WO2018043155A1 - 保護フィルムおよび積層フィルム - Google Patents

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Abstract

プラスチックフィルムを保護するための保護フィルムであって、少なくともフィルム基材を含み、該フィルム基材がポリエステルフィルムA、線状ポリオレフィンフィルム、およびポリエステルフィルムBがこの順に積層された構造を有する保護フィルム、およびプラスチックフィルムにその保護フィルムが積層された積層フィルム。熱変形を抑制可能な保護フィルムを提供することができる。その保護フィルムがプラスチックフィルムに積層された積層フィルムでは、加熱工程における熱変形を抑制できる。

Description

保護フィルムおよび積層フィルム
 本発明は、プラスチックフィルムを保護するための保護フィルム、およびプラスチックフィルムに上記保護フィルムが積層された積層フィルムに関する。
 プラスチックフィルムは各種用途に用いられている。例えば、光学フィルム、ガスバリア性フィルム、透明導電性フィルムなどの基材フィルムとして用いられている。また、液晶や有機EL(Electro Luminescence)を用いたディスプレイには、リターデーション(複屈折率)が比較的小さいプラスチックフィルム、例えば、環状ポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム、トリアセチルセルロースフィルムなどのプラスチックフィルムを用いた光学フィルム、ガスバリア性フィルム、透明導電性フィルムなどが使用されている。これらの用途において、プラスチックフィルムに各種機能層、例えば、反射防止層、ハードコート層、ガスバリア層、透明導電層などの機能層が積層されることがあるが、これらの機能層を積層する工程や機能層積層後の加工工程において、プラスチックフィルムや機能層を保護するために保護フィルムを設けることが知られている(例えば、特許文献1~4)。
特開2010-38924号公報 特開2014-180840号公報 特開2016-44186号公報 特開2016-105392号公報
 プラスチックフィルムを前述のような用途に加工する工程には、通常、加熱工程が含まれている。この加熱工程において、プラスチックフィルムに積層された保護フィルムあるいはプラスチックフィルムと保護フィルムを積層した積層フィルムが、熱変形することがある。ここで、熱変形とは、保護フィルムが部分的に溶融あるいは熱膨張して保護フィルムあるいは積層フィルムが変形する現象、またはプラスチックフィルムと保護フィルムとの熱膨張係数の違いから保護フィルムが部分的に剥離して浮き上がったり、シワになったり、あるいは積層フィルムがカールしたりする現象を指す。
 しかし、上述した特許文献に記載の技術では、保護フィルムあるいは積層フィルムの熱変形を十分に抑制することができなかった。
 そこで、本発明の目的は、上述したような熱変形を抑制することができる保護フィルムを提供することにある。
 また、本発明の他の目的は、熱変形が抑制された、保護フィルムを積層した構成の積層フィルムを提供することにある。
 上記目的は、以下の本発明によって達成される。
[1]プラスチックフィルムを保護するための保護フィルムであって、少なくともフィルム基材を含み、該フィルム基材がポリエステルフィルムA、線状ポリオレフィンフィルム、およびポリエステルフィルムBがこの順に積層された構造を有することを特徴とする保護フィルム。
[2]前記ポリエステルフィルムAおよび/またはBが二軸延伸ポリエステルフィルムである、[1]に記載の保護フィルム。
[3]前記線状ポリオレフィンフィルムが無延伸の線状ポリオレフィンフィルムである、[1]または[2]に記載の保護フィルム。
[4]前記線状ポリオレフィンフィルムが、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、およびポリプロピレンとポリエチレンとの共重合体フィルムからなる群から選ばれる少なくとも一つである、[1]~[3]のいずれかに記載の保護フィルム。
[5]前記ポリエステルフィルムAおよび/またはBが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであり、該ポリエステルフィルムAおよび/またはBの幅方向(TD方向)および長手方向(MD方向)における150℃30分加熱処理後の熱収縮率が、いずれも0.50%以下である、[1]~[4]のいずれかに記載の保護フィルム。
[6]前記フィルム基材の一方の面に粘着剤層または離型層を有する、[1]~[5]のいずれかに記載の保護フィルム。
[7]前記保護対象としてのプラスチックフィルムが、波長550nmの光に対する面内方向のリターデーション(Re550)が500nm以下である、[1]~[6]のいずれかに記載の保護フィルム。
[8]前記保護対象としてのプラスチックフィルムが環状ポリオレフィンフィルムまたはポリカーボネートフィルムである、[1]~[7]のいずれかに記載の保護フィルム。
[9]プラスチックフィルムの少なくとも一方の面に、[1]~[6]のいずれかに記載の保護フィルムが積層された、積層フィルム。
[10]前記プラスチックフィルムの厚み(d1)、および前記厚み(d1)と保護フィルムの厚み(d2)との比率(d2/d1)が下記条件1または条件2を満足する、[9]に記載の積層フィルム。
