JP6418937B2 - ポリオレフィン系樹脂積層フィルム - Google Patents

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本発明は、ポリエステル樹脂フィルムにポリオレフィン系フィルムを積層した積層フィルム又はシート(以下、フィルムとシートを総称してフィルムと記す)に関し、特に高分子材料製キャストフィルムを製造する際のキャリアフィルムあるいは電子部品の包装や組み立て工程で使用されるキャリアフィルムとして有用なポリオレフィン系樹脂積層フィルムに関する。
従来から、キャストフィルムを製造する際に用いるキャリアフィルム、あるいは電子機器等にマウントする電子部品を保持、移送するキャリアフィルムとしては、厚さや縦・横の寸法精度の高い高分子材料製フィルムが求められている。このようなフィルムとしては、例えばポリウレタン、フッ素系樹脂等を素材とするのもが知られている。更に、強度や寸法安定性を高めたものとして、延伸ポリエステルフィルムにフッ素系樹脂をラミネートした積層フィルムが知られている。
このようなキャリアフィルムの製造方法として、延伸ポリエステルフィルムの少なくとも片面にフッ素系樹脂を押出ラミネートする製造方法が開示されている(特許文献1 )。また、延伸ポリエステルフィルムに同じくフッ素樹脂を積層した、厚さ精度の優れたキャリアフィルムが開示されている(特許文献2 )。しかしながら、延伸ポリエステルフィルムとフッ素系樹脂はいずれも耐熱性は高いが、フッ素系樹脂は剥離性が大きいため、これら2者を単に積層しただけでは剥離が起こりやすい。そこで、このような欠点を克服するため、通常、これらの2層間にポリエステル系の接着剤を塗布し乾燥させた接着剤層を介在させる。
しかしながら、このような接着剤層は、乾燥工程が必要で製造コストが高くなるだけでなく、接着剤に起因する残留溶剤が積層フィルムの特性を低下させる。例えば、耐熱性を低下させたり、積層を剥離させたり、更にはキャリアフィルムとして使用の際に溶剤が揮発したり、積層フィルムの表面に移行したりして最終製品に悪影響を与えるといった不都合を起こす。
また、フッ素系樹脂からなる表面層を有するキャリアフィルムをキャストフィルムの製造に用いた場合、キャストで得られたキャストフィルム製品の剥離性はよいが、表面に凹凸模様がつけにくいという欠点がある。即ち、キャリアフィルムの表面に凹凸模様をつけ、その凹凸模様をキャストフィルムに転写させたキャストフィルムを得る場合、クリアな凹凸模様や艶消し模様が得られにくいという問題がある。
また、太陽光発電に使用される太陽電池の単結晶シリコン、多結晶シリコン、非結晶シリコン等の半導体のセルを水分から保護する裏面保護材用フィルムとして、2軸延伸ポリエステルフィルムの表面にポリプロピレン共重合体にポリエーテルが結合したグラフト共重合体、ポリカーボネート骨格又はポリエーテル骨格を有するポリウレタン及び架橋剤を含む塗布層を設けることでポリプロピレン樹脂に対する接着性を高めることが開示されている(特許文献3)。更に、ポリエステルフィルムにポリオレフィンポリオールを構成成分とするポリウレタン、ポリオレフィン及び架橋剤を含む塗布剤を塗布してポリプロピレンへの接着性を高めることが開示されている(特許文献4)。しかしながら、これらの技術はいずれも塗布剤を使用する点で、先に述べた残留溶剤に関する問題がある。
特開2004−243524号公報 特開2002−67241号公報 特開2013−188978号公報 特開2013−202984号公報
上記のように、接着剤を用いて積層する積層フィルムは、接着剤を使用することによる耐熱性の低下によって、キャストフィルム製造のためにキャリアフィルムとして使用した場合や、電子部品製造用のキャリアフィルムとして使用した場合に、残存溶剤が揮発したりブリードすることにより、また、使用工程での加熱によって積層が剥離したり、端部から接着剤が染み出したりして製品の品質を低下させる場合がある。
本発明はかかる実情に鑑み、溶剤や低分子の接着成分を用いず接着層の接着強度と耐熱性を高く維持することを課題とし、更に、キャストフィルム等製品との粘着が抑止され分離・剥離が極めて優れた積層フィルムであって、表面に凹凸や艶消し模様をつける場合に型崩れせず鮮明な凹凸や艶消し模様をキャストフィルム等の製品表面へ転写可能な積層フィルムを提供することを目的とする。
(1)本発明は、上記目的を達成するためになされたもので、その特徴は、ポリエステルからなる基材層、超低密度ポリエチレンからなる第1中間層、ポリプロピレンからなる第2中間層、非晶性ポリプロピレンからなる第3中間層、及びポリメチルペンテンからなる表面層の少なくとも5層を含むことを特徴とするポリオレフィン系樹脂積層フィルムである。
