JP2013237787A - 表面保護フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の表面保護フィルムは、基材層と粘着剤層とを含む表面保護フィルムであって、該基材層がポリオレフィン系樹脂を含み、光学くしの幅が0.125mmにおけるMD方向の像鮮明度が50%以上であり、定荷重試験において1時間後の剥離距離が40mm以下である。
【選択図】図1
Description
基材層と粘着剤層とを含む表面保護フィルムであって、
該基材層がポリオレフィン系樹脂を含み、
光学くしの幅が0.125mmにおけるMD方向の像鮮明度が50%以上であり、
定荷重試験において1時間後の剥離距離が40mm以下である。
本発明の表面保護フィルムは、基材層と粘着剤層とを含む。本発明の表面保護フィルムは、基材層と粘着剤層のみから形成された積層体であっても良いし、基材層と粘着剤層と他の任意の少なくとも1層から形成された積層体であっても良い。
基材層はポリオレフィン系樹脂を含む。基材層中のポリオレフィン系樹脂の含有割合は、好ましくは50重量%〜100重量%であり、より好ましくは70重量%〜100重量%であり、さらに好ましくは80重量%〜100重量%であり、特に好ましくは90重量%〜100重量%であり、最も好ましくは95重量%〜100重量%である。基材層が上記含有割合でポリオレフィン系樹脂を含むことにより、本発明の表面保護フィルムは、低コストで提供が可能となるとともに、非常に高いレベルの良好な検査性を発現でき、巻体から巻戻す際の巻戻し性が良好なものとなる。
粘着剤層は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な樹脂を含み得る。粘着剤層中のこのような樹脂の含有割合は、好ましくは50重量%以上であり、より好ましくは60重量%以上であり、さらに好ましくは70重量%以上であり、特に好ましくは80重量%以上であり、最も好ましくは90重量%以上である。粘着剤層中の樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
本発明の表面保護フィルムは、任意の適切な方法によって製造し得る。例えば、基材層を少なくとも最外層に含む積層体の表面に粘着剤層の形成材料を塗布して乾燥することによって積層体とする方法、基材層の形成材料と粘着剤層の形成材料と必要に応じて他の任意の適切な層の形成材料を共押出成形することによって一体化させて積層体する方法などが挙げられる。ここで、基材層としては、上記≪A−1.基材層≫の項で説明した基材層の特性や組成を発現できるものであれば、市販の基材層を採用しても良いし、任意の適切な成形方法によって形成された基材層を採用しても良い。
ヘイズメーターHM−150((株)村上色彩技術研究所製)を使用し、JIS−K−7136に準拠し、ヘイズ(%)=(Td/Tt)×100(Td:拡散透過率、Tt:全光線透過率)により算出した。
JIS−K−7374に準拠し、スガ試験機社製「ICM−1」を用いて、透過式で、光学くしの幅0.125mmにて測定した。なお、MD方向(長手方向)の像鮮明度は、表面保護フィルムの長手方向と光学くしの透過部分の線方向とが並行となるようにして測定した。像鮮明度は、像鮮明度(%)=[(M−m)/(M+m)]×100(M:最高波高、m:最低波高)により算出した。
表面保護フィルムを20mm幅に切り出し、偏光板(日東電工株式会社製、TEG1465DU)に、重さ2kgのゴムローラを1往復させる方法によって貼着(圧着)し、端末に1.2gの均一荷重を負荷させた状態で、温度23℃、湿度50%RHにて、1時間放置した後の、表面保護フィルムの偏光板からの剥離距離を測定した。
表面保護フィルムを2枚用い、1枚の粘着剤層をもう1枚の基材層に、線圧78.5N/cm、速度0.3m/分で貼付した。これを、温度23℃、湿度50%RHの環境下に30分間放置した後、万能引張試験機を用いて、300mm/分、剥離角度180度で剥離したときの巻戻し力(剥離力)を測定した。なお、N=3の平均値を測定値とした。
下記の基準に従って評価した。
○:巻戻し力が1.0N/20mm以下である。
×:巻戻し力が1.0N/20mmを超える。