<条件1> d1≦75μmで、かつ、0.5≦(d2/d1)≦7.0
<条件2> d1>75μmで、かつ、0.1≦(d2/d1)≦2.0
[11]前記プラスチックフィルムが、波長550nmの光に対する面内方向のリターデーション(Re550)が500nm以下である、[9]または[10]に記載の積層フィルム。
[12]前記プラスチックフィルムが環状ポリオレフィンフィルムまたはポリカーボネートフィルムである、[9]~[11]のいずれかに記載の積層フィルム。
 本発明によれば、熱変形を抑制することができる保護フィルムを提供することができる。
 また、本発明の保護フィルムが積層されたプラスチックフィルム(積層フィルム)では、加熱工程における熱変形が抑制される。
 以下に、本発明について、実施の形態とともに、詳細に説明する。
 本発明の保護フィルムは、プラスチックフィルムを保護する目的で使用され、最終的には剥離除去される、いわゆる再剥離性保護フィルムである。つまり、本発明の保護フィルムは、プラスチックフィルムに剥離可能に積層される。
 本発明の保護フィルムが保護するプラスチックフィルムは、プラスチックフィルム自体、および該プラスチックフィルムに各種機能層、例えば、光学機能層(反射防止層、防眩層、屈折率調整層など)、ガスバリア層、透明導電層、ハードコート層、帯電防止層、アンチブロッキング層などの機能層が設けられたものを含む。
 つまり、本発明の保護フィルムの適用形態としては、(1)プラスチックフィルムに上記機能層を積層する以前にプラスチックフィルムの機能層を設ける面の反対面に予め保護フィルムを積層する形態、(2)機能層が設けられたプラスチックフィルムの機能層の面に保護フィルムを積層する形態、および(3)機能層が設けられたプラスチックフィルムの機能層とは反対面に保護フィルムを積層する形態、が含まれる。上記適用形態の中でも、(1)の形態が最も本発明の保護フィルムの効果が享受できる。
 本発明の保護フィルムは、最終的には剥離除去されるが、そのタイミングは特に限定されず、例えば、本発明の保護フィルムが積層されたプラスチックフィルム(積層フィルム)を、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどのディスプレイあるいはタッチパネルなどに組み込むときには、遅くとも剥離除去される。
[保護フィルム]
 本発明の保護フィルムは少なくともフィルム基材を含み、該フィルム基材は、ポリエステルフィルムA、線状ポリオレフィンフィルム、およびポリエステルフィルムBがこの順に積層された構造を有する。つまり、フィルム基材は、線状ポリオレフィンフィルムの両側にそれぞれポリエステルフィルムを有する構造であり、この基本構造を有していれば適宜モディファイすることができる。
 保護フィルムを構成するフィルム基材を上記構成にすることにより、耐熱性が向上し、かつ熱膨張係数が適切に調整されるので、熱変形が抑制される。特に、プラスチックフィルムが環状ポリオレフィンフィルムあるいはポリカーボネートフィルムである場合、保護フィルムとの熱膨張係数の差が小さくなり、加熱工程での熱変形が一段と抑制される。
 フィルム基材の好ましい例として、ポリエステルフィルムA/線状ポリオレフィンフィルム/ポリエステルフィルムBの3層積層構造が挙げられる。ここで、ポリエステルフィルムAとポリエステルフィルムBは、樹脂および厚みが同一である形態、樹脂および厚みのどちらか一方もしくは両方が異なる形態がある。
 フィルム基材の両側表層のポリエステルフィルムの熱膨張係数を合わせるという観点および生産性の観点から、ポリエステルフィルムAとポリエステルフィルムBとは、樹脂が同一であること好ましく、樹脂と厚みが同一であることが特に好ましい。ここで、厚みが同一であるとは、厚み差が5μm以下であることを意味する。
 上記の3層積層構造における線状ポリオレフィンフィルムを2層構成にして合計4層積層構造とすることができる。例えば、線状ポリオレフィンフィルムとして、樹脂が異なる2種類の線状ポリオレフィンフィルムを積層したものを用いることができる。
 上記構成例のように、フィルム基材の両側の表層がポリエステルフィルムで構成されることによって、耐熱性が向上する。また、両側の表層を構成するそれぞれのポリエステルフィルムは、樹脂および厚みが同一であることが、熱膨張係数および生産性の観点から好ましい。
 ポリエステルフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルムが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
ポリエステルフィルムは、二軸延伸ポリエステルフィルムが好ましく、さらに二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
 二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムは、幅方向(TD方向)および長手方向(MD方向)における150℃30分加熱処理後の熱収縮率が、いずれも0.50%以下が好ましく、0.30%以下がより好ましく、0.20%以下が特に好ましい。
