JP2016185631A - 表面保護用フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】支持性と剥離性を両立する新しい表面保護用フィルムを提供することにある。【解決手段】下記式で求められる剛性率が1.00N・mm以上であり、ループスティフネス試験方法により求められる曲げ剛性が0.040N/5mm以下であることを特徴とする、表面保護用フィルム。剛性率(N・mm)=ヤング率(N/mm2)×(フィルム厚み(mm))3【選択図】なし

Description

本発明は、フィルムに関するものであり、支持性と剥離性を両立する表面保護用フィルムに関するものである。
表面保護用フィルムは、回路部材、ディスプレイ部材、医療部材等、各種部材の表面を保護する目的に用いられている。
近年、各部材の高精細化、薄型化が進んでおり、表面保護用フィルムに支持性を持たせて、部材の保護性、取扱性を向上させる要求が高まってきている。表面保護用フィルムに支持性を持たせようとして表面保護用フィルムを剛直にしていくと、剥離性が低下してしまい、うまく剥離ができない課題がある。そのため、支持性と剥離性を両立させる新しい表面保護用フィルムの開発が急務となっている。
剥離性に優れる表面保護用フィルムとしては、粘着層の粘着力と剥離層の表面粗さ、曲げ剛性を特定の範囲とした粘着フィルムが開示されている(例えば、特許文献1)。また、各温度の貯蔵弾性率を規定した半導体ウェハ表面保護用シートが開示されている(例えば、特許文献2)。
特開2008−231352号公報 国際公開第2006/88074号
特許文献1に記載の表面保護用フィルムは、剥離性は良好であるが、支持性についてはあまり考慮された設計とはなっておらず、支持性が不十分であった。また、特許文献2に記載の表面保護用フィルムは、フィルム厚みが厚く、支持性は担保できるものの、剥離性ついては考慮されていなかった。
そこで本発明の課題は、上記した問題点を解消することにある。すなわち、支持性と剥離性を両立する新しい表面保護用フィルムを提供することにある。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。
(1)下記式で求められる剛性率が1.00N・mm以上であり、ループスティフネス試験方法により求められる曲げ剛性が0.040N/5mm以下であることを特徴とする、表面保護用フィルム。
剛性率(N・mm)=ヤング率(N/mm)×(フィルム厚み(mm))
(2)ポリエステル系樹脂を主たる構成成分とする層(A層)と、ポリオレフィン系樹脂を主たる構成成分とする層(B層)を有することを特徴とする、(1)に記載の表面保護用フィルム。
(3)25℃におけるフィルムの破断伸度が、50%以上であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の表面保護用フィルム。
(4)前記B層中の全成分を100質量%としたときに、前記ポリオレフィン系樹脂として、ポリエチレン系樹脂及び/又はポリプロピレン系樹脂を、合計で50質量%以上含むことを特徴とする、(2)又は(3)に記載の表面保護用フィルム。
(5)前記B層に、酸変性ポリエチレン系樹脂及び/又は酸変性ポリプロピレン系樹脂を含むことを特徴とする、(2)〜(4)のいずれかに記載の表面保護用フィルム。
(6)フィルムヘイズが5.0%以下であることを特徴とする、(1)〜(5)のいずれかに記載の表面保護用フィルム。
(7)前記A層/前記B層/前記A層が、この順に直接積層された構成を有することを特徴とする、(2)〜(6)のいずれかに記載の表面保護用フィルム。
(8)被着体の少なくとも片面に、(1)〜(7)のいずれかに記載の表面保護用フィルムを積層してなる構成体。
(9)前記被着体と前記表面保護用フィルムが、粘着層を介して積層されていることを特徴とする、(8)に記載の構成体。
(10)前記被着体と前記表面保護用フィルムの剥離強度が、0.01N/25mm以上5.00N/25mm以下であることを特徴とする、(8)又は(9)に記載の構成体。
本発明により、支持性と剥離性を両立した表面保護用フィルムを提供することができる。本発明の表面保護用フィルムは、高精細、薄型部材への適用が可能であり、回路部材、ディスプレイ部材、医療部材等へ好ましく用いることができる。
本発明の表面保護用フィルムは、支持性と剥離性を両立させるために、下記式で求められる剛性率が1.00N・mm以上であり、ループスティフネス試験方法により求められる曲げ剛性が0.040N/5mm以下であることが重要である。
剛性率(N・mm)=ヤング率(N/mm)×(フィルム厚み(mm))
本発明の表面保護用フィルムは、高精細、薄型部材へ適用するのに十分な支持性を確保する観点から、ヤング率(N/mm)×(フィルム厚み(mm))で求められる剛性率(N・mm)が1.00N・mm以上であることが重要である。さらに、表面保護用フィルムの支持性と剥離性を両立させる観点より、剛性率は1.20N・mm以上であればより好ましく、1.40N・mm以上であれば特に好ましい。また、剛性率の上限値については、本発明の効果を損なわない限り特に制限はないが、本発明の効果を得るためには、5.00N・mmあれば十分であり、上限値は2.00N・mmであることがより好ましい。