表面保護フィルムを幅25mm、長さ100mmのサイズにカットし、貼り合わせ機(テスター産業(株)製、小型貼り合わせ機)を用いて、表面がアンチグレア処理された偏光板(MEGQ5782DUAG460、日東電工株式会社製、算術平均表面粗さRa=0.1μm、凹凸間の平均距離Sm=0.01μm3/μm2)のアンチグレア処理表面に、0.15MPa、5m/分の条件でラミネートし、評価サンプルを作製した。ラミネート後、23℃×50%RHの環境下に30分間放置した後、デジタルマイクロスコープ(KEYENCE(株)製、VH−Z−100、倍率200倍)にて観察および計測を行い、輝度抽出にて、被着体と表面保護フィルムが接触している面積と接触していない面積とで二値化を行い、一括計測によって接触している面積を算出し、密着性として評価した。なお、評価は、23℃×50%RHの環境下で行った。
なお、用いた偏光板(MEGQ5782DUAG460、日東電工株式会社製、算術平均表面粗さRa=0.1μm、凹凸間の平均距離Sm=0.01μm3/μm2)の算術平均表面粗さRaおよび凹凸間の平均距離Smは、該偏光板をアクリル板(アクリライトL、三菱レイヨン(株)製)に貼り合わせた後、表面について、光学式プロファイラーNT9100(Veeco社製)を使用して、Measurement Type:VSI(Infinite Scan)、Objective:10X、FOV:1.0、Modulation Treshold:0.1%、Window Filtering:Noneにてデータ処理を行って得た。
(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度Tg(℃)は、そのポリマーを構成する各モノマーから得られるホモポリマーのガラス転移温度Tgn(℃)として下記の文献値を用い、下記の式によって求めた。
1/(Tg+273)=Σ[Wn/(Tgn+273)]
・Tg(℃)は(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度を表す。
・Wnは各モノマーの重量分率を表す。
・Tgn(℃)は(メタ)アクリル系ポリマーを構成する各モノマーから得られるホモポリマーのガラス転移温度を表す。
・nは(メタ)アクリル系ポリマーを構成する各モノマーの種類を意味する。
用いたTgn(℃)の文献値は以下の通り。
・2−エチルヘキシルアクリレート:−70℃
・n−ブチルアクリレート:−55℃
・2−ヒドロキシエチルアクリレート:−15℃
・アクリル酸:106℃
・酢酸ビニル:32℃
重量平均分子量Mw、分散度Mw/Mnの測定は,ゲルパーミエーションクロマトグラフィ法(GPC法)において行い、HLC−8120(東ソー社製)による内径6.0mm、長さ150mmのカラム(東ソー社製、TSKgel SuperHZM−H/HZ4000/HZ3000/HZ2000)を直列に接続して使用し、溶離液にテトラヒドロフランを用いて濃度1g/L、流量0.6ml/分、温度40℃、サンプル注入量20μlの条件で行い、検出器にはRI検出器を用いた。また分子量の検量線の作成には、TSK 標準ポリスチレン(東ソー社製)を用いた。
表面保護フィルムを幅100mm、長さ100mmのサイズにカットし、貼り合わせ機(テスター産業(株)製、小型貼り合わせ機)を用いて、偏光板(日東電工社製、TEG1465DU)に貼り合せ、さらに偏光板側をSUS430BA仕上げ板に貼り合せて試験片を作製した。試験片をオートクレーブに投入し、50℃、5kg/cm3で15分間圧着をし、常温(23℃)に戻した後に観察を行った。下記の基準で評価を行った。
○:浮きが観察されない。
×:浮きが観察される。
ヘイズが20%以下、光学くしの幅が0.125mmにおけるMD方向の像鮮明度が50%以上、密着性が90%以上、オートクレーブ処理による浮きが観察されないものを○とし、これらの中の1つでも満たさないものを×とした。
冷却管、窒素導入管、温度計、および撹拌装置を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート95部、アクリル酸5部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.20部を入れ、酢酸エチル中で、60℃で12時間重合し、粘着剤(1)の溶液を得た。
得られた粘着剤(1)の重量平均分子量(Mw)は60万、分散度(Mw/Mn)は4.0であった。
