JPWO2007072799A1 - 光学用粘着剤組成物及び光学機能性フィルム - Google Patents

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Abstract

本発明によれば、液晶表示装置を構成する液晶セルにおいて、ガラス基板と光学機能性フィルムとを密着するための粘着剤層を形成する光学用粘着剤組成物が提供される。上記粘着剤層は、適度な粘着力を有し、光学機能性フィルムに対する密着性がよく、かつ従来の粘着剤では改善することが難しかった光学機能性フィルムの伸縮に起因する応力を吸収できるので、液晶表示装置の色むら・白ヌケ現象の発生を抑制することができる。さらに本発明は、光学機能性フィルムの表面に上記光学用粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有することを特徴とする本発明の光学機能性フィルムを提供する。

Description

本発明は、液晶表示装置の液晶セルなどの光学部品に、偏光板や位相差板などの光学機能性フィルムを貼着するために用いる光学用粘着剤組成物及び該組成物から形成された粘着剤層を有する光学機能性フィルムに関する。
液晶表示装置を構成する液晶セルは、所定の方向に配向した液晶成分を2枚のガラス基板で挟み、これらのガラス基板の外側に光学用粘着剤組成物から形成された粘着剤層を介して偏光板又は偏光板と位相差板との積層体などの光学機能性フィルムを貼着してなるものである。近年、車両搭載用、屋外計器用及びパソコンなどのディスプレイ又はテレビなどの表示装置の軽量化及び薄型化により、液晶表示装置が広く使用されるようになり、その需要はますます増加傾向にある。それに伴い液晶表示装置の使用環境も、屋内外を問わず非常に過酷になってきている。
液晶表示装置に使用される偏光板は、ポリビニルアルコール系偏光子の両面をトリアセチルセルロース系保護フィルムで挟んだ3層構造を有しているが、それらの材料の特性から寸法安定性に乏しい。また、偏光板などの光学機能性フィルムは延伸によって成形されているため、経時による伸縮が起こりやすい。このため、液晶表示装置においては、光学機能性フィルムの伸縮により生じる内部応力を、粘着剤層が吸収・緩和することができないと、光学機能性フィルムに作用する残留応力の分布が不均一となり、特にその周縁部に応力が集中する。その結果、液晶表示装置の周縁部が中央より明るくなったり、又は暗くなったりして、液晶表示装置に色むら・白ヌケ現象が発生する原因になる。
また、液晶表示装置に色むら・白ヌケ現象が発生する他の要因として、ガラス基板、光学機能性フィルム及び粘着剤層の屈折率の差が考えられる。
上記の問題点を解決するために多くの手段が検討されてきた。例えば、特許文献1では、概略すると「重量平均分子量が100万以上である高分子量(メタ)アクリル系共重合体100質量%と、重量平均分子量が3万以下である低分子量(メタ)アクリル系共重合体20〜200質量%と、多官能性化合物0.005〜5質量%からなる偏光板用粘着剤組成物」なる発明が開示されている。該発明は、偏光板の寸法変化に追随できる粘着剤層を形成し、液晶素子に色むら・白ヌケ現象が発生しにくいと記載している。しかしながら、本発明者らが検討したところ、該発明が開示する多官能性化合物の添加量は広範囲であり、色むら・白ヌケ現象を発生しにくくするためには、多官能性化合物の添加量の調整が非常に困難なため、安定な粘着剤層を有する光学機能性フィルムを製造することは難しい。
また、特許文献2では、粘着剤層が有する配向複屈折性を打ち消す傾向の配向複屈折性を示す低分子物質が添加された非複屈折性の光学樹脂材料及び該樹脂材料を用いてなることを特徴とする接着剤が開示されている。しかしながら、この特許文献2には、該接着剤を光学機能性フィルムに用いることで、液晶表示装置の色むら・白ヌケ現象などを防ぎ、その光学特性を改善することについては記載していない。
特許第3533589号公報 特許第3696649号公報
本発明の目的は、液晶表示装置を構成する液晶セルに使用する粘着剤であって、光学機能性フィルムの伸縮に起因する内部応力を吸収し、液晶表示装置の色むら・白ヌケ現象の発生を防止できる粘着剤層を形成するための光学用粘着剤組成物を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、分子中に少なくとも2個のベンゼン環を有し分子量が150〜1,000である化合物(以下「棒状化合物」という場合がある)を含有する光学用粘着剤組成物から形成される粘着剤層を、液晶表示装置の液晶セルを構成するガラス基板と光学機能性フィルムとの間の粘着剤層に用いる場合に、該粘着剤層が、光学機能性フィルムの伸縮に追従でき、かつ該粘着剤層自体の屈折率が高くなることにより、液晶表示装置において特有の色むら・白ヌケ現象が発生しないことを見出し本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、分子中に少なくとも2個のベンゼン環を有し分子量が150〜1,000である化合物、粘着性樹脂及び架橋剤を少なくとも含有する光学用粘着剤組成物であって、上記化合物の含有量が、上記粘着性樹脂100質量部あたり0.1〜15質量部であり、上記組成物から形成される粘着剤層の90℃での粘性係数が0.5×107〜10×107Pa・sであることを特徴とする上記光学用粘着剤組成物を提供する。
