JP5717224B1 - 粉末状の機能性食品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 医食同源の原理に基づく人々の健康に資する医食品、あるいは、薬食同根の原理に基づく生体の防御、維持や疾病の予防、快復等、医療に役立つ薬食品の開発。【解決手段】 主剤のアウレオバシジウム属の微生物を培養して得られた黒酵母由来のβ−1,3−1,6−グルカンを主成分とする培養液と増強剤のα−デキストリンの混合物であり、該増強剤のα−デキストリンは、その分子量が3万ないし100万の範囲にあり、前記β−1,3−1,6−グルカンと該α−デキストリンの固形分の重量比率が1:1ないし1:10の範囲である粉末状の機能性食品からなる薬食品や医食品であり、この粉末状の機能性食品をオブラ−ト又は硫酸紙の粉末包装、ペレット化あるいはカプセル化して、用途に適した所定量のβ−1,3−1,6−グルカンが経口摂取可能な服用剤にするとともに、粉末状の機能性食品を各種食品に添加して、機能性食品添加物とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、β−1,3−1,6−グルカン及びα−デキストリンを含有する粉末状の機能性食品及びその製造方法に関するもので、この機能性食品をそのまま、またはそれが日常生活で汎用されている各種食品に添加されて食品に供されるものである。したがって、本発明は、広くは、人々の生活を通じて健康に資する薬食品であって、狭くは、生体の防御、維持や疾病の予防、快復等、医療に役立つ医食品の開発・応用の技術分野に属する。
β−1,3−1,6−グルカンは、β−1,3グルコ−ス結合及びβ−1,6グルコ−ス結合によって多数のグルコ−スが相互に結合してなる多糖類である。以下のような多様な効能を有する物質であることが知られており、人体の健康の保持、増進に役立つ物質である。例えば、リンパ球の働きを強化し免疫機能を向上させる免疫増強作用のほか、抗腫瘍活性や、ガン細胞増殖抑制作用、抗アレルギ−作用、コレステロ−ル低下作用あるいは抗炎症作用など医療分野でもここ数年前から注目されている。また、食物補助食品としても食物繊維効果、血圧降下作用、血糖降下作用のほか、肝機能亢進などの肝機能に対する解毒能力を向上させる効果も認められている。
β−1,3−1,6−グルカンは、例えばカワラタケ、シイタケやスエヒロタケ等のキノコ類に含まれており、これらを食することで摂取することも可能であるし、これらから抽出したものを摂取することも可能である。しかしながら、そのまま食するのではβ−1,3−1,6−グルカンの体内への吸収が不十分であるし、保存も容易ではない。またこれらのキノコ類から、β−1,3−1,6−グルカンを抽出することもできるが、大量のキノコからの長時間の煮出し作業が必要であり、煮出した後も冷蔵庫等に保管する必要がある。
特開昭57−149301号公報(特許文献1)には、炭水化物の不完全菌黒色菌科アウレオバシジウム(Aureobacidium)属の微生物発酵によるグルコ−スは、β−1,3グルコ−ス結合した主鎖から非還元性末端がβ−1,6グルコ−ス結合で分岐した構造を有し、リン酸基がグルコ−スに結合している高分子多糖を産生する旨が記載されている。ここで用いられている微生物は微工研寄託番号4257号(FERM−P.4257)の菌である。
また、特開平6−340701号公報(特許文献2)には、アウレオバシジウム プルランス(Aureobacidium pullulans)IFO4466菌株の培養によって、β−1,3結合グルコ−ス残基を主鎖として、これにβ−1,6結合グルコ−ス残基の分岐鎖を多数側鎖として有するβ−1,3−1,6−グルカンが製造される旨が記載されている。
しかしながら、これら黒酵母由来のβ−1,3−1,6−グルカン培養液は粘稠な液体であり、これを一般消費者が直接使用する用途に用いる場合、保存中に雑菌の繁殖によって腐敗しやすいという問題があった。一般家庭においては、特別に落下菌対策などは施されないので、いったん殺菌した機能性食品であっても、使用中に菌が付着することが多い。特に、アウレオバシジウムの培養液を含有する機能性食品を直接飲用あるいは塗布するような場合には、そもそも微生物の繁殖しやすい組成の液であることから、長期間にわたって腐敗を防止することは困難であった。
また、同β−1,3−1,6−グルカン培養液は酸化を受けやすく、長期保存するためには酸化劣化も防止する必要がある。ところが、化学合成された酸化防止剤を使用したのでは、やはり天然志向の消費者の抵抗が大きい。そこで、特開2004−75692号公報(特許文献3)では、β−1,3−1,6−グルカンを含有する組成物にリンゴから抽出された天然物由来のポリフェノールを添加した飲料にすることが提案されている。したがって現在のところ、このアウレオバシジウム培養液を乾燥して粉末状としたうえで、顆粒製品や錠剤製品としている。
このβ−1,3−1,6−グルカン含有粉末の保存性や使用の利便性を改良する試みも多くなされ、例えば、特開2001−186862号公報(特許文献4)は、アウレオバシジウム培養液をホスト成分としてのサイクロデキストリンで包接処理した粉末状包接体の形態として物理性及び保存性を改善したもので、好ましくは、上記の粉末状アウレオバシジウム培養液機能性食品にキトサンを添加してなる粉末混合物として、油脂の凝集性に優れた物質を提供することが記載されている。
