JP2000301650A - 積層体およびその製造方法 - Google Patents

積層体およびその製造方法

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JP2000301650A
JP2000301650A JP11117453A JP11745399A JP2000301650A JP 2000301650 A JP2000301650 A JP 2000301650A JP 11117453 A JP11117453 A JP 11117453A JP 11745399 A JP11745399 A JP 11745399A JP 2000301650 A JP2000301650 A JP 2000301650A
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Japan
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gas barrier
adhesive
silicon oxide
laminate
barrier substrate
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JP11117453A
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English (en)
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Toshinori Machida
敏則 町田
Masato Kaihara
正人 貝原
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】透明で且つ高度なガスバリヤー性を有し、各層
の接着強度が高く、さらに、接着剤の発泡による外観不
良がない積層体、およびその製造方法の提供。 【解決手段】プラスチックフィルム上にけい素酸化物ま
たはけい素酸化物と金属フッ化物及びまたはマグネシウ
ム酸化物とからなる薄膜層を有する第1のガスバリヤー
性基材と、第2のガスバリヤー性基材とを、第1のガス
バリヤー性基材の薄膜層が接着面となるように、アミノ
基を有するポリウレタン樹脂、ポリエポキシ化合物およ
びシランカップリング剤を含む接着剤を介して積層して
なる積層体、および前記第1のガスバリヤー性基材の薄
膜層または前記第2のガスバリヤー性基材に、前記接着
剤を塗布し、前記第1のガスバリヤー性基材と前記第2
のガスバリヤー性基材とを前記第1のガスバリヤー性基
材の薄膜層が接着面となるようにラミネートする積層体
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品・医薬品・雑
貨・電子部品・電子機器等のパッケージ分野およびエレ
クトロニクス分野で使用される、ハイガスバリヤー性を
有する積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、食生活をはじめとする生活の多様
化により、多くの分野でバリヤー性を有するフィルムが
使われている。特に、食品・医薬品・雑貨・電子部品・
電子機器を中心としたパッケージ分野、及びエレクトロ
ルミネッセンス素子(以下、EL素子という)封止等の
エレクトロニクス分野では、ガスバリヤー性能は重要な
機能のひとつである。また、今日のパッケージ分野にお
いては、バリヤー性を有するフィルムは、構成設計とい
う観点においても重要な役割を果たしている。
【0003】現在、ガスバリヤー性を有するフィルムと
しては、数多くの種類のフィルムが存在し、比較的高い
ガスバリヤー性を有するフィルムとしては、アルミニウ
ム箔・アルミニウム蒸着フィルム・ポリ塩化ビニリデン
フィルム・けい素酸化物蒸着フィルム・アルミニウム酸
化物蒸着フィルム・ポリ塩化ビニリデンコーティングフ
ィルム・ポリアクリロニトリルフィルム・エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体けん化物(エバール)フィルム・
ポリビニルアルコールフィルム・エバール共押し出しフ
ィルム・ナイロンフィルム等がある。これらのフィルム
は、ガスバリヤー性及び他の個々の特性からパッケージ
の構成設計時に選定され、パッケージの一部の構成材料
として使用されている。
【0004】この中でも、特に高度なガスバリヤー性が
必要な場合は、アルミニウム箔がバリヤー材料として使
われる。しかしながら、アルミニウム箔は、可視光線に
おいて不透明なため、パッケージの中身が見たい場合や
EL素子を封止する場合のように透明性が必要とされる
