JP2002185790A - 画像処理装置、印刷制御装置、画像処理方法、および記録媒体 - Google Patents
画像処理装置、印刷制御装置、画像処理方法、および記録媒体Info
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Abstract
表現形式に迅速に変換する。 【解決手段】 画像データを、各種ドットのドット形成
密度を示すドット密度データに変換するに際し、小ドッ
トのドット密度データとして、小ドットと大ドットを合
わせたドット形成密度を示すデータに変換する。中ドッ
トのドット密度データとして、中ドットと大ドットとを
合わせたドット密度データに変換する。これらドット密
度データに基づいて、小ドットのドット形成有無と中ド
ットのドット形成有無とをそれぞれ判断し、同一画素に
小ドットと中ドットとが重ねて形成されている場合に
は、これらドットを大ドットに変換する。こうすれば、
小ドットおよび中ドットについて判断するだけで大ドッ
トのデータを得ることができ、画像データを小・中・大
ドットの形成有無による表現形式のデータに迅速に変換
することが可能となる。
Description
を各種ドットの形成有無によって表現された画像データ
に変換する技術に関する。
に、ドットを形成することによって画像を表現する画像
表示装置は、各種画像機器の出力装置として広く使用さ
れている。かかる画像表示装置は、局所的にはドットを
形成するか否かのいずれかの状態しか表現し得ないが、
画像の階調値に応じてドットの形成密度を適切に制御す
ることによって、多階調の画像を表現することが可能と
なっている。
が形成されるように、各画素についてのドット形成の有
無を判断するための手法としては、誤差拡散法と呼ばれ
る手法が広く使用されている。誤差拡散法は、着目画素
にドットを形成したこと、あるいはドットを形成しなか
ったことによって生じる階調表現の誤差を、該着目画素
周辺の未判断画素に拡散して記憶しておき、未判断画素
についてのドット形成の有無を判断するにあたっては、
周辺画素から拡散されてきた誤差を解消するようにドッ
ト形成有無を判断する手法である。誤差拡散法はこのよ
うに誤差を解消するようにドットの形成有無を判断する
ので、画像の階調値に応じた適切な密度でドットを形成
することができ、画像表示装置で高画質の画像を表示す
ることが可能となる。
階調値を積極的に制御可能な画像表示装置も広く使用さ
れている。例えば、大きさの異なる各種ドットを形成可
能としたり、あるいはインクを用いてドットを形成する
場合には濃度の異なるインクを使い分けるといったこと
により、単ドットあたりに表現される階調値を制御する
ことができる。これら画像表示装置では、個々のドット
で表現される階調値を画像の階調値に応じて制御するこ
とで誤差の発生を抑制することができる。更には、誤差
拡散法を用いてドット形成の有無を判断すれば、周辺画
素から拡散されてきた誤差に応じて適切な階調値のドッ
トを形成することで、誤差を速やかに解消することが可
能である。このため、表現する階調値の異なる各種ドッ
トを形成可能な画像表示装置におけるドット形成有無の
判断に誤差拡散法を適用すれば、より一層、高画質の画
像を表示することができる。
値の異なる各種ドットを用いた場合、ドットの種類が多
い分だけ処理が複雑となるので、画像データをドット形
成有無による表現形式の画像データに迅速に変換するこ
とが困難になるという問題がある。
を解決するためになされたものであり、画質を維持した
まま、画像データを各種ドットの形成有無による表現形
式のデータに、迅速に変換する技術を提供することを目
的とする。
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の画
像処理装置は、次の構成を採用した。すなわち、各画素
の階調値を示す画像データを、単ドットあたりに表現可
能な階調値の異なる各種ドットについてのドット形成密
度に関する中間データに変換し、得られた該中間データ
に基づいて画素毎に該各種ドットの形成有無を判断する
ことにより、該画像データを該各種ドットの形成有無に
よって表現されたドットデータに変換する画像処理装置
であって、前記画像データを、前記各種ドット中の第1
のドットについてのドット形成密度と前記各種ドット中
の第3のドットについてのドット形成密度との合計値に
関する第1の中間データに変換する第1の中間データ変
換手段と、前記画像データを、前記各種ドット中の第2
のドットについてのドット形成密度と前記第3のドット
についてのドット形成密度との合計値に関する第2の中
間データに変換する第2の中間データ変換手段と、前記
第1の中間データに基づいて、前記第1のドットの形成
有無を画素毎に判断する第1のドット形成判断手段と、
前記第2の中間データに基づいて、前記第2のドットの
形成有無を画素毎に判断する第2のドット形成判断手段
と、前記第1のドットと前記第2のドットとが共に形成
される画素については、これらドットに代えて前記第3
のドットを形成すると判断する第3のドット形成判断手
段とを備えることを要旨とする。
明の画像処理方法は、各画素の階調値を示す画像データ
を、単ドットあたりに表現可能な階調値の異なる各種ド
ットについてのドット形成密度に関する中間データに変
換し、得られた該中間データに基づいて画素毎に該各種
ドットの形成有無を判断することにより、該画像データ
を該各種ドットの形成有無によって表現されたドットデ
ータに変換する画像処理方法であって、前記画像データ
を、前記各種ドット中の第1のドットについてのドット
形成密度と前記各種ドット中の第3のドットについての
ドット形成密度との合計値に関する第1の中間データに
変換し、前記画像データを、前記各種ドット中の第2の
ドットについてのドット形成密度と前記第3のドットに
ついてのドット形成密度との合計値に関する第2の中間
データに変換し、前記第1の中間データに基づいて、前
記第1のドットの形成有無を画素毎に判断し、前記第2
の中間データに基づいて、前記第2のドットの形成有無
を画素毎に判断し、前記第1のドットと前記第2のドッ
トとが共に形成される画素については、これらドットに
代えて前記第3のドットを形成すると判断して画像デー
タを変換することを要旨とする。
おいては、画像データを第1の中間データと第2の中間
データとに一旦変換し、該第1の中間データに基づいて
第1のドットの形成有無を画素毎に判断し、該第2の中
間データに基づいて第2のドットの形成有無を画素毎に
判断する。次いで、該第1のドットと該第2のドットと
が同じ画素に重ねて形成される画素については、それら
ドットに代えて第3のドットを形成すると判断する。該
第1の中間データおよび第2の中間データは、このよう
にドットの一部が他のドットに置き換えられことを考慮
して設定されている。
トの形成有無を判断すれば、迅速な判断を行うことがで
きる。その結果、画像データを各種ドットの形成有無に
よる表現形式のデータに変換する処理全体も迅速に行う
ことが可能となる。
法を用いて第1のドットの形成有無および第2のドット
の形成有無を判断することとしても良い。誤差拡散法
は、ドットの形成有無を判断したことによって生じる階
調誤差を周辺画素に拡散し、拡散誤差を解消するように
ドットの形成有無を判断するので、高画質の画像を得る
ことができるが、その一方で、階調誤差を拡散させるた
めに処理に時間がかかる傾向がある。そこで、第1のド
ットの形成有無および第2のドットの形成有無の判断に
誤差拡散法を適用することで画質の向上を図るととも
に、第1のドットと第2のドットとが重ねて形成された
画素にはこれらドットに代えて第3のドットを形成する
こととすれば、画質の向上と迅速な処理とを両立させる
ことが可能となるので好適である。
形成有無とを誤差拡散法を適用して判断する画像処理装
置においては、各種ドットの中でもっとも目立ち難いド
ットを第3のドットとしてもよい。
ットとが偶然重ねて形成される画素に形成される。この
ように、第3のドットの形成には確率の要素が加わるた
めに、誤差拡散法を適用してドットの形成有無を直接判
断する第1のドットおよび第2のドットに比べれば、ド
ット形成の制御が困難となる。各種ドットの中でもっと
もドットの目立ち難いドットを第3のドットとすれば、
ドットが最適な状態で形成されなくても、画質に与える
影響を最小限に抑制することができるので好ましい。
きさの異なる各種ドットの形成有無による表現形式のド
ットデータに変換する装置であり、該各種ドットの中で
もっとも大きいドットを第3のドットとしてもよい。
は、他のドットが高い密度で形成された上から形成され
始めるドットである。このような状態で大きなドットを
形成してもドットは目立ち難いことから、もっとも大き
なドットは各種ドットの中ではもっとも目立ち難いドッ
トであり、ドットが最適な状態で形成されなくても画質
に与える影響を最小限に抑制可能なドットであると言え
る。従って、もっとも大きなドットを第3のドットとす
れば、画質を悪化させることなく、画像データを迅速に
変換することが可能となる。
にしてもよい。すなわち、ドットの形成有無を判断しよ
うとしている画素が、前記第3のドットの形成に適さな
い画素か否かを、該画素の階調値に基づいて判断する。
そして、該第3のドットの形成に適さない画素に、前記
第1のドットあるいは前記第2のドットのいずれか一方
のドットを形成すると判断されている場合には、該画素
への他方のドットの形成を抑制することとしても良い。
うとしている画素が第3のドットの形成に適さない画素
である場合に、第1のドットと第2のドットとが重ねて
形成され難くなる。その結果、該画素に第3のドットが
発生することを抑制することが可能となり、画質を維持
することができる。
第1のドットあるいは第2のドットのいずれか一方のド