上記光学用粘着剤組成物においては、前記棒状化合物がトランススチルベン、フルオレン、ジフェニルスルフィド、安息香酸ベンジル、ベンゾイン及びジフェニルアセチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種であること;前記粘着性樹脂が、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエステル単量体単位(a)とカルボキシル基及び/又は水酸基を含有する共重合可能な単量体単位(b)とを少なくとも含み、かつ重量平均分子量が100万〜200万の共重合体(A)であること;前記架橋剤の含有量が、前記粘着性樹脂100質量部あたり0.01〜1質量部であること;前記共重合体(A)が、さらに該共重合体全量の20〜60質量%を占める芳香族基を含有する共重合可能な単量体単位(c)を含有することが好ましい。
また、上記光学用粘着剤組成物においては、分子内にメルカプトアルキル基とアルコキシ基とを含有するシラン化合物(C)を、前記粘着性樹脂100質量部あたり0.01〜2質量部をさらに含有すること;さらに、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエステルからなる低分子量(共)重合体(D)を、前記共重合体(A)100質量部あたり1〜50質量部の割合で含み、該(共)重合体(D)は、その重量平均分子量が1,000〜50,000、分散度(MW/MN)が1.0〜2.5であり、かつ前記共重合体(A)と相溶性であることが好ましい。
また、本発明は、その表面に上記本発明の光学用粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有することを特徴とする光学機能性フィルムを提供する。
本発明の光学用粘着剤組成物から形成される粘着剤層は、適度な粘着力を有し、光学機能性フィルムに対する密着性が良く、該粘着剤層を液晶表示装置を構成する液晶セルに使用した場合に、光学機能性フィルムの伸縮に起因する応力を吸収し、液晶表示装置における色むら・白ヌケ現象の発生を防ぐことができる。
次に発明を実施するための最良の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明の光学用粘着剤組成物は前記棒状化合物を含有することを特徴とする。該棒状化合物を含有することにより、本発明の光学用粘着剤組成物から形成される粘着剤層を、液晶表示装置を構成する液晶セルの粘着剤層に使用した場合に、ガラス基板、光学機能性フィルム及び上記粘着剤層の屈折率の差が限りなく小さくなるため、光学機能性フィルムに寸法の変化が生じても、当該液晶表示装置での色むら・白ヌケ現象の発生を防ぐことができる。
本発明に使用する棒状化合物は、その分子量が150〜1,000であり、好ましくは150〜500である。また、上記棒状化合物が有する「ベンゼン環」には、縮合環を形成しているベンゼン環を含むものとする。すなわち、ナフタレンは2個のベンゼン環を、アントラセンは3個のベンゼン環を有するものとする。分子量が150より小さい棒状化合物は、本発明の光学用粘着剤組成物に使用して、該組成物から形成される粘着剤層を液晶セルに用いた場合に、光学機能性フィルムに寸法の変化が起こっても、当該粘着剤層の屈折率が高くならないので好ましくない。一方、分子量が1,000を超える棒状化合物は、粘着性樹脂と相溶性がほぼ同一であるが、本発明の光学用粘着剤組成物に使用した場合に凝集構造をとり易く、該組成物から形成される粘着剤層の屈折率の均一性が低下し、液晶表示装置において色むら・白ヌケ現象の要因となるので好ましくない。
本発明の光学用粘着剤組成物は、上記粘着性樹脂100質量部あたり上記棒状化合物を0.1〜15質量部含有する。棒状化合物の含有量が0.1質量部より少ない場合には、本発明の光学用粘着剤組成物から形成される粘着剤層の屈折率が低く、液晶表示装置に使用した場合に、色むら・白ヌケ現象が発生する原因となる。一方、上記棒状化合物が15質量部より多い場合には、棒状化合物が光学用粘着剤組成物中に溶解しきれずに析出してしまい、ブリード現象を起こす原因となるので好ましくない。
さらに本発明の光学用粘着剤組成物は、該組成物から形成される粘着剤層の90℃での粘性係数が0.5×107〜10×107Pa・sであるものであり、好ましくは1×107〜5×107Pa・sである。この粘性係数の範囲内であれば、本発明の光学用粘着剤組成物から形成される粘着剤層は、液晶セルに用いた場合に発泡や剥れ現象が発生しにくく、該液晶セルから構成される液晶表示装置には色むらや白ヌケが発生しにくい。
なお、粘着剤層の粘性係数は、JIS Z−0237の保持力測定法に準じる方法により求めることができる。この測定方法においては、粘着剤層を有する光学機能性フィルムをガラス板に貼り付け、試験試料を作製し、該試験試料に荷重をかけ、90℃の雰囲気中で一定時間保った後のズレ量を測定し、このズレ量より、以下の[式1]に従い粘着剤層の粘性係数(Pa・s)を算出することができる。
