JP2003337272A - 光学系の保持装置、光学素子の位置調整方法、鏡筒及び露光装置並びにデバイスの製造方法 - Google Patents

光学系の保持装置、光学素子の位置調整方法、鏡筒及び露光装置並びにデバイスの製造方法

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JP2003337272A
JP2003337272A JP2002086401A JP2002086401A JP2003337272A JP 2003337272 A JP2003337272 A JP 2003337272A JP 2002086401 A JP2002086401 A JP 2002086401A JP 2002086401 A JP2002086401 A JP 2002086401A JP 2003337272 A JP2003337272 A JP 2003337272A
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optical
optical system
lens
lens barrel
flexure
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JP2002086401A
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Yuichi Shibazaki
祐一 柴崎
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Nikon Corp
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Mounting And Adjusting Of Optical Elements (AREA)
  • Lens Barrels (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学素子の位置決めを容易にかつ精度よく行
えるとともに一部の光学素子を稼動中に位置調整可能な
光学系の保持装置及び鏡筒と、露光精度の向上可能な光
学素子の位置調整方法、露光装置及びデバイスの製造方
法とを提供する。 【解決手段】 鏡筒38におけるフランジ部38aより
下部に配置される像面側レンズ39aを、装着時には位
置調整可能で、常には所定の設定位置を保つ固定光学素
子保持装置を介して像面側鏡筒モジュール37aに保持
する。鏡筒38におけるフランジ部38aより上部に配
置される可動レンズ39bmと静止レンズとを、露光装
置31の稼動中にも外部からの信号に基づいて可動レン
ズ39bmの位置調整可能な可動光学素子保持装置40
を介して物体面側鏡筒モジュール37bに保持する。こ
れら像面側鏡筒モジュール37aと物体面側鏡筒モジュ
ール37bとを複数積み重ねて、投影光学系35の鏡筒
38を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体素
子、液晶表示素子、撮像素子、薄膜磁気ヘッド、マイク
ロマシン等のデバイス、あるいはレチクル、フォトマス
ク等のマスクなどの製造プロセスにおけるリソグラフィ
工程で使用される露光装置において、複数の光学素子か
らなる光学系を保持する光学系の保持装置に関するもの
である。また、その光学系の保持装置の調整方法に関す
るものである。さらに、その光学系の保持装置を備えた
鏡筒、及びその鏡筒を備えた露光装置に関するものであ
る。加えて、その露光装置を用いたデバイスの製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の光学系の保持装置としては、例
えば次のような構成のものが知られている。すなわち、
光学系の一部をなすレンズ等の光学素子を収容するため
の枠体が円環状に形成され、その枠体の内周面に光学素
子を支持するための3つの座面が等角度間隔おきに形成
されている。それらの座面と対応するように、3つのク
ランプ部材がボルトにより等角度間隔おきに枠体に取り
付けられている。このように、光学素子の外周フランジ
部を各クランプ部材と座面との間で挟み込むことで、光
学素子を枠体に保持するようになっている。そして、こ
の光学素子を所定位置に保持した枠体を積み重ねて鏡筒
が構成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、半導体素子
等の高度集積化に伴って、露光されるパターンが微細化
されてきている。このため、半導体装置製造用の露光装
置では、波面収差やディストーションの少ない投影光学
系が要求されるようになってきている。このような要求
に対応するため、投影光学系内にレンズ等の光学素子の
位置を、正確に位置決めされた状態で装着する必要が生
じてきている。
【0004】このような正確な光学素子の位置決めを行
うために、レンズ等の光学素子を保持した枠体を積み重
ねる際に、枠体の位置を調整することによって、光学素
子の光軸の位置決めが行われている。このため、枠体の
位置調整に、細心の注意を払う必要があり大変手間がか
かって煩わしいという問題があった。
【0005】特に、最近では、半導体素子における更な
る高度集積化の要求が日増しに高まっている。このよう
な背景の中、露光されるパターンは一段と微細化されて
おり、この極めて微細なパターンの露光に対応すべく、
露光装置で使用される露光光も、紫外光から遠紫外光、
さらには真空紫外光へと短波長化が著しい。このような
極めて波長の短い露光光を使用した場合には、投影光学
系の各光学素子が、露光光の透過により温度状態等が変
化しやすくなる。そして、各光学素子の温度状態の変化
は、投影光学系における結像特性の変動を招くことにな
る。
【0006】このような露光動作中における投影光学系
の結像特性の変動を修正するために、投影光学系の少な
くとも一部の光学素子を露光装置の稼働中に移動させ
て、各光学素子の相対位置を調整するようにした露光装
置も開発されてきている。この露光装置においては、各
光学素子を露光装置の稼働中に移動させる駆動部材が装
着されるが、厳密な露光を実現するためには、各駆動部
材の駆動範囲の基準位置を厳密に設定しておく必要があ
る。すなわち、枠体の位置調整を厳密に行うことが不可
欠となる。
【0007】本発明は、光学系の一部の光学素子の位置
決めを、容易かつ精度よく行うことができるとともに、
他の一部の光学素子の稼働状態での位置調整を可能にす
る光学系の保持装置を提供することにある。また、本発
明のその他の目的としては、前記光学素子の位置をより
正確に調整することのできる光学素子の位置調整方法を
提供することにある。さらに、本発明のその上の目的と
しては、より正確な位置決めされた光学素子と稼働状態
で位置調整可能な光学素子とを収容する鏡筒、及びその
ような鏡筒を有し露光精度の向上可能な露光装置を提供
することにある。加えて、本発明のその上の目的として
は、露光精度の向上可能なデバイスの製造方法を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本願請求項1に記載の発明は、複数の光学素子から
なる光学系を保持する光学系の保持装置において、前記
複数の光学素子の少なくとも一部の光学素子の位置を調
整する第1位置調整機構と、その第1位置調整機構とは
異なる機構を有し、前記複数の光学素子のうち、前記少
なくとも一部の光学素子とは異なる光学素子の位置を調
整する第2位置調整機構とを備えたことを特徴とするも
のである。
【0009】この本願請求項1に記載の発明では、光学
系の一部の光学素子の位置を第1位置調整機構により調
整することにより、光学素子の位置決めを、容易かつ精
度よく行うことが可能となる。また、前記一部の光学素
子とは異なる光学素子を第2位置調整機構により、稼働
状態で位置調整することが可能になる。
【0010】また、本願請求項2に記載の発明は、前記
請求項1に記載の発明において、前記第1位置調整機構
は、前記光学素子の周縁部を保持する保持部と、前記保
持部を支持する複数のフレクシャ部材と、前記複数のフ
レクシャ部材のうち、少なくとも1つのフレクシャ部材
に接続される2つの操作部とを備え、前記光学素子は、
一方の前記操作部の操作によって、前記複数のフレクシ
ャ部材を介して前記光学素子を第1の方向へ移動し、他
方の前記操作部の操作によって、前記複数のフレクシャ
