JPH06340701A - 高分岐度β−グルカン、その製造法及び用途 - Google Patents
高分岐度β−グルカン、その製造法及び用途Info
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Abstract
asidium pullulans) IFO4466菌株の培養上清から得られ
る、β-1.3結合グルコース残基を主鎖として、これにβ
-1.6結合グルコース残基の分岐鎖を多数側鎖として有す
る数分子量1万〜500 万の高分岐度β−グルカン、その
製造法及び用途。 【効果】 経口的に高い抗腫瘍活性及び免疫賦活活性を
有し、医薬、食品添加物、飼料添加物等として有用であ
る。
Description
ン、その製造法及び感染症予防剤あるいは抗腫瘍剤に関
する。本発明の感染症予防剤あるいは抗腫瘍剤は、医薬
あるいは食品添加剤、飼料添加剤などとして有用であ
る。
sidium sp.) がβ−1, 3−1, 6−D−グルカンを生成す
ることは知られていた (Acta Chemica Scandinavia 1
7, 1351-1356(1963) 、Agric. Biol. Chem. 47 (6), 11
67-1172(1983)) 。これらのグルカンはリン酸基、リン
ゴ酸基またはスルホン酸基が付いており、活性を高める
ためにはこれらの官能基を取り除かななければならない
という問題があった。一方、多数分岐を有するのグルカ
ンも知られているが(Chem.Pharm.Bull.,40, 2215(199
2)) 、分岐のない主鎖のグルコース単独同志の結合が多
数存在しているものであり、またこのグルカンは抗腫瘍
活性を有していないものであった。
うなオウレオバシディウム属の産生する高分子多糖に注
目し、新規で、かつさらに生理活性の高いβ−グルカン
を得ようとして検討を重ねたところ、オウレオバシディ
ウム プルランス IFO 4466 株が高分岐度のβ−グ
ルコシド結合をもつ新規グルカンを産生し、このグルカ
ンがリン酸基等と結合しないグルコースのみからなる多
糖で経口的に高い抗腫瘍活性及び免疫賦活作用を示すこ
とを見出して本発明を完成するに至った。
のβ−グルコシド結合をもつグルカンを提供することに
ある。また、本発明の課題は、オウレオバシディウム
プルランスIFO4466株を用いる新規な高分岐度β−グ
ルカンの製造法を提供することにある。さらに本発明の
課題は、このような新規な高分岐度β−グルカンを有効
成分とする抗腫瘍剤及び感染症予防剤を提供することに
ある。
は、前記したようにオウレオバシディウム属の産生する
多糖について注目し、オウレオバシディウム属に属する
種々の微生物を用いて多糖の産生について検討を重ねた
ところ、オウレオバシディウム プルランス IFO 4
466 株がキシロースおよびビタミンCを必須成分として
含有する液体培地において高い収率で生理活性が高く、
高分岐度のβ−グルコシド結合をもつβ−グルカンを産
生することを見出した。
オバシディウム属には、森永力著「講座/真菌の分類・
同定」(J. Antibact. Antifung. Agents. 18 (6) 295
-297(1990)によれば、14種1変種があり、そのほとんど
がオウレオバシディウム プルランス(Aureobasidium
pullulans)である。オウレオバシデイウム プルランス
には2つの変種がある。 これらの形態的特徴は、コロ
ニーは滑面でしばしば粘性のある分生子の塊りで被わ
れ、通常、気中菌糸はまばらに存在する。コロニーの色
は明るい褐色、黄色、ピンクあるいは黒色とさまざまで
ある。菌糸は透明、しばしば褐色になり厚壁である。分
生子形成細胞は透明で、菌糸上に分岐して先端にあるい
は中間部にそれぞれ形成される。分生子は同調的に出芽
法により、分生子形成細胞上から密に作られる。色は透
明・滑面壁で単細胞、形や大きさはさまざまである。こ
れらのオウレオバシディウム プルランスのなかで天然
から分離して純化、継代培養してその形質を保持してい
