JP2021011116A - インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
Description
近年、このようなインクジェット記録装置では、記録速度の向上や記録画像の高精細化といった要求に対応するため、複数の記録ヘッドが副走査方向に異なる位置に配置された長尺のヘッドユニットを形成し、当該長尺のヘッドユニットの複数の記録ヘッドからインクを吐出して画像を記録する技術が用いられている。
これに対し、特許文献1では、一の記録ヘッドの一方側の端部近傍に配置されたノズル群と、当該一の記録ヘッドの一方側とは反対側の端部近傍又は他の記録ヘッドの当該反対側と対応する端部近傍に配置されたノズル群とにより波状の境界を有し相補的に嵌合する領域に各々インクを吐出して繋ぎ目画像を記録するとともに、異なる組み合わせの記録ヘッドによる別個の繋ぎ目画像を重ねて記録することにより、記録ヘッドの繋ぎ目における濃度ムラを目立たなくする技術が開示されている。
インクを吐出する複数の記録素子を各々有する複数の記録ヘッドが副走査方向に異なる位置に配置され、当該複数の記録ヘッド各々において前記複数の記録素子のうち少なくとも一部により副記録素子群がそれぞれ構成されて、前記複数の記録ヘッドの前記副記録素子群からなる記録素子群の記録素子により、前記複数の記録ヘッドの配置に応じた前記副走査方向への幅内で記録媒体に対してインクを吐出する記録手段と、
前記記録手段及び記録媒体を前記副走査方向と交差する主走査方向に相対移動させながら前記記録素子群から前記記録媒体にインクを吐出させる主走査制御と、前記記録手段及び前記記録媒体を前記副走査方向に相対移動させる副走査制御とを交互に実行して、前記記録媒体の前記副走査方向における各位置で少なくとも2回の前記主走査制御に応じて少なくとも2つの前記記録素子から相補的にインクを吐出可能に前記記録手段を制御して前記記録媒体に画像を記録させる記録制御手段と、
を備え、
前記記録制御手段は、前記副走査方向の各位置における前記少なくとも2つの記録素子による相補的なインクの吐出に係る動作において、一の前記副記録素子群の記録素子と当該一の副記録素子群に対して前記副走査方向に隣り合う副記録素子群の記録素子との前記副走査方向の位置に係る境界から所定の近傍範囲である繋ぎ目領域の記録素子により、記録対象の画像のデータに応じたインクの吐出に係る動作が行われる割合を示す印画率が、前記繋ぎ目領域以外の記録素子の印画率より小さくなるように設定された間引き画像データに基づいて前記主走査制御を行う
ことを特徴としている。
前記間引き画像データは、前記繋ぎ目領域に含まれる記録素子のうち前記境界に近い記録素子によるインク吐出位置ほど印画率が小さくなるように前記記録素子群の記録素子によるインク吐出位置の印画率が定められていることを特徴としている。
前記間引き画像データは、前記記録素子群のうち前記副走査方向の所定の位置で区分された領域の各々において、当該各領域に属する各記録素子によるインク吐出位置の印画率が当該記録素子群における記録素子の前記副走査方向の配列順に従って逓減又は逓増するように定められていることを特徴としている。
前記間引き画像データは、前記主走査方向及び前記副走査方向と各々対応する方向について前記インクの吐出に係る動作の行われない位置が不規則に配置されるように定められていることを特徴としている。
前記間引き画像データは、前記記録素子群の端部から所定の近傍範囲である端部領域の記録素子によるインク吐出位置の印画率と、前記繋ぎ目領域の記録素子によるインク吐出位置の印画率とが、前記端部領域及び前記繋ぎ目領域以外の領域の記録素子によるインク吐出位置の印画率より小さくなるように定められていることを特徴としている。
前記間引き画像データは、前記記録媒体のうち前記端部領域に含まれる記録素子により前記インクの吐出に係る動作が行われる第1範囲において当該インクの吐出に係る動作が行われる回数が、前記第1範囲以外の第2範囲において前記インクの吐出に係る動作が行われる回数よりも多くなるように設定された前記副走査制御における前記記録手段及び前記記録媒体の相対移動距離と、前記主走査制御における前記記録素子各々の印画率とに基づいて前記主走査制御及び前記副走査制御を行うことを特徴としている。
前記インクの吐出に係る動作が行われない位置の配置を示す間引きパターンデータを記憶する記憶手段と、
前記画像データと前記間引きパターンデータとに基づいて間引き画像データを生成する間引き手段と、
を備えることを特徴としている。
一の前記副記録素子群の記録素子と前記副走査方向に隣り合う副記録素子群の記録素子との前記副走査方向の間隔は、当該一の副記録素子群における記録素子の前記副走査方向の間隔より大きいことを特徴としている。
