JP2007319150A - β―グルカン産生微生物、培養方法、産生物及び食品 - Google Patents

β―グルカン産生微生物、培養方法、産生物及び食品 Download PDF

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Abstract

【課題】低粘度水溶性β―グルカンを産生するオウレオバシジウム属の微生物、並びに低粘度水溶性β―グルカンを高効率且つ簡便に調製可能な培養ろ液生成方法を提供する。また、低粘度β−グルカン含有水溶液の精製方法、低粘度水溶性β−グルカン、その粉末及びその含有食品を提供する。
【解決手段】オウレオバシジウム属プルランス(Aureobasidium pullulans)K−1菌を変異させ、低分子で会合度の低いβ―グルカンを産生する、変異菌株(寄託番号:FERM P−20869)。また、その培養ろ液に含まれるβ―グルカンを超音波あるいはユニジェットスプレーで処理することにより、水溶性で且つ低粘度のβ―グルカン含有培養ろ液を得方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、β−グルカンの産生に好適な微生物及びその産生に使用する培養ろ液の生成方法、β−グルカン含有水溶液精製方法、β−グルカン粉末製造方法及びβ−グルカン粉末・食品に関し、特に、オウレオバシジウム属(Aureobasidium)に属する微生物が産生する水溶性β−グルカン培養液から、食品用添加物や健康食品素材などとして有用な水溶性低粘度β−1,3−グルカン等を製造する製造方法に関する。
近年、キノコ由来のβ−1,3−グルカンがその抗腫瘍活性、免疫増強活性などにより注目を集めている。例えば、スエヒロタケの菌子体から得られるシゾフィラン、シイタケから抽出されるレンチナン、カワラタケから抽出される多糖などが知られており、医薬品として利用されている。また、ハナビラタケのβ−1,3−グルカンも免疫増強活性を有する健康食品として市販されている。一方、不完全菌であるオウレオバシジウム属に属する微生物も培養液中にβ−1,3−グルカンを産生する。
オウレオバシジウム属の微生物は蔗糖を炭素源として培養するとプルランを産生することで有名であるが、大阪市立工業研究所保存のAureobasidium sp. K−1は蔗糖で培養しても、プルランを生産せずに、主としてβ−1,3−グルカンを産生することが知られている(非特許文献1,2参照)。また、その生産性はアスコルビン酸の添加によって促進されることが明らかにされている(非特許文献7参照)。本菌は表lのような特性を持っておりオウレオバシジウム属プルランス(Aureobasidium pullulans)菌と同定された。
Figure 2007319150
通常、β−1,3−グルカンは水溶液中で3重ラセン構造をとっていると言われている(非特許文献3参照)。その3重ラセン構造体が水素結合により会合し、濃度が高くなると、その会合が安定になり、水に不溶性のゲルを形成する。同様に、Aureobasidium pullulans K−1菌のβ―グルカン含有培養液も、粘度が高いために、その培養液から菌体を分離し、グルカンを精製することが非常に困難であった。
Aureobasidium pullulans K−1菌の産生するβ―グルカン(分子量約200万)より低分子のβ―グルカンを産生することができる菌を得るために、本願の発明者は、このK−1菌を変異させて、その低分子化の目的に合致した変異菌株として、GM−NH−1A1菌、GM−NH−1A2菌を生成することを試みた結果、それらを得ることに成功している。これらの変異菌株を培養することにより、低分子のβ―グルカンが得られるが、これらの変異菌でも、会合を起こして、溶解性が悪くなるなどの問題があり、その培養ろ液からβ―グルカンを精製するには、なおも困難を伴っていた。
β―グルカン含有培養液の低粘度化については、例えば特許文献1に開示されているように、その培養液にアルカリ溶液を加えて0.5Nにすることにより、会合しているβ―グルカンを解離させて低粘度化するβ―グルカンの精製・調製方法がある。しかし、この方法では、中和、脱塩の工程を必要とし、回収率が70%と悪く、長期保存によって沈殿を生ずるという欠点がある。
特許文献2及び非特許文献4に開示されているように、β−1,3−グルカン(シゾフィラン)を超音波処理することによって、β−1,3−結合が切断されて分子量が低下し、低粘度化することが知られている。なお、Aureobasidium pullulans菌の産生するβ―グルカンについては、0.1NのNaOH溶液中での超音波処理によって低分子化したという報告があるが、水溶液中では、その効果は認められていない(非特許文献5参照)。
