JP2002131605A - 保持装置、光学素子保持装置、鏡筒及び露光装置並びにマイクロデバイスの製造方法 - Google Patents

保持装置、光学素子保持装置、鏡筒及び露光装置並びにマイクロデバイスの製造方法

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JP2002131605A
JP2002131605A JP2001248213A JP2001248213A JP2002131605A JP 2002131605 A JP2002131605 A JP 2002131605A JP 2001248213 A JP2001248213 A JP 2001248213A JP 2001248213 A JP2001248213 A JP 2001248213A JP 2002131605 A JP2002131605 A JP 2002131605A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被保持部材の位置決めを、容易にかつ精度よ
く行うことができる保持装置、光学素子保持装置及び鏡
筒を提供する。また、露光精度の向上可能な露光装置及
びマイクロデバイスの製造方法を提供する。 【解決手段】 光学素子38をレンズ枠体42に保持
し、そのレンズ枠体42を枠体40上に等角度間隔で3
ヶ所配置されたフレクシャ部材41を介して支持する。
このフレクシャ部材41のフレクシャ本体84におい
て、前記レンズ枠体42に接続される接続ブロック84
aと、前記枠体40に固定されるフレクシャ固定部91
とを、光学素子38の略中心を原点とした極座標系内で
その光学素子38の径方向のR、周方向のθ、光軸方向
のZの各軸に沿った移動と各軸周りの回転との6つの運
動自由度が確保されるように、いわゆるキネマティック
に接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体素
子、液晶表示素子、撮像素子、薄膜磁気ヘッド等のマイ
クロデバイス、あるいはレチクル、フォトマスク等のマ
スクなどの製造プロセスにおけるフォトリソグラフィ工
程で使用される露光装置において、投影光学系等の光学
素子やマスク、基板等を保持するための保持装置、その
保持装置を用いた光学素子保持装置に関するものであ
る。また、その光学素子保持装置を備えた鏡筒、及びそ
の鏡筒を備えた露光装置に関するものである。さらに、
その露光装置を用いたマイクロデバイスの製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の光学素子を保持する光学素子保
持装置としては、例えば図30及び図31に示すような
構成のものが知られている。この従来構成においては、
レンズ等の光学素子201を収容するための枠体202
が円環状に形成されている。その枠体202の内周面に
は、光学素子201を支持するための幅の狭い3つの座
面204が等角度間隔おきに形成されている。それらの
座面204と対応するように、枠体202の上面にはネ
ジ孔205が形成されている。また、枠体202の上面
には、3つのクランプ部材206が各ネジ孔205に対
するボルト207の螺合により等角度間隔おきに取り付
けられている。
【0003】そして、これらのボルト207の締め付け
により、光学素子201の外周フランジ部201aが各
クランプ部材206と座面204との間で挟み込まれ
る。これにより、光学素子201が枠体202内で所定
位置に保持されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年におけ
る半導体素子等の著しい高度集積化に伴って、パターン
がますます微細化してきている。このため、半導体装置
製造用の露光装置では、波面収差やディストーションの
極めて少ない投影光学系が要求されるようになってきて
いる。このような要求に対応するため、投影光学系内に
レンズ等の光学素子201を、その光軸がより厳密に位
置決めされた状態で装着する必要が生じてきている。
【0005】このような正確な光学素子201の位置決
めを行うために、投影光学系をなす鏡筒内にレンズ等の
光学素子201を保持した枠体202を装着する際に、
枠体202の外周面202a及び底面202bと、鏡筒
の内周面及び受け部との係合により、光学素子201の
光軸の位置決めが行われている。このため、前記枠体2
02を鏡筒内に装着する際にも自由度がほとんどない。
従って、この枠体202の鏡筒に対する装着時にも、細
心の注意を払う必要があり大変手間がかかって煩わしい
という問題があった。
【0006】また、光学素子201は、各クランプ部材
206と座面204とにより、ほとんど自由度のない状
態で枠体202に保持されている。ここで、例えば枠体
202が鏡筒に対してわずかに傾いたような状態で挿入
され、その枠体202に過剰な荷重をかけて鏡筒内に装
着したような場合には、枠体202に歪みが生じるおそ
れもある。このように、枠体202に歪みが生じると、
その歪みにより光学素子201に予測不能な応力が発生
し、その光学素子201の光学面の精度が低下するおそ
れがあるという問題があった。
【0007】本発明は、このような従来の技術に存在す
る問題点に着目してなされたものである。その目的とし
ては、被保持部材の位置決めを、極めて厳密な加工を施
すことなく、容易かつ精度よく行うことができる保持装
置及び光学素子保持装置を提供することにある。
【0008】また、本発明のその他の目的は、より正確
な位置決めされた光学素子を収容する鏡筒、及びそのよ
うな鏡筒を有し露光精度の向上可能な露光装置を提供す
ることにある。
【0009】さらに、本発明のその上の目的は、露光精
度の向上可能なマイクロデバイスの製造方法を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本願請求項1に記載の発明は、被保持部材を保持す
る保持部を備える保持装置において、前記保持部は、前
記被保持部材の略中心を原点とした互いに交差する3つ
の座標軸に沿う3つの移動と、前記3つの座標軸のうち
少なくとも2つの座標軸周りに回転する2つの回転とを
前記被保持部材に与える駆動機構とを有することを特徴
とするものである。
【0011】この本願請求項1に記載の発明では、駆動
機構が駆動されると、被保持部材に対して、互いに交差
する3つの座標軸に沿う3つの移動と、前記3つの座標
軸のうち少なくとも2つの座標軸周りの回転との5つの
運動自由度が付与することができる。
【0012】また、本願請求項2に記載の発明は、前記
請求項1に記載の発明において、前記保持部は、前記被
保持部材を支持する支持部材と、前記保持部が取り付け
られる固定部とを有し、前記駆動機構は、前記支持部材
と、前記固定部との間に配置されることを特徴とするも
のである。
【0013】この本願請求項2に記載の発明では、前記
請求項1に記載の発明の作用に加えて、駆動機構を作動
させることで、支持部材に支持された被保持部材を前記
5つの運動自由度をもって変位させることが可能にな
る。
【0014】また、本願請求項3に記載の発明は、前記
請求項2に記載の発明において、前記駆動機構は、所定
の長さを有する6本の剛体で構成されることを特徴とす
るものである。
【0015】この本願請求項3に記載の発明では、前記
請求項2に記載の発明の作用に加えて、前述のように5
つの運動自由度を有する所定の長さの6本の剛体を介し
て、支持部材と固定部とが接続されることになる。これ
により、各剛体は、前記支持部材または固定部に対して
みそすり運動(歳差運動)可能なものとなる。そして、
前記支持部材により支持される被保持部材は、前記3つ
の座標軸系において、各座標軸方向への平行移動及び少
なくとも各座標軸方向のうち2方向への傾斜が可能とな
って、キネマティックに支持される。
【0016】また、本願請求項4に記載の発明は、前記
請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の発明に
おいて、前記駆動機構は、前記支持部材と前記固定部と
の間の距離を調整する距離調整機構を有することを特徴
とするものである。
【0017】この本願請求項4に記載の発明では、前記
請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の発明の
作用に加えて、支持部材と固定部との間の距離を調整す
ることにより、被保持部材の変位の範囲を拡大すること
が可能となる。
【0018】また、本願請求項5に記載の発明は、前記
請求項4に記載の発明において、前記距離調整機構は、
前記6本の剛体のうち特定の剛体の長さを調整する長さ
調整機構を有することを特徴とするものである。
【0019】この本願請求項5に記載の発明では、前記
請求項4に記載の発明の作用に加えて、特定の剛体の長
さを調整することで、被保持部材を特定の方向に変位さ
せることが可能となる。
【0020】また、本願請求項6に記載の発明は、前記
請求項1に記載の発明において、前記駆動機構は、前記
被保持部材に取り付けられる複数のフレクシャ部材と、
前記複数のフレクシャ部材のうち、少なくとも一つのフ
レクシャ部材に取り付けられ、前記3つの移動と前記2
つの回転とを前記被保持部材に与えるために、前記フレ
クシャ部材を変位させる変位部材とを有することを特徴
とするものである。
【0021】この本願請求項6に記載の発明では、前記
請求項1に記載の発明の作用に加えて、変位部材により
フレクシャ部材が変位され、このフレクシャ部材の変位
が被保持部材に伝達され、その被保持部材が変位され
る。このように、前記被保持部材の変位はフレクシャ部
材を介して行うこととなり、前記被保持部材に予想外の
ひずみが生じたりするのが抑制される。
【0022】また、本願請求項7に記載の発明は、前記
請求項6に記載の発明において、前記複数のフレクシャ
部材は、前記被保持部材の周りに等間隔で3つ配置され
ていることを特徴とするものである。
【0023】また、本願請求項8に記載の発明は、前記
請求項6または請求項7に記載の発明において、前記複
数のフレクシャ部材は、前記保持部が取り付けられる固
定部に固定される固定基部と、前記被保持部材に接続さ
れる接続ブロックと、前記固定基部と前記接続ブロック
とを互いに異なる方向に沿って拘束し、かつ前記互いに
異なる方向のそれぞれの周りに回転可能に支持する一対
のリンク機構とを備えたことを特徴とするものである。
【0024】この本願請求項8に記載の発明では、前記
請求項6または請求項7に記載の発明の作用に加えて、
固定基部と一対のリンク機構との協働により、接続ブロ
ックに前記少なくとも5つの運動自由度を与えることが
できる。特に、請求項7に記載の発明の下では、被保持
部材の略中心を原点とした互いに交差する3つの座標軸
に沿う3つの移動と、その3つの座標軸の座標軸周りの
回転との6つの運動自由度を、前記被保持部材に与える
ことができる。
【0025】また、本願請求項9に記載の発明は、前記
請求項8に記載の発明において、前記一対のリンク機構
は、前記固定基部と前記接続ブロックとを水平方向に沿
って拘束し、かつ前記水平方向の周りに回転可能に連結
する水平方向拘束リンクと、前記固定基部と前記接続ブ
ロックとを前記水平方向と交差する交差方向に沿って拘
束し、かつ前記交差方向の周りに回転可能に連結する交
差方向拘束リンクとからなることを特徴とするものであ
る。
【0026】この本願請求項9に記載の発明では、前記
請求項8に記載の発明の作用に加えて、水平方向拘束リ
ンクとそれに交差する交差方向拘束リンクとから一対の
リンク機構を構成している。
【0027】また、本願請求項10に記載の発明は、前
記請求項8または請求項9に記載の発明において、前記
固定基部と前記接続ブロックと前記リンク機構とを回転
ピボットで連結したことを特徴とするものである。
【0028】また、本願請求項11に記載の発明は、前
記請求項8〜請求項10のうちいずれか一項に記載の発
明において、前記駆動機構は、前記変位部材に付与され
る所定方向の駆動力を、前記所定方向の駆動力と前記所
定方向とは異なる方向の駆動力との少なくとも一方に変
換する変換機構を有することを特徴とするものである。
【0029】また、本願請求項12に記載の発明は、前
記請求項11に記載の発明において、前記変換機構は、
前記変位部材に付与される上下方向の駆動力を前記複数
のフレクシャ部材を介して前記被保持部材に対する水平
方向への駆動力に変換することを特徴とするものであ
る。
【0030】この本願請求項12に記載の発明では、前
記請求項11に記載の発明の作用に加えて、フレクシャ
部材の外部において付与された上下方向の駆動力により
被保持部材が水平方向に変位可能となる。
【0031】また、本願請求項13に記載の発明は、前
記請求項11に記載の発明において、前記変換機構は、
前記変位部材に付与される上下方向の駆動力を前記複数
のフレクシャ部材を介して前記被保持部材に対する上下
方向の駆動力に変換することを特徴とするものである。
【0032】この本願請求項13に記載の発明では、前
記請求項11に記載の発明の作用に加えて、フレクシャ
部材の外部において付与された上下方向の駆動力により
被保持部材が上下方向に変位可能になる。
【0033】また、本願請求項14に記載の発明は、前
記請求項8〜請求項13のうちいずれか一項に記載の発
明において、前記フレクシャ部材のそれぞれは、前記固
定基部と前記接続ブロックと前記一対のリンク機構とが
単一部材で形成され、前記フレクシャ部材は、前記固定
基部、前記接続ブロック及び前記一対のリンク機構を連
結する複数の切欠ばねを有することを特徴とするもので
ある。
【0034】また、本願請求項15に記載の発明は、前
記請求項14に記載の発明において、前記変換機構は、
前記固定基部に形成された複数の切欠ばねを有し、前記
一対のリンク機構のうち、前記交差方向拘束リンクに連
結される第1切欠ばねと、前記フレクシャ部材に前記変
位部材を介して付与される駆動力を、前記所定方向とは
異なる方向への駆動力に変換するために用いられる第2
切欠ばねとを含み、前記第1切欠ばねと前記第2切欠ば
ねとは、前記被保持部材に対する水平方向における同一
面内に配置されることを特徴とするものである。
【0035】この本願請求項15に記載の発明では、前
記請求項14に記載の発明の作用に加えて、第1切欠ば
ねと第2切欠ばねとを水平方向の同一平面上に配置する
ことで、変位部材を介して付与される駆動力により第2
切欠ばねの部分に回転モーメントが生じるのが抑制され
る。
【0036】また、本願請求項16に記載の発明は、前
記請求項15に記載の発明において、前記複数の切欠ば
ねは、前記一対のリンク機構のうち、前記交差方向拘束
リンクと前記接続ブロックとを連結する第3切欠ばねを
有し、前記第1切欠ばねと前記第3切欠ばねとは、前記
被保持部材に対する垂直方向における同一面内に配置さ
れることを特徴とするものである。
【0037】この本願請求項16に記載の発明では、前
記請求項15に記載の発明の作用に加えて、第1切欠ば
ねと第3切欠ばねとを垂直方向の同一平面上に配置する
ことで、変位部材を介して付与される駆動力により第3
切欠ばねの部分に回転モーメントが生じるのが抑制され
る。
【0038】また、本願請求項17に記載の発明は、前
記請求項6〜請求項16のうちいずれか一項に記載の発
明において、前記変位部材は、付与される駆動力を前記
フレクシャ部材に伝達する伝達部を有することを特徴と
するものである。
【0039】また、本願請求項18に記載の発明は、前
記請求項17に記載の発明において、前記伝達部は、前
記変位部材に付与された駆動力を所定の割合で低減して
前記フレクシャ部材に伝達することを特徴とするもので
ある。
【0040】また、本願請求項19に記載の発明は、前