[式1]
粘性係数(Pa・s)=ズレ応力/ズレ速度
なお、
ズレ応力(N/m2)=荷重(N)/接着面積(m2
であり、
ズレ速度(1/s)=ズレ量(m)/試験時間(秒)/粘着剤層の厚さ(m)
である。
本発明の光学用粘着剤組成物に使用する前記棒状化合物としては、粘着性樹脂との相溶性のよいものが好ましく、具体例としては、ビフェニル、ジフェニルスルフォン、4−フェニルフェノール、ベンゾイン、ジフェニルスルフィド、ジフェニルエーテル、4−ヒドロキシビフェニル−4’−カルボン酸、4,4’−ビフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4−α−クミルフェノール、ジフェニルアセチレン、アゾベンゼン、ジベンゾフラン、ジフェニルメタン、安息香酸ベンジル、フタル酸ジフェニル、N−(4−メトキシベンジリデン)−4−アセトキシアニリン、4−[(メトキシベンジリデン)アミノ]アゾベンゼン、4,4’−スルフォニルジフェノール、4−フェノキシフェノール、4’−メトキシベンジリデンアミノスチルベン、ビスフェノールA、ベンジリデンフェニルアミン、N,N’−ジベンジリデンヒドラジン、トランススチルベン、p−ジアニザルベンジディン、テレフタルビス−(p−フェネチジン)、カルバゾール、1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、1,4−ジフェニル−1,3,5−ヘキサジエン、フルオレン及びジベンゾチオフェンからなる群から選ばれる少なくとも1種を使用することができるが、これらに限定されない。これらの化合物の中でも、トランススチルベン、フルオレン、ジフェニルスルフィド、安息香酸ベンジル、ベンゾイン及びジフェニルアセチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましい。
棒状化合物を構造式で表すと、例えば、以下の通りである。
Figure 2007072799
Figure 2007072799
本発明の光学用粘着剤組成物に用いる粘着性樹脂は、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエステル単量体単位(a)とカルボキシル基及び/又は水酸基を含有する共重合可能な単量体単位(b)とを少なくとも含み、かつ重量平均分子量(MW)が100万〜200万の共重合体(A)であることが好ましい。
なお、本発明における重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算分子量である。具体的には、(共)重合体を常温で乾燥させて得られた塗膜をテトラヒドロフランに溶解し、高速液体クロマトグラフ((株)島津製作所製、LC−10ADvp、カラム;KF−G+KF−806×2本)で保持時間を測定し、ポリスチレン換算で重量平均分子量(MW)を求めた。
また、本発明において「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の双方を意味する。
上記共重合体(A)を構成する上記単量体単位(a)の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートを挙げることができ、これらのうちの少なくとも1種を使用することができる。
上記単量体単位(a)の上記共重合体(A)中に占める割合は、共重合体(A)が単量体単位(a)と単量体単位(b)のみからなる場合において、共重合体(A)を100質量%としたときに、その90〜99.8質量%である。好ましくは93〜99.5質量%である。単量体単位(a)の割合が90質量%未満では、本発明の光学用粘着剤組成物から形成される粘着剤層の光学機能性フィルムへの密着性が低下する。一方、単量体単位(a)の割合が99.8質量%を超えると、下記単量体単位(b)の割合が相対的に低くなりすぎて、共重合体(A)の架橋剤による架橋度合が少なくなり、本発明の光学用粘着剤組成物の粘性が低くなるために好ましくない。
上記単量体単位(b)のうち、カルボキシル基を含有する共重合可能な単量体単位(b1)の例として、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、無水フマル酸、カルボキシエチルアクリレートを挙げることができる。好ましくは(メタ)アクリル酸又はカルボキシエチルアクリレートである。一方、水酸基を含有する共重合可能な単量体単位(b2)としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート及びポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートを挙げることができる。前記共重合体(A)の単量体単位として、単量体単位(b1)と単量体単位(b2)とは、それぞれ単独で使用しても、併用してもよい。
