以下、添付の図面を参照しながら、本発明による記録装置および記録方法の一例を詳細に説明するものとする。なお、本明細書において、「記録」とは、文字、図形など有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わない。また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置などで用いられる紙に限定されるものではなく、布、プラスチックフィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革などインクを受容可能な材料を含むものとする。さらに、「インク」とは、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターンなどの形成または記録媒体の加工、あるいは、インクの処理(例えば、記録媒体に付与されるインク中の色材の凝固または不溶化)に供され得る液体を含むものとする。
また、「ノズル」とは、特に説明のない限り吐出口、吐出口に連通する液路およびインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を総括して称するものとする。さらに、「基板」とは、シリコン半導体からなる単なる基体を表すのではなく、各素子や配線などが設けられた構成を表すものである。さらにまた、基板上とは、単に基板の上を表すだけでなく、基板の表面や表面近傍の基板内部側をも表すものである。まず、図1乃至図7を参照しながら、本発明による記録装置の第1の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1には、本発明による記録装置を示す概略構成斜視図が示されており、図2(a)には、図1のIIa−IIa線断面図が示されており、図2(b)には、記録ヘッドの回復処理を説明する説明図が示されている。この図1に示す記録装置10は、フルラインタイプの記録装置であって、ロール状に巻かれた連続紙などの記録媒体100を、所定の方向(搬送方向)に搬送する搬送部12を備えている。なお、搬送部12において搬送される記録媒体100については、ロール状に巻かれた連続紙に限定されるものではなく、カットシートであってもよい。また、記録装置10は、搬送される記録媒体100に対してインクを吐出して記録を行う記録部14と、記録部14の記録ヘッド18(後述する。)に対して回復処理を行う回復ユニット16とを備えている。なお、記録装置10はさらに、図示はしないが記録部14の搬送方向下流側には、記録された記録媒体100を所定の長さでカットするカットユニット、カットユニットにおいてカットされた記録媒体100を受ける排紙トレーなどを備えている。こうした記録装置10の全体の動作については、コントローラ36により制御されている。
より詳細には、搬送部12は、記録媒体100を搬送方向において往復移動(往方向および復方向への搬送)可能な複数の搬送ローラ対12aを有している。搬送ローラ対12aは、モーター(不図示)の駆動により回転する搬送ローラ12a−1と、付勢されて搬送ローラ12a−1に当接し、搬送ローラ12a−1に従動して回転する従動ローラ12a−2とを有して構成されている。
また、記録部14は、それぞれ異なる色彩、例えば、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のインクを吐出する4つの記録ヘッド18を備えている。なお、記録ヘッド18については、1つの色彩のインクに対して1つの記録ヘッドが配設されるように、用いるインクに応じて1〜3つ備えるようにしてもよいし、5つ以上備えるようにしてもよい。各記録ヘッド18は、インクタンク(不図示)とインクチューブ(不図示)を介して接続されており、このインクタンクからインクチューブを介してインクが供給される。4つの記録ヘッド18は、搬送部12上において昇降可能に配設されたホルダー20に一体的に保持されており、ホルダー20を介して一体的に昇降して、搬送部12において搬送される記録媒体100と記録ヘッド18との間の距離を変更可能な構成となっている。
記録ヘッド18は、インクジェット方式によりインクを吐出する構成となっており、例えば、発熱素子を用いた方式、ピエゾ素子を用いた方式、静電素子を用いた方式、MEMS素子を用いた方式など、公知の技術を用いることができる。また、記録ヘッド18は、搬送部12において搬送される記録媒体100と対向する面(ノズル面)18aにおいて、インクを吐出するノズルが搬送方向と交差(本実施形態では直交)する方向に並設されてノズル列24を形成している。そして、ノズル面18aにおいては、図3(b)のように、こうしたノズル列24が、搬送方向に沿って複数(本実施形態では4つ)並設されることとなる。なお、以下の説明において、搬送方向と交差する方向を、シートの幅方向、あるいは、単に幅方向と称することとする。このノズル列の幅方向の長さは、記録装置10において記録可能な記録媒体100の最大幅をカバーすることが可能な長さとする。また、記録ヘッド18は、図3(a)のように、ベース基板21上に、ノズルチップ22が配設されている。このノズルチップ22は、インクを吐出する複数のノズル列24が形成されたノズル面18aを構成するとともに、各ノズルに対応して形成されたエネルギー素子が埋め込まれているノズル基板を備えている。