ットが形成される場合に、他方のドットの形成を抑制す
る代わりに次のようにしても良いのはもちろんである。
すなわち、第1のドットあるいは第2のドットのいずれ
か一方が形成された場合には、他方のドットが形成され
難くなるようにしておき、ドットの形成有無を判断して
いる画素が第3のドットの形成に不適な画素でなけれ
ば、ドットの形成を促進するようにしてもよい。
形成有無を判断しようとしている画素が第3のドットの
形成に適さない画素である場合に、誤差拡散法において
ドット形成有無の判断に使用する閾値を変更することに
よって、前記第2のドットあるいは前記第1のドットの
形成を抑制してもよい。
にしてもよい。すなわち、ドットの形成有無を判断しよ
うとしている画素が、前記第3のドットの形成に適さな
い画素か否かを、該画素の階調値に基づいて判断する。
そして、該第3のドットの形成に適さない画素に、前記
第1のドットあるいは前記第2のドットのいずれか一方
のドットを形成すると判断されている場合には、該画素
への他方のドットの形成を禁止しても良い。
うとしている画素が第3のドットの形成に適さない画素
である場合に、第1のドットと第2のドットとが重ねて
形成されることがなくなる。その結果、該画素に第3の
ドットが発生することを回避することが可能となり、画
質を維持することができる。
を、大きさの異なる各種ドットについての形成有無によ
って表現されたドットデータに、各色毎に変換する画像
データである場合には、本発明の画像データを、以下の
ような構成とすることもできる。すなわち、各色毎に各
画素の階調値を示す画像データを、単ドットあたりに表
現可能な階調値の異なる各種ドットについてのドット形
成密度に関する中間データに変換し、得られた該中間デ
ータに基づいて画素毎に該各種ドットの形成有無を判断
することにより、該画像データを該各種ドットの形成有
無によって表現されたドットデータに該各色毎に変換す
る画像処理装置であって、前記各色の中から、前記ドッ
トデータに従って画像を形成したときに、前記各色毎に
表現可能な階調値の最も大きなドットの目立ち易さが許
容範囲内にある予め選択された第1の色の画像データに
ついて、前記ドットデータへの変換を各色毎に行う第1
の画像データ変換部と、前記各色の中から前記第1の色
を除いた第2の色の画像データについて、前記ドットデ
ータへの変換を各色毎に行う第2の画像データ変換部と
を備え、前記第1の画像データ変換部は、前記第1の色
の画像データを、前記各種ドット中で表現する階調値が
最も小さなドットたる第1のドットのドット形成密度
と、前記各種ドット中で表現する階調値が最も大きなド
ットたる第3のドットのドット形成密度との合計値に関
する第1の中間データに変換する第1の中間データ変換
手段と、前記第1の画像データを、前記各種ドット中の
第2のドットについてのドット形成密度と前記第3のド
ットについてのドット形成密度との合計値に関する第2
の中間データに変換する第2の中間データ変換手段と、
前記第1の中間データに基づいて、前記第1のドットの
形成有無を画素毎に判断する第1のドット形成判断手段
と、前記第2の中間データに基づいて、前記第2のドッ
トの形成有無を画素毎に判断する第2のドット形成判断
手段と、前記第1のドットと前記第2のドットとが共に
形成される画素については、これらドットに代えて前記
第3のドットを形成すると判断する第3のドット形成判
断手段とを備えており、前記第2の画像データ変換部
は、前記第2の色の画像データを、前記第1ないし第3
の各種ドット毎に、ドット形成密度に関する中間データ
に変換する各種中間データ変換手段と、前記第1ないし
第3の各種ドット毎に、前記中間データに基づいて前記
各種ドットの形成有無を画素毎に判断する各種ドット判
断手段とを備えている画像処理装置とすることもでき
る。
変換部と第2の画像データ変換部とを備えている。該第
1の画像データ変換部は、画像データを、前記第1の中
間データおよび前記第2の中間データに変換し、これら
中間データに基づいて、前記第1のドットおよび第2の
ドットについての形成有無を判断する。その後、該第1
のドットと該第2のドットとが重ねて形成されている画
素には、これらドットに代えて第3のドットを形成する
と判断することにより、該画像データを該第1のドッ
ト、該第2のドット、および該第3のドットについての
ドットデータに変換する。また、前記第2の画像データ
変換部は、画像データを前記第1ないし第3の各種ドッ
トについての各種中間データに変換し、これら各種中間
データに基づいて、該第1ないし該第3のドットについ
ての形成有無を判断する。
タ、すなわち、前記ドットデータに従って画像を形成し
たときに、各色毎に表現する階調値の最も大きなドット
の目立ち易さが許容範囲内にある予め選択された色につ
いての画像データは、前記第1の画像データ変換部で前
記ドットデータに変換する。また、前記各色中から前記
第1の色を除いた第2の色の画像データについては、前
記第2の画像データ変換部で前記ドットデータに変換す
る。
ドットが目立ち難い前記第1の色の画像データについて
は、前記第1の画像データ変換部を用いることで迅速に
ドットデータに変換することができる。また、それ以外
の画像データについては、前記第2の画像データ変換部
を用いてドットデータに変換する。該第2の画像データ
変換部は該第1の画像データ変換部と異なり、表現する
階調値の大きなドットについても中間データに基づいて
ドット形成の有無を判断しているので、表現する階調値
の大きなドットをより適切に分散して形成されるよう判
断することができる。従って、第1の画像データ変換部
と第2の画像データ変換部とを用いて画像データを変換
すれば、画像データをドットデータに、迅速に且つ適切
に変換することが可能となって好ましい。
2の画像データ変換部を備えた画像処理装置において
は、前記第1の画像データ変換部で、少なくともシアン
色、マゼンタ色、イエロ色、黒色の中のいずれかの色の
画像データを変換することとし、また、前記第2の画像
データ変換部では、少なくとも淡いシアン色、淡いマゼ
ンタ色、暗いイエロ色の中のいずれかの色の画像データ
を変換することとしてもよい。
表現する階調値の大きなドットは暗い(明度の低い)画
像中に形成されることから、これらドットは目立ち難い
と言える。また、イエロ色は、元々がドットの目立ち難
い色であるため、表現する階調値の大きなドットであっ
てもドットは目立ち難い。従って、これら色の画像デー
タについては、前記第1の画像データ変換部を用いて変
換することで、得られたドットデータに基づいて画像を
表示したときにもドットが目立つことのないドットデー
タに、迅速に変換することが可能となる。一方、淡いシ
アン色、淡いマゼンタ色、暗いイエロ色については、表
現する階調値の大きなドットは明るい(明度の高い)画
像中に形成されることから、これらドットは比較的目立
ち易いと言える。従って、これら色の画像データは、前
記第2の画像データ変換部を用いてドットデータに変換
すれば、得られたドットデータに基づいて画像を表示し
てもドットの目立たない適切なドットデータに変換する
ことが可能となる。
て画像を印刷する印刷部に対して、ドットの形成を制御
するためのドットデータを出力することにより、該印刷
部を制御する印刷制御装置においては、本発明の画像処
理装置を好適に適用することができる。すなわち、上述
の画像処理装置は、画質を維持したまま画像データを各
種ドットによるドットデータに迅速に変換することがで
きるので、かかる印刷制御装置に上述の画像処理装置を
適用すれば、高画質の画像を迅速に印刷することが可能
となって好適である。
現するプログラムをコンピュータに読み込ませ、コンピ
ュータを用いて実現することも可能である。従って、本
発明は次のような記録媒体としての態様も含んでいる。
すなわち、上述の画像処理方法に対応する本発明の記録
媒体は、各画素の階調値を示す画像データを、単ドット
あたりに表現可能な階調値の異なる各種ドットについて
のドット形成密度に関する中間データに変換し、得られ
た該中間データに基づいて画素毎に該各種ドットの形成
有無を判断することにより、該画像データを該各種ドッ
トの形成有無によって表現されたドットデータに変換す
る方法を実現するコンピュータプログラムを記録した記
録媒体であって、前記画像データを、前記各種ドット中
の第1のドットについてのドット形成密度と前記各種ド
ット中の第3のドットについてのドット形成密度との合
計値に関する第1の中間データに変換する機能と、前記
画像データを、前記各種ドット中の第2のドットについ
てのドット形成密度と前記第3のドットについてのドッ
ト形成密度との合計値に関する第2の中間データに変換
する機能と、前記第1の中間データに基づいて、前記第
1のドットの形成有無を画素毎に判断する機能と、前記
第2の中間データに基づいて、前記第2のドットの形成
有無を画素毎に判断する機能と、前記第1のドットと前
記第2のドットとが共に形成される画素については、こ
れらドットに代えて前記第3のドットを形成すると判断
する機能とを実現するコンピュータプログラムを記録し
ていることを要旨とする。
ムをコンピュータに読み込ませ、該コンピュータを用い
て上述の各種機能を実現すれば、画質を維持したまま、
画像データをドット形成の有無による表現形式に迅速に
変換することが可能となる。
説明するために、本発明の実施の形態を、次のような順
序に従って以下に説明する。 A.実施の形態: B.装置構成: C.画像データ変換処理: C−1.ドット密度データ変換処理: C−2.階調数変換処理: C−3.大ドット生成処理: D.変形例: D−1.第1の変形例: D−2.第2の変形例: D−3.第3の変形例:
発明の実施の形態について説明する。図1は、印刷シス
テムを例にとって、本発明の実施の形態を説明するため
