JP5085865B2 - 粘着シート - Google Patents

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本発明は、複層窓などの各種窓材や各種表示パネル等を構成するガラスの貼り合せ、フラットパネルディスプレイ前面側への光学フィルムの貼り合せ、光学フィルム同士の貼り合せ、ガラスやプラスチック等の透明基材への各種透明フィルムの貼り合せなど、各種透明部材の貼り合せに用いる粘着シートに関する。
透明部材の貼り合せが行われる製品の代表例としてフラットパネルディスプレイを挙げることができる。近年、各種フラットパネルディスプレイはブラウン管テレビの代替として期待され、その市場が急速に立上りつつあり、中でもプラズマディスプレイ(「PDP」という)や液晶ディスプレイはその代表例である。
PDPは、パネル内部に封入された希ガス、一般的にはネオンを主体としたガス中で放電を発生させ、その際に発生する真空紫外線によってパネル内部のセルに設けられたR、G、Bの蛍光体を発光させる構成のものである。この発光過程において、PDPの作動に不必要な電磁波や近赤外線が同時に放出するため、これらを遮蔽する必要があり、このような電磁波や近赤外線を遮蔽するため各種フィルタがパネル上に設置されている。
従来、一般的なPDP用フィルタの形態は、透明導電層と近赤外線遮蔽層を設けた透明フィルムを透明成形体に貼り合わせ、これをPDPの前面側に空気層を介して設置し、電磁波や近赤外線を遮蔽する構造のものであったが、この構造では、PDPの前面表示ガラスやPDP用フィルタと空気層との界面で反射が起こり、PDPの表示画像の視認性を損なうという問題があった。
そこで最近、PDPパネル上に、光学フィルタや反射防止フィルム、近赤外線カットフィルム、可視調色フィルム、電磁波シールドフィルムなどの光学フィルムを、空気層を介さず、粘着剤によって直接貼り合せる構成のものが検討され、その用途に用いる粘着剤が開発されつつある。
例えば特許文献1には、優れた凝集力を示す粘着剤組成物として、アクリル酸アルキルエステルおよびイソシアネート基と反応可能なエチレン性不飽和モノマーを必須成分とする共重合体に、所定のイソシアネート基含有有機ケイ素化合物を含有してなる粘着剤組成物が開示されている。
また、特許文献2には、粘着剤に柔軟性を付与する方法として、架橋剤の配合量を少なくして架橋度を低くするなど低凝集力の粘着層とする方式や、添加剤を選択して粘着層の弾性率を低くする方式などが開示されている。
特許第2672308号公報 特開2000−258630号公報
PDPパネルに貼り合わせる側の粘着剤は、耐久性を付与するべく粘着剤の凝集力を高め、かつ25μm前後の薄い粘着層を形成するものが多かったため、被着体であるパネルガラスとの界面に異物が存在すると、貼合後に該異物の周囲で視認可能な気泡が生じ、画面上の外観不良を生じることがあった。
そこで、本発明者らは、より柔軟な粘着剤を用いれば、被着体との界面に異物が存在したとしても、異物の周囲を粘着剤が取り囲むように濡れるため、貼り合わせ時の気泡の発生を抑えることができることを見出した。
しかし、光学フィルム等を貼り合わせる際、各フィルム間の接着力を高めるため高圧・高温下でのオートクレーブ処理を施すことがある。特に、透明化処理していないメッシュタイプの電磁波シールドフィルムを積層した場合は、硬い薄い粘着剤で銅箔メッシュを隙間なく埋めて透明化処理する必要があるため、オートクレーブ処理が必須の工程となる。
この際、PDPパネルに貼り合わせる側を柔軟な粘着剤とすると、処理中に空気を溶解してしまうため、PDPパネルに貼り合わせてから時間が経つにつれて気泡が発生し、視認性を損なうという問題が生じる。
そのため、柔軟な粘着剤を用いる場合は、光学フィルム等をオートクレーブ処理した後、柔軟な粘着剤を光学フィルム等に貼り合わせてから、PDPパネルに貼り合わせるという工程をとることとなり、非効率な工程となるものである。
そこで本発明は、オートクレーブ処理しても粘着層から気泡が発生することのない粘着シートを提供せんとするものであり、全てのフィルムを貼り合わせてから一括してオートクレーブ処理をすることができるようにしたものである。
本発明の粘着シートは、被着体に貼付する粘着層の両面側にガスを遮蔽するガスバリア層を備えたことを特徴とする。
この構成とすることにより、オートクレーブ処理の際、ガスバリア層がガス(空気)を遮蔽し、粘着層に空気が溶解するのを防止することができる。
少なくとも一面側のガスバリア層は、基材フィルムに蒸着膜を形成したガスバリアフィルムとするのがよい。
上記特徴を用いて、少なくとも光学フィルムと、被着体に貼付する粘着層とを備えた構成を有する光学部材を、前記粘着層の両面側にガスを遮蔽するガスバリア層を備えた構成とすることもできる。
上記光学部材の少なくとも一面側のガスバリア層を、基材フィルムに蒸着膜を形成したガスバリアフィルムとすることができ、また、光学フィルムの前記粘着層側に蒸着膜を形成してガスバリア層とすることもできる。
上記光学部材を用いて、前記粘着層をディスプレイパネルに貼付し、ディスプレイ部材とすることができる。
上記粘着シート及び光学部材の前記粘着層は、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を主成分とするベースポリマーと、アクリル系架橋モノマーと、架橋開始剤とを含有する粘着剤組成物を架橋してなり、20℃基準マスターカーブによる粘着層の貯蔵せん断弾性率が、(1)周波数10-3Hz及び10-5Hzのいずれにおいても5×102Pa以上1×104Pa以下、及び(2)周波数103Hz及び10Hzのいずれにおいても3×10Pa以上4×10Pa以下の範囲内に入る物性を備えたものとするのが好ましい。