同様に、特開2005−237289号公報(特許文献5)では、保存安定性が高く、溶解性に優れ、しかも水等に溶解したときに元の高粘性を復元できる特殊β−グルカン含有素材及びその製造方法を提供するために、乾燥に供するアウレオバシジウム培養液の一部を取り出してミキサ−で撹拌してからデキストリン及び粉乳を添加して混合した後、これを残りのアウレオバシジウム培養液と混合し、凍結乾燥することにより、β−1,3−1,6−グルカン含有素材としているが、その全てが良好な保存性を有するものとはなっていない。
特開昭57−149301号公報 特開平6−340701号公報 特開2004−75692号公報 特開2001−186862号公報 特開2005−237289号公報
本発明は、これらの課題を解決するために、主剤であるβ−1,3−1,6−グルカンと同じグルコ−ス仲間であるデキストリンに着目し、得られるβ−1,3−1,6−グルカン粉末の保存性や使用の利便性の改良はもとより、使用制限のない安全にしてアレルギ−等の副作用のない薬食同根の原理に基づく人々の健康に資する薬食品、あるいは、医食同源の原理に基づく生体の防御、維持や疾病の予防、快復等、医療に役立つ医食品の開発により、体内での抗酸化性や抗アレルギ−作用をも増強することの可能な機能性食品を提供することを解決課題とする。特に、高価なβ−1,3−1,6−グルカンの有効活用可能な粉末機能性食品及びその機能性食品を主体とする薬食品、医食品としての粉末機能性食品及びその添加物並びにこれらの製造方法の提供には、デキストリンの種類が大きく影響することを突き止め、これの解決を目的とするものである。
本発明の上記課題を解決する手段として、市販のあらゆる種類のデキストリンと、β−1,3−1,6−グルカンを含有する粉末機能性食品について、詳細に検討を加えた結果、本発明の解決手段を確立することができた。すなわち、主剤のアウレオバシジウム属の微生物を培養して得られた黒酵母由来のβ−1,3−1,6−グルカンを主成分とする培養液と増強剤のα−デキストリンの混合物であり、この増強剤としてのα−デキストリンは、その分子量が3万ないし100万の範囲にあり、前記β−1,3−1,6−グルカン培養液の乾燥固形分とこのα−デキストリンの固形分の重量比率が1:1ないし1:10の範囲、好ましくは1:2ないし1:7の範囲であることを特徴とする粉末状の機能性食品である。α−デキストリンは、数個のα−グルコ−スがグリコシド結合によって重合した物質である通常デンプンの加水分解によって得られるものであるが、α型であることが必要である。また、α型であっても、増強剤となりうるためには、分子量が3万ないし100万の範囲の比較的大きいものでないと、β−1,3−1,6−グルカンとの安定かつ機能性強化的な粉末機能性食品の生成に利用できない。更に、β−1,3−1,6−グルカン培養液の乾燥固形分とα−デキストリンの固形分の重量比率が上記の1:1ないし1:10の範囲、好ましくは1:2ないし1:7の範囲であることも、極めて重要である。
本発明の機能性食品の主剤である、β−1,3−1,6−グルカンは、例えば、特許4468654に記載の従来の生産方法によっても得られる。そこで多糖生産能にもたらす菌形態の影響を考慮し、Aureobasidium属菌株のβ−1,3−1,6グルカン生産に最も適した培養方法として、窒素枯渇培地で誘導した厚膜胞子を、ビタミンEを添加し粉砕した中糠0.1〜1.0重量%、グルコ−ス0.5〜2.0重量%、ビタミンC 0.2〜0.5重量%を含みpH5.0〜6.0に調整した液体培地にAureobasidium属菌株を植菌後、時間当り培地の10〜100倍容量の通気を行いながら、72時間程度、常温の20℃前後にて攪拌培養する培養方法による。
このβ−1,3−1,6−グルカンの分子量は5万ないし100万までで、30万ないし50万程度に分布して好ましいものが、上記の方法で製造できる。分子量が5万以下では免疫応答機能が発現せず、逆に100万以上であると細胞吸収機能が発揮できなくなって、パターン認識による免疫応答の困難な傾向が出てくる。得られる培養液は固形分濃度が約1ないし1.4重量%の範囲で、平均的には1.2重量%前後の高粘性のゲル状であり、このなかにβ−1,3−1,6−グルカンは固形分の約40重量%存在する。したがって、培養液中には、固形分で約0.4ないし0.6重量%のβ−1,3−1,6−グルカンが存在していることになる。
また、本発明の機能性食品の増強剤であるα−デキストリンも、β−1,3−1,6−グルカンの分子量依存性と同様に良好な免疫応答性の分子量範囲が認められ、その分子量範囲は3万ないし100万、好ましくは5万ないし50万の範囲で比較的広い範囲で分布しているものが好適である。分子量が3万以下ではβ−1,3−1,6−グルカンより低分子量のためパタ−ン認識受容体に認識されず、免疫応答性が低下して好ましくなく、100万以上であると水溶性の低下をもたらし、細胞膜の選択的透過がし難く、やはり免疫応答性の低下の傾向が出てくる。従って,通常、デンプンの酸又はアミラ−ゼによる加水分解で製造するが、得られるアミロデキストリンでも分子量は1万程度であり、マルトデキストリンの局方デキストリンも分子量は約3万と云われているのでこれのみでは十分な性能が得られず、本発明の目的には使用し難いものである。増強剤のα−デキストリンはマルトデキストリンが含まれていても良いが、デキストロ−ズ当量が約1ないし10の範囲のもので上記の分子量3万ないし100万の範囲に含まれる。環状デキストリンは一般に分子量が低くてデキストロ−ズ当量が約10以上のものであって、増強剤のα−デキストリンにはなり得ないが、高度分岐環状デキストリンはデキストロ−ズ当量が5以下の10万から100万の範囲に分布したものであり、上記の分子量範囲にある好適なデキストリンである。