記請求項17または請求項18に記載の発明において、
前記変位部材には、前記被保持部材の変位量を設定する
変位量設定部材を備えることを特徴とするものである。
【0041】この本願請求項19に記載の発明では、前
記請求項17または請求項18に記載の発明の作用に加
えて、変位部材に付与される駆動力が不用意に変動する
ことがない。
【0042】また、本願請求項20に記載の発明は、前
記請求項19に記載の発明において、前記変位量設定部
材は、前記伝達部と前記固定部との間に配置され、前記
伝達部と前記固定部との間の間隔を調整することによっ
て、任意の変位量を設定することを特徴とするものであ
る。
【0043】また、本願請求項21に記載の発明は、光
学素子の周縁部を保持する保持部を備える光学素子保持
装置において、前記保持部は、前記光学素子の周縁部の
3箇所に対応する位置で前記光学素子を保持する3つの
フレクシャ部材と、前記少なくとも1つのフレクシャ部
材に接続される2つの操作部とを備え、一方の前記操作
部の操作によって、前記3つのフレクシャ部材を介して
前記光学素子を第1の方向へ移動し、他方の前記操作部
の操作によって、前記3つのフレクシャ部材を介して前
記光学素子を前記第1の方向とは異なる第2の方向に移
動するように前記光学素子を保持することを特徴とする
ものである。
【0044】また、本願請求項22に記載の発明は、前
記請求項21に記載の発明において、前記第1の方向が
前記光学素子の接線方向に沿う方向であり、前記第2の
方向が前記光学素子の光軸方向に沿う方向であることを
特徴とするものである。
【0045】また、本願請求項23に記載の発明は、光
学素子の周縁部を保持する保持部と、前記保持部が取り
付けられる固定部とを備える光学素子保持装置におい
て、前記保持部は、請求項1〜請求項20のうちいずれ
か一項に記載の保持装置を介して、前記固定部に連結さ
れていることを特徴とするものである。
【0046】また、本願請求項24に記載の発明は、前
記請求項21〜請求項23のうちいずれか一項に記載の
発明において、前記保持部は、前記光学素子を収容し、
かつ前記光学素子の周縁部に係合する座面が形成された
複数の座面ブロックを備える枠体を有し、前記3つのフ
レクシャ部材は、前記枠体に対し、前記座面ブロックの
間にそれぞれ配置されることを特徴とするものである。
【0047】また、本願請求項25に記載の発明は、内
部に複数の光学素子を保持する鏡筒において、前記光学
素子の少なくとも1つを、請求項21〜請求項24のう
ちいずれか一項に記載の光学素子保持装置を介して保持
したことを特徴とするものである。
【0048】また、本願請求項26に記載の発明は、1
つ以上の光学素子を収容する少なくとも1つの鏡筒モジ
ュールを有する鏡筒において、前記少なくとも1つの鏡
筒モジュールは、前記光学素子の少なくとも1つを保持
する請求項21〜請求項24のうちいずれか一項に記載
の光学素子保持装置を備えたことを特徴とするものであ
る。
【0049】これら本願請求項25及び請求項26に記
載の発明では、内部の光学素子がより正確に位置決めさ
れており、鏡筒全体の結像性能の向上を図ることができ
る。また、本願請求項27に記載の発明は、マスク上に
形成されたパターンの像を投影光学系を介して基板上に
転写する露光装置において、前記投影光学系は、前記請
求項25または請求項26に記載の鏡筒を有することを
特徴とするものである。
【0050】この本願請求項27に記載の発明では、投
影光学系の結像性能が向上されて、露光精度の向上を図
ることができる。また、本願請求項28に記載の発明
は、前記請求項27に記載の発明において、前記光学素
子保持機構は、前記保持部と前記固定部との間の距離を
検出し、その検出結果と前記投影光学系の像面側に形成
された前記パターンの像に含まれる収差情報とに基づい
て、前記保持部と前記固定部との距離を調整すべく、前
記駆動機構の状態を制御する制御機構を有することを特
徴とするものである。
【0051】この本願請求項28に記載の発明では、前
記請求項27に記載の発明の作用に加えて、投影光学系
に残存または発生する収差をより正確に補正することが
できて、露光精度を一層向上させることができる。
【0052】また、本願請求項29に記載の発明は、マ
イクロデバイスの製造方法において、請求項27または
請求項28に記載の露光装置を用いてマイクロデバイス
を製造することを特徴とすることを特徴とするものであ
る。
【0053】この本願請求項29に記載の発明では、露
光精度を向上することができて、高集積度のデバイスを
歩留まりよく製造することが可能となる。次に、前記各
請求項の下で有用性の認められる技術的思想について、
それらの効果とともに以下に記載する。
【0054】(1) 前記回転ピボットは、その両側に
連結される部分に対して断面積の小さな首部からなるこ
とを特徴とする前記請求項10に記載の保持装置。この
ようにすれば、固定基部と接続ブロックとリンク機構と
を、簡単な構成で、しかも一体の部材でもって互いに回
転可能に形成することが可能となる。
【0055】(2) 前記変位部材は、前記伝達部を前
記固定部側に付勢する付勢部材を設け、その付勢部材の
付勢力によって前記伝達部を前記変位量設定部材に当接
させることで前記変位部材に付与される駆動力を設定す
るようにしたことを特徴とする前記請求項19または請
求項20に記載の保持装置。
【0056】このようにすれば、変位部材に付与される
駆動力に過不足が生じにくく、被保持部材の変位量の設
定をより正確に行うことができる。 (3) 前記保持部には前記フレクシャ部材を等角度間
隔で配置し、前記固定部にはその固定部に隣接配置され
る他の光学素子保持装置の保持部におけるフレクシャ部
材に対応する凹部を設けたことを特徴とする前記請求項
24に記載の光学素子保持装置。
【0057】このようにすれば、凹部内に隣接は位置さ
れる他の光学素子保持装置のフレクシャ部材を収容する
ことができて、複数の光学素子保持装置を隣接配置させ
る際に、その全体を小型化することができる。
【0058】(4) 前記凹部を、前記保持部における
フレクシャ部材とは所定角度分だけ位相をずらした位置
に対応するように設けたことを特徴とする前記(3)に
記載の光学素子保持装置。
【0059】このようにすれば、複数の光学素子保持装
置を所定角度分だけ位相をずらして、その一部を重ね合
わせて配置することができ、全体をより小型化すること
ができる。
【0060】(5) 前記固定部の端面が、隣接配置さ
れる他の光学素子保持装置の固定部との重合面をなすこ
とを特徴とする前記(3)または(4)に記載の光学素
子保持装置。
【0061】このようにすれば、複数の光学素子保持装
置を隙間なく隣接配置させることができ、全体をさらに
小型化することができる。 (6) 前記各剛体の一端に配置され、その剛体と前記
保持部または前記固定部との一方を、その剛体を長手方
向に貫く軸線とその軸線に直交するとともに互いに直交
する2つの軸線との3つの軸線の周りに回転自在に接続
する第1接続部と、各剛体の他端に配置され、その剛体
と前記保持部または前記固定部との他方を、少なくとも
前記2つの軸線の周りに回転自在に接続する第2接続部
とからなる接続機構を有することを特徴とする請求項3
に記載の保持機構。
【0062】このようにすれば、各剛体は、一端の第1
接続部において、その剛体を長手方向に貫く軸線と、そ
の軸線に直交するとともに互いに直交する2つの軸線と
の3つの軸線の周りの回転の自由度(3自由度)が確保
される。また、各剛体は、他端の第2接続部において、
その剛体を長手方向に貫く軸線に直交するとともに互い
に直交する2つの軸線の周りの回転の自由度(少なくと
も2自由度)が確保される。これにより、各剛体が前記
第1接続部を中心としてみそすり運動(歳差運動)が可
能な状態で保持部及び固定部に接続され、被保持部材を
上下移動及びチルト移動可能に、すなわちキネマティッ
クに支持することができる。
【0063】(7) 前記接続機構は、前記各剛体の両
端に配置された第1接続部と第2接続部とを結ぶ6本の
直線を仮定したとき、1つの同一点で交差する前記直線
が最大でも2本となるように構成したことを特徴とする
もの前記(6)に記載の保持機構。
【0064】このようにすれば、第1接続部と第2接続
部とを結ぶ6本の直線を仮定したとき、3本以上の直線
が1つの同一点で交差することがなく、キネマティック
の特異点が生じることがない。このため、被保持部材の
位置決めをより確実に行うことが可能になる。従って、
キネマティックの特異点が生じることがなく、被保持部
材の位置決めをより確実に行うことができる。
【0065】(8) 前記接続機構は、少なくとも一対
の隣接する前記剛体が前記第1接続部または第2接続部
を共有することを特徴とする前記(7)に記載の保持機
構。このようにすれば、第1接続点または第2接続点の
数を減らすことができて、構成の簡素化を図ることがで
きる。
【0066】(9) 前記接続機構は、少なくとも2つ
の前記剛体が単一部材に形成されていることを特徴とす
る前記(6)〜(8)のうちいずれか一項に記載の保持
機構。
【0067】このようにすれば、部品点数が削減され、
接続機構の保持装置に対する組付作業を容易に行うこと
ができる。 (10) 前記第1接続部及び前記第2接続部の少なく
とも一方が、弾性体からなることを特徴とする前記
(6)〜(9)のうちいずれか一項に記載の保持機構。
【0068】このようにすれば、弾性体の弾性変形力を
利用して、各接続部における回転の自由度を容易に確保
することができる。 (11) 前記弾性体が単一部材に形成された2つの剛
体間に形成される切欠ばねからなることを特徴とする前
記(10)に記載の保持機構。
【0069】このようにすれば、2つの剛体間に形成さ
れる切欠ばねの構成は簡素であり、その簡素な構成でも
って、前記(10)に記載の効果を実現することができ
る。 (12) 前記距離調整機構は、前記剛体の長さを調整
する長さ調整機構を含むことを特徴とする請求項4に記
載の保持機構。
【0070】(13) 前記距離調整機構は、前記剛体
の少なくとも一方の端部と前記保持部または固定部との
相対位置を調整する位置調整機構を含むことを特徴とす
る請求項4、請求項5または前記(12)のうちいずれ
か一項に記載の保持機構。
【0071】これらの(12)及び(13)のようにす
れば、簡単な構成で、前記保持部と前記固定部との間の
距離を調整できて、被保持部材の上下移動及びチルト移
動の範囲を拡大することができる。
【0072】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下に、本発明
の露光装置及び光学素子保持装置を、半導体素子製造用
の露光装置とその内部のレンズ等の光学素子を保持する
光学素子保持装置とに具体化した第1実施形態について
図1〜図19に基づいて説明する。
【0073】図1に示すように、この実施形態の露光装
置31は、光源32と、照明光学系33と、マスクとし
てのレチクルRtを保持するレチクルステージ34と、
投影光学系35と、基板としてのウエハWを保持するウ
エハステージ36とから構成されている。
【0074】前記光源32は、例えば波長193nmの
ArFエキシマレーザを発振する。照明光学系33は、
図示しないフライアイレンズやロッドレンズ等のオプテ
ィカルインテグレータ、リレーレンズ、コンデンサレン
ズ等の各種レンズ系及び開口絞り等を含んで構成されて
いる。そして、光源32から出射される露光光ELが、
この照明光学系33を通過することにより、レチクルR
t上のパターンを均一に照明するように調整される。
【0075】前記レチクルステージ34は、照明光学系
33の射出側、すなわち、後述する投影光学系35の物
体面側(露光光ELの入射側)において、そのレチクル
Rtの載置面が投影光学系35の光軸方向とほぼ直交す
るように配置されている。投影光学系35は、複数の鏡
筒モジュール37aからなる鏡筒37内に複数のレンズ
等の光学素子38(例えば図2参照)を、後述する光学
素子保持装置39を介してほぼ水平(いわゆる横置きタ
イプ)に収容保持するように構成されている。ウエハス
テージ36は、投影光学系35の像面側(露光光ELの
射出側)において、ウエハWの載置面が投影光学系35
の光軸方向と交差するように配置されている。そして、
前記露光光ELにて照明されたレチクルRt上のパター
ンの像が、投影光学系35を通して所定の縮小倍率に縮
小された状態で、ウエハステージ36上のウエハWに投
影転写されるようになっている。
【0076】次に、前記光学素子保持装置39の詳細構
成について説明する。図2は前記光学素子保持装置39
を示す斜視図であり、図3は前記光学素子保持装置39
の平面図であり、図4は前記光学素子保持装置39の側
面図であり、図5は図3の5−5線における断面図であ
る。前記光学素子38は合成石英等の所定以上の破壊強
度を有する硝材からなり、その周縁部にはフランジ部3
8a(図5参照)が形成されている。光学素子保持装置
39は、外部の装置をなす鏡筒37に連結される固定部
としての枠体40と、3つのフレクシャ部材41と、保
持部としてのレンズ枠体42と、支持部材43とからな
っている。その枠体40上には、等角度間隔をおいて3
つのフレクシャ部材41が固定されている。そのフレク
シャ部材41の上面にはレンズ枠体42が固定され、そ
のレンズ枠体42上には等角度間隔をおいて3つの支持
部材43が配設されている。
【0077】図6は、前記レンズ枠体42における光学
素子38を保持する支持部材43の部分を中心に示す部
分斜視図であり、図7はその支持部材43を中心に示す
拡大部分分解斜視図である。支持部材43は、大きく分
けて基台部材45とクランプ部材46とを備える。そし
て、前記レンズ枠体42は、円環状をなす鉄、アルミニ
ウム等の金属材料からなり、その一方の表面には前記ク
ランプ部材46が取り付付けられる取付溝44が等角度
間隔おきに形成されている。さらに、レンズ枠体42の
内周面には、後述する基台部材45における座面ブロッ
ク50aを含む上半部を収容するための保持部収容凹部
60が取付溝44と対応する位置に形成されている。こ
の保持部収容凹部60によって、レンズ枠体42の大口
径化を防止している。
【0078】このように、レンズ枠体42の一方の表面
に取付溝44を形成することにより、クランプ部材46
が一対のボルト68でレンズ枠体42に取り付けられた
際に、一対のボルト68の頭がレンズ枠体42の一方の
表面から突出しない。従って、一方の面を、他のレンズ
枠体42及び枠体40に対して重ねた際に、他のレンズ
枠体42及び枠体40に対するボルト68の干渉を防ぐ
ことができる。なお、1つのレンズ枠体42の表面と、
他のレンズ枠体42及び枠体40の裏面との間には、各
レンズ枠体42が保持する光学素子38の光軸方向にお
ける位置を決定するために、レンズ枠体42間の間隔を
調整するスペーサが配置される。従って、レンズ枠体4
2表面から光学素子38が若干突出したとしても、スペ
ーサの厚さ以内であれば、光学素子38は他のレンズ枠
体42の裏面と接触しない。そして、基台部材45は、
レンズ枠体42に形成された取付溝44とは反対側の表
面、すなわち、レンズ枠体42の他方の面に対して、図
示しない一対のボルトにより固定されている。
【0079】次に、支持部材43の具体的構成を説明す
る。図6及び図7に示すように、基台部材45には、前
記光学素子38のフランジ部38aの一方のフランジ面
に係合する座面49を有する座面ブロック50aと、そ
の座面ブロック50aの姿勢を調整可能に支持する座面
ブロック支持機構51が形成される保持部支持ブロック
50bとを備えている。前記座面ブロック50aは、そ
の長手方向が前記光学素子38の接線方向に沿って配置
され、前記座面49はその座面ブロック50aの長手方
向の両端部に形成されている。すなわち、座面49は、