前記間引き画像データは、一の前記主走査制御において前記記録素子群のうち特定の記録素子による前記インクの吐出に係る動作が行われないように、かつ他の前記主走査制御において前記記録素子群のうち前記特定の記録素子による前記インクの吐出に係る動作が行われない位置をインク吐出位置とする記録素子により相補的に前記インクの吐出に係る動作が行われるように前記記録素子群の記録素子によるインク吐出位置の印画率が定められていることを特徴としている。
前記記録素子から吐出されて記録媒体への画像の記録に用いられないインクを受けるインク受容部を備え、
前記記録制御手段は、所定の条件を満たす場合に前記記録素子から前記インク受容部に対してインクを吐出させる
ことを特徴としている。
インクを吐出する複数の記録素子を各々有する複数の記録ヘッドが副走査方向に異なる位置に配置され、当該複数の記録ヘッド各々において前記複数の記録素子のうち少なくとも一部により副記録素子群がそれぞれ構成されて、前記複数の記録ヘッドの前記副記録素子群からなる記録素子群の記録素子により、前記複数の記録ヘッドの配置に応じた前記副走査方向への幅内で記録媒体に対してインクを吐出する記録手段を備えるインクジェット記録装置によるインクジェット記録方法であって、
前記記録手段及び記録媒体を前記副走査方向と交差する主走査方向に相対移動させながら前記記録素子群から前記記録媒体にインクを吐出させる主走査制御と、前記記録手段及び前記記録媒体を前記副走査方向に相対移動させる副走査制御とを交互に実行して、前記記録媒体の前記副走査方向における各位置で少なくとも2回の前記主走査制御に応じて少なくとも2つの前記記録素子から相補的にインクを吐出可能に前記記録手段を制御して前記記録媒体に画像を記録させる記録制御ステップを含み、
前記記録制御ステップでは、前記副走査方向の各位置における前記少なくとも2つの記録素子による相補的なインクの吐出に係る動作において、一の前記副記録素子群の記録素子と当該一の副記録素子群に対して前記副走査方向に隣り合う副記録素子群の記録素子との前記副走査方向の位置に係る境界から所定の近傍範囲である繋ぎ目領域の記録素子により、記録対象の画像のデータに応じたインクの吐出に係る動作が行われる割合を示す印画率が、前記繋ぎ目領域以外の記録素子の印画率より小さくなるように設定された間引き画像データに基づいて前記主走査制御を行う
ことを特徴としている。
インクジェット記録装置1は、記録媒体Pを副走査方向(図1のY方向)に搬送する搬送部10と、インクを吐出する複数の記録ヘッド21Y,21M,21C,21K(図2)(単に記録ヘッド21とも記す)を有するヘッドユニット20Y,20M,20C,20K(単にヘッドユニット20とも記す)(記録手段)が搭載されたキャリッジ200と、キャリッジ200を副走査方向と交差(本例の場合は、直交)する主走査方向(図1のX方向)に走査させる主走査部30と、インクジェット記録装置1の各部の動作を統括制御する制御部40(記録制御手段)(図3)と、画像処理部50と、インク受容部60などを備える。
また、搬送部10は、駆動ローラー11aの回転角度を検出してその検出結果を制御部40に送信する図示しないロータリーエンコーダーを備える。
なお、記録媒体Pとしては、紙、布帛又はシート状の樹脂等、表面に吐出されたインク(色材)を固着させることが可能な種々の媒体を用いることができる。
キャリッジ200には、4つのヘッドユニット20が取り付けられている。ヘッドユニット20は、搬送ベルト13に載置された記録媒体Pに対してインクを吐出して画像を記録する。本実施形態では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のインクに各々対応する4つのヘッドユニット20Y,20M,20C,20Kが+X方向側からこの順に所定の間隔で配列された状態でキャリッジ200に取り付けられている。
イエローのインクに対応するヘッドユニット20Yは、取付部材に取り付けられた3つの記録ヘッド21Yと、記録ヘッド21Yごとに設けられ記録ヘッド21Yに駆動電圧波形を供給する図示しない駆動回路と、駆動回路の動作を制御する駆動制御回路とを有する。駆動制御回路は、記録される画像に係る画像データに含まれる画素データを駆動回路に供給し、駆動回路から画素データに応じた駆動電圧波形を出力させる。マゼンタ、シアン、ブラックのインクに対応するヘッドユニット20M,20C,20Kも同様に、それぞれ3つの記録ヘッド21M,21C,21K及び駆動回路と、駆動制御回路とを有する。各ヘッドユニット20に設けられた駆動制御回路及び駆動回路により、駆動部25(図3)(間引き手段)が構成される。