用途には使用できない。一方、透明性を有するガスバリ
ヤー性フィルムでは、アルミニウム箔のような高度なバ
リヤー性は発現されない。透明性および高度なガスバリ
ヤー性を有するフィルムを得るためには、ガスバリヤー
性フィルムを積層する方法が挙げられる。
【0005】一般に、フィルムの積層は、ラミネート接
着剤によるドライラミネート加工により行われており、
ラミネート接着剤としては、その接着強度の強さから、
末端に水酸基を有する樹脂とポリイソシアネートからな
る2液硬化型ウレタン系接着剤が用いられている。しか
しながら、この2液硬化型ウレタン接着剤では、一般に
は水酸基数とイソシアネート基数が等量でなく、かなり
過剰にポリイソシアネートを含む場合がほどんどであ
る。その結果として、過剰なポリイソシアネートと雰囲
気中の水分が反応して尿素結合が形成され、炭酸ガスが
発生する。
【0006】ガスバリヤー性を有しないまたはガスバリ
ヤー性の低いフィルムどうしをラミネートする場合や、
ガスバリヤー性を有しないまたはガスバリヤー性の低い
フィルムとガスバリヤー性を有するフィルムとをラミネ
ートする場合は、この水酸基−イソシアネート基2液硬
化型ウレタン系接着剤から発生する炭酸ガスは、両側ま
たは片側のガスバリヤー性を有しないまたはガスバリヤ
ー性の低いフィルムを透過して発泡には至らない。しか
し、高度なガスバリヤー性を有するフィルムどうしをこ
の接着剤を使ってラミネートする場合は、水分とイソシ
アネートとの反応により発生する炭酸ガスの逃げどころ
がなく、接着剤層は全面に渡って、発泡を起こしてしま
う。
【0007】接着剤層の発泡は、アルミニウム箔のよう
な不透明なバリヤー性基材どうしを貼り合わせる場合は
外観上の問題にはならないが、透明なバリヤー性基材ど
うしまたは透明なガスバリヤー性と不透明なバリヤー性
基材とを貼り合わせる場合は外観不良となる。また、そ
れだけでなく、発泡により接着剤の凝集強度が低下する
ことにより、本来最も重要である接着強度が低下する。
更に、その詳細な理由は不明であるが、ガスバリヤー性
自体も低下することが知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、透明
で且つ高度なガスバリヤー性を有し、各層の接着強度が
高く、さらに、接着剤の発泡による外観不良がない積層
体、およびその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、プラスチ
ックフィルム上にけい素酸化物またはけい素酸化物と金
属フッ化物及びまたはマグネシウム酸化物とからなる薄
膜層を有する第1のガスバリヤー性基材と、第2のガス
バリヤー性基材とを、第1のガスバリヤー性基材の薄膜
層が接着面となるように積層する際に、アミノ基を有す
るポリウレタン樹脂、ポリエポキシ化合物およびシラン
カップリング剤を含む接着剤を用いることにより、接着
剤の発泡による外観不良が発生せず、各層の接着強度が
高い積層体が得られることを見出し、本発明に至った。
【0010】すなわち、本発明は、プラスチックフィル
ム上にけい素酸化物またはけい素酸化物と金属フッ化物
及びまたはマグネシウム酸化物とからなる薄膜層を有す
る第1のガスバリヤー性基材と、第2のガスバリヤー性
基材とを、第1のガスバリヤー性基材の薄膜層が接着面
となるように、アミノ基を有するポリウレタン樹脂、ポ
リエポキシ化合物およびシランカップリング剤を含む接
着剤を介して積層してなる積層体である。また、本発明
は、プラスチックフィルム上にけい素酸化物またはけい
素酸化物と金属フッ化物及びまたはマグネシウム酸化物
とからなる薄膜層を有する第1のガスバリヤー性基材の
薄膜層または第2のガスバリヤー性基材に、アミノ基を
有するポリウレタン樹脂、ポリエポキシ化合物およびシ
ランカップリング剤を含む接着剤を塗布し、前記第1の
ガスバリヤー性基材と前記第2のガスバリヤー性基材と
を前記第1のガスバリヤー性基材の薄膜層が接着面とな
るようにラミネートする積層体の製造方法である。
【0011】第1のガスバリヤー性基材は、プラスチッ
クフィルム上にけい素酸化物またはけい素酸化物と金属
フッ化物及びまたはマグネシウム酸化物とからなる薄膜
層を有するバリヤーフィルムである。薄膜層を構成する
けい素酸化物は、SiOx(X=1以上,2以下)で示
される化合物であり、SiO,Si23 ,Si3
4 ,SiO2 等を含む。中でも、特に無色透明性が重要
な時は、SiOxのxが1.8より大きく、かつ2.0
以下であることが好ましい。この場合、けい素酸化物は
無色透明のSiO2 に近づくため、得られる薄膜層の光
線透過性(透明性)が高くなる。反対にSiOxのxが
1.8以下であると、けい素酸化物はやや褐色を呈し、