この粘着層は、被着面に異物が存在したとしても、異物の周囲を取り囲むように濡れるため、貼り合わせ時の気泡の発生を抑えることができるものであるが、オートクレーブ処理の際、ガス(空気)を溶解しやすいものである。このため、粘着層をガスバリア層間(ガスバリア層と粘着層とは隣接していなくともよい)に形成することにより、オートクレーブ処理の際、粘着層がガス(空気)を溶解することなくオートクレーブ処理をすることができる。
また、前記粘着層は、50μm〜5mmの厚さとするのが好ましい。
なお、一般的に「シート」とは、薄く、一般にその厚さが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいい、「フィルム」とは、JISにおける定義上、長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが、任意に限定された薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいう(日本工業規格JISK6900)。しかし、シートとフィルムの境界は定かではなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとし、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとする。
以下、実施形態に基づいて本発明を説明する。
但し、以下に説明する実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明の範囲が以下の実施形態に制限されるものではない。
本発明の一実施形態の粘着シート1は、図1に示すように、被着体に貼付する粘着層2(以下、この粘着層を粘着A層という。)の両面側にガスバリア層としてガスバリアフィルム3,4を備えたものであり、上面側から、離型フィルム5、粘着層6(以下、この粘着層を粘着B層という。)、ガスバリアフィルム3、粘着A層2、離型フィルム7、粘着層8(以下、この粘着層を粘着C層という。)、ガスバリアフィルム4の順に形成してある。
(粘着A層)
粘着A層2は、粘着剤又は接着剤からなり、離型フィルム7を剥離し、光学フィルム、ディスプレイパネル、ガラスなどの被着体に貼り合わせるものである。
粘着A層2を形成する粘着剤又は接着剤としては、被着体の材質に応じて適宜選択することができる。例えば、アクリル樹脂、アクリル変性シリコン樹脂化合物、シリコン変性アクリル樹脂化合物などを主要成分として含む接着剤を用いて形成することができる。
中でも、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を主成分とするベースポリマーと、アクリル系架橋モノマーと、架橋開始剤とを含有する粘着剤組成物を架橋してなり、20℃基準マスターカーブによる粘着層の貯蔵せん断弾性率が、(1)周波数10-3Hz及び10-5Hzのいずれにおいても5×102Pa以上1×104Pa以下、及び(2)周波数103Hz及び10Hzのいずれにおいても3×10Pa以上4×10Pa以下の範囲内に入る物性となる粘着剤(以下、異物取り込み性粘着剤という。)を用いるのが好ましい。
異物取り込み性粘着剤は、被着体との界面に異物が存在したとしても、異物の周囲を粘着剤が取り囲むように濡れるため、貼り合わせ時の気泡の発生を抑えることができるものである。
(ベースポリマー)
異物取り込み性粘着剤に用いることが可能なベースポリマーとして、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体が挙げられる。
但し、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体以外の樹脂を全て除外する意図ではなく、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体以外の樹脂であっても、これと同様の結果が得られる樹脂が存在することは想定できる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体を形成するために用いる(メタ)アクリレート、即ち、アルキルアクリレート又はアルキルメタクリレート成分としては、アルキル基がn−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、n−ブチル、イソブチル、メチル、エチル、イソプロピルのうちのいずれか1つであるアルキルアクリレート又はアルキルメタクリレートの1種又はこれらから選ばれた2種以上の混合物であるのが好ましい。
その他の成分として、カルボキシル基、水酸基、グリシジル基等の有機官能基を有するアクリレート又はメタクリレートを共重合させても良い。具体的には、前記アルキル(メタ)アクリレート成分と有機官能基を有する(メタ)アクリレート成分とを適宜に選択的に組み合わせたモノマー成分を出発原料として加熱重合して(メタ)アクリル酸エステル系共重合体ポリマーを得ることができる。
中でも好ましくは、イソ−オクチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレートの1種又はこれらから選ばれた2種以上の混合物か、或いは、α、β不飽和カルボン酸を含有した(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、例えばイソ−オクチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等から少なくとも1種類以上と、アクリル酸とを共重合させたものを挙げることができる。
ベースポリマーのガラス転移温度(Tg)は−20℃以下、特に−80℃〜−40℃であるのが好ましく、その130℃における溶融粘度は5万mPa・s以上、特に10万mPa・s〜50万mPa・s、中でも特に10万mPa・s〜30万mPa・sであるのが好ましい。
なお、上記のガラス転移温度(Tg)及び溶融粘度は、粘弾性測定装置、例えばレオメトリックス社製の粘弾性測定装置「ダイナミックアナライザーRDAII」を用いて測定することができる。その際、溶融粘度はパラレルプレート25mmφ、歪み2%、130℃、0.02Hzで測定した時の粘度(ηγ)値を読みとればよく、Tgはパラレルプレート25mmφ、歪み2%、周波数1Hzで測定した時のTanδの極大値を示す温度を読みとればよい。