前記共重合体(A)の重量平均分子量は、100万〜200万であることが好ましい。重量平均分子量が100万より小さい共重合体(A)を本発明の光学用粘着剤組成物に使用すると、該組成物から形成される粘着剤層の凝集力が不足して、該粘着剤層に発泡が生じたり、光学機能性フィルムの剥れが生じやすくなる。一方、重量平均分子量が200万を超える共重合体(A)を本発明の光学用粘着剤組成物に使用すると、該組成物の粘度が高くなりすぎ、作業性が低下する。また、該組成物から形成される粘着剤層が光学機能性フィルムの伸縮に起因する応力を十分に吸収・緩和することができなくなる。
前記共重合体(A)中に占める上記単量体単位(b)の割合は、共重合体(A)が単量体単位(a)と単量体単位(b)のみからなる場合において、該共重合体(A)を100質量%としたときに、その0.2〜10質量%であることが好ましい。より好ましくは0.5〜7質量%である。単量体単位(b)の割合が0.2質量%未満では、共重合体(A)の架橋剤による架橋度合が少なくなり、粘着剤層を形成したときに、その粘性が低くなるため好ましくない。一方、単量体単位(b)の割合が10質量%を超えると、架橋剤による共重合体(A)の架橋密度が高くなりすぎて、形成した粘着剤層が光学機能性フィルムの伸縮に起因する応力を吸収・緩和する能力が低下するので好ましくない。
前記共重合体(A)は、塊状重合や溶液重合などで製造することができる。好ましくは溶液重合である。当該溶液重合に使用する溶剤としては、酢酸エチル、トルエン、n−ヘキサン、アセトン、メチルエチルケトンなどの通常溶液重合反応に使用される有機溶剤を用いることができる。また、重合に使用する重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキシド、ラウリルパーオキシドなどの過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリルなどのアゾビス化合物又は高分子アゾ重合開始剤を単独使用又は併用することができる。
本発明の光学用粘着剤組成物に用いる架橋剤は、粘着性樹脂の凝集力を高めるために必要であり、前記単量体単位(b)のカルボキシル基及び/又は水酸基と反応する化合物であることが好ましい。その使用量は、前記粘着性樹脂100質量部あたり0.01〜1質量部であればよく、好ましくは、0.05〜0.5質量部である。その使用量が0.01質量部より少ない場合は、当該架橋剤を含む光学用粘着剤組成物から形成される粘着剤層の凝集力が低く、該粘着剤層の発泡や剥れの原因になるので好ましくない。一方、その使用量が1質量部を超える場合には、粘着剤層が光学機能性フィルムの伸縮に起因する応力を十分に吸収・緩和することが難しくなる。
本発明の光学用粘着剤組成物に使用できる架橋剤としては、1分子中にグリシジル基を少なくとも2個有するグリシジル化合物、1分子中にイソシアネート基を2個以上有するイソシアネート化合物、1分子中にアジリジニル基を少なくとも2個有するアジリジン化合物、1分子中にオキサゾリン基を有するオキサゾリン化合物、金属キレート化合物及びブチル化メラミン化合物などを挙げることができる。好ましくは1分子中にグリシジル基を少なくとも2個有するグリシジル化合物、1分子中にイソシアネート基を2個以上有するイソシアネート化合物及び1分子中にアジリジニル基を少なくとも2個有するアジリジン化合物である。
上記グリシジル化合物の例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル及びソルビトールポリグリシジルエーテルなどの多官能グリシジル化合物を挙げることができ、これらのうちの少なくとも1種を使用することができる。
上記イソシアネート化合物の例としては、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びこれらから変性されたプレポリマーなどを挙げることができ、これらのうちの少なくとも1種を使用することができる。
上記アジリジン化合物の例としては、1,1’−(メチレン−ジ−p−フェニレン)ビス−3,3−アジリジル尿素、1,1’−(ヘキサメチレン)ビス−3,3−アジリジル尿素、エチレンビス−(2−アジリジニルプロピオネート)、トリス(1−アジリジニル)ホスフィンオキサイド、2,4,6−トリアジリジニル−1,3,5−トリアジン及びトリメチロールプロパン−トリス−(2−アジリジニルプロピオネート)などを挙げることができ、これらのうちの少なくとも1種を使用することができる。
前記共重合体(A)は、芳香族基を有する共重合可能な単量体単位(c)をさらに含有してもよい。単量体単位(c)の具体例としては、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、スチレン及びα−メチルスチレンを挙げることができ、これらのうちの少なくとも1種を使用することができる。好ましい単量体単位(c)は、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート及びベンジル(メタ)アクリレートである。単量体単位(c)の占める割合は、共重合体(A)の全量を100質量%としたときに20〜60質量%であり、好ましくは30〜50質量%である。その割合が20質量%より少ない場合又は60質量%を超える場合には、当該共重合体(A)を含む光学用粘着剤組成物から形成される粘着剤層を液晶セルに使用しても、液晶表示装置の色むら・白ヌケ現象の発生を抑制できないので好ましくない。なお、共重合体(A)が前記単量体単位(a)、単量体単位(b)及び単量体単位(c)からなる場合、上記共重合体(A)の全量を100質量%としたときに単量体単位(a)の占める割合は、39.8〜79.8質量%であり、好ましくは43〜69.5質量%である。単量体単位(b)の占める割合は、0.2〜10質量%であり、好ましくは0.5〜7質量%である。
