JP2006256009A - インクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の記録ヘッドを用いてカラー画像形成を行うインクジェット記録装置において、マルチパス往復印字を起因とした時間差ムラをなくし、高画質の画像を高速で得ることが可能なインクジェット記録方法を提供すること。
【解決手段】 記録ヘッドの1回の主走査で記録可能な領域の全画素を互いに補完の関係にある複数の間引きパターンに従って分配し、分配された前記領域中の画素を複数回の主走査で順次記録することにより前記領域の記録を行うとともに、前記間引きパターンは単位領域内の記録画素数が走査の開始する領域から走査の終了する方向に従って減少していくパターンであることを特徴とするインクジェット記録方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は記録材にインク滴を吐出して画像記録を行うインクジェット記録方法に関するものである。
複写装置や、ワードプロセッサ、コンピュータ等の情報処理機器、さらには通信機器の普及に伴い、それらの機器の記録装置の一つとして、インクジェット方式による記録ヘッドを用いてデジタル画像記録を行うものが急速に普及している。このような記録装置においては、記録速度の向上のため、複数の記録素子を集積配列してなる記録ヘッド(以下マルチヘッドという)として、インク吐出口および液路を複数集積したものを用い、さらにカラー対応として複数個の上記マルチヘッドを備えたものが一般的である。
しかし、モノクロプリンタとして、キャラクタのみ印字するものと異なり、カラーイメージ画像を印字するに当たっては、発色性、階調性、一様性など様々な要素が必要となる。特に一様性に関しては、マルチヘッド制作工程差に生じるわずかなノズル単位のばらつきが、印字したときに、各ノズルのインクの吐出量や吐出方向の向きに影響を及ぼし、最終的には印字画像の濃度のムラとして画像品位を劣化させる原因となる。
そこで、同一記録走査で記録されるべき全画素を複数のグループに分け、複数回の往復記録走査で同一記録領域をすこしづつ記録するというマルチパス印字方法が既に考案されている(例えば、特許文献1参照)。
このようなマルチパス印字を行うことにより、1回の記録走査で記録でき得る画像領域内の全記録画素を、走査毎に異なるノズルを用いて記録するために各ノズル固有の印字画像への影響が半減されるので、印字された画像は濃度ムラがかなり緩和される。
ところが、上記のようなマルチパス往復印字を行った場合、インクの打ち込み順序によって優先色が異なり、結果的に人間の視覚特性に対し異なる色を表現してしまうことがある。例えば、4色ヘッドの各色を右からブラック、シアン、マゼンタ、イエローの順に配置し、ヘッドの配列方向(左右方向)に往復移動して主走査を行うものとする。往路走査では右方向に移動させて同時に記録する。
この時、紙面上への記録順序は上記配列順序に即するので、例えばある一定領域にグリーン(シアン+イエロー)信号が入力されていた場合には各画素にシアン、イエローの順にインクが吸収される。従って既に説明した様に、この走査では先に吸収されたシアンが優先色となり、シアンの色味の強いグリーンドットが形成される。逆に、紙送りが副走査方向に行われた後の復路走査では、今度は往路と逆の方向に移動しながら記録する。よって打ち込み順序も逆になり、この走査ではイエローの色味の強いグリーンドットが得られることとなる。
以上のような走査を繰り返すことにより、各記録ヘッドの往路、復路に応じて、シアンの色味の強いグリーンドットとイエローの色味が強いグリーンドットとが記録される。もし、各往復走査毎にヘッド幅ずつの紙送りが行われた場合、シアンの色味の強いグリーンの領域とイエローの色味が強いグリーンの領域がヘッド幅ずつ交互に繰り返され、一様であるはずのグリーン画像に著しい画像劣化が生ずることになる。
さらに、昨今では更なる高速記録、高画質が要求されており、上述のようなマルチパスによる、単純に複数回に分割して記録する方法では、記録に関するタイムコストは倍以上であり、記録装置としてはこのような状況はあまり好ましくない。
そこで、往路記録と復路記録とでインクを重ねる順番が同じになるよう、各インクの記録ヘッドを主走査方向に対称になるようにそれぞれ配置したことを特徴とするインクジェット記録装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