回復ユニット16は、記録部14の搬送方向下流側に配設されており、搬送方向に移動可能な移動部16−1と、移動部16−1において、幅方向に移動可能に配設されたワイパー16−2とを備えている。移動部16−1は、搬送部12上に配設された一対のガイドレール26上に摺動可能に配設され、モーター(不図示)の駆動によって、搬送方向を往方向および復方向に移動可能に構成されている。また、ワイパー16−2は、搬送方向に沿って複数(本実施形態では4つ)並設されている。そして、各ワイパー16−2は、移動部16−1が回復位置に位置するときに、それぞれ異なる記録ヘッド18のノズル列24を含むその近傍をワイピング可能な位置に配設されている。なお、回復位置とは、ホルダー20を介して上昇した記録ヘッド18の真下であって、ワイピングする際に回復ユニット16(移動部16−1)が位置する位置である。また、回復ユニット16は、記録部14の搬送方向下流側に配設されている。
ワイパー16−2は、ノズル列24およびその近傍に付着したインクや塵芥を払拭するためのブレード16−2aと、ブレード16−2aを支持するホルダー16−2bとを備えている。ホルダー16−2bは、ベース部材30に固定的に配設されており、ベース部材30は、移動部16−1において幅方向に延設されたシャフト34に摺動可能に配設されている。また、ベース部材30は、モーター(不図示)の駆動により回転駆動する駆動ベルト32に接続されている。これにより、ベース部材30は、シャフト34を介して移動部16−1において幅方向に移動可能に構成されている。従って、ベース部材30に固定的に配設されたワイパー16−2は、このベース部材30の移動に伴って、移動部16−1において幅方向に移動可能な構成となっている。
そして、記録装置10では、所定のタイミングで回復処理を行うものであり、この回復処理の際には、まず、ホルダー20を介して記録ヘッド18を所定の位置まで上昇する。次に、記録媒体100への記録ヘッド18による記録を妨害しない待機位置に位置する回復ユニット16について、図2(b)のように、移動部16−1を介して、各記録ヘッド18に対してワイパー16−2によりワイピング可能な回復位置まで移動する。その後、ベース部材30を介してワイパー16−2を幅方向で移動して、ブレード16−2aによりノズル列24を含むその近傍を払拭するワイピングが行われる。
コントローラ36は、図4のように、記録装置10の動作の制御処理やデータ処理などを実行する中央処理装置(CPU)38を備えている。CPU38には、全体の動作や種々の処理を実行するための所定のプログラムを格納したROM40と、CPU38によるプログラム実行時に必要な各種レジスタなどが設定されたワーキングエリアとしてもRAM42とが接続されている。なお、記録装置10では、例えば、CPU38、ROM40およびRAM42によりコントローラ36を構成している。
記録装置10では、CPU38が搬送部12に接続され、CPU38によって、モーター(不図示)を介して搬送ローラ12a−1を駆動して、記録媒体100を搬送方向で搬送するように制御される。また、CPU38が回復ユニット16に接続され、CPU38によって、モーター(不図示)を介して移動部16−1およびベース部材30を移動して、記録ヘッド18に対して回復動作(ワイピング)を行うよう制御される。なお、CPU38には、図示しない昇降部が接続され、CPU38によって、回復ユニット16による回復処理の際にはホルダー20を介して記録ヘッド18を上昇し、記録部14による記録の際にはホルダー20を介して記録ヘッド18を下降する。
また、記録装置10は、記録画像を表す画像データに対して、所定の画像処理を行う画像処理部44と、画像処理部44によって処理されたデータを2値データに変換する2値化処理部46とを備えている。さらに、2値データをマスクパターンを用いて間引いて往方向または復方向の1回の移動に対応した分割データを生成する分割データ生成部48と、分割データに基づいて記録ヘッド18のインク滴の吐出動作を制御する駆動部50(制御手段)とを備えている。
より詳細には、画像処理部44は、例えば、入力されたRGB各色成分の記録画像を表す画像データによって再現される色域を、記録装置10によって再現される色域内に写像するためのデータ変換を実行する。また、変換されたデータに基づき、各データが示す色を再現するインクの組み合わせに対応した色分解データであるCMYK各成分濃度データを求める処理を行い、各色に分解されている分解データのそれぞれに対して階調変換を行う。また、2値化処理部46は、画像処理部44によって変換された多値の濃度画像データに対してハーフトーン処理などを行った後に、2値データ(ビットマップデータ)に変換する。