また、環状デキストリンは、その分子構造からして最も期待されて、多くの実験を試みたのであるが、α型、β型、γ型のうち、α型は使用可能であっても、さして効果の大きなものではなかった。特に、アウレオバシジウム培養液をホスト成分としてのサイクロデキストリンで包接処理した粉末状包接体の形態として物理性及び保存性を改善することはできても、このようにして安定化したものは、後に実施例で述べるように、免疫活性の全く発現しないものや、抗腫瘍作用がみられないものであることが判明した。
更に、β−1,3−1,6−グルカン培養液の乾燥固形分と上記特定の増強剤となるα−デキストリンの固形分の重量比率が1:1ないし1:10の範囲であることが必要で、1:2ないし1:7の範囲でより好ましい結果が得られ、1:1以下のα−デキストリンが少ない領域では、粉末の安定性が悪くなり、1:10以上にα−デキストリンが多くなると、β−1,3−1,6−グルカンの含有量が極端に低くなり用途によっては、十分な性能が発揮できなくなる。したがって、上記の分子量範囲のα−デキストリンを用いた上記のβ−1,3−1,6−グルカンとα−デキストリンのこのような混合比率の範囲になる混合物は、粉末にしても安定で、かつ、β−1,3−1,6−グルカンの含有量を各種用途に向けても好適に利用できるから、好ましいβ−1,3−1,6−グルカン含有粉末機能性食品となる。
本発明のβ−1,3−1,6−グルカンとα−デキストリンの粉末機能性食品の調製は、次のような工程で行う。主剤の原料となるβ−1,3−1,6−グルカン含有培養液は、固形分濃度が1ないし1.4重量%の範囲の粘稠な液体であり、固形分の中に約40重量%のβ−1,3−1,6−グルカンを含む。この粘稠な液体に粉末状のα−デキストリンを所定量混合して未乾燥ペ−ストとした後、通常の方法で凍結乾燥したものを粉砕し造粒して、純粋のβ−1,3−1,6−グルカン固形分含有量が6ないし20重量%である粉末機能性食品とする。
したがって、これまでの知見による本発明の粉末状の機能性食品の製造方法を要約すると、次のようになる、すなわち、
主剤のアウレオバシジウム属の微生物を培養して得られた黒酵母由来のβ−1,3−1,6−グルカンを主成分とする培養液の固形分濃度が1ないし1.4重量%の範囲の粘稠な液体中に、固形分換算で約40重量%のβ−1,3−1,6−グルカンを含むようにアウレオバシジウム属の微生物を培養し、これに
(a) 分子量が3万ないし100万の範囲にあるα−デキストリン、
(b) 分子量が3万ないし100万の範囲にあり、かつ、デキストロ−ズ当量が2ないし10の範囲である高分子量マルトデキストリン、及び
(c) 分子量が3万ないし100万の範囲にあり、かつ、デキストロ−ズ当量が5以下である高度分岐環状デキストリンからなる群から選択される粉末状のα−デキストリンを、
前記β−1,3−1,6−グルカン培養液の乾燥固形分と該α−デキストリンの固形分の重量比率が1:2ないし1:7の範囲となるように前記培養液中に所定量混合して未乾燥ペ−ストとした後、凍結乾燥したものを粉砕して粉末とする。
得られた加工粉末は、平均粒子径が30ないし100μmで、70μm前後が最も好ましい。各種のα−デキストリンを用いた加工粉末の性状及びβ−1,3−1,6−グルカン (表中β−G表示)の含有量は、後に表1において一括して示した。
これら加工粉末は、上記のように、β−1,3−1,6−グルカン含有培養液を主原料とするもので、その機能性を高め、安全性を担保するための乾燥粉体化技術で得られたものであり、特定のα型デキストリンを副原料として配合し、それを凍結乾燥した後、水をコ−ティング剤として造粒する。こうした工程を経ると、意外にも吸湿性を抑制し、保存性や加工性を高めることができ、安全にして、より優れた機能を有する粉体に加工生産でき得るものとなる。ここで、重要なのは、β−1,3−1,6−グルカンとα型デキストリンの配合比率と造粒径を決定する両者の分子量のバランスであり、これらの条件を満足してはじめて、安全にして他に無き機能を成立させる技術要因が成立する。
このようにして得られた粉末機能性食品は、経口摂取可能なようにオブラ−ト又は硫酸紙の粉末包装、ペレット化あるいはカプセル化して、用途に適した所定量のβ−1,3−1,6−グルカンを提供可能にした機能性食品とする。
天然由来の黒酵母により産生されるβ−1,3−1,6−グルカン培養液を、そのままで加工粉末化して利用しようとするために、デキストリンにつき検討を加えたのであるが、その種類によっては性能の変化が著しく、場合によっては逆効果さえあることが明らかになった。すなわち、従来、デキストリンは主剤のβ−1,3−1,6−グルカンの単なる賦形剤としての添加でしかなかったが、本発明により,特定のデキストリンは主剤の性能を高める増強剤にもなり得ることが判明したのである。まず、最適のデキストリンの組合せで、本発明の製造方法に従えば、β−1,3−1,6−グルカンの性質や本来持っている医薬的効果が変化するようなことがない。β−1,3−1,6−グルカン培養液からほかの溶剤抽出や精製をすると、本来天然由来のβ−1,3−1,6−グルカンが持たない原子や分子が付加されて本来の性質が維持できないことになり、その結果、全く異なる性質のβ−グルカンになることがあるから、注意しなければならないが、本発明の製造方法に従えば、β−1,3−1,6−グルカンの性質が変化するようなことは見られなかった。
