JP2015054406A - ドット記録装置、ドット記録方法、及び、そのためのコンピュータープログラム - Google Patents

ドット記録装置、ドット記録方法、及び、そのためのコンピュータープログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ヘッド端部と重なるヘッド中間部でのバンディングを目立ち難くする。
【解決手段】マルチパス記録の各主走査パスにおいてドット記録が実行される画素の割合を表すドット割合は、(i)記録ヘッドの副走査方向の上側端部にある上端部ノズルによりドット記録が実行される領域と(ii)記録ヘッドの副走査方向の下側端部にある下端部ノズルによりドット記録が実行される領域と(iii)記録ヘッドが副走査によって副走査方向に移動した際に、上端部ノズルと同じ主走査線のドットの形成を担当する上端部対応ノズルによりドット記録が実行される領域と(iv)下端部ノズルと同じ主走査線のドットの形成を担当する下端部対応ノズルによりドット記録が実行される領域とにおいて、主走査方向の複数の区間にわたって段階的かつ周期的に変化するように設定され、主走査方向に並ぶ複数の区間のドット割合の異なる値の数が3以上に設定されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、ドット記録装置、ドット記録方法、及び、そのためのコンピュータープログラムに関する。
ドット記録装置として、印字される画像の印字データのつなぎ目に、ヘッドの主走査方向に発生するスジを目立たなくする印刷装置が知られている(例えば特許文献1)。この印刷装置では、ヘッドの主走査動作ごとに供給される印字データに、その副走査方向の端部のつなぎ目に、ヘッドの主走査方向に連続してドットが並ばないようにした、例えば波形の凹凸形状の変形データが形成される。また、この印字データのつなぎ目側の凹凸形状と、この印字データと接する他の印字データのつなぎ目側の凹凸形状とは互いに嵌合状態で印字される。この結果、印字データのつなぎ目(境界)に主走査方向に連続的に延びるラインが形成されることがなく、つなぎ目のラインがヘッドの主走査方向にスジ状に見えてしまう現象が発生しない。
特開2007−268825号公報
しかし、上述した従来の印刷装置では、ヘッドの端部における凹凸形状によって、主走査方向に沿って印字領域と非印字領域とが繰り返されることにより、ヘッドの端部と重なるヘッドの中間部分においては、印字領域中で印字が連続することに起因する滲みによってムラやスジが発生し、バンディング(画質劣化領域)が発生する、という問題がある。従って、上述した従来の印刷装置では、バンディングの発生を抑制し、また、発生したバンディングを目立ちに難くする、という点において不十分であった、なお、このような課題は、印刷装置に限らず、記録媒体(ドット記録媒体)上にドットを記録するドット記録装置に共通する課題であった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
(1)本発明の形態によれば、ドット記録装置が提供される。このドット記録装置は、 複数のノズルを有する記録ヘッドと;主走査方向に前記記録ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させながら、前記記録媒体にドットを形成する主走査パスを実行する主走査駆動機構と;前記主走査方向と交差する副走査方向に前記記録媒体と前記記録ヘッドとを相対的に移動させる副走査を実行する副走査駆動機構と;制御部と;を備える。前記制御部は、主走査線上におけるドットの形成をN回(Nは2以上の整数)の前記主走査パスで完了するマルチパス記録を実行し;前記マルチパス記録の各主走査パスにおいてドット記録が実行される画素の割合を表すドット割合は、(i)前記記録ヘッドの前記副走査方向の上側端部にある少なくとも1つの前記ノズルを含む上端部ノズルによりドット記録が実行される領域と、(ii)前記記録ヘッドの前記副走査方向の下側端部にある少なくとも1つの前記ノズルを含む下端部ノズルによりドット記録が実行される領域と、(iii)前記記録ヘッドが前記副走査によって前記副走査方向に移動した際に、前記上端部ノズルと同じ主走査線のドットの形成を担当する上端部対応ノズルによりドット記録が実行される領域と、(iv)前記下端部ノズルと同じ主走査線のドットの形成を担当する下端部対応ノズルによりドット記録が実行される領域と、において、前記主走査方向の複数の区間にわたって段階的かつ周期的に変化するように設定されており;前記主走査方向に並ぶ複数の区間における前記ドット割合の異なる値の数が3以上に設定されている。この形態のドット記録装置によれば、各主走査パスにおいて、上端部ノズルによりドット記録が実行される領域と、下端部ノズルによりドット記録が実行される領域と、上端部対応ノズルによりドット記録が実行される領域と、下端部対応ノズルによりドット記録が実行される領域と、において主走査方向の各区間のドット割合が段階的にかつ周期的に変化するように設定されているので、上記各領域での主走査方向におけるドット記録を個々の区間毎に分断することができ、上記各領域での主走査方向に沿ったバンディングの発生を抑制することができる。また、区間毎のドット割合を段階的に周期的に変化させることにより、上記領域での主走査方向に沿った区間毎のドット割合の急激な変化を抑制することができるので、主走査方向に沿ったバンディングを目立ちにくくすることができる。
(2)上記形態のドット記録装置において、前記上端部ノズルによる領域における各区間および前記下端部ノズルによる領域における各区間は、それぞれ、前記ドット割合が小さい区間ほど前記主走査方向の幅が広くなるように、前記副走査方向に対して非平行な境界線で区分されているようにしてもよい。この形態のドット記録装置によれば、上端部ノズルによる領域および下端部ノズルによる領域において、ドット割合の小さい区間ほど幅を広げ、ドット割合の高い区間ほど幅を狭くすることにより、更にバンディングを目立ち難くすることができる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、ドット記録装置の他、記録方法、コンピュータープログラム、コンピュータープログラムを格納した記憶媒体等、様々な形態で実現することができる。
ドット記録システムの構成を示す説明図である。 記録ヘッドのノズル列の構成の一例を示す説明図である。 第1実施形態におけるドット記録の2つの主走査パスにおけるノズル列の位置とその位置における記録領域とを示す説明図である。 各パスにおけるドット記録パターンを作成するためのマスクを示す説明図である。 図4のマスクの具体的な一例を示す説明図である。 1回目のパスおよび2回目のパスでドット記録が実行された状態を示す説明図である。 第2実施形態としての各パスにおけるドット記録パターンを作成するためのマスクを示す説明図である。 第3実施形態における4つの主走査パスにおけるノズル列の位置とその位置における記録領域とを示す説明図である。 各パスにおけるドット記録パターンを作成するためのマスクを示す説明図である。 1回目から4回目のパスにおいて一つの領域内にドット記録が行われる状態を示す説明図である。 第4実施形態としての各パスにおけるドット記録パターンを作成するためのマスクを示す説明図である。 第4実施形態としての各パスにおけるドット記録パターンを作成するためのマスクを示す説明図である。
