JP2002144552A - プリント方法、プリント装置およびプリントシステム - Google Patents

プリント方法、プリント装置およびプリントシステム

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JP2002144552A JP2001215789A JP2001215789A JP2002144552A JP 2002144552 A JP2002144552 A JP 2002144552A JP 2001215789 A JP2001215789 A JP 2001215789A JP 2001215789 A JP2001215789 A JP 2001215789A JP 2002144552 A JP2002144552 A JP 2002144552A
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美由紀 藤田
Atsushi Nochida
淳 後田
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博司 田鹿
Yuji Konno
裕司 今野
Norihiro Kawatoko
徳宏 川床
Tetsuya Edamura
哲也 枝村
Takayuki Ogasawara
隆行 小笠原
Tetsuhiro Maeda
哲宏 前田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク吐出口列を、色を異にするインクに対
応して複数、主走査の方向に並列に有するカラーインク
ジェットヘッドを往復走査させるとともに、ある領域を
ヘッドの複数回の走査で分割記録するマルチパス記録に
おいて、色むらのなく滑らかな画像をより高速に記録す
ることができるようにする。 【解決手段】 かかるマルチパス記録では、ある領域の
記録時に最初に打ち込まれるインクが、その色味の影響
が大きく現れる優先色となる。また、最初の2パスの記
録で記録媒体が大きく覆われる。すなわち、最初の2パ
スでの色むらを抑制することができれば、画像全体の色
むらによる弊害を著しく低減できるので、当該領域への
1パス目のデータ記録率を2パス目以降のデータ記録率
よりも少なく設定する。さらに、そのような記録データ
数の制御に際し、非記録画素と記録画素とを視覚的に好
ましい状態に配列した擬似周期的マスクを導入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント方法およ
びプリント装置に関し、特にインクジェット方式による
プリント装置に適用して好適なものである。さらに詳し
くは、本発明は、所謂シリアル型のカラーインクジェッ
トプリント装置にあって、特に双方向プリント等、同一
画像領域に対しては相補的な関係にある画素配列に従っ
た複数回の主走査を適用しつつ分割プリントを行う場合
に問題となる画像のざらつきや、カラーインクの打ち込
み順に起因する色むらを無くすためのものである。な
お、本発明は、一般的なプリント装置のほか、複写機、
通信システムを有するファクシミリ,プリント部を有す
るワードプロセッサ等の装置、さらには、各種処理装置
と複合的に組み合わされた産業用記録装置に適用するこ
とができる。
【0002】
【従来の技術】プリント部たる記録ヘッドをプリント媒
体上で走査させながらプリント動作を実行する所謂シリ
アル走査型の画像記録装置は、さまざまな画像形成に適
用されている。特にインクジェット方式によるものは、
近年高解像度化やカラー化が進み、画像品位が目覚しく
向上したことから、急速に普及してきている。このよう
な装置では、インクを例えば滴として吐出する吐出口を
集積配置してなる所謂マルチノズルヘッドが用いられて
いるが、現在では吐出口の集積密度を高め、かつ1ドッ
ト当たりのインク吐出量を小さくすることで更なる高解
像度の画像形成が可能となってきている。一方、より銀
塩写真に迫る画質を実現するために、基本となる4色の
インク(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色
インク)の他に、これらの濃度を低くした淡インクも同
時に用いて記録を行うものなど、多彩な技術が展開され
ている。また、この高画質化が進むにつれて懸念されて
いた記録速度の低下についても、プリント素子数の増大
や駆動周波数の向上、更には双方向プリントのような技
術を採用することで対応が図られ、良好なスループット
が得られるようになってきている。
【0003】図45は上記マルチノズルを用いてプリン
トを行うプリンタの一般的構成を模式的に示す。この図
において、1901は例えばブラック(K)、シアン
(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の4色の
インクに対応して設けたヘッドカートリッジであり、そ
れぞれのヘッドカートリッジ1901はそれらのいずれ
かの色のインクを充填したインクタンク1902Tと、
そのインクタンクから供給されるインクをプリント媒体
上に吐出可能な吐出口を多数配列してなるヘッド部19
02Hとから構成されている。
【0004】図46はこのヘッド部1902Hの吐出口
の配列態様を示すために、ヘッド部1902Hをz方向
から見た状態を簡易的に示したものである。2001は
吐出口であり、図示の例では1列に配列されている。
【0005】再び図45を参照するに、1903は紙送
りローラ(フィードローラ)であり、補助ローラ190
4と協働してプリント媒体(記録紙)1907を挟持し
つつ図の矢印方向に回転し、記録紙1907を随時y方
向に搬送する。また、1905は記録紙1907を挟持
しながら被プリント位置に向けて送給する一対の給紙ロ
ーラであり、ローラ1903および1904との間で記
録紙1907を平坦に保持する機能も果たす。
【0006】1906は4つのヘッドカートリッジ19
01を支持し、プリント動作に際してこれらを主走査方
向に移動させるためのキャリッジであり、プリントを実
行しないとき、あるいはヘッド部1902Hのインク吐
出性能を良好に保持するための回復動作を行うときに
は、図の破線で示した位置(ホームポジション)hに設
定される。
【0007】プリント開始前にホームポジションhに設
定されているキャリッジ1906は、プリント開始命令
の入来に応じてx方向に移動を開始し、ヘッド部190
2Hに設けられた複数(n個)の吐出口からプリントデ
ータに応じてインクを吐出して、吐出口配列範囲に対応
した幅Dのプリントを行って行く。そして、記録紙19
07のx方向端部までプリント動作が終了すると、片方
向プリントの場合にはキャリッジ1906はホームポジ
ションhに復帰し、再びx方向に向けてプリント動作を
行う。また、双方向プリントであればホームポジション
hに向かう−x方向の移動時にもプリント動作を行う。
いずれにせよ、一方向へ向かう1回のプリント動作(1
スキャン)が終了してから次回のプリント動作が開始さ
れる前に、紙送りローラ1903が図の矢印方向に所定
量回転することで、所定量(吐出口配列幅分)だけy方
向に記録紙1907が搬送される。これらのように、1
スキャンのプリント動作と所定幅の記録紙搬送とを繰り
返すことにより、記録紙1枚分のデータのプリントが完
成する。
【0008】さて、モノクロームプリンタとして文字,
数字,記号などのキャラクタのみを記録するものと異な
り、カラーイメージ画像をプリントするに当たっては、
発色性、階調性、一様性など様々な要素が要求される。
特に一様性に関しては、多数のノズル(本明細書では、
特にことわらない限り吐出口ないしこれに連通する液路
およびインク吐出に利用されるエネルギを発生する素子
を総括して言うものとする)を集積配置してなるマルチ
ノズルヘッドの製作工程時に生じる僅かなノズル単位の
ばらつきが、プリント動作時において各ノズルのインク
吐出量やインク吐出方向の向きに影響を及ぼし、最終的
にはプリント画像の濃度むらとして画像品位を低下させ
る。
【0009】図47〜図49を用いてその具体例および
対策を説明する。図47(a)において、3001はマ
ルチノズルヘッドであり、図46に示したものと同様の
構成であるが、ここでは簡単のため8個のノズル300
2によって構成されているものとする。3003はノズ
ル3002によって吐出されたインクドロップレットで
あり、この図のように揃った吐出量で、揃った方向にイ
ンクが吐出されるのが理想である。このような吐出が行
われれば、図47(b)に示すようにプリント媒体上に
揃った大きさのインクドットが着弾し、全体的にも濃度
むらの無い一様な濃度分布が得られる(図47
(c))。
【0010】しかし実際には、ノズル1つ1つにそれぞ
ればらつきがあり、そのまま上記と同じようにプリント
を行ってしまうと、図48(a)に示したようにそれぞ
れのノズルより吐出されるインクドロップの大きさおよ
び向きにばらつきが生じ、紙面上においては図48
(b)に示すようになる。この図によれば、ヘッド主走
査方向に対し、周期的に白紙の部分が存在したり、また
逆に必要以上にドットが重なり合ったり、あるいはこの
図の中央部分に見られるような白筋が発生したりしてい
る。この状態で記録されたドットの集まりはノズル並び
方向に対し、図48(c)図に示した濃度分布となり、
結果的には、通常人間の目で見たときに、これらの現象
が濃度むらとして感知されるのである。
【0011】そこでこの濃度むら対策として次のような
方法が提案されている。
【0012】図49によりその方法を説明する。ここで
は図47および図48で示したのと同様の領域について
のプリントを完成させるのにヘッド3001を図49の
(a)に示すように3回スキャンしているが、図中縦方
向8画素の半分である4画素を単位とする領域は2回の
記録走査(パス)で完成している。この場合ヘッド30
01の8ノズルは、図中上半分の4ノズルと、下半分の
4ノズルとのグループに分けられ、1ノズルが1回のス
キャンで形成するドットは、画像データをある所定の画
像データ配列に従って約半分に間引いたものである。そ
して2回目のスキャン時に残りの半分の画像データへド
ットを埋め込み、4画素単位領域の記録を完成させる。
以上のような記録法は分割記録法あるいはマルチパス記
録法と称される。この記録方法を実施すれば、図48で
用いた記録ヘッドと等しいものを使用しても、各ノズル
固有のプリント画像への影響が半減されるので、プリン
トされた画像は図49(b)のようになり、図48
(b)に見られたようなるような白すじや黒すじが余り
目立たなくなる。従って濃度むらも図49(c)に示す
ように図48(c)の場合と比べかなり緩和される。
【0013】以上では同一記録領域に対し、2回の記録
走査で画像を完成させる構成を説明したが、マルチパス
記録はパス数が多いほど画像品位は向上する。しかし、
一方でプリント時間は長くなるといういわばトレードオ
フの関係がある。
【0014】このような状況下、画像をいかに迅速かつ
美しく出力するかということを目的に、既に様々な提案
がなされている。特開平5−31922号公報では、デ
ィザ法などの面積階調法による画像データ配列を、これ
と非同期のドット配列を持つ間引きパターンを適用して
マスクとするという内容が開示されている。ここでは、
所定のディザパターンに同調しないマスクパターンを用
いることにより、複数パスでのデータ記録率をなるべく
等分にし、滑らかな画像を得ようとしているものであ
る。しかしこの方法では、目的とされた所定のディザパ
ターンについては対応できるものの、すべての2値化方
法に等しく対応するのは困難であった。
【0015】また、特開平7−52390号公報は、ラ
ンダム性を持たせたマスタパターンを用いる記録方法を
開示している。これによればすべての2値化法に対し、
分割記録が主眼とするつなぎ部やノズルばらつきによる
画像むらを改善することができる。
【0016】しかし膨大な容量のメモリを具えない限り
プリント媒体全面など広い範囲に適用されるマスクを構
成することはできず、実際には所定サイズのマスクをプ
リント媒体全面に対し繰り返し適用するのが一般的であ
る。一方、プリント装置では記録走査毎に機械的な誤差
が多少とも生じるので、記録走査間でドット形成位置に
若干のずれが生じる。この若干のずれは各記録走査に適
用されるマスクの形状(模様)を形成画像上に浮き立た
せてしまい、所定サイズのマスク模様が繰り返し現れる
という画像品位の低下をもたらすことがあった。そこ
で、上記所定サイズを持つランダムマスクの適用開始位
置を記録走査毎にずらしたり、ずらし量をランダムに変
化させたりすることで、見かけ上ランダムマスクの周期
的繰り返しを起こさせないようにするような構成が提案
されている(特開平7−125311号公報)。これに
よると、上記所定サイズの模様が発生したとしても、こ
れが規則的に配列されないので、画像品位の低下が視覚
的に認識されにくくなるのである。
【0017】ところで、上記に示した分割記録では、分
割数が多くなるにつれ、1紙面分を記録するタイムコス
トが大きくかかり、記録のスループットが低下するとい
う問題があった。これに対しては、キャリッジの往復走
査の過程での記録(双方向プリント)を行うことで記録
時間の短縮を図ることが考えられる。これによれば、従
来1方向の記録走査が行われた後に、何の記録を行うこ
とも無くホームポジションに復帰させるキャリッジ走査
が全て省かれるので、1紙面の記録時間をほぼ半減させ
ることができる。そして、実際モノクローム画像の記録
方法として上記双方向プリントを行っているものも少な
くない。
【0018】しかし本発明が対象としているようなカラ
ーインクジェット装置では、以下に示す要因により、双
方向プリントの実現が困難であった。
【0019】図50は現在一般に使用されている記録イ
ンクを記録媒体(紙)Pに着弾させるときの状態であ
り、ここでは異なる2色のインクドットを時間をおいて
殆ど隣接した位置に吸収(記録)させた場合を示してい
る(同図(a)および(b))。ここで注意すべきこと
は、2ドットの重なり部分において、先に記録されたド
ットのインクよりも後に打たれたドットのインクの方が
紙面深さ方向に沈むように浸透することである。これは
次の理由による。すなわち、吐出されたインク中の染料
などの色素が記録媒体と物理的かつ化学的に結合する段
階で、記録媒体と色素との結合が有限であるために、色
素の種類によって結合力に大きな差がない限りは、先に
吐出されたインク色素と記録媒体との結合が優先される
ために記録媒体表面に多く残る。従って、後から打たれ
たインク色素は記録媒体表面では結合しにくく、紙面深
さ方向に沈んで染着するものと考えられる。この場合、
2種類のインクを同一位置に着弾させたとしても、2種
類のインクの打ち込み順序によって優先色が異なり、2
色のインクにより混色記録を行ったとしてもその2色の
インクの着弾順序が異ならせた画素があった場合には、
結果的に人間の視覚特性に対し異なる2色を表現してし
まっていることとなる。
【0020】図45に示した構成において、右からブラ
ック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー
(Y)の順に配置された4色ヘッド1901は、往路走
査では図示の記録開始位置からx軸が示す右方向に移動
し、その過程で各色インクを吐出して記録動作を行う。
このとき、紙面上への記録順序は上記配列順序に即する
ので、例えばある一定領域にグリーン(シアン+イエロ
ー)信号が入力されていた場合には、各画素にシアン、
イエローの順にインクが吸収される。従って、この走査
では先に吸収されたシアンが優先色となり、シアンの色
味の強いグリーンドットが形成される。一方、紙送りが
y軸方向に行われた後の復路走査では、4色ヘッドは図
の右側に位置し、今度は往路と逆の方向に移動しながら
記録動作を行う。よって打ち込み順序も逆になり、この
走査ではイエローの色味が強いグリーンドットが得られ
る。
【0021】以上の記録走査が繰り返されると、記録ヘ
ッドの往路記録、復路記録に応じて、シアンの色味の強
いグリーンドットの領域とイエローの色味が強いグリー
ンドットの領域とが副走査方向(y方向)に交互に記録
される。すなわち、もし分割記録を加味した記録走査を
行わず、各往復走査毎にヘッドのy方向幅ずつの紙送り
が行われた場合、シアンの色味の強いグリーンの領域と
イエローの色味が強いグリーンの領域とがヘッド幅ずつ
交互に繰り返され、一様であるべきグリーン画像に著し
い画像劣化が生ずることになる。
【0022】但し、この弊害も既に上述した分割記録法
を用いることにより多少克服することができる。分割記
録を行っても往路ではシアンの色味の強いグリーンドッ
トが記録され、復路ではイエローの色味が強いグリーン
ドットが記録されるが、往復記録間の紙送り量はヘッド
幅未満のものとなるので、一定領域での色味は双方の色
味のドットが混在し、色むらも緩和されるのである。
【0023】この構成および効果は米国特許第4748
453号に既に開示されている。ここでは紙送り量の限
定はないが、第1と第2(あるいはそれ以上)に分割し
た記録走査で同記録領域に水平垂直方向に交互に位置す
る画素への補完的な記録を行うことで、OHP用のプラ
スチックシート等の媒体上でのインクのビーディングを
防止するとともに、カラー画像を形成するときには、混
色画素のインク打ち込み順を第1走査と第2走査で逆転
させることにより(往復記録)、カラーバンディング
(色むら)を防止することができる効果を述べている。
同号の発明においては各画素間のビーディングの防止を
主たる目的としているので、1回の走査で記録される画
素同士は、水平垂直方向において交互である(互いに隣
接しない)ことが特徴づけられている。
【0024】一方、本願発明の出願人による特開昭58
−194541号公報においては、複数本の記録素子列
を並列配置し、前記記録素子列に直交する方向に往復走
行させてドット行列記録の主走査を行うにあたり、前記
主走査の往路において記録ドット行列の各行および各列
の少なくとも一方において記録すべき全ドットよりも少
ない個数のドットを間欠的に記録するとともに、前記主
走査の復路において前記各行および各列の少なくとも一
方において残余のドットを間欠的に記録することによ
り、前記複数本の記録素子列による重複記録ドットにお
ける記録の重複の順序を前記主走査の往路と復路とにて
互いに異ならせるようにした記録方法が開示されてい
る。同号の発明においても、先に説明した分割記録のよ
うに紙送りを通常より少なくするような制限はなく、効
果としてはカラーインクの重複記録に基づく記録画像の
色調ずれ(色むら)による画像劣化の防止が記載されて
いる。また、同号においてはこの色調ずれの防止が主目
的とされているので、各走査で記録するドット位置につ
いても特別な制限は無く、実施形態においては市松模様
に加え、縦方向にのみ交互に記録する横間引き、横方向
にのみ交互に繰り返す縦間引きが記載されている。
【0025】また、カラープリンタに限定されていない
が、特公昭63−38309号公報においても、綾目状
(市松模様)パターンを用いて往復記録を行う構成が開
示されている。同号の発明では、隣接するドットを連続
して印写しないようにし、それによって印写ドットが乾
かないうちに隣接するドットを印写してドット歪が生じ
るのを防止することを目的としている。よってここで
は、上記米国特許第4748453号と同様に、間引き
マスクが綾目状(市松模様)に限定されている。
【0026】しかし、同号に示された市松模様のマスク
による分割記録を行っても、未だ完全には色むらの弊害
は解決されない。
【0027】図51および図52を用いてその理由を説
明する。通常インクドロップレットの量は、紙面上の各
画素に与えられた面積よりも大きく広がるように設計さ
れている。これは記録率100%データの領域に対し、
白紙(記録媒体の地)の部分が全く見えないようにする
ためである。従って、2分割記録法を行ったとき、画素
自体は1回に50%しか記録されてないが、記録媒体
(記録紙)はほぼ100%の領域が覆われていることに
なる。
【0028】図51(a)および(b)はこの場合の紙
面断面を示す。ここでは1パス目(往路走査)で白紙上
に千鳥記録が行われ、2パス目(復路走査)で逆千鳥記
録が行われる場合を示している。図51(a)は1パス
目(往路)記録直後のインクの様子を示し、ここで黒く
塗りつぶした部分はシアンインク、斜線で示す部分はイ
エローインクである。イエローインクはシアンインクと
同位置に僅かな時間差をもって打ち込まれているので、
紙に吸収されると、シアンインクはにじみが少なく濃度
の濃い状態で、一方イエローインクはシアンインクの下
側や周辺部に回り込むように大きくにじみ、濃度の薄い
状態となる。また、このとき、これらのインクは隣接画
素までその吸収が及び、紙面上が殆どインクで埋め尽く
された形となる(図51(a))。
【0029】この条件の下で行われる2パス目(復路)
の記録は、既に隣接のインクが吸収されている上に着弾
される。2パス目は復路走査であるからイエローインク
が先に、シアンインクは後に記録される(図51
(b))。このままインクが吸収されると、最終的には
図51(c)のように両色ともあまり表面に現れない吸
収状態になる。そして、最終的な完成画像としては1番
最初に記録されたシアンの濃度が最も強く強調され、こ
の記録領域は、シアンが強調されたグリーン画像とな
る。逆に、復路走査を1パス目とした上記記録領域と隣
合う記録領域においては、シアンとイエローとが逆転
し、イエローを優先とした色味のグリーン画像が得られ
る。
【0030】以上2つの記録領域が現れる様子を示した
ものが図52であり、図49で説明した方法で往復記録
を16ノズルのマルチノズルヘッドを用いて実施した場
合である。この図に見るように、常にヘッドの先行半分
が8ドット幅からなる各領域の優先色を決定し、往復走
査でその優先色が逆転していることがわかる。ここで
は、千鳥状マスクを適用したものとして説明したが、先
に述べた特開平7−52390号公報に開示されている
ランダムマスク記録法でも同様の結果であり、優先色の
異なる2つの領域が交互に存在するため、分割記録にお
いても未だ色むらが現れて画像を劣化させ、往復記録が
困難な状態となっていた。
【0031】上記色むらによる弊害の解決を図ったもの
として、特開平6−22106号公報に開示された発明
が挙げられる。これによれば、m×n画素のグループ
(以下集中画素または集中ドットという)を記録単位と
し、これらが互いに隣接しない配列マスクを用いて記録
する。m×nで固めて記録する分、白紙領域へのはみ出
し量が少なくなり、往路と復路との優先色の差も無くな
り、色むらの弊害も軽減される効果が開示されている。
【0032】以上のように、従来は、基本的にランダム
マスクを適用しながらその周期性を目立たせないように
する手法(特開平7−125311号公報)や、m×n
画素のグループを記録単位とし、これらが互いに隣接し
ない配列マスクを用いて記録する手法により、マルチパ
ス記録の効果を画像上に反映させてきた。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平7−125311号、特開平6−22106号およ
び特開平7−52391号等の各号公報に開示された技