記録素子22のノズルは、ヘッドユニット20の搬送ベルト13側のインク吐出面に開口部が設けられている。図2は、キャリッジ200に取り付けられたヘッドユニット20のインク吐出面側を示す模式図であり、記録素子22に含まれるノズルの開口部の一部が円形状に描かれている。
なお、副記録素子群23の記録素子22は、必ずしも副走査方向に配列されていなくてもよく、主走査方向と交差する向きに配列されていればよい。また、副記録素子群23は、副走査方向に配列された記録素子22の列を2列以上備え、これら2列以上の記録素子22の各々が全体として副走査方向について互いに異なる位置に配置された構成であってもよい。また、副記録素子群23に含まれる記録素子22は、副走査方向について互いに異なる位置に配置されていればよく、列をなしていなくてもよい。
また、図2では、各記録ヘッド21が16個の記録素子22を備えているが、この数は任意であり、各記録ヘッド21にはより多数の(例えば数百個の)記録素子22を設けることができる。
このようにして構成された記録素子群24の記録素子22は、一の副記録素子群23の記録素子22と副走査方向に隣り合う副記録素子群23の記録素子22との副走査方向の境界(繋ぎ目)から所定の近傍範囲である繋ぎ目近傍の領域である繋ぎ目領域23aの記録素子22と、記録素子群24の端部から所定の近傍範囲である端部領域23bの記録素子22と、繋ぎ目領域23a及び端部領域23bを除いた中央部領域23cの記録素子22とに分けられる。
ここで、所定の近傍範囲は、その範囲のうち副走査方向の両端の記録素子22により各々吐出されたインクが別個の位置に吐出されたものとして視認されるような範囲であって、副走査方向の長さが、副記録素子群23の副走査方向の長さの概ね1/3以下となるように定められた範囲である。本実施形態では、繋ぎ目領域23a及び端部領域23bの副走査方向の長さは、それぞれ副記録素子群23の副走査方向の長さの1/4とされている。ここで、副記録素子群23の長さは、副記録素子群23における記録素子22の副走査方向の間隔に当該副記録素子群に含まれる記録素子22の数を乗じて得られた値である。また、副記録素子群23の副走査方向の範囲は、副記録素子群23の両端の記録素子22の位置から、記録素子22の副走査方向の間隔の1/2だけ副走査方向の両側に張り出した範囲を含むものとする。
また、主走査部30は、キャリッジ200の主走査方向の位置を検出してその検出結果を制御部40に送信する図示しないリニアエンコーダーを備える。
インクジェット記録装置1は、CPU41(Central Processing Unit)、RAM42(Random Access Memory)、ROM43(Read Only Memory)(記憶手段)及び記憶部44(記憶手段)を有する制御部40と、画像処理部50と、インターフェース101と、上述の搬送部10、ヘッドユニット20の駆動部25及び主走査部30などを備える。CPU41は、バス102を介してRAM42、ROM43、記憶部44、搬送部10、駆動部25、主走査部30、画像処理部50及びインターフェース101と接続されている。
この画像記録動作では、記録媒体Pに画像を記録する場合に、ヘッドユニット20を主走査方向に移動させながら記録素子群24から記録媒体Pにインクを吐出させる主走査動作と、記録媒体Pを副走査方向に搬送させる副走査動作とが交互に実行され、記録媒体Pの副走査方向における各位置で少なくとも2回の主走査動作に応じて少なくとも2つの記録素子22から相補的にインク吐出可能にヘッドユニット20が制御されて画像が記録される。また、各主走査動作では、各主走査動作において相補的にインクを吐出させるために、以下に説明するように記録素子群24による画素の出力が間引かれて画像の記録が行われる。
マスクパターンデータ70は、「0」の値が割り当てられたマスク部73と、「1」の値が割り当てられた出力部74とが列方向(図4の縦方向)及び行方向(同横方向)に二次元マトリクス状に配列されたデータである。マスクパターンデータ70の列方向のデータ数は、記録素子群24に含まれる記録素子22の数と同一とされ、本実施形態では48個である。また、行方向のデータ数は、8個である。
なお、マスクパターンデータ70の列方向のデータ数は、必ずしも記録素子群24に含まれる記録素子22の数と同一でなくてもよい。また、行方向のデータ数は、記録素子群24の記録素子22の数などに応じて変更してもよく、記録素子群24に記録素子22が数百個設けられている場合には、例えば256個などとしてもよい。
