JP2002296754A - マスクの製造方法 - Google Patents

マスクの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】面内の開口率やパターン密度が異なるマスクパ
ターンに対して、収率良く所望の寸法精度や位置精度を
得るフォトマスクの製造方法を提供すること。 【解決手段】与えられたマスクのレイアウトパターンの
設計データから、前記マスクの面積に対する、光透過パ
ターン部或いは遮光パターン部の面積の割合であるパタ
ーン面積率と、与えられたレイアウトパターンから抽出
された領域の面積に対する、該領域内の前記光透過パタ
ーン部或いは遮光パターン部の割合であるパターン密度
とをそれぞれ演算するステップ(S203,S212)
と、演算されたパターン面積率及びパターン密度から、
前記与えられたレイアウトパターンを用いてマスクにパ
ターンを形成した場合に、形成されるパターンの寸法を
予測するステップ(S221)と、予測されたパターン
寸法に基づいて、前記レイアウトパターンの設計データ
に補正量を与えるステップ(S222)とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被露光基板に所定
の光像パターンを転写するためのマスクのレイアウトパ
ターンの設計データを補正するマスクの製造方法、及び
この補正方法により補正されたレイアウトパターンを用
いて加工されたマスク、及びこのマスクを用いた半導体
装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の回路パターンの微細化に伴
いその原版となるフォトマスクのパターン寸法も微細化
が進み、精度要求も厳しくなっている。近年デバイスプ
ロセスでは数nmの精度を達成するために例えば光近接
効果補正(OPC:Optica1 Proximity Correction)の
ように、設計パターンにも様々な補正を施すようになっ
ている。このためフォトマスクの精度はデバイスプロセ
スにおいても非常に重要な因子となる。
【0003】半導体装置やフォトマスクの製造プロセス
において、現像やドライエッチング時のマイクロローデ
ィング効果によりパターン開口率やパターン密度に依存
して寸法が変動することは一般に知られている。フォト
マスク上のパターンはウェハ上に転写されるイメージの
数倍となるため、レイヤーによってマスクのパターン開
口率は大きく異なり、開口率の差により生ずる寸法差も
大きくなる。またデバイス種類の多様化でメモリ混載ロ
ジック・デバイス等の疎密差の大きいデバイスではマス
ク上においても領域毎にパターンの疎密差が大きくなる
ためマイクロローディング効果による寸法変動が微細化
要求に対応する寸法精度や位置精度向上の妨げとなって
きた。
【0004】以下にパターン開口率やパターン密度によ
る寸法変動を制御するための従来のフォトマスク作成方
法を説明する。
【0005】描画データは基本的に初期設計データと同
じで描画パターン線幅=所望パターン線幅である。但
し、例えばEB(Electron Beam)/VSB(Variable
ShapedBeam)描画におけるショット繋ぎの低減、またパ
ターン像質、寸法精度向上等の理由で、仕上がり寸法が
設計データよりシフトするような場合には、描画データ
には設計データに対して一律の変換差(リサイズ)を設
けている。いずれの場合もパターン開口率によらずある
プロセスに対しては描画データの変換差は一律である。
【0006】しかし例えばコンタクトホール系パターン
と、ゲート電極等の配線系パターンとでは被エッチング
面積に大きな差があるためエッチングレートが異なり、
パターン形状差や数10nmにも及ぶ仕上がり寸法差を
生ずる。これを解決するために、パターン種類を主にコ
ンタクトホール系と配線系とに大別し、パターン種類別
にドーズ量、現像、エッチング時間などのプロセス条件
を調整してマスクを作成し、寸法を制御していた。
【0007】加工されたマスクの仕上がり寸法や位置精
度、XY差が規格外となればマスクはNGとなり、プロ
セス条件を調整変更して再作成となる。このようにして
所望の規格を満たすマスクができるまで同様の工程が繰
返される。
【0008】しかしながら、同じ配線系パターンでも線