これによれば、インクの打ち込み順による色ムラが発生することはなく、むやみにマルチパスの走査数を増やすことなく高速で高画質記録を達成することができる。
米国特許第4748453号明細書 特開2001−171151号公報
しかしながら、上記色ムラのみでなく単色の往復印字に於いても、マルチパス印字を起因としたムラが確認されている。以下にこれを説明する。図12は1パス目と2パス目のインクの吸収状態を単色について示したものである。この図に於いて2101は1パス目印字後の着弾状態を表し、2102、2103は双方とも2パス目印字後の状態を紙面断面図で表している。
ここで2102は1パス目が記録された直後に2パス目を記録した状態であり、2103は1パス目記録後にある程度の時間をおいてから2パス目を記録したものである。これら両者には2パス目に記録されたインクの紙面への吸収状態に違いが現れる。2102がかなり紙面深さ方向に吸収されているのに対し、2103では紙面表面に2パス目のインクが広がっている。この様子は紙面の裏側からも確認されており、2103の方が2102よりも紙面裏側へのインク抜け具合が大きい。そして、このような状態は両者の間で紙面上の濃度差となって現れる(2104、2105)。
これら両者の濃度差を発生させる時間差のオーダーに対し、キャリッジの往復走査により発生する時間差は、十分なものである。そしてこの要因が往復印字を行うことにより新たな弊害となって現れる。この様子を図13を用いて説明する。
図13ではまずヘッドが2201の位置から矢印の方向へ往路走査を行い第1スキャン幅の記録を行う。そして1ライン分の記録を行ったところで上記スキャン幅の1/2の紙送りを行い、図13の2202の位置から今度は逆方向に復路走査を行う。更に上記と等しい幅の紙送り後、2203の位置から再び往路走査を行って矢印の方向への記録を行う。この時完成された印字領域の(イ)〜(ヘ)の各箇所について、2つのパスの記録間隔を比較すると以下の様になる。即ち(ハ)及び(ニ)では1パス目の記録が終了後1/2幅の紙送りが行われた後、すぐに2パス目の記録を行う。
これに対し、(イ)及び(ヘ)では1パス目記録後、キャリッジが1回の往復走査を行う時間が経った後に2パス目が記録される。そして、この丁度中間に当たる時間差で記録される箇所が(ロ)、(ホ)である。従って、既に図12で説明した様に(イ)及び(ヘ)がこれらの中で最も濃度の高い箇所となり、(ロ)及び(ホ)がこれに続き、(ハ)及び(ニ)は、インクが奥深く吸収された表面濃度の低いものとなる。よって縦方向に1/2幅ずつ(イ)、(ニ)が繰り返される左側の領域と、(ハ)、(ヘ)が繰り返される右側の領域では濃度ムラが現れ、画像弊害となる。
以上の説明は単色記録を例に行ってきたが、この現象は混色記録の場合にも既に説明した色ムラと共に現れて来るものであり、この場合左右の色ムラの目立ち方、或いは色味の差異として認識される。
特にポスター等の広幅の印字を行う大判プリンタなどにおいては1回の往復走査に必要とする時間が長いため、1パス目と2パス目の記録間隔は必然的に増大し、時間差ムラの弊害は非常に大きいという問題があった。
以上説明してきた様に、複数の記録ヘッドを用いてカラー画像形成を行うインクジェット記録装置において、高画質化及び高速化を実現する為に、マルチパス往復印字を実現するには、未だ時間差ムラといった画像弊害が取り残されていた。
本発明は、上記点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、上記弊害による濃度ムラをなくし、高画質の画像を高速で得ることが可能なインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、インクを吐出するための複数の記録ヘッドを主走査方向に配列し、前記記録ヘッドを記録媒体に対し相対的に往復移動させ、その往路及び復路において記録動作を行うインクジェット記録装置において、前記記録手段の1回の主走査で記録可能な領域の全画素を互いに補完の関係にある複数の間引きパターンに従って分配し、分配された前記領域中の画素を複数回の主走査で順次記録することにより前記領域の記録を行うとともに、前記間引きパターンは単位領域内の記録画素数が走査の開始する領域から走査の終了する方向に従って減少していくパターンであることを特徴とする。
これにより、往走査から復走査の時間間隔の長い走査スタート側では記録画素数の多い印字を先に行い、インクの吸収(乾燥)が十分に行われた後に復走査での記録画素数の少ない印字を行う。
