JP2014162720A - Trail発現亢進剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】細胞に本来備わるTRAIL発現能力を安全で副作用なく亢進することができる、TRAIL発現亢進剤を提供する。
【解決手段】アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の培養物から得られる培養組成物を、TRAIL発現亢進剤の有効成分として用いる。このTRAIL発現亢進剤は、自己免疫性炎症の予防又はその改善のために好適に用いられる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、自己免疫性炎症に関与するサイトカインであるTRAIL(tumor necrosis factor-related apoptosis-inducing ligand)の発現亢進剤に関するものである。
TRAILはTNF (tumor necrosis factor)スーパーファミリーに属するサイトカインであり、細胞にアポトーシスを誘導する、デスレセプターに認識されるリガンドである。他にデスリガンドに分類される代表的な分子としてはTNF-α (tumor necrosis factor-α)やFasL (Fas ligand)などが知られている。TRAILは、アポトーシス誘導作用以外にも、自己免疫性の炎症細胞の増殖を抑制する作用を有し、例えば、非特許文献1には、実験的自己免疫性甲状腺炎において、組換えTRAILの投与によって、その症状が改善することが報告されている。また、非特許文献2には、実験的自己免疫性脳脊髄炎において、組換えTRAILの投与によって、その症状が改善することが報告されている。
Wang SH, Cao Z, Wolf JM, Van Antwerp M, Baker JR Jr. Death ligand tumor necrosis factor-related apoptosis-inducing ligand inhibits experimental autoimmune thyroiditis. Endocrinology. 2005 Nov;146(11):4721-6. Epub 2005 Aug 25. Cretney E, McQualter JL, Kayagaki N, Yagita H, Bernard CC, Grewal IS, Ashkenazi A, Smyth MJ. TNF-related apoptosis-inducing ligand (TRAIL)/Apo2L suppresses experimental autoimmune encephalomyelitis in mice. Immunol Cell Biol. 2005 Oct;83(5):511-9.
しかしながら、組換えTRAILを投与する方法では、必ずしも本来的なTRAILの作用が十分に発揮できるとはいえなかった。そこで本発明の目的は、細胞に本来備わるTRAIL発現能力を安全で副作用なく亢進することができる、TRAIL発現亢進剤を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の培養物から得られる培養組成物を有効成分として含有することを特徴とするTRAIL発現亢進剤。
[2]自己免疫性炎症の予防又はその改善のために用いられる、上記[1]記載のTRAIL発現亢進剤。
本発明によれば、アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の培養物から得られる培養組成物を、TRAIL発現亢進のための有効成分にするので、細胞に本来備わるTRAIL発現能力を安全で副作用なく亢進することができる。よって、自己免疫性炎症の予防又はその改善のために有用である。
図1Aはアウレオバシジウム プルランスが産生するβ−グルカンによるTRAIL、TNF-α、及びFasLのmRNA誘導能をRAW264.7細胞において解析した結果であり、図1BはCpG DNAによるTRAIL、TNF-α、及びFasLのmRNA誘導能をRAW264.7細胞において解析した結果であり、図1Cはリポポリサッカライド(LPS)によるTRAIL、TNF-α、及びFasLのmRNA誘導能をRAW264.7細胞において解析した結果である。 アウレオバシジウム プルランスが産生するβ−グルカンによるTRAILタンパク質発現誘導能をRAW264.7細胞において解析した結果である。 図3Aはアウレオバシジウム プルランスが産生するβ−グルカン、大麦由来β−グルカン、又はパン酵母由来β−グルカンによるTRAILのmRNA誘導能をRAW264.7細胞において解析した結果であり、図3Bはアウレオバシジウム プルランスが産生するβ−グルカン、大麦由来β−グルカン、又はパン酵母由来β−グルカンによるTRAILのmRNA誘導能をTHP-1マクロファージ様細胞において解析した結果である。