幅やチップ面積が異なれば開口率も異なり、またパター
ン疎密差が異なれば同様に寸法変動が起こり、パターン
間の寸法差は数10nmにも及ぶことがあり、これは同
時にパターンの位置精度やXY差精度にも影響を与え
る。このように大きな寸法差をプロセス条件のみで制御
することは困難で、条件を何度も調整しながら再作成を
繰返したり、条件によってはプロセスマージンの低下を
招き、例えば欠陥増加等の弊害を引き起こしたりするこ
とも有った。
【0009】特にロジック・デバイスなどの疎密差の大
きいパターンでは特に寸法変動が大きくプロセス条件の
調整が難しいため新しいパターンに対しては一枚目がN
Gとなってしまうことが多い。このような方法では歩留
り低下を招くという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、設計
データに対する加工寸法の精度を向上させるため、パタ
ーンの種別に応じてプロセス条件を変化させていたが、
プロセス条件のみで制御を行い且つ歩留りを確保するこ
とが困難であるという問題があった。
【0011】本発明の目的は、上記問題を解決するため
になされたもので、マスク面内のパターン開口率やパタ
ーン密度が異なるマスクパターンに対して、収率良く所
望の寸法精度や位置精度を得るフォトマスクの製造方法
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】[構成]本発明は、上記
目的を達成するために以下のように構成されている。
【0013】被露光基板表面に所定の光像パターンを形
成するため、光透過パターン部と遮光パターン部とが配
置されたマスクのレイアウトパターンを補正するマスク
の製造方法であって、与えられたマスクのレイアウトパ
ターンの設計データから、前記マスクの面積に対する、
光透過パターン部或いは遮光パターン部の面積の割合で
あるパターン面積率と、与えられたレイアウトパターン
から抽出された領域の面積に対する、該領域内の前記光
透過パターン部或いは遮光パターン部の割合であるパタ
ーン密度とをそれぞれ演算するステップと、演算された
パターン面積率及びパターン密度から、前記与えられた
レイアウトパターンの設計データを用いてマスクにパタ
ーンを形成した場合に、形成されるパターンの寸法,位
置精度又はXY差を予測するステップと、予測されたパ
ターン寸法,位置精度又はXY差に基づいて、前記与え
られたレイアウトパターンの設計データに補正量を与え
るステップとを含むことを特徴とする。
【0014】本発明の好ましい実施態様を以下に記す。
前記レイアウトパターンから抽出された領域は、レイア
ウトパターンの中で最も高い寸法精度を必要とするパタ
ーンを含む領域であること。前記パターン寸法,位置精
度,又はXY差の予測は、前記パターン面積率と、マス
クを実際に加工して得られるパターン寸法との関係を表
す第1の関数、前記パターン密度と、マスクを実際に加
工して得られるパターン寸法との関係を表す第2の関
数、及び前記パターン面積率及びパターン密度と、マス
クを実際に加工して得られるパターン寸法との関係を表
す第3の関数の何れかを用いて行われること。第2の関
数及び第3の関数は、各領域内の複数のパターン密度が
変化する寸法測定パターンが配置され、パターン面積率
が異なる複数のパターンデータを用いて加工された、そ
れぞれの評価用マスクの寸法,位置精度,又はXY差を
測定することにより導出されること。
【0015】[作用]本発明は、上記構成によって以下
の作用・効果を有する。
【0016】以上説明したように本発明によれば、パタ
ーン面積率やパターン密度からマスクに形成されるパタ
ーンの寸法,位置精度,及びXY差を予め予想し、予想
量に応じてレイアウトパターンの設計データに補正を施
すことにより、パターンによって照射量やプロセス条件
を調整することなく所望の寸法および位置精度およびX
Y差精度を得ることができる。
【0017】同時に多種のパターンに対し個々に条件出
しをする必要が無くなることによりプロセス条件数が減
りプロセス管理が容易になると共にプロセスマージンを
犠牲にすることなく同じプロセス条件を適用できる。結
果、フォトマスク製造において安定的に高い歩留りを得
ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下に図面