座面ブロック50aに対して、光学素子38のフランジ
部38aに向かって突出して形成されている。この座面
49は、所定の面積を有する平面状をなすとともに、そ
の周縁が所定の曲率をもった曲面状に形成されている。
これは、その座面49が、光学素子38のフランジ部3
8aに対する角当たりによる損傷を回避するためであ
る。また、この座面49の表面には、金の層がメッキ、
蒸着等により設けられており、その座面49の表面の光
学素子38のフランジ部38aに対する摩擦係数が高め
られている。
【0080】なお、座面49と、光学素子38のフラン
ジ部38aとの摩擦係数を高めるために、フランジ部3
8aに対して、光学素子38の表面に形成される膜、例
えば、反射防止膜と同様の金属膜を構成する。例えば、
フランジ部38aに対し、金属膜として、MgF2(フ
ッ化マグネシウム)、AlF3(フッ化アルミニウ
ム)、ZrO2(ジルコニア)、Al23(アルミナ)
等を用いて、単層もしくは複数の層(2層、4層もしく
はそれ以上の層)を真空蒸着法等で形成すればよい。ま
た、座面49とフランジ部38aとの摩擦係数を向上す
るために、フランジ部38aの表面積を、座面ブロック
50aの長手方向に沿って増加してもよい。
【0081】座面ブロック50aと保持部支持ブロック
50bとの間、及び保持部支持ブロック50bには、光
学素子38の径方向(図7のX軸方向)に貫通する複数
のスリット53が形成されている。この複数のスリット
53を形成する際、全部のスリット53が互いに連続し
ないように、スリット53の間に加工を施さない部分を
残す。そして、この加工を施さない部分に対して、彫り
込み部54が、光学素子38の径方向の中心側から彫り
込む加工と、同方向の外側から彫り込む加工とにより形
成されている。ここで、この彫り込み部54における光
学素子38の径方向の外側には、大きな穴が形成されて
いる。この両方向からの加工によって、座面ブロック5
0aと保持部支持ブロック50bとの間、及び保持部支
持ブロック50bには、複数の保持部首部55a〜55
d(屈曲部)が形成される。
【0082】この保持部首部55a〜55dに予測不能
な歪みが残存するのを回避するために、各掘り込み部5
4の深さ方向における首部55a〜55dの近傍は、そ
の保持部首部55a〜55dの両側が同じ加工方法によ
り切削加工が施されている。この加工方法としては、例
えば型彫放電加工、機械的切削加工等が有効である。
【0083】ここで、保持部支持ブロック50bは、前
記複数のスリット53により、大きく3つの部分に分割
されている。すなわち、保持部支持ブロック50bは、
前記レンズ枠体42に固着される保持部固定部56と、
第1保持ブロック57a、第2保持ブロック58aとに
分割されている。さらに、彫り込み加工によって、固定
部56と第1保持ブロック57aとを連結する第1保持
部首部55aと、保持部固定部56と第2保持ブロック
58aとを連結する第2保持部首部55bと、第1保持
ブロック57aと第2保持ブロック58aとを連結する
第3保持部首部55cと、第2保持ブロック58aと座
面ブロック50aとを連結する第4保持部首部55dと
が形成される。これらの複数の保持部首部55a〜55
dは、断面正方形をなし、第1保持ブロック57a、第
2保持ブロック58a、保持部固定部56、座面ブロッ
ク50aの断面積に比べて著しく小さな断面積を有す
る。
【0084】そして、第1保持ブロック57aは、第1
保持部首部55a及び第3保持部首部55cによって、
第2保持ブロック58aと保持部固定部56とに固定さ
れる。第1保持ブロック57aは、第1保持部首部55
a及び第3保持部首部55cの協働により、光学素子3
8の接線方向周りに回転可能に保持されるが、同接線方
向への変位は拘束される。従って、第1保持ブロック5
7a、第1保持部首部55a及び第3保持部首部55c
により、光学素子の接線方向への変位を拘束する接線方
向拘束リンク57が形成される。
【0085】また、第2保持ブロック58aは、第2保
持部首部55b及び第4保持部首部55dによって、座
面ブロック50aと保持部固定部56とに固定される。
第2保持ブロック58aは、第2保持部首部55b及び
第4保持部首部55dの協働により、光学素子38の光
軸と平行な方向周りに回転可能に保持されるが、同光軸
と平行な方向への変位は拘束される。従って、第2保持
ブロック58a、第2保持部首部55b及び第4保持部
首部55dにより、光学素子38の光軸と平行な方向へ
の変位を拘束する光軸方向拘束リンク58が形成され
る。
【0086】この接線方向拘束リンク57の拘束方向
と、光軸方向拘束リンク58の拘束方向とは、互いにほ
ぼ直交する。言い換えれば、接線方向拘束リンク57の
回転軸と、光軸方向拘束リンク58の回転軸とが、互い
にほぼ直交する。
【0087】そして、座面ブロック50aは、第4保持
部首部55dによって、保持部支持ブロック50bに連
結されている。すなわち、座面ブロック50aは、保持
部固定部56に対して、接線方向拘束リンク57と光軸
方向拘束リンク58とを備える一対のリンク機構によっ
て、支持される。
【0088】また、これらの保持部首部55a〜55d
のうち、第2及び第4保持部首部55b,55dは、光
学素子38の光軸に平行で前記座面ブロック50aの両
座面49の中間位置を通る線上に配置されている。この
線は、一対の座面49を結ぶ線に直交する。一方、第1
及び第3保持部首部55a,55cは、一対の座面49
を結ぶ線と平行な線上に配置されている。さらに、第3
保持部首部55cは、第4保持部首部55dの近傍に配
置されている。
【0089】このように構成された基台部材45におい
て、座面ブロック50aは、接線方向拘束リンク57及
び光軸方向拘束リンク58により、保持部固定部56に
対して、光学素子38の径方向(X方向)、光学素子3
8の接線方向(Y方向)及び光学素子38の光軸と平行
な方向(Z方向)の各方向周りに回転可能に、かつY方
向、Z方向への変位が抑制されるように支持されてい
る。さらに、座面ブロック50aは、第4保持部首部5
5dにより、X方向に変位可能に支持されている。すな
わち、座面ブロック支持機構51は、接線方向拘束リン
ク57と、光軸方向拘束リンク58と、X方向に変位可
能な第4保持部首部55dとを含む構成である。
【0090】なお、前記基台部材45には、座面ブロッ
ク50aは、座面49に対してZ方向(すなわち、光学
素子38のフランジ部38aの厚さ方向)に延びて形成
される座面側取付部59を備える。
【0091】前記クランプ部材46は、前記座面ブロッ
ク50aの上方に対応して配置され、クランプ本体62
とパッド部材47とからなっている。クランプ本体62
は、押さえ面ブロック63と、その押さえ面ブロック6
3を支持するための押さえ面ブロック支持機構64とが
装備されている。押さえ面ブロック63の下面の両端に
は、前記座面ブロック50aの座面49に対向するよう
に押さえ面65が形成されている。この押さえ面65
は、光学素子38の接線方向にほぼ沿った稜線を有する
断面三角形状に形成されている。この両押さえ面65の
稜線は、その2つの稜線を結ぶ直線の中点が、前記座面
ブロック50aと光軸方向拘束リンク58とを連結する
第4保持部首部55dの上方に位置するように形成され
ている。
【0092】前記押さえ面ブロック支持機構64は、腕
部66と押さえ面側取付部67とからなっており、その
押さえ面側取付部67と前記押さえ面ブロック63とは
所定の間隔をおいて離間されている。そして、この押さ
え面側取付部67と前記座面側取付部59とを前記パッ
ド部材47を介して接合させた状態でボルト68により
締結することにより、クランプ部材46が前記座面ブロ
ック50aに対して固定されるようになっている。ま
た、前記腕部66は、前記押さえ面ブロック63と押さ
え面側取付部67との両端を接続するように一対設けら
れている。各腕部66は、平面コ字状をなし、押さえ面
側取付部67と前記座面側取付部59とを前記パッド部
材47を介して接合させた状態で弾性変形可能なだけの
長さをもって形成されている。さらに、この腕部66
は、レンズ枠体42に装着した状態で、そのレンズ枠体
42の取付溝44内にその内周面とは離間した状態で収
容されるようになっている。
【0093】前記パッド部材47は、前記両取付部5
9,67の間に挟持される挟持部71と、前記押さえ面
65と光学素子38のフランジ部38aとの間に介装さ
れる作用部72と、それら挟持部71と作用部72とを
連結するとともに弾性変形可能な薄板状の薄板部73と
からなっている。前記作用部72の下面には、光学素子
38にフランジ部38aに係合する作用面74が、前記
座面49に対応するように平面状に形成されている。こ
の作用面74の周縁は、そのフランジ部38aに対する
角当たりによる損傷を回避するため、所定の曲率をもっ
た曲面状に形成されている。また、この作用面74の表
面には、前記座面49と同様に金の層がメッキ、蒸着等
により設けられており、その作用面74の表面における
光学素子38のフランジ部38aに対する摩擦係数が高
められている。
【0094】そして、このように構成されたクランプ部
材46は、前記ボルト68を締め込むことにより、前記
腕部66が弾性変形されて、押さえ面ブロック63の押
さえ面65に座面ブロック50a側への押圧力を付与す
る。この押圧力は、パッド部材47の作用面74を介し
て、光学素子38のフランジ部38aに作用する。これ
により、光学素子38のフランジ部38aが、座面ブロ
ック50aの座面49と、押さえ面ブロック63の押さ
え面65との間に挟持される。
【0095】図7及び図18に示すように、隣り合う支
持部材43間において、レンズ枠体42には複数の重量
支持機構75が配設されている。各重量支持機構75は
板バネから構成されている。この板バネでは、光学素子
38のフランジ部38aの下面に当接する当接部と、一
対のボルトによりレンズ枠体42に取り付け支持される
一対の支持部との間が一対の屈曲部により接続されてい
る。そして、この板バネの弾性作用により、光学素子3
8の重量の一部が支持されるようになっている。この重
量支持機構75の数は、光学素子38の重量、厚さ、直
径、形状、材質及び支持部材43の数の少なくとも1つ
に応じて設定されている。ちなみに、この実施形態で
は、隣り合う支持部材43間に、それぞれ3つの重量支
持機構75が配設されている。
【0096】さらに、レンズ枠体42の前記各取付溝4
4近傍の外周面上には、後述するレンズ枠体位置検出機
構82に対向するように、四角柱状の位置検出用突部7
6が突設されている。また、レンズ枠体42の上面にお
ける各支持部材43の中間には、前記フレクシャ部材4
1に接合する平板状のフレクシャ接合部77が外方に延
出するように形成されている。
【0097】次に、枠体40の具体的構成を主に図8〜
図13に基づいて説明する。図8は枠体40全体を示す
斜視図であり、図9はその枠体40のフレクシャ部材4
1の取付部分を拡大して示す部分平面図であり、図10
はその取付部分を中心とした部分側面図である。図8に
示すように、前記枠体40は、鉄、アルミニウム等の金
属材料からなり、円環状をなしている。図8〜図10に
示すように、その枠体40の上面の内周面側には、前記
フレクシャ部材41を取り付けるための3つのフレクシ
ャ取付部80が等角度間隔おきに形成されている。そし
て、枠体40の内周面及び下面には、枠体40同士を積
み重ねた際に、光学素子保持装置39のフレクシャ部材
41を収容するためのフレクシャ収容凹部81が、前記
各フレクシャ取付部80の中間位置に対応するように3
つ凹設されている。このフレクシャ収容凹部81では、
後述のフレクシャ本体84を収容する本体収容部81a
が中心に形成され、その両側端に連続するように後述の
各駆動レバー85a,85bを収容するレバー収容部8
1bが形成されている。ここで、フレクシャ取付部80
とフレクシャ収容凹部81とは、枠体40の周方向にお
いて交互に、しかも180°位相がずれた状態で形成さ
れている。
【0098】また、図8に示すように、枠体40におけ
る前記フレクシャ収容凹部81の近傍の外周面上には、
レンズ枠体位置検出機構82を取着するための検出機構
取付座83が形成されている。この検出機構取付座83
には、例えば静電容量検出形の断面L字状をなすレンズ
枠体位置検出機構82が、枠体40の外方に突出するよ
うに取着される。この枠体40上に前記レンズ枠体42
が前記フレクシャ部材41を介して取着されたとき、そ
のレンズ枠体位置検出機構82と、前記レンズ枠体42
の位置検出用突部76とが所定の隙間をおいて対向配置
されるようになっている。そして、レンズ枠体42が枠
体40に対して相対移動されると、前記位置検出用突部
76がレンズ枠体位置検出機構82に対して変位して、
その変位量がレンズ枠体位置検出機構82により検出さ
れるようになっている。
【0099】次に、前記フレクシャ部材41の詳細構成
について、図9〜図13に基づいて説明する。図8〜図
10に示すように、前記フレクシャ部材41は、フレク
シャ本体84と、変位部材及び伝達部をなす一対の垂直
方向駆動レバー85a及び同じく変位部材及び伝達部を
なす水平方向駆動レバー85bとからなっている。前記
フレクシャ本体84は、前記レンズ枠体42のフレクシ
ャ接合部77と、前記枠体40のフレクシャ取付部80
とに挟持されるように取り付けられている。このフレク
シャ本体84には、前記レンズ枠体42のフレクシャ接
合部77がボルト98を介して接合固定される接続ブロ
ック84aとその接続ブロック84aの姿勢を調整可能
に支持する接続ブロック支持機構92が形成されるフレ
クシャ支持ブロック84bとを備えている。
【0100】ここで、図11は前記枠体40におけるフ
レクシャ本体84の取付部分を拡大して示す部分側面図
であり、図12はフレクシャ部材41及び枠体40を両
駆動レバー85a,85bに沿って破断した部分断面図
である。また、図13は、フレクシャ部材41及び枠体
40をフレクシャ本体84のほぼ中央において光学素子
38の径方向に沿って破断した拡大部分断面図である。
【0101】図11〜図13に示すように、このフレク
シャ本体84は、略直方体状をなしており、接続ブロッ
ク84aとフレクシャ支持ブロック84bとの間、及び
フレクシャ支持ブロック84bには、図11のX軸方向
に貫通する複数の第1スリット86及び第2スリット8
7が形成されている。この第1スリット86は、フレク
シャ本体84に各スリット86,87を加工する際の基
準孔84cより上部側に形成されており、前記第2スリ
ット87は、同基準孔84cの下部側に形成されてい
る。
【0102】この第1及び第2スリット86,87を形
成する際、全部のスリット86,87が互いに連続しな
いように、スリット86,87の間に加工を施さない部
分を残す。この第1スリット86に対応して加工を施さ
ない部分に対して、彫り込み部86aがX方向の+方向
(図11の紙面の手前側)から彫り込む加工と、X方向
の−方向(図11の紙面の向こう側)から彫り込む加工
とにより形成される。ここで、この彫り込み部86a
は、図13に示すように、光学素子38の径方向に沿う
ように形成される。そして、この彫り込み部86aの両
端側には、大きな穴が形成されている。このX方向の+
方向からの加工と−方向からの加工とによって、接続ブ
ロック84aとフレクシャ支持ブロック84bとの間、
及びフレクシャ支持ブロック84bには、回転ピボット
及び切欠ばねとしての複数のフレクシャ首部89a〜8
9dが形成される。そして、各フレクシャ首部89a〜
89dの両側には、光学素子38の径方向に貫通する貫
通孔としての矩形貫通孔88aが形成される。
【0103】このフレクシャ首部89a〜89dに予測
不能な歪みが残存するのを回避するために、各矩形貫通
