JP3517418B2 - インクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録方法

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JP3517418B2
JP3517418B2 JP17697092A JP17697092A JP3517418B2 JP 3517418 B2 JP3517418 B2 JP 3517418B2 JP 17697092 A JP17697092 A JP 17697092A JP 17697092 A JP17697092 A JP 17697092A JP 3517418 B2 JP3517418 B2 JP 3517418B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は記録材にインク滴を吐出
して画像記録を行うインクジェット記録方法に関するも
のである。
【0002】
【発明の背景】複写装置や、ワードプロセッサ、コンピ
ュータ等の情報処理機器、さらには通信機器の普及に伴
い、それらの機器の記録装置の一つとして、インクジェ
ット方式による記録ヘッドを用いてデジタル画像記録を
行うものが急速に普及している。このような記録装置に
おいては、記録速度の向上のため、複数の記録素子を集
積配列してなる記録ヘッド(以下マルチヘッドという)
として、インク吐出口および液路を複数集積したものを
用い、さらにカラー対応として複数個の上記マルチヘッ
ドを備えたものが一般的である。
【0003】しかし、モノクロプリンタとして、キャラ
クタのみ印字するものと異なり、カラーイメージ画像を
印字するに当たっては、発色性、階調性、一様性など様
々な要素が必要となる。特に一様性に関しては、マルチ
ヘッド制作工程差に生じるわずかなノズル単位のばらつ
きが、印字したときに、各ノズルのインクの吐出量や吐
出方向の向きに影響を及ぼし、最終的には印字画像の濃
度のムラとして画像品位を劣化させる原因となる。
【0004】その具体例を図18、図19を用いて説明
する。図18(a)において、91はマルチヘッドであ
り、8個のマルチノズル92によって構成されているも
のとする。93はマルチノズル92によって吐出された
インクドロップレットであり、通常はこの図のように揃
った吐出量で、揃った方向にインクが吐出されるのが理
想である。もし、この様な吐出が行われれば、図18
(b)に示したように紙面上に揃った大きさのドットが
着弾され、全体的にも濃度ムラの無い一様な画像が得ら
れるものである(図18(c))。
【0005】しかし、実際には先にも述べたようにノズ
ル1つ1つにはそれぞれバラツキがあり、そのまま上記
と同じように印字を行ってしまうと、図19(a)に示
したようにそれぞれのノズルより吐出されるインクドロ
ップの大きさ及び向きにバラツキが生じ、紙面上に於い
ては図19(b)に示すように着弾される。この図によ
れば、ヘッド主走査方向に対し、周期的にエリアファク
ター100%を満たせない白紙の部分が存在したり、ま
た逆に必要以上にドットが重なり合ったり、あるいはこ
の図中央に見られる様な白筋が発生したりしている。こ
の様な状態で着弾されたドットの集まりはノズル並び方
向に対し、図19(c)に示した濃度分布となり、結果
的には、通常人間が目で見た限りで、これらの現象が濃
度ムラとして感知される。
【0006】そこでこの濃度ムラ対策として次のような
方法が考案されている。図20及び図21によりその方
法を説明する。この方法によると図18及び図19で示
した印字領域を完成させるのにマルチヘッド91を3回
スキャン(主走査)しているが、その半分4画素単位の
領域は2パスで完成している。この場合マルチヘッドの
8ノズルは、上4ノズルと、下4ノズルのグループに分
けられ、1ノズルが1回のスキャンで印字するドット
は、規定の画像データを、ある所定の画像データ配列に
従い、約半分に間引いたものである。そして2回目のス
キャン時に残りの半分の画像データに応じてドットを埋
め込み、4画素単位領域の印字を完成させる。以上の様
な記録法を以下分割記録法と称す。
【0007】この様な記録法を用いると、図19で示し
たマルチヘッドと等しいものを使用しても、各ノズル固
有の印字画像への影響が半減されるので、印字された画
像は図20(b)の様になり、図19(b)に見るよう
な黒筋や白筋があまり目立たなくなる。従って濃度ムラ
も図20(c)に示す様に図19(c)の場合と比べ、
かなり緩和される。
【0008】この様な記録を行う際、1スキャン目と2
スキャン目では、画像データをある決まった配列に従い
互いに埋め合わせる形で分割間引きするが、通常この画
像データ配列(間引きパターン)とは図21に示すよう
に、縦横1画素毎に、丁度千鳥格子になるようなものを
用いるのが最も一般的である。従って単位印字領域(こ
こでは4画素単位)に於いては千鳥格子を印字する1ス
キャン目と、逆千鳥格子を印字する2スキャン目によっ
て印字が完成されるものである。
【0009】図21(a),(b),(c)はそれぞれ
この千鳥、逆千鳥パターンを用いたときに一定領域の記
録がどのように完成されて行くかを図18〜図20と同
様、8ノズルを持ったマルチヘッドを用いて説明したも
のである。まず1スキャン目では、下4ノズルを用いて
千鳥パターン
【0010】
【外1】 の記録を行う(図21(a))。次に2スキャン目には
紙送りを4画素(ヘッド長の1/2)だけ行い、逆千鳥
パターン○の記録を行う(図21(b))。更に3スキ
ャン目には再び4画素(ヘッド長の1/2)だけの紙送
りを行い、再び千鳥パターンの記録を行う(図21
(c))。この様にして順次4画素単位の紙送りと、千
鳥、逆千鳥パターンの記録を交互に行うことにより、4
画素単位の記録領域を1スキャン毎に完成させていく。
【0011】以上説明したように、同じ領域内に異なる
2種類のノズルにより印字が完成されていくことによ
り、濃度ムラの無い高画質な画像を得ることが可能であ
る。
【0012】この様な記録方法は、既に特開昭60−1
07975号公報やUSP4967203明細書に開示
されているものであり、その濃度ムラやつなぎスジに対
する効果も有力であることは述べられている。前者につ
いては「各主走査の紙送りを該主走査の幅より少なく
し、隣接する2回の主走査を重複させて重複部分を形成
する手段と、該重複部分の印字ドットを2回の主走査で
重ならない様に配列する手段を備えた事を特徴とする」
と開示している。本件によれば既に説明した様に、間引
きマスクを「1列おきに奇数段と偶数段を互い違いに印
写」としている場合もあるが、その他にも1回目の主走
査で奇数段、2回目の走査で偶数段を印写している場合
や、各走査でランダムに記録する場合もあり、間引きマ
スク及び紙送り幅は完全には限定していない。
【0013】これに対し後者のUSP4967203に
おいては、「a)第1のパスで第1の帯内の上半分のみ
水平垂直方向に隣接しない交番的なピクセル位置をプリ
ントし、b)第2のパスで第1の帯内の第1のパスでプ
リントされなかったピクセルと、第1の帯内の下半分の
水平垂直方向に隣接しない交番的なピクセルにプリント
し、c)第3のパスで第1、第2のパスでプリントされ
なかった第1の帯内のピクセルのプリントをすると同時
に、直後に引き続く帯に第1のパスを行う」と開示して
いる。この様に本件に於いては分割記録を行う間引きマ
スクとして垂直水平方向に隣接しない交番的なピクセル
配列を限定している。
【0014】本件において更に付け加える構成として、
階調表現やマルチカラー表現のために数画素まとめて疑
似画素(スーパーピクセル)を形成し、疑似画素(スー
パーピクセル)単位で水平垂直方向に隣接しない交番的
な間引きプリントを行う記録法が開示されている。そし
てこの方法によれば「上記方法を実現するためのシステ
ムをいったんプログラム・ソフトウエアかプリンタ・フ
ォームウエアのどちらか組み込んでしまえば、プログラ
ムはスーパーピクセルに関して指定された組み合わせの
色彩番号で呼び出す事が出来るので、多数の色彩を作り
出すためのコンピュータ・プログラムを作成する作業を
むやみに複雑にすること無くこのプリントの質が達成さ
れる。」と述べ、マルチカラー表現の為のプログラミン
グの単純化も効果として上げている。また、各スーパー
ピクセルは単一の均質な色彩として知覚されることを意
図しているので、スーパーピクセル内でのカラーのにじ
みは無害であるとも述べている。
【0015】
【発明が解決しようとしている課題】ところで、上記に
示した分割記録では、1紙面上を印字するタイムコスト
が大きくかかり、スループットを下げざるを得ないとい
う弊害があった。この様な時、印字を更に短い時間で行
うために、キャリッジの往復印字走査という方法が考え
られる。これによれば、従来1走査の記録が行われた後
に、何の記録を行うことも無しにホームポジションに戻
っていたキャリッジ走査が全て省かれるので、事実上一
紙面の記録時間をほぼ半減させることができる。実際モ
ノカラーの印字方法として上記往復印字を行っているも
のも少なくない。しかし、本発明に示すような構成のカ
ラーインクジェット装置では、以下に示す要因により、
未だ実現されていない。
【0016】現在一般に使用されている記録インク、及
びこれを印字する媒体(紙)の着弾状態の断面図を図2
2に示す。ここでは異なる2色のインク(ドット)を時
間差をおいて殆ど隣接した位置に吸収(記録)させた場