 二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの熱収縮率を上記範囲にするために、アニール処理することが好ましい。アニール処理としては、160~250℃の温度で5~300秒間加熱することが好ましい。
 フィルム基材の両側表層のポリエステルフィルムとして、上記熱収縮率を満足する二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いることにより、耐熱性が向上し熱変形がさらに抑制される。
 線状ポリオレフィンフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、およびポリエチレンとポリプロピレンの共重合体フィルムが挙げられる。これらの中でも、ポリプロピレンフィルムが好ましい。
 また、線状ポリオレフィンフィルムは、無延伸の線状ポリオレフィンフィルムであることが好ましい。つまり、本発明に用いられる線状ポリオレフィンフィルムとしては、無延伸のポリプロピレンフィルムが最も好ましい。
 フィルム基材を構成するポリエステルフィルムおよび線状ポリオレフィンフィルムの厚みは、フィルム基材の総厚みに応じて適宜設定することが好ましい。フィルム基材の総厚みは、10~200μmの範囲が好ましく、20~150μmの範囲がより好ましく、25~125μmの範囲が特に好ましい。
 両側表層を構成するポリエステルフィルムのそれぞれの厚みは、保護フィルムの耐熱性を高めるという観点から、5μm以上が好ましく、7μm以上がより好ましく、10μm以上が特に好ましい。一方、上記ポリエステルフィルムの厚みが過度に大きくなると、保護フィルムとプラスチックフィルムとの熱膨張係数差が大きくなり加熱工程で熱変形することがあるので、上限の厚みは75μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、40μm以下が特に好ましい。
 線状ポリオレフィンフィルムの厚みは、保護フィルムとプラスチックフィルムとの熱膨張係数差を小さくするという観点から、15~100μmの範囲が好ましく、20~75μmの範囲がより好ましく、25~60μmの範囲が特に好ましい。
 また、保護フィルムの耐熱性を向上させ、かつ保護フィルムとプラスチックフィルムとの熱膨張係数差を小さくするという観点から、線状ポリオレフィンフィルムの厚みは、両側表層のポリエステルフィルムの合計厚み100%に対して、20~500%の範囲が好ましく、30~400%の範囲がより好ましく、50~300%の範囲が特に好ましい。
 両側表層を構成するポリエステルフィルムは、滑り性をさらに向上させるという観点から、無機粒子や有機粒子を含有していることが好ましい。例えば、酸化珪素、炭酸カルシウム、アルミナ、珪酸アルミニウム、マイカ、クレー、タルク、硫酸バリウムなどの無機粒子、ポリイミド系樹脂、オレフィンあるいは変性オレフィン系樹脂、架橋ポリスチレン系樹脂、シリコーン樹脂などの有機粒子を挙げることができる。
 本発明の保護フィルムを構成するフィルム基材は、フィルム基材を構成する各フィルムが公知の接着方法で接着されていることが好ましい。接着方法としては、例えば、接着剤層を介して、ドライラミネート法、熱ラミネート法、ヒートシール法、押出しラミネート法などにより接着する方法、プラズマ処理などによってフィルム表面を活性化する方法などが挙げられる。
 上記の接着方法の中でも、接着剤層を介して接着する方法が好ましく、さらにドライラミネート法が好ましい。
 接着剤としては、特に限定されず、公知の接着剤あるいは市販の接着剤を用いることができる。例えば、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、エチレン系接着剤、エポキシ系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、ゴム系接着剤などがあるが、取り扱い性の観点からウレタン系接着剤が好ましい。ウレタン系接着剤は水酸基を持った主剤とイソシアネート基を持った硬化剤とを2液混合して使用する2液型と、イソシアネート基を持ったものを単独で使用する1液型とがあるが、汎用性、接着性能の面から2液型の方が好ましい。
 特に、ドライラミネート用の接着剤としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール等の主剤に、硬化剤として2官能以上の芳香族系又は脂肪族系イソシアネートを作用させる2液型のポリウレタン系接着剤が好ましい。
  上記ポリウレタン系接着剤は、塗布後、例えば40℃で48時間以上のエージングを行うことで、主剤の水酸基と硬化剤のイソシアネート基の反応が進行して強固な接着が可能となる。
 接着剤層の厚み(固形分厚み)は、0.1~15μmの範囲が好ましく、1~10μmの範囲がより好ましく、2~8μmの範囲が特に好ましい。
 本発明の保護フィルムは、フィルム基材のみで構成されていてもよく、またはフィルム基材の一方の面に粘着剤層あるいは離型層が設けられていてもよい。
 上記したフィルム基材の一方の面に粘着剤層を有する保護フィルムは、粘着剤層を介して保護フィルムとプラスチックフィルムとが貼り合わされる。
 本発明の保護フィルムは、最終的には剥離除去される、いわゆる再剥離性保護フィルムであり、粘着剤層は微粘着性であることが好ましい。