特開2004−321177号公報 特開昭52−57335号公報 N.Hamada,Y.Tujisaka,Agric.Biol.Chem.,47,1167−1172(1983) 濱田信威、吉田茂義、渡辺保人、科学と工業、64(3),131−135(1990) T.Yanaki,T.Norisue,H.Fujita,Macromolecules,13,1462−1466(1980) K.Tabata,W.Ito,T.Kojima,Carbohydrate Research,89,121−135(1981) 岸岡晴邦他、近畿経済産業局平成13年度創造技術研究開発事業報告書
本発明の目的のひとつは、低粘度化した水溶性β―グルカンを産生する好適な、オウレオバシジウム属の微生物の提供であり、また本発明の別の目的は、微生物が産生する水溶性β―グルカンを含む培養液の低粘度化及び低粘度化した水溶性β―グルカンを高効率に、且つ簡便に調製可能な培養ろ液生成方法の提供である。更に、本発明の別の目的は、培養ろ液生成方法による培養ろ液から低粘度のβ−グルカン含有水溶液を精製する精製方法及びβ−グルカン粉末の製造方法の提供である。更に加えて、本発明の目的は、β−グルカン粉末の製造方法により製造されるβ−グルカン及びその粉末及び/又は含有食品の提供である。
本発明者は、上記課題に鑑み、Aureobasidium pullulans K−1菌を変異させ、低分子で会合度の低いβ―グルカンを産生する変異菌を取得することに成功した。また、その培養ろ液に含まれるβ―グルカンを超音波あるいはユニジェットスプレーで処理することにより、水溶性でかつ、さらに低粘度のβ―グルカン含有培養ろ液が得られることの知見を得るに至り、本発明を完成した。即ち、本発明の第1の形態は、オウレオバシジウム属プルランス(Aureobasidium pullulans)K−1株の変異菌株(独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター 寄託番号:FERM P−20869)からなる微生物である。
本発明の第2の形態は、オウレオバシジウム属プルランス(Aureobasidium pullulans)K−1株を原菌株としてNTG(N―methyl−N’―nitro−N―nitrosoguanidine)処理した変異菌株からなる微生物である。
本発明の第3の形態は、前記第1又は第2の形態において、前記変異菌株はβ−グルカンを産生する微生物である。
本発明の第4の形態は、前記第1、第2又は第3の形態において産生されるグルカンにβ−1、3−グルカンを含む微生物である。
本発明の第5の形態は、前記第1、第2又は第3の形態において産生されるグルカンにβ−1、3−1,6−グルカンを含む微生物である。
本発明の第6の形態は、前記第1〜第5の形態に係る微生物を所定の培養条件下で好気培養してβ−グルカン含有培養ろ液を生成するβ−グルカン含有培養ろ液生成方法である。
本発明の第7の形態は、前記第6の形態に係る前記好気培養の培地に、アスコルビン酸及び/又はグルコン酸を添加してβ−グルカン含有培養ろ液を生成するβ−グルカン含有培養ろ液生成方法である。
本発明の第8の形態は、前記第7の形態において、アスコルビン酸を培地重量比0〜0.6%添加するβ−グルカン含有培養ろ液生成方法である。
本発明の第9の形態は、前記第7の形態において、グルコン酸を培地重量比0.01〜0.3%添加するβ−グルカン含有培養ろ液生成方法である。
本発明の第10の形態は、前記第6〜第9のいずれかの形態において、前記培養条件が、10〜40℃の培養温度と、4〜7のpHと、1〜10日の培養時間であるβ−グルカン含有培養ろ液生成方法である。
本発明の第11の形態は、前記第6〜第10のいずれかの形態に係る生成方法により得られる前記β−グルカン含有培養ろ液から会合状態のβ−グルカンを解離させて水溶性低粘度のβ−グルカンを含有した培養ろ液を生成する水溶性低粘度β−グルカン含有培養ろ液生成方法である。
本発明の第12の形態は、前記第11の形態において、前記β−グルカン含有培養ろ液を超音波処理により低粘度化する水溶性低粘度β−グルカン含有培養ろ液生成方法である。
本発明の第13の形態は、前記第12の形態において、前記超音波処理を、40〜120Wの超音波により行う水溶性低粘度β−グルカン含有培養ろ液生成方法である。
本発明の第14の形態は、前記第11の形態において、前記β−グルカン含有培養ろ液をジェットスプレー処理により低粘度化する水溶性低粘度β−グルカン含有培養ろ液生成方法である。