合を示している。注意点は、2ドット重なり部分におい
て、先に記録されたドットよりも後に打たれたドットの
方が紙面深さ方向に沈む傾向にあることである。これ
は、吐出されたインク中の染料などの色素が記録媒体と
物理的かつ化学的に結合する段階で、記録媒体と色素の
結合が有限であるために、色素の種類によって結合力に
大きな差がない限りにおいては、先に吐出されたインク
色素と記録媒体の結合が優先されるために記録媒体表面
に多く残り、後から打たれたインク色素は記録媒体表面
では結合しにくく、紙面深さ方向に沈んで染着するため
と考えられる。
【0017】この場合、2種類のインクを同着弾点に印
字したとしても、2種類のインクの打ち込み順序によっ
て優先色が異なり、結果的に人間の視覚特性に対し異な
る2色を表現してしまっていることとなる。例えば、4
色ヘッドの各色を右からブラック、シアン、マゼンタ、
イエローの順に配置し、ヘッドの配列方向(左右方向)
に往復移動して主走査を行うものとする。往路走査では
右方向に移動させて同時に記録する。この時、紙面上へ
の記録順序は上記配列順序に即するので、例えばある一
定領域にグリーン(シアン+イエロー)信号が入力され
ていた場合には各画素にシアン、イエローの順にインク
が吸収される。従って既に説明した様に、この走査では
先に吸収されたシアンが優先色となり、シアンの色味の
強いグリーンドットが形成される。逆に、紙送りが副走
査方向に行われた後の復路走査では、今度は往路と逆の
方向に移動しながら記録する。よって打ち込み順序も逆
になり、この走査ではイエローの色味の強いグリーンド
ットが得られることとなる。以上のような走査を繰り返
すことにより、各記録ヘッドの往路、復路に応じて、シ
アンの色味の強いグリーンドットとイエローの色味が強
いグリーンドットとが記録される。もし、各走査が分割
印字法を行わず、各往復走査毎にヘッド幅ずつの紙送り
が行われた場合、シアンの色味の強いグリーンの領域と
イエローの色味が強いグリーンの領域がヘッド幅ずつ交
互に繰り返され、一様であるはずのグリーン画像に著し
い画像劣化が生ずることになる。
【0018】但し、この弊害も既に従来例に示した分割
記録法を用いることにより多少克服することができる。
分割印字では既に図21で説明した様に往路(a),
(c)ではシアンの色味の強いグリーンドットを記録
し、復路(b)ではイエローの色味が強いグリーンドッ
トを記録する。従って、一定領域での色みは双方の色味
のドットにより緩和されるのである。
【0019】この構成及び効果はUSP4748453
に既に開示されている。ここでは紙送り量の限定はない
が、第1と第2(或いはそれ以上)に分割した記録走査
で同記録領域に水平垂直方向に交互に位置する画素への
補完的な記録をすることで、OHP用紙等の媒体上での
インクのビーディングを防止するとともに、カラー画像
を形成するときには、混色画素のインク打ち込み順を第
1走査と第2走査で逆転させることにより(往復記
録)、カラーバンディング(色ムラ)を防止することが
できる効果を述べている。この件においては主な目的が
各画素間のビーディングの防止であるので、1回の走査
で記録される画素同士は、水平垂直方向において交互で
ある(互いに隣接しない)ことが特徴づけられている。
【0020】一方、本発明と同出願人による特開昭58
−194541号公報においては、複数本の記録素子列
を並列配置し、前記記録素子列に直行する方向に往復走
行させて、ドット行列記録の主走査を行うにあたり、前
記主走査の往路において記録ドット行列の各行及び各列
の少なくとも一方における記録すべき全ドットよりも少
ない個数のドットを間欠的に記録するとともに、前記主
走査の復路において前記各行及び各列の少なくとも一方
における残余のドットを間欠的に記録することにより前
記複数本の記録素子列による重複記録ドットにおける記
録の重複の順序を前記主走査の往路と復路とにて互いに
異ならせる技術が開示されている。この件においても先
に説明した分割記録のように紙送りを通常より少なくす
るような制限はなく、効果としてはカラーインクの重複
記録に基づく記録画像の色調ずれ(色ムラ)による画像
劣化の防止としている。
【0021】この件においては、この色調ずれの防止が
主な目的であるので、各走査で記録するドット位置の特
別な制限は無く、実施例においては市松模様(千鳥、逆
千鳥)に加え、縦方向にのみ交互に記録する横間引き、
横方向にのみ交互に繰り返す縦間引きが記載されてい
る。
【0022】また、カラープリンタに限定していない
が、特開昭55−113573号公報に於いても、綾目
状(千鳥、逆千鳥)パターンを用いて往復記録を行う構
成を開示している。この件では隣接するドットを連続し
て印写しないようにし、それによって印写ドットが乾か
ないうちに隣接するドットを印写してドット歪が生じる
のを防止することを目的としている。よってここでは上
記USP4748453と同様に、間引きマスクが綾目
状に限定されている。
【0023】ところで、ここに挙げた3件の特許は全
て、往復記録時の色ムラやビーディングの防止を目的と
している。従って、本件で説明した分割記録法のよう
に、ノズルばらつきに起因する濃度ムラ防止を目的とし
て行っている「各走査間の紙送り量を通常のヘッド幅以
下にする」という構成はとっていない。
【0024】以上説明した様に、往復記録において分割
記録を行えば、インク色の打ち込み順が互いに逆である
2種類の記録画素を記録領域内に均等に設けることがで
きるので、色ムラの起こり易いマルチカラーの両方向記
録が可能とされていた。
【0025】しかし、上述の千鳥/逆千鳥による分割記
録を行っても、未だ完全には色ムラ弊害は解決されな
い。この理由を説明する。通常インクドロップレットの
量は、紙面上の各画素に与えられた面積よりも大きく広
がるように設計されている。これは印字率100%デー
タの領域に対し、白紙の部分が全く見えない様にする為
である。従って分割記録法を行った時も、記録画素自体
は50%しか印字されていないが、印字媒体(記録紙)
は図23に示す様にほぼ100%の領域が覆われている
ことになる。この場合の紙面断面図を図24に示す。こ
こでは1パス目(往路走査)で白紙上に千鳥印字が行わ
れ、2パス目(復路走査)で逆千鳥印字が行われる場合
を示している。2001は1パス目(往路)印字直後の
インクの様子を示し、ここで黒く塗りつぶした部分はシ
アンインク、斜線はイエローインクである。イエローイ
ンクはシアンインクと同位置にほんの少しの時間差で打
ち込まれているので、紙に吸収されると、シアンインク
は、にじみの少なく、濃度の濃い状態で、イエローイン
クはシアンインクの下側や周辺部に回り込む様に大きく
にじみ、濃度の薄い印字状態となる。又この時、これら
のインクは隣接画素までその吸収が及び、図23の様に
紙面上が殆どインクで埋め尽くされた形になる。
【0026】この条件の基で行われる2パス目(復路)
の印字は、2003に示す通り既に隣接のインクが吸収
されている上に着弾される。2パス目は復路走査である
からイエローが先に、シアンは後に印字される(200
2)。このままインクが吸収されると、最終的には20
03の様な両色ともあまり表面に現れない吸収状態にな
る。そして、最終的な印字完成画像としては1番最初に
印字されたシアンの濃度が最も強く強調され、この印字
領域は、色味がシアンを優先としたグリーン画像とな
る。逆に、復路走査を1パス目とした上記印字領域と隣
合う印字領域においては、シアンとイエローの立場が逆
転し、イエローを優先とした色味のグリーン画像が得ら
れる。
【0027】以上2つの印字領域が現れる様子を示した
ものが図25である。この図に見るように常にヘッド下
半分が各領域の優先色を決定し、往復走査でその優先色
が逆転していることがわかる。これら優先色の異なる2
つの領域が交互に存在する為、分割印字に於いても未だ
色ムラが現れて画像を劣化させ、往復印字が不可能な状
態となっていた。
【0028】更に隣接画素へのインクのにじみによる弊
害は、上記色ムラのみでなく単色の往復印字に於いても
確認されている。以下にこれを説明する。図26は図2
4と同様1パス目と2パス目のインクの吸収状態を単色
について示したものである。この図に於いて2101は
1パス目印字後の着弾状態を表し、2102、2103
は双方とも2パス目印字後の状態を紙面断面図で表して
いる。ここで2102は1パス目が記録された直後に2
パス目を記録した状態であり、2103は1パス目記録
後にある程度の時間をおいてから2パス目を記録したも
のである。これら両者には2パス目に記録されたインク
の紙面への吸収状態に違いが現れる。2102がかなり
紙面深さ方向に吸収されているのに対し、2103では
紙面表面に2パス目のインクが広がっている。この様子
は紙面の裏側からも確認されており、2103の方が2
102よりも紙面裏側へのインク抜け具合が大きい。そ
して、このような状態は両者の間で紙面上の濃度差とな
って現れる(2104、2105)。
【0029】これら両者の濃度差を発生させる時間差の
オーダーに対し、キャリッジの往復走査により発生する
時間差は、十分なものである。そしてこの要因が往復印
字を行うことにより新たな弊害となって現れる。この様
子を図27を用いて説明する。
【0030】図27ではまずヘッドが2201の位置か
ら矢印の方向へ往路走査を行い第1スキャン幅の記録を
行う。そして1ライン分の記録を行ったところで上記ス
キャン幅の1/2の紙送りを行い、図の2202の位置
から今度は逆方向に復路走査を行う。更に上記と等しい