術も、近年求められるようになってきている高品位な写
真調画像の記録には十分ではなかった。
【0034】特開平7−125311号公報に開示され
た技術を適用しても、近年要求される数pl(ピコリッ
トル)という微少量のインクを単位として構成される写
真画質においてはやはりテクスチャーの存在が銀塩写真
との差を感じさせてしまうのである。また、特開平6−
22106号および特開平7−52391号の各号公報
に開示された技術については、色むら抑制ヘの効果を十
分にするための集中ドット単位の固まりが人間の視覚解
像度を超えて、テクスチャーが確認されてしまうのであ
る。すなわち、デスクトップパブリッシングや、グラフ
ィック,テキスト画像に対しては十分対応しきれていた
ものの、近年需要が増している写真画質においては弊害
となりうる。よって、現状では分割記録数を多くしたラ
ンダムマスクを用いることでの対応が一般的であるが、
スループットを上げるために双方向プリントを行うと、
やはり若干の色むらが残り、往方向プリント時と復方向
プリント時とのインク着弾位置のずれがテクスチャーと
なって現われ、画像品位を低下させる原因となってい
た。
【0035】さらに、双方向プリントでは、往方向走査
によるドット形成位置(インク着弾位置)と復方向走査
によるドット形成位置とのずれが新たな誤差要因として
加わり、これによる画像品位の低下も写真画質の実現を
阻むものとなる。プリント装置をユーザが入手した際あ
るいはその後の使用時において特開平10−32938
1号公報に記載されたような技術を適用することで、双
方向プリントにおける往復走査のドット形成位置合わせ
(双方向レジストレーション)の処理を行うことができ
る。
【0036】しかしながら、双方向レジストレーション
処理を行っても、実際の記録動作で付与されたインクの
量によってはプリント媒体表面が部分的に浮き上がる現
象(以下、これをコックリングという)が生じることが
あり、双方向レジストレーションのための調整適正値が
局所的に他の部位と異なってしまうことがある。このよ
うな場合は、浮き上がっている部分のみ画像がざらつい
て感じられることがあり、部分的なざらつきであるが故
に余計に確認されやすい。また、コックリングの状態は
プリント媒体の種類や使用環境、さらに記録データ量に
も影響を受け、その発生部位もプリント媒体上で不定で
ある。そして、プリント媒体表面のうねりの多い部分に
上記テクスチャーが変則的に現れ、画像品位を低下させ
る。すなわち、双方向レジストレーション処理を行って
もそのようなコックリングの発生に対応しきれないので
ある。
【0037】本発明は、以上のような問題点に鑑みてな
されたものであり、同一画像領域に対しては相補的な関
係にある画素配列に従った複数回の主走査を適用しつつ
分割プリントを行う場合にあって、高画質の画像を形成
できるようにすること、すなわち、ざらつきや色むらの
ない写真画質の画像を記録できるようにすることを目的
とする。
【0038】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の第
1の形態は、インクを吐出するための複数の吐出口を配
列してなるプリントヘッドを用いるプリント方法であっ
て、前記プリントヘッドを前記複数の吐出口の配列方向
とは異なる主走査方向に走査させるとともに、前記複数
の吐出口の配列幅未満の量ずつ前記プリント媒体を前記
主走査方向と直交する副走査方向に相対的に搬送して同
一画像領域に対しては相補的な関係にある画素配列に従
った複数回の前記主走査(例えば往方向および復方向走
査を含む)にてプリント媒体上に画像の形成を行う工程
と、前記相補的な画素配列に、前記複数回の主走査のそ
れぞれでのプリント許容画素と非プリント許容画素との
配置が視覚的に好ましくなるような、低周波成分が少な
くかつ分散性の高いマスク配列を適用する工程と、を具
えたことを特徴とする。
【0039】また、本発明の第2の形態は、インクを吐
出するための複数の吐出口を配列してなるプリントヘッ
ドを用いるプリント装置であって、前記プリントヘッド
を前記複数の吐出口の配列方向とは異なる主走査方向に
走査させるとともに、前記複数の吐出口の配列幅未満の
量ずつ前記プリント媒体を前記主走査方向と直交する副
走査方向に相対的に搬送して同一画像領域に対しては相
補的な関係にある画素配列に従った複数回の前記主走査
(例えば往方向および復方向走査を含む)にてプリント
媒体上に画像の形成を行う手段と、前記相補的な画素配
列に、前記複数回の主走査のそれぞれでのプリント許容
画素と非プリント許容画素との配置が視覚的に好ましく
なるような、低周波成分が少なくかつ分散性の高いマス
ク配列を適用する手段と、を具えたことを特徴とする。
【0040】これらの形態において、前記マスク配列は
疑似周期的マスク配列であるものとすることができる。
【0041】そして、第1または第2の形態において、
前記所定の画素数の広がりを持つマスクエリア内で前記
疑似周期的マスク配列を生成する工程または手段をさら
に具え、該工程または手段は、前記マスクエリア内で初
期プリント許容画素をランダムに設定する第1工程また
は手段と、設定されたすべてのプリント許容画素位置に
対して所定の斥力ポテンシャルを付与する第2工程また
は手段と、該ポテンシャルの和が最小となる前記マスク
エリア内の位置の画素を新たなプリント許容画素として
設定する第3工程または手段と、前記第2工程または手
段による処理および前記第3工程または手段による処理
を前記マスクエリア内のすべての位置の画素がプリント
許容画素となるまで繰り返させる第4工程または手段
と、を有することができる。
【0042】あるいは、第1または第2の形態におい
て、前記所定の画素数の広がりを持つマスクエリア内で
前記疑似周期的マスク配列を生成する工程または手段を
さらに具え、該工程または手段は、前記マスクエリア内
を前記複数回行われる前記主走査に対応して前記マスク
エリアを複数の領域に分割する第1工程または手段と、
少なくとも一つの前記領域内で少なくとも一つの初期プ
リント許容画素をランダムに設定する第2工程または手
段と、設定されたすべてのプリント許容画素に位置的に
対応する他の前記領域の画素を非プリント許容画素とし
て設定する第2工程または手段と、設定されたすべての
プリント許容画素の位置に所定の斥力ポテンシャルを付
与する第3工程または手段と、前記非プリント許容画素
として設定されたものを除き、前記ポテンシャルの和が
最小となる前記マスクエリア内の位置の画素を新たなプ
リント許容画素として設定する第4工程または手段と、
前記マスクエリア内の画素数を前記領域の数で除した数
の画素がプリント許容画素となるまで、前記第2工程ま
たは手段による処理から前記第4工程または手段による
処理を繰り返させる第5工程または手段と、を有するこ
とができる。
【0043】前記斥力ポテンシャルは、プリント画素か
らの位置に従って減衰する関数で表されるものとするこ
とができる。
【0044】第1または第2の形態において、前記マス
ク配列はブルーノイズ特性を持つマスク配列であるもの
とすることができる。
【0045】第1または第2の形態において、前記複数
回の主走査のうち少なくとも第1番目の主走査に適用さ
れる前記マスク配列が、前記主走査方向にm画素および
前記副走査方向にn画素(m,nは整数。ただし少なく
とも一方は2以上)のサイズを持つ集中画素を単位とし
て規定されるものとすることができる。
【0046】ここで、前記マスク配列は、前記集中画素
を単位とした疑似周期的マスク配列であるものとするこ
とができる。そして、前記mは2以上の整数であり、近
接する前記集中画素は互いに、1画素以上m画素未満の
範囲にわたって前記副走査方向に重畳するよう配列され
ているものとすることができる。あるいは、前記nは2
以上の整数であり、近接する前記集中画素は互いに、1
画素以上n画素未満の範囲にわたって前記主走査方向に
重畳するよう配列されているものとすることができる。
【0047】第1または第2の形態において、色調を異
にする複数のインクに対応して前記吐出口の配列を複数
有し、1回の前記主走査に適用される前記マスク配列を
前記色調に応じて異ならせることができる。
【0048】第1または第2の形態において、前記画像
形成工程または手段では、前記同一画像領域に対し往方
向および復方向についてそれぞれ少なくとも2回の前記
主走査が行われ、前記少なくとも2回の往方向の主走査
に適用される前記マスク配列の和、および/または前記
少なくとも2回の復方向の主走査に適用される前記マス
ク配列の和についても、前記プリント許容画素と前記非
プリント許容画素との配置が視覚的に好ましくなるよう
な、低周波成分が少なくかつ分散性の高い配列であるも
のとすることができる。
【0049】第1または第2の形態において、前記画像
形成工程または手段では、前記同一画像領域に対し往方
向および復方向についてそれぞれ少なくとも2回の前記
主走査が行われ、前記少なくとも2回の往方向の主走査
に適用される前記マスク配列の和、および/または前記
少なくとも2回の復方向の主走査に適用される前記マス
ク配列の和が、前記主走査方向にm画素および前記副走
査方向にn画素(m,nは整数。ただし少なくとも一方
は2以上)のサイズを持つ集中画素を単位とした画素配
列であるものとすることができる。
【0050】第1または第2の形態において、前記少な
くとも2回の往方向の主走査に適用される前記マスク配
列の和、および/または前記少なくとも2回の復方向の
主走査に適用される前記マスク配列の和についても、前
記プリント許容画素と前記非プリント許容画素との配置
が視覚的に好ましくなるような、低周波成分が少なくか
つ分散性の高い配列であるものとすることができる。
【0051】第1または第2の形態において、前記マス
ク配列は、前記プリント対象として入力される画像を2
値化処理した際のマスク配列と同期しないものとするこ
とができる。
【0052】第1または第2の形態において、前記プリ
ントヘッドには前記複数の吐出口が前記搬送のピッチの
整数倍の間隔をもって前記副走査方向に配列され、前記
画像形成工程または手段は前記複数回の主走査と前記搬
送とを行うことで前記画像形成を行うものであり、前記
適用工程または手段は、1回の前記主走査でプリントさ
れる前記画素配列に、視覚的に好ましくなるような低周
波成分が少なくかつ分散性の高いマスク配列を適用する
ことことができる。
【0053】第1または第2の形態において、前記画像
形成に際し、前記同一画像領域に対する全体のデータプ
リント量に対する前記複数回の主走査のうちの奇数番目
の主走査におけるデータプリント量の比率の和を、前記
複数回の主走査のうちの偶数番目の主走査におけるデー
タプリント量の比率の和より小となるよう制御する工程
または手段をさらに具えることができる。
【0054】ここで、前記複数回の主走査のうちの第1
番目の主走査におけるデータプリント量の前記比率を第
2番目の主走査におけるデータプリント量の前記比率よ
り小とすることができる。
【0055】また、前記同一画像領域に対し3回以上の
前記主走査を行うとともに、第3番目以降の主走査にお
けるデータプリント量の前記比率を、第1番目の主走査
におけるデータプリント量の前記比率より大とし、第2
番目の主走査におけるデータプリント量の前記比率より
小とすることができる。
【0056】さらに、前記第1番目の主走査および前記
第2番目の主走査での形成ドットによる前記プリント媒
体の被覆率の和を50%より大とすることができる。
【0057】また、前記複数回の主走査のうち少なくと
も第1番目の主走査に適用される前記マスク配列が、前
記主走査方向にm画素および前記副走査方向にn画素
(m,nは整数。ただし少なくとも一方は2以上)のサ
イズを持つ集中画素を単位として規定されるものとする
ことができる。
【0058】第1または第2の形態において、前記画像
形成に際し、前記複数回の主走査のうちの第1番目の主
走査におけるデータプリント量の前記比率を第2番目の
主走査におけるデータプリント量の前記比率より小とす
るとともに、前記第1番目の主走査および前記第2番目
の主走査での形成ドットによる前記プリント媒体の被覆
率の和を50%より大となるよう制御する工程または手
段をさらに具えることができる。
【0059】ここで、前記第1番目の主走査および前記
第2番目の主走査での形成ドットによる前記プリント媒
体のそれぞれの被覆率をほぼ等しくすることができる。
【0060】第1または第2の形態において、前記画像
形成に際し、前記同一画像領域に対する全体のデータプ
リント量に対する前記複数回の主走査のうちの奇数番目
の主走査におけるデータプリント量の比率の和を、前記
複数回の主走査のうちの偶数番目の主走査におけるデー
タプリント量の比率の和より小となるよう制御する第1
制御工程またはモードと、該第1制御工程またはモード
より少ない複数回の主走査として前記第1制御工程また
はモードと同様の制御を行うとともに、当該複数回の主
走査のうち少なくとも第1番目の主走査での画素の配列
を、前記主走査方向にm画素および前記副走査方向にn
画素(m,nは整数。ただし少なくとも一方は2以上)
の画素群を単位として規定する第2制御工程またはモー
ドと、をさらに具えることができる。
【0061】ここで、前記第1制御工程またはモードと
第2制御工程またはモードとの切換え選択を可能とする
ことができる。
【0062】以上において、前記プリントヘッドは、前
記複数の吐出口の列を、色調を異にするインクに対応し
て複数、前記走査の方向に並列に有するものとすること
ができる。
【0063】また、以上において、前記プリントヘッド
は、前記吐出口からインクを吐出するために利用される
エネルギとしてインクに膜沸騰を生じさせる熱エネルギ
を発生する発熱素子を有するものとすることができる。
【0064】さらに、本発明プリントシステムは、上記
のいずれかの形態のプリント装置と、該プリント装置に
画像データを供給するためのホスト装置とを具えたこと
を特徴とする。
【0065】加えて、本発明は、プリント装置に上記の
いずれかの形態のプリント方法を実行させるための制御
プログラム、またはこれを記憶した記憶媒体に存する。
【0066】本発明によれば、複数のインク吐出口を配
列したプリントヘッドを用いて、前記複数のインク吐出
口の配列方向と垂直な方向に双方向プリント走査を行う
とともに、前記複数のインク吐出口の配列と平行な方向
に順次紙送りを行うことにより、プリント媒体上に画像
を完成させていくシリアル型のインクジェットプリント
装置にあって、プリント許容画素と非プリント許容画素
からなる画素配列が互いに補完の関係にある複数の前記
画素配列を用いながら複数回のプリント走査で紙面上に
画像を完成される分割プリント法を採用するとともに、
1回のプリント走査でプリント媒体上にプリントされた
前記画素配列が視覚的に好ましくなるような配列(例え
ば擬似周期的配列)となるようにすることにより、プリ
ント中のプリント媒体表面に縦方向あるいは横方向のイ
ンク着弾位置ずれが起こったとしても、ざらつきの少な
い安定した画像を得ることができる。
【0067】また、本発明によれば、全体のデータプリ
ント量に対する前記複数回の往復走査のうちの奇数番目
の走査におけるデータプリント量の比率の和を、前記複
数回の往復走査のうちの偶数番目の走査におけるデータ
プリント量の比率の和より小となるようにすることによ
り、ないしは、前記複数回の往復走査のうちの第1番目
の走査におけるデータプリント量の前記比率を第2番目
の走査におけるデータプリント量の前記比率より小とな
るようにすることにより、色むらのない写真画質を双方
向プリントで高速に記録することが可能となる。さら
に、プリント画素と非プリント画素との配列が視覚的に
好ましくなるような擬似周期的配列マスクを導入するこ
とにより、より滑らかで画像弊害の少ないプリントが可
能となる。
【0068】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の記
録装置に係る実施形態を説明する。
【0069】なお、以下に説明する実施形態では、イン
クジェット記録方式を用いた記録装置としてプリンタを
例に挙げ説明する。
【0070】そして、本明細書において、「プリント」
(「記録」という場合もある)とは、文字、図形等有意
の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、
また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであ
るか否かを問わず、広くプリント媒体上に画像、模様、
パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も
言うものとする。
【0071】ここで、「プリント媒体」または「記録シ
ート」とは、一般的なプリント装置で用いられる紙のみ
ならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板
等、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受
容可能な物も言うものとするが、以下では「記録媒体」
または単に「紙」という場合もある。
【0072】さらに、「インク」(「液体」という場合
もある)とは、上記「プリント」の定義と同様広く解釈
されるべきもので、プリント媒体上に付与されることに
よって、画像、模様、パターン等の形成またはプリント
媒体の加工、或いはインクの処理(例えばプリント媒体
に付与されるインク中の色材の凝固または不溶化)に供
され得る液体を言うものとする。
【0073】1.装置本体 図1及び図2にインクジェット記録方式を用いたプリン
タの概略構成を示す。図1において、この実施形態にお
けるプリンタの装置本体M1000の外殻は、下ケース
M1001、上ケースM1002、アクセスカバーM1
003及び排出トレイM1004を含む外装部材と、そ
の外装部材内に収納されたシャーシM3019(図2参
照)とから構成される。
【0074】シャーシM3019は、所定の剛性を有す
る複数の板状金属部材によって構成され、記録装置の骨
格をなし、後述の各記録動作機構を保持するものとなっ
ている。
【0075】また、前記下ケースM1001は装置本体
M1000の外装の略下半部を、上ケースM1002は
装置本体M1000の外装の略上半部をそれぞれ形成し
ており、両ケースの組合せによって内部に後述の各機構
を収納する収納空間を有する中空体構造をなしている。
装置本体M1000の上面部及び前面部には、それぞ
れ、開口部が形成されている。
【0076】さらに、排出トレイM1004は、その一
端部が下ケースM1001に回転自在に保持され、その
回転によって下ケースM1001の前面部に形成される
前記開口部を開閉させ得るようになっている。このた
め、記録動作を実行させる際には、排出トレイM100
4を前面側へと回転させて開口部を開成させることによ
り、ここから記録シートが排出可能となると共に排出さ
れた記録シートPを順次積載し得るようになっている。
また、排紙トレイM1004には、2枚の補助トレイM
1004a,M1004bが収納されており、必要に応
じて各トレイを手前に引き出すことにより、用紙の支持
面積を3段階に拡大、縮小させ得るようになっている。
【0077】アクセスカバーM1003は、その一端部
が上ケースM1002に回転自在に保持され、上面に形
成される開口部を開閉し得るようになっており、このア
クセスカバーM1003を開くことによって本体内部に
収納されている記録ヘッドカートリッジH1000ある
いはインクタンクH1900等の交換が可能となる。な
お、ここでは特に図示しないが、アクセスカバーM10
03を開閉させると、その裏面に形成された突起がカバ
ー開閉レバーを回転させるようになっており、そのレバ
ーの回転位置をマイクロスイッチなどで検出することに
より、アクセスカバーの開閉状態を検出し得るようにな
っている。
【0078】また、上ケースM1002の後部上面に
は、電源キーE0018及びレジュームキーE0019
が押下可能に設けられると共に、LED E0020が
設けられており、電源キーE0018を押下すると、L
ED E0020が点灯し記録可能であることをオペレ
ータに知らせるものとなっている。また、LED E0
020は点滅の仕方や色の変化をさせたり、プリンタの
トラブル等をオペレータに知らせる等種々の表示機能を
有する。さらに、ブザーE0021(図7)をならすこ
ともできる。なお、トラブル等が解決した場合には、レ
ジュームキーE0019を押下することによって記録が
再開されるようになっている。
【0079】2.記録動作機構 次に、プリンタの装置本体M1000に収納、保持され
る本実施形態における記録動作機構について説明する。
【0080】本実施形態における記録動作機構として
は、記録シートPを装置本体内へと自動的に給送する自
動給送部M3022と、自動給送部から1枚ずつ送出さ
れる記録シートPを所定の記録位置へと導くと共に、記
録位置から排出部M3030へと記録シートPを導く搬
送部M3029と、記録位置に搬送された記録シートP
に所望の記録を行なう記録部と、前記記録部等に対する
回復処理を行う回復部(M5000)とから構成されて
いる。
【0081】ここで、記録部について説明するに、その
記録部は、キャリッジ軸M4021によって移動可能に
支持されたキャリッジM4001と、このキャリッジM
4001に着脱可能に搭載される記録ヘッドカートリッ
ジH1000とからなる。
【0082】2.1 記録ヘッドカートリッジ まず、記録部に用いられる記録ヘッドカートリッジにつ
いて図3〜5に基づき説明する。
【0083】この実施形態における記録ヘッドカートリ
ッジH1000は、図3に示すようにインクを貯留する
インクタンクH1900と、このインクタンクH190
0から供給されるインクを記録情報に応じてノズルから
吐出させる記録ヘッドH1001とを有する。記録ヘッ
ドH1001は、後述するキャリッジM4001に対し
て着脱可能に搭載される、いわゆるカートリッジ方式を
採るものとなっている。
【0084】ここに示す記録ヘッドカートリッジH10
00では、写真調の高画質なカラー記録を可能とするた
め、インクタンクとして、例えば、ブラック、ライトシ
アン、ライトマゼンタ、シアン、マゼンタ及びイエロー
の各色独立のインクタンクH1900が用意されており、図
4に示すように、それぞれが記録ヘッドH1001に対
して着脱自在となっている。
【0085】そして,記録ヘッドH1001は、図5の
分解斜視図に示すように、記録素子基板H1100、第
1のプレートH1200、電気配線基板H1300、第
2のプレートH1400、タンクホルダーH1500、
流路形成部材H1600、フィルターH1700、シー
ルゴムH1800から構成されている。
【0086】記録素子基板H1100には、Si基板の
片面にインクを吐出するための複数の記録素子と、各記
録素子に電力を供給するAl等の電気配線とが成膜技術
により形成され、この記録素子に対応した複数のインク
流路と複数の吐出口H1100Tとがフォトリソグラフ
ィ技術により形成されると共に、複数のインク流路にイ
ンクを供給するためのインク供給口が裏面に開口するよ