(架橋モノマー)
異物取り込み性粘着剤に用いる架橋モノマーとしては、アクリル系架橋モノマーを用いるのが好ましく、中でも多官能(メタ)アクリレート、その中でも有機官能基含有(メタ)アクリレートモノマーを用いるのが好ましい。
有機官能基含有(メタ)アクリレートモノマーとしては、グリシジル基含有(メタ)アクリレートモノマー、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートモノマー、イソシアネート基含有(メタ)アクリレートモノマー等の前記不飽和カルボン酸と反応する官能基を有するものを挙げることができる。具体的には、例えば1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどを挙げることができる。
架橋モノマーの含有量は、上記貯蔵せん断弾性率が所定範囲内に入るように調整すればよいが、一般的にはベースポリマー100重量部に対し0.01〜10.0重量部、好ましくは0.01〜5.0重量部、中でも0.01〜1.0重量部の割合の範囲内で調整するのがよい。但し、他の要素とのバランスでこの範囲を超えてもよい。
(架橋開始剤)
異物取り込み性粘着剤に用いる架橋開始剤としては、光開始剤或いは熱重合開始剤を挙げることができるが、光開始剤が好ましい。
異物取り込み性粘着剤に用いる光開始剤としては、開裂型の光開始剤及び水素引抜型の光開始剤のいずれを用いることもできるが、好ましくは水素引抜型であり、例えばベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ジベンゾスベロン、2−エチルアントラキノン、イソブチルチオキサンソンなどのいずれか或いはこれらの二種類以上の組み合わせからなる混合成分を用いるのが好ましい。但し、水素引抜型の光開始剤として前記に挙げた物質に限定するものではない。
光開始剤の添加量は、上記貯蔵せん断弾性率が所定範囲内に入るように調整すればよいが、一般的にはベースポリマー100重量部に対し0.05〜2.0重量部の割合の範囲内で調整するのがよい。但し、他の要素とのバランスでこの範囲を超えてもよい。
(可塑剤)
異物取り込み性粘着剤に用いる可塑剤は、本粘着剤において必ずしも必須の成分ではないが、目的に応じて配合するのがよい。すなわち、可塑剤の種類と量を調整することにより緩衝力を調整することができ、粘着剤の貯蔵せん断弾性率を全体的に下げることができるため、ベースポリマーの溶融粘度(;主として分子量で左右される)、アクリル系架橋モノマーの組成と量、架橋開始剤の種類と量、架橋方法とその程度等によっては、前記所定範囲の貯蔵せん断弾性率に調整するために可塑剤を配合するのがよい場合がある。
可塑剤としては、凝固点が−20℃以下の液状のもの、特に凝固点−80〜−40℃の液状のものが好ましく、例えばアジピン酸エステル系、フタル酸エステル系、リン酸エステル系、トリメリット酸エステル系、クエン酸エステル系、エポキシ系、ポリエステル系可塑剤のいずれか或いはこれら二種類以上の組み合わせからなる混合成分を使用することができ、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体ポリマーに相溶するものが好ましい。また、紫外線光架橋する場合には、紫外線を吸収しない可塑剤を用いるのが好ましい。
可塑剤の配合量は、少なくとも上記貯蔵せん断弾性率が所定範囲から外れないように調整しつつ設定すればよく、一般的にはベースポリマー100重量部に対し1〜150重量部、好ましくは10〜100重量部の割合の範囲内で調整するのがよい。但し、他の要素とのバランスでこの範囲を超えてもよい。
(他の添加剤)
上記成分のほか、必要に応じて、近赤外線吸収特性を有する顔料や染料などの色素、粘着付与剤、酸化防止剤、老化防止剤、吸湿剤、天然物や合成物の樹脂類、ガラス繊維やガラスビーズなどの各種の添加剤を適宜配合することもできる。
(異物取り込み性粘着剤により形成した粘着層の物性)
異物取り込み性粘着剤により形成した粘着層は、20℃基準マスターカーブによる貯蔵せん断弾性率が、周波数10-3Hz及び10-5Hzのいずれにおいても、5×102Pa〜1×104Pa、好ましくは5×102Pa〜6×103Paの範囲内に入るように架橋してなる粘着層である。かかる物性を備えた粘着層であれば、たとえ被着面上に粒径50μm〜60μm程度の微粒子が存在したとしても、当該被着面に積層した場合、前記微粒子を取り込むように濡れるため、常圧下での貼合時はもちろん、減圧環境下においても、前記微粒子周囲において目視にて視認可能な気泡の発生を抑えることができる。
なお、周波数10-3Hz及び10-5Hzのいずれにおいても7×103Pa〜1×104Paの範囲にあると、被着面上に粒径50μm程度の粒子が存在していた場合、常圧下での貼合時に該粒子の周りに直径100μm未満の気泡が発生することがある。この程度の気泡であれば、目視では視認不可能であり、かつ減圧下でも視認可能な大きさ(直径100μm以上)まで気泡が成長しないため、通常は問題ないが、このような僅かな気泡が問題となる可能性を想定すると、上記の如く5×102Pa〜6×103Paの範囲内に入るようにするのが好ましい。
20℃基準マスターカーブによる粘着層の貯蔵せん断弾性率が、周波数10-3Hz及び10-5Hzのいずれにおいても5×102Pa〜1×104Paの範囲内に入るように架橋するための方法としては、特に限定するものではないが、例えばベースポリマーの溶融粘度(;主として分子量で左右される)、アクリル系架橋モノマーの組成と量、架橋開始剤の種類と量、架橋方法とその程度、さらには必要に応じて可塑剤の量を調整することなどにより為すことができる。但し、これらに限定されるものではない。