孔88aの深さ方向におけるフレクシャ首部89a〜8
9dの近傍は、そのフレクシャ首部89a〜89dの両
側が同じ加工方法により切削加工が施されている。この
加工方法としては、例えば型彫放電加工、機械的切削加
工等が有効である。
【0104】また、前記第2スリット87に対応して加
工を施さない部分(2ヶ所)の両側には、断面略円形状
をなし、光学素子38の径方向に貫通する円形貫通孔8
8bが形成されている。この対向する一対の円形貫通孔
88bの間には、変換機構及び第1切欠ばねをなす第1
及び第2薄肉部90a,90bが形成されている。
【0105】ここで、フレクシャ支持ブロック84b
は、前記第1及び第2スリット86,87により、大き
く6つの部分に分割されている。すなわち、フレクシャ
支持ブロック84bは、固定基部としてのフレクシャ固
定部91と、第1拘束ブロック93aと、第2拘束ブロ
ック94aと、第1駆動ブロック95aと、第2駆動ブ
ロック96aとに分割されている。前記フレクシャ固定
部91は、前記枠体40のフレクシャ取付部80にボル
ト97を介して固定されている(図8及び図11参
照)。
【0106】そして、彫り込み加工によって、前記第1
駆動ブロック95aと第1拘束ブロック93aとを連結
する第1フレクシャ首部89aと、前記第2駆動ブロッ
ク96aと第2拘束ブロック94aとを連結する第2フ
レクシャ首部89bと、第1拘束ブロック93aと第2
拘束ブロック94aとを連結する第3フレクシャ首部8
9cと、第1拘束ブロック93aと接続ブロック84a
とを連結する第4フレクシャ首部89dとが形成され
る。これら複数のフレクシャ首部89a〜89dは断面
略正方形をなし、各拘束ブロック93a,94a、各駆
動ブロック95a,96a、接続ブロック84aの断面
積に比べて著しく小さな断面積を有する。
【0107】そして、第1拘束ブロック93aは、第1
フレクシャ首部89a及び第4フレクシャ首部89dに
よって、第1駆動ブロック95aと接続ブロック84a
とに固定される。この第1拘束ブロック93aは、第1
フレクシャ首部89a及び第4フレクシャ首部89dの
協働により、Z方向(光学素子38の光軸方向)周りに
回転可能に保持されるが、Z方向への変位は拘束され
る。従って、第1拘束ブロック93a、第1フレクシャ
首部89a及び第4フレクシャ首部89dにより光学素
子38の垂直方向(光軸方向)への変位を拘束する交差
方向拘束リンクとしての垂直方向拘束リンク93が形成
される。
【0108】また、第2拘束ブロック94aは、第2フ
レクシャ首部89b及び第3フレクシャ首部89cによ
って、第2駆動ブロック96aと第1拘束ブロック93
aとに固定される。この第2拘束ブロック94aは、第
2フレクシャ首部89b及び第3フレクシャ首部89c
の協働により、Y方向(光学素子38の接線方向)周り
に回転可能に保持されるが、Y方向への変位は拘束され
る。従って、第2拘束ブロック94a、第2フレクシャ
首部89b及び第3フレクシャ首部89cにより光学素
子38の水平方向(接線方向)への変位を拘束する水平
方向拘束リンク94が形成される。
【0109】この垂直方向拘束リンク93の拘束方向
と、水平方向拘束リンク94の拘束方向とは、互いにほ
ぼ直交する。言い換えれば、垂直方向拘束リンク93の
回転軸と、水平方向拘束リンク94の回転軸とが、互い
にほぼ直交する。
【0110】そして、前記接続ブロック84aは、第4
フレクシャ首部89dによって、フレクシャ支持ブロッ
ク84bに連結されている。すなわち、接続ブロック8
4aは、垂直方向拘束リンク93と水平方向拘束リンク
94とを備える一対のリンクリンク機構によって支持さ
れている。
【0111】また、図11〜図13に示すように、これ
らのフレクシャ首部89a〜89dのうち、第1及び第
4フレクシャ首部89a,89dは、前記接続ブロック
84aのほぼ中心を通り前記Z軸に平行な線上に配置さ
れている。一方、第2及び第3フレクシャ首部89b,
89cは、前記接続ブロック84aの表面にほぼ平行な
線上に配置されている。さらに、第3フレクシャ首部8
9cは、第4フレクシャ首部89dの近傍に配置されて
いる。
【0112】このように構成されたフレクシャ本体84
において、接続ブロック84aは、垂直方向拘束リンク
93及び水平方向拘束リンク94により、第1及び第2
駆動ブロック95a,96aに対して、X方向、Y方
向、Z方向周りに回転可能に、かつY方向、Z方向への
変位が抑制されるよう支持されている。さらに、接続ブ
ロック84aは、第4フレクシャ首部89dによりX方
向に変位可能に支持されている。
【0113】ところで、第1駆動ブロック95aは、第
1フレクシャ首部89aにより第1拘束ブロック93a
に連結され、第1薄肉部90aによりフレクシャ固定部
91に連結されている。そして、その第1駆動ブロック
95aの外端には、長尺状をなす前記垂直方向駆動レバ
ー85aが前記光学素子38の接線方向に沿って延びる
ように一体形成されている。この第1駆動ブロック95
aは、変換機構及び第1切り欠きばねとしての第1薄肉
部90aの作用により、前記垂直方向駆動レバー85a
に光学素子38の光軸と平行な方向(上下方向)に駆動
力が付与されたとき、その駆動力を接続ブロック84a
側の第2切欠ばねとしての第1フレクシャ首部89aに
対して上下方向の駆動力として伝達する。従って、第1
駆動ブロック95a、第1フレクシャ首部89a及び第
1薄肉部90aにより、垂直方向駆動レバー85aに付
与された上下方向の駆動力を前記垂直方向拘束リンク9
3に上下方向の駆動力として伝達する垂直方向駆動リン
ク95が形成される。
【0114】一方、第2駆動ブロック96aは、第2フ
レクシャ首部89bにより第2拘束ブロック94aに連
結され、第2薄肉部90bによりフレクシャ固定部91
に連結されている。そして、その第2駆動ブロック96
aの外端には、長尺状をなす前記水平方向駆動レバー8
5bが前記光学素子38の接線方向に沿って延びるよう
に一体形成されている。この第2駆動ブロック96a
は、変換機構及び第1切り欠きばねとしての第2薄肉部
90bの作用により、前記水平方向駆動レバー85bに
光学素子38の光軸と平行な方向(上下方向)に駆動力
が付与されたとき、その駆動力を接続ブロック84a側
の第3切欠ばねとしての第2フレクシャ首部89bに対
して光学素子38の接線方向(水平方向)の駆動力とし
て伝達する。従って、第2駆動ブロック96a、第2フ
レクシャ首部89b及び第2薄肉部90bにより、水平
方向駆動レバー85bに付与された上下方向の駆動力を
前記水平方向拘束リンク94に水平方向の駆動力として
伝達する水平方向駆動リンク96が形成される。
【0115】ここで、前記第1フレクシャ首部89a
は、前記第1薄肉部90aの中央を通り前記光学素子3
8の接線方向に沿う直線上に配置されている。一方、前
記第2フレクシャ首部89bは、前記第2薄肉部90b
の中央を通り前記光学素子38の光軸方向に沿う直線上
に配置されている。
【0116】図8〜図10及び図12に示すように、前
記枠体40における前記両駆動レバー85a,85bの
先端の上面には、変位量設定手段をなす調整ワッシャ9
9及び同じく変位量設定手段をなす調整ボタン100が
交換部材(例えば、ボルト、プラグ等)101により交
換可能に固定されている。この調整ワッシャ99はその
厚さが例えば1μmおきで、調整ボタン100はその厚
さが例えば10μmおきで、予めそれぞれ複数用意され
ている。すなわち、調整ワッシャ99が微調整用に、ま
た調整ボタン100が祖調整用に使われる。そして、こ
れらの調整ワッシャ99及び調整ボタン100を選択的
に嵌合することで、前記両駆動レバー85a,85bと
枠体40との間の間隔が調整され、これにより前記両駆
動レバー85a,85bに付与される駆動力が設定され
るようになっている。
【0117】しかも、前記両駆動レバー85a,85b
は、前記光学素子38の接線方向に沿って所定の長さを
有するように形成されている。このため、前記調整ワッ
シャ99及び調整ボタン100で設定され、両駆動レバ
ー85a,85bに付与される駆動力は、その長さに応
じた割合で低減されて前記フレクシャ本体84に伝達さ
れるようになっている。
【0118】また、これら調整ワッシャ99及び調整ボ
タン100の近傍で、かつフレクシャ本体84側の枠体
40の上面には、操作部をなすリフトレバー102が上
下移動可能かつ前記両駆動レバー85a,85bに接離
可能に設けられている。さらに、両駆動レバー85a,
85bには、そのリフトレバー102の近傍で、かつフ
レクシャ本体84側の部分において、一端が枠体40に
固定された引っ張りばねからなる復帰ばね103の他端
が取着されている。これにより、両駆動レバー85a,
85bは枠体40側に付勢され、前記リフトレバー10
2が当接していない状態では、両駆動レバー85a,8
5bの先端が前記調整ボタン100の上面に当接するよ
うになっている。
【0119】このリフトレバー102を駆動レバー85
a,85bに当接させたまま、枠体40から離れる方
向、すなわち上方向に移動させることによって、各駆動
レバー85a,85bが復帰ばね103の付勢力に抗し
て枠体40から離れるように移動する。このように、各
駆動レバー85a,85bが、調整ボタン100から離
れた状態で、調整ボタン100及び調整ワッシャ99の
交換が行われる。調整ボタン100及び調整ワッシャ9
9の交換が完了した後、リフトレバー102を元の位置
に戻すことによって、各駆動レバー85a,85bが復
帰ばね103の付勢力によって調整ボタン100の上面
に当接する。
【0120】図2及び図14に示すように、前記枠体4
0の上面及び下面の外周側部分には、枠体40同士が積
み重ねられた際に、他の枠体40との重合面40aが形
成されている。そして、以上のように構成された複数の
光学素子保持装置39が、それぞれその位相を180°
ずつずらした状態で、その枠体40の重合面40aにお
いて間隔調整用スペーサを介して互いに積層されるよう
になっている。このように、複数の光学素子保持装置3
9が重合配置された状態では、下方に配置される光学素
子保持装置39のレンズ枠体42は、上方に配置される
光学素子保持装置39の枠体40内に収容される。ま
た、このとき、下方側の光学素子保持装置39のフレク
シャ部材41は、上方側の枠体40のフレクシャ収容凹
部81内に収容される。
【0121】次に、この光学素子保持装置39の作用に
ついて、説明する。本実施形態における光学素子保持装
置39は、前述のように、光学素子38を支持する支持
部材をなすレンズ枠体42と、そのレンズ枠体42を鏡
筒モジュール37aに固定する固定部をなす枠体40と
の間が、3つのフレクシャ部材41で接続されている。
この鏡筒モジュール37aは、互いに積層された他のレ
ンズ枠体42を示し、全てのレンズ枠体42が積層され
て鏡筒37が構成される。この光学素子保持装置39の
フレクシャ部材41を6本の剛体に置き換えて示すと、
図15に示すようになる。この図15に示すように、各
フレクシャ部材41は、それぞれ2本の剛体106a,
106bと、剛体106aの両端に設けられた回転ピボ
ット107a,107bと、剛体106bの両端に設け
られた回転ピボット107c,107dとを有してい
る。つまり、光学素子保持装置39全体では、6本の剛
体と、その各剛体の両端にそれぞれ回転ピボットが配設
されている。また、回転ピボット107a,107b〜
107dは、剛体106aの長手方向を貫く軸線と、そ
の軸線に直交するとともに互いに直交する2つの軸線と
の3つの軸線周りの3方向の回転が可能になっている。
回転ピボット107c,107dは、剛体106bの長
手方向を貫く軸線と、その軸線に直交するとともに互い
に直交する2つの軸線との3つの軸線周りの3方向の回
転が可能になっている。
【0122】また、前記各剛体106a,106bは、
剛体106aの回転ピボット107a,107bを結ぶ
直線と、剛体106bの回転ピボット107c,107
bを結ぶ直線とを仮定したときに、(本実施形態では、
剛体106a,106bの組合せが3つあるので、6本
の直線が仮定される)、3本以上の直線が同一点で交差
しないように配置されている。この場合、各剛体106
a,106bが直線状なので、各剛体106a,106
bの両端の回転ピボット107aと107b、107c
と107dを結ぶ直線は、各剛体106a,106bの
延長線と等価である。なお、剛体106aの一端の回転
ピボット107bと、剛体106bの一端の回転ピボッ
ト107dとが非常に近接して配置されているために、
全体的に見るとほぼ同一の回転ピボット107b,10
7dからなる。言い換えると、2本の剛体106a,1
06bが、1つの回転ピボットを共有している。
【0123】さらに、各剛体106a,106bの他端
には、その各剛体106a,106bの枠体40との相
対位置を調整する距離調整機構としての位置調整機構1
08が装備されている。そして、この位置調整機構10
8により、前記各剛体106a,106bの端部の位置
を変位させることで、枠体40とレンズ枠体42との間
の距離を調整するようになっている。
【0124】ここで、前記モデルと本実施形態のフレク
シャ部材41とを対比して考えると、剛体106aには
第2拘束ブロック94aが対応し、剛体106bには第
1拘束ブロック93aが対応している。また、回転ピボ
ット107aは第2フレクシャ首部89bに対応し、回
転ピボット107bは第3フレクシャ首部89cに対応
し、回転ピボット107cは第1フレクシャ首部89a
に対応し、回転ピボット107dは第4フレクシャ首部
89dに対応している。
【0125】そして、前記第2拘束ブロック94aの一
端の第3フレクシャ首部89cは、前記第1拘束ブロッ
ク93aの一端の第4フレクシャ首部89dのすぐ近傍
に接続されている。このため、この両フレクシャ首部8
9c,89dは、全体として一体的な回転ピボット10
7b,107dとして見るとことができる。さらに、前
記位置調整機構108には、調整ワッシャ99、調整ボ
タン100、垂直方向駆動レバー85a、水平方向駆動
レバー85b、第1駆動ブロック95a及び第2駆動ブ
ロック96aが対応している。
【0126】なお、設計の都合上、各拘束ブロック93
a,94aの変位の方向は、上下または左右方向となっ
ており、前記モデルにおける2本の剛体106a,10
6bの斜め方向とは異ってはいるが、組合せることで実
質的に同一となる。
【0127】次に、この光学素子保持装置39のフレク
シャ本体84の動作について、さらに詳細に説明する。
図16は、3つのフレクシャ本体84のうち、1つのフ
レクシャ本体84の一部を模式的に描いたものである。
【0128】図16において、垂直方向駆動レバー85
a側の第1薄肉部90aではその両側の円形貫通孔88
bが上下に対向するように配列されている。このため、
所定の駆動力F1を作用させて垂直方向駆動レバー85
aの先端部を垂直方向に変位させると、その第1薄肉部
90aでは光学素子38の径方向を軸線とする回動力M
1に変換される。ここで、第1フレクシャ首部89a
は、前記第1薄肉部90aの中心を通るとともに光学素
子38の接線方向に沿う直線L1上に形成されている。
このため、前記第1薄肉部90aにおける回動力M1
が、第1駆動ブロック95aを介して、第1フレクシャ
首部89aにおける垂直方向への直線駆動に変換され
る。この直線駆動が第1拘束ブロック93a及び第4フ
レクシャ首部89dを介して接続ブロック84aに伝達
され、レンズ枠体42内の光学素子38における光軸方
向に沿った変位が実現される。
【0129】一方、水平方向駆動レバー85b側の第2
薄肉部90bではその両側の円形貫通孔88bが水平に
対向するように配列されている。このため、所定の駆動