うに形成されている。また、記録素子基板H1100は
第1のプレートH1200に接着固定されており、ここ
には、前記記録素子基板H1100にインクを供給する
ためのインク供給口H1201が形成されている。さら
に、第1のプレートH1200には、開口部を有する第
2のプレートH1400が接着固定されており、この第
2のプレートH1400を介して、電気配線基板H13
00が記録素子基板H1100に対して電気的に接続さ
れるよう保持されている。この電気配線基板H1300
は、記録素子基板H1100にインクを吐出するための
電気信号を印加するものであり、記録素子基板H110
0に対応する電気配線と、この電気配線端部に位置し本
体からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子H
1301とを有しており、外部信号入力端子H1301
は、後述のタンクホルダーH1500の背面側に位置決
め固定されている。
【0087】一方、インクタンクH1900を着脱可能
に保持するタンクホルダーH1500には、流路形成部
材H1600が例えば、超音波溶着により固定され、イ
ンクタンクH1900から第1のプレートH1200に
亘るインク流路H1501を形成している。また、イン
クタンクH1900と係合するインク流路H1501の
インクタンク側端部には、フィルターH1700が設け
られており、外部からの塵埃の侵入を防止し得るように
なっている。また、インクタンクH1900との係合部
にはシールゴムH1800が装着され、係合部からのイ
ンクの蒸発を防止し得るようになっている。
【0088】さらに、前述のようにタンクホルダーH1
500、流路形成部材H1600、フィルターH170
0及びシールゴムH1800から構成されるタンクホル
ダー部と、前記記録素子基板H1100、第1のプレー
トH1200、電気配線基板H1300及び第2のプレ
ートH1400から構成される記録素子部とを、接着等
で結合することにより、記録ヘッドH1001を構成し
ている。
【0089】2.2 キャリッジ 次に、図2を参照して記録ヘッドカートリッジH100
0を搭載するキャリッジM4001を説明する。
【0090】図2に示すように、キャリッジM4001
には、キャリッジM4001と係合し記録ヘッドH10
01をキャリッジM4001上の所定の装着位置に案内
するためのキャリッジカバーM4002と、記録ヘッド
H1001のタンクホルダーH1500と係合し記録ヘ
ッドH1001を所定の装着位置にセットさせるよう押
圧するヘッドセットレバーM4007とが設けられてい
る。
【0091】すなわち、ヘッドセットレバーM4007
はキャリッジM4001の上部にヘッドセットレバー軸
に対して回動可能に設けられると共に、記録ヘッドH1
001との係合部には、ばね付勢されるヘッドセットプ
レート(不図示)が備えられ、このばね力によって記録
ヘッドH1001を押圧しながらキャリッジM4001
に装着する構成となっている。
【0092】また、キャリッジM4001の記録ヘッド
H1001との別の係合部にはコンタクトフレキシブル
プリントケーブル(図7参照、以下、コンタクトFPC
と称す)E0011が設けられ、コンタクトFPC E
0011上のコンタクト部と記録ヘッドH1001に設
けられたコンタクト部(外部信号入力端子)H1301
とが電気的に接触し、記録のための各種情報の授受や記
録ヘッドH1001への電力の供給などを行い得るよう
になっている。
【0093】ここでコンタクトFPC E0011のコ
ンタクト部とキャリッジM4001との間には不図示の
ゴムなどの弾性部材が設けられ、この弾性部材の弾性力
とヘッドセットレバーばねによる押圧力とによってコン
タクト部とキャリッジM4001との確実な接触を可能
とするようになっている。さらに前記コンタクトFPC
E0011はキャリッジM4001の背面に搭載され
たキャリッジ基板E0013に接続されている(図7参
照)。
【0094】3.スキャナ この実施形態におけるプリンタは、上述した記録ヘッド
カートリッジH1000の代わりにキャリッジM400
1にスキャナを装着することで読取装置としても使用す
ることができる。
【0095】このスキャナは、プリンタ側のキャリッジ
M4001と共に主走査方向に移動し、記録媒体に代え
て給送された原稿画像をその主走査方向への移動の過程
で読み取るようになっており、その主走査方向の読み取
り動作と原稿の副走査方向の給送動作とを交互に行うこ
とにより、1枚の原稿画像情報を読み取ることができ
る。
【0096】図6(a)および(b)は、このスキャナ
M6000の概略構成を説明するために、スキャナM6
000を上下逆にして示す図である。
【0097】図示のように、スキャナホルダM6001
は、略箱型の形状であり、その内部には読み取りに必要
な光学系・処理回路などが収納されている。また、この
スキャナM6000をキャリッジM4001へと装着し
た時に、原稿面と対面する部分には読取部レンズM60
06が設けられており、このレンズM6006により原
稿面からの反射光を内部の読取部に収束することで原稿
画像を読み取るようになっている。一方、照明部レンズ
M6005は内部に不図示の光源を有し、その光源から
発せられた光がレンズM6005を介して原稿へと照射
される。
【0098】スキャナホルダM6001の底部に固定さ
れたスキャナカバーM6003は、スキャナホルダM6
001内部を遮光するように嵌合し、側面に設けられた
ルーバー状の把持部によってキャリッジM4001への
着脱操作性の向上を図っている。スキャナホルダM60
01の外形形状は記録ヘッドH1001と略同形状であ
り、キャリッジM4001へは記録ヘッドカートリッジ
H1000と同様の操作で着脱することができる。
【0099】また、スキャナホルダM6001には、読
取り処理回路を有する基板が収納される一方、この基板
に接続されたスキャナコンタクトPCBが外部に露出す
るよう設けられており、キャリッジM4001へとスキ
ャナM6000を装着した際、スキャナコンタクトPC
B M6004がキャリッジM4001側のコンタクト
FPC E0011に接触し、基板を、キャリッジM4
001を介して本体側の制御系に電気的に接続させるよ
うになっている。
【0100】4.プリンタの電気回路の構成 次に、本発明の実施形態における電気的回路構成を説明
する。図7は、この実施形態における電気的回路の全体
構成例を概略的に示す図である。
【0101】この実施形態における電気的回路は、主に
キャリッジ基板(CRPCB)E0013、メインPC
B(Printed Circuit Board)E0014、電源ユニッ
トE0015等によって構成されている。ここで、電源
ユニットE0015は、メインPCB E0014と接
続され、各種駆動電源を供給するものとなっている。ま
た、キャリッジ基板E0013は、キャリッジM400
1(図2)に搭載されたプリント基板ユニットであり、
コンタクトFPC E0011を通じて記録ヘッドとの
信号の授受を行うインターフェースとして機能する他、
キャリッジM4001の移動に伴ってエンコーダセンサ
E0004から出力されるパルス信号に基づき、エンコ
ーダスケールE0005とエンコーダセンサE0004
との位置関係の変化を検出し、その出力信号をフレキシ
ブルフラットケーブル(CRFFC)E0012を通じ
てメインPCB E0014へと出力する。
【0102】さらに、メインPCB E0014はこの
実施形態におけるインクジェット記録装置の各部の駆動
制御を司るプリント基板ユニットであり、紙端検出セン
サ(PEセンサ)E0007、ASF(自動給紙装置)
センサE0009、カバーセンサE0022、パラレル
インターフェース(パラレルI/F)E0016、シリ
アルインターフェース(シリアルI/F)E0017、
レジュームキーE0019、LED E0020、電源
キーE0018、ブザーE0021等に対するI/Oポ
ートを基板上に有する。またさらに、キャリッジM14
00を主走査させるための駆動源をなすモータ(CRモ
ータ)E0001、記録媒体を搬送するための駆動源を
なすモータ(LFモータ)E0002、記録ヘッドの回
動動作と記録媒体の給紙動作に兼用されるモータ(PG
モータ)E0003と接続されてこれらの駆動を制御す
る他、インクエンプティセンサE0006、GAPセン
サE0008、PGセンサE0010、CRFFC E
0012、電源ユニットE0015との接続インターフ
ェイスを有する。
【0103】図8は、メインPCB E0014の内部
構成を示すブロック図である。図において、E1001
はCPUであり、このCPU E1001は内部に発振
回路E1005に接続されたクロックジェネレータ(C
G) E1002を有し、その出力信号E1019によ
りシステムクロックを発生する。また、制御バスE10
14を通じてROM E1004およびASIC(Appl
ication Specific Integrated Circuit) E1006
に接続され、ROMに格納されたプログラムに従って、
ASIC E1006の制御、電源キーからの入力信号
E1017、及びレジュームキーからの入力信号E10
16、カバー検出信号E1042、ヘッド検出信号(H
SENS)E1013の状態の検知を行ない、さらにブ
ザー信号(BUZ)E1018によりブザーE0021
を駆動し、内蔵されるA/DコンバータE1003に接
続されるインクエンプティ検出信号(INKS)E10
11及びサーミスタによる温度検出信号(TH)E10
12の状態の検知を行う一方、その他各種論理演算・条
件判断等を行ない、インクジェット記録装置の駆動制御
を司る。
【0104】ここで、ヘッド検出信号E1013は、記
録ヘッドカートリッジH1000からフレキシブルフラ
ットケーブルE0012、キャリッジ基板E0013及
びコンタクトフレキシブルプリントケーブルE0011
を介して入力されるヘッド搭載検出信号であり、インク
エンプティ検出信号E1011はインクエンプティセン
サE0006から出力されるアナログ信号、温度検出信
号E1012はキャリッジ基板E0013上に設けられ
たサーミスタ(図示せず)からのアナログ信号である。
【0105】E1008はCRモータドライバであっ
て、モータ電源(VM)E1040を駆動源とし、AS
IC E1006からのCRモータ制御信号E1036
に従って、CRモータ駆動信号E1037を生成し、C
RモータE0001を駆動する。E1009はLF/P
Gモータドライバであって、モータ電源E1040を駆
動源とし、ASIC E1006からのパルスモータ制
御信号(PM制御信号)E1033に従ってLFモータ
駆動信号E1035を生成し、これによってLFモータ
を駆動すると共に、PGモータ駆動信号E1034を生
成してPGモータを駆動する。
【0106】E1010は電源制御回路であり、ASI
C E1006からの電源制御信号E1024に従って
発光素子を有する各センサ等への電源供給を制御する。
パラレルI/F E0016は、ASIC E1006
からのパラレルI/F信号E1030を、外部に接続さ
れるパラレルI/FケーブルE1031に伝達し、また
パラレルI/FケーブルE1031の信号をASIC
E1006に伝達する。シリアルI/F E0017
は、ASIC E1006からのシリアルI/F信号E
1028を、外部に接続されるシリアルI/Fケーブル
E1029に伝達し、また同ケーブルE1029からの
信号をASIC E1006に伝達する。
【0107】一方、電源ユニットE0015からは、ヘ
ッド電源(VH)E1039及びモータ電源(VM)E
1040、ロジック電源(VDD)E1041が供給さ
れる。また、ASIC E1006からのヘッド電源O
N信号(VHON)E1022及びモータ電源ON信号
(VMOM)E1023が電源ユニットE0015に入
力され、それぞれヘッド電源E1039及びモータ電源
E1040のON/OFFを制御する。電源ユニットE
0015から供給されたロジック電源(VDD)E10
41は、必要に応じて電圧変換された上で、メインPC
B E0014内外の各部へ供給される。
【0108】またヘッド電源信号E1039は、メイン
PCB E0014上で平滑化された後にフレキシブル
フラットケーブルE0011へと送出され、記録ヘッド
カートリッジH1000の駆動に用いられる。E100
7はリセット回路で、ロジック電源電圧E1041の低
下を検出して、CPU E1001及びASIC E1
006にリセット信号(RESET)E1015を供給
し、初期化を行なう。
【0109】このASIC E1006は1チップの半
導体集積回路であり、制御バスE1014を通じてCP
U E1001によって制御され、前述したCRモータ
制御信号E1036、PM制御信号E1033、電源制
御信号E1024、ヘッド電源ON信号E1022、及
びモータ電源ON信号E1023等を出力し、パラレル
I/F E0016およびシリアルI/F E0017
との信号の授受を行なう他、PEセンサE0007から
のPE検出信号(PES)E1025、ASFセンサE
0009からのASF検出信号(ASFS)E102
6、記録ヘッドと記録媒体とのギャップを検出するため
のセンサ(GAP)センサE0008からのGAP検出
信号(GAPS)E1027、PGセンサE0010か
らのPG検出信号(PGS)E1032の状態を検知し
て、その状態を表すデータを制御バスE1014を通じ
てCPU E1001に伝達し、入力されたデータに基
づきCPU E1001はLED駆動信号E1038の
駆動を制御してLEDE0020の点滅を行なう。
【0110】さらに、エンコーダ信号(ENC)E10
20の状態を検知してタイミング信号を生成し、ヘッド
制御信号E1021で記録ヘッドカートリッジH100
0とのインターフェイスをとり記録動作を制御する。こ
こにおいて、エンコーダ信号(ENC)E1020はフ
レキシブルフラットケーブルE0012を通じて入力さ
れるCRエンコーダセンサE0004の出力信号であ
る。また、ヘッド制御信号E1021は、フレキシブル
フラットケーブルE0012、キャリッジ基板E001
3、及びコンタクトFPC E0011を経て記録ヘッ
ドH1000に供給される。
【0111】図9は、ASIC E1006の内部構成
例を示すブロック図である。なお、同図において、各ブ
ロック間の接続については、記録データやモータ制御デ
ータ等、ヘッドや各部機構部品の制御にかかわるデータ
の流れのみを示しており、各ブロックに内蔵されるレジ
スタの読み書きに係わる制御信号やクロック、DMA制
御にかかわる制御信号などは図面上の記載の煩雑化を避
けるため省略している。
【0112】図中、E2002はPLLコントローラで
あり、図9に示すようにCPU E1001から出力さ
れるクロック信号(CLK)E2031及びPLL制御
信号(PLLON)E2033により、ASIC E1
006内の大部分へと供給するクロック(図示しない)
を発生する。
【0113】また、E2001はCPUインターフェー
ス(CPUI/F)であり、リセット信号E1015、
CPU E1001から出力されるソフトリセット信号
(PDWN)E2032、クロック信号(CLK)E2
031及び制御バスE1014からの制御信号により、
以下に説明するような各ブロックに対するレジスタ読み
書き等の制御や、一部ブロックへのクロックの供給、割
り込み信号の受け付け等(いずれも図示しない)を行な
い、CPU E1001に対して割り込み信号(IN
T)E2034を出力し、ASIC E1006内部で
の割り込みの発生を知らせる。
【0114】また、E2005はDRAMであり、記録
用のデータバッファとして、受信バッファE2010、
ワークバッファE2011、プリントバッファE201
4、展開用データバッファE2016などの各領域を有
すると共に、モータ制御用としてモータ制御バッファE
2023を有し、さらにスキャナ動作モード時に使用す
るバッファとして、上記の各記録用データバッファに代
えて使用されるスキャナ取込みバッファE2024、ス
キャナデータバッファE2026、送出バッファE20
28などの領域を有する。
【0115】また、このDRAM E2005は、CP
U E1001の動作に必要なワーク領域としても使用
されている。すなわち、E2004はDRAM制御部で
あり、制御バスによるCPU E1001からDRAM
E2005へのアクセスと、後述するDMA制御部E
2003からDRAM E2005へのアクセスとを切
り替えて、DRAM E2005への読み書き動作を行
なう。
【0116】DMA制御部E2003では、各ブロック
からのリクエスト(図示せず)を受け付けて、アドレス
信号や制御信号(図示せず)、書込み動作の場合には書
込みデータE2038、E2041、E2044、E2
053、E2055、E2057などをDRAM制御部
E2004に出力してDRAMアクセスを行なう。また
読み出しの場合には、DRAM制御部E2004からの
読み出しデータE2040、E2043、E2045、
E2051、E2054、E2056、E2058、E
2059を、リクエスト元のブロックに受け渡す。
【0117】また、E2006は、IEEE1284I
/Fであり、CPUI/F E2001を介したCPU
E1001の制御により、パラレルI/F E001
6を通じて、図示しない外部ホスト機器との双方向通信
インターフェイスを行なう他、記録時にはパラレルI/
F E0016からの受信データ(PIF受信データE
2036)をDMA処理によって受信制御部E2008
へと受け渡し、スキャナ読み取り時にはDRAM E2
005内の送出バッファE2028に格納されたデータ
(IEEE1284送信データ(RDPIF)E205
9)をDMA処理によりパラレルI/Fに送信する。
【0118】E2007は、ユニバーサルシリアルバス
(USB)I/Fであり、CPUI/F E2001を
介したCPU E1001の制御により、シリアルI/
FE0017を通じて、図示しない外部ホスト機器との
双方向通信インターフェイスを行なう他、印刷時にはシ
リアルI/F E0017からの受信データ(USB受
信データE2037)をDMA処理により受信制御部E
2008に受け渡し、スキャナ読み取り時にはDRAM
E2005内の送出バッファE2028に格納された
データ(USB送信データ(RDUSB)E2058)
をDMA処理によりシリアルI/F E0017に送信
する。受信制御部E2008は、1284I/F E2
006もしくはUSBI/F E2007のうちの選択
されたI/Fからの受信データ(WDIF)E203
8)を、受信バッファ制御部E2039の管理する受信
バッファ書込みアドレスに、書込む。
【0119】E2009は圧縮・伸長DMAコントロー
ラであり、CPUI/F E2001を介したCPUE
1001の制御により、受信バッファE2010上に格
納された受信データ(ラスタデータ)を、受信バッファ
制御部E2039の管理する受信バッファ読み出しアド
レスから読み出し、そのデータ(RDWK)E2040
を指定されたモードに従って圧縮・伸長し、記録コード
列(WDWK)E2041としてワークバッファ領域に
書込む。
【0120】E2013は記録バッファ転送DMAコン
トローラで、CPUI/F E2001を介したCPU
E1007の制御によってワークバッファE2011
上の記録コード(RDWP)E2043を読み出し、各
記録コードを、記録ヘッドカートリッジH1000への
データ転送順序に適するようなプリントバッファE20
14上のアドレスに並べ替えて転送(WDWP E20
44)する。また、E2012はワーククリアDMAコ
ントローラであり、CPUI/F E2001を介した
CPU E1001の制御によって記録バッファ転送D
MAコントローラ E2013による転送が完了したワ
ークバッファ上の領域に対し、指定したワークフィルデ
ータ(WDWF)E2042を繰返し書込む。
【0121】E2015は記録データ展開DMAコント
ローラであり、CPUI/F E2001を介したCP
U E1001の制御により、ヘッド制御部E2018
からのデータ展開タイミング信号E2050をトリガと
して、プリントバッファ上に並べ替えて書込まれた記録
コードと展開用データバッファE2016上に書込まれ
た展開用データとを読み出し、展開記録データ(RDH
DG)E2045をカラムバッファ書込みデータ(WD
HDG)E2047としてカラムバッファE2017に
書込む。ここで、カラムバッファE2017は、記録ヘ
ッドカートリッジH1000への転送データ(展開記録
データ)を一時的に格納するSRAMであり、記録デー
タ展開DMAコントローラE2015とヘッド制御部E
2018とのハンドシェーク信号(図示せず)によって
両ブロックにより共有管理されている。
【0122】E2018はヘッド制御部で、CPUI/
F E2001を介したCPU E1001の制御によ
り、ヘッド制御信号を介して記録ヘッドカートリッジH
1000またはスキャナとのインターフェイスを行なう
他、エンコーダ信号処理部E2019からのヘッド駆動
タイミング信号E2049に基づき、記録データ展開D
MAコントローラに対してデータ展開タイミング信号E
2050の出力を行なう。
【0123】また、印刷時には、前記ヘッド駆動タイミ
ング信号E2049に従って、カラムバッファから展開
記録データ(RDHD)E2048を読み出し、そのデ
ータをヘッド制御信号E1021として記録ヘッドカー
トリッジH1000に出力する。
【0124】また、スキャナ読み取りモードにおいて
は、ヘッド制御信号E1021として入力された取込み
データ(WDHD)E2053をDRAM E2005
上のスキャナ取込みバッファE2024へとDMA転送
する。E2025はスキャナデータ処理DMAコントロ
ーラであり、CPUI/F E2001を介したCPU
E1001の制御により、スキャナ取込みバッファE2
024に蓄えられた取込みバッファ読み出しデータ(R
DAV)E2054を読み出し、平均化等の処理を行な
った処理済データ(WDAV)E2055をDRAM
E2005上のスキャナデータバッファE2026に書
込む。
【0125】E2027はスキャナデータ圧縮DMAコ
ントローラで、CPUI/F E2001を介したCP
U E1001の制御により、スキャナデータバッファ
E2026上の処理済データ(RDYC)E2056を
読み出してデータ圧縮を行ない、圧縮データ(WDY
C)E2057を送出バッファE2028に書込み転送
する。
【0126】E2019はエンコーダ信号処理部であ
り、エンコーダ信号(ENC)を受けて、CPU E1
001の制御で定められたモードに従ってヘッド駆動タ
イミング信号E2049を出力する他、エンコーダ信号
E1020から得られるキャリッジM4001の位置や
速度にかかわる情報をレジスタに格納して、CPU E
1001に提供する。CPU E1001はこの情報に
基づき、CRモータE0001の制御における各種パラ
メータを決定する。また、E2020はCRモータ制御
部であり、CPUI/F E2001を介したCPU
E1001の制御により、CRモータ制御信号E103
6を出力する。
【0127】E2022はセンサ信号処理部で、PGセ
ンサE0010、PEセンサE0007、ASFセンサ