るものあるいは寄託機関に寄託されている菌株のうち、
本発明の高分岐度β−グルカンを産生することができる
ものであれば、どのような菌株でも用いられる。しか
し、財団法人 発酵研究所に寄託されているオウレオバ
シディウム プルランス IFO 4466 を使用すること
が高分岐度β−グルカンの収率及び単離しやすさの点で
好ましい。
源、リン、カリウム、マグネシウム等の通常微生物の培
養に必要な栄養成分を含む液体培地が用いられる。炭素
源としては少なくともキシロースおよびビタミンCを必
須成分として用いる。炭素源として、これ以外に例えば
グルコースやシュークロースを用いることができる。使
用割合は炭素源としてキシロース5〜150g/L、好ましく
は10〜100g/L、最も好ましくは20〜60g/L 、ビタミンC
0.01 〜100g/L、好ましくは 0.1〜60g/L 、最も好まし
くは 0.5〜20g/L が用いられる。炭素源以外の成分の使
用割合はNaNO3 0.5g/L〜20g/L 、好ましくは 1〜10g/L
、K2HPO4 0.05〜10g/L 、好ましくは 0.1〜5g/L、KH2
PO4 0〜20g/L 、好ましくは 0.5〜5g/L、KCl 0.1〜10g
/L 、 0.2〜5g/L、 MgSO4・7H2O 0.05〜5.0g/L、好ま
しくは 0.1〜2.0g/L、 FeSO4・7H2O 0〜5g/L、好ましく
は 0.005〜2.0g/Lが用いられる。また本発明の液体培地
にビタミンB1 を添加することもできる。培養は、通
常、温度 5〜40℃で1 〜10日間培養する。好ましくはは
通気下で行う。こうして培養液中に本発明の高分岐度β
−グルカンが産生される。
施して培養液から菌体を除去し、培養上清から本発明の
高分岐度β−グルカンを採取する。採取方法としては培
養上清に有機溶媒を加えて本発明の高分岐度β−グルカ
ンを沈澱させる方法を好ましく用いることができる。有
機溶媒として特に制限はないが、例えばアルコール、ケ
トン、ニトリル等が用いられる。具体的にはエタノー
ル、イソプロピルアルコール、アセトンやアセトニトリ
ルなどが挙げられるが、特にエタノールが好ましい。得
られる生成物は、本発明の高分岐度β−グルカンのほか
に、通常、低分子化合物、タンパク、水不溶性のグルカ
ン等の不純物を含有している。本発明において本発明の
高分岐度β−グルカンを食品添加剤あるいは飼料添加剤
として用いるときは、前記生成物をそのままあるいは乾
燥して用いることができる。
場合は、セルロースチューブなどを用いて透析を行って
低分子化合物を除去し、また、トリクロロ酢酸、ピクリ
ン酸などの酸性物質あるいは、n−ブタノール、n−ブ
タノールのクロロホルム溶液等の有機溶剤を除タンパク
剤として用いてタンパクを沈澱除去する。さらに、高分
岐度β−グルカンの沈澱に、0.5N程度のアルカリ水溶液
を加えてこの沈澱を溶解し、不溶性のグルカンを沈澱除
去し、水可溶性のグルカンだけを酢酸、クエン酸、塩
酸、硫酸などの酸で中和して精製された高分岐度グルカ
ンを得る。不純物除去操作で使用した薬品は、透析、ゲ
ル透過、限外濾過などによって除去して純度が高い本発
明の高分岐度β−グルカンを得ることができる。
カンの理化学的性質を示すと次のとおりである。
8時間加熱して加水分解を行い、その後常法に従って水
素化ホウ素ナトリウムにより還元した上、ピリジンと無
水酢酸とによりアセチル化し、ガスクロマトグラフィー
(カラム:3重量%ECNSS-M/クロモソルブ W温度: 190
℃ キャリアガス:窒素ガス、キャリアガス流量:3ml
/分)により分析したところ、比旋光度〔α〕D 25は+
50゜であり、D−グルコース〔文献値〔α〕D 25+52.8
゜ (広川書店発行「有機定性分析」第 276頁) 〕のそれ
とほぼ一致することから99%以上がグルコースであるこ
とが認められた。さらに、また本発明の高分岐度β−グ
ルカンを、市販のキラターゼを精製して得られたエキソ
β−グルカナーゼにより酵素分解を行い、分解糖を薄層