力F2を作用させて水平方向駆動レバー85bの先端部
を垂直方向に変位させると、その第2薄肉部90bでは
光学素子38の径方向を軸線とする回動力M2に変換さ
れる。ここで、第2フレクシャ首部89bは、前記第2
薄肉部90bの中心を通るとともに光学素子38の光軸
方向に沿う直線L2上に形成されている。このため、前
記第2薄肉部90bにおける回動力M2が、第2駆動ブ
ロック96aを介して、第2フレクシャ首部89bにお
ける水平方向への直線駆動に変換される。この直線駆動
が第2拘束ブロック94a、第3フレクシャ首部89c
及び第4フレクシャ首部89dを介して接続ブロック8
4aに伝達され、レンズ枠体42内の光学素子38にお
ける接線方向に沿った変位が実現される。
【0130】さらに、所定の駆動力F1,F2を作用さ
せて両駆動レバー85a,85bの先端部をそれぞれ垂
直方向に変位させると、前記第1拘束ブロック93a、
第2拘束ブロック94a及び第3フレクシャ首部89c
を介して、前記2つの方向への駆動力が合成される。つ
まり、光学素子38の光軸をZ軸とする極座標R−θ−
Z系を考えた場合、第3フレクシャ首部89cのθ座
標、Z座標が、両駆動レバー85a,85bの動きに応
じた位置に変化する。一方、前記第1拘束ブロック93
a及び第2拘束ブロック94aは、駆動力の伝達方向に
沿って拘束され(その長さが変化することなく)、かつ
第3フレクシャ首部89cは、前記第1フレクシャ首部
89aと第2フレクシャ首部89bとを結ぶ直線L3を
中心軸として微少回転することが可能である。すなわ
ち、極座標でいうところのR方向(光学素子38の径方
向)に変位する自由度を有している。従って、レンズ枠
体42に対して不動な点である第3フレクシャ首部89
cは、極座標で言うところのθ、Z並進移動の自由度
を、望むべく位置に拘束され、かつR並進自由度を有し
ている。また、第3フレクシャ首部89cは回転ピポッ
トであるので、R、θ、Zの各軸回りの回転自由度を有
している。
【0131】以上の動き及び拘束状態は、枠体40の3
ヶ所に設置されたフレクシャ本体84のそれぞれの中で
独立に生じる。従って、レンズ枠体42に対して固定さ
れた3つの点(第3フレクシャ首部89c)のそれぞれ
においてレンズ枠体42の自由度がそれぞれ2ずつ拘束
され、レンズ枠体42の姿勢(6自由度)は機構学の教
えるところにより過不足なく拘束される。かつ、その姿
勢は、両駆動レバー85a,85bの駆動量と1:1で
対応しているため、レンズ枠体42及びそれに保持され
る光学素子38の姿勢を、それらに無理な力、歪みを与
えることなく自在に調節することが可能である。
【0132】このように、レンズ枠体42は、各フレク
シャ部材41を介して、前記枠体40に対して、いわゆ
るキネマティックに支持されている。ここで、光学素子
38の中心を原点、その光学素子38の光軸方向をZ
軸、光学素子38の径方向をR軸及び光学素子38の周
方向をθ軸とする極座標系R−θ−Z系を考える。この
フレクシャ部材41のリンク機構109によれば、レン
ズ枠体42とリンク機構109との連結点をなす前記第
3フレクシャ首部89cは、所定の範囲内においてR、
θ、Zの各軸方向に変位可能となる。また、枠体各リン
ク機構109における、前記第3フレクシャ首部89c
の枠体40からの高さ位置を適宜変更して組み合わせる
ことにより、レンズ枠体42を前記枠体40に対して任
意の方向に傾けることができる。これにより、レンズ枠
体42が枠体40に対して、いわゆるキネマティック
に、つまりR、θ、Zの各軸方向への移動とR軸、θ軸
及びZ軸の各軸周りの回転とが可能なように保持され
る。
【0133】さて、3つのリンク機構109の協働によ
り、光学素子38をその光軸に垂直な面内で変位させる
場合における動作の一例について、図17に基づいて説
明する。図17において、上側のリンク機構109cの
第3フレクシャ首部89cが、矢印方向に所定の点MP
に移動されたとする。この移動に伴って、レンズ枠体4
2の中心Oは、各リンク機構109a,109bのそれ
ぞれの第3フレクシャ首部89cにおける接線TLの交
点IPを中心として、前記リンク機構109cの移動方
向と平行に前記所定量の2/3の距離だけ変位すること
になる。
【0134】これは、以下の理由による。すなわち、各
リンク機構109a〜109cは、その枠体40と各リ
ンク機構109a〜109cとの節をなす第3フレクシ
ャ首部89cが、光学素子38のX軸及びY軸方向への
並進自由度を確保しつつ、互いの位置関係が固定されて
いる。そして、各リンク機構109a〜109cが12
0°間隔で配置されている。ここで、レンズ枠体42の
中心Oと各リンク機構109a,109bの第3フレク
シャ首部89cと、前記接線TLの交点IPとの位置関
係を考えると、それらの4つの点により、30°、60
°、90°の各内角を有する互いに合同な2つの直角三
角形が構成される。そして、前記レンズ枠体42の中心
Oと前記各第3フレクシャ首部89cとの距離(半径)
を1とした場合、前記レンズ枠体42の中心Oと前記交
点IPとの距離は、前記半径の2倍となる。このため、
前記交点IPとリンク機構109cの第3フレクシャ首
部89cとの距離は、前記半径の3倍となる。このた
め、光学素子38の中心Oが点MP’へと、前記リンク
機構109cの第3フレクシャ首部89cの変位方向と
平行にその移動距離の2/3だけ変位する。
【0135】次に、この光学素子保持装置39の組立手
順について説明する。まず、図18に示すように、レン
ズ枠体42の取付溝44とは反対側の表面に対して、支
持部材43の基台部材45を図示しないボルトで締め付
け固定する。この状態で、基台部材45の座面ブロック
支持機構51をサンドイッチ部材112で挟み込んで仮
固定する。これにより、光学素子38を組み付けるまで
の間に、座面ブロック支持機構51の各拘束リンク5
7,58及び各首部55a〜55dに対して、不用意に
過剰な荷重がかかるの防止する。
【0136】次いで、光学素子38を、そのレンズ枠体
42内に収容するとともに、その光学素子38のフラン
ジ部38aを前記基台部材45の座面ブロック50a上
の座面49に載置させる。そして、芯出し装置上におい
て、前記レンズ枠体42に対する光学素子38の位置決
めを行い、前記基台部材45の座面側取付部59上にパ
ッド部材47及びクランプ部材46をボルト68で締め
付け固定する。これにより、光学素子38のフランジ部
38aを、前記基台部材45の座面ブロック50aの座
面49と、前記押さえ面ブロック63の押さえ面65と
の間に挟持させる。そして、前記サンドイッチ部材11
2を基台部材45から取り外し、座面ブロック50aの
姿勢を光学素子38のフランジ部38aの形状に応じて
変化させ、光学素子38の挟持を安定させる。
【0137】この状態で、光学素子38の光学面の精度
を検査する。この検査において、所定値以上の光学面の
変化が生じていることがあきらかになったときには、再
度座面ブロック支持機構51をサンドイッチ部材112
で挟み込んで仮固定して、光学素子38の装着作業をや
り直す。
【0138】次に、図19に示すように、枠体40上の
フレクシャ取付部80に、フレクシャ本体84をボルト
97により締め付け固定する。次いで、フレクシャ本体
84の接続ブロック84aを両側方から挟み込むよう
に、肩パット部材113を装着、仮固定する。これによ
り、レンズ枠体42を組み付けるまでの間に、フレクシ
ャ本体84の各拘束リンク93,94、各駆動リンク9
5,96、各首部89a〜89d及び各薄肉部90a,
90bに対して、不用意に過剰な荷重がかかるの防止す
る。
【0139】ついで、枠体40上にレンズ枠体42を、
そのフレクシャ接合部77が肩パット部材113を装着
したフレクシャ本体84の接続ブロック84a上に接合
するように載置し、ボルト98で仮固定する。この状態
で、枠体40全体を、芯出し装置に搭載して回転させ、
光学素子38の光軸の振れ具合を観察する。その観察結
果に基づいて、前記ボルト98を緩めレンズ枠体42の
位置を調整して、再度ボルト98で仮固定する。そし
て、回転させたときにおける光学素子38の光軸の振れ
がほとんどなくなるまで、この調整をくり返す。光学素
子38の振れがほぼ解消されたら、前記ボルト98を完
全に締め込んで、レンズ枠体42をフレクシャ本体84
を介して枠体40上に固定する。
【0140】そして、前記肩パット部材113を取り外
し、図2及び図3に示すような光学素子保持装置39が
構成される。そして、この状態で再度芯出し装置上で回
転させ、光学素子38の光軸の振れが完全に解消される
ように、芯出し装置のテーブルを平行移動あるいは傾け
る。このときの芯出し装置におけるレンズ枠体42外径
の偏心量、端面の傾き量を記録しておく。これらの情報
を専用のソフトウェアに入力し、これらの偏心量及び傾
き量を打ち消すような姿勢変化を発生させる調整ワッシ
ャ99及び調整ボタン100の組み合わせを計算する。
そして、この計算結果に基づいて、前記調整ワッシャ9
9及び調整ボタン100を選択的に嵌合する。最後に、
もう一度、芯出し装置により全体を回転させ、光学素子
38の光軸の振れを確認する。
【0141】そして、図14に示すように、各光学素子
保持装置39を、その位相が180°ずつずらすように
して積層して鏡筒37の一部を形成する。従って、本実
施形態によれば、以下のような効果を得ることができ
る。
【0142】(イ) この光学素子保持装置39では、
光学素子38を保持するレンズ枠体42と枠体40とが
3つのフレクシャ本体84を介して連結されている。そ
して、そのフレクシャ本体84には、前記光学素子38
の中心を原点とし、その光学素子38の光軸方向をZ
軸、径方向をR軸、周方向をθ軸とした極座標系R−θ
−Z系に沿う3つの変位と、前記3つの座標軸R、θ、
Z周りの回転との6つの運動自由度を与える駆動レバー
85a,85bが設けられている。
【0143】このため、駆動レバー85a,85bに所
定の駆動力が与えられると、フレクシャ本体84の作用
により、光学素子38には、座標軸R、θ、Zの3つの
座標軸に沿う3つの変位と、前記3つの座標軸R、θ、
Z周りの回転との6つの運動自由度が付与される。つま
り、光学素子38が、いわゆるキネマティックに保持さ
れている。これにより、前記光学素子38の姿勢を微妙
に調整することができて、枠体40等に厳密な加工を施
すことなく、光学素子38の位置決めを容易かつ精度よ
く行うことができる。
【0144】(ロ) この光学素子保持装置39では、
3つのフレクシャ本体84は、光学素子38の周りに等
間隔で3つ配置されている。このため、光学素子38の
位置決めを簡単な構成で実現できるとともに、その光学
素子38を安定して保持することができる。
【0145】(ハ) この光学素子保持装置39では、
3つのフレクシャ本体84は、枠体40に固定されるフ
レクシャ固定部91と、光学素子38が保持されるレン
ズ枠体42に接続する接続ブロック84aとを有してい
る。そして、それらフレクシャ固定部91と接続ブロッ
ク84aとを互いに異なる方向(垂直方向と水平方向)
への変位を拘束し、かつその互いに異なる方向のそれぞ
れの周りに回転可能に支持する一対の垂直方向拘束リン
ク93と水平方向拘束リンク94とが設けられている。
【0146】このため、フレクシャ固定部91と各拘束
リンク93,94との協働により、接続ブロック84a
に6つの運動自由度が与えられる。これにより、光学素
子38の位置決めを容易かつ精度よく行うことができ
る。
【0147】(ニ) この光学素子保持装置39では、
フレクシャ本体84に形成されたリンク機構の一方が、
フレクシャ固定部91と接続ブロック84aとを水平方
向への変位を拘束し、かつ水平方向の周りに回転可能に
連結する水平方向拘束リンク94となっている。また、
もう一方は、フレクシャ固定部91と接続ブロック84
aとを垂直方向に沿って拘束し、かつ垂直方向の周りに
回転可能に連結する垂直方向拘束リンク93となってい
る。
【0148】このように、水平方向拘束リンク94と垂
直方向拘束リンク93とから一対のリンク機構を構成す
ることで、そのリンク機構、ひいてはフレクシャ本体8
4の構成の簡素化を図ることができる。
【0149】(ホ) この光学素子保持装置39では、
フレクシャ固定部91と接続ブロック84aと各拘束リ
ンク93,94とを回転ピボットをなす各フレクシャ首
部89a〜89dで連結したことを特徴とするものであ
る。このため、フレクシャ固定部91と接続ブロック8
4aとを連結する各拘束リンク93,94の回転を簡単
な構成で実現できる。
【0150】(ヘ) この光学素子保持装置39では、
水平方向駆動レバー85bに付与される上下方向の駆動
力を、水平方向の駆動力に変換する第2薄肉部90bと
第2フレクシャ首部89bとからなる変換機構が設けら
れている。
【0151】このため、水平方向への駆動力も垂直方向
の駆動力を変換することで得られるため、フレクシャ本
体84における設計の自由度を増すことができる。ま
た、フレクシャ本体84の外部において付与された上下
方向の駆動力により光学素子38が水平方向に変位され
る。このため、例えば光学素子38がレンズ枠体42の
内部に収容されるような場合において、特に有用であ
る。
【0152】(ト) この光学素子保持装置39では、
垂直方向駆動レバー85aに付与される上下方向の駆動
力を、上下方向の駆動力に変換する第1薄肉部90aと
第1フレクシャ首部89aとからなる変換機構が設けら
れている。
【0153】このため、フレクシャ本体84の外部にお
いて付与された上下方向の駆動力により光学素子38が
上下方向に変位される。このため、例えば光学素子38
がレンズ枠体42の内部に収容されるような場合におい
て、特に有用である。
【0154】(チ) この光学素子保持装置39では、
フレクシャ本体84のそれぞれは、フレクシャ固定部9
1と接続ブロック84aと各拘束リンク93,94とが
単一部材で形成されている。そして、それら各拘束リン
ク93,94は、一対の矩形貫通孔88aとその矩形貫
通孔88aの間の首部で連結されている。このため、リ
ンク機構を構成するあたって、部品点数の増大を招くこ
となく、しかも簡単な構成で実現することができる。
【0155】(リ) この光学素子保持装置39では、
駆動力が付与される垂直方向駆動レバー85a側の第1
薄肉部90aと、その駆動力を光学素子38に対する上
下方向への駆動力に変換するために用いられる第1フレ
クシャ首部89aとが光学素子38に対する水平方向に
おける同一面内に配置されている。
【0156】このように、第1薄肉部90aと第1フレ
クシャ首部89aとを水平方向の同一平面上に配置する
ことで、垂直方向駆動レバー85aに付与された駆動力
により第1フレクシャ首部89aの部分に回転モーメン
トが生じるのが抑制される。これにより、垂直方向駆動
レバー85aに付与される駆動力を、正確に光学素子3
8に対する上下方向への駆動力に変換することができ
る。
【0157】(ヌ) この光学素子保持装置39では、
水平方向駆動レバー85b側の第2薄肉部90bと、接
続ブロック84a側の第2フレクシャ首部89bとが、
光学素子38の上下方向における同一面内に配置されて
いる。
【0158】このように、第2薄肉部90bと第2フレ
クシャ首部89bとを上下方向の同一平面上に配置する
ことで、水平方向駆動レバー85bに付与された駆動力
により第2フレクシャ首部89bの部分に回転モーメン
トが生じるのが抑制される。これにより、水平方向駆動
レバー85bに付与される駆動力が、正確に光学素子3
8に対する水平方向への駆動力に変換される。
【0159】(ル) この光学素子保持装置39では、
各駆動レバー85a,85bがその先端に付与された駆
動力を所定の割合で低減してフレクシャ本体84のリン
ク機構に伝達するようになっている。このため、フレク
