JP2002204687A - β−1.3−1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)の医療、保健、福祉、食品および各種産業分野での応用 - Google Patents

β−1.3−1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)の医療、保健、福祉、食品および各種産業分野での応用

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JP2002204687A JP2001332459A JP2001332459A JP2002204687A JP 2002204687 A JP2002204687 A JP 2002204687A JP 2001332459 A JP2001332459 A JP 2001332459A JP 2001332459 A JP2001332459 A JP 2001332459A JP 2002204687 A JP2002204687 A JP 2002204687A
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aureobasidium culture
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信直 池脇
Noboru Fujii
昇 藤井
Takashi Onaka
隆 尾仲
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    • Y02A50/30Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change

Abstract

(57)【要約】 【課題】 β-1.3-1.6グルカンを主成分とするアウレオ
バシジウム培養液の利用 【解決手段】 アウレオバシジウム培養液またはその遠
心分離による上清液を医療、保健、福祉、環境および食
品分野、特に各種疾病に対する医薬品(研究および治療
用)として、臨床検査システム(臨床検査キツト)の補
助試薬として、病院内感染防止、環境汚染物質の除去に
関わる新規素材として、移植後患者の無菌食品、高齢者
や女性(妊産婦、更年期障害)の健康維持にかかわる機
能的な健康補助食品として応用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は黒酵母菌(アルレオ
バシジウム)を最新の培養技術を用いて製造したβ-1.3
-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)の各種産業
分野、特に医療、保健、福祉、環境および食品分野での
応用を目的とする。
【0002】産業上での応用に関しては健康食品、各種
疾病に対する医薬品(研究用、治療用、臨床検査キッ
ト)、病院内感染防止または環境汚染物質除去に関わる
新規素材(微生物繁殖防止剤)、皮膚の消毒、性病(梅
毒や淋病)の予防、多くの難病の原因とされるウイルス
感染症の予防、移植後の患者の無菌食、高齢者や女性の
健康維持(妊産婦、更年期障害女性)のための機能的健
康補助食品などが上げられる。また、皮膚に悪影響を与
え、皮膚癌を起こす紫外線防止剤としての応用は、戸外
で働く労働者、スポーツ選手、また夏の海水浴シーズン
での日焼けを防止するのに期待できる。さらに肉体疲労
やスポーツ後の肉体疲労物質の経皮的緩和や除去剤とし
ても非常に有用である。
【0003】一方、上述したようにβ-1.3-1.6グルカン
(アウレオバシジウム培養液)の各種産業上の利用はも
ちろんのこと、これらの産業上の利用に関しての基礎デ
ータの蓄積は非常に重要である。β-1.3-1.6グルカン
(アウレオバシジウム培養液)の生体免疫系におけるの
調節作用、その作用機序の解明、β-1.3-1.6グルカン
(アウレオバシジウム培養液)の生体での評価システム
の開発は医療、保健、福祉、環境、食品およびさまざま
な産業分野での応用としての非常に重要なテーマであ
る。また、β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培
養液)の生体での効果を評価するためには、感染免疫や
腫瘍(癌)免疫を中心とした動物実験のシステムを作り
上げることも重要な課題である。
【0004】以上の観点から、我々が発明したβ-1.3-
1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)は本発明の
実施例にも示すように、既存のβ-グルカンには認めら
れない非常にユニークな生理活性を示すことから医療、
保健、福祉、環境、食品および各種産業分野での幅広い
応用が期待できるものと考えられる。
【0005】
【従来の技術】多糖類はユニークな物性を有するもの、
あるいは生理活性を有するものがあり、さまざま方面か
ら研究開発が行われている(浜田信威:高分子加工9-1
6, 1987、大野尚仁:日細菌誌 527,2000、Kataoka-Shir
asugi N, Ikuta J, Kuroshima A, Misaki A.: Biosci B
iotechnol Biochem 58: 2145, 1994、Saito T, Tsuji
T,Kitazawa H, Kawai Y, Itoh T. Biosci Biotechnol
Biochem 62: 1445, 1998)。多糖類はブドウ糖や果糖
など糖類の最小単位である単糖が多数結びついたもの
で、さまざまな種類がある。そのひとつであるグルカン
はブドウ糖のみが結合したもので、その結合の仕方によ
ってα-グルカンとβ-グルカンの二種類に分けられる
(Hamada N, Tsujisaka Y, Agric Biol Chem 30 : 266,
1966)。その内、β-グルカンはアガリクスやシイタケ
などのキノコ類、でんぷん、セルロース、酵母などの微
生物培養液(微生物多糖類)、紅藻などの海草類に多く
含まれ、特に我々の発明した黒酵母(アウレオバシジウ
ム)が産生するアウレオバシジウム培養液にはβ-グル
カンが大量に含まれ、その量がキノコ類の約10倍以上に
相当し、私たちの健康維持や増進に大きな役割を果たし
ている(藤井昇:βグルカンの威力 ベータグルカン研
究会 著)。
【0006】微生物多糖類の特色は、ユニークな物性や
ざまな生理活性を有することである。すなわち、物性的
には、食品に濃厚性や触感性を与え、増粘剤やゼリー食
品の原料として、さらにカードランに代表される多糖体
は酸化防止フィルムとして利用されている(Szezesniak
AS, Farkas E : J Food Sci 27: 381, 1962、SmieyKM :
Food Technol 20 : 112, 1966)。また、微生物多糖類
は安定性、保水性、分散性などにすぐれた特性を有して
いるので、化粧品、塗料、肥料、製紙、繊維などにも広
範囲な用途が考えられている(Jeans A : Extracellula
r MicrobiolPolysacchardes P. A. Sanford, A. Laski
n, a. Laskin (eds)(Washington,D.C.American Chemica
l Society) 1977)。一方、医薬品への応用としては、
デキストランが代用血漿あるいは血流改善剤として、シ
ゾフィラン、スクレログルカン、カードランなどがその
生理活性を応用して抗癌剤として一部利用されている
(Komatsu N, Ohkubo S, Kikumoto S, Kimura K, Saito
G, Sakai S, Gann 60 :137, 1969、Singh PD, Whisll
er RL, Tokuzen R, Nakahara W : Carbohydr Res37 : 2
45, 1974)。一般にその作用機序は化学的抗癌剤のよう
に直接癌細胞に作用するのではなく、生体の免疫増強に
よるもので、カワラタケの含蛋白多糖 protein-bound p
olysaccharide K (PSK)、シイタケの多糖レンチナン、
スエヒロタケの多糖シゾフィランはすでに癌の免疫療法
剤として実用化されている(SinhaVR, Kumria R. Polys
accharides in colon-specific drug delivery. Int J
Pharm 224: 19, 2001)。カワラタケ由来のPSKの研究に
関しては数多くの論文が報告され、PSKによる生体免疫
反応の増強やインターロイキン-2 (IL-2) やtumor necr
osis factor-α (TNF-α)などのサイトカインの産生誘
導、さらにNK細胞の活性化と癌(腫瘍)免疫への応用な
どが報告され、現在、世界中でPSKの基礎および臨床に
関わる研究が行われている(Garcia-Lora A, Pedrinaci
S, Garrido F.Cancer Immunol Immunother 50: 191, 2
001)。我々も本発明とは異なったタイプのβ-グルカン
が実験動物の系において、メチルコラントレン-Iで誘導
した腫瘍細胞や3LL固形腫瘍に対して抗腫瘍活性をもつ
ことを確かめている(藤井昇、篠原智:宮大農報 33 :
243、1986)。このようにβ-グルカンには物性に加え
て、生理活性として非常にユニークな特徴や作用のある
ものがあり、今後、さまざまな産業分野、特に医療・保
健・福祉、食品、環境の分野での応用が期待されてい
る。特に、環境分野でのβ-グルカンは環境微生物や病
原微生物の処理、水の浄化処理など幅広く利用されよう
としている。我々も「アミー」と言う商品名でβ-グル
カンが食品衛生や環境衛生、さらには公衆衛生の面で大
変有用であることを確認している。
【0007】今回、我々が特に注目している点は、我々
が独自で開発したβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジ
ウム培養液)の健康食品、各種疾病に対する医薬品、病
院内感染防止または環境汚染物質除去に関わる新規素材
(微生物繁殖防止剤)、皮膚の消毒、梅毒、淋病などの
性病の予防、多くの難病の原因とされるウイルス感染予
防、移植後の患者の無菌食、高齢者や女性の健康維持
(妊産婦、更年期障害女性)のための機能的健康補助食
品、皮膚に悪影響を与え、皮膚癌を起こす物理的因子で
ある紫外線防止剤としての応用、肉体疲労やスポーツ後
の肉体疲労物質の経皮的緩和や除去剤としての応用な
ど、医療、保健、福祉、食品、環境およびさまざまな産
業分野での幅広い応用である。また、生体での生理活性
作用(生体のバランスや生体免疫反応の調節作用)の解
明、生体免疫反応を利用したβ-1.3-1.6グルカン(アウ
レオバシジウム培養液)の評価システムなどの開発も上
げられる。
【0008】β-グルカンの生体での効果、特に生体バ
ランスや生体免疫反応の調節作用については多くの研究
が行われてきた。癌や感染症に対する防御効果などはβ
-グルカンが生体免疫反応をコントロールしていること
を示唆するものである。また、免疫担当細胞である単球
やマクロファージにβ-グルカンレセプターが発現して
いること(Czop JK, Kay J : J Exp Med 173 : 1511, 1
991、 Xia Y, Ross GD: J Immunol 162 : 7285, 1999、
Czop JK, Valiante NM, Janusz MJ : Prog Clin Biol
Res 297 : 287, 1989)、さらに、β-グルカンが免疫担
当細胞からの炎症性のサイトカイン、例えばインターロ
イキン1β(IL-1β)のアンタゴニストであるインターロ
イキン1レセプターアンタゴニスト(IL-1Ra)の産生(Pou
tsiaka DD, Mengozzi M, Vannier E, Sinha B, Dinarel
lo CA : Blood 82 : 3695, 1993)、腫瘍壊死因子(tum
or necrosis factor-α : TNF-α)、 インターロイキン
1β(IL-1β)、血小板活性化因子(platelet activatin
g factor : PAF)の産生を誘導することなども報告され
ている(Abel G, Czop JK : Int J Immunopharmacol 14
: 1363, 1992、Elstad MR, Parker CJ, Cowley FS, W
ilcox LA, McIntyreTM, Prescott SM, Zimmerman GA: J
Immunol 52 : 220, 1994)。
【0009】β-グルカンレセプターの詳細な分子構造
解析は、このレセプターが生体免疫反応をコントロール
している補体のC3成分に対するレセプター(CR3)で最
近、接着分子(インテグリン系のCD11b/CD18分子)その
ものであることも明らかにしている(Ress GD, Cain J
A, Myones BL, Newman SL, Lachmann PJ : Complement4
: 61, 1987、Thornton BP, Vetvicka V, Pitman M, Go
ldman RC, Ross GD :J Immunol 156 : 235, 1996)。こ
のCR3(CD11b/CD18)分子は主に単球やマクロファージ
の細胞表面やNK細胞に発現しているレセプターであり、
CD11b/CD18分子に結合したβ-グルカンがこのレセプタ
ー(CR3)分子を経由して活性化されたNK細胞がガン細
胞の破壊や排除に関係していることもがわかってきた
(Di Renzo L, Yefenof E, Klein E: Eur J Immunol 21
: 1755, 1991、Ross GD, Vetvicka V, Yan J, Xia Y,
Vetvickova J : Immunopharmacology 42 : 61, 1999、Y
an J,Vetvicka V, Xia Y, Coxon A, Carroll MC, Mayad
as TN, Ross GD: J Immunol163 : 3045, 1999)。
【0010】β-グルカンレセプターからのシグナル伝
達様式の解析も進み、このシグナル伝達系に免疫B細胞
の核内伝達物質であるNFκBが密接に関与していること
も確認されている(Wakshull E, Brunk-Reese D, Linde
rmuth J, Fisette L, NathansRS, Crowley JJ, Tufts
JC, Zimmerman J, Mackin W, Adams DS : Immunopharma
cology 41 : 89, 1999)。また、ガンの治療モデル実
験では、β-グルカンが補体C3成分のレセプター(CD11
b/CD18分子)であることから(Yan J, VetvickaV, Xia
Y, Coxon A, Carroll MC, Mayadas TN, Ross GD : J Im
munol 163 : 3045, 1999)、このレセプターを介した経
路がガンの特異抗体でオプソニン化されたガン細胞の破
壊に効果的であると報告している(Xia Y, Vetvicka
V, Yan J,Hanikyrova M, Mayadas T, Ross GD : J Immu
nol 162 : 2281, 1999)。一方、免疫反応に影響を与え
る薬剤とβ-グルカンレセプターとの機能的実験も行わ
れており、特に、β-グルカンレセプター(CD11b/CD18
分子)がグルココルチコイドでそのレセプター機能が亢
進することなど、新たなβ-グルカンの生体免疫系での
役割が判明してきている(Yashioka S, Ohno N, Miura
T, Adachi Y, Yadamac T : FEMS Immunol Med MIcrobio
l 21 : 171, 1998、Kay J, Czop JK : Immunology 81 :
96, 1994)。
