JPH05318770A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH05318770A
JPH05318770A JP4127050A JP12705092A JPH05318770A JP H05318770 A JPH05318770 A JP H05318770A JP 4127050 A JP4127050 A JP 4127050A JP 12705092 A JP12705092 A JP 12705092A JP H05318770 A JPH05318770 A JP H05318770A
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JP
Japan
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recording
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mode
ink
paper
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Pending
Application number
JP4127050A
Other languages
English (en)
Inventor
Miyuki Matsubara
美由紀 松原
Hiromitsu Hirabayashi
弘光 平林
Shigeyasu Nagoshi
重泰 名越
Masaya Uetsuki
雅哉 植月
Hitoshi Sugimoto
仁 杉本
Fumihiro Gotou
史博 後藤
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Priority to AT93302493T priority patent/ATE249705T1/de
Priority to US08/040,298 priority patent/US5633663A/en
Priority to EP93302493A priority patent/EP0564252B1/en
Priority to DE69333194T priority patent/DE69333194T2/de
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Priority to US09/330,309 priority patent/US6250737B1/en
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スループットの低下なく安定した画像を得る
こと。 【構成】 複数の記録素子列から成る記録素子列をm個
のグループに分割し、記録材の所定領域に対し片方向の
みの走査で間引き画像をm回記録する第1記録モード
(コート紙等対応)と、記録素子列をn(<m)個のグ
ループに分割し、記録材の所定領域に対し両方向の走査
で間引き画像をn回記録する第2記録モード(普通紙対
応)とを記録材の種類に応じたオペレータの入力操作に
より選択可能にする。又第1記録モードの場合でも、更
にブラック強調がオペレータにより設定された場合、往
動時にY、M、C、Kの印字を行い、復動時にKのみの
印字を行う。この際ブラックヘッドの温度をモニタし、
所定温度以上になると片方向のみの印字に切換え、Y、
M、C、Kの印字のための往動し、復動時には印字せず
Kのみの印字のための往動を更に実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録装置
に関するものである。
【0002】[背景技術]複写装置や、ワードプロセッ
サ、コンピュータ等の情報処理機器、さらには通信機器
の普及に伴い、それらの機器の画像形成(記録)装置の
一つとして、インクジェット方式による記録ヘッドを用
いてデジタル画像記録を行うものが急速に普及してい
る。更に前記情報機器、通信機器のカラー化にともない
記録装置においてもカラー対応したものの需要が増えて
きている。このような記録装置においては、記録速度の
向上のため、複数の記録素子を集積配列してなる記録ヘ
ッド(以下マルチヘッドという)として、インク吐出口
および液路を複数集積したものを用い、さらにカラー対
応としてシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの複数
個の上記マルチヘッドを備えたものが一般的である。
【0003】一般にモノクロプリンタでは、往路と復路
で交互に印字と紙送りを行う両方向印字が可能である。
これならば印字時間も通常と変わらずに実現できる。し
かし、カラーインクジェットの混色部に於いては、イン
ク着弾順にならうインクの色層順により、支配色が変わ
ってしまう。先に着弾されたドットに別のドットを重ね
た場合、その重なり部分においては先に着弾されたドッ
トよりも後に打たれたドットの方が紙面深さ方向に沈む
傾向にあるのである。
【0004】図18はそれを模式的に示した断面図であ
る。これは、吐出されたインク中の染料などの色素が記
録媒体と物理的かつ化学的に結合するわけであるが、こ
の時記録媒体と色素の結合は有限であるため、色素の種
類によって結合力に大きな差がない限りにおいては、先
に吐出されたインク色素と記録媒体の結合が優先される
ために記録媒体表面に多く残り、後から打たれたインク
色素は記録媒体表面では結合しにくく、紙面深さ方向に
沈んで染着するものと考えられる。
【0005】よって往復印字のようにキャリッジの進行
方向によりインク着弾順番が変わってしまう場合には、
全てのインク色で往路と復路を印字するのは困難であ
る。往路と、復路で支配色が変わってしまい、1走査印
字領域毎の色ムラが起こりかねないからである。
【0006】その様子を示したものが図19である。こ
こではある一定領域の画素全てにマゼンタ、イエロー、
ブラックの3色からなるRK(レッド、ブラック)を印
字する場合を模式的に示したものである。201は4色
のヘッドであり、図のような順番で配列している。ま
ず、第1走査目で図の第1印字領域をキャリッジが矢印
Aの方向へ移動することによって印字を完成させる。先
に説明した通り、インクは着弾順に紙に対し層を形成す
るのであるから、この走査での1ドット当たりの着弾状
況の断面図は203のように、上から、ブラック、マゼ
ンタ、イエローとなり、この領域に於ては最も表面にあ
るブラックインクが全体の支配色となる。その後印字領
域幅の紙送りが行われ、ヘッドは紙面に対し202の位
置にスタンバイする。そして、今後は逆方向Bにキャリ