  粘着剤層の25℃における粘着力(180°ピール剥離、対プラスチックフィルム、引張り速度300mm/分)は、再剥離が可能な範囲であればよく、例えば、3N/25mm以下が好ましく、2N/25mm以下がより好ましく、1N/25mm以下が特に好ま
しい。下限の粘着力は、例えば、0.03N/25mm程度である。
 粘着剤層を構成する粘着剤としては、特に限定されず、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、スチレン-ジエンブロック共重合体系粘着剤、これらの粘着剤に融点が約200℃以下の熱溶融性樹脂を配合したクリ-プ特性改良型粘着剤などの公知の粘着剤を1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。粘着剤は、再剥離性を有する限り、溶剤型、エマルジョン型、ホットメルト型等の公知のいずれの粘着剤であってもよい。
 粘着剤層は、上記粘着剤に加えて硬化剤を含有することが好ましい。硬化剤としては、例えば、エポキシ系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、メラミン系硬化剤、オキサゾリン系硬化剤、アジリジン系硬化剤、金属キレート化合物等が挙げられる。
 粘着剤層の厚み(固形分厚み)は、1~30μmの範囲が好ましく、2~25μmの範囲がより好ましく、3~20μmの範囲が特に好ましい。
 また、粘着剤層に代えて、自己粘着フィルムを用いることができる。自己粘着フィルムとしては、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルムが挙げられる。
 本発明の保護フィルムは、フィルム基材の一方の面に離型層が設けられていてもよい。つまり、本発明の保護フィルムは、離型フィルムとしての機能を有していてもよい。上記の離型層を有する保護フィルムは、プラスチックフィルムに粘着剤層が積層されている場合に用いることが好ましい。離型層を構成する離型剤としては、特に限定されず、公知のものを使用することができる。例えば、シリコーン系離型剤、長鎖アルキル離型剤、フッ素系離型剤、オレフィン系離型剤などが挙げられる。
 本発明の保護フィルムの厚みは、10~250μmの範囲が好ましく、20~200μmの範囲がより好ましく、25~150μmの範囲がさらに好ましく、30~125μmの範囲が特に好ましい。
[プラスチックフィルム]
 本発明の保護フィルムが保護するプラスチックフィルムとしては、光学フィルム、ガスバリア性フィルム、透明導電性フィルムなどの基材フィルムとして一般的に用いられるプラスチックフィルムが挙げられる。
 これらのプラスチックフィルムの中でも、耐熱性が比較的低いプラスチックフィルム、例えば、環状ポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アクリルフィルム、ポリウレタンフィルム、あるいはこれらの複合フィルムに、本発明の保護フィルムは好適である。
 また、プラスチックフィルムは、低リターデーション(複屈折率が小さい)であることが好ましい。低リターデーションのプラスチックフィルムは、有機ELデバイスに使用した際に、発光効率が向上するという利点がある。具体的には、波長550nmの光に対する面内方向のリターデーション(Re550)が、500nm以下であることが好ましく、300nm以下がより好ましく、150nm以下が特に好ましい。下限は0nmである。
 プラスチックフィルムの波長550nmの光に対する面内方向のリターデーション(Re550)は、下記式で表される値である。
 |nx-ny|×d
(式中、nxはプラスチックフィルムの面内の遅相軸方向の屈折率を表し、nyはプラスチックフィルムの面内の進相軸方向の屈折率を表し、dは膜厚を表す。)
 ここで、面内とは、プラスチックフィルム面内を指し、該フィルムの厚み方向に垂直な面内を指す。リターデーションは、実施例で使用したような複屈折計を用いて平行ニコル回転法により測定できる。
 上述した観点から、本発明の保護フィルムが保護するプラスチックフィルムとしては、環状ポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム、トリアセチルセルロースフィルムが好ましく、さらに、環状ポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルムが好ましく、特に環状ポリオレフィンフィルムが好ましい。
 また、本発明の保護フィルムが保護するプラスチックフィルムには、前述したように各種機能層が設けられたものが含まれる。
 プラスチックフィルムの厚みは、該プラスチックフィルムが適用される用途、例えば、光学フィルム、ガスバリア性フィルム、あるいは透明導電性フィルムなどの用途に応じて適宜選択されるが、近年の薄膜化傾向に追従させるという観点から、2~150μmの範囲が好ましく、5~100μmの範囲がより好ましく、10~75μmの範囲が特に好ましい。
 以下、プラスチックフィルムとして好適に用いられる、環状ポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム、トリアセチルセルロースについて説明する。
[環状ポリオレフィンフィルム]