更にSiOxのxが1.5以下になると完全に褐色を呈
してしまう。
【0012】薄膜層を構成する金属フッ化物としては、
アルカリ土類金属のフッ化物,アルカリ金属のフッ化物
およびフッ化アルミニウムが挙げられる。具体的には、
フッ化マグネシウム,フッ化カルシウム,フッ化ストロ
ンチウム,フッ化バリウム,フッ化リチウム,フッ化ナ
トリウム,フッ化カリウム,フッ化ルビジウム,フッ化
セシウム,フッ化フランシウム等が挙げられる。この中
でも、フッ化マグネシウム,フッ化カルシウム,フッ化
ストロンチウムおよびフッ化バリウムが好ましく、特に
バリヤー性の点から、フッ化マグネシウムおよびフッ化
カルシウムが優れている。
【0013】金属フッ化物がアルカリ土類金属のフッ化
物である場合は、高度なバリヤ−性と高透明性を両立で
きる。アルカリ金属のフッ化物である場合は、アルカリ
土類金属のフッ化物の場合と透明性は同等であるが、バ
リヤー性は若干劣る。薄膜層を構成するけい素酸化物:
金属フッ化物の組成比は、98〜80モル%:2〜20
モル%の範囲、特に95〜90モル%:5〜10モル%
の範囲が望ましい。薄膜層を構成するマグネシウム酸化
物としては、酸化マグネシウム、酸化マグネシウムと二
酸化けい素との共酸化物(フォルステライトやステアタ
イトと呼称される共酸化物)、酸化マグネシウムと金属
フッ化物との複合化合物が挙げられる。
【0014】薄膜層を構成するけい素酸化物:マグネシ
ウム酸化物の組成比は、99〜80モル%:1〜20モ
ル%の範囲、特に98〜90モル%:2〜10モル%の
範囲が望ましい。また、薄膜層がけい素酸化物と金属フ
ッ化物とマグネシウム酸化物とから構成される場合に
は、けい素酸化物:金属フッ化物:マグネシウム酸化物
の組成比は、80〜97モル%:2〜19モル%:1〜
18モル%の範囲、特に80〜93モル%:5〜18モ
ル%:2〜15モル%の範囲が望ましい。
【0015】第2のガスバリヤー性基材の形態として
は、板・シート・フィルムのようなものがある。第2の
ガスバリヤー性基材として具体的には、ガラス板・金属
板・アルミニウム箔・金属蒸着フィルム・ポリ塩化ビニ
リデンフィルム・金属酸化物蒸着フィルム・ポリ塩化ビ
ニリデンコーティングフィルム・ポリアクリロニトリル
フィルム・エチレン−ビニルアルコール共重合体けん化
物(エバール)フィルム・ポリビニルアルコールフィルム
・エバール共押し出しフィルム・ナイロンフィルム・ポ
リエチレンテレフタレ−トフィルム等が挙げられる。ま
た、第2のガスバリヤー性基材として、第1のガスバリ
ヤー性基材と同様のバリヤーフィルムを用いることもで
きる。ガスバリヤー性基材がフィルムの場合は、未延伸
でもよく、1軸延伸・2軸延伸等でもよい。例示した基
材のうち、金属板・アルミニウム箔・金属蒸着フィルム
は透明性を有しないが、他のものは透明性を有する。
【0016】第1および第2のガスバリヤー性基材の片
面または両面には、コロナ放電処理・プラズマ処理・フ
レーム処理等の表面処理,ポリビニルアルコールやポリ
塩化ビニリデン,ポリエチレンイミン等の易接着処理,
有機/無機バリヤ−性付与・導電性付与・透明性付与等
の塗工処理や蒸着やスパッタリング等のドライプレーテ
ィング処理等が施されていても構わない。ガスバリヤー
性基材の厚みとしては6μm〜10mm程度が好まし
く、特に12〜25μmが適当である。
【0017】第1のガスバリヤー性基材と第2のガスバ
リヤー性基材とを積層する際に用いられる接着剤は、ア
ミノ基を有するポリウレタン樹脂とポリエポキシ化合物
及びシランカップリング剤を含むものである。該接着剤
は、アミノ基とグリシジル基の付加反応によりポリウレ
タン樹脂が架橋されて硬化するので、高度なガスバリヤ
ー性基材どうしをラミネートする時にも、炭酸ガスなど
のガスの発生による接着剤層の発泡を起こさない。ポリ
ウレタン樹脂としては、例えば、ポリオールとポリイソ
シアネートとポリアミンとを反応させて得られる分子末
端の少なくとも一方がアミノ基であるポリウレタン樹脂
が挙げられる。
【0018】ポリオールとしては、ポリテトラメチレン
グリコール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポ
リオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアセター
ルポリオール、ポリアクリレートポリオール、ポリエス
テルアミドポリオール、ポリチオエーテルポリオール等
が挙げられる。
【0019】ポリイソシアネートとしては、従来公知の
もの、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、