本発明により得られる、安定したβ−1,3−1,6−グルカン粉末機能性食品は、自然免疫及び細胞性免疫を誘導するものであり、副作用がなく、腫瘍縮小効果が期待できる。また、ヘルパ−Th1とTh2は相互抑制的に働き、両細胞はバランスを保ち、免疫応答は良好に制御されている。過剰な液性(Th2)優位状態であるアレルギ−において、細胞性(Th1)優位に導かれることによって感染症や自己免疫疾患アレルギ−等の抑制効果が期待できるので、食品添加物、栄養補助食品(サプリメント)等の身近な栄養補給から、医薬、美容エステ材料としても利用できる。
特に医療分野においては、ある種の治療上の利益、例えば、健康的なコレステロ−ルレベルを促すこと、血糖レベルを調節すること、ミネラル吸収を改善すること、及びビフィズス乳酸菌の増殖を増強することがわかっている。したがって、優れた薬効の得られる疾患としては、抗腫瘍、抗アレルギ−、抗感染症、ウィルスワクチン等のアジュバンド効果、抗がん剤の副作用抑制(吐き気、嘔吐、食慾不振)、糖類の吸収抑制、NK活性の賦活化などが挙げられる。そして、なによりも、β−1,3−1,6−グルカン粉末が安全で経口投与できることである。その分子量サイズは主剤、増強剤共にM細胞や上皮細胞より取り込まれてマクロファ−ジ、樹状細胞、NK細胞等のパターン認識受容体に認識せられる大きさであり、水溶性で水中でも安定した三重ラセン構造に基づく物性が維持でき、分子量も5万以上であるから腸管でも認識される構造を有している特徴ある粉体である。
デキストリンを変えた各サンプル投与マウスの腫瘍測定結果を示す表2相当経過グラフである。 β−1,3−1,6−グルカン培養液固形分とα−デキストリンの固形分混合比率を変えた各サンプル投与マウスの腫瘍測定結果を示す表3相当経過グラフである。 β−1,3−1,6−グルカン培養液固形分とα−デキストリンの固形分混合比率が1:5の機能性食品の腹水移植癌マウス免疫機能への影響を示すグラフである。
本発明の粉末機能性食品は、主剤のアウレオバシジウム属の微生物を培養して得られた黒酵母由来のβ−1,3−1,6−グルカンを主成分とする培養液と増強剤のα−デキストリンの混合物であり、この増強剤としてのα−デキストリンは、その分子量が3万ないし100万の範囲にあり、前記β−1,3−1,6−グルカン培養液の乾燥固形分とこのα−デキストリンの固形分の重量比率が1:1ないし1:10の範囲、好ましくは1:2ないし1:7の範囲で含有する。ここで、β−1,3−1,6−グルカンとは、β−1,3グルコ−ス結合及びβ−1,6グルコ−ス結合によって多数のグルコ−スが相互に結合してなる多糖類である。グルコ−スがβ−1,3結合した主鎖からβ−1,6結合でグルコ−スが分岐した構造を有するものが好適である。このような分岐構造を有することで生理活性が増大する。
このように、β−1,3−1,6−グルカンはグルコ−スを主成分とするが、それ以外の構成糖を少量含んでいてもよい。全構成糖中のグルコ−スの割合は通常90%以上であることが好ましい。また、本発明のβ−1,3−1,6−グルカンは他の官能基を有していても良い。特に、他の官能基として酸基を有することで生理活性が増強される。含有する酸基としてはリン酸基が好ましく、この場合のリン酸基の含有量はグルコ−ス単位に対して1モル%以上であることが好ましい。
本発明のβ−1,3−1,6−グルカンの分子量は、通常100個以上のグルコ−ス(分子量180)の繰り返し構造を有するからその数平均分子量は18,000以上であるが、好適には、浸透圧法による分子量測定(Zimm−Myerson型浸透圧計を用い、セロファン半透膜を用いて測定)での数平均分子量が100,000〜1,000,000、好ましくは300,000〜500,000の範囲のものを製造するのである。
本発明の粉末機能性食品中のβ−1,3−1,6−グルカンの含有量は、その使用目的によって適宜調整され、通常5〜25重量%の含有量が例示される。これは有効性を考慮した含有量で、場合により取扱易さと有効性のバランスを考慮すると、6〜20重量%であることが好ましい。
本発明に使用されるβ−1,3−1,6−グルカンとしては、アウレオバシジウム(Aureobacidium)属の微生物を培養して得られるものが好適である。使用可能なアウレオバシジウム属の微生物は特に限定されないが、微工研寄託番号4257号(FPRM−4257)の菌や、IFO−4466菌等が例示される。中でもその後に開発されたアウレオバシジウム プルランス(Aureobasidiumpullulans)FERM P−19327 株の厚膜胞子の菌形態の粘稠性白色培養産物が、生理活性の面から好適である。
これらの培養液をそのままα−デキストリンの粉末に配合混合してから凍結乾燥したものを粉砕して、β−1,3−1,6−グルカン固形分含有量6ないし10重量%である粉末機能性食品からなる加工粉末のほうが、不必要に加工処理を施さないものを求める自然派思考の消費者の要求に合致するから、特別な精製は一切行っていない。