分割データ生成部48(生成手段)は、搬送方向の位置に応じてインク吐出量を分配する割合を変えて(インク吐出量の重み付けを行って)パス毎の分割データを生成する。具体的には、2値データから往方向あるいは復方向の1回の移動(1パス)分のデータを抽出し、抽出した1パス分のデータに対して、マスクパターンを用いて間引き処理を行って分割データを生成する。なお、生成された分割データでは、図5(a)のように、インクの吐出量が、搬送方向の中央部(所定の搬送位置)において最大となり、当該中央部から分割データにおける記録の開始位置および終了位置に向かって徐々に減少するようになる。即ち、分割データでは、搬送方向におけるインクの吐出量を表す形状(図5(a)を参照)が、底辺が搬送方向に延在するとともに搬送方向の中央部に頂点が位置する二等辺三角形となるようにする。
より詳細には、例えば、複数の単位領域をからなる所定の領域を記録する1パス分の搬送量が16ドットであり、4パスで単位領域への記録がなされるものとすると、例えば、図5(b)のようなマスクパターンが用いられる。なお、このマスクパターンでは、1つの正方形が画像データ1ドット分を示しており、黒部分がインクが吐出される部分、白部分がインクが吐出されない部分を示している。また、単位領域が4パスで記録されるため、1回分のパスで記録されるたびに、記録媒体100が搬送方向において4ドット分ずれることになる。このため、図5(c)のように、各パスで記録されるドットはお互いに重なることはなく、かつ、全て異のドットにインクが吐出可能なようにマスクパターンが形成されている。
さらに、マスクパターンは、搬送方向において、一方の端部から徐々に黒部分が増大し、中央部で最も多くなり、中央部から他方の端部に向かって徐々に黒部分が減少するように形成されている。具体的には、図5(b)の第1行目では、1つのドットにインクが吐出されるようになされており、第2行目から第8行目まで順に1ドットずつ吐出部分が増加し、第8行目では8つのドットにインクが吐出されるようになされている。また、第9行目では、8つのドットにインクが吐出されるようになされており、第10行目から第16行目まで順に1ドットずつ吐出部分が減少し、第16行目では1つのドットにインクが吐出されるようになされている。
以上の構成において、コントローラ36に画像データを含む記録に関するデータが入力され、記録の開始が指示されると分割データ生成部48において、記録画像を表す画像データから分割データを生成する。即ち、画像処理部44において画像データに対する画像処理を行い、2値化処理部46において画像処理がなされた画像データを2値化処理する。そして、分割データ生成部48において、2値化処理した画像データから、1パスに対応した分割データを生成することとなる。その後、生成された分割データや、記録に関するデータとして入力された各種の設定情報に基づいて記録が行われる。
ここで、図6(a)(b)を参照しながら、記録媒体100の搬送方向を切り替えながら単位領域を4パスで記録する場合について説明する。なお、図6(a)では、記録媒体において、記録が終了した領域(4パス終了領域)、記録途中の領域(3パス終了領域、2パス終了領域、1パス終了領域)および記録前の領域が示されている。記録が終了した領域および記録途中の領域についてはパス数に基づく差をグレーの濃度差で表し、記録前の領域については白で表している。また、グレーの矢印は、その長さが1回の搬送動作(往方向または復方向での移動)で記録が行われる長さを表し、その向きが記録媒体100の搬送方向を表している。白の矢印は、その長さが記録を伴わない搬送動作の長さを表し、その向きが記録媒体100の搬送方向を表している。なお、こうした白の矢印で示される搬送動作については、記録媒体100の搬送方向を切り替えながらマルチパス記録を行う場合に必要な動作となっている。
記録装置10では、記録ヘッド18の下方側において、搬送部12により搬送方向を切り替えながら記録媒体100を搬送する。そして、搬送される記録媒体100に対して、分割データに基づいて記録ヘッド18からインクが吐出されて記録されることとなる。具体的には、1パスの搬送量(記録を伴う搬送であって、グレーの矢印を参照する。)が16ドットとすると、例えば、記録媒体100を搬送方向の往方向へ移動する際には、記録媒体100を24ドット分だけ移動する。このとき、往方向への移動を開始する位置から4ドット分には記録ヘッド18からインクを吐出せず、その後の16ドット分には分割データに基づいて記録ヘッド18からインクを吐出し、その後の4ドット分には記録ヘッド18からインクを吐出しない。また、記録媒体100を搬送方向の復方向へ移動する際には、記録媒体100を16ドット分だけ移動する。このとき、復方向への移動を開始する位置から16ドット分全てに分割データに基づいて記録ヘッド18からインクを吐出する。そして、搬送方向の往方向および復方向での動作を繰り返し実行することにより、記録媒体100に対して記録が行われる。