部材を介して前記光学素子を前記第1の方向とは異なる
第2の方向に移動することを特徴とするものである。
【0011】この本願請求項2に記載の発明では、前記
請求項1に記載の発明の作用に加えて、各操作部を操作
することで、互いに異なる2つの方向において、前記少
なくとも一部の光学素子の位置決めを容易かつより正確
に行うことが可能となる。
【0012】また、本願請求項3に記載の発明は、前記
請求項1または請求項2に記載の発明において、前記第
2位置調整機構は、前記光学素子の周縁部を保持するイ
ンナリング部と、前記インナリング部と一体に形成され
たアウタリング部と、前記アウタリング部に設けられ、
所定の方向に変位する駆動部材と、前記駆動部材の変位
量を前記インナリング部に伝達するリンク機構とを有す
ることを特徴とするものである。
【0013】この本願請求項3に記載の発明では、前記
請求項1または請求項2に記載の発明の作用に加えて、
第2位置調整機構により、前記少なくとも一部の光学素
子とは異なる光学素子を、露光装置の稼働状態で駆動部
材を変位させることにより、位置調整することが可能に
なる。このため、例えば短波長の露光光を照射するよう
な場合のように、露光装置の稼動状態で前記光学素子の
温度状態の変化したとしても、その変化に伴う結像特性
の変動を容易に補正することができる。
【0014】また、本願請求項4に記載の発明は、前記
請求項3に記載の発明において、前記少なくとも一部の
光学素子の位置を前記第1位置調整機構により所定位置
に調整した状態で、前記第2位置調整機構における変位
の基準位置を設定する基準位置調整機構を設けたことを
特徴とするものである。
【0015】この本願請求項4に記載の発明では、前記
請求項3に記載の発明の作用に加えて、第2位置調整機
構における変位の基準位置は、一部の光学素子の位置調
整が行われ、光学系が所定状態に調整された上で設定さ
れる。このため、第2位置調整機構の基準位置の設定を
より正確に行うことが可能となる。
【0016】また、本願請求項5に記載の発明は、前記
請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明に
おいて、前記光学系は、該光学系を載置する架台上で支
持されるためのフランジ部を備え、前記少なくとも一部
の光学素子は、前記フランジ部に対し、前記光学系の像
面側に配置され、前記少なくとも一部の光学素子と異な
る光学素子は、前記フランジ部に対し、前記光学系の物
体面側に配置されることを特徴とするものである。
【0017】この本願請求項5に記載の発明では、前記
請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明の
作用に加えて、像面側に配置された少なくとも一部の光
学素子の位置決めを第1位置調整機構により行うこと
で、光学系全体の結像特性の調整を容易にかつより正確
に行うことが可能となる。この上で、第2位置調整機構
により、物体面側に配置された少なくとも一部の光学素
子とは異なる光学素子の位置を調整することで、稼動状
態における光学系の結像特性の変動を容易かつより正確
に補正することが可能となる。
【0018】また、本願請求項6に記載の発明は、光学
系を構成する複数の光学素子の位置を調整する光学素子
の位置調整方法において、前記複数の光学素子の位置を
互いの光軸方向に沿って配列し、前記複数の光学素子を
配列した後、前記複数の光学素子のうち、少なくとも一
部の光学素子の位置を第1位置調整機構により調整し、
前記少なくとも一部の光学素子の位置を調整した後、前
記少なくとも一部の光学素子とは異なる光学素子の位置
を調整する第2位置調整機構の駆動部材における変位の
基準位置を設定することを特徴とするものである。
【0019】また、本願請求項7に記載の発明は、前記
請求項6に記載の発明において、前記第2位置調整機構
により、前記少なくとも一部の光学素子とは異なる光学
素子の位置を調整した後、前記基準位置を設定すること
を特徴とするものである。
【0020】これら本願請求項6及び請求項7に記載の
発明では、請求項4に記載の発明とほぼ同様の作用が実
現される。また、本願請求項8に記載の発明は、複数の
光学素子からなる光学系を収容する鏡筒において、前記
光学系の各光学素子を請求項1〜請求項5のうちいずれ
か一項に記載の光学系の保持装置を介して保持するよう
にしたことを特徴とするものである。
【0021】この本願請求項8に記載の発明では、複数
の光学素子からなる光学系を収容する鏡筒において、請
求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の発明とほ
ぼ同様の作用が実現される。
【0022】また、本願請求項9に記載の発明は、前記
請求項8に記載の発明において、前記光学系がマスク上
に形成された所定のパターンの像を基板上に投影する投
影光学系であることを特徴とするものである。
【0023】この本願請求項9に記載の発明では、前記
請求項8に記載の発明の作用に加えて、投影光学系の結
像特性をより正確に補正することが可能となり、マスク
上のパターンの像を基板上に、より正確に投影すること
が可能となる。
【0024】また、本願請求項10に記載の発明は、マ
スク上に形成されたパターンの像を基板上に露光する露
光装置において、請求項8または請求項9に記載の鏡筒
を有することを特徴とするものである。
【0025】この本願請求項10に記載の発明では、投
影光学系の結像性能が向上されて、露光精度の向上を図
ることができる。また、本願請求項11に記載の発明
は、リソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法におい
て、請求項10に記載の露光装置を用いて露光を行うこ
とを特徴とすることを特徴とするものである。
【0026】この本願請求項11に記載の発明では、露
光精度を向上することができて、高集積度のデバイスを
歩留まりよく製造することが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の露光装置、鏡筒
及び光学系の保持装置を、半導体素子製造用の露光装
置、その露光装置の投影光学系、及びその投影光学系を
なすレンズ等の光学素子を保持する保持装置に具体化し
た一実施形態について図1〜図26に基づいて説明す
る。
【0028】図1は、本実施形態の露光装置31の概略
構成を示すものである。図1に示すように、露光装置3
1は、光源32と、照明光学系33と、マスクとしての
レチクルRを保持するレチクルステージ34と、投影光
学系35と、基板としてのウエハWを保持するウエハス
テージ36とから構成されている。
【0029】前記光源32は、例えば波長193nmの
ArFエキシマレーザを発振する。照明光学系33は、
図示しないフライアイレンズやロッドレンズ等のオプテ
ィカルインテグレータ、リレーレンズ、コンデンサレン
ズ等の各種レンズ系及び開口絞り等を含んで構成されて
いる。そして、光源32から出射される露光光ELが、
この照明光学系33を通過することにより、レチクルR
上のパターンを均一に照明するように調整される。
【0030】前記レチクルステージ34は、照明光学系
33の射出側、すなわち、後述する投影光学系35の物
体面側(露光光ELの入射側)において、そのレチクル
Rの載置面が投影光学系35の光軸方向とほぼ直交する
ように配置されている。投影光学系35は、保持部材を
なす複数の鏡筒モジュール37が積層された鏡筒38で
構成されている。各鏡筒モジュール37には、複数の光
学素子としてのレンズ39が、第2位置調整機構として
の可動光学素子保持装置40(図2参照)または第1位
置調整機構としての固定光学素子保持装置41(図13
参照)を介して保持されている。
【0031】前記鏡筒38は、フランジ部38aにおい
て、露光装置31のベース盤31aに立設された架台と
してのフレーム42上に載置される。これにより、鏡筒
38が、露光装置31のベース盤31a上に固定されて
いる。ここで、鏡筒38は、フランジ部38aより像面
側に配置される像面側鏡筒モジュール37aと、フラン
ジ部38aより物体面側に配置される物体面側鏡筒モジ
ュール37bとを有する。鏡筒38内において、像面側
鏡筒モジュール37aに配置される少なくとも一部の光
学素子としての像面側レンズ39aは、前記固定光学素
子保持装置41(図13参照)を介して保持されてい
る。一方、物体面側鏡筒モジュール37bに配置される