の説明図である。本印刷システムは、画像処理装置とし
てのコンピュータ10と、カラープリンタ20等から構
成されている。コンピュータ10は、デジタルカメラや
カラースキャナなどの画像機器からRGBカラー画像の
階調画像データを受け取ると、該画像データを、カラー
プリンタ20で印刷可能な各色ドットの形成有無により
表現された印刷データに変換する。かかる画像データの
変換は、プリンタドライバ12と呼ばれる専用のプログ
ラムを用いて行われる。尚、RGBカラー画像の階調画
像データは、各種アプリケーションプログラムを用いて
コンピュータ10で作成することもできる。
ト,中ドット,大ドットの3種類のドットを形成可能な
プリンタである。このことに対応して、プリンタドライ
バ12は、RGB画像データを受け取ると、各色毎に小
ドット,中ドット,大ドットのドット形成有無により表
現された印刷データに変換してカラープリンタ20に供
給する。
ュール,色変換モジュール,ドット密度データ変換モジ
ュール,階調数変換モジュール,大ドット生成モジュー
ル,インターレースモジュールといった複数のモジュー
ルから構成されている。詳細には後述するが、RGB画
像データは、解像度変換モジュールおよび色変換モジュ
ールで所定の処理を施された後、ドット密度データ変換
モジュールにおいて、ドット密度データと呼ばれる中間
的なデータに一旦変換される。ドット密度データとは、
画像データに応じて印刷用紙上に形成すべきドットの密
度を示すデータである。ドット密度データ変換モジュー
ルには、階調画像データに対して各種ドットについての
ドット密度が設定されたドット密度テーブルと呼ばれる
数表が内蔵されていて、かかるテーブルを参照すること
によって、階調画像データをドット密度データに変換す
る。
中ドット,大ドットの3種類のドットを形成可能なプリ
ンタであるが、ドット密度データ変換モジュールに内蔵
されたドット密度テーブルには大ドットのドット密度は
設定されていない。そのかわり、大ドットのドット密度
は、小ドットおよび中ドットのドット密度に含めた形で
設定されている。すなわちモジュールに内蔵されたドッ
ト密度テーブルには、小ドットのドット密度として、小
ドットおよび大ドットを合計したドット密度が設定さ
れ、中ドットのドット密度として、中ドットおよび大ド
ットを合計したドット密度が設定されている。図1のド
ット密度データ変換モジュールの中に表示されたグラフ
は、このようなテーブルを概念的に示したものである。
図中の左側のグラフに実線で示しているのは小ドットの
ドット密度であり、破線で示されているのは大ドットの
ドット密度に相当する部分である。図示されているよう
に、小ドットのドット密度には、大ドットのドット密度
が含まれている。また、図中の右側のグラフに実線で示
しているのは中ドットのドット密度であり、破線で示さ
れているのは大ドットのドット密度相当分である。
なドット密度テーブルを参照することによって得られた
小ドットおよび中ドットのドット密度データに対して、
いわゆる誤差拡散法を適用することによって、小ドット
および中ドットのドットの形成有無による表現形式に変
換する。更に、大ドット生成モジュールでは、得られた
小ドットおよび中ドットのドット形成有無を示すデータ
から大ドットのドット形成有無を示すデータを生成する
ことにより、小ドット,中ドット,大ドットについての
ドット形成有無による表現形式にデータを得る。
画像データを、ドット形成有無による表現形式に変換す
るまでの処理は、小ドットおよび中ドットのみのデータ
として取り扱っており、大ドットのデータを取り扱わな
い分だけ迅速に処理を行うことができる。また、小ドッ
トおよび中ドットのドット形成有無を表現しているデー
タから大ドットについてのドット形成有無を表現したデ
ータを生成する処理は、後述するように簡便な方法によ
って行うことができるので、プリンタドライバ12が行
う処理全体として、処理を迅速化することが可能とな
る。以下、このような本発明の形態について、実施例に
基づき詳細に説明する。
理装置としてのコンピュータ100の構成を示す説明図
である。コンピュータ100は、CPU102を中心
に、ROM104やRAM106などを、バス116で
互いに接続して構成された周知のコンピュータである。
ィスク124やコンパクトディスク126などからデー
タを読み込むためのディスクコントローラDDC109
や、周辺機器とデータの授受を行うための周辺機器イン
ターフェースP・I/F108、CRT114を駆動す
るためのビデオインターフェースV・I/F112等が
接続されている。P・I/F108には、後述するカラ
ープリンタ200や、ハードディスク118等が接続さ
れている。また、デジタルカメラ120や、カラースキ
ャナ122等をP・I/F108に接続すれば、デジタ
ルカメラ120やカラースキャナ122で取り込んだ画
像を印刷することも可能である。また、ネットワークイ
ンターフェースカードNIC110を装着すれば、コン
ピュータ100を通信回線300に接続して、通信回線
に接続された記憶装置310に記憶されているデータを
取得することもできる。
0の概略構成を示す説明図である。カラープリンタ20
0はシアン,マゼンタ,イエロ,染料濃度の低いシアン
(淡シアン)インク,染料濃度の低いマゼンタ(淡マゼ
ンタ)インク,明度の低いイエロ(暗イエロ)インク,
ブラックの7色インクのドットを形成可能なインクジェ
ットプリンタである。尚、以下では場合によって、シア
ンインク,マゼンタインク,イエロインク,ブラックイ
ンク,淡シアンインク,淡マゼンタインク,暗イエロイ
ンクのそれぞれを、Cインク,Mインク,Yインク,K
インク,LCインク,LMインク,DYインクと略称す
るものとする。
に、キャリッジ240に搭載された印字ヘッド241を
駆動してインクの吐出およびドット形成を行う機構と、
このキャリッジ240をキャリッジモータ230によっ
てプラテン236の軸方向に往復動させる機構と、紙送
りモータ235によって印刷用紙Pを搬送する機構と、
ドットの形成やキャリッジ240の移動および印刷用紙
の搬送を制御する制御回路260とから構成されてい
る。
るインクカートリッジ242と、Cインク,Mインク,
Yインク,LCインク,LMインク,DYインクの各種
インクを収納するインクカートリッジ243とが装着さ
れている。尚、本実施例では、インクカートリッジ24
2にはKインクが収納されており、インクカートリッジ
243には、C,M,Y,LC,LM,DYインクが収
納されているが、もちろん、各色インクの組合せは図5
に示す例に限らない。例えば、C,M,Y,Kの各色イ
ンクを組み合わせて1つのインクカートリッジに収納
し、LC,LM,DYインクを組み合わせて他のインク
カートリッジに収納することとしてもよい。キャリッジ
240にインクカートリッジ242,243を装着する
と、カートリッジ内の各インクは図示しない導入管を通
じて、印字ヘッド241の下面に設けられた各色毎のイ
ンク吐出用ヘッド244ないし250に供給される。各
色毎のインク吐出用ヘッド244ないし250には、4
8個のノズルNz が一定のノズルピッチkで配列された
ノズル列が1組ずつ設けられている。各色のノズル配列
については後述する。
262とRAM263等から構成されており、キャリッ
ジモータ230と紙送りモータ235の動作を制御する
ことによってキャリッジ240の主走査と副走査とを制
御するとともに、コンピュータ100から供給される印
刷データに基づいて、各ノズルから適切なタイミングで
インク滴を吐出する。こうして、制御回路260の制御
の下、印刷媒体上の適切な位置に各色のインクドットを
形成することによって、カラープリンタ200はカラー
画像を印刷することができる。
を吐出する方法には、種々の方法を適用することができ
る。すなわち、ピエゾ素子を用いてインクを吐出する方
式や、インク通路に配置したヒータでインク通路内に泡
(バブル)を発生させてインク滴を吐出する方法などを
用いることができる。また、インクを吐出する代わり
に、熱転写などの現象を利用して印刷用紙上にインクド
ットを形成する方式や、静電気を利用して各色のトナー
粉を印刷媒体上に付着させる方式のプリンタを使用する
ことも可能である。
滴の大きさを制御することにより、印刷用紙上に形成さ
れるインクドットの大きさを制御することができる。以
下、カラープリンタ200で大きさの異なるインクドッ
トを形成している方法について説明するが、その準備と
して、先ず、各色インクを吐出するノズルの内部構造に
ついて説明する。図4(a)は各色インクを吐出するノ
ズルの内部構造を示した説明図である。各色のインク吐
出用ヘッド244ないし250には、このようなノズル
が複数設けられている。図示するように、各ノズルには
インク通路255と、インク室256と、インク室の上
にピエゾ素子PEとが設けられている。キャリッジ24
0にインクカートリッジ242,243を装着すると、
カートリッジ内のインクがインクギャラリ257を経由
して、インク室256に供給される。ピエゾ素子PE
は、周知のように電圧を印加すると、結晶構造が歪んで
極めて高速に電気−機械エネルギの変換を行う素子であ
る。本実施例では、ピエゾ素子PEの両端に設けられた
電極間に所定波形の電圧を印加することで、インク室2
56の側壁を変形させる。その結果、インク室256の
容積が減少し、容積の減少分に相当するインクがインク
滴IpとなってノズルNzから吐出される。このインク
滴Ipがプラテン236に装着された印刷用紙Pに染み
込むことで、印刷用紙上にインクドットが形成される。
電圧波形を制御することで、吐出するインク滴の大きさ
を変更する原理を示した説明図である。ノズルからイン
ク滴Ipを吐出するためには、ピエゾ素子PEに負の電
圧を印加してインクギャラリ257からインク室256