また、本発明の粉末機能性食品は、その名のとおり粉体であるが、このようにして得られた粘稠な液状の培養液に特殊な増強効果のあるα型のデキストリンを混合して製造される。種々検討の結果、通常のトウモロコシや小麦デンプンの部分的な加水分解で作られたマルトデキストリンの、しかも分子量範囲が3万ないし100万、なかでも5万ないし50万の高分子量ものが最も好ましい。これまで用いられてきた焙炒デンプンの酵素分解で得られる難消化性デキストリンや環状デキストリンでも分子量範囲が3万ないし100万、なかでも5万ないし50万のものは使用できる。この分子量範囲をデキストロ−ズ当量で表示すると約2ないし10の範囲となる。これを上記のβ−1,3−1,6−グルカン含有培養液とデキストリンの比率が固形分で1:1ないし1:10、なかでも1:2ないし1:7の範囲で好ましい結果が得られる。具体的な本発明のβ−1,3−1,6−グルカンとα−デキストリンの粉末機能性食品の調製は、原料の固形分1ないし3重量%(通常1〜1.4重量%)の粘稠な液体からなるβ−1,3−1,6−グルカン含有培養液に粉末状のα−デキストリンを上記組成比の範囲となるよう所定量混合して未乾燥ペ−ストとした後、通常の方法で凍結乾燥したものを粉砕して粉末とする。加工粉末の平均粒子径は30ないし100μmで、70μm前後が最も好ましい。これら加工粉末の性状及びβ−1,3−1,6−グルカン(表中β−G表示)の含有量は表1に示すとおりである。
以下、実施例によって本発明の粉末機能性食品及びその製造方法を具体的に説明する。
[実施例1]
β−1,3−1,6−グルカンの製造:
特開2004−329077号公報に記載された方法に準じて、アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidiumpullulans)FERM P−19327 株の厚膜胞子の菌形態の粘稠性白色産物を培養した。このものは、グルコ−スがβ−1,3結合した主鎖からβ−1,6結合でグルコ−スが分岐した構造を有するもの(β−1,6−分枝−β−1,3グルカン)であり、リン酸基がグルコ−スに結合している高分子多糖のβ−1,3−1,6−グルカンを0.18重量%含有する培養液を得た。本培養液のpHは4.0であった。浸透圧法による分子量測定(Zimm−Myerson型浸透圧計を用い、セロファン半透膜を用いて測定)での数平均分子量は、培養ロット毎に50,000〜1,000,000の範囲内に収まるように培養条件を調製した。
各種α−デキストリンの種類の評価:
α−デキストリンとしては、
(A)通常の高分子量マルトデキストリン(MD)で、松谷化学株式会社登録商標「パインデックス」デキストロ−ズ当量(DE)が2〜10のもの、
(B)高度分岐環状デキストリン(CCD)、江崎グリコ株式会社登録商標「クラスタ−デキストリン」、デキストロ−ズ当量(DE)が2〜10のもの、
(C)中度分岐の環状デキストリン(CD)、文献5のサイクロデキストリンとほぼ同じ、
(D)環状デキストリンで、α−デキストリンの平均分子量範囲は500〜30,000のもの、
について性能評価を行った。
なお、環状デキストリンについては、β型、γ型についても実験を行ったが、粉末製品の安定性が悪く、吸湿風化する割には、水や油に対する溶解性がα型よりも劣る結果となった。
各種デキストリンとの粉末機能性食品の調製:
上記β−1,3−1,6−グルカン含有培養液中のβ−1,3−1,6−グルカン固形分1に対して、これまでの実験で好結果を得ている範囲で上記各種α−デキストリンを3の割合で添加混合した後凍結乾燥し粉砕して粉末サンプルを調製した。粉末サンプル(β−G=1:3で「P3」と表示)の性状及びβ−1,3−1,6−グルカンの含有量は表1に一括して表示した。
粉末サンプル中のβ−1,3−1,6−グルカン含有量の測定:
それぞれの粉末を蒸留水に懸濁し、37℃で24時間振盪させつつインキュベ−トした。その懸濁液40g、4℃、20分間の遠心分離により上清液(試料1)と沈殿物とに分け、沈殿物は、更に、蒸留水を加えて撹拌し懸濁液(試料2)とした。これら、試料1、2中の全糖量、多糖量及びβ−1,3−1,6−グルカン量をそれぞれ測定した。数値はサンプル100g当たりの量であり、それぞれの値は構成単糖の量にて測定している。また、上清中の多糖量は終濃度75%のエタノ−ル中にて沈殿する糖量にて、沈殿中の多糖量は沈殿中の全糖量にて求めた。β−1,3−1,6−グルカンについては,β−1,3−グルカナ−ゼとβ−1,6−グルカナ−ゼを添加し、37℃、120時間インキュベ−トした後、生成した還元糖量を測定し、粉末サンプルに含まれるβ−1,3−1,6−グルカンの量とした。
表1の結果から、デキストリンは、その種類、すなわち、マルトデキストリン、環状デキストリン、難消化性デキストリン等の分子構造の相違よりも、分子量の大小に影響するところが大きく、5万ないし30万の組成例1と10万ないし50万の組成例2が極めて良好であった。組成例3−5の1千ないし1万程度のものは良好な粉末状にはならず、かつ、後に述べるように癌腫瘍の抑制効果が上がらず,場合によっては悪化するものさえ認められたのである。
[実施例2]
[腫瘍抑制試験(マウスへの投与)]
10周齢のICR・雄マウスに、表1に示した各試料を2週間経口投与した後、マウスの背部皮下に腫瘍細胞(Sarcoma180)を移植した。その後4週間に亘り定期的に腫瘍の大きさを測定した。その間,以下の方法で各試料を経口投与し続け、マウスの体重測定と肝機能検査を行った。
・ 経口投与期間:2週間
・ 腫瘍細胞摂取日;2日毎に摂取
・ 腫瘍測定期間;4週間
・ 経口投与条件及び投与量:
評価方法は、腫瘍細胞の長径と短径を測定し、その平均値(mm)を指標とした。腫瘍が二つ以上に分離した場合は、それぞれの腫瘍の面積を求め、その和と同一面積の円に対する直径(mm)を換算した。結果を表2及び図1に示す。なお、実験では腫瘍移植後の経過日数は隔日毎にデ−タ取りをしたが、表2及び図1には4日毎のデ−タを示す。