なお、可塑剤を配合しなくても、ベースポリマーの溶融粘度(;主として分子量で左右される)、アクリル系架橋モノマーの組成と量、架橋開始剤の種類と量、架橋方法とその程度を調整することにより、前記所定範囲の貯蔵せん断弾性率に調整することは可能である。
異物取り込み性粘着剤により形成した粘着層において、20℃基準マスターカーブによる粘着層の貯蔵せん断弾性率が、周波数103Hz及び104Hzのいずれにおいても、3×104Pa〜4×106Paの範囲に入るものとするのがさらに好ましい。
周波数103Hz〜104Hz域の貯蔵せん断弾性率は耐衝撃性に影響し、かかる周波数域の貯蔵せん断弾性率を3×104Pa〜4×106Paの範囲にすることにより、耐衝撃性を好適なものとすることができる。
周波数103Hz〜104Hz域の貯蔵せん断弾性率を上記所定範囲内にするためには、例えばベース樹脂のガラス転移点(Tg)、必要に応じて可塑剤の含有量を調整すればよいが、この方法に限定するものではない。
(異物取り込み性粘着剤による粘着層の形成方法)
異物取り込み性粘着剤による粘着層は、例えば、ベースポリマーに、架橋モノマー及び架橋開始剤、必要に応じて可塑剤、その他の添加剤を添加して粘着剤組成物を作成し、加熱或いは光照射するなどして前記粘着剤組成物を架橋させることにより、異物取り込み性粘着剤による粘着層として提供することができる。
この際、ベースポリマーの溶融粘度(;主として分子量で左右される)、アクリル系架橋モノマーの組成と量、架橋開始剤の種類と量、架橋方法とその程度、さらには必要に応じて可塑剤の量を調整することにより、周波数10-3Hz及び10-5Hzにおける粘着層の貯蔵せん断弾性率を調整することができる。また、光架橋する場合には、例えば高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等を用いればよい。
粘着A層2の厚さは、特に限定するものではないが、50μm〜5mm、好ましくは100μm〜2mm、より好ましくは200μm〜1mmとする。
(ガスバリアフィルム)
ガスバリアフィルム3,4は、ガス(空気)を遮蔽し、粘着A層2にガス(空気)が溶解するのを防ぐものである。ガスバリアフィルム3,4は透明であるのが好ましいが、貼り合わせの際に剥離される場合は透明でなくともよい。
ガスバリアフィルム3,4としては、例えば、基材フィルム3a,4aに蒸着膜3b,4bを形成したものを用いることができる。
基材フィルム3a,4aとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリビニールアルコール、ポリアミド、ポリプロピレンなどのフィルムを用いることができる。なかでも、二軸延伸したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムは、透明性に優れ、後述する光学フィルムとしても使用できるので好適である。
基材フィルム3a,3bの厚さは、特に限定するものではないが、12μm〜250μm、好ましくは12〜188μm、より好ましくは25μmとする。
蒸着膜3b,4bの材料としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化スズ、酸化亜鉛、窒化珪素、フッ化マグネシウム、インジウム錫酸化物(ITO)などを用いることができる。なかでも、酸化珪素、酸化アルミニウムは、透明で緻密な膜を安価に作ることができるので好適である。
基材フィルム3a,4a上に形成する方法としては、特に限定するものではないが、物理蒸着(PVD)法、化学蒸着(CVD)法、スパッタリング法などがある。
蒸着膜3b,4bの厚さは、特に限定するものではないが、0.1nm〜500nm、好ましくは0.5nm〜100nm、より好ましくは1nm〜50nmとする。これより薄いと十分なガスバリア性が得られにくくなり、また、厚すぎると蒸着膜に亀裂や剥離が発生しやすくなる。
また、両ガスバリアフィルム3,4の厚さは相違していてもよい。
後に剥離してしまう場合は、不透明なアルミニウム箔などをガスバリアフィルムとして用いることもできる。
本実施形態では、ガスバリアフィルム3,4を、基材フィルム3a,4aの一面側に蒸着膜3b,4bを形成した構成としてあるが、ガスバリアフィルムの他の構成としては、下記する離型処理したガスバリアフィルム、ヒートシール性ガスバリアフィルム、マスキングガスバリアフィルムなどがある。
離型処理したガスバリアフィルムは、基材フィルムの一面側に蒸着膜、他面側に離型処理を施したものであり、基材フィルム及び蒸着膜は、上記基材フィルム3a,4a及び蒸着膜3b,4bと同様に形成することができる。
離型処理は、例えば、シリコン、フッ素その他の離型剤を塗布することにより行うことができる。
離型処理したガスバリアフィルムを用いることにより、直接に粘着層に貼付してガスバリア層を形成でき、例えば、離型フィルム7及び粘着C層8を形成せず、離型処理した面を直接に粘着A層2に貼付してガスバリア層を形成できる。
ヒートシール性ガスバリアフィルムは、基材フィルムの一面側に蒸着膜を形成し、他面側にヒートシール性のあるフィルムをラミネートしたものである。基材フィルム及び蒸着膜は、上記基材フィルム3a,4a及び蒸着膜3b,4bと同様に形成することができる。
ヒートシール性のあるフィルムとしては、ポリエチレンやエチレン−酢酸ビニル共重合(EVA)などのフィルムがあり、これらを押し出しラミネートなどの方法により基材フィルムに貼り合わせてヒートシール性ガスバリアフィルムを形成することができる。
ヒートシール性ガスバリアフィルムを用いることにより、直接に離型フィルムに貼付してガスバリア層を形成でき、例えば、粘着C層8を形成せず、ヒートシール性のあるフィルム側を離型フィルム7に直接に貼付してガスバリア層を形成できる。