また、繋ぎ目データ群71aでは、副記録素子群23の繋ぎ目に近い記録素子22と対応する行データ群72ほど、即ち繋ぎ目に近い記録素子22によるインク吐出位置ほど印画率が小さくなるように出力部74の配置が設定されている。また、端部データ群71bでは、記録素子群24の端部に近い記録素子22と対応する行データ群72ほど印画率が小さくなるように出力部74の配置が設定されている。具体的には、図4の例では、副記録素子群23のある記録素子22と対応する行データ群72に含まれる出力部74の数が、当該記録素子22に対して副記録素子群23の繋ぎ目又は記録素子群24の端部から遠い側に隣接する記録素子22と対応する行データ群72に含まれる出力部74の数より1つ少なくなるように出力部74の配置が設定されている。この結果、記録素子群24において副走査方向に順番に配列された記録素子22に各々対応する行データ群72の印画率が当該順番に従って逓減又は逓増するようになっている。即ち、マスクパターンデータ70では、各データ群71の列方向の中央付近で印画率が100%となり、繋ぎ目データ群71aの繋ぎ目及び端部データ群71bの端部に向かって印画率が0%に近づくように逓減する(即ち当該繋ぎ目及び端部からデータ群71の列方向の中央付近に向かって逓増する)分布となるように出力部74が配置されている。
また、マスクパターンデータ70では、列方向及び行方向の各々についてマスク部73の配置が不規則となるように出力部74が配置されている。この結果、記録素子22によるインクの吐出に係る動作の行われない位置が不規則に配置されるようになっている。
制御部40は、記録媒体Pに記録される画像の画像データがインターフェース101を介して外部装置2から供給されて記憶部44に記憶されると、搬送部10により記録媒体Pを、画像の記録開始位置と対応する副走査方向の所定位置に搬送させる。そして、制御部40は、ヘッドユニット20に主走査動作分の画像データを出力し、主走査部30によりキャリッジ200を主走査方向に所定の速度で移動させながら、ヘッドユニット20の記録素子22から間引き画像データに応じた所定のタイミングでインクを吐出させる主走査制御を行う(ステップS1)。即ち、制御部40は、上述の主走査動作が行われるようヘッドユニット20の駆動部25及び主走査部30を制御する。このインクの吐出は、上述したように、駆動部25の駆動制御回路により画像データとマスクパターンデータ70とを掛け合わせて得られた間引き画像データに応じた駆動電圧波形を駆動回路から記録素子22に供給して記録素子22に画素データに応じたインクの吐出動作又は非吐出動作を行わせることで実行され、この結果、ヘッドユニット20から出力パターン80に応じた位置にインクが吐出される。ここで、画像データのうちマスクパターンデータ70と掛け合わされる部分は、当該ステップS1において何回目の主走査動作が行われるかに応じて選択される。
なお、制御部40は、所定の条件が満たされている場合には、主走査制御が終了した後にキャリッジ200をインク受容部60の上部に移動させてヘッドユニット20により上述の吐き捨て動作を実行させる。ここで、所定の条件は、例えば前回の吐き捨て動作が終了してから所定時間が経過していることとすることができる。
ステップS3が終了すると、制御部40は、処理をステップS1に移行させる。
ステップS4が終了すると、制御部40は、画像記録処理を終了させる。
次に、上記実施形態の変形例1について説明する。本変形例1では、記録媒体Pの副走査方向における各位置で3回以上の主走査動作に各々応じて記録素子群24の異なる記録素子22からインクが吐出されて画像が記録される。その他の点は上記実施形態と同様であるので、以下では上記実施形態との相違点について説明する。
図7におけるBは、主走査動作各々における記録媒体P上の副走査方向の各位置での印画率の分布を示す。
図7に示される例では、各副記録素子群23の繋ぎ目領域23a、端部領域23b、中央部領域23cの副走査方向の長さは、副記録素子群23の副走査方向の長さの1/3に設定されている。そして、中央部領域23cでの印画率が40%に設定され、繋ぎ目領域23a及び端部領域23bでの印画率は、中央部領域23cから副記録素子群23の端部に向かうに従って線形に減少し、副記録素子群23の端部における印画率が20%となるように設定されている。この結果、図7におけるBの同一の副走査方向の位置において、記録媒体P上の副走査方向の各位置での印画率は、1回目、2回目及び3回目の各主走査動作での印画率の合計が100%となるような分布となる。
また、図7に示される例では、各主走査動作において印画率が上記の分布となるように、かつ3回の主走査動作において記録素子群24により出力される画素の位置が相補的な関係となるようにマスクパターンデータ70における出力部74の配置が設定される。