逆に、往走査から復走査の時間間隔が短い走査終端側では、記録画素数の少ない印字によりインクの吸収(乾燥)量自体を低下・短時間化させ、直後に記録画素数の多い印字での復走査を可能にする。
本発明によれば、記録ヘッドの1回の主走査で記録可能な領域の全画素を互いに補完の関係にある複数の間引きパターンに従って分配し、分配された前記領域中の画素を複数回の主走査で順次記録することにより前記領域の記録を行うとともに、前記間引きパターンは単位領域内の記録画素数が走査の開始する領域から走査の終了する方向に従って減少していくパターンであるため、往走査から復走査の時間間隔の長い走査スタート側では記録画素数の多い印字を先に行い、インクの吸収(乾燥)が十分に行われた後に復走査での記録画素数の少ない印字を行う。
一方、往走査から復走査の時間間隔が短い走査終端側では、記録画素数の少ない印字によりインクの吸収(乾燥)量自体を低下・短時間化させ、直後に記録画素数の多い印字での復走査を可能にする。結果として走査の時間間隔によらず画像濃度は均一となり、マルチパス印字のパス数をむやみに増やすことなく、時間差ムラを発生させずに高画質印字を高速に達成することができる。
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明が適用できる、インクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図である。図1において、701はインクカートリッジである。これらは4色のカラーインク、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)がそれぞれ詰め込まれたインクタンクと、各色に対応したマルチヘッド702より構成されており、且つ各インクタンクが主走査方向に対して前記インクタンク列と対称となるよう詰め込まれた、もう一つのマルチヘッド702が併設された構成によりキャリッジ706形成している。
このマルチヘッドに配列するマルチノズルの様子をz方向から示したものが図2であり、801はマルチヘッド702上に配列するマルチノズルである。
尚、図1ではマルチノズル801がY軸に沿って平行に配列されているが、例えば図のXY平面上多少の傾きを持っていても良い。この場合には、ヘッドが進行方向Xに進んで行くのに対し、各ノズルはそれぞれタイミングをずらしながら印字を行っていくことになる。
再び図1に戻る。703は紙送りローラで、704の補助ローラと共に印字紙Pを抑えながら図の矢印の方向に回転し、印字紙PをY方向に随時送っていく。また705は給紙ローラであり、印字紙の給紙を行うと共に、紙送りローラ703、補助ローラ704と同様、印字紙Pを抑える役割も果たす。706は4つのインクカートリッジを支持し、印字と共にこれらを移動させるキャリッジである。キャリッジ706は印字を行っていないとき、あるいはマルチヘッドの回復作業などを行うときには図の点線で示した位置のホームポジションhに待機する様になっている。
尚、本実施例においては、各インクジェットカートリッジの記録ヘッドは、熱エネルギーを用いてインクに状態変化を生起させることにより、インク滴を吐出するものである。
ここで、キャリッジ706に搭載された8個のインクジェットカートリッジはキャリッジの走査時に、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインク、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクの順にインクを重ね合わせる様に配列されている。従ってキャリッジの往走査時と復走査時は同じ順番でインクが重ね合わせられる。又、カラーの中間色はC、M、Yの各色のインクドットを適当に重ね合わせることにより実現できる。即ち赤はMとY、青はCとM、緑はCとYを重ね合わせることにより実現できる。
一般に、黒はC、M、Yの3色を重ね合わせることにより実現できるが、この時の黒の発色が悪いこと、精度良く重ねることが困難な為有彩色の縁どりが生じること及び単位時間当たりのインク打ち込み密度が高くなりすぎること等の為に黒だけは別に打ち出す様にしている。
図3は図1に示すインクジェット記録装置の制御部を示すブロック図である。図3において、1201はCPU、ROM、RAM等を中心に構成させた制御部であり、ROMに格納されたプログラムに従って装置各部の制御を行う。1202は制御部1201からの信号に基づいてキャリッジ706をx方向に移動(主走査)させるためのキャリッジモータ1205を駆動するドライバ、1203は制御部1201からの信号に基づいて給紙ローラ705及び紙送りローラ703を駆動し記録材をy方向に搬送(副走査)するための搬送モータ1206を駆動するドライバ、1204は制御部1201からの印字データに基づいて各色2つのマルチヘッド1207〜1210(図1の702に相当)を駆動するドライバ、1211は各種キーの入力及び各種表示を行う操作表示部、1212は制御部1201に対し印字データを供給する為のホスト装置である。