本発明においては、アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の培養物から得られる培養組成物を、TRAIL発現亢進剤の有効成分として用いる。この培養組成物には、アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)がその生育中に産生するβ−グルカンが豊富に含まれている。後述する実施例で示すように、アウレオバシジウム プルランスが産生するβ−グルカンは、TRAILの発現を亢進する効果に優れている。
本発明の有効成分として用いる、アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の培養物から得られる培養組成物(以下、「アウレオバシジウム由来培養組成物」という。)としては、アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)を培養した培養物そのもの、遠心分離等により菌体を分離除去した培養液、その培養液の濃縮液、その培養液の希釈液、あるいはその培養液から水分を除いた固形物などが挙げられる。また、それらだけでなく、限外濾過や含水エタノール沈殿により低分子夾雑物を除いたり、その他の公知の分画手段に処したりして、β−グルカンの含有量を高めた培養組成物も含まれる。なお、アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の培養物は、増粘安定剤等の食品添加物として使用されているものであり安全性が高い。
上記アウレオバシジウム由来培養組成物として、精製β−グルカンを用いる場合、例えば、アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の培養物を珪藻土等で濾過することによって不溶物を取り除いた後、粉末状の活性炭等を用いて低分子化合物を吸着、除去し、これを分画分子量5,000〜500万、より好ましくは分画分子量50万〜200万の限外濾過膜で限外濾過し、その非通過画分に回収されたβ−グルカンを含水エタノール沈殿させて得られたものなどを、精製β−グルカンとして用いることができる。
本発明において用いられる上記アウレオバシジウム由来培養組成物は、アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)を培養することにより生産されるβ−グルカンを、その培養物の質量100gに対する含有量に換算して、50〜3,000mg含有するものであることが好ましく、100〜2,000mg含有するものであることがより好ましい。また、上記アウレオバシジウム由来培養組成物として、精製β−グルカンを用いる場合、そのβ−グルカン純度は80〜100質量%であることが好ましく、95〜100質量%であることがより好ましい。
なお、β−グルカンの含有量の決定は、例えば次のような方法で行うことができる。すなわち、培養液にアミラーゼ、アミログルコシダーゼ、プロテアーゼ等を用いて酵素処理を施し、蛋白質や、プルラン等のα−グルカンを除き、エタノール沈殿を行う。更に、ガラスフィルターでろ過し、高分子試料を得る。このとき、単糖を含む低分子物質を除くため、80%エタノールで充分に洗浄する。洗浄した高分子試料はアセトンで更に洗浄し、硫酸を加え、加水分解を行う。加水分解後、中和し、そのろ液を採取して、グルコースオキシダーゼ法によりブドウ糖を定量し、下記数式1に基づいて計算した値をβ−グルカン量とする。
数式1:β−グルカン(g/100g)=ブドウ糖(g/100g)×0.9
また、β−グルカンの含有量の決定は、いわゆる糖鎖含有高分子物質(多糖)量として決定することもできる。この場合は、培養液にアミラーゼ、アミログルコシダーゼ、プロテアーゼ等を用いて酵素処理を施し、蛋白質や、プルラン等のα−グルカンを除き、エタノール沈殿を行う。更に、ガラスフィルターでろ過し、高分子試料を得る。このとき、単糖を含む低分子物質を除くため、80%エタノールで充分に洗浄する。洗浄した高分子試料はアセトンで更に洗浄したものの重量を測定することで糖鎖含有高分子物質(多糖)量とする。
なお、このようにして定量されるβ−グルカンは、硫酸基、リン酸基等の官能基を有するものとして定量される。したがって、このように広義の糖鎖含有高分子物質(多糖)としてβ−グルカンを定量した場合には、アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)を培養することにより生産されるβ−グルカンの含有量は、その培養物の質量100gに対する含有量に換算して、70〜5,000mg含有するものであることが好ましく、140〜3,000mg含有するものであることがより好ましい。
