JP2008051847A - 光学部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学フィルムを汚すことなく形成及び運搬できる光学部材を提供する。
【解決手段】接着剤又は粘着剤で形成した粘着層4の両面側に離型フィルム2,3が積層し、少なくとも一面側の離型フィルム3の周縁部が粘着層4の周縁部4aよりも外方に張り出すように積層してなる粘着シート1を形成し、粘着シート1の他面側の離型フィルム2を剥離し、光学フィルム6に貼付することにより、光学フィルム6の周縁部が粘着層4の周縁部4aよりも外方に張り出した構成としてなる光学部材5とした。
【選択図】図4

Description

本発明は、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)などの画像表示装置に用いる光学部材に関する。
液晶テレビやプラズマテレビなどに用いるフラットパネルは、偏光フィルム、位相差フィルム、光学補償フィルム、輝度向上フィルム等の光学フィルムを積層して形成されており、この際、光学フィルムの貼り合わせには、接着剤乃至粘着剤が用いられている。
例えば、光学フィルム上に粘着剤で粘着層を形成し、さらにその上に離型シートを積層し、この積層体の端部を光学フィルム側から粘着層の深さまでトムソン刃で切り抜き、離型シートを光学フィルム及び粘着層よりも大きいサイズとした光学部材(下記、特許文献1参照)等が開示されている。
また、光学フィルムなどを粘着シートにより貼り合わせることも行われている(下記、特許文献2参照)。この粘着シートは、透明な接着剤乃至粘着剤で形成した粘着層の両面側に離型フィルムを積層したものであり、光学フィルムなどに連続的に貼り合わせることができ、また、必要なサイズに切り出してから光学フィルムなどに貼り合わせることができるなどの利便性を有している。
さらに、粘着剤層の一面側に光学フィルムを積層し、他面側に離型フィルムを積層し、光学フィルムの端辺よりも内側にある部分を粘着剤層に形成した粘着型光学フィルム(下記、特許文献3参照)等も開示されている。
特開2002−303730号公報 特開2001−234129号公報 特開2004−170907号公報
従来の光学部材は、形成する際又は運搬する際、以下のときに光学フィルムが接着剤乃至粘着剤で汚れてしまうおそれがあった。
1.光学フィルムの全面に粘着剤を直接塗布し、粘着層を形成して他のフィルムを貼り合わせる場合、周縁部から粘着剤がはみ出し、光学フィルムを汚してしまうおそれがあった。
2.粘着シートを用いて貼り合わせる場合、粘着シートを運搬するときに、該シートの側端面側を把持するため、粘着層を押圧し粘着層から粘着剤がはみ出してしまい、この粘着剤により光学フィルムが汚れてしまうおそれがあった。
3.上記特許文献1に記載の発明においては、各フィルムを積層して光学部材を形成した後にトムソン刃で打抜くので、刃先に粘着剤が付着することがあり、刃を引き抜く際、付着した粘着剤により光学フィルムを汚してしまうおそれがあった。
4.上記特許文献3に記載の発明においては、粘着型光学フィルムの両面から加圧して粘着剤層の端部を光学フィルム端部からはみ出させ、はみ出た部分を削除し、粘着剤層の端辺が光学フィルムの端辺よりも内側にする方法が記載されている(特許文献3の段落[0043]参照)。この方法では、一度粘着剤層の端部を光学フィルムの端部からはみ出させるため、光学フィルムが汚れてしまうおそれがあった。
本発明は、上記課題に鑑み、光学フィルムを汚すことなく形成及び運搬できる光学部材を提供せんとするものであり、さらには、積層しても各光学部材同士が貼付しにくい光学部材を提供せんとするものである。
本発明は、接着剤又は粘着剤で形成した粘着層の両面側に離型フィルムを積層し、少なくとも一面側の離型フィルムの周縁部が粘着層の周縁部よりも外方に張り出すように積層してなる粘着シートを形成し、粘着シートの他面側の離型フィルムを剥離し、光学フィルムに貼付することにより、光学フィルムの周縁部が粘着層の周縁部よりも外方に張り出した構成としてなる光学部材を提案する。
本発明の光学部材は、少なくとも一面側の離型フィルムの周縁部が粘着層の周縁部よりも外方に張り出すように積層してある粘着シートを用いることにより、離型フィルムの張り出した部分を把持して運搬できるため、粘着層を押圧せず運搬でき、粘着層から接着材乃至粘着剤がはみ出すことがない。また、光学フィルムに周縁部が粘着層の周縁部よりも外方に張り出すように粘着シートを貼付することにより、光学フィルム及び離型フィルムの周縁部は粘着層の周縁部よりも張り出しているため、粘着層から接着剤乃至粘着剤がはみ出すことがない。このため、光学フィルムを汚しにくく、運搬する際は離型フィルム又は光学フィルムの張り出した部分を把持すればよいので、粘着剤に触れることなく運搬できるものである。
