JP4151828B2 - 両面粘着シートおよびタッチパネル付き表示装置 - Google Patents

両面粘着シートおよびタッチパネル付き表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タッチパネルを表示装置の表示面に貼着固定する際に用いられる両面粘着シートおよびタッチパネル付き表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、移動体通信端末(携帯電話機、PHS機などのモバイル型電話機端末や、PDA端末等)は大きな市場を形成しており、今後の成長が期待されている。この移動体通信端末に関して、技術的に目指す主な方向としては、薄型化、軽量化、低消費電力化、高精細化、高輝度化などが挙げられる。特に、入力装置として抵抗膜方式のタッチパネルを搭載したPDAでは、通常は、LCDモジュールの上に、抵抗膜方式のタッチパネルを載せる構成となっている。この抵抗膜方式のタッチパネルでは、上部電極と、下部電極との間には、空気層が存在し、この空気層に関する反射による透過率の低下が、高輝度化、低消費電力化等の障害になっている。これを解決する方法として、LCDモジュールの上部の偏光板、位相差板を、タッチパネルの上部に配置する「インナータッチパネル方式」が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、インナータッチパネル方式では、通常広く利用されている2軸延伸ポリエチレンテレフタレートなどの基材の両面に、粘着剤を塗布した形態の基材付き両面テープを用いると、光学的に満足させることが困難になる。従って、光学的性質が優れている両面粘着シートが求められている。
なお、タッチパネルを貼り合わせる粘着テープとして、従来の基材レス粘着テープを用いると、光学的等方性を満足させることができるが、貼り合わせにミスが生じた場合、剥がすことが困難であったり、糊が残ることによる作業性低下が生じたりして、「リワーク性」が低い。なお、糊が残った場合は、残存している糊の拭き取り等の作業が生じる場合がある。そのため、さらに、リワーク性と光学的性質とを高いレベルで満足している両面粘着シートが求められている。
【0004】
したがって、本発明の目的は、タッチパネルを表示装置の表示面に貼着固定する際に用いられる両面粘着シートとして、優れた光学的性質を有している両面粘着シート、およびタッチパネル付き表示装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、タッチパネルを表示装置の表示面から容易に剥がして再度貼着させることができるリワーク性に優れ、且つ光学的性質が優れている両面粘着シート、およびタッチパネル付き表示装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、タッチパネルを表示装置の表示面に貼着固定する際に用いられる両面粘着シートとして、特定の特性を有する基材を用いると、光学的性質を満足させることができ、しかも、前記基材の両面に組成の異なる高透明性を発揮する粘着剤をそれぞれ塗布すると、該両面粘着シートを介してタッチパネルを表示装置の表示面に貼着固定した後、タッチパネルを表示装置の表示面に貼り直す際には、容易に貼り直すことができ、リワーク性が良好であることを見出し、本発明を完成させた。
【0006】
すなわち、本発明は、タッチパネルを表示装置の表示面に貼着固定する際に、一方の面がタッチパネルの略全面に貼付され且つ他方の面が表示装置の表示面の略全面に貼付される両面粘着シートであって、位相差が0〜15nmである光学的に等方性を有する透明基材の一方の面にタッチパネル側透明粘着剤層が形成されているとともに他方の面に表示装置側透明粘着剤層が形成され、且つタッチパネルとともに表示装置の表示面から再剥離可能となるように構成されており、且つ前記透明粘着剤層がアクリル系粘着剤により形成されていることを特徴とするインナータッチパネル方式における表示装置とタッチパネルとの固定に用いられる両面粘着シートを提供する
【0007】
前記光学的に等方性を有する透明基材が、可視光波長領域における全光線透過率が85%以上であり、且つヘイズが2.0%以下であってもよい。さらに、光学的に等方性を有する透明基材が、環状オレフィン系ポリマーから構成されていることが好ましい。さらにまた、タッチパネル側透明粘着剤層の180°ピール粘着力(剥離速度300mm/分、23℃、対ポリエチレンテレフタレートフィルム)が3.5N/20mm以上であり、且つ表示装置側透明粘着剤層の180°ピール粘着力(剥離速度300mm/分、23℃、対トリアセチルセルロースフィルム)が3.0N/20mm以下であることが好ましい。
【0008】
本発明の両面粘着シートは、インナータッチパネル方式における表示装置とタッチパネルとの固定に用いることができる。
【0009】
本発明は、また、前記両面粘着シートにより、表示装置とタッチパネルとが固定されていることを特徴とするタッチパネル付き表示装置を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に基づいて説明する。なお、同一の部材又は部位等には、同一の符号を付している場合がある。
【0011】
図1は本発明の両面粘着シートの一態様を部分的に示す概略断面図である。図1において、1は両面粘着シート、2は光学的に等方性又は1軸性を有する透明基材(単に「等方・1軸性透明基材」と称する場合がある)、3はタッチパネル側透明粘着剤層、4は表示装置側透明粘着剤層である。両面粘着シート1は、等方・1軸性透明基材2の一方の面にタッチパネル側透明粘着剤層3が形成されており、且つ、他方の面に表示装置側透明粘着剤層4が形成されている。
