面内方向において第1および第2剥離ライナーの外周端から内方に5~2000μmの範囲内に位置していた。実施例6の両面粘着シートの長辺では、粘着剤層外周端と剥離ライナー外周端との間のシート面内方向の離隔における最長距離と最短距離との平均(長辺での平均離隔距離)は113μmであった。実施例6の両面粘着シートの短辺では、粘着剤層外周端と剥離ライナー外周端との間のシート面内方向の離隔における最長距離と最短距離との平均(短辺での平均離隔距離)は130μmであった。
〔比較例1〕
カッターナイフを使用しての切断加工をトムソン加工の代りに行ったこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の剥離ライナー付の両面粘着シートを作製した。比較例1の両面粘着シートの外周端においては、剥離ライナー間から粘着剤層がはみ出していた。
〔比較例2〕
カッターナイフを使用しての切断加工をトムソン加工の代りに行ったこと以外は実施例3と同様にして、比較例2の剥離ライナー付の両面粘着シートを作製した。比較例2の両面粘着シートの外周端においては、剥離ライナー間から粘着剤層がはみ出していた。
〈粘着剤層の貯蔵弾性率〉
動的粘弾性測定により、実施例および比較例の各両面粘着シートにおける各粘着剤層に関する貯蔵弾性率を求めた。動的粘弾性測定に供される測定用サンプルの作製においては、まず、測定対象の粘着剤層ごとに、[第1剥離ライナー/粘着剤層/第2剥離ライナー]の積層構成を有する必要数の積層体(積層体L1)を、実施例1の積層体L1と同様にして、作製した。測定対象ごとに作製した必要数の積層体L1における各粘着剤層の厚さは、当該測定対象の粘着剤層の厚さと同じである。次に、作製した各積層体L1から剥離ライナーを剥離し、粘着剤層どうしを順次に貼り合わせた。このようにして、測定対象の粘着剤層ごとに、約2mmの厚さの積層粘着剤層シートを作製した。次に、この積層粘着剤層シートを打抜いて円柱状のペレット(直径7.9mm)を得て、これを測定用サンプルとした。作製された各測定用サンプルについて、動的粘弾性測定装置(商品名「ARES」,レオメトリック社製)を使用して、直径7.9mmパラレルプレートの治具に固定した後に動的粘弾性測定を行った。本測定において、測定モードをせん断モードとし、測定温度範囲を-70℃~150℃とし、昇温速度を5℃/分とし、周波数を1Hzとした。これにより、各測定用サンプルの貯蔵弾性率G'の温度依存性を測定した。実施例および比較例の各両面粘着シートにおける各粘着剤層の23℃での貯蔵弾性率(G')の値を、表1および表2に掲げる。
〈剥離ライナー剥離時の粘着剤層の破損・欠損〉
実施例および比較例の各両面粘着シートについて、剥離ライナー剥離時の粘着剤層の破損や欠損の有無を調べた。具体的には、両面粘着シートの伴う一対の剥離ライナーのうち軽剥離タイプの剥離ライナーを手作業によって剥離した際、剥離された剥離ライナーに粘着剤が付着しなかった場合を良好(○)と評価し、剥離された剥離ライナーに粘着剤が付着していた場合を不良(×)と評価した。
[評価]
本発明の構成を具備する実施例1~6の両面粘着シートにおいては、いずれも、剥離ライナー剥離時の粘着剤層の部分的な破損や欠損が抑制された。これに対し、比較例1,2の両面粘着シートにおいては、いずれも、剥離ライナー剥離時に粘着剤層の部分的な破損や欠損が生じた。
Figure 0007064560000001
Figure 0007064560000002
上記で説明した本発明のバリエーションを以下に付記する。
〔付記1〕第1剥離ライナーと、第2剥離ライナーと、少なくとも一つの粘着剤層を有して前記第1および第2剥離ライナーの間に位置する両面粘着シート本体とを含む積層構造を有し、