を参照して説明する。 [第1の実施形態]第1の実施形態ではDRAMに代表
されるような面内のパターン密度が比較的均一なメモリ
デバイスを対象とするマスクパターンの作製方法を述べ
る。図1は、本発明のマスクレイアウトデータ変換装置
の概略構成を示すブロック図である。図1において、1
01は補正が行われるマスクレイアウトデータ、102
はマスクレイアウトデータ101から新たなデータに変
換するのに必要なデータを演算する変換差パラメータ演
算部、102aはパターン面積率演算部、102bはパ
ターン密度演算部、103は変換差パラメータ演算部1
02で演算されたパラメータと後述する相関関係104
を用いて、マスクレイアウトデータ101を変換(補
正)し、変換されたマスクレイアウトデータ105を出
力するレイアウトデータ変換部である。
【0019】なお、変換差パラメータ演算部102及び
レイアウトデータ変換部103の後述する各機能は、ハ
ードウエアで実現しても良いし、各機能をプログラムで
記述し、コンピュータに実行させても良い。
【0020】先ず、マスクレイアウトデータを変換する
のに必要な相関関係104の導出方法について図2を用
いて説明する。図2は、本発明における第1の実施形態
に係わる関数の導出方法を示すフローチャートである。
【0021】ここで導出する相関関係104は、マスク
パターン面積率C及びパターン密度Dに対して、マスク
レイアウトデータに与える変換量r=F(C,D)を与
える関数である。
【0022】なお、仕上がり寸法Wとは、レイアウトデ
ータに基づいて形成された加工後のマスク上のパターン
寸法と、レイアウトデータ上の設計寸法との差である。
また、マスクパターン面積率Cは、マスクの面積Amに
対する、マスク中の光透過パターン部(遮光パターン
部)の面積の割合である。また、パターン密度Dは、マ
スクから抽出された領域の面積に対する光透過パターン
部(遮光パターン部)の面積の割合である。
【0023】(ステップS101)先ず、パターン面積
率Cがマスク毎にそれぞれ異なり、複数のパターン密度
Dを有しそれぞれのマスクに同一なパターンが配置され
た複数の評価用マスクを作製する。評価用マスクの概略
構成を図3に示す。図3(a)は評価用マスク全体の概
略を示す平面図、図3(b)は図3(a)に示したマス
クに形成されたチップ領域の概略を示す平面図、図3
(c),(d)は図3(b)に示すチップ領域に形成さ
れた寸法測定パターンの概略を示す平面図である。
【0024】図3(a)に示すように、評価用マスク2
01には、複数のチップ領域202が配設されている。
図3(b)に示すように、各チップ領域202には、中
央部に配置され、寸法測定パターンが形成された寸法測
定パターン領域204と、寸法測定パターン領域204
の周囲に形成され、マスク毎に開口率が異なる開口率変
化領域203が形成されている。
【0025】パターン形成領域204に形成される寸法
測定パターンは、各チップ領域及び各評価用マスクで共
通のパターンが形成される。寸法測定パターン205
は、図3(c),(d)に示すように、各領域でパター
ン密度が異なるパターンが形成されている。例えば、配
線パターンのパターン密度Dを変える(図3(c))、
或いはホールパターンの密度を変える(図3(d))。
パターン密度が変化する各領域Pn(nは抽出する領域
番号)に対する、パターン密度をDnとする。
【0026】また、開口率変化領域203では、遮光膜
の面積を各評価用マスク毎に変化させる。各評価用マス
ク毎に、開口率変化領域の開口率を変えることにより、
各々のマスクの面内パターン面積率が変えられる。
【0027】(ステップS102)次いで、各評価用マ
スクに形成された、寸法測定パターンを測定し、測定値
から設計寸法値に対するシフト量である仕上がり寸法W
を求める。ここでは、パターン密度が異なる各領域のパ
ターンについて、パターンの寸法測定を行う。
【0028】(ステップS103)測定の結果、図4及
び図5に示すようなパターン面積率Cとパターン密度D
と仕上がり寸法Wとの相関関係が得られるので、これを
相関関数f(C,D)で表す。ここで図4と図5とは別
々のプロセス条件で処理した場合に得られた相関関係を
示す。このように複数の処理プロセスが存在する場合は
プロセス条件ごとに評価用マスクを作製し、各々相関関