マスキングガスバリアフィルムは、基材フィルムにガスバリア性の大きいフィルムを用い、基材フィルムの一面側に蒸着膜、他面側に比較的粘着力の弱い粘着剤を塗布したものである。ガスバリア性の大きいフィルムとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、塩化ビニリデン、MXナイロンなどのフィルムがある。蒸着膜は、上記蒸着膜3b,4bと同様に形成することができる。
ヒートシール性ガスバリアフィルムを用いることにより、後述する光学部材の光学フィルムなどに貼付してガスバリア層とすることができる。
(離型フィルム)
離型フィルム5,7は、粘着A層2や粘着B層6に埃等が付着しないように保護し、被着体に粘着A層2を貼り合わせる際、剥離するものである。
離型フィルム5,7としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレンその他の合成樹脂の単層或いは複数層からなるフィルムを用いることができる。紙類を用いることもできる。
また、離型フィルム5,7上には、適宜表面処理を施してもよい。例えば、剥離性を向上させるため、シリコン、フッ素その他の離型剤を塗布して表面処理を施すことができる。
離型フィルム5,7の厚さは、特に限定するものではないが、12μm〜250μm、好ましくは25μm〜188μm、より好ましくは25μm〜100μmとする。離型フィルム5,7の厚さは、相違していてもよく、例えば、離型フィルム5は38μm、離型フィルム7は75μmとすることができる。
(粘着B層)
粘着B層6は、粘着剤又は接着剤からなり、離型フィルム5を剥離し、光学フィルム、ディスプレイパネル、ガラスなど被着体を貼り合わせるものである。
粘着B層6を形成する粘着剤又は接着剤としては、被着体の材質に応じて適宜選択することができる。例えば、アクリル樹脂、アクリル変性シリコン樹脂化合物、シリコン変性アクリル樹脂化合物などを主要成分として含む接着剤を用いて形成することができる。
粘着B層6の厚さは、特に限定するものではないが、5μm〜100μm、好ましくは10μm〜50μm、より好ましくは15μm〜25μmとする。
(粘着C層)
粘着C層8は、粘着剤又は接着剤からなり、離型フィルム7とガスバリアフィルム4とを貼り合わせるものである。
粘着C層8を形成する粘着剤又は接着剤としては、離型フィルム7及びガスバリアフィルム4の材質に応じて適宜選択することができ、粘着B層6に用いたものと同様のものを用いることができる。もちろん、粘着B層6と粘着C層8とに用いる粘着剤又は接着剤は相違していてもよい。
粘着C層8の厚さは、特に限定するものではないが、5μm〜100μm、好ましくは10μm〜50μm、より好ましくは15μm〜25μmとする。
(製造方法)
粘着シート1の製造方法を説明する。
例えば、ガスバリアフィルム3の蒸着膜3b上に粘着剤又は接着剤を塗布して粘着B層6を形成し、その上に離型フィルム5を貼付する。
次に、基材フィルム3a上に、粘着剤又は接着剤を塗布して粘着A層2を形成し、その上に離型フィルム7を貼付する。その後、離型フィルム7上に粘着剤又は接着剤を塗布して粘着C層8を形成し、その上にガスバリアフィルム4の蒸着膜4b側を貼付して粘着シート1とすることができる。
粘着A層2を形成する粘着剤として異物取り込み性粘着剤を用いた場合は、例えば、ガスバリアフィルム3の蒸着膜3b上に粘着剤又は接着剤を塗布して粘着B層6を形成し、その上に離型フィルム5を貼付する。
次に、基材フィルム3a上に、加熱・溶融した異物取り込み性粘着剤を塗布して粘着A層2を形成し、その上に離型フィルム7を貼付する。ガスバリアフィルム3及び離型フィルム7の両面側から高圧水銀ランプなどを用いて紫外線を照射し、異物取り込み性粘着剤を架橋する。
その後、離型フィルム7上に粘着剤又は接着剤を塗布して粘着C層8を形成し、その上にガスバリアフィルム4の蒸着膜4b側を貼付して粘着シート1とすることができる。
また、上記において、離型フィルム7にガスバリアフィルム4を貼付した後、粘着A層を架橋させてもよい。
粘着シート1の変形例として、離型フィルム7、粘着C層8、ガスバリアフィルム4に代えて、離型処理したガスバリアフィルムを用いることもできる。この場合、離型処理した面を、粘着A層2に貼付して粘着シートとすることができる。
粘着シート1の他の変形例として、粘着C層8、ガスバリアフィルム4に代えて、ヒートシール性ガスバリアフィルムを用いることもできる。この場合、離型フィルム7に基材フィルム4bをヒートシールして貼付し、離型フィルム7を粘着A層2に貼付することにより粘着シートとすることができる。
また、粘着B層6と離型フィルム5との間にガスバリアフィルムを介層してガスバリア層を形成し、粘着B層6にガスが溶解するのを防止する構成としてもよい。
(光学部材)
粘着シート1の離型フィルム5を剥離し、光学フィルム9を貼付することにより光学部材10とすることができる。
光学フィルム9としては、例えば、偏光フィルム、偏光変換素子、反射板、半透過板、位相差フィルム、輝度向上フィルム、光学補償フィルム保護フィルム、反射防止フィルム、電磁波シールドフィルム、近赤外線カットフィルム、色調補正フィルムやこれらを組み合わせた積層体など平面型画像装置の表示パネル等に用いる種々のものが挙げることができる。
図2には、光学部材10の一例として、光学フィルム9として、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどの基材フィルム9aの一面側に電磁波シールドメッシュ9bを積層した電磁波シールドフィルムを貼付したものを示してある。
また、粘着シート1を用いず、光学部材10を製造することもできる。例えば、ガスバリアフィルム3の蒸着膜3b上に粘着剤又は接着剤を塗布して粘着B層6を形成し、その上に光学フィルム9を貼付する。次に、基材フィルム3a上に、粘着剤又は接着剤を塗布して粘着A層2を形成し、その上に離型フィルム7を貼付する。その後、離型フィルム7上に粘着剤又は接着剤を塗布して粘着C層8を形成し、その上にガスバリアフィルム4の蒸着膜4b側を貼付して光学部材10とすることができる。