本発明の表面保護用フィルムは、十分な剥離性を確保する観点から、ループスティフネス試験方法により求められる曲げ剛性が、0.040N/5mm以下であることが重要である。さらに、表面保護用フィルムの支持性と剥離性を両立させる観点より、曲げ剛性は、0.030N/5mm以下であることがより好ましく、0.025N/5mm以下であることが特に好ましい。また、曲げ剛性の下限値については、本発明の効果を損なわない限り特に制限はないが、本発明の効果を得るためには0.005N/5mmあれば十分であり、0.010N/5mm以上であることがより好ましい。
本発明の表面保護用フィルムにおいて、剛性率を1.00N・mm以上とする方法は特に限定されないが、例えば、フィルム厚みやヤング率を調整する方法が挙げられる。剛性率は、フィルム厚みの3乗に比例するため、フィルム厚みを増すことで大きくなる。剛性率と、取扱性や経済性を両立する観点から、フィルム厚みは40μm以上200μm以下であれば好ましく、50μm以上150μm以下であればより好ましく、70μm以上100μm以下であれば特に好ましい。また、剛性率は、ヤング率にも比例するため、ポリエステル系樹脂などヤング率の高い樹脂を用いることでも大きくなる。取扱性の観点より、本発明の表面保護用フィルムのヤング率は、2,000N/mm以上4,000N/mm以下であれば好ましく、2,200N/mm以上3,800N/mm以下であればさらに好ましく、2,500N/mm以上3,500Nmm以下であれば最も好ましい。
本発明の表面保護用フィルムにおいて、曲げ剛性を0.040N/5mm以下とする方法は特に限定されないが、ガラス転移温度の低い樹脂を主たる構成成分とする層を有することが好ましい。具体的には、ガラス転移温度が60℃以下である樹脂を主たる構成成分とする層を有することが好ましく、さらに好ましくはガラス転移温度が50℃以下である樹脂を主たる構成成分とする層を有することが好ましい。ガラス転移温度が低い樹脂を主たる構成成分とする層として、汎用性の観点から、ポリオレフィン系樹脂を主たる構成成分とする層が好ましく用いられる。ここで、主たる構成成分とするとは、層全体を100質量%としたときに、80質量%以上を占めることをいう。
本発明の表面保護用フィルムにおいて、曲げ剛性を0.040N/5mm以下とし、剛性率を1.00N・mm以上とするためには、ポリエステル系樹脂を主たる構成成分とする層(A層)と、ポリオレフィン系樹脂を主たる構成成分とする層(B層)を有することが好ましい。一般的にポリエステル系樹脂はヤング率が高いため、剛性率を高く制御しやすく、一方でポリオレフィン系樹脂は、曲げ剛性を低く制御しやすい。このため、A層とB層を有することにより、曲げ剛性0.040N/5mm以下と、剛性率1.00N・mm以上の両立を制御しやすくなる。
本発明の表面保護用フィルムにおいて、A層はポリエステル系樹脂を主たる構成成分とする層である。ここで、ポリエステル系樹脂を主たる構成成分とするとは、層全体を100質量%として、ポリエステル系樹脂を80質量%以上100質量%以下含有することを指す。
ここで、ポリエステル系樹脂とは、主鎖の繰り返し単位中にエステル結合を有する高分子化合物の総称である。そして、ポリエステル系樹脂は、通常ジカルボン酸あるいはその誘導体とグリコールあるいはその誘導体を重縮合反応させることによって得ることができる。ここで、ジカルボン酸単位(構造単位)あるいはグリコール単位(構造単位)とは、重縮合によって除去される部分を除いた2価の有機基を意味し、以下の一般式で表される。
ジカルボン酸単位(構造単位): −CO−R−CO−
グリコール単位(構造単位): −O−R’−O−
(ここで、R、R’は二価の有機基。RとR’は同じであっても異なっていてもよい。)
なお、トリメリット酸単位やグリセリン単位など3価以上のカルボン酸、あるいは、アルコール、並びに、それらの誘導体についての単位(構造単位)の意味についても同様である。
本発明の表面保護用フィルムに用いるポリエステル系樹脂を与える、グリコールあるいはその誘導体としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジヒドロキシ化合物、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコールなどの脂環族ジヒドロキシ化合物、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどの芳香族ジヒドロキシ化合物、並びに、それらの誘導体が挙げられる。
また、本発明の表面保護用フィルムに用いるポリエステル系樹脂を与える、ジカルボン酸あるいはその誘導体としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、パラオキシ安息香酸などのオキシカルボン酸、並びに、それらの誘導体を挙げることができる。ジカルボン酸の誘導体としてはたとえばテレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、テレフタル酸2−ヒドロキシエチルメチルエステル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、ダイマー酸ジメチルなどのエステル化合物を挙げることができる。
本発明の表面保護用フィルムにおけるポリエステル系樹脂としては、支持性、剥離性、取扱性、経済性の観点から、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂が好ましい。