内に一旦インクを吸入し、その後、ピエゾ素子PEに正
電圧を印加してインク室容積を減少させて、インク滴I
pを吐出させる。ここで、インクの吸引速度が適正であ
ればインク室容積の変化量に相当するインクが流入する
が、吸引速度が速すぎると、インクギャラリ257とイ
ンク室256との間には通路抵抗があるためにインクギ
ャラリ257からのインクの流入が間に合わなくなる。
その結果、インク通路255のインクがインク室内に逆
流して、ノズル付近のインク界面が大きく後退した状態
となる。図4(b)に実線で示した電圧波形aは、適正
な速度でインクを吸引する波形を示し、破線で示した電
圧波形bは適正速度より大きな速度で吸引する波形の一
例を示している。
れた状態で、ピエゾ素子PEに正電圧を印加すると、イ
ンク室256の容積減少に相当する体積のインク滴Ip
がノズルNzから吐出される。これに対して、インクの
供給量が不足してインク界面が大きく後退した状態で正
電圧を印加すると、吐出されるインク滴は小さなインク
滴となる。このように、本実施例のカラープリンタ20
0では、インク滴の吐出前に印加する負の電圧波形を制
御してインクの吸引速度を変更することで、吐出するイ
ンク滴の大きさを制御し、大ドット,中ドット,小ドッ
トの3種類のインクドットを形成することが可能となっ
ている。
ットを形成することも可能である。更には、微細なイン
ク滴を一度に複数吐出して、吐出するインク滴の数を制
御するといった方法を用いて、印刷用紙上に形成される
インクドットの大きさを制御してもよい。
250におけるインクジェットノズルNzの配列を示す
説明図である。図示するように、インク吐出用ヘッドの
底面には、各色毎のインクを吐出する7組のノズルアレ
イが形成されており、各組のノズルアレイには、ノズル
Nzが一定のノズルピッチで千鳥状に配列されている。
こうしてノズルが千鳥上に配列されているので、ノズル
ピッチを小さな値に製造することが容易になる。もっと
も、これらノズルが、一直線上に配列されていても構わ
ない。
用いられるインク成分の一例を示したものである。図示
するように、各色のインクは、サーフィノールの水溶液
に、粘度調整用のジエチレングリコールと、各色毎の染
料とを適量ずつ添加した混合溶液である。本実施例で用
いたDYインクは、Yインクの染料であるダイレクトイ
エロ86に、Cインクの染料であるダイレクトブルー1
99とMインクの染料であるアシッドレッド289とを
略等量ずつ添加した組成となっている。もっとも、DY
インクの組成はこれに限定されるものではなく、例え
ば、ダイレクトブルー199とアシッドレッド289の
比率や添加量を変えたインク、または、ダイレクトイエ
ロ86に黒インクの染料であるフードブラック2を少量
添加したインクを使用することもできる。
ついて、明度の測定結果を示した説明図である。図7の
横軸に取ったドット記録率とは、単位面積当たりに形成
されるドットの割合を示す指標である。例えば、ドット
記録率100%とはすべての画素にドットが形成されて
いる状態を示し、ドット記録率50%とは半分の画素に
ドットが形成されている状態を、ドット記録率0%とは
いずれの画素にもドットが形成されていない状態を示し
ている。縦軸にとった明度は、印刷用紙の地色を基準と
した画像の明るさを示している。例えば、明度100%
とは印刷用紙の地色そのままの状態を示し、明度が小さ
くなるにつれて画像の明るさは暗くなっていく。図示す
るように、いずれのドットも、ドット記録率0%の時は
明度100%であり、ドット記録率が増加するにつれ
て、すなわちドットを形成するにつれて、明度は小さく
なっていく。同一のドット記録率で各種ドットによる画
像の明度を比較すれば、各種インクの明るさを知ること
ができる。図7に示されているように、図6に示した組
成のDYインクは、Yインク,LCインク,LMインク
よりは暗く、Cインク,Mインク,Kインクよりは明る
いインクとなっている。
ラープリンタ200は、キャリッジモータ230を駆動
することによって、各色のインク吐出用ヘッド244な
いし250を印刷用紙Pに対して主走査方向に移動さ
せ、また紙送りモータ235を駆動することによって、
印刷用紙Pを副走査方向に移動させる。制御回路260
は、印刷データに従って、キャリッジ240の主走査お
よび副走査を繰り返しながら、適切なタイミングでノズ
ルを駆動してインク滴を吐出することによって、カラー
プリンタ200は印刷用紙上にカラー画像を印刷してい
る。
本実施例の画像処理装置としてのコンピュータ100
が、受け取った画像データに所定の画像処理を加えるこ
とにより、印刷データに変換する処理の流れを示すフロ
ーチャートである。かかる処理は、コンピュータ100
のオペレーティングシステムがプリンタドライバ12を
起動することによって開始される。以下、図8に従っ
て、本実施例の画像データ変換処理について簡単に説明
する。
処理を開始すると、先ず初めに、変換すべきRGBカラ
ー画像データの読み込みを開始する(ステップS10
0)。次いで、取り込んだ画像データの解像度を、カラ
ープリンタ200が印刷するための解像度に変換する
(ステップS102)。カラー画像データの解像度が印
刷解像度よりも低い場合は、線形補間を行うことで隣接
画像データ間に新たなデータを生成し、逆に印刷解像度
よりも高い場合は、一定の割合でデータを間引くことに
よって画像データの解像度を印刷解像度に変換する。
データの色変換処理を行う(ステップS104)。色変
換処理とは、R,G,Bの階調値の組み合わせによって
表現されているカラー画像データを、C,M,Y,K,
LC,LM,DYのカラープリンタ200で使用する各
色の階調値の組み合わせによって表現された画像データ
に変換する処理である。色変換処理は、色変換テーブル
(LUT)と呼ばれる3次元の数表を参照することで迅
速に行うことができる。
換処理に続いて、ドット密度データ変換処理を開始する
(ステップS106)。この処理では、色変換処理を施
した画像データを、プリンタが印刷用紙上に形成可能な
各種ドットについてのドット密度データに変換する。か
かる変換は、前述したように、ドット密度テーブルと呼
ばれる数表を参照することによって迅速に行うことがで
きる。
ット密度に変換する際に参照されるドット密度テーブル
を概念的に示した説明図である。図示されているように
ドット密度テーブルには、小ドットのドット密度および
中ドットのドット密度が、C,M,Y,K,LC,L
M,DY各色の階調値に対して設定されている。前述し
たように、本実施例のカラープリンタ200では小ドッ
トおよび中ドットに加えて大ドットも形成可能である
が、大ドットのドット密度は単独ではなく、小ドットの
ドット密度と中ドットのドット密度とに含まれた状態で
設定されている。これを図9(b)を参照しながら説明
する。
ット,中ドット,大ドットの3種類のドット密度が設定
されたドット密度テーブルを示す説明図である。このよ
うなドット密度テーブルを参照すれば、画像データの階
調値に対して各種ドットを如何なる密度で形成すればよ
いかを知ることができる。例えば、画像データの階調値
Aに対しては、中ドットをドット密度Amで、大ドット
をドット密度ALでそれぞれ形成すればよい。小ドット
のドット密度は0であるから、階調値Aに対しては小ド
ットは形成されない。
のドット密度テーブルには、中ドットを形成すべき密度
と大ドットを形成すべき密度とを加算した値が、中ドッ
トのドット密度として設定されている。同様に、小ドッ
トを形成すべき密度と大ドットを形成すべき密度とを加
算した値が小ドットのドット密度として設定されてい
る。例えば階調値Aに対しては、中ドットを形成すべき
密度(図9(b)におけるAm)と大ドットを形成すべ
き密度(図9(b)におけるAL)とを加算した値Am
+ALが、中ドットのドット密度として設定されてい
る。また、小ドットについては、階調値Aに対して小ド
ットを形成すべき密度の値が0であるから、大ドットを
形成すべき密度(図9(b)におけるAL)の値が、小
ドットのドット密度として設定されている。
ドット密度テーブルを参照することによって、色変換さ
れた各色の画像データを小ドットについてのドット密度
データと、中ドットについてのドット密度データとに変
換する。
の小ドットのドット密度と大ドットのドット密度とを合
計した値が図9(a)の小ドットのドット密度と完全に
一致し、同様に、図9(b)の中ドットのドット密度と
大ドットのドット密度とを合計した値が図9(a)の中
ドットのドット密度と完全に一致するものとして説明し
た。しかし、必ずしも完全には一致していなくてもよ
い。例えば、画像データの階調値の大きい領域では、小
ドットのドット密度あるいは中ドットのドット密度を若
干大きめの値に設定しておいても良い。こうすれば、大
ドットを形成すべき領域で小ドットと中ドットとがたま
たま同一画素に形成されない確率を補うことが可能とな
るので好適である。
タ変換処理を終了すると、続いて階調数変換処理を開始
する(ステップS108)。階調数変換処理とは次のよ
うな処理である。ドット密度データは、階調値0から2
55の256階調を有するデータとして表現されている
が、実際には、ドットは印刷用紙上に「形成する」か
「形成しない」かのいずれかの状態しか取り得ない。そ
こで、256階調を有するドット密度データを、ドット
の形成有無に対応する2階調のデータに変換する必要が
ある。このように階調数変換処理とは、256階調のド
ット密度データをドットの形成有無を示す画像データに
変換する処理である。本実施例の階調数変換処理では、
小ドットのドット密度データと中ドットのドット密度デ
ータを受け取り、これらデータを、小ドットおよび中ド
ットのドット形成有無を示す画像データに変換する。
ローチャートである。以下、図10に従って、階調数変