ここで、単位領域Aについて着目すると、単位領域Aは図中のパスI〜IVによって画像が形成されている。パスI〜IVでは、図6(b)のように、搬送方向の中央部においてインク吐出量が最も多く、分割データにおける記録の開始位置および記録の終了位置に向かってインク吐出量が減少する分割データに基づいて記録される。なお、図6(b)では、パスIからパスIVの記録の際に各単位領域の境界においてインクが吐出されるタイミングをtnとして示しており、「n」が大きくなるほどインクの吐出のタイミングが遅くなることを示している。
単位領域Aの搬送方向上流側および下流側におけるパスIからパスIIが記録されるときの時間間隔は、上流側で短く、下流側で長くなる。即ち、パスIでは搬送方向下流側から上流側に向かって記録され、パスIIでは搬送方向上流側から下流側に向かって記録される。このため、パスIからパスIIが記録されるときの時間間隔は、搬送方向上流側では|t5−t7|となり、下流側では|t4−t8|となって、上流側では下流側と比較して短い時間間隔で記録されることとなる。即ち、パスIからパスIIの記録では、単位領域Aの搬送方向上流側では時間間隔が短く、パスIの記録で吐出されたインクが記録媒体100に浸透していない状態で、パスIIの記録によってインクが吐出されることとなる。一方、単位領域Aの搬送方向下流側では時間間隔が長く、パスIの記録で吐出されたインクが記録媒体100に比較的浸透した状態で、パスIIの記録によってインクが吐出されることとなる。
ところで、従来の技術による記録では、搬送方向において均等に間引かれた分割データに基づいて記録媒体100に対して記録が行われていた。即ち、図7(a)のように、単位領域Bに着目すると、単位領域Bは、図中のパスI〜IVの記録動作によって画像が形成されている。パスI〜IVでは、図7(b)のように、搬送方向において均等に間引いて生成された分割データに基づいて記録される。なお、パスIからパスIVの記録の際の各単位領域の境界におけるインクの吐出のタイミングを、図6(b)と同様にして示している。単位領域Bの搬送方向上流側および下流側におけるパスIからパスIIが記録されるときの時間間隔は、搬送方向上流側では|t5−t7|であり、下流側では|t4−t8|であって、上流側では下流側より短くなる。即ち、単位領域Bでは、パスIで吐出されたインクが記録媒体100に浸透していない状態でパスIIの記録がなされる上流側と、パスIで吐出されたインクが記録媒体100で比較的浸透した状態でパスIIの記録がなされる下流側とのインク吐出量に差がない。また、パスIの記録で吐出されるインク量は、パスIIで吐出されるインク量と概ね一致する。このため、パスIおよびパスIIで記録された画像の色味には違いが生じる。
これに対し、記録装置10では、従来の技術と同様、単位領域Aの搬送方向上流側では時間間隔が短く、下流側では時間間隔が長くなっており、上流側および下流側において記録された画像に色味の違いが生じている。しかしながら、パスIの記録とパスIIの記録とでは共に、パスIの記録で吐出されたインクが記録媒体100で比較的浸透した状態でパスIIの記録がなされる搬送方向下流側でのインク吐出量が多くなっている。また、パスIIの記録で吐出するインク量は、パスIの記録で吐出するインク量よりも大幅に多くなっており、パスIおよびパスIIにおいて記録された画像の色味は、パスIIでの記録による色味が支配的となる。このため、パスIおよびパスIIの記録について、均等に間に記された分割データに基づいてなされた従来技術と比較して、記録された画像の色味の変化が低減されている。
また、単位領域Aの搬送方向上流側および下流側におけるパスIIからパスIIIが記録されるときの時間間隔は、上流側で長く、下流側で短くなる。即ち、パスIIでは搬送方向上流側から下流側に向かって記録され、パスIIIでは搬送方向下流側から上流側に向かって記録される。このため、パスIIからパスIIIが記録されるときの時間間隔は、搬送方向上流側では|t7−t13|となり、下流側では|t8−t12|なって、上流側では下流側と比較して長い時間間隔で記録されることとなる。このとき、パスIIからパスIIIの記録の際の搬送方向上流側の時間間隔|t7−t13|は、パスIからパスIIの記録の際の下流側の時間間隔|t4−t8|よりも長くなる。また、パスIIからパスIIIの記録の際の搬送方向下流側の時間間隔|t8−t12|は、パスIからパスIIの記録の際の上流側の時間間隔|t5−t7|よりも長くなる。さらに、パスIIからパスIIIの記録の際の搬送方向下流側の時間間隔|t8−t12|は、パスIからパスIIの記録の際の下流側の時間間隔|t4−t8|と概ね一致したものとなる。
このため、パスIIからパスIIIの記録では、時間間隔が短くなる下流側であっても、パスIIで吐出されたインクが記録媒体100に比較的浸透した状態でパスIIIの記録がなされる。さらに、時間間隔が長くなる上流側もパスIIで吐出されたインクが記録媒体100に浸透した状態でパスIIIの記録がなされる。ここで、パスIIからパスIIIの記録では搬送方向上流側では下流側と比較して、パスIIで吐出されたインクが記録媒体100により確実に浸透することとなり、上流側と下流側とで浸透定着状態が異なる。しかしながら、この場合には、パスIIの記録で吐出されたインクが記録媒体100にある程度浸透した状態でパスIIIの記録によりインクが吐出されることとなる。このため、記録された画像に生じる色味の違いは、パスIからパスIIの記録の際に生じる画像の色味の違いよりも軽微なものとなる。また、パスIIの記録で吐出されるインク量は、パスIIIで吐出されるインク量と概ね一致する。これにより、パスIIおよびパスIIIの記録による画像の色味の変化は軽微なものとなる。