ここで、ポリエチレンテレフタレート樹脂とは、グリコールあるいはその誘導体として、エチレングリコールからなり、ジカルボン酸あるいはその誘導体としては、テレフタル酸から構成されてなるポリエステル樹脂である。なお、本発明の目的を損なわない程度であれば、エチレングリコールとテレフタル酸に、その他のグリコールあるいはその誘導体及び、その他のジカルボン酸あるいはその誘導体を共重合させてもよい。具体的には、グリコール成分あるいはその誘導体として、エチレングリコールが90モル%以上100モル%以下、より好ましくは、95モル%以上100モル%以下、最も好ましくは98モル%以上100モル%以下である。また、ジカルボン酸成分あるいはその誘導体としては、テレフタル酸は90モル%以上100モル%以下、より好ましくは95モル%以上100モル%以下、最も好ましくは98モル%以上100モル%以下である。なお、ポリエステル系樹脂を主たる構成成分とする層(A層)としては、支持性、剥離性の観点より、二軸配向ポリエステルフィルムであることが好ましく、二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム及び、二軸配向ポリブチレンテレフタレートフィルムがより好ましく用いられる。
本発明において、B層はポリオレフィン系樹脂を主たる構成成分とすることが好ましい。ここで、ポリオレフィン系樹脂を主たる構成成分とするとは、B層全体を100質量%として、ポリオレフィン系樹脂を80質量%以上含有することを示す。
ここで、ポリオレフィン系樹脂としては、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、メチルペンテンポリマー等のポリオレフィン系樹脂を用いることができる。また、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1などのα−オレフィンモノマーからなる重合体、該α−オレフィンモノマーからなるランダム共重合体、該α−オレフィンモノマーからなるブロック共重合体なども使用することができる。
このようなα−オレフィンモノマーからなるランダム共重合体としては、例えば、プロピレン共重合体では、プロピレンと上記α−オレフィンモノマー中からプロピレンを除く、1種以上のα−オレフィンモノマーとのランダムに共重合されたポリマーであって、公知の方法によりプロピレンを除く1種以上のα−オレフィンモノマーを2〜15質量%の範囲で共重合したポリプロピレンが挙げられる。
また、前述のα−オレフィンモノマーからなるブロック共重合体としては、例えば、プロピレン・エチレン・ブロック共重合体では、99〜70質量%の範囲のプロピレンと1〜30質量%の範囲のエチレン及び/又はα−オレフィンとからなる共重合体部分と1〜30質量%の範囲のプロピレンと99〜70質量%の範囲のエチレンとからなる共重合体部分とがブロック的に共重合したものを使用することができる。それぞれの共重合成分組成、各ブロックの分子量などは重合段階で制御できる。一般には、特開昭59−115312号に示されるように2段以上の重合方法によって得ることができる。例えば、プロピレン・エチレン・ブロック共重合体の融点は145〜165℃の範囲である。融点は99〜70質量%の範囲のプロピレンと1〜30質量%の範囲のエチレン及び/又はα−オレフィンとからなる共重合体部分のプロピレン成分量で変化させることができる。また、プロピレン・エチレン・ブロック共重合体中のエチレン成分の量及び/又はα−オレフィン成分の量は、フィルムの耐衝撃性の点で5〜20質量%が好ましく、より好ましくは5〜15質量%である。本発明において、ポリオレフィン樹脂の製造方法は、特に限定されものではなく、公知の方法を用いることができ、例えば、ポリプロピレン樹脂においては、ラジカル重合、チーグラー・ナッタ触媒を用いた配位重合、アニオン重合、メタロセン触媒を用いた配位重合などいずれの方法でも用いることができる。
本発明の表面保護用フィルムは、支持性、剥離性、取扱性、及び経済性の観点から、B層中の全成分を100質量%としたときに、ポリオレフィン系樹脂として、ポリエチレン系樹脂及び/又はポリプロピレン系樹脂を、合計で50質量%以上100質量%以下含むことが好ましく、合計で70質量%以上100質量%以下含むことがより好ましく、80質量%以上100質量%以下含むことが特に好ましい。
本発明の表面保護用フィルムは、フィルム搬送時の靱性の観点から、25℃におけるフィルムの破断伸度が、50%以上であることが好ましく、75%以上であることがより好ましく、90%以上であることが特に好ましい。25℃におけるフィルムの破断伸度を50%以上とすることで、フィルムの搬送張力を高くしても破断が発生せず、生産性が向上するため好ましい。25℃におけるフィルムの破断伸度の上限値は、本発明の効果を損なわない限り特に制限はないが、200%程度あれば十分である。ここで、フィルムの破断伸度とは、フィルム長手方向の破断伸度とフィルム幅方向の破断伸度の平均を意味する。フィルム長手方向とは、フィルム製造時にフィルムが進行する方向をいい、フィルム幅方向とは、フィルムの搬送面に平行であり、フィルム長手方向と直交する方向をいう。なお、以下、フィルム長手方向は長手方向、フィルム幅方向は幅方向ということがある。