(2)本発明の他の特徴は、ポリエステルが2軸延伸ポリエステルであり、超低密度ポリエチレンが線状超低密度ポリエチレンであることを特徴とする上記(1)に記載のポリオレフィン系樹脂積層フィルムである。
(3)本発明の他の特徴は、第2中間層におけるポリプロピレンが無延伸のポリプロピレンであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のポリオレフィン系積層フィルムである。
(4)本発明の他の特徴は、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のポリオレフィン系積層フィルムを含むことを特徴とするキャリアフィルムである
本発明のポリオレフィン系樹脂積層フィルムによれば、接着層の耐熱性が高いため、製造工程での加熱により各層が剥離する等のトラブルが発生せず、また、接着剤を使用しないので、残留溶剤が使用工程において揮発やブリードしたり、また端部から接着剤が染み出すなどのトラブルを防止でき、キャストフィルムを製造する際のキャリアフィルムや、電子部品の包装や組み立て工程で使用されるキャリアフィルムとして好適である。
また、積層フィルムの剛性が高いため凹凸や艶消し模様が型崩れせず正確な賦形、転写が可能で、また、表面の粘着性が低くキャストによる得られる製品フィルムのキャリアフィルムからの剥離抵抗が少なく、キャリアフィルムから製品フィルムの剥離を容易に行うことができる。
本発明のポリオレフィン系樹脂積層フィルムは、ポリエステルからなる基材層、超低密度ポリエチレンからなる第1 中間層、ポリプロピレンからなる第2 中間層、非晶性ポリプロピレンからなる第3 中間層、及びポリメチルペンテンからなる表面層の少なくとも5 層を含む。
なお、本発明においてフィルムとは、JIS Z 0108で規定される、厚さが0.25mm未満のプラスチックの膜状のものに限らず、いわゆるシートとよばれるJIS Z 0108で規定される、厚さが0.25mm以上の薄い板状のものも含まれる。
本発明における基材層を構成するポリエステルとは、テレフタル酸、イソフタル酸、2 ,6 −ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸のようなジカルボン酸またはそのエステルと、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールのようなグリコールとを溶融重合させて製造される。これらの酸成分とグリコール成分とから得られるポリエステルは、通常行われている方法を任意に使用して製造することができる。
例えば、芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとの間でエステル交換反応をさせるか、あるいは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接エステル化させるかして、実質的に芳香族ジカルボン酸のビスグリコールエステルまたはその低重合体を形成させ、次いで、これを減圧下、加熱して重縮合させる方法が採用される。その目的に応じ、脂肪族ジカルボン酸を共重合させても構わない。
本発明で好適に使用されるポリエステルとしては、代表的にはポリエチレンテレフタレートやポリエチレン‐2,6−ナフタレート、ポリ1 ,4 −シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等が挙げられる。
基材層としてのポリエステルフィルムの成形方法は特に限定されず、通常知られている方法が採用できるが、キャスト成形法あるいは押出成形法が好ましい。押出成形法により作製したフィルムはそのまま、あるいは延伸してから用いてもよいが、強度、耐熱性、透明性、厚み精度等に優れている点で、2 軸延伸フィルムが好ましい。
市販の2 軸延伸ポリエステルフィルムとしては、東洋紡株式会社のエステルフィルムE5007 、E5107 、E5000 、E5101 、三菱樹脂株式会社のダイアホイル、帝人デュポン株式会社のテトロンフィルム、ユニチカ株式会社のエンブレット、フタムラ化学株式会社の2 軸延伸ポリエステルフィルム等が例示できる。
基材層を構成するポリエステルフィルムは、易滑性を向上させてフィルムの走行性を改善したり、耐擦傷性を付与したりする目的でフィラーを含有させることも可能である。使用されるフィラーとしては、例えばシリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、カオリン、タルク、酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、ゼオライト等の無機粒子、各種合成架橋高分子樹脂や蓚酸カルシウム等の有機粒子等が使用できる。