本発明において用いられるアウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)としては、例えばアウレオバシジウム プルランスM−1(Aureobasidium pullulans M-1、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター受託番号FERM BP-08615)や、アウレオバシジウム プルランスM−2(Aureobasidium pullulans M-2、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター受託番号FERM BP-10014)などが好適に用いられる。なお、これらの菌株が産生するβ−グルカンは、NMR測定(13CNMR :Varian社UNITY INOVA500型、1HNMR : Varian社UNITY INOVA600型)による構造解析で、グルコースがβ−1,3結合した主鎖からβ−1,6結合でグルコースが分岐した構造を有するβ−1,3−1,6−グルカンであることが明らかとなっている。
アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の培養は、公知の方法(特開昭57−149301号公報等参照)に準じて行うことができる。すなわち、炭素源(ショ糖)0.5〜5.0質量%、N源0.1〜5.0質量%、その他微量物質(例えば、ビタミン類、無機質)を加えた培地(pH5.2〜6.0)に菌を接種し、温度20〜30℃で2〜14日間通気培養、好ましくは通気撹拌培養すればよい。β−グルカンが生成されるにしたがって培養液の粘度が上昇し、粘性の高いジェル状になる。このようにして得られる培養液には、通常、0.6〜10質量%の固形分が含まれており、該固形分中にはβ−グルカンが5〜80質量%含まれている。また、β−グルカン以外にも、例えば、リン、カリウム、マグネシウム、ビタミンC等の他の有用成分も含まれている。
アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の培養は、また、それを培養する培養液中に死菌化された微生物を加えて、栄養成分として資化させるようにして培養してもよい。この場合、その死菌体の培養液中への配合量は、用いる菌体の種類によっても異なるが、通常、100個/mL(培養液)〜100兆個/mL(培養液)程度であることが好ましい。微生物の死菌化は加熱殺菌等によって行うことができる。
上記死菌化された微生物として用いる微生物としては、窒素源等のアウレオバシジウム微生物の栄養源を含むものであれば特に制限はないが、例えば乳酸菌や酵母などが挙げられる。乳酸菌としては、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、エンテロコッカス・フェシューム(E.fecium)ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidphilus)、ラクトバチルス・ガセリ(L.gasseri)、ラクトバチルス・マリ(L.mali)、ラクトバチルス・プランタラム(L.plantarum)、ラクトバチルス・ブヒネリ(L.buchneri)、ラクトバチルス・カゼイ(L.casei)、ラクトバチルス・ジョンソニー(L.johnsonii)、ラクトバチルス・ガリナラム(L.gallinarum)、ラクトバチルス・アミロボラス(L.amylovorus)、ラクトバチルス・ブレビス(L.brevis)、ラクトバチルス・ラムノーザス(L.rhamnosus)、ラクトバチルス・ケフィア(L.kefir)、ラクトバチルス・パラカゼイ(L.paracasei)、ラクトバチルス・クリスパタス(L.crispatus)等のラクトバチルス属細菌、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptcoccus thermophilus)等のストレプトコッカス属細菌、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)等のラクトコッカス属細菌、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(B.longum)、ビフィドバクテリウム・アドレスセンティス(B.adolescentis)、ビフィドバクテリウム・インファンティス(B.infantis)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(B.breve)、ビフィドバクテリウム・カテヌラータム(B.catenulatum)等のビフィドバクテリウム属細菌、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・コアグランス(B.coagulans)等のバチルス属細菌、クロストリジウム・ブチリカム(Clostoridium butilicum)等のクロストリジウム属細菌、などを用いることができる。