数fを求める。
【0029】(ステップS104)次いで、ステップS
103で求められた相関関数f(C,D)から、マスク
レイアウトデータに与える変換量rを与える関数r=F
(C,D)を求める。仕上がり寸法Wは設計寸法値に対
するシフト量であり、これをデータ変換差とする。本実
施形態ではデータ変換差rをf(C,D)/2として片
側エッジ分のシフト量として定義する。なお、データ変
換差rは、パターンデータ合成時の定義によるもので1
/2にしなくてもよい。
【0030】図3に示す、レイアウトパターンにおいて
領域204には様々な密度のパターンが配置されている
ため、このマスクを用いることによりプロセス条件が共
通の場合はメモリだけでなくロジック・デバイスやメモ
リ混載デバイスなどの疎密差のあるレイアウトパターン
に共通な関数fを求めることができる。
【0031】次に、先に求められた変換量r=f(C,
D)/2に基づいて、与えられたレイアウトを変換し、
マスクデータを作成するマスクレイアウトデータ変換装
置の動作について、図6を用いて説明する。
【0032】先ず、変換差パラメータ演算部102にお
いて製品マスクのレイアウトデータ101についてマス
ク面内におけるパターン面積率Cmと、特定領域Pnを
抽出し該特定領域内のパターン密度Dnとを計算する。
【0033】先ず、パターン面積率演算部102aによ
るパターン面積率Cの測定について説明する。 (ステップS201)先ず、レイアウトデータ101か
ら、レイアウトに対する開口部の割合を計算し、求めら
れた割合をレイアウトパターン面積率Cwとする。
【0034】(ステップS202)次いで、レイアウト
パターン面積率Cwを、チップ面積Awとマスク基板面積
Amとから、マスク基板上でのパターン面積率Caに換算
する。ここで、パターン面積率Caは、レイアウトパタ
ーン面積率Cw,チップ面積Aw及びマスク基板面積Am
から、 Ca=Cw×Aw/Am、 で計算される。
【0035】(ステップS203)次いで、パターン面
積率Caにマスクに配置される各種の周辺マークの面積
率Cbを加算して、マスク上の全パターン面積率Cmを求
める。以上説明したステップにより、パターン面積率演
算部102aが、パターン面積率Cmを求めることがで
きる。
【0036】次に、パターン密度演算部102bによる
パターン密度Dの測定について説明する。 (ステップS211)先ず、レイアウト内で最も高い寸
法精度を必要とするパターンを含む領域を特定領域Pn
として抽出する。特定領域Pnの大きさは任意であるが
チップ面積Awより充分に小さいこと(Pn<<Aw)が必
要である。
【0037】本実施形態では、パターン密度が均一なメ
モリデバイスが対象なので、メモリセル部を特定領域と
して抽出する。ここで、抽出領域数は1、即ちn=1で
P1=メモリセル部とし、大きさはメモリセル1ユニッ
ト以下に設定する。
【0038】(ステップS212)次いで、特定領域P
1におけるパターン密度D1(P1内の開口率)を計算す
る。以上の説明したステップにより、パターン密度演算
部102bが、パターン密度D1を求めることができ
る。なお、パターン面積率演算部102aによるパター
ン面積率の演算と、パターン密度演算部102bによる
パターン密度の演算とは、パラレルに行っても良いし、
順番に行っても良い。演算の順番は、どちらを先にやっ
ても良い。
【0039】次に、レイアウトデータ変換部103に動
作について説明する。 (ステップS221)先ず、予め求められているデータ
変換差rを与える相関関係104に対して、先に求めら
れたマスクのパターン面積率Cmとパターン密度D1を代
入し、データ変換差rを求める。ここで、変換差rは、
r=f(Cm,D1)/2として求められる。
【0040】(ステップS222)求められたデータ変
換差rを用いて、マスクレイアウトデータ101にデー
タ変換差r(=f(Cm,D1)/2)を与え、変換され
たマスクレイアウトデータ105を出力する。以上のス
テップで、新たなマスクレイアウトデータが形成され
る。
【0041】次に、変換されたマスクレイアウトデータ
105に基づいて、マスクを作製する。こうして作成さ
れたマスクは所望の仕上がり寸法を得ることができる。
【0042】このような方法で作成されるマスクは予め