E0009、及びGAPセンサE0008等から出力さ
れる各検出信号E1033,E1025,E1026,
E1027を受けて、CPUE1001の制御で定めら
れたモードに従ってこれらのセンサ情報をCPUE10
01に伝達する他、LF/PGモータ制御用DMAコン
トローラ E2021に対してセンサ検出信号E205
2を出力する。
【0128】LF/PGモータ制御用DMAコントロー
ラE2021は、CPUI/F E2001を介したC
PU E1001の制御により、DRAM E2005
上のモータ制御バッファE2023からパルスモータ駆
動テーブル(RDPM)E2051を読み出してパルス
モータ制御信号E1033を出力する他、動作モードに
よっては前記センサ検出信号を制御のトリガとしてパル
スモータ制御信号E1033を出力する。
【0129】また、E2030はLED制御部であり、
CPUI/F E2001を介したCPU E1001
の制御により、LED駆動信号E1038を出力する。
さらに、E2029はポート制御部であり、CPUI/
F E2001を介したCPU E1001の制御によ
り、ヘッド電源ON信号E1022、モータ電源ON信
号E1023、及び電源制御信号E1024を出力す
る。
【0130】5.プリンタの動作 次に、上記のように構成された本発明の実施形態におけ
るインクジェット記録装置の動作を図10のフローチャ
ートに基づき説明する。
【0131】AC電源に装置本体1000が接続される
と、まず、ステップS1では装置の第1の初期化処理を
行なう。この初期化処理では、本装置のROMおよびR
AMのチェックなどの電気回路系のチェックを行ない、
電気的に本装置が正常に動作可能であるかを確認する。
【0132】次にステップS2では、装置本体M100
0の上ケースM1002に設けられた電源キーE001
8がONされたかどうかの判断を行い、電源キーE00
18が押された場合には、次のステップS3へと移行
し、ここで第2の初期化処理を行う。
【0133】この第2の初期化処理では、本装置の各種
駆動機構及び記録ヘッドのチェックを行なう。すなわ
ち、各種モータの初期化やヘッド情報の読み込みを行う
に際し、装置が正常に動作可能であるかを確認する。
【0134】次にステップS4ではイベント待ちを行な
う。すなわち、本装置に対して、外部I/Fからの指令
イベント、ユーザ操作によるパネルキーイベントおよび
内部的な制御イベントなどを監視し、これらのイベント
が発生すると当該イベントに対応した処理を実行する。
【0135】例えば、ステップS4で外部I/Fからの
印刷指令イベントを受信した場合には、ステップS5へ
と移行し、同ステップでユーザ操作による電源キーイベ
ントが発生した場合にはステップS10へと移行し、同
ステップでその他のイベントが発生した場合にはステッ
プS11へと移行する。
【0136】ここで、ステップS5では、外部I/Fか
らの印刷指令を解析し、指定された紙種別、用紙サイ
ズ、印刷品位、給紙方法などを判断し、その判断結果を
表すデータを本装置内のRAM E2005に記憶し、
ステップS6へと進む。
【0137】次いでステップS6ではステップS5で指
定された給紙方法により給紙を開始し、用紙を記録開始
位置まで送り、ステップS7に進む。
【0138】ステップS7では記録動作を行なう。この
記録動作では、外部I/Fから送出されてきた記録デー
タを、一旦記録バッファに格納し、次いでCRモータE
0001を駆動してキャリッジM4001の主走査方向
への移動を開始すると共に、プリントバッファE201
4に格納されている記録データを記録ヘッドH1001
へと供給して1行の記録を行ない、1行分の記録データ
の記録動作が終了するとLFモータE0002を駆動
し、LFローラM3001を回転させて用紙を副走査方
向へと送る。この後、上記動作を繰り返し実行し、外部
I/Fからの1ページ分の記録データの記録が終了する
と、ステップ8へと進む。
【0139】ステップS8では、LFモータE0002
を駆動し、排紙ローラM2003を駆動し、用紙が完全
に本装置から送り出されたと判断されるまで紙送りを繰
返し、終了した時点で用紙は排紙トレイM1004a上
に完全に排紙された状態となる。
【0140】次にステップS9では、記録すべき全ペー
ジの記録動作が終了したか否かを判定し、記録すべきペ
ージが残存する場合には、ステップS5へと復帰し、以
下、前述のステップS5〜S9までの動作を繰り返し、
記録すべき全てのページの記録動作が終了した時点で記
録動作は終了し、その後ステップS4へと移行し、次の
イベントを待つ。
【0141】一方、ステップS10ではプリンタ終了処
理を行ない、本装置の動作を停止させる。つまり、各種
モータやヘッドなどの電源を切断するために、電源を切
断可能な状態に移行した後、電源を切断しステップS4
に進み、次のイベントを待つ。
【0142】また、ステップS11では、上記以外の他
のイベント処理を行なう。例えば、本装置の各種パネル
キーや外部I/Fからの回復指令や内部的に発生する回
復イベントなどに対応した処理を行なう。なお、処理終
了後にはステップS4に進み、次のイベントを待つ。
【0143】6.ヘッドの構成 ここで、本実施形態で用いるヘッドH1001の吐出口
群の構成配置について説明する。
【0144】図11は本実施形態で用いた高密度記録を
実現するためのヘッドの模式的正面図である。この例で
は1列当たり600dpi(ドット/インチ)のピッチ
(約42μmピッチ)で128個の吐出口を配列した吐
出口列を1色当たり2列、互いに副走査方向(紙送り方
向)に約21μmずらして、主走査方向(キャリッジス
キャン方向)に設けてあり、1色当たり合計256個の
吐出口にて1200dpiの解像度を実現している。さ
らに、図示の例ではそのような吐出口列を6色に対応し
て主走査方向に並置し、6色について合計12列の吐出
口列で1200dpiの記録を行う一体構造のヘッド構
成としている。但し、製造上は並列する2色分が1チッ
プとして同時に作成され、その後3チップを並列して接
着させる構成をとっているので、各チップの隣り合う2
色のノズル列(ブラック(Bk)およびライトシアン
(LC)の組、ライトマゼンタ(LM)およびシアン
(C)の組、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の
組)は他に比べ駆動条件が似通ったものとなっている。
【0145】なお、図11に示した1200dpiの解
像度のヘッドの場合、紙面上での1画素は約21μm四
方の領域となるが、本実施形態で用いる1ドロップは約
4plであり、紙面上では直径約45μmの円形ドット
を形成する。このとき、1ドットの面積は1570μm
2となり、1画素領域の21×21=441μm2よりは
るかに大きくなる。
【0146】7.疑似周期的マスク 以上説明した構成の記録装置およびヘッドを用い、本発
明所期の目的を達成するための前提となる疑似周期的マ
スクを用いた記録方法について説明する。当該記録方法
は図10の手順中で記録動作(ステップS7)等を行う
際に反映させることができるものである。
【0147】前述した特開平7−52390号公報に記
載されているランダムマスクでは、記録ヘッドの吐出特
性に起因する濃度むらや、ノズル毎の記録ドット数の違
いによって生じる濃度むらをマスクパターンによって解
消するものであるが、メモリ容量の制限によって所定サ
イズのマスクパターンを繰り返し適用した場合に、マス
ク全体の周期によって出力画像に繰り返しパターンが生
じたり、乱数の低周波成分により粒状性が増加すること
があった。特に双方向プリントにおいては、往路と復路
の着弾位置ずれの精度が厳しく、僅かなずれが画像のざ
らつきや周期的なむらを生じることがあった。以下に説
明する擬似周期的マスクでは、このようなランダムマス
クと比べて、繰り返しパターンの発生や粒状性の増加を
抑制し、さらに画像品位を向上させることができる。
【0148】7.1 疑似周期的マスクを適用するため
のインクジェットプリンタの構成 ここで、擬似周期的マスクを適用するための構成例につ
いて説明する。
【0149】図12は本実施形態に係る疑似周期的マス
クを適用する構成を説明するためにインクジェットプリ
ンタを簡略かつ模式的に表した図である。図示の構成で
は、画像データ入力端子300と、画像バッファ301
と、アドレスカウンタ302と、マスク生成手段および
間引き手段としてのマスク生成部303と、マスクバッ
ファ304と、マスク処理部305と、ROM形態の母
マスクの格納手段たるROM形態の母マスクメモリ30
6と、プリンタ本体307とを具備している。
【0150】ここで、画像データ入力端子300には、
本実施形態のインクジェットプリンタによるプリント対
象となる画像データが入力される。画像バッファ301
は一回の走査(パス)によりプリントされる画像データ
を蓄積しておくためのバッファである。アドレスカウン
タ302は画像データとマスクデータの同期を取るため
のカウンタである。マスク生成部303は画像データに
対して間引きを行うために適用するマスクデータを生成
する。マスクバッファ304はマスクデータを格納する
ためのバッファである。マスク処理部305は、画像デ
ータとマスクデータとからヘッド駆動信号を生成する。
母マスクメモリ306は、予め他の装置により生成され
た母マスクデータを格納しておくためのメモリである。
図12に示されたこれらの各部は機能的に表現されたも
のであり、具体的には図7ないし図9に示した電気的な
回路構成の一部として設けておくことができる。例え
ば、画像バッファ301はプリントバッファE2014
に対応したものとすることができる。
【0151】プリンタ本体307は、ヘッド駆動信号に
従い記録媒体上に画像を形成するものであり、具体的に
は図1ないし図6に示した機械的構成を含むものであ
る。すなわち、記録ヘッドH1001ないし記録ヘッド
カートリッジH1000を記録媒体311に対して主走
査させるためのキャリッジM4001等を含む主走査装
置309と、記録媒体311を副走査方向に搬送するた
めの各部ローラを含む搬送装置310とを有し、これら
装置によって記録ヘッドH1001を記録媒体311に
対して相対的に主走査および副走査させることにより、
記録媒体311上に画像を形成する。なお、記録ヘッド
H1001は複数のプリント素子(ノズル)を有してお
り、本実施形態では上述のように各色256本のノズル
によって画像を形成するが、ここでは擬似周期的マスク
についての説明を簡単にするため、1色当たり16本の
ノズルを副走査方向に1列に配列した記録ヘッドを用
い、4パスプリントにて画像を完成させるものとする。
【0152】図13〜図16はマスク処理部305によ
り画像バッファ301およびマスクバッファ304から
記録ヘッド制御信号を生成する手順を説明するための図
である。これらの図における(a)の部分は、画像バッ
ファ301の構造および内容を示している。本実施形態
の画像バッファ301は、横方向が記録媒体311の主
走査方向にプリント可能な画素数と同数の画素に対応し
ており、縦方向が記録ヘッドH1001の副走査方向の
ノズル数と同数の画素に対応している。すなわち、図1
3〜図16の例では、説明の簡略化のために、横方向
(主走査方向)の画素数を16画素としているが、例え
ば、記録媒体311上で記録可能な領域の横幅が8イン
チ(参考値。約203.2mm)であり、プリンタ本体
307の解像度が1200DPI(ドット/インチ)で
あれば、実際の画像バッファ301の横方向の画素数は
9600画素である。また、マスクバッファ304のサ
イズについても画像バッファ301と同様、横方向を1
6画素、縦方向をこの説明における記録ヘッドの記録素
子と同数の16画素とした。
【0153】また、図13〜図16においては各マス目
が画素に対応しており、画像データに応じた各図(a)
の白のマス目は記録がなされない画素を、黒のマス目は
記録がなされ得る画素を表すものとする。また、マスク
パターンに応じた各図(b)の白のマス目は記録が許容
されない画素(すなわちその画素の画像データによらず
マスキングされてしまう画素。以下、マスク画素とい
う)を、黒のマス目は記録が許容される画素(すなわち
その画素の画像データに応じてドット形成がなされるこ
とになる画素。以下、記録許容画素という)を表すもの
とする。さらに、ヘッド駆動信号に応じた各図(c)の
白のマス目は記録がなされない画素を、黒のマス目は実
際に記録がなされる画素を表すものとする。
【0154】図13は第1の走査における記録ヘッド制
御信号を生成するためのマスク処理を示した説明図であ
る。まず、第1の走査においては画像バッファ301の
下側4画素分の領域に入力画像の上端から4画素分の画
像データが格納される(図13(a))。次に、後述す
る手順によりマスク生成部303から生成された第1の
マスクパターン3201(図13(b))と画像バッフ
ァ301との画素毎の論理積を取り、ヘッド駆動信号3
202(図13(c))を生成する。すなわち、画像バ
ッファ301およびマスクパターン3201において両
方とも記録状態である画素に対応する記録素子のみが駆
動されることになる。
【0155】図14は第2の走査における記録ヘッド駆
動信号を生成するためのマスク処理を示した説明図であ
る。第1の走査が行われた後、プリンタ本体307の搬
送装置310により、この説明における記録ヘッドH1
001の記録素子数(16個)の1/4(=4)の紙送
りが行われる。従って、画像バッファ301の内容もそ
の分上に移動し、次のデータを画像データ入力端子30
0より取得し画像バッファ301に格納する(図14
(a))。なお、図13〜図16では、説明の都合上、
画像データを移動しているように表現しているが、画像
バッファ301をリングバッファとして構成しておけ
ば、バッファ内での画像データの移動をアドレスカウン
タ302の指示内容の変更のみで処理できるので簡便で
ある。次に、後述する手順によりマスク生成部303か
ら生成された第2のマスクパターン3301(図14
(b))と画像バッファ301の画素毎のAND演算を
行い、ヘッド駆動信号3302(図14(c))を生成
する。
【0156】図15は第3の走査における記録ヘッド駆
動信号を生成するためのマスク処理を示した図である。
第2の走査が行われた後、プリンタ本体307の搬送装
置310により、この説明における記録ヘッドH100
1の記録素子数(16個)の1/4(4個分)の紙送り
が行われる。従って、画像バッファ301の内容もその
分上に移動し、次のデータを画像データ入力端子300
より取得し画像バッファ301に格納する(図15
(a))。次に、後述する手順によりマスク生成部30
3から生成された第2のマスクパターン3401(図1
5(b))と画像バッファ301の画素毎のAND演算
を行い、ヘッド駆動信号3402(図15(c))を生
成する。
【0157】図16は第4の走査における記録ヘッド駆
動信号を生成するためのマスク処理を示した説明図であ
る。第3の走査が行われた後、プリンタ本体307の搬
送装置310により、この説明における記録ヘッドH1
001の記録素子数(16個)の1/4(4個分)の紙
送りが行われる。従って、画像バッファ301の内容も
その分上に移動し、次のデータを画像データ入力端子3
00より取得し画像バッファ301に格納する(図16
(a))。次に、後述する手順によりマスク生成部30
3から生成された第2のマスクパターン3501(図1
6(b))と画像バッファ301の画素毎のAND演算
を行い、ヘッド駆動信号3502(図16(c))を生
成する。
【0158】以上の4回の走査(4パス)により、まず
全ノズル数の4分の1のヘッド上端部に対応した部分に
ついての画像が完成する。以下同様な処理を繰り返すこ
とにより、画像全体のプリント処理を行う。なお、第5
の走査においては、既に画像上端部のプリントは終了し
ているので、画像バッファ上端部分のデータを捨て、新
たに生じた空き領域に次の画素分のデータを格納すれば
よい。
【0159】7.2 疑似周期的マスクの生成 本実施形態においては、各パスで記録データを間引くた
めのマスクパターンとして、特開平7−52390号公
報に開示されたようなランダムマスクパターンではな
く、低周波成分が少なく分散性が高い疑似周期的マスク
パターンを用いる。かかる疑似周期的マスクパターン
を、その生成手法とともに説明する。
【0160】まず、生成手法の第1例として、疑似周期
的マスク生成の基準となる母マスクを作成し、その母マ
スクを展張して疑似周期的マスクを生成する処理につい
て説明する。
【0161】図17は母マスクの作成手順の一例を示
す。なお、ここでは母マスクないしマスクエリアのサイ
ズは縦方向(副走査方向)および横方向(主走査方向)
についてそれぞれ16画素分の寸法を持つものとする。
【0162】まず、母マスクの16×16=256画素
の領域において、第1番目のドット配置をランダムに定
める(ステップS40)。ここでは、最初のドット位置
を(x0,y0)とする。次に、母マスク内のデータを
初期化する(ステップS41)。ここでは、ステップS
40で定められた最初のドット位置(x0,y0)につ
いてのマスク値を「254」とし、その他のマスク値を
「255」とする。次に、ポテンシャルの初期化を行う
(ステップS42)。ポテンシャルは、ドット位置から
の距離rに対して例えば次の関数f(r)で与えられる
ものとする。 f(r)=−0.41r+1.21 (r<2) f(r)=2.76exp(−r) (2≦r<10) f(r)=0 (r≧10) (1)
【0163】ドット位置(x0,y0)から任意のマス
ク位置(x,y)までの距離rは r={(x−x0)+(y−y0)1/2 で表わされるので、例えば x0−10<x<x0+10,y0−10<y<y0+
10 の領域内で式(1)の関数を適用することで、ドット位
置(x0,y0)による任意のマスク位置(x,y)に
対するポテンシャルP(x,y)を求めればよい。
【0164】図18はポテンシャルの形状の一例であ
る。このようなポテンシャルは斥力型のものであり、以
降のドット配置処理に斥力型のポテンシャルを適用する
ことにより、既に配置されているドットの近傍に新たな
ドットが配置されることを防ぐことができる。なお、ポ
テンシャルの裾がマスクの領域を越える場合は、図19
に示すようにマスク領域の反対側に折り返して計算す
る。これは、マスク境界においてドット配置の不連続性
を発生させないためである。
【0165】次に、母マスク上、ポテンシャルの最も小
さい位置を検索し、その位置にドットを追加する(ステ
ップS43)。ポテンシャルの最小値を持つ位置が複数
ある場合は、ランダムに1つの位置を選択する。次に、
新たに追加配置したドットを含め、既に配置されている
全てのドットの位置に対応するマスク値を1つ減らすこ
とで、母マスク内のデータを更新する(ステップS4
4)。本手順の開始直後に行われる処理で追加されたド
ットの位置を(x1,y1)とすると、そのマスク値が
「255」から「254」に減じられるとともに、初期
配置されたドット位置(x0,y0)についてのマスク
値が「254」から「253」に減じられることにな
る。
【0166】次に、新たに追加したドットによるマスク
位置(x,y)に対するポテンシャルを計算し、これを
既に配置されているドット位置によるマスク位置(x,
y)に対するポテンシャルに加算する(ステップS4
5)。すなわち、本手順の開始直後では、最初に追加さ
れた新たなドット位置(x1,y1)から任意のマスク
位置(x,y)までの距離rは r={(x−x1)+(y−y1)1/2 で表わされるので、上述と同様にして x1−10<x<x1+10,y1−10<y<y1+
10 の領域内で式(1)の関数を適用して、ドット位置(x
1,y1)による任意のマスク位置(x,y)に対する
ポテンシャルP(x,y)を求め、このポテンシャル
と、初期配置されたドット位置(x0,y0)によるマ
スク位置(x,y)に対するポテンシャルとが加算され
る。そして、母マスク上の全ての位置にドットが追加さ
れたか否かを判定する(ステップS46)。ここで、否
定判定であればステップS43に復帰し、加算されたポ
テンシャルの最小値を持つ位置にドットを新たに追加す
る。以下、ステップS43、ステップS44およびステ
ップS45を母マスクの全ての位置にドットが追加され
るまで繰り返す。
【0167】この手順が終了した状態では、図12の母
マスクメモリ306内にはマスク値「0」〜「255」
が一様に分散した状態で配置されることになる。そし
て、この母マスクのデータを用いて、視覚的に好ましい
疑似周期的マスクパターンを生成することができる。
【0168】図20は図12のマスク生成部303によ
りマスクバッファ304に格納される上記マスクデータ
(マスクパターン)3201、3301、3401およ
び3501の生成手順の一例を示す。
【0169】まず、縦横16画素で各マスク値が「0」
から「255」の値を持つ母マスクデータをマルチパス
の走査回数に量子化する(ステップS50)。本例では
4回の走査によるマルチパスプリントであり、各記録走
査内での記録許容画素数を均等にしているので、ある記
録領域に対する4回のパスでは、マスク値「0」から
「63」を第1パスに、マスク値「64」から「12
7」を第2パスに、マスク値「128」から「191」
を第3パスに、マスク値「192」から「255」を第
4パスに割り当てることになる。
【0170】次に、各走査に対応するマスクデータの記
録許容画素をオンとする処理を行う(ステップS5
2)。すなわち、第1走査用マスクデータ3201上、
ある記録領域の第1パスに割り当てられた位置の画素を
オンとし、第2走査用マスクデータ3301上、当該記
録領域の第2パスに割り当てられた位置の画素をオンと
する。同様に、第3走査用マスクデータ3401および
第4走査用マスクデータ3501についても、当該記録
領域のそれぞれ第3パスおよび第4パスに割り当てられ
た位置の画素をオンとする。
【0171】次に、各走査間でのプリント媒体搬送量に
対応して、マスクデータをローテートする(ステップS
52)。すなわち、マスクデータ3301を上に4画素
分、マスクデータ3401を上に8画素分、マスクデー
タ3501を上に12画素分ローテートする。
【0172】以上の実施形態によれば、マスク生成部3
03は、マルチパスプリント法における間引きパターン
として、任意のレベルで2値化された際に記録許容画素
と非記録許容画素との配置が視覚的に好ましくなるよう
なドットの分散性の高い疑似周期的マスク配列からマス
クパターンを生成するようにしたので、次のような作用
および効果を奏する。すなわち、上記構成において、疑
似周期的配列の母マスクデータは、一様乱数と比べて低
周波成分が少ないため、繰り返しパターンの発生や粒状
性の増加を防止するように働く。すなわち、ドットの分
散性の高い疑似周期的配列の母マスクデータを用いるこ
とにより、短い周期の乱数を用いた場合に生じる繰り返
しパターンや、一様乱数によるマスクを用いた場合に生
じる粒状性の増加を防ぐことができるのである。
【0173】なお、母マスクの生成のための手段は、必
ずしも本実施形態のプリンタに予め組み込まれるもので
なくてもよく、予め別体の母マスク生成装置により母マ