幅の紙送り後、2203の位置から再び往路走査を行っ
て矢印の方向への記録を行う。この時完成された印字領
域の〜の各箇所について、2つのパスの記録間隔を
比較すると以下の様になる。即ち及びでは1パス目
の記録が終了後1/2幅の紙送りが行われた後、すぐに
2パス目の記録を行う。これに対し、及びでは1パ
ス目記録後、キャリッジが1回の往復走査を行う時間が
経った後に2パス目が記録される。そして、この丁度中
間に当たる時間差で記録される箇所が、である。従
って、既に図26で説明した様に及びがこれらの中
で最も濃度の高い箇所となり、及びがこれに続き、
及びは、インクが奥深く吸収された表面濃度の低い
ものとなる。よって縦方向に1/2幅ずつ、が繰り
返される左側の領域と、、が繰り返される右側の領
域では濃度ムラが現れ、画像弊害となる。
【0031】以上の様に1パス目の非印字画素へのにじ
み出しは、1パス目と2パス目の記録間隔に濃度が左右
される原因となり、この点に於いても往復印字が今迄不
可能であったことが納得できる。以上の説明は単色記録
を例に行ってきたが、この現象は混色記録の場合にも既
に説明した色ムラと共に現れて来るものであり、この場
合左右の色ムラの目立ち方、或いは色味の差異として認
識される。
【0032】また、片方向記録に於いても、記録時間差
に影響する弊害要因として次の様なものが挙げられる。
記録装置が記録途中に自らの駆動走査維持の為にヘッド
回復走査を行ったり、記録データが転送されてくるのを
待機していたりすることがあるとキャリッジは一時的に
休止する状態となる。すると、この様な休止は上記説明
した時間差ムラよりも更に大きなオーダーで、不規則に
起こる濃度ムラを生み出す。即ち、1パス目を記録され
たままの状態でキャリッジが休止に入り、しばらく時間
差をおいてから印字された記録領域は他の領域よりも濃
度の濃いものとなってしまうのである。この様な要因に
より起こる濃度ムラを上記時間差ムラと区別し、以後休
止ムラと称す。
【0033】以上説明してきた様に、1つのヘッドのノ
ズル並び方向と異なる方向に記録ヘッドを走査し、画像
形成を行うインクジェット記録装置において、高画質化
及び高速化を実現する為に、分割記録や両方向印字を実
現するには、未だ色ムラ、休止ムラ、時間差ムラといっ
た画像弊害が取り残されていた。
【0034】本発明は、上記点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、上記弊害による濃度ムラ
をなくし、高画質の画像を高速で得ることが可能なイン
クジェット記録方法を提供することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、上記
目的を達成するため、複数の記録素子の配列であって異
なる色のインクを吐出する複数の記録素子配列を備えた
記録手段を前記複数の記録素子の配列方向と異なる方向
に移動させて主走査を行い、主走査終了後に主走査と略
垂直な方向に所定量副走査を行うことにより記録材上に
画像を記録するインクジェット記録方法において、前記
記録手段の1回の主走査で記録可能な領域の全画素を、
互いに補完の関係にある複数の分割間引き配列に従って
少なくとも第1方向の第1走査及び第2方向の第2走査
の複数回の主走査で順次記録することにより前記領域の
記録を行うとともに、前記分割間引き配列は、m×nの
画素グループを単位とし、前記m,nは、正の整数で少
なくとも一方が2以上であって、前記第1走査で記録さ
れたドットが前記第2走査で記録を行うべき非記録領域
にはみ出した割合を示すはみ出し率が33%以下になる
値とされていることを特徴とする。
【0036】これにより、第1走査による記録のはみ出
し率が33%以下になるため、第2走査による記録が第
1走査による記録とほぼ同条件で行われることとなり、
色ムラなどの弊害を低減することが可能となる。
【0037】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。
【0038】図1は本発明が適用できる、インクジェッ
ト記録装置の概略構成を示す斜視図である。この図にお
いて、701はインクカートリッジである。これらは4
色のカラーインク、ブラック(K)、シアン(C)、マ
ゼンタ(M)、イエロー(Y)がそれぞれ詰め込まれた
インクタンクと、各色に対応したマルチヘッド702よ
り構成されている。このマルチヘッドに配列するマルチ
ノズルの様子をz方向から示したものが図2であり、8
01はマルチヘッド702上に配列するマルチノズルで
ある。
【0039】尚、本図ではマルチノズル801がY軸に
沿って平行に配列されているが、例えば図のXY平面上
多少の傾きを持っていても良い。この場合には、ヘッド
が進行方向Xに進んで行くのに対し、各ノズルはそれぞ
れタイミングをずらしながら印字を行っていくことにな
る。
【0040】再び図1に戻る。703は紙送りローラ
で、704の補助ローラと共に印字紙Pを抑えながら図
の矢印の方向に回転し、印字紙PをY方向に随時送って
いく。また705は給紙ローラであり、印字紙の給紙を
行うと共に、紙送りローラ703、補助ローラ704と
同様、印字紙Pを抑える役割も果たす。706は4つの
インクカートリッジを支持し、印字と共にこれらを移動
させるキャリッジである。キャリッジ706は印字を行
っていないとき、あるいはマルチヘッドの回復作業など
を行うときには図の点線で示した位置のホームポジショ
ンhに待機する様になっている。
【0041】尚、本実施例においては、各インクジェッ
トカートリッジの記録ヘッドは、熱エネルギーを用いて
インクに状態変化を生起させることにより、インク滴を
吐出するものである。
【0042】ここで、キャリッジ706に搭載された4
個のインクジェットカートリッジはキャリッジの往動時
に、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、
イエローインクの順にインクを重ね合わせる様に配列さ
れている。従ってキャリッジの復動時には、往動時の逆
の順番でインクが重ね合わせられる。又、カラーの中間
色はC、M、Yの各色のインクドットを適当に重ね合わ
せることにより実現できる。即ち赤はMとY、青はCと
M、緑はCとYを重ね合わせることにより実現できる。
【0043】一般に、黒はC、M、Yの3色を重ね合わ
せることにより実現できるが、この時の黒の発色が悪い
こと、精度良く重ねることが困難な為有彩色の縁どりが
生じること及び単位時間当たりのインク打ち込み密度が
高くなりすぎること等の為に黒だけは別に打ち出す様に
している。
【0044】図3は図1に示すインクジェット記録装置
の制御部を示すブロック図である。図中1201はCP
U、ROM、RAM等を中心に構成させた制御部であ
り、ROMに格納されたプログラムに従って装置各部の
制御を行う。1202は制御部1201からの信号に基
づいてキャリッジ706をx方向に移動(主走査)させ
るためのキャリッジモータ1205を駆動するドライ
バ、1203は制御部1201からの信号に基づいて給
紙ローラ705及び紙送りローラ703を駆動し記録材
をy方向に搬送(副走査)するための搬送モータ120
6を駆動するドライバ、1204は制御部1201から
の印字データに基づいて各色マルチヘッド1207〜1
210(図1の702に相当)を駆動するドライバ、1
211は各種キーの入力及び各種表示を行う操作表示
部、1212は制御部1201に対し印字データを供給
する為のホスト装置である。
【0045】印字開始前、図の位置(ホームポジショ
ン)にあるキャリッジ706は、印字開始命令がくる
と、x方向に往動しながら、マルチヘッド702上のn
個のマルチノズル801により、紙面上に分割された記
録領域毎の印字を行う。紙面端部までデータの印字が終
了し、反転位置に達するとキャリッジはホームポジショ
ン方向に復動を開始し、再びデータの印字を行う。この
キャリッジの往動による最初の印字が終了してからキャ
リッジの復動による2回目の印字が始まる前までに、紙
送りローラ703が矢印方向へ回転することにより分割
された記録領域の幅だけのy方向への紙送りを行う。こ
の様にしてキャリッジ1スキャン(主走査)毎にマルチ
ヘッドによる印字と紙送り(副走査)を繰り返し行うこ
とにより、一紙面上のデータ印字が完成する。
【0046】上記の如き構成のインクジェット記録装置
により行われる記録方法の具体例について更に説明す
る。
【0047】(第1実施例)以下に、本発明の第1実施
例を説明する。図4及び図5は、図23と比較すること
により、本発明を最も良く表し図23と同様、ある一定
領域内の第1走査後のインク着弾状態を示している。従
来、同じ走査で記録するドットは互いに隣接しない交互
の画素に着弾されていたが(図23)、本発明では全画
素を図4では4×3、図5では4×4のグループにまと
め、それら画素グループ内は同一パスで記録すると共
に、各グループ同士は同一パスで互いに隣接しない位置
に記録する様に配置させたものである。この様にすると
図でも明らかな通り、各グループ内のドットの重なり面
積が大きくなった分、第1記録色のインク被覆面積が減
少し、それゆえ第2記録色以降で着弾可能な白紙部分が
増加する。従って往復走査によりインク打ち込み順が変
わる場合でも、第1走査の優先色が占める面積率が減少
し、その分第2走査の優先色が占める領域が増加するの
で、両優先色間の片寄りがなくなり、紙送り幅ずつ繰り
返される領域の色味の差も少なくなる。
【0048】以下に、本実施例第1のパターンとして、