さらに、単位領域Aの搬送方向上流側および下流側におけるパスIIIからパスIVが記録されるときの時間間隔は、上流側で短く、下流側で長くなる。即ち、パスIIIでは搬送方向下流側から上流側に向かって記録され、パスIVでは搬送方向上流側から下流側に向かって記録される。このため、パスIIIからパスIVが記録されるときの時間間隔は、上流側では|t13−19|となり、下流側では|t12−t20|となって、上流側では下流側と比較して短い時間間隔で記録されることとなる。このとき、パスIIIからパスIVの記録の際の搬送方向上流側の時間間隔|t13−19|は、パスIIからパスIIIの記録の際の搬送方向下流側の時間間隔|t8−t12|よりも長くなる。また、パスIIIからパスIVの記録の際の搬送方向下流側の時間間隔|t12−t20|は、パスIIからパスIIIの記録の際の上流側の時間間隔|t7−t13|よりも長くなる。さらに、パスIIIからパスIVの記録の際の搬送方向上流側の時間間隔|t13−t19|は、パスIIからパスIIIの記録の際の下流側の時間間隔|t7−t13|と概ね一致したものとなる。
このため、パスIIIからパスIVの記録では、記録時間が短くなる上流側であっても、パスIIIで吐出されたインクが記録媒体100に浸透した状態でパスIVの記録がなされる。さらに、時間間隔が長くなる下流側もパスIIIで吐出されたインクが記録媒体100に浸透した状態でパスIVの記録がなされる。ここで、パスIIIからパスIVの記録では搬送方向下流側では上流側と比較して、パスIIIで吐出されたインクが記録媒体100により確実に浸透することとなり、上流側と下流側とで浸透定着状態が異なる。しかしながら、この場合には、パスIIIの記録で吐出されたインクが記録媒体100に浸透した状態でパスIVの記録によりインクが吐出されることとなる。このため、記録された画像に生じる色味の違いは、パスIからパスIIの記録の際に生じる画像の色味の違いやパスIIからパスIIIの記録の際に生じる画像の色味の違いよりもより軽微なものとなる。また、パスIIIの記録で吐出されるインク量は、パスIVの記録で吐出されるインク量よりも大幅に多くなっており、パスIIIおよびパスIVにおいて記録された画像の色味は、パスIIIでの記録による色味が支配的となる。これにより、パスIIIおよびパスIVの記録による画像の色味の変化は非常に軽微なものとなる。
以上において説明したように、記録装置10は、分割データ生成部48において、搬送方向の位置に応じてインク吐出量を分配する割合を変えて分割データを生成するようにした。具体的には、分割データにおける記録の開始位置から徐々にインク吐出量を多くして中央部で最も多くなり、中央部から記録を終了する位置に向かって徐々にインク吐出量を少なくした分割データを生成するようにした。これにより、記録装置10においては、記録された画像において大きな色味の変化を生じ易いパスIからパスIIの記録において、当該画像に生じる色味の変化を軽減することができる。即ち、吐出されたインクが浸透して定着する前に次のパスの記録によるインクが吐出される位置では、インク吐出量が少なくなり、吐出されたインクが比較的浸透して定着した状態で次のパスの記録によるインクが吐出される位置では、インク吐出量が多くなる。このため、単位領域では、記録された画像による色味の変化が軽減され、画像ムラが抑制されることとなる。
(第2の実施の形態)
次に、図8乃至図9を参照しながら、本発明による記録装置の第2の実施の形態について説明する。なお、以下の説明においては、上記した記録装置10と同一または相当する構成については、同一の符号を用いることによりその詳細な説明は適宜に省略する。
この第2の実施の形態による記録装置60は、分割データ生成部68において、搬送方向におけるインク吐出量を表す形状が台形形状となるように分割データを生成する点において、上記した記録装置10と異なっている。即ち、分割データ生成部68では、搬送方向の位置に応じてインク吐出量を分配する割合を変更し、各パスで記録されるドットがお互いに重なることなく、かつ、単位領域の全てのドットにインクが吐出可能なマスクパターンを用いて分割データが生成される。なお、このマスクパターンでは、搬送方向の中央に位置する所定の領域においてインク吐出量を一定とし、かつ、記録の開始位置および終了位置に向かって徐々にインク吐出量が減少するように形成されている。これにより、生成された分割データでは、図8(c)のように、搬送方向におけるインク吐出量を表す形状が、下辺が搬送方向に延在するとともに搬送方向における中央の所定の領域に上辺が位置する台形形状となっている。