データに寸法補正が施されているためパターン毎に露光
量やプロセス条件を調整する必要がないため、プロセス
マージンが確保でき安定したプロセスで処理ができ、歩
留り変動が少ないという利点がある。
【0043】同時に多種のパターンに対し個々に条件出
しをする必要が無くなることによりプロセス条件数が減
りプロセス管理が容易になると共にプロセスマージンを
犠牲にすることなく同じプロセス条件を適用できる。結
果、フォトマスク製造において安定的に高い歩留りを得
ることができる。
【0044】また本実施形態では、パターン面積率とパ
ターン密度をパラメータとする仕上がり寸法の関数を用
いたが、この関数は図7に示すようなパターン面積率と
パターン密度をパラメータとする位置精度Lの関数(L
=g(c,d))、または図8に示すようなパターン面
積率とパターン密度をパラメータとするXY差Sの関数
(S=h(c,d))を用いることにより、前述の寸法
と同じ方法で各々所望の位置精度またはXY差精度を歩
留り良く得ることができる。
【0045】(第2の実施形態)第2の実施形態では、
面内にパターン密度が異なるユニットデバイスが複数レ
イアウトされているような主にメモリ混載ロジック・デ
バイスを対象とするマスクパターンの作製方法の例を述
べる。
【0046】図9は、本発明の第2の実施形態に係わる
マスクレイアウトデータの変換方法を示すフローチャー
トである。
【0047】本実施形態における相関関数fの導出は、
第1の実施形態で図2を用いて説明した工程と同様なの
で説明を省略する。又、図9において、パターン面積率
Cmの算出する工程(ステップS201〜S203)
は、第1の実施形態と同様なので、その説明を省略す
る。
【0048】(ステップS311)パターン密度演算部
102bにおいて、まずマスクレイアウトデータ101
をユニットデバイス毎にブロック分割し、各々を特定領
域P1〜Pnとする。 (ステップS312)次いで、特定領域P1〜Pnにおけ
るパターン密度D1〜Dnをそれぞれ計算する。
【0049】(ステップS321)次に、パターンデー
タ変換部において、パターン密度D1〜Dnとパターン面
積率Cmとを、相関関係104に代入して、特定領域P
1〜Pnにおける変換差r1〜rnを求める。なお、特定領
域P1〜Pnにおける変換差r1〜rnは、 r1=f(Cm,D1)/2, r2=f(Cm,D2)/2, ・・・・・, rn=f(Cm,Dn)/2, である。
【0050】(ステップS322)次いで、求められた
データ変換差r1〜rnに対応するユニットデバイス単位
Pi(i=1〜n)に入力してパターンデータを再合成
し、再合成後のデータを用いてマスクを作成する。この
ようにして面内のパターン密度が異なるユニットデバイ
スが複数レイアウトされているようなメモリ混載ロジッ
ク・デバイスについてもマスク上で所望の仕上がり寸法
を得ることができる。
【0051】尚本実施形態の方法は混載ロジック・デバ
イスに限らず、レイアウトパターンが類似のパターン密
度によってブロック分割できるマスクパターンであれば
適用できる。
【0052】このような方法で作成されるマスクは予め
データに寸法補正が施されているためパターン毎に露光
量やプロセス条件を調整する必要がないため、プロセス
マージンが確保でき安定したプロセスで処理ができ、歩
留り変動が少ないという利点がある。
【0053】また第1の実施形態と同様に、この方法を
位置精度またはXY差精度の補正に適用することによ
り、所望の位置精度またはXY差精度を歩留り良く得る
ことができる。
【0054】(第3の実施形態)第3の実施形態では、
面内のパターン密度が均一でなく、レイアウトパターン
が容易に分割できないようなロジック・デバイスを対象
にしたマスクパターンの作製方法の例を述べる。
【0055】図10は、本発明の第3の実施形態に係わ
るマスクレイアウトデータの変換方法を示すフローチャ
ートである。
【0056】本実施形態における相関関数fの導出は、
第1の実施形態で図2を用いて説明した工程と同様なの
で説明を省略する。又、図10において、パターン面積
率Cmの算出する工程(ステップS201〜S203)
は、第1の実施形態と同様なので、その説明を省略す
る。
【0057】特定領域パターン密度Dnの算出において
は、まずレイアウトパターンについてマスク内で最も寸