図4に示す4×3画素のドットグループを単位とした分
割間引きパターンを用いた記録法を説明する。図6は図
25の従来例と比較される本実施例での記録状態図であ
る。この例では16ノズルで構成されるヘッドを用い、
8ノズル幅ずつの紙送りをしながら、両方向印字をして
いる。ここで記録しているデータはシアンとイエローか
らなる100%グリーン画像である、尚、これらの図で
は360dpiの画素密度に対し、直径110μmのド
ットを記録した場合を例として示している。
【0049】まず、キャリッジ706の往動による第1
走査において、Y,Cのマルチヘッド702の下半分の
ノズル(8本)を用いて、分割間引きパターン3001
に従い記録材上の第1領域の印字を行う。この第1走査
において、パターン3001中の黒く塗りつぶされた画
素領域に対応する記録材上の領域3006〜3010に
C→Yの順にインクが吐出される。そして第1走査終了
後マルチヘッドの半分の長さに応じた距離の紙送り(副
走査)が行われる。
【0050】次に、キャリッジの復動による第2走査に
おいて、Y,Cのマルチヘッド702の全ノズルを用い
て、分割間引きパターン3002に従い記録材上の第1
領域及び第2領域の印字を行う。このパターン3002
は、パターン3001と補完の関係にあるパターンであ
る。この第2走査において、パターン3002中の黒く
塗りつぶされた画素領域に対応する記録材上の領域にY
→Cの順にインクが吐出される。そして第2走査終了後
マルチヘッドの半分(8ノズル分)の長さに応じた距離
の紙送りが行われる。
【0051】次に、キャリッジの往動による第3走査に
おいて、Y,Cのマルチヘッド702の全ノズルを用い
て分割間引きパターン3003に従い、記録材上の第2
領域及び第3領域の印字を行う。このパターン3003
はパターン3001と同様の配列を持ったパターンであ
り、パターン3002に対し補完的なものである。この
第3走査において、パターン3003中の黒く塗りつぶ
された画素領域に対応する記録材上の領域にC→Yの順
にインクが吐出される。そして、第3走査終了後、8ノ
ズル分の長さに応じた紙送りが行われる。
【0052】次に、キャリッジ706の復動による第4
走査において、Y,Cのマルチヘッド702の全ノズル
を用いて分割間引きパターン3004に従い、記録材上
の第3領域及び第4領域の印字を行う。このパターン3
004はパターン3002と同様の配列を持ったパター
ンであり、パターン3003に対し補完的なものであ
る。この第4走査において、パターン3004中の黒く
塗りつぶされた画素領域に対応する記録材上の領域にY
→Cの順にインクが吐出される。そして、第4走査終了
後、8ノズル分の紙送りが行われる。
【0053】以後、同様の処理を繰り返して、1枚の記
録材に対する記録を終了する。
【0054】従来例を示す図25では、各走査で記録マ
スクが千鳥状になっている為、1画素以上の大きさを持
つ各ドットが隣接画素へ大きくにじみ込み、送り幅毎に
異なる優先色を持つ濃度ムラを発生してしまっている。
これに対し、本実施例の図6では4×3の画素グループ
を単位とした千鳥マスクを使用している為、各ドットグ
ループの中で互いにインクがにじむ分、他領域へのにじ
み込みが制限され、各領域で優先色の差が従来例に比べ
かなり抑えられている。この画素グループの配列法は、
カラープリンタのそれぞれの色について、他領域へにじ
み出さない様に上記画素グループを形成していれば良い
ので、各色が全て等しい配列で記録される必要はない。
各色が同一なものを用いても良いし、それぞれが異なっ
た配列法を用いても良い。異なった配列法を用いた場合
は、以後第2及び第3実施例として述べている。
【0055】ところで本実施例では、間引きマスクとし
て4×3のドットグループを単位としたマスクを適応さ
せたが、本発明の様にm×nの画素をグループ化する場
合、与えられた画素密度、インク吐出量、或いは記録媒
体などの条件に応じてその適正値は異なってくる。mや
nが上記条件に於いて、余り小さすぎると本発明の効果
が得られないのに対し、ドットグループが人間の目に解
像できる程大きすぎると、今度は隣り合うグループ同士
の色味の違いが感知され、画像がざらつき、粗っぽいも
のとなってしまう。
【0056】図8は一定の画素ピッチに対するドット径
の各大きさ(比)に対し、n×m画素グループを単位と
した長方形型間引きマスクで分割記録を行った場合のは
み出し率と、各はみ出し率に対しての記録領域間の色差
を示したものである。はみ出し率とは、第1走査で記録
されたドットが第2走査で記録を行うべき非印字領域に
対し、どの程度の割合まではみ出しているかを示したも
のである。また、記録領域間の色差とは、上記はみ出し
率に対し、図6・図7・図25の様にシアンとイエロー
から成るグリーン画像を分割記録した場合の、隣り合う
記録領域間の色差のことを示している。
【0057】この図によれば、はみ出し率はドットグル
ープ内のドット数が大きくなるほど減少し、等しい画素
数(ドット数)であれば、より正方形に近い状態の方が
少なくなっている。各はみ出し率に対する実測色差は、
実際の記録と色差計により得られた測定値である。更に
理論色差は基準となる2種類のグリーン画像のスペクト
ル分布から、各はみ出し率に対し計算を行って得たもの
である。
【0058】この理論色差値の導き方(計算法)を簡単
に説明しておく。
【0059】まず、シアン、イエローの順に記録した
グリーン画像と、イエロー、シアンの順に記録したグリ
ーン画像それぞれのスペクトル分布を求める(測定す
る)。
【0060】両者2種類のグリーン画像がそれぞれ可
変な割合で補完し合う単位領域のスペクトル分布を、
の結果を用い、加法混色により求める。
【0061】上記スペクトル分布より、X、Y、Z系
の三刺激値を求める。
【0062】上記三刺激値を更にCIE1976(L
*** )にそれぞれ変換する。
【0063】各はみ出し率のグリーン画像と、上記は
み出し率がシアンとイエローで逆転した状態のグリーン
画像のそれぞれの値から、CMC色差式より各はみ出し
率に対する隣接領域間の色差を求める。
【0064】ここで用いたCMC色差とは、一般に用い
られるCIE1976(L*** )色差式から得ら
れる色差を、更に人間の視感色差に近づけようとした各
種の色差式の中で最も新しい方法である。
【0065】ここで簡単にこのCMC色差法について述
べておく。CMC色差式ではまず、CIEのL* (明
度)、a* 、b* (色度)という表現軸を、L* (メト
リック明度)はそのままに、a** をC* ab (メトリ
ック彩度)、H°ab(メトリック色相角)の3次元表現
を行う円筒関数(L** ab H°ab)に展開している。
メトリック明度L* 、メトリック彩度C* ab 、メトリッ
ク色相角H°abという表現は、従来の明度と色度からな
る(L*** )関数よりも各次元がそれぞれ視感の
独立した属性に沿っている。従って、各属性に対し、視
覚的にそれぞれ独立した評価が可能となり、各属性に応
じての対策(重み付け)も行い易くなる。そして、その
後2点間の色差を求める際に、通常の色差式に経験から
求められた3つの重み付け係数1SL ,cSC ,SH
用いることにより、ΔE={(ΔL* /1SL2
(ΔC* /cSc2 +(ΔH* /SH21/2と変
換することができるのである。上記補正係数を求める式
としては、統計的に検討して得られた結果、次の式が求
められている。
【0066】標準色に対し、L* <16の場合 SL =0.511 L* >=16の場合 SL =0.040975L1 */(1+0.01765L1 *) Sc =0.0638C1*/(1+0.0131C1 * )+0.638 SH =SC (Tf+1−f) f=[(C1 *4 /{(C1 *4 +1900}]1/2 また、h1 が164°〜345°の間にあるときは T=0.56+|0.2cos(h1+168)| h1 が上記以外であるときは、 T=0.36+|0.4cos(h1+35)| となる(以上 村田幸男著 色彩技術ハンドブック 株
式会社 総合技術センターより)。
【0067】ところで、図8における理論色差と、実測
色差の間には常に多少の差が認められる。これは、理論
色差が上記説明のの段階で、2種類のグリーンの完全
な加法混色により得られていることに起因する。加法混
色とは、単位領域に存在する互いに重ならない複数の小
領域の色(スペクトル分布)を、各小領域の面積の割合
に順じて足し合わせ、得られたスペクトル分布を上記単
位領域の色として設定する方法である。そして、本発明
に用いるインクジェット記録装置の記録状態では、図2
4のCYドットとYCドットにおいて、常に後に記録さ
れるドットは先に記録されたドットの下に潜り込むとし
て説明し、上記理論色差においても、重なり合った領域
では、先に記録されたドット色のみで計算している。し
かし実際には、両者のドットの重なった部分では、先に
記録されたドットの色味のみが完全に占める訳ではな
い。影響力こそ少ないが、後に記録されるドットも重な
り合った領域の色味に減法混色として付け加えられるは
ずである。よって、計算で得られる各領域の理論色差
は、実測色差に対し常に大きく現れてきてしまう。但
し、図8に見る様に両者の色差間のズレがほぼ一定であ
れば、インクや記録媒体が異なった場合にも、計算によ
って適切なマスクの大きさを推測することができる。
【0068】ところで、通常人間の視覚に対し等しい色
として認め得る限界色差は、CMC色差法に於いて1.