スクデータを生成し、結果の母マスクデータのみを本実
施形態のプリンタの母マスクメモリ306に格納するも
のであってもよい。これについては後述する実施形態に
ついても同様である。
【0174】7.3 疑似周期的マスクの生成の他の例 上記実施形態では、特に上記式(1)を用いて擬似周期
的配列の母マスクデータを作成したが、本発明に適用可
能な擬似周期的配列のマスクは上式に限ったものではな
い。すなわち、疑似周期的マスク配列(疑似周期的配列
の母マスクデータ)は、ランダムに初期記録許容画素位
置を求め、当該求めたすべての記録許容画素位置に対し
て一定の斥力ポテンシャルを付与し、当該ポテンシャル
の和が最小となる画素位置に新たな記録許容画素を設定
する処理を、すべての画素が記録許容画素となるまで繰
り返すことにより生成されるものであり、斥力ポテンシ
ャルは、記録許容画素からの位置に従って減衰する関数
で表されればよく、上記式(1)で示した関数に限られ
るものではない。
【0175】また、上記実施形態では、母マスクデータ
を作成した上で各走査に適用される疑似周期的配列のマ
スクを生成した。これは、母マスクを一度作成すれば、
マルチパスプリントのパス数が変更される場合にもその
パス数に応じたマスクの作成に直ちに対応できるという
利点がある。
【0176】これに対して、ある広がりを持つ領域に対
して適用される疑似周期的マスクを直接的に生成するこ
ともでき、その実施形態について次に説明する。この実
施形態は、パス数の変更に応じて新たにマスクを作成す
ることにはなるが、上記実施形態が各スキャン毎に適用
するマスクを変える(すなわち、4パスプリントの場合
は図13〜図16の(b)に示す4種類のそれぞれがそ
れぞれのスキャンで適用される)のに対し、そのような
変更を要さないためにプリントのスループット向上に資
することができる。
【0177】図22は本実施形態で適用する疑似周期的
マスクの例であり、そのマスクエリアのサイズは縦(副
走査方向)および横(主走査方向)についてそれぞれ2
56画素分の長さに対応したものとする。縦の長さは図
11に示したヘッド上にあるノズルの数に一致してお
り、マスクは記録ヘッドに対し常に固定である。また、
4パスプリントを行うものとし、各主走査間では図22
において横線で区切った範囲(64ノズル分)を単位と
して記録紙が矢印の方向に搬送される。
【0178】紙面上の同一プリント領域に対しては常
に、マスクAを適用した往路プリント(1パス目)、マ
スクBを適用した復路プリント(2パス目)、マスクC
を適用した往路プリント(3パス目)、マスクDを適用
した復路プリント(4パス目)の順に記録がなされ、4
回の記録走査を経て初めて当該領域の画像が完成する。
また、マスクA〜マスクDは100%の記録データに対
して補完を行う関係にあり、本実施形態の場合それぞれ
25%ずつの記録率となっている。
【0179】なお、本実施形態のマスクを作成ないし適
用するための制御系の構成については、図12に示した
ものとほぼ同様のものとすることができるが、図12に
おけるブロック303および306に代えて、次のよう
な作成処理等を行う機能ブロックを採用すればよい。ま
た、記録に際してマスクを生成するのではなく、本実施
形態のプリンタまたは別体のマスク生成手段(例えばホ
ストコンピュータ)によって予め生成された複数のパス
数の種類に対応した複数のマスクを格納しておき、実行
するマルチプリントのパス数に応じたマスクを記録に際
して適宜選択するものでもよい。さらに、ホストコンピ
ュータから画像データを受け取る際に、パス数の指定と
対応するマスクを受容し、記録に際してこれを用いる構
成とすることもできる。
【0180】図21は本実施形態によるマスクデータの
作成手順の一例を示す。まず、縦64画素×横256画
素のマスク領域Dのうち、最上部の縦16画素×横25
6画素の領域を縦64画素×横16画素の大きさを持つ
16個のブロックに分割する。そして、各ブロック毎に
それぞれ1つ目の記録許容画素をランダムに決める(ス
テップS1601)。これを本実施形態のマスクの初期
画素と決定する。これと同時に、この画素と位置的に対
応するマスク領域A、BおよびC上の画素はドット形成
がなされないようマスキングしてしまう(ステップS1
602)。なお、初期画素の個数および選択領域はこれ
に限られず適宜定め得るのは勿論である。次の画素から
は斥力ポテンシャルを用いて記録許容画素を決定してい
く(ステップS1603)。本実施形態で定義するポテ
ンシャルは、上例と同様式(1)で示した関数で与えら
れるものとする。
【0181】そして、複数の記録許容画素(本手順の開
始直後では16個の画素)から得られるポテンシャルの
和が注目画素のポテンシャルとなる。さらに、縦256
画素×横256画素のマスクは縦方向および横方向に繰
り返し適用されるので、隣接する領域(例えば縦方向で
は、マスク領域Dの最上部に対してマスク領域Aの最下
部)からの影響も加味してポテンシャルの和を計算す
る。このように決められた各画素のポテンシャルのうち
最小値を有するものを次の記録許容画素(本手順の開始
直後では17番目の記録許容画素)として決定する(ス
テップS1604)。この処理に際しては既にマスキン
グされている画素は除外される。また、最小値を有する
画素が複数存在する場合にはその中からランダムに記録
許容画素を1つ決定する。
【0182】さらに、マスク領域A〜Dのうち、この記
録許容画素が存在する以外の領域内の対応位置の画素を
マスキングし、再び、全画素位置についてのポテンシャ
ルを計算する。以下、ステップS1602〜S1604
の処理を全マスク領域の画素のうち25%が記録許容画
素(ここでは16384個)となるまで繰り返す(ステ
ップS1605)。
【0183】このような処理にて作成されたマスクが図
22に示したものである。この図と、特開平7−052
390号公報に開示されたものに準ずるランダムマスク
を示した図23とを比較すれば、視覚的な差を確認する
ことができる。両者の差はドットの分散性にある。すな
わち、図22のマスクは図23のマスクに比べて低周波
成分が少なく分散性が高い。よって視覚的にはザラツキ
が少なく感じるのである。
【0184】図24は図22の往路プリント(奇数番目
のパス)のマスクデータの和を示しており、図25は復
路プリント(偶数番目のパス)のマスクデータの和を示
している。本実施形態の特徴は、各記録走査のマスク配
列も分散性の高い擬似周期的配列となっているが、これ
らの図から明らかなように、往路プリントの和および復
路プリントの和もそれぞれ同様の擬似周期的配列になっ
ていることにある。
【0185】本発明は記録走査毎のドット形成位置の誤
差に対し、視覚的に画像弊害が感知されないような分割
間引き用のマスクを提供することを目的の一つとしてい
る。記録走査毎のドット形成位置のずれは使用している
マスクの形状が画像上に顕在化する現象となって現れる
ので、各記録走査毎のマスク配列が視覚的に好ましい状
態であれば、画像上、ずれが感知されにくい。双方向プ
リント時のレジストレーションのずれも同様である。往
路プリント時のマスクと復路プリント時のマスクとがそ
れぞれ視覚的に好ましい状態であれば、画像上、ずれが
感知されにくいのである。
【0186】図26は図23に示したランダムマスクの
往路プリント(奇数番目のパス)のマスクデータの和
を、図27は復路プリント(偶数番目のパス)のマスク
データの和を示している。これらの図と図24および図
25とを比較すれば、両者の差を確認できる。すなわ
ち、図24および図25の状態は図26および図27に
示すものと比べて低周波成分が少なく分散性が高い。よ
って全体的にざらつきが少ないのである。
【0187】一般に、記録するべきドットの配列は量子
化の手法により異なるが、なるべく視覚的に目障りにな
らないように配置される。特に最近要望されている写真
調画質を得るには画像の滑らかさが追求されるので、誤
差拡散法や特許第2622429号に記載の青色雑音マ
スクを用いた2値化法が好ましいとされる。従って、2
値化されたオリジナルの画像データ自体が低周波成分の
少ない状態であることが多い。しかしながら、マルチパ
スプリントを行う際に記録走査間でドット形成位置のず
れ(インクジェットプリント方式ではインク着弾位置の
ずれ)が生じると、本来の好ましい配列が崩れてしまう
ことになる。従って、記録走査毎の間引き配列(マスク
パターン)自体を視覚的に好ましくしておくことで、仮
にずれが生じても、目障りにならない、すなわちざらつ
きの少ない画像を得ることができる。
【0188】ここで注意すべきことは、視覚的に好まし
いマスクのドット配列が、視覚的に好ましい量子化後の
ドット配列(プリントのために入力される2値化画像デ
ータないしは2値化処理のためのマスク配列)と、全体
的あるいは部分的にでも同期しない(同じ配列にならな
い)ことである。もし同じ配列になってしまうと、その
部分のみ分割記録が行われず、マルチパス本来の目的が
達成されなくなってしまう。本実施形態のマスク構成は
2値化後のドット配列に同調せず、各記録走査で均等
(記録画像の25%ずつ)にデータを分割プリントする
ことにより、好ましい効果を得ている。
【0189】双方向のドット形成位置のずれが常にずれ
ていれば、画像全体にざらつきが生じる。本実施形態の
ような疑似周期的マスクは、ずれに起因して顕在化する
テクスチャが目立たないものであるので、画像のざらつ
きを低減できる。しかし疑似周期的マスクを適用しない
場合でも、特開平10−329381号公報に記載され
たようなドット形成位置合わせ(レジストレーション)
処理を行えばざらつきの発生を回避できる。しかしなが
ら、液体であるインクを付与することによりプリントを
行うインクジェットプリント方式では、コックリングの
影響などにより紙面が部分的に浮き上がることがあり、
レジストレーションのための調整適正値が局所的に他の
部位と異なってしまうことがある。このような場合は、
浮き上がっている部分のみ画像がざらついて感じられる
ことがあり、部分的なざらつきであるが故に余計に確認
されやすい。
【0190】本実施形態のような疑似周期的マスクは、
双方向プリントのドット形成位置ずれが生じていても画
像上に顕在化するテクスチャがそもそも目立たず、局所
的にドット形成位置ずれが生じた領域と、そうでない領
域との差が目視で感じられないようにできるので、コッ
クリング等に起因したむらの影響が現れにくいものであ
る。
【0191】なお、ここでは双方向のドット形成位置の
全体的なずれ、ないしはコックリング等に起因した局所
的なずれによるむらの抑制に対して本実施形態のような
疑似周期的マスクが効果的であることを説明したが、そ
の他の要因によるずれに対しても効果的である。
【0192】例えば、シリアルプリント方式での各記録
走査間の誤差は、主走査方向の誤差と副走査方向の誤差
とに分類される。主走査方向の誤差はすでに説明した双
方向のドット形成位置のずれやコックリングによる局所
的なむらのほかに、キャリッジ走査系(駆動源であるモ
ータや伝動機構など)あるいは走査制御系(移動検出用
のエンコーダなど)の精度に依存するキャリッジの速度
むら等が存在する。また、副走査方向の主な誤差には記
録走査毎の搬送量のばらつきや、紙浮きなどに起因した
ものがある。特にプリント媒体が搬送部材に完全に支持
されていない状態(例えば図45におけるフィードロー
ラ対にプリント媒体先端部が挟持されるまでの間や、給
紙ローラ対から後端部が外れた以降)など、紙の押さえ
が不安定な個所で搬送量のばらつきや紙浮きなどが起き
やすい。本実施形態で示したような疑似周期的マスクは
2次元方向に低周波成分が少なく分散性が高いものであ
るので、このような副走査方向の誤差にも効果的に対応
できるマスクである。
【0193】すなわち、本実施形態によれば、双方向プ
リントのマスクにおいて、各記録走査のマスク配列が視
覚的に好ましい擬似周期的配列になっていることによ
り、記録走査毎の主走査方向や副走査方向の誤差による
ドット形成位置ずれが全体的あるいは部分的に起こって
も、画像品位の低下を最低限に抑制することが可能とな
る。加えて、奇数パスの和(あるいは偶数パスの和)か
ら構成されるマスク配列もやはり視覚的に好ましい擬似
周期的配列になっていることにより、双方向レジストレ
ーションのずれやコックリングむらの抑制に対し更に有
効なプリント方法を実現できる。
【0194】7.4 その他のマスクの形態 以上の実施形態では、プリント画素と非プリント画素と
の配置が視覚的に好ましくなるようなドット配列パター
ン、すなわち低周波成分が少なく分散性の高いドット配
列パターンをもつマスクとして、斥力ポテンシャルを用
いて作成した擬似周期的マスクについて説明した。しか
し同様の効果を得るものであれば、他の形態のマスクを
用いることもできる。例えば特許第2622429号に
開示されているような青色雑音(ブルーノイズ)特性を
もった二値化後の配列データを、分割記録のための間引
き用のマスクと設定してもよい。
【0195】また、ランダムマスクについて適用された
特開平7−125311号公報に記載されたもののよう
に、記録走査毎にマスクにオフセットをかけるようにし
てよい。これらのことは以下の実施形態でも同様であ
る。
【0196】8.集中画素マスクへの疑似周期的配列の
適用 次に、本発明の他の実施形態を説明する。本実施形態も
4パスの双方向プリントとするが、ここでは前述の特開
平6−22106号公報に記載された集中画素マスクの
効果も取り入れ、横4画素×縦1画素からなる集中画素
を単位とした視覚的に好ましい擬似周期的配列のマスク
とする。
【0197】図28は本実施形態で用いる集中ドットを
示し、横方向4ドット×縦方向1ドットの構成を単位と
した画素配列で記録を行う。擬似周期的マスクを作成す
る場合は、マスク領域も横4画素、縦1画素単位の格子
に分割する。1つの格子が1つのポテンシャルを持つと
して、格子ごとのポテンシャルでマスクを作成する。さ
らに本実施形態では、上記条件で作成されたマスクに対
し、主走査方向(横方向)にランダムなずれを生じさせ
る。
【0198】図29は本実施形態で用いるマスクの作成
手順の一例を示したフローチャートである。本実施形態
では、横4画素×縦1画素の集中画素としているのでま
ず始めに全領域を4×1単位に分割する(ステップS1
701)。以後、記録許容画素の決定やマスキングはこ
の単位で設定される。続くステップS1702では、図
21の処理とほぼ同様に初期の記録許容画素を領域D内
にランダムに決定し、領域A〜Cの同じ画素位置はマス
キングする(ステップS1703)。その後すべての画
素位置に対し、前述の実施形態と同様に斥力ポテンシャ
ルを計算する(ステップS1704)。ここでも第1実
施形態と同様の計算式を用いるが、本実施形態では常に
4×1画素の単位で記録/非記録状態が決定されるの
で、記録許容画素のポテンシャルも4画素の和によって
決定する。このように決められた各集中画素のポテンシ
ャルのうち最も小さい集中画素位置を次の記録可能集中
画素として決定する(ステップS1705)。この処理
に際し、既にマスキングされている位置の集中画素は除
外される。また、最小値を有する集中画素が複数存在す
る場合にはその中からランダムに1つ決定する。
【0199】さらに、マスク領域A〜Dのうち、この記
録可能集中画素が存在する以外の領域内の対応位置の集
中画素をマスキングし、再び、全集中画素位置について
のポテンシャルを計算する。以下、ステップS1703
〜S1705の処理を全マスク領域の集中画素のうち2
5%が記録可能な集中画素(ここでは4096個)とな
るまで繰り返す(ステップS1706)。
【0200】さらに、本実施形態ではでき上がったマス
クの256本のラスタを互いに左右にランダムにずらす
(ステップS1707)。
【0201】図30は以上の手順により作成されたマス
クの拡大図を示す。また、図31はステップS1706
までの手順で4×1の集中画素を得たまま、ステップS
1707の処理を行わずランダムなずれを生じさせない
場合のマスクの拡大図である。これらの図から明らかな
ように、図31は4×1の集中画素が縦方向および横方
向に互いに1画素の単位で隣接していないのに対し、図
30では互いに縦方向に数画素ずつ接しながら配列され
ている。図30のような配列は、双方向プリントのドッ
ト形成位置ずれのみでなく、各記録走査において何らか
の要因による横方向のドット形成位置ずれに対しても効
果がある。すなわち、コックリングや双方向プリントの
ドット形成位置ずれが生じていなくても、各記録走査間
では互いに多少のずれが生じてしまうことがあるが、本
実施形態は特に主走査方向のドット形成位置ずれによる
画像品位低下の弊害をより積極的に防止することができ
る。
【0202】本実施形態は、特開平6−336016号
公報に記載の効果と、前述の実施形態で説明した擬似周
期的マスクを適用した場合の効果とを併せ持つものであ
る。
【0203】記録走査毎の誤差は、同一記録走査で形成
されたドット間ではなく、異なる記録走査間で形成され
たドット同士の重なりもしくは離隔となって現れる。従
って、集中画素を大きくすることで、記録走査毎のずれ
の影響が現れる部位(以下、誤差点と称す)を少なくで
きる。本実施形態では特に、主走査方向の誤差対策を意
識しているので、横方向に長い4×1の集中画素を用い
る。これにより、集中画素を適用しない前述の実施形態
に比べ誤差点の数を1/4に抑えることができる。
【0204】ここで、図30および図31の配列は両者
とも確かに誤差点の数を減らすことができている。しか
し、それらが図31の矢印で示す方向の同一ラインに存
在すると、その誤差はむしろ強調され、目に付きやす
い。よって本実施形態では、図30のように集中画素を
ランダムにずらすことで誤差点をラスタ毎に分散させて
いるのである。
【0205】以上では、横方向の誤差(ノイズ)に対処
するために横方向に長い集中画素を用い、かつ集中画素
を横方向にずらす例を説明した。しかし、本実施形態は
これに限るものではない。すなわち縦方向のノイズに強
くすることに重点をおくならば、縦方向に長い集中画素
を用い、集中画素を縦方向にランダムにずらせば本実施
形態の効果は十分得られる。
【0206】図32にその例を示す。ここでは1×4の
集中画素をランダムに縦方向にずらした4パスプリント
用のマスクを部分的に拡大して示している。図30と同
様に誤差点が分散されているので、その部分が目立ちに
くい。
【0207】さらに、上述したようなプリント媒体の先
端部および後端部に関しての搬送誤差対策が要望され、
他の領域はむしろ主走査方向の誤差対策が必要な場合に
は、プリント媒体上の部分に応じて適用するマスクを切
り替えてもよい。また、プリント媒体の種類によっても
誤差の現れ方は大きく異なるので、プリント対象となる
プリント媒体よってマスクを切り替えるようにしてもよ
い。
【0208】また、本実施形態でも前述の実施形態と同
様に、往路プリントに適用されるマスクデータの和(ま
たは復路プリントに適用されるマスクデータの和)のド
ット配列が4×1単位の視覚的に好ましい擬似周期的配
列になるようにしてもよい。これによれば前述の実施形
態と同様に、双方向ドット形成位置ずれに対しより有効
に対応できる効果がある。
【0209】さらに別の構成として、往路プリントに適
用されるマスクデータの和(または復路プリントに適用
されるマスクデータの和)が8×1の集中画素の配列を
形作る構成を取ってもよい。このようにすると往路プリ
ントと復路プリントの誤差点を半減することができ、別
の角度から双方向むらへの効果が期待できる。
【0210】以上の実施形態によれば、m×nの集中画
素を単位とした視覚的に好ましい擬似周期的配列のマス
クを作成し、かつ各集中画素が互いに横方向あるいは縦
方向にランダムにずらして配列させることにより、主走
査方向あるいは副走査方向の誤差に強い分割間引きを実
現することが可能となった。
【0211】次に、従来技術で説明した特開平6−22
106号公報や特開平10−235852号公報に開示
された技術を改良し、双方向プリントによる色むらや弊
害をより低減させた実施形態について説明する。
【0212】m×nの集中ドットサイズを大きくするこ
とにより色むらは低減されるが、その効果が得られる程
度の集中ドットはかなり大きく、写真画質には向かない
ことはすでに述べた。しかし本発明者らは、ここにおい
ても視覚的に好ましい擬似周期的マスクに従って配列す
れば、画像弊害が低減されることを確認した。
【0213】図33はこの8×4の集中ドットを用いた
本実施形態の擬似周期的マスクを示す。8×4という大
きさにもかかわらず、全体的に分散配列されているので
視覚的には好ましい。
【0214】図34は同じ集中ドットをランダムに配列
した例である。ここでは、8×4の集中ドット自体より
もむしろこれらの配列が不均一であるので、集中して固
まって配列してしまった部分とそうでない部分とでの差
が激しく、ざらついて感知される。これに対し図33で
は8×4の集中ドットが比較的均等な距離を置いて配置
されているので、特に局所的に密度の高い部分や低い部
分が存在しない。本実施形態は双方向プリントを行うの
で、ここで示す黒部分と残る白い部分がそれぞれ往路の
色と復路の色で記録されることになる。往路の色と復路
の色に若干の差が存在することはすでに述べた。その上
でそれぞれの色がこの図に示すように配列すると、明ら
かに図33のマスクを適用した方がざらつきが少なくな
る。すなわち、擬似周期的配列のマスクを用いれば集中
ドットが大きいことによる弊害も緩和されるのである。
換言すれば、ざらつき感に余裕がある限り、さらに集中
ドットのサイズを大きくすることもできるので、双方向
プリント時に発生する色むらに対してより効果を発揮で
きるのである。
【0215】9.マルチパスプリントにおける記録デー
タ数の制御への適用 9.1 マルチパスプリントにおける記録データ数の制
御 前述した特開平6−22106号公報に記載の発明は、
記録走査方向の違いに起因する色むらは各記録走査ごと
のインク被覆率(はみ出し率)に依存することに着目
し、各走査で着弾される紙面上のインク被覆率をなるべ
く均等にすることを目的としたものである。そしてその
目的を達成するための手段として、同一記録走査で記録
されるドット同士を集中ドットとしてm×n画素を固め
て記録していた。しかし、被覆率を均等にする目的は、
集中ドットを用いずに、各記録走査での記録データ数の
制御をによって達成することもできる。そして、記録デ
ータ数の制御に際して、低周波成分が少なくドット分散
性の高いすなわち視覚的に好ましいマスクを適用するこ
とができ、以下ではその実施形態について説明する。
【0216】まず、その前提として、記録データ数の制
御について述べる。
【0217】先に図49を用いて2回の記録走査(2パ
ス)で画像を完成させる構成を例に挙げてマルチパスプ
リント法について説明したが、ここではまず8パスのマ
ルチパスプリントについて説明する。8パス程度のマル
チパスプリントを行えば、多くの記録媒体では双方向プ
リントを行っても色むらは殆ど発生しない。しかし、記
録媒体の種類によっては発生するものもあるし、特に最
高品位の画像が要求されるモードでは厳しく評価され
る。
【0218】各記録走査で記録データを均等に分割する
方式では、8パスプリントの場合は各パスにつき12.