A.第1実施形態:
図1は、ドット記録システムの構成を示す説明図である。ドット記録システム10は、画像処理ユニット20と、ドット記録ユニット60とを備える。画像処理ユニット20は、画像データ(例えばRGBの画像データ)からドット記録ユニット60用の印刷用データを生成する。
画像処理ユニットは、CPU40(「制御部40」とも呼ぶ)と、ROM51と、RAM52と、EEPROM53と、出力インターフェース45と、を備える。CPU40は、色変換処理部42と、ハーフトーン処理部43と、ラスターライザー44との機能を有する。これらの機能は、コンピュータープログラムによって実現される。色変換処理部42は、画像の多階調RGBデータを、複数色のインクのインク量を表すインク量データに変換する。ハーフトーン処理部43は、インク量データに対してハーフトーン処理を実行することによって、画素毎のドット形成状態を示すドットデータを生成する。ラスターライザー44は、ハーフトーン処理で生成されたドットデータを、ドット記録ユニット60による個々の主走査で使用されるドットデータに並べ替える。以下の各種の実施形態において説明するドット記録の動作は、ラスターライザー44によって実現されるラスターライズ動作(すわなち、ラスターデータによって表現される動作)である。
ドット記録ユニット60は、例えばシリアル式インクジェット記録装置であり、制御ユニット61と、キャリッジモーター70と、駆動ベルト71と、プーリー72と、摺動軸73と、紙送りモーター74と、紙送りローラー75と、キャリッジ80と、インクカートリッジ82〜87と、記録ヘッド90と、を備える。
駆動ベルト71は、キャリッジモーター70と、プーリー72の間に張られている。駆動ベルト71には、キャリッジ80が取り付けられている。キャリッジ80には、例えば、シアンインク(C)、マゼンタインク(M)、イエロインク(Y)、ブラックインク(K)、ライトシアンインク(Lc)、ライトマゼンタインク(Lm)をそれぞれ収容したインクカートリッジ82〜87が搭載される。なお、インクとしては、この例以外の種々のものを利用可能である。キャリッジ80の下部の記録ヘッド90には、上述の各色のカラーインクに対応するノズル列が形成されている。キャリッジ80にこれらのインクカートリッジ82〜87を上方から装着すると、各カートリッジから記録ヘッド90へのインクの供給が可能となる。摺動軸73は、駆動ベルトと平行に配置されており、キャリッジ80を貫通している。
キャリッジモーター70が駆動ベルト71を駆動すると、キャリッジ80は、摺動軸73に沿って移動する。この方向を「主走査方向」と呼ぶ。キャリッジモーター70と駆動ベルト71と摺動軸73は、主走査駆動機構を構成する。キャリッジ80の主走査方向の移動に伴い、インクカートリッジ82〜87と、記録ヘッド90も主走査方向に移動する。この主走査方向の移動時に、記録ヘッド90に配置されたノズル(後述)から記録媒体P(典型的には印刷用紙)にインクが吐出されることにより、記録媒体Pにドット記録が実行される。このように、記録ヘッド90の主走査方向への移動およびインクの吐出を主走査といい、1回の主走査を「主走査パス(main scan pass)」又は単に「パス」と呼ぶ。
紙送りローラー75は、紙送りモーター74に接続されている。記録時には、紙送りローラー75の上に、記録媒体Pが挿入される。キャリッジ80が主走査方向の端部まで移動すると、制御ユニット30は、紙送りモーター74を回転させる。これにより、紙送りローラー75も回転し、記録媒体Pを移動させる。記録媒体Pと記録ヘッド90との相対的な移動方向を副走査といい、相対的な移動方向を「副走査方向」と呼ぶ。紙送りモーター74と紙送りローラー75は、副走査駆動機構を構成する。副走査方向は、主走査方向と垂直な方向(直交する方向)である。ただし、副走査方向と主走査方向とは、必ずしも直交している必要はなく、交差していればよい。なお、通常は、主走査動作と副走査動作が交互に実行される。また、ドット記録動作としては、往路の主走査のみでドット記録を実行する単方向記録動作と、往路と復路の両方の主走査でドット記録を実行する双方向記録動作と、のうちの少なくとも一方を実行可能である。往路の主走査と復路の主走査は、主走査の方向が逆になるだけなので、以下では特に必要の無い限り往路と復路を区別することなく説明を行う。
画像処理ユニット20は、ドット記録ユニット60と一体に構成されていても良い。また、画像処理ユニット20は、コンピューター(図示せず)に格納されて、ドット記録ユニット60と別体に構成されていても良い。この場合、画像処理ユニット20は、コンピューター上のプリンタードライバーソフトウエア(コンピュータープログラム)としてCPUによって実行されても良い。
図2は、記録ヘッド90のノズル列の構成の一例を示す説明図である。なお、図2では、記録ヘッド90は2つあるものとして図示されている。ただし、記録ヘッド90は1つでも良く、2以上であっても良い。2つの記録ヘッド90a,90bは、それぞれ色毎にノズル列91を備える。各ノズル列91は、一定のノズルピッチdpで副走査方向に並んだ複数のノズル92を備える。第1の記録ヘッド90aのノズル列91の端部のノズル92xと、第2の記録ヘッド90bのノズル列91の端部のノズル92yとは、ノズル列91におけるノズルピッチdpと同じ大きさだけ副走査方向にずれている。この場合、2つの記録ヘッド90a,90bの一色分のノズル列は、1つの記録ヘッド90の一色分のノズル数の2倍のノズル数を有するノズル列95(図2の左側に図示)と等価である。以下の説明では、この等価なノズル列95を用いて、一色分のドット記録を行う方法を説明する。なお、第1実施形態では、ノズルピッチdpと印刷媒体P上の画素ピッチとが等しい。ただし、ノズルピッチdpを、印刷媒体P上の画素ピッチの整数倍とすることも可能である。後者の場合には、いわゆるインターレース記録(1回目のパスで記録された主走査線の間のドットの隙間を埋めるように2回目以降のパスでドットを記録する動作が実行される動作)が実行される。ノズルピッチdpは、例えば、720dpi相当の値(0.035mm)である。
図3は、第1実施形態におけるドット記録の2つの主走査パスにおけるノズル列95の位置と、その位置における記録領域と、を示す説明図である。以後の説明では、一色のインク(例えばシアンインク)を用いて記録媒体Pの全画素にドットを形成する場合を例にとり説明する。本明細書では、個々の主走査線上のドットの形成を、N回(Nは2以上の整数)の主走査パスで完了するドット記録動作を、「マルチパス記録」と呼ぶ。本実施形態では、マルチパス記録のパス数Nは2である。1回目のパス(1P)と、2回目のパス(2P)では、ノズル列95の位置は、ヘッド高さHhの半分に相当する距離だけ副走査方向にずれている。ここで、「ヘッド高さHh」とは、M×dp(Mはノズル列95のノズル数、dpはノズルピッチ)で表される距離を意味する。