2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジ
イソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−
ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチ
ル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,
3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシア
ネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレン
ジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネー
ト、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネー
ト、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサ
メチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシア
ネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、
1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−
シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソ
シアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネー
ト、水素添加キシリレンジイシアネート、リジンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−
ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネート等のポリイソシアネート単量体、上記ポリイソ
シアネート単量体から誘導されたダイマー,トリマー,
ビューレット,アロファネート,ポリオールとのアダク
ト型の多管能ポリイソシアネート挙げられる。
【0020】なお、上記ポリイソシアネートは、2種類
以上併用することも可能である。上記ポリオールとポリ
イソシアネートとを反応させる際のポリオール中のOH
基とポリイソシアネート中のNCO基との比率は、NC
O基:OH基=1:1〜2:1の条件で反応させること
が好ましい。
【0021】ポリアミンとしては、従来公知のもの、例
えば、エチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジア
ミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソ
ホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジ
アミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキ
シルメタンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミ
ン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,2−プロパ
ンジアミン等のジアミン類、アミノエチルエタノールア
ミン、アミノプロピルエタノールアミン、アミノヘキシ
ルエタノールアミン、アミノエチルプロパノールアミ
ン、アミノプロピルプロパノールアミン、アミノヘキシ
ルプロパノールアミン等のアミノアルキルアルカノール
アミン類、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジ
ド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、
アジピン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、マ
レイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコ
ン酸ジヒドラジド等のヒドラジド化合物が挙げられる。
【0022】ポリエポキシ化合物としては、少なくとも
2個のグリシジル基を有するポリエポキシ化合物が好ま
しい。具体的には、エチレングリコールジグリシジルエ
ーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、
ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプ
ロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロ
ールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロール
エタントリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリ
シジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジル
エーテル等の脂肪族ポリエポキシ化合物、ビスフェノー
ルAあるいはビスフェノールFタイプの芳香族ポリエポ
キシ化合物、テトラグリシジルアミノフェニルメタン、
トリグリシジルイソシアヌレート、1,3−ビス(N,
N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等のグリ
シジルアミン型エポキシ化合物が挙げられる。
【0023】アミノ基を有するポリウレタン樹脂とポリ
エポキシ化合物とは、アミノ基の数100に対し、グリ
シジル基の数が20〜300、特に70〜150となる
ような比率で接着剤中に含まれることが好ましい。グリ
シジル基の数が上記範囲外の場合には、接着剤の凝集強
度が低下し、接着強度が低くなる。なお、接着剤中に含
まれる他の成分がアミノ基またはグリシジル基を有する
場合には、接着剤中のアミノ基の合計数とグリシジル基
の合計数が上記比率になるように調整する。
【0024】シランカップリング剤としては、けい素原
子に直接、または−O−もしくは−OCO−を介して結
合した炭化水素基を有し、これらの炭化水素基の少なく
とも一つが二重結合、ハロゲン原子、エポキシ基、酸無
水物基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アクリロ
イル基、メタクリロイル基、アクリルアミノ基、メタク
リルアミノ基またはハロアシルアミノ基を含むものが挙
げられる。シランカップリング剤のうち、エポキシ基や
アミノ基を有する化合物が特に有効である。
【0025】シランカップリング剤として具体的には、
N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
メチルジエトキシシラン等が挙げられる。シランカップ
リング剤は、接着剤の全量を基準として、0.1〜5重
量%、好ましくは0.2〜2重量%の比率で接着剤中に
含まれることが好ましい。シランカップリング剤の含有
量が0.1重量%未満の場合には、充分な接着促進効果
が得られず、5重量%を越える場合には、接着剤の凝集
強度が低下し、接着強度が低くなる。
【0026】接着剤には、シランカップリング剤以外の
公知の接着促進剤を含有させることもできる。接着促進
剤としては、チタネート系カップリング剤、ジルコアル
ミニウム系カップリング剤、アルミニウム系カップリン
グ剤が挙げられる。また、接着剤には、公知の充填剤、
軟化剤、安定剤、レベリング剤、消泡剤、可塑剤、無機
フィラー、粘着付与性樹脂、繊維類、顔料等の着色剤、
可使用時間延長剤等を適宜配合できる。
【0027】本発明の積層体は、プラスチックフィルム
上にけい素酸化物またはけい素酸化物と金属フッ化物及
びまたはマグネシウム酸化物とからなる薄膜層を有する
第1のガスバリヤー性基材の薄膜層または第2のガスバ
リヤー性基材に、アミノ基を有するポリウレタン樹脂、
ポリエポキシ化合物およびシランカップリング剤を含む
接着剤を塗布し、前記第1のガスバリヤー性基材と前記
第2のガスバリヤー性基材とを前記第1のガスバリヤー
性基材の薄膜層が接着面となるようにラミネートするこ
とにより製造することができる。
【0028】接着剤は、乾燥時の塗布量が0.1〜20
g/m2、好ましくは1.0〜10g/m2となるように、
第1のガスバリヤー性基材の薄膜層または第2のガスバ
リヤー性基材に塗布し、40〜150℃、好ましくは5
0〜100℃の温度の乾燥機で乾燥させ、希釈溶剤を蒸
発させる。次いで、第2のガスバリヤー性基材または第
1のガスバリヤー性基材の薄膜層と接着剤塗布面とを重
ね合わせ、温度30〜120℃、圧力60〜300kg
/cm2 のニップロールでラミネートする。第2のガス
バリヤー性基材が、けい素酸化物の蒸着フィルムのよう
に表裏を有する(片面にガスバリヤー層を有する)場合
は、ガスバリヤー層の保護の点から、ガスバリヤー層が
接着面となるように積層することが好ましい。
【0029】特に、第2のガスバリヤー性基材として第
1のガスバリヤー性基材と同様のバリヤーフィルムを用
い、第2のガスバリヤー性基材の薄膜層が接着面となる
ように、第2のガスバリヤー性基材と第1のガスバリヤ