酵母としては、不完全菌類も含み、アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullans)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス・インタメディウス(Saccharomyces intemedius)、サッカロマイセス・ヴァリドウスSaccharomyces validus)、サッカロマイセス・エリプソイデウス(Saccharomyces ellipsoideus)、サッカロマイセス・マリリスラー(マリーリスラー)(Saccharomyces mali risler)、サッカロマイセス・マンシュリカス(Saccharomyces mandschuricus)サッカロマイセス・フォルデルマニ(Saccharomyces Vordermannii )、サッカロマイセス・ペーカー(Saccharomyces Peka)、サッカロマイセス・シアシング(Saccharomyces shasshing)、サッカロマイセス・ピリフォルミス(Saccharomyces piriformis)、サッカロマイセス・アナメンシス(Saccharomyces anamensis)、サッカロマイセス・カルティラギノースス(Saccharomyces cartilaginosus)、サッカロマイセス・アワモリ(Saccharomyces Awamori)、サッカロマイセス・バタタエ(Saccharomyces Batatae)、サッカロマイセス・コレアヌス(Saccharomyces Coreanus)、サッカロマイセス・ロブストウス(Saccharomyces robustus)、サッカロマイセス・カールスベルゲンシス(Saccharomyces Carlsbergensis)、サッカロマイセス・モナセンシス(Saccharomyces Monacensis)、サッカロマイセス・マルキシアヌス(Saccharomyces Marxianus)、ザイゴサッカロマイセス(チゴサッカロマイセス)・マヨール(Zygosaccharomyces major)、サッカロマイセス・ラクティス(Saccharomyces lactis)、サッカロマイセス・ルクシー(Saccharomyces Rouxii)、ハンゼヌーラ・アノマーラ(Hansenula anomala)などを用いることができる。
上述したように、TRAILは、アポトーシス誘導作用以外にも、自己免疫性の炎症細胞の増殖を抑制する作用を有し、例えば、上記非特許文献1には、組換えTRAILの投与によって、実験的自己免疫性甲状腺炎の症状が改善することが報告されている。また、上記非特許文献2には、組換えTRAILの投与によって、実験的自己免疫性脳脊髄炎の症状が改善することが報告されている。このように、本発明によるTRAIL発現亢進剤は、自己免疫性炎症の予防又はその改善のために有用である。すなわち、例えば自己殺傷性T細胞が発症に関与する自己免疫性炎症の予防又はその改善のために有用である。具体的には、例えば自己免疫性甲状腺炎に分類される慢性甲状腺炎(橋本病)、バセドウ病などや、自己免疫性脳脊髄炎に分類される多発性硬化症などが挙げられる。
上記アウレオバシジウム由来培養組成物の投与量は、症状の強弱、体調、年齢、投与方法・投与回数・投与時期などによって適宜決定することができる。一般的な投与量を例示すれば、例えば、アウレオバシジウム由来培養組成物の内容物の一つであるβ−グルカンの量に換算して、1日およそ0.02〜200mg/kg(体重)の量で摂取する。また長期間摂取させるようにし、効果を持続的に発揮させることが好ましい。更にTNF-α阻害薬(抗ヒトTNF-α抗体:インフリキシマブ(商品名「レミケード」)、アダリムマブ(商品名「ヒュミラ」)等;TNFα受容体と免疫グロブリンの融合タンパク:エタネルセプト(商品名「エンブレル」)等)、IL-1β阻害薬(抗IL-1β抗体:カナキヌマブ(商品名「イラリス」)等;抗IL-1受容体抗体:アナキンラ(商品名「キネレット」)等)、IL-6阻害薬(抗IL-6受容体抗体:トシリズマブ(商品名「アクテムラ」)等)との併用など、従来知られた自己免疫性炎症の処置剤と併用することもできる。
以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
[実験材料及び方法]
・培養物の調製
以下のようにしてアウレオバシジウム プルランス M-2(Aureobasidium pullulans M-2)(FERM BP-10014)の培養液を調製した。
予め調製した前培養液を、ショ糖1%、アスコルビン酸0.1%、米糠0.1%を含む液体培地(pH5.3)に適量接種して、25℃、72〜96時間(製造バッチによって異なる)、通気撹拌培養を行った。培養終了後、この培養液を121℃、15分間殺菌した。なお、得られた殺菌後の培養液は、固形分およそ1.2質量%を含む。
・精製β−グルカンの調製
上記アウレオバシジウム培養液を珪藻土で濾過することによって不溶物を取り除いた後、粉末状の活性炭(和光純薬工業株式会社)を用いて低分子化合物を吸着、除去し、分画分子量20,000の限外濾過膜での限外濾過に供した。その後、限外濾過の非通過画分に回収されたβ−グルカンを80%エタノールで沈殿させ、得られた沈殿を精製水で再溶解し、エタノールを加熱により除去したものを精製β−グルカンとして用いた。