クロマトグラフィー(TLC)で調べた。この精製酵素
はグルコースのβ-1,3結合のみからなるラミナリンに作
用させ、TLCで分解糖を調べるとグルコースのみが検
出されるが、本発明の高分岐度β−グルカンから得られ
た分解糖はグルコースおよびゲンチオビースと同じRf値
を持っていた。しかもグルコース1に対し、ゲンチオビ
オースが2以上であった。また酵素による分解速度はラ
ミナリンの分解速度の1/20であったことから主鎖のβ
-1,3結合の切断は分岐鎖により立体障害を受けたことが
判明した。このようにして得られた酵素分解物と、前記
酸分解物とをHPLC分析(カラム:μBondaSphere-NH
2 5μ 100Å、溶媒:80%CH3CN 、流速: 0.8ml/ml 、
検出:示差屈折計による) によって分解糖を定量したと
ころ酵素による分解率は酸による分解率の1%以下であ
って、酵素により非常に分解されにくいことを示した。
ホキシド(DMSO)-d6 に溶解し、100 ℃に保持したまま測
定した13C NMRスペクトルの1例を図1に示す。図
1に示すように (i)δ値 68ppm域に、化3に示されるグ
ルコース残基A中のC−6の炭素に帰属するピーク
S1 、(ii)δ値 86ppm域に化3に示される前記グルコー
ス残基A及びグルコース残基C中のC−3の炭素に帰属
するピークS2 、及び(iii) δ値 103ppm 域に化3に示
されるグルコース残基A、B及びC中のC−1の炭素に
帰属するピークS3 の3個のシグナルが認められる。こ
のことから、本発明の高分岐度β−グルカンは、β1→
3結合を介して結合した前記AあるいはCからなる主鎖
にβ1→6結合を介して結合した前記Bが分岐している
ものと判断される(Carbohydrate Polymers 2, 135-144
(1982) 参照) 。
ようにδ値60.5〜60.8ppm 域にグルコース残基C中のC
−6の炭素に帰属するシグナルSa の強度が1に対し、
δ値61.0ppm域のグルコース残基BのC−6の炭素に帰
属するシグナルSb の強度が約2であるから本発明の高
分岐度β−グルカン中には主鎖のグルコース残基3個に
対して分岐したグルコース残基が2個存在する。
帰属するシグナルが検出される領域の拡大スペクトルを
図3に示す。図3においてδ値 85.7 ppm のシグナルS
c は、HSQC−TOCSY〔吉岡書房発行「エルンス
ト二次元NMR」第 589頁(1991 年) 及び丸善発行、日
本化学会編「実験化学講座」第5巻第 133-137頁(1991
年) 〕で、グルコース残基AのH−6水素のシグナル
(δ値 3.58 および4.08ppm)との相関が観測されること
から、グルコース残基AのC−3炭素に帰属される(Car
bohydroate Polymers 2, 135-144(1982)参照) 。残りの
δ値 86.2 ppm のシグナルSd はグルコース残基CのC
−3炭素に帰属される。さらに本発明の高分岐度β−グ
ルカンは、スクレログルカンやラミナリンのようなグル
コース残基Cが連続するユニットを部分構造として持つ
グルカンで観測されるはずのδ値 85.9 ppm のC−3炭
素に相当するシグナルが検出されないことから、本発明
の高分岐度グルカン中のグルコース残基CはそのC−3
炭素側に必ずグルコース残基Aが結合するものである。
Sc とSd のシグナル強度比が2:1であることから、
この例による本発明の高分岐度β−グルカンは化4に示
す構造のユニットGIおよびGIIで構成され、GI とGI
Iの存在比は1:1であることがわかる。例えばDMS
Oを用いて室温で分別処理すると本発明の高分岐度β−
グルカンにはDMSOに溶解する成分と不溶の成分があ
り、図4に示すスペクトル中のシグナルSa とSb の面
積強度比からDMSOに溶解する成分は主鎖のグルコー
ス残基が9個に対して分岐したグルコース残基が5個か
ら成るβ−グルカンであり、DMSOに不溶な成分は主
鎖のグルコース残基が4個に対して分岐したグルコース