表2及び図1の結果からみて、特に、文献4に記載のような、アウレオバシジウム培養液をホスト成分としての低分子量のサイクロデキストリンで包接処理した粉末状包接体の形態として物理性及び保存性を改善することはできても、このようにして安定化したものは、表1の組成例3で述べるように、粉末の性状が悪いうえ、免疫活性の全く発現しないものや、逆に人体に悪影響を及ぼすものであることが判明した
[α−デキストリンの混合割合の評価のための腫瘍抑制試験 (マウスへの投与)]
表2及び図1から分るように、組成例1のP3−A(1:3)が最良の結果を示したので、α−デキストリンAのマルトデキストリンに特化して、β−1,3−1,6−グルカンとの添加量を1:1(P1-A)から1:10(P10-A)の範囲で変更して得られた粉末状機能性食品につき、組成例1と同様の方法で、マウスへ投与して、腫瘍抑制試験を行った、その結果を表3及び図2に示す。
表3および図2から明らかなように、組成例1の混合比1:3や組成例8の1:5のあたりに、腫瘍抑制効果の最適領域が得られた。また、表3からは外れるが、混合比1:0.5の場合ではβ−グルカンの濃度が大きすぎて、マウスへの投与に際して、ネバネバで投与し難いうえ、マウス自体が酸味に弱く、負荷がかかりすぎて、拒否反応を示して実施不能であった。この傾向は組成例6の混合比1:1でもみられ、実施可能の限界のようである。また逆に組成例9の混合比1:10以上になると、β−1,3−1,6−グルカンの濃度が小さすぎて、マウスへの投与量を多くしなければならず、マウスに対して負担がかかるうえ、免疫活性の発現も十分でないことが、表3及び図2の結果から判明した。
[実施例3]
[β−1,3−1,6−グルカンとα−デキストリンの混合比率が1:5の機能性食品の腹水(腹腔)移植癌マウス免疫機能への影響]
以上のマウス実験により、α−デキストリンの種類と添加量の影響が明らかになったので、表3の「組成例8 P5−A」のサンプルに付き、更に詳細なマウス実験を行った。
実験は、中国、上海交通大学生命科学技術学院との共同研究で、腹水に癌移植されたマウスの癌増殖と免疫機能の影響に付き、以下の方法で実施した。
方法:腹水に癌細胞を移植したマウスを観察対象として、移植後9日目より、「組成例8 P5−A」の5mg/100gを餌として2日毎に0.2mlを21日間与え、癌細胞の生長を測量する。ブランクとして同量の生理食塩水を与えた。マウス血清中の細胞因子IL−4,IL−6,IL−8,IL−12,TNF−β,G−CSF,TNF−α,IFN−γ,補体C3の含量は通常の方法にて測定した。
結果1:マウスの腫瘍成長曲線は図3のようになり、本発明の機能性食品の「組成例8 P5−A」(多糖組)は、マウスの癌細胞の生長を抑制し、ブランク対象組(空白組)と比較して、時間の経過とともにマウスの癌細胞の生長を抑制することが判明した。ここでは、腫瘍体の重量がブランク(空白組)で平均3.081gであるのに対し機能性食品投与(多糖組)のそれは平均0.898gで、抑瘤率は70.85%と顕著な差異が見られた。
結果2:更に、マウスの癌細胞の生長の抑制効果は、ブランク対象組と比較した血清中のインタ−ロイキン(IL−4,IL−6,IL−8),顆粒球コロニ−刺激因子( G−CSF),腫瘍壊死因子(TNF−α)含有量は2−3倍に増加し、IL−12,腫瘍細胞にアトポ−シスを誘導するTNF−βは1−2倍、IL−2,IL−12含有量はブランク対象比較も顕著な差異がみられた(P<0.01)。また、機能性食品投与によりインタ−フェロンIFN−γの含有量のブランク対象比較も顕著な違いを見せているし(P<0.05)、機能性食品投与マウス血清中の補体C3含有量は675μg/ml程に上昇し、ブランク組とは顕著な差異を示した(P<0.01)。これらのマウス血清中の細胞因子の測定結果(n=10)は、一括して表4に示した。
[実施例4]
[犬、猫へのアレルギ−疾患、悪性腫瘍、慢性疾患等抑制試験]
以上、マウスへの投与による腫瘍抑制試験で、好結果が得られた、組成例8について、日本各地の動物病院(岡山県、大阪府、京都府、静岡県、東京都)で治療している悪性腫瘍、アレルギ−疾患、慢性疾患の治療疾患犬猫についての投与結果を示す。期間は2012年3月から2013年10月までで、イヌ(犬)76例、ネコ(猫)21例の結果であり、表5に一括して示した。
表5の結果からみて、アレルギ−性疾患のイヌ,ネコについては7割以上の確率で有効性が認められ、悪性腫瘍では5,6割、慢性疾患でも5割以上の疾患が快方に向かっていることが判明した。
以上、実施例3の表4の中国、上海交通大学生命科学技術学院との共同研究で、腹水に癌移植されたマウスの癌増殖と免疫機能の影響に付きマウスへの投与による腫瘍抑制試験や、実施例4の疾患イヌ,ネコへの投与で、好結果が得られたので、組成例8について、末期癌の患者の了解を得て、その腫瘍抑制効果を検証することにした。もともと、主剤のβ−1,3−1,6−グルカンはアウレオバシジウム属の微生物を培養して得られたβ−1,3−1,6−グルカンであって、安全な食品添加物として日本においても認可『厚生省生衛第214号(平成8年3月15日)、厚生省告示第120号(平成8年4月16日官報)』されており、また、増強剤のα−デキストリンも同様グルコ−ス系化合物で、食品添加物として古くから認められているもので,本発明の機能性食品にはこれらの混合物以外の成分は一切含まれていないものであるから、特別なアレルギ−体質でない限り極めて安全なものである。したがって、患者及び家族の了解をえて、中国及び日本の患者に投与して、その効果を確かめた。