冷却管、窒素導入管、温度計、および撹拌装置を備えた反応容器に、2−エチルヘキシルアクリレート100部、酢酸ビニル80部、アクリル酸5部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3部を入れ、トルエン中で、60℃で12時間重合し、粘着剤(2)の溶液を得た。
得られた粘着剤(2)の重量平均分子量(Mw)は45万、分散度(Mw/Mn)は13であった。
冷却管、窒素導入管、温度計、および撹拌装置を備えた反応容器に、2−エチルヘキシルアクリレート100部、2−ヒドロキシエチルアクリレート4部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.20部を入れ、酢酸エチル中で、60℃で12時間重合し、粘着剤(3)の溶液を得た。
得られた粘着剤(3)の重量平均分子量(Mw)は55万、分散度(Mw/Mn)は11.5であった。
東洋紡績株式会社製のポリプロピレン系フィルム「パイレン(登録商標)フィルム−CT P1111」(コロナ処理フィルム、厚み=40μm)(ランダムポリプロピレンを含むポリプロピレン基材)を基材(1)として用いた。
サン・トックス株式会社製のポリプロピレン系フィルム「サントックス−CP MK12」(コロナ処理フィルム、厚み=40μm)(ホモポリプロピレンを含むポリプロピレン基材)を基材(2)として用いた。
東ソー株式会社製のポリエチレン「ペトロセン186R」(チューブラー法で製造された低密度ポリエチレン(LDPE)、密度=0.922g/cm3、MFR=2.0g/10分)を、インフレーション法にて、ダイス温度160℃となるようにして、厚みが60μmとなるように製膜し、基材(3)とした。
東レフィルム加工株式会社のポリプロピレン系フィルム「トレファンNO 3701J」(コロナ処理フィルム、厚み=40μm)(ブロックポリプロピレンを含むポリプロピレン基材)を基材(4)として用いた。
製造例4で得られた基材(1)のコロナ処理面上に、製造例1で得られた粘着剤(1)の溶液にエポキシ系架橋剤(三菱ガス化学株式会社製、TETRAD−C)を該粘着剤(1)の固形分100重量部に対して6.0重量部添加した混合溶液を、乾燥後の粘着剤層の厚みが10μmとなるように塗布し、70℃×2分間で乾燥させ、表面保護フィルム(1)を得た。
また、得られた表面保護フィルム(1)を、基材(1)の非コロナ処理面に貼付し、40℃で2日間放置した。
製造例5で得られた基材(2)のコロナ処理面上に、製造例2で得られた粘着剤(2)の溶液にエポキシ系架橋剤(三菱ガス化学株式会社製、TETRAD−C)を該粘着剤(2)の固形分100重量部に対して2.0重量部添加した混合溶液を、乾燥後の粘着剤層の厚みが20μmとなるように塗布し、70℃×2分間で乾燥させ、表面保護フィルム(2)を得た。
また、得られた表面保護フィルム(2)を、基材(2)の非コロナ処理面に貼付し、40℃で2日間放置した。
株式会社コニシ製の「ボンディップPA−100」の主剤と硬化剤とを主剤:硬化剤=1:1の割合(重量比)で配合した配合物を、イソプロピルアルコールの67重量%水溶液に溶解させ、濃度5重量%の帯電防止剤溶液を調製した。
製造例5で得られた基材(2)のコロナ処理面上に、得られた帯電防止剤溶液を、#10のワイヤーバーを用いて塗布し、80℃で2分間乾燥させて、厚み0.5μmの帯電防止層を形成させた。
形成した帯電防止層の上に、製造例2で得られた粘着剤(2)の溶液にエポキシ系架橋剤(三菱ガス化学株式会社製、TETRAD−C)を該粘着剤(2)の固形分100重量部に対して2.0重量部添加した混合溶液を、乾燥後の粘着剤層の厚みが5μmとなるように塗布し、70℃×2分間で乾燥させ、表面保護フィルム(3)を得た。
また、得られた表面保護フィルム(3)を、基材(2)の非コロナ処理面に貼付し、40℃で2日間放置した。
製造例6で得られた基材(3)上に、製造例2で得られた粘着剤(2)の溶液にエポキシ系架橋剤(三菱ガス化学株式会社製、TETRAD−C)を該粘着剤(2)の固形分100重量部に対して2.0重量部添加した混合溶液を、乾燥後の粘着剤層の厚みが5μmとなるように塗布し、70℃×2分間で乾燥させ、表面保護フィルム(4)を得た。
また、得られた表面保護フィルム(4)を、基材(3)の表面に貼付し、40℃で2日間放置した。