残基が3個から成るβ−グルカンである。すなわち、本
発明の高分岐度β−グルカンはGIIユニットを20〜70%
含有する。
向に特徴的な吸収(P)がある。
ンスロン硫酸反応、フェノール硫酸反応;陽性 ニンヒドリン反応、ビューレット反応;陰性。
度β−グルカンの化学構造は次の通りと決定された。
結合のグルコース残基を主鎖とし、このグルコース残基
にβ-1,6結合グルコース残基を分岐して多数有し、分岐
のないグルコース同志の結合は実質的に主鎖に存在しな
い点に特徴がある。
性について、このグルカンを生理食塩水に溶解して経口
又は非経口で担癌マウスに投与して試験したところ、実
施例で示すように腫瘍の増悪を抑制し、延命率を向上さ
せることができた。また免疫賦活活性を有する。
経口あるいは非経口投与によって抗腫瘍活性あるいは免
疫賦活活性を示し、医薬としてあるいは食品添加剤、飼
料添加剤として用いることができる。医薬として用いる
場合は抗腫瘍剤あるいは免疫賦活活性剤として、症状、
年令、性別等によって異なるが成人1日 100〜0.1 mg、
好ましくは30〜60mgを1日に数回に分けて投与するとよ
い。この高分岐度β−グルカンはこのままの状態で医薬
になり得るが、製薬上の習慣に従って製薬的に許容し得
る希釈剤及び/または他の薬理作用をもつ他の物質と混
合物として組成された状態で用いることもできる。投与
は、経口投与、静脈内投与、腹腔投与、経腸投与等によ
って行うことができる。従って、このような投与のため
に好適な適宜の剤製、例えば散剤、顆粒、錠剤、糖衣
錠、カプセル、ピル、坐剤、懸濁剤、液剤、乳剤、注射
剤、エアゾール剤等として用いることができる。しか
し、特に、腫瘍の転移防止剤として経口投与が有効であ
る。
て用いる場合には、本発明の前記した沈澱あるいは高分
岐度β−グルカンをそのまま、あるいはこれらの添加剤
に常用される担体、増量剤等と混合して食品あるいは飼
料に添加し、食品、飼料に抗腫瘍活性を付与したりある
いは免疫賦活活性を付与して感染症を予防または治療し
たりすることができる。たとえば、ウシ、ブタ、ニワト
リ、魚、鳥、イヌ、ネコ等の飼料添加剤として好適であ
る。
する。
ulans)財団法人発酵研究所寄託番号IFO 4466株のポテト
デキストロース寒天斜面培地に培養し、保存されていた
菌株を、次の組成を有する液体培地(pH5.0-6.0、好適に
はpH5.5)300 mlを坂口フラスコに入れたものに接種して
温度20〜30℃で2〜3日間通気攪拌培養を行った。 本発明に用いた培地の組成の例 キシロース 30g ビタミンC 6.0g NaNO3 2.5g K2HPO4 0.4g KH2PO4 2.0g KCl 0.5g MgSO4 ・7H2O 0.5g FeSO4 ・7H2O 0.01g ビタミンB1 1mg 蒸留水 1 L オウレオバシディウム プルラン IFO 4466 株は糖とし
てグルコースや庶糖を用いるとプルラン(α-1,4-1,6-
グルカン)も生成するが糖としてキシロースを用いると
プルランの生成はほとんど見られず、本発明の高分岐度
β−グリカンを生成する(表1参照)。
き、得られた培養上清に同量のエタノールを加えて室温
で数時間撹拌した。次に遠心分離を行い、得られた沈澱
物に 300mlの0.5N NaOH を加えて室温で撹拌して水に不
溶性のグルカンを沈澱させ、この沈澱を遠心分離により
取り除いた。この不溶物を取り除いた液を、セルロース
チューブなどによる透析を行った。なお、微量のタンパ
クを除去する必要がある場合には透析前にトリクロロ酢
酸を粗沈澱物水溶液に加えてタンパクを沈澱除去する。
高分岐度β−グルカンの生成量を表1に示した。
カンの理化学的性質を検討したところ、前に示した高分
岐度β−グルカンのそれと一致した。
の抗腫瘍活性を測定した。ICRマウス(雌、約30g)
14匹または7匹に同種移植瘍 Sarcoma 180をそけい部皮
下に細胞数5×106 移植した。飼料及び水は自由に摂取
させた。移植7日目に本発明の高分岐度β−グルカン2.