本発明の第15の形態は、前記第14の形態において、前記ジェットスプレー処理を、流圧が0.1〜1MPa(メガパスカル)、噴出流量が50〜200ml/分の噴出条件で行う水溶性低粘度β−グルカン含有培養ろ液生成方法である。
本発明の第16の形態は、前記第11〜第15のいずれかの形態に係る生成方法により得られる水溶性低粘度β−グルカン含有培養ろ液にアルコール類を添加してβ−グルカンを沈殿させて、その沈殿物を水に溶解させて低粘度β−グルカン含有水溶液を精製する低粘度β−グルカン含有水溶液精製方法である。
本発明の第17の形態は、前記第16の形態において、前記低粘度β−グルカン含有水溶液に、酸性又はアルカリ性の溶媒を添加してpH値が調整された低粘度β−グルカン含有水溶液を精製する低粘度β−グルカン含有水溶液精製方法である。
本発明の第18の形態は、前記第16又は第17の形態に係る精製方法により得られる前記低粘度β−グルカン含有水溶液を乾燥処理して水溶性低粘度β−グルカン粉末を製造する水溶性低粘度β−グルカン粉末製造方法である。
本発明の第19の形態は、前記第11〜第15のいずれかの形態に係る生成方法により得られる前記水溶性低粘度β−グルカン含有培養ろ液にアルコール類を添加してβ−グルカンを沈殿させて、その沈殿物を乾燥処理して水溶性低粘度β−グルカン粉末を製造する水溶性低粘度β−グルカン粉末製造方法である。
本発明の第20の形態は、前記第1〜第5のいずれかの形態に係る微生物の変異菌株から産生されたβ−グルカンである。
本発明の第21の形態は、前記第18又は第19の形態に係る製造方法により2次加工された水溶性低粘度β−グルカン粉末である。
本発明の第22の形態は、前記第20の形態に係る前記水溶性低粘度β−グルカン粉末を含む低粘度β−グルカン含有食品である。
本発明の第23の形態は、前記第16又は第17の形態に係る精製方法により得られる前記低粘度β−グルカン含有水溶液を含む低粘度β−グルカン含有食品である。
本発明の第1の形態によれば、オウレオバシジウム属プルランスK−1株の変異菌株を培養することにより、低粘度性を備え、微粒加工や粉体加工等の二次加工を簡便に行うことのできる水溶性β―グルカンを産生することができる。
本発明の第2の形態によれば、オウレオバシジウム属プルランスK−1株を原菌株としてNTG処理した変異菌株を用いて、低粘度性を備え、微粒加工等の二次加工を簡便に行うことのできる水溶性β―グルカンを産生することができる。
本発明の第3の形態によれば、前記変異菌株を培養することにより、低粘度性を備え、微粒加工や粉体加工等の二次加工を簡便に行うことのできる水溶性β−グルカンを産生することができる。
本発明の第4又は第5の形態によれば、乾燥粉末化加工が容易食品や飲食物の添加剤に利用可能なβ−1、3−グルカン、β−1,3−1,6−グルカンを得ることができる。
本発明の第6の形態によれば、前記培養条件下での前記好気培養により水溶性低粘度β―グルカン含有培養ろ液を調製することができる。
本発明の第7の形態によれば、前記好気培養の培地に、アスコルビン酸及び/又はグルコン酸を添加することにより、低粘度の水溶性β−1、3−グルカンを生産することのできるβ−グルカン含有培養ろ液を生成することができる。
本発明の第8の形態によれば、前記培地にアスコルビン酸を培地重量比0〜0.6%添加することにより、低粘度の水溶性β−1、3−グルカンを産生することのできるβ−グルカン含有培養ろ液の生成が可能となる。アスコルビン酸の添加は、好ましくは0.05%から0.15%である。
本発明の第9の形態によれば、前記培地にグルコン酸を培地重量比0.01〜0.3%添加することにより、低粘度の水溶性β−1、3−グルカンを産生することのできるβ−グルカン含有培養ろ液の生成が可能となる。グルコン酸の添加は、好ましくは0.03%から0.1%である。
本発明の第10の形態によれば、10〜40℃の培養温度、4〜7のpH、及び1〜10日の培養時間からなる培養条件により、低粘度の水溶性β−1、3−グルカンを生産することのできるβ−グルカン含有培養ろ液の生成が可能となる。オウレオバシジウム属の微生物を好気的に培養するための条件として、温度は好ましくは20〜30℃であり、pHは好ましくは4.5〜5.5である。培養時間は、2〜7日間が好ましく、3〜4日間培養すれば水溶性β―グルカンを生産することができる。
本発明の第11の形態によれば、前記生成方法により得られる前記β−グルカン含有培養ろ液から会合状態のβ−グルカンを解離させて水溶性低粘度のβ−グルカンを含有した培養ろ液を生成するので、その水溶性低粘度β−グルカン含有培養ろ液を用いて高効率にβ−グルカンを生成することができる。