・細胞
マウスのマクロファージ様培養細胞株であるRAW264.7細胞(ATCC TIB-71)、およびヒト単球細胞に由来する培養細胞株、THP-1細胞(ATCC TIB-202)は、RPMI-1640(Sigma-Aldrich社)に10%のウシ胎児血清(FBS: fetal bovine serum)及び100 units/mlのペニシリンと100 μg/mlストレプトマイシンを添加した培地中で、37°C 、5% CO2の条件下で培養を行った。
THP-1細胞のマクロファージへの分化誘導は、培地に終濃度100nM PMA(Phorbol 12-Myristate 13-Acetate)を添加し、37°C 、5% CO2の条件下で3日間培養することで行った。マクロファージへ分化誘導させたTHP-1細胞は、さらにPMAを含まない培地中で24時間培養を行った後、実験に供した。
・リアルタイムRT-PCR法による解析
被検物質による刺激後の細胞を集め、RNA 抽出試薬「TRIzol」(商品名、Invitrogen社)を用いて総RNAを抽出した。抽出した総RNAをDNase I(商品名、タカラバイオ株式会社)で処理した後、ランダムプライマー及びオリゴ dT プライマーと、逆転写酵素「ReverTraAce」(商品名、東洋紡株式会社)を用いた逆転写反応により、cDNAの合成を行った。リアルタイムPCR 法によるTRAIL、TNF-α、及びFasLのmRNA発現量の解析は、それぞれのmRNAに特異的なPCRプライマー及びTaqポリメラーゼ「SYBR Premix Ex Taq II」(商品名、タカラバイオ株式会社)を用いて、リアルタイムPCR解析装置「BioRad CFX96 real-time PCR detection system」(商品名、Bio-Rad社)により、メーカーの推奨するプロトコールに従って行った。
・PCRプライマー
TRAIL、TNF-α、及びFasLのmRNAを特異的に検出するプライマーとしては、以下のものを用いた。
(1) TRAIL mRNA用
5’- CCAACGAGATGAAGCAGCTGCAGG -3’
5’- CCTGCAAGCAGGGTCTGTTCAAGA -3
(2) TNF-α mRNA用
5’- GACCCTCACACTCAGATCATCTTCT -3’
5’- CCACTTGGTGGTTTGCTACGA -3’
(3) FasL mRNA用
5’- CCACCTGCAGAAGGAACTGGCA -3’
5’- ATGGGCCACACTCCTCGGCT -3’
・ウェスタンブロッティング法による解析
被検物質による刺激後の細胞を、PBS (リン酸緩衝生理食塩水)で洗浄した後、RIPA (25 mM Tris-HCl [pH 7.5], 150 mM NaCl, 1% NP-40, 1% sodium deoxycholate, 0.1% SDS)にプロテアーゼインヒビターのカクテル(Complete Mini; Roche社)を添加したもので溶解し、細胞残渣を遠心分離によって除いて総細胞抽出液とした。20 μgのタンパク質を10%SDSポリアクリルアミド電気泳動で分画し、PVDF膜(Immobilon-P Transfer Membrane、 Millipore社)に転写されたTRAILタンパク質及びアクチンタンパク質の検出を、それぞれの特異抗体を用いて行った。
・抗体
TRAILタンパク質及びアクチン(Actin)タンパク質の検出は、それぞれ市販の抗マウスTRAIL抗体(オリエンタル酵母工業株式会社)及び抗β-アクチン抗体(Chemicon社)を用いて行った。
<試験例1>
2 x 105個のRAW264.7細胞を37°C、5% CO2で1晩培養し、終濃度100 μg/mlの精製β−グルカン、終濃度5 μMのCpG DNA (CpG-A、Hycult Biotech社)、あるいは終濃度100 μg/mlのリポポリサッカライド(大腸菌055:B5由来、Sigma-Aldrich社)で刺激を加えた。刺激後6時間が経過した細胞を集めてその細胞から総RNAを調製し、TRAIL、TNF-α、及びFasLのmRNAを特異的に検出するプライマーを用いたリアルタイムRT-PCR法により、これら遺伝子の発現について解析を行った。データはGAPDH mRNAの発現量で標準化した後、コントロール(control)の細胞におけるそれぞれの発現量に対する相対的な比として表した。エラーバーは3回の独立した試行における標準偏差を表す(図1)。
図1Aに示すように、精製β−グルカンの刺激によって、RAW264.7細胞におけるTRAIL mRNAの発現量が増加した。これに対して、TRAILと同様に細胞にアポトーシスを誘導するデスリガンドであることが知られるTNF-α及びFasLのmRNA発現量については、コントロール(control)の細胞におけるそれぞれの発現量に対する相対的な比が、TRAILの場合と比較して低く、よって、精製β−グルカンによる刺激は、TRAILの発現誘導に対する選択性が高いことが示された。