【0012】
本発明の両面粘着シート1は、例えば、図2で示されるように、2枚の透明導電性プラスチックフィルム[例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムを基材とし、その片面にITO(Indium Thin Oxide)等の導電性層を形成した透明導電性ポリエチレンテレフタレートフィルム(導電性PET)などの透明導電性プラスチックフィルム]からなるタッチパネルを、表示装置に貼着させる際に用いることができる。図2は本発明の両面粘着シートが使用される際の構成の一例を示す概略断面図である。図2において、5はタッチパネル、5aは上部側の導電性PET、5bは下部側の導電性PET、5cは接着層、5dは銀ペースト層、6はLCDモジュール、7は偏光板、8はバックライト、8aは両面粘着テープ、9は位相差板、10は偏光板であり、1は前記と同様に両面粘着シートである。
【0013】
図2で示される使用態様では、表示装置としてLCDモジュール6が用いられており、液晶表示装置に関する使用態様である。この図2では、2枚の導電性PET(5a,5b)からなるタッチパネル5と、LCDモジュール6とが両面粘着シート1を介して貼着されており、前記LCDモジュール6の他方の面(タッチパネル5に対して反対側の面)には、LCDモジュール6に用いられている偏光板7があり、さらに、偏光板7の下面側の面(LCDモジュール6に対して反対側の面)には枠状の両面粘着テープ8aを介してバックライト8が貼着されている。一方、タッチパネル5の上面又は表面側の面(LCDモジュール6に対して反対側の面)には、位相差板9、偏光板10がこの順で設けられている。すなわち、図2は、本発明の両面粘着シートをインナータッチパネル方式に適用した使用態様の一例を示している。より具体的には、両面粘着シート1は、一方の面がタッチパネル5の略全面に貼付され、且つ他方の面がLCDモジュール6の表示面の略全面に貼付されている。このように、本発明の両面粘着シート1は、タッチパネルの略全面と表示装置の表示面の略全面とに貼り合わせられ、タッチパネルと表示装置との間には空気界面が存在していない形態で用いることができる。
【0014】
両面粘着シート1において、タッチパネル側透明粘着剤層3は、タッチパネルと貼り合わせる際に用いられる透明粘着剤層であり、図2では、タッチパネル5の下部側の面(下部側導電性PET5bの外面)と貼り合わせられている。一方、表示装置側透明粘着剤層4は表示装置に貼り合わせる際に用いられる透明粘着剤層であり、図2では、LCDモジュール6の表示面(上部側の外面)に貼り合わせられている。
【0015】
なお、等方・1軸性透明基材2が、光学的に等方性の透明基材の場合は、透明基材には光軸がないので、LCDモジュール6で用いられている偏光板7の光軸を透明基材に整合させる必要性がないが、光学的に1軸性の透明基材の場合には、透明基材の光軸と、LCDモジュール6で用いられている偏光板7の光軸とを合わせて整合させることが必要である。
【0016】
このように、本発明の両面粘着シートでは、等方・1軸性透明基材が用いられているので、基材が光学的に等方性又は1軸性を有していることにより優れた光学的性質を発揮できる。
【0017】
本発明では、両面粘着シート1は、該両面粘着シート1を介してタッチパネルを表示装置の表示面に貼着させた際には、該両面粘着シート1をタッチパネルとともに表示装置の表示面から再剥離可能となるような構成を有していることが重要である。この「両面粘着シートをタッチパネルとともに表示装置の表示面から再剥離可能となるような構成」とは、「両面粘着シートを介してタッチパネルを表示装置の表示面に貼着させた後に、該両面粘着シートをタッチパネルとともに表示装置の表示面と両面粘着シートの表示装置側透明粘着剤層との界面から剥離することができ、さらに、この一旦剥離された両面粘着シートとタッチパネルとの構成体を、表示装置の表示面に再度貼着することができるような構成」を意味している。なお、このような再剥離可能な構成では、両面粘着シートをタッチパネルとともに表示装置の表示面から剥離させる時には、タッチパネルを構成している透明導電性部材にクラック等の異常を発生させることなく剥離でき、さらに、一旦剥離された両面粘着シートとタッチパネルとの構成体を表示装置の表示面に再度貼着する時には、表示装置側透明粘着剤層の表面の糊面荒れに伴う気泡が混入することなく貼着できることが重要である。
【0018】
このような両面粘着シート1において、再剥離可能な構成としては、特に制限されず、例えば、タッチパネル側透明粘着剤層3と表示装置側透明粘着剤層4との粘着力の関係により発揮される再剥離可能な構成を採用することができる。例えば、表示装置側透明粘着剤層4の表示装置6の表示面に対する粘着力を、タッチパネル側透明粘着剤層3のタッチパネル5の貼着面に対する粘着力よりも小さくすることにより発揮される再剥離可能な構成であってもよい。具体的には、タッチパネル側透明粘着剤層3の180°ピール粘着力[剥離速度300mm/分、23℃、対ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)]が3.5N/20mm以上であり、且つ表示装置側透明粘着剤層4の180°ピール粘着力[剥離速度300mm/分、23℃、対トリアセチルセルロース(TAC)フィルムが3.0N/20mm以下であってもよい。
【0019】