[実施例5]
[中国における患者投与試治検査報告]
本発明機能性食品である実施例3の表3に示す組成例8(P−5A)「β−1,3−1,6−グルカンとα−デキストリンの混合比率が1:5」につき、末期癌の患者の了解を得て,中国複旦大学付属病院で5人の重度乳癌患者を対象に、中国長寧区中心病院で昇結腸癌、食道癌、噴門癌及び胃癌に罹った5人の合計10人の患者を対象に、経口投与を行い、病状の経過を観察した。結果を表6に示す。
表6の患者10人による臨床結果は、先の実施例2の「腫瘍抑制試験(マウスへの投与)」によって得られた治験が、人体にも立証されたもので、本発明で特定したα−デキストリンとβ−1,3−1,6−グルカンとの添加量を1:5は、末期癌の極めて重症患者についても、一時、小康が認められ,殆どの患者に有効であることが判明した。そして、担当医の感想として、組成例8(P−5A)の投与により、他の化学療法や放射線療法との併用療法が有効で,何らの副作用が認められなかったことを強調されたのである。
[日本に於ける人体への腫瘍抑制試験(血液腫瘍細胞増殖抑制)]
優れた薬効の得られる疾患としては、上記の抗腫瘍のほか、抗アレルギ−、抗感染症、抗がん剤ワクチン、アジュバンド効果、抗がん剤の副作用抑制(吐き気、嘔吐、食慾不振)、糖類の吸収抑制などが挙げられる。そして、なによりも、β−1,3−1,6−グルカンを主剤とする粉末状機能性食品が安全で経口投与できることである。具体例を以下の実施例6−9に示した。
本発明の機能性食品を抗アレルギ−剤に用いた例を実施例6で説明する。
[実施例6]
41歳の女性Tさんは保育士の過激な労働の疲れから昨年9月22日、激しいアトピ−性皮膚炎が発症した。アトピ−は22歳のときに発病、4回入院治療を繰り返していた。白血球数17,100、今回の症状は、手の甲、手のひら、腕、足先、膝下に赤く膨らみのある発疹がいくつも見られ、足の親指から甲の部分まで膿みが溜まりパンパンに膨らむ状況になった(写真省略)。
そこで、これまでの抗生物質の塗布を止め,本発明の機能性食品の粉末カプセル(組成例1:P3−A)を毎日5錠宛ての服用を開始した。11月2日、約1ヶ月の服用で、見違えるほどきれいになっているのに本人もおどろいた(写真省略)。11月16日から1日4−3錠に減らし、更に11月23日からは1日2錠に減らしたが1ヶ月経過後の12月2日には、写真をみてもアトピ−だったことを忘れるほど治癒していた。
次に、本発明の機能性食品を抗がん剤の副作用抑制(吐き気、嘔吐、食慾不振)に用いた例を実施例7で説明する。
[実施例7]
58歳の男性Y氏は、2010年10月咳が嵩じて胸の痛みを訴えるようになり、2011年2月精密検査の結果、胸膜にできた肺腺癌と診断された。癌治療に於ける医師の所見は、手術は癌の摘出が不可能な部位にあり、放射線治療もできないため、抗がん剤で治療を行うと告げられた。以来、2013年5月まで、抗がん剤では押さえが効かなくなり、癌が徐徐に大きくなって来つつあり、しかも吐き気、嘔吐、食慾不振に悩む日々であった。ここで、市販のβ−グルカンに出会い、本人の希望で粉末のカプセル10粒を毎日摂取したからか、体調は可もなく不可もなく普通に生活していたが、2013年10月になって、入院中の耐性菌による、いわゆる院内感染で肺炎を併発したため、抗がん剤の治療を中止して、急遽、抗生物質による肺炎の治療が始まった。
そこで、2014年1月14日から本発明の機能性食品の粉末カプセル(組成例1:P3−A)に切り替え、かつ毎日15粒に増量して服用を開始した。この時点では、抗がん剤の副作用で肺炎が悪化してこれ以上治療しても、肺炎はもとより癌の治療もできない、とされて病院の退去命令まで受けた。悲壮感に嘖まれながら自宅療養にて、本発明の機能性食品のカプセル投与を継続したところ、2月4日になって奇跡的には肺炎が快復し熱も平常値に戻り、2月後半に実施したMRI画像診断や、腫瘍マ−カ−の値による結果では、これまでの3年間抗がん剤治療で縮小できなかった癌がどれも全体的に小さくなってきたことが、3月9日に主治医から告げられた。5月初め現在は、継続してカプセル投与と栄養食の補給に励んでいるとのことである。
続いて、本発明の機能性食品を白血性骨腫瘍の治療剤に用いた例を実施例8で説明する。
[実施例8]
73歳の女性Sさんは、白血球が2000(標準5000以上)しかなく、5人姉妹の4人ともほぼ10年前に膵臓癌で死亡している。以前から白血球、赤血球ともに人の3分の1程度で、中性脂肪も230を越えていた。骨癌は2年ほど前から微候があり、昨年5月の検査で、胸骨と腰骨とに骨癌が診られた。5月以降腫瘍マ−カ−8ないし15となり、ホルモン療法を開始した。12月に腫瘍マ−カ−が急激に160に上昇し、抗がん剤に切り替えた。
この時点で、本願発明の機能性食品を知り、その粉末カプセル(組成例1:P3−A)を一日4粒宛て服用を開始した。抗がん剤治療の副作用もなく、4月のCT検査では、黒い腫瘍部分が消え、医師は抗がん剤の効果と診断したが、副作用がなかったのは、この粉末カプセルの効果であると、信じている。
更に、本発明の機能性食品をC型肝炎、膵臓癌、乳癌の患者に用いた例における各患者の声を実施例9で説明する。
[実施例9]