 環状ポリオレフィンフィルムは、環状オレフィン樹脂(COP)あるいは環状オレフィン共重合樹脂(COC)を主成分とする樹脂フィルムである。ここで、主成分とするとは、樹脂フィルムを構成する樹脂成分のうち、COPあるいはCOCの構成比率が50質量%以上であることを意味するものであり、好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上であり、特に好ましくは95質量%以上である。
 環状ポリオレフィンフィルムは、従来から広く用いられているポリエチレンテレフタレートフィルムに比べて、相対的に透湿性が小さく、高い透明性を有しており、有機ELデバイスに使用した際に、発光効率が向上するという特長がある。さらに、低リタゼーション(複屈折率が小さい)で、有機ELデバイスに使用した際、色の視野角依存性が小さいという利点を備えている。
 環状オレフィン樹脂(COP)とは、「主鎖に環状オレフィンを含有した繰り返し単位」のみを重合させた樹脂を意味する。環状オレフィン共重合樹脂(COC)とは、少なくとも「主鎖に環状オレフィンを含有した繰り返し単位」と「主鎖に環状オレフィンを含有しないオレフィンからなる繰り返し単位」を共重合させた樹脂を意味する。
 COP、COCを構成する環状オレフィンとしては、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、シクロペンタジエン、1,3-シクロヘキサジエン、3,4-ジメチルシクロペンテン、3-メチルシクロヘキセン、2-(2-メチルブチル)-1-シクロヘキセン、3a,5,6,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデンなどの単環式オレフィン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン、エチルテトラシクロドデセン、エチリデンテトラシクロドデセン、テトラシクロ〔7.4.0.110,13.02,7〕トリデカ-2,4,6,11-テトラエンなどの多環式オレフィン、などが挙げられる。これらの環状オレフィンは、それぞれ単独であるいは2種以上組合せて用いることができる。
 環状オレフィン共重合樹脂(COC)を構成する環状オレフィン以外の他のモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン等が挙げられる。
 本発明における環状ポリオレフィンフィルムは、市販品として入手することもできる。市販品としては、例えば、日本ゼオン(株)製の「ゼオネックス」、「ゼオノア」(登録商標)、積水化学工業(株)製の「エッシーナ」、JSR(株)製の「アートン」、日立化成(株)製の「オプトレッツ」、三井化学(株)製の「アペル」などがある。
[ポリカーボネートフィルム]
 ポリカーボネートとは、炭酸とグリコールあるいは2価フェノールとのポリエステルで、-O-CO-O-のカーボネート結合を有する高分子で、ビスフェノールと炭酸エステルの高分子が最も実用的に用いられている。
 ポリカーボネートフィルムは、一般に市販されており、これらの市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、帝人(株)の商品名「パンライト」(登録商標)、「ピュアエース」(登録商標)、(株)カネカの商品名「エルメック」(登録商標))、三菱ガス化学(株)の商品名「ユーピロン」(登録商標))旭硝子(株)製の「レキサンフィルム」、General Electric社製の「Lexan」、バイエル社製の「マクロフォル」等が挙げられる。
[トリアセチルセルロース]
 トリアセチルセルロースとしては、純粋なトリアセチルセルロース以外に、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートの如くセルロースとエステルを形成する脂肪酸として酢酸以外の成分を併用した樹脂であってもよい。
[積層フィルム]
 本発明において、プラスチックフィルムに本発明の保護フィルムが積層されたものを積層フィルムという。つまり、本発明における積層フィルムは、本発明の保護フィルムがプラスチックフィルムの片面のみに積層された態様、および両面に積層された態様を含む。
 プラスチックフィルムの片面のみに本発明の保護フィルムが積層された態様において、本発明の保護フィルムが積層された面とは反対面に、本発明の保護フィルム以外の保護フィルムが積層されていてもよい。この場合、本発明の保護フィルム以外の保護フィルムは、プラスチックフィルムに前述の各種機能層を設ける前に剥離除去されることが好ましい。
 本発明の積層フィルムにおいて、プラスチックフィルムの厚みを(d1)、保護フィルムの厚みを(d2)としたとき、以下の条件1または2を満足することが好ましい。これによって、積層フィルムの熱変形の抑制効果が高くなる。
 <条件1> d1≦75μmで、かつ、0.5≦(d2/d1)≦7.0
 <条件2> d1>75μmで、かつ、0.1≦(d2/d1)≦2.0
 上記条件1は、プラスチックフィルムの厚み(d1)が75μm以下と比較的薄膜である態様であって、プラスチックフィルムの厚み(d1)と保護フィルムの厚み(d2)との比率(d2/d1)を0.5~7.0の範囲とすることによって、熱変形抑制効果に加えて搬送性や加工性を向上させることができる。さらに、上記比率(d2/d1)は、0.7~6.0の範囲が好ましく、0.9~5.0の範囲が特に好ましい。