5%のデューティずつの記録が行われる。一方、図11
に示した1200dpiの解像度のヘッドを用いてプリ
ントを行う場合、紙面上での1画素は約21μm四方の
領域となるが、本実施形態で用いるヘッドから吐出され
るインクの1ドロップは約4plであり、紙面上では直
径約45μmの円形ドットを形成する。このとき、1ド
ットの面積は1570μm2となり、1画素領域の21
×21=441μm2よりはるかに大きくなる。このよ
うなヘッドを用いて8パスプリントを行う際に従来のラ
ンダムマスク法を取り入れると、1パス目のインク被覆
率は12.5%×1570/441≒45%となり、全
体の1/2近くの紙面が埋め尽くされてしまう。次いで
2パス目では1パス目と同等の12.5%のデータが記
録されるが、紙面上では残された100−45=55%
の中での45%となるので、55×45/100≒2
5.0%となり、同じ12.5%のデータ記録率でも被
覆率としてはかなり削減された値となる。これに従い、
3パス以降の被覆率はさらに減少していく。
【0219】発明者らは、1パス目および2パス目すな
わち最初の2回の記録走査での被覆率が45+25.0
=70%となるので、8パスのマルチパスプリントでの
優先色は、ほぼ最初の2パスで決定されてしまうことに
着目した。双方向プリントの場合、1パス目と2パス目
との記録方向は逆になるので、1パス目が往路プリント
であったならば往路で最初に記録されたインクが、1パ
ス目が復路であるならば復路で最初に記録されたインク
がそれぞれ優先色になる。3パス〜8パスまでは残り約
30%の白紙領域に対する効果しか関与せず、色むらに
はほとんど関係していない。すなわち、最初の2パスで
色むらによる画像品位低下が生じているのであって、換
言すればこの最初の2パスでの色むらを抑制することが
できれば、画像全体の色むらによる弊害を著しく低減で
きるのである。
【0220】発明者らは、1パス目と2パス目とのデー
タ記録率の和は12.5×2=25.0%に固定しなが
ら、1パス目の被覆率と2パス目の被覆率との割合をほ
ぼ同等にすることを目的として、1パス目の記録データ
を削減し、その分2パス目の記録データを増加させる実
験を行った。計算上、2パス目までの被覆率が70%で
あるので、1パス目ではその半分の35%の被覆率とな
るようにデータ記録率を制御すればよい。この場合、逆
算すれば35×441/1570=9.8%となるの
で、1パス目で約10%、2パス目では25−10=1
5%のデータ記録率とすればよいことになる。但しこの
計算においては、同一記録パスで記録するドットは互い
に隣接しないことを前提としている。
【0221】図35は、1パス目と2パス目とのデータ
記録率を1%刻みで変化させて実験した場合の色むらの
評価結果を示す。色むらの目立ちやすい記録媒体を用い
ての実験結果であるが、1パス目のデータ記録率を9〜
11%とすれば色むらはほとんど問題なくなり、10%
では全く問題ないという結果が得られた。これは計算値
とほぼ一致した答えである。
【0222】図36は上記した内容を適用して実施した
8パスプリントによる記録結果を示す。本実施形態で用
いるヘッドは、上述のように実際には各色256個のノ
ズルを有しているが、ここでは簡単のため、32個のノ
ズルでシアンとイエローとからなるグリーン画像を記録
する場合について説明する。
【0223】本実施形態は8パス記録であるので、1度
の記録走査でプリントできる全32画素領域を4画素ず
つの記録領域に分割し、各記録領域について8回の記録
走査で画像を完成させる。どの画像領域においても、最
初に1パス記録領域の4つのノズルによってドットが記
録される。一般的な8パス記録では、記録領域の12.
5%の画素に往路あるいは復路で記録がなされるが、本
実施形態の1パス記録領域では10%に記録データ率を
低減している。図13では、ある往路の記録走査が終了
した時点の画像記録状態を表している。1パス記録領域
では全画像データのうち、10%の画素についてシアン
が優先色のドットが記録されている。この段階で被覆率
は約35%となっている。
【0224】隣接する2パス記録領域では、新たに15
%の画素データの記録がなされている。この領域では、
既に前回の復路記録走査で着弾されたドットが10%程
記録されているが、これらのドットはイエローが優先色
のドットである。今回新たに記録された15%のドット
が先に記録されたドットに重複した場合には、裏側へ潜
り込み、優先色は1パス目のドットとなっている。ここ
までの記録結果から明らかなように、シアンが優先色の
ドットとイエローが優先色のドットとがほぼ半分の割合
で均等に分布しているとともに、2パス記録までの段階
で画像領域の殆とが埋め尽くされている。
【0225】3パス以降の記録領域では全て12.5%
ずつのデータが記録されており、ドットの優先色は上記
規則にしたがって背面に潜り込んでいる。3パス以降は
残り30%の白紙領域をうめていくが、殆どのドットが
2パスまでのドットの背面側に潜り込むので、ドットの
優先色がシアンであろうとイエローであろうと、画像全
体の優先色には殆ど影響を及ぼしていない。
【0226】次に、4パスプリントにおいて上述と同様
に記録データ数を制御する場合について説明する。上述
のように従来の方法では各記録走査で記録データを均等
に分割するので、4パスプリントの場合は25%デュー
ティーずつの記録が行われる。ここで、従来のランダム
マスク法を取り入れると、1パス目のインク被覆率は2
5%×1570/441≒89%となり、殆どの紙面が
埋め尽くされてしまう。次いで2パス目では1パス目と
同等の25%のデータが記録されるが、紙面上では残さ
れた100−89=11%の中での89%となるので、
11%×89%≒10%となり、同じ25%のデータ記
録率でも被覆率としては1パス目に比べかなり削減され
てしまう。これに従い、3パス以降の被覆率はさらに減
少していく。
【0227】そして、4パスプリントの場合は1パス目
と2パス目すなわち最初の2つのパスで被覆率が89+
10=99%となるので、4パスプリントでの優先色
は、ほぼ最初の2パスで決定されてしまうことになる。
また、双方向プリントを行う場合には1パス目と2パス
目との記録方向は逆になるので、1パス目が往路プリン
トであったならば往路で最初に記録されたインクが、1
パス目が復路であるならば復路で最初に記録されたイン
クがそれぞれ優先色になるのも上述と同様である。そし
て、3パス目および4パス目では残り約1%の白紙領域
に対する効果しかなく、色むらにはほとんど関係してい
ない。すなわち、最初の2パスで色むらによる画像品位
低下が生じているのであって、換言すればこの最初の2
パスでの色むらを抑制することができれば、画像全体の
色むらによる弊害を著しく低減できるのである。
【0228】そこで、4パスプリントの場合は、1パス
目と2パス目とのデータ記録率の和は25×2=50%
に固定しながら、1パス目の被覆率と2パス目の被覆率
との割合をほぼ同等にすることを目的として、1パス目
の記録データを削減し、その分2パス目の記録データを
増加させればよい。計算上、2パス目までの被覆率が9
9%であるので、1パス目ではその半分の49.5%の
被覆率となるようにデータ記録率を制御すればよい。こ
の場合、逆算すると49.5×441/1570=13.
9%となるので、1パス目で約14%、2パス目では5
0−14=36%のデータ記録率とすればよいことにな
る。
【0229】9.2 疑似周期的配列の適用 以上のようなマルチパスプリントにおける記録データ数
の制御に際し、本実施形態では、非記録許容画素と記録
許容画素とを視覚的に好ましい状態に配列した擬似周期
的マスクを導入する。
【0230】例えば、図12〜図20について説明した
実施形態の疑似周期的マスクを適用する場合には、次の
ように行えばよい。
【0231】すなわち、同一記録領域に対して4回の走
査によるマルチパスプリントを行い、かつ各走査での記
録データ数の制御を行う場合、図20の手順を一部変更
することで各走査に疑似周期的マスクを適用することが
できる。
【0232】母マスクが縦横16画素で各マスク値が
「0」から「255」の値を持つ構成に対して、マスク
データをマルチパスの走査回数に量子化する。前述の4
パスプリントでは各記録走査内での記録許容画素数を均
等にしていたので、ステップS50においてはマスク値
「0」から「63」を第1パスに、マスク値「64」か
ら「127」を第2パスに、マスク値「128」から
「191」を第3パスに、マスク値「192」から「2
55」を第4パスに割り当てた。
【0233】しかし、本実施形態では記録紙上のインク
被覆率を第1パスと第2パスとで均等にするために、上
述のように第1パスの記録数を全体の14%、第2パス
の記録許容画素を全体の36%、第3および第4パスに
ついてはそれぞれ25%とする。よって、ステップS5
0の処理において、マスク値「0」から「35」を第1
パスに、マスク値「36」から127を第2パスに、マ
スク値「128」から「191」を第3パスに、マスク
値「192」から「255」を第4パスに割り当てるよ
うにすればよい。
【0234】このような実施形態によれば、まず基本的
に、マルチパスプリント法における間引きパターンとし
て、任意のレベルで2値化された際に記録許容画素と非
記録許容画素との配置が視覚的に好ましくなるようなド
ットの分散性の高い疑似周期的マスク配列からマスクパ
ターンが生成されるので、次のような作用および効果を
奏する。すなわち、上記構成において、疑似周期的配列
の母マスクデータは、一様乱数と比べて低周波成分が少
ないため、繰り返しパターンの発生や粒状性の増加を防
止するように働く。すなわち、ドットの分散性の高い疑
似周期的配列の母マスクデータを用いることにより、短
い周期の乱数を用いた場合に生じる繰り返しパターン
や、一様乱数によるマスクを用いた場合に生じる粒状性
の増加を防ぐことができるのである。
【0235】以上の通り、前述の実施形態の如く4パス
プリントですべての記録走査で25%ずつに均等に記録
データ数を分割する(均一の記録デューティとする)の
みならず、各記録走査間の記録デューティに差をもたせ
ても所期の目的は達成できる。
【0236】なお、本実施形態が有効であるのは、少な
くとも4パス以上の分割記録を行う場合であると考えら
れる。もちろん、2パスプリントでも色むらに対する理
論上の効果はあるが、分割記録法のもうひとつの目的で
あるノズルばらつきの濃度むらや、つなぎすじを目立た
なくするという効果は、各記録走査でデータ記録率をな
るべく均等にすることによって得られるものであるから
である。2パスプリントの場合に本発明を適用すると、
ほとんど1パス目では記録できず、2パス目で記録が行
われることになりかねない。こうなると、分割記録の本
来の効果が減殺されてしまうことになる。
【0237】これに対し、4パス以上のマルチパスプリ
ントであれば、1パス目と2パス目との記録率に多少の
偏りが生じたところで、残りの複数パスで均等に分割さ
れていれば問題は生じない。1パス目および2パス目は
色むら低減のための記録走査であり、3パス目以降はノ
ズルのばらつきによるむらおよびつなぎ筋対策のための
記録走査であると意味付けできるのであり、これらが相
俟って高品位の写真画質を達成する上で十分な効果が期
待できるのである。そして、特に本実施形態で用いたよ
うな、実際に記録されるドット面積が1画素領域よりも
大きい場合に効果が現れる。
【0238】また、マルチパス記録はパス数が多いほど
画像品位が向上する一方、プリント時間は長くなる。そ
こで、マルチパス記録を行わない1パスモード、2パス
から8パスまでのマルチパスモードでの記録を可能と
し、記録媒体の種類や用途に応じてプリントモードを適
宜切り替えることができるようにすることもできる。
【0239】また、実際の記録動作における各パスの記
録データ比率の規定ないしマスクデータをマルチパスの
走査回数に量子化する処理(ステップS50)等は、C
PUE1001等のソフトウェアとして行うもののほ
か、適宜のハードウェア、例えばASIC E1006
の回路構成の一部として設けておくことができる。
【0240】例えば、図9において、選択されたモード
について上述のように各パスの記録データ比率ないし上
記量子化を行うためのデータを展開用データバッファE
2016に格納しておき、記録動作の進捗に応じてデー
タ展開DMAコントローラE2015がパスの番号を管
理し、その番号に応じたマスクパターンにて、プリント
バッファE2014に展開されている記録データがマス
キングされるようにすることができる。
【0241】10.記録データ数の制御および集中画素
マスクへの疑似周期的配列の適用 次に、記録データ数の制御に擬似周期的配列を適用する
とともに、さらに前述の特開平6−22106号公報に
記載された集中ドットマスクの効果も取り入れる実施形
態について説明する。
【0242】なお、ここでも擬似周期的マスクを用いた
4パスプリントを行うものとし、図28に示したような
横方向4ドット×縦方向1ドットの集中ドットを用いる
ものとする。また、擬似周期的マスクを作成する場合
は、母マスクサイズの中身も横4画素、縦1画素単位の
格子に分割する。1つの格子が1つのポテンシャルを持
つとして、格子ごとのポテンシャルでマスクを作成す
る。
【0243】複数ドットが隣接していることが前提であ
れば、各ドットの重なり合った領域は被覆率の計算上互
いに打ち消され、その分小さい値となる。本実施形態で
も前述した実施形態と同様の記録装置を用いるとすれ
ば、1つの集中ドットの被覆率は約64%となる。但
し、ここではm×n=4×1の集中ドットの単位同士は
互いに隣接しないことを前提としている。被覆率が少な
い分、1パス目のデータ記録率を大きく設定することが
できる。
【0244】4パスプリントに際し均等にデータを分割
すると各記録走査での記録率は25%となり、4×1単
位の集中ドットで記録を行った場合、1パス目の被覆率
は64%、2パス目の被覆率は23%となる。また、2
パス目までの被覆率は87%となり、やはり最初の2パ
ス目まででほとんど色むらが決まることになる。
【0245】この被覆率を等分するためには、1パス目
のデータ記録率を16%、2パスの記録率を34%とす
ればよい。
【0246】図37はこの法則に従って記録を行った場
合の模式図である。本実施形態で用いるヘッドは図11
に示すものであるが、ここでは簡単のため32個のノズ
ルによってシアンおよびイエローからなるグリーン画像
を記録する状態について説明する。
【0247】本実施形態は4パス記録であるので、1度
の記録走査でプリントできる全32画素領域を8画素ず
つの記録領域に分割し、各記録領域について4回の記録
走査で画像を完成させる。どの画像領域においても、最
初に1パス目の記録領域の8つのノズルによってドット
が記録される。従来の4パス記録では記録領域の25%
画素に往路あるいは復路で記録がなされるが、本実施形
態の1パス記録領域では記録データ率を16%に低減さ
せている。図37はある往路の記録走査が終了した時点
での画像記録状態を表している。1パス記録領域では、
全画像データのうち、16%の画素についてシアンが優
先色であるドットが記録されている。この段階で、被覆
率は約44%となっている。
【0248】隣接する2パス記録領域では、新たに34
%の画素データの記録が行われている。この領域では、
既に前回の復路記録走査で着弾されたドットが16%程
記録されているが、これらのドットはイエローが優先色
のドットである。今回新たに記録された34%のドット
がこれら先に記録されたドットに重複した場合には、裏
側に潜り込み、優先色は1パス目のドットとなってい
る。3パス以降の記録領域では全て25%ずつのテータ
が記録されており、ドットの優先色は上述と同様の規則
に従って背面側に潜り込んでいる。
【0249】この記録結果から明らかなように、2パス
までの段階で画像領域の殆どが埋め尽くされている。従
って、3パス以降のドットの優先色がシアンであろうと
イエローであろうと、画像全体の優先色には殆ど影響を
及ぼしていないのである。このように、従来の集中ドッ
ト記録法に擬似周期的配列を適用しつつ、1パス目およ
び2パス目のデータ記録率を被覆率が均等になるように
制御することにより、色むらのない双方向プリントが実
現可能となる。このように、従来例と同様の集中ドット
記録法を用いながらも、1パス目および2パス目のデー
タ記録率を、被覆率が均等になるように制御することに
より、少ない分割数で色むらのない双方向プリントが実
現可能となる。
【0250】すなわち、本実施形態によれば、集中ドッ
ト単位での擬似周期的マスクを用いつつ、1パス目と2
パス目のデータ記録率を制御することにより、双方向プ
リントに起因するテクスチャーや色むらのない滑らかな
画像を出力することが可能となった。
【0251】図38は4パスプリントにあって1パス目
と2パス目との被覆率を同等にした場合の各集中ドット
形態とデータ記録率との関係を示す。もし、各記録走査
でのデータ記録率を25%に固定したまま、集中ドット
法のみで色むらの発生を防止しようとすると、集中ドッ
トの大きさはかなり大きな値になってしまう。逆に、第
1実施形態と同様にデータ記録率のみを制御して4パス
プリントを実施しようとすると、1パス目のデータ記録
率は14%となり、マルチパスプリントの筋むら抑制の
効果が少なくなる傾向にある。
【0252】本発明および本実施形態が実現している写
真画質では、粒状感や筋むらが人間が視覚で認識できる
解像度限界を超えている。換言すれば、当該視覚解像度
以上あればそれ以上の高解像を求める必要性も少ない。
既に説明したように、集中ドットを大きくすることは、
それだけで被覆率を小さく設定でき、ひいては色むら発
生防止のために行っていたマルチパス数を少なくできる
ので、記録のスループットを向上する観点からも効果的
である。すなわち、集中ドットの構成単位を視覚的に感
知できない程度に設定しておく一方、データの記録率を
適切に設定することによって、マルチパス記録の効果が
十分得られるのであれば、色むらもなく、分割記録数も
最低限度に留められた双方向プリントが可能となる。
【0253】なお、ここでは各記録走査のすべてで4×
1画素の集中ドットマスクを用いたが、1パス目(ある
いは奇数番目のパス)のみ集中ドットマスクを用い、残
りの3パス(あるいは偶数番目のパス)では1ドット単
位のランダムマスクを用いるようにしてもよい。記録ド
ットの被覆面積を小さくしなければならない記録走査は
1パス目(あるいは優先色である奇数番目のパス)のみ
であり、2パス目以降(あるいは偶数番目のパス)はむ
しろ大きく設定すべきである。このようにすれば、実際
に記録される集中ドットの数も減り、画像全体もより滑
らかになることが期待される。
【0254】また、上述の各実施形態でそれぞれ例示し
た記録方法を複合的に採用した構成とすることもでき
る。すなわち、例えば図36で示したような記録を行う
8パスモード(第1モード)と、図37で示したような
集中ドットを用いる4パスモード(第2モード)とを具
備した構成とすることもできる。そして、ユーザの所望
に応じて各モードを切り替え、選択的に使用できるよう
になし、例えば画質を優先したい場合には8パスモード
を、あるいは速度を優先したい場合には集中ドットを用
いる4パスモードを選択することで、所望の記録物を適
宜得ることができるようになる。
【0255】さらに、各記録走査のみでなく同一記録走
査内でもいくつかの領域に分割し、各記録領域内で間引
き率が異なるようにマスクを適用するものでもよい。
【0256】図39(a)および(b)はその例を示
す。ここでは2×1の集中画素を用い、横方向のずらし
を入れ、かつ4パスの各領域を更に8分割し、それぞれ
の記録デューティ値を異ならせている。各領域の記録デ
ューティの状態が同図(a)であり、これに従って作成
されたマスク配列が同図(b)に示すものである。
【0257】このようなグラデーションをつけたマスク
の基本的構成は本出願人による特願2000−2529
38号に述べられている。これはランダムマスクを適用
したものであり、特に小粒径のインクを吐出する多数の
ノズルを具備した形態の記録装置で起こるヘッド端部の
白スジに対し有効となることが開示されている。
【0258】このようなグラデーションマスクに疑似周
期的配列を適用する場合には、作成するマスクの各記録
領域で記録許容画素数に上限を設け、その値に達したと
きにその領域に対しマスキングを行ってしまえば、図2
1あるいは図29で説明した手順により作成することが
できる。
【0259】次に、図33で説明した実施形態の変形例
を説明する。この例は写真画像を実現する記録装置であ
り、図11に示したようなヘッドを用いて、シアン、マ
ゼンタ、イエローおよびブラックの濃インクのほかに、
淡シアン(LC)および淡マゼンタ(LM)の淡インク
を加えた6色で画像を形成するものとする。
【0260】図40および図41は本例で用いるマスク
を示す。本例では、シアン、マゼンタおよびブラックの
3色については図40で示したマスクを、また淡シア
ン、淡マゼンタおよびイエローについては図41のマス
クを用いる。図40は1パス目のプリントデューティが
2パス目よりも低く、図41では逆に2パス目のデュー
ティの方が低くなっている。
【0261】すでに説明した色むらに関しては、1パス
目と2パス目の被覆率の差が大きな要因になるので、8
×4の集中画素を用いるのみでは色むらへの効果が不充
分な場合に被覆率が多くなりやすい1パス目のプリント
デューティをあらかじめ低くしておくと、色むらがより
低減される。よって、ここでは色むらのより目立ちやす
い濃インク(シアン、マゼンタ、ブラック)のみ図40
のマスクを用いる。
【0262】淡インクやイエローインクは他の3色に比
べ一般に記録ドット数が非常に多い。この場合、色むら
の問題以前に、1パス目と2パス目との記録間隔の差が
問題となってくる。2パスの双方向プリントを行う以
上、どうしてもプリント媒体の左右端で1パス目と2パ
ス目との間の時間が大きい領域と小さい領域とが副走査
幅毎に交互に存在してしまう。この場合、同じ記録マス
クを適用し、同じ記録方法でプリントを行っても時間間
隔が大きい方が小さい方よりも濃度が高くなることが確
認されている。この濃度差はプリントデューティが高い
ほど大きく現れるので、濃インクよりも記録ドット数の
多い淡インクのほうがより顕著に現れる。
【0263】この時間差むらを低減させるためには、2
パス目に記録するドット数をなるべく少なくし、時間差
の影響を及ぼさないようにするのが効果的である。よっ
て本実施形態では、記録デューティの高いイエロー、淡
シアン、淡マゼンタのみ1パス目の記録率を高くし、2
パス目をなるべく低くする構成を取っているのである。
【0264】しかし、本実施形態の効果はこのデューテ
ィ分布に限定されるものではない。各プリントモードや
各色インク毎に現れる弊害は異なるので、それぞれに適
したプリントデューティのマスクを独立に設けても、そ
れぞれが視覚的に好ましい擬似周期的マスク配列を用い
ている限り、本実施形態は効果的である。すなわち、集
中ドットの目立ち易さや色むら自体の自立ち易さは、記
録媒体や記録画像の種類によって異なるものである。従
って高品位の写真画像の形成を目的としたプリントモー
ドにおいても、記録媒体等の条件毎に集中ドットの大き
さやデータ記録率を適宜調整することができる。
【0265】いずれにせよ、本実施形態によれば、集中
ドット単位でのマスクを用いつつ、1パス目と2パス目
とのデータ記録率を制御して双方向記録を行うことによ
り、色むらもなく滑らかな画像をより高速に形成するこ
とが可能となった。
【0266】11.インターレース記録法への疑似周期
的マスクの適用 次に、擬似周期的配列のマスクパターンをインターレー
ス記録によって画像を完成させている構成のシリアルプ