本発明の表面保護用フィルムの25℃におけるフィルムの破断伸度を50%以上とする方法としては、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、ポリエステル系樹脂を主たる構成成分とする層(A層)と、ポリオレフィン系樹脂を主たる構成成分とする層(B層)を有する構成とする場合、A層とB層との層間密着力を高くすることが好ましい。A層とB層との層間密着力が低いと、フィルムを引っ張った際、A層とB層の層界面に応力が集中してフィルムが破断しやすくなることがある。フィルム破断伸度を50%以上とするために、A層とB層の層間密着力は、5N/15mm以上とすることが好ましく、10N/15mm以上であればさらに好ましく、15N/15mm以上であれば最も好ましい。
本発明の表面保護用フィルムにおいて、A層とB層を積層する方法は特に限定されないが、例えば、接着層や粘着層を介して積層する方法、共押出にて積層する方法、押出ラミネートによって積層する方法などが挙げられるが、支持性と剥離性の両立、経済性の観点から、押出ラミネートによって積層する方法が好ましく用いられる。なお、本発明において、A層が二軸配向ポリエステルフィルムである場合は、支持性の観点から、A層の面配向係数を0.130以上0.180以下とすることが好ましく、0.140以上0.177以下とすることがより好ましく、0.150以上0.175以下とすることが特に好ましい。
本発明において、A層にB層を押出ラミネートする方法を用いて、A層とB層の層間密着力を高める方法としては、例えば、A層の表面に易接着層をコーティングする方法、A層の表面の改質処理を行う方法などが挙げられる。
易接着層をコーティングする方法としては、A層のフィルムを製造する工程内のインラインで設ける方法、A層のフィルムを製造した後にオフラインで設ける方法、いずれの方法も採用することができる。A層が二軸配向ポリエステルフィルムである場合、易接着層をフィルム製造工程内のインラインで設ける方法としては、少なくとも一軸延伸を行ったフィルム上にコーティング層組成物を水に分散させたものをメタリングリングバーやグラビアロールなどを用いて均一に塗布し、横延伸を施しながら塗剤を乾燥させる方法が好ましく、その際、易接着層の厚みとしては0.01μm以上1μm以下とすることがより好ましい。
また、易接着層中に各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、顔料、染料、有機または無機粒子、帯電防止剤、核剤などを添加してもよい。易接着層に用いられる樹脂としては、接着性、取扱い性の点からアクリル樹脂、ポリエステル樹脂およびウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。
また、本発明において、二軸配向ポリエステルフィルムの改質処理を行う方法としては、特に限定されないが、例えば、コロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理、レーザー処理、火炎処理、高周波処理、グロー放電処理、オゾン酸化処理などが挙げられ、改質処理後のフィルム表面の表面自由エネルギーは、50mN/m以上とすることが好ましい。
本発明の表面保護用フィルムは、A層とB層の層間密着力を高める観点から、B層に、酸変性ポリエチレン系樹脂及び/又は酸変性ポリプロピレン系樹脂を含むことが好ましい。ここで、酸変性ポリエチレン系樹脂とは、ポリエチレン系樹脂の末端に極性を有する成分を共重合させた樹脂をいい、酸変性ポリプロピレン系樹脂とは、ポリプロピレン系樹脂の末端に極性を有する成分を共重合させた樹脂をいう。極性を有する成分としては、例えば、無水カルボン酸などを用いることができる。B層の、酸変性ポリエチレン系樹脂及び/又は、酸変性ポリプロピレン系樹脂の含有量は、B層全体を100質量%として、1質量%以上50質量%以下であれば好ましく、2質量%以上30質量%以下であればより好ましく、3質量%以上20質量%以下であれば特に好ましい。
本発明の表面保護用フィルムは、フィルムヘイズが5.0%以下であることが好ましい。フィルムヘイズを5.0%以下とすることで、回路部材、ディスプレイ部材、医療部材等の各種部材の表面にラミネートした際の見栄え、外観が良好となる。見栄え、外観の観点から、フィルムヘイズは4.0%以下であることがより好ましく、3.0%以下であることが特に好ましい。なお、フィルムヘイズの下限値は、本発明の効果を損なわない限り特に制限はないが、0.1%あれば十分である。
本発明の表面保護用フィルムのフィルムヘイズを5.0%以下とする方法としては、A層及びB層のフィルムヘイズを低くする方法、A層とB層とを、接着層、粘着層を介さずに直接積層させる方法が有効である。A層及びB層のフィルムヘイズは、それぞれ2.0%以下とすることが好ましい。
A層のフィルムヘイズを低くする方法としては、例えば、A層を二軸配向ポリエステルフィルムとした場合、フィルムの搬送性を向上させるために含有させる粒子の濃度をできるだけ低減する方法が挙げられる。本発明において、A層は、フィルムの搬送性を向上させるためにフィルム中に粒子を含有させることができる。ここで、使用する粒子としては特に限定されないが、搬送性、外観の点で、外部添加粒子が好ましく用いられる。外部添加粒子としては、たとえば、湿式および乾式シリカ、コロイダルシリカ、ケイ酸アルミ、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミなどの無機粒子、スチレン、シリコーン、アクリル酸類、メタクリル酸類、ポリエステル類、ジビニル化合物などを構成成分とする有機粒子を使用することができる。中でも、取扱性、フィルムヘイズ低減の観点から、湿式および乾式シリカ、アルミナ、炭酸カルシウムなどの無機粒子およびスチレン、シリコーン、アクリル酸、メタクリル酸、ポリエステル、ジビニルベンゼンなどを構成成分とする有機粒子を使用することが好ましい。さらに、これらの外部添加粒子は2種以上を併用してもよい。搬送性、外観の点から、A層中の粒子含有量はフィルム全体を100質量%として、0.001〜0.02質量%であれば好ましく、0.002〜0.01質量%であればさらに好ましい。