以下、一実施形態に基づいて本発明を説明する。
但し、以下に説明する実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明の範囲が以下の実施形態に制限されるものではない。
本発明の光学部材は、粘着シートを用いて形成するものであり、この粘着シートは、接着剤又は粘着剤で形成した粘着層の両面側に離型フィルムを積層してあり、少なくとも一面側の離型フィルムの周縁部が粘着層の周縁部よりも外方に張り出すように積層してあるものである。本発明の光学部材は、この粘着シートの他面側の離型フィルムを剥離し、光学フィルムの周縁部が粘着層の周縁部よりも外方に張り出すように貼付して形成することができるものである。
(粘着シート)
本発明の光学部材の形成に用いる粘着シートの一例としては、図1に示す粘着シート1のように、略矩形状に形成された粘着層4の両面側に略矩形状の離型フィルム2、3を積層して形成したものがある。
離型フィルム2、3は、両離型フィルム2、3の周縁部の全部、すなわち全周に渡り粘着層4の周縁部4aよりも外方に張り出すように形成してある(この張り出し部分を張出部2a、3aとも称する。)。
また、一面側の離型フィルム3にのみ張出部を形成してもよく、例えば、図2に示すように、離型フィルム2の周縁部を粘着層4の周縁部4aと揃えて形成し、一面側の離型フィルム3は、周縁部の全部、すなわち全周に張出部3bを形成してもよい。
張出部2a,3a(3b)は、粘着層4の周縁部4aから0.5mm以上、好ましくは1.0mm以上、さらに好ましくは3mm以上張り出しているのがよい。また、両離型フィルム2、3に張出部を設ける場合は、張り出しの長さは相違していてもよい。
離型フィルム2(3)の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルムや紙などを用いることができる。離型フィルム2(3)は、特に限定する訳ではないが、位置合わせのしやすさや不良品の検査のしやすさなどから透明であるのが好ましい。離型フィルム2(3)には、粘着層4から剥離しやすくするため、シリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理などの剥離処理を施してもよい。剥離処理は、離型フィルム2(3)の両面側に施してもよい。
離型フィルム2(3)の厚さは、特に限定するものではないが、12μm以上、好ましくは25μm以上、かつ250μm以下、好ましくは125μm以下としてある。また、両離型フィルム2、3の厚さを相違させることにより、厚い方を剥がしやすくすることができる。例えば、最初に剥がす側を離型フィルム2とした場合、離型フィル2を100μmの厚さ、離型フィルム3を38μmの厚さとすることができる。表裏の厚みは逆にすることもできる。
粘着層4は、接着剤乃至粘着剤で形成した層であり、透明乃至半透明なものが好ましい。
接着剤乃至粘着剤としては、特に限定するものではないが、ポリマー材料を用いることができ、例えば、アクリル系接着剤、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等を用いることができる。透明性や耐久性の観点からするとポリマー材料としてアクリル系ポリマーを用いたものが好ましい。
一例としては、ベースポリマーと、架橋モノマーと、架橋開始剤と、可塑剤とを含有する粘着剤を用いることができる。
上記ベースポリマーとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体が挙げられる。
但し、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体以外の樹脂を全て除外する意図ではなく、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体以外の樹脂であっても、これと同様の結果が得られる樹脂が存在することは想定できる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体を形成するために用いる(メタ)アクリレート、即ち、アルキルアクリレート又はアルキルメタクリレート成分としては、アルキル基がn−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、n−ブチル、イソブチル、メチル、エチル、イソプロピルのうちのいずれか1つであるアルキルアクリレート又はアルキルメタクリレートの1種又はこれらから選ばれた2種以上の混合物であるのが好ましい。