1回目のパスでは、記録媒体Pのうちで、ノズル列95の上半分のノズルが通過する主走査線で構成される領域Q1の全画素のうち50%の画素と、ノズル列95の下半分のノズルが通過する主走査線で構成される領域Q2の全画素のうち50%の画素とにおいて、ドット記録が実行される。2回目のパスでは、記録媒体Pのうちで、ノズル列95の上半分のノズルが通過する主走査線で構成される領域Q2の全画素のうち1回目のパスでドットが形成されなかった残りの50%の画素と、ノズル列95の下半分のノズルが通過する主走査線で構成される領域Q3の全画素のうち50%の画素とにおいて、ドット記録が実行される。従って、領域Q2は、1回目と2回目のパスでそれぞれ50%ずつ記録され、合わせて100%の画素の記録が実行される。なお、3回目のパスでは、領域Q3の残りの50%の画素とその次の領域Q4(図示せず)の50%の画素とにおいてドットが形成される。なお、ここでは記録媒体Pの全画素にドットを形成する画像(ベタ画像)を記録媒体Pに形成する場合を想定しているが、実際のドットデータで表される記録画像(印刷画像)は、記録媒体Pにドットを実際に形成する画素と、記録媒体Pにドットを実際に形成しない画素とを含んでいる。すなわち、記録媒体Pの各画素にドットを実際に形成するか否かは、ハーフトーン処理によって生成されるドットデータによって決定される。本明細書において、「ドット記録」という用語は、「ドットの形成または不形成を実行すること」を意味する。また、「ドット記録を行う」という用語は、記録媒体Pにドットを実際に形成するか否かとは無関係であり、「ドット記録を担当する」ことを意味する用語として使用する。
図4は、各パスにおけるドット記録パターンを作成するためのマスクを示す説明図であり、図5は、図4のマスクの具体的な一例を示す説明図である。マスクMSは、ノズル列95の上半分のノズル群Xに対して割り当てられた第1のマスクMS1と、下半分のノズル群Yに対して割り当てられた第2のマスクMS1*と、で構成される。このマスクMSは、記録媒体P上で主走査方向に沿って繰り返し配列される。
第1のマスクMS1は、副走査方向に沿って上から順に区分された3つの領域MS1t,MS1m,MS1bで構成されている。上部のマスク領域MS1tは、上半分のノズル群Xのうちの最も上側にあるノズル数mt(本例ではmt=3)のノズルXtによりドット記録が行われる領域に対応するマスク領域である。下部のマスク領域MS1bは、上半分のノズル群Xのうちの最も下側にあるノズル数mb(本例ではmb=3)のノズルXbによりドット記録が行われる領域に対応するマスク領域である。中央部のマスク領域MS1mは、上半分のノズル群Xのうちの上側のノズルXtと下側のノズルXbとの間の中央にあるノズル数M−mt−mb(本例では、M−mt−mb=6)のノズルXmによりドット記録が行われる領域に対応するマスク領域である。
なお、上半分のズル群Xのうちの最も上側のノズルXtは、ノズル列95のうちの上端部のノズルに相当し、以下では、「上端部ノズルXt」とも呼ぶ。また、上半分のノズル群Xのうちの最も下側のノズルXbは、後述するように、ノズル列95のうちの下端部のノズル(以下、「下端部ノズル」とも呼ぶ)と対をなして、同じ主走査線のドットの形成を担当する中間部のノズルに相当し、以下では、「下端部対応ノズルXb」とも呼ぶ。また、上部のマスク領域MS1tを「上端部マスク領域MS1t」とも呼び、下部のマスク領域MS1bを「下端部対応マスク領域MS1b」とも呼ぶ。さらにまた、中央部のマスク領域MS1mを「上側中央部マスク領域MS1m」とも呼ぶ。また、上端部ノズルXtによりドット記録が行われる領域を「上端部ノズル領域」とも呼び、下端部対応ノズルXbによりドット記録が行われる領域を「下端部対応ノズル領域」とも呼ぶ。
上端部マスク領域MS1tおよび下端部対応マスク領域MS1bは、主走査方向に並ぶ複数ドット分の一定長の区間毎に順に区分された4つの矩形形状のマスク領域Mu,Mm,Md,Mmで構成されている。第1のマスク領域Muは、その領域内において対応する上端部ノズルXtあるいは下端部対応ノズルXbがドット記録を担当する割合を表すドット割合が50%よりも多い(本例では67%)領域である。第3のマスク領域Mdは、その領域内において対応する上端部ノズルXtあるいは下端部対応ノズルXbのドット割合が50%よりも少ない(本例では33%)領域である。第1のマスク領域Muのドット割合と第3のマスク領域Mdのドット割合とはそれらの平均が50%となるように設定されている。第2および第4のマスク領域Mmは、その領域内において対応する上端部ノズルXtあるいは下端部対応ノズルXbのドット割合が50%の領域である。従って、上端部マスク領域MS1tおよび下端部対応マスク領域MS1bの領域におけるドット割合の平均値は50%となる。また、第1のマスクMS1が主走査方向に繰り返し配列されることにより、主走査方向に並ぶ各領域のドット割合は、段階的にかつ周期的に変化する。なお、4つの領域それぞれのドット割合はこれに限定されるものではなく、各領域のドット割合が段階的にかつ周期的に変化するとともに、各領域のドット割合の平均値が50%となるように設定されていればよい。
第1のマスク領域Muは、例えば、図5に示すように、4×3画素で区分された1つの領域とし、その領域内の全画素のうち2/3の画素を、ドット記録を担当する画素(以下、「担当画素」と呼ぶ)とし、残りの1/3の画素を、ドット記録を担当しない画素(以下、「非担当画素」と呼ぶ)とすることにより構成される。また、第3のマスク領域Mdも、例えば、図5に示すように、その領域内の全画素のうち1/3の画素を担当画素とし、残りの2/3の画素を非担当画素とすることにより構成される。さらにまた、第2および第4のマスク領域Mmも、例えば、図5に示すように、その領域内の全画素のうち1/2の画素を担当画素とし、残りの1/2の画素を非担当画素とすることにより構成される。なお、領域内において、担当画素と非担当画素とが偏らずに、それぞれが分散して配置されるように設定することが好ましい。また、同じドット割合の領域であっても、担当画素と非担当画素の配置位置が同じである必要はなく、ランダムに設定可能である。
上側中央部マスク領域MS1m(図4)は、第2および第4のマスク領域Mmと同様にその領域内におけるノズルXmのドット割合が50%の領域であり、例えば、図5に示すように、16×6画素の領域内の全画素のうち1/2の画素を担当画素とし、残りの1/2の画素を非担当画素とすることにより構成される。
第2のマスクMS1*は、図4に示すように、第1のマスクMS1と同様に、副走査方向に沿って上から順に区分された3つの領域MS1t*,MS1m*,MS1b*で構成されている。上部のマスク領域MS1t*は、下半分のノズル群Yのうちの最も上側にあるノズル数mt(本例ではmt=3)のノズルYtによりドット記録が行われる領域に対応するマスク領域である。下部のマスク領域MS1b*は、下半分のノズル群Yのうちの最も下側にあるノズルmb(本例ではmb=3)のノズルYbによりドット記録が行われる領域に対応するマスク領域である。中央部のマスク領域MS1m*は、下半分のノズル群Yのうちの上側のノズルXtと下側のノズルXbとの間の中央にあるノズル数M−mt−mb(本例ではM−mt−mb=6)のノズルYmによりドット記録が行われる領域に対応するマスク領域である。
なお、下半分のノズル群Yのうちの最も下側のノズルYbは、ノズル列95のうちの下端部のノズルに相当し、以下では、「下端部ノズルYt」とも呼ぶ。また、ノズル群Yのうちの最も上側のノズルYtは、後述するように、ノズル列95のうちの上端部ノズルXtと対をなして、同じ主走査線のドットの形成を担当する中間部のノズルに相当し、以下では、「上端部対応ノズルYt」とも呼ぶ。また、下部のマスク領域MS1b*を「下端部マスク領域MS1b*」とも呼び、上部のマスク領域MS1t*を「上端部対応マスク領域MS1t*」とも呼ぶ。さらにまた、中央部のマスク領域MS1m*を「下側中央部マスク領域MS1m*」とも呼ぶ。また、下端部ノズルYbによりドット記録が行われる領域を「下端部ノズル領域」とも呼び、上端部対応ノズルYtによりドット記録が行われる領域を「上端部対応ノズル領域」とも呼ぶ。