リンタに応用した実施形態について説明する。
【0267】米国特許第4920355号や特開平7−
242025号公報に開示された技術のように、マルチ
ノズルの配列構成は低解像度にしておきながら、各記録
走査ごとの紙送り量をノズル列幅以下の所定の画素数分
にすることにより、高解像度の記録を実現しているもの
もある。このような記録方法を以下インターレース記録
法と称す。
【0268】図42を用いてこのインターレース記録方
法を簡単に説明する。ここでは300dpiピッチで吐
出口を配列したヘッドHを用いて1200dpiの画像
を完成させるものとする。簡単のため、吐出口数は9個
としており、各記録走査毎に行われる紙送り量は120
0dpiで9画素分としてある。往路で記録されるラス
タを実線、復路で記録されるラスタを破線で表してお
り、これらは互い違いに形成されて行くことがわかる。
【0269】ここでは、毎回9画素分ずつ一定量を紙送
りする例を挙げたが、インターレース記録はこの構成に
限ったものではない。吐出口の本来の配列ピッチよりも
細かいピッチの画像を複数の記録走査で完成させている
構成であれば、紙送り量が常に一定でなくともインター
レース記録方法であると言えるのであり、いずれにして
も、吐出口の本来の配列解像度よりも高い解像度での画
像記録が可能となる。
【0270】このようなインターレース記録の同一ライ
ンは1回のスキャンで完成させてしまうものもあるが、
さらに分割プリントを行うことでより良好な画像を形成
できる。よって、擬似周期的マスクをここに適用するこ
とも可能である。この場合、所期の効果を得るために
は、一度の走査で記録されるプリント媒体上でのドット
配列が擬似周期的配列になっていなければならず、従っ
て、これまでの実施形態で説明したような手法にて作成
したマスクをそのまま各記録素子に割り当てることはで
きない。
【0271】図42の記録装置を例に、本実施形態のマ
スク作成方法を説明する。図43に示すように、ここで
は、縦方向に36画素のエリアを持つマスクを作成する
ものとする。各画素は1200dpiのピッチで配列し
ているとし、各記録素子の記録位置は4ラスタおきに存
在する。ある1つの記録走査で用いるマスクを作成する
場合には、記録素子が位置しているラスタ以外を予めマ
スキングしておく(ハッチ部分)。その状態で、前述し
たような実施形態で説明したような斥力ポテンシャルを
計算し、記録許容画素位置を決定していく。
【0272】このようにすれば、図42で示したような
構成の記録装置でも、記録走査毎のドット位置を互いに
擬似周期的配列にすることが可能となり、記録走査毎の
ずれを極力目立ちにくくすることができる。
【0273】12.その他 なお、本発明が有効に用いられるヘッドの一形態は、電
気熱変換体が発生する熱エネルギーを利用して液体に膜
沸騰を生じさせ気泡を形成する形態である。
【0274】また、上述の本実施形態の処理を行うプロ
グラムについても、必ずしもプリント装置に予め組み込
まれるものでなくてもよく、画像データをプリント装置
に供給するホストコンピュータ側のプリンタドライバよ
り適宜供給されるものでもよい。
【0275】さらに、上述実施形態の機能を実現するソ
フトウェアまたはプリンタドライバのプログラムコード
を、プリント装置を含む様々なデバイスが接続された機
械またはシステム内のコンピュータに供給し、機械また
はシステムのコンピュータに格納されたプログラムコー
ドによって様々なデバイスを作動させることにより上述
実施形態の機能を実現するようにしたプリントシステム
も、本発明の範囲に含まれる。
【0276】この場合、プログラムコード自体が本発明
の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコ
ード自体、および通信や記憶媒体などによりプログラム
コードをコンピュータに供給する手段も、本発明の範囲
に含まれる。
【0277】図44は本発明方法を実行するプログラム
および関連データが記憶媒体から装置に供給される概念
例を示す。本発明方法を実行するプログラムおよび関連
データは、フロッピー(登録商標)ディスクやCD−R
OM等の記憶媒体3101をプリンタPRNTに対する
ホストをなす装置3102に装備された記憶媒体ドライ
ブ挿入口3103に挿入することで供給される。その
後、プログラムおよび関連データを記憶媒3101体か
ら一旦ハードディスクにインストールし、ハードディス
クからRAMにロードするか、あるいはハードディスク
にインストールせずに直接RAMにロードすることで、
プログラムおよび関連データを実行することが可能とな
る。
【0278】プログラムコードを供給するための記憶媒
体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク
やCD−ROMのほか、ハードディスク、光ディスク、
光磁気ディスク、、CD−R、磁気テープ、不揮発性の
メモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0279】また、コンピュータが読み出したプログラ
ムコードを実行することにより、前述した実施形態の機
能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指
示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが
実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって
本実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0280】さらに、記憶媒体から読み出されたプログ
ラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボー
ドやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わ
るメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指
示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに
備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行
い、その処理によって本実施形態の機能が実現される場
合も含まれる。
【0281】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複数のインク吐出口を配列したプリントヘッドを用い
て、複数のインク吐出口の配列方向と垂直な方向にプリ
ント走査を行うとともに、複数のインク吐出口の配列と
平行な方向に順次紙送りを行うことにより、プリント媒
体上に画像を完成させていくシリアル型のインクジェッ
トプリント装置にあって、プリント許容画素と非プリン
ト許容画素からなる画素配列が互いに補完の関係にある
複数の画素配列を用いながら複数回のプリント走査で紙
面上に画像を完成されるマルチパスプリント法を採用す
るとともに、1回のプリント走査でプリント媒体上にプ
リントされた画素配列が視覚的に好ましくなるような配
列(例えば擬似周期的配列)となるようにすることによ
り、プリント中のプリント媒体表面に縦方向あるいは横
方向のインク着弾位置ずれが起こったとしても、ざらつ
きの少ない安定した画像を得ることができるようになっ
た。ここで、複数回のプリント走査に双方向プリントを
適用することで、ざらつきの少ない安定した画像をより
高速に得ることができるようになる。
【0282】また、本発明によれば、上記配列のマスク
を用いつつ、あるプリント領域への1パス目のデータ記
録率を2パス目以降のデータ記録率よりも少なく設定す
ることにより、色むらのなく滑らかな画像をより高速に
記録することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるインクジェットプリ
ンタの外観構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示すものの外装部材を取り外した状態を
示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に用いる記録ヘッドカートリ
ッジを組立てた状態を示す斜視図である。
【図4】図3に示す記録ヘッドカートリッジを示す分解
斜視図である。
【図5】図4に示した記録ヘッドを斜め下方から観た分
解斜視図である。
【図6】本発明の実施形態におけるスキャナカートリッ
ジを示す斜視図である。
【図7】本発明の実施形態における電気的回路の全体構
成を概略的に示すブロック図である。
【図8】図7に示したメインPCBの内部構成を示すブ
ロック図である。
【図9】図8に示したASICの内部構成を示すブロッ
ク図である。
【図10】本発明の実施形態の動作を示すフローチャー
トである。
【図11】本発明の第1実施形態において採用した記録
ヘッドのノズル配列を示す図である。
【図12】本発明の第1の実施形態に適用される実施形
態に係る疑似周期的マスクを適用する構成を説明するた
めにインクジェットプリンタを簡略かつ模式的に表した
図である。
【図13】(a)〜(c)は図12のマスク処理部によ
り画像バッファおよびマスクバッファから記録ヘッド制
御信号を生成する手順を説明するための図であり、第1
の走査(1パス目)における記録ヘッド制御信号を生成
するためのマスク処理を示した説明図である。
【図14】(a)〜(c)は図12のマスク処理部によ
り画像バッファおよびマスクバッファから記録ヘッド制
御信号を生成する手順を説明するための図であり、第2
の走査(2パス目)における記録ヘッド制御信号を生成
するためのマスク処理を示した説明図である。
【図15】(a)〜(c)は図12のマスク処理部によ
り画像バッファおよびマスクバッファから記録ヘッド制
御信号を生成する手順を説明するための図であり、第3
の走査(3パス目)における記録ヘッド制御信号を生成
するためのマスク処理を示した説明図である。
【図16】(a)〜(c)は図12のマスク処理部によ
り画像バッファおよびマスクバッファから記録ヘッド制
御信号を生成する手順を説明するための図であり、第4
の走査(4パス目)における記録ヘッド制御信号を生成
するためのマスク処理を示した説明図である。
【図17】本発明の一実施形態における母マスクデータ
の作成手順の一例を示すフローチャートである。
【図18】母マスクデータの作成にあたって適用される
マスク位置に対するポテンシャルの一例を示す図であ
る。
【図19】ポテンシャルの裾がマスクの領域を越える場
合の計算方法を示す説明図である。
【図20】図14のマスク処理部によりマスクバッファ
に格納されるマスクデータの生成手順の一例を示すフロ
ーチャートである。
【図21】本発明の他の実施形態によるマスクデータの
作成手順の一例を示すフローチャートである。
【図22】図21の手順によって作成された疑似周期的
配列のマスクを示す図である。
【図23】図22のマスクの比較例としてのランダムマ
スクを示す図である。
【図24】図22のマスクを用いて双方向プリントを行
う場合において往路プリントのみのマスクデータの和を
示す図である。
【図25】図22のマスクを用いて双方向プリントを行
う場合において復路プリントのみのマスクデータの和を
示す図である。
【図26】図23のマスクを用いて双方向プリントを行
う場合において往路プリントのみのマスクデータの和を
示す図である。
【図27】図23のマスクを用いて双方向プリントを行
う場合において復路プリントのみのマスクデータの和を
示す図である。
【図28】本発明のさらに他の実施形態で用いる集中ド
ットの構成単位を説明するための図である。
【図29】集中画素マスクに疑似周期的配列を適用する
実施形態で用いるマスク作成手順の一例を示したフロー
チャートである。
【図30】図29の手順により作成されたマスクを拡大
して示す図である。
【図31】図29の手順のうち、ずらしを行う処理を省
いて作成されたマスクを拡大して示す図である。
【図32】副走査方向に隣接する数ドットによる集中画
素マスクに疑似周期的配列を適用するとともに、集中ド
ットをランダムに副走査方向にずらして配列したマスク
を部分的に拡大して示す図である。
【図33】サイズが比較的大きい集中ドットに擬似周期
的を適用した実施形態のマスクを示す図である。
【図34】図33に示したものと同じサイズの集中ドッ
トをランダムに配列したマスクを示す図である。
【図35】マルチパス記録(プリント)法において、1
パス目と2パス目とのデータ記録率を1%刻みで変化さ
せて実験した場合の色むらの評価結果を示す図である。
【図36】色むらの発生を抑制するためのパス毎の記録
データ数の制御を行う際に疑似周期的マスクを適用した
実施形態を説明するための図である。
【図37】色むらの発生を抑制するために記録走査毎の
記録データ数の制御を行う際に、疑似周期的マスクを適
用した他の実施形態を説明するための図である。
【図38】図37の実施形態による効果を説明するため
の表図である。
【図39】(a)および(b)は、各記録走査に加え同
一記録走査内でも領域分割を行い、各記録領域内で間引
き率が異なるようにした疑似周期的マスクを適用する実
施形態の説明図である。
【図40】図33で説明した実施形態の変形例に係り、
濃色のドットに適用されるマスクを示す図である。
【図41】図33で説明した実施形態の変形例に係り、
淡色のドットに適用されるマスクを示す図である。
【図42】インターレース記録法を説明するための図で
ある。
【図43】図42のインターレース記録法に疑似周期的
マスク配列を適用する場合のマスク作成方法を説明する
ための図である。
【図44】本発明方法を実行するプログラムおよび関連
データが記憶媒体から装置に供給される概念例を示す説
明図である。
【図45】シリアル型カラープリンタを簡略化して示す
斜視図である。
【図46】図45の装置に適用可能な記録ヘッドのノズ
ル配列を示す図である。
【図47】(a)〜(c)はインクジェット記録が理想
的に行なわれる状態を示す説明図である。
【図48】(a)〜(c)はインクジェット記録におい
て生じうる濃度むら発生状態を示す説明図である。
【図49】(a)〜(c)は図48において説明した濃
度むらの発生を防止するためのマルチパスプリントの原
理を説明するための説明図である。
【図50】記録インクを記録媒体に着弾させるときの状
態であり、(a)および(b)は異なる2色のインクド
ットを時間をおいて殆ど隣接した位置に吸収(記録)さ
せた場合を示す説明図である。
【図51】(a)〜(c)はマルチパスプリント法で双
方向プリントを行った場合の記録媒体へのインク浸透状
態を説明するための説明図である。
【図52】マルチパスプリント法で双方向プリントを行
った場合の記録媒体上の記録状態を説明するための模式
的平面図である。
【符号の説明】
M1000 装置本体 M1001 下ケース M1002 上ケース M1003 アクセスカバー M1004 排出トレイ M2015 紙間調整レバー M2003 排紙ローラ M3001 LFローラ M3019 シャーシ M3022 自動給送部 M3029 搬送部 M3030 排出部 M4001 キャリッジ M4002 キャリッジカバー M4007 ヘッドセットレバー M4021 キャリッジ軸 M5000 回復系ユニット M6000 スキャナ M6001 スキャナホルダ M6003 スキャナカバー M6004 スキャナコンタクトPCB M6005 スキャナ照明レンズ M6006 スキャナ読取レンズ1 M6100 保管箱 M6101 保管箱ベース M6102 保管箱カバー M6103 保管箱キャップ M6104 保管箱バネ E0001 キャリッジモータ E0002 LFモータ E0003 PGモータ E0004 エンコーダセンサ E0005 エンコーダスケール E0006 インクエンプティセンサ E0007 PEセンサ E0008 GAPセンサ(紙間センサ) E0009 ASFセンサ E0010 PGセンサ E0011 コンタクトFPC(フレキシフ゛ルフ゜リントケーフ゛ル) E0012 CRFFC(フレキシフ゛ルフラットケーフ゛ル) E0013 キャリッジ基板 E0014 メイン基板 E0015 電源ユニット E0016 パラレルI/F E0017 シリアルI/F E0018 電源キー E0019 レジュームキー E0020 LED E0021 ブザー E0022 カバーセンサ E1001 CPU E1002 OSC(CPU内蔵オシレータ) E1003 A/D(CPU内蔵A/Dコンバータ) E1004 ROM E1005 発振回路 E1006 ASIC E1007 リセット回路 E1008 CRモータドライバ E1009 LF/PGモータドライバ E1010 電源制御回路 E1011 INKS(インクエンド検出信号) E1012 TH(サーミスタ温度検出信号) E1013 HSENS(ヘッド検出信号) E1014 制御バス E1015 RESET(リセット信号) E1016 RESUME(レジュームキー入力) E1017 POWER(電源キー入力) E1018 BUZ(ブザー信号) E1019 発振回路出力信号 E1020 ENC(エンコーダ信号) E1021 ヘッド制御信号 E1022 VHON(ヘッド電源ON信号) E1023 VMON(モータ電源ON信号) E1024 電源制御信号 E1025 PES(PE検出信号) E1026 ASFS(ASF検出信号) E1027 GAPS(GAP検出信号) E0028 シリアルI/F信号 E1029 シリアルI/Fケーブル E1030 パラレルI/F信号 E1031 パラレルI/Fケーブル E1032 PGS(PG検出信号) E1033 PM制御信号(パルスモータ制御信号) E1034 PGモータ駆動信号 E1035 LFモータ駆動信号 E1036 CRモータ制御信号 E1037 CRモータ駆動信号 E0038 LED駆動信号 E1039 VH(ヘッド電源) E1040 VM(モータ電源) E1041 VDD(ロジック電源) E1042 COVS(カバー検出信号) E2001 CPU I/F E2002 PLL E2003 DMA制御部 E2004 DRAM制御部 E2005 DRAM E2006 1284 I/F E2007 USB I/F E2008 受信制御部 E2009 圧縮・伸長DMA E2010 受信バッファ E2011 ワークバッファ E2012 ワークエリアDMA E2013 記録バッファ転送DMA E2014 プリントバッファ E2015 記録データ展開DMA E2016 展開用データバッファ E2017 カラムバッファ E2018 ヘッド制御部 E2019 エンコーダ信号処理部 E2020 CRモータ制御部 E2021 LF/PGモータ制御部 E2022 センサ信号処理部 E2023 モータ制御バッファ E2024 スキャナ取込みバッファ E2025 スキャナデータ処理DMA E2026 スキャナデータバッファ E2027 スキャナデータ圧縮DMA E2028 送出バッファ E2029 ポート制御部 E2030 LED制御部 E2031 CLK(クロック信号) E2032 PDWM(ソフト制御信号) E2033 PLLON(PLL制御信号) E2034 INT(割り込み信号) E2036 PIF受信データ E2037 USB受信データ E2038 WDIF(受信データ/ラスタデータ) E2039 受信バッファ制御部 E2040 RDWK(受信バッファ読み出しデータ/
ラスタデータ) E2041 WDWK(ワークバッファ書込みデータ/
記録コード) E2042 WDWF(ワークフィルデータ) E2043 RDWP(ワークバッファ読み出しデータ
/記録コード) E2044 WDWP(並べ替え記録コード) E2045 RDHDG(記録展開用データ) E2047 WDHDG(カラムバッファ書込みデータ
/展開記録データ) E2048 RDHD(カラムバッファ読み出しデータ
/展開記録データ) E2049 ヘッド駆動タイミング信号 E2050 データ展開タイミング信号 E2051 RDPM(パルスモータ駆動テーブル読み
出しデータ) E2052 センサ検出信号 E2053 WDHD(取込みデータ) E2054 RDAV(取込みバッファ読み出しデー
タ) E2055 WDAV(データバッファ書込みデータ/
処理済データ) E2056 RDYC(データバッファ読み出しデータ
/処理済データ) E2057 WDYC(送出バッファ書込みデータ/圧
縮データ) E2058 RDUSB(USB送信データ/圧縮デー
タ) E2059 RDPIF(1284送信データ) H1000 記録ヘッドカートリッジ H1001 記録ヘッド H1100 記録素子基板 H1100T 吐出口 H1200 第1のプレート H1201 インク供給口 H1300 電気配線基板 H1301 外部信号入力端子 H1400 第2のプレート H1500 タンクホルダー H1501 インク流路 H1600 流路形成部材 H1700 フィルター H1800 シールゴム H1900 インクタンク 300 画像データ入力端子 301 画像バッファ 302 アドレスカウンタ 303 マスク生成部 304 マスクバッファ 305 マスク処理部 306 母マスクメモリ 307 プリンタ本体 309 主走査装置 311 記録媒体 310 搬送装置 3101 記憶媒体 3102 ホスト装置 3103 記憶媒体ドライブ挿入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田鹿 博司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 今野 裕司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 川床 徳宏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 枝村 哲也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小笠原 隆行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 前田 哲宏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 増山 充彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA01 EA04 EA11 EC12 EC34 EC69 EC74 EE08 FA11 HA22 2C057 AF21 AM28 AN01 BA13 5C074 AA09 BB16 CC26 DD05 DD06 DD15 5C079 HB03 KA01 KA12 LC11 NA02 NA11 PA01 PA02 PA03

Claims (59)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するための複数の吐出口を
    配列してなるプリントヘッドを用いるプリント方法であ
    って、 前記プリントヘッドを前記複数の吐出口の配列方向とは
    異なる主走査方向に走査させるとともに、前記複数の吐
    出口の配列幅未満の量ずつ前記プリント媒体を前記主走
    査方向と直交する副走査方向に相対的に搬送して同一画
    像領域に対しては相補的な関係にある画素配列に従った
    複数回の前記主走査にてプリント媒体上に画像の形成を
    行う工程と、 前記相補的な画素配列に、前記複数回の主走査のそれぞ
    れでのプリント許容画素と非プリント許容画素との配置
    が視覚的に好ましくなるような、低周波成分が少なくか
    つ分散性の高いマスク配列を適用する工程と、を具えた