なお、台形形状において、インク吐出量が一定となる領域(中央に位置する所定の領域)の、インク吐出量が増減する領域や全体の領域(インク吐出量が一定となる領域と増減する領域を合わせた領域)に対する比率は、単位領域を記録するパス数によって異なる。なお、以下の説明では、「インク吐出量が増減する領域あるいは全体の領域に対するインク吐出量が一定となる領域の比率」について、単に「インク吐出量が一定となる領域の比率」と称することとする。具体的には、単位領域の搬送方向上流側および下流側の記録される時間間隔に起因する色味の変化を抑制するためには、インク吐出量が一定となる領域は、小さくなるように設定することが好ましい。例えば、パス数が奇数回であるときには、インク吐出量が一定となる領域は1パス分とする。従って、パス数が少ないほど、インク吐出量が一定となる領域の比率は高くなるように分割データが生成される。
以上の構成において、コントローラ36に画像データを含む記録に関するデータが入力され、記録の開始が指示されると分割データ生成部68において、記録画像を表す画像データから分割データを生成する。即ち、画像処理部44において画像データに対する画像処理を行い、2値化処理部46において画像処理がなされた画像データを2値化処理する。そして、分割データ生成部68において、2値化処理した画像データから、1パスに対応した分割データを生成することとなる。その後、生成された分割データや、記録に関するデータとして入力された各種の設定情報に基づいて記録が行われる。
ここで、図8(a)(b)を参照しながら、記録媒体100の搬送方向を切り替えながら単位領域を3パスで記録する場合について説明する。なお、図8(a)では、記録媒体において、記録が終了した領域(3パス終了領域)、記録途中の領域(2パス終了領域、1パス終了領域)および記録前の領域が示されている。記録が終了した領域および記録途中の領域についてはパス数に基づく差をグレーの濃度差で表し、記録前の領域については白で表している。なお、グレーおよび白の矢印については、第1の実施の形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
記録装置10では、記録ヘッド18の下方側において、搬送部12により搬送方向を切り替えながら、記録媒体100を搬送する。そして、搬送される記録媒体100に対して、分割データに基づいて記録ヘッド18からインクが吐出されて記録されることとなる。具体的には、1パスの搬送量が9ドットとすると、例えば、記録媒体100を搬送方向の往方向へ移動する際には、記録媒体100を15ドット分だけ移動する。このとき、往方向への移動を開始する位置から3ドット分には記録ヘッド18からインクを吐出せず、その後の9ドットには分割データに基づいて記録ヘッド18からインクを吐出し、その後の3ドットには記録ヘッド18からインクを吐出しない。また、記録媒体100を搬送方向の復方向へ移動する際には、記録媒体100を9ドット分だけ移動する。このとき、復方向への移動を開始する位置から9ドット分全てに分割データに基づいて記録ヘッド18からインクを吐出する。そして、搬送方向の往方向および復方向での動作を繰り返し実行することにより、記録媒体100に対して記録が行われる。
ここで、単位領域Cについて着目すると、単位領域Cは図中のパスI〜IIIの記録動作によって画像が形成されている。パスI〜IIIでは、図8(b)のように、搬送方向における中央の所定の領域においてインク吐出量が一定量となり、分割データにおける記録の開始位置および記録の終了位置に向かってインクの吐出量が少なくなる分割データに基づいて記録される。なお、図8(b)では、パスIからパスIIIの記録の際に各単位領域の境界においてインクが吐出されるタイミングをtnとして示しており、「n」が大きくなるほど吐出のタイミングが遅くなることを示している。
単位領域Cの搬送方向上流側および下流側におけるパスIからパスIIが記録されるときの時間間隔は、上流側で短く、下流側で長くなる。即ち、パスIでは搬送方向下流側から上流側に向かって記録され、パスIIでは搬送方向上流側から下流側に向かって記録される。このため、パスIからパスIIが記録される時間間隔は、上流側では|t4−t6|となり、下流側では|t3−t7|となって、上流側では下流側と比較して短い時間間隔で記録されることとなる。一方、単位領域Cの搬送方向上流側および下流側におけるパスIIからパスIIIが記録されるときの時間間隔は、上流側で長く、下流側で短くなる。即ち、パスIIでは搬送方向上流側から下流側に向かって記録され、パスIIIでは下流側から上流側に向かって記録される。このため、パスIIからパスIIIが記録される時間間隔は、下流側では|t7−t9|となり、上流側では|t6−t10|となって、上流側では下流側と比較して長い時間間隔で記録されることとなる。