また、各副記録素子群23の繋ぎ目領域23a、端部領域23bの副走査方向の長さは、副記録素子群23の副走査方向の長さの1/4に設定され、中央部領域23cの副走査方向の長さは、副記録素子群23の副走査方向の長さの1/2に設定されている。そして、図8におけるBに示されるように、中央部領域23cでの印画率が30%に設定され、繋ぎ目領域23a及び端部領域23bでの印画率は、中央部領域23cから副記録素子群23の端部に向かうに従って線形に減少し、副記録素子群23の端部における印画率が10%となるように設定されている。この結果、図8におけるBの同一の副走査方向の位置において、記録媒体P上の副走査方向の各位置での印画率は、1回目から4回目までの各主走査動作での印画率の合計が100%となるような分布となる。
また、図8に示される例では、各主走査動作において印画率が上記の分布となるように、かつ4回の主走査動作において記録素子群24により出力される画素の位置が相補的な関係となるようにマスクパターンデータ70における出力部74の配置が設定される。
次に、上記実施形態の変形例2について説明する。本変形例2は、他の変形例と組み合わされてもよい。
本変形例2では、端部領域23bと対応する画素の印画率が繋ぎ目領域23aと対応する画素の印画率より小さく設定されている例について説明する。その他の点は上記実施形態と同様であるので、以下では上記実施形態との相違点について説明する。
本変形例2のヘッドユニット20の構成は上記実施形態と同様であり、記録素子群24は、3つの副記録素子群23により構成されている。
また、図9に示されるように、繋ぎ目領域23aと対応するブロックの印画率が10%であるのに対し、端部領域23bと対応するブロックの印画率は、5%とされており、端部領域23bでの印画率が、繋ぎ目領域23aでの印画率に対して低く設定されている。以下では、記録素子群24の両端に位置するブロック及び中央に位置するブロックをそれぞれ端部ブロックBe、中央ブロックBcと記す。
詳しくは、端部ブロックBeの記録素子22により画素の出力が行われる範囲R1(第1範囲)では、1回目及び3回目の主走査動作では記録素子群24のうち端部ブロックBeと対応する記録素子22により画素が出力され、2回目の主走査動作では記録素子群24のうち中央ブロックBcと対応する記録素子22により画素が出力され、計3回の主走査で画像が記録される。ここで、端部ブロックBe、中央ブロックBcでは、それぞれ印画率が5%,90%に設定されているため、範囲R1では、3回の主走査動作での印画率が合計100%となる。
一方、範囲R1以外の範囲R2(第2範囲)では、記録素子群24のうち端部ブロックBe及び中央ブロックBc以外のブロックと対応する部分により2回の主走査動作で画像が記録される。また、この2回の主走査動作での印画率の合計が100%となるように各ブロックの印画率が設定されている。
次に、上記実施形態の変形例3について説明する。本変形例3は、他の変形例と組み合わされてもよい。
本変形例3では、副記録素子群23の繋ぎ目における2つの副記録素子群23の副走査方向の間隔が、副記録素子群23における記録素子22の副走査方向の間隔より大きい例について説明する。その他の点は上記実施形態と同様であるので、以下では上記実施形態との相違点について説明する。
図10に示されるように、本変形例3では、副記録素子群23の繋ぎ目における2つの副記録素子群23の副走査方向の間隔d1が、副記録素子群23における記録素子22の副走査方向の間隔d2より大きくなっている。ここで、このような配置は、意図的になされたものには限られず、記録ヘッド21の配置位置のばらつきにより意図せずになされたものを含む。
このような構成において、間隔d1に相当する部分では記録素子22が存在しないため、主走査動作での印画率は0%となる。そこで、本変形例3では、一の主走査動作で間隔d1に相当し印画率が0%となった位置において、他の主走査動作でのインクの吐出により印画率が補完されるように、マスクパターンデータ70の出力部74の配置及び副走査動作でのヘッドユニット20と記録媒体Pとの相対移動距離が設定される。この結果、間隔d1が間隔d2より大きくなっている場合であっても、記録媒体Pの副走査方向の各範囲において印画率が100%となるように主走査動作及び副走査動作が行われて画像を記録することができる。
次に、上記実施形態の変形例4について説明する。本変形例4は、他の変形例と組み合わされてもよい。
本変形例4では、記録素子群24に吐出不良の記録素子22が含まれている場合の動作の例について説明する。その他の点は上記実施形態と同様であるので、以下では上記実施形態との相違点について説明する。
図11に示される記録素子22Aは、インクの吐出を正常に行うことができない吐出不良の記録素子である。ここで、吐出不良には、駆動電圧波形を印加してもインクの吐出が行われない場合に加え、駆動電圧波形に応じた量のインクの吐出が行われない場合や、インクの吐出方向が曲がっている場合なども含まれる。