その他の成分として、カルボキシル基、水酸基、グリシジル基等の有機官能基を有するアクリレート又はメタクリレートを共重合させても良い。具体的には、前記アルキル(メタ)アクリレート成分と有機官能基を有する(メタ)アクリレート成分とを適宜に選択的に組み合わせたモノマー成分を出発原料として加熱重合して(メタ)アクリル酸エステル系共重合体ポリマーを得ることができる。
中でも好ましくは、α、β不飽和カルボン酸を含有した(メタ)アクリル酸エステル系共重合体であり、例えばイソ−オクチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等から少なくとも1種類以上と、アクリル酸とを共重合させたものを挙げることができる。
ベースポリマーのガラス転移温度(Tg)は−20℃以下、特に−60℃〜−40℃であるのが好ましく、その130℃における溶融粘度は5万mPa・s以上、特に20万mPa・s〜70万mPa・s、中でも特に20万mPa・s〜50万mPa・sであるのが好ましい。
なお、上記のガラス転移温度(Tg)及び溶融粘度は、粘弾性測定装置(例えばレオメトリックス社製のダイナミックアナライザーRDA−II)を用いて測定することができる。その際、溶融粘度はパラレルプレート25mmφ、歪み2%、130℃、0.02Hzで測定した時の粘度(ηγ)値を読みとればよく、Tgはパラレルプレート25mmφ、歪み2%、周波数1Hzで測定した時のTanδの極大値を示す温度を読みとればよい。
上記架橋モノマーとしては、アクリル系架橋モノマーを用いるのが好ましく、中でも多官能〈メタ〉アクリレート、その中でも有機官能基含有(メタ)アクリレートモノマーを用いるのが好ましい。
有機官能基含有(メタ)アクリレートモノマーとしては、グリシジル基含有(メタ)アクリレートモノマー、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートモノマー、イソシアネート基含有(メタ)アクリレートモノマー等の前記不飽和カルボン酸と反応する官能基を有するものを挙げることができる。具体的には、例えば1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどを挙げることができる。
架橋モノマーの含有量は、一般的にはベースポリマー100重量部に対し0.01〜1.0重量部の割合の範囲内で調整する。但し、他の要素とのバランスでこの範囲を超えてもよい。
上記架橋開始剤としては、光開始剤或いは熱重合開始剤を挙げることができるが、光開始剤、特に紫外線架橋剤が好ましい。
光開始剤としては、開裂型の光開始剤及び水素引抜型の光開始剤のいずれを用いることもできるが、好ましくは水素引抜型であり、例えばベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ジベンゾスベロン、2−エチルアントラキノン、イソブチルチオキサンソンなどのいずれか或いはこれらの二種類以上の組合わせからなる混合成分を用いるのが好ましい。但し、水素引抜型の光開始剤として前記に挙げた物質に限定するものではない。
紫外線架橋剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトンのいずれか或いはこれらの二種類以上の組合わせからなる混合成分を用いることができる。
光開始剤の添加量は、一般的にはベースポリマー100重量部に対し0.05〜2.0重量部の割合の範囲内で調整するのが好ましい。但し、他の要素とのバランスでこの範囲を超えてもよい。
上記可塑剤は、粘着シートの貯蔵せん断弾性率を全体的に下げることができる。
可塑剤としては、凝固点が−20℃以下の液状のもの、特に凝固点−80℃〜−40℃の液状のものが好ましく、例えばアジピン酸エステル系、フタル酸エステル系、リン酸エステル系、トリメリット酸エステル系、クエン酸エステル系、エポキシ系、ポリエステル系可塑剤のいずれか或いはこれら二種類以上の組み合わせからなる混合成分を使用することができ、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体ポリマーに相溶するものが好ましい。また、紫外線光架橋する場合には、紫外線を吸収しない可塑剤を用いるのが好ましい。