フィラーの粒径は特に限定されず、目的に応じて適宜選択すればよいが、通常は平均粒径0.01〜5μmの範囲が好適である。平均粒径が5μmを超えるとフィルムの表面粗度が粗くなり、これらの粒子がフィルムの表面から脱落しやすくなる。また、平均粒径が0.01μm未満では表面粗度が低すぎて満足な易滑性や耐擦傷性得られないことがある。
フィラーの含有量も特に限定されず、目的に応じて適量を配合すればよいが、通常はポリエステル100重量部に対して0.0003〜1重量部が好適であり、より好ましくは0.0005〜0.1重量部である。
基材層を構成するポリエステルフィルムには、適宜各種安定剤、潤滑剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等を配合することができる。
基材層としてのポリエステル層の厚さは、通常5〜200μmが好ましく、10〜100μmがより好ましい。ポリエステル層の厚さが5μmより薄くなると取扱い性が低下し、一方、200μmより厚くなると厚さ精度が低下する傾向がある。
本発明における中間層は、基材層と表面層との接着層として機能するもので、第1中間層である超低密度ポリエチレン層、第2中間層であるポリプロピレン層、及び第3中間層である非晶性ポリプロピレン層からなる。
第1中間層としての超低密度ポリエチレンは、密度が0.870〜0.910g /cm3 のポリエチレン又はエチレン系の共重合体で、コモノマーとしてはヘキセン−1やオクテン−1が用いられ、線状超低密度ポリエチレンが好ましい。超低密度ポリエチレンは、日本ポリエチレン株式会社のカーネル、住友化学株式会社のエクセレンVL、東ソー株式会社のルミタック(LUMITAC)、ダウケミカル株式会社のアフィニティーやナックフレックス等として市販されている。
第1中間層としての超低密度ポリエチレン層の成形方法は特に限定されず、押出ラミネート法やフィルムラミネート法によっても可能である。フィルムラミネート法で行う場合、用いるフィルムは押出成形法で作成したフィルムをそのまま、あるいは延伸して用いることもできる。
第1中間層としての超低密度ポリエチレン層の厚さは、通常5〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。超低密度ポリエチレン層の厚さが5μmより薄くなると取扱い性が低下し、一方、100μmより厚くなると層の厚さ精度が低下する傾向がある。
本発明において、ポリエステルからなる基材層と超低密度ポリエチレンからなる第1中間層との組み合わせは、接着剤を用いなくても、加熱圧着による接着強度が高いため好ましい。
本発明の第2中間層としてのポリプロピレンは特に限定されず、プロピレンのホモポリマーだけでなく、ポリプロピレンとエチレン、ブテン−1あるいはペンテン−1等のα−オレフィンとの共重合体も使用できる。耐熱性に優れる点からはポリプロピレンのホモポリマーが好ましい。
第2中間層としてのポリプロピレン層の成形方法は特に限定されず、押出ラミネート法やフィルムラミネート法によっても可能である。フィルムラミネート法で行う場合、用いるフィルムは押出成形法で作成したフィルムをそのまま、あるいは延伸して用いることもできる。
第2中間層としてのポリプロピレン層の厚さは通常5〜200μmが好ましく、10〜100μmがより好ましい。ポリプロピレン層が5μmより薄くなると取扱い性が低下し、一方、200μmより厚くなると厚さ精度が低下する傾向がある。
第3中間層としての非晶性ポリプロピレンは、完全非晶性ポリプロピレンと結晶性ポリプロピレンの混合体からなる非晶質なポリプロピレンで、完全非晶性ポリプロピレンが好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上含まれている混合体であり、ポリプロピレンへの相溶性に優れ、ポリプロピレンの軟質化が可能なエラストマーである。非晶性ポリプロピレンは、住友化学株式会社製のタフセレンT 3712、同T 3722、同T 3522あるいは三井化学株式会社製ノティオSN等として市販されている。
第3中間層である非晶性ポリプロピレンは、第2中間層であるポリプロピレン層の上に押出ラミネートによって形成することができる。非晶性ポリプロピレンはポリプロピレンとの相溶性が良く、接着剤を用いなくても押出ラミネートによって強い接着強度を得ることができる。
第3中間層としての非晶性ポリプロピレン層の厚さは通常5〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。5μmより薄いと十分な接着強度が得られ難く、一方、100μmより厚いと、かえって接着強度が低下する傾向がある。