本発明の第12の形態によれば、前記β−グルカン含有培養ろ液を超音波処理により低粘度化するので、精製工程において菌体等の固形物の除去が容易になって、培養ろ液からβ―グルカンを簡便に精製できる。従って、培養ろ液からβ―グルカンを乾燥して高純度の粉末処理加工がし易く、健康食品素材や健康食品飲料素材等に好適なβ―グルカンを得ることが可能となる。
本発明の第13の形態によれば、前記超音波処理を、40〜120Wの超音波により行うので、水溶性低粘度β−グルカン含有培養ろ液を確実に生成することができる。前記超音波処理には、好ましくは、60〜80Wの超音波を使用する。
本発明の第14の形態によれば、前記β−グルカン含有培養ろ液をジェットスプレー処理により低粘度化するので、培養ろ液からβ―グルカンを簡便に精製でき、且つそれを乾燥して粉末処理加工し易く、健康食品素材や健康食品飲料素材等に好適なβ―グルカンを得ることが可能となる。
本発明の第15の形態によれば、前記ジェットスプレー処理を、流圧が0.1〜1MPa(メガパスカル)、噴出流量が50〜200ml/分の噴出条件で行うので、水溶性低粘度β−グルカン含有培養ろ液を確実に生成することができる。
本発明の第16の形態によれば、前記生成方法により得られる水溶性低粘度β−グルカン含有培養ろ液にエタノール等のアルコール類を添加してβ−グルカンを沈殿させて、その沈殿物を水に溶解させて低粘度β−グルカン含有水溶液を精製するので、その沈殿物を乾燥させ破砕して微粒加工等の容易化に寄与する低粘度β−グルカン含有水溶液を得ることができる。
本発明の第17の形態によれば、前記低粘度β−グルカン含有水溶液に、酸性又はアルカリ性の溶媒を添加してpH値が調整された低粘度β−グルカン含有水溶液を精製するので、効果的な培養pHに調整して、低粘度β−グルカン含有水溶液を調製することができる。
本発明の第18の形態によれば、前記低粘度β−グルカン含有水溶液を乾燥処理して水溶性低粘度β−グルカン粉末を製造するので、微粒加工や粉砕加工されたβ−グルカン粉末を簡易に製造することができる。
本発明の第19の形態によれば、前記水溶性低粘度β−グルカン含有培養ろ液にアルコール類を添加してβ−グルカンを沈殿させて、その沈殿物を乾燥処理して水溶性低粘度β−グルカン粉末を製造するので、微粒加工や粉砕加工されたβ−グルカン粉末を簡易に製造することができる。
本発明の第20の形態によれば、前記第1〜第5のいずれかの形態に係る微生物の変異菌株から産生されたβ−グルカンにより、低粘度性を備え、微粒加工や粉体加工等の二次加工を簡便に行うことのできる水溶性β―グルカンを得ることができる。
本発明の第21の形態によれば、前記製造方法により2次加工された水溶性低粘度β−グルカン粉末であるので、簡易に微粒加工や粉砕加工して、β−グルカン粉末の低コスト化に寄与する。
本発明の第22の形態によれば、前記水溶性低粘度β−グルカン粉末を含むため、簡易に微粒加工や粉砕加工したβ−グルカン粉末を含有させて、β−グルカン含有食品の低コスト化を実現することができる。
本発明の第23の形態によれば、簡易に精製した前記低粘度β−グルカン含有水溶液を含むため、β−グルカン水溶液含有食品の低コスト化を実現することができる。
本発明の微生物は、オウレオバシジウム属プルランス(Aureobasidium pullulans)K−1株の変異菌株(寄託番号 FERM P−20869)からなる。特には、オウレオバシジウム プルランスK−1株を原菌株としてNTG処理することによって得られた変異菌株25−1b菌を使用することができる。このNTG処理はNTG(50μg/ml)で27℃、30分処理することにより行った。この変異菌株は会合の少ない、低分子量のβ−グルカンを生産し、低粘度の培養ろ液を得るためには、特に好ましい菌である。なお、原菌株であるオウレオバシジウム プルランスK−1株は高分子量のβ−グルカン(分子量約200万)を産生する。そのβ−グルカンの構造はβ−1,3−結合したグルコース4個あたり、3個のグルコースが1,6−結合したグルコースの側鎖を有し、その側鎖のグルコースにスルホ酢酸基を0.1−0.5%結合している(非特許文献1参照)。そのβ―グルカンを含む培養ろ液は非常に粘度が高い性質を有する。なお、変異菌株の作製にはNTG以外の変異原物質を用いてもよく、また放射線照射を行ってもよい。
まず、本変異菌株25−1b菌の粘度性質を明らかにするために、前述のGM−NH−1A1菌との特性比較を行った。
本変異菌株25−1b菌による基本培地の組成を下記の表2に示す。
Figure 2007319150