なお、A層としては主に二軸配向ポリエステルフィルムが用いられるが、このフィルム中の粒子含有量は、遠心分離を行うことで求めることができる。つまりフィルム中の粒子含有量は、フィルム10gをオルトクロロフェノール100g中に溶解させ、粒子をポリエステルと遠心分離することによって、フィルム中に粒子を含有しているか否かを判断することができる。なお、遠心分離の条件は、トミー精工製“Suprema25”を用い、40℃、8800r/分の条件下で40分間実施することで可能である。さらに遠心分離後に粒子を含有していることが分かった場合には、その質量を求めることで粒子含有量を下式によって求めることができる。
(粒子含有量)=(粒子の質量)/(フィルム全体の質量)×100
また、B層のフィルムヘイズを低くする方法としては、例えば、B層に共重合ポリエチレン系樹脂及び/又は共重合ポリプロピレン系樹脂を含有させる方法が挙げられる。B層に含有させる樹脂としては、具体的には、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体などが好ましく用いられる。B層中の共重合ポリエチレン系樹脂及び/又は共重合ポリプロピレン系樹脂の含有量は、フィルムヘイズ低減の観点から、B層全体を100質量%として、10質量%以上であれば好ましく、20質量%以上であればさらに好ましく、50質量%以上であれば特に好ましい。なお、B層中の共重合ポリエチレン系樹脂及び/又は共重合ポリプロピレン系樹脂の含有量の上限値は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、取扱性に問題なければ、100質量%としても問題ない。
また、本発明の表面保護用フィルムは、取扱性、耐カール性の観点より、A層/B層/A層がこの順に直接積層された構成を有することが好ましい。
次に本発明の表面保護用フィルムの具体的な製造方法の例について記載するが、本発明はかかる例に限定して解釈されるものではない。
まず、二軸配向ポリエステルフィルム表面に紫外線照射を行い、フィルムの表面自由エネルギーを50mN/m以上とした後、該フィルム表面に共重合ポリエチレン系樹脂と酸変性ポリエチレン系樹脂を混合したポリオレフィン系樹脂をTダイよりシート状に吐出する。その際、ポリオレフィン系樹脂層を挟み込む構成にて、上記二軸配向ポリエステルムと同様の二軸配向ポリエステルフィルムをラミネートし(二軸配向ポリエステルフィルム/ポリオレフィン系樹脂層/二軸配向ポリエステルフィルム)、ニップロールと20℃に冷却した金属ロールで圧着した後、冷却ロールで冷却固化し、本発明の表面保護用フィルムを得る。
このとき使用される二軸配向ポリエステルフィルムは、フィルム厚み20μm以上75μm以下であれば好ましく、25μm以上50μm以下であればより好ましい。また、二軸配向ポリエステルフィルムの面配向係数は、0.130以上0.180以下であれば好ましく、0.140以上0.177以下であればさらに好ましく、0.150以上0.175以下であれば特に好ましい。さらに、フィルムヘイズは、2.0%以下とすることが好ましい。また、ポリオレフィン系樹脂層は、厚み10μm以上70μm以下であることが好ましく、20μm以上60μm以下であればより好ましく、30μm以上50μm以下であれば特に好ましい。また、ポリオレフィン系樹脂層としても、フィルムヘイズは2.0%以下であることが好ましい。
本発明の表面保護用フィルムは、支持性と剥離性を両立させる新しいフィルムであり、回路部材、ディスプレイ部材、医療部材等、各種部材を被着体として、被着体の少なくとも片面に、積層してなる構成体として使用されることが好ましい。
本発明の構成体は、剥離性、剥離後の表面性の観点から、被着体と表面保護用フィルムが、粘着層を介して積層されていることが好ましい。
また、被着体と表面保護用フィルムの剥離強度は、剥離性、剥離後の表面性の観点から、0.01N/25mm以上5.00N/25mm以下であることが好ましく、0.02N/25mm以上3.00N/25mm以下であることがより好ましく、0.05N/25mm以上2.00N/25mm以下であることが特に好ましい。
被着体と表面保護用フィルムの剥離強度を0.01N/25mm以上5.00N/25mm以下とする方法は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、例えば、粘着層の種類を選定する方法、被着体と表面保護用フィルムのラミネート温度、圧力を調整する方法が挙げられる。被着体と表面保護用フィルムのラミネート温度、圧力を調整する方法においては、ラミネート温度、圧力を高くするほど、被着体と表面保護用フィルムの剥離強度が大きくなる。
粘着層としては、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、アクリル系樹脂、共重合ポリエステル系樹脂、変性熱可塑性エラストマーなどが好ましく使用される。また、粘着層の設置方法としては、例えば、ローラー塗装法、刷毛塗装法、スプレー塗装法、浸漬塗装法の他、ダイコーター、バーコーター、ナイフコーターを用いた方法が挙げられる。