上端部対応マスク領域MS1t*および下端部マスク領域MS1b*は、第1のマスクMS1の上端部マスク領域MS1tおよび下端部対応マスク領域MS1bの各マスク領域の副走査方向に沿った境界線と一致するように主走査方向に沿って順に区分された4つのマスク領域Mu*,Mm*,Md*,Mm*で構成されている。第5のマスク領域Mu*(図4)は、その領域内において、対応する下端部対応ノズルYtあるいは下端部ノズルYbのドット割合が、第1のマスク領域Muと相補的関係となるように設定された割合(本例では33%)の領域である。具体的には、第5のマスク領域Mu*は、図5に示すように第1のマスク領域Muにおける非担当画素が担当画素となり、担当画素が非担当画素となるように設定される。また、第7のマスク領域Md*(図4)は、その領域内において、対応する下端部対応ノズルYtあるいは下端部ノズルYbのドット割合が、第3のマスク領域Mdと相補的関係となるように設定された割合(本例では67%)の領域である。具体的には、第7のマスク領域Mu*は、図5に示すように第3のマスク領域Mdにおける非担当画素が担当画素となり、担当画素が非担当画素となるように設定される。同様に、第6および第8のマスク領域Mm*(図4)も、その領域内において、対応する下端部対応ノズルYtあるいは下端部ノズルYbのドット割合が、第2および第4のマスク領域Mmと相補的関係となるように設定された割合(本例では50%)の領域である。具体的には、第6および第8のマスク領域Mm*は、図5に示すように第2および第4のマスク領域Mmにおける非担当画素が担当画素となり、担当画素が非担当画素となるように設定される。
下側中央部マスク領域MS1m*は、その領域内において、対応する中央のノズルYmのドット割合が、上側中央部マスク領域MS1mと相補的関係となるように設定された割合(本例では50%)の領域である。具体的には、図5に示すように、上側中央部マスク領域MS1mにおける非担当画素が担当画素となり、担当画素が非担当画素となるように設定される。
図6は、1回目のパス(1P)および2回目のパス(2P)でドット記録が実行された状態を示す説明図である。1回目のパスでは、図6の左側に示した1回目のパスのノズル列95が主走査方向に移動されることによって、図6の右側に示した領域Q1において、図4に示したマスクMSの上半分のノズル群X1に割り当てられた第1のマスクMS1(図5)に対応したドット記録が実行される。また、領域Q2において、マスクMSの下半分のノズル群Y1に割り当てられた第2のマスクMS1*(図5)に対応したドット記録が実行される。なお、1回目のパスにおける担当画素は、右斜め上向きのハッチングを有する丸および菱形で示される。なお、菱形で示された担当画素は、上端部ノズルXtと、上端部ノズルXtと同じ主走査線のドットの形成を担当する上端部対応ノズルYtと、下端部ノズルYbと、下端部ノズルYbと同じ主走査線のドットの形成を担当する下端部対応ノズルXbと、によってドット記録が行われる画素である。上端部ノズルXtによるドット記録は上端部マスク領域MS1tに応じて行われ、下端部ノズルYbによるドット記録は下端部マスク領域MS1b*に応じて行われる。また、上端部対応ノズルYtによるドット記録は上端部対応マスク領域MS1t*に応じて行われ、下端部対応ノズルXbによるドット記録は下端部対応マスク領域MS1bに応じて行われる。
2回目のパスでは、1回目のパスの位置から副走査方向にヘッド高さHh(本例では24画素)の半分(本例では12画素)だけシフトした後に、ノズル列95が主走査方向に移動される。この結果、領域Q2において、マスクMSの上半分のノズル群X2に割り当てられた第1のマスクMS1に対応したドット記録が実行される。また、領域Q3において、マスクMSの下半分のノズル群Y2に割り当てられた第2のマスクMS1*に対応したドット記録が実行される。なお、2回目のパスにおける担当画素は、左斜め上向きのハッチングを有する丸および菱形で示される。この結果、領域Q2の全ての画素におけるドット記録が完了することになる。
3回目以降のパスにおいても同様に、マスクMSに従ったドット記録が実行される。こうして主走査方向へのノズル列95の移動及びインクの吐出と、副走査方向への記録媒体Pの相対移動とを交互に繰り返し多数回実行することによって、記録媒体P上におけるドット記録がすべて完了する。なお、上方にある領域Q1では、一部の画素位置でドット記録が実行されないので、実際に画像が印刷(記録)される印刷対象領域(記録対象領域)は、領域Q2以下の領域となる。これは、後述する他の実施形態でも同様である。
なお、図6の説明では、ノズル列95の副走査方向の移動に伴ってマスクMSも移動するものとしたが、この代わりに、マスクMSを記録媒体P上において主走査方向及び副走査方向に繰り返しタイル状に配置することによって担当画素を決定するようにしても良い。後者の場合には、図5においてハッチングを付した画素は、奇数回目の主走査パスにおいてドット記録を実行する画素を示し、ハッチングの無い画素は、偶数回目の主走査パスにおいてドット記録を実行する画素を示すものとして取り扱われる。
図3〜図6で説明したドット記録動作は、ラスターライザー44によるラスターライズ動作によって実現される。すなわち、このドット記録動作は、実際の印刷対象画像とは無関係であり、各主走査線上の各画素におけるドット記録を、どのノズルがどのパスで実行するか、を決定する動作である。各画素において実際にドットを形成するか否かは、印刷対象画像に応じて決定される。なお、ラスターライズ動作で使用されるマスクMS(図3,4)は、ROM51やEEPROM53などの不揮発性記憶装置に格納されている。なお、マスクMSを構成する第1のマスクMS1と第2のマスクMS1*を、別個に格納するようにしても良い。
本実施形態では、2回のパスでのドット記録によって各領域のドット記録を完了する。この際、各パスのドット記録で用いられるマスクMSのうち、上端部ノズルXtに対応する上端部マスク領域MS1tと、下端部ノズルYbに対応する下端部マスク領域MS1bとは、主走査方向に並ぶ複数の画素分の一定長さの区間に区分された複数の区間の配列順に、それらのドット割合が段階的に周期的に繰り返し変化するように設定されている。また、上端部ノズルXtと同じ主走査線のドットの形成を担当する上端部対応ノズルYtに対応する上端部対応マスクMS1t*も、同様に、主走査方向に並ぶ複数の画素分の一定長さの区間に区分された複数の区間の配列順に、それらのドット割合が段階的に周期的に繰り返し変化するように設定されている。また、下端部ノズルYbと同じ主走査線のドットの形成を担当する下端部対応ノズルXbに対応する下端部マスク領域MS1bも、同様に、主走査方向に並ぶ複数の画素分の一定長さの区間に区分された複数の区間の配列順に、それらのドット割合が段階的に周期的に繰り返し変化するように設定されている。