0から1.8程度という結果がパネルテストで得られて
いる。これより大きな値の2色が隣接して位置すると、
それらの間に境界が認められ、異なる領域として感知さ
れてしまう。図8に於いては上記限界色差領域を2段階
の境界線によって示している。この図によれば、これら
限界色差に即する各はみ出し量が25〜33%程度であ
ることが解る。即ち非印字領域に対しインクのにじみ出
しが、1/3好ましくは1/4以下になることが色ムラ
弊害が起こらないための条件となる。
【0069】本実施例では、360dpi画素密度に対
し、110μmのドット径を用い、4×3の間引きマス
クを使用している。このとき画素密度に対するドット径
の比が約1.5となり、はみ出し率が21.98%、理
論色差及び実測色差がそれぞれ1.25、1.20とな
り、色ムラとして弊害とならない領域に十分含まれてい
る。
【0070】これに対し、図23の様な間引きマスクを
用いると、第1走査の非印字領域へのインク占有率が7
1.52%となり、色差も3.90と上記限界値を大き
く越えた値となってしまう。以上説明した様に、間引き
マスクを大きくしていくことは、隣接領域ごとの色ムラ
を改善する方向には好ましいことであることが解る。
【0071】また、単色でも確認される時間差ムラ或い
は休止ムラについても本発明は有効である。既に従来例
で説明した様に、時間差ムラとは1パス目のドットがは
み出してにじんでいる領域に2パス目を記録する場合に
見受けられるものである。従って本発明の様に、1パス
目のドット同士が互いに隣接し合い、はみ出し率が小さ
くなれば、2パス記録も1パス記録とほぼ同条件で記録
可能となり、両者が重なり合って生じる時間差に左右さ
れる要因がなくなっていくことになる。図9は4×3の
ドットグループを単位としたマスクを用いて分割記録を
行った場合の時間差ムラが生じる領域を示したもので、
上記効果を第1走査と第2走査の重なり部を強調して表
している。図11の従来の1ドット単位の千鳥,逆千鳥
のマスクを用いた場合と比較することにより、記録領域
に対する重なり部の総面積量が、本実施例は明らかに従
来例よりも少ないことが解る。以上説明した様に色ム
ラ、或いは単色記録時にも起こり得る時間差ムラや休止
ムラに対しては、本発明は間引きマスクの大きさが大き
いほど効果的であると言える。
【0072】しかし、先にも述べたがマスクが必要以上
に大きすぎた場合、今度は同印字領域内の各ドットグル
ープ間の色差が認識され始め、画像としてザラツキが発
生し、劣化してくる傾向がある。経験的な判断によれ
ば、このマスクの大きさが0.2mm程度から多少ザラ
ツキ感が感知される様になり、画像として弊害とみなさ
れるのは0.5mm以上と考える。本実施例では360
dpiで4×3のドットグループを用いているので、縦
に0.28mm、横に0.21mm程度のマスクとな
り、上記条件は十分に満たしている。以上より、本実施
例の条件に於いて4×3の間引きマスクを用いて図6に
示す記録法を行えば、色ムラ、時間差ムラ、休止ムラも
なく、滑らかな画像を両方向印字で得ることができる。
【0073】基本的に分割記録法は、単位領域内の記録
画素が2回の走査にほぼ等分に記録されなければその効
果が現れない。これまで説明してきた例では、全て10
0%デューティー画像を記録する場合であったので、本
実施例にせよ従来例にせよ必ず2回のパスで等数の画素
が記録されていた。しかし実際に信号として送られてく
るイメージデータは、ある階調を表す多値データを、所
定の2値化法により2値化し、予め決められたパターン
に定められてから送られてくるものが多い。本実施例は
それらの中でも特に多く用いられるディザ法に対し効果
的である。その一例を図12に挙げる。ここでは2値化
法としてディザ法の中でも、特にベイヤータイプを用い
ている。8×9の一定領域内に1/16(4/64)刻
みのデューティー画像が与えられた場合、従来の分割記
録と本実施例で行う分割記録方法を比較しながら、それ
ぞれが各画像データに於いてどの様に2つのパスに分配
されるのかを表している。1701及び1702は従来
の分割記録法による1走査目に許される記録画素と2走
査目に許される記録画素をそれぞれ黒で示している。同
様にして1703及び1704は本実施例の分割記録法
による記録画素を示している。そして、左側に示してあ
る2値化された画像データが入力されてきた場合に、各
記録法の各走査でそれぞれどの画素が記録されるのかを
その右側に示している。これに依れば従来の分割印字で
は8/16即ち50%デューティーまで1走査のみで印
字を完成させてしまっていることが分かる。また、50
%を過ぎても各パスでの印字画素数の片寄りは大きく、
100%になってはじめて両者の数は等しくなってい
る。この様なことが起こると、例えば50%以下の低デ
ューティーではヘッドの主走査方向の1画素幅のデータ
は全て同一ノズルによって記録がなされてしまい、先に
説明した分割記録法本来の目的、即ちノズルばらつきに
よる濃度ムラの解消が全くなされないことになる。更
に、1走査目と2走査目の記録画素の不均等は50%
(8/16)を越えた高デューティーの領域でも引き続
き、常にどのデューティーでも均等化されている本実施
例の場合と比べ、かなり上記濃度ムラにおいて画像が劣
ることが予想される。この問題は往復印字に限ったこと
でなく、片方向印字に於いても起こり得るものである。
また、同じ要因即ち、各走査での記録画素の不均等から
起こる問題現象として、上記濃度ムラ以外にデューティ
ーの異なる2色インクを用いて記録を行った場合に、既
に従来例で説明したインク打ち込み順序による色ムラも
起こさせる。この問題についても、ノズルばらつきによ
る濃度ムラと同様、やはり片方向印字でも起こる現象で
あると共に、各パスで記録される画素数を等しく分配で
きる様にすれば解決できる問題である。本実施例の4×
3のドットグループを単位とした間引きマスクを用いる
と、常に両走査間のドット数が均等に分割されている。
従って、上記色ムラも発生しない。また、常に同主走査
方向に並ぶドットは2回の走査、即ち2種類のノズルで
記録されるのでノズルばらつきによる濃度ムラに於いて
も本実施例は有効である。
【0074】以上説明した様に、360dpiの記録密
度に110μm相当のドットを記録するインクジェット
記録装置に於いて、縦4画素、横3画素のドットグルー
プを間引きマスクとして用いることにより、色ムラ、時
間差ムラ、休止ムラ及びノズルムラのない滑らかで高画
質な画像を得ることが可能となる。
【0075】ところで、ここで本実施例の第2のパター
ンとして4×4ドットグループを単位とした間引きマス
クについての説明を加えておく。図8によれば、4×4
のドットグループを単位としたマスクを用いた場合に
は、はみ出し率が18.89%、隣接記録領域間の色ム
ラが実測値で1.03となり、既に説明した4×3画素
グループを単位とした間引きマスクを用いた場合よりも
色ムラに関して更に良好であることが伺える。マスク内
の画素数が増加した分、多少画像のザラツキが悪化する
方向にあるが、縦横共に0.28mm程度であるので画
像弊害と認められる程ではない。このマスクを用いて分
割記録を行っている状態を、図7に示す。この場合の記
録動作は、図6の場合と同様であるため、その説明は省
略する。図6で示した4×3のドットグループを単位と
したマスクを用いた場合と比べ、更にドットはみ出しに
起因する色ムラが解消されていることが解る。また、図
10は時間差ムラ及び休止ムラ状態を表し、図9及び図
11と比較されるものである。これら3つの図の中で4
×4のドットグループを単位としたマスクを用いた図1
0が最も重なり部が少なく、時間差ムラや休止ムラに対
し、最も有効であることが伺える。
【0076】更に、この4×4のドットグループを単位
としたマスクを用いてディザ法により2値化されたデー
タの分割記録を行う場合に、図12と同様に2つの走査
で記録される画素位置を示したものが図13である。こ
の図に於いても第1走査と第2走査の各ドット数は常に
等分されているので、各走査間の記録ドット数の片寄り
に起因する色ムラに関しては、既に説明した4×3のド
ットグループを単位としたマスクによる効果と同等であ
る。しかし、ノズルばらつきに起因する濃度ムラへの効
果については、多少異なる。この図でも示されている様
に、横方向に4画素のマスクを使用する場合には、常に
同主走査方向に配列するドットが2つの走査に等分され
ている。これに対し、図10で示した4×3ドットグル
ープを単位としたマスクでは常に2種類のノズル(2つ
の走査)で記録をしてはいるが、各走査で記録されるド
ット数に多少の片寄りが存在してしまう。従って4×4
のドットグループを単位としたマスクの方が、4×3の
ドットグループを単位としたマスクに比べ、マスクの大
きさに起因する画像ザラツキは多少悪化するが、ノズル
ムラに関しては、より良好な画像を期待できる。
【0077】4×4のドットグループを単位としたマス
クに依れば、既に図13で示したベイヤータイプは勿
論、他のディザ法に於いてもこの点で有効なことが多
い。それは以下の理由によるものである。
【0078】通常ディザ法のような2値化法では、ベイ
ヤータイプに限らず4×4や8×8の正方形の一定領域
内に、それぞれの法則により独特な画素配列が各デュー
ティーに対応して決められている。また、8×8の場合
でも図13の様に4×4のマトリックスをサブマトリッ
クスとして縦横に2つずつ並列させたものが多い。この
マトリックスとは、その内部で面積階調を実現するため
のもので、等しいデータが入力されれば、常に等しい画
素配置を出力する様になっている。例えば、図13にも
示したベイヤータイプの場合も、各階調に対し、図の左
に示す様な1通りの画素配置が決められている。従っ
て、一様なパターンを記録する時の様に、全てのマトリ