本発明の光学用粘着剤組成物は、分子内にメルカプトアルキル基とアルコキシ基とを含有するシラン化合物(C)をさらに含有してもよい。該シラン化合物(C)を含有することにより、該組成物から形成される粘着剤層は、液晶セルにおいて被着体であるガラス基板面との密着性がさらに向上する。
上記シラン化合物(C)を本発明の光学用粘着剤組成物に使用する場合、共重合体(A)100質量部あたり0.01〜2質量部であることが好ましい。その使用量が2質量部を超えると、当該光学用粘着剤組成物から形成される粘着剤層が剥れやすくなり好ましくない。
上記シラン化合物(C)の具体例としては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトブチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン及びメルカプト基含有アルコキシシランオリゴマーを挙げることができ、これらのうちの少なくとも1種を使用することができる。
本発明の光学用粘着剤組成物は、上記共重合体(A)100質量部あたり1〜50質量部の割合で、さらに(メタ)アクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエステルからなる低分子量(共)重合体(D)を使用することができる。該(共)重合体(D)の重量平均分子量は1,000〜50,000であり、分散度(MW/MN)は1.0〜2.5であり、前記共重合体(A)と相溶性であることが好ましい。上記(共)重合体(D)を構成する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位は、前記共重合体(A)における単量体単位(a)と同じである。なお、本発明において用語「(共)重合体」は、単独重合体及び共重合体の双方を含むことを意味する。上記(共)重合体(D)が共重合体の場合、単量体単位(a)の共重合体(D)中に占める割合は、共重合体(D)を100質量%としたときに、98〜99.9質量%であることが好ましい。また、(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外の単量体単位としては、官能基を含有する単量体単位(b)を除き、芳香族基を含有する共重合可能な単量体単位(c)を含んでもよい。
前記(共)重合体(D)の重量平均分子量が1,000より小さい場合、当該光学用粘着剤組成物から形成される粘着剤層の粘性が低下し、液晶セルに使用した場合に当該粘着剤層のしみだし及び粘着性の低下並びに液晶表示装置の色むら・白ヌケ現象の原因になるため好ましくない。一方、重量平均分子量が50,000を超える場合には、当該光学用粘着剤組成物中の(共)重合体(D)が、共重合体(A)が形成する架橋構造の間に入り込むことが難しくなり、上記組成物から形成される粘着剤層の弾性や柔軟性が低下する。このため、該粘着剤層を液晶表示装置に用いても、色むら・白ヌケ現象の防止効果は期待できない。また、分散度が2.5を超える(共)重合体(D)は、本発明の光学用粘着剤組成物に使用すると、該組成物から形成される粘着剤層の凝集力が低下して該粘着剤層の発泡や剥れの原因になるため好ましくない。
本発明の光学用粘着剤組成物において、前記(共)重合体(D)を使用する場合、共重合体(A)100質量部あたり1〜50質量部であればよく、好ましくは5〜40質量部であり、さらに好ましくは10〜30質量部である。該(共)重合体(D)を、本発明の光学用粘着剤組成物に用いることにより、当該組成物から形成される粘着剤層は、液晶セルにおいて光学機能性フィルムの伸縮に起因する応力を吸収し、上記粘着剤層の発泡や剥れなどを防止する効果を増す。これは、上記(共)重合体(D)は、重量平均分子量が小さく、官能基を含有しないため、架橋剤による架橋構造の形成に寄与せず、当該組成物から形成される粘着剤層に高い柔軟性を与えることによるものと考えられる。
しかし、その使用量が50質量部を超えると、上記粘着剤層の凝集力が低下して粘着剤層の発泡や剥れの原因になる。
上記(共)重合体(D)は、上述した共重合体(A)と同様の方法で製造することができる。
また、本発明の光学用粘着剤組成物の製造においては、共重合体(A)の粘着性を調整する目的で必要に応じて種々の添加剤を配合してもよい。このような添加剤の具体例としては、テルペン系、テルペン−フェノール系、クマロンインデン系、スチレン系、ロジン系、キシレン系、フェノール系及び石油系などの粘着付与樹脂、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤並びに顔料などが挙げられる。