5mg を生理食塩水1mlに溶解し、これを体重kg当り40mg
になるように1日1回腹腔内に投与した。移植5週目に
腫瘍を摘出し、その重量を測定し、生理食塩水のみを投
与した対照群との比較を行った。その結果を表2に示し
た。表2にみられるように、本発明の高分岐度β−グル
カンを腹腔内に投与することによって高い抗腫瘍活性が
認められた。
の免疫賦活活性を測定した。ICRマウス (雌、約30g)
に本発明の高分岐度β−グルカン3mg を生理食塩水1ml
に溶解し、これを体重kg当り20mgになるように腹腔内投
与した。飼料および水は自由に摂取させた。投与開始後
2日後または3日後に脾臓を摘出してその重量及び細胞
数を測定した。さらに腹浸出細胞及び血液を取り出して
腹浸出細胞数および血中の細胞数を測定した。また腹浸
出細胞を用いて蛍光標識したビーズの取り込み能および
リソソーム酸性ホスファターゼ活性を測定するとによ
り、腹浸出細胞の食作用活性を測定した。そして実施例
2と同様に対照群との比較を行った。その結果を表3〜
6に示した。表3〜6にみられるように、本発明の高分
岐度β−グルカンを体重kg当り40mg腹腔内投与すると無
投与(対照)に比べて脾臓の重量は投与後2日目に2倍
に増加し、細胞数も 1.8倍に増加した。また腹浸出細胞
および血中リンパ球数はそれぞれ投与後3日目に 3.4倍
及び 1.4倍に増加した。腹浸出細胞のマクロファージの
ビースの取り込み能は 1.2倍に増加し、ホスファターゼ
活性も 2.2倍増加したことより食作用活性が増大したこ
とが分かった。これらより免疫賦活活性が著しく増強さ
れたものと判断される。
種移植腫瘍 Sarcoma 180を腹部皮下に細胞5×106 移植
し、その直後から実施例2で用いた高分岐度β−グルカ
ンの生理食塩水を所定量強制的に経口投与するかあるい
は腹腔内に投与して飼育した。飼料及び水は自由に摂取
させ、グルカン投与後5週目に体重を測定し、さらに腫
瘍を摘出してその重量を測定した。そして実施例2と同
様に対照群と比較を行った。その結果を表7〜表9に示
した。
分岐度β−グルカンを体重kg当り90mg経口投与すると無
投与(対照)にくらべて固形腫瘍の増殖を61%に抑制
し、また延命率を対照が13%であったのに対し、71%に
高めることができた。また対照が腹水腫瘍化率が88%で
あったのに対し、その腫瘍化率を29%に低下させること
ができ、体重を無投与の場合にくらべて 1.6倍高めるこ
とができた。そして、この体重の増加は免疫を担当する
脾臓の重量の増加によることからみて免疫賦活活性がい
ちじるしく増強されたものと判断される。
理食塩水10mlに溶解し、経口投与できる抗腫瘍剤あるい
は免疫増強剤とした。 (2) 実施例1で得られた高分岐度β−グルカン5mg を乳
糖50mg、マンニトール、ブドウ糖と混合し、打錠を行っ
て錠剤とした。 (3) 実施例1で得られた高分岐度β−グルカンの沈澱20
gをウシ配合飼料1kgに添加してウシの免疫を増強し、
感染症を防止した。
るβ−グルカンを簡単な培養で収率よく量産することが
できる。そして得られる高分岐度β−グルカンは経口投
与により高い抗腫瘍活性及び免疫賦活活性を有するので
ヒトの癌予防あるいは治療薬または家畜、ペット動物、
養殖魚等の感染症予防あるいは治療薬等として有用であ
る。
ルを示す。
す。
す。
のNMRスペクトルを示す。
(KBr 法)を示す。
率との関係を示す。
Claims (5)
- 【請求項1】 次の構造式で示され、数平均分子量1万
〜500 万 (ゲル濾過法で測定) の高分岐度をもつβ−グ
ルカン。 【化1】 (ただし、式中mは80〜30%、nは20〜70%を示す) - 【請求項2】 オウレオバシデゥム プルランス(Aureo
basidium pulluans)IFO 4466 株の培養上清に有機
溶媒を添加して沈澱を生じさせることによって得ること
ができ、次の理化学的特性を有する高分岐度β−グルカ
ン。 1) 数平均分子量1万〜500 万 (ゲル濾過法による測
定) 、 2) 赤外吸収スペクトル (KBr 法) で波長 880cm-1にβ
−グルコシド結合配向に特徴的な吸収がある、 3) 13C NMRスペクトルで i)δ値68ppm, 86ppm, 103ppm付近にシグナルを有する。 ii)δ値61ppm のシグナルの強度が60.5〜60.8ppm のそ
れの1.2 〜3.0 倍である。 iii)δ値85.7ppm のシグナルの強度が86.2ppm のそれの
1.2 〜3.0 倍である。 - 【請求項3】 キシロースおよびビタミンCを必須成分
として含む液体培地に、オウレオバシデゥム プルラン
ス(Aureobasidium pulluans)IFO4466株を接種して
培養し、得られる培養上清から高分岐度β−グルカンを
採取することを特徴とする請求項1記載の高分岐度β−
グルカンの製造法。 - 【請求項4】 請求項1または2記載の高分岐度β−グ
ルカンを有効成分とする感染症予防剤。 - 【請求項5】 請求項1または2記載の高分岐度β−グ
ルカンを有効成分とする抗腫瘍剤。
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---|---|---|---|
JP15413993A JP3444624B2 (ja) | 1993-06-01 | 1993-06-01 | 高分岐度β−グルカン、その製造法及び用途 |
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