法精度を必要とするパターンを抽出し該パターン周辺1
00μmの領域をP1とする。
【0058】次に領域P1におけるパターン密度D1を
計算する。
【0059】次に、パターンデータ変換部においてパタ
ーン密度D1とパターン面積率Cmとを相関関数rに代
入すると、r1=f(Cm,D1)/2となり、変換差
r1が求められる。
【0060】求めたデータ変換差r1を入力してパター
ンデータを再合成し、再合成後のデータを用いてマスク
を作成する。このようにしてマスク面内のパターン密度
が均一でないロジック・デバイスパターンについても所
望の仕上がり寸法を得ることができる。
【0061】尚本実施形態ではマスク内で最も寸法精度
を必要とするパターン1つを抽出してP1としたが、レ
イアウト内の複数のパターンを抽出しておき各々周辺1
00μm領域のパターン密度を計算し、これらの平均値
をD1としてもよい。また周辺領域の大きさは100μ
mとしたがこの限りではない。
【0062】また本実施形態の方法はロジック・デバイ
スに限らず様々なレイアウトパターンに対して適用可能
であり、変換差が1つの値であるためパターンデータの
再合成が容易であるという利点もある。
【0063】また第1,第2の実施形態と同様に、この
方法を位置精度またはXY差精度の補正に適用すること
により、所望の位置精度またはXY差精度を歩留り良く
得ることができる。
【0064】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではなく、その旨を逸脱しない範囲で、種々変形
して実施することが可能である。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、パ
ターン面積率やパターン密度からマスクに形成されるパ
ターンの寸法,位置精度,及びXY差を予め予想し、予
想量に応じてレイアウトパターンの設計データに補正を
施すことにより、パターンによって照射量やプロセス条
件を調整することなく所望の寸法および位置精度および
XY差精度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係わるマスクレイアウトパタ
ーンデータ変換装置の概略構成を示すブロック図。
【図2】第1の実施形態に係わる関数の導出方法を示す
フローチャート。
【図3】関数の導出に用いる評価用マスクの概略構成を
示す図。
【図4】パターン面積率C及びパターン密度Dに対す
る、仕上がり寸法Wの相関関係を示す図。
【図5】パターン面積率C及びパターン密度Dに対す
る、仕上がり寸法Wの相関関係を示す図。
【図6】図1に示す、マスクレイアウトパターンの補正
方法を示すフローチャート。
【図7】パターン面積率C及びパターン密度Dに対す
る、位置精度Lの相関関係を示す図。
【図8】パターン面積率C及びパターン密度Dに対す
る、位置精度LのXY差Sの関数h(c,d)相関関係
を示す図。
【図9】第2の実施形態に係わる、マスクレイアウトパ
ターンの補正方法を示すフローチャート。
【図10】第3の実施形態に係わる、マスクレイアウト
パターンの補正方法を示すフローチャート。
【符号の説明】
101…マスクレイアウトデータ 102…変換差パラメータ演算部 102a…パターン面積率演算部 102b…パターン密度演算部 103…レイアウトデータ変換部 104…関数 105…変換されたマスクレイアウトデータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H095 BB01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被露光基板表面に所定の光像パターンを形
    成するため、光透過パターン部と遮光パターン部とが配
    置されたマスクのレイアウトパターンを補正するマスク
    の製造方法であって、 与えられたマスクのレイアウトパターンの設計データか
    ら、前記マスクの面積に対する、光透過パターン部或い
    は遮光パターン部の面積の割合であるパターン面積率
    と、与えられたレイアウトパターンから抽出された領域
    の面積に対する、該領域内の前記光透過パターン部或い
    は遮光パターン部の割合であるパターン密度とをそれぞ