このマスクMSを用いてドット記録を実行した場合、ノズル列95の上端部ノズルXt及び下端部ノズルYb(単に「端部ノズル」とも呼ぶ)によりドット記録が行われる上端部ノズル領域及び下端部ノズル領域(単に「端部ノズル領域」とも呼ぶ)では、主走査線を一定の区間毎に分断し、これらの複数の区間にわたって段階的にかつ周期的にドット割合を変化させることができる。同様に、上端部対応ノズルYt及び下端部対応ノズルXb(単に「端部対応ノズル」とも呼ぶ)によりドット記録が行われる上端部対応ノズル領域及び下端部対応ノズル領域(単に「端部対応ノズル領域」とも呼ぶ)においても、主走査線を一定の区間毎に分断し、これらの複数の区間にわたって段階的にかつ周期的にドット割合を変化させることができる。これにより、端部ノズル領域及び端部対応ノズル領域、すなわち、マルチパルス記録が行われる各領域(Q1,Q2・・・)の端部領域において、発生し易く目立ち安い主走査方向に沿ったバンディングの発生を抑制することができる。また、個々の区間毎のドット割合を段階的に周期的に変化させることにより、主走査方向に沿った区間毎のドット割合の急激な変化を抑制することができるので、隣接する区間での急激なドット割合の変化によってバンディングが目立ち易くなることを抑制できる。
なお、本実施形態では、端部ノズルのノズル数として、上端部ノズルXtのノズル数mtおよび下端部ノズルYbのノズル数mbを、それぞれ、3として説明したが、これに限定されるものではなく、端部ノズル領域で発生し易いバンディングの発生を抑制し、また、発生したバンディングを目立ち難くすることが可能なノズル数であればよい。例えば、上端部ノズルXtのノズル数mtおよび下端部ノズルYbのノズル数mbは、全ノズル数Mの最大15%以内で1以上のノズル数の範囲内あれば、端部ノズル領域で発生し易いバンディングの発生を抑制し、また、発生したバンディングを目立ち難くすることが可能である。また、上端部ノズルXtのノズル数mtおよび下端部ノズルYbのノズル数mbは異なっていてもよい。
B.第2実施形態:
図7は、第2実施形態としての各パスにおけるドット記録パターンを作成するためのマスクを示す説明図である。第2実施形態においても、マルチパス記録のパス数は2である。前述した図4に示した第1実施形態におけるマスクMSでは、上端部マスク領域および下端部マスク領域において、異なるドット割合が割り当てられた主走査方向に沿って並ぶマスク領域が、副走査方向に平行な境界線で区分されていた。これに対して、第2実施形態のマスクMSAでは、上端部マスク領域および下端部マスク領域の主走査方向に沿って並ぶマスク領域は、ドット割合が小さいマスク領域の区間ほど広く、ドット割合が大きいマスク領域の区間ほど狭くなるように、副走査方向に非平行な境界線で区分されている。
このマスクMSAは、上半分のノズル群Xに対応づけられた第1のマスクMS1aと、下半分のノズル群Yに対応づけられた第2のマスクMS1a*とで構成されている。第1のマスクMS1aは、第1実施形態の第1のマスクMS1(図4)と同様に、上端部マスク領域MS1atと、上側中央部マスク領域MS1amと、下端部対応マスク領域MS1abとで構成されている。第2のマスクMS1a*は、第1実施形態の第2のマスクMS1*(図4)と同様に、上端対応マスク領域MS1at*と、下側中央マスク領域MS1am*と、下端部マスク領域MS1ab*とで構成されている。第2のマスクMS1a*は、第1実施形態の第2のマスクMS1*(図4)と同様に、第1のマスクMS1aと相補的な関係を有する。
第1のマスクMS1aの上端部マスク領域MS1atは、第1実施形態の上端部マスク領域MS1tと同様に、4種類のマスク領域Mu1at(ドット割合67%),Mm1a1t(ドット割合50%),Md1at(ドット割合33%),Mm1a2t(ドット割合50%)に区分されている。ただし、4つのマスク領域Mu1at,Mm1a1t,Md1at,Mm1a2tは、それぞれの左右の境界線(すなわち、副走査方向に延びる境界線)が主走査方向および副走査方向に対して、上側中央部マスク領域MS1amとの境界側から上端側へ向かって傾斜した直線的形状を有している。また、第1のマスクMS1aの下端部対応マスク領域MS1abも、第1実施形態の下端部対応マスク領域MS1bと同様に、4種類のマスク領域Mu1ab(ドット割合67%),Mm1a1b(ドット割合50%),Md1ab(ドット割合33%),Mm1a2b(ドット割合50%)に区分されている。ただし、4つのマスク領域Mu1ab,Mm1a1b,Md1ab,Mm1a2bも、それぞれの左右の境界線が主走査方向および副走査方向に対して、上側中央部マスク領域MS1amとの境界側から下部中央側へ向かって傾斜した直線的形状を有している。
第2のマスクMS1a*の上端部対応マスク領域MS1at*も、第1実施形態の上端部対応マスク領域MS1t*と同様に、4種類のマスク領域Mu1at*(ドット割合33%),Mm1a1t*(ドット割合50%),Md1at*(ドット割合67%),Mm1a2t*(ドット割合50%)に区分されている。ただし、4つのマスク領域Mu1at*,Mm1a1t*,Md1at*,Mm1a2t*も、それぞれの左右の境界線が主走査方向および副走査方向に対して、下側中央部マスク領域MS1am*との境界側から上部中央側へ向かって傾斜した直線的形状を有している。また、第2のマスクMS1a*の下端部対応マスク領域MS1ab*も、第1実施形態の下端部対応マスク領域MS1b*と同様に、4種類のマスク領域Mu1ab*(ドット割合33%),Mm1a1b*(ドット割合50%),Md1ab*(ドット割合67%),Mm1a2b*(ドット割合50%)に区分されている。ただし、4つのマスク領域Mu1ab*,Mm1a1b*,Md1ab*,Mm1a2b*は、それぞれの左右の境界線が主走査方向および副走査方向に対して、上側中央部マスク領域MS1amとの境界側から下端側へ向かって傾斜した直線的形状を有している。
上端部マスク領域MS1atの4つのマスク領域Mu1at,Mm1a1t,Md1at,Mm1a2tのそれぞれの境界線は、第1のマスク領域Mu1atの上端側の幅が狭くなり、第3のマスク領域Md1atの上端側の幅が広くなるように設定されている。同様に、下端部マスク領域MS1ab*の4つのマスク領域Mu1ab*,Mm1a1b*,Md1ab*,Mm1a2b*のそれぞれの境界線は、第5のマスク領域Mu1ab*の下端側の幅が広くなり、第7のマスク領域Md1ab*の下端側の幅が狭くなるように設定されている。
上端部対応マスク領域MS1at*の4つのマスク領域Mu1at*,Mm1a1t*,Md1at*,Mm1a2t*のそれぞれの境界線は、上端部マスク領域MS1aの4つのマスク領域Mu1at,Mm1a1t,Md1at,Mm1a2tの形状と一致するように設定されている。また、下端部対応マスク領域MS1abの4つのマスク領域Mu1ab,Mm1a1b,Md1ab,Mm1a2bのそれぞれの境界線は、下端部マスク領域MS1ab*の4つのマスク領域Mu1ab*,Mm1a1b*,Md1ab*,Mm1a2b*の形状と一致するように設定されている。
第2実施形態のマスクMSAも、第1実施形態のマスクMS(図4)と同様に、上端部ノズル領域に対応する上端部マスク領域および下端部ノズル領域に対応する下端部マスク領域において、主走査方向に並ぶ区間毎にそのドット割合が段階的に周期的に繰り返し変化するように設定されている。このマスクMSAを用いてドット記録を実行した場合も、第1実施形態のマスクと同様に、端部ノズル領域及び端部対応ノズル領域において、主走査線を区間毎に分断し、これらの複数の区間にわたって段階的にかつ周期的にドット割合を変化させることができる。これにより、端部ノズル領域及び端部対応ノズル領域、すなわち、マルチパルス記録が行われる各領域の端部領域において、発生し易く目立ち易い主走査方向に沿ったバンディングの発生を抑制することができる。また、個々の区間毎のドット割合を段階的に周期的に変化させることにより、主走査方向に沿った区間毎のドット割合の急激な変化を抑制することができるので、隣接する区間での急激なドット割合の変化によってバンディングが目立ち易くなることを防止できる。また、ドット割合が高い区間で発生したバンディング(例えば、スジ)は目立ち易く、ドット割合が低い区間で発生したバンディングは目立ち難くなる傾向にある。これに対して、本実施形態では、ドット割合の低い区間ほどその幅を広げ、ドット割合の高い区間ほどその幅を狭くすることにより、バンディングを目立ち難くすることができる。