【0011】β-グルカンのin vivo(動物実験)での効
果も検討されている。すなわち、この研究はβ-グルカ
ン投与マウスが致死量の放射線を受けても延命効果を発
揮すると言うもので、この作用機序としてはβ-グルカ
ンが血液造血細胞(造血幹細胞)を効果的に刺激し、免
疫担当細胞を成熟過程へと方向ずけている結果であると
考えられている(Patchen ML, Mac Vitte TJ, Brook I
: Methods Find Exp Clin Pharmacol 8 : 151, 198
6)。この事実は、β-グルカンが造血幹細胞の分化成熟
にもある種の効果を与えている結果として大変注目され
ている。さらに、β-グルカンが結核感染症やストレプ
トコッカスミュータンスの感染防御にも効果を示すこと
が確認されている(Hetland G, Lovik M, Wiker HG : S
cand J Immunol 47 : 548, 1998、 Jespersgaard C, Ha
jishengallis G, Huang Y, RussellMW, Smith DJ, Mic
halek SM : Infect Immun 67 : 6543, 1999)。これら
の結果は主にβ-グルカンが生体の免疫増強効果を発揮
していることを示唆するものである。一方、これらの生
体免疫増強効果は細胞レベルでは、多くの細胞内伝達物
質が関わっており、最近、このシグナル伝達系に免疫系
の活性化や制御をコントロールしているmitogen activa
ting protein kinase (MAPK)やカルシウムが密接に関わ
っていることも判明してきている(McLeish KR, Klein
JB, Coxon PY, Head KZ, Ward RA : J Leukoc Biol 64
: 835, 1998、Mork AC, Helmke RJ, Martinez JR, Mi
chalek MT, Patchen ML, Zhang GH : Immunopgarmacol
ogy 40 : 77, 1998)。
【0012】臨床的に非常に興味あるデータも報告され
ている。すなわち、血漿中のβ-グルカン類似物質が肺
炎などで上昇することで、この事実は血漿中のβ-グル
カン類似物質の動態が肺炎の治療指標として有益である
ことを示唆するものである。また、この血漿中のβ-グ
ルカン類似物質がエイズ様症状をともなわないカリニ肺
炎でも上昇することから、β-グルカン類似物質の臨床
的な、特に治療・診断のモニタリングとしての有効性が
再確認されてきている(Teramoto S, Sawaki D, Okada
S, Ouchi Y: J Med Microiol 49 : 393, 2000)。
【0013】生体免疫系の調節以外にもβ-グルカンは
さまざまな分野、特に環境の分野で利用されようとして
いる。その一つとして、皮膚に悪影響を与え、皮膚癌を
起こす物理的因子(紫外線)を防止するための新規外用
素材としての応用はアメリカではその効果が確認されて
おり、さらに電離放射線など発癌性をもつ放射線に対し
てもその効果が一部確認されてきている。紫外線や電離
放射線は主に、細胞の死を誘導し、細胞本来の機能を抑
制すると考えられている。これはプログラム死(アポト
ーシス)と呼ばれ、細胞、器官、臓器の発生、分化、発
達においても大変重要な役割をもつ生物現象である(Yo
nehara S, Ishii A, Yonehara M. J ExpMed 169 : 174
7, 1989)。また、免疫系においてもアポトーシスはリ
ンパ球の分化や成熟、さらに癌破壊に密接に関わるメカ
ニズムとして大変重要な免疫反応である。アポトーシス
はさまざまな条件下で生じる生物現象で、核内DNAの分
断(ラダー現象)がその特徴である(Gunji H, Kharban
a S, Kufe D. Cancer Res51 : 741, 1991)。このDNAの
ラダー現象にはエンドヌクレアーゼと言われる酵素が関
与し、現在さまざまな酵素が発見されている。一方、ア
ポトーシスを抑制し、細胞の死滅を防ぐ方法やそれに関
わる分子(遺伝子やタンパク質)もいくつか同定されて
いる。また、アポトーシス誘導のメカニズムも明らかに
され、特に、細胞内セカンドメッセンジャー、Ca2+の細
胞内流入、 protein kinase C (PKC)、protein kinase
A (PKA)、protein tyrosine kinase (PTK)などのリン酸
化酵素群、cAMP、cGMPまたは分裂増殖に密接に関わる分
子などが密接に関わっていると考えられている(Takaya
ma E, Seki S, Ohkawa T, Ami K, Habu Y, YamaguchiT,
Tadakuma T, Hiraide H. J Immunol 164 : 5652, 200
0)。我々が開発したβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバ
シジウム培養液)も、細胞の分裂や増殖を誘導する反
面、白血病細胞には細胞死(アポトーシス)を誘導する
など、生理活性としてさまざまな機能を有していること
を確認している。
【0014】一方、本実施例からも紫外線照射による細
胞死を1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)
が約50%その影響を抑制することは、今までに報告され
ておらず、特に、戸外で働く労働者、スポーツ選手、ま
た夏の海水浴シーズンでの日焼け防止や皮膚癌の予防に
おける新規素材としての応用できると思われる。最近、
A型ボツリヌス毒素が腰痛を緩和することがJabbari博士
より報告された(Foster L, Clapp L Erickson M Jabba
ru B. Neurology 56 : 1290, 2001)。それはA型ボツリ
ヌス毒素を注射された患者さん73%が痛みの程度が50%
以上軽減されたと言うものである。そのメカニズムはA
型ボツリヌス毒素が筋痙攣の量や程度を緩和する、薬剤
が感覚繊維からのインプットを減らす、痛みの受容器に
働きかけるなどが考えられている。そこで我々が開発し
たβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)も
紫外線による細胞への悪影響を50%緩和することから、
β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)の皮
膚への擦り込みが筋肉疲労物質の除去や緩和に応用でき
る可能性があると考え、大変興味い深い。
【0015】アウレオバシジウム培養液の主成分はβ-
1.3-1.6グルカンであるが、我々はアウレオバシジウム
培養液からβ-1.3-1.6グルカンを分離精製し、その効果
をさまざまな分野で解析しているわけでは無く、アウレ
オバシジウム培養液そのものを解析に用いている。そう
言う意味からアウレオバシジウム培養液にはβ-1.3-1.6
グルカン以外にも未知の生理活性物質が存在する可能性
があると考えられる。そこで我々はアウレオバシジウム
培養液中の免疫系の活性化や調節に関わる新規の物質の
同定を試みた。その結果、アウレオバシジウム培養液中
に、免疫活性作用をもつCD24、mNI-37分子分子が存在し
ていることが明らかになった。CD24分子は以前はheat s
table antigen (HSA)と呼ばれていた物質で、免疫担当
細胞のB細胞に主に発現している分子である(Mittler R
S, Talle MA, Carpenter K, et al.J Immunol 131 : 17
54, 1983)。機能としてはB細胞の分化成熟、抗体産生
の調節などに深く関与している。 CD24分子の構造は糖
鎖構造を多く持つのが特徴である。最近、このCD24分子
が細胞と細胞の接着分子としての機能を有していること
がわかり、CD24分子の免疫反応における重要な役割を果
たしていることが判明してきた(Kadmon G, Eckert M,
Sammar M, et al. J Cell Biol 118 : 1245, 1992)。
また臨床的にも悪性度の高い乳癌にはCD24分子が高頻度
に発現していることが判明し、このCD24分子を指標に乳
癌の悪性度を診断、またはCD24分子を標的にした免疫療
法(抗体によるミサイル療法など)が行われている。我
々もこのCD24分子がリンパ球系細胞でないHela細胞(本
実施例でも使用)に発現していることを見い出し、この
CD24分子が細胞内セカンドメッセンジャー、特にリン酸
化酵素protein kinase C (PKC)によって制御されている
ことも突き止めている(Tadakuma T, Ikewaki N, Yasud
a T, Tsutsumi M, Saito S, Saito K. AntimicrobAgent
s Chemother 28 : 28, 1985)。一方、mNI-37分子は我
々自身で見い出した非常にユニークな物質である(Shib
uya, A, Ikewaki, N. Hepatology Researchin pres
s)。この分子は42kDaの分子量で、細胞膜表面には存在
せず、細胞質内や核内に存在している。またこの分子は
前述した細胞のプログラム死(アポトーシス)を起こし
た細胞にのみに発現することから、細胞の増殖や分化周
期に関わっているものと考えられる。また、この分子は
C型肝炎ウイルスに感染し、肝硬変や肝臓癌を伴った患
者の末梢血リンパ球にも有意に発現することから、これ
らの疾病の発症メカニズムにも深く関与しているものと
考えられる。以上のようアウレオバシジウム培養液中に
は主成分として含まれるβ-1.3-1.6グルカン以外にも生
体免疫反応をコントロールする分子群 (CD24およびmNI-
37分子)が存在することはβ-1.3-1.6グルカンと相乗効
果を促して、アウレオバシジウム培養液の最大限の効果
が発揮されているものと予想される。これは新しい機能
的健康食品の形態を作り上げる第一歩であると思われ
る。
【0016】一方、β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシ
ジウム培養液)は粘性に富み、さまざまな物質を吸着す
る能力を有する。本実施例でもβ-1.3-1.6グルカン(ア
ウレオバシジウム培養液)がポリオウイルスを吸着し、
β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)がウ
イルスの細胞の感染を抑制する効果を得ている。このこ
とはβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)
が薬剤を包み込み、効果的に薬剤の効果を発揮するドラ
ッグデリバリーシステム(DDS)として応用が可能であ
ることを示唆している。特に、結核、リステリア、チフ
スなどの細胞内細菌感染症、また各種ウイルス、特に血
液を介して感染する肝炎ウイルス(B,C型)、エイズウ
イルス、また成人Tリンパ球白血病ウイルスやヒトパピ
ローマウイルスなどの癌ウイルスに対するDDSとしての
利用が可能であると思われる。以前から、DDSの対象と
してはリン脂質やコレステロールで作製されたリポソー
ムが利用されてきた。例えば、抗癌剤や抗菌剤などをこ
のリポソームにトラップさせ、副作用が少なく、薬効が
長期に持続性するDDSが応用されてきた。我々も、スト
レプトマイシン (SM)をリポソームに封入し、このSM封
入リポソームがDDSとして実験マウスチフス症の治療に
非常に有効であることを報告している(Ikewaki N, Yam
amoto R, Mori N et al. J Kyushu Univ Health and We
lfare 1 : 123,2000)。しかしながら、リポソームの作
製、薬剤の封入条件が一定しないことなどから、それに
代わるDDSが望まれていた。そこでβ-1.3-1.6グルカン
(アウレオバシジウム培養液)が新しいタイプのDDSと
して応用できる可能性が出てきたわけである。
【0017】多くの多糖類やβ-グルカンが自然界から
見い出されさまざまな領域で利用されてきている。しか
しながら、問題点としてこれらの多糖類の効果を評価で
きる一定した評価システムが無いことである。そこで、
これらの多糖類やβ-グルカンの生体での効果を評価で
きるシステムの開発が望まれるようになってきた。この
評価システムを開発するためにさまざまな方法が利用さ
れてきたが、まだ一定の評価システムは開発されていな
い。そこで我々は免疫系のメデイエーターであるサイト
カイン、特に数多くのサイトカインの中からインターロ
イキン-8(IL-8)の産生動態に着目し、このIL-8を指
標に多糖類やβ-グルカンの効果を評価できる新規の評
価システムを開発した。IL-8は主に好中球や単球、マク
ロファージから産生される走化性を有するタンパク質で
ある(de Boer JH, Hack CE, Verhoeven AJ, Baarsma G
S, de Jong PT, Rademakers AJ, de Vries-Knoppert W
A, Rothova A, Kijlstra A. Invest Ophthalmol Vis Sc
i 34 : 3376, 1993)。しかし、最近ではほとんどすべ
ての細胞からIL-8が産生されることが確認され、またそ
の誘導剤もさまざまなものが見つかっている。例えば、
細菌の内毒素であるリポポリサッカライド (LPS)、グラ
ム陽性および陰性細菌、寄生虫、ウイルス、各種マイト
ーゲン、各種サイトカイン、protein kinase C (PKC)
活性剤であるフォルボールエステル(PMA)、また環境の
分野では水銀、ハウスダスト、デイーゼル排気ガスなど
が上げられ、その作用メカニズムは短期間でIL-8mRNAの
発現とタンパク質分泌が誘導されると言うものである
(Vlahopoulos S, Boldogh I, CasolaA, Brasier AR. B
lood 94 : 1878, 1999)。特に環境ホルモンによるIL-8
産生の動態変化は環境問題を考察していくには非常に重
要な情報を提供してくれるものと思われる。また、IL-8
は抗菌/抗癌サイトカインとも言われ、このサイトカイ
ンには多くの微生物や癌細胞を死滅させる能力がある
(Wigmore SJ, Fearon KC, Maingay JP, Lai PB, Ross
JA. Am J Physiol 273 : E720, 1997、Akiba J,Yano H,
Ogasawara S, Higaki K, Kojiro M. Int J Oncol 18 :
257, 2001)。以上のように、IL-8は生体の微妙な免疫
系の変化に対して産生されるサイトカインであるため、
IL-8産生の動態変化を捕らえたことは微妙な生体変化を
客観的に把握できる利点があり、IL-8産生の動態変化を
捕らえた我々のβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウ
ム培養液)の評価システムは生体免疫反応を解明するた
めの格好のシステムであると考えられる。さらに、この
評価システムはβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウ
ム培養液)の生体での効果を評価するのみならず、さま
ざまな構造をもった1.3-1.6グルカン(アウレオバシジ
ウム培養液)アナログの生体での効果も評価できるシス
テムであると考えられる。
【0018】以上のような背景から、β-1.3-1.6グルカ
ンに関しては実にさまざまな分野でその効果が報告され
始めてきている。我々が発明したβ-1.3-1.6グルカン
(アウレオバシジウム培養液)にも今までのグルカンに
はない非常にユニークな物性や生理活性があることが判
明してきている。本発明の実施例では既存のβ-グルカ
ンには認められない非常にユニークな物性と生理活性を
さまざまな手法を用いて証明していくと共に医療、保
健、福祉、環境、食品およびさまざまな産業分野での幅