物体面側のレンズ39bm,39bsは、前記可動光学
素子保持装置40を介して保持されている。
【0032】ウエハステージ36は、投影光学系35の
像面側(露光光ELの射出側)において、ウエハWの載
置面が投影光学系35の光軸方向と交差するように配置
されている。そして、前記露光光ELにて照明されたレ
チクルR上のパターンの像が、投影光学系35を通して
所定の縮小倍率に縮小された状態で、ウエハステージ3
6上のウエハWに投影転写されるようになっている。
【0033】次に、前記物体面側鏡筒モジュール37b
の構成について詳細に説明する。図2は、物体面側鏡筒
モジュール37bを、一部を切り欠いて示した図であ
る。図3は、その物体面側鏡筒モジュール37bの平面
図である。また、図4は、その物体面側鏡筒モジュール
37bの断面図である。
【0034】図2〜図4に示すように、この物体面側鏡
筒モジュール37bには、可動光学素子保持装置40と
少なくとも一部の光学素子とは異なる光学素子としての
可動レンズ39bm及び静止レンズ39bsとを備え
る。可動レンズ39bmは、可動光学素子保持装置40
に装備される第2位置調整機構としてのレンズ駆動機構
43の駆動により、光軸方向に移動可能で、かつチルト
可能に保持されたレンズである。一方、静止レンズ39
bsは、前記レンズ駆動機構43の駆動に関係なく所定
の位置に保持されるレンズである。
【0035】前記物体面側鏡筒モジュール37bの鏡筒
本体44は、インナリング部44aと、アウタリング部
44bとを有する。アウタリング部44bは、露光光E
Lの光軸方向に沿って配置される他の物体面側鏡筒モジ
ュール37bに対する取付面48を備えており、他の物
体面側鏡筒モジュール37bに対する連結部として機能
する。
【0036】このアウタリング部44bとインナリング
部44aとは一体に形成されている。もしくは、アウタ
リング部44bとインナリング部44aとは同一部材で
形成されている。アウタリング部44bは円筒状に形成
され、その下端にはベースリング45が固定されてい
る。インナリング部44aはその外径がアウタリング部
44bの内径よりも僅かに小さくなるように円筒状に形
成され、ベースリング45の内側において光軸方向へ移
動可能及びチルト可能に配置されている。
【0037】前記インナリング部44aには、光軸方向
にインナリング部44aを介して移動される可動レンズ
39bmが第1レンズセル46を介して取り付けられて
いる。可動レンズ39bmは、第1レンズセル46に対
してその周縁部が、例えば第1レンズセル46の内周面
上に複数突設された受け座(図示略)に載置された状態
で、レンズ押さえ部材等により固定されている。詳しく
は、可動レンズ39bmの周縁部は、互いに平行な面を
有するフランジが形成されている。このフランジの下面
は、第1レンズセル46の内方に突出する複数の受け座
(図示略)に載置され、フランジの上面には、受け座と
ともにフランジを挟むためのレンズ押さえ部材が取付け
られる。
【0038】アウタリング部44bには、可動レンズ3
9bmの上方に互いの光軸が一致または光学特性が最適
化されるように、常に静止状態に保たれる光学素子とし
ての静止レンズ39bsが第2レンズセル47を介して
取り付けられている。この静止レンズ39bsは、鏡筒
本体44に常に静止している状態となる。第1レンズセ
ル46により保持された可動レンズ39bm及び第2レ
ンズセル47により保持された静止レンズ39bsの間
に、レンズ室が区画される。
【0039】前述したように、鏡筒38のフランジ部3
8aより上の部分は、光軸方向に積層された複数の物体
面側鏡筒モジュール37bにより形成されている。最も
レチクルステージ34側に配置される物体面側鏡筒モジ
ュール37bは、アウタリング部44bにおける一方の
端面に取付面48を一つ備える。その物体面側鏡筒モジ
ュール37bよりフランジ部38a側に配置される各物
体面側鏡筒モジュール37bは、アウタリング部44b
における両方の端面に取付面48を備える。
【0040】詳述すると、前記アウタリング部44bの
上端面及びベースリング45の下端面には、平面状の取
付面48がそれぞれ形成されている。そして、複数の物
体面側鏡筒モジュール37b間において、上下の取付面
48が互いに接触して重合されることによって、各鏡筒
モジュール37bの鏡筒本体44がインナリング部44
aに荷重をかけることなく、光軸方向へ安定状態で積層
配置されるようになっている。
【0041】なお、複数の物体面側鏡筒モジュール37
bの間、すなわち、各鏡筒モジュール37bの取付面4
8の間には、各鏡筒モジュール37b間の間隔を調整す
るための間隔調整部材を配置してもよい。この問隔調整
部材は、アウタリング部44bの径と略同径を有するリ
ング状のワッシャ、または取付面48の径方向の長さよ
り小さい径を有するワッシャで形成される。なお、後者
のワッシャは、アウタリング部44bの取付面48内
に、等間隔おきに複数個配置される。このようにワッシ
ャを用いた場合は、複数の物体面側鏡筒モジュール37
bを積層する際に、各鏡筒モジュール37bの取付面4
8は直接接触することがない。
【0042】図5は物体面側鏡筒モジュール37bのレ
ンズ駆動機構43の周辺を示す拡大図であり、図6はそ
の断面図である。前記アウタリング部44bの周壁(側
壁)には、3つの切欠部49(図2参照)が等角度間隔
をおいて形成されている。図3及び図5に示すように、
各切欠部49内には、駆動部材及び第2位置調整機構の
駆動源をなすアクチュエータ50が収容されている。
【0043】各アクチュエータ50は、その長手軸がア
ウタリング部44bの接線方向に沿うように配置されて
いる。また、各アクチュエータ50は、アウタリング部
44bの周面に露出している。各アクチュエータ50
は、好ましくは、高精度、低発熱、高剛性、高クリーン
度の特性を有するピエゾ素子から構成される。
【0044】制御装置51(図1参照)は、露光装置3
1全体の動作を制御する主制御系(図示略)等からの外
部の制御信号に基づいて、アクチュエータ50にその制
御信号に従う制御電圧を印加し、アクチュエータ50の
伸縮を制御する。このアクチュエータ50の伸縮方向
は、アウタリング部44bの接線方向に対して、略平行
な方向である。
【0045】図2及び図5に示すように、前記各アクチ
ュエータ50の一端に対応して、そのアクチュエータ5
0と同方向へ延びるように、アウタリング部44bの周
壁には保持ボルト52が螺合されている。各アクチュエ
ータ50の他端と対応するように、アウタリング部44
bに形成された後述する変位拡大機構60の第1リンク
62a上には結合具53が固定されている。そして、各
アクチュエータ50の両端が、保持ボルト52の先端及
び結合具53に対して、円錐溝とボールとからなる回転
ピボット機構54を介して相対回転可能に結合されてい
る。
【0046】図9は、物体面側鏡筒モジュール37bの
鏡筒本体44を示す斜視図である。図10は、物体面側
鏡筒モジュール37bの鏡筒本体44における切欠部4
9周辺の拡大図である。また、図11は、アクチュエー
タ50の周辺の拡大図である。図9〜図11に示すよう
に、前記各アクチュエータ50に対応して、インナリン
グ部44aの上端面には3つの連結アーム部59が形成
されている。アウタリング部44bには、各連結アーム
部59の両側縁に連結配置されるようにフレクシャ部材
の一部及びリンク機構をなす変位拡大機構60及び同じ
くフレクシャ部材の一部をなす案内機構61がそれぞれ
配設されている。そして、インナリング部44aがアウ
タリング部44bに対し、3箇所のアクチュエータ5
0、変位拡大機構60、案内機構61及び連結アーム部
59を介して、光軸方向へ相対移動可能に連結されてい
る。
【0047】インナリング部44aは、3箇所のアクチ
ュエータ50の伸縮量がそれぞれ異なった場合に、アウ
タリング部44bに対してチルトする。また、インナリ
ング部44aは、3箇所のアクチュエータ50の伸縮量
が略等しい場合に、アウタリング部44bに対して略平
行に移動する。前述したように、可動レンズ39bm
は、第1レンズセル46を介してインナリング部44a
に固定されるために、このインナリング部44aの移動
に伴って、可動レンズ39bmが、光軸方向への移動及
びチルトする。
【0048】前記各変位拡大機構60は、アクチュエー
タ50の伸縮量(変位)を拡大するとともに、アクチュ