ッジ移動することにより第2印字領域幅の印字を完成さ
せる。しかし、この時同着弾点に着弾されるインク色の
順番は第1走査の時とは逆転し、イエロー、マゼンタ、
ブラックの順となるので1画素の断面図は204に示す
通り、最も表面に近いインク色は今度はイエローとなっ
てしまう。したがって第2印字領域に於る支配色もイエ
ローとなり、第1走査目の支配色がブラックであったR
Kとは異なった色味のRK画像となってしまう。
【0007】更にこの様な往復印字を繰り返し行えば、
印字領域幅ずつ異なった色味のRKが繰り返され、画像
を著しく劣化させてしまう恐れがある。
【0008】しかし、以上説明した往復印字の濃度ムラ
も、ノズルのばらつきを還元するために行われている分
割印字法をともに行うことにより、かなり緩和される。
以下にその分割印字法を、図20〜22を用いて説明す
る。
【0009】図20(a)において、71はマルチヘッ
ドであり、簡単のため8個のマルチノズル72によって
構成されているものとする。73はマルチノズル72に
よって吐出されたインクドロップレットであり、通常は
この図のように揃った吐出量で、揃った方向にインクが
吐出されるのが理想である。もし、この様な吐出が行わ
れれば、図20(b)に示したように紙面上に揃った大
きさのドットが着弾され、全体的にも濃度ムラの無い一
様な画像が得られるのである。(図20(c))。
【0010】しかし、実際には先にも述べたようにノズ
ル1つ1つにはそれぞれバラツキがあり、そのまま上記
と同じように印字を行ってしまうと、図21(a)に示
したようにそれぞれのノズルより吐出されるインクドロ
ップの大きさ及び向きにバラツキが生じ、紙面上に於て
は図21(b)に示すように着弾される。この図によれ
ば、ヘッド主走査方向に対し、周期的にエリアファクタ
ー100%を満たせない白紙の部分が存在したり、また
逆に必要以上にドットが重なり合ったり、あるいはこの
図中央に見られる様な白筋が発生したりしている。この
様な状態で着弾されたドットの集まりはノズル並び方向
に対し、図21(c)に示した濃度分布となり、結果的
には、通常人間の目でみた限りで、これらの現象が濃度
ムラとして感知される。
【0011】そこでこの濃度ムラ対策として次ぎのよう
な方法が提案されている。図22によりその方法を説明
する。この方法によると図20及び図21で示した印字
領域を完成させるのにマルチヘッド71を3回スキャン
しているが、その半分4画素単位の領域は2パスで完成
している。この場合マルチヘッドの8ズルは、上4ノズ
ルと、下4ノズルのグループに分けられ、1ノズルが1
回のスキャンで印字するドットは、規定の画像データ
を、ある所定の画像データ配列に従い、約半分に間引い
たものである。そして2回目のスキャン時に残り半分の
画像データへドットを埋め込み、4画素単位領域の印字
を完成させる。以上の様な記録法を分割記録法と称す。
【0012】この様な記録法を用いると、図21で示し
たマルチヘッドと等しいものを使用しても、各ノズル固
有の印字画像への影響が半減されるので、印字された画
像は図22(b)の様になり、図21(b)に見るよう
な黒筋や白筋が余り目立たなくなる。従って濃度ムラも
図22(c)に示す様に図21の場合と比べ、かなり緩
和される。
【0013】そこで、この様な分割印字を行う際にも往
復印字を行う方法が考えられる。しかしながらこの方法
によれば、図19の203で表わした色層と、204で
表わした色層を持つ着弾点が同印字領域にほぼ同数づつ
存在するので、インクの紙面への吸収が既に説明したイ
ンク吸収順による問題は解決できる。
【0014】特に普通紙においてはその効果が高く往復
印字が可能となっている。
【0015】
【発明が解決しようとしている課題】しかし、上記分割
印字法を用いることによってスループットを上げ高画質
を得られるように出来るのは、インクが紙面上で広がり
にくい普通紙の場合であって、例えばコート紙の様に濃
度を上げるために表面のにじみが大きく設計してある記
録媒体の場合には、着弾したドットが1画素以上の大き
なエリアに及び隣接画素のインク層をも形成してしま
う。よって図18で1画素単位で説明を加えたきたこの
インク層による色ムラも、図18に見るように第1走査
目の方が第2走査目よりも支配色となり、この様な記録
媒体には適応できず、往復印字は不可能なままである。
【0016】したがって普通紙及びコート紙双方に対応
したプリンタでは、普通紙では更にスループットを上げ
られる能力を持ちながらも、コート紙にも対応できるよ
う通常片方向印字のみ行っていた。
【0017】本発明は上記点に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、両方向印字と片方向印字を効
率良く選択してスループットを向上させることが可能な
インクジェット記録装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段及び作用】即ち本発明は、
互いに異なる色のインクを吐出する複数の記録素子列が
配置された記録手段を記録材に対し相対的に往復移動さ
せて記録走査を行うことによりカラー画像を記録するイ
ンクジェット記録装置において、前記往復移動の一方に
おいて記録走査を行う第1記録モードと前記往復移動の
両方において記録走査を行う第2記録モードのいずれか
を選択する選択手段と、前記選択手段により選択される
記録モードに応じて記録材上の所定領域に対する記録走
査を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は前記第
1記録モード及び第2記録モードにおいて前記記録素子
列を複数のグループに分割し、記録材の所定領域に対し
異なるグループを用いて複数回記録走査を行うことによ
り画像を記録することを特徴とする。
【0019】又本発明は、互いに異なる色のインクを吐
出する複数の記録素子列が配置された記録手段を相対的
に往復移動させて記録走査を行うことによりカラー画像
を記録するインクジェット記録装置において、前記往復
移動の一方において記録走査を行う第1記録モードと前
記往復移動の両方において記録走査を行う第2記録モー
ドのいずれかを選択する選択手段と、前記第2記録モー
ドで記録動作中所定の条件に基づいて前記第2記録モー
ドから前記第1記録モードに切換えて記録動作を行わせ
る切換手段と、を有することを特徴とする。
【0020】これにより、分割記録における片方向印字
と両方向印字を適宜設定可能にする。
【0021】又、片方向印字と両方向印字を選択可能に
するとともに、両方向印字中に所定の条件に基づき片方
向印字に自動的に切換える。