粘着A層2を形成する粘着剤として異物取り込み性粘着剤を用いる場合は、例えば、ガスバリアフィルム3の蒸着膜3b上に粘着剤又は接着剤を塗布して粘着B層6を形成し、その上に光学フィルム9を貼付する。基材フィルム3a上に、加熱・溶融した異物取り込み性粘着剤を塗布して粘着A層2を形成し、その上に離型フィルム7を貼付する。ガスバリアフィルム3及び離型フィルム7の両面側から高圧水銀ランプなどを用いて紫外線を照射し、異物取り込み性粘着剤を架橋する。その後、離型フィルム7上に粘着剤又は接着剤を塗布して粘着C層8を形成し、その上にガスバリアフィルム4の蒸着膜4b側を貼付して光学部材10とすることができる。
また、上記において、離型フィルム7にガスバリアフィルム4を貼付した後、粘着A層を架橋させてもよい。
上記光学部材10では、ガスバリアフィルム3,4をガスバリア層としてあるが、図3に示す光学部材11のように、光学フィルム12上に蒸着膜12bを形成してガスバリア層とすることや、図4に示す光学部材17のように、光学フィルム19上にマスキングガスバリアフィルム18を貼付してガスバリア層とすることもできる。
光学部材11では、光学フィルム12として電磁波シールドフィルムを用い、光学フィルム12は、基材フィルム12aの一面側に蒸着膜12bを、他面側に電磁波シールドメッシュ12cを形成してある。
光学フィルム12の電磁波シールドフィルムは、市販のものを用いることができ、基材フィルム12aとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニールアルコール、ポリアミド、ポリプロピレンなどのフィルムが用いられている。
蒸着膜12bは、上記ガスバリアフィルム3,4の蒸着膜3b,4bと同様に形成することができる。
光学部材11の製造方法を説明する。なお、粘着A層13、離型フィルム14、粘着C層15、ガスバリアフィルム16は、それぞれ上記した粘着A層2、離型フイルム7、粘着C層8、ガスバリアフィルム4と同様のものを用いることができる。
例えば、光学フィルム12の蒸着膜12b側に、粘着剤又は接着剤を塗布して粘着A層13を形成し、その上に離型フィルム14を貼付する。その後、離型フィルム14上に粘着剤又は接着剤を塗布して粘着C層15を形成し、その上にガスバリアフィルム16の蒸着膜16b側を貼付して光学部材11とすることができる。
粘着A層13を形成する粘着剤として異物取り込み性粘着剤を用いた場合は、例えば、光学フィルム12の蒸着膜12b側に、加熱・溶融した異物取り込み性粘着剤を塗布して粘着A層13を形成し、その上に離型フィルム14を貼付する。光学フィルム12及び離型フィルム14の両面側から高圧水銀ランプなどを用いて紫外線を照射し、異物取り込み性粘着剤を架橋する。その後、離型フィルム14上に粘着剤又は接着剤を塗布して粘着C層15を形成し、その上にガスバリアフィルム16の蒸着膜16b側を貼付して光学部材11とすることができる。
また、上記において、離型フィルム14にガスバリアフィルム16を貼付した後、粘着A層13を架橋させてもよい。
このような構成としても、粘着A層13がガスバリア層間にあるのでオートクレーブ処理する際、ガス(空気)を溶解することはない。
光学部材17は、光学フィルム19として基材フィルム19aの一面側に電磁波シールドメッシュ19bを積層した電磁波シールドフィルムを用い、電磁波シールドメッシュ19bの上に、粘着剤又は接着剤からなる粘着層20(この粘着層を粘着D層とする。)、光学機能層21、ガスバリア性マスキング18の順に積層してある。
光学フィルム19としての電磁波シールドフィルムは、市販のものを用いることができ、基材フィルム19aとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニールアルコール、ポリアミド、ポリプロピレンなどのフィルムが用いられている。
粘着D層20は、粘着剤又は接着剤からなり、光学フィルム19と光学機能層21とを貼り合わせるものである。
粘着D層20を形成する粘着剤又は接着剤としては、光学フィルム19及び光学機能層21の材質に応じて適宜選択することができ、上記粘着B層6に用いたものと同様のものを用いることができる。
粘着D層20の厚さも、上記粘着B層6と同様とすることができる。
光学機能層21としては、反射防止フィルム、近赤外線カットフィルム、色調補正フィルム、電磁波シールドフィルムを用いることができる。これらは、市販のものを用いることができる。
マスキングガスバリアフィルム18は、上述したものを用いることができる。
光学部材17の製造方法を説明する。なお、粘着A層22、離型フィルム23、粘着C層24、ガスバリアフィルム25は、それぞれ上記した粘着A層2、離型フィルム7、粘着C層8、ガスバリアフィルム4と同様のものを用いることができる。
例えば、光学フィルム19の他面側(電磁波シールドメッシュ19b面の反対側面)に、粘着剤又は接着剤を塗布して粘着A層22を形成し、その上に離型フィルム23を貼付する。次に、離型フィルム23上に粘着剤又は接着剤を塗布して粘着C層24を形成し、その上にガスバリアフィルム25の蒸着膜25b側を貼付する。その後、光学フィルム19の電磁波シールドメッシュ19b側に粘着剤又は接着剤を塗布して粘着D層20を形成し、その上に光学機能層21を貼付し、さらにその上にマスキングガスバリアフィルム18の粘着剤により貼付して光学部材17とすることができる。
粘着A層22を形成する粘着剤として異物取り込み性粘着剤を用いた場合は、例えば、光学フィルム19の他面側(電磁波シールドメッシュ19b面の反対側面)に、加熱・溶融した異物取り込み性粘着剤を塗布して粘着A層22を形成し、その上に離型フィルム23を貼付する。光学フィルム19及び離型フィルム23の両面側から高圧水銀ランプなどを用いて紫外線を照射し、異物取り込み性粘着剤を架橋する。その後、離型フィルム23上に粘着剤又は接着剤を塗布して粘着C層24を形成し、その上にガスバリアフィルム25の蒸着膜25b側を貼付する。光学フィルム19の電磁波シールドメッシュ19b側に粘着剤又は接着剤を塗布して粘着D層20を形成し、その上に光学機能層21を貼付し、さらにその上にマスキングガスバリアフィルム18を施して光学部材17とすることができる。