ー性基材とを積層してなる積層体は、バリヤー性がきわ
めて良好なことから、特に高度なガスバリヤー性が必要
な用途に好適に用いられる。
【0030】積層体は、ラミネート後に接着剤の架橋促
進の為にエージングすることが好ましく、エージング条
件としては30〜50℃で1〜3日が経済的に好まし
い。本発明の積層体は、ガスバリヤー性基材/接着剤/
ガスバリヤー性基材の構成であるが、片方または両方の
ガスバリヤー性基材の外側に、熱融着性フィルムや印刷
フィルム,吸湿性フィルム等の別目的のフィルムを積層
しても構わない。
【0031】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下
の実施例に限定されるものではない。なお、実施例にお
ける試験方法は以下の通りである。また、実施例中の
「部」は、「重量部」を意味する。 外観:積層体の状態を目視で観察した。 ラミネート強度:T字剥離にて、ラミネート強度を測定
した。(引っ張り速度:300mm/min) ガスバリヤー性:モコン法を用いて25℃湿潤の条件下
で、積層体の酸素ガス透過率を測定した。この値が小さ
いほど酸素ガスバリヤー性は優れている。
【0032】〔実施例1〕数平均分子量1000のポリ
テトラメチレングリコール235.0部、数平均分子量
1000のポリプロピレングリコール100.0部、数
平均分子量2000のポリプロピレングリコール22
0.0部、ジメチロールプロピオン酸5.2部、酢酸エ
チル170.7部、及びトリレンジイシシアネート12
1.8部を仕込み、80℃で9時間反応させて、末端に
イソシアネート基を有するプレポリマー(NCOの含有
量が2.46%)の溶液を得た。次いで、このプレポリ
マーの溶液を50℃に冷却した後に、酢酸エチル20
1.0部を投入し撹拌を行い、完全に均一に混合した後
に、イソプロピルアルコール371.7部を投入し、再
度撹拌を行った。充分に撹拌が行われ均一系となった後
に、撹拌速度を高速にしてイソフォロンジアミン61.
3部をプレポリマー溶液に投入し、50℃2時間養成を
行い、固形分50重量%のポリウレタン樹脂溶液を得
た。得られたポリウレタン樹脂100部、シランカップ
リング剤(N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン)2部,イソプロピルアルコー
ル110部、エチレングリコールジグリシジルエーテル
をアセトンと酢酸エチルで固形分50重量%になるよう
に希釈したもの10部を配合し、固形分25重量%の接
着剤を得た(接着剤中のアミノ基の数:グリシジル基の
数=100:104)。
【0033】グラビアコーティング方式のドライラミネ
ーターを使用し、得られた接着剤を用いて、12μmの
けい素酸化物蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム
(尾池工業製:MOS−TH)と12μmのアルミナ蒸
着ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋メタライ
ジング製:VMPET−1O11 HG)を薄膜層(蒸
着面)が接着面となるようにドライラミネートした後
(接着剤の乾燥塗布量各4g/m2)、50℃で3日間エ
ージングして積層体を得た。
【0034】〔実施例2〕特開平1−252786号公
報に記載された蒸発原料を連続的に供給排出する方式の
連続巻き取り式抵抗加熱方式の真空蒸着装置を用い、厚
さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片
面に、けい素、二酸化けい素およびフッ化マグネシウム
の混合物(混合比46モル%:46モル%:8モル%)
を加熱真空蒸着し、けい素酸化物とフッ化マグネシウム
とからなる薄膜層を有するバリヤーフィルムを得た。
(薄膜層の厚みは60nm)。また、実施例1と同様に
して得られたポリウレタン樹脂100部、シランカップ
リング剤(N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン)2部,イソプロピルアルコー
ル110部、エチレングリコールジグリシジルエーテル
をアセトンと酢酸エチルで固形分50重量%になるよう
に希釈したもの20部を配合し、固形分25重量%の接
着剤を得た(接着剤中のアミノ基の数:グリシジル基の
数=100:212)。得られた接着剤を用いて、得ら
れた2枚のバリヤーフィルムを薄膜層が接着面となるよ
うに、実施例1と同様にしてドライラミネートした後
(接着剤の乾燥塗布量各2.5g/m2g)、50℃で3
日間エージングして積層体を得た。
【0035】〔実施例3〕実施例2と同様の真空蒸着装