エータ50の変位の方向を可動レンズ39bmの光軸方
向への移動方向に変換する役割を担っている。また、各
変位拡大機構60は、複数のスリット63と複数の貫通
孔64とからなる弾性ヒンジリンク機構62で構成され
ている。
【0049】ここで、弾性ヒンジリンク機構62につい
て説明する。図11に示すように、各連結アーム部59
の紙面右側においてアウタリング部44bには、光学素
子の光軸方向に対して交差して延びる複数の貫通孔64
と、複数の貫通孔64に接続された複数のスリット63
がワイヤカット加工等により形成されている。すなわ
ち、複数の貫通孔64は、アウタリング部44bの軸心
に向かって延びるように形成されている。また、複数の
スリット63は、アウタリング部44bの外面からその
内面に向かって貫通孔64に沿って形成されている。こ
れにより、近接する一対の貫通孔64間に弾性ヒンジ部
65a〜65cが形成される。そして、複数のスリット
63及び貫通孔64によって、弾性ヒンジリンク機構6
2の第1リンク62a及び第2リンク62bが区画され
る。
【0050】図12は、物体面側鏡筒モジュール37b
におけるアクチュエータ50、変位拡大機構60及び案
内機構61の動作を模式的に示したものである。図11
及び図12に示すように、前記第1リンク62aは、図
面において右端(アクチュエータ50の他端部を右端と
する)の弾性ヒンジ部65aを支点P1として、アウタ
リング部44bの周壁に回動可能に連結される。そし
て、第1リンク62aは、連結点P2をなす前記回転ピ
ボット機構54を介してアクチュエータ50の右端に連
結されている。また、第2リンク62bは、右端の弾性
ヒンジ部65bを連結点P3として、第1リンク62a
の下端に連結されるとともに、左端の弾性ヒンジ部65
cを連結点P4として、連結アーム部59の右側縁に連
結されている。ここで、アクチュエータ50の一端部
(図面において左端)の回転ピボット機構54は、支点
P0に相当する。
【0051】そして、アクチュエータ50が左端の回転
ピボット機構54を支点P0として回転されながら伸長
変位されたとき、第1リンク62aが支点P1を中心に
して図12の時計方向に回転されるとともに、第2リン
ク62bが上方に移動されて、連結アーム部59が上方
に移動変位される。この場合、第1リンク62a及び第
2リンク62bの作動により、アクチュエータ50の変
位が拡大されるとともに、その変位方向がアクチュエー
タ50の伸張方向に対して交差する方向への変位に変換
されて連結アーム部59に伝達される。これにより、イ
ンナリング部44aに保持された可動レンズ39bm
が、光軸方向へ移動されるようになっている。
【0052】一方、前記各案内機構61は、図9〜図1
1に示すように、各連結アーム部59の紙面左側に形成
されており、アウタリング部44bに対するインナリン
グ部44aの相対移動を所定の方向、すなわち可動レン
ズ39bmの光軸とほぼ平行な方向に案内する。そし
て、各案内機構61は、可動レンズ39bmの光学的ピ
ボタル位置、すなわち可動レンズ39bmがチルト動作
された場合に生じる像シフトがゼロとなる光軸上の位置
とほぼ一致するように配置されている。また、各案内機
構61は、前記弾性ヒンジリンク機構62とほぼ同様の
複数のスリット63と複数の貫通孔64とからなる平行
リンク機構66で構成される。
【0053】詳述すると、複数のスリット63と複数の
貫通孔64とは、光学系(例えば、可動レンズ39b
m)の光軸に対して交差する方向に、すなわちアウタリ
ング部44bの軸線に向かって延びるように形成されて
いる。また、複数のスリット63は、複数の貫通孔64
に連続して形成されている。従って、複数のスリット6
3は、アウタリング部44bの外面からその内面に向か
って貫通孔64に沿って形成されている。つまり、変位
拡大機構60及び案内機構61を構成する複数の貫通孔
64及び複数のスリット63は、アウタリング部44b
のリング中心を含む中心軸を含む仮想面上において、ア
ウタリング部44bの外面から内面、もしくは内面から
外面に向かって形成されている。なお、各鏡筒モジュー
ル37bが光学素子を保持している場合には、前記リン
グ中心を含む中心軸は、光学素子の光軸を示す。
【0054】ここで、近接対向する一対の貫通孔64間
が弾性ヒンジ部65d〜65gとなっている。そして、
これらのスリット63及び貫通孔64によって、平行リ
ンク機構66の一対の平行レバー66a,66bが形成
されている。各平行レバー66a,66bは、その長手
方向が可動レンズ39bmの接線に沿うように、すなわ
ち、アウタリング部44bの周壁に沿って、アウタリン
グ部44bに形成される。
【0055】図11及び図12に示すように、前記一対
の平行レバー66a,66bは、左端の弾性ヒンジ部6
5d,65eを支点P5,P6として、アウタリング部
44bの周壁に回動可能に連結されるとともに、右端の
弾性ヒンジ部65f,65gを連結点P7,P8とし
て、連結アーム部59の左側縁に連結されている。そし
て、アクチュエータ50の伸長変位に伴い、変位拡大機
構60及び連結アーム部59を介してインナリング部4
4aが光軸方向に移動されるとき、一対の平行レバー6
6a,66bが支点P5,P6を中心にして図12の反
時計方向に回転される。これにより、可動レンズ39b
mを支持したインナリング部44aの移動が、可動レン
ズ39bmの径方向及び接線方向に規制されながら、光
軸方向のみに許容されるようになっている。
【0056】図5及び図6に示すように、連結アーム部
59の外面のそれぞれにはばね受け67が取り付けら
れ、それらのばね受け67と対応するように、ベースリ
ング45の外周面にばね受け68が取り付けられてい
る。ばね受け67,68間には、一対の引張りばね69
がそれぞれ掛装されている。そして、これらの引張りば
ね69の付勢力により、前記アクチュエータ50の非作
動状態において、可動レンズ39bmを支持するインナ
リング部44aが、その可動範囲の原位置に復帰移動さ
れるようになっている。
【0057】図7は物体面側鏡筒モジュール37bにお
ける基準位置調整機構をなすセンサ72の周辺を示すも
のであり、図8は図7の8−8線に沿った断面図であ
る。図2及び図3に示すように、前記アウタリング部4
4bの外側部において、その外周方向に隣接するアクチ
ュエータ50の中間位置には、アウタリング部44bの
周壁(側壁)に切り欠いて形成された開口部44dが形
成されている。そして、この開口部44dには、アウタ
リング部44bに対するインナリング部44aの位置を
計測するためのセンサ72が配設されている。
【0058】図7及び図8に示すように、各センサ72
は、非接触式エンコーダ、例えば光学式エンコーダから
構成され、スケール74と検出ヘッド76とを備えてい
る。スケール74は、スケールホルダ73を介してイン
ナリング部44a上のスケール台44cに取り付けられ
ている。各スケール74は、アウタリング部44bの開
口部44d内に収容された状態で配置されている。検出
ヘッド76は、そのスケール74に近接対応するよう
に、ヘッドホルダ75を介してアウタリング部44b上
に取り付けられ、アウタリング部44bの開口部44d
に臨むように配置される。
【0059】ここで、各センサ72のスケール74及び
検出ヘッド76は、アウタリング部44bの外表面から
露出している。そして、検出ヘッド76は、前記開口部
44dからインナリング部44aに取付けられたスケー
ル74の目盛74aを読み取る。この読取結果に基づい
て、インナリング部44aの移動量が計測されるように
なっている。
【0060】次に、前記のように構成された可動光学素
子保持装置40により、可動レンズ39bmが光軸方向
に移動される場合の動作について説明する。図11及び
図12に示すように、アクチュエータ50が電圧の印加
に伴い、図面左端の回転ピボット機構54を支点P0と
して回転されながら変位量dLだけ伸長変位されると、
変位拡大機構60を構成する弾性ヒンジリンク機構62
の第1リンク62aが支点P1を中心にして時計方向に
回転される。これにより、第2リンク62bに対する第
1リンク62aの下端の連結点P3が、左方へ変位量d
xだけ変位されるとともに、上方へ変位量dyだけ変位
される。
【0061】このとき、インナリング部44a上の連結
アーム部59は、平行リンク機構66で構成された案内
機構61によって、光軸方向のみに移動できるように案