また、可塑剤の配合量は、一般的にはベースポリマー100重量部に対し0.1〜200重量部の割合の範囲内で調整するのが好ましい。
上記成分のほか、必要に応じて、近赤外線吸収特性を有する顔料や染料などの色素、粘着付与剤、酸化防止剤、老化防止剤、吸湿剤、天然物や合成物の樹脂類、ガラス繊維やガラスビーズなどの各種の添加剤を適宜配合することもできる。
接着剤乃至粘着剤には、ポリイソシアネート化合物、ポリアミン化合物、メラミン化合物、尿素樹脂、エポキシ樹脂、有機官能基含有(メタ)アクリレートモノマー、有機官能基含有(メタ)アクリレートオリゴマー等の架橋剤を含有させてもよく、また、光開始剤、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、無機微粒子等を含有させてもよい。
粘着層4の厚さは、特に限定するものではないが、5μm以上、好ましくは15μm以上、かつ5mm以下、好ましくは2mm以下とする。特に、0.5mmとするのが好ましい。
以下、粘着シート1の製造方法を示す。
両面側に張出部2a,3aを形成した粘着シート1の製造方法としては、例えば、離型フィルム2の一面に張出部2aを除いて粘着剤を塗布し、その上に張出部3aを除いて離型フィルム3を重ねて貼付し、粘着シート1を形成できる。
一面側にのみ張出部3bを形成した粘着シート1を製造する場合は、例えば、離型フィルム2の一面に粘着剤を塗布し、その上に離型フィルム3を張出部3bとなる部分を除いて貼付し、粘着シート1を形成できる。
また、離型フィルムの一面側の全面に粘着剤を塗布し、前記離型フィルムと同じ大きさの離型フィルムを前記粘着剤に重ねて貼り合わせた後、一方の離型フィルムと粘着層に切れ込みを入れ、その外側部分を剥がして張出部を形成することもできる。
例えば、図2に示すような粘着シート1を形成する場合、離型フィルム2、3及び粘着層4の周縁部を揃えて積層シートを形成し、図3(A)に示すように、離型フィルム2側から離型フィルム3を切断しないように周縁部沿いに全周に離型フィルム2及び粘着層4の深さまで切れ込み9を入れ、図3(B)に示すように、切れ込み9を入れた外縁部側10を剥離することにより、張出部3bを有する粘着シート1とすることができる。
切れ込みを入れるためには、例えば、トムソンプレス刃型などを用いることもできるが、端面の仕上がりの良好さ、並びに切れ込み深さを自在かつ正確に調整できることからレーザーカッターを用いるのがよい。レーザーとしては、固体レーザー、半導体レーザー、液体レーザー、気体レーザーなどを用いるのがよく、なかでもCOレーザー、Nd:YAGレーザーを用いるのがよい。
レーザーカッターを用いた場合は、その熱などの作用で一時的(例えば、1日程度)に粘着層4の端縁部表面のべたつきが抑えられ、粘着シート1の取り扱いが容易になる。
レーザーで切れ込みを形成する場合は、特に紫外線架橋剤を添加した粘着剤で粘着層4を形成した上で、紫外線レーザー(例えば、エキシマレーザー)を用いて切れ込みを形成するのがよい。
これにより、切れ込みを入れると同時に、粘着層4が紫外線により架橋して固化するため、より一層離型フィルム2が捲り上げやすくなる。
また、粘着層4の端縁部には、粘着剤に用いた光開始剤の吸光特性に合わせて紫外線(特に短波長側(200〜280nm))を照射させるのが好ましい。これにより、粘着層4の周縁部4a表面の架橋が進み、周縁部4a表面のべたつきが抑えられ、緩衝性や粘着力は保持したままで粘着シート1の取り扱いを容易にすることができる。このような効果は、粘着層4として水素引き抜き型光開始剤を含有させたアクリル系粘着剤を使用した場合に特に顕著である。
レーザーカッターは、進入角度を容易に調整することができるため、図3(C)に示すように、離型フィルム3に対する粘着層4の周縁部4aの角度αを100°〜110°の範囲、好ましくは105°に形成することもできる。このようにすることにより、離型フィルム2を剥がすときに端部2bを把持しやすくなり、離型フィルム2が剥がしやすくなる。
粘着シート1は、少なくとも一面側の離型フィルム3に張出部3a(3b)が形成してあるので、張出部3a(3b)を把持或いは離型フィルム3の外面側から支持して粘着シート1を運搬すれば、粘着層を押圧することなく運搬でき、粘着層から粘着剤がはみ出すことがない。このため、光学フィルムを汚すことなく、光学部材を形成できる。