また、上記において、離型フィルム23にガスバリアフィルム25を貼付した後、粘着A層22を架橋させてもよい。
このような構成としても、粘着A層22がガスバリア層間にあるのでオートクレーブ処理する際、ガス(空気)を溶解することはない。
また、上記光学部材10の変形例として、離型フィルム7、粘着C層8、ガスバリアフィルム4に代えて、上記した離型処理したガスバリアフィルム及びヒートシール性ガスバリアフィルムを用いることもできる。
もちろん、光学部材11,17の離型フィルム14,23、粘着C層15,24、ガスバリアフィルム16,15に代えて、上記した離型処理したガスバリアフィルム及びヒートシール性ガスバリアフィルムを用いることもできる。
(ディスプレイ部材)
上記光学部材10の離型フィルム7を、粘着C層8、ガスバリアフィルム4ともに剥離し、粘着A層2をPDPパネルや液晶パネルなどのフラットディスプイレパネル前面側に貼付することによりディスプレイ部材とすることができる。
粘着A層2を異物取り込み性粘着剤とした場合は、ディスプイレパネル上に異物が存在したとしても、異物の周囲を粘着剤が取り囲むように濡れるため、貼り合わせ時の気泡の発生を抑えることができる。
もちろん、光学部材11,17を用いてディスプレイ部材とすることもでき、この場合は、離型フィルム14,23を剥離し、ディスプレイパネル上に貼付することによりディスプレイ部材とすることができる。
なお、光学部材17のマスキングガスバリアフィルム18は、使用する際、剥離するものである。
粘着シート1は、上記ではディスプレイ部材に使用してあるが、もちろん、他の被着体に用いることもでき、複層窓などの各種窓材や各種表示パネル等を構成するガラスの貼り合せ、光学フィルム同士の貼り合せ、ガラスやプラスチック等の透明基材への各種透明フィルムの貼り合せなど、各種透明部材の貼り合せなどにも用いることができる。
次に、実施例を挙げてより具体的に説明する。
なお、以下において「部」とは「重量部」を意味するものとする。
<粘着A層の粘着剤>
下記実施例1及び比較例1,2の粘着A層に用いる粘着剤として、2−エチルヘキシルアクリレートからなるベースポリマー(130℃溶融粘度:16.2万mPa・sec)100部に対し、光開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾフェノンと4−メチルベンゾフェノンの混合品(日本シイベルヘグナー社製の商品名「Esacure TZT」)1.0部と、架橋モノマーとして1,9−ノナンジオールジアクリレート(大阪有機化学社製の商品名「ビスコートV#260」)0.07部と、可塑剤としてジイソデシルフタレート(DIDP)26部と、吸湿剤としてシリカ微粒子(日本アエロジル社製商品名「アエロジル300」)4部とを添加した粘着剤を用いた。
なお、上記粘着剤により形成した粘着A層の各周波数における貯蔵せん断弾性率G′を以下のようにして測定した結果は、周波数10−5Hzにおいて2.0×10Pa,周波数10−3Hzにおいて2.2×10Pa,周波数10Hzにおいて1.1×10Pa,周波数10Hzにおいて3.4×10Paであった。
<貯蔵せん断弾性率G′の測定>
粘弾性測定装置ダイナミックアナライザー(レオメトリックス社製「RDAII」)を用いて、以下の条件で測定した。
・温度:−50〜200℃
・角振動数:ω=0.00005〜4000000rad/sec
・パラレルプレート:25mmφ
・歪み量:3%
RDAIIで20℃を基準温度として温度−時間換算のマスターカーブを作成し、周波数f値は、f(Hz)=ω/(2π)から算出し、周波数10-5Hz、10-3Hz、103Hz及び104Hzにおける貯蔵弾性率G'を読み取った。
<ガスバリア層>
実施例1及び比較例2のガスバリア層として、厚さ25μmのPETフィルムの一面側に酸化アルミ蒸着膜を形成してあり、その上に厚さ25μmの粘着層(粘着B層又は粘着層Cとなる。)、さらにその上に厚さ38μmのPETフィルム(離型フィルムともなる)が形成してあるガスバリアフィルム(麗光社製、商品名「ファインバリヤーA」)を用いた。
(実施例1)
上記ガスバリアフィルムの厚さ25μmのPETフィルム面上に、130℃に加熱・溶融した上記粘着剤を塗布し、その上に厚さ75μmのPETフィルム(離型フィルムとなる)を貼付し、両PETフィルム側から高圧水銀ランプにより片面積算光量1800J/cmで照射して架橋し、厚さ0.5mmの粘着A層を形成した。
その後、もう一枚のガスバリアフィルムの38μmのPETフィルムを剥離し、厚さ75μmのPETフィルム上に貼付して、図5に示すような、粘着A層の両面側にガスバリア層を有する粘着シートを作成した。
なお、積算光量は、ウシオ電機製紫外線積算光量計「UIT−150」に受光器「UVD-S365」を取付けて波長365nmを測定した。
(比較例1)
厚さ100μmのPETフィルム(東洋紡製、商品名「コスモシャインA4300」)の一面側に厚さ25μmのアクリル系粘着剤(綜研化学(株)製SKダイン1882;硬化剤の添加割合は奨励配合)を塗布して粘着B層を形成し、その上に厚さ38μmのPETフィルム(離型フィルムとなる)を貼付した。その後、厚さ100μmのPETフィルムの他面側に、130℃に加熱・溶融した上記粘着剤を塗布し、その上に厚さ75μmのPETフィルム(離型フィルムとなる)を貼付した。厚さ38μm及び75μmのPETフィルム側から高圧水銀ランプにより片面積算光量1800J/cmで照射して架橋し、厚さ0.5mmの粘着A層を形成し、図6に示すような、ガスバリア層のない粘着シートを作成した。
(比較例2)