株式会社コニシ製の「ボンディップPA−100」の主剤と硬化剤とを主剤:硬化剤=1:1の割合(重量比)で配合した配合物を、イソプロピルアルコールの67重量%水溶液に溶解させ、濃度5重量%の帯電防止剤溶液を調製した。
製造例7で得られた基材(4)のコロナ処理面上に、得られた帯電防止剤溶液を、#10のワイヤーバーを用いて塗布し、80℃で2分間乾燥させて、厚み0.5μmの帯電防止層を形成させた。
形成した帯電防止層の上に、製造例1で得られた粘着剤(1)の溶液にエポキシ系架橋剤(三菱ガス化学株式会社製、TETRAD−C)を該粘着剤(1)の固形分100重量部に対して6.0重量部添加した混合溶液を、乾燥後の粘着剤層の厚みが5μmとなるように塗布し、70℃×2分間で乾燥させ、表面保護フィルム(C1)を得た。
また、得られた表面保護フィルム(C1)を、基材(1)の非コロナ処理面に貼付し、40℃で2日間放置した。
株式会社コニシ製の「ボンディップPA−100」の主剤と硬化剤とを主剤:硬化剤=1:1の割合(重量比)で配合した配合物を、イソプロピルアルコールの67重量%水溶液に溶解させ、濃度5重量%の帯電防止剤溶液を調製した。
製造例5で得られた基材(2)のコロナ処理面上に、得られた帯電防止剤溶液を、#10のワイヤーバーを用いて塗布し、80℃で2分間乾燥させて、厚み0.5μmの帯電防止層を形成させた。
形成した帯電防止層の上に、製造例3で得られた粘着剤(3)の溶液にイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業株式会社製、CORONATE HX)を該粘着剤(3)の固形分100重量部に対して4.0重量部添加した混合溶液を、乾燥後の粘着剤層の厚みが20μmとなるように塗布し、70℃×2分間で乾燥させ、表面保護フィルム(C2)を得た。
また、得られた表面保護フィルム(C2)を、基材(2)の非コロナ処理面に貼付し、40℃で2日間放置した。
製造例7で得られた基材(4)のコロナ処理面上に、製造例1で得られた粘着剤(1)の溶液にエポキシ系架橋剤(三菱ガス化学株式会社製、TETRAD−C)を該粘着剤(1)の固形分100重量部に対して6.0重量部添加した混合溶液を、乾燥後の粘着剤層の厚みが10μmとなるように塗布し、70℃×2分間で乾燥させ、表面保護フィルム(C3)を得た。
また、得られた表面保護フィルム(C3)を、基材(1)の非コロナ処理面に貼付し、40℃で2日間放置した。
10 基材層
20 粘着剤層
Claims (11)
- 基材層と粘着剤層とを含む表面保護フィルムであって、
該基材層がポリオレフィン系樹脂を含み、
光学くしの幅が0.125mmにおけるMD方向の像鮮明度が50%以上であり、
定荷重試験において1時間後の剥離距離が40mm以下である、
表面保護フィルム。 - ヘイズが20%以下である、請求項1に記載の表面保護フィルム。
- セパレーターを有さない表面保護フィルムであって、巻体としたときに前記基材層と前記粘着剤層が接する、請求項1または2に記載の表面保護フィルム。
- 前記表面保護フィルムを2枚用い、1枚の粘着剤層をもう1枚の基材層に貼付し、300mm/分、剥離角度180度で剥離したときの巻戻し力が1.0N/20mm以下である、請求項1から3までのいずれかに記載の表面保護フィルム。
- 厚みが10μm〜200μmである、請求項1から4までのいずれかに記載の表面保護フィルム。
- 前記粘着剤層が、(メタ)アクリル酸エステルを含むモノマー成分から得られる(メタ)アクリル系ポリマーを含む、請求項1から5までのいずれかに記載の表面保護フィルム。
- 前記(メタ)アクリル系ポリマーのTgが−60℃以上である、請求項6に記載の表面保護フィルム。
- 前記モノマー成分中の(メタ)アクリル酸エステルの含有割合が50重量%以上である、請求項6または7に記載の表面保護フィルム。
- 前記モノマー成分中に(メタ)アクリル酸が1重量%〜10重量%含まれる、請求項6から8までのいずれかに記載の表面保護フィルム。
- 算術平均表面粗さRaが0.1μm、凹凸間の平均距離Smが0.01μm3/μm2であるアンチグレア表面処理が施された偏光板に対する密着性が90%以上である、請求項1から9までのいずれかに記載の表面保護フィルム。
- 光学部材用の表面保護フィルムである、請求項1から10までのいずれかに記載の表面保護フィルム。
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