ックスに等しい画像データが入力されてきた場合には、
記録画像上縦横に配列した全てのマトリックスが、等し
い画素配列のドットを記録し、一様な画像を形成するも
のである。これら配列する複数のマトリックスは全て同
等であり、全てのデューティーで同数のドット配列を持
っている。またサブマトリックスに於いても、全てのデ
ューティーで各のドット数が等しい訳ではないが、最も
片寄りのない様に各ドット配列が分配されている。
【0079】本方法に於いては、上記マトリックス或い
はサブマトリックスごと全てが4×4のドットグループ
に含まれてしまい、各隣接するマトリックス或いはサブ
マトリックス同士が同時の記録走査で記録されることが
ない。従って、どの様なデューティーの画像データに対
しても各マトリックス内には同数の等しい配置の記録デ
ータが入力されるので、各記録走査ごとのドット数の差
が現れないことになる。以上の点でも本方法は数々の2
値化法に対して有効であると言える。
【0080】以上第1実施例として、2種類の間引きマ
スクを紹介してきたが、これらのマスクを決定する際に
は図8に示すはみ出し率と色ムラの関係、或いは記録媒
体へのインクの着弾状態、さらには2値化対応状態等、
数々の要因を考慮する必要がある。マスクの形として
は、これまで述べてきた4×4のような正方形マスクで
あっても良いし、4×3の様な長方形マスクを用いても
良い。正方形マスクは、決められた画素数を含むマスク
の形の内、色ムラに対して最も有効であることは既に述
べた。また、横方向に4画素程度の幅を持ったマスクで
あれば2値化法に対し、特に有効であることも述べた。
【0081】しかし、例えば上記実施例に用いた4×3
の画素グループを単位としたマスクの様に、主走査方向
に3画素或いは5画素等の奇数画素幅を持つものであれ
ば、等しい主走査方向に位置するドットは、どの様な低
いデューティーであっても、常に2種類のノズルで記録
されていることになる。横方向4画素幅を持つマスクの
様に、階調表現を行う単位マトリックスの1周期(図1
3では4画素)を含んでしまうものであれば、各走査で
記録する主走査方向の画素数は常に2つの走査で等分さ
れている。しかし、例えば8×8のマトリックス内に1
画素のみ記録される1/64デューティーに於いては、
この間引きマスクでは1つの記録走査、1種類のノズル
主走査方向に配列する全ての画素が記録されてしまうの
は明らかである。これに対し、上記実施例で説明した横
方向に3画素幅を持つ間引きマスクでは、一般に2のn
乗の周期を持つ階調表現のための単位マトリックスとは
周期を共にせず、常にどの様なデューティーに於いても
2種類のノズルで記録することが可能となるのである。
【0082】また、間引きマスクの縦方向の画素数も数
々の場合が考えられる。計算されたはみ出し率の効果を
全領域で実現し、各走査ごとのつなぎ部の状態を他の部
分と同等にするためには、記録ヘッドのノズル数は上記
縦方向の画素で常に割り切れるものでなくてはならな
い。また、記録ヘッドのノズル数が例えば8ノズルとい
う少ない場合にも、その画素数に上限が設定される。8
ノズルの中に少なくとも2つの画素グループが存在しな
ければ本発明は成立しないので、この場合には最高4画
素と上限が決定するのである。
【0083】この様に横方向の画素数、縦方向の画素
数、及びマスク内の全画素数、更にはマスクの形状とい
う様に、本発明を実現するための間引きマスクは、記録
条件や様々な要求に応じて、様々なパターンが実現可能
である。
【0084】ところで本発明と類似した件として、既に
従来例でも示したUSP4967203が挙げられる。
この件に於いても紙面上に配列する画素のうち、互いに
隣接する数画素(m×n)を1グループとし(スーパー
ピクセル)、互いに隣接しない交互に配列する複数グル
ープを第1走査で記録し、第2走査で残りのグループを
記録する。但し、この件はマルチカラーイメージ画像、
或いは多階調イメージ画像に限定した中で、各色で等し
い配列法を用いて説明し、各グループ内に決められた階
調や色調をなるべく正確に表現することを目的の1つと
して挙げている。よって各グループ(スーパーピクセ
ル)内の色の混ざり合いを奨励する一方で隣接するグル
ープ同士のにじみ合いを防止することを効果として述べ
ている。
【0085】これに対し、本発明では往復記録に於ける
色ムラ弊害、或いは時間差ムラ弊害を取り除くことを主
な目的としているので、各色で等しい記録画素グループ
の配列を用いている必要はない。後にも第2、第3実施
例として述べているが、色ムラ弊害に対しては上記マス
クがむしろ異なっている方が第1記録インクと第2記録
インクとの差が少なくなり、有効である場合が多い。し
かし、この様な記録法は隣接する異色間のにじみを起こ
すので上記特許に於いてはかえって弊害となるものであ
る。
【0086】更に、上記特許ではその効果を実現するた
めの特別な画像システムを、プログラム、ソフトウエア
と、プリンタ・フォームウエアのどちらかを組み込むこ
とを述べている。上記特許では、m×nの画素から成る
画素グループを1つのスーパーピクセルという疑似画素
に設定し、その中で階調表現や、マルチカラー表現を行
っている。そして、各スーパーピクセル内に記録される
ドット配列は、1つの疑似画素に対し番号で要求される
表現色に応じて、既に決められた複数の色表現配列の内
の1種類が選択されるものである。よって、上記特許で
はその効果の1つとして、「多数の色彩を作り出すため
のコンピュータ・プログラムを作成する作業を、むやみ
に複雑にすることがなくプリントの質の向上が達成され
る」と開示している。
【0087】これに対し、本発明に於けるm×n内の各
画素は、疑似画素を形成すると言ったような画像上の関
係は全くない。記録時の記録タイミングを共にするとい
う以外は、互いに何の関係も持たず、それぞれ完全に独
立している。本実施例の4×4画素のマスクを用いる際
に、2値化階調表現に於ける単位マトリックスを4×4
の画素グループ内に完全に含んでしまう効果も述べては
いるが、この様な効果は上記特許に示す様な、特別な画
像システムが、プログラム・ソフトウエアか、プリンタ
・フォームウエアのどちらかに組み込まれていることで
得られるものではない。先にも述べたが、確かに本実施
例の4×4マスクの様な特別な場合には、“2値化表現
の単位マトリックス内の画素を同時に記録する“と言う
構成がとられる。しかし、これより得られる効果は、既
に一般的に2値化法として知られているディザパターン
に、本発明で使用した記録装置の記録法(間引きマス
ク)そのものが、同調する形に適応した場合に特別に起
きるものである。
【0088】従って、上記に説明した本実施例の効果
「2値化信号への適応性」を実現するために、上記特許
で示されている様な特別な画像処理システムを、ホスト
側或いは記録装置本体に何ら要求するものではない。
【0089】また、本発明は特にマルチカラーに限定す
るものでもなく、時間差ムラや休止ムラの克服という点
でモノカラーに於いても十分有効な発明である。以上の
ことから本発明は上記特許とは異なったものと考える。
【0090】以上説明した様に本発明の本実施例によれ
ば、カラーインクジェット記録装置に於いて、4×3画
素の長方形、或いは4×4画素の正方形の様な、m×n
画素からなるドットグループを間引きマスクの単位と
し、これらドットグループ同士が縦横方向交互に、互い
に隣接しない状態に間引きマスクを設定することによ
り、マルチカラー及びモノカラーにおける両方向印字、
片方向印字を色ムラ、時間差ムラ、休止ムラ、及びノズ
ルムラと言う弊害のない、高画質で滑らかな画像を得る
ことが可能となる。
【0091】(第2実施例)以下に第2実施例を示す。
本実施例は4×4のドットグループを単位とした間引き
マスクで、各色で異なるものを用いていることを特徴と
している。これまで、本発明が特に解決しようとしてい
る画像弊害として、色の打ち込み順によって起こる色ム
ラと、各走査間の時間のばらつきに起因する時間差ムラ
や休止ムラを挙げてきた。しかし実際に、最も目立って
いるのは前者の色ムラである。
【0092】本実施例は特にこの色ムラに重点を置き、
積極的にこの弊害を解決しようとしたものである。色ム
ラの根本的な原因として、キャリッジの走査方向と等し
い方向に、カラーヘッドが4色配列していることが挙げ
られる。この様な構成を取っているので、どうしても各
色間に各走査での記録順番に差が生じてしまうのであ
る。そこで、その記録順番が交互に逆転し、互いに異な
る色味のドットを形成する往路と復路において、なるべ
く両者が同条件で記録される様にしたものが上記第1実
施例であった。
【0093】これに対し本実施例では、各走査に於いて
も、なるべく各色間で優先色の差が現れない様にするこ
とを目的とし、これを実現するために、色ムラの目立ち
易い組み合わせの2色で千鳥マスクを逆転させている。
図14は、4×4のドットグループを単位マトリックス
として隣接するマトリックスを千鳥状に間引いた間引き
マスクを、シアンとイエローで走査ごとに交換しながら
記録した状態を表している。本実施例の場合も第1実施
例の図7と等しく各領域で色味の不均等が無いことがわ
かる。本実施例の様な色ごとに異なるマスクを用いれ
ば、白紙上に1番最初に記録されるインク(往路走査の
シアン、復路走査のイエロー)が紙面に吸収されきって
しまう前に、同走査内で他のカラーインク(往路走査の
イエロー、復路走査のシアン)が記録されるので、各走
査内の各色の記録条件がより均等化され、優先色の差が
現れ難くなる。図7及び図14では、本実施例の効果を
特徴づける表現は特に行っていないが、これらの間には
実際に違いが見受けられている。特に4×4のドットグ
ループを単位とした間引きマスクでは、画像としてどう
してもザラツキが目立ってしまう場合などは、マスク自