C.第3実施形態:
図8は、第3実施形態における4つの主走査パスにおけるノズル列95の位置と、その位置における記録領域と、を示す説明図である。第1、第2実施形態では、2回のパスで個々の主走査線上の全ての画素位置におけるドット記録を完了していたが、第3実施形態では、4回のパスで個々の主走査線上の全ての画素位置におけるドット記録を完了する。すなわち、第3実施形態では、マルチパス記録のパス数Nは4である。この時、1,2回目のパスでは、主走査方向の奇数番目の画素位置でドット記録を実行し、3,4回目のパスでは偶数番目の画素位置でドット記録を実行する。また、個々のパスの後に行われる副走査方向への記録媒体Pの移動では、ヘッド高さHhの1/4の距離だけ記録媒体Pが副走査方向の下流側へ移動する。
例えば、領域Q4については、1回目のパスで奇数番目の画素の内の50%の画素においてドット記録が実行され、2回目のパスで奇数番目の画素の残りの50%の画素においてドット記録が実行される。そして、3回目のパスで偶数番目の画素の内の50%の画素においてドット記録が実行され、4回目のパスで偶数番目の画素の内の残りの50%の画素においてドット記録が実行される。従って、領域Q4では、1回目と2回目のパスで奇数番目の画素がそれぞれ50%ずつ(全体に対して25%ずつ)記録され、3回目と4回目のパスで偶数番目の画素がそれぞれ50%ずつ(全体に対して25%ずつ)記録され、合わせて100%の画素の記録が実行される。
図9は、各パスにおけるドット記録パターンを作成するためのマスクを示す説明図である。マスクMSBは、ノズル列95のノズル高さHhを4等分したノズルのうち上から一番目のノズル群Wに対して割り当てられた第1のマスク領域MS1eと、上から二番目のノズル群Xに対して割り当てられた第2のマスク領域MS1*eと、上から三番目のノズル群Yに割り当てられた第3のマスク領域MS1oと、上から四番目のノズル群Zに割り当てられた第4のマスク領域MS1*oとで構成されている。第1のマスク領域MS1eおよび第2のマスク領域MS1*eは、主走査方向の偶数番目の画素のドット記録を受け持つマスクであり、偶数番目の画素におけるドット記録の位置が互いに相補的な関係を有している。同様に、第3のマスク領域MS1oおよび第4のマスク領域MS1*oは、主走査方向の奇数番目の画素のドット記録を受け持つマスクであり、奇数番目の画素におけるドット記録の位置が互いに相補的な関係を有している。
図9の上部の2つのマスクMS1e,MS1*eにおける担当画素の配置は、図5に示したマスクMS1,MS1*を偶数列の画素位置のみに適用したもの(すなわち、図5のマスクMS1,MS1*の各画素列を偶数画素列として使用し、それらの間に奇数画素列を挿入したもの)と同じである。同様に、図11の下部の2つのマスクMS1o,MS1*oは、図5に示したマスクMS1,MS1*を奇数列の画素位置のみに適用したものと同じである。
図10は、1回目から4回目のパスにおいて、領域Q4内にドット記録が行われる状態を示す説明図である。1回目のパス(1P)では、図10(a)に示すように、図9に示したマスクMSBの上から4番目のノズル群Z1に割り当てたられた第4のマスクMS1*oに応じて、主走査方向の奇数番目の画素のドット記録が実行される。また、2回目のパス(2P)では、図10(b)に示すように、図9に示したマスクMSBの上から3番目のノズル群Y2に割り当てたられた第3のマスクMS1oに応じて、主走査方向の奇数番目の画素のドット記録が実行される。この結果、領域Q4の主走査方向の奇数列の画素におけるドット記録が完了することになる。なお、1,2回目のパスにおいて形成される担当画素は、左斜め上向きのハッチングを有する丸および菱形で示される。なお、菱形で示された担当画素は、第1実施形態の図3における説明と同様に、上端部ノズルと、上端部ノズルと同じ主走査線のドットの形成を担当する上端部対応ノズルと、下端部ノズルと、下端部と同じ主走査線のドットの形成を担当する下端部対応ノズルと、によってドット記録が行われる画素である。上端部ノズルによるドット記録は上端部マスク領域に応じて行われ、下端部ノズルによるドット記録は下端部マスク領域に応じて行われる。また、上端部対応ノズルによるドット記録は上端部対応マスク領域に応じて行われ、下端部対応ノズルによるドット記録は下端部対応マスク領域に応じて行われる。
3回目のパス(3P)では、図10(c)に示すように、図9に示したマスクMSBの上から2番目のノズル群X3に割り当てたられた第2のマスクMS1*eに応じて、主走査方向の偶数番目の画素のドット記録が実行される。また、4回目のパス(4P)では、図10(d)に示すように、図9に示したマスクMSBの上から1番目のノズル群W4に割り当てたられた第1のマスクMS1oに応じて、主走査方向の偶数番目の画素のドット記録が実行される。この結果、領域Q4の主走査方向の偶数列の画素におけるドット記録が完了することになる。なお、3,4回目のパスにおける担当画素は、右斜め上向きのハッチングを有する丸および菱形で示される。以上の結果、図10(e)に示すように、4回のパスによって領域Q4の全ての画素におけるドット記録が完了することになる。
なお、5回目以降のパスにおいても同様に、(4q+1),(4q+2)回目(qは1以上の整数)のパスでは、主走査方向の奇数列に対応した第3および第4のマスクMS1o,MS1*oによるドット記録が実行され、(4q+3),(4q+4)回目のパスでは、主走査方向の偶数列に対応した第1および第2のマスクMS1e,MS1*eによるドット記録が実行される。こうして主走査パスと副走査パスとを交互に繰り返し多数回実行することによって、記録媒体P上におけるドット記録がすべて完了する。
第3実施形態においても、第1実施形態の場合と同様に、端部ノズル領域および端部対応ノズル領域、すなわち、マルチパルス記録が行われる各領域の端部領域で発生し易いバンディングの発生を抑制し、また、発生したバンディングを目立ち難くすることが可能である。また、奇数列のドット記録と偶数列のドット記録とを分けることにより、さらに、主走査方向を区間毎に段階的にかつ周期的に分断する効果が高くなり、主走査方向に沿ったバンディングの発生を更に抑制することができる。
なお、第3実施形態では、4回のパスで各領域のドット記録を完了する場合において、1,2回目のパスで奇数列の画素位置でのドット記録を行い、3,4回目のパスで偶数列の画素位置でのドット記録を行う場合を例に説明しているが、1,2回目のパスで偶数列のドット記録を行い、3,4回目のパスで奇数列の画素位置でドット記録を行うようにしてもよい。また、1回目と3回目のパスで偶数列又は奇数列のうちの一方の列の画素位置でドット記録を実行し、2回目と4回目のパスで他方の列の画素位置でドット記録を実行するようにしても良い。