広島県に住む62歳男性HさんはC型肝炎から多発生肝臓癌で通院中、肝臓の数カ所に分離して癌があるために手術困難と診断された。そこで、本発明の機能性食品の粉末カプセル(組成例8:P5−A)を1日6粒で3回に分けて服用したところ、2ヶ月後の検査で癌の進行がみられず、半年後には、癌が縮小しているのが見られ,現在も継続して服用しているとのことであった。
また、北海道の72歳男性Kさんは膵臓癌がステ−ジ4まで進行し、手術困難で抗癌剤治療を国立大学病院で始めるにあたり、医師の指導で本発明の機能性食品を1日2粒×4回の量で昨年9月初めより4ク−ル開始することになり、当初798あったCA19−9の腫瘍マ−カ−は3週間後には531になり、飲用から毎朝3kmの散歩が可能になり、6週間目の検査では352に下がり、9週間後のCT検査では陰も薄れ、腫瘍マ−カ−も251に下がった。
更に、宮崎県60歳女性Sさんは右乳房の癌で、2年前に手術をしたが、今回は左乳房に腫瘍が見つかり、放射線治療をすることになったが、友人が「放射線治療は皮膚がハムをフライパンで焼いたようになるし、白血球が減り体力が低下する」と云われので、本発明の機能性食品を1日2粒×2回の量を服用しながら半月ほど入院して24回の放射線治療をしたところ、全くケロイドにはならずに済んだとの報告を受けた。
以上の具体的な多数の症例説明で明らかなように、本発明の粉末機能性食品は、主剤である黒酵母由来のβ−1,3−1,6−グルカンと同じグルコ−ス仲間であるデキストリンの種類につき広範囲に検討を加えた結果、特定のα−デキストリンとの混合により得られるβ−1,3−1,6−グルカン含有粉末の保存性(通常5年以上)や使用の利便性(経口摂取や分量無制限)の改良で使用制限のない高い安全性が確保でき、かつβ−1,3−1,6−グルカンの免疫能の増強効果のあることが判明した。その結果、薬食同根の原理に基づく人々の健康に資する薬食品として、呼吸器系、消化器系、体液系などの免疫による抗腫瘍、他医薬品との併用時のアジュバンド効果が認められ、他の医薬品と混合することで、既存の医薬品が持つ副作用が解消できた更に有効な新薬が多く開発できる。
また、耐性菌や変異ウィルスを生まない抗感染症あるいは寄生虫感染予防や、抗アレルギ−、自己免疫疾患に対しても有効性が期待できる。更に、食べるワクチンとして各種食品に添加することにより、医食同源の原理に基づく生体の防御、維持や疾病の予防、快復等に対しても、大いに期待される。これらの薬効はヒトに限らず、イヌ,ネコ等のペットや、牛、豚、鶏などの畜産分野あるいは海洋養殖分野においても活用できることが明らかになったのである。
これらの有用な作用効果を有する本発明の粉末機能性食品は、経済的にも有利な食品である。すなわち、主剤である黒酵母由来のβ−1,3−1,6−グルカン培養液もその薬効の増強剤であるデキストリンも共に、原材料は米、麦、トウモロコシ、芋類などの主食であって、世界中どこでも安価に入手できるし、設備も発酵槽や混合装置、乾燥装置など、必要に応じて簡単に入手できる汎用の設備であるから、高価な医薬品や健康食品に頼っている現状の打破も可能で、なによりも、乳幼児から老人に至るすべてのヒトはもちろん、動物の健康に資することでも、画期的な製品である。

Claims (5)

  1. 主剤のアウレオバシジウム属の微生物を培養して得られた黒酵母由来のβ−1,3−1,6−グルカンを主成分とする培養液と増強剤のα−デキストリンの混合物であり、
    該増強剤のα−デキストリンは、その分子量が3万ないし100万の範囲にあり、
    前記β−1,3−1,6−グルカン培養液の乾燥固形分と該α−デキストリンの固形分の重量比率が1:2ないし1:7の範囲であることを特徴とする粉末状の機能性食品。
  2. 増強剤のα−デキストリンは高分子量マルトデキストリンであり、デキストロ−ズ当量が2ないし10の範囲である請求項1記載の粉末状の機能性食品。
  3. 増強剤のα−デキストリンは高度分岐環状デキストリンであり、デキストロ−ズ当量が5以下である請求項1記載の粉末状の機能性食品。
  4. 請求項1に記載の粉末機能性食品をオブラ−ト又は硫酸紙の粉末包装、ペレット化あるいはカプセル化して、用途に適した所定量のβ−1,3−1,6−グルカンが経口摂取可能にした粉末状の機能性食品。
  5. 主剤のアウレオバシジウム属の微生物を培養して得られた黒酵母由来のβ−1,3−1,6−グルカンを主成分とする培養液の固形分濃度が1ないし1.4重量%の範囲の粘稠な液体中に、固形分換算で約40重量%のβ−1,3−1,6−グルカンを含むようにアウレオバシジウム属の微生物を培養し、これに
    (a) 分子量が3万ないし100万の範囲にあるα−デキストリン、
    (b) 分子量が3万ないし100万の範囲にあり、かつ、デキストロ−ズ当量が2ないし10の範囲である高分子量マルトデキストリン、
    及び
    (c) 分子量が3万ないし100万の範囲にあり、かつ、デキストロ−ズ当量が5以下である高度分岐環状デキストリン
    からなる群から選択される粉末状のα−デキストリンを、
    前記β−1,3−1,6−グルカン培養液の乾燥固形分と該α−デキストリンの固形分の重量比率が1:2ないし1:7の範囲となるように前記培養液中に所定量混合して未乾燥ペ−ストとした後、凍結乾燥したものを粉砕して粉末とし、
    得られた粉末を平均粒子径が30ないし100μmに分布する加工粉末とする粉末状の機能性食品の製造方法。
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