β−グルカンの産生は、下記の表3に示すように、アスコルビン酸ASAを加えると促進され、そこへグルコン酸GAを添加すると、さらに促進される。GM−NH−1A1菌によるβ―グルカンの産生も同様培地により促進されることが分かっている。また。アスコルビン酸は原株、オウレオバシジウム プルランス K1菌によるβ―グルカンの生産を促進することは、N.Hamada,K.Deguchi et.al.,Biotechnol.Biochem.64(9),1801−1806(2000)又はN.Hamada,Y.Watanabe,Biotechnol.Biochem.57,1348−1349(1993)の文献に既に報告されている。
Figure 2007319150
基本培地(表2参照)にアスコルビン酸(0.1%)とグルコン酸(0.03%)を添加した液体培地の組成を表4に示す。
Figure 2007319150
この液体培地75mlを坂口フラスコに入れ、121℃、15分間加熱殺菌した後、変異菌株25−1b菌とGM−NH−1A1菌をそれぞれ植菌し、27℃で、96時間振とう培養して、これらから得られるβ―グルカンの生産性と性状を比較した。
表3に示すように、変異菌株25−1b菌とGM−NH−1A1菌によるグルカンの生産性は近似しているが、β―グルカンを含んだ培養ろ液の粘度は変異菌株25−1b菌の方がGM−NH−1A1菌よりも低い。0.1%ASA添加の場合、変異菌株25−1b菌とGM−NH−1A1菌の相対粘度がそれぞれ、1.2、1.8である。更に、0.03%GAを添加すると、変異菌株25−1b菌とGM−NH−1A1菌の相対粘度がそれぞれ、1.9、3.4であり、ASA添加のみの場合より、粘度の差異は一層大きくなる。GM−NH−1A1菌の産生するグルカンの分子量は約80万であるのに対して、変異菌株25−1b菌の産生するグルカンの分子量は約60万である。この分子量の差が、変異菌株25−1b菌の培養ろ液の粘度がGM−NH−1A1菌より低い要因の一つである。
次に、変異菌株25−1b菌とGM−NH−1A1菌のβ―グルカンをトヨパールHW65(東ソー株式会社製ゲルクロマトグラフィー用充填剤)によりゲル濾過を行い、それぞれの会合度合いを比較した。図1は、ゲル濾過における各フラクションの糖含量をフェノール硫酸法で測定した時の吸光度を示す。図1に示すように、GM−NH−1A1菌のβ−グルカンはピークからブロードに溶出される。一方、変異菌株25−1b菌によって産生されたβ−グルカンの溶出も、ピークからブロードになるが、その溶出はGM−NH−1A1菌の場合に比べて早く終わることが分かる。これらブロードの部分はグルカンの分子が会合を起こし、溶解度が低いために流出が悪くなり、生じたと考えられる。変異菌株25−1b菌におけるゲル濾過パターンのブロード部分はGM−NH−1A1菌におけるブロード部分よりも少ない。これは変異菌株25−1b菌によって産生されたβ―グルカンの会合が少ないためと考えられる。
オウレオバシジウム属に属する微生物の変異菌株25−1b菌株を培養して、低粘度の水溶性β−1,3−グルカンを生産する方法を以下に述べる。
表4に示した培地はβ―グルカンの生産性がよく、水溶性β―1,3−グルカンの生産用培地に好適である。なお、この培地組成の濃度は表4に示されるものに限定されるものではなく、殊に、アスコルビン酸は0〜0.6%、好ましくは0.05%〜0.15%である。グルコン酸は0.01〜0.3%、好ましくは0.03〜0.1%である。また、この培地に酵母エキス等の有機栄養源、銅、コバルト等の微量金属やビタミン類を添加するのも有効である。
オウレオバシジウム属の微生物を好気的に培養するための好気培養条件は、温度は10〜40℃、好ましくは20〜30℃であり、pHは4〜7、好ましくは4.5〜5.5である。効果的な培養pHにするためにはアルカリ又は酸の溶媒を添加して培養液のpHを制御することが有効である。培養液の消泡のために、消泡剤を添加してもよい。培養時間は通常2〜7日間が好ましく、3〜4日間培養すれば水溶性β−グルカンを生産することができる。
上記培養条件によりオウレオバシジウム属の微生物を4〜6日間、通気攪拌培養(1.5L/min、300rpm)を行うと、培養液にβ−グルカンが0.1〜1.5%生産(w/v)される。その培養液の粘度は、食品物性レオメータ(ユービーエム社製:Rheosol−G5000NTWD)の測定により、25℃で50cp〜1000cpである。これは、オウレオバシジウム属の微生物を培養して得られる従来のβ―グルカンを含む培養ろ液の粘度よりも低い粘度である。従って、その培養液から遠心分離機等を用いて、菌体を簡便に除去でき、菌体を除いたβ−グルカンを含む培養ろ液を得ることができる。