内保持されている。このため、第2リンク62bの右端
の連結点P3に前記のような変位が加わると、その第2
リンク62bは上方に突き上げられ、これによって連結
アーム部59は上方へ変位量dYだけ移動変位される。
従って、案内機構61と弾性ヒンジリンク機構62と
は、アクチュエータ50の変位を互いに協働し合って、
連結アーム部59を上方へ移動させる。
【0062】この場合、前記アクチュエータ50の変位
は、弾性ヒンジリンク機構62の第1リンク62a及び
第2リンク62bにて、変位の方向を変換されながら2
段階で拡大されて連結アーム部59に伝達される。よっ
て、アクチュエータ50の僅かな変位に基づいて、イン
ナリング部44aに支持された可動レンズ39bmが光
軸方向へ大きな変位量で移動変位されることになる。
【0063】次に、前記像面側鏡筒モジュール37aに
ついて詳細に説明する。図13は前記像面側鏡筒モジュ
ール37aを示す斜視図であり、図14はその像面側鏡
筒モジュール37aの平面図であり、図15はその像面
側鏡筒モジュール37aの側面図であり、図16は図1
4の16−16線における断面図である。
【0064】図13〜図16に示すように、像面側鏡筒
モジュール37aは、前記固定光学素子保持装置41と
像面側レンズ39aとを備える。固定光学素子保持装置
41は、枠体80と、3つのフレクシャ部材81と、保
持部をなすレンズ枠体82と、支持部材83とからなっ
ている。その枠体80上には、等角度間隔をおいて3つ
のフレクシャ部材81が固定されている。そのフレクシ
ャ部材81の上面にはレンズ枠体82が固定され、その
レンズ枠体82上には等角度間隔をおいて3つの支持部
材83が配設されている。
【0065】図17は、前記レンズ枠体82における像
面側レンズ39aを保持する支持部材83の部分を中心
に示す部分斜視図であり、図18はその支持部材83を
中心に示す拡大部分分解斜視図である。図17及び図1
8に示すように、支持部材83は、大きく分けて基台部
材85とクランプ部材86とを備える。そして、前記レ
ンズ枠体82は、円環状をなす鉄、アルミニウム等の金
属材料からなり、その一方の表面には前記クランプ部材
86が取り付付けられる取付溝84が等角度間隔おきに
形成されている。さらに、レンズ枠体82の内周面に
は、後述する基台部材85における座面ブロック90a
を含む上半部を収容するための保持部収容凹部100が
取付溝84と対応する位置に形成されている。この保持
部収容凹部100によって、レンズ枠体82の大口径化
を防止している。
【0066】このように、レンズ枠体82の一方の表面
に取付溝84を形成することにより、クランプ部材86
が一対のボルト108でレンズ枠体82上に取り付けら
れた際に、一対のボルト108の頭がレンズ枠体82の
一方の表面から突出しない。従って、一方の面を、他の
レンズ枠体82及び枠体80に対して重ね合わせた際
に、他のレンズ枠体82及び枠体80に対するボルト1
08の干渉を防ぐことができる。
【0067】なお、1つのレンズ枠体82の表面と、他
のレンズ枠体82及び枠体80の裏面との間には、各レ
ンズ枠体82が保持する像面側レンズ39aの光軸方向
における位置を決定するために、レンズ枠体82間の間
隔を調整するスペーサが配置される。従って、レンズ枠
体82表面から像面側レンズ39aが若干突出したとし
ても、スペーサの厚さ以内であれば、像面側レンズ39
aは他のレンズ枠体82の裏面と接触しない。そして、
基台部材85は、レンズ枠体82に形成された取付溝8
4とは反対側の表面、すなわち、レンズ枠体82の他方
の面に対して、図示しない一対のボルトにより固定され
ている。
【0068】次に、支持部材83の具体的構成を説明す
る。図17及び図18に示すように、基台部材85は、
座面ブロック90aと保持部支持ブロック90bとを備
えている。前記座面ブロック90aは、前記像面側レン
ズ39aの周縁部をなすフランジ部39afの一方のフ
ランジ面に係合する座面89を有する。前記保持部支持
ブロック90bには、前記座面ブロック90aの姿勢を
調整可能に支持する座面ブロック支持機構91が形成さ
れている。
【0069】前記座面ブロック90aは、その長手方向
が前記像面側レンズ39aの接線方向に沿って配置さ
れ、前記座面89はその座面ブロック90aの長手方向
の両端部に形成されている。すなわち、座面89は、座
面ブロック90aに対して、像面側レンズ39aのフラ
ンジ部39afに向かって突出して形成されている。こ
の座面89は、所定の面積を有する平面状をなすととも
に、その周縁が所定の曲率をもった曲面状に形成されて
いる。これは、その座面89のフランジ部39afに対
する角当たりによる像面側レンズ39aの損傷を回避す
るためである。
【0070】座面ブロック90aと保持部支持ブロック
90bとの間、及び保持部支持ブロック90bには、像
面側レンズ39aの径方向(図18のX軸方向)に貫通
する複数のスリット93が形成されている。この複数の
スリット93を形成する際、全部のスリット93が互い
に連続しないように、スリット93の間に加工を施さな
い部分を残す。そして、この加工を施さない部分に対し
て、彫り込み部94が、像面側レンズ39aの径方向の
中心側から彫り込む加工と、同方向の外側から彫り込む
加工とにより形成されている。
【0071】ここで、この彫り込み部94における像面
側レンズ39aの径方向の外側には、大きな穴が形成さ
れている。この両方向からの加工によって、座面ブロッ
ク90aと保持部支持ブロック90bとの間、及び保持
部支持ブロック90bには、複数の保持部首部95a〜
95d(屈曲部)が形成される。
【0072】この保持部首部95a〜95dに予測不能
な歪みが残存するのを回避するために、各掘り込み部9
4の深さ方向における首部95a〜95dの近傍は、そ
の保持部首部95a〜95dの両側が同じ加工方法によ
り切削加工が施されている。この加工方法としては、例
えば型彫放電加工、機械的切削加工等が有効である。
【0073】前記保持部支持ブロック90bは、前記複
数のスリット93により、大きく3つの部分に分割され
ている。すなわち、保持部支持ブロック90bは、前記
レンズ枠体82に固着される保持部固定部96と、第1
保持ブロック97a、第2保持ブロック98aとに分割
されている。
【0074】ここで、保持部固定部96と第1保持ブロ
ック97aとは、第1保持部首部95aにより連結され
ている。保持部固定部96と第2保持ブロック98aと
は、第2保持部首部95bにより連結されている。第1
保持ブロック97aと第2保持ブロック98aとは、第
3保持部首部95cにより連結されている。第2保持ブ
ロック98aと座面ブロック90aとは、連結する第4
保持部首部95dにより連結されている。これらの複数
の保持部首部95a〜95dは、彫り込み加工により形
成されて、断面正方形をなし、第1保持ブロック97
a、第2保持ブロック98a、保持部固定部96、座面
ブロック90aの断面積に比べて著しく小さな断面積を
有する。
【0075】これにより、第1保持ブロック97aは、
第1保持部首部95a及び第3保持部首部95cによっ
て、第2保持ブロック98aと保持部固定部96とに固
定される。第1保持ブロック97aは、第1保持部首部
95a及び第3保持部首部95cの協働により、像面側
レンズ39aの接線方向周りに回転可能に保持される
が、同接線方向への変位は拘束される。従って、第1保
持ブロック97a、第1保持部首部95a及び第3保持
部首部95cにより、像面側レンズ39aの接線方向へ
の変位を拘束する接線方向拘束リンク97が形成され
る。
【0076】また、第2保持ブロック98aは、第2保
持部首部95b及び第4保持部首部95dによって、座
面ブロック90aと保持部固定部96とに固定される。
第2保持ブロック98aは、第2保持部首部95b及び
第4保持部首部95dの協働により、像面側レンズ39
aの光軸と平行な方向周りに回転可能に保持されるが、
同光軸と平行な方向への変位は拘束される。従って、第
2保持ブロック98a、第2保持部首部95b及び第4
保持部首部95dにより、像面側レンズ39aの光軸と
平行な方向への変位を拘束する光軸方向拘束リンク98
が形成される。この接線方向拘束リンク97の拘束方向
と、光軸方向拘束リンク98の拘束方向とは、互いにほ
ぼ直交する。言い換えれば、接線方向拘束リンク97の
回転軸と、光軸方向拘束リンク98の回転軸とが、互い
にほぼ直交する。