広い応用が可能であると考えられる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】β-グルカンは物性と
生理学的特性から生体のバランスを調節する非常に興味
深い物質であることが判明してきた。さらに本発明の実
施例でも示すように、我々の発明したβ-1.3-1.6グルカ
ン(アウレオバシジウム培養液)は既存のβ-グルカン
と比較して非常にユニークな特性を示すこともわかって
きた。しかしながら、β-グルカンの詳細な作用機構や
産業上での応用、特に医療、保健、福祉、環境、食品お
よび各種産業分野に関してはまだ未解明な点も多いのが
現状である。そこで、我々は独自で開発したβ-1.3-1.6
グルカン(アウレオバシジウム培養液)の医療、保健、
福祉、環境、食品およびさまざまな産業分野での応用を
試みるための基礎的な研究を試みている。
【0020】産業上での応用に関しては健康食品、各種
疾病に対する医薬品(研究用、治療用、臨床検査キッ
ト)、病院内感染防止または環境汚染物質除去に関わる
新規素材(微生物繁殖防止剤)、皮膚の消毒、性病(梅
毒や淋病)の予防、多くの難病の原因とされるウイルス
感染症の予防、移植後の患者の無菌食、高齢者や女性の
健康維持(妊産婦、更年期障害女性)のための機能的健
康補助食品などが上げられる。また、皮膚に悪影響を与
え、皮膚癌を起こす紫外線防止剤としての応用は、戸外
で働く労働者、スポーツ選手、また夏の海水浴シーズン
での日焼けを防止するのに期待できる。さらに肉体疲労
やスポーツ後の肉体疲労物質の経皮的緩和や除去剤とし
ても非常に有用である。
【0021】一方、β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシ
ジウム培養液)の生体免疫系の調節効果はもちろんのこ
と、β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)
の生体での作用機序の解明やβ-1.3-1.6グルカン(アウ
レオバシジウム培養液)の評価できるシステムの開発は
医療、保健、福祉、環境、食品およびさまざまな産業分
野での応用としての非常に重要な基礎研究である。ま
た、生体での効果を評価するためには、感染免疫や腫瘍
(癌)免疫を中心とした動物実験のシステムを作り上げ
ることも重要な課題である。
【0022】これら全ての課題は早期に解決できる内容
であり、本実施例にも示すように1.3-1.6グルカン(ア
ウレオバシジウム培養液)が今までに報告されていない
非常にユニークな物性や生理活性をもつことが明らかに
されてきている。
【0023】
【課題を解決するための手段】発明者らは最新の培養技
術で培養された黒酵母菌(アウレオバシジウム)の産生
するβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)
の各種産業分野での応用として、生体免疫反応に与える
影響や効果を最新の免疫学的手法を取り入れ解析を行っ
ている。
【0024】その結果、このβ-1.3-1.6グルカン(アウ
レオバシジウム培養液)が生体免疫反応の主役を演じて
いるリンパ球の数を増やすこと、DNA合成能(細胞分
裂)を誘導すること、単球系モデル細胞の形態変化や細
胞膜表面上の機能的な分子(レセプター)を修飾するこ
と、抗体産生能、各種サイトカインの産生能、細胞膜表
面分子の動態変化、細胞内セカンドメッセンジャーの動
態に影響を与えることなど、β-1.3-1.6グルカン(アウ
レオバシジウム培養液)が生体免疫反応を高める性質が
あること見い出している。さらにβ-1.3-1.6グルカン
(アウレオバシジウム培養液)に手、足および性器に付
着した病原および非病原微生物の増殖を抑制する作用が
あることも見い出している。今までに一部のβ-グルカ
ンで生体免疫反応を高める作用があることは報告されて
いたが、我々の発明したβ-1.3-1.6グルカン(アウレオ
バシジウム培養液)は、今までに報告されたβ-グルカ
ンとは異なった非常にユニークな物性や生理活性作用を
示すことが判明してきている。我々が最新培養技術で開
発したβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養
液)はさまざまな産業分野(医療、保健、福祉、環境さ
らには食品工業)で応用可能な新規のβ-グルカンであ
る。
【0025】この発明で用いられるβ-1.3-1.6グルカン
(アウレオバシジウム培養液)は我々独自で開発改良を
加えた最新培養技術で産生されたβ-グルカンである。
このβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)
にはキノコの約10倍量のβ-グルカンが含まれている。
【0026】β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム
培養液)の生体免疫系への影響・効果を解析するために
健常人の末梢血から末梢リンパ球を常法により分離す
る。次ぎに分離されたリンパ球をβ-1.3-1.6グルカン
(アウレオバシジウム培養液)添加群と無添加群に分
け、培養液にて一定期間培養し、β-1.3-1.6グルカン
(アウレオバシジウム培養液)のリンパ球数、リンパ球
の細胞分裂、IgG抗体産生量、サイトカイン産生に与え
る影響を検討する。また、位相差顕微鏡を用いてその形
態変化を観察する。さらにβ-1.3-1.6グルカン(アウレ
オバシジウム培養液)培養後のリンパ球細胞表面分子
(レセプター)の検討、癌細胞(白血病細胞)の増殖に
与える影響、β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム
培養液)の生体に付着した微生物の除去効果などを検討
する。本実施例に示す培養液としてはRPMI1640に10% fe
tal calf serum (FCS)や20% human serum (HS)を加えた
ものを用いる。リンパ球細胞表面分子(レセプター)の
解析には特異的レセプター(分子)を識別するモノクロ
ーナル抗体(CD分子に対するモノクローナル抗体)を用
いて解析する。この抗体の一部は我々独自で開発したも
のも含まれる。
【0027】リンパ球の数の算定には血球計算板を用い
て位相差顕微鏡下で観察、算定する。リンパ球の細胞分
裂(DNA合成能の測定)には一般的な方法を用いる。すな
わち、細胞周期に関わるDNA合成能をアイソトープであ
るトリチウムサイミジン(3H-thymidine)を用い、その取
り込み量を液体シンチレーションカウンターで測定する
ものである(一分間あたりのカウント数cpmで表す)。
【0028】β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム
培養液)によるヒト末梢血リンパ球からの抗体産生量、
すなわち、免疫細胞であるB細胞からのIgG抗体産生量の
測定は酵素抗体法を用いて測定する。すなわち、常法に
従い、2抗体酵素抗体、enzyme immunoassay (EIA)法を
用いて、実際の培養液中の抗体量を測定する。抗体量を
測定する方法は種々あるが、例えばプラーク法を用いた
方法、オクテロニー法、蛍光抗体法などがある。本実施
例で用いたEIA法は感度が非常に高く、少量の材料でも
測定可能であることから免疫学的検査法として常用され
ている方法である。
【0029】β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム
培養液)によるリンパ球への影響を検討するために、免
疫系の中枢に密接に関わっているサイトカイン(インタ
ーロイキン、インターフェロン)の産生量を酵素抗体法
で測定する。酵素抗体法は血清や培養液中のサイトカイ
ン量を測定する方法で、現在種々の会社からキットが販
売されている。今回はヒトの免疫系に密接に関わるサイ
トカイン(インターロイキン1、2、4、6、8、インター
フェロンγ)を本方法を用いて測定する。このサイトカ
インの量やその動態は生体の免疫システムを評価するた
めに非常に有益な方法である。
【0030】β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム
培養液)によるリンパ球の形態変化を検討するために、
β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)で培
養されたリンパ球を位相差顕微鏡下で観察する。次にそ
の形態変化、特に細胞の形、細胞表面のラッフル構造の
変化を観察し、写真撮影する。今後は走査型の電子顕微
鏡 (SEM) を用いてより詳細に細胞の形態を観察する。
【0031】β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム
培養液)で培養したリンパ球またはモデル細胞表面分子
(レセプター)の動態変化に検討に関してはフローサイ
トメトリー法(fluorescence activated cell sorter :
FACS)を使用する。この方法は免疫学的解析手段とし
て、細胞表面抗原、レセプターの動態を解析し得る最新
鋭の方法である。この測定は細胞表面に特異的に反応す
るモノクローナル抗体と蛍光で標識した抗体を用いて行
う方法で、実際には蛍光強度をレーザー光反射量を取り
込んでコンピューターで画像解析し、結果をヒストグラ
ム化する方法である。
【0032】β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム
培養液)の癌細胞、特に白血病細胞の増殖に与える影響
は、ある一定期間、β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシ
ジウム培養液)で培養されたガン細胞の生死をもって判
定する。すなわち、本法はβ-1.3-1.6グルカン(アウレ
オバシジウム培養液)で培養された白血病細胞を回収
し、血球計算板を用いて癌細胞の生死をカウントし、癌
細胞の増殖度を検討するものである。一部の実験では染
色液を用いて細胞を実際に染色し、β-1.3-1.6グルカン
(アウレオバシジウム培養液)の癌細胞の増殖度に与え
る影響を検討する。
【0033】β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム
培養液)の環境微生物の除去効果の検討には、パームス
タンプ(普通寒天培地)(手のひら用)を用いる。この
方法は、パームスタンプ上で増殖した微生物のコロニー
をカウントする方法で、皮膚表面に付着した環境微生物
の数を簡単に検討できる方法である。今回は寒天培地と
してトリプトソイ普通寒天培地(培地:トリプトン、ソ
イペプトン、塩化ナトリウム、寒天)を用いたが、例え
ば病院内感染の主な微生物であるブドウ球菌を調べる場
合にはマンニット食塩寒天培地、食中毒などに関係する
サルモネラ菌や大腸菌群などにはSS(Salmonella-Shigel
la) 寒天培地やドリガルスキーの寒天培地などの選択寒
天培地などを用いる。それそれの寒天培地にはフェノー
ルレッドやBTB(ブロムチモールブルー)などのpH指示
薬が入っており、培地の色を判定することで微生物の増
殖を知ることができる。
【0034】β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム
培養液)の病原微生物の除去効果の検討には、普通寒天
培地平板法を用いる。この方法は、[0033]のパームスタ
ンプ法と同様、寒天平板上で増殖した微生物のコロニー
をカウントする方法である。これは微生物の数を簡単に
検討できる方法である。寒天培地としてトリプトソイ普
通寒天培地(培地:トリプトン、ソイペプトン、塩化ナ
トリウム、寒天)を用いたが、今回は病原微生物(ブド
ウ球菌、大腸菌、サルモネラ菌、緑膿菌)を対象にした
ため、マンニット食塩寒天培地、SS(Salmonella-Shigel
la) 寒天培地やドリガルスキーの寒天培地などの選択寒
天培地などを用いる。さらにハートインフュウジョン培
地を用いる。これと並行して増菌用に普通ブイヨンも用
いた。それそれの寒天培地にはフェノールレッドやBTB
(ブロムチモールブルー)などのpH指示薬が入ってお
り、培地の色を判定することで微生物の増殖を知ること
ができる。
【0035】ウイルス感染防御効果をポリオウイルスを
用いる。Hela細胞(子宮頚部癌の株化細胞)はポリオウ
イルスの標的細胞として利用され、ポリオウイルス感染
実験に関しては多くの論文がある。培養後のHela細胞の
ポリオウイルスによる細胞変性効果(CPE)は位相差顕微
鏡下で観察し、または色素染色をして、その染色の強弱
をコンピューターに取り込み画像処理し、細胞変性効果
(CPE)を定量化する。Hela細胞へのポリオウイルスの吸
着や感染はポリオウイルスレセプター(CD31分子)に対
するモノクローナル抗体を利用し、感染メカニズムの詳
細を解析する。
【0036】紫外線による細胞死の抑制効果を検討する
ために[0035]と同様にHela細胞を用いた。これは[0035]
での実験結果を基礎にしたためにこの細胞を用いた。ま
た接着細胞であるため、形態や容易に観察し易い利点が
ある。紫外線ソースはクリーンベンチ付属紫外灯を使用
した。紫外線照射による細胞変性の確認は位相差顕微鏡
下で観察すると同時に、トリパンブルー染色液で染色
し、死細胞と生存細胞を明瞭に区別する。これも細胞変
性を検討するためには簡単で有効な方法である。さら
に、この紫外線照射による細胞変性にはプログラム死
(アポトーシス)が関与していると考えられるので、ア
ポトーシス検出キットやDNAの破壊(ラダーパターン)
を電気泳動法(ミニゲル)で分離し、エチルブロミドで
染色し、DNAの破壊(ラダーパターンを観察し、写真撮
影する。この方法も、アポトーシス検出には確立された
方法で、鋭敏かつ簡単な方法で、アポトーシス検出が可
能である。
【0037】β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム
培養液)の生体での効果をするための新規評価システム
の開発と確立を行うために生体免疫反応に密接に関与す
るサイトカインでありインターロイキン-8 (IL-8)の動
態を指標に検討した。IL-8はさまざまな物質で産生さ
れ、早期にmRNAやタンパク質レベルでその変動を確認す
ることができる。培養細胞株(U937細胞)は免疫いシス
テムを解明するためのモデル細胞として世界中で使用さ
れ、多くの論文があり、また、ヒト末梢血リンパ球は生
体での1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)
の作用を解析いするためには非常に有益な細胞である。
培養液中に含まれるIL-8の産生量を酵素抗体法(TFB
社:IL-8検出キット)を用いて測定する。この測定系は
非常に安定した系で感度も高く再現性が高い方法であ
る。
【0038】β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム
培養液)の培養細胞株に対するDNA合成能をトリチウム
サイミジン(3H-tymidine)用いてのDNA合成能の測定を
行った。この方法も細胞のDNA合成能を測定するには一
般的な方法でかつ、感度が高く、方法論としては簡単な
操作である。
【0039】β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム
培養液)の作用メカニズムを解明すための手段として、
特に細胞内シグナル伝達系に密接に関わるリン酸化酵素
であるprotein kinase C (PKC)、protein tyrosine kin
ase (PTK)、Ca2+の細胞内流入を特異的に抑制する薬剤
(インヒビター)を用いる。免疫学や薬理学の分野では
比較的頻繁に使用される薬剤で、その作用機序やメカニ
ズムも十分解明されている薬剤をβ-1.3-1.6グルカン
(アウレオバシジウム培養液)の作用メカニズムを解明
すための手段として用いる。またこれらの薬剤の効果を