換処理について説明する。尚、階調数変換処理は、各色
毎に同様な処理を行うが、説明の煩雑化を避けるため
に、以下では色を特定せずに説明する。
に、ドット形成の有無を判断しようとする着目画素につ
いて、中ドットのドット密度データDmと小ドットのド
ット密度データDsを読み込む(ステップS200)。
有無を判断したことによって周辺画素から拡散されてき
た中ドットあるいは小ドットの拡散誤差を、着目画素に
ついての中ドットあるいは小ドットのドット密度データ
Dm,Dsとそれぞれ加算して、中ドットの補正データ
Dxmおよび小ドットの補正データDxsを算出する(ステ
ップS202)。中ドットあるいは小ドットについての
拡散誤差については後述する。
の閾値thとの大小関係を比較して(ステップS20
4)、中ドットの補正データDxmの方が大きければ(ス
テップS204:yes)着目画素に中ドットを形成す
ると判断して、中ドットの形成有無についての判断結果
を示す変数Drmに、中ドットを形成することを意味する
値「1」を代入する(ステップS206)。そうでなけ
れば(ステップS204:no)、着目画素には中ドッ
トを形成しないと判断して、中ドットの形成有無につい
ての判断結果を示す変数Drmに、中ドットを形成しない
ことを意味する値「0」を代入する(ステップS20
8)。
ット形成有無を判断したら、判断に伴って生じた階調誤
差を算出し、得られた誤差の拡散処理を開始する(ステ
ップS210)。すなわち、中ドットを形成すると判断
したこと、あるいは形成しないと判断したことによって
着目画素に表現される階調値(このような階調値を中ド
ットの結果値と呼ぶ)は、着目画素に表現すべき中ドッ
トの補正データとは通常、異なっているので、中ドット
の補正データから中ドットの結果値を減算した値の階調
誤差が発生する。この階調誤差を、着目画素の周辺にあ
る未判断画素に、図11に例示するような所定の重みを
つけて拡散させる。図中の斜線を付して示した画素が着
目画素である。ステップS202において、中ドットの
補正データDxmを算出するために用いた中ドットの拡散
誤差は、このようにして周辺から拡散されて着目画素に
蓄積された誤差である。
ト形成有無の判断と、誤差の拡散処理が終了したら、小
ドットについても同様の処理を行う。以下、簡単に説明
すると、先ず、小ドットの補正データDxsと所定の閾値
thとを比較する(ステップS212)。小ドットの補
正データDxsは、先にステップS202で算出されてい
る。小ドットの補正データの方が大きければ(ステップ
S212:yes)着目画素に小ドットを形成すると判
断し、小ドットについての判断結果を示す変数Drsにド
ットを形成することを意味する値「1」を代入する(ス
テップS214)。そうでなければ(ステップS21
2:no)、着目画素には小ドットを形成しないと判断
して、判断結果を示す変数Drsにドットを形成しないこ
とを意味する値「0」を代入する(ステップS21
6)。小ドットのドット形成有無を判断したら、判断に
よって生じた階調誤差の拡散処理を開始する(ステップ
S218)。すなわち、小ドットの補正データDxsか
ら、着目画素についての小ドットの結果値を減算して階
調誤差を算出し、得られた階調誤差を図11に示すよう
な重みを付けて周辺画素に拡散させる。ステップS20
2において、小ドットの補正データDxsを算出するため
に用いた小ドットの拡散誤差は、以上のようにして周辺
の画素から着目画素に拡散されて蓄積された階調誤差で
ある。
び小ドットについてのドット形成有無を判断したら、す
べての画素についてドット形成有無の判断を終了したか
否かを判断し(ステップS220)、判断を行っていな
い画素が残っていればステップS200に戻って続く一
連の処理を行う。全ての画素についてドット形成有無の
判断を終了したら階調数変換処理を抜けて、図8の画像
データ変換処理に復帰する。
して階調数変換処理を終了すると、大ドット生成処理を
行う(図8のステップS110)。すなわち、本実施例
のカラープリンタ200は各色毎に小ドット,中ドッ
ト,大ドットの3種類のドットを形成可能であるが、上
述の階調数変換処理では小ドットおよび中ドットについ
てのみドット形成有無を判断し、大ドットについてはド
ット形成有無の判断を行っていない。そこで大ドット生
成処理では、以下のようにして小ドットおよび中ドット
についてのドット形成有無を示すデータから、大ドット
についてのドット形成有無を示すデータを生成するので
ある。
フローチャートである。尚、この処理も、カラープリン
タ200が形成可能な各色毎に行われるが、説明が煩雑
化することを避けるために以下では色を特定することな
く説明する。
に着目画素について、中ドットの形成有無の判断結果D
rmと、小ドットの形成有無の判断結果Drsとを読み込む
(ステップS300)。次いで、着目画素に中ドットを
形成すると判断しているか(ステップS302)、およ
び小ドットを形成すると判断しているか(ステップS3
04)を判断する。着目画素に、中ドットを形成し、か
つ小ドットも形成している場合には(ステップS30
2:yesかつステップS304:yes)、これらド
ットに代えて大ドットを形成することとして、大ドット
の形成有無の判断結果を示す変数DrLにドットを形成す
ることを意味する値「1」を代入する(ステップS30
6)。その後、小ドットの形成有無の判断結果を示す変
数Drsおよび中ドットの形成有無の判断結果を示す変数
Drmに、それぞれドットを形成しないことを意味する値
「0」を代入する(ステップS308)。こうすること
により、着目画素に小ドットおよび中ドットを重ねて形
成すると判断されている場合には、これらドットに代え
て大ドットが形成されることになる。判断結果を示す変
数Drs,Drmにドットを形成しないことを意味する値
「0」を代入したら、全ての画素についての処理を終了
したか否かの判断を行う(ステップS310)。
合(ステップS302:no)、あるいは中ドットは形
成するが小ドットは形成しない場合(ステップS30
4:no)には、判断結果を示す変数を書き換えること
なく、直ちに、全ての画素についての処理を終了したか
否かを判断する(ステップS310)。未処理の画素が
残っていればステップS300に戻って、すべての画素
の処理が終了するまで続く一連の処理を繰り返し、全画
素の処理を完了したら大ドット生成処理を抜けて、図8
の画像データ変換処理に復帰する。
のドット形成有無の判断結果に基づいて大ドットのドッ
ト形成有無を判断したら、プリンタドライバはインター
レース処理を開始する(ステップS112)。インター
レース処理とは、ドットの形成有無を表す形式に変換さ
れた画像データを、ドットの形成順序を考慮しながらカ
ラープリンタ200に転送すべき順序に並べ替える処理
である。プリンタドライバは、インターレース処理を行
って最終的に得られた画像データを、印刷データとして
カラープリンタ200に出力する(ステップS11
4)。カラープリンタ200は、印刷データに従って、
各色のインクドットを印刷媒体上に形成する。その結
果、画像データに対応したカラー画像が印刷用紙上に印
刷される。
ータ変換処理では、小ドットおよび中ドットについては
誤差を拡散させながらドット形成の有無を判断する。大
ドットについては、小ドットと中ドットとが重ねて形成
される画素を検出して、これらドットに代えて大ドット
を形成すると判断する。すなわち、大ドットについては
誤差を拡散させることなく、たいへんに簡単な処理でド
ットの形成有無を判断することができる。その結果、小
ドット,中ドット,大ドットの3種類のドットについて
ドット形成有無の判断を行っているにもかかわらず、迅
速に判断することができ、その分だけ画像データ変換処
理も迅速化されて、延いては迅速の画像を表示すること
が可能となる。
よび中ドットについては誤差を拡散しながらドットの形
成有無を判断し、小ドットと中ドットとが重ねて形成さ
れる場合には、これらドットに代えて大ドットを形成す
ると判断した。もちろん例えば、中ドットおよび大ドッ
トについては誤差を拡散しながらドットの形成有無を判
断し、中ドットと大ドットとが重ねて形成される場合
に、これらドットに代えて小ドットを形成すると判断し
ても構わない。この場合には、小ドットと中ドットのド
ット密度データの合計値を中ドットのドット密度データ
として設定し、小ドットと大ドットのドット密度データ
の合計値を大ドットのドット密度データとして設定して
おけばよい。
のドット、すなわち他の2つのドットが重ねて形成され
る場合に置き換えられるドットは、できるだけ目立ち難
いドットを選択することが望ましい。なぜなら、次の理
由により、誤差を拡散しながらドットの形成有無を判断
すると、そのドットについてはおのずからドットがまば
らに形成されて良好な分散性が得られるのに対し、第3
のドットは他の2つのドットが偶然重ねて形成される画
素に発生するので、おのずから良好な分散性が得られる
わけではないからである。
素に表現される階調値は、補正データの値よりも通常は
大きいので、ドットが形成された画素では大きな負の階
調誤差が発生して周辺画素に拡散される。負の誤差が拡
散された画素では補正データが小さな値となるのでドッ
トが形成され難くなる。換言すれば、誤差を周辺画素に
拡散しながらドットの形成有無を判断すると、ドットを
形成した画素の周辺ではドットが形成され難くなって、
おのずからドットが分散した状態でまばらに形成される
ようになる。これに対して第3のドットは、他の2つの
ドットのように誤差を拡散することで積極的にドットの
分散性を改善しているわけではない。このことから、ド
ットの分散性が多少悪くなったとしても画質に悪影響を
あまり与えることのないよう、目立ち難いドットを第3
のドットとして選択することが望ましいのである。