    ことを特徴とするプリント方法。
  2. 【請求項2】 前記マスク配列は疑似周期的マスク配列
    であることを特徴とする請求項1に記載のプリント方
    法。
  3. 【請求項3】 前記所定の画素数の広がりを持つマスク
    エリア内で前記疑似周期的マスク配列を生成する工程を
    さらに具え、該工程は、前記マスクエリア内で初期プリ
    ント許容画素をランダムに設定する第1工程と、設定さ
    れたすべてのプリント許容画素位置に対して所定の斥力
    ポテンシャルを付与する第2工程と、該ポテンシャルの
    和が最小となる前記マスクエリア内の位置の画素を新た
    なプリント許容画素として設定する第3工程と、前記第
    2工程および前記第3工程を前記マスクエリア内のすべ
    ての位置の画素がプリント許容画素となるまで繰り返す
    第4工程と、を有することを特徴とする請求項2に記載
    のプリント方法。
  4. 【請求項4】 前記所定の画素数の広がりを持つマスク
    エリア内で前記疑似周期的マスク配列を生成する工程を
    さらに具え、該工程は、前記マスクエリア内を前記複数
    回行われる前記主走査に対応して前記マスクエリアを複
    数の領域に分割する第1工程と、少なくとも一つの前記
    領域内で少なくとも一つの初期プリント許容画素をラン
    ダムに設定する第2工程と、設定されたすべてのプリン
    ト許容画素に位置的に対応する他の前記領域の画素を非
    プリント許容画素として設定する第2工程と、設定され
    たすべてのプリント許容画素の位置に所定の斥力ポテン
    シャルを付与する第3工程と、前記非プリント許容画素
    として設定されたものを除き、前記ポテンシャルの和が
    最小となる前記マスクエリア内の位置の画素を新たなプ
    リント許容画素として設定する第4工程と、前記マスク
    エリア内の画素数を前記領域の数で除した数の画素がプ
    リント許容画素となるまで、前記第2工程から前記第4
    工程を繰り返す第5工程と、を有することを特徴とする
    請求項2に記載のプリント方法。
  5. 【請求項5】 前記斥力ポテンシャルは、プリント画素
    からの位置に従って減衰する関数で表されることを特徴
    とする請求項3または4に記載のプリント方法。
  6. 【請求項6】 前記マスク配列はブルーノイズ特性を持
    つマスク配列であることを特徴とする請求項1に記載の
    プリント方法。
  7. 【請求項7】 前記複数回の主走査のうち少なくとも第
    1番目の主走査に適用される前記マスク配列が、前記主
    走査方向にm画素および前記副走査方向にn画素(m,
    nは整数。ただし少なくとも一方は2以上)のサイズを
    持つ集中画素を単位として規定されることを特徴とする
    請求項1に記載のプリント方法。
  8. 【請求項8】 前記マスク配列は、前記集中画素を単位
    とした疑似周期的マスク配列であることを特徴とする請
    求項7に記載のプリント方法。
  9. 【請求項9】 前記mは2以上の整数であり、近接する
    前記集中画素は互いに、1画素以上m画素未満の範囲に
    わたって前記副走査方向に重畳するよう配列されている
    ことを特徴とする請求項8に記載のプリント方法。
  10. 【請求項10】 前記nは2以上の整数であり、近接す
    る前記集中画素は互いに、1画素以上n画素未満の範囲
    にわたって前記主走査方向に重畳するよう配列されてい
    ることを特徴とする請求項8に記載のプリント方法。
  11. 【請求項11】 色調を異にする複数のインクに対応し
    て前記吐出口の配列を複数有し、1回の前記主走査に適
    用される前記マスク配列を前記色調に応じて異ならせる
    ことを特徴とする請求項1に記載のプリント方法。
  12. 【請求項12】 前記画像形成工程では、前記同一画像
    領域に対し往方向および復方向についてそれぞれ少なく
    とも2回の前記主走査が行われ、前記少なくとも2回の
    往方向の主走査に適用される前記マスク配列の和、およ
    び/または前記少なくとも2回の復方向の主走査に適用
    される前記マスク配列の和についても、前記プリント許
    容画素と前記非プリント許容画素との配置が視覚的に好
    ましくなるような、低周波成分が少なくかつ分散性の高
    い配列であることを特徴とする請求項1に記載のプリン
    ト方法。
  13. 【請求項13】 前記画像形成工程では、前記同一画像
    領域に対し往方向および復方向についてそれぞれ少なく
    とも2回の前記主走査が行われ、前記少なくとも2回の
    往方向の主走査に適用される前記マスク配列の和、およ
    び/または前記少なくとも2回の復方向の主走査に適用
    される前記マスク配列の和が、前記主走査方向にm画素
    および前記副走査方向にn画素(m,nは整数。ただし
    少なくとも一方は2以上)のサイズを持つ集中画素を単
    位とした画素配列であることを特徴とする請求項1に記
    載のプリント方法。
  14. 【請求項14】 前記少なくとも2回の往方向の主走査
    に適用される前記マスク配列の和、および/または前記
    少なくとも2回の復方向の主走査に適用される前記マス
    ク配列の和についても、前記プリント許容画素と前記非
    プリント許容画素との配置が視覚的に好ましくなるよう
    な、低周波成分が少なくかつ分散性の高い配列であるこ
    とを特徴とする請求項13に記載のプリント方法。
  15. 【請求項15】 前記マスク配列は、前記プリント対象
    として入力される画像を2値化処理した際のマスク配列
    と同期しないことを特徴とする請求項1に記載のプリン
    ト方法。
  16. 【請求項16】 前記プリントヘッドには前記複数の吐
    出口が前記搬送のピッチの整数倍の間隔をもって前記副
    走査方向に配列され、前記画像形成工程は前記複数回の
    主走査と前記搬送とを行うことで前記画像形成を行うも
    のであり、前記適用工程は、1回の前記主走査でプリン
    トされる前記画素配列に、視覚的に好ましくなるような
    低周波成分が少なくかつ分散性の高いマスク配列を適用
    することを特徴とする請求項1に記載のプリント方法。
  17. 【請求項17】 前記画像形成に際し、前記同一画像領
    域に対する全体のデータプリント量に対する前記複数回
    の主走査のうちの奇数番目の主走査におけるデータプリ
    ント量の比率の和を、前記複数回の主走査のうちの偶数
    番目の主走査におけるデータプリント量の比率の和より
    小となるよう制御する工程をさらに具えたことを特徴と
    する請求項1に記載のプリント方法。
  18. 【請求項18】 前記複数回の主走査のうちの第1番目
    の主走査におけるデータプリント量の前記比率を第2番
    目の主走査におけるデータプリント量の前記比率より小
    とすることを特徴とする請求項17に記載のプリント方
    法。
  19. 【請求項19】 前記同一画像領域に対し3回以上の前
    記主走査を行うとともに、第3番目以降の主走査におけ
    るデータプリント量の前記比率を、第1番目の主走査に
    おけるデータプリント量の前記比率より大とし、第2番
    目の主走査におけるデータプリント量の前記比率より小
    とすることを特徴とする請求項17または18に記載の
    プリント方法。
  20. 【請求項20】 前記第1番目の主走査および前記第2
    番目の主走査での形成ドットによる前記プリント媒体の
    被覆率の和を50%より大とすることを特徴とする請求
    項19に記載のプリント方法。
  21. 【請求項21】 前記複数回の主走査のうち少なくとも
    第1番目の主走査に適用される前記マスク配列が、前記
    主走査方向にm画素および前記副走査方向にn画素
    (m,nは整数。ただし少なくとも一方は2以上)のサ
    イズを持つ集中画素を単位として規定されることを特徴
    とする請求項17ないし20のいずれかに記載のプリン
    ト方法。
  22. 【請求項22】 前記画像形成に際し、前記複数回の主
    走査のうちの第1番目の主走査におけるデータプリント
    量の前記比率を第2番目の主走査におけるデータプリン
    ト量の前記比率より小とするとともに、前記第1番目の
    主走査および前記第2番目の主走査での形成ドットによ
    る前記プリント媒体の被覆率の和を50%より大となる
    よう制御する工程をさらに具えたことを特徴とする請求
    項1に記載のプリント方法。
  23. 【請求項23】 前記第1番目の主走査および前記第2
    番目の主走査での形成ドットによる前記プリント媒体の
    それぞれの被覆率をほぼ等しくしたことを特徴とする請
    求項22に記載のプリント方法。
  24. 【請求項24】 前記画像形成に際し、前記同一画像領
    域に対する全体のデータプリント量に対する前記複数回
    の主走査のうちの奇数番目の主走査におけるデータプリ
    ント量の比率の和を、前記複数回の主走査のうちの偶数
    番目の主走査におけるデータプリント量の比率の和より
    小となるよう制御する第1制御工程と、 該第1制御工程より少ない複数回の主走査として前記第
    1制御工程と同様の制御を行うとともに、当該複数回の
    主走査のうち少なくとも第1番目の主走査での画素の配
    列を、前記主走査方向にm画素および前記副走査方向に
    n画素(m,nは整数。ただし少なくとも一方は2以
    上)の画素群を単位として規定する第2制御工程と、を
    さらに具えたことを特徴とする請求項1に記載のプリン
    ト方法。
  25. 【請求項25】 前記第1制御工程と第2制御工程との
    切換え選択を可能としたことを特徴とする請求項24に
    記載のプリント方法。
  26. 【請求項26】 前記プリント媒体上に画像の形成を行
    う前記複数回の主走査には、往方向の主走査および復方
    向の主走査が含まれることを特徴とする請求項1ないし
    25のいずれかに記載のプリント方法。
  27. 【請求項27】 前記プリントヘッドは、前記複数の吐
    出口の列を、色調を異にするインクに対応して複数、前
    記主走査の方向に並列に有することを特徴とする請求項
    1ないし26のいずれかに記載のプリント方法。
  28. 【請求項28】 前記プリントヘッドは、前記吐出口か
    らインクを吐出するために利用されるエネルギとしてイ
    ンクに膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生する発熱素
    子を有することを特徴とする請求項1ないし27のいず
    れかに記載のプリント方法。
  29. 【請求項29】 インクを吐出するための複数の吐出口
    を配列してなるプリントヘッドを用いるプリント装置で
    あって、 前記プリントヘッドを前記複数の吐出口の配列方向とは
    異なる主走査方向に往復走査させるとともに、前記複数
    の吐出口の配列幅未満の量ずつ前記プリント媒体を前記
    主走査方向と直交する副走査方向に相対的に搬送して同
    一画像領域に対しては相補的な関係にある画素配列に従
    った複数回の前記主走査にてプリント媒体上に画像の形
    成を行う手段と、 前記相補的な画素配列に、前記複数回の主走査のそれぞ
    れでのプリント許容画素と非プリント許容画素との配置
    が視覚的に好ましくなるような、低周波成分が少なくか
    つ分散性の高いマスク配列を適用する手段と、を具えた
    ことを特徴とするプリント装置。
  30. 【請求項30】 前記マスク配列は疑似周期的マスク配
    列であることを特徴とする請求項29に記載のプリント
    装置。
  31. 【請求項31】 前記所定の画素数の広がりを持つマス
    クエリア内で前記疑似周期的マスク配列を生成する手段
    をさらに具え、該手段は、前記マスクエリア内で初期プ
    リント許容画素をランダムに設定する第1手段と、設定
    されたすべてのプリント許容画素位置に対して所定の斥
    力ポテンシャルを付与する第2手段と、該ポテンシャル
    の和が最小となる前記マスクエリア内の位置の画素を新
    たなプリント許容画素として設定する第3手段と、前記
    第2手段および前記第3手段による処理を前記マスクエ
    リア内のすべての位置の画素がプリント許容画素となる
    まで繰り返させる第4手段と、を有することを特徴とす
    る請求項30に記載のプリント装置。
  32. 【請求項32】 前記所定の画素数の広がりを持つマス
    クエリア内で前記疑似周期的マスク配列を生成する手段
    をさらに具え、該手段は、前記マスクエリア内を前記複
    数回行われる前記主走査に対応して前記マスクエリアを
    複数の領域に分割する第1手段と、少なくとも一つの前
    記領域内で少なくとも一つの初期プリント許容画素をラ
    ンダムに設定する第2手段と、設定されたすべてのプリ
    ント許容画素に位置的に対応する他の前記領域の画素を
    非プリント許容画素として設定する第2手段と、設定さ
    れたすべてのプリント許容画素の位置に所定の斥力ポテ
    ンシャルを付与する第3手段と、前記非プリント許容画
    素として設定されたものを除き、前記ポテンシャルの和
    が最小となる前記マスクエリア内の位置の画素を新たな
    プリント許容画素として設定する第4手段と、前記マス
    クエリア内の画素数を前記領域の数で除した数の画素が
    プリント許容画素となるまで、前記第2手段による処理
    から前記第4手段による処理を繰り返させる第5手段
    と、を有することを特徴とする請求項30に記載のプリ
    ント装置。
  33. 【請求項33】 前記斥力ポテンシャルは、プリント画
    素からの位置に従って減衰する関数で表されることを特
    徴とする請求項31または32に記載のプリント装置。
  34. 【請求項34】 前記マスク配列はブルーノイズ特性を
    持つマスク配列であることを特徴とする請求項29に記
    載のプリント装置。
  35. 【請求項35】 前記複数回の主走査のうち少なくとも
    第1番目の主走査に適用される前記マスク配列が、前記
    主走査方向にm画素および前記副走査方向にn画素
    (m,nは整数。ただし少なくとも一方は2以上)のサ
    イズを持つ集中画素を単位として規定されることを特徴
    とする請求項29に記載のプリント装置。
  36. 【請求項36】 前記マスク配列は、前記集中画素を単
    位とした疑似周期的マスク配列であることを特徴とする
    請求項35に記載のプリント装置。
  37. 【請求項37】 前記mは2以上の整数であり、近接す
    る前記集中画素は互いに、1画素以上m画素未満の範囲
    にわたって前記副走査方向に重畳するよう配列されてい
    ることを特徴とする請求項36に記載のプリント装置。
  38. 【請求項38】 前記nは2以上の整数であり、近接す
    る前記集中画素は互いに、1画素以上n画素未満の範囲
    にわたって前記主走査方向に重畳するよう配列されてい
    ることを特徴とする請求項36に記載のプリント装置。
  39. 【請求項39】 色調を異にする複数のインクに対応し
    て前記吐出口の配列を複数有し、1回の前記主走査に適
    用される前記マスク配列を前記色調に応じて異ならせる
    ことを特徴とする請求項29に記載のプリント装置。
  40. 【請求項40】 前記画像形成手段により、前記同一画
    像領域に対し往方向および復方向についてそれぞれ少な
    くとも2回の前記主走査が行われ、前記少なくとも2回
    の往方向の主走査に適用される前記マスク配列の和、お
    よび/または前記少なくとも2回の復方向の主走査に適
    用される前記マスク配列の和についても、前記プリント
    許容画素と前記非プリント許容画素との配置が視覚的に
    好ましくなるような、低周波成分が少なくかつ分散性の
    高い配列であることを特徴とする請求項29に記載のプ
    リント装置。
  41. 【請求項41】 前記画像形成手段により、前記同一画
    像領域に対し往方向および復方向についてそれぞれ少な
    くとも2回の前記主走査が行われ、前記少なくとも2回
    の往方向の主走査に適用される前記マスク配列の和、お
    よび/または前記少なくとも2回の復方向の主走査に適
    用される前記マスク配列の和が、前記主走査方向にm画
    素および前記副走査方向にn画素(m,nは整数。ただ
    し少なくとも一方は2以上)のサイズを持つ集中画素を
    単位とした画素配列であることを特徴とする請求項29
    に記載のプリント装置。
  42. 【請求項42】 前記少なくとも2回の往方向の主走査
    に適用される前記マスク配列の和、および/または前記
    少なくとも2回の復方向の主走査に適用される前記マス
    ク配列の和についても、前記プリント許容画素と前記非
    プリント許容画素との配置が視覚的に好ましくなるよう
    な、低周波成分が少なくかつ分散性の高い配列であるこ
    とを特徴とする請求項41に記載のプリント装置。
  43. 【請求項43】 前記マスク配列は、前記プリント対象
    として入力される画像を2値化処理した際のマスク配列
    と同期しないことを特徴とする請求項29に記載のプリ
    ント装置。
  44. 【請求項44】 前記プリントヘッドには前記複数の吐
    出口が前記搬送のピッチの整数倍の間隔をもって前記副
    走査方向に配列され、前記画像形成手段は前記複数回の
    主走査と前記搬送とを行うことで前記画像形成を行うも
    のであり、前記適用手段は、1回の前記主走査でプリン
    トされる前記画素配列に、視覚的に好ましくなるような
    低周波成分が少なくかつ分散性の高いマスク配列を適用
    することを特徴とする請求項29に記載のプリント装
    置。
  45. 【請求項45】 前記画像形成に際し、前記同一画像領
    域に対する全体のデータプリント量に対する前記複数回
    の主走査のうちの奇数番目の主走査におけるデータプリ
    ント量の比率の和を、前記複数回の主走査のうちの偶数
    番目の主走査におけるデータプリント量の比率の和より
    小となるよう制御する手段をさらに具えたことを特徴と
    する請求項29に記載のプリント装置。
  46. 【請求項46】 前記複数回の主走査のうちの第1番目
    の主走査におけるデータプリント量の前記比率を第2番
    目の主走査におけるデータプリント量の前記比率より小
    とすることを特徴とする請求項45に記載のプリント装
    置。
  47. 【請求項47】 前記同一画像領域に対し3回以上の前
    記主走査を行うとともに、第3番目以降の主走査におけ
    るデータプリント量の前記比率を、第1番目の主走査に
    おけるデータプリント量の前記比率より大とし、第2番
    目の主走査におけるデータプリント量の前記比率より小
    とすることを特徴とする請求項45または46に記載の
    プリント装置。
  48. 【請求項48】 前記第1番目の主走査および前記第2
    番目の主走査での形成ドットによる前記プリント媒体の
    被覆率の和を50%より大とすることを特徴とする請求
    項47に記載のプリント装置。
  49. 【請求項49】 前記複数回の主走査のうち少なくとも
    第1番目の主走査に適用される前記マスク配列が、前記
    主走査方向にm画素および前記副走査方向にn画素
    (m,nは整数。ただし少なくとも一方は2以上)のサ
    イズを持つ集中画素を単位として規定されることを特徴
    とする請求項45ないし48のいずれかに記載のプリン
    ト装置。
  50. 【請求項50】 前記画像形成に際し、前記複数回の主
    走査のうちの第1番目の主走査におけるデータプリント
    量の前記比率を第2番目の主走査におけるデータプリン
    ト量の前記比率より小とするとともに、前記第1番目の
    主走査および前記第2番目の主走査での形成ドットによ
    る前記プリント媒体の被覆率の和を50%より大となる
    よう制御する手段をさらに具えたことを特徴とする請求
    項29に記載のプリント装置。
  51. 【請求項51】 前記第1番目の主走査および前記第2
    番目の主走査での形成ドットによる前記プリント媒体の
    それぞれの被覆率をほぼ等しくしたことを特徴とする請
    求項50に記載のプリント装置。
  52. 【請求項52】 前記画像形成に際し、前記同一画像領
    域に対する全体のデータプリント量に対する前記複数回
    の主走査のうちの奇数番目の主走査におけるデータプリ
    ント量の比率の和を、前記複数回の主走査のうちの偶数
    番目の主走査におけるデータプリント量の比率の和より
    小となるよう制御する第1制御モードと、 該第1制御モードより少ない複数回の主走査として前記
    第1制御モードと同様の制御を行うとともに、当該複数
    回の主走査のうち少なくとも第1番目の主走査での画素
    の配列を、前記主走査方向にm画素および前記副走査方
    向にn画素(m,nは整数。ただし少なくとも一方は2
    以上)の画素群を単位として規定する第2制御モード
    と、 をさらに具えたことを特徴とする請求項29に記載のプ
    リント装置。
  53. 【請求項53】 前記第1制御モードと第2制御モード
    との切換え選択を可能としたことを特徴とする請求項5
    2に記載のプリント装置。
  54. 【請求項54】 前記プリント媒体上に画像の形成を行
    う前記複数回の主走査には、往方向の主走査および復方
    向の主走査が含まれることを特徴とする請求項29ない
    し53のいずれかに記載のプリント方法。
  55. 【請求項55】 前記プリントヘッドは、前記複数の吐
    出口の列を、色調を異にするインクに対応して複数、前
    記走査の方向に並列に有することを特徴とする請求項2
    9ないし54のいずれかに記載のプリント装置。
  56. 【請求項56】 前記プリントヘッドは、前記吐出口か
    らインクを吐出するために利用されるエネルギとしてイ
    ンクに膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生する発熱素
    子を有することを特徴とする請求項29ないし55のい
    ずれかに記載のプリント装置。
  57. 【請求項57】 請求項29ないし56のいずれかに記
    載のプリント装置と、 該プリント装置に画像データを供給するためのホスト装
    置と、を具えたことを特徴とするプリントシステム。
  58. 【請求項58】 プリント装置に請求項1ないし28の
    いずれかに記載のプリント方法を実行させるための制御
    プログラムを記憶した記憶媒体。
  59. 【請求項59】 プリント装置に請求項1ないし28の
    いずれかに記載のプリント方法を実行させるための制御
    プログラム。
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