    れ演算するステップと、 演算されたパターン面積率及びパターン密度から、前記
    与えられたレイアウトパターンの設計データを用いてマ
    スクにパターンを形成した場合に、形成されるパターン
    の寸法を予測するステップと、 予測されたパターン寸法に基づいて、前記与えられたレ
    イアウトパターンの設計データに補正量を与えるステッ
    プとを含むことを特徴とするマスクの製造方法。
  2. 【請求項2】前記レイアウトパターンから抽出された領
    域は、レイアウトパターンの中で最も高い寸法精度を必
    要とするパターンを含む領域であることを特徴とする請
    求項1記載のマスクの製造方法。
  3. 【請求項3】前記パターン寸法の予測は、 前記パターン面積率と、マスクを実際に加工して得られ
    るパターン寸法との関係を表す第1の関数、 前記パターン密度と、マスクを実際に加工して得られる
    パターン寸法との関係を表す第2の関数、 及び前記パターン面積率及びパターン密度と、マスクを
    実際に加工して得られるパターン寸法との関係を表す第
    3の関数の何れかを用いて行われることを特徴とする請
    求項1に記載のマスクの製造方法。
  4. 【請求項4】第2の関数及び第3の関数は、複数のパタ
    ーン密度を有する寸法測定パターンが配置され、パター
    ン面積率が異なる複数のパターンデータを用いて加工さ
    れた、それぞれの評価用マスクのパターン寸法を測定す
    ることにより導出されることを特徴とする請求項3に記
    載のマスクの製造方法。
  5. 【請求項5】被露光基板表面に所定の光像パターンを形
    成するため、光透過パターン部と遮光パターン部とが配
    置されたマスクのレイアウトパターンを補正するマスク
    の製造方法であって、 与えられたマスクのレイアウトパターンの設計データか
    ら、前記マスクの面積に対する、光透過パターン部或い
    は遮光パターン部の面積の割合であるパターン面積率
    と、与えられたレイアウトパターンから抽出された領域
    の面積に対する、該領域内の前記光透過パターン部或い
    は遮光パターン部の割合であるパターン密度とをそれぞ
    れ演算するステップと、 演算されたパターン面積率及びパターン密度から、前記
    与えられたレイアウトパターンの設計データを用いてマ
    スクにパターンを形成した場合に、形成されるパターン
    の位置精度を予測するステップと、 予測された位置精度に基づいて、前記与えられたレイア
    ウトパターンに補正量を与えるステップとを含むことを
    特徴とするマスクの製造方法。
  6. 【請求項6】被露光基板表面に所定の光像パターンを形
    成するため、光透過パターン部と遮光パターン部とが配
    置されたマスクのレイアウトパターンを補正するマスク
    の製造方法であって、 与えられたマスクのレイアウトパターンの設計データか
    ら、前記マスクの面積に対する、光透過パターン部或い
    は遮光パターン部の面積の割合であるパターン面積率
    と、与えられたレイアウトパターンから抽出された領域
    の面積に対する、該領域内の前記光透過パターン部或い
    は遮光パターン部の割合であるパターン密度とをそれぞ
    れ演算するステップと、 演算されたパターン面積率及びパターン密度から、前記
    与えられたレイアウトパターンの設計データを用いてマ
    スクにパターンを形成した場合に、形成されるパターン
    のXY差を予測するステップと、 予測されたXY差に基づいて、前記与えられたレイアウ
    トパターンに補正量を与えるステップとを含むことを特
    徴とするマスクの製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1,5及び6の何れかに記載された
    マスクの製造方法を用いて補正されたマスクのレイアウ
    トパターンに基づいて形成されたことを特徴とするマス
    ク。
  8. 【請求項8】請求項7に記載されたマスクを用いて形成
    されたことを特徴とする半導体装置。
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