JP6197425B2 - ドット記録装置、ドット記録方法、及び、そのためのコンピュータープログラム - Google Patents
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Description
図1は、ドット記録システムの構成を示す説明図である。ドット記録システム10は、画像処理ユニット20と、ドット記録ユニット60とを備える。画像処理ユニット20は、画像データ(例えばRGBの画像データ)からドット記録ユニット60用の印刷用データを生成する。
図9は、第2実施形態としての各パスにおけるドット記録パターンを作成するためのマスクを示す説明図である。第2実施形態においても、マルチパス記録のパス数Nは2である。前述した図4に示した第1実施形態におけるマスクMSでは、異なるドット割合が割り当てられたマスク領域が、副走査方向に平行な境界線で区分されていた。これに対して、第2実施形態のマスクMSCは、異なるドット割合が割り当てられたマスク領域が、ジグザグ形状を有するように形成される。いいかえると、第2実施形態のマスクMSCのマスク領域の境界線がジグザグ形状を有する、または第2実施形態のマスクMSCは、ノズル群がドット記録を担当する割合が、主走査方向及び副走査方向と交差する方向に沿って所定範囲ごとに変化するようにジグザグ形状に形成された領域を有する、ともいえる。
図10は、第3実施形態における4つの主走査パスにおけるノズル列95の位置と、その位置における記録領域と、を示す説明図である。第1、第2実施形態では、2回のパスで個々の主走査線上の全ての画素位置におけるドット記録を完了していたが、第3実施形態では、4回のパスで個々の主走査線上の全ての画素位置におけるドット記録を完了する。すなわち、第3実施形態では、マルチパス記録のパス数Nは4である。この時、1,2回目のパスでは、主走査方向の奇数番目の画素位置でドット記録を実行し、3,4回目のパスでは偶数番目の画素位置でドット記録を実行する。また、個々のパスの後に行われる副走査方向への記録媒体Pの移動では、ヘッド高さHhの1/4の距離だけ記録媒体Pが副走査方向の下流側へ移動する。
図13および図14は、第4実施形態としての各パスにおけるドット記録パターンを作成するためのマスクを示す説明図である。第4実施形態では、マルチパス記録のパス数Nは4である。前述した図11に示した第3実施形態におけるマスクMSDでは、異なるドット割合が割り当てられたマスク領域が、副走査方向に平行な境界線で区分されていた。これに対して、第2実施形態のマスクMSCは、異なるドット割合が割り当てられたマスク領域が、ジグザグ形状を有するように形成される。
以上、いくつかの実施形態に基づいて本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、上述の実施形態や参考形態、実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
上述した実施形態では、マルチパス記録のパス数Nが2又は4であるが、パス数Nとしては2以上の任意の整数を利用することが可能である。また、N回の各主走査パスによる各主走査線上でのドット割合の合計を100%とする限り、各主走査パスにおけるドット割合は任意の値に設定することが可能である。また、N回の主走査パスにおける担当画素の位置は、互いに重ならないことが好ましい。なお、一般に、1回の主走査パスの終了後に行われる副走査の送り量は、ヘッド高さの1/Nに相当する一定値に設定することが好ましい。
上述した第2実施形態(図9)及び第4実施形態(図13,14)では、マスク領域の左右の境界線(副走査方向に延びる境界線)が、直線の線分で構成されるジグザグ形状を有していたが、この代わりに、他の種類の非直線形状(曲線や折れ線を含む)を採用するようにしても良い。
上述した実施形態では、主走査方向に沿って一定長さの区間毎にドット割合が変更されていたが、各区間の長さを、区間毎に変更するようにしても良い。また、主走査方向に沿った各区間の長さは、4画素〜10画素の範囲が好ましい。また、各区間において、ドット記録が行われる担当画素が主走査方向に4画素以上連続しないこと(担当画素の連続数が3以下であること)が好ましい。同様に、各区間において、ドット記録が行われない非担当画素が主走査方向に4画素以上連続しないこと(非担当画素の連続数が3以下であること)が好ましい。こうすれば、担当画素と非担当画素とが分散されるので、バンディングをより目立ち難くすることが可能である。
上述した実施形態では、複数の区間のドット割合として、33%,50%,67%の3種類の値を使用したが、これら以外の値を使用することも可能である。但し、異なるドット割合を有する区間の種類数は、2以上であれば良いが、より好ましくは3以上とすることが好ましい。こうすれば、異なるドット割合を有する3種類以上の区間においてドット形成状態がそれぞれ変化するので、バンディングが目立ち難くなるという利点がある。