本発明における表面層としてのポリメチルペンテンは、プロピレンをアルカリ金属触媒によって二量体化し、得られた4−メチルペンテン−1をチーグラー・ナッタ触媒によって重合して得られる。ポリメチルペンテンは、三井化学株式会社からTPX として販売されている。
第3中間層である非晶性ポリプロピレン層へのポリメチルペンテンの積層は、接着剤を使用してもよいが、使用しなくてもポリメチルペンテンの押出ラミネートによって高い界面剥離強度が可能となる。
また、表面層としてのポリメチルペンテン層は、ポリメチルペンテンのフィルムをラミネートすることによっても得ることができる。ラミネートは接着剤を用いてもよいが、用いなくても前記の第3中間層である非晶性ポリプロピレンを押出する際にポリメチルペンテンのフィルムを加熱圧着することによって十分な接着強度を得ることができる。ポリメチルペンテンのフィルムは、三井化学東セロ株式会社からオピュランX−44B、同X−88B、同X−88BMT4として市販されている。
表面層としてのポリメチルペンテン層の厚さは、通常5〜100μmが好ましく、より好ましくは10〜75μmである。5μm未満では取扱い性が低下し、表面への凹凸や艶消し模様の賦形が難しい傾向にある。100μmを超えると厚さ精度が低下し、積層フィルムの剛性が高くなり取扱い性が悪くなる傾向がある。ポリメチルペンテンからなる表面層は、非晶性ポリプロピレンを例外として、他の多くの樹脂に対して剥離性が良く、また表面への凹凸や艶消し模様の賦形性が良くクリアな模様を形成することができる。更に、表面の剥離性によってキャストフィルムの作製に当たってクリアな模様の転写が可能である。
本発明のポリオレフィン系樹脂積層フィルムは、上記基材層、第1中間層、第2中間層、第3中間層の3層及び表面層の5層を含むほか、更に必要に応じ、剥離層あるいは保護層を設けることもできる。これら各層の積層方法は特に限定されず、加熱プレス、押出ラミネート、タンデム押出、2層あるいは多層共押出などの公知の方法で、あるいは、これらを2以上組み合わせて行うことができる。なかでも共押出は最も効率の良い方法である。共押出の場合を除いて、いずれの場合も積層する前に各層又は各層として利用するフィルムの表面に化学処理、コロナ処理、プラズマ処理又はこれらを組み合わせて行ってもよい。
本発明のポリオレフィン系樹脂積層フィルムの厚さは用途によって異なるが、通常25〜500μmが好ましく、50〜250μmがより好ましい。25μm未満では強度が不足する場合があり、500μmを超えると剛性が高くなり使用が限られる傾向がある。
以下、本発明を実施例、比較例によって詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、層間剥離強度の測定は以下の方法で行った。
層間剥離強度の測定方法:
積層時の流れ方向(機械方向)、又は横方向(幅方向)に長い200mm×25mmの短冊形サンプルを切り出し、温度20℃、相対湿度65%の恒温室に24時間保管した後、引張試験機(島津製作所製オートグラフ)で剥離速度100mm/分、角度180度で剥離することにより測定した。
実施例1
基材層として、幅約40cm、厚さ38μmの2 軸延伸ポリエステルフィルム(フタムラ化学株式会社製)を用い、この基材層にコロナ処理を施してから、第1中間層として線状超低密度ポリエチレン(LLDPE )(東ソー株式会社製LUMITAC08L51A 、密度0.898)をL /D 22、50mmφ、ダイス幅400mm の押出機を用いて樹脂温度280℃で前記2軸延伸ポリエステルフィルムの表面に押出ラミネートすることにより、線状超低密度ポリエチレンフィルムからなる第1中間層を形成した。ラインスピードは30m /分、プレスロールのプレス圧力は0.5MPa で、ラミネート厚さは20μmであった。
得られた2層積層フィルムについて、上記の方法で2軸延伸ポリエステルフィルム基材層と線状超低密度ポリエチレンフィルム第1中間層との層間剥離強度を測定したところ、機械方向(流れ方向)で450g /25mm、幅方向で470g /25mmであり、キャリアフィルムとして使用できる十分な接着強度を有することが確認された。