【0022】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照して詳細に
説明する。図1は本発明が適用可能なカラーインクジェ
ット記録装置の概略構成を示す斜視図である。
【0023】この図において、701はインクカートリ
ッジである。これらは、4色のカラーインク、ブラック
(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー
(Y)がそれぞれ詰め込まれたインクタンクと、各色に
対応したマルチヘッド702より構成されている。この
マルチヘッド上に配列するマルチノズルの様子をz方向
から示したものが図2であり、801はマルチヘッド7
02上に配列するマルチノズルである。
【0024】尚、本図ではマルチノズル801がY軸に
沿って並行に配列されているが、例えば図のXY平面上
多少の傾きを持っていても良い。この場合には、ヘッド
が進行方向Xに進んで行くのに対し、各ノズルはそれぞ
れタイミングをずらしながら印字を行っていくことにな
る。
【0025】再び図1に戻る。703は紙送りローラ
で、704の補助ローラとともに印字紙Pを抑えながら
図の矢印の方向に回転し、印字紙PをY方向に随時送っ
ていく。また705は給紙ローラであり印字紙の給紙を
行うとともに、紙送りローラ703、補助ローラ704
と同様、印字紙Pを抑える役割も果たす。706は4つ
のインクカートリッジを支持し、印字とともにこれらを
移動させるキャリッジである。キャリッジ706は印字
を行っていないとき、あるいはマルチヘッドの回復作業
などを行うときには図の点線で示した位置のホームポジ
ションhに待機するようになっている。
【0026】尚、本実施例においては、各インクジェッ
トカートリッジの記録ヘッドは、熱エネルギーを用いて
インクに状態変化を生起させることにより、インク滴を
吐出するものである。
【0027】ここで、キャリッジ706に搭載された4
個のインクジェットカートリッジはキャリッジの往動時
にブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イ
エローインクの順にインクを重ね合せるように配列され
ている。又カラー中間色はC、M、Yの各色のインクド
ットを適当に重ね合せることにより実現できる。すなわ
ち赤はMとY、青はCとM、緑はCとYを重ね合せるこ
とにより実現できる。
【0028】一般に黒はC、M、Yの3色を重ねること
により実現できるが、この時の黒の発色が悪いこと、精
度良く重ねることが困難なため有彩色の縁どりが生じる
こと及び単位時間当たりのインクの打ち込み密度が高く
なりすぎること等のために黒だけは別に打ち出すように
している。
【0029】図3は図1に示すインクジェット記録装置
の制御部を示すブロック図である。図中1201はCP
U、ROM、RAM等を中心に構成された制御部であ
り、ROMに格納されたプログラムに従って装置各部の
制御を行う。1202は制御部1201からの信号に基
づいてキャリッジ706をx方向に移動(主走査)させ
るためのキャリッジモータ1205を駆動するドライ
バ、1203は制御部1201からの信号に基づいて給
紙ローラ705及び紙送りローラ703を駆動し記録材
をy方向に搬送(副走査)するための搬送モータ120
6を駆動するドライバ、1204は制御部1201から
の印字データに基づいて各色マルチヘッド1207〜1
210(図1の702に相当)を駆動するドライバ、1
211は各種キーの入力及び各種表示を行う走査表示
部、1212は制御部1201に対し印字データを供給
するためのホスト装置である。又1213はブラックの
マルチヘッド1207の温度を検知するための温度セン
サである。
【0030】印字開始前、図の位置(ホームポジショ
ン)にあるキャリッジ706は、印字開始命令がくる
と、x方向に往動しながら、マルチヘッド702上のn
個のマルチノズル801により、紙面上の記録領域に対
し全色分の印字を行う。紙面端部までデータの印字が終
了し、反転位置に達するとキャリッジはホームポジショ
ン方向に復動を開始し、再びブラックデータのみの印字
を行う。又、紙送りローラ703が矢印方向へ回転する
ことにより記録領域の幅に応じてy方向への紙送りを行
う。この様にしてマルチヘッドによる印字と紙送り(副
走査)を行う繰り返しにより、一紙面上のデータ印字が
完成する。
【0031】上記の如き構成のインクジェット記録装置
により行われる記録方法の具体例について更に説明す
る。
【0032】(第1実施例)以下に本発明第1実施例を
説明する。本実施例はユーザーが画像記録を行う際に、
オペレータが記録紙が普通紙であるか、トラペン(或い
はコート紙)等の特殊紙であるかによって、操作表示部
1211内のメディアセレクタをマニュアル操作するこ
とにより選択するものである。通常トラペンは先に説明
したコート紙の様なにじみ方の特徴はないが、吸収能力
が他の記録紙に比べ低い為、インクが完全に吸収される
までに時間がかかる。従って、両方向印字の様に単位領
域当たりの印字時間が短いと異色同士の境界にじみが起
こる可能性があるので、少ないパスでの印字には不向き
である。従って、ここではメディアセレクタによるコー
ト紙及びトラペンの選択に対し、4パスの片方向印字モ
ードを選択している。
【0033】一方、普通紙では先に説明した様に往復印
字が可能であるので、特にメディアセレクタによる普通
紙の選択に対して標準モードとしてスループットの高い
2パス両方向印字モードを選択している。
【0034】以下にそれぞれの印字走査の詳細を図を用
いて説明する。図4〜9は普通紙標準モードである2パ
ス両方向印字を表わす。図4〜図7はブラックとイエロ
ーが等しい間引きマスクを用い、シアンとマゼンタはこ
れと補完の関係にあるマスクを用い、各パスでこれらを
交換しながら印字していく様子を示している。ここでは
簡単のため、マルチヘッド702は8ノズルを持つヘッ
ドで、ヘッド長Lに対してL/2の紙送りとともに往復
印字を行っていく様子を第1走査目から第4走査目ま
で、各画素の着弾順序とともに示している。各4色は図
に示す順序で紙面に対して配列し、各走査毎に矢印で示
したヘッド走査方向に伴った着弾順序で記録されてい
く。
【0035】図4は第1走査目における各色のマスクと
紙面上におけるインクの着弾順序を表わしたものであ
る。第1走査においては4色分のマルチヘッドをキャリ
ッジ706により矢印A方向に移動しながら8ノズルの
うちの下半分の4ノズルを用いて普通紙上の領域(1)
に対し各色のインクを吐出して行く。この際、各色毎に
図示の如きマスク401〜404を用いて印字を行い、
405に示す如く紙面上の領域(1)の各画素にインク
が順番に着弾していく。この後矢印C方向にマルチヘッ