シャ本体84の各リンク93〜96を介して光学素子3
8を容易に微小変位させることができる。また、駆動力
の低減率に応じて、光学素子38における微小変位を正
確にな制御することができる。
【0160】(ヲ) この光学素子保持装置39では、
各駆動レバー85a,85bに付与される駆動力を設定
する調整ワッシャ99及び調整ボタン100が設けられ
ている。このため、各駆動レバー85a,85bに付与
される駆動力が不用意に変動することがなく、より正確
に光学素子38の位置制御を行うことができる。
【0161】(ワ) この光学素子保持装置39では、
調整ワッシャ99及び調整ボタン100は、各駆動レバ
ー85a,85bと枠体40との間に配置され、その間
の間隔を調整することによって、任意の駆動力を設定す
るようになっている。このため、簡単な構成で前記
(ヲ)に記載の効果を実現することができる。
【0162】(カ) この光学素子保持装置39では、
1つのフレクシャ本体84において2つの駆動レバー8
5a,85bを備えている。そして、一方の水平方向駆
動レバー85bの操作によって光学素子38がその接線
方向へ変位し、他方の垂直方向駆動レバー85aの操作
によって光学素子38が光軸方向に変位するようになっ
ている。
【0163】このため、2つの駆動レバー85a,85
bの操作によって光学素子38の姿勢を容易かつより正
確に制御することができる。しかも、その変位方向を一
方が光学素子38の接線方向、他方が光学素子38の光
軸方向とすることで、機構の簡素化を図ることができ
て、設計が容易となる。
【0164】(ヨ) この光学素子保持装置39では、
フレクシャ本体84が、光学素子38のフランジ部38
aに係合する座面ブロック50aの間に配置されてい
る。このため、光学素子保持装置39の全体構成を小型
化することができる。
【0165】(タ) この光学素子保持装置39では、
フレクシャ本体84の各拘束リンク93,94の両端に
配置される前記回転ピボットが、その両側に連結される
部分に対して断面積の小さな各フレクシャ首部89a〜
89dからなっている。すなわち、これら各フレクシャ
首部89a〜89dは、単一部材に形成された2つの剛
体間に形成される切欠ばねからなっている。このため、
各フレクシャ首部89a〜89dの弾性変形力を利用し
て、フレクシャ固定部91と接続ブロック84aと各拘
束リンク93,94とを、簡単な構成で、しかも一体の
部材でもって互いに回転可能に形成することができる。
しかも、フレクシャ部材41は一体の部材からなるた
め、そのフレクシャ部材41を枠体40とレンズ枠体4
2との間に容易に組み付けることができる。
【0166】(レ) この光学素子保持装置39では、
各駆動レバー85a,85bを枠体40側に付勢する復
帰ばね103が設けられている。そして、その復帰ばね
103の付勢力によって、各駆動レバー85a,85b
を調整ボタン100に当接させることで、各駆動レバー
85a,85bに付与される駆動力を設定するようにな
っている。このため、各駆動レバー85a,85bに付
与される駆動力が、調整ワッシャ99及び調整ボタン1
00の絶対的な厚みにより設定される。これに対して、
例えばネジ等により前記駆動力を設定する場合では、ネ
ジの締め込み量を厳密に制御するのは困難である。従っ
て、前記駆動力の設定に過不足を生じにくく、その駆動
力の設定をより正確に行うことができる。
【0167】(ソ) この光学素子保持装置39では、
枠体40上においてフレクシャ本体84が等角度間隔で
配置されている。そして、フレクシャ本体84の間に、
その枠体40に重合配置される他の光学素子保持装置3
9のフレクシャ本体84に対応するフレクシャ収容凹部
81が設けられている。このため、フレクシャ収容凹部
81内に隣接配置される他の光学素子保持装置39のフ
レクシャ本体84を収容することができて、複数の光学
素子保持装置39を重合配置させる際に、その全体を小
型化することができる。
【0168】(ツ) この光学素子保持装置39では、
フレクシャ収容凹部81が、フレクシャ本体84とは1
80°分だけ位相をずらした位置に対応するように設け
られている。このため、複数の光学素子保持装置39を
180°分だけ位相をずらして、その一部を重ね合わせ
て配置することができ、全体をより小型化することがで
きる。
【0169】(ネ) この光学素子保持装置39では、
枠体40の端面に、他の光学素子保持装置39の枠体4
0との重合面40aが定義されている。この重合面40
aの間に間隔調整用のスペーサを配置して、光学素子保
持装置39の互いの位置を調整することができる。すな
わち、間隔調整用のスペーサで、光学素子保持装置39
が保持する光学素子38の位置を粗調整することができ
る。その後、光学素子保持装置39の各駆動レバー85
a,85bを駆動するとともに、調整ワッシャ99及び
調整ボタン100の厚みを変更することにより、光学素
子38を目的とする位置まで変位させることができる。
なお、この間隔調整スペーサは、重合面40aと略同一
形状のリング状のスペーサであってもよく、重合面40
aの複数箇所に配置される分割されたスペーサ(例えば
ワッシャ等)であってもよい。
【0170】(ナ) この鏡筒37では、複数の光学素
子38が上記の光学素子保持装置39を介して保持され
ている。このため、内部の光学素子38がより正確に位
置決めされており、鏡筒37全体の結像性能の向上を図
ることができる。
【0171】(ラ) この露光装置31では、投影光学
系35がその内部に光学素子38を光学素子保持装置3
9により保持した鏡筒37で構成されている。このた
め、投影光学系35の結像性能が向上されて、露光精度
の向上を図ることができる。
【0172】(ム) この露光装置31では、フレクシ
ャ部材を41を駆動する駆動レバー85a,85bが、
光学素子38を支持するレンズ枠体42と、枠体40と
の間に配置されている。このため、駆動レバー85a,
85bを作動させることで、光学素子38を前記6つの
運動自由度をもって変位させることが可能になる。従っ
て、枠体40やレンズ枠体42等を厳密に加工すること
なく、光学素子38の位置決めを容易かつ精度よく行う
ことができる。
【0173】(ウ) この露光装置31では、3つのフ
レクシャ部材41が、それぞれ所定の長さの剛体をなす
第1拘束ブロック93a及び第2拘束ブロック94aを
有している。そして、レンズ枠体42が、全体では6本
の剛体を介して枠体40上に支持されている。しかも、
各剛体は、前記6つの運動自由度を有しているため、前
記枠体40に対してみそすり運動(歳差運動)可能なも
のとなる。このため、前記レンズ枠体42に支持される
光学素子38を、簡単な構成でもって、その中心を原点
とし、径方向をR、周方向をθ、光軸方向をZとする3
つの座標軸系R−θ−Z系においてキネマティックに支
持することができる。
【0174】(ヰ) この露光装置31では、フレクシ
ャ部材41が、レンズ枠体42と枠体40との間の距離
を調整する位置調整機構108を有している。このた
め、レンズ枠体42と枠体40との間の距離を調整する
ことにより、光学素子38の変位の範囲を拡大すること
ができる。そして、これを、投影光学系35の残存収差
の補正に利用することで、投影光学系35の結像特性が
大きく向上し、露光装置31の露光精度を向上させるこ
とができる。
【0175】(ノ) この露光装置31では、3つのフ
レクシャ部材41のフレクシャ本体84に取り付けられ
た駆動レバー85a,85bを変位させることにより、
そのフレクシャ本体84を変位させる。そして、このフ
レクシャ本体84の変位により、光学素子38の位置決
めをなすようになっている。このように、光学素子38
の変位はフレクシャ部材41を介して行うこととなり、
前記光学素子38に予想外のひずみが生じたりするのが
抑制される。従って、光学素子38の精度を保ちつつ、
その光学素子38をより正確に変位させることができ
る。
【0176】(オ) ある物体を所定の固定部に対して
6本の剛体を介しキネマティックに保持したとき、その
6本の剛体の延長線のうち3本以上が同一点で交わる
と、キネマティックの特異点が生じる。この特異点で
は、前記物体の保持が不安定となり、その物体の正確な
位置決めが困難となる。これに対して、この露光装置3
1では、各フレクシャ部材41の剛体をなす各拘束ブロ
ック93a,94aにおける両端のフレクシャ首部89
a〜89dを結ぶ6本の直線を仮定したときに、3本以
上の直線が同一点で交わらないようになっている。この
ため、キネマティックの特異点が生じることがなく、光
学素子38の位置決めをより確実に行うことができる。
【0177】(第2実施形態)次に、本発明の光学素子
保持装置の第2実施形態について、前記第1実施形態と
は異なる部分を中心に、図20〜図22に基づいて説明
する。
【0178】図20は、この第2実施形態の光学素子保
持装置121を模式的に示した斜視図である。図20に
示すように、この光学素子保持装置で121では、光学
素子38を保持するレンズ枠体122がそれぞれ独立し
た6本(図中には5本を記載)の剛体123を介して枠
体124上に保持されている。
【0179】図21は前記剛体123を示す断面図であ
り、図22はその図21における22−22線での断面
図となっている。図21及び図22に示すように、剛体
123は金属製の四角柱で形成されており、その両端の
近傍には前記第1実施形態のフレクシャ首部89a〜8
9dと同様な構成の回転ピボット125が切り欠き形成
されている。そして、前記各剛体123は、その一端が
直接前記枠体124に固定され、他端が取り付け部材1
26を介して前記レンズ枠体122に固定されている。
なお、この6本の剛体123も、各剛体123の両端の
回転ピボット125を結ぶ6本の直線を仮定したとき、
3本以上の直線が同一点で交わらないように配置されて
いる。
【0180】このように構成された第2実施形態によれ
ば、前記第1実施形態に記載の(イ)、(ホ)、
(チ)、(ラ)、(ウ)及び(オ)の効果とほぼ同様の
効果に加えて、次の効果を得ることができる。
【0181】(第3実施形態)次に、本発明の光学素子
保持装置の第3実施形態について、前記各実施形態とは
異なる部分を中心に説明する。図23に模式的に示すよ
うに、この第3実施形態の光学素子保持装置131は、
前記第2実施形態の光学素子保持装置121のレンズ枠
体122が省略されたものとなっている。そして、剛体
123の一方の端部には、座面ブロック支持機構や、ク
ランプ部材が取着され、光学素子38を直接挟持するよ
うになっている。
【0182】このようにしても、前記第2実施形態の光
学素子保持装置121とほぼ同様の効果が得られる。ま
た、レンズ枠体122に設けられた座面ブロック支持機
構や、クランプ部材に限らず、他の機構で光学素子38
をレンズ枠体122に保持してもよい。
【0183】(第4実施形態)次に、本発明の光学素子
保持装置の第4実施形態について、前記各実施形態とは
異なる部分を中心に説明する。
【0184】図24は、この第4実施形態の光学素子保
持装置136を模式的に示した斜視図である。図24に
示すように、この光学素子保持装置で136は、前記第
1実施形態の光学素子保持装置39において、位置調整
機構108が省略されたものである。具体的には、前記
第1実施形態の光学素子保持装置39において、垂直方
向駆動レバー85a及び水平方向駆動レバー85bと、
さらに両駆動レバー85a,85bの変位を調整する調
整ワッシャ99及び調整ボタン100と、それらの周辺
構成が省略されたものとなっている。
【0185】このように構成しても、光学素子38をレ
ンズ枠体42に載置したときに、フレクシャ部材41の
作用により、前記極座標系R−θ−Z系に沿う3つの移
動と、前記3つの座標軸R、θ、Z周りの回転との6つ
の運動自由度が確保される。従って、光学素子38をキ
ネマティックに前記枠体40上に保持することができ
て、光学素子38の位置調整の範囲が小さくなるもの
の、前記第1実施形態の光学素子保持装置39とほぼ同
様の効果が得られる。
【0186】(第5実施形態)次に、本発明の光学素子
保持装置の第5実施形態について、前記各実施形態とは
異なる部分を中心に説明する。
【0187】図25は、この第5実施形態の光学素子保
持装置141を模式的に示した斜視図である。図25に
示すように、この光学素子保持装置で141では、前記
第2実施形態の光学素子保持装置121において、剛体
142の形状が変更されているとともに、各剛体142
の途中に距離調整機構をなす長さ調整機構143が配設
されたものとなっている。また、各剛体142は、2本
ずつ、その一端側の回転ピボット144が非常に近接配
置され、2本の剛体142が1つの回転ピボットをほぼ
共有するようになっている。
【0188】図26は1本の前記剛体142を示す断面
図であり、図27は図26における27−27線での断
面図となっている。図26及び図27に示すように、剛
体142は金属製の円柱で形成されており、その両端の
近傍には断面略U字状の環状溝からなる回転ピボット1
44が切り欠き形成されている。この回転ピボット14
4は、前記第1実施形態のフレクシャ首部89a〜89
dと同様な作用を奏する。この回転ピボット144のご
く近傍に、他の剛体142の回転ピボット144が接続
されている。そして、前記各剛体142は、その一端が
固定部としての前記枠体124に直接固定され、他端が
取り付け部材126を介して前記レンズ枠体122に固
定されている。
【0189】前記長さ調整機構143は、例えばピエゾ
素子からなり、露光装置31全体の動作を制御する制御
装置としての主制御装置145に接続されている。この
主制御装置145では、前記露光装置31の投影光学系
35の像面上に形成された前記レチクルRt上のパター
ンの像に基づいて、前記投影光学系35の収差情報が検
出されるようになっている。また、この主制御装置14
5には、前記長さ調整装置143から自身の伸長長さの
情報が入力され、この主制御装置145において、各長
さ調整機構143からの伸長長さの情報から前記レンズ
枠体122と枠体124との距離が求められるようにな
っている。そして、主制御装置145は、前記収差情報
と、前記レンズ枠体122と枠体124との距離とに基
づいて、前記各長さ調整機構143の伸長長さを制御す
るようになっている。これにより、前記レンズ枠体12
2と枠体124との距離が調整され、前記投影光学系3
5の収差を補正される。
【0190】このように構成された第5実施形態によれ
ば、前記第1実施形態に記載の(イ)、(ホ)、
(チ)、(ラ)、(ウ)及び(オ)の効果とほぼ同様の
効果に加えて、次の効果を得ることができる。
【0191】(ヤ) この光学素子保持装置141で
は、主制御装置145がレンズ枠体122と枠体124
との間の距離を検出するようになっている。そして、主
制御装置145は、その検出結果と投影光学系35の像
面側に形成されたパターンの像に含まれる収差情報とに
基づいて、前記レンズ枠体122と前記枠体124との
距離を調整すべく、長さ調整機構143の状態を制御す
るようになっている。
【0192】このため、投影光学系35に残存する収差
をより正確に補正することができて、露光精度を一層向
上させることができる。しかも、長さ調整機構143に
ピエゾ素子を採用することで、前記レンズ枠体122と
前記枠体124との距離を調整を電気的にリアルタイム
で行うことができ、投影光学系35の収差をその投影光
学系35の状態変化に追従させつつ補正することができ
る。
【0193】(ク) この光学素子保持装置141で
は、レンズ枠体122と枠体124との距離を、長さ調
整機構143により、それらを接続する剛体142の長
さを調整することにより行っている。このようにすれ
ば、簡単な構成で、前記レンズ枠体122と前記枠体1