なお、パスIからパスIIが記録されるときの搬送方向上流側の時間間隔|t4−t6|と、パスIIからパスIIIが記録されるときの搬送方向下流側の時間間隔|t7−t9|とは概ね一致する。また、パスIからパスIIが記録されるときの搬送方向下流側の時間間隔|t3−t7|と、パスIIからパスIIIが記録されるときの搬送方向上流側の時間間隔|t6−t10|とは概ね一致する。さらに、パスIの記録の際には、搬送方向上流側から下流側に向かってインク吐出量が徐々に増大し、パスIIIの記録の際には、上流側から下流側に向かってインク吐出量が徐々に減少する。即ち、パスIからパスIIの記録の際には、パスIの記録においてインク吐出量が多くなる搬送方向下流側が時間間隔が長くなる。一方、パスIIからパスIIIの記録の際には、パスIIIの記録においてインク吐出量が多くなる搬送方向上流側の時間間隔が長くなる。また、パスIで吐出するインク量と、パスIIIで吐出するインク量とは概ね一致している。このため、単位領域Cにおいては、パスIで記録された画像における色味の変化が、パスIIIで記録された画像における色味の変化により相殺され、その結果、画像ムラが抑制されることとなる。
ところで、記録装置10において、単位領域を3パスで記録する場合には、図9(b)のように、分割データにおいて、搬送方向における中央部において最もインク吐出量が多くなる。従って、単位領域Dについて着目すると、1パス目および3パス目と比較して、2パス目に吐出されるインク量が多くなり、2パス目の中でも搬送方向の中央部において最もインク吐出量が多くなる。このため、画像によっては、図9(a)のように、インクの吐出量が最も多い中央部(二等辺三角形の頂点)近傍でインクが記録媒体100表面で溢れて画像ムラを生じる現象たるビーディングが発生する場合がある。これに対して、記録装置60では、分割データにおいて、搬送方向におけるインク吐出量を表す形状が、図8(b)のように、台形形状となっている。このため、中央の所定の領域において一定量吐出するインク量を、ビーディングが生じない程度に抑制することで、適切に画像ムラを抑制することができるようになる。
以上において説明したように、記録装置60は、分割データ生成部68において、搬送方向の位置に応じてインク吐出量を分配する割合を変えて分割データを生成するようにした。具体的には、搬送方向における中央の所定の領域においてインク吐出量が一定量となり、記録の開始位置および記録の終了位置に向かってインク吐出量を徐々に減少した分割データを生成するようにした。これにより、記録装置60においては、中央の所定の領域を除く記録の開始位置側と記録の終了位置側とにおいて記録された画像では、搬送方向上流側から下流側にかけてインク吐出量の多少および記録される時間間隔の長短が逆転する。このため、単位領域では、記録の開始位置側において記録された画像における色味の変化と、記録の終了位置側とにおいて記録された画像における色味の変化とが互いに相殺され、画像ムラが抑制されることとなる。また、中央の所定の領域において一定量だけ吐出するインク量を、ビーディングが生じない程度に抑制することで、適切に画像ムラを抑制することができるようになる。
(変形例)
なお、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(3)に示すように変形するようにしてもよい。
(1)上記した第2の実施の形態においては、パス数が少ないほどインク吐出量が一定となる領域の比率が高くなるように分割データを生成することが好ましいものとした。しかしながら、単位領域を3パスで記録するようなパス数が少ない記録モードでは、必然的に1回のパスで吐出するインク量が多くなる。インク吐出量が多いほど記録媒体100に記録されてから定着(乾燥)するまでに時間を要することになり、単位領域の搬送方向上流側および下流側において記録される時間間隔に起因する色味の変化が大きくなる。その結果、記録媒体100やインクの特性によっては、記録される時間間隔に起因する画像ムラの抑制とビーディングの抑制との両立が困難になる。そして、例えば、ビーディングの抑制を優先した結果、記録される時間間隔に起因する軽微な画像ムラが発生する場合がある。
そこで、分割データ生成部68では、こうした記録される時間間隔に起因する軽微な画像ムラの発生を抑制するために、パス1回の搬送量を短くするようにしてもよい。そして、短くした搬送量に基づいて、搬送方向の位置に応じてインク吐出量の分配の割合を変えて分割データを生成することとなる。なお、この場合には、変更されたパス1回の搬送量をCPU38に出力し、CPU38は、入力された搬送量に基づいて搬送部12を制御することとなる。
即ち、分割データ生成部68では、例えば、インク吐出量が一定となる領域の比率に基づいて、短くした搬送量を決定することとなる。具体的には、例えば、搬送方向のインク吐出量を表す台形形状の面積に対する、インク吐出量が一定となる領域の面積の比率に基づいて、搬送量を決定する。なお、こうした搬送量の決定には、例えば、テーブルを用いる。このテーブルには、例えば、インク吐出量が一定となる領域の比率に対する、パス1回の搬送量が示されている。また、このテーブルに示される搬送量については、記録される時間間隔に起因する軽微な画像ムラの発生を抑制することができる搬送量となっており、例えば、実験的に求められる。なお、テーブルについては、インクや記録媒体100の種類などに応じて複数用いるようにしてもよい。さらに、搬送量の決定には、例えば、台形形状におけるインク吐出量が一定となる領域において吐出されるインク量に基づくようにしてもよい。なお、このときのインク吐出量については、例えば、インク吐出量が一定となる領域の面積から算出することとなる。