上記2層積層フィルムの線状超低密度ポリエチレンフィルム第1中間層の表面に、上記と同様の方法でポリプロピレンフィルム第2中間層を形成した。即ち、ポリプロピレン(三井化学株式会社製プライムポリプロPH800C)を上記押出機を用いて樹脂温度280℃で前記線状超低密度ポリエチレンフィルム第1中間層の表面に押出ラミネートし、基材層、第1中間層、及び第2中間層の3層積層フィルムを得た。ラインスピードは100m /分、プレスロールのプレス圧力は0.3MPa で、ラミネート厚さは17μmであった。得られた3層積層フィルムの厚さは75μmであった。得られた線状超低密度ポリエチレンフィルム第1中間層とポリプロピレンフィルム第2中間層との層間剥離強度は、機械方向(流れ方向)、幅方向ともに1000g/25mm以上であった。
得られた3層積層フィルムのポリプロピレンフィルム第2中間層の上に、第3中間層として非晶性ポリプロピレン(住友化学製タフセレンH5002(商品名))を10μmの厚さで積層したのち、特殊プロピレンフィルム第3中間層の上に表面層として、ポリメチルペンテン(三井化学株式会社製TPX商品名)を厚さ15μmの厚さで押出ラミネートして積層し、基材層、第1中間層、第2中間層、第3中間層及び表面層の5層からなるポリオレフィン系積層フィルムを得た。得られた積層フィルム全体の厚さは100μmであった。第3中間層の非晶性ポリプロピレン層を介した第2中間層のポリプロピレンフィルム層と表面層のポリメチルペンテンフィルム層との剥離強度は、機械方向、幅方向ともに1000g/25mm以上で、キャリアフィルムとして十分に使用に耐える接着強度であった。
比較例1
上記実施例1と同様にして、基材層である2軸延伸ポリエステルフィルム層の上に第1中間層である線状超低密度ポリエチレンフィルムを積層した積層フィルムの第1中間層の上に、表面層であるポリメチルペンテンを押出ラミネートし3層積層フィルムを得た。得られた3層積層フィルムの線状超低密度ポリエチレンフィルム第1中間層とポリメチルペンテンフィルム表面層との層間剥離強度は、機械方向(流れ方向)、幅方向ともに40g/25mm未満で、キャリアフィルムとして不十分な接着強度であった。
比較例2
上記実施例1と同様にして、基材層である2軸延伸ポリエステルフィルム層の上に第1中間層である線状超低密度ポリエチレンフィルム層を積層した積層フィルムの第1中間層の上に、第3中間層である非晶性ポリプロピレンを介して表面層であるポリメチルペンテン層をラミネートし、4層積層フィルムを得た。得られた4層フィルムの線状低密度ポリエチレン第1中間層とポリメチルペンテンフィルム表面層との層間剥離強度は、機械方向、幅方向ともに40g/25mm未満で、キャリアフィルムとして不十分な接着強度であった。
比較例3
上記実施例1と同様にして、基材層である2軸延伸ポリエステルフィルム層の上に第1中間層である線状超低密度ポリエチレンフィルム層、第2中間層であるポリプロピレンフィルム層を順次積層した積層フィルムの第2中間層の上に、第3中間層である非晶性ポリプロピレンを介することなく、表面層であるポリメチルペンテン層をラミネートし、4層積層フィルムを得た。得られた4層フィルムのポリプロピレンフィルム第中間層とポリメチルペンテンフィルム表面層との層間剥離強度は、機械方向、幅方向ともに40g/25mm未満で、キャリアフィルムとして不十分な接着強度であった。
叙上のとおり、本発明に係るポリオレフィン系樹脂積層フィルム及び該フィルムを含むキャリアフィルムは、耐熱性が高いので製造工程での加熱によって各層が剥離するといったトラブルが発生しない。また、接着剤を使用しないので、残留する溶剤が使用工程において揮発したり、ブリードしたりすることがなく、また端部から接着剤が染み出す等のトラブルが発生しないので、キャストフィルム製造の際に使用されるキャリアフィルム、電子部品の包装、組み立て工程で使用されるキャリアフィルム等として有用である。

Claims (4)

  1. ポリエステルからなる基材層、超低密度ポリエチレンからなる第1中間層、ポリプロピレンからなる第2中間層、非晶性ポリプロピレンからなる第3中間層、及びポリメチルペンテンからなる表面層の少なくとも5層を含むことを特徴とするポリオレフィン系樹脂積層フィルム。
  2. ポリエステルが2軸延伸ポリエステルであり、超低密度ポリエチレンが線状超低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂積層フィルムト。
  3. 第2中間層におけるポリプロピレンが無延伸のポリプロピレンであることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリオレフィン系積層フィルム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリオレフィン系積層フィルムを含むことを特徴とするキャリアフィルム。
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