上記のようにして得られる培養ろ液を超音波処理(培養ろ液50mlをビーカーに入れて、80Wで1分間超音波処理する。)あるいはユニジェットスプレー処理(培養ろ液を加圧タンクに500ml入れて、コンプレッサーで0.5Paの圧力を掛けてノズルから噴き出させる。ノズルの流量は1分間に水80ml噴き出させる。)することによって、その粘度を低下させることができる。
本実施形態においては、オウレオバシジウム属プルランスK−1株の変異菌株(寄託番号 FERM P−20869)からなる微生物を培養することにより、β―グルカンを含む低粘度培養ろ液を簡便に得ることができる。従って、アルカリ処理で粘度低下させる時に必要な中和処理、脱塩のような後処理を必要とせず、ロスが少ない低粘度化処理を簡便に行える利点がある。上記の超音波処理やユニジェットスプレー処理により低粘度化させた培養ろ液は加熱滅菌処理してβ−グルカン溶液のまま、あるいは66%のエタノールで培養ろ液からβ−グルカンを沈殿させて効率的に精製できる。その沈殿物を乾燥して粉末にしたものは、水に容易に溶ける水溶性を備え、その水溶液は無色透明である。更に、β−グルカン粉末は健康食品素材、特に健康食品飲料素材として利用することができる。
次に、本発明に係るβ−グルカン培養ろ液を用いて行った粘度低下実験の実施例を説明する。
<実施例1>
実施例1におけるβ−グルカンの生産は次のように行った。前掲の表2に示す組成からなる液体培地75mlを坂口フラスコに入れ、121℃、 15分間、加圧蒸気滅菌を行った後、25-1b菌をスラントより無菌的に1白菌耳植菌し、27C、120rpm, 72時間振とう培養を行い種菌を調製した。
次いで、前掲の表4の培地3Lを5L用ジャーファメンター(ミツワ理化社製)に入れ、121C、15分間、加圧蒸気滅菌を行い、そこへ先に得られた種菌(坂口フラスコ1本分)を無菌的に植菌し、29 ℃、1.5L/min、300rpmの通気攪拌培養を行った。pHは1NのNaOH、1NのHClを用いて、4.8〜4.9に制御した。表5は、超音波処理を行う前と、超音波処理を行った場合の培養液の特性データを示す。
Figure 2007319150
培養約96時間後の菌体濁度はOD(660)24、グルカン濃度は0.42%(w/v)、粘度は97cpであった(表5参照)。この粘度は従来のβ−グルカン(例えば、GM−NH−1A1菌の産生するグルカン)の粘度と比べると半分以下であった。グルカン濃度は、培養液から菌体を遠心分離で除去した後、66%(v/v)になるようにエタノールを加えて、グルカンを沈殿させ、更に66%エタノールで洗浄後、その沈殿をイオン交換水に溶解して、フェノール硫酸法で定量した。
β−1,3−グルカンのラセン構造体にコンゴーレッドが吸着すると、コンゴーレッドの吸収スペクトルが長波長側に10〜25nmシフトすることが知られている(例えば、K.Ogawa,Carbohydrate Research, 67.527−535(1978))。このシフト現象を利用して定性的にβ−1,3−グルカンであるかどうかを判定することができる。本実施例に係るグルカンはコンゴーレッドの波長をシフトさせることを確認することにより、本グルカンにはβ−グルカンを含有することが証明された。そのときの510nmにおける極大値の増大は0.43/500μg多糖であった(表5参照)。
本実施例のグルカンに対する2次元NMR(H−NMR)スペクトル分析によれば、β−1,3−結合に由来する4.7ppmとβ−1,6−結合に由来する4.4ppm付近に2個のシグナルを得た。この結果から、本β−グルカンがβ−1,3−グルカンであることが証明された。それぞれのシグナルの積分比から、β−1,3−結合/β−1,6−結合の比は1.19であることが判明した。このことは本β−1,3−グルカンが84%分岐していることを示している。
次に、上記培養ろ液から得られるβ―グルカンを粉体化して、β−グルカン粉末の分析を行った。培養ろ液にエタノールを66%になるように加えて、β−グルカンを沈殿させその沈殿を遠心分離で集めた。その沈殿をイオン交換水に溶かして、再度、66%エタノールでβ−グルカンを沈殿させて回収した。このβ−グルカンの水溶液をイオン交換水に対して透析し、その透析内液にエタノールを66%になるように加えて、β−グルカンを沈殿させ、乾燥させた。その乾燥物を乳鉢で破砕してβ−グルカンの粉末を得た。そのβ−グルカン粉末を組成分析したところ、そのS含量は340mg/kgであった。これから計算されるβ−グルカンに含まれるスルホ酢酸含量は0.15%であった。これは非特許文献1に記載された方法で測定したスルホ酢酸含量からも確認できた。そのβ−1,3−グルカンの粉末は水に容易に溶解し、無色透明で、その純度はほぼ100%であった。