24ととの間の距離を調整できて、光学素子38の上下
変位及びチルト変位の範囲を拡大することができる。
【0194】(変形例)なお、本発明の実施形態は、以
下のように変形してもよい。 ・ 前記第1実施形態では、調整ワッシャ99及び調整
ボタン100を選択的に嵌合させることで各駆動レバー
85a,85bに付与される駆動力を設定するように構
成した。これに対して、例えばピエゾ等のアクチュエー
タを用いて、各駆動レバー85a,85bに付与される
駆動力を設定するようにしてもよい。また、レンズ枠体
42の位置を常時検出するようなセンサを設けて、リア
ルタイムに光学素子38の姿勢を制御するようにしても
よい。
【0195】・ 前記第1実施形態では、押さえ面ブロ
ック63がパッド部材47を介して、光学素子38のフ
ランジ部38aを押圧するように構成した。これに対し
て、パッド部材47を省略して、押さえ面ブロック63
が直接フランジ部38aを押圧するようにしてもよい。
この場合、押さえ面ブロック63の押さえ面65は、座
面49と同様に平面状に形成することが望ましい。
【0196】・ 前記第1実施形態では、座面49を座
面ブロック50aにおける光学素子38との対向面の両
端に2つ設けたが、その対向面のほぼ全面に座面を形成
してもよいし、3つ以上の座面を形成してもよい。押さ
え面ブロック63の押さえ面65も、同様に、その対向
面のほぼ全面に形成してもよいし、3つ以上を形成して
もよい。このように、座面49を前記対向面の全面にわ
たって形成することで、例えば蛍石等の、さらに破壊強
度の小さな硝材を保持が可能となる。
【0197】・ 前記第1実施形態の押さえ面ブロック
支持機構64では、長く延長された腕部66の弾性作用
で、押さえ面ブロック63を付勢するようになってい
る。これに対して、この腕部66に代えて、例えば板状
の板バネ、コイルバネ等を採用して押さえ面ブロック6
3を付勢するようにしてもよい。
【0198】・ 前記各実施形態では、光学素子38と
してレンズが例示されているが、この光学素子38は平
行平板、ミラー、ハーフミラー等の他の光学素子であっ
てもよい。
【0199】・ この発明の光学素子保持装置39は、
前記各実施形態の露光装置31の投影光学系35におけ
る横置きタイプの光学素子38の保持構成に限定される
ことなく、例えば露光装置31の照明光学系33におけ
る光学素子の保持構成、縦置きタイプの光学素子38の
保持構成に具体化してもよい。さらに、他の光学機械、
例えば顕微鏡、干渉計等の光学系における光学素子の保
持構成に具体化してもよい。加えて、この発明の保持装
置は、例えばウエハステージ等の位置決め機能を持った
ステージ、鏡筒37の露光装置31の架台に対する保持
装置等に具体化してもよい。
【0200】以上のようにした場合でも、前記実施形態
における効果とほぼ同様の効果が得られる。 ・ また、露光装置として、投影光学系を用いることな
く、マスクと基板とを密接させてマスクのパターンを露
光するコンタクト露光装置、マスクと基板とを近接させ
てマスクのパターンを露光するプロキシミティ露光装置
の光学系にも適用することができる。また、投影光学系
としては、全屈折タイプに限らず、反射屈折タイプであ
ってもよい。
【0201】さらに、本発明の露光装置は、縮小露光型
の露光装置に限定されるものではなく、例えば等倍露光
型、拡大露光型の露光装置であってもよい。また、半導
体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装
置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装
置などで使用されるレチクルまたはマスクを製造するた
めに、マザーレチクルからガラス基板やシリコンウエハ
などへ回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適
用できる。ここで、DUV(深紫外)やVUV(真空紫
外)光などを用いる露光装置では一般に透過型レチクル
が用いられ、レチクル基板としては、石英ガラス、フッ
素がドープされた石英ガラス、蛍石、フッ化マグネシウ
ム、または水晶などが用いられる。また、プロキシミテ
ィ方式のX線露光装置や電子線露光装置などでは、透過
型マスク(ステンシルマスク、メンバレンマスク)が用
いられ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが用い
られる。
【0202】もちろん、半導体素子の製造に用いられる
露光装置だけでなく、液晶表示素子(LCD)などを含
むディスプレイの製造に用いられてデバイスパターンを
ガラスプレート上へ転写する露光装置、薄膜磁気ヘッド
等の製造に用いられて、デバイスパターンをセラミック
ウエハ等へ転写する露光装置、及びCCD等の撮像素子
の製造に用いられる露光装置などにも本発明を適用する
ことができる。
【0203】さらに、本発明は、マスクと基板とが相対
移動した状態でマスクのパターンを基板へ転写し、基板
を順次ステップ移動させるスキャニング・ステッパ、マ
スクと基板とが静止した状態でマスクのパターンを基板
へ転写し、基板を順次ステップ移動させるステップ・ア
ンド・リピート方式のステッパとを問わず適用すること
ができる。
【0204】・ また、露光装置の光源としては、例え
ばg線(436nm)、i線(365nm)、KrFエ
キシマレーザ(248nm)、F2レーザ(157n
m)、Kr2レーザ(146nm)、Ar2レーザ(12
6nm)等を用いてもよい。また、DFB半導体レーザ
またはファイバレーザから発振される赤外域、または可
視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(または
エルビウムとイッテルビウムの双方)がドープされたフ
ァイバアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光
に波長変換した高調波を用いてもよい。
【0205】なお、前記実施形態の露光装置31は、例
えば次のように製造される。すなわち、まず、照明光学
系33、投影光学系35を構成する複数のレンズまたは
ミラー等の光学素子38の少なくとも一部を前記各実施
形態または前記各変形例の実施形態の光学素子保持装置
39で保持し、この照明光学系33及び投影光学系35
を露光装置31の本体に組み込み、光学調整を行う。次
いで、多数の機械部品からなるウエハステージ36(ス
キャンタイプの露光装置の場合は、レチクルステージ3
4も含む)を露光装置31の本体に取り付けて配線を接
続する。そして、露光光ELの光路内にガスを供給する
ガス供給配管を接続した上で、さらに総合調整(電気調
整、動作確認など)を行う。
【0206】ここで、光学素子保持装置39を構成する
各部品は、超音波洗浄などにより、加工油や、金属物質
などの不純物を落としたうえで、組み上げられる。な
お、露光装置31の製造は、温度、湿度や気圧が制御さ
れ、かつクリーン度が調整されたクリーンルーム内で行
うことが望ましい。
【0207】前記実施形態における硝材として、蛍石、
石英などを例に説明したが、フッ化リチウム、フッ化マ
グネシウム、フッ化ストロンチウム、リチウム−カルシ
ウム−アルミニウム−フロオライド、及びリチウム−ス
トロンチウム−アルミニウム−フロオライド等の結晶
や、ジルコニウム−バリウム−ランタン−アルミニウム
からなるフッ化ガラスや、フッ素をドープした石英ガラ
ス、フッ素に加えて水素もドープされた石英ガラス、O
H基を含有させた石英ガラス、フッ素に加えてOH基を
含有した石英ガラス等の改良石英を用いた場合にも、前
記実施形態の光学素子保持装置39を適用することがで
きる。
【0208】次に、上述した露光装置31をリソグラフ
ィ工程で使用したデバイスの製造方法の実施形態につい
て説明する。図28は、デバイス(ICやLSI等の半
導体素子、液晶表示素子、撮像素子(CCD等)、薄膜
磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャ
ートを示す図である。図28に示すように、まず、ステ
ップS151(設計ステップ)において、デバイス(マ
イクロデバイス)の機能・性能設計(例えば、半導体デ
バイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するため
のパターン設計を行う。引き続き、ステップS152
(マスク製作ステップ)において、設計した回路パター
ンを形成したマスク(レクチルRt等)を製作する。一
方、ステップS153(基板製造ステップ)において、
シリコン、ガラスプレート等の材料を用いて基板(シリ
コン材料を用いた場合にはウエハWとなる。)を製造す
る。
【0209】次に、ステップS154(基板処理ステッ
プ)において、ステップS151〜S153で用意した
マスクと基板を使用して、後述するように、リソグラフ
ィ技術等によって基板上に実際の回路等を形成する。次
いで、ステップS155(デバイス組立ステップ)にお
いて、ステップS154で処理された基板を用いてデバ
イス組立を行う。このステップS155には、ダイシン
グ工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程
(チップ封入等)等の工程が必要に応じて含まれる。
【0210】最後に、ステップS156(検査ステッ
プ)において、ステップS155で作製されたデバイス
の動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こう
した工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷され
る。
【0211】図29は、半導体デバイスの場合におけ
る、図28のステップS154の詳細なフローの一例を
示す図である。図20において、ステップS161(酸
化ステップ)では、ウエハWの表面を酸化させる。ステ
ップS162(CVDステップ)では、ウエハW表面に
絶縁膜を形成する。ステップS163(電極形成ステッ
プ)では、ウエハW上に電極を蒸着によって形成する。
ステップS164(イオン打込みステップ)では、ウエ
ハWにイオンを打ち込む。以上のステップS161〜S
164のそれぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程
を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選
択されて実行される。
【0212】ウエハプロセスの各段階において、上述の
前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程
が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS
165(レジスト形成ステップ)において、ウエハWに
感光剤を塗布する。引き続き、ステップS166(露光
ステップ)において、先に説明したリソグラフィシステ
ム(露光装置31)によってマスク(レチクルRt)の
回路パターンをウエハW上に転写する。次に、ステップ
S167(現像ステップ)では露光されたウエハWを現
像し、ステップS168(エッチングステップ)におい
て、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材
をエッチングにより取り去る。そして、ステップS16
9(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済
んで不要となったレジストを取り除く。
【0213】これらの前処理工程と後処理工程とを繰り
返し行うことによって、ウエハW上に多重に回路パター
ンが形成される。以上説明した本実施形態のデバイス製
造方法を用いれば、露光工程(ステップS166)にお
いて上記の露光装置31が用いられ、真空紫外域の露光
光ELにより解像力の向上が可能となり、しかも露光量
制御を高精度に行うことができる。従って、結果的に最
小線幅が0.1μm程度の高集積度のデバイスを歩留ま
りよく生産することができる。
【0214】
【発明の効果】以上詳述したように、本願請求項1に記
載の発明によれば、厳密な加工を施すことなく、被保持
部材の姿勢を微妙に調整することができて、被保持部材
の位置決めを容易かつ精度よく行うことができる。
【0215】また、本願請求項2に記載の発明によれ
ば、前記請求項1に記載の発明の効果に加えて、支持部
材と固定部とをともに厳密に加工することなく、被保持
部材の位置決めを容易かつ精度よく行うことができる。
【0216】また、本願請求項3に記載の発明によれ
ば、前記請求項2に記載の発明の効果に加えて、簡単な
構成でもって、支持部材により支持される被保持部材
を、簡単な構成でキネマティックに保持することができ
る。
【0217】また、本願請求項4に記載の発明によれ
ば、前記請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載
の発明の効果に加えて、被保持部材の変位の範囲を拡大
することができる。
【0218】また、本願請求項5に記載の発明によれ
ば、前記請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載
の発明の作用に加えて、被保持部材を特定の方向に変位
させることができる。
【0219】また、本願請求項6に記載の発明によれ
ば、前記請求項1に記載の発明の効果に加えて、被保持
部材の精度を保ちつつ、その被保持部材を変位させるこ
とができる。
【0220】また、本願請求項7に記載の発明によれ
ば、前記請求項6に記載の発明の効果に加えて、被保持
部材の位置決めを簡単な構成で実現できるとともに、被
保持部材を安定して保持することができる。
【0221】また、本願請求項8に記載の発明によれ
ば、前記請求項6または請求項7に記載の発明の効果に
加えて、固定基部と一対のリンク機構との協働により、
接続ブロックに前記少なくとも5つの運動自由度を与え
ることができる。特に、請求項2に記載の発明の下で
は、被保持部材を、いわゆるキネマティックに保持する
ことができる。
【0222】また、本願請求項9に記載の発明によれ
ば、前記請求項8に記載の発明の効果に加えて、リンク
機構の構成の簡素化を図ることができる。また、本願請
求項10に記載の発明によれば、前記請求項8または請
求項9に記載の発明の効果に加えて、固定基部と接続ブ
ロックとを連結する一対のリンク機構の回転を簡単な構
成で実現できる。
【0223】また、本願請求項11に記載の発明によれ
ば、前記請求項8〜請求項10のうちいずれか一項に記
載の発明の効果に加えて、設計の自由度を増すことがで
きる。
【0224】また、本願請求項12及び請求項13に記
載の発明によれば、前記請求項11に記載の発明の効果
に加えて、例えば被保持部材が枠体の内部に収容される
ような場合において、特に有用である。
【0225】また、本願請求項14に記載の発明によれ
ば、部品点数の増大を招くことなく、しかも簡単な構成
で、前記請求項8〜請求項13のうちいずれか一項に記
載の発明の効果を実現可能できる。
【0226】また、本願請求項15に記載の発明によれ
ば、前記請求項14に記載の発明の効果に加えて、駆動
機構に付与される駆動力を、正確に被保持部材に対する
上下方向への駆動力に変換することができる。
【0227】また、本願請求項16に記載の発明によれ
ば、前記請求項15に記載の発明の効果に加えて、駆動
機構に付与される駆動力を、正確に被保持部材に対する
水平方向への駆動力に変換することができる。
【0228】また、本願請求項17に記載の発明によれ
ば、前記請求項6〜請求項16のうちいずれか一項に記
載の発明の効果に加えて、フレクシャ部材と変位部材と
を離隔させることができて、設計の自由度を向上するこ