判定するために[0037]で用いた我々が独自に開発した方
法論を用いた。この方法論は特異性が高く、再現性にも
優れている。
【0040】実験動物を用いてβ-1.3-1.6グルカン(ア
ウレオバシジウム培養液)の生体免疫反応に与える影響
を検討した。β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム
培養液)の生体免疫反応に与える影響を検討するために
実験動物 (BALB/C および C57BL/6Nマウス)を用いた。
これらのマウスは生体免疫反応解析するために頻繁に使
用されるマウスで、これらのマウスを用いた研究論文は
数多くあるため、さまざまな側面から実験結果を検討す
ることができる。生体免疫反応を解析するための実験系
としては、マウスはキラーT細胞の活性化能、NK細胞活
性化能を用いる。これらの細胞群の検査には標的細胞を
51Cr(クロム)でラベルし、その標的細胞からの51Crの
遊離をγカウンターで測定することで活性能を調べる。
この方法はキラー活性を調べる一般的な方法で、かつ感
度が高く再現性に優れている。抗体産生能はヒツジ赤血
球を標的とした補体依存性のプラーク法を用いて検査す
る。この方法も感度が高く再現性に優れている。サイト
カインの産生能はEIA法で検査する。この方法も感度お
よび再現性が優れている。一方、感染治療実験では、マ
ウスにチフス症を起こすSalmonella enteritidis 116-5
4を感染させ、感染後、1週間目のマウスの生存状態から
β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)の生
体免疫反応に与える影響を検討する。このマウスチフス
症の実験モデルは我々が確立したもので、再現性に優れ
たマウスの感染実験モデル系である。また、各臓器の細
菌数を測定することで、実際の感染状態を数値化して解
析することもできる。実際には各臓器(肝臓、脾臓、
腸、脳)をホモゼネートし、その一部を寒天平板上にま
き、平板上に発育した菌のコロニー(集落)をカウント
する方法である。この方法も再現性に優れ、細菌学の分
野では頻繁に用いられる方法である。
【0041】以上、本発明のβ-1.3-1.6グルカン(アウ
レオバシジウム培養液)は生体のバランス(生体免疫反
応)調節する機能的健康食品や医薬品として安全で、非
常にユニークな物性や生理活性をもつ素晴らしい物質で
あることが判明した。また本実施例に示すように、我々
の開発したβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培
養液)に匹敵する機能的健康食品は現在まだ報告されて
おらず、大変素晴らしい健康食品であることもわかっ
た。このβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養
液)の応用範囲は本実施例で示した医療、保健、福祉、
食品、環境分野、さらにはさまざまな産業分野で応用が
可能であることが判明した。
【0042】一方、我々が発明したβ-1.3-1.6グルカン
(アウレオバシジウム培養液)は本発明の実施例にも示
すように、既存のβ-グルカンには認められない非常に
ユニークな生理活性を示すと共に、既存のβ-グルカン
以上の生体のバランス(生体免疫反応) 調節機能が備わ
っているβ-グルカンあることが明らかになり、今後、
β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)の各
種産業分野での幅広い応用が期待される。β-1.3-1.6グ
ルカンを主成分とするアウレオバシジウム培養液を製造
するために使用した微生物であるFERM P−180
99の科学的性質及び分類学の位置と菌学的特徴は次の
通りである。 科学的性質及び分類学の位置 (科学的性質)本菌は高粘稠の高分子多糖を産生する。
本物質はエタノールで容易に凝集して簡単に回収でき
る。本多糖はβ型で、主鎖は1,3結合であり、3と6
の位置より分岐をもつ酸性多糖である。有機酸としてリ
ンゴ酸、リン酸などのカルボン酸を含有する。又、アル
ミニウムイオンなどにより容易に凝集する。本物質は飼
料として発育促進や排水処理にも有効であり、免疫を有
する食品添加物、機能性食品として有効である。 (分類学上の位置)ポテトデキストロース寒天斜面培養
上、25℃、7日間培養で黒褐色のコロニーを形成す
る。コロニー周縁は糸状様発育で次第に淡黒褐色とな
る。細胞は糸状様で、時に分節胞子、酵母様の出芽分生
子,卵形の酵母様単細胞,時として厚膜胞子細胞も形成
される。発育温度25℃、グルコース、フラクトース、
ガラクトースなどのヘキソース、スクロース、又デンプ
ンを分解する。培養液は顕著な粘稠になる。 菌学的性質から不完全菌類、黒色菌科のAureobasidium
pullulansと近縁。分離菌の菌学的特徴 コロニーは初め表面平滑で灰白色、粘液性、光沢のある
油滴状(脂肪様)の酵母様に発育し、その周縁から糸状
の菌体が放射状に成長し、ちぢれた様な糸状で丁度樹枝
状発育をする。この糸状菌体は培地表面のみならず培地
中にもよく発育する。しばらくするとコロニー表面に淡
暗褐色の斑点が点々と現われ次第に黒色の斑点になり遂
に全面が暗黒色となる。この糸状菌体に淡褐色の楕円又
は卵形の多数の分生子を側生する。この分生子は容易に
ばらばらになる。一方油滴状のコロニーの表面にも点々
と分生子をつける。糖類を含んだ培養液は非常に粘稠性
となり、液面に厚いコロニーで皮革の黒色培苔を生ず
る。最適発育温度は20〜25℃でブドウ糖、シヨ糖な
どの糖類からアルコール類、有機酸類を生成し、又特有
の芳香を有する。 1.培養的特徴 (イ)固体培地:バレイシヨ、グルコース寒天培地上最
初コロニーは表面平滑、透明、光沢ある油滴状、粘稠の
灰白色の酵母様で、コロニーの周縁から放射状にちぢれ
た糸状様の丁度樹枝状の菌体が発育し、この糸状様菌体
は培地表面のみならず、培地中にもよく発育する。やが
て樹枝様のところどころの部分黒褐色になる。培養して
3〜4日たつとコロニー表面に淡暗褐色の斑点が点々と
現れるが、以後次第に淡暗黒色になり全面に広がり、遂
に全体が黒色になる(培養7日)。尚ツアペツク寒天培
地上では発育はおそいが培養的特徴は前記の様である。
コロニー表面が全面黒色になるのに3週間ぐらいかか
る。 (ロ)液体培養:バレイシヨ、グルコース培地中点々と
浮遊状態に菌体が発育し(培養3日)、次第にコロニー
が増え、やがて(培養7日)液中に粘性のコロニーが充
満する。そして管壁に暗褐色の菌苔が現れ、次第に液面
にも出来る(培養15日)。この菌蓋はゼラチナスな粘
性のある厚いものである。尚ツアペツク培地中にも同様
に発育するが非常におそく菌体も少なく、約3週間で液
面にかなりの黒色菌苔をつくる。 2.形態的特徴 若い細胞は透明な糸状のちぢれた樹枝状で、菌体(糸状
様)はところどころから黒く卵形の胞子様のものが側生
する。又油滴状のコロニーはその中に点々と黒色の胞子
様のものが着生する。これは衝撃をあたえるとばらばら
になる。 3.生理的特徴 最適発育温度は20〜25℃、グルコース、シユークロ
ースなどから粘性物を生成又グルコースなどの糖類か
ら、アルコール類、有機酸類を生ずる特有の芳香を有す
る。
【0043】本発明の目的には、本菌を培養した液、即
ちアウレオバシジウム(Aureobasidium)培養液がその
まま使用できるが、この培養液を遠心分離にかけた後の
上清液が有効に使用される。遠心分離をしないアウレオ
バシジウム培養液をそのまま利用することによる効果は
遠心分離した場合と比較して同等以上である。
【0044】また、本菌をそのまま培養すると黒色とな
るが、培養時にビタミンEと乳化剤としてレシチンを含
んだ培地に培養すると無添加にくらべて、淡黒灰白色と
なり、黒色化を抑制され、顕著な粘性培養液が得られ
る。即ち、本菌の生産培地組成は蔗糖1%、米糠0.2
%、レシチン0.2%、ビタミンE0.2%、水100ml、pH
5.2で、この培養液を1kg/cmの高圧蒸気殺菌して、本
菌を接種し、ジャファーメンターで25℃、0.5ml/min、1
00rpm、72時間、通気攪拌培養後、1kg/cm、15分間、
高圧蒸気殺菌する。
【0045】<菌の性質と培養技術> 1.アウレオバシジウム培養液中の糖含有量を一定に保
つ培養終点の決定方法 従来のAureobasidium.spを用いた多糖溶液であるアウレ
オバシジウム培養液の製造では、培地に用いる米糠の個
体差が影響し、同一培地組成・培養条件・培養時間にお
いても得られる培養液の物性および組成に差が見られ
た。そこで、アウレオバシジウム培養液特有の物性であ
る粘度の値により培養終点を決定していたが、アウレオ
バシジウム培養液は一様の液体ではなく、同一培養時間
において多検体の粘度測定を行った場合でも検体毎の値
に±5%の差が生じていた。そのため粘度は明確な培養
終点の指標とは成り得ず、培養の経時変化を正確に捉え
ることが難しく、製造毎でアウレオバシジウム培養液に
差が生じる原因となっていた。この問題を解決するため
に、培地中の炭素源と目的生産物の一つであるβ-1.3-
1.6-グルカンの測定値を指標とし、複雑な菌体の代謝を
明らかにした。
【0046】培養時における菌の代謝は大きく1)培養
20〜50時間に見られる培地中のサッカロースの加水
分解。2)培養45〜70時間にみられる分解して得ら
れたグルコースの消費、並びに目的産物のβ-1.3-1.6-
グルカンの合成。3)培養55〜90時間にみられる分
解して得られたフルクトースの消費、並びにブルラン及
びオリゴ糖の合成。の3段階に分別できた。これらの実
験結果より菌体の成長・代謝には、培地に用いる米糠中
の窒素・脂質が大きく関与しており、培養時間が直接炭
素源の消費並びに多糖の合成には関係してないことが明
らかとなった。又、問題とされていたアウレオバシジウ
ム培養液の物性・組成を大きく左右しているのが、目的
産物であるβ-1.3-1.6-グルカンの合成、並びにブルラ
ン及びオリゴ糖の合成であることが明らかとなった。そ
こで従来の粘度測定の変わりに、残存グルコース測定に
より前述2)の代謝が終了していることの確認と、残存
フルクトース測定により前述3)の代謝の進行を観察す
ることにより、製造毎において定めた物性・組成のアウ
レオバシジウム培養液を得ることが出来た。
【0047】2.菌体のコロニー形成の軽減 従来のAureobasidium.spを用いた製造方法にて得られ
た、多糖溶液であるアウレオバシジウム培養液中には菌
体の大きな塊が見られた。これらの菌体塊はアウレオバ
シジウム培養液自体の粘性が高いことから取り除くこと
が難しく、培養液が一様でない原因の一つであった。こ
の問題を解決すべく、アウレオバシジウム培養液の組成
を変化させること無く、菌体塊を減少させることを行っ
た。
【0048】Aureobasidium.spは大きく分け、菌糸体と
酵母状の分生子の2形態をとる菌である。問題となる菌
体塊は菌糸体により形成されており、菌糸体の成長には
窒素源として培地に加える米糠が大きく関係しており、
米糠を核として菌体塊を形成することが明らかとなっ
た。又、培養時における菌の代謝は、1)培養20〜5
0時間に見られる培地中のサッカロースの加水分解。
2)培養45〜70時間に見られる分解して得られたグ
ルコースの消費、並びに目的産物のβ-1.3-1.6-グルカ
ンの合成。3)培養55〜90時間に見られる分解して
得られたフルクトースの消費、並びにブルラン及びオリ
ゴ糖の合成。の大きく3段階に分別でき、製造の目的で
ある2)の代謝には膨張した酵母状の分生子が関与して
おり、菌糸体は直接代謝に関係していないことが明らか
となった。
【0049】そこで培地に用いる米糠を細粒状に粉砕す
ることにより、窒素源としての効果をより向上させると
同時に、核となる米糠を軽減し大きな菌体塊の形成を抑
制することが出来た。また上述の細粉した米糠を用い培
養を行った場合、従来法と同程度の培養時間にて、従来
の物と同じ組成のアウレオバシジウム培養液を得ること
が出来た。
【0050】また、米糠を細粒状に粉砕し、水に混和さ
せ、熱にて殺菌処理した後、静置し得られた上清を用い
て菌の培養を行うことにより、更にアウレオバシジウム
培養液中の菌体塊形成を抑制することが出来た。更に、
熱による殺菌時における米糠の不溶成分の炭化も起こら
ず、透明度の高い多糖溶液を得ることが出来た。また上
述の培地作成方法にて培養した場合、膨張した酵母状の
分生子の数が減少するため代謝には従来に比べ時間を要
するが、代謝反応自体は進行し、従来のものと同じ組成
のアウレオバシジウム培養液を得ることが出来た。
【0051】3.目的とするβ-1.3-1.6-グルカン含有
量の増加 従来のAureobasidium.spを用いた製造方法にて得られ
た、多糖溶液であるアウレオバシジウム培養液中のβ-
1.3-1.6-グルカン含有量は、全多糖量の1/2量であっ
た。一般的にβ-1.3-1.6-グルカンには免疫賦活作用を
持つ物が多く見られ、又、Aureobasidium.spが生産する
側鎖にリン酸基を持つβ-1.3-1.6-グルカンは天然の凝
集剤として働き有用である。そこで、同程度の培養時間
にてアウレオバシジウム培養液中のβ-1.3-1.6-グルカ
ンの含有のみを特異的に増加させることを目的とし、従
来の培養方法の改善を行った。
【0052】Aureobasidium.spは大きく分け菌糸体と酵
母状の分生子の2形態をとる菌であり、形態変化は主に
栄養の枯渇化により引き起こされる。このため培養開始
時に炭素源としてのサッカロースを多く添加した場合に
は、培養終了に要する時間が増加する結果となった。
【0053】培養時における菌の代謝は、1)培養20
〜50時間にみられる培地中のサッカロースの加水分
解。2)培養45〜70時間にみられる分解して得られ
たグルコースの消費、並びに目的産物のβ-1.3-1.6-グ
ルカンの合成。3)培養55〜90時間にみられる分解
して得られたフルクトースの消費、並びにブルラン及び
オリゴ糖の合成。の大きく3段階に分別でき、目的とす
るβ-1.3-1.6-グルカンは2)の代謝によって得られ
る。2)の代謝を行うのは膨張した酵母状の分生子であ
り、その前駆形態は1)の代謝と共に増大する。そこ
で、培養開始時の培地、もしくは1)の代謝終了時に
2)の代謝の直接の炭素源であるグルコースを添加する
ことにより、同程度の培養時間でβ-1.3-1.6-グルカン
含有量のみを特異的に増加させることが出来た。
【0054】以下に本発明の実施態様の例1〜例18を
要約して列記する。
【0055】
【発明の実施の態様】[例1]β-1.3-1.6グルカン(アウ
レオバシジウム培養液)の物質および最新培養技術を用
いたその製法。
【0056】[例2]各種疾病、例えば慢性関節リウマ
チ、膠原病、新興自己免疫疾患、ウイルス・細菌感染
症、各種癌、癌の浸潤、転移、発癌ウイルス、神経疾
患、痴呆症、アルツハイマー病、肝臓疾患、肝硬変、ウ
イルス性肝疾患、原因不明の難病、生活習慣病(糖尿
病、高血圧、動脈硬化症、骨粗しょう症など)または日
本人に大変多い痔(内外痔核、痔出血)など対する予防
または治療薬としての応用。さらにこれらの疾病の発症
や病態解明のための研究用試薬としての応用。β-1.3-
1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)の使用形態
は前処理として5,000回転10分間、さらには12,000回転1
0分間遠心分離した上清を加熱処理で殺菌したもの用い
る。
【0057】[例3]各種臨床検査キット(一般検査、生
化学検査、病理検査、免疫血清検査など)の補助試薬
(緩衝液、検査サンプルの保存安定剤、生理検査の抵抗
防止剤など)としての応用。β-1.3-1.6グルカン(アウ
レオバシジウム培養液)の使用形態は前処理として5,00
0回転10分間、さらには12,000回転10分間遠心分離した
上清を加熱処理で殺菌したもの用いる。
【0058】[例4]移植後の患者の無菌食への応用。特
に骨髄移植後、免疫抑制剤を投与している患者の無菌室