前記タッチパネル側透明粘着剤層3の180°ピール粘着力(剥離速度300mm/分、23℃、対PETフィルム)としては、5.0N/20mm以上(例えば、5.0〜25N/20mm)が好ましく、さらに8.0N/20mm以上(例えば、8.0〜20N/20mm)が好適である。
【0020】
また、前記表示装置側透明粘着剤層4の180°ピール粘着力(剥離速度300mm/分、23℃、対TACフィルム)としては、例えば、0.1〜3.0N/20mmであり、0.5〜3.0N/20mmが好ましく、さらに1.0〜2.5N/20mmが好適である。
【0021】
このように、両面粘着シートが再剥離可能な構成を有していると(特に、表示装置側透明粘着剤層およびタッチパネル側透明粘着剤層の粘着力が前述のような大きさを有していると)、両面粘着シートを介してタッチパネルを表示装置の表示面に貼着固定した後、タッチパネルを表示装置の表示面から剥離させたり、さらに表示装置の表示面に貼り直したりする際には、タッチパネルを構成している透明導電性部材にクラック等の異常を発生させることなく、両面粘着シートをタッチパネルとともに表示装置の表示面から容易に剥離させることができる。しかも、表示装置側透明粘着剤層の表面の糊面荒れが抑制又は防止されており、一旦剥離された両面粘着シートとタッチパネルとの構成体を、表示装置側透明粘着剤層と表示装置の表示面との界面に気泡を混入させずに、表示装置の表示面に貼着することができる。従って、このような再剥離可能な構成を有する両面粘着シートは、両面粘着シートを介してタッチパネルを表示装置の表示面に貼着固定した後、タッチパネルを表示装置の表示面から容易に剥がすことができ、しかも再度貼着させることができるというリワーク性が優れている。
【0022】
なお、表示装置側透明粘着剤層の180°ピール粘着力(剥離速度300mm/分、23℃、対TACフィルム)が3.0N/20mmより大きくなると、両面粘着シートをタッチパネルとともに表示装置の表示面から剥離させる時に、タッチパネルを構成している透明導電性部材の表面にクラック等の異常が入りやすくなる。
【0023】
前記表示装置側透明粘着剤層の180°ピール粘着力(剥離速度300mm/分、23℃、対TACフィルム)は、例えば、次のようにして測定することができる。両面粘着シートのタッチパネル側透明粘着剤層上にポリエチレンテレフタレートフィルム(例えば、厚さ25μm)を貼り合わせた後、幅20mmに切断し、さらに、表示装置側透明粘着剤層上に被着体としてのトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを貼り合わせる。その後、オートクレーブに投入して、50℃且つ5気圧の条件下で15分処理した後、オートクレーブから取り出して23℃の条件下で120分間放置する。放置後、引張試験機を使用して、引張速度300mm/minで、両面粘着シートを被着体(この場合、被着体はTACフィルムである)から剥離させたときの180°ピール粘着力を測定する。
【0024】
前記タッチパネル側透明粘着剤層の180°ピール粘着力(剥離速度300mm/分、23℃、対PETフィルム)は、例えば、次のようにして測定することができる。両面粘着シートの表示装置側透明粘着剤層上にポリエチレンテレフタレートフィルム(例えば、厚さ25μm)を貼り合わせた後、幅20mmに切断し、さらに、タッチパネル側透明粘着剤層上に被着体としてのポリエチレンテレフタレートフィルム(例えば、厚さ188μm)を貼り合わせる。その後、オートクレーブに投入して、50℃且つ5気圧の条件下で15分処理した後、オートクレーブから取り出して23℃の条件下で120分間放置する。放置後、引張試験機を使用して、引張速度300mm/minで、両面粘着シートを被着体(この場合、被着体はポリエチレンテレフタレートフィルムである)から剥離させたときの180°ピール粘着力を測定する。
【0025】
なお、表示装置側透明粘着剤層の180°ピール粘着力(剥離速度300mm/分、23℃、対TACフィルム)としては、例えば、タッチパネル側透明粘着剤層の180°ピール粘着力(剥離速度300mm/分、23℃、対PETフィルム)よりも小さいことが好ましい。
【0026】
(両面粘着シート)
本発明の両面粘着シート1の層構成は、図1に示されているように、等方・1軸性透明基材2の両面に透明粘着剤層が形成されており、前記透明粘着剤層は、一方がタッチパネル側透明粘着剤層3であり、他方が表示装置側透明粘着剤層4である。等方・1軸性透明基材2は、光学的に等方性又は1軸性である光学的特性を有し且つ透明であれば特に制限されない。等方・1軸性透明基材2の素材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂、トリアセチルセルロース、ポリサルフォン、ポリアリレート、ポリカーボネート、商品名「アートン(環状オレフィン系ポリマー;JSR社製)」、商品名「ゼオノア(環状オレフィン系ポリマー;日本ゼオン社製)」などのプラスチック材料が挙げられる。中でも、インナータッチパネル方式に使用する場合は、光学的特性の点から、基材は、環状オレフィン系ポリマーから構成されていることが好ましい。プラスチック材料は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。従って、等方・1軸性透明基材2としては、これらプラスチック材料からなるフィルム又はシート(「プラスチックフィルム」と総称する場合がある)が用いられる。プラスチックフィルムのなかでも、高透明性を有するプラスチックフィルムを好適に用いることができる。
【0027】