印字開始前、図の位置(ホームポジション)にあるキャリッジ706は、印字開始命令がくると、x方向に往走査しながら、マルチヘッド702上のn個のマルチノズル801により、紙面上に分配された記録画素の印字を行う。紙面端部までデータの印字が終了し、反転位置に達するとキャリッジはホームポジション方向に復走査を開始し、再びデータの印字を行う。
このキャリッジの往走査による最初の印字が終了してからキャリッジの復走査による2回目の印字が始まる前までに、紙送りローラ703が矢印方向へ回転することにより所定量だけy方向への紙送りを行う。この様にしてキャリッジ1スキャン(主走査)毎にマルチヘッドによる印字と紙送り(副走査)を行う繰り返しにより、一紙面上のデータ印字が完成する。
上記の如き構成のインクジェット記録装置により行われる記録方法の具体例について更に説明する。
(第1実施例)
以下に、本発明の第1実施例を説明する。本実施例では、36インチ幅の印字領域を持つ大判プリンタを使用し、マルチノズル幅Dが1インチでマルチノズル801が1280ノズル具備されたマルチヘッド702を用いた。なお、主走査方向の記録密度は600dpiであり、主走査方向の画素数は36×600=21600画素存在することになる。
まず記録領域に対する記録画素の割合(以下、印字デューティと記載する)を図11に示すように、縦横1画素毎に、丁度千鳥格子になるようなパターン(図11(a))と、逆千鳥格子になるようなパターン(図11(b))を用いて50%デューティの記録画素に分配した。さらに1回の走査によって印字可能な領域のうち、主走査方向に対して各画素領域毎にマルチノズル中の駆動する素子を選択するランダムマスクパターン(図5)によって、全ノズルの中から線形的に80%から20%を選択する画素領域まで21600画素分のマスクパターン100を用意し、更に前記ランダムマスクパターン100の記録/非記録を反転させた逆ランダムマスクパターンも作成した。
ここで、各走査で使用する間引きパターンについて、その分配方法について説明する。前記4回の走査のうち、1回目の往走査には千鳥パターン(図11(a))とランダムマスクパターン100(図5)の記録画素が重なった部分のみ印字画素とする間引きパターン(1)を使用。その後の復走査に際しては、同じく千鳥パターンと前記逆ランダムパターンの記録画素が重なった部分のみを印字画素とする間引きパターン(2)を使用する。2回目の往走査となる3回目の走査においては、前記逆千鳥パターン(図11(b))とランダムマスクパターンの記録画素が重なった部分のみを印字画素とする間引きパターン(3)を用い、その復走査である4回目の走査では同じく逆千鳥パターンと逆ランダムマスクパターンの記録画素が重なった部分のみを印字画素とする間引きパターン(4)を使用することで、1回の走査によって印字可能な領域の全画素を4回の走査毎に分配することができる。
図4に示すグラフ.1は、単位領域あたり100%デューティの画像(全画素記録)を4回の走査に分配して往復印字する場合に、各記録色が各走査に用いる間引きパターンの、印字デューティを、主走査方向の画素領域毎にプロットした本発明適応の一例である。主走査方向の画素のうち、1画素目をホームポジション側とし、第1の往走査が1画素目からスタートする場合、グラフ.1に示す通り往走査の間引きパターン(1)は印字初期においては40%デューティーの記録画素が存在しているが、主走査方向に反比例して印字デューティは減少し、走査の中心部において25%デューティー、走査の終端部において10%デューティーの印字デューティとなる。
この場合、キャリッジが往走査を終了し、マルチノズル幅Dの1/4幅だけ紙送りを行った後に反転して復走査を21600画素目より走査をスタートすると、前記間引きパターン(1)と補完的な関係にある間引きパターンを(2)使用する。この間引きパターン(2)においても、前記記録領域に対する記録画素の割合はグラフ.1の通り40%デューティーから記録を開始し、10%デューティーの記録画素数で印字を終了するため、前記走査が2回行われた時点で全記録画素領域において合計50%デューティの記録が終了することになる。つまり、それぞれ往復走査を2回繰り返して全走査が終了した時点では各間引きパターンに分配されていた画素が全て補完され、100%デューティの記録画素を達成するようになっている。