また、上述したように、図9の上部の2つのマスクMS1e,MS1*eにおける担当画素の配置は、図5に示したマスクMS1,MS1*を偶数列の画素位置のみに適用したもの(と同じである。同様に、図9の下部の2つのマスクMS1o,MS1*oは、図5に示したマスクMS1,MS1*を奇数列の画素位置のみに適用したものと同じである。従って、図9のマスクMSBの代わりに、図5のマスクMSを不揮発性記憶装置に格納しておき、このマスクMSの適用画素列を切り替えることによって、第3実施形態におけるラスターライズ制御を実行することも可能である。こうすれば、マスクのためのメモリー容量を低減できる。このような変形は、以下で説明する他の実施形態にも適用可能である。
D.第4実施形態:
図11および図12は、第4実施形態としての各パスにおけるドット記録パターンを作成するためのマスクを示す説明図である。第4実施形態では、マルチパス記録のパス数Nは4である。前述した図9に示した第3実施形態におけるマスクMSBでは、異なるドット割合が割り当てられたマスク領域が、副走査方向に平行な境界線で区分されていた。これに対して、第4実施形態のマスクMSCは、第2実施形態のマスクMSAと同様に、ドット割合が小さいマスク領域の区間ほどその幅が広く、ドット割合が大きいマスク領域の区間ほどその幅が狭くなるように、副走査方向に非平行な境界線で区分されている。
このマスクMSCは、偶数列の画素位置におけるドット記録のための第1のマスクMS1aeおよび第2のマスクMS1a*e(図11)と、奇数列の画素位置におけるドット記録のための第3のマスクMS1aoおよび第4のマスクMS1a*o(図12)と、で構成される。第1のマスクMS1aeと第2のマスクMS1a*eとは、主走査方向の偶数番目の画素に関して、ドット記録の画素位置が互いに相補的な関係を有している。第3のマスクMS1aoと第4のマスクMS1a*oとは、主走査方向の奇数番目の画素に関して、ドット記録の画素位置が互いに相補的な関係を有している。
図11の2つのマスクMS1ae,MS1a*eは、第3実施形態の第1,第2のマスクMS1e,MS1*e(図9)と同様に、図7に示したマスクMS1a,MS1a*を偶数列の画素位置のみに適用したもの(すなわち、図7のマスクMS1a,MS1a*の各画素列を偶数画素列として使用し、それらの間に奇数画素列を挿入したものと同じである。また、図12の2つのマスクMS1ao,MS1a*oも、第3実施形態の第3,第4のマスクMS1o,MS1*o(図9)と同様に、図7に示したマスクMS1a,MS1a*を奇数列の画素位置のみに適用したものと同じである。
第4実施形態においても、第3実施形態と同様に、4回のパスのうち、1,2回目のパスでの主走査方向の奇数列のドット記録と、3,4回目のパスでの主走査方向の偶数列のドット記録によって各領域のドット記録を完了する。この際、各パスのドット記録で用いられるマスクMSCは、第3実施形態のマスクMSB(図9)と同様に、主走査方向に並ぶ区間毎にそのドット割合が段階的に周期的に繰り返し変化するように設定されている。従って、端部ノズル領域及び端部対応ノズル領域、すなわち、マルチパルス記録が行われる各領域の端部領域において、発生し易く目立ち易い主走査方向に沿ったバンディングの発生を抑制することができる。また、奇数列のドット記録と偶数列のドット記録とを分けることにより、さらに、主走査方向を区間毎に段階的にかつ周期的に分断する効果が高くなり、主走査方向に沿ったバンディングの発生を更に抑制することができる。また、第4実施形態のマスクでは、第2実施形態のマスクと同様に、ドット割合の比較的低い区間の幅を広げ、ドット割合の比較的高い区間の幅を狭くすることにより、更にバンディングを目立ち難くすることができる。
E.変形例:
以上、いくつかの実施形態に基づいて本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、上述の実施形態や参考形態、実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
E1.変形例1:
上述した実施形態では、マルチパス記録のパス数Nが2又は4であるが、パス数Nとしては2以上の任意の整数を利用することが可能である。また、N回の各主走査パスによる各主走査線上でのドット割合の合計を100%とする限り、各主走査パスにおけるドット割合は任意の値に設定することが可能である。また、N回の主走査パスにおける担当画素の位置は、互いに重ならないことが好ましい。なお、一般に、1回の主走査パスの終了後に行われる副走査の送り量は、ヘッド高さの1/Nに相当する一定値に設定することが好ましい。
E2.変形例2:
上述した第2実施形態(図7)及び第4実施形態(図11,12)では、主走査方向に沿って区分されたマスク領域の左右の境界線(副走査方向に延びる境界線)が、直線的形状を有していたが、この代わりに、他の種類の非直線的形状(曲線や折れ線を含む)を採用するようにしても良い。
E3.変形例3:
上述した実施形態では、少なくとも、端部ノズル領域のうちの端部ノズル領域の内側の領域との境界において、主走査方向に沿って一定長さの区間毎にドット割合が変更されていたが、各区間の長さを、区間毎に変更するようにしても良い。また、主走査方向に沿った各区間の長さは、4画素〜10画素の範囲が好ましい。また、各区間において、ドット記録が行われる担当画素が主走査方向に4画素以上連続しないこと(担当画素の連続数が3以下であること)が好ましい。同様に、各区間において、ドット記録が行われない非担当画素が主走査方向に4画素以上連続しないこと(非担当画素の連続数が3以下であること)が好ましい。こうすれば、担当画素と非担当画素とが分散されるので、バンディングをより目立ち難くすることが可能である。
E4.変形例4:
上述した実施形態では、複数の区間のドット割合として、33%,50%,67%の3種類の値を使用したが、これら以外の値を使用することも可能である。但し、異なるドット割合を有する区間の種類数は、2以上であれば良いが、より好ましくは3以上とすることが好ましい。こうすれば、異なるドット割合を有する3種類以上の区間においてドット形成状態がそれぞれ変化するので、バンディングが目立ち難くなるという利点がある。
なお、1回の主走査パスにおいて各主走査線上に割り当てられる複数の区間に関しては、それらの複数の区間のドット割合の平均値は、(1/N×100)%(Nはマルチパス記録のパス数)とすることが好ましい。例えば、N=2の場合には、主走査方向に並ぶ複数の区間におけるドット割合の平均値は50%(図4,図7)である。また、N=4の場合には、主走査方向に並ぶ複数の区間におけるドット割合の平均値は25%(図9,図11,図12)である。なお、図9,図11,図12に記載されたドット割合の値(67%,50%,33%,50%)は、奇数列の画素位置又は偶数列の画素位置に関する値なので、全画素位置に対するドット割合の値の2倍の値となっている。従って、図9,11,図12において、主走査方向に並ぶ複数の区間におけるドット割合の平均値は25%であることが理解できる。
また、ドット割合の異なる値としては、(1/N×100)%に対して相補的となる2つの値を一対とする複数対の値を使用することが好ましい。例えば、第1実施形態(図4)では、(67%,33%)を第1の対とし、(50%,50%)を第2の対として使用している。このようなドット割合の値を使用すれば、主走査方向に並ぶ複数の区間におけるドット割合の平均値を(1/N×100)%に設定しやすいという利点がある。