本変形例4では、図11の出力パターン80Aに示されるように、各主走査動作において、吐出不良の記録素子22Aによる画素の出力は行われず、インクが吐出されない。この結果、各主走査動作における記録素子22Aと対応する位置での印画率は0%となる。
一方、一の主走査制御において記録素子22Aによるインクの吐出が行われなかった位置では、他の主走査制御において当該位置と対応する記録素子22Bによりインクを吐出させて一の主走査制御でのインクの不吐出を補完させる。即ち、図11に示されるように、出力パターン80Aと対応する位置に、記録素子22Bにより全画素についての出力を行う出力パターン80Bによるインクの吐出が行われる。この結果、当該他の主走査動作における記録素子22Bと対応する位置での印画率は100%となる。この場合は、マスクパターンデータ70の補正データを生成して記憶部44に記憶させておき、当該補正データに基づいて間引き画像データの生成を行う。
このように、間引き画像データは、駆動回路から記録素子22への駆動電圧波形の供給タイミングに応じて駆動制御回路において逐次生成されてもよいし、画像記録動作の開始前に予め生成されて記憶部44に記憶されてもよい。
2 外部装置
10 搬送部
11a 駆動ローラー
11b 従動ローラー
12 駆動モーター
13 搬送ベルト
200 キャリッジ
201 支持部
20,20Y,20M,20C,20K ヘッドユニット
21,21Y,21M,21C,21K 記録ヘッド
22 記録素子
23 副記録素子群
23a 繋ぎ目領域
23b 端部領域
23c 中央部領域
23d 重複領域
24 記録素子群
25 駆動部
30 主走査部
31 キャリッジレール
40 制御部
41 CPU
42 RAM
43 ROM
44 記憶部
50 画像処理部
60 インク受容部
101 インターフェース
102 バス
70 マスクパターンデータ
71 データ群
71a 繋ぎ目データ群
71b 端部データ群
71c 中央部データ群
72 行データ群
73 マスク部
74 出力部
80 出力パターン
Be 端部ブロック
Bc 中央ブロック
P 記録媒体
記録媒体に対してインクを吐出する複数の記録素子が副走査方向と直交する主走査方向に対して交差する方向に配列された副記録素子群が、前記副走査方向の異なる位置に複数配置された記録手段と、
前記記録手段及び記録媒体を前記主走査方向に相対移動させながら前記記録素子から前記記録媒体にインクを吐出させる主走査制御と、前記記録手段及び前記記録媒体を前記副走査方向に相対移動させる副走査制御とを交互に実行して前記記録媒体に画像を記録させる記録制御手段と、
を備え、
前記副記録素子群の端部の記録素子から所定の近傍範囲である領域の記録素子により、記録対象の画像のデータに応じたインクの吐出に係る動作が行われる割合を示す印画率が、前記領域以外の記録素子の印画率より小さくなるように前記主走査制御を行い、
前記領域に含まれる記録素子のうち前記端部に近い記録素子ほど印画率が小さくなるように、かつ前記領域における印画率が、異なる複数の0より大きい値を含むように、前記記録手段の記録素子による印画率が定められている
ことを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置において、
前記記録制御手段は、前記記録媒体の前記副走査方向における各位置で少なくとも2回の前記主走査制御に応じて少なくとも2つの前記記録素子から相補的にインクを吐出可能に前記記録手段を制御することを特徴としている。
前記副記録素子群のうち前記副走査方向の所定の位置で区分された領域の各々において、当該各領域に属する各記録素子による印画率が当該副記録素子群における記録素子の前記副走査方向の配列順に従って逓減又は逓増するように定められていることを特徴としている。
前記主走査方向及び前記副走査方向と各々対応する方向について前記インクの吐出に係る動作の行われない位置が不規則に配置されるように定められていることを特徴とする。
前記副記録素子群の端部から所定の近傍範囲である端部領域の記録素子による印画率が、前記副記録素子群の中央部領域の記録素子による印画率より小さくなるように定められていることを特徴としている。
前記記録媒体のうち前記端部領域に含まれる記録素子により前記インクの吐出に係る動作が行われる第1範囲において当該インクの吐出に係る動作が行われる回数が、前記第1範囲以外の第2範囲において前記インクの吐出に係る動作が行われる回数よりも多くなるように設定された前記副走査制御における前記記録手段及び前記記録媒体の相対移動距離と、前記主走査制御における前記記録素子各々の印画率とに基づいて前記主走査制御及び前記副走査制御を行うことを特徴としている。