上記の生成処理工程により、培養ろ液からエタノール沈殿を繰り返すだけで、水に容易に溶けて、無色透明になる、真っ白なβ−グルカンの粉末が効率的かつ簡便に得られるが、超音波処理及び/又はユニジェットスプレー処理を行うことにより、更に粘度の低いβ―グルカン溶液を精製することができる。
上記生成工程により得られた培養ろ液の粘度を食品物性レオメーターで測定したところ、97cpであった。この培養ろ液50mlを50ml用ビーカーに入れて、超音波装置(Branson Sonifier Model 250,20KHz)を用いて、80Wで超音波処理したところ、その粘度は1分間で25.8cp、2分間で10.4cp、 3分間で8cpまで低下した(表5参照)。この条件下において、3分間超音波処理を行うと水と同程度の粘度になった。
無処理、超音波処理の培養ろ液中のβ−グルカンを66%エタノールで沈殿させ、その沈殿を66%エタノールで洗浄して得られるβ−グルカンについて、トヨパールHW65でゲル濾過を行い、分子量測定を実施した。
図2は、実施例1のゲル濾過における、各フラクションの糖含量をフェノール硫酸法で測定した時の吸光度を示す。図2に示すように、分子量60万のピークは無処理が最も小さく、超音波処理1分、2分、3分の順に大きくなった。これらの溶出パターンはブロードの部分(分子量60万より後ろに溶出されてくる部分)が無処理培養ろ液に最も多く、超音波処理1分、2分、3分の順に少なくなった。このことは分子量60万のβ−グルカンが会合をおこし、溶出が遅れて、ブロードになっており、超音波処理することによって、会合しているβ−グルカンが分子量60万のβ−グルカンに解離することを示している。
また、この培養ろ液500mlを加圧タンクに入れて、ユニジェットスプレー(スプレーイング システムス ジャパン株式会社製)を用いて、コンプレッサーで0.5MPa.(約5Kg/cm)の圧力を加えて、培養ろ液を極小の穴(ノズル)から押し出して、ユニジェットスプレー処理を行うと、その粘度は97cpから61cpまで低下した。ノズルはこの条件下で水が1分間に80ml押し出されるものを使用した。同じノズルを使って、圧力を0.5MPa以上にすると1分間の流量が80ml以上になり、その噴出条件でユニジェットスプレー処理を行うと、粘度は更に低下する。
<実施例2>
実施例2におけるβ―グルカンの培養生産は実施例1と異なる培養条件で行った。
培養約91時間後の菌体濁度はOD(660)21、グルカン濃度は0.59%(w/v)で、粘度は211cpであった。グルカン濃度の定量は実施例1と同じ方法によった。実施例2におけるグルカンに実施例1と同様にコンゴーレッドを反応させると510nmの吸収が0.45/500μgであった。このことから、本グルカンはβ−1,3−グルカンを含むことを示している。本グルカンを実施例1と同じ方法で乾燥して、粉末化した。その粉末を組成分析したところ、そのS含量は470mg/kgであった。これから計算される本グルカンに含まれるスルホ酢酸含量は0.21%であった。これは非特許文献1に記載されている方法で測定したスルホ酢酸含量からも確認できた。また、本グルカンの2次元NMRスペクトル分析で、β−1,3−結合に由来する4.7ppmとβ−1,6−結合に由来する4.4ppm付近に2本のシグナルを得た。この結果から、本グルカンはβ−1,3−1,6−グルカンであることが証明された。それぞれのシグナルの積分比から、β−1,3−結合/β−1,6−結合の比は1.17であることが判った。このことは、本β―グルカンが85%の分岐を有することを示している。本β−1,3−グルカンの乾燥標品は実施例1と同様に調製され、水に容易に溶け、無色透明の溶液が得られた。その純度は99%以上であった。
実施例2における培養ろ液(グルカン濃度0.59%)を実施例1と同様に、超音波処理したところ、80W、2分間超音波処理により、粘度は211cpから57cpに低下した。また、実施例1と同様に、ユニジェットスプレー処理を実施すると、135cpに低下した。これから、実施例2によるβ―グルカンに対しても、超音波処理、ユニジェットスプレー処理が低粘度化に有効であることがわかる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
本発明によれば、低粘度化した水溶性β―グルカンを産生する好適な、オウレオバシジウム属の微生物を提供でき、また、その微生物が産生する水溶性β―グルカンを含む培養液の低粘度化及び低粘度化した水溶性β―グルカンを高効率に、且つ簡便に調製可能な培養ろ液を生成して、低粘度培養ろ液からβ−グルカン粉末を効率的に製造できる。この製造β−グルカン粉末を含有させることにより、医薬、健康食品等、また水溶性により溶液状に含有させることにより、清涼飲料、ゼリー飲料、各種ジュースの飲料等を提供することができる。