本発明の光学機能性フィルムは、基材としての光学機能性フィルムの表面に前記本発明の光学用粘着剤組成物から形成される粘着剤層を有することを特徴とする。上記基材としての光学機能性フィルムの例としては、フィルム導光板、反射防止フィルム、導電性フィルム、視野角拡大フィルム、位相差フィルム及び偏光板などを挙げることができる。本発明の光学機能性フィルムを液晶セルの作製に使用することにより、良質な光学機能性を有し、かつ液晶表示装置において、色むら・白ヌケ現象を起こすことのない液晶セルを提供することができる。
本発明の光学機能性フィルムは、通常使用されている塗布装置、例えば、ロール塗布装置などを用いて本発明の光学用粘着剤組成物を基材としての光学機能性フィルムに塗工後、乾燥し、必要に応じて加熱架橋すること、又は、紫外線などの光により硬化させることなどにより粘着剤層を形成して得ることができる。本発明の光学機能性フィルムにおける上記粘着剤層の厚みは、通常10〜50μm程度であることが好ましい。
上記本発明の光学機能性フィルムの色むら・白ヌケ試験は、目視及びヘーズメーター(例えば、日本電色工業(株)製 NDH2000)を用いて本発明の光学機能性フィルムの任意の点について全光線透過率(%)を測定し、得られた全光線透過率の最大全光線透過率と最小全光線透過率から全光線透過率の差Δを以下の[式2]より算出することにより行うことができる。
[式2]
全光線透過率の差Δ=最大全光線透過率−最小全光線透過率
本発明の光学機能性フィルムの全光線透過率の差Δは、0.1以下であることが好ましく、より好ましくは0.05以下である。Δが0.1より大きい光学機能性フィルムを液晶表示装置に使用すると、色むら・白ヌケ現象が問題となることがある。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、以下の文中における「部」及び「%」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
[製造例1(共重合体A−1)]
攪拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を備えた反応装置に、窒素ガスを封入後、酢酸エチル100部、ブチルアクリレート98部、アクリル酸2部及び重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)0.1部を仕込み、攪拌しながら窒素ガス気流中68℃で8時間重合反応させた。反応終了後、酢酸エチル300部を添加し、内容物を室温にて冷却し、粘度2,000mPa・s、固形分20%、重量平均分子量130万である共重合体A−1の溶液を得た。
[製造例2(共重合体A−2)]
製造例1のブチルアクリレート98部を、ブチルアクリレート58部及びフェノキシエチルアクリレート40部とした他は、製造例1と同様に重合を行い、粘度1,800mPa・s、固形分20%、重量平均分子量122万である共重合体A−2の溶液を得た。
[製造例3(共重合体A−3)]
製造例1のアクリル酸2部を、ヒドロキシエチルアクリレート2部とした他は、製造例1と同様に重合を行い、粘度1,900mPa・s、固形分20%、重量平均分子量123万である共重合体A−3の溶液を得た。
[製造例4(共重合体A−4)]
製造例1のブチルアクリレート98部を、ブチルアクリレート48部、フェノキシエチルアクリレート15部及びベンジルアクリレート35部とした他は、製造例1と同様に重合を行い、粘度2,000mPa・s、固形分20%、重量平均分子量122万である共重合体A−4の溶液を得た。
[製造例5(共重合体D−1)]
攪拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を備えた反応装置に、窒素ガスを封入後、酢酸エチル20部、トルエン60部、α−メチルスチレンダイマー5部、ブチルアクリレート60部、フェノキシエチルアクリレート40部及び重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)0.5部を仕込み、攪拌しながら窒素ガス気流中、還流温度で8時間反応させた。反応終了後、酢酸エチル20部を添加し、内容物を室温にて冷却し、粘度20mPa・s、固形分50%、重量平均分子量10,000、数平均分子量5,900、分散度1.7である共重合体D−1の溶液を得た。
[実施例1]
製造例1で得られた共重合体A−1の溶液中の固形分100部に対して、トランススチルベン(棒状化合物)(分子量180)を0.5部、ポリイソシアネート(商品名;コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製)を0.2部及びシランカップリング剤(商品名;KBM−803、γ−メルカプトプロピルメチルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製)を0.1部加えて混合し、本発明の光学用粘着剤組成物を得た。