【0077】そして、座面ブロック90aは、第4保持
部首部95dによって、保持部支持ブロック90bに連
結されている。すなわち、座面ブロック90aは、保持
部固定部96に対して、接線方向拘束リンク97と光軸
方向拘束リンク98とを備える一対のリンク機構によっ
て支持される。
【0078】また、これらの保持部首部95a〜95d
のうち、第2及び第4保持部首部95b,95dは、像
面側レンズ39aの光軸に平行で前記座面ブロック90
aの両座面89の中間位置を通る線上に配置されてい
る。この線は、一対の座面89を結ぶ線に直交する。一
方、第1及び第3保持部首部95a,95cは、一対の
座面89を結ぶ線と平行な線上に配置されている。さら
に、第3保持部首部95cは、第4保持部首部95dの
近傍に配置されている。
【0079】この基台部材85では、座面ブロック90
aが、接線方向及び光軸方向拘束リンク97,98によ
り、保持部固定部96に対して、像面側レンズ39aの
径方向(X方向)、接線方向(Y方向)及び光軸と平行
な方向(Z方向)の各方向周りに回転可能に、かつY方
向、Z方向への変位が抑制されて支持されている。さら
に、座面ブロック90aは、第4保持部首部95dによ
り、X方向に変位可能に支持されている。
【0080】前記座面ブロック90aには、座面89の
前記像面側レンズ39aの径方向外側において、座面8
9に対してZ方向(すなわち、像面側レンズ39aのフ
ランジ部39afの厚さ方向)に延びて形成される座面
側取付部99を備える。
【0081】前記クランプ部材86は、前記座面ブロッ
ク90aの上方に対応して配置され、クランプ本体10
2とパッド部材87とからなっている。クランプ本体1
02は、押さえ面ブロック103と、その押さえ面ブロ
ック103を支持するための押さえ面ブロック支持機構
104とが装備されている。押さえ面ブロック103の
下面の両端には、前記座面ブロック90aの座面89に
対向するように押さえ面105が形成されている。この
押さえ面105は、像面側レンズ39aの接線方向にほ
ぼ沿った稜線を有する断面三角形状に形成されている。
この両押さえ面105の稜線は、その2つの稜線を結ぶ
直線の中点が、前記座面ブロック90aと光軸方向拘束
リンク98とを連結する第4保持部首部95dの上方に
位置するように形成されている。
【0082】前記押さえ面ブロック支持機構104は、
腕部106と押さえ面側取付部107とからなってお
り、その押さえ面側取付部107と前記押さえ面ブロッ
ク103とは所定の間隔をおいて離間されている。そし
て、この押さえ面側取付部107と前記座面側取付部9
9とを前記パッド部材87を介して接合させた状態でボ
ルト108により締結することにより、クランプ部材8
6が前記座面ブロック90aに対して固定されるように
なっている。
【0083】また、前記腕部106は、前記押さえ面ブ
ロック103と押さえ面側取付部107との両端を接続
するように一対設けられている。各腕部106は、平面
コ字状をなし、押さえ面側取付部107と前記座面側取
付部99とを前記パッド部材87を介して接合させた状
態で弾性変形可能なだけの長さをもって形成されてい
る。さらに、この腕部106は、レンズ枠体82に装着
した状態で、そのレンズ枠体82の取付溝84内にその
内周面とは離間した状態で収容されるようになってい
る。
【0084】前記パッド部材87は、前記両取付部9
9,107の間に挟持される挟持部111と、前記押さ
え面105と像面側レンズ39aのフランジ部39af
との間に介装される作用部112と、それら挟持部11
1と作用部112とを連結するとともに弾性変形可能な
薄板状の薄板部113とからなっている。前記作用部1
12の下面には、像面側レンズ39aのフランジ部39
afに係合する作用面114が、前記座面89に対応す
るように平面状に形成されている。この作用面114の
周縁は、そのフランジ部39afに対する角当たりによ
る損傷を回避するため、所定の曲率をもった曲面状に形
成されている。
【0085】そして、このように構成されたクランプ部
材86は、前記ボルト108を締め込むことにより、前
記腕部106が弾性変形されて、押さえ面ブロック10
3の押さえ面105に座面ブロック90a側への押圧力
を付与する。この押圧力は、パッド部材87の作用面1
14を介して、像面側レンズ39aのフランジ部39a
fに作用する。これにより、像面側レンズ39aのフラ
ンジ部39afが、座面ブロック90aの座面89と、
押さえ面ブロック103の押さえ面105との間に挟持
される。
【0086】さらに、図13〜図15及び図17に示す
ように、レンズ枠体82の前記各取付溝84近傍の外周
面上には、後述するレンズ枠体位置検出機構122に対
向するように、四角柱状の位置検出用突部116が突設
されている。また、レンズ枠体82の上面における各支
持部材83の中間には、前記フレクシャ部材81に接合
する平板状のフレクシャ接合部117が外方に延出する
ように形成されている。
【0087】次に、枠体80の具体的構成を主に図13
及び図19〜図21に基づいて説明する。図19は枠体
80全体を示す斜視図であり、図20はその枠体80の
フレクシャ部材81の取付部分を拡大して示す部分平面
図であり、図21はその取付部分を中心とした部分側面
図である。図19〜図21に示すように、前記枠体80
は、鉄、アルミニウム等の金属材料からなり、円環状を
なしている。その枠体80の上面の内周面側には、前記
フレクシャ部材81を取り付けるための3つのフレクシ
ャ取付部120が等角度間隔おきに形成されている。
【0088】そして、枠体80の内周面及び下面には、
枠体80同士を積み重ねた際に、他の枠体80のフレク
シャ部材81を収容するためのフレクシャ収容凹部12
1が、前記各フレクシャ取付部120の中間位置に対応
するように3つ凹設されている。このフレクシャ収容凹
部121は、後述のフレクシャ本体124を収容する本
体収容部121aが中心に形成され、その両側端に連続
するように後述の各駆動レバー125a,125bを収
容するレバー収容部121bが形成されている。ここ
で、フレクシャ取付部120とフレクシャ収容凹部12
1とは、枠体80の周方向において交互に、しかも18
0°位相がずれた状態で形成されている。
【0089】また、図13及び図19に示すように、枠
体80における前記フレクシャ収容凹部121の近傍の
外周面上には、レンズ枠体位置検出機構122を取着す
るための検出機構取付座123が形成されている。この
検出機構取付座123には、例えば静電容量検出形の断
面L字状をなすレンズ枠体位置検出機構122が、枠体
80の外方に突出するように取着される。この枠体80
上に前記レンズ枠体82が前記フレクシャ部材81を介
して取着されたとき、そのレンズ枠体位置検出機構12
2と、前記レンズ枠体82の位置検出用突部116とが
所定の隙間をおいて対向配置されるようになっている。
そして、レンズ枠体82が枠体80に対して相対移動さ
れると、前記位置検出用突部116がレンズ枠体位置検
出機構122に対して変位して、その変位量がレンズ枠
体位置検出機構122により検出されるようになってい
る。
【0090】次に、前記フレクシャ部材81の詳細構成
について、図13及び図19〜図24に基づいて説明す
る。図22は、前記枠体80におけるフレクシャ本体1
24の取付部分を拡大して示す部分側面図である。
【0091】図13に示すように、前記フレクシャ部材
81は、フレクシャ本体124と、一対の操作部として
の垂直方向駆動レバー125a及び水平方向駆動レバー
125bとを有している。前記フレクシャ本体124
は、前記レンズ枠体82のフレクシャ接合部117と、
前記枠体80のフレクシャ取付部120とに挟持される
ように取り付けられている。このフレクシャ本体124
には、前記レンズ枠体82のフレクシャ接合部117が
ボルト138を介して接合固定される接続ブロック12
4aとその接続ブロック124aの姿勢を調整可能に支
持する接続ブロック支持機構132(図22参照)が形
成されるフレクシャ支持ブロック124bとを備えてい
る。
【0092】ここで、図23はフレクシャ部材81及び
枠体80を両駆動レバー125a,125bに沿って破
断した部分断面図である。また、図24は、フレクシャ
部材81及び枠体80をフレクシャ本体124のほぼ中
央において像面側レンズ39aの径方向に沿って破断し
た拡大部分断面図である。
【0093】図22〜図24に示すように、このフレク