での無菌食としての応用。β-1.3-1.6グルカン(アウレ
オバシジウム培養液)の使用形態は前処理として5,000
回転10分間、さらには12,000回転10分間遠心分離した上
清を加熱処理で殺菌したもの用いる。無菌食の場合は上
記殺菌したものをさらに加熱滅菌処理を十分に行った無
菌的なものを使用する。
【0059】[例5]健康維持および増進のための新規健
康補助食品としての応用。特に食事摂取不能や嚥下障害
を伴う高齢者、またはリハビリテーションを受ける患者
の体力・抵抗力維持のための機能的健康補助食品として
の応用。β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養
液)の使用形態はを5,000回転10分間、さらには12,000
回転10分間遠心分離した上清を加熱処理で殺菌したもの
用いる。
【0060】[例6]女性の健康維持食品としての応用。
特に妊産婦、更年期障害を持つ女性の生体バランスを調
節するための機能的健康補助食品としての応用。または
皮膚などの結合組織を守るコラーゲン類似物質や化粧品
としての応用。β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウ
ム培養液)の使用形態は5,000回転10分間、さらには12,
000回転10分間遠心分離した上清を加熱処理で殺菌した
もの用いる。
【0061】[例7]病院内感染防止(環境微生物の繁殖
防止)に関わる新規素材としての応用。特に医療従事者
の手、指などの消毒剤としての応用。さらに病棟(病室
の床の清浄)、入浴不能の患者、寝たきり高齢者の身体
の清拭などに関わる新規素材としての応用。β-1.3-1.6
グルカン(アウレオバシジウム培養液)の使用形態は5,
000回転10分間、さらには12,000回転10分間遠心分離し
た上清を加熱処理で殺菌したもの用いる。
【0062】[例8]環境汚染物質除去に関わる新規素材
としての応用。特に内分泌撹乱物質(環境ホルモン、ダ
イオキシン類など)除去のための新規素材としての応
用。β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)
の使用形態は5,000回転10分間、さらには12,000回転10
分間遠心分離した上清を加熱処理で殺菌したもの用い
る。
【0063】[例9]病原微生物の汚染防止に関わる新規
素材としての応用。手、指、体表面、性器などに付着す
る病原微生物の除去、特に性病(淋病、梅毒など)の起
因微生物を直接患部に塗布し、病原微生物を除去するた
めの新規素材としての応用。β-1.3-1.6グルカン(アウ
レオバシジウム培養液)の使用形態は5,000回転10分
間、さらには12,000回転10分間遠心分離した上清を加熱
処理で殺菌したもの用いる。
【0064】[例10]各種DNAおよびRNAウイルスを除去
するための新規素材としての応用、特にヘルペスウイル
ス、ポリオウイルス、インフルエンザウイルス、血液を
介して感染する肝炎ウイルス(B、C型)、エイズウイル
ス、腫瘍ウイルスとしてのヒトパピローマウイルスや成
人Tリンパ球白血病ウイルスなどの除去(感染防御)の
新規素材としての応用。β-1.3-1.6グルカン(アウレオ
バシジウム培養液)の使用形態は5,000回転10分間、さ
らには12,000回転10分間遠心分離した上清を加熱処理で
殺菌したもの用いる。
【0065】[例11]紫外線防止のための新規外用素材
としての応用。皮膚に悪影響を与え、皮膚癌を起こす物
理的因子(紫外線)をカットするための新規外用素材と
しての応用。特に、スポーツ選手、戸外で働く労働者の
日焼け防止の新規素材としての応用。β-1.3-1.6グルカ
ン(アウレオバシジウム培養液)の使用形態は5,000回
転10分間、さらには12,000回転10分間遠心分離した上清
を加熱処理で殺菌したもの用いる。
【0066】[例12]β-1.3-1.6グルカン(アウレオバ
シジウム培養液)の筋肉疲労緩和に対する新規外用素材
としての応用。特に、肉体疲労やスポーツ後の肉体疲労
物質の経皮的緩和や筋肉疲労や痛みに関わる物質除去の
新規素材としての応用。塗布に使用するβ-1.3-1.6グル
カン(アウレオバシジウム培養液)の使用形態は5,000
回転10分間、さらには12,000回転10分間遠心分離した上
清を加熱処理で殺菌したもの用いる。
【0067】[例13]アウレオバシジウム培養液に含ま
れるβ-1.3-1.6グルカン以外の新規生理活性物質の同定
とその応用。アウレオバシジウム培養液には酵母が産生
するβ-1.3-1.6グルカン以外の未知の生理活性物質が数
多く含まれていると推測される。その中から免疫系の調
節に関わる新規物質とその遺伝子の同定と応用。アウレ
オバシジウム培養液中の免疫反応に関わる新規物質の同
定とライブラリーの作製。β-1.3-1.6グルカン(アウレ
オバシジウム培養液)の使用形態は5,000回転10分間、
さらには12,000回転10分間遠心分離した上清を加熱処理
で殺菌したもの用いる。
【0068】[例14]アウレオバシジウム培養液に含ま
れるβ-1.3-1.6グルカンのドラッグデリバリーシステム
(DDS)としての応用。薬剤の持続的効果を誘導するDDSの
ための新規物質としての応用。以前はリン脂質を用いた
リポソームが薬剤封入として利用されていたが、リポソ
ームの組成や調整が困難なことから、アウレオバシジウ
ム培養液の抗癌剤、抗菌剤、その他の薬剤のDDSとして
応用可能である。β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジ
ウム培養液)の使用形態は5,000回転10分間、さらには1
2,000回転10分間遠心分離した上清を加熱処理で殺菌し
たもの用いる。
【0069】[例15]β-1.3-1.6グルカン(アウレオバ
シジウム培養液)の生理活性(免疫調節作用)の解明。
β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)の生
体免疫反応に与える影響を細胞、分子および遺伝子レベ
ルで解析する。具体的には、細胞数の変化、細胞の形態
変化、細胞増殖能、DNA合成能、抗体産生能、各種サイ
トカインの産生能、細胞膜表面分子の動態変化、細胞内
セカンドメッセンジャーの動態解析を行う。β-1.3-1.6
グルカン(アウレオバシジウム培養液)の使用形態は5,
000回転10分間、さらには12,000回転10分間遠心分離し
た上清を加熱処理で殺菌したもの用いる。
【0070】[例16]β-1.3-1.6グルカン(アウレオバ
シジウム培養液)の生理活性評価のための新しいシステ
ムの開発と確立、およびさまざまな構造をもつβ-1.3-
1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)アナログの
作製。さまざまな構造をもった1.3-1.6グルカン(アウ
レオバシジウム培養液)アナログを各種サイトカイン
(特にインターロイキン-8:IL-8)の動態を指標とした
評価システムを開発。評価指標としてのIL-8の動態変化
は細胞培養液中、血液中、尿中で定量を行うことで検討
する。β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養
液)の使用形態は5,000回転10分間、さらには12,000回
転10分間遠心分離した上清を加熱処理で殺菌したもの用
いる。
【0071】[例17]β-1.3-1.6グルカン(アウレオバ
シジウム培養液)の作用機序の解明。免疫反応を指標と
したβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)
の作用機序の解明のためのシステムの開発と確立。特に
in vitroの培養系を用いて。1.3-1.6グルカン(アウレ
オバシジウム培養液)の作用機序を細胞内セカンドメッ
センジャーの動態を指標に解析。細胞内のCa2+の動態や
細胞内取込み、各種リン酸化酵素群(キナーゼ)特に、
protein kinase C (PKC)、 protein kinase A (PKA)、p
rotein tyrosine kinase (PTK)、核内および細胞質内タ
ンパク質、細胞の代謝経路に関わる解糖系の最終リン酸
化酵素glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase: GA
PDH)の動態、免疫系の反応に重要な役割をするサイトカ
インの動態などを指標にβ-1.3-1.6グルカン(アウレオ
バシジウム培養液)の作用機序を解明。アナログの効果
を各種サイトカイン(特にインターロイキン-8:IL-8)
の動態変化を指標とした評価システムの開発。評価マー
カーとしてのIL-8の動態変化は細胞培養液中、血液中、
尿中の定量を行うことで検討する。β-1.3-1.6グルカン
(アウレオバシジウム培養液)の使用形態は5,000回転1
0分間、さらには12,000回転10分間遠心分離した上清を
加熱処理で殺菌したもの用いる。
【0072】[例18]β-1.3-1.6グルカン(アウレオバ
シジウム培養液)の実験動物を用いての生体免疫活性作
用の解析。腫瘍免疫としての解析は免疫活性作用(キラ
ーT細胞活性、NK細胞活性、抗体産生能、サイトカイン
の産生能など)の誘導として解析。感染免疫としての解
析はマウスチフス症治療としての解析。生体投与に使用
するβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)
の使用形態は5,000回転10分間、さらには12,000回転10
分間遠心分離した上清を加熱処理で殺菌したもの用い
る。
【0073】以下に本発明の実施例を示す。
【0074】
【実施例】<実施例1>β-1.3-1.6グルカン(アウレオ
バシジウム培養液)の末梢血リンパ球に与える影響 健常人血液からFicoll-Conray法で末梢血リンパ球を分
離した。次に各種濃度のβ-1.3-1.6グルカン(アウレオ
バシジウム培養液)を添加し、6〜7日間、37℃で培養し
た。培養後、リンパ球数を血球計算盤を用いて計測し
た。その結果、図1に示すように、ある一定濃度のβ-1.
3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)は末梢血
リンパ球の数を対照群(β-1.3-1.6グルカン無添加群)
と比べて約1.2〜1.5倍の増加させる傾向があった。ま
た、3年以上β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム
培養液)を飲み続けている健常人から末梢血リンパ球を
取り出し、試験管の中で再び至適濃度のβ-1.3-1.6グル
カン(アウレオバシジウム培養液)を添加し、その形態
変化を検討したところ、β-1.3-1.6グルカン(アウレオ
バシジウム培養液)添加群は無添加群に比べて著明な細
胞のブラスト化(細胞分裂像と細胞凝集)が認められた
(図2:写真)。
【0075】<実施例2>β-1.3-1.6グルカン(アウレ
オバシジウム培養液)のIgG抗体産生能に与える影響 健常人血液から型のごとく末梢血リンパ球を分離した。
次に各種濃度のβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウ
ム培養液)を添加し、7日間、37℃で培養した。培養
後、培養上清中の抗体(IgG)の濃度を酵素抗体法(2抗体
enzyme immunoassay: EIA法)で調べた。その結果、表1
に示すようにβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム
培養液)は末梢血リンパ球のヒトIgG抗体の産生には直
接影響を与えなかった。この結果はβ-1.3-1.6グルカン
(アウレオバシジウム培養液)が生体で副作用を起こし
にくいことを示唆するものである。
【0076】
【表1】
【0077】<実施例3>β-1.3-1.6グルカン(アウレ
オバシジウム培養液)のサイトカイン産生に与える影響
(1) 健常人末梢血リンパ球に一定濃度(400倍希釈)のβ-1.3-
1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)を添加し、5
日間、37℃で培養した。培養後、培養上清中のサイトカ
イン(インターロイキン1β:IL-1βとインターロイキ
ン: IL-2)の濃度を酵素抗体法(enzyme immunoassay:
EIA法)で調べた。その結果、表2に示すようにβ-1.3-
1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)添加群、無
添加群ともその産生量に著しい差は認められなかった。
この結果はβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培
養液)が生体で副作用を起こしにくいことを示唆するも
のである。
【0078】
【表2】
【0079】<実施例4>β-1.3-1.6グルカン(アウレ
オバシジウム培養液)のサイトカイン産生に与える影響
(2) 単球系モデル細胞株(U937)に一定濃度(20倍希釈)のβ-
1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)を添加
し、2〜4日間、37℃で培養した。培養後、培養上清中の
各種サイトカイン(インターロイキン1β:IL-1β、イ
ンターロイキン-4:IL-4、インターロイキン-2:IL-2、
インターロイキン6:IL-6、インターフェロンγ:IFN-
γ)の濃度を酵素抗体法(enzyme immunoassay: EIA
法)で調べた。その結果、表3に示すようにβ-1.3-1.6
グルカン(アウレオバシジウム培養液)添加群は無添加
群と比較してIL-6の産生量が約20倍以上認められた。
【0080】
【表3】
【0081】<実施例5>β-1.3-1.6グルカン(アウレ
オバシジウム培養液)の細胞分裂(DNA合成能)に与え
る影響 健常人末梢血リンパ球および骨髄移植後の患者リンパ球
に400倍希釈のβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウ
ム培養液)を添加し、5日間、37℃で培養した。5日後、
トリチウムサイミジン(1μCi)を加え、β-1.3-1.6グル
カン(アウレオバシジウム培養液)の末梢血リンパ球に
与える細胞分裂能(DNA合成能)を調べた。その結果、
表4に示すように、β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシ
ジウム培養液)添加群は無添加群に比べて健常人由来の
末梢血リンパ球のDNA合成能を平均約4.5倍亢進させるこ
とがわかった。一方、骨髄移植後の患者の場合にも部分
的ではあるがβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム
培養液)の添加で細胞分裂を促進する症例も認められた
(表5)。
【0082】
【表4】
【0083】
【表5】
【0084】<実施例6>β-1.3-1.6グルカン(アウレ
オバシジウム培養液)の培養白血病細胞株の増殖に与え
る影響 各種培養白血病細胞株にβ-1.3-1.6グルカン(アウレオ
バシジウム培養液)(20倍希釈)を添加し、1〜3日間、3
7℃で培養した。培養後、細胞数を血球計算盤を用いて
計測し、β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養
液)の白血病細胞株の増殖に対する影響を検討した。そ
の結果、図3、図4、図5、図6に示すようにβ-1.3-1.6グ
ルカン(アウレオバシジウム培養液)は今回使用した白
血病細胞株の増殖を抑制した。さらにその一部はプログ
ラム死(アポトーシス)が関与する所見も認められた。
【0085】<実施例7>β-1.3-1.6グルカン(アウレ
オバシジウム培養液)の単球/マクロファージモデル系
細胞表面分子(レセプター分子)の動態に与える影響 単球/マクロファージモデル系細胞株(U937)にβ-1.3-1.