図14は、本実施例の適用のないインクジェットプリンタにおいて、4回の走査に均等に記録画素を分配し、各走査で25%デューティー印字を行う場合に、2回の走査が終了した時点の、ある領域でのインクの着弾状態を模式的に表した紙面断面図である。図14(a)は、往走査と復走査の時間間隔が短い領域での着弾状態で、図12を用いて説明したのと同様、インクの吸収が奥深くなってしまうために、画像濃度は低いものとなる。
また、図14(b)は往走査と復走査の時間間隔が長い領域での着弾状態で、インクの吸収が表層で行われるために、図14(a)とは逆に高濃度となる。その結果、本実施例の適用のないインクジェットプリンタによる出力画像は、4回の走査が全て終了した時点で、前記記録ヘッドが1回の走査で印字可能な領域の主走査方向に走査の時間間隔の濃度差が発生してしまうばかりか、紙送りのピッチで時間間隔が逆転するため、副走査方向においてもマルチノズル幅Dの1/4おきに時間差ムラが発生してしまう。
これに対し、図15は、本実施例を適用したインクジェットプリンタにおいて、4回の走査に対してそれぞれ用意した間引きパターンを用いて記録画素を分配し、各走査にて40%デューティの記録画素からスタートし、10%デューティの記録画素へ線形的に減少する勾配を持った印字を行った場合に、2回の走査が終了した時点の、ある領域でのインクの着弾状態を模式的に表した紙面断面図である。図15(a)は、1回目の走査と2回目の走査の時間間隔の短い領域での着弾状態で、先述の間引きパターンによって先に10%デューティの印字を行った直後に、キャリッジが反転して40%デューティの印字を行った領域のものである。
図に示す通り、10%デューティー程度の印字においてインクの着弾は隣接ドットと間隔がかなり空いているために紙面の表層にて吸収が行われるばかりか、インクの吸収量自体が少ないために吸収が瞬時に終了する。そのため、時間間隔を置かずに2回目の走査が行われた場合においても1回目の走査の影響をほとんど受ける事がなく、40%デューティーの印字が適正に行われる。また、図15(b)は、1回目の走査と2回目の走査の時間間隔が長い領域での着弾状態で、1回目の走査において40%デューティーの印字を先に行った後、キャリッジが往復の印字動作を行う間に吸収が進むため、2回目の印字が10%程度であれば、滲みやインクの沈みを発生させることなく、表層に着弾される。
このように、4回の走査に均等に記録画素を分配し、各走査で25%デューティー印字を行う場合には、走査の時間間隔に依存した時間差ムラが発生して、マルチパス印字の効果を発揮できなくしてしまうばかりか、1回の走査で記録可能な領域内に主走査方向と副走査方向の両方に濃度ムラを発生させる原因となってしまう。
これに対し、4回の走査に対して本発明を適用した間引きパターンを用いて記録画素を分配し、各走査にて40%デューティの印字からスタートし、10%デューティの印字へと線形的に減少する勾配を持った印字を行った場合には、走査の時間間隔によらず画像濃度は均一となり、マルチパス印字のパス数をむやみに増やすことなく、高画質印字を高速に達成することができる。
さらに、キャリッジ706には4色のインクタンク列701を備えたマルチヘッド702と、インクタンク列が走査方向に対して対称配置されているもう一つのマルチヘッド702を具備しているため、各走査におけるインク色の打ち込み順序は一定で、且つ1回の走査に記録できるデューティも倍増するため、インクの重ね順による色ムラを発生させることなく、高画質印字と高速印字とを両立させることが可能となる。
なお、本発明においては印字幅を36インチとし、走査方向にたいして600dpiの解像度を持つインクジェットプリンタにおいて、各走査における間引きパターンの勾配を40%〜10%デューティの画素数としたが、印字解像度や画像幅(すなわち走査の時間間隔)によって適宜適正な勾配を選択すればよく、往復印字の走査時間間隔によらず画像濃度が均一となればよい。
(第2実施例)
本実施例においては、間引きパターンをある特定サイズのマスクパタ−ンを複数配列したパターンとし、且つ記録画素数の異なる前記間引きパターンを走査方向に複数用いることで前記領域中の画素を分配することを特徴とする以外は、前記第1の実施例と同様のインクジェットプリンタについて説明する。