(光学部材)
次に、上記粘着シート1を用いて形成した光学部材5について説明する。
光学部材5は、図4に示すように、図1又は2に示した粘着シート1の他面側の剥離フィルム2を剥離して、光学フィルム6上に貼付して形成したものであり、光学フィルム6の周縁部の全部、つまり全周に渡り粘着層4の周縁部4aよりも外方に張り出すように貼付してある(この張り出した部分を張出部6aともいう。)。また、離型フィルム3には、全周に渡り張出部3a(3b)が形成してあるので、光学部材5は、離型フィルム3及び光学フィルム6の張出部3a(3b),6aがともに全周に渡り形成されたものとなる。
張出部6aは、粘着層4の周縁部4aから0.5mm以上、好ましくは1.0mm以上、さらに好ましくは3mm以上張り出してあるのがよい。また、光学フィルム6及び離型フィルム3の張出部3a(3b),6aの長さは相違していてもよい。
光学フィルム6としては、例えば、偏光フィルム、偏光変換素子、反射板、半透過板、位相差フィルム、輝度向上フィルム、保護フィルム、反射防止フィルム、電磁波シールドフィルム、光学補償フィルム、近赤外線カットフィルム、調色フィルムやこれらを組み合わせた積層体など平面型画像装置の表示パネル等に用いる種々のものが挙げることができる。
このように張出部6a,3a(3b)を形成することにより、粘着剤等が周縁部4aからはみ出すことなく、光学フィルム6の汚れを防止でき、光学部材5を積載した際も、粘着剤等がはみ出さないので光学部材5同士が付着してしまうことがない。
光学部材5は、略矩形状を呈しているが、これに限定するものではなく、長円状などにも形成することができる。
以下、実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
一面側の離型フィルムとして、厚さ75μmの離型PETフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製;商品名MRF75)を用い、この離型フィルム上に粘着剤を塗布して、厚さ0.5mmの粘着層を形成した。粘着剤としては、アクリル系ポリマー100重量部に対し、可塑剤としてDIDPを25重量部、架橋モノマーとして1,9−ノナンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業(株)製;商品名ビスコート#260)を1重量部、水素引き抜きタイプ光開始剤(日本シイベルへグナー社製、商品名EsacureTZT)0.1重量部を添加し、130℃で溶融攪拌したものを用いた。この上に他面側の離型フィルムとして、厚さ38μmの離型PETフィルム(藤森工業(株)製;商品名フィルムバイナ38E−0010BD)を貼付してシート状に積層し、ホットメルト成形した。次に、高圧水銀ランプを用いて片面積算光量3600mJ/cmを離型フィルム越しに両面側から照射して積層シートAとした。
なお、アクリル系ポリマーの組成は、2−エチルへキシルアクリレート100重量部を重合させたもので、Tgは−70℃、130℃溶融粘度は26万(mPa・sec)であった。また、積算光量は、ウシオ電機製UIT−150に365nm用センサーを装着して測定した。
上記積層シートAを、外形寸法590×1000mmとなるようにレーザーカッター(出力50W,COレーザー)で切断した。この際のレーザー出力は100%、カット速度は15%であった。
次に、上記積層シートAの周縁部から5mm内側の位置に、該周縁部に沿って上記レーザーカッターで上記他面側から粘着層の深さまでに切れ込みを入れた。この際のレーザー出力は17%、カット速度は11%であった。
切れ込みを入れた離型フィルム及び粘着層の外縁部側を剥離して、図5に示すような厚さ75μmの離型フィルムの周囲に幅5mmの張出部を有する粘着シートを形成した。
その後、反射防止フィルム(日本油脂(株)製;リアルック7700)を、外形寸法600×1010mmとなるように打ち抜き、このフィルムに図5に示す粘着シートの厚さ38μmの離型フィルム剥離して貼付し、図6に示すような反射防止フィルムの周囲に幅10mmの張出部を、厚さ75μmの離型フィルムの周囲に幅5mmの張出部を有する光学部材を形成した。
(実施例2)