図10(a)(b)を参照しながら、パス1回分の搬送量を短くして、記録媒体100の搬送方向を切り替えながら単位領域を3パスで記録する場合について説明する。なお、図10(a)では、記録が終了した領域、記録途中の領域、記録前の領域ならびに矢印については、上記第2の実施の形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。また、記録される時間間隔を短縮するために、分割データ生成部68においてパス1回の搬送量を短くするとともに、当該搬送量に基づいて分割データが生成される。また、搬送方向の中央の所定の領域において一定量吐出されるインク量は、ビーディングを生じない程度に抑制されている。
記録装置10では、記録ヘッド18の下方側において、搬送部12により分割データ生成部68で決定した搬送量に基づいて搬送方向を切り替えながら記録媒体100を搬送する。そして、搬送される記録媒体100に対して、分割データに基づいて記録ヘッド18からインクが吐出されることとなる。ここで、単位領域Eについて着目すると、単位領域Eは、図10(b)のように、図中のパスI〜IIIの記録動作によって画像が形成されている。そして、単位領域Eの搬送方向上流側および下流側におけるパスIからパスIIが記録されるときの時間間隔は、上流側が下流側より短くなる。一方、単位領域Eの搬送方向上流側および下流側におけるパスIIからパスIIIが記録されるときの時間間隔は、上流側が下流側より長くなる。
なお、パスIからパスIIが記録されるときの搬送方向上流側の時間間隔と、パスIIからパスIIIが記録されるときの搬送方向下流側の時間間隔とは概ね一致している。また、パスIからパスIIが記録されるときの搬送方向下流側の時間間隔と、パスIIからパスIIIが記録されるときの搬送方向上流側の時間間隔とは概ね一致している。単位領域Eにおいて、パスIで吐出するインク量と、パスIIIで吐出するインク量とは概ね一致している。また、パスIの記録の際には、搬送方向上流側から下流側に向かってインク吐出量が徐々に増大し、パスIIIの記録の際には、上流側から下流側に向かってインク吐出量が徐々に減少する。さらに、パス1回の搬送量が短くなっているので、当該搬送量を短くしないときと比較して記録される時間間隔は短くなっている。
このため、記録される時間間隔に起因する色味の変化を抑制することができるようになる。これにより、ビーディングによる画像ムラの抑制と、記録される時間間隔に起因する画像ムラの抑制とを両立することができるようになる。また、記録される時間間隔に起因する色味の変色が生じ易い記録媒体100やインクを用いていたとしても、色味の変化を抑制することができるようになる。
(2)分割データ生成部48では、分割データの搬送方向におけるインクの吐出量を表す形状を、搬送方向の中央部に頂点が位置する二等辺三角形となるようにした。しかしながら、図11(a)(b)のように、使用するインクや記録媒体100の特性などに応じて、頂点位置を記録の開始位置側あるいは終了位置側にずらすようにしてもよい。さらに、頂点から記録の開始位置および終了位置に向かって徐々にインク吐出量が減少するようにしたが、例えば、図11(c)のように、減少量を変化させて、搬送方向におけるインクの吐出量を表す形状が多角形となるようにしてもよい。さらに、例えば、図11(d)のように、搬送方向において搬送量が段階的に変化するようにしてもよい。
また、分割データ生成部68では、分割データの搬送方向におけるインクの吐出量を表す形状を、搬送方向の中央の所定の領域に上辺が位置する台形形状とするようにした。しかしながら、図11(e)(f)のように、使用するインクや記録媒体100の特性などに応じて、上辺を記録の開始位置側あるいは終了位置側にずらすようにしてもよい。さらに、図11(g)のように、上辺から記録の開始位置および終了位置に向かって減少量を変化させて、搬送方向におけるインクの吐出量を表す形状が多角形となるようにしてもよい。
(3)記録装置10、60では、不良ノズルを検出するための検出部を設けるようにしてもよい。この検出部は、例えば、CPU38に接続されている。そして、CPU38により、駆動部50を介して記録媒体100に対して不良ノズルを検出するためのパターンが記録されると、検出部では、当該パターンを読み取る。検出部で読み取ったデータは、CPU38に出力され、CPU38において当該データに基づいて不良ノズル検出する。なお、この場合には、例えば、特許文献1のように、各記録ヘッド18を幅方向に移動可能な移動機構を備えるようにして、検出された不良ノズルを補完可能なようにしてもよい。