図7は、本実施例で用いたマスクパターンの記録画素領域を示した図である。マルチノズル801の数に合わせて1280画素をノズル列と同様の方向に設け、主走査方向には675画素分の領域を用意した。このマスクパターン101を複数走査方向に配列して1つの間引きパターンとすることで、プリンタの制御部1201内に保存しておくパターンサイズを小さくすることが可能で、高速且つ安価な装置にて処理を行うことができる。
本実施例では、前記マスクパターン101を主走査方向に8列配置したものを1つの間引きパターンとし、この間引きパターンと同じサイズのパターンを同じく主走査方向に4つ配列することで、前記記録ヘッドの1回の走査で記録可能な領域の全画素を分配できるようにする。また、前記マスクパターン101は分配の記録画素数が80%、60%、40%、20%デューティになるように4種類分用意し、またその記録/非記録画素を逆転した逆マスクパターンを適用することで各走査に記録画素の勾配を持った分配を行うことができる。
ここで、各走査で使用する間引きパターンについて、その分配方法について説明する。本実施例では、第1の実施例と同様に4回の走査で全記録画素を印字できるよう、図8に示したような間引きパターン102を用いて各走査に記録画素を分配した。前記4回の走査のうち、1回目の往走査には80%デューティの記録画素を持ったマスクパターン101aを走査方向に8列配置したものを第1の間引きパターン111(図9参照)とし、その第1の間引きパターン111と隣接するように60%デューティの記録画素を持ったマスクパターン101bが8列配置された第2の間引きパターン112を走査方向に配列する。
さらにそれぞれ40%デューティ、20%デューティの記録画素を持ったマスクパターン101c、101d、を8列配置したものを第3の間引きパターン113、第4の間引きパターン114とし、前記第2の間引きパターンと走査方向に隣接配置させることで、前記記録ヘッドが1回の走査で記録可能な領域の全てを分配することのできる間引きパターン配列a 103が完成する。前記1回目の往走査においては、前記千鳥パターンと間引きパターン配列aの記録画素が重なった部分のみ印字画素とする間引きパターン(1)’を使用する。
また、その後の復走査に際しては、前記マスクパターン101dと記録/非記録画素が逆転している逆マスクパターン101d’を走査方向に8列配置したものを第1の間引きパターン121(図10参照)とし、同じくマスクパターン101c、101b、101aの画素が逆転しているマスクパターン101c’、101b’、101a’を用いた第2、第3、第4の間引きパターン122、123、124を走査方向に隣接配置することで、前記間引きパターン配列a 103と記録/非記録画素が逆転した間引きパターン配列b 104が完成する。前記復走査においては、前記千鳥パターンと間引きパターン配列b 104の記録画素が重なった部分のみ印字画素とする間引きパターン(2)’を使用する。
なお、3回目の走査、4回目の走査に関しては、前記間引きパターン配列a 103および間引きパターン配列b 104と前記逆千鳥パターンの記録画素が重なった部分のみ印字画素とする間引きパターン(3)’および(4)’をそれぞれ使用することで、1回の走査で記録可能な領域の全画素を4回の走査毎に分配することができる。
図6に示すグラフ.2は、単位領域あたり100%デューティの画像(全画素記録)を4回の走査に分配して往復印字する場合に、本実施例で使用した各間引きパターンの印字デューティを、主走査方向の画素領域毎にプロットしたものである。前記間引きパターン(1)’において、前記第1の間引きパターンはマスクパターン101aを走査方向に8列配置したもので、且つ千鳥パターンと記録画素が重なった画素のみ印字するため、この領域の画像は40%デューティの記録画素数で一定となっている。
走査が第2の間引きパターンで記録画素を分配した領域に到達すると、この領域はマスクパターン101bを走査方向に8列配置した領域で、同様に千鳥パターンとの重なった部分のみを記録画素とするため、記録画素数が30%デューティで一定となり、その後第3の間引きパターンを使用する領域、第4の間引きパターンを使用した領域に走査が到達するにつれ、記録画素数はそれぞれ20%デューティ、10%デューティへと階段状に減少していく。
キャリッジが反転して復走査を行う際においても、前記間引きパターン(2)’は40%デューティの記録画素数から10%デューティへと階段状に減少していくパターンであるため、2回の走査が終了した時点では全画素数の50%デューティの記録画素が印字されることとなる。同様に、前記間引きパターン(3)’、(4)’を用いて記録画素を分配した記録画素を各走査にて印字することで、各走査における補完が終了し、全画素記録画素の印字を完成することができる。