得られた光学用粘着剤組成物をシリコンコートされたポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)上に乾燥後の厚みが25μmになるように塗布し、90℃で溶媒を除去し乾燥させるとともに、架橋反応させることによって粘着剤層を形成した。得られた粘着剤層に、基材としての光学機能性フィルムである厚さ250μmの偏光フィルムを貼り合わせ、本発明の光学機能性フィルムを作製した。この本発明の光学機能性フィルムを、23℃、相対湿度(以後「RH」と略す)50%中で7日間養生した後、耐久性、粘着力、保持力、粘性係数及び白ヌケ(後述の試験方法に従い測定)の評価を行った。結果はすべて良好であった。結果を表2に示す。
[実施例2〜8]
表1に示すように、粘着性樹脂、棒状化合物及び架橋剤の種類及び量を変える以外は実施例1と同様に本発明の光学用粘着剤組成物及び本発明の光学機能性フィルムを作製し、耐久性などを評価した。結果はすべて良好であった。結果を表2に示す。
[実施例9及び10]
実施例9は、製造例2で得られた共重合体A−2の溶液中の固形分100部に対し、製造例5で得られた共重合体D−1を10部、トランススチルベン7部、ポリイソシアネート(商品名;コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製)を0.2部及びシランカップリング剤(商品名;KBM−803、γ−メルカプトプロピルメチルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製)を0.1部加え、実施例1と同様に本発明の光学用粘着剤組成物及び本発明の光学機能性フィルムを作製し、耐久性などを評価した。実施例10は、実施例9の共重合体D−1を30部に変える以外は実施例9と同様に本発明の光学用粘着剤組成物及び本発明の光学機能性フィルムを作製し、耐久性などを評価した。その結果はすべて良好であった。結果を表2に示す。
[実施例11]
実施例11は、シランカップリング剤を使用しなかったこと以外は実施例2と同様に本発明の光学用粘着剤組成物及び本発明の光学機能性フィルムを作製し、耐久性などを評価した。結果はすべて良好であった。結果を表2に示す。
[比較例1]
比較例1は、棒状化合物を20部添加した以外は実施例1と同様に本発明の光学用粘着剤組成物及び本発明の光学機能性フィルムを作製し、耐久性などを評価した。その結果、粘着剤層が耐久性試験で発泡し、白ヌケ評価も悪かった。結果を表2に示す。
[比較例2]
比較例2は、架橋剤を使用しなかったこと以外は、実施例2と同様に本発明の光学用粘着剤組成物及び本発明の光学機能性フィルムを作製し、耐久性などを評価した。結果は耐久性、保持力が悪かったが、白ヌケは良好であった。結果を表2に示す。
[比較例3]
比較例3は、棒状化合物を使用せず、架橋剤の量を1.0部にした以外は、実施例1と同様に本発明の光学用粘着剤組成物及び本発明の光学機能性フィルムを作製し、耐久性などを評価した。結果は耐久性は良好であったが、粘性係数及び白ヌケが悪かった。結果を表2に示す。
Figure 2007072799
表1に記載した略号及び品名を明記する。
棒状化合物
A:トランススチルベン(分子量:180)
B:フルオレン(分子量:166)
C:ベンゾイン(分子量:212)
D:ジフェニルスルフィド(分子量:186)
E:安息香酸ベンジル(分子量:212)
F:ジフェニルアセチレン(分子量:178)
架橋剤
コロネートL:ポリイソシアネート、日本ポリウレタン工業(株)製
タケネートD−110N:ポリイソシアネート、三井武田ケミカル(株)製
タケネートD−160N:ポリイソシアネート、三井武田ケミカル(株)製
テトラッドX:多官能グリシジル化合物、三菱瓦斯化学(株)製
シランカップリング剤
KBM−803:γ−メルカプトプロピルメチルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製
X−41−1805:メルカプト基置換アルコキシオリゴマー、信越化学工業(株)製
X−41−1810:メルカプト基置換アルコキシオリゴマー、信越化学工業(株)製
KBM−802:γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、信越化学工業(株)製
Figure 2007072799
[試験方法]
1.耐久性
実施例及び比較例の光学機能性フィルムをそれぞれ90mm×150mmに断裁し、PETフィルムを剥離後、当該光学機能性フィルムをガラス板に貼り付けて、これをオートクレーブ中、50℃、5kg/cm2の条件下で、18分間保持した後、80℃にて500時間放置した試験試料、又は、60℃、95%RHの環境下で500時間放置した後の試験試料について、粘着剤層に発生する泡、基材としての光学機能性フィルムの剥れの状態を目視で観察して、以下の基準に従い耐久性の評価を行った。
<評価基準>
[発泡]
〇:粘着剤層に発泡が確認されなかった。
△:粘着剤層に発泡がわずかに確認された。
×:粘着剤層に発泡が確認された。
[剥れ]
〇:基材としての光学機能性フィルムに剥れが起こらなかった。
△:基材としての光学機能性フィルムに剥れがわずかに確認された。