等方性透明基材(等方性を有する透明基材)の位相差としては、例えば、0〜15nm(好ましくは0〜10nm)であることが望ましい。
【0028】
透明粘着剤層(タッチパネル側透明粘着剤層3,表示装置側透明粘着剤層4)を形成する粘着剤としては、表示装置の視認性を低下させない程度の透明性を有するものであれば良く、例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤などの公知乃至慣用の粘着剤を使用することができる。粘着剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。また、タッチパネル側透明粘着剤層3を形成する粘着剤と、表示装置側透明粘着剤層4を形成する粘着剤とは同一の種類の粘着剤であってもよく、異なる種類の粘着剤であってもよい。透明粘着剤層(タッチパネル側透明粘着剤層3,表示装置側透明粘着剤層4)を形成する粘着剤としては、耐久性の点から、アルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸C1-18アルキルエステル]を主モノマー成分とするアクリル系ポリマーを主成分又はベースポリマーとして含有しているアクリル系粘着剤が好ましい。
【0029】
(メタ)アクリル酸C1-18アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル等の(メタ)アクリル酸C1-18アルキルエステルなどが挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸C1-18アルキルエステルは単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0030】
また、アクリル系ポリマーにおいて、(メタ)アクリル酸C1-18アルキルエステルに対して共重合性を有している単量体成分(共重合性モノマー)が用いられていてもよい。特に、アクリル系ポリマーを架橋させる際には、共重合性モノマーとしては、アクリル系感圧性接着剤の改質用モノマーが用いられていることが好ましい。このような改質用モノマーとしては、例えば、アクリル系感圧性接着剤の改質用モノマーとして知られる各種モノマーのいずれも使用可能である。共重合性モノマーは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0031】
具体的には、共重合性モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル等のビニルエステル類;(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基含有共重合性モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有共重合性モノマー;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有共重合性モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有共重合性モノマー;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリル酸アルキルエステル等のアミノ基含有共重合性モノマー;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基含有共重合性モノマーなどの各種の官能基(特に極性基)を有している共重合性モノマー(官能基含有共重合性モノマー)の他、スチレン等のスチレン系モノマー;エチレン、プロピレンなどのα−オレフィン系モノマーなどが挙げられる。
【0032】
改質用モノマーとしては、前記官能基含有共重合性モノマーを用いることができ、これらのなかでもヒドロキシル基含有共重合性モノマー、カルボキシル基含有共重合性モノマーが好ましく、特にアクリル酸が好適である。なお、改質用モノマーに由来する官能基(特に極性基)を利用してアクリル系ポリマーを架橋することができる。
【0033】
アクリル系ポリマーを得るための重合方法としては、アゾ系化合物や過酸化物などの重合開始剤を用いて行う溶液重合方法、エマルジョン重合方法や塊状重合方法、光開始剤を用いて光や放射線を照射して行う重合方法などを採用することができる。本発明では、分解してラジカルを生成させる重合開始剤を用いて重合させる方法(ラジカル重合方法)を好適に採用することができる。このようなラジカル重合では、通常のラジカル重合に用いられる重合開始剤を使用できる。例を挙げれば、ジベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルマレエートなどの過酸化物、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリルなどのアゾ系化合物等が用いられる。
【0034】
ラジカル重合において、重合開始剤の使用量は、アクリル系モノマーの重合の際に通常用いられる量でよく、例えば、前記モノマーの総量100重量部に対して、0.005〜10重量部程度、好ましくは0.1〜5重量部程度である。
【0035】
アクリル系ポリマーの主モノマー成分としての(メタ)アクリル酸C1-18アルキルエステルの割合としては、モノマー成分全量に対して、50重量%以上であることが重要であり、好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上である。従って、共重合性モノマーの割合は、モノマー成分全量に対して、50重量%以下となる。
【0036】