E5.変形例5:
なお、上記実施形態において、記録ヘッドが主走査方向に移動する、と説明したが、記録媒体と記録ヘッドとを主走査方向に相対的に移動させてインクを吐出できれば、上記構成に限られない。例えば、記録ヘッドが停止した状態で記録媒体が主走査方向に移動してもよく、また記録媒体と記録ヘッドとの両者が主走査方向に移動しても良い。なお、副走査方向についても、記録媒体と記録ヘッドとが相対的に移動できればよい。例えば、フラットベッド型プリンターのように、テーブル上に載置(固定)された記録媒体に対してヘッド部がXY方向に移動し、記録を行うものであってもよい。すなわち、記録媒体と記録ヘッドとが、主走査方向と副走査方向の少なくとも一方で、相対的に移動できる構成であってもよい。
E6.変形例6:
上述した実施形態では、インクを印刷用紙上に吐出する印刷装置について説明したが、本発明は、これ以外の種々のドット記録装置にも適用可能であり、例えば、液滴を基板上に吐出してドットを形成する装置にも適用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状態、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置であってもよい。また、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。
10…ドット記録システム 20…画像処理ユニット 40…CPU 42…色変換処理部 43…ハーフトーン処理部 44…ラスターライザー 45…出力インターフェース 51…ROM 52…RAM 53…EEPROM 60…ドット記録ユニット 61…制御ユニット 70…キャリッジモーター 71…駆動ベルト 72…プーリー 73…摺動軸 74…モーター 75…ローラー 80…キャリッジ 82…インクカートリッジ 90,90a,90b…記録ヘッド 91…ノズル列 92,92x,92y…ノズル 95…ノズル列 P…記録媒体

Claims (4)

  1. 複数のノズルを有する記録ヘッドと、
    主走査方向に前記記録ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させながら、前記記録媒体にドットを形成する主走査パスを実行する主走査駆動機構と、
    前記主走査方向と交差する副走査方向に前記記録媒体と前記記録ヘッドとを相対的に移動させる副走査を実行する副走査駆動機構と、
    制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、主走査線上におけるドットの形成をN回(Nは2以上の整数)の前記主走査パスで完了するマルチパス記録を実行し、
    前記マルチパス記録の各主走査パスにおいてドット記録が実行される画素の割合を表すドット割合は、
    (i)前記記録ヘッドの前記副走査方向の上側端部にある少なくとも1つの前記ノズルを含む上端部ノズルによりドット記録が実行される領域と、
    (ii)前記記録ヘッドの前記副走査方向の下側端部にある少なくとも1つの前記ノズルを含む下端部ノズルによりドット記録が実行される領域と、
    (iii)前記記録ヘッドが前記副走査によって前記副走査方向に移動した際に、前記上端部ノズルと同じ主走査線のドットの形成を担当する上端部対応ノズルによりドット記録が実行される領域と、
    (iv)前記下端部ノズルと同じ主走査線のドットの形成を担当する下端部対応ノズルによりドット記録が実行される領域と、
    において、前記主走査方向の複数の区間にわたって段階的かつ周期的に変化するように設定されており、
    前記主走査方向に並ぶ複数の区間における前記ドット割合の異なる値の数が3以上に設定されている、
    ことを特徴とするドット記録装置。
  2. 請求項1に記載のドット記録装置であって、
    前記上端部ノズルによる領域における各区間および前記下端部ノズルによる領域における各区間は、それぞれ、前記ドット割合が小さい区間ほど前記主走査方向の幅が広くなるように、前記副走査方向に対して非平行な境界線で区分されている、
    ことを特徴とするドット記録装置。
  3. 複数のノズルを有する記録ヘッドと記録媒体とを主走査方向に相対的に移動させながら記録媒体にドットを形成する主走査パスと、前記主走査方向と交差する副走査方向に前記記録媒体と前記記録ヘッドとを相対的に移動させる副走査と、を実行することにより、主走査線上におけるドットの形成をN回(Nは2以上の整数)の主走査パスで完了するマルチパス記録を行うドット記録方法であって、
    前記マルチパス記録の各前記主走査パスにおいてドット記録が実行される画素の割合を表すドット割合は、
    (i)前記記録ヘッドの前記副走査方向の上側端部にある少なくとも1つの前記ノズルを含む上端部ノズルによりドット記録が実行される領域と、
    (ii)前記記録ヘッドの前記副走査方向の下側端部にある少なくとも1つの前記ノズルを含む下端部ノズルによりドット記録が実行される領域と、
    (iii)前記記録ヘッドが前記副走査によって前記副走査方向に移動した際に、前記上端部ノズルと同じ主走査線のドットの形成を担当する上端部対応ノズルによりドット記録が実行される領域と、
    (iv)前記下端部ノズルと同じ主走査線のドットの形成を担当する下端部対応ノズルによりドット記録が実行される領域と、
    において、前記主走査方向の複数の区間にわたって段階的かつ周期的に変化するように設定されており、
    前記主走査方向に並ぶ複数の区間における前記ドット割合の異なる値の数が3以上に設定されている、
    ことを特徴とするドット記録方法。
  4. 複数のノズルを有する記録ヘッドと記録媒体とを主走査方向に相対的に移動させながら記録媒体にドットを形成する主走査パスを行うドット記録装置にドット記録を実行させるためのラスターデータを作成するコンピュータープログラムであって、
    主走査線上におけるドットの形成をN回(Nは2以上の整数)の主走査パスで完了するマルチパス記録をドット記録装置に実行させるためのラスターデータをコンピューターに作成させる機能を有し、
    前記マルチパス記録の各前記主走査パスにおいてドット記録が実行される画素の割合を表すドット割合は、
    (i)前記記録ヘッドの前記副走査方向の上側端部にある少なくとも1つの前記ノズルを含む上端部ノズルによりドット記録が実行される領域と、
    (ii)前記記録ヘッドの前記副走査方向の下側端部にある少なくとも1つの前記ノズルを含む下端部ノズルによりドット記録が実行される領域と、
    (iii)前記記録ヘッドが前記副走査によって前記副走査方向に移動した際に、前記上端部ノズルと同じ主走査線のドットの形成を担当する上端部対応ノズルによりドット記録が実行される領域と、
    (iv)前記下端部ノズルと同じ主走査線のドットの形成を担当する下端部対応ノズルによりドット記録が実行される領域と、
    において、前記主走査方向の複数の区間にわたって段階的かつ周期的に変化するように設定されており、
    前記主走査方向に並ぶ複数の区間における前記ドット割合の異なる値の数が3以上に設定されている、
    ことを特徴とするコンピュータープログラム。
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