うなことを考慮して、小ドット,中ドット,大ドットの
中から第3のドットとして大ドットを選択している。つ
まり、図9(b)にも示されているように、大ドットは
中ドットが高い密度で形成された状態で少しずつ形成さ
れる。このような使われ方をしている限りは、大ドット
は目立ち難いドットであると言え、大ドットの分散性が
多少悪くなったとしても、画質への悪影響を最小限とす
ることができる。
ほど目立ち難いドットである。このことから、小ドッ
ト,中ドット,大ドットの中から小ドットを第3のドッ
トとして選択することも充分に起こり得る。いずれのド
ットについても実際に画像を印刷してみて、良好な画質
が得られる方を選択すればよい。
においては、小ドットおよび中ドットが重ねて形成され
る画素については、大ドットを形成すると判断してい
る。このため、小ドットおよび中ドットのみを用いて画
像を表現し、大ドットの形成を予定していない階調値に
おいても、小ドットと中ドットとが偶然同じ画素に形成
された結果、大ドットが発生してしまう可能性がないで
はない。以下に説明する変形例の階調数変換処理におい
ては、大ドットの形成を予定していない階調領域で大ド
ットが発生することのないように、小ドットおよび中ド
ットの形成有無の判断を制御している。
変形例における階調数変換処理の流れを示すフローチャ
ートである。図13に示す変形例の階調数変換処理は、
図10を用いて前述した階調数変換処理に対して、中ド
ットの形成有無を判断する閾値と小ドットの形成有無を
判断する閾値とを使い分けている点が大きく異なってい
る。以下、図13を参照しながら、図10の階調数変換
処理と異なる部分を中心に、第1の変形例の階調数変換
処理について説明する。
初めに、ドット形成の有無を判断しようとする着目画素
について、中ドットのドット密度データDmと小ドット
のドット密度データDsを読み込み(ステップS40
0)、続いて、中ドットの補正データDxm、および小ド
ットの補正データDxsを算出する(ステップS40
2)。
ドット用の閾値thmとの大小関係を比較して(ステッ
プS404)、中ドットの補正データDxmの方が大きけ
れば、着目画素に中ドットを形成すると判断し、中ドッ
トの形成有無についての判断結果を示す変数Drmに、中
ドットを形成することを意味する値「1」を代入した後
(ステップS406)、小ドット用の閾値thsの値を
設定する(ステップS408)。
定の閾値thに補正係数f(data)を加算して、得られ
た値を小ドット用の閾値thsとして設定する。補正係
数f(data)は、図14に示すように、階調値dataの関
数として設定されている。図14に示されている階調値
DtLは、大ドットを形成する境界となる階調値である。
すなわち、画像データの階調値がDtLより小さな値で
は、大ドットの形成は予定されておらず、小ドットある
いは中ドットのみを形成して画像が表現される。参考と
して、図9(a)および(b)に、階調値DtLを表示し
た。すなわち、中ドットを形成すると判断した場合に
は、画像データを読み込んで補正係数f(data)を算出
し、得られた補正係数f(data)と所定の閾値thを加
算した値を小ドット用の閾値thsに設定する。図13
のステップS408においては、このような処理を行
う。尚、図14において、階調値DtLより大きな階調値
となる領域で、補正係数f(data)の値が緩やかに減少
しているのは、画像データが階調値DtL付近の値を取る
ときに、大ドットが急に発生しないようにするためであ
る。もちろん、必ずしも補正係数f(data)を滑らかに
減少させずに、階調値DtLを境に急激に変化させても構
わない。こうすれば、補正係数を算出する処理を簡便化
することができるので好適である。
中ドットの補正データDxmとを比較した結果、補正デー
タDxmの方が小さいと判断された場合は(ステップS4
04:no)、着目画素には中ドットを形成しないと判
断して、中ドットの形成有無についての判断結果を示す
変数Drmに、中ドットを形成しないことを意味する値
「0」を代入する(ステップS410)。次いで、所定
の閾値thの値をそのまま小ドット用の閾値thsとし
て設定する(ステップS412)。
ット形成有無を判断したら、判断に伴って生じた階調誤
差を算出し、得られた誤差を周辺の画素に拡散させる
(ステップS414)。階調誤差は、前述した階調数変
換処理と同様に、中ドットの補正データから中ドットの
結果値を減算することで求めることができる。
と、誤差の拡散処理が終了したら、同様にして小ドット
についてのドット形成有無の判断を開始する。すなわ
ち、小ドットの補正データDxsと、先に設定した小ドッ
ト用の閾値thsとを比較し(ステップS416)、小
ドットの補正データDxsの方が大きければ着目画素に小
ドットを形成すると判断し、小ドットについての判断結
果を示す変数Drsにドットを形成することを意味する値
「1」を代入する(ステップS418)。そうでなけれ
ば(ステップS416:no)、着目画素には小ドット
を形成しないと判断して、判断結果を示す変数Drsにド
ットを形成しないことを意味する値「0」を代入する
(ステップS420)。小ドットのドット形成有無を判
断したら、判断によって生じた階調誤差の拡散処理を開
始する(ステップS422)。
判断した場合で、かつ画像データの階調値が階調値DtL
よりも小さい場合には、小ドット用の閾値thsは大き
な値が設定されるので、小ドットは形成され難くなる。
従って、大ドットの形成を予定していない領域では、中
ドットおよび小ドットが同じ画素に重ねて形成され難く
なっている。
び小ドットについてのドット形成有無を判断したら、す
べての画素についてドット形成有無の判断を終了したか
否かを判断し(ステップS424)、判断を行っていな
い画素が残っていればステップS400に戻って続く一
連の処理を行う。全ての画素についてドット形成有無の
判断を終了したら階調数変換処理を抜けて、図8の画像
データ変換処理に復帰する。
調数変換処理では、中ドットの形成有無に応じて、小ド
ットの形成有無を判断するための閾値thsを設定する
ことによって、小ドットと中ドットとが重なって形成さ
れる確率、すなわち大ドットが発生する確率を制御する
ことができる。その結果、大ドットの発生を予定してい
ない領域で大ドットが形成されることを回避して、良好
な画像を得ることができる。
例においては、小ドットの形成有無を判断するための閾
値thsの値を変更したが、大ドットの形成を予定して
いない領域で中ドットを形成すると判断した場合には、
より簡便に、小ドットを形成しないものとしてもよい。
以下、このような第2の変形例の階調数変換処理につい
て説明する。
換処理の流れを示すフローチャートである。図15を参
照しながら、図10の階調数変換処理と異なる部分を中
心として、第2の変形例の階調数変換処理について説明
する。
も、先ず初めに、ドット形成の有無を判断しようとする
着目画素について、中ドットのドット密度データDmと
小ドットのドット密度データDsを読み込み(ステップ
S500)、中ドットの補正データDxm、および小ドッ
トの補正データDxsを算出した後(ステップS50
2)、中ドットの補正データDxmと、所定の閾値thと
を比較する(ステップS504)。中ドットの補正デー
タDxmの方が大きければ、着目画素に中ドットを形成す
ると判断し、中ドットの形成有無についての判断結果を
示す変数Drmに、中ドットを形成することを意味する値
「1」を代入し(ステップS506)、そうでなけれ
ば、判断結果を示す変数Drsにドットを形成しないこと
を意味する値「0」を代入する(ステップS508)。
ト形成有無を判断したら、判断に伴って生じた階調誤差
を算出し、得られた誤差を周辺の画素に拡散させる(ス
テップS510)。階調誤差は、前述した階調数変換処
理と同様に、中ドットの補正データから中ドットの結果
値を減算することで求めることができる。
ついての判断結果Drmの値が「1」となっており、かつ
着目画素の画像データが階調値DtLよりも大きいか否か
を判断する(ステップS512)。階調値DtLは、前述
の第1の変形例と同様、大ドットの発生を開始する階調
値である。着目画素の画像データが階調値DtLよりも大
きければ、大ドットの形成を予定していない領域を処理
していることになるから、中ドットを形成すると判断し
ている場合には(ステップS512:yes)、直ち
に、小ドットは形成しないと判断して、小ドットについ
ての判断結果を示す変数Drsにドットを形成しないこと
を意味する値「0」を代入する(ステップS518)。
よりも小さいか、あるいは中ドットを形成しないと判断
している場合には(ステップS512:no)、小ドッ
トの補正データDxsと、所定の閾値thとを比較して
(ステップS514)、小ドットの補正データDxsの方
が大きければ着目画素に小ドットを形成すると判断し、
小ドットについての判断結果を示す変数Drsにドットを
形成することを意味する値「1」を代入する(ステップ
S516)。そうでなければ、着目画素には小ドットを
形成しないと判断して、判断結果を示す変数Drsにドッ
トを形成しないことを意味する値「0」を代入する(ス
テップS518)。小ドットのドット形成有無を判断し
たら、判断によって生じた階調誤差の拡散処理を行った
後(ステップS520)、全画素の処理を終了したか否
かを判断する(ステップS522)。未処理の画素が残
っていればステップS500に戻って、全画素の処理が
終了するまで続く一連の処理を繰り返す。全ての画素の
処理を終了したら、第2の変形例の階調数変換処理を抜
けて、図8の画像データ変換処理に復帰する。
調数変換処理では、画像データが階調値DtLよりも小さ
な画素に中ドットを形成すると判断した場合は、小ドッ
トは直ちに形成しないと判断するので、大ドットの形成