 上記条件2は、プラスチックフィルムの厚み(d1)が75μm超と比較的厚薄である態様であって、プラスチックフィルムの厚み(d1)と保護フィルムの厚み(d2)との比率(d2/d1)を0.1~2.0の範囲とすることによって、熱変形抑制効果に加えて搬送性や加工性を向上させることができる。さらに、上記比率(d2/d1)は、0.2~1.5の範囲が好ましく、0.3~1.2の範囲が特に好ましい。
[積層フィルムの適用例]
 本発明の積層フィルムは、各種光学フィルム、ガスバリア性フィルム、透明導電性フィルムなどの基材として生産工程に供給されることが好ましい。
 光学フィルムとしては、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等のディスプレイに用いられる偏光フィルム、反射防止フィルム、ハードコートフィルム、色調や屈折率などを調整するための光学調整フィルム、防眩性フィルムなどが挙げられる。
 光学フィルム、ガスバリア性フィルム、透明導電性フィルムなどの生産工程では、プラスチックフィルムに各種機能層、例えば、ハードコート層、反射防止層、光学調整層、防眩層、ガスバリア層、透明導電層などが積層される。各種機能層の積層工程には、通常、乾燥工程や加熱処理工程が含まれる。
 例えば、ハードコート層や反射防止層の積層工程は、塗布工程、乾燥工程、硬化工程などがあり、乾燥工程や硬化工程では、100℃以上、さらに150℃以上で加熱されることがある。また、透明導電層(例えばITO膜)の結晶化工程やガスバリア層の製膜工程では100℃以上、さらに150℃以上で加熱されることがある。
 このような加熱工程を含む、光学フィルム、ガスバリア性フィルム、透明導電性フィルムなどの生産工程において、本発明の積層フィルムは、良好な滑り性を確保し、かつ熱変形が抑制されることから好適である。
 本発明の保護フィルムは、プラスチックフィルムにガスバリア層あるいは透明導電層を形成する成膜工程において、予めプラスチックフィルムに積層されていることが好ましい。つまり、本発明の保護フィルムが一方の面に積層されたプラスチックフィルムを金属酸化物の成膜工程に供給し、プラスチックフィルムの保護フィルムが積層されていない面に金属酸化物を成膜する、ガスバリア性フィルムあるいは透明導電性フィルムの製造方法において、本発明の保護フィルムは好適である。
 ここで、金属酸化物としては、酸化珪素、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化錫、インジウム酸化錫(ITO)およびこれらの複合酸化物などが挙げられる。成膜方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法などが挙げられる。
 上記製造方法に用いられるプラスチックフィルムとしては、環状ポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルムが好ましく、特に環状ポリオレフィンフィルムが好ましい。
[保護フィルムの他の適用例]
 本発明の保護フィルムは、プラスチックフィルムを用いて製造された光学フィルム、ガスバリア性フィルム、透明導電性フィルムなどに適用することができる。つまり、プラスチックフィルムに各種機能層を設けて製造された光学フィルム、ガスバリア性フィルム、透明導電性フィルムのプラスチックフィルムあるいは各種機能層に本発明の保護フィルムを新たに貼り合せて、次の加工工程に備えることができる。
 以下、本発明を実施例に基づき、具体的に説明する。ただし、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[評価方法]
(1)滑り性
 積層フィルムを切断して2枚のシート片(20cm×15cm)を作製した。2枚のシート片の保護フィルム側の面と、その反対面とが向き合うように2枚のシート片を僅かにずらして重ね合わせて平滑な台上の置き、下方のシート片を指で台上に固定し、上方のシート片を手で滑らせる方法で以下の基準にて滑り性の良否判定を行った。測定環境は23℃、55%RHである。
A:上方のシート片の滑り性が良好である。
C:上方のシート片が滑らない。
(2)加熱試験1
 積層フィルムを10cm×10cmのシート状にカットして試験サンプルとした。この試験サンプルを120℃のオーブンで30分間熱処理し、常温で30分間放置した後、変形状態を目視で観察し、以下の基準で評価した。
 ここで、変形状態とは、保護フィルムの一部が溶融あるいは熱膨張して平滑性を失ったり、あるいは保護フィルムとプラスチックフィルムとの部分的な剥離や浮き上がりによってシワなどが入り平滑性を失ったりしている状態を言う。
A;変形が全くなく、平滑である。
B;変形が僅かに認められるが許容できるレベルである。
C;変形が大きく実用上不可レベルである。
(3)加熱試験2
 加熱試験1において、加熱温度(オーブンの温度)を150℃に変更する以外は、加熱試験1と同様にして試験、評価した。
(4)プラスチックフィルムのリターデーション(Re550)の測定
  プラスチックフィルムの波長550nmの光に対する面内方向のリターデーション(Re550)について、王子計測器社製複屈折計KOBRA-WRを用いて、平行ニコル回転法により測定した。
(5)ポリエステルフィルムの熱収縮率(%)の測定