本発明の一実施形態におけるゲルクロマトグラフィーによって得られた各フラクションの糖含量をフェノール硫酸法で測定した時の吸光度を示す図である。 前記実施形態の実施例1におけるβ―グルカンのゲルクロマトグラフィーによって得られた各フラクションの糖含量をフェノール硫酸法で測定した時の吸光度を示す図である。

Claims (23)

  1. オウレオバシジウム属プルランス(Aureobasidium pullulans)K−1株の変異菌株(寄託番号 FERM P−20869)からなることを特徴とする微生物。
  2. オウレオバシジウム属プルランス(Aureobasidium pullulans)K−1株を原菌株としてNTG(N―methyl−N’―nitro−N―nitrosoguanidine)処理した変異菌株からなることを特徴とする微生物。
  3. 前記変異菌株はβ−グルカンを産生する請求項1又は2に記載の微生物。
  4. 産生されるグルカンにβ―1,3−グルカンを含む請求項1,2又は3に記載の微生物。
  5. 産生されるグルカンにβ―1,3−1,6−グルカンを含む請求項1,2又は3に記載の微生物。
  6. 請求項1〜5の微生物を所定の培養条件下で好気培養してβ−グルカン含有培養ろ液を生成することを特徴とするβ−グルカン含有培養ろ液生成方法。
  7. 前記好気培養の培地に、アスコルビン酸及び/又はグルコン酸を添加してβ−グルカン含有培養ろ液を生成する請求項6に記載のβ−グルカン含有培養ろ液生成方法。
  8. アスコルビン酸を培地重量比0〜0.6%添加する請求項7に記載のβ−グルカン含有培養ろ液生成方法。
  9. グルコン酸を培地重量比0.01〜0.3%添加する請求項7に記載のβ−グルカン含有培養ろ液生成方法。
  10. 前記培養条件が、10〜40℃の培養温度と、4〜7のpHと、1〜10日の培養時間である請求項6〜9のいずれかに記載のβ−グルカン含有培養ろ液生成方法。
  11. 請求項6〜10の生成方法により得られる前記β−グルカン含有培養ろ液から会合状態のβ−グルカンを解離させて水溶性低粘度のβ−グルカンを含有した培養ろ液を生成することを特徴とする水溶性低粘度β−グルカン含有培養ろ液生成方法。
  12. 前記β−グルカン含有培養ろ液を超音波処理により低粘度化する請求項11に記載の水溶性低粘度β−グルカン含有培養ろ液生成方法。
  13. 前記超音波処理を、40〜120Wの超音波により行う請求項12に記載の水溶性低粘度β−グルカン含有培養ろ液生成方法。
  14. 前記β−グルカン含有培養ろ液をジェットスプレー処理により低粘度化する請求項11に記載の水溶性低粘度β−グルカン含有培養ろ液生成方法。
  15. 前記ジェットスプレー処理を、流圧が0.1〜1MPa(メガパスカル)、噴出流量が50〜200ml/分の噴出条件で行う請求項14に記載の水溶性低粘度β−グルカン含有培養ろ液生成方法。
  16. 請求項11〜15に記載の生成方法により得られる水溶性低粘度β−グルカン含有培養ろ液にアルコール類を添加してβ−グルカンを沈殿させて、その沈殿物を水に溶解させて低粘度β−グルカン含有水溶液を精製することを特徴とする低粘度β−グルカン含有水溶液精製方法。
  17. 前記低粘度β−グルカン含有水溶液に、酸性又はアルカリ性の溶媒を添加してpH値が調整された低粘度β−グルカン含有水溶液を精製する請求項16に記載の低粘度β−グルカン含有水溶液精製方法。
  18. 請求項16又は17に記載の精製方法により得られる前記低粘度β−グルカン含有水溶液を乾燥処理して水溶性低粘度β−グルカン粉末を製造することを特徴とする水溶性低粘度β−グルカン粉末製造方法。
  19. 請求項11〜15に記載の生成方法により得られる前記水溶性低粘度β−グルカン含有培養ろ液にアルコール類を添加してβ−グルカンを沈殿させて、その沈殿物を乾燥処理して水溶性低粘度β−グルカン粉末を製造することを特徴とする水溶性低粘度β−グルカン粉末製造方法。
  20. 請求項1〜5のいずれかに記載の微生物の変異菌株から産生されたことを特徴とするβ−グルカン。
  21. 請求項18又は19の製造方法により2次加工されたことを特徴とする水溶性低粘度β−グルカン粉末。
  22. 請求項20の前記水溶性低粘度β−グルカン粉末を含むことを特徴とする低粘度β−グルカン含有食品。
  23. 請求項16又は17の精製方法により得られる前記低粘度β−グルカン含有水溶液を含むことを特徴とする低粘度β−グルカン含有食品。
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