を予定していない画素に中ドットと小ドットとが同時に
形成されることがない。その結果、大ドットの発生を予
定していない領域で大ドットが形成されることを回避し
て、良好な画像を得ることができる。
においては、各色の画像データに、いずれも同じ画像処
理を行うものとして説明したが、色によって適切な画像
処理を行うこととしてもよい。以下、このような第3の
変形例について説明する。
タ変換処理の流れを示すフローチャートである。第3の
変形例の画像データ変換処理は、図8を用いて前述した
画像データ変換処理に対して、色変換処理を行って以
降、インターレース処理を行うまでの各種処理を、何色
の画像データかに応じて切り換えている点が大きく異な
っている。以下では、この点を中心として、第3の変形
例の画像データ変換処理について説明する。
すると、前述の画像データ変換処理と同様に、RGB画
像データを読み込み(ステップS600)、画像データ
の解像度を印刷解像度に変換する(ステップS60
2)。次いで、色変換テーブルを参照して、カラープリ
ンタ200が形成可能な各色インクについてのデータに
色変換する(ステップS604)。
データかを判断し(ステップS606)、C,M,Y,
Kのいずれかの画像データである場合は、第1のドット
密度データ変換処理(ステップS608)および第1の
階調数変換処理(ステップS610)を行った後、大ド
ット生成処理を行う(ステップS612)。これら、第
1のドット密度データ変換処理、第1の階調数変換処
理、大ドット生成処理の内容は、前述した画像データ変
換処理における処理と同じであり、ここでは説明を省略
する。
M,DYのいずれかの画像データである場合は、第2の
ドット密度データ変換処理を行う(ステップS61
4)。第2のドット密度データ変換処理と第1のドット
密度データ変換処理とは、参照するドット密度テーブル
が異なっている。すなわち、図9を用いて前述したよう
に、第1のドット密度データ変換処理では、図9(a)
に示すようなドット密度テーブルを参照することによ
り、画像データを小ドットのドット密度を示すデータ
(ドット密度データ)と、および中ドットのドット密度
データとに変換する。これに対して、第2のドット密度
データ変換処理では、図9(b)に示すようなドット密
度テーブルを参照することにより、画像データを小ドッ
ト、中ドット、大ドットのそれぞれのドットについての
ドット密度データに変換する。
換処理は、こうして第2のドット密度データ変換処理を
終了すると、第2の階調数変換処理を開始する(ステッ
プS616)。第2の階調数変換処理は、前述した第1
の階調数変換処理に対して、大ドットについての階調数
変換処理を行う点のみが異なっている。すなわち、第1
の階調数変換処理では、図10,図13,図15を用い
て説明したように、中ドットおよび小ドットについての
み階調数変換処理を行うのに対して、第2の階調数変換
処理では、ステップS614の第2のドット密度データ
変換処理において小ドット、中ドット、大ドットのそれ
ぞれについてのドット密度データが得られることに対応
して、これら各種ドットについて階調数変換処理を行う
のである。尚、各種ドットについての階調数変換処理の
内容は、第1の階調数変換処理と同様であり、ここでは
説明を省略する。
の画像データについては、S614,S616の各処理
を行うことで、小ドット,中ドット,大ドットの各種ド
ットについてドット形成有無により表現されたデータに
変換される。また、C,M,Y,Kの画像データについ
ても、S608,S610の処理を行うことで小ドット
および中ドットについてのドット形成有無により表現さ
れたデータに変換され、更にS612の処理で小ドット
および中ドットの一部が大ドットに置き換えられて、結
局、小ドット,中ドット,大ドットの各種ドットについ
てのドット形成有無により表現されたデータに変換され
る。こうして、いずれの画像データについても各種ドッ
トの形成有無により表現されたデータに変換したら、イ
ンターレース処理を行った後(ステップS618)、得
られた印刷データをカラープリンタ200に出力する
(ステップS620)。
像データ変換処理では、LC,LM,DYの各色につい
ては、小ドット,中ドット,大ドットのいずれについて
も、ドット密度データに基づいて直接にドット形成の有
無を判断している。従って、以下に説明する理由から、
より高画質の画像を得ることが可能となっている。すな
わち、これらLC,LM,DY各色の大ドットは、画像
中では比較的目立ち易いドットであるといえる。なぜな
ら、LC,LMのドットはC,Mのドットが形成される
に先立って、比較的明るい(明度の高い)画像中に形成
されるため、大ドットが目立ち易くなっている。また、
DYインクは、Cインク、Mインク、Kインクよりは明
るいインクであるが、Yインクほどには明るくないの
で、大ドットがちょうど目立ち易くなっていると言え
る。つまり、Yインクのように明るければ、大ドットを
形成してもほとんど目立つことはないが、DYインクは
Yインクよりは暗いインクであることから、大ドットが
目立ち易くなっている。逆に、C,M,Kドットのよう
に暗いインクは、大ドットが形成される条件では十分に
暗い(明度の低い)画像となっているため、大ドットが
画像中で目立つことはほとんどないが、DYインクは、
これらインクほどには暗くないため、画像中で大ドット
が目立ち易くなっているのである。
理では、画像中で大ドットが比較的目立ち易いLC,L
M,DY各色の画像データについては、大ドットについ
てもドット密度データに基づいて直接にドット形成の有
無を判断している。このため、大ドットの分散性を最適
化することができ、よりドットの目立たない高画質の画
像を印刷することが可能となっている。もちろん、画像
中で大ドットの目立ち難い色の画像データについては、
前述したように、小ドットおよび中ドットが同時に形成
されている場合に、大ドットに置き換えてやることで、
画像データを迅速に変換することが可能である。
が、本発明は上記すべての実施例に限られるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実
施することができる。例えば、上述の機能を実現するソ
フトウェアプログラム(アプリケーションプログラム)
を、通信回線を介してコンピュータシステムのメインメ
モリまたは外部記憶装置に供給し実行するものであって
もよい。もちろん、CD−ROMやフレキシブルディス
クに記憶されたソフトウェアプログラムを読み込んで実
行するものであっても構わない。
の異なる3種類のドットを形成するものとしたが、ドッ
トの大きさを変えるのではなく、例えばインクの濃度を
変えて、濃ドット,淡ドット,極淡ドットの3種類のド
ットを形成するプリンタに適用することもできる。更に
は、ドットの大きさとインク濃度を組み合わせて、単ド
ットあたりに表現可能な階調値の異なる各種ドットを形
成するプリンタに適用しても良い。例えば、淡インクの
小ドット,淡インクの大ドット,濃インクの大ドットと
いった3種類のドットを形成可能なプリンタに適用して
も良い。
タ変換処理はコンピュータ内で実行されるものとして説
明したが、画像データ変換処理の一部あるいは全部をプ
リンタ側、あるいは専用の画像処理装置を用いて実行す
るものであっても構わない。
体上にインクドットを形成して画像を印刷する印刷装置
に限定されるものではなく、例えば、液晶表示画面上で
輝点を適切な密度で分散させることにより、階調が連続
的に変化する画像を表現する液晶表示装置であっても構
わない。
の構成を示す説明図である。
略構成図である。
形成する原理を示す説明図である。
説明図である。
組成を例示した説明図である。
クの明度を計測した結果を例示した説明図である。
変換処理の流れを示すフローチャートである。
の設定方法を示す説明図である。
である。
み係数を例示した説明図である。
トである。
フローチャートである。
補正係数が設定されている様子を例示する説明図であ
る。
フローチャートである。
示すフローチャートである。
Claims (13)
- 【請求項1】 各画素の階調値を示す画像データを、単
ドットあたりに表現可能な階調値の異なる各種ドットに
ついてのドット形成密度に関する中間データに変換し、
得られた該中間データに基づいて画素毎に該各種ドット
の形成有無を判断することにより、該画像データを該各
種ドットの形成有無によって表現されたドットデータに
変換する画像処理装置であって、 前記画像データを、前記各種ドット中の第1のドットに
ついてのドット形成密度と前記各種ドット中の第3のド
ットについてのドット形成密度との合計値に関する第1
の中間データに変換する第1の中間データ変換手段と、 前記画像データを、前記各種ドット中の第2のドットに
ついてのドット形成密度と前記第3のドットについての
ドット形成密度との合計値に関する第2の中間データに
変換する第2の中間データ変換手段と、 前記第1の中間データに基づいて、前記第1のドットの
形成有無を画素毎に判断する第1のドット形成判断手段
と、 前記第2の中間データに基づいて、前記第2のドットの
形成有無を画素毎に判断する第2のドット形成判断手段
と、 前記第1のドットと前記第2のドットとが共に形成され
る画素については、これらドットに代えて前記第3のド
ットを形成すると判断する第3のドット形成判断手段と
を備える画像処理装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の画像処理装置であって、 前記第1のドット形成判断手段および前記第2のドット
形成判断手段は、誤差拡散法を用いて、前記第1のドッ
トおよび前記第2のドットそれぞれの形成有無を判断す
る手段である画像処理装置。 - 【請求項3】 前記第3のドットは、前記各種ドットの
中でもっとも目立ち難いドットである請求項2記載の画