シャ本体124は、略直方体状をなしており、接続ブロ
ック124aとフレクシャ支持ブロック124bとの
間、及びフレクシャ支持ブロック124bには、図22
のX軸方向に貫通する複数の第1スリット126及び第
2スリット127が形成されている。この第1スリット
126は、フレクシャ本体124に各スリット126,
127を加工する際の基準孔124cより上部側に形成
されており、前記第2スリット127は、同基準孔12
4cの下部側に形成されている。
【0094】この第1及び第2スリット126,127
を形成する際、全部のスリット126,127が互いに
連続しないように、スリット126,127の間に加工
を施さない部分を残す。この第1スリット126に対応
して加工を施さない部分に対して、彫り込み部126a
がX方向の+方向(図22の紙面の手前側)から彫り込
む加工と、X方向の−方向(図22の紙面の向こう側)
から彫り込む加工とにより形成される。
【0095】ここで、この彫り込み部126aは、像面
側レンズ39aの径方向に沿うように形成される。そし
て、この彫り込み部126aの両端側には、大きな穴が
形成されている。このX方向の+方向からの加工と−方
向からの加工とによって、接続ブロック124aとフレ
クシャ支持ブロック124bとの間、及びフレクシャ支
持ブロック124bには、回転ピボット及び切欠ばねを
なす複数のフレクシャ首部129a〜129dが形成さ
れる。そして、各フレクシャ首部129a〜129dの
両側には、像面側レンズ39aの径方向に貫通する矩形
貫通孔128aが形成される。
【0096】このフレクシャ首部129a〜129dに
予測不能な歪みが残存するのを回避するために、各矩形
貫通孔128aの深さ方向におけるフレクシャ首部12
9a〜129dの近傍は、そのフレクシャ首部129a
〜129dの両側が同じ加工方法により切削加工が施さ
れている。この加工方法としては、例えば型彫放電加
工、機械的切削加工等が有効である。
【0097】また、前記第2スリット127に対応して
加工を施さない部分(2ヶ所)の両側には、断面略円形
状をなし、像面側レンズ39aの径方向に貫通する円形
貫通孔128bが形成されている。この対向する一対の
円形貫通孔128bの間には、切欠ばねをなす第1及び
第2薄肉部130a,130bが形成されている。
【0098】ここで、フレクシャ支持ブロック124b
は、前記第1及び第2スリット126,127により、
大きく6つの部分に分割されている。すなわち、フレク
シャ支持ブロック124bは、フレクシャ固定部131
と、第1拘束ブロック133aと、第2拘束ブロック1
34aと、第1駆動ブロック135aと、第2駆動ブロ
ック136aとに分割されている。前記フレクシャ固定
部131は、前記枠体80のフレクシャ取付部120に
ボルト137を介して固定されている(図19及び図2
2参照)。
【0099】前記複数のフレクシャ首部129a〜12
9dは、フレクシャ本体124に対する彫り込み加工に
より形成され、本実施形態では第1〜第4フレクシャ首
部129a〜129dの4つからなっている。第1フレ
クシャ首部129aは、前記第1駆動ブロック135a
と第1拘束ブロック133aとを連結するものである。
第2フレクシャ首部129bは、前記第2駆動ブロック
136aと第2拘束ブロック134aとを連結するもの
である。第3フレクシャ首部129cは、第1拘束ブロ
ック133aと第2拘束ブロック134aとを連結する
ものである。第4フレクシャ首部129dは、第1拘束
ブロック133aと接続ブロック124aとを連結する
ものである。これら複数のフレクシャ首部129a〜1
29dは断面略正方形をなし、各拘束ブロック133
a,134a、各駆動ブロック135a,136a、接
続ブロック124aの断面積に比べて著しく小さな断面
積を有する。
【0100】そして、第1拘束ブロック133aは、第
1フレクシャ首部129a及び第4フレクシャ首部12
9dによって、第1駆動ブロック135aと接続ブロッ
ク124aとに固定される。この第1拘束ブロック13
3aは、第1フレクシャ首部129a及び第4フレクシ
ャ首部129dの協働により、Z方向(像面側レンズ3
9aの光軸方向)周りに回転可能に保持されるが、Z方
向への変位は拘束される。従って、第1拘束ブロック1
33a、第1フレクシャ首部129a及び第4フレクシ
ャ首部129dにより像面側レンズ39aの垂直方向
(光軸方向)への変位を拘束する垂直方向拘束リンク1
33が形成される。
【0101】また、第2拘束ブロック134aは、第2
フレクシャ首部129b及び第3フレクシャ首部129
cによって、第2駆動ブロック136aと第1拘束ブロ
ック133aとに固定される。この第2拘束ブロック1
34aは、第2フレクシャ首部129b及び第3フレク
シャ首部129cの協働により、Y方向(像面側レンズ
39aの接線方向)周りに回転可能に保持されるが、Y
方向への変位は拘束される。従って、第2拘束ブロック
134a、第2フレクシャ首部129b及び第3フレク
シャ首部129cにより像面側レンズ39aの水平方向
(接線方向)への変位を拘束する水平方向拘束リンク1
34が形成される。
【0102】この垂直方向拘束リンク133の拘束方向
と、水平方向拘束リンク134の拘束方向とは、互いに
ほぼ直交する。言い換えれば、垂直方向拘束リンク13
3の回転軸と、水平方向拘束リンク134の回転軸と
が、互いにほぼ直交する。
【0103】そして、前記接続ブロック124aは、第
4フレクシャ首部129dによって、フレクシャ支持ブ
ロック124bに連結されている。すなわち、接続ブロ
ック124aは、垂直方向拘束リンク133と水平方向
拘束リンク134とを備える一対のリンクリンク機構に
よって支持されている。
【0104】また、図22〜図24に示すように、前記
フレクシャ首部129a〜129dのうち、第1及び第
4フレクシャ首部129a,129dは、前記接続ブロ
ック124aのほぼ中心を通り前記Z軸に平行な線上に
配置されている。一方、第2及び第3フレクシャ首部1
29b,129cは、前記接続ブロック124aの表面
にほぼ平行な線上に配置されている。さらに、第3フレ
クシャ首部129cは、第4フレクシャ首部129dの
近傍に配置されている。
【0105】このフレクシャ本体124において、接続
ブロック124aは、垂直方向拘束リンク133及び水
平方向拘束リンク134により、第1及び第2駆動ブロ
ック135a,136aに対して、X方向、Y方向、Z
方向周りに回転可能に、かつY方向、Z方向への変位が
抑制されるよう支持されている。さらに、接続ブロック
124aは、第4フレクシャ首部129dによりX方向
に変位可能に支持されている。
【0106】ところで、第1駆動ブロック135aは、
第1フレクシャ首部129aにより第1拘束ブロック1
33aに連結され、第1薄肉部130aによりフレクシ
ャ固定部131に連結されている。そして、その第1駆
動ブロック135aの外端には、長尺状をなす前記垂直
方向駆動レバー125aが前記像面側レンズ39aの接
線方向に沿って延びるように一体形成されている。この
第1駆動ブロック135aは、前記垂直方向駆動レバー
125aに像面側レンズ39aの光軸と平行な方向(上
下方向)に付与された駆動力を、接続ブロック124a
側の第1フレクシャ首部129aに対して第1の方向を
なす上下方向の駆動力に変換して伝達する。この駆動力
の変換は、切り欠きばねをなす第1薄肉部130aの作
用によりもたらされる。従って、第1駆動ブロック13
5a、第1フレクシャ首部129a及び第1薄肉部13
0aにより、垂直方向駆動レバー125aに付与された
上下方向の駆動力を前記垂直方向拘束リンク133に上
下方向の駆動力として伝達する垂直方向駆動リンク13
5が形成される。
【0107】一方、第2駆動ブロック136aは、第2
フレクシャ首部129bにより第2拘束ブロック134
aに連結され、第2薄肉部130bによりフレクシャ固
定部131に連結されている。そして、その第2駆動ブ
ロック136aの外端には、長尺状をなす前記水平方向
駆動レバー125bが前記像面側レンズ39aの接線方
向に沿って延びるように一体形成されている。この第2
駆動ブロック136aは、前記水平方向駆動レバー12
5bに像面側レンズ39aの光軸と平行な方向(上下方
向)に付与された駆動力を、接続ブロック124a側の
第2フレクシャ首部129bに対して像面側レンズ39