次いで行われる乾燥工程の条件としては、膜厚や選択した溶剤の種類などにより変動し得るが、例えば、粘着層としてアクリル系樹脂を用いたときは80〜150℃で20〜60秒間とすることができ、好ましくは、100〜130℃で30〜50秒間とする。これにより、1〜50μmの厚さを有する粘着層を形成することができる。
以下、実施例に沿って本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。なお、諸特性は以下の方法により測定した。
(1)フィルムの厚み
ダイヤルゲージを用いて、フィルムから切り出した試料の任意の場所5ヶ所の厚みを測定し、その平均値の小数第1位を四捨五入した値をフィルムの全体厚み(μm)とした。
また、A層の厚みはフィルムの全体厚みと同様の方法により測定し、B層の厚みはフィルムの全体厚みからA層の厚みを差し引いて求めた。
(2)ヤング率
任意の一方向をX方向、該方向に直交する方向をY方向として、X方向を長辺とする150mm×10mmの矩形、及びY方向を長辺とする150mm×10mmの矩形にフィルム切り出し、サンプルとした。得られたサンプルについて、25℃、63%Rhの条件下で、引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT−100)を用いてクロスヘッドスピード300mm/分、幅10mm、試料長(チャック間距離)50mmとして引張試験を行い、X方向及びY方向について伸度−応力曲線を得た。得られた曲線において、伸度1%以内の最大傾斜の接線の1次式よりヤング率を求めた。なお、測定は、X方向、及びY方向ともに5回行い、これらの全ての値の平均値の小数第1位を四捨五入した値をヤング率(N/mm)とした。
(3)剛性率
(1)で求めたフィルムの全体厚みをフィルム厚みとし、フィルム厚みと(2)で求めたヤング率より、下記式から算出した値の小数第3位を四捨五入して剛性率(N・mm)とした。
剛性率(N・mm)=ヤング率(N/mm)×(フィルム厚み(mm))
(4)曲げ剛性
ループスティフネステスター(東洋精機製)を用いて、幅方向の長さが幅5mm、長手方向の長さが100mmである矩形の試料を円環とし、変位速度約3.5mm/秒で変位10mmを与えるのに要する荷重を測定し、得られた値を長手方向の曲げ剛性(N/5mm)とした。また、同様に、長手方向の長さが5mm、幅方向の長さが100mmである矩形の試料についても同様に測定を行い、得られた値を幅方向の曲げ剛性(N/5mm)とした。長手方向の曲げ剛性、幅方向の曲げ剛性をそれぞれ5回ずつ測定し、これらの全ての値の平均値の小数第4位を四捨五入した値を曲げ剛性(N/5mm)とした。
(5)破断伸度
長手方向を長辺とする150mm×10mmの矩形、及び幅方向を長辺とする150mm×10mmの矩形にフィルムを切り出しサンプルとした。得られたサンプルについて、25℃、63%Rhの条件下で、引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT−100)を用いてクロスヘッドスピード300mm/分、幅10mm、試験長(チャック間距離)50mmとして引張試験を行い、フィルムが破断した際の伸度を破断伸度として算出した。測定は、フィルム長手方向、フィルム幅方向それぞれの方向に5回ずつ行った。各方向の平均値をそれぞれフィルム長手方向の破断伸度、フィルム幅方向の破断伸度とした。そして、フィルム長手方向の破断伸度とフィルム幅方向の破断伸度の平均値の小数第1位を四捨五入した値を、破断伸度(%)とした。
(6)面配向係数
二軸配向ポリエステルフィルム(A層)について、ナトリウムD線(波長589nm)を光源として、アッベ屈折計(アタゴ社製 型番NAR−1T)を用いて、フィルムの長手方向の屈折率(nMD)、幅方向の屈折率(nTD)、厚み方向の屈折率(nZD)を測定し、下記式から面配向係数(fn)を算出した。なお、測定は5回実施し、その平均値の小数第4位を四捨五入した値を面配向係数とした。
fn=(nMD+nTD)/2−nZD
(7)表面自由エネルギー
23℃、65%RHの条件下で24時間調湿した二軸配向ポリエステルフィルム(A層)について、接触角計(協和界面化学製CA−D型)を使用して、水、エチレングリコ−ル、ホルムアミド、及びヨウ化メチレンの4種類の液体の、二軸配向ポリエステルフィルム(A層)表面に対する静的接触角を求めた。それぞれの液体について得られた接触角と測定液の表面張力の各成分を下式にそれぞれ代入し、γ 、γ、及びγ を算出した。
γ )1/2 +2(γγ )1/2 +2(γ γ)1/2 =(1+cosθ)[γ +2(γ γ )1/2]/2
ただし、γ=γ+2(γγ)1/2γ=γ +2(γ γ )1/2
ここで、γ、γ、γ、γは、それぞれ、フィルム表面の表面自由エネルギー、長距離間力項、ルイス酸パラメーター、ルイス塩基パラメーターを、γ、γ 、γ 、γ は、それぞれ、用いた測定液の表面自由エネルギー、長距離間力項、ルイス酸パラメーター、ルイス塩基パラメーターを表す。
ここで用いた各液体の表面張力は、Oss(“Fundamentals of Adhesion”, L.H.Lee(Ed.),p153,Plenum ess,New York(1991))によって提案された表1の値を用いた。
(8)フィルムヘイズ
JIS K 7105(1985年)に基づいて、ヘーズメーター(スガ試験器社製HGM−2GP)を用いてヘイズの測定を行った。測定は任意の3ヶ所で行い、その平均値の小数第2位を四捨五入した値をフィルムヘイズ(%)とした。なお、各層のフィルムヘイズについても同様に測定した。