置を用い、12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ
ートフィルムの片面に、一酸化珪素とフォルステライト
(けい素酸化物とマグネシウム酸化物の共酸化物)の混
合物(重量比95:5)を真空蒸着し、けい素酸化物と
マグネシウム酸化物とからなる薄膜層を有するバリヤー
フィルムを得た。また、実施例1と同様にして得られた
ポリウレタン樹脂100部、シランカップリング剤(γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)1部,イ
ソプロピルアルコール110部、エチレングリコールジ
グリシジルエーテルをアセトンと酢酸エチルで固形分5
0重量%になるように希釈したもの5部を配合し、固形
分25重量%の接着剤を得た(接着剤中のアミノ基の
数:グリシジル基の数=100:105)。得られたバ
リヤーフィルムと、12μmのけい素酸化物蒸着ポリエ
チレンテレフタレートフィルム(尾池工業製:MOS−
TH)とを、薄膜層が接着面となるように、得られた接
着剤を用いて実施例1と同様にしてドライラミネートし
た後(接着剤の乾燥塗布量各4g/m2g)、50℃で3
日間エージングして積層体を得た。
【0036】〔比較例1〕接着剤をポリオールおよびポ
リイソシアネートを配合してなるドライラミネート用ウ
レタン系接着剤(東洋モートン製:アドコートAD59
0)に代えた以外は、実施例1と同様にして積層体を得
た。 〔比較例2〕シランカップリング剤を配合せずに接着剤
を調製した以外は、実施例1と同様にして積層体を得
た。
【0037】実施例1〜3および比較例1〜2で得られ
た積層体について、外観,ラミネート強度及びガスバリ
ヤ性の試験を行った。結果を表1に示す。比較例1で
は、接着剤層の全面に発泡が生じたため、ラミネート強
度が低下し、ガスバリヤー性も低下した。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明により、接着剤のガス発泡による
外観不良が無く、各層の接着強度が高く、高度なガスバ
リヤ性を有する積層体が得られるようになった。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA05B AA05C AA18B AA18C AA19 AA20B AA20C AK01A AK01D AK42 AK51G AK53G AR00C BA03 BA04 BA07 BA10A BA10C BA10D CA30 CB02 EC182 GB15 GB41 JD02C JK06 JM01B JM01C 4J040 EC031 EC032 EC061 EC062 EC121 EC122 EC131 EC132 EF061 EF101 EF111 EF121 EF131 EF161 EF181 GA14 HD35 HD36 KA16 LA06 MA01 MA10 MB03 MB05 NA02 NA05 NA08 NA19

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチックフィルム上にけい素酸化物ま
    たはけい素酸化物と金属フッ化物及びまたはマグネシウ
    ム酸化物とからなる薄膜層を有する第1のガスバリヤー
    性基材と、第2のガスバリヤー性基材とを、第1のガス
    バリヤー性基材の薄膜層が接着面となるように、アミノ
    基を有するポリウレタン樹脂、ポリエポキシ化合物およ
    びシランカップリング剤を含む接着剤を介して積層して
    なる積層体。
  2. 【請求項2】第2のガスバリヤー性基材が、プラスチッ
    クフィルム上にけい素酸化物またはけい素酸化物と金属
    フッ化物及びまたはマグネシウム酸化物とからなる薄膜
    層を有するバリヤーフィルムであり、該基材の薄膜層が
    接着面となるように、第2のガスバリヤー性基材と第1
    のガスバリヤー性基材とを積層してなる請求項1記載の
    積層体。
  3. 【請求項3】プラスチックフィルム上にけい素酸化物ま
    たはけい素酸化物と金属フッ化物及びまたはマグネシウ
    ム酸化物とからなる薄膜層を有する第1のガスバリヤー
    性基材の薄膜層または第2のガスバリヤー性基材に、ア
    ミノ基を有するポリウレタン樹脂、ポリエポキシ化合物
    およびシランカップリング剤を含む接着剤を塗布し、前
    記第1のガスバリヤー性基材と前記第2のガスバリヤー
    性基材とを前記第1のガスバリヤー性基材の薄膜層が接
    着面となるようにラミネートする積層体の製造方法。
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