像処理装置。 - 【請求項4】 請求項2記載の画像処理装置であって、 前記各種ドットは、大きさの異なるドットであり、 前記第3のドットは、前記各種ドットの中でもっとも大
きいドットである画像処理装置。 - 【請求項5】 請求項1記載の画像処理装置であって、 前記各画素が前記第3のドットの形成に適さない画素か
否かを、該画素の階調値に基づいて判断する不適画素判
断手段と、 前記第3のドットの形成に適さない画素に、前記第1の
ドットあるいは前記第2のドットのいずれか一方のドッ
トを形成すると判断されている場合に、該画素への他方
のドットの形成を抑制するドット形成抑制手段とを備え
る画像処理装置。 - 【請求項6】 請求項5記載の画像処理装置であって、 前記第1のドット形成判断手段および前記第2のドット
形成判断手段は、誤差拡散法によってドット形成有無の
判断を判断する手段であり、 前記ドット形成抑制手段は、前記第1のドット形成判断
手段あるいは前記第2ドット形成判断手段においてドッ
ト形成有無の判断に使用される閾値を高くする手段であ
る画像処理装置。 - 【請求項7】 請求項1記載の画像処理装置であって、 前記各画素が前記第3のドットの形成に適さない画素か
否かを、該画素の階調値に基づいて判断する不適画素判
断手段と、 前記第3のドットの形成に適さない画素に、前記第1の
ドットあるいは前記第2のドットのいずれか一方のドッ
トを形成すると判断されている場合に、該画素への他方
のドットの形成を禁止するドット形成禁止手段とを備え
る画像処理装置。 - 【請求項8】 各色毎に各画素の階調値を示す画像デー
タを、単ドットあたりに表現可能な階調値の異なる各種
ドットについてのドット形成密度に関する中間データに
変換し、得られた該中間データに基づいて画素毎に該各
種ドットの形成有無を判断することにより、該画像デー
タを該各種ドットの形成有無によって表現されたドット
データに該各色毎に変換する画像処理装置であって、 前記各色の中から、前記ドットデータに従って画像を形
成したときに、前記各色毎に表現可能な階調値の最も大
きなドットの目立ち易さが許容範囲内にある予め選択さ
れた第1の色の画像データについて、前記ドットデータ
への変換を各色毎に行う第1の画像データ変換部と、 前記各色の中から前記第1の色を除いた第2の色の画像
データについて、前記ドットデータへの変換を各色毎に
行う第2の画像データ変換部とを備え、 前記第1の画像データ変換部は、 前記第1の色の画像データを、前記各種ドット中で表現
する階調値が最も小さなドットたる第1のドットのドッ
ト形成密度と、前記各種ドット中で表現する階調値が最
も大きなドットたる第3のドットのドット形成密度との
合計値に関する第1の中間データに変換する第1の中間
データ変換手段と、 前記第1の画像データを、前記各種ドット中の第2のド
ットについてのドット形成密度と前記第3のドットにつ
いてのドット形成密度との合計値に関する第2の中間デ
ータに変換する第2の中間データ変換手段と、 前記第1の中間データに基づいて、前記第1のドットの
形成有無を画素毎に判断する第1のドット形成判断手段
と、 前記第2の中間データに基づいて、前記第2のドットの
形成有無を画素毎に判断する第2のドット形成判断手段
と、 前記第1のドットと前記第2のドットとが共に形成され
る画素については、これらドットに代えて前記第3のド
ットを形成すると判断する第3のドット形成判断手段と
を備えており、 前記第2の画像データ変換部は、 前記第2の色の画像データを、前記第1ないし第3の各
種ドット毎に、ドット形成密度に関する中間データに変
換する各種中間データ変換手段と、 前記第1ないし第3の各種ドット毎に、前記中間データ
に基づいて前記各種ドットの形成有無を画素毎に判断す
る各種ドット判断手段とを備えている画像処理装置。 - 【請求項9】 請求項8記載の画像処理装置であって、 前記ドットデータは、前記画像データを、大きさの異な
る各種ドットの形成有無による表現形式に変換したデー
タであり、 前記第1の画像データ変換部は、前記第1の色の画像デ
ータとして、少なくともシアン色、マゼンタ色、イエロ
色、黒色の中のいずれかの色の画像データを、前記ドッ
トデータに変換する変換部であり、 前記第2の画像データ変換部は、前記第2の色の画像デ
ータとして、少なくとも淡いシアン色、淡いマゼンタ
色、暗いイエロ色の中のいずれかの色の画像データを、
前記ドットデータに変換する変換部である画像処理装
置。 - 【請求項10】 各画素の階調値を示す画像データを、
単ドットあたりに表現可能な階調値の異なる各種ドット
についてのドット形成密度に関する中間データに変換
し、得られた該中間データに基づいて画素毎に該各種ド
ットの形成有無を判断することにより、該画像データを
該各種ドットの形成有無によって表現されたドットデー
タに変換し、印刷媒体上にインクドットを形成して画像
を印刷する印刷部に対して該ドッドデータを出力するこ
とで、該印刷部を制御する印刷制御装置であって、 前記画像データを、前記各種ドット中の第1のドットに
ついてのドット形成密度と前記各種ドット中の第3のド
ットについてのドット形成密度との合計値に関する第1
の中間データに変換する第1の中間データ変換手段と、 前記画像データを、前記各種ドット中の第2のドットに
ついてのドット形成密度と前記第3のドットについての
ドット形成密度との合計値に関する第2の中間データに
変換する第2の中間データ変換手段と、 前記第1の中間データに基づいて、前記第1のドットの
形成有無を画素毎に判断する第1のドット形成判断手段
と、 前記第2の中間データに基づいて、前記第2のドットの
形成有無を画素毎に判断する第2のドット形成判断手段
と、 前記第1のドットと前記第2のドットとが共に形成され
る画素については、これらドットに代えることによっ
て、該第1のドットおよび該第2のドットの形成有無の
判断結果を前記ドットデータに変換するドットデータ変
換手段と、 前記ドットデータを前記印刷部に出力するドットデータ
出力手段とを備える印刷制御装置。 - 【請求項11】 各画素の階調値を示す画像データを、
単ドットあたりに表現可能な階調値の異なる各種ドット
についてのドット形成密度に関する中間データに変換
し、得られた該中間データに基づいて画素毎に該各種ド
ットの形成有無を判断することにより、該画像データを
該各種ドットの形成有無によって表現されたドットデー
タに変換する画像処理方法であって、 前記画像データを、前記各種ドット中の第1のドットに
ついてのドット形成密度と前記各種ドット中の第3のド
ットについてのドット形成密度との合計値に関する第1
の中間データに変換し、 前記画像データを、前記各種ドット中の第2のドットに
ついてのドット形成密度と前記第3のドットについての
ドット形成密度との合計値に関する第2の中間データに
変換し、 前記第1の中間データに基づいて、前記第1のドットの
形成有無を画素毎に判断し、 前記第2の中間データに基づいて、前記第2のドットの
形成有無を画素毎に判断し、 前記第1のドットと前記第2のドットとが共に形成され
る画素については、これらドットに代えて前記第3のド
ットを形成すると判断する画像データの変換方法。 - 【請求項12】 各画素の階調値を示す画像データを、
単ドットあたりに表現可能な階調値の異なる各種ドット
についてのドット形成密度に関する中間データに変換
し、得られた該中間データに基づいて画素毎に該各種ド
ットの形成有無を判断することにより、該画像データを
該各種ドットの形成有無によって表現されたドットデー
タに変換する方法を実現するコンピュータプログラムを
記録した記録媒体であって、 前記画像データを、前記各種ドット中の第1のドットに
ついてのドット形成密度と前記各種ドット中の第3のド
ットについてのドット形成密度との合計値に関する第1
の中間データに変換する機能と、 前記画像データを、前記各種ドット中の第2のドットに
ついてのドット形成密度と前記第3のドットについての
ドット形成密度との合計値に関する第2の中間データに
変換する機能と、 前記第1の中間データに基づいて、前記第1のドットの
形成有無を画素毎に判断する機能と、 前記第2の中間データに基づいて、前記第2のドットの
形成有無を画素毎に判断する機能と、 前記第1のドットと前記第2のドットとが共に形成され
る画素については、これらドットに代えて前記第3のド
ットを形成すると判断する機能とを実現するコンピュー
タプログラムを記録した記録媒体。 - 【請求項13】 各画素の階調値を示す画像データを、
単ドットあたりに表現可能な階調値の異なる各種ドット
についてのドット形成密度に関する中間データに変換
し、得られた該中間データに基づいて画素毎に該各種ド
ットの形成有無を判断することにより、該画像データを
該各種ドットの形成有無によって表現されたドットデー
タに変換する方法を、コンピュータを用いて実現するプ
ログラムであって、 前記画像データを、前記各種ドット中の第1のドットに
ついてのドット形成密度と前記各種ドット中の第3のド
ットについてのドット形成密度との合計値に関する第1
の中間データに変換する機能と、 前記画像データを、前記各種ドット中の第2のドットに
ついてのドット形成密度と前記第3のドットについての
ドット形成密度との合計値に関する第2の中間データに
変換する機能と、 前記第1の中間データに基づいて、前記第1のドットの
形成有無を画素毎に判断する機能と、 前記第2の中間データに基づいて、前記第2のドットの
形成有無を画素毎に判断する機能と、 前記第1のドットと前記第2のドットとが共に形成され
る画素については、これらドットに代えて前記第3のド
ットを形成すると判断する機能とを実現するためのプロ
グラム。
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