×:基材としての光学機能性フィルムに剥れが確認された。
2.粘着力
実施例及び比較例の光学機能性フィルムについて、JIS Z−0237に準じて180°引き剥がし粘着力を測定した。被着体にはガラス板を使用した。
3.保持力
粘着剤層の粘性係数は、JIS Z−0237の保持力測定法に準じて次の方法で求めた。粘着剤層を有する実施例及び比較例の光学機能性フィルム(偏光フィルム)の長辺を、該偏光フィルムの吸収軸に対して90°となる切断線で、25mm×55mmのサイズに裁断する。この裁断した偏光フィルムを接着面積が25mm×10mmになるようにガラス板に貼り付け、これをオートクレーブ中、50℃、5kg/cm2の条件下で、18分間保持して試験試料を作製した。該試験試料の偏光フィルムの下端に9.8Nの荷重をかけ、90℃の雰囲気中で1時間保持した後、ガラス板に接着している偏光フィルムが下方にずれた距離(ズレ量)を測定し、このズレ量で保持力を表した。
4.粘性係数
上記3.保持力測定により得られたズレ量から前記[式1]に従い粘着剤層の粘性係数(Pa・s)を算出した。
なお、本実施例においては、[式1]中、
ズレ応力(N/m2)=荷重/接着面積=9.8N/(0.025m×0.01m)
であり、
ズレ速度(1/s)=ズレ量/試験時間/粘着剤層の厚さ=ズレ量(m)/3600秒/0.000025m
である。
5.白ヌケ評価
(1)目視
前記「1.耐久性試験」にて、80℃で500時間放置した後の同種の光学機能性フィルム2枚をクロスニコルにして貼り合わせ、これを液晶モニターのバックライト上に置き、白ヌケの状態を目視で観察し、下記の基準で評価した。
<評価基準>
〇:光学機能性フィルムに白ヌケが確認されなかった。
△:光学機能性フィルムに白ヌケがわずかに確認された。
×:光学機能性フィルムに白ヌケが確認された。
(2)全光線透過率評価
上記白ヌケ目視評価をした光学機能性フィルムについてヘーズメーター(日本電色工業(株)製、NDH2000)を用いて35点の全光線透過率(%)を測定し、35点中の最大全光線透過率と最小全光線透過率から前記の[式2]より全光線透過率の差Δを算出した。
本発明によれば、液晶表示装置を構成する液晶セルにおいて、ガラス基板と光学機能性フィルムとを密着するための粘着剤層を形成する光学用粘着剤組成物が提供される。上記粘着剤層は、適度な粘着力を有し、光学機能性フィルムに対する密着性がよく、かつ従来の粘着剤では改善することが難しかった光学機能性フィルムの伸縮に起因する応力を吸収できるので、液晶表示装置の色むら・白ヌケ現象の発生を抑制することができる。

Claims (8)

  1. 分子中に少なくとも2個のベンゼン環を有し分子量が150〜1,000である化合物、粘着性樹脂及び架橋剤を少なくとも含有する光学用粘着剤組成物であって、上記化合物の含有量が、上記粘着性樹脂100質量部あたり0.1〜15質量部であり、上記組成物から形成される粘着剤層の90℃での粘性係数が0.5×107〜10×107Pa・sであることを特徴とする光学用粘着剤組成物。
  2. 前記分子中に少なくとも2個のベンゼン環を有し分子量が150〜1,000である化合物が、トランススチルベン、フルオレン、ジフェニルスルフィド、安息香酸ベンジル、ベンゾイン及びジフェニルアセチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の光学用粘着剤組成物。
  3. 前記粘着性樹脂が、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエステル単量体単位(a)とカルボキシル基及び/又は水酸基を含有する共重合可能な単量体単位(b)とを少なくとも含み、かつ重量平均分子量が100万〜200万の共重合体(A)である請求項1に記載の光学用粘着剤組成物。
  4. 前記架橋剤の含有量が、前記粘着性樹脂100質量部あたり0.01〜1質量部である請求項1に記載の光学用粘着剤組成物。
  5. 前記共重合体(A)が、さらに該共重合体全量の20〜60質量%を占める芳香族基を含有する共重合可能な単量体単位(c)を含有する請求項3に記載の光学用粘着剤組成物。
  6. 分子内にメルカプトアルキル基とアルコキシ基とを含有するシラン化合物(C)を、前記粘着性樹脂100質量部あたり0.01〜2質量部をさらに含有する請求項1に記載の光学用粘着剤組成物。
  7. さらに、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエステルからなる低分子量(共)重合体(D)を、前記共重合体(A)100質量部あたり1〜50質量部の割合で含み、該(共)重合体(D)は、その重量平均分子量が1,000〜50,000、分散度(MW/MN)が1.0〜2.5であり、かつ前記共重合体(A)と相溶性である請求項1に記載の光学用粘着剤組成物。
  8. その表面に請求項1に記載の光学用粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有することを特徴とする光学機能性フィルム。
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