(9)剥離強度
後述の方法により得られた表面保護用フィルムに、アクリル系粘着層(20μm)を積層し、さらにその上に二軸配向ポリエステルフィルム(東レ“ルミラー”(登録商標)T60:50μm)を積層し、表面保護用フィルム/粘着層/二軸配向ポリエステルフィルムの構成体を得た。該構成体を幅25mm、長さ150mmの矩形に切り出しサンプルとした。該サンプルを、粘着層/二軸配向ポリエステルフィルム間で、強制的に剥離し、引張試験機(オリエンテック製“テンシロン”(登録商標)UCT−100)を用いて、初期引張チャック間距離100mm、引張速度を20mm/分として、180°剥離試験を行った。剥離長さが130mm(チャック間距離230mm)になるまで0.1mm間隔で荷重の測定を行い、剥離長さ25mm〜125mmにおける荷重の平均値を算出した。なお、測定は5回行い、各回の測定で得られた剥離長さ25mm〜125mmにおける荷重の平均値の平均値を算出し、その小数第3位を四捨五入した値を剥離強度(N/25mm)とした。
(10)支持性
(9)で得られた構成体(幅25mm、長さ150mmの矩形)の長さ方向の両端部各10mmを、各辺の長さが100mmである立方体の金属固定板にテープで固定し、フィルムの弛み具合を確認し、下記基準で支持性を評価した。なお、支持性はA、B、Cを合格レベルとした。
A:長さ方向の中心部垂れ下がりが、金属固定板の高さから5mm未満であり、非常に良好な支持性を示した。
B:長さ方向の中心部垂れ下がりが金属固定板の高さから5mm以上10mm未満であり、良好な支持性を示した。
C:長さ方向の中心部垂れ下がりが、10mm以上15mm未満であり、支持性は実用上問題ないレベルであった。
D:長手方向の中心部垂れ下がりが、15mm以上で、支持性が不十分であった。
(11)剥離性
(9)で得られた構成体(幅25mm、長さ150mmの矩形)について、端部より指で、強制的に剥離のきっかけを形成させ、その形成しやすさを基に下記基準にて剥離性を評価した。なお、剥離性はA、B、Cを合格レベルとした。
A:剥離のきっかけが形成しやすく、取扱性が非常に良好であった。
B:剥離のきっかけが若干形成しにくかったが、取扱性が良好であった。
C:剥離のきっかけが形成しにくいものの、実用上問題ないレベルであった。
D:剥離のきっかけが形成しにくく、取扱性が悪かった。
ポリエステル系樹脂を主たる構成成分とする層(A層)の材料、ポリオレフィン系樹脂を主たる構成成分とする層(B層)形成用の原料として、下記のものを用いた。
(1)A層
二軸配向ポリエステルフィルム(A−1)
(厚み:17μm、面配向係数:0.162、フィルムヘイズ:0.8%)
二軸配向ポリエステルフィルム(A−2)
(厚み:25μm、面配向係数:0.168、フィルムヘイズ:1.0%)
二軸配向ポリエステルフィルム(A−3)
(厚み:25μm、面配向係数:0.170、フィルムヘイズ:3.0%)
二軸配向ポリエステルフィルム(A−4)
(厚み:38μm、面配向係数:0.165、フィルムヘイズ:1.2%)
二軸配向ポリエステルフィルム(A−5)
(厚み:25μm、面配向係数:0.120、フィルムヘイズ:1.0%)
なお、ここでいう厚みは、「(1)フィルムの厚み」に記載した方法で測定した厚みをいう。
(2)B層形成用の原料
エチレン−メタクリル酸共重合体 住友化学製“アクリフト”(登録商標)WD301−F(B−1)
エチレン−ヘキセン共重合体 プライムポリマー製“エボリュー”(登録商標)SP2540(B−2)
低密度ポリエチレン 住友化学製“スミカセン”(登録商標)L705(B−3)
変性ポリエチレン 三菱化学製“モディック”(登録商標)M504(B−4)
(実施例1)
二軸配向ポリエステルフィルム(A−1)表面に、エキシマレーザーにて紫外線照射を行い(積算光量:1535mJ/cm)、フィルムの表面自由エネルギーを64mN/mとした後、該フィルム表面に、エチレン−メタクリル酸共重合体(B−1)と、変性ポリエチレン(B−4)を質量比90:10に混合したポリオレフィン系樹脂を樹脂温度300℃にて、Tダイより厚み35μmのシート状に吐出した。その際、B−1とB−4からなる層を挟み込む構成にて、同様に表面処理した二軸配向ポリエステルフィルム(A−1)をラミネートして、A層/B層/A層((A−1)/(B−1):(B−4)=90:10/(A−1))の構成とし、ニップロールと20℃に冷却した金属ロールで圧着(ニップ圧:0.2MPa)した後、冷却ロール(20℃)で冷却固化し、フィルム厚み69μmの表面保護用フィルムを得た。得られたフィルムの物性と評価結果を表2に示す。
(実施例2)
A層を二軸配向ポリエステルフィルム(A−2)に変更し、B層厚みを25μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、フィルム厚み75μmの表面保護用フィルムを得た。得られたフィルムの物性と評価結果を表2に示す。
(実施例3)
B層厚みを35μmとした以外は、実施例2と同様にして、フィルム厚み85μmの表面保護用フィルムを得た。得られたフィルムの物性と評価結果を表2に示す。
(実施例4)
A層を二軸配向ポリエステルフィルム(A−3)に変更し、B層として、エチレン−ヘキセン共重合体(B−2)と、変性ポリエチレン(B−4)を質量比90:10に混合した以外は、実施例3と同様にしてフィルム厚み85μmの表面保護用フィルムを得た。得られたフィルムの物性と評価結果を表2に示す。