また、図1Bに示すように、β−グルカンと同様に免疫賦活化作用を有する物質として知られるCpG DNAによる刺激では、TNF-αの発現誘導に対する選択性が高かった。
また、図1Cに示すように、同じく免疫賦活化作用を有する物質として知られるリポポリサッカライド(LPS)による刺激では、TRAILの発現誘導に加えTNF-αの発現誘導が起こっていた。
<試験例2>
2 x 105個のRAW264.7細胞を37°C、5% CO2で1晩培養し、終濃度100 μg/mlの精製β−グルカンで刺激を加え、刺激後24時間が経過した細胞から総細胞抽出液を調製した。20 μgのタンパク質をSDS-PAGEにより分画し、TRAIL特異的な抗体を用いたウェスタンブロッティング法により解析を行った。結果を図2に示す。図2中、矢印はそれぞれ、膜結合型TRAIL: TRAIL(M)、可溶型TRAIL: TRAIL(S)、及び内部標準として用いたアクチン(Actin)のバンドを示す。
図2に示すように、RAW264.7細胞に対し、精製β−グルカンによる刺激を加えると、膜局在型及び可溶型のTRAILタンパク質の発現が共に亢進することが明らかとなった。
ヒトにおいてTRAILはその受容体であるTRAIL-R1(TRAIL receptor 1; DR4(death receptor 4)とも呼ばれる)及びTRAIL-R2(TRAIL receptor 2; DR5(death receptor 5)とも呼ばれる)を介して細胞にシグナルを伝達する。また、TNF-α及びFasLはそれぞれTNFαR1 (TNFαreceptor 1; DR1(death receptor 1)とも呼ばれる)、Fas (DR2(death receptor 2)とも呼ばれる)を介して細胞にアポトーシスを誘導するシグナルを伝達する。
上記試験例1及び試験例2の結果によれば、CpG DNAにはTNF-αの発現誘導能はあるがTRAILの発現誘導を起こさないのに対し、上記アウレオバシジウム培養液から得られるβ−グルカンは、TRAILの発現誘導能が高い。また、リポポリサッカライド(LPS)がTRAILの発現誘導とともにTNF-αの発現誘導を起こすのに対し、上記アウレオバシジウム培養液から得られるβ−グルカンは、TRAILに対する選択性が高い。例えば、TNF-αの発現亢進は様々な炎症性疾患の増悪に働くことが知られている。アウレオバシジウム プルランスが産生するβ−グルカンは、そのような他のシグナルに与える影響少なくTRAILの発現を亢進することができる誘導剤として有用であると考えられた。
<試験例3>
RAW264.7細胞に対する刺激物質として、終濃度100 μg/mlの精製β−グルカン(アウレオバシジウム培養液由来)とともに、それを終濃度100 μg/mlの大麦由来のβ−グルカン(「大麦βグルカン顆粒」、株式会社ADEKA社製)又は終濃度100 μg/mlのパン酵母由来のβ−グルカン(「オルタスβグルカン85粉末」、株式会社オルタス社製)に替えて行なった以外は、上記試験例1と同様にして、それらの刺激物質によるTRAIL mRNAの発現量を解析した。データはGAPDH mRNAの発現量で標準化した後、コントロール(control)の細胞におけるそれぞれの発現量に対する相対的な比として表した。エラーバーは3回の独立した試行における標準偏差を表す(図3A)。
また、RAW264.7細胞に替え、THP-1細胞を、PMA(Phorbol 12-Myristate 13-Acetate)でマクロファージ様細胞へ分化誘導したTHP-1マクロファージ様細胞についいても、上記と同様の試験を行なった。データはGAPDH mRNAの発現量で標準化した後、コントロール(control)の細胞におけるそれぞれの発現量に対する相対的な比として表した。エラーバーは3回の独立した試行における標準偏差を表す(図3B)。
図3Aに示すように、アウレオバシジウム培養液由来の精製β−グルカンの刺激によって、RAW264.7細胞におけるTRAIL mRNAの発現誘導が起こっていた。これに対して、大麦由来のβ−グルカンやパン酵母由来のβ−グルカンでは、RAW264.7細胞におけるTRAIL mRNAの発現誘導が全く起こらなかった。図3Bに示すように、THP-1マクロファージ様細胞においても、同様の結果であった。よって、アウレオバシジウム培養液由来のβ―グルカンを精製することにより、効果的にTRAILを発現誘導し得ることが明らかとなった。

Claims (2)

  1. アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の培養物から得られる培養組成物を有効成分として含有することを特徴とするTRAIL発現亢進剤。
  2. 自己免疫性炎症の予防又はその改善のために用いられる、請求項1記載のTRAIL発現亢進剤。
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