 JIS  C  2318(1997)に準じて測定した。ポリエステルフィルムを幅10mm、長さ150mmの短冊状に切り出す。測長部分がおおよそ100mmになるようにフィルムに標線をつけて標線の長さを23℃の条件下にて測定しLとする。その後、所定の温度(150℃)に熱した熱風オーブン内に2gのおもりをつけてポリエステルフィルムを吊し、30分間放置する。ポリエステルフィルムをオーブンから取りだして23℃まで冷却した後、標線の長さを測定しLとする。
 上記で測定したLとLから下記式1にて熱収縮率を求める。ポリエステルフィルムの幅方向(TD方向)が150mmになるように切り出した5枚のサンプル、および長手方向(MD方向)が150mmになるように切り出した5枚のサンプルについて、それぞれ測定し、平均して、幅方向(TD方向)の熱収縮率および長手方向(MD方向)の熱収縮率とした。
 熱収縮率(%)=(L-L)/L×100 ・・・・ 式1
[実施例1]
 下記の材料を用いて、ポリエステルフィルムA/線状ポリオレフィンフィルム/ポリエステルフィルムBからなる3層積層構造のフィルム基材を作製し、このフィルム基材の一方の面に粘着剤層を積層して保護フィルムを作製した。
<ポリエステルフィルムAおよびB>
 厚みが12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製の「ルミラー(登録商標)」S10)
<線状ポリオレフィンフィルム>
 厚みが50μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(東レフィルム加工(株)製の「トレファン(登録商標)」NO 3301)
<層間接着>
 両側表層のそれぞれのポリエステルフィルムA、Bと線状ポリオレフィンフィルムとの層間接着に、下記の接着剤を用いた。層間接着に際し、一方のフィルムに下記接着剤を塗布し乾燥した後、もう一方のフィルムを貼り合せ、40℃で72時間エージングした。接着剤層の固形分厚みは5μmであった。
 <接着剤>
・主剤;DIC(株)製の「ディックドライ(登録商標)」LX-703VLを30質量部
・硬化剤;DIC(株)製の「ディックドライ(登録商標)」KR-90を2質量部
・酢酸エチル;68質量部
<粘着剤層の積層>
 上記で作製したフィルム基材の一方のポリエステルフィルムAの面に、下記の粘着剤を塗布し、乾燥し、常温で1週間エージングして保護フィルムを作製した。粘着剤層の固形分厚みは4μmであった。
 <粘着剤>
・粘着剤;アクリル系粘着剤(綜研化学(株)製の「SK-1499M」)を64質量部
・硬化剤;イソシアネート系硬化剤(綜研化学(株)製の「L-45」)を1.7質量部
・酢酸エチル;34.3質量部
 [実施例2~10]
 実施例1において、フィルム基材を構成するポリエステルフィルムA、Bおよび線状ポリオレフィンフィルムの厚みを表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして保護フィルムを作製した。
 [比較例1]
 厚みが50μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製の「ルミラー(登録商標)」S10)の一方の面に、実施例1と同様にして粘着剤層を積層し、保護フィルムを作製した。
 [比較例2]
 厚みが50μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(東レフィルム加工(株)製の「トレファン(登録商標)」NO 3301)の一方の面に、実施例1と同様にして粘着剤層を積層し、保護フィルムを作製した。
[比較例3]
 フィルム基材を、厚みが50μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製の「ルミラー(登録商標)」S10)と、厚みが50μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(東レフィルム加工(株)製の「トレファン(登録商標)」NO 3301)の2層積層構造に変更した以外は、実施例1と同様にして保護フィルムを作製した。
 [実施例11~20、比較例11~13]
 上記の実施例および比較例で作製した保護フィルムとプラスチックフィルムとを以下の要領で積層して積層フィルムを作製した。
 プラスチックフィルムとして厚みが50μmの環状ポリオレフィンフィルム(日本ゼオン(株)製の「ZeonorFilm」(登録商標)ZF14:リターデーション(Re550)=3nm:片面に保護フィルム付き)を用いた。この環状ポリフィンフィルムの保護フィルムを剥離し、その剥離した面に、実施例1~10および比較例1~3で作製した保護フィルムを該保護フィルムの粘着剤層を介して貼り合せて、積層フィルムを得た。
 [比較例14]
 ブランクとして、厚みが50μmの環状ポリオレフィンフィルム(日本ゼオン(株)製の「ZeonorFilm」(登録商標)ZF14:片面に保護フィルム付き)をそのまま使用した。
[評価]
 上記実施例1~10および比較例1~3で作製した保護フィルムの詳細な構成を表1に示す。また、上記の実施例11~20および比較例11~13で得られた積層フィルムおよび比較例14のブランクのフィルムについて、前述の評価を行った結果を表2に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 
[実施例31]
 保護フィルムのフィルム基材を構成するポリエステルフィルムおよび線状ポリオレフィンフィルムを下記材料に変更する以外は、実施例1と同様にして保護フィルムを作製した。