6グルカン(アウレオバシジウム培養液)(20倍希釈)
を添加し、24時間、37℃で培養した。24時間後、細胞を
回収し、各種ヒト細胞膜抗原(レセプター:CD抗原)の
動態を各種モノクローナル抗体を用いた間接蛍光抗体法
(フローサイトメトリー法)で解析した。今回は特に免
疫系に密接に関与する接着分子に注目し、その動態で検
討した。その結果、図7に示すように、β-1.3-1.6グル
カン(アウレオバシジウム培養液)で培養された単球/
マクロファージモデル系細胞 (U937) の細胞表面のCD11
aおよびCD49d分子の発現抑制 (down-regulation)が認め
られた。
【0086】<実施例8>β-1.3-1.6グルカン(アウレ
オバシジウム培養液)の環境微生物増殖抑制効果 医療・保健・福祉の分野での応用の一つとして生体に付
着している環境微生物の除去は院内感染を防止する意味
でも重要な課題である。そこで、β-1.3-1.6グルカン
(アウレオバシジウム培養液)に手、足、身体に付着し
た環境微生物の増殖を防止する効果があるのかどうかパ
ームスタンプ(手のひら用)を用いて検討した。実験群
を2群設けて実験を行った。実験群1は対照群で、そのま
ま手をパームスタンプにつけ、約20秒間接触させた。一
方、実験群2はβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウ
ム培養液)で手のひらを拭き、乾くまで約5分間放置し
た。放置後、実験群1と同様に手をパームスタンプに手
のひらをつけ約20秒間接触させた。1〜2日間、室温で培
養し、微生物の増殖(コロニー数)を観察し、手ひらの
環境微生物による汚染度を検討した。図8はその結果を
示したものである。結果に示すようにβ-1.3-1.6グルカ
ン(アウレオバシジウム培養液)で手のひらを拭かなか
った対照群は数多くの環境微生物が検出されたが、β-
1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)で手を
拭き、乾くまで放置しておいた実験群からはほとんど微
生物のコロニーが検出されなかった。これはβ-1.3-1.6
グルカン(アウレオバシジウム培養液)に環境微生物の
増殖を抑制する作用があること示している。携帯用の消
毒剤として、あるいは高齢者で入浴不可能な人の体の清
拭、さらには病院内感染防止、環境汚染物質の除去に役
立つものと考えられる。
【0087】<実施例9>β-1.3-1.6グルカン(アウレ
オバシジウム培養液)の病原微生物の増殖抑制効果 β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)の病
原微生物に対する増殖抑制効果を寒天平板法を用いて検
討した。病原性微生物としては大腸菌(Escheritia col
i:ATCC8739)、黄色ブドウ球菌 (Staphyrococcus au
reus:IKO12732)、緑膿菌 (Pseudomonas aeruginos
a:IKO13736)、サルモネラ菌(Salmonella enteritidi
s 116-54)を使用した。各微生物をトリプトブイヨン液
で37℃で一晩培養した。培養後、その一定量を滅菌生理
食塩水で希釈した。次に希釈された菌液0.5mlに、β-1.
3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)2mlを添加
し、10分、30分、1時間、2時間、4時間、24時間放置し
た。放置後、その0.05mlをトリプトソイ寒天平板(普通
寒天培地)に入れ、コンラージ棒で塗り広げ、1〜2日間
培養した。培養後、微生物の増殖(コロニー数)をコロ
ニーカウンターで計測し、β-1.3-1.6グルカン(アウレ
オバシジウム培養液)の病原微生物の増殖に与える影響
を検討した。表6はその結果を示したものである。結果
に示すようにβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム
培養液)を添加し、30分から微生物の増殖抑制効果が見
られ、1〜2時間には大半の微生物の増殖が抑制された。
また4時間には完全に微生物の増殖が抑制された。表6に
示すように、緑膿菌、黄色ブドウ球菌の増殖が抑制され
ることは、病院内感染予防や免疫力の低下した人に発症
しやすい日和見感染症を予防できることを示している。
また、β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養
液)が大腸菌とサルモネラ菌の増殖を抑制することか
ら、食中毒を防ぐための新規素材としても有効である。
さらに、β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養
液)にこれらの病原微生物の増殖を抑制する作用がある
ことから例えば、皮膚の消毒、また近年再び問題になっ
てきた性病(梅毒、淋病など)の予防などに応用できる
と考えられる。
【0088】
【表6】
【0089】<実施例10>β-1.3-1.6グルカン(アウ
レオバシジウム培養液)のウイルス感染防御効果 β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)のウ
イルス感染防御効果をポリオウイルスの感染実験を用い
て検討した。Hela細胞(子宮頚部癌由来)を24穴マイク
ロプレートに細胞シートができるまで培養した。実験群
は細胞にβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養
液)を5%になるように添加した実験群とβ-1.3-1.6グ
ルカン(アウレオバシジウム培養液)を添加しない実験
群を設けた。次に一定感染力価を持ったポリオウイルス
液をそれぞれの実験群に加え、1時間、37℃で培養し
た。数日間培養後、ポリオウイルスによるHela細胞の細
胞変性効果(cytopathic effect: CPE)を観察した。図9
(写真)に示すようにβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバ
シジウム培養液)はポリオウイルスのHela細胞への細胞
変性効果を著明に抑制した。このことはβ-1.3-1.6グル
カン(アウレオバシジウム培養液)がポリオウイルスの
Hela細胞表面上のポリオウイルスレセプター(CD31分
子)への吸着を阻止し、感染を防御した所見である。
【0090】<実施例11>β-1.3-1.6グルカン(アウ
レオバシジウム培養液)の紫外線照射による細胞死の抑
制効果 β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)の紫
外線防止(カット)効果を検討した。実施例11と同様
に、Hela細胞を細胞シートができるまで培養した。培養
後、5倍、10倍、20倍希釈のβ-1.3-1.6グルカン(アウ
レオバシジウム培養液)を添加した実験群と、β-1.3-
1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)を添加しな
い群を設け、紫外線(クリーンベンチ付属紫外灯を使
用)を一晩、30cmの距離から照射した。照射後、37℃の
孵卵器で培養を続け、72時間後の各実験群における細胞
の細胞数を計測し、β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシ
ジウム培養液)の紫外線防止効果を検討した。また、細
胞の形態変化は位相差顕微鏡で観察し、写真撮影した。
図10に示すように、10倍、20倍希釈のβ-1.3-1.6グルカ
ン(アウレオバシジウム培養液)を添加した実験群は細
胞の形態が維持され、その増殖にはほとんど影響がなか
った。一方、β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム
培養液)を添加していない実験群は細胞の変性が認めら
れ、著しい細胞の減少(細胞死)が認められた(表
7)。この結果は紫外線照射による細胞の死(アポトー
シス)がβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養
液)によって抑制されたためである。皮膚に悪影響を与
え、皮膚がんを起こす物理的因子である紫外線をカット
できる新規外用素材として応用可能であることを示唆す
ると共に戸外で働く労働者、スポーツ選手、また夏の海
水浴シーズンでの日焼け防止に対して応用が期待でき
る。また、筋肉疲労除去に対する新規外用薬(軟こう)
として、肉体疲労物質(痛み物質やそれに関わる物質)
の経皮的緩和や除去に関する新規素材としての応用も可
能であると考えられる。
【0091】
【表7】
【0092】<実施例12>β-1.3-1.6グルカン(アウ
レオバシジウム培養液)の細胞の形態変化に与える影響 単球系細胞株(U937)に20倍希釈のβ-1.3-1.6グルカン
(アウレオバシジウム培養液)を添加し、2〜3日間、37
℃で培養した。培養後、細胞の形態を位相差顕微鏡下お
よび電子顕微鏡(SEM)下で観察し、写真撮影した図11に
示すように、β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム
培養液)で培養した細胞はその形態変化が認められた。
また電子顕微鏡での観察(図12)から、β-1.3-1.6グル
カン(アウレオバシジウム培養液)で培養した細胞はβ
-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)で培養
していない対照群と比較して細胞の表面に多くの突起物
(ラッフル構造)が認められた。この結果はβ-1.3-1.6
グルカン(アウレオバシジウム培養液)によって細胞の
活性化が認められたことを示している。
【0093】<実施例13>β-1.3-1.6グルカン(アウ
レオバシジウム培養液)の培養細胞株(U937)のDNA合成
能に与える影響 β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)のU9
37細胞に対するDNA合成能をトリチウムサイミジン(3H-
tymidine)の取込みを用いて測定した。U937細胞に20倍
希釈のβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養
液)を添加し、1〜2日間、37℃で培養した。培養後、ト
リチウムサイミジン(1μCi)を加え、β-1.3-1.6グルカ
ン(アウレオバシジウム培養液)のU937細胞に対する細
胞分裂能(DNA合成能)を調べた。その結果、表8に示す
ように、β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養
液)添加群と無添加群との間にはDNA合成能に著明な差
異は認められなかった。一方、リン酸化酵素であるprot
ein kinase C (PKC)の活性化剤であるphorbol myristat
e acetate (PMA)はU937細胞のDNA合成能を著明に抑制し
た。この結果はβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウ
ム培養液)は人末梢血リンパ球と違って、癌細胞化した
培養細胞株に対しては、DNA合成能には影響を与えない
ことが判明した。
【0094】
【表8】
【0095】<実施例14>β-1.3-1.6グルカン(アウ
レオバシジウム培養液)の培養細胞株(U937)細胞表面抗
原に与える影響 単球/マクロファージモデル系細胞株(U937)にβ-1.3-1.
6グルカン(アウレオバシジウム培養液)(20倍希釈)
を添加し、96時間、37℃で培養した。培養後、細胞を回
収し、各種ヒト細胞膜レセプター分子(CD抗原)の動態
を各種モノクローナル抗体を用いた間接蛍光抗体法(フ
ローサイトメトリー法)で解析し、陽性率(%)と蛍光
強度 (mean fluorescense intensities :MFIs)を算出し
た。 MFIs 指数 (MFIs index) は次の式{(MFIs of tes
t sample)÷(MFIs of medium control)}で計算した。
今回は特に免疫系に密接に関与する接着分子に注目し、
その動態を検討した。その結果、表9および図13に示す
ように、β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養
液)で培養されたU937細胞は細胞表面上のCD11b 、CD5
4、C1qRp分子の発現増強 (up-regulation) が認められ
た。いずれも生体免疫を調節するための非常に重要な分
子である。CD11bやC1qRp分子は細菌などの貪食作用や癌
細胞の破壊に対して機能的に働く分子である。また、 C
D54分子は生体免疫を誘導するための接着系の分子であ
る。これらの分子の発現が増強されたことはβ-1.3-1.6
グルカン(アウレオバシジウム培養液)によって生体の
免疫反応が高められたことを意味する。
【0096】
【表9】
【0097】<実施例15>β-1.3-1.6グルカン(アウ
レオバシジウム培養液)の培養細胞株(HL-60)細胞表面
抗原の動態に与える影響 組織球系モデル細胞(HL-60)にβ-1.3-1.6グルカン
(アウレオバシジウム培養液)(20倍希釈)を添加し、
24時間、37℃で培養した。培養後、細胞を回収し、各種
ヒト細胞膜レセプター分子(CD抗原)の動態を各種モノ
クローナル抗体を用いた間接蛍光抗体法(フローサイト
メトリー法)で解析した。培養後、細胞を回収し、各種
ヒト細胞膜抗原(レセプター:CD抗原)の動態を各種モ
ノクローナル抗体を用いた間接蛍光抗体法(フローサイ
トメトリー法)で解析し、陽性率(%)と蛍光強度 (me
an fluorescense intensities :MFIs)を算出した。 MFI
s 指数 (MFIs index) は次の式{ (MFIs of test sampl
e)÷(MFIs of medium control)}で計算した。今回は特
に免疫系に密接に関与する接着分子に注目し、その動態
で検討した。その結果、表10および図14に示すように、
β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)で培
養されたHL-60細胞の細胞表面上のCD15、CD54分子の発
現増強 (up-regulation)が認められた。いずれも生体免
疫を調節するための非常に重要な分子である。CD15分子
は大腸菌を貪食するためのレセプターで、この分子が発
現増強することはHL-60細胞が大腸菌を効率良く貪食
し、大腸菌を消化できることを示している。また、U937
細胞と同様にCD54分子は生体免疫を誘導するための接着
系の分子で、この分子の発現が増強されたことはβ-1.3
-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)に生体の免
疫反応を高める作用があることを意味する。
【0098】
【表10】
【0099】<実施例16>β-1.3-1.6グルカン(アウ
レオバシジウム培養液)のサイトカイン(IL-8)産生能 単球/マクロファージモデル系細胞株(U937)にβ-1.3-1.