ドの半分の長さL/2だけ紙送りが行われる。尚、紙面
上の各画素においてインクは左側から右側に示す順番で
着弾されるものである。例えば画素418においては第
1走査においてK→Yの順番にインクが着弾され、画素
419においてはC→Mの順番にインクが着弾される。
【0036】図5は第2走査目における各色のマスクと
紙面上におけるインクの着弾順序を表わしたものであ
る。第2走査においては4色分のマルチヘッドをキャリ
ッジ706により矢印A方向と反対方向のB方向に移動
しながら全ノズル(8ノズル)を用いて普通紙の領域
(1)、(2)に対し各色のインクを吐出して行く。こ
の際、各色毎にマスク406〜409を用いて印字を行
う。尚、このマスク406〜409は前述のマスク40
1〜404(図4)に対し互いに補完的なパターンとな
っている。
【0037】この第2走査により紙面上の領域(1)の
各画素に対しては410に示す如くインクが順番に着弾
し、領域(2)の各画素に対しては411に示す如くイ
ンクが順番に着弾して行く。この後矢印C方向に、L/
2だけ紙送りが行われる。この第2走査により領域
(1)に対する印字は完了する。以上の第1、第2走査
により領域(1)の画素418においてはK→Y→M→
Cの順番でインクが着弾され、画素419においてはC
→M→Y→Kの順番でインクが着弾される。
【0038】図6は、第3走査目における各色のマスク
と、紙面上におけるインクの着弾順序を表わしたもので
ある。第3走査においては4色分のマルチヘッドをキャ
リッジ706により矢印A方向に移動しながら全ノズル
(8ノズル)を用いて普通紙上の領域(2)、(3)に
対し各色のインクを吐出して行く。この際、各色毎にマ
スク412〜415を用いて印字を行う。このマスク4
12〜415は前述のマスク401〜404(図4)を
副走査方向に繰返すことにより得られるパターンと同じ
配列を有するものであり、マスク406〜409(図
5)に対し互いに補完的なパターンとなっている。
【0039】この第3走査により紙面上の領域(2)の
各画素に対しては、416に示す如くインクが順番に着
弾し、領域(3)の各画素に対しては417に示す如く
インクが着弾して行く。この後矢印C方向にL/2だけ
紙送りが行われる。この第3走査により領域(2)に対
する印字は完了する。
【0040】図7は、第4走査目における各色のマスク
と、紙面上におけるインクの着弾順序を表わしたもので
ある。第4走査においては4色分のマルチヘッドをキャ
リッジ706により第2走査と同様に矢印B方向に移動
しながら全ノズル(8ノズル)を用いて紙面上の領域
(3)、(4)に対し各色のインクを吐出して行く。こ
の際、各色毎に第2走査と同様のマスク406〜409
を用いて印字を行う。
【0041】この第4走査により紙面上の領域(3)の
各画素に対しては420に示す如くインクが順番に着弾
し、領域(4)の各画素に対しては421に示す如くイ
ンクが順番に着弾して行く。この後矢印C方向にL/2
だけ紙送りが行われる。この第4走査により領域(3)
に対する印字が完了する。
【0042】以後同様にして紙面上の各領域に対し印字
を行い、そして最後の領域に対して、マルチヘッドの上
半分の4ノズルを用いて印字を行って普通紙1頁の印字
を完了する。
【0043】この様な印字法を行うとき特に色ムラの目
立つグリーン画像がどの様になるかを示したものが図8
である。図8において、501、502は各パスの間引
きマスクを表したものであるが、ここでは同じパスで、
シアンとイエローが異なる画素に着弾点を持つ。即ち、
1パス目のシアンは、2パス目のイエローと同じマスク
を持ち、2パス目のシアンは1パス目のイエローと同じ
マスクを持つ。これらは1パス毎に互いにその補完の関
係にあるマスクを交換している。従って、同じパス内で
同着弾点にこれら2色のインク滴が同時に印字される事
は無い。
【0044】この様なマスクを用いて画像データ503
を印字したときの着弾状態を、504及び505に示
す。1パス目では、イエローよりもシアンの方が多少の
時間差をもって先に着弾される。しかし、この時のイエ
ローのインク滴は、シアンが着弾された画素とは異なる
位置に、まだシアンのインク滴が吸収され切ってしまう
前に着弾される。この様子を示したものが図9の601
である。この時イエローは、シアンとほぼ同等なレベル
で白紙に着弾吸収され、従って着弾状態もシアンインク
と同程度の濃度を得られる事となる(504、60
2)。
【0045】また、ここまでの状態で既に紙面上はイン
クが完全に覆い尽くしているので、2パス目においても
シアンとイエローのにじみ方の差はなく、印字完成画像
としては506及び604に示す通り、画像領域全体に
於いて、シアンとイエローの均等性が保たれたグリーン
画像を得る事ができるのである。この様な印字状態は、
往路も、復路も同様に得られるものであり、従って隣合
う記録領域毎に色味の不均衡も無く、色ムラという現象
が起こりにくく両方向印字が可能となる。
【0046】両方向印字を行う時は、この様に色ムラの
目立ち易いインク色同士を、各走査毎に同等な着弾状態
とすることが色ムラを防止するために有効である。本実
施例ではその為にシアンとイエローを異なる間引きマス
クで印字させている。もし、シアンとイエローが同画素
に印字されるマスクを用いれば、往路、復路でこれら2
色に、色味の片寄りが生じ、色ムラの原因となってしま
う可能性が大きくなってしまうのである。ただし、ここ
ではシアンとイエローについてのみ説明を行ってきた
が、実際には他に、ブラックとマゼンタの2色も加わ
る。従って、少なくともこの内の2色のインクは、同画
素に同パス内で着弾しなくてはならない。この様な場合
には図4〜7のように例えば、シアンとイエロー、また
マゼンタとイエローの様に特に色ムラの目立ち易い2色
で異なるマスクを使用する様なグループ分けをすれば良
い。以上の手段を用いて、2パス両方向印字が可能とな
れば、これは片方向の1パス印字と等しいスループット
で色ムラの無い高画質な画像を普通紙に於いて得る事が
出来る。
【0047】次にコート紙或いはトラペン用紙が選択さ
れたときの4パス片方向印字法を図10〜図14を用い
て説明する。ここでは、簡単のためマルチヘッド702
は16ノズルから構成されているものとして、本方法の
印字状態を第1走査から第5走査まで示している。
【0048】図10は第1走査目における各色のマスク
と紙面上の画像領域の関係を示すものである。この第1
走査においては、4色分のマルチヘッドをキャリッジ7
06により矢印D方向に移動しながら16ノズルのうち
紙送り方向に対し最上流側に位置する4ノズルを用いて
コート紙又はトラペン用紙上の領域(1)に対し各色の