なお、上記実施形態において、記録ヘッドが主走査方向に移動する、と説明したが、記録媒体と記録ヘッドとを主走査方向に相対的に移動させてインクを吐出できれば、上記構成に限られない。例えば、記録ヘッドが停止した状態で記録媒体が主走査方向に移動してもよく、また記録媒体と記録ヘッドとの両者が主走査方向に移動しても良い。なお、副走査方向についても、記録媒体と記録ヘッドとが相対的に移動できればよい。例えば、フラットベッド型プリンターのように、テーブル上に載置(固定)された記録媒体に対してヘッド部がXY方向に移動し、記録を行うものであってもよい。すなわち、記録媒体と記録ヘッドとが、主走査方向と副走査方向の少なくとも一方で、相対的に移動できる構成であってもよい。
上述した実施形態では、インクを印刷用紙上に吐出する印刷装置について説明したが、本発明は、これ以外の種々のドット記録装置にも適用可能であり、例えば、液滴を基板上に吐出してドットを形成する装置にも適用可能である。さらに、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置を採用してもよく、微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状態、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置であってもよい。また、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。
Claims (5)
- 複数のノズルを有する記録ヘッドと、
主走査方向に前記記録ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させながら、前記記録媒体にドットを形成する主走査パスを実行する主走査駆動機構と、
前記主走査方向と交差する副走査方向に前記記録媒体と前記記録ヘッドとを相対的に移動させる副走査を実行する副走査駆動機構と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、主走査線上におけるドットの形成をN回(Nは2以上の整数)の前記主走査パスで完了するマルチパス記録を実行し、
前記マルチパス記録の各主走査パスにおいてドット記録が実行される画素の割合を表すドット割合は、前記主走査方向の複数の区間にわたって段階的かつ周期的に変化するように設定されており、
前記主走査方向に並ぶ複数の区間における前記ドット割合の異なる値の数が3以上に設定されており、
前記各区間は、前記副走査方向に沿って一定の周期で繰り返される非直線形状を有する境界線で区分されている、
ことを特徴とするドット記録装置。 - 請求項1に記載のドット記録装置であって、
前記非直線形状は、前記周期の前半周期の形状と後半周期の形状が鏡面対称となるように設定される、
ことを特徴とするドット記録装置。 - 請求項1または2に記載のドット記録装置であって、
前記非直線形状は、前記主走査方向および前記副走査方向に対して45度の傾斜を有するジグザグ形状である、
ことを特徴とするドット記録装置。 - 主走査方向に記録ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させながら前記記録媒体にドットを形成する主走査パスと、前記主走査方向と交差する副走査方向に前記記録媒体と前記記録ヘッドとを相対的に移動させる副走査と、を実行することにより、主走査線上におけるドットの形成をN回(Nは2以上の整数)の前記主走査パスで完了するマルチパス記録を行うドット記録方法であって、
前記マルチパス記録の各主走査パスにおいてドット記録が実行される画素の割合を表すドット割合は、前記主走査方向の複数の区間にわたって段階的かつ周期的に変化するように設定されており、
前記主走査方向に並ぶ複数の区間における前記ドット割合の異なる値の数が3以上に設定されており、
前記各区間は、前記副走査方向に沿って一定の周期で繰り返される非直線形状を有する境界線で区分されている、
ことを特徴とするドット記録方法。 - 主走査方向に記録ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させながら前記記録媒体にドットを形成する主走査パスと、前記主走査方向と交差する副走査方向に前記記録媒体と前記記録ヘッドとを相対的に移動させる副走査と、を実行することにより、主走査線上におけるドットの形成をN回(Nは2以上の整数)の前記主走査パスで完了するマルチパス記録を行うドット記録装置にドット記録を実行させるためのラスターデータを作成するコンピュータープログラムであって、
主走査線上におけるドットの形成をN回(Nは2以上の整数)の主走査パスで完了するマルチパス記録をドット記録装置に実行させるためのラスターデータをコンピューターに作成させる機能を有し、
前記マルチパス記録の各主走査パスにおいてドット記録が実行される画素の割合を表すドット割合は、前記主走査方向の複数の区間にわたって段階的かつ周期的に変化するように設定されており、
前記主走査方向に並ぶ複数の区間における前記ドット割合の異なる値の数が3以上に設定されており、
前記各区間は、前記副走査方向に沿って一定の周期で繰り返される非直線形状を有する境界線で区分されている、
ことを特徴とするコンピュータープログラム。
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