本発明では、前記モノマー成分を用いて重合させて得られたアクリル系ポリマーはそのまま乾燥させて用いることができる。また、アクリル系ポリマーを架橋させることにより硬化させて用いることも可能である。前記ポリマーを架橋させることにより感圧性接着剤としての凝集力を一層大きくすることができる。このような架橋による硬化に際しては、架橋剤を用いることができる。すなわち、アクリル系粘着剤には、アクリル系ポリマーとともに、架橋剤が配合されていてもよい。なお、ポリマーの架橋は、加熱架橋方法が好適に用いられる。
【0037】
前記架橋剤には従来公知のものが広く包含される。架橋剤としては、特に、多官能性メラミン化合物、多官能性エポキシ化合物、多官能性イソシアネート化合物が好ましい。架橋剤は単独で又は2種以上混合して使用することができる。
【0038】
多官能性メラミン化合物としては、例えば、メチル化トリメチロールメラミン、ブチル化ヘキサメチロールメラミンなどが挙げられる。また、多官能性エポキシ化合物としては、例えば、ジグリシジルアニリン、グリセリンジグリシジルエーテルなどが挙げられる。多官能性メラミン化合物及び/又は多官能性エポキシ化合物の使用量は、前記ポリマー100重量部に対して、例えば0.001〜10重量部、好適には0.01〜5重量部の範囲である。
【0039】
また、多官能性イソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートの二重体、トリメチロールプロパンとトリレンジイソシアネートとの反応生成物、トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応生成物、ポリエーテルポリイソシアネート、ポリエステルポリイソシアネートなどが挙げられる。多官能性イソシアネート化合物の使用量は、前記ポリマー100重量部に対して、例えば0.01〜20重量部、好適には0.05〜15重量部の範囲である。
【0040】
前記アクリル系粘着剤はそのまま使用してもよいが、必要に応じて各種添加剤を添加して使用に供してもよい。例えば、前記アクリル系ポリマーを主接着性成分とする感圧性接着剤組成物の接着特性を調整するため、公知乃至慣用の粘着付与樹脂(例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、スチレン系樹脂など)を配合してもよい。但し、両面粘着シート1の透明性及び無色性を高めたり色調変化を抑えるという観点から、水添のタッキファイヤーが好ましく使用され、その配合割はヘイズ値を上昇させない範囲であることが好ましい。また、粘着付与樹脂以外の添加剤として、可塑剤、微粉末シリカ等の充てん剤、着色剤、紫外線吸収剤、界面活性剤などの公知の各種添加剤を配合することもできる。これらの添加剤の使用量は、いずれもアクリル系感圧性接着剤に適用される通常の量でよい。
【0041】
両面粘着シート1において、タッチパネル側透明粘着剤層3および表示装置側透明粘着剤層4がアクリル系粘着剤から形成されている場合、改質用モノマー(官能基含有共重合性モノマー)の割合を極力低くする方法、架橋剤を比較的多く用いて架橋構造を密にする方法、界面活性剤を用いる方法などの方法を採用することにより、表示装置側透明粘着剤層4の表示装置6の表示面に対する粘着力を、タッチパネル側透明粘着剤層3のタッチパネル5の貼着面に対する粘着力よりも小さくすることができる。本発明では、官能基含有共重合性モノマーの割合を極力低くして調整することにより、表示装置側透明粘着剤層4およびタッチパネル側透明粘着剤層の粘着力がコントロールされていることが好ましく、この場合、官能基含有共重合性モノマーの割合は、モノマー成分全量に対して、5重量%以下(好ましくは3重量%以下)の範囲であることが望ましい。
【0042】
両面粘着シート1は、等方・1軸性透明基材2の一方の面に、タッチパネル側透明粘着剤層3を形成するための粘着剤を塗布して乾燥し、他方の面に表示装置側透明粘着剤層4を形成するための粘着剤を塗布して乾燥し、必要に応じてこれらの乾燥時又は乾燥後に架橋させて硬化させる方法や、予め剥離ライナー上に形成されているタッチパネル側透明粘着剤層3や表示装置側透明粘着剤層4を、等方・1軸性透明基材2のそれぞれの面に転写する方法などにより作製することができる。なお、両面粘着シート1は、タッチパネル側透明粘着剤層3や表示装置側透明粘着剤層4が剥離ライナーにより保護されていてもよく、この場合、剥離ライナーを剥離しタッチパネル側透明粘着剤層3や表示装置側透明粘着剤層4を露出させて、両面粘着シート1を使用することができる。
【0043】
等方・1軸性透明基材2の厚さは、特に限定されず、例えば、4〜150μm(好ましくは10〜80μm)程度の範囲から選択することができる。
【0044】
また、透明粘着剤層(タッチパネル側透明粘着剤層3,表示装置側透明粘着剤層4)の厚さは、特に制限されず、例えば、5〜500μm(好ましくは5〜50μm、さらに好ましくは10〜30μm)程度の範囲から選択することができる。タッチパネル側透明粘着剤層3と表示装置側透明粘着剤層4との厚さは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0045】
なお、タッチパネル側透明粘着剤層3や表示装置側透明粘着剤層4を予め剥離ライナー上に形成して、等方・1軸性透明基材2のそれぞれの面に転写する方法を採用する場合、剥離ライナーとしては、表面が平滑なプラスチックフィルム(特にPETフィルム)の表面が剥離処理された剥離ライナーを好適に用いることができる。
【0046】