<ポリエステルフィルムAおよびB>
 厚みが38μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製の「ルミラー(登録商標)」R75X)をアニール処理(180℃で80秒間加熱)したフィルム。このフィルムの熱収縮率は、幅方向(TD方向)が0.05%、長手方向(MD方向)が0.10%であった。
<線状ポリオレフィンフィルム>
 厚みが50μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(東レフィルム加工(株)製の「トレファン(登録商標)」NO 3301)
[実施例32]
 線状ポリオレフィンフィルムを下記材料に変更する以外は、実施例31と同様にして保護フィルムを作製した。
<線状ポリオレフィンフィルム>
 厚みが40μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(東レフィルム加工(株)製の「トレファン(登録商標)」NO 3701J)
[比較例31]
 実施例31において、ポリエステルフィルムAと線状ポリオレフィンフィルムとの2層積層構造とする以外は、実施例31と同様にして保護フィルムを作製した。
[実施例41、42および比較例41]
 上記の実施例および比較例で作製した保護フィルムとプラスチックフィルムとを以下の要領で積層して積層フィルムを作製した。
 プラスチックフィルムとして厚みが50μmの環状ポリオレフィンフィルム(日本ゼオン(株)製の「ZeonorFilm」(登録商標)ZF16:リターデーション(Re550)=3nm:片面に保護フィルム付き)を用いた。この環状ポリフィンフィルムの保護フィルムを剥離し、その剥離した面に、実施例31、32および比較例31で作製した保護フィルムを該保護フィルムの粘着剤層を介して貼り合せて、積層フィルムを得た。
[評価]
 上記実施例31、32および比較例31で作製した保護フィルムの詳細な構成を表3に示す。また、上記の実施例41、42および比較例41で得られた積層フィルムについて、前述の評価を行った結果を表4に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 
 本発明は、保護フィルムによる保護が望まれるあらゆるプラスチックフィルムに適用可能である。

Claims (12)

  1.  プラスチックフィルムを保護するための保護フィルムであって、少なくともフィルム基材を含み、該フィルム基材がポリエステルフィルムA、線状ポリオレフィンフィルム、およびポリエステルフィルムBがこの順に積層された構造を有することを特徴とする保護フィルム。
  2.  前記ポリエステルフィルムAおよび/またはBが二軸延伸ポリエステルフィルムである、請求項1に記載の保護フィルム。
  3.  前記線状ポリオレフィンフィルムが無延伸の線状ポリオレフィンフィルムである、請求項1または2に記載の保護フィルム。
  4.  前記線状ポリオレフィンフィルムが、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、およびポリプロピレンとポリエチレンとの共重合体フィルムからなる群から選ばれる少なくとも一つである、請求項1~3のいずれかに記載の保護フィルム。
  5.  前記ポリエステルフィルムAおよび/またはBが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであり、該ポリエステルフィルムAおよび/またはBの幅方向(TD方向)および長手方向(MD方向)における150℃30分加熱処理後の熱収縮率が、いずれも0.50%以下である、請求項1~4のいずれかに記載の保護フィルム。
  6.  前記フィルム基材の一方の面に粘着剤層または離型層を有する、請求項1~5のいずれかに記載の保護フィルム。
  7.  前記保護対象としてのプラスチックフィルムが、波長550nmの光に対する面内方向のリターデーション(Re550)が500nm以下である、請求項1~6のいずれかに記載の保護フィルム。
  8.  前記保護対象としてのプラスチックフィルムが環状ポリオレフィンフィルムまたはポリカーボネートフィルムである、請求項1~7のいずれかに記載の保護フィルム。
  9.  プラスチックフィルムの少なくとも一方の面に、請求項1~6のいずれかに記載の保護フィルムが積層された、積層フィルム。
  10.  前記プラスチックフィルムの厚み(d1)、および前記厚み(d1)と保護フィルムの厚み(d2)との比率(d2/d1)が下記条件1または条件2を満足する、請求項9に記載の積層フィルム。
    <条件1> d1≦75μmで、かつ、0.5≦(d2/d1)≦7.0
    <条件2> d1>75μmで、かつ、0.1≦(d2/d1)≦2.0
  11.  前記プラスチックフィルムが、波長550nmの光に対する面内方向のリターデーション(Re550)が500nm以下である、請求項9または10に記載の積層フィルム。
  12.  前記プラスチックフィルムが環状ポリオレフィンフィルムまたはポリカーボネートフィルムである、請求項9~11のいずれかに記載の積層フィルム。
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