上記ガスバリアフィルム(麗光社製、商品名「ファインバリヤーA」)の厚さ25μmのPETフィルム面上に、130℃に加熱・溶融した上記粘着剤を塗布し、その上に厚さ75μmのPETフィルム(離型フィルムとなる)を貼付した。厚さ38μm及び75μmのPETフィルム側から高圧水銀ランプにより片面積算光量1800J/cmで照射して架橋し、厚さ0.5mmの粘着A層を形成し、図7に示すような、ガスバリア層を片面側にのみ形成した粘着シートを作成した。
(試験)
上記実施例1及び比較例1,2の粘着シートを用い、以下の試験を行った。
(試験1)
まず、二枚の透明なPETフィルム(東洋紡製、商品名「コスモシャインA4300」;厚さ100μm)を、厚さ25μmの粘着剤を介して貼り合わせ、これを光学フィルムとした。
実施例1及び比較例1,2の厚さ38μmのPETフィルムを剥離し、該光学フィルムに貼付した後、200mm×150mmの大きさに切断して試験試料とした。
試験試料を、常温、0.2MPaの条件下で3日間オートクレーブ処理を行った。
オートクレーブ処理後、熱風循環式オーブンに入れ、60℃、1時間の加熱処理を行った後、厚さ75μmのPETフィルムを剥離し、200mm×150mmの大きさのソーダライムガラス(厚さ3mm)に貼付した。
この際の気泡の発生を目視で観察した。
気泡が発生しない場合を○、試験試料の周囲に気泡が発生した場合を△、試験試料の全面に気泡が発生した場合を×として評価した。
評価結果を下記表1に示す。
Figure 0005085865
(試験2)
上記と同様の試験試料を用い、同様のオートクレーブ処理及び加熱処理を行った。
加熱処理後、試験試料を室内に7日間放置してから、厚さ75μmのPETフィルムを剥離し、200mm×150mmの大きさのソーダダイムガラス(厚さ3mm)に貼付した。
この際の気泡の発生を目視で観察した。
気泡が発生しない場合を○、試験試料の周囲に気泡が発生した場合を△、試験試料の全面に気泡が発生した場合を×として評価した。
評価結果を上記表1に示す。
(試験結果)
実施例1の粘着シートを用いた場合は、試験1では試験試料の周囲に気泡が発生したが、試験2では気泡が全く発生しなかった。
一方、比較例1,2の粘着シートを用いた場合は、試験1及び2で試験試料の全面に気泡が発生した。
本発明の粘着シートの一実施形態を示す側断面図である。 本発明の光学部材の一実施形態を示す側断面図である。 本発明の光学部材の他の実施形態を示す側断面図である。 本発明の光学部材の他の実施形態を示す側断面図である。 実施例1の粘着シートを示す側断面図である。 比較例1の粘着シートを示す側断面図である。 比較例2の粘着シートを示す側断面図である。
符号の説明
1粘着シート
2粘着A層
3,4ガスバリアフィルム
3a,4a基材フィルム
3b,4b蒸着膜
5離型フィルム
6粘着B層
7離型フィルム
8粘着C層
9光学フィルム
10光学部材

Claims (11)

  1. 被着体に貼付する粘着層の両面側にガスを遮蔽するガスバリア層を備えており、該粘着層の一方の面側又は両面側のガスバリア層が、離型フィルムを介して該粘着層の一方の面側又は両面側に積層されてなる構成を有する粘着シート。
  2. 少なくとも一面側のガスバリア層は、基材フィルムに蒸着膜を形成したガスバリアフィルムである請求項1に記載の粘着シート。
  3. 前記粘着層は、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を主成分とするベースポリマーと、アクリル系架橋モノマーと、架橋開始剤とを含有する粘着剤組成物を架橋してなり、
    20℃基準マスターカーブによる粘着層の貯蔵せん断弾性率が、以下の(1)の範囲内に入る物性を備えたものである請求項1又は2に記載の粘着シート。
    (1)周波数10− 3Hz及び10−5Hzのいずれにおいても5×10Pa以上1×10Pa以下
  4. 前記粘着層は、50μm〜5mmの厚さである請求項1〜3のいずれかに記載の粘着シート。
  5. 少なくとも光学フィルムと、被着体に貼付する粘着層とを備えた構成を有する光学部材において、前記粘着層の両面側にガスを遮蔽するガスバリア層を備えており、該粘着層の一方の面側又は両面側のガスバリア層が、離型フィルムを介して該粘着層の一方の面側又は両面側に積層されてなる構成を有する光学部材。
  6. 少なくとも一面側のガスバリア層は、基材フィルムに蒸着膜を形成したガスバリアフィルムである請求項5に記載の光学部材。
  7. 少なくとも一面側のガスバリア層は、光学フィルムの前記粘着層側に蒸着膜を形成してガスバリア層としたものである請求項5に記載の光学部材。
  8. 前記粘着層は、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を主成分とするベースポリマーと、アクリル系架橋モノマーと、架橋開始剤とを含有する粘着剤組成物を架橋してなり、
    20℃基準マスターカーブによる粘着層の貯蔵せん断弾性率が、以下の(1)の範囲内に入る物性を備えたものである請求項5〜7のいずれかに記載の光学部材。
    (1)周波数10− 3Hz及び10−5Hzのいずれにおいても5×10Pa以上1×10Pa以下
  9. 前記粘着層は、50μm〜5mmの厚さである請求項5〜8のいずれかに記載の光学部材。
  10. 少なくとも光学フィルムと、被着体に貼付する粘着層とを備えた構成を有する光学フィルム付粘着シートであって
    前記粘着層の両面側にガスを遮蔽するガスバリア層を備え、前記光学フィルムが偏光フィルム、偏光変換素子、反射板、半透過板、位相差フィルム、輝度向上フィルム、光学補償フィルム、保護フィルム、反射防止フィルム、電磁波シールドフィルム、近赤外線カットフィルム、色調補正フィルムのいずれか、又はこれらを組合せた積層体である光学フィルム付粘着シート。
  11. 請求項5〜9のいずれかに記載の光学部材又は請求項10に記載の光学フィルム付粘着シートを用いて、前記粘着層をディスプレイパネルに貼付したディスプレイ部材。
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