インクを吐出して行く。この際、各色毎に図示の如き2
5%の間引きマスク701〜704を用いて印字を行
う。例えばマスク701は4×4画素の領域をもつマス
ク705とこのマスク705を主走査方向に反転したマ
スク706を並置して得られるもので、各色共通のパタ
ーン配列となっている。このマスクを用いた領域(1)
の印字後マルチヘッドの1/4の長さL/4だけ紙送り
が行われる。
【0049】図11は、第2走査目における各色のマス
クと紙面上の記録領域の関係を示すものである。この第
2走査においても4色分のマルチヘッドをキャリッジ7
06により矢印D方向に移動しながら16ノズルのうち
の紙送り方向に対し上流側に位置する(下半分の)8ノ
ズルを用いて紙面上の領域(1)、(2)に対し各色の
インクを吐出して行く。この際、各色毎に図示の如き2
5%の間引きマスク707〜710を用いて印字を行
う。例えばこのマスク707も4×4画素の領域をもつ
マスク711とこのマスクを主走査方向に反転したマス
ク712を並置して得られるマスクを更に副走査方向に
繰返すことにより得られるもので、マスク701〜70
4に対し補完的なドットパターンの配列となっている。
このマスクを用いた領域(1)、(2)の印字後L/4
だけ紙送りが行われる。
【0050】図12は、第3走査目における各色のマス
クと紙面上の記録領域の関係を示すものである。この第
3走査においても4色分のマルチヘッドをキャリッジ7
06により矢印D方向に移動しながら、紙送り方向に対
し上流側に位置する12ノズルを用いて、紙面上の領域
(1)、(2)、(3)に対し、各色のインクを吐出し
て行く。この際、各色毎に図示の如き25%の間引きマ
スク713〜716を用いて印字を行う。このマスク、
例えばマスク713は4×4画素の領域をもつマスク7
17と、このマスクを主走査方向に反転したマスク71
8を並置して得られるマスクを更に副走査方向に繰返す
ことにより得られるもので、マスク701〜704、7
07〜710に対し補完的なドットパターンの配列とな
っている。このマスクを用いた領域(1)、(2)、
(3)の印字後L/4だけ紙送りが行われる。
【0051】図13は、第4走査目における各色のマス
クと紙面上の記録領域の関係を示すものである。この第
4走査においても4色のマルチヘッドをキャリッジ70
6により矢印D方向に移動しながら全ノズル(16ノズ
ル)を用いて紙面上の領域(1)、(2)、(3)、
(4)に対し各色のインクを吐出して行く。この際、各
色毎に図示の如き25%の間引きマスク719〜722
を用いて印字を行う。例えばマスク719は4×4画素
の領域を持つマスク723とこのマスクを主走査方向に
反転したマスク724を並置して得られるマスクを副走
査方向に繰返すことにより得られるもので、マスク70
1〜704、707〜710及び713〜716に対し
補完的なドットパターンの配列となっている。このマス
クを用いた領域(1)〜(4)の印字後L/4だけ紙送
りが行われる、又この第1〜第4走査により領域(1)
の印字が完了する。
【0052】図14は第5走査目における各色のマスク
と紙面上の記録領域の関係を示すものである。この第5
走査においても4色のマルチヘッドをキャリッジ706
により矢印D方向に移動しながら全ノズル(16ノズ
ル)を用いて紙面上の領域(2)〜(5)に対しインク
を吐出して印字を行う。この際用いられるマスク725
〜728は、第1走査目において用いられたマスク70
1〜704を副走査方向に繰返すことにより得られるも
のである。このマスクを用いた領域(2)〜(5)の印
字後L/4だけ紙送りが行われる。そして以降同様にし
て紙面上の各領域に対し印字を行い、領域(n−2)に
対しては、マルチヘッドの16ノズルのうち紙送り方向
に対し下流側の12ノズルを用いて印字を行い、領域
(n−1)に対しては紙送り方向に対し下流側の8ノズ
ル(上半分)を用いて印字を行い、最後の領域(n)に
対しては紙送り方向に対し最下流側の4ノズルを用いて
印字を行って1頁の印字が完了する。
【0053】この様に本印字法は先の2パス両方向と異
なり、25%づつの間引きマスクにより単位記録領域当
たり4回の片方向走査でL/4の紙送りをはさみながら
記録を完成させて行く。この様に4パスで印字を行え
ば、1主走査方向について4種のノズルで印字を行うこ
とになるので、ノズルばらつきに起因する濃度ムラも2
パスに比べ更に緩和され、より滑らかな高画質を得る事
が出来る。また図でも示した通り本方法では4色が常に
等しい間引きマスクを使用している。これは、両方向印
字の時と違って、片方向印字では往路、復路でインクの
着弾順番が逆転し、色ムラの原因となる様な心配が無い
為である。
【0054】さらに、本方法では4×8という大きな画
素範囲で25%間引きマスクを使用している。これは従
来例で説明したノズルばらつきによる濃度ムラ対策に於
いて、より高画質な画像を得ようとしたものである。上
記弊害を解決する為には、等しい主走査方向に並ぶドッ
トがなるべくパス数に等しい数のノズルに均等に分散し
て印字されるのがよい。従ってそのためには、横方向に
長く、その中に周期性を持たないマスクを用いて、通常
周期性のある2値化パターンと同期させないようにする
のがよいことになる。ここに示すマスクは4×4のマス
クを主走査方向に反転させた形のものであり、この中に
は主走査方向に周期性は無い。従って色ムラに関しては
勿論、ノズルばらつきによる濃度ムラに関しても、横方
向の長い分低デューティーまで対策が有効となる。
【0055】また、4パス印字という単位領域当たり少
量づつ印字を完成させていく方法を用いれば、トラペン
用紙の様なインク吸収の遅い記録媒体に於いても異色同
士が印字後に紙面上で混ざり合うことも無くにじみとい
う画像弊害も起こり難くなる。
【0056】この印字モードは、スループットの点では
普通紙の標準モードである2パス両方向印字よりも劣る
が、画質の点ではかなりの高画質を望めるモードであ
る。従って普通紙に印字する場合でも、より高画質を印
字したい時などは、ユーザーの判断でこの4パス片方向
印字を選択し、更に高画質な画像を得る事が出来るので
ある。
【0057】以上説明した本実施例の様に、発色性の良
いコート紙及びトラペン用紙或いは普通紙でより滑らか
な画像を得たい時の為の、4パスで高画質な画像を時間
をかけて印字することが出来る4パス片方向印字モード
と、普通紙用に標準的な画質をスループットの高い状態
で得ることができる2パス両方向印字モードとを、ユー
ザーがメディアセレクタにより選択することにより、そ
の時々にユーザーが必要とする画質とスループットで印
字することが可能となる。