前記粘着剤層の外周端の少なくとも一部の領域は、シート面内方向において、前記第1剥離ライナーの外周端および前記第2剥離ライナーの外周端から内方に5~2000μmの距離にある、両面粘着シート。
〔付記2〕前記粘着剤層の外周端は、シート面内方向において、前記第1剥離ライナーの外周端および前記第2剥離ライナーの外周端から内方に5~2000μmの距離にある、付記1に記載の両面粘着シート。
〔付記3〕前記粘着剤層の厚さは25μm以上である、付記1または2に記載の両面粘着シート。
〔付記4〕前記粘着剤層の23℃における貯蔵弾性率は1.0×104Pa以上である、付記1から3のいずれか一つに記載の両面粘着シート。
〔付記5〕第1剥離ライナーと、第2剥離ライナーと、当該第1および第2剥離ライナーの間に位置する両面粘着シート本体とを含む積層構造を有し、当該両面粘着シート本体は、第1粘着剤層と、第2粘着剤層と、当該第1および第2粘着剤層の間に位置する基材とを含む積層構造を有し、
前記第1粘着剤層の外周端の少なくとも一部の領域は、シート面内方向において、前記第1剥離ライナーの外周端および前記第2剥離ライナーの外周端から内方に5~2000μmの距離にあり、
前記第2粘着剤層の外周端の少なくとも一部の領域は、シート面内方向において、前記第1剥離ライナーの外周端および前記第2剥離ライナーの外周端から内方に5~2000μmの距離にある、両面粘着シート。
〔付記6〕前記第1粘着剤層の外周端は、シート面内方向において、前記第1剥離ライナーの外周端および前記第2剥離ライナーの外周端から内方に5~2000μmの距離にある、付記5に記載の両面粘着シート。
〔付記7〕前記第2粘着剤層の外周端は、シート面内方向において、前記第1剥離ライナーの外周端および前記第2剥離ライナーの外周端から内方に5~2000μmの距離にある、付記5または6に記載の両面粘着シート。
〔付記8〕前記第1粘着剤層の厚さ、および/または、前記第2粘着剤層の厚さは、25μm以上である、付記5から7のいずれか一つに記載の両面粘着シート。
〔付記9〕前記第1粘着剤層の23℃における貯蔵弾性率、および/または、前記第2粘着剤層の23℃における貯蔵弾性率は、1.0×104Pa以上である、付記5から8のいずれか一つに記載の両面粘着シート。
X1,X2 粘着シート(両面粘着シート)
10,20 粘着シート本体(両面粘着シート本体)
11 粘着剤層
21 粘着剤層(第1粘着剤層)
22 粘着剤層(第2粘着剤層)
11a,21a,22a 外周端
23 基材
L1 剥離ライナー(第1剥離ライナー)
L2 剥離ライナー(第2剥離ライナー)
L1a,L2a 外周端

Claims (4)

  1. 第1剥離ライナーと、第2剥離ライナーと、一つの粘着剤層を有して前記第1および第2剥離ライナーの間に位置する両面粘着シート本体とを含む積層構造を有し、
    前記両面粘着シート本体は、単一の粘着剤層によって構成されており、
    前記粘着剤層の外周端の少なくとも一部の領域は、シート面内方向において、前記第1剥離ライナーの外周端および前記第2剥離ライナーの外周端から内方に5μm以上500μm未満の距離にある、両面粘着シート。
  2. 前記粘着剤層の外周端は、シート面内方向において、前記第1剥離ライナーの外周端および前記第2剥離ライナーの外周端から内方に5μm以上500μm未満の距離にある、請求項1に記載の両面粘着シート。
  3. 前記粘着剤層の厚さは25μm以上である、請求項1または2に記載の両面粘着シート。
  4. 前記粘着剤層の23℃における貯蔵弾性率は1.0×104Pa以上である、請求項1から3のいずれか一つに記載の両面粘着シート。
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