体を更に小さくし、本実施例の構成を取る様にしても良
い。
【0094】勿論、本実施例では各領域に対し2回のキ
ャリッジ走査で記録を完成させなければならないので、
4色全てが重なり合わないマスクを用いるのは不可能で
ある。しかし、色ムラが画像弊害として認識されるカラ
ーの組み合わせとは、実際には1組或いは2組程度であ
ることが多い。この様な場合には、それら2色を異なる
マスクによって記録を行う様に設定すれば良い。また、
各色の組み合わせで、ほぼ均等に色ムラが目立つ様な場
合などは、各色で数画素ずつずらした状態のマスクを用
いても良い。
【0095】但し本実施例においては、各領域の第1走
査目で全ての画素領域の記録を行う方向にマスクを設定
しているので、第1走査と第2走査間の時間差が弊害要
因となる時間差ムラについては多少悪化する方向にあ
る。従って、時間差ムラがかなり目立つ様な場合には第
1実施例の方が有効であるのに対し、本実施例に於いて
は特定の2色に於いて、特に色ムラが目立つ場合に有効
であるものである。
【0096】(第3実施例)次に、本発明第3実施例と
して4パス往復記録法を説明する。本実施例はやはり4
×4のドットグループを単位としたマスクを用いるもの
であるが、一定領域を4回の走査で記録する際に、各走
査間で1/4印字幅の紙送りを行うと共に、各走査ごと
に各色間でマスクを順次交代させていくことを特徴とし
ている。この様子を示したものが図15である。ここで
は1つの正方形模様の単位に4×4の画素グループを含
み、16ノズルのヘッドで、各走査ごとに4ノズル幅の
紙送りを行っているものとして表現している。そして各
走査に於いては、互いに重ならない4×4のマスクを各
色でサイクリックに受け渡し合っている。この様にすれ
ば、同スキャンで同画素に2色以上の記録を行うことが
ないので、往復特有のヘッド並び順による色ムラがな
い。図15にも示す通り、4種類の順番で記録される4
×4のドットグループが記録領域にまんべんなく分散し
ているので、どの様な色の組み合わせによる混色画像を
記録しても、色ムラは起こらない。
【0097】また、先に述べた様な時間差ムラに関して
も、4パス印字で行う本実施例は有効である。2パス印
字ではキャリッジの1回の往復走査で一定領域の記録が
終了してしまうため、各紙送り幅ごとに印字タイミング
が異なり、それらが時間差ムラとして現れ、画像弊害と
なっていた。しかし、本実施例の様な4パス印字では、
全ての領域が4回の往復走査で記録されるので、各領域
内には複数の異なるタイミングで記録された印字画素が
混在し、従って各領域が記録走査タイミングによって特
徴づけられるものとはならない。
【0098】更に、本実施例は上記色ムラや、時間差ム
ラのみでなく、分割印字記録法のもともとの対象であっ
たノズルのばらつきに起因する濃度ムラに対しても上記
実施例より更に有効である。何故なら、上記実施例が1
つの主走査方向1色について2つのノズルで印字が完成
されるのに対し、本実施例では4つのノズルで完成され
るので更に滑らかな画像を得ることができるからであ
る。
【0099】以上説明してきた様に4×4のドットグル
ープを単位とした間引きマスクを各色で循環しながら4
パスで記録することにより、色ムラ、時間差ムラのない
滑らかな高画質な画像をスループットの速い往復印字で
得ることができる。
【0100】(第4実施例)以下に第4実施例として本
発明の分割記録を、縦方向に4色ヘッドが縦列に配置さ
れた構成の記録装置へ応用した場合を示す。本体の構成
は記録ヘッドを除き図1に示したものと同様である。本
実施例における記録ヘッドは図16に示す様に、記録ノ
ズルが4色分等しい方向へ、ブラック、シアン、マゼン
タ、イエローの順番に整列している。
【0101】図17はこの様な記録装置に対し、本発明
を取り入れた記録状態を示している。各走査ごとに1色
のノズルの半数幅ずつの紙送りが行われ、単位領域につ
き8走査で記録が完成されている。この記録装置は両方
向記録を行うが、ヘッドがこの様な構成をしている場
合、インク打ち込み順による色ムラへの弊害は予め存在
しないことになる。しかし、この様な構成を取る記録装
置に於いても、本発明は、時間差ムラを取り除く効果、
或いは第1実施例で示した4×4のドットマトリックス
を単位とした間引きマスクを使うことによるノズルムラ
への効果等、十分その有効性を発揮することが可能であ
る。
【0102】本実施例では、説明の簡略化のため、4色
のノズル群間を隙間なく構成した例で説明したが、ノズ
ル構成上の都合でノズル群間に所定画素分の隙間を設け
ても同様の印字方法を適用可能である。
【0103】尚、本実施例では、特にインクジェット記
録方式の中でも熱エネルギーを利用して飛翔的液滴を形
成し、記録を行うインクジェット方式の記録装置を例に
とり説明したが、その代表的な構成や原理については、
例えば、米国特許第4723129号明細書、同第47
40796号明細書に開示されている基本的な原理を用
いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマ
ンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であ
るが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(イン
ク)が保持されているシートや液路に対応して配置され
ている電気熱変換体に記録情報に対応して核沸騰を越え
る急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を
印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを
発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせ
て、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(イ
ンク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡
の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)
を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆
動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収
縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)
の吐出が達成でき、より好ましい。
【0104】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されている様なものが適している。尚、上
記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第43
13124号明細書に記載されている条件を採用する
と、さらに優れた記録を行うことができる。
【0105】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されている様な吐出口、液路、電気熱変換体の
組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他
に熱作用が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書、米国特許第44
59600号明細書を用いた構成としても良い。
【0106】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
としても良い。
【0107】更に、記録装置が記録できる最大記録媒体
の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘ
ッドとしては、上述した明細書に開示されている様な複
数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構
成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構
成のいずれでも良い。
【0108】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、或
いは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられ
たカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本
発明は有効である。
【0109】また、記録ヘッドに対しての回復手段、予
備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層
安定できるので好ましいものである。これらを具体的に
挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、ク
リーニング手段、加圧或いは吸引手段、電気熱変換体或
いはこれとは別に加熱素子或いはこれらの組み合わせに
よる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モ
ードを行うことも安定した記録を行うために有効であ
る。
【0110】以上説明した本実施例に於いては、インク
を液体として説明しているが、室温やそれ以下で固化す
るインクであって、室温で軟化するもの、もしくは液体
であるもの、或いは上述のインクジェット方式ではイン
ク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行
ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御
するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にイ
ンクが液状をなすものであれば良い。
【0111】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで防止するか、またはイン
クの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインクを
用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの記録信号
に応じた付与によってインクが液化し、液状インクとし
て吐出するものや、記録媒体に到達する時点では既に固
化し始めるもの等のような、熱エネルギーによって初め
て液化する性質のインクとしても良い。この様な場合、
インクは特開昭54−56847号公報或いは特開昭6
0−71260号公報に記載されているような、多孔質
シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持
された状態で、電気熱変換体に対して対抗する様な形態
としても良い。本発明に於いては、上述した各インクに
対しても最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行
するものである。
【0112】更に加えて、本発明に係る記録装置の形態
としては、ワードプロセッサやコンピュータ等の情報処
理機器の画像出力端末として一体または別体に設けられ
るものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さらに
は送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るも
のであっても良い。
【0113】また、熱エネルギーを利用したインクジェ
ット方式に限らず、ピエゾ素子等を利用したインクジェ
ット方式にも本発明は適用可能である。
【0114】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、記録手段
の1回の主走査で記録可能な領域の全画素を、互いに補
完の関係にある複数の分割間引き配列に従って少なくと
も第1方向の第1走査及び第2方向の第2走査の複数回
の主走査で順次記録することにより前記領域の記録を行
うとともに、前記分割間引き配列は、m×nの画素グル
ープを単位とし、前記m,nは、正の整数で少なくとも
一方が2以上であって、前記第1走査で記録されたドッ
トが前記第2走査で記録を行うべき非記録領域にはみ出
した割合を示すはみ出し率が33%以下になる値とされ
ているので、第1走査による記録のはみ出し率が33%
以下になるため、第2走査による記録が第1走査による
記録とほぼ同条件で行われることとなり、色ムラなどの
弊害を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用可能なインクジェット記録装置の
概略構成を示す斜視図である。
【図2】記録ヘッドを示す図である。
【図3】図1に示すインクジェット記録装置の制御部を
示すブロック図である。
【図4】本発明による分割記録の間引き配列を示す図で
ある。
【図5】本発明による分割記録の間引き配列の別の例を
示す図である。
【図6】図4に示す間引き配列のマスクを用いた記録状
態を示す図である。
【図7】図5に示す間引き配列のマスクを用いた記録状
態を示す図である。
【図8】インクドットのはみ出し率と色差の関係を示す
図である。
【図9】図4に示す間引き配列のマスクを用いた分割記
録において、往復時間差の影響を受ける領域を示す図で
ある。
【図10】図5に示す間引き配列のマスクを用いた分割
記録において、往復時間差の影響を受ける領域を示す図
である。
【図11】1画素を単位とした間引き配列のマスクを用
いた分割記録において、往復時間差の影響を受ける領域
を示す図である。
【図12】1画素を単位とした間引き配列のマスクを用
いた分割記録の場合及び図4に示す間引き配列のマスク
を用いた分割記録の場合に、ディザ法による2値化デー
タがどの様に記録されるかを説明する図である。
【図13】1画素を単位とした間引き配列のマスクを用
いた分割記録の場合及び図5に示す間引き配列のマスク
を用いた分割記録の場合に、ディザ法による2値化デー
タがどの様に記録されるかを説明する図である。
【図14】第2実施例における記録状態を示す図であ
る。
【図15】第3実施例における記録状態を示す図であ
る。
【図16】第4実施例における記録ヘッドを示す図であ
る。
【図17】第4実施例における記録状態を示す図であ
る。
【図18】インクジェットプリンタの理想的な印字状態
を示す図である。
【図19】濃度ムラのある印字状態を示す図である。
【図20】分割記録を説明する図である。
【図21】分割記録による印字状態を示す図である。
【図22】紙面上のインクの吸収状態を示す図である。
【図23】従来の分割記録の間引き配列を示す図であ
る。
【図24】色ムラが起きる状態を説明するための紙面断
面図である。
【図25】従来の分割記録による色ムラを説明する図で
ある。
【図26】時間差による濃度ムラが起きる状態を説明す
る図である。
【図27】時間差ムラの要因を説明する図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平林 弘光 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小板橋 規文 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 名越 重泰 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 杉本 仁 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 植月 雅哉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−121658(JP,A) 特開 昭60−107975(JP,A) 特開 昭64−67348(JP,A) 特開 平3−224746(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 1/23 B41J 3/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の記録素子の配列であって異なる色
    のインクを吐出する複数の記録素子配列を備えた記録手
    段を前記複数の記録素子の配列方向と異なる方向に移動
    させて主走査を行い、主走査終了後に主走査と略垂直な
    方向に所定量副走査を行うことにより記録材上に画像を
    記録するインクジェット記録方法において、 前記記録手段の1回の主走査で記録可能な領域の全画素
    を、互いに補完の関係にある複数の分割間引き配列に従
    って少なくとも第1走査及び第1走査と反対方向の第2
    走査の複数回の主走査で順次記録することにより前記領
    域の記録を行うとともに、 前記分割間引き配列は、m×nの画素グループを単位と
    し、 前記m,nは、正の整数で少なくとも一方が2以上であ
    って、前記第1走査で記録されたドットが前記第2走査
    で記録を行うべき非記録領域にはみ出した割合を示すは
    み出し率が33%以下になる値とされていることを特徴
    とするインクジェット記録方法。
  2. 【請求項2】 前記m,nは、前記m×nの画素のグル
    ープの一辺が0.5mm未満となる値とされていること
    を特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方
    法。
  3. 【請求項3】 同一主走査において、複数色のうち所定
    色に対して用いられる分割間引き配列が他の色に対して
    用いられる分割間引き配列と異なることを特徴とする請
    求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 【請求項4】 前記領域を記録色数に応じた回数の主走
    査により記録するものであって、各色で複数の間引き配
    列を異なる主走査で順回させることを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  5. 【請求項5】 前記画素グループが長方形の画素グルー
    プであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェ
    ット記録方法。
  6. 【請求項6】 前記画素グループが正方形の画素グルー
    プであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェ
    ット記録方法。
  7. 【請求項7】 前記所定量は、前記記録素子数を前記領
    域の記録を完成されるに必要な主走査数で除算すること
    により得られる商の値の画素数に相当する量であること
    を特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方
    法。
  8. 【請求項8】 前記記録素子は熱エネルギーを用いてイ
    ンクに状態変化を生起させることによりインク滴を吐出
    することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット
    記録方法。
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