(実施例5)
B層として、低密度ポリエチレン(B−3)と、変性ポリエチレン(B−4)を質量比90:10に混合したポリオレフィン系樹脂を使用した以外は、実施例4と同様にしてフィルム厚み85μmの表面保護用フィルムを得た。得られたフィルムの物性と評価結果を表2に示す。
(実施例6)
A層を二軸配向ポリエステルフィルム(A−4)に変更し、B層厚みを20μmに変更した以外は、実施例1と同様にしてフィルム厚み96μmの表面保護用フィルムを得た。得られたフィルムの物性と評価結果を表3に示す。
(実施例7)
B層厚みを40μmとした以外は、実施例2と同様にして、フィルム厚み90μmの表面保護用フィルムを得た。得られたフィルムの物性と評価結果を表3に示す。
(実施例8)
二軸配向ポリエステルフィルム(A−2)表面に、ウレタン系接着剤+架橋剤(東洋モートン製“アドコート”(登録商標)AD502+三和ケミカル製“ニカラック”(登録商標)MW−22:75質量%+25質量%)を厚み0.01μmで塗工した後、該フィルム表面に、エチレン−メタクリル酸共重合体(B−1)と、変性ポリエチレン(B−4)を質量比90:10に混合したポリオレフィン系樹脂を樹脂温度300℃にて、Tダイより35μmのシート状に吐出した。その際、ポリオレフィン系樹脂層を挟み込む構成にて、同様に接着剤を塗工した二軸配向ポリエステルフィルム(A−2)をラミネートして、A層/B層/A層((A−2)/(B−1):(B−4)=90:10/(A−2))の構成とし、ニップロールと20℃に冷却した金属ロールで圧着(ニップ圧:0.2MPa)した後、冷却ロール(20℃)で冷却固化し、フィルム厚み85μmの表面保護用フィルムを得た。得られたフィルムの物性と評価結果を表3に示す。
(実施例9)
A層として、表面処理を施さずに二軸配向ポリエステルフィルム(A−2)を用いた以外は、実施例2と同様にして、フィルム厚み85μmの表面保護用フィルムを得た。得られたフィルムの物性と評価結果を表3に示す。
(実施例10)
B層として、エチレン−メタクリル酸共重合体(B−1)を使用した以外は、実施例2と同様にしてフィルム厚み85μmの表面保護用フィルムを得た。得られたフィルムの物性と評価結果を表3に示す。
(比較例1)
B層厚みを30μmとした以外は、実施例1と同様にして、フィルム厚み64μmの表面保護用フィルムを得た。得られたフィルムの物性と評価結果を表4に示す。
(比較例2)
A層を二軸配向ポリエステルフィルム(A−4)に変更し、B層厚みを25μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、フィルム厚み101μmの表面保護用フィルムを得た。得られたフィルムの物性と評価結果を表3に示す。
(比較例3)
A層を二軸配向ポリエステルフィルム(A−5)に変更した以外は、比較例2と同様にして、フィルム厚み75μmの表面保護用フィルムを得た。得られたフィルムの物性と評価結果を表3に示す。
Figure 2016185631
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本発明の表面保護用フィルムは、支持性と剥離性を両立しており、高精細、薄型部材への適用が可能であり、回路部材、ディスプレイ部材、医療部材等へ好ましく用いることができる。

Claims (10)

  1. 下記式で求められる剛性率が1.00N・mm以上であり、ループスティフネス試験方法により求められる曲げ剛性が0.040N/5mm以下であることを特徴とする、表面保護用フィルム。
    剛性率(N・mm)=ヤング率(N/mm)×(フィルム厚み(mm))
  2. ポリエステル系樹脂を主たる構成成分とする層(A層)と、ポリオレフィン系樹脂を主たる構成成分とする層(B層)を有することを特徴とする、請求項1に記載の表面保護用フィルム。
  3. 25℃におけるフィルムの破断伸度が、50%以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の表面保護用フィルム。
  4. 前記B層中の全成分を100質量%としたときに、前記ポリオレフィン系樹脂として、ポリエチレン系樹脂及び/又はポリプロピレン系樹脂を、合計で50質量%以上含むことを特徴とする、請求項2又は3に記載の表面保護用フィルム。
  5. 前記B層に、酸変性ポリエチレン系樹脂及び/又は酸変性ポリプロピレン系樹脂を含むことを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の表面保護用フィルム。
  6. フィルムヘイズが5.0%以下であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の表面保護用フィルム。
  7. 前記A層/前記B層/前記A層が、この順に直接積層された構成を有することを特徴とする、請求項2〜6のいずれかに記載の表面保護用フィルム。
  8. 被着体の少なくとも片面に、請求項1〜7のいずれかに記載の表面保護用フィルムを積層してなる構成体。
  9. 前記被着体と前記表面保護用フィルムが、粘着層を介して積層されていることを特徴とする、請求項8に記載の構成体。
  10. 前記被着体と前記表面保護用フィルムの剥離強度が、0.01N/25mm以上5.00N/25mm以下であることを特徴とする、請求項8又は9に記載の構成体。
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