【0058】(第2実施例)次に第2実施例として、ブ
ラック強調印字時の片方向と両方向印字のモード自動切
り替えについて説明する。本実施例は、第1実施例のト
ラペン用紙或いはコート紙印字モード内で、更に下位モ
ードとして黒強調を行う場合について述べたものであ
る。
【0059】通常トラペン用紙ではインクのにじみ方が
他の記録媒体に比べ少ないため、等しいインクドロップ
量でも着弾後のドットが小さく、結果的に濃度が低かっ
たり、或いはスジが目立つ等の弊害が起こり易い。特に
ブラックではその弊害が目立ち易く、通常ブラックのみ
200%印字を行うという対策が取られている。また、
コート紙に於いても、よりブラックを鮮明にし、黒文字
や罫線のメリハリをつけるためにブラック強調が行われ
ることがある。このブラック強調は、印字画像に於いて
必要性の有無が異なる場合もあるので、本実施例ではユ
ーザーがその必要性に応じて、操作表示部1211内の
モードセレクタで選択可能としている。
【0060】このモード内で印字が行われている時に、
そのブラック強調をどの様に行うかは本実施例の自動切
り替えで決まる。用意されている印字方法は2つあり、
1つは、第1実施例の4パス片方向印字法にブラック強
調を印字の帰路に付け加えたものである。この方法は事
実上往復印字となり、主にスループットを重要視したブ
ラック強調印字法である。もう1つは、ブラック強調走
査を新たに設けた8パス片方向印字で、ブラックヘッド
温度がある一定値T0より高い場合に切り替わるモード
である。これは、前記両方向印字時の昇温による吐出量
の過多、更にはこれによる画像弊害を防ぐことが考慮し
て設定されたものである。
【0061】これら印字シーケンスのフローチャートを
図15に示す。ここではブラック強調を行わない通常の
4パス片方向印字をモードAとし、ブラック強調を行う
モードのうち復路にブラック強調を行うものをモード
B、ブラック強調のために新たなパスを加え、計8パス
片方向印字としているものをモードCとして示してい
る。既にモードAの印字法は第1実施例で説明したので
ここでは、モードB及びモードCについてまず説明を加
えておく。
【0062】図16及び17はそれぞれモードB及びモ
ードCについて16ノズルヘッドを用いて表わしたもの
で、それぞれ8走査で単位領域の印字を完了させてい
る。ここで用いられるマスクは図10〜13において示
されているマスクと同様のものである。モードBでは往
路でCMYKを印字し、その後これと等しい間引きマス
クで、復路にブラックのみの強調印字を行っている。一
方、図17に示すモードCでは往路にCMYKを印字し
た後、一度キャリッジ706を空印字でリターンしてか
ら、再び往路方向にブラック強調印字のための走査を行
っている。このため、キャリッジリターンの分だけモー
ドCの方がモードBより多く印字時間を必要とするが、
モードBではブラックヘッドのみ往復印字を連続で続け
ているので、ブラックヘッドの昇温過多による吐出量の
オーバーや多色ヘッドとの色味の不均衡という弊害が起
こる可能性もある。
【0063】従って本実施例では、各スキャン毎にブラ
ックヘッドの温度チェックを温度センサ1213の出力
に基づいて行い、この温度が上記画像弊害を起こし得る
吐出量範囲にないうちは、モードBによる印字を行う。
そして、上記吐出量範囲にあると確認された段階で初め
て次のスキャンからモードCに印字法を切り替える様に
してある。
【0064】再び図15に戻る。印字スタートの命令が
来た後、まず現印字モードがブラック強調を行うかどう
かを確認する(S100)。もしブラック強調を行わな
いモードであれば(No)、そのままモードAに入り、
25%4パス片方向の印字をデータが無くなるまで繰り
返す(S109〜S112)。逆に、もしブラック強調
を行うモードであれば(Yes)、25%の印字を1ス
キャン行い(S101)、キャリッジリターンを行わず
にそこでブラックヘッドの温度チェックをする(S10
2)。この時、ブラックヘッドの温度が画像弊害を起こ
し得るある一定の吐出温度T0より高くなければ、その
まま復路方向に移動しながらブラックのみの強調印字を
行う(S103)。そしてこの印字が終了した時点でL
/4の紙送りを行い(S104)、モードBとしてのB
K強調を含めた1スキャンを終了したことになる。一方
ブラックヘッドの温度がT0より高かった場合、ヘッド
の昇温を防ぐためそのまま印字せずにキャリッジリター
ンを行う(S105)。そして、往路方向でブラックの
み強調のための印字をし(S106)、その後再びキャ
リッジリターン(S107)とL/4の紙送り(S10
4)を行い、この時点で初めてモードCとしてブラック
強調を含めた1スキャンが終了したことになる。そして
データ終了になる迄(S108)S101〜S107を
繰返す。
【0065】この様に、モードBとモードCでは常に1
スキャン毎にブラックヘッド温度を確認しながら、その
温度に応じて相互で自動的に印字モードが切り替わる。
従ってヘッド昇温という内部的な印字状況に対し、本体
が自動的に印字モードを切り替えることにより、常にユ
ーザーは安定した画像をなるべく速いスループットで得
ることができるのである。
【0066】また、本実施例ではヘッド温度検知をブラ
ック強調時に限定して説明を加えてきたが、例えば第1
実施例、或いは本実施例のモードAのようなブラック強
調を行わない往復印字の場合でも、4色のヘッド温度を
検知することにより片方向印字と両方向印字の自動切り
替えを行うようにしても良い。
【0067】このように、ヘッド温度を適時に検知し、
その温度によって両方向印字或いは片方向印字を自動的
に切り替えることにより、常に安定した画像をなるべく
速いスループットで得ることが可能となる。
【0068】以上の説明した様に、片方向印字と両方向
印字が可能なカラーインクジェット記録装置に於いて、
両印字モードがインクジェット記録装置内に設置された
所定の判別方式により切り替わることにより、コート紙
及び普通紙、或いは更なる要因に対応した能率の良い印
字を可能とすることが出来る。
【0069】尚、上記実施例では、特にインクジェット
記録方式の中でも熱エネルギーを利用して飛翔的液滴を
形成し、記録を行うインクジェット方式の記録装置を例
にとり説明したが、その代表的な構成や原理について
は、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第
4740796号明細書に開示されている基本的な原理
を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオン
デマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能
であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(イ
ンク)が保持されているシートや液路に対応して配置さ
れている電気熱変換体に、記録情報に対応して各沸謄を
越える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信
号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギ
ーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸謄を生じ
させて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長、収縮により吐出用開口を液体(インク)を
吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動
信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮
が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の
吐出が達成でき、より好ましい。
【0070】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。尚、
上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4
313124号明細書に記載されている条件を採用する
と、さらに優れた記録を行うことができる。
【0071】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他
に熱作用が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書、米国特許第44
59600号明細書を用いた構成としてもよい。
【0072】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
としても良い。
【0073】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド事態に一体的にインクタンクが設けら
れたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも
本発明は有効である。
【0074】また、記録ヘッドに対しての回復手段、予
備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層
安定できるので好ましいものである。これらを具体的に
挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、ク
リーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体
あるいはこれとは別に加熱素子あるいはこれらの組み合
せによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐
出モードを行うことも安定した記録を行う為に有効であ
る。
【0075】以上説明した本発明実施例においては、イ
ンクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で個
化するインクであって、室温で軟化するもの、もしくは
液体であるもの、あるいは上述のインクジェット方式で
はインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調
整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温
度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与
時にインクが液状をなすものであれば良い。
【0076】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固定状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで防止するか、またはイン
クの蒸発防止を目的として放置状態で個化するインクを
用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの記録信号
に応じた付与によってインクが液化し、液状インクとし
て吐出するものや、記録媒体に到達する時点では既に個
化し始めるもの等のような、熱エネルギーによって初め
て液化する性質のインクとしても良い。このような場
合、インクは特開昭54−56847号公報あるいは特
開昭60−71260号公報に記載されているような、
多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物とし
て保持された状態で、電気熱変換体に対して対抗する様
な形態としても良い。上述した各インクに対しても最も
有効なものは、上述した膜沸謄方式を実行するものであ
る。
【0077】更に加えて、本発明に係る記録装置の形態
としては、ワードプロセッサやコンピュータ等の情報処
理機器の画像出力端末として一体または別体に設けられ
るものの他、リーダ等と組み合せた複写装置、さらには
送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るもの
であっても良い。
【0078】また、熱エネルギーを利用したインクジェ
ット方式に限らず、ピエゾ素子等を利用したインクジェ
ット方式にも本発明は適用可能である。
【0079】
【発明の効果】以上の様に本発明によれば、分割記録に
おける片方向印字と両方向印字を適宜設定可能であるた
め効率良く画像記録を行うことが可能になる。
【0080】又、両方向印字と片方向印字を選択可能に
するとともに、両方向印字中所定の条件に基づいて片方
向印字に切換えるので、安定した画像をスループットの
低下なく得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用できるインクジェット記録装置の
概略構成を示す斜視図である。
【図2】記録ヘッドを示す図である。
【図3】図1に示すインクジェット記録装置の制御部を
示すブロック図である。
【図4】第1実施例における2パス両方向印字の第1走
査を説明する図である。
【図5】2パス両方向印字の第2走査を説明する図であ
る。
【図6】2パス両方向印字の第3走査を説明する図であ
る。
【図7】2パス両方向印字の第4走査を説明する図であ
る。
【図8】2パス両方向印字の間引きマスク及び形成され