両面粘着シート1は、高い透明性を有していることが好ましく、そのため、両面粘着シート1を構成する基材や粘着剤としては、透明性を有しているもの(等方・1軸性透明基材2,タッチパネル側透明粘着剤層3,表示装置側透明粘着剤層4)が用いられている。両面粘着シート1は、例えば、可視光波長領域における全光線透過率(JIS K 7136に準じる)が85%以上(好ましくは87%以上、さらに好ましくは90%以上)である透明性を有していることが望ましい。
【0047】
また、両面粘着シート1のヘイズ(JIS K 7136に準じる)としては、例えば、2.0%以下(好ましくは1.0%以下、さらに好ましくは0.5%以下)の範囲から選択することができる。
【0048】
等方・1軸性透明基材2や剥離ライナーへの粘着剤の塗布は、慣用のコーター、例えば、グラビヤロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーターなどを用いて行うことができる。
【0049】
本発明において、タッチパネル側透明粘着剤層3や表示装置側透明粘着剤層4は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の層を介して又は介することなく複数の層で構成されていてもよい。
【0050】
なお、本発明の両面粘着シート1は、適宜の幅に裁断しロール状に巻回することにより、両面接着テープとして用いることができる。
【0051】
(タッチパネル)
タッチパネルとしては、本発明の特徴を生かすという意味では、図2に示した「インナータッチパネル方式」のタッチパネルに好ましく使用されるが、タッチパネルの構成又は種類には特に制限されず、いわゆる「F/Fタイプ」のタッチパネル、いわゆる「F/Gタイプ」のタッチパネル、いわゆる「F/F/Pタイプ」のタッチパネル等にも使用することができる。
【0052】
(表示装置)
表示装置としては、特に限定されず、図2に示されているような液晶表示装置(LCDモジュール6)の他、ブラウン管、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ等が例示される。なお、LCDモジュール6の表示面は、トリアセチルセルロース(TAC)やガラスが素材とされていてもよい。また、表示装置には偏光板が備えられていてもよい。
【0053】
本発明の両面粘着シートは、タッチパネルを表示装置に貼着させる際に、タッチパネルの略全面と表示装置の表示面の略全面とに貼り合わせる形態で好適に用いられる。従って、本発明の両面粘着シートを用いると、タッチパネルと表示装置との間に空気界面が存在しておらず、また導電性フィルム間の空気界面での反射による視認性低下が生じなくなることから、非常に良好な視認性を有することとなる。しかも、前記両面粘着シートは高透明性を有しており、表示装置からの光の透過率の低減が抑制又は防止され、さらに色調の変化もない。そのため、インナータッチパネル方式の構成のタッチパネルに対して適用されていても、表示装置からの画像又は映像の光が、インナータッチパネル方式の構成のタッチパネルを通しても明瞭に視認することができ、視認性を長期にわたって高度に保つことができる。
【0054】
特に、本発明の両面粘着シートは、透明基材が光学的に等方性又は1軸性を有しているので、優れた光学的特性を発揮させることができる。
【0055】
さらに、本発明の両面粘着シートは、タッチパネルとともに表示装置の表示面から再剥離できる構成を有していると、タッチパネル及び表示装置の表示面に貼り合わせた後、タッチパネルを表示装置に貼着させる際の貼着ミスや長期の使用後での修理やリサイクルなどで、タッチパネルを表示装置の表示面から剥がして再度同一又は異なる表示装置の表示面に貼着させて貼り直す際には、容易に、タッチパネルにクラック等を発生させずに剥離させることができ、さらに、この剥離させた後にもう一度貼り付けても、表示装置側透明粘着剤層の表面の糊面荒れに伴う気泡の混入が防止されている。従って、貼り直し性が優れており、リワーク性が極めて良好である。また、貼着ミスが生じても貼り直すことが可能であるので、タッチパネルや表示装置などを廃棄しなくてもよく、製造コスト面からも優れている。さらに、リサイクルすることも可能であり、資源的な面または環境面からも優れている。
【0056】
従って、本発明の両面粘着シートを用いると、入力装置としてタッチパネルが搭載された移動体通信端末(携帯電話機、PHS機などのモバイル型電話機端末や、PDA端末等)の低消費電力化、高輝度化、薄型化を効果的に図ることができる。
【0057】
【発明の効果】
本発明の両面粘着シートによれば、タッチパネルを表示装置の表示面に貼着固定する際に用いられるものであり、優れた光学的性質を有している。しかも、特定の構成とすることにより、貼り直しを行う際のリワーク性を良好にすることができる。
【0058】
【実施例】
以下に、この発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。なお、以下において、部とあるのは重量部を、%とあるのは重量%を、それぞれ意味する。
【0059】
(調製例1)
アクリル系ポリマーのモノマー成分としてアクリル酸エチル:60部、アクリル酸ブチル:35部、アクリル酸:5部、および重合溶媒として酢酸エチル:100部を3つ口フラスコに投入し、窒素ガスを導入しながら2時間攪拌した。このようにして重合系内の酸素を除去した後、アゾイソブチロニトリル:0.2部を添加し、60℃に昇温し10時間反応させた。その反応液に、酢酸エチルを加え、固形分濃度30重量%のアクリル系ポリマー溶液(「アクリル系ポリマーA溶液」と称する)を得た。