一の前記主走査制御において前記記録手段のうち特定の記録素子による前記インクの吐出に係る動作が行われないように、かつ他の前記主走査制御において前記特定の記録素子による前記インクの吐出に係る動作が行われない位置をインク吐出位置とする記録素子により相補的に前記インクの吐出に係る動作が行われるように前記記録手段の記録素子による印画率が定められていることを特徴としている。
前記記録素子から吐出されて記録媒体への画像の記録に用いられないインクを受けるインク受容部を備え、
前記記録制御手段は、所定の条件を満たす場合に前記記録素子から前記インク受容部に対してインクを吐出させる
ことを特徴としている。
記録媒体に対してインクを吐出する複数の記録素子が副走査方向と直交する主走査方向に対して交差する方向に配列された副記録素子群が、前記副走査方向の異なる位置に複数配置された記録手段を備えるインクジェット記録装置によるインクジェット記録方法であって、
前記記録手段及び記録媒体を前記主走査方向に相対移動させながら前記記録素子群から前記記録媒体にインクを吐出させる主走査制御と、前記記録手段及び前記記録媒体を前記副走査方向に相対移動させる副走査制御とを交互に実行して前記記録媒体に画像を記録させる記録制御ステップを含み、
前記記録制御ステップでは、副記録素子群の端部の記録素子から所定の近傍範囲である領域の記録素子により、記録対象の画像のデータに応じたインクの吐出に係る動作が行われる割合を示す印画率が、前記領域以外の記録素子の印画率より小さくなるように前記主走査制御を行い、
前記領域に含まれる記録素子のうち前記端部に近い記録素子ほど印画率が小さくなるように、かつ前記領域における印画率が、異なる複数の0より大きい値を含むように、前記記録手段の記録素子による印画率が定められている
ことを特徴としている。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のインクジェット記録方法において、
前記記録制御ステップでは、前記記録媒体の前記副走査方向における各位置で少なくとも2回の前記主走査制御に応じて少なくとも2つの前記記録素子から相補的にインクを吐出可能に前記記録手段を制御することを特徴とする。
Claims (11)
- インクを吐出する複数の記録素子を各々有する複数の記録ヘッドが副走査方向に異なる位置に配置され、当該複数の記録ヘッド各々において前記複数の記録素子のうち少なくとも一部により副記録素子群がそれぞれ構成されて、前記複数の記録ヘッドの前記副記録素子群からなる記録素子群の記録素子により、前記複数の記録ヘッドの配置に応じた前記副走査方向への幅内で記録媒体に対してインクを吐出する記録手段と、
前記記録手段及び記録媒体を前記副走査方向と交差する主走査方向に相対移動させながら前記記録素子群から前記記録媒体にインクを吐出させる主走査制御と、前記記録手段及び前記記録媒体を前記副走査方向に相対移動させる副走査制御とを交互に実行して、前記記録媒体の前記副走査方向における各位置で少なくとも2回の前記主走査制御に応じて少なくとも2つの前記記録素子から相補的にインクを吐出可能に前記記録手段を制御して前記記録媒体に画像を記録させる記録制御手段と、
を備え、
前記記録制御手段は、前記副走査方向の各位置における前記少なくとも2つの記録素子による相補的なインクの吐出に係る動作において、一の前記副記録素子群の記録素子と当該一の副記録素子群に対して前記副走査方向に隣り合う副記録素子群の記録素子との前記副走査方向の位置に係る境界から所定の近傍範囲である繋ぎ目領域の記録素子により、記録対象の画像のデータに応じたインクの吐出に係る動作が行われる割合を示す印画率が、前記繋ぎ目領域以外の記録素子の印画率より小さくなるように設定された間引き画像データに基づいて前記主走査制御を行う
ことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記間引き画像データは、前記繋ぎ目領域に含まれる記録素子のうち前記境界に近い記録素子によるインク吐出位置ほど印画率が小さくなるように前記記録素子群の記録素子によるインク吐出位置の印画率が定められていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記間引き画像データは、前記記録素子群のうち前記副走査方向の所定の位置で区分された領域の各々において、当該各領域に属する各記録素子によるインク吐出位置の印画率が当該記録素子群における記録素子の前記副走査方向の配列順に従って逓減又は逓増するように定められていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