る画像を説明する図である。
【図9】2パス両方向印字における記録材のインク層の
状態を示す図である。
【図10】第1実施例における4パス片方向印字の第1
走査を説明する図である。
【図11】4パス片方向印字の第2走査を説明する図で
ある。
【図12】4パス片方向印字の第3走査を説明する図で
ある。
【図13】4パス片方向印字の第4走査を説明する図で
ある。
【図14】4パス片方向印字の第5走査を説明する図で
ある。
【図15】第2実施例における印字モード選択を記録す
るためのフローチャートである。
【図16】4パスブラック強調印字を説明する図であ
る。
【図17】8パスブラック強調印字を説明する図であ
る。
【図18】インクの着弾状態を示す記録材の断面図であ
る。
【図19】従来の往復印字を説明する図である。
【図20】理想的な印字状態を示す図である。
【図21】濃度ムラのある印字状態を示す図である。
【図22】分割記録法を説明する図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植月 雅哉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 杉本 仁 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 後藤 史博 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに異なる色のインクを吐出する複数
    の記録素子列が配置された記録手段を記録材に対し相対
    的に往復移動させて記録走査を行うことによりカラー画
    像を記録するインクジェット記録装置において、 前記往復移動の一方において記録走査を行う第1記録モ
    ードと前記往復移動の両方において記録走査を行う第2
    記録モードのいずれかを選択する選択手段と、 前記選択手段により選択される記録モードに応じて記録
    材上の所定領域に対する記録走査を制御する制御手段と
    を有し、 前記制御手段は前記第1記録モード及び第2記録モード
    において前記記録素子列を複数のグループに分割し、記
    録材の所定領域に対し異なるグループを用いて複数回記
    録走査を行うことにより画像を記録することを特徴とす
    るインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記第1記録モードに
    おいて前記記録素子列をm個のグループに分割し、記録
    材の所定領域に対しm個のグループを用いてm回の記録
    走査を行い、前記第2記録モードにおいて前記記録素子
    列をn(<m)個のグループに分割し、記録材の所定領
    域に対しn個のグループを用いてn回の記録走査を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録
    装置。
  3. 【請求項3】 前記選択手段は、記録材の種類に応じた
    入力操作により前記第1記録モード又は前記第2記録モ
    ードのいずれかを選択することを特徴とする請求項1に
    記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記記録素子は熱エネルギーを発生し、
    この熱エネルギーによりインクに状態変化を生起させて
    インク滴を吐出することを特徴とする請求項1乃至3に
    記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 互いに異なる色のインクを吐出する複数
    の記録素子列が配置された記録手段を相対的に往復移動
    させて記録走査を行うことによりカラー画像を記録する
    インクジェット記録装置において、 前記往復移動の一方において記録走査を行う第1記録モ
    ードと前記往復移動の両方において記録走査を行う第2
    記録モードのいずれかを選択する選択手段と、 前記第2記録モードで記録動作中所定の条件に基づいて
    前記第2記録モードから前記第1記録モードに切換えて
    記録動作を行わせる切換手段と、 を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記選択手段は特定色強調記録のための
    入力操作により前記第1記録モード又は前記第2記録モ
    ードのいずれかを選択することを特徴とする請求項1に
    記載のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記切換手段は前記記録手段の温度条件
    に応じて前記第2記録モードから前記第1記録モードに
    切換えることを特徴とする請求項5に記載のインクジェ
    ット記録装置。
  8. 【請求項8】 前記切換手段は前記記録手段の温度が所
    定温度を越える場合に前記第2記録モードから前記第1
    記録モードに切換えることを特徴とする請求項7に記載
    のインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 前記第2記録モードにおいて、前記往復
    移動の一方で特定色を含む複数色の記録を行い、前記往
    復移動の他方で特定色の記録を行うことを特徴とする請
    求項6に記載のインクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】 前記記録素子は熱エネルギーを発生
    し、この熱エネルギーによりインクに状態変化を生起さ
    せてインク滴を吐出することを特徴とする請求項5乃至
    9に記載のインクジェット記録装置。
JP4127050A 1992-03-31 1992-05-20 インクジェット記録装置 Pending JPH05318770A (ja)

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US08/040,298 US5633663A (en) 1992-03-31 1993-03-30 Ink jet recording method and apparatus
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DE69333194T DE69333194T2 (de) 1992-03-31 1993-03-30 Tintenstrahlverfahren und -vorrichtung
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