【0060】
(調製例2)
アクリル系ポリマーのモノマー成分としてアクリル酸イソオクチル:95部、アクリル酸:5部を用いること以外は調製例1と同様にして、固形分濃度30重量%のアクリル系ポリマー溶液(「アクリル系ポリマーB溶液」と称する)を調製した。
【0061】
(調製例3)
アクリル系ポリマーのモノマー成分としてアクリル酸ブチル:100部、アクリル酸3−ヒドロキシプロピル:0.06部を用いること以外は調製例1と同様にして、固形分濃度30重量%のアクリル系ポリマー溶液(「アクリル系ポリマーC溶液」と称する)を調製した。
【0062】
(実施例1)
アクリル系ポリマーB溶液に、グリセリンジグリシジルエーテルを、アクリル系ポリマーB溶液中のアクリル系ポリマーB:100部に対して2部の割合で加え、表示装置側透明粘着剤層用の粘着剤溶液(「粘着剤A1」と称する)を調製した。また、アクリル系ポリマーA溶液に、グリセリンジグリシジルエーテルを、アクリル系ポリマーA溶液中のアクリル系ポリマーA:100部に対して0.05部の割合で加え、タッチパネル側透明粘着剤層用の粘着剤溶液(「粘着剤A2」と称する)を調製した。
【0063】
厚さ:60μmのプラスチックフィルム(商品名「アートン」JSR社製;「プラスチックフィルムA」と称する)の一方の面に、乾燥後の厚さが約20μmとなるように粘着剤A1を流延塗布し、130℃で3分間加熱乾燥して、表示装置側透明粘着剤層を形成し、さらに該表示装置側透明粘着剤層上に、剥離処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムからなる剥離ライナーを、表示装置側透明粘着剤層と剥離処理面とが接触するように貼り合わせた。
また、剥離処理したPETフィルムからなる剥離ライナーの剥離処理面に、乾燥後の厚さが約20μmとなるように粘着剤A2を流延塗布し、130℃で3分間加熱乾燥して、タッチパネル側透明粘着剤層を形成し、さらに、該タッチパネル側透明粘着剤層が、前記プラスチックフィルムAの他方の面と接触するようにして、プラスチックフィルムAと貼り合わせて、プラスチックフィルムAのそれぞれの面に表示装置側透明粘着剤層とタッチパネル側透明粘着剤層とが形成されている両面粘着シートを作製した。
【0064】
(実施例2)
アクリル系ポリマーC溶液に、ヘキサメチレンジイソシアネートを、アクリル系ポリマーC溶液中のアクリル系ポリマーC:100部に対して1部の割合で加え、表示装置側透明粘着剤層用の粘着剤溶液(「粘着剤B1」と称する)を調製した。また、アクリル系ポリマーB溶液に、グリセリンジグリシジルエーテルを、アクリル系ポリマーB溶液中のアクリル系ポリマーB:100部に対して0.05部の割合で加え、タッチパネル側透明粘着剤層用の粘着剤溶液(「粘着剤B2」と称する)を調製した。
【0065】
粘着剤A1に代えて粘着剤B1を用いるとともに、粘着剤A2に代えて粘着剤B2を用いること以外は実施例1と同様にして、プラスチックフィルムAのそれぞれの面に表示装置側透明粘着剤層とタッチパネル側透明粘着剤層とが形成されている両面粘着シートを作製した。
【0066】
(実施例3)(参考例とする)
アクリル系ポリマーB溶液に、グリセリンジグリシジルエーテルを、アクリル系ポリマーB溶液中のアクリル系ポリマーB:100部に対して1.5部の割合で加え、表示装置側透明粘着剤層用の粘着剤溶液(「粘着剤C1」と称する)を調製した。また、アクリル系ポリマーA溶液に、グリセリンジグリシジルエーテルを、アクリル系ポリマーA溶液中のアクリル系ポリマーA:100部に対して0.5部の割合で加え、タッチパネル側透明粘着剤層用の粘着剤溶液(「粘着剤C2」と称する)を調製した。
【0067】
粘着剤A1に代えて粘着剤C1を用いるとともに、粘着剤A2に代えて粘着剤C2を用い、さらに、両面粘着シートの基材としてのプラスチックフィルムA(商品名「アートン」JSR社製)に代えて、1軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、プラスチックフィルムAのそれぞれの面に表示装置側透明粘着剤層とタッチパネル側透明粘着剤層とが形成されている両面粘着シートを作製した。
【0068】
(比較例1)
両面粘着シートの基材としてのプラスチックフィルムA(商品名「アートン」JSR社製)に代えて、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、基材のそれぞれの面に表示装置側透明粘着剤層とタッチパネル側透明粘着剤層とが形成されている両面粘着シートを作製した。
【0069】
(評価)
実施例1〜3、比較例1に係る両面粘着シートについて、接着性、耐候性、リワーク性、光学的特性を、下記の方法により評価した。評価結果は、表1に示した。
【0070】
(接着性の評価方法)
両面粘着シートの接着力測定面と異なる面にポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「ルミラーS−10♯25」東レ社製)を貼り合わせた後、20mm幅にカットし、接着力測定面に各被着体[トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、PETフィルム]を23℃の雰囲気下、荷重:19.6Nでローラー1往復にて貼り合わせた後、オートクレーブで、50℃且つ5気圧で15分処理し、23℃まで放冷した後、テンシロン型剥離試験機により300mm/minの剥離速度で、180°方向の剥離接着力を測定した。