- 前記間引き画像データは、前記主走査方向及び前記副走査方向と各々対応する方向について前記インクの吐出に係る動作の行われない位置が不規則に配置されるように定められていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記間引き画像データは、前記記録素子群の端部から所定の近傍範囲である端部領域の記録素子によるインク吐出位置の印画率と、前記繋ぎ目領域の記録素子によるインク吐出位置の印画率とが、前記端部領域及び前記繋ぎ目領域以外の領域の記録素子によるインク吐出位置の印画率より小さくなるように定められていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記間引き画像データは、前記記録媒体のうち前記端部領域に含まれる記録素子により前記インクの吐出に係る動作が行われる第1範囲において当該インクの吐出に係る動作が行われる回数が、前記第1範囲以外の第2範囲において前記インクの吐出に係る動作が行われる回数よりも多くなるように設定された前記副走査制御における前記記録手段及び前記記録媒体の相対移動距離と、前記主走査制御における前記記録素子各々の印画率とに基づいて前記主走査制御及び前記副走査制御を行うことを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
- 前記インクの吐出に係る動作が行われない位置の配置を示す間引きパターンデータを記憶する記憶手段と、
前記画像データと前記間引きパターンデータとに基づいて間引き画像データを生成する間引き手段と、
を備えることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。 - 一の前記副記録素子群の記録素子と前記副走査方向に隣り合う副記録素子群の記録素子との前記副走査方向の間隔は、当該一の副記録素子群における記録素子の前記副走査方向の間隔より大きいことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記間引き画像データは、一の前記主走査制御において前記記録素子群のうち特定の記録素子による前記インクの吐出に係る動作が行われないように、かつ他の前記主走査制御において前記記録素子群のうち前記特定の記録素子による前記インクの吐出に係る動作が行われない位置をインク吐出位置とする記録素子により相補的に前記インクの吐出に係る動作が行われるように前記記録素子群の記録素子によるインク吐出位置の印画率が定められていることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記記録素子から吐出されて記録媒体への画像の記録に用いられないインクを受けるインク受容部を備え、
前記記録制御手段は、所定の条件を満たす場合に前記記録素子から前記インク受容部に対してインクを吐出させる
ことを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。 - インクを吐出する複数の記録素子を各々有する複数の記録ヘッドが副走査方向に異なる位置に配置され、当該複数の記録ヘッド各々において前記複数の記録素子のうち少なくとも一部により副記録素子群がそれぞれ構成されて、前記複数の記録ヘッドの前記副記録素子群からなる記録素子群の記録素子により、前記複数の記録ヘッドの配置に応じた前記副走査方向への幅内で記録媒体に対してインクを吐出する記録手段を備えるインクジェット記録装置によるインクジェット記録方法であって、
前記記録手段及び記録媒体を前記副走査方向と交差する主走査方向に相対移動させながら前記記録素子群から前記記録媒体にインクを吐出させる主走査制御と、前記記録手段及び前記記録媒体を前記副走査方向に相対移動させる副走査制御とを交互に実行して、前記記録媒体の前記副走査方向における各位置で少なくとも2回の前記主走査制御に応じて少なくとも2つの前記記録素子から相補的にインクを吐出可能に前記記録手段を制御して前記記録媒体に画像を記録させる記録制御ステップを含み、
前記記録制御ステップでは、前記副走査方向の各位置における前記少なくとも2つの記録素子による相補的なインクの吐出に係る動作において、一の前記副記録素子群の記録素子と当該一の副記録素子群に対して前記副走査方向に隣り合う副記録素子群の記録素子との前記副走査方向の位置に係る境界から所定の近傍範囲である繋ぎ目領域の記録素子により、記録対象の画像のデータに応じたインクの吐出に係る動作が行われる割合を示す印画率が、前記繋ぎ目領域以外の記録素子の印画率より小さくなるように設定された間引き画像データに基づいて前記主走査制御を行う
ことを特徴とするインクジェット記録方法。
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