電磁波シールドフィルム(日本フィルコン製;メッシュフィルム)の銅箔メッシュ面とは反対側のPET面に予め塗布された粘着層を介して反射防止フィルム(日本油脂(株)製;リアルック7700)を貼付して積層光学フィルムとし、このフィルムをトムソンプレス刃型で590×1000となるように打ち抜いた後、銅箔メッシュ面に、図5に示す粘着シートの厚さ38μmの離型フィルム剥離して貼付し、図7に示すような積層光学フィルムの周囲に5mm幅の張出部を、厚さ75μmの離型PETフィルムの周囲に幅5mmの張出部を有する光学部材を形成した。
(比較例1)
上記積層シートAを、反射防止フィルム(日本油脂(株)製;リアルック7700)に貼付し、トムソンプレス刃型で外形寸法580×990mmとなるように、離型フィルム、粘着層及び反射防止フィルムの全てを同一寸法で打ち抜き、図8に示すような光学部材とした。
(比較例2)
上記積層シートAを、外形寸法590×1000mmとなるようにレーザーカッター(出力50W,COレーザー)で切断した。この際のレーザー出力は100%、カット速度は15%であった。
次に、上記一面側の離型フィルムの周縁部から5mm内側の位置に、該周縁部に沿って上記レーザーカッターで上記一面側から粘着層の深さまでに切れ込みを入れた。切れ込みを入れた厚さ75μmの離型フィルム及び粘着層の外縁部側を剥離し、厚さ38μmの離型フィルムの周囲に幅5mmの張出部を有する粘着シートを形成した。この際のレーザー出力は17%、カット速度は11%であった。
上記粘着シートの厚さ38μmの離型フィルムを剥離し、外形寸法590mm×1000mmの反射防止フィルム(日本油脂(株)製;リアルック7700)に貼付し、図9に示すような反射防止フィルムの周囲に幅5mmの張出部を有する光学部材を形成した。
(試験)
実施例1,2及び比較例1,2を用いて、以下の試験1〜3を行った。
(試験1:端面からのはみ出し)
光学部材の端面から粘着剤がはみ出していないか、目視で観察した。
はみ出しがないものを○、あるものを×として評価した。
(試験2:粘着端面のベタツキ)
光学部材の端部を指で触れて、粘着剤が指に付着しないかを確認した。
粘着剤等に触れることがないものを◎、粘着剤等に触れてもベタツキ感のないものを○、ベタツキ感のあるものを×として評価した。
(試験3:光学部材の積載性)
実施例1,2及び比較例1,2をそれぞれ10枚重ねて積載して、23℃,60%RHの環境下で24時間放置した後、各光学部材間が付着していないかを確認した。
1枚も付着していないものを○、1枚でも付着したものを×として評価した。
(結果)
上記試験結果を以下の表1に示す。
Figure 2008051847
実施例1,2は、全項目において良好な結果を示した。
一方、比較例1,2は、比較例2で端面からのはみ出しは確認されなかったものの、他の項目では、比較例1,2は、いずれも満足できるものはなかった。
本発明で用いる粘着シートの一実施形態を示し、(A)は側面図、(B)は上面図、(C)は正面図である。 図1の粘着シートの他の実施形態を示し、(A)は側面図、(B)は上面図、(C)は正面図である。 図2の粘着シートの製造方法の一例を示したものであり、(A)は切れ込みを入れた状態を示した断面図、(B)は外縁部側を剥離した状態を示した断面図、(C)は粘着層の周縁部を傾斜状に形成した場合を示した断面図である。 本発明の光学部材の一実施形態を示し、(A)は側面図、(B)は上面図、(C)は正面図である。 本発明の実施例で用いた粘着シートを示し、(A)は側面図、(B)は上面図である。 本発明の実施例で用いた実施例1の光学部材を示し、(A)は側面図、(B)は上面図である。 本発明の実施例で用いた実施例2の光学部材を示し、(A)は側面図、(B)は上面図である。 本発明の実施例で用いた比較例1の光学部材を示し、(A)は側面図、(B)は上面図である。 本発明の実施例で用いた比較例2の光学部材を示し、(A)は側面図、(B)は上面図である。
符号の説明
1…粘着シート
2,3…離型フィルム
2a…張出部
3a,3b…張出部
2b…端部
4…粘着層
4a…周縁部
5…光学部材
6…光学フィルム
6a…張出部
9…切れ込み
10…外縁部側

Claims (1)

  1. 接着剤又は粘着剤で形成した粘着層の両面側に離型フィルムを積層し、少なくとも一面側の離型フィルムの周縁部が粘着層の周縁部よりも外方に張り出すように積層してなる粘着シートを形成し、粘着シートの他面側の離型フィルムを剥離し、光学フィルムに貼付することにより、光学フィルムの周縁部が粘着層の周縁部よりも外方に張り出した構成としてなる光学部材。
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