とができる。
【0229】また、本願請求項18に記載の発明によれ
ば、前記請求項17に記載の発明の効果に加えて、フレ
クシャ部材を介して被保持部材を容易かつ正確に微小変
位させることができる。
【0230】また、本願請求項19に記載の発明によれ
ば、前記請求項17または請求項18に記載の発明の効
果に加えて、より正確な被保持部材の位置制御を行うこ
とができる。
【0231】また、本願請求項20に記載の発明によれ
ば、簡単な構成で、前記請求項19に記載の発明の効果
を実現できる。また、本願請求項21に記載の発明によ
れば、2つの操作部の操作によって光学素子の姿勢を容
易かつより正確に制御することができる。
【0232】また、本願請求項22に記載の発明によれ
ば、前記請求項21に記載の発明の効果に加えて、機構
の簡素化を図ることができて、設計を容易に行うことが
できる。
【0233】また、本願請求項23に記載の発明によれ
ば、光学素子保持装置において、前記請求項1〜請求項
20に記載の発明の優れた効果を実現することができ
る。また、本願請求項24に記載の発明によれば、前記
請求項21〜請求項23のうちいずれか一項に記載の発
明の効果に加えて、光学素子保持装置の全体構成を小型
化することができる。
【0234】また、本願請求項25及び請求項26に記
載の発明によれば、内部の光学素子をより正確に位置決
めすることができ、鏡筒全体の結像性能の向上を図るこ
とができる。
【0235】また、本願請求項27に記載の発明によれ
ば、投影光学系の結像性能を向上させることができて、
露光精度の向上を図ることができる。また、本願請求項
28に記載の発明によれば、前記請求項27に記載の発
明の効果に加えて、投影光学系に残存または発生する収
差をより正確に補正することができて、露光精度を一層
向上させることができる。
【0236】また、本願請求項29に記載の発明によれ
ば、露光精度を向上することができて、高集積度のデバ
イスを歩留まりよく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の露光装置の概要を示
す構成図。
【図2】 本発明の第1実施形態の光学素子保持装置を
示す斜視図。
【図3】 図2の光学素子保持装置の平面図。
【図4】 図2の光学素子保持装置の側面図。
【図5】 図3の5−5線断面図。
【図6】 図2のレンズ枠体を示す部分拡大斜視図。
【図7】 図2の保持部を示す部分拡大斜視図。
【図8】 図2の枠体を示す斜視図。
【図9】 図2のフレクシャ本体の周辺構成を示す部分
拡大平面図。
【図10】 図2のフレクシャ本体の周辺構成を示す部
分拡大側面図。
【図11】 図10のフレクシャ本体を中心に示す部分
拡大側面図。
【図12】 図9の12−12線断面図。
【図13】 図9の13−13線断面図。
【図14】 図2の光学素子保持装置を積層状態で示す
斜視図。
【図15】 図2の光学素子保持装置を模式的に示す説
明図。
【図16】 図2の1つのフレクシャ部材の動作を模式
的に示す説明図。
【図17】 光学素子の平行移動に関する説明図。
【図18】 図2のレンズ枠体の基台部材の取付に関す
る部分斜視図。
【図19】 図2の枠体のフレクシャ本体の取付に関す
る部分斜視図。
【図20】 第2実施形態の光学素子保持装置を模式的
に示す説明図。
【図21】 図20の剛体を示す断面図。
【図22】 図21の22−22線断面図。
【図23】 第3実施形態の光学素子保持装置を模式的
に示す説明図。
【図24】 第4実施形態の光学素子保持装置を模式的
に示す説明図。
【図25】 第5実施形態の光学素子保持装置を模式的
に示す説明図。
【図26】 図25の剛体を示す断面図。
【図27】 図26の27−27線断面図。
【図28】 デバイスの製造例のフローチャート。
【図29】 半導体デバイスの場合における図28の基
板処理に関する詳細なフローチャート。
【図30】 従来構成の光学素子保持装置を示す分解斜
視図。
【図31】 図30の光学素子保持装置の断面図。
【符号の説明】
31…露光装置、35…投影光学系、37…鏡筒、37
a…鏡筒モジュール、38…被保持部材としての光学素
子、38a…周縁部をなすフランジ部、39,121,
131,136,141…光学素子保持装置、40,1
24…固定部としての枠体、41…フレクシャ部材、4
2,122…保持部としてのレンズ枠体、43…支持部
材、49…座面、50…座面ブロック、84a…接続ブ
ロック、85a…変位部材及び伝達部をなす垂直方向駆
動レバー、85b…変位部材及び伝達部をなす水平方向
駆動レバー、88a…貫通孔としての矩形貫通孔、89
a…回転ピボット及び第2切欠ばねをなす第1フレクシ
ャ首部、89b…回転ピボット及び第3切欠ばねをなす
第2フレクシャ首部、89c…回転ピボット及び切欠ば
ねをなす第3フレクシャ首部、89d…回転ピボット及
び切欠ばねをなす第4フレクシャ首部、90a…変換機
構及び第1切欠ばねとしての第1薄肉部、90b…変換
機構及び第1切欠ばねとしての第2薄肉部、91…固定
基部としてのフレクシャ固定部、93…交差方向拘束リ
ンクとしての垂直方向拘束リンク、93a…剛体をなす
第1拘束ブロック、94…水平方向拘束リンク、94a
…剛体をなす第2拘束ブロック、99…変位量設定部材
としての調整ワッシャ、100…変位量設定部材として
の調整ボタン、102…操作部をなすリフトレバー、1
06a,106b,123,142…剛体、107a〜
107d,125,144…回転ピボット、108…駆
動機構及び距離調整機構をなす位置調整機構、143…
駆動機構及び距離調整機構をなす長さ調整機構、145
…制御機構としての主制御装置、Rt…マスクとしての
レチクル、W…基板としてのウエハ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/027 H01L 21/30 515D

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被保持部材を保持する保持部を備える保
    持装置において、 前記保持部は、前記被保持部材の略中心を原点とした互
    いに交差する3つの座標軸に沿う3つの移動と、前記3
    つの座標軸のうち少なくとも2つの座標軸周りに回転す
    る2つの回転とを前記被保持部材に与える駆動機構とを
    有することを特徴とする保持装置。
  2. 【請求項2】 前記保持部は、前記被保持部材を支持す
    る支持部材と、前記保持部が取り付けられる固定部とを
    有し、 前記駆動機構は、前記支持部材と、前記固定部との間に
    配置されることを特徴とする請求項1に記載の保持装
    置。
  3. 【請求項3】 前記駆動機構は、所定の長さを有する6
    本の剛体で構成されることを特徴とする請求項2に記載
    の保持装置。
  4. 【請求項4】 前記駆動機構は、前記支持部材と前記固
    定部との間の距離を調整する距離調整機構を有すること
    を特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に
    記載の保持装置。
  5. 【請求項5】 前記距離調整機構は、前記6本の剛体の
    うち特定の剛体の長さを調整する長さ調整機構を有する
    ことを特徴とする請求項4に記載の保持装置。
  6. 【請求項6】 前記駆動機構は、前記被保持部材に取り
    付けられる複数のフレクシャ部材と、前記複数のフレク
    シャ部材のうち、少なくとも一つのフレクシャ部材に取
    り付けられ、前記3つの移動と前記2つの回転とを前記
    被保持部材に与えるために、前記フレクシャ部材を変位
    させる変位部材とを有することを特徴とする請求項1に
    記載の保持装置。
  7. 【請求項7】 前記複数のフレクシャ部材は、前記被保
    持部材の周りに等間隔で3つ配置されていることを特徴
    とする請求項6に記載の保持装置。
  8. 【請求項8】 前記複数のフレクシャ部材は、前記保持
    部が取り付けられる固定部に固定される固定基部と、前
    記被保持部材に接続される接続ブロックと、前記固定基
    部と前記接続ブロックとを互いに異なる方向に沿って拘
    束し、かつ前記互いに異なる方向のそれぞれの周りに回
    転可能に支持する一対のリンク機構とを備えたことを特
    徴とする請求項6または請求項7に記載の保持装置。
  9. 【請求項9】 前記一対のリンク機構は、前記固定基部
    と前記接続ブロックとを水平方向に沿って拘束し、かつ
    前記水平方向の周りに回転可能に連結する水平方向拘束
    リンクと、前記固定基部と前記接続ブロックとを前記水
    平方向と交差する交差方向に沿って拘束し、かつ前記交
    差方向の周りに回転可能に連結する交差方向拘束リンク
    とからなることを特徴とする請求項8に記載の保持装
    置。
  10. 【請求項10】 前記固定基部と前記接続ブロックと前
    記リンク機構とを回転ピボットで連結したことを特徴と
    する請求項8または請求項9に記載の保持装置。
  11. 【請求項11】 前記駆動機構は、前記変位部材に付与
    される所定方向の駆動力を、前記所定方向の駆動力と前
    記所定方向とは異なる方向の駆動力との少なくとも一方
    に変換する変換機構を有することを特徴とする請求項8
    〜請求項10のうちいずれか一項に記載の保持装置。
  12. 【請求項12】 前記変換機構は、前記変位部材に付与
    される上下方向の駆動力を前記複数のフレクシャ部材を
    介して前記被保持部材に対する水平方向への駆動力に変
    換することを特徴とする請求項11に記載の保持装置。
  13. 【請求項13】 前記変換機構は、前記変位部材に付与
    される上下方向の駆動力を前記複数のフレクシャ部材を
    介して前記被保持部材に対する上下方向の駆動力に変換
    することを特徴とする請求項11に記載の保持装置。
  14. 【請求項14】 前記フレクシャ部材のそれぞれは、前
    記固定基部と前記接続ブロックと前記一対のリンク機構
    とが単一部材で形成され、前記フレクシャ部材は、前記
    固定基部、前記接続ブロック及び前記一対のリンク機構
    を連結する複数の切欠ばねを有することを特徴とする請
    求項8〜請求項13のうちいずれか一項に記載の保持装
    置。
  15. 【請求項15】 前記変換機構は、前記固定基部に形成
    された複数の切欠ばねを有し、前記一対のリンク機構の
    うち、前記交差方向拘束リンクに連結される第1切欠ば
    ねと、前記フレクシャ部材に前記変位部材を介して付与
    される駆動力を、前記所定方向とは異なる方向への駆動
    力に変換するために用いられる第2切欠ばねとを含み、
    前記第1切欠ばねと前記第2切欠ばねとは、前記被保持
    部材に対する水平方向における同一面内に配置されるこ
    とを特徴とする請求項14に記載の保持装置。
  16. 【請求項16】 前記複数の切欠ばねは、前記一対のリ
    ンク機構のうち、前記交差方向拘束リンクと前記接続ブ
    ロックとを連結する第3切欠ばねを有し、 前記第1切欠ばねと前記第3切欠ばねとは、前記被保持
    部材に対する垂直方向における同一面内に配置されるこ
    とを特徴とする請求項15に記載の保持装置。
  17. 【請求項17】 前記変位部材は、付与される駆動力を
    前記フレクシャ部材に伝達する伝達部を有することを特
    徴とする請求項6〜請求項16のいずれか一項に記載の
    保持装置。
  18. 【請求項18】 前記伝達部は、前記変位部材に付与さ
    れた駆動力を所定の割合で低減して前記フレクシャ部材
    に伝達することを特徴とする請求項17に記載の保持装
    置。
  19. 【請求項19】 前記変位部材には、前記被保持部材の
    変位量を設定する変位量設定部材を備えることを特徴と
    する請求項17または請求項18に記載の保持装置。
  20. 【請求項20】 前記変位量設定部材は、前記伝達部と
    前記固定部との間に配置され、前記伝達部と前記固定部
    との間の間隔を調整することによって、任意の変位量を
    設定することを特徴とする請求項19に記載の保持装
    置。
  21. 【請求項21】 光学素子の周縁部を保持する保持部を
    備える光学素子保持装置において、 前記保持部は、前記光学素子の周縁部の3箇所に対応す
    る位置で前記光学素子を保持する3つのフレクシャ部材
    と、 前記少なくとも1つのフレクシャ部材に接続される2つ
    の操作部とを備え、一方の前記操作部の操作によって、
    前記3つのフレクシャ部材を介して前記光学素子を第1
    の方向へ移動し、他方の前記操作部の操作によって、前
    記3つのフレクシャ部材を介して前記光学素子を前記第
    1の方向とは異なる第2の方向に移動するように前記光
    学素子を保持することを特徴とする光学素子保持装置。
  22. 【請求項22】 前記第1の方向が前記光学素子の接線
    方向に沿う方向であり、前記第2の方向が前記光学素子
    の光軸方向に沿う方向であることを特徴とする請求項2
    1に記載の光学素子保持装置。
  23. 【請求項23】 光学素子の周縁部を保持する保持部
    と、前記保持部が取り付けられる固定部とを備える光学
    素子保持装置において、 前記保持部は、請求項1〜請求項20のうちいずれか一
    項に記載の保持装置を介して、前記固定部に連結されて
    いることを特徴とする光学素子保持装置。
  24. 【請求項24】 前記保持部は、前記光学素子を収容
    し、かつ前記光学素子の周縁部に係合する座面が形成さ
    れた複数の座面ブロックを備える枠体を有し、前記3つ
    のフレクシャ部材は、前記枠体に対し、前記座面ブロッ
    クの間にそれぞれ配置されることを特徴とする請求項2
    1〜請求項23のうちいずれか一項に記載の光学素子保
    持装置。
  25. 【請求項25】 内部に複数の光学素子を保持する鏡筒
    において、 前記光学素子の少なくとも1つを、請求項21〜請求項
    24のうちいずれか一項に記載の光学素子保持装置を介
    して保持したことを特徴とする鏡筒。
  26. 【請求項26】 1つ以上の光学素子を収容する少なく
    とも1つの鏡筒モジュールを有する鏡筒において、 前記少なくとも1つの鏡筒モジュールは、前記光学素子
    の少なくとも1つを保持する請求項21〜請求項24の
    うちいずれか一項に記載の光学素子保持装置を備えたこ
    とを特徴とする鏡筒。
  27. 【請求項27】 マスク上に形成されたパターンの像を
    投影光学系を介して基板上に転写する露光装置におい
    て、 前記投影光学系は、前記請求項25または請求項26に
    記載の鏡筒を有することを特徴とする露光装置。
  28. 【請求項28】 前記光学素子保持装置は、前記保持部
    と前記固定部との間の距離を検出し、その検出結果と前
    記投影光学系の像面側に形成された前記パターンの像に
    含まれる収差情報とに基づいて、前記保持部と前記固定
    部との距離を調整すべく、前記駆動機構の状態を制御す
    る制御機構を有することを特徴とする請求項27に記載
    の露光装置。
  29. 【請求項29】 請求項27または請求項28に記載の
    露光装置を用いてマイクロデバイスを製造することを特
    徴とするマイクロデバイスの製造方法。
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