6グルカン(アウレオバシジウム培養液)(20倍希釈)
を添加し、24時間、37℃で培養した。培養後、培養上清
中のサイトカイン(IL-1β、IL-2、 IL-4、 IL-6、 IL-
8、 IFN-γ)の量を酵素抗体法(enzyme immunoassay: E
IA法)で調べた。その結果、表11に示すようにβ-1.3-
1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)添加群ではI
L-8の著しい産生が認められた。この結果はβ-1.3-1.6
グルカン(アウレオバシジウム培養液)が生体免疫反応
を高める作用があることを示している。
【0100】
【表11】
【0101】<実施例17>β-1.3-1.6グルカン(アウ
レオバシジウム培養液)のヒト末梢血単核球からのIL-8
産生 健常ヒト末梢血リンパ球を1%正常ヒト血清(human seru
m:HS)に浮遊し、100倍希釈のβ-1.3-1.6グルカン(アウ
レオバシジウム培養液)を添加し、37℃で8時間、24時
間培養した。培養後、培養上清中の IL-8の濃度をEIA法
で調べた。その結果、表12に示すようにβ-1.3-1.6グル
カン(アウレオバシジウム培養液)添加群は早期にIL-8
の産生が認められ、無添加群として約2倍の産生を示し
た。この結果はβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウ
ム培養液)が生体免疫反応を増強していることを示して
いる。
【0102】
【表12】
【0103】<実施例18>β-1.3-1.6グルカン(アウ
レオバシジウム培養液)の作用メカニズム、特に細胞内
セカンドメッセンジャーの動態に与える影響 β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)の作
用メカニズムをIL-8産生能を指標に、細胞内セカンドメ
ッセンジャーの動態を用いて測定した。U937細胞に20倍
希釈のβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養
液)と、至適濃度の薬剤(細胞内セカンドメッセンジャ
ーの阻害剤)を添加し、1〜2日間、37℃で培養した。
培養後、IL-8産生能をEIA法を用いて測定し、β-1.3-1.
6グルカン(アウレオバシジウム培養液)の作用機序を
解析した。表13に示すようにβ-1.3-1.6グルカン(アウ
レオバシジウム培養液)によるIL-8の産生にはリン酸化
酵素であるprotein-kinase C (PKC)、protein tyrosin
e kinase (PTK)、Ca2+の細胞内 流入が関与しているこ
とがわかった。このことは、β-1.3-1.6グルカン(アウ
レオバシジウム培養液)の作用には各種リン酸化酵素と
カルシウムイオンが密接に関与していることが判明し
た。また、β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培
養液)のPTK活性誘導能をリン酸化PTKに対するモノクロ
ーナル抗体(PY-20)を用いたEIA法を用いて測定した。20
倍希釈のアウレオバシジウム培養液で24時間培養したU9
37細胞を細胞溶解緩衝液 (lysis buffer)で溶解し、可
溶化タンパク質を抽出した。この可溶化タンパク質中に
含まれるPTK量をEIA法を用いて測定し、その吸光度を45
0nmで計ることでPTK量として評価した。表14に示すよう
に、β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)
で培養したU937細胞は対照群と比較して、PTK活性が約
1.5倍上昇した。以上の結果から、β-1.3-1.6グルカン
(アウレオバシジウム培養液)の作用メカニズムは主に
リン酸化酵素であるprotein-kinase C (PKC)、 protein
-tyrosine kinase (PTK)、Ca2+の細胞内 流入が関与し
ていることが判明した。
【0104】
【表13】
【0105】
【表14】
【0106】<実施例19>β-1.3-1.6グルカン(アウ
レオバシジウム培養液)効果の評価システムの確立 β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)の生
体での効果を評価するためのシステムの開発と確立を行
った。培養細胞株(U937細胞)に一定希釈の1.3-1.6グル
カン(アウレオバシジウム培養液)を添加し、24〜72時
間培養した。培養後、培養上清を採取し、培養液に含ま
れるサイトカイン(インターロイキン8;IL-8)の産生
量をEIA法(IL-8検出キット:TFB社)を用いて測定し
た。表15に示すように、β-1.3-1.6グルカン(アウレオ
バシジウム培養液)を添加すると非添加群に比較して、
著明なIL-8の産生が認められた。このIL-8の産生は高感
度で再現性に優れてしるため、β-1.3-1.6グルカン(ア
ウレオバシジウム培養液)の生体での効果を判定するた
めの評価系として利用できることを意味している。ま
た、各種構造を持つβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバシ
ジウム培養液)アナログの作用効果を評価するためのス
クリーニングシステムとして有益であると考えられる。
【0107】
【表15】
【0108】<実施例20>β-1.3-1.6グルカン(アウ
レオバシジウム培養液)に含まれる免疫関連物質の同定 β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)に含
まれる免疫関連物質の同定を試みた。アウレオバシジウ
ム培養液を炭酸緩衝液 (pH9.6)で200倍に希釈し、その
0.1mlをEIA用96穴マイクロプレートに分注し、4℃で一
晩静置した。静置後、穴をリン酸緩衝液(PBS)で3回洗浄
し、2%ドライミルク/PBSを0.2ml添加し、非特異的反応
をブロックした。穴をPBSで洗浄した後、免疫関連分子
に対するモノクローナル抗体を至適濃度に希釈し、各穴
に0.05ml添加した。添加後、4℃で一晩静置した。静置
後、再び穴をPBSで洗浄後、至適濃度に希釈したペルオ
キシダーゼ(POD)標識ヤギ抗マウスIgを添加し、室温
で2時間放置した。2時間後、再び穴をPBSで洗浄後し、
基質液を加え、10〜30分反応させた。反応後、0.1NのHC
lを添加し、反応を停止し、波長(450nm)で吸光度を測
定し、モノクローナル抗体の反応性とβ-1.3-1.6グルカ
ン(アウレオバシジウム培養液)に含まれる免疫関連物
質を同定した。表16に示すように、アウレオバシジウム
培養液中にはβ-1.3-1.6グルカン以外に免疫反応に重要
な役割を果たすCD24とmNI-37分子が含まれていることが
わかった。
【0109】
【表16】
【0110】<実施例21>β-1.3-1.6グルカン(アウ
レオバシジウム培養液) 長期摂取者のリンパ球表面分子
(レセプター)の変化 β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)を3
年以上摂取者の血液からFicoll-Conray法で型のごとく
リンパ球を分離し、10%FCS-RPMI1640培地に1x106 個/m
lになるように浮遊し、その0.1mlを96穴マイクロプレー
トに分注した。次に一定濃度に希釈したアウレオバシジ
ウム培養液を加え、37℃で数日間培養した。培養後、リ
ンパ球の形態、特に細胞凝集を位相差顕微鏡下で観察
し、写真撮影した。また、至適濃度の β-1.3-1.6グル
カン(アウレオバシジウム培養液)で7日間培養したリ
ンパ球を回収し、免疫反応に関わる分子に対するモノク
ローナル抗体で染色し、フローサイトメーター法で解析
した。表17に示すように、β-1.3-1.6グルカン(アウレ
オバシジウム培養液)を長期に摂取した人のリンパ球は
至適濃度の β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム
培養液)を添加すると、著明に細胞間凝集反応を誘導す
ることが判明した(図2参照)。これは2次免疫反応の結
果を示しており、β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジ
ウム培養液)を長期に摂取することで、生体内にβ-1.3
-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)抗原特異的
なTリンパ球のレパートリーが選別され、Tリンパ球表面
上に β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養
液)特異的なTリンパ球レセプターが形成されたものと
考えられる。一方、リンパ球の細胞表面分子(レセプタ
ー)はインターロイキン-2(IL-2)レセプター(CD25分
子)の発現増強が認められた。さらにCD4とCD8分子の割
合(CD4/CD8比)が5.9と健常人の比率(0.6〜2.9)より
著明に亢進していた。この結果からCD4陽性Tリンパ球
(ヘルパーTリンパ球)が β-1.3-1.6グルカン(アウ
レオバシジウム培養液)を長期に摂取することで著明の
増加していることがわかった。すなわち、 β-1.3-1.6
グルカン(アウレオバシジウム培養液)を長期に摂取す
ることで免疫力を高めることが可能であることを示して
いる。
【0111】
【表17】
【0112】
【発明の効果】この発明によって製造されたβ-1.3-1.6
グルカン(アウレオバシジウム培養液)は従来知られて
いるβ-グルカンとは全く異なる以下の(I)〜(X)に示
す非常にユニークな物性や生理活性を持つことが判明し
た。
【0113】(I) 生体の免疫反応に与える影響として
は、ヒト末梢血リンパ球数の増加、細胞分裂 (DNA合成
能)の誘導、さまざまな免疫反応を調節しているサイト
カイン(インターロイキン6:IL-6)の産生を誘導するこ
とが明らかになった。
【0114】(II) β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシ
ジウム培養液)は癌細胞、特に血液の癌である白血病細
胞株の増殖を効果的に抑制した。これには部分的に細胞
死(プログラム死:アポトーシス)が関与していた。β
-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)が直接
癌細胞に作用し、細胞死を誘導することは癌の臨床治療
の可能性を示唆するものである。特に、直接β-1.3-1.6
グルカン(アウレオバシジウム培養液)を患部に投与で
きる腫瘍や癌細胞には効果が期待できる。
【0115】(III) β-1.3-1.6グルカン(アウレオバ
シジウム培養液)が単球系モデル細胞(U937)に発現する
接着分子(インテグリン系)CD11aおよびCD49d分子の発
現を抑制することがわかった。これは非常に興味ある所
見で、特にCD11a分子は小児の下痢症を起こすロタウイ
ルスのレセプター分子であることから、本実施例に示す
ように、β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養
液)がロタウイルスの感染を防止できることを意味して
いる。さらに、この結果はβ-1.3-1.6グルカン(アウレ
オバシジウム培養液)がワクチンとして効果を有してい
ることも意味している。一方、CD49d分子もインテング
リン系の接着分子で、生体の免疫反応を調節するための
非常に重要な分子である。特に慢性関節リウマチ患者の
関節滑膜への浸潤Tリンパ球にはこの分子が強く発現し
ている。CD49d分子もCD11a分子と同様、β-1.3-1.6グル
カン(アウレオバシジウム培養液)によってその発現が
抑制(down-regulation)されることはβ-1.3-1.6グル
カン(アウレオバシジウム培養液)が抗炎症剤であるス
テロイド系の薬剤と同様な効果があることを意味してい
る。β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)
が慢性関節リウマチや各種自己免疫疾患の治療に利用で
きることを強く示唆された。
【0116】(IV) 免疫はさまざまなネットワークを形
成し、情報を交換している。その情報交換には細胞膜表
面にある分子(レセプター)とそれに対するリガンドで
制御されている。本実施例では2種類のモデル培養細胞
株(U937とHL-60)を用いて、β-1.3-1.6グルカン(アウ
レオバシジウム培養液)の免疫反応における細胞表面分
子(レセプター)の動態を検討した。その結果、β-1.3
-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)で培養され
たU937細胞は細胞表面上のCD11b、 CD54およびC1qRp分
子の発現が増強(up-regulation)された。CD11bやC1qRp
分子は細菌を貪食したり、癌細胞を破壊したりする際に
機能的に働く分子である。また、 CD54分子は生体免疫
反応を誘導するための接着分子で、この分子の発現が増
強されたことはβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウ
ム培養液)に生体の免疫反応を高める作用があることを
示している。一方、β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシ
ジウム培養液)はHL-60細胞表面上のCD15、CD54分子の
発現増強 (up-regulation)も誘導した。CD15分子は大腸
菌を貪食するためのレセプターで、この分子がup-regul
ationすることはβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジ
ウム培養液)がHL-60細胞に大腸菌を貪食するための能
力を付与したことを意味している。また、U937細胞と同
様、CD54分子の発現が増強したことはβ-1.3-1.6グルカ
ン(アウレオバシジウム培養液)に生体の免疫反応を高
める作用があることを示している。これらの実施例から
β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)には
免疫反応を調節するための分子をコントロールする作用
があることが判明した。
【0117】(V) β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシ
ジウム培養液)の新規評価システムを開発した。この評
価システムは生体免疫反応に密接に関与するサイトカイ
ン(インターロイキン-8: IL-8)の動態に着目したもので
ある。本実施例でも示すように、β-1.3-1.6グルカン
(アウレオバシジウム培養液)を添加すると非添加群に
比較して、著明なIL-8の産生が認められた。このIL-8の
産生は常に一定の結果を与えることから、β-1.3-1.6グ
ルカン(アウレオバシジウム培養液)の効果を評価する
ためのシステムとして、またさまざまな構造を持つβ-
1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)アナロ
グの作用を評価するためのスクリーニングシステムとし
て有益であると考えられた。
【0118】(VI) β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシ
ジウム培養液)が環境微生物の増殖を抑制する効果があ
ることがわかった。これはβ-1.3-1.6グルカン(アウレ
オバシジウム培養液)が手、足、身体の清潔度を保つ新
規素材として応用できる可能性を強く意味するもので、
携帯用の消毒剤、高齢者で入浴不可能な人の身体の清
拭、さらには病院内感染の防止や環境汚染物質の除去剤
として非常に優れていることを示してしる。一方、病原
微生物(大腸菌、ブドウ球菌、緑膿菌、サルモネラ菌)
に対してもβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培
養液)はその増殖を抑制した。この結果は病原性微生物