なお、接着力測定面が表示装置側透明粘着剤層の場合は、被着体はTACフィルム(厚み:80μm)であり、タッチパネル側透明粘着剤層の場合は、被着体はPETフィルム(厚み:188μm)である。
【0071】
(耐候性の評価方法)
両面接着シートのタッチパネル側透明粘着剤層側の面に、PETフィルム(厚さ:188μm)をラミネートにより接着させた後、これを、ガラス基板上にあらかじめ形成した偏光板(商品名「SEG1425DU」日東電工社製)の上に貼りあわせ、オートクレーブで、50℃且つ5気圧で15分処理した。これを80℃、及び60℃且つ95%RHに、それぞれ500時間投入して耐候性試験を行った。この耐候性試験後、目視により、接着界面に外観欠点となる気泡や浮きなどが全く見られなかったものを「○」とし、上記気泡や浮きなどがわずかでも見られるものを「×」として、耐候性を評価した。
【0072】
(リワーク性の評価方法)
両面接着シートを介して、片面にITO(Indium Thin Oxide)による透明薄膜が形成されているPETフィルム(PETフィルムの厚み:100μm)を、偏光板(商品名「SEG1425DU」日東電工社製)に貼りあわせ、オートクレーブで、50℃且つ5気圧で15分処理した。これを、およそ300mm/minの速さで且つ30〜60°程度の剥離角度で剥がして、このときの剥離抵抗感と、もう一度貼ったときの糊面荒れによる気泡噛みの有無、ITO付きPETフィルムのクラックの有無を目視にて確認し、良好であれば「○」とし、剥離抵抗が重い、気泡噛みしてしまう、あるいはクラックが入るといった不具合があれば「×」として、リワーク性を評価した。
なお、該貼り直し性の評価方法において、ITO付きPETフィルムはF/Fタイプの構成のタッチパネルの下部側電極に相当しており、偏光板は表示装置の表示面に相当している。
【0073】
(光学的特性の評価方法)
両面接着シートの一方の面に偏光板(商品名「SEG1425DU」日東電工社製)貼りあわせ、他方の面にガラス貼り合わせ、さらに、ガラスのもう一方の面にクロスニコルに偏光板(商品名「SEG1425DU」日東電工社製)を貼り合わせた。これの全光線透過率を測定し、全光線透過率の値が5%未満であれば「○」とし、5%以上であれば「×」として、光学的特性を評価した。
なお、実施例3(参考例)に係る両面粘着シートについては、基材としてのPETフィルムの光軸と、両面接着シートの一方の面に貼着された偏光板の光軸とをあわせて整合し、その他の両面粘着シートについては特に光軸は気にせず、偏光板に貼り合わせた。
【0074】
【表1】
Figure 0004151828
【0075】
表1より、実施例1〜3にかかる両面粘着シートは、基材として光学的に等方性又は1軸性を有する透明基材が用いられているので、光学的特性が優れている。また、表示装置側透明粘着剤層の粘着力は、タッチパネル側透明粘着剤層の粘着力よりも低く、しかも適度な大きさであるので、タッチパネルとともに容易に表示装置の表示面から剥がすことができるとともに、もう一度表示装置の表示面に、気泡の混入なしに貼り合わせることができ、リワーク性が極めて優れている。また、耐光性も優れており、長期間にわたり使用されていても、優れた接着状態が保持されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の両面粘着シートの一態様を部分的に示す概略断面図である。
【図2】本発明の両面粘着シートが使用される際の構成の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 両面粘着シート
2 光学的に等方性又は1軸性を有する透明基材
3 タッチパネル側透明粘着剤層
4 表示装置側透明粘着剤層
5 タッチパネル
5a 上部側の導電性PET
5b 下部側の導電性PET
5c 接着層
5d 銀ペースト層
6 LCDモジュール
7 偏光板
8 バックライト
8a 両面粘着テープ
9 位相差板
10 偏光板

Claims (5)

  1. タッチパネルを表示装置の表示面に貼着固定する際に、一方の面がタッチパネルの略全面に貼付され且つ他方の面が表示装置の表示面の略全面に貼付される両面粘着シートであって、位相差が0〜15nmである光学的に等方性を有する透明基材の一方の面にタッチパネル側透明粘着剤層が形成されているとともに他方の面に表示装置側透明粘着剤層が形成され、且つタッチパネルとともに表示装置の表示面から再剥離可能となるように構成されており、且つ前記透明粘着剤層がアクリル系粘着剤により形成されていることを特徴とするインナータッチパネル方式における表示装置とタッチパネルとの固定に用いられる両面粘着シート。
  2. 光学的に等方性を有する透明基材が、可視光波長領域における全光線透過率が85%以上であり、且つヘイズが2.0%以下である請求項に記載の両面粘着シート。
  3. 光学的に等方性を有する透明基材が、環状オレフィン系ポリマーから構成されている請求項1または2に記載の両面粘着シート。
  4. タッチパネル側透明粘着剤層の180°ピール粘着力(剥離速度300mm/分、23℃、対ポリエチレンテレフタレートフィルム)が3.5N/20mm以上であり、且つ表示装置側透明粘着剤層の180°ピール粘着力(剥離速度300mm/分、23℃、対トリアセチルセルロースフィルム)が3.0N/20mm以下である請求項1〜3の何れかの項に記載の両面粘着シート。
  5. 請求項1〜の何れかの項に記載の両面粘着シートにより、表示装置とタッチパネルとが固定されていることを特徴とするタッチパネル付き表示装置。
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