本実施例の適用によれば、実施例1で記述したものと同様の効果が得られ、走査の時間間隔によらず画像濃度は均一となり、マルチパス印字のパス数をむやみに増やすことなく、高画質印字を高速に達成することができる。また、プリンタの制御部1201に記憶させておくべき間引きパターンの容量を、前記4種類のデューティを持ったマスクパターン101とその補完パターンの4種類、および千鳥/逆千鳥パターンのみに減らすことができるため、処理を高速に行い、且つ安価な装置で高画質印字を達成することが可能となる。
なお、本実施例においては走査方向に対して40%〜10%の4種類の間引きパターンを使用したが、種類を増やしたり、マスクパターンのサイズを小さくすることで、走査方向のデューティの勾配をより滑らかにすることもでき、1回の走査で記録可能な領域内の濃度均一性をより向上させることもできる。制御部1201の記憶容量やプリンタ本体の印字幅などによって、適宜適切な組み合わせを選択すればよい。
本発明が適用できるインクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図 本発明が適用できるインクジェット記録装置のマルチヘッドに配列するマルチノズルの様子をz方向から示した図 本発明が適用できるインクジェット記録装置の制御部を示すブロック図 本発明適用の一例を示すグラフ.1を示す図 ランダムマスクパターンを示す図 本発明適用の一例を示すグラフ.2を示す図 第2実施例のマスクパターンの記録画素領域を示した図 第2実施例の間引きパターンを示した図 第2実施例の間引きパターン配列aを示す図 第2実施例の間引きパターン配列bを示す図 第1実施例の記録領域に対する記録画素の割合のパターンを示す図 従来のインクジェット記録装置の1パス目と2パス目のインクの吸収状態を単色について示した図 従来のインクジェット記録装置の往復印字を行う場合の図 従来のインクジェット記録装置の、ある領域でのインクの着弾状態を模式的に表した紙面断面図 本実施例を適用したインクジェット記録装置の、ある領域でのインクの着弾状態を模式的に表した紙面断面図
符号の説明
701 インクカートリッジ
702 マルチヘッド
703 紙送りローラで
704 補助ローラ
705 給紙ローラ
706 キャリッジ
801 マルチノズル

Claims (5)

  1. インクを吐出するための複数の記録ヘッドを主走査方向に配列し、前記記録ヘッドを記録媒体に対し相対的に往復移動させ、その往路及び復路において記録動作を行うインクジェット記録装置において、前記記録手段の1回の主走査で記録可能な領域の全画素を互いに補完の関係にある複数の間引きパターンに従って分配し、分配された前記領域中の画素を複数回の主走査で順次記録することにより前記領域の記録を行うとともに、前記間引きパターンは単位領域内の記録画素数が走査の開始する領域から走査の終了する方向に従って減少していく勾配を持ったパターンであることを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記間引きパターンは、1回の主走査で記録可能な領域と同サイズのパターンを複数用いることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記間引きパターンは、記録画素数の異なる間引きパターンを主走査方向に複数配列することで形成されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  4. 請求項3に記載の記録画素数の異なる間引きパターンは、それぞれある特定サイズのマスクパターンを複数配列したパターンであることを特徴とする請求項1又は3に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記記録ヘッドは、互いに異なる色のインクを吐出する複数の記録ヘッドを備えており、且つ往路記録と復路記録とでインクを重ねる順番が同じになるよう、各インクの記録ヘッドを主走査方向に対称になるようにそれぞれ配置したことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
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