の消毒、さらには梅毒、淋病などの性病の予防など、β
-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)を直接
患部に塗布することで、病原微生物の増殖を抑制できる
ことを意味している。緑膿菌、黄色ブドウ球菌は免疫力
の低下した人の日和見感染症を起こす原因菌、またサル
モネラ、大腸菌は食中毒の原因菌であることから、これ
らの感染症にβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム
培養液)が大変有効であることが判明した。
【0119】(VII) β-1.3-1.6グルカン(アウレオバ
シジウム培養液)がポリオウイルスによるHela細胞の細
胞変性効果(CPE)を抑制することが判明した。この所見
はβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)が
ポリオウイルスのHela細胞表面上のポリオウイルスレセ
プター(CD31分子)への吸着を阻止した結果である。す
なわち、β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養
液)が多くのDNAやRNAウイルスの細胞侵入や吸着(ウイ
ルスによる感染)を予防できることを意味している。
【0120】(VIII) β-1.3-1.6グルカン(アウレオバ
シジウム培養液)に紫外線による細胞死を抑制する効果
があるかことが判明した。ある一定の濃度で培養したβ
-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液)の細胞
は紫外線を全く照射しなかった細胞群と同様に、細胞の
形態が維持され、その増殖にもほとんど影響がなかっ
た。一方、β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培
養液)で培養されていない紫外線照射細胞群は細胞の著
しい変性が認められ、最終的にはほとんどの細胞が死滅
した。これらの結果は紫外線照射による細胞死(プログ
ラム死)がβ-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培
養液)によって抑制されたことを意味する。β-1.3-1.6
グルカン(アウレオバシジウム培養液)が皮膚に悪影響
を与え、皮膚癌を起こす紫外線の作用を防止する新規外
用素材として応用可能であることが判明した。戸外で働
く労働者、スポーツ選手、また夏の海水浴シーズンの日
焼け防止に有効であると共にβ-1.3-1.6グルカン(アウ
レオバシジウム培養液)は肉体疲労やスポーツ後の痛み
物質の除去にも応用可能である。
【0121】(IX) 1.3-1.6グルカン(アウレオバシジ
ウム培養液)の作用機序に細胞内セコンドメッセンジャ
ーの動態が重要であることが判明した。β-1.3-1.6グル
カン(アウレオバシジウム培養液)の作用機序をIL-8の
産生能を指標に、各種リン酸化酵素に対するインヒビタ
ーを用いて解析した。その結果、β-1.3-1.6グルカン
(アウレオバシジウム培養液)の作用機序はprotein ki
nase C (PKC)、protein tyrosine kinase (PTK) などの
リン酸化酵素や細胞内Ca2+の流入が密接に関わっている
ことがわかった。この所見は今まで全く報告されておら
ず、我々が初めて明らかにした事実である。
【0122】(X) アウレオバシジウム培養液に含まれ
るβ-1.3-1.6グルカン以外の新規生理活性物質を同定し
た。アウレオバシジウム培養液にはβ-1.3-1.6グルカン
以外の未知の生理活性物質が数多く含まれていると考え
られる。その中から特に、免疫系の調節に関わる新規物
質の同定を試みた。アウレオバシジウム培養液中にはβ
-1.3-1.6グルカン以外にも免疫反応に重要な役割を果た
すCD24 とmNI-37分子が含まれていることがわかった。
この所見は我々が世界で初めて明らかにした事実であ
る。これらの分子がアウレオバシジウム培養液中に存在
することは、主成分として含まれるβ-1.3-1.6グルカン
と相乗的に生体免疫反応を調節していることを意味して
いる。このような形態を示す機能的な健康食品は今まで
報告されておらず、我々の研究開発したアウレオバシジ
ウム培養液は非常にユニークな物性や生理活性を持つこ
とが判明した。
【図面の簡単な説明】
【図1】β-1.3-1.6グルカンの末梢血リンパ球数に与え
る影響を示した図表。
【図2】β-1.3-1.6グルカンの末梢血リンパ球の形態に
与える影響を示した写真。 写真(a):無添加 写真(b):アウレオバシジウム培養液添加
【図3】β-1.3-1.6グルカンの培養白血病細胞株の増殖
に与える影響を示した図表。
【図4】β-1.3-1.6グルカンの培養白血病細胞株の増殖
に与える影響を示した図表。
【図5】β-1.3-1.6グルカンの培養白血病細胞株の増殖
に与える影響を示した図表。
【図6】β-1.3-1.6グルカンの培養白血病細胞株の増殖
に与える影響を示した図表。
【図7】β-1.3-1.6グルカンの単球/マクロファージ系
モデル細胞表面分子(レセプター分子)の動態に与える
影響を示した解析図。
【図8】β-1.3-1.6グルカンの環境微生物の増殖に与え
る影響を示した図面。 写真(a):無処理群 写真(b):処理群
【図9】β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養
液)によるウイルス感染防御効果を示した写真。 写真 (a):β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培
養液)処理+ポリオウイルス感染 写真 (b):無処理(ポリオウイルス感染のみ)
【図10】β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培
養液)の紫外線照射による細胞死の抑制効果を示した写
真。 写真 (a):紫外線照射のみ 写真 (b):β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培
養液)処理+紫外線照射無処理
【図11】β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培
養液)の細胞の形態に与える影響(位相差顕微鏡所見:
x100)を示した写真。 写真 (a):無処理 写真 (b):β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培
養液)(40倍希釈) 写真 (c):β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培
養液)(20倍希釈) 写真 (d):フォルボールエステル (PMA) (200ng/ml)
【図12】β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培
養液)の細胞の形態に与える影響(電子顕微鏡所見:x
8,000)を示した写真。 写真 (a):無処理 写真 (b):β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培
養液)(20倍希釈)
【図13】β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培
養液)の培養細胞株(U937)細胞表面分子(レセプター)
に与える影響を示した図表。 a:陰性対照、b:CD11a、c:CD11b、d:CD18、e:CD3
1、f:CD49d、g:CD54、h:C1qRp 無処理:(--) β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液): (-
- - )
【図14】β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培
養液)の培養細胞株(HL-60)細胞表面分子(レセプタ
ー)に与える影響を示した図表。 a:陰性対照、b:CD11a、c:CD15、d:CD18、e:CD49
d、f:CD54 無処理:(--) β-1.3-1.6グルカン(アウレオバシジウム培養液): (-
- - )
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 35/72 A61K 35/72 4C087 A61P 1/16 A61P 1/16 3/10 3/10 9/10 101 9/10 101 9/12 9/12 13/00 13/00 19/02 19/02 19/10 19/10 25/00 25/00 25/28 25/28 29/00 101 29/00 101 31/04 31/04 31/12 31/12 35/00 35/00 37/02 37/02 G01N 33/50 G01N 33/50 T //(C12N 1/16 (C12N 1/16 A C12R 1:645) C12R 1:645) Fターム(参考) 2G045 AA28 BB19 BB20 CB21 DA30 FA16 FB03 4B018 MD33 MD81 ME03 ME04 ME08 ME09 ME14 MF01 MF04 MF13 4B065 AA72X CA22 CA41 CA44 CA46 4C083 AA031 AA032 AD211 AD212 CC19 CC22 CC24 EE12 EE17 4C086 AA01 AA02 EA20 MA01 MA04 NA14 ZA01 ZA15 ZA16 ZA42 ZA45 ZA75 ZA81 ZA96 ZA97 ZB07 ZB15 ZB26 ZB33 ZB35 ZC35 4C087 AA01 AA02 BC11 CA14 MA01 NA14 ZA01 ZA15 ZA16 ZA42 ZA45 ZA75 ZA81 ZA96 ZA97 ZB07 ZB15 ZB26 ZB33 ZB35 ZC35

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 β-1.3-1.6グルカンを主成分とするアウ
    レオバシジウム(Aureobasidium)培養液。
  2. 【請求項2】 アウレオバシジウム属に属するβ-1.3-
    1.6グルカン産生菌を培養して産生されるアウレオバシ
    ジウム培養液である請求項1記載の培養液。
  3. 【請求項3】 アウレオバシジウム培養液を前処理とし
    て5,000回転10分間、さらには12,000回転1
    0分間遠心分離した上清を加熱処理で殺菌したものであ
    る請求項1または2記載の培養液。
  4. 【請求項4】 請求項1から3までのいずれか1項記載
    のアウレオバシジウム培養液を有効成分とする各種疾病
    に対する予防または治療薬。
  5. 【請求項5】 請求項1から3までのいずれか1項記載
    のアウレオバシジウム培養液を有効成分とする各種疾病
    の発症および/または病態解明のための研究用試薬。
  6. 【請求項6】 各種疫病が、慢性関節リウマチ、膠原
    病、新興自己免疫疾患、ウイルス・細菌感染症、各種
    癌、癌の湿潤、転移、発癌ウイルス、神経疾患、痴呆
    症、アルツハイマー病、肝臓疾患、肝硬変、ウイルス性
    肝疾患、原因不明の難病、生活習慣病(糖尿病、高血
    圧、動脈硬化症、骨粗しょう症など)または日本人に大
    変多い痔(内外痔核、痔出血)などである請求項4また
    は5記載の予防または治療薬あるいは研究用試薬。
  7. 【請求項7】 請求項1から3までのいずれか1項記載
    のアウレオバシジウム培養液を有効成分とする各種臨床
    検査キット(一般検査、生化学検査、病理検査、免疫血
    清検査など)の補助試薬(緩衝液、検査サンプルの保存
    安定剤、生理検査の抵抗防止剤など)。
  8. 【請求項8】 請求項1から3までのいずれか1項記載
    のアウレオバシジウム培養液を有効成分とする移植後の
    患者の無菌食。
  9. 【請求項9】 移植後の患者の無菌食が、骨髄移植後、
    免疫抑制剤を投与している患者の無菌室での無菌食であ
    る請求項8記載の無菌食。
  10. 【請求項10】 請求項1から3までのいずれか1項記
    載のアウレオバシジウム培養液を有効成分とする健康維
    持および/または増進のための健康補助食品。
  11. 【請求項11】 健康補助食品が食事摂取不能や嚥下障
    害を伴う高齢者、またはリハビリテーションを受ける患
    者の体力・抵抗力維持のための機能的健康補助食品であ
    る請求項10記載の健康補助食品。
  12. 【請求項12】 請求項1から3までのいずれか1項記
    載のアウレオバシジウム培養液を有効成分とする女性の
    健康維持食品。
  13. 【請求項13】 健康維持食品が妊産婦、更年期障害を
    持つ女性の生体バランスを調節するための機能的健康補
    助食品である請求項12記載の女性の健康維持食品。
  14. 【請求項14】 請求項1から3までのいずれか1項記
    載のアウレオバシジウム培養液を有効成分とする皮膚な
    どの結合組織を守るコラーゲン類似物質または化粧品。
  15. 【請求項15】 請求項1から3までのいずれか1項記
    載のアウレオバシジウム培養液を有効成分とする病院内
    感染防止(環境微生物の繁殖防止)のための素材。
  16. 【請求項16】 素材が医療従事者の手、指などの消毒
    剤または病室の床等を含む病棟の清浄剤あるいは入浴不
    能の患者、寝たきり高齢者の身体の清拭剤である請求項
    15記載の素材。
  17. 【請求項17】 請求項1から3までのいずれか1項記
    載のアウレオバシジウム培養液を有効成分とする環境汚
    染物質除去のための素材。
  18. 【請求項18】 素材が内分泌攪乱物質(環境ホルモ
    ン、ダイオキシン類など)除去のための素材である請求
    項17記載の素材。
  19. 【請求項19】 請求項1から3までのいずれか1項記
    載のアウレオバシジウム培養液を有効成分とする病原微
    生物の汚染防止のための素材。
  20. 【請求項20】 素材が、手、指、体表面、性器などに
    付着する病原微生物の除去のための素材である請求項1
    9記載の素材。
  21. 【請求項21】 素材が性病(淋病、梅毒など)の起因
    微生物(病原微生物)を、直接患部に塗布することによ
    って除去するため請求項19または20記載の素材。
  22. 【請求項22】 請求項1から3までのいずれか1項記
    載のアウレオバシジウム培養液を有効成分とする各種D
    NAおよび/またはRNAウイルスを除去するための素
    材。
  23. 【請求項23】 素材がヘルペスウイルス、ポリオウイ
    ルス、インフルエンザウイルス、血液を介して感染する
    肝炎ウイルス(B、C型)、エイズウイルス、腫瘍ウイ
    ルスとしてのヒトパピローマウイルスや成人Tリンパ球
    白血病ウイルスなどの除去(感染防御)のための素材で
    ある請求項22記載の素材。
  24. 【請求項24】 請求項1から3までのいずれか1項記
    載のアウレオバシジウム培養液を有効成分とする紫外線
    防止のための素材。
  25. 【請求項25】 素材が皮膚に悪影響を与え、皮膚癌を
    起こす物理的因子(紫外線)をカットするための外用素
    材またはスポーツ選手、戸外で働く労働者の日焼け防止
    のための素材である請求項24記載の素材。
  26. 【請求項26】 請求項1から3までのいずれか1項記
    載のアウレオバシジウム培養液を有効成分とする筋肉疲
    労緩和に対する素材。
  27. 【請求項27】 素材が肉体疲労やスポーツ後の肉体疲
    労物質の経皮的緩和や筋肉疲労や痛みに関わる物質除去
    の素材である請求項26記載の素材。
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