aの第2の方向をなす接線方向(水平方向)の駆動力に
変換して伝達する。この駆動力の変換は、切り欠きばね
をなす第2薄肉部130bの作用によりもたらされる。
従って、第2駆動ブロック136a、第2フレクシャ首
部129b及び第2薄肉部130bにより、水平方向駆
動レバー125bに付与された上下方向の駆動力を前記
水平方向拘束リンク134に水平方向の駆動力として伝
達する水平方向駆動リンク136が形成される。
【0108】ここで、前記第1フレクシャ首部129a
は、前記第1薄肉部130aの中央を通り前記像面側レ
ンズ39aの接線方向に沿う直線上に配置されている。
一方、前記第2フレクシャ首部129bは、前記第2薄
肉部130bの中央を通り前記像面側レンズ39aの光
軸方向に沿う直線上に配置されている。
【0109】図19〜図21及び図23に示すように、
前記枠体80における前記両駆動レバー125a,12
5bの先端の上面には、位置調整部材としての調整ワッ
シャ139、及び同じく位置調整部材としての調整ボタ
ン140が交換部材(例えば、ボルト、プラグ等)14
1(図23参照)により交換可能に固定されている。こ
の調整ワッシャ139はその厚さが例えば1μmおき
で、調整ボタン140はその厚さが例えば10μmおき
で、予めそれぞれ複数用意されている。すなわち、調整
ワッシャ139が微調整用に、また調整ボタン140が
祖調整用に使われる。そして、これらの調整ワッシャ1
39及び調整ボタン140を選択的に嵌合することで、
前記両駆動レバー125a,125bと枠体80との間
の間隔が調整され、これにより前記両駆動レバー125
a,125bに付与される駆動力が設定されるようにな
っている。
【0110】しかも、前記両駆動レバー125a,12
5bは、前記像面側レンズ39aの接線方向に沿って所
定の長さを有するように形成されている。このため、前
記調整ワッシャ139及び調整ボタン140で設定さ
れ、両駆動レバー125a,125bに付与される駆動
力は、その長さに応じた割合で低減されて前記フレクシ
ャ本体124に伝達されるようになっている。
【0111】また、これら調整ワッシャ139及び調整
ボタン140の近傍で、かつフレクシャ本体124側の
枠体80の上面には、リフトレバー142が上下移動可
能かつ前記両駆動レバー125a,125bに接離可能
に設けられている。さらに、両駆動レバー125a,1
25bには、そのリフトレバー142の近傍で、かつフ
レクシャ本体124側の部分において、一端が枠体80
に固定された引っ張りばねからなる復帰ばね143の他
端が取着されている。これにより、両駆動レバー125
a,125bは枠体80側に付勢され、前記リフトレバ
ー142が当接していない状態では、両駆動レバー12
5a,125bの先端が前記調整ボタン140の上面に
当接するようになっている。
【0112】このリフトレバー142を駆動レバー12
5a,125bに当接させたまま、枠体80から離れる
方向、すなわち上方向に移動させることによって、各駆
動レバー125a,125bが復帰ばね143の付勢力
に抗して枠体80から離れるように移動する。このよう
に、各駆動レバー125a,125bが、調整ボタン1
40から離れた状態で、調整ボタン140及び調整ワッ
シャ139の交換が行われる。調整ボタン140及び調
整ワッシャ139の交換が完了した後、リフトレバー1
42を元の位置に戻すことによって、各駆動レバー12
5a,125bが復帰ばね143の付勢力によって調整
ボタン140の上面に当接する。
【0113】図13及び図25に示すように、前記枠体
80の上面及び下面の外周側部分には、枠体80同士が
積み重ねられた際に、他の枠体80との重合面80aが
形成されている。そして、以上のように構成された複数
の固定光学素子保持装置41が、それぞれその位相を1
80°ずつずらした状態で、その枠体80の重合面80
aにおいて間隔調整用スペーサを介して互いに積層され
るようになっている。このように、複数の固定光学素子
保持装置41が重合配置された状態では、下方に配置さ
れる固定光学素子保持装置41のレンズ枠体82は、上
方に配置される固定光学素子保持装置41の枠体80内
に収容される。また、このとき、下方側の固定光学素子
保持装置41のフレクシャ部材81は、上方側の枠体8
0のフレクシャ収容凹部121内に収容される。
【0114】次に、この固定光学素子保持装置41のフ
レクシャ本体124の動作について、さらに詳細に説明
する。図26は、3つのフレクシャ本体124のうち、
1つのフレクシャ本体124の一部を模式的に描いたも
のである。
【0115】ここで、前記垂直方向駆動レバー125a
の先端部に所定の駆動力F1を作用させる場合を考え
る。図26において、垂直方向駆動レバー125a側の
第1薄肉部130aではその両側の円形貫通孔128b
が上下に対向するように配列されている。このため、前
記駆動力F1により、垂直方向駆動レバー125aの先
端部を垂直方向に変位されると、その第1薄肉部130
aでは像面側レンズ39aの径方向を軸線とする回動力
M1が生じる。
【0116】ここで、第1フレクシャ首部129aは、
前記第1薄肉部130aの中心を通るとともに像面側レ
ンズ39aの接線方向に沿う直線L1上に形成されてい
る。このため、前記第1薄肉部130aにおける回動力
M1が、第1駆動ブロック135aを介して、第1フレ
クシャ首部129aにおける垂直方向への直線駆動に変
換される。この直線駆動が第1拘束ブロック133a及
び第4フレクシャ首部129dを介して接続ブロック1
24aに伝達され、レンズ枠体82内の像面側レンズ3
9aにおける光軸方向に沿った変位が実現される。
【0117】次に、水平方向駆動レバー125bの先端
部に所定の駆動力F2を作用させる場合を考える。この
水平方向駆動レバー125b側の第2薄肉部130bで
はその両側の円形貫通孔128bが水平に対向するよう
に配列されている。このため、所定の駆動力F2が作用
されて水平方向駆動レバー125bの先端部を垂直方向
に変位されると、その第2薄肉部130bでは像面側レ
ンズ39aの径方向を軸線とする回動力M2が生じる。
【0118】ここで、第2フレクシャ首部129bは、
前記第2薄肉部130bの中心を通るとともに像面側レ
ンズ39aの光軸方向に沿う直線L2上に形成されてい
る。このため、前記第2薄肉部130bにおける回動力
M2が、第2駆動ブロック136aを介して、第2フレ
クシャ首部129bにおける水平方向への直線駆動に変
換される。この直線駆動が第2拘束ブロック134a、
第3フレクシャ首部129c及び第4フレクシャ首部1
29dを介して接続ブロック124aに伝達され、レン
ズ枠体82内の像面側レンズ39aにおける接線方向に
沿った変位が実現される。
【0119】さらに、所定の駆動力F1,F2を作用さ
せて両駆動レバー125a,125bの先端部をそれぞ
れ垂直方向に変位させると、前記第1拘束ブロック13
3a、第2拘束ブロック134a及び第3フレクシャ首
部129cを介して、前記2つの方向への駆動力が合成
される。つまり、像面側レンズ39aの光軸をZ軸とす
る極座標R−θ−Z系を考えた場合、第3フレクシャ首
部129cのθ座標、Z座標が、両駆動レバー125
a,125bの動きに応じた位置に変化する。
【0120】一方、前記第1拘束ブロック133a及び
第2拘束ブロック134aは、駆動力の伝達方向に沿っ
て拘束され(その長さが変化することなく)、かつ第3
フレクシャ首部129cは、前記第1フレクシャ首部1
29aと第2フレクシャ首部129bとを結ぶ直線L3
を中心軸として微少回転することが可能である。すなわ
ち、極座標でいうところのR方向(像面側レンズ39a
の径方向)に変位する自由度を有している。
【0121】従って、レンズ枠体82に対して不動な点
である第3フレクシャ首部129cは、極座標で言うと
ころのθ、Z並進移動の自由度を、望むべく位置に拘束
され、かつR並進自由度を有している。また、第3フレ
クシャ首部129cは回転ピポットであるので、R、
θ、Zの各軸回りの回転自由度を有している。
【0122】以上の動き及び拘束状態は、枠体80の3
ヶ所に設置されたフレクシャ本体124のそれぞれの中
で独立に生じる。従って、レンズ枠体82に対して固定
された3つの点(第3フレクシャ首部129c)のそれ
ぞれにおいてレンズ枠体82の自由度がそれぞれ2ずつ
拘束され、レンズ枠体82の姿勢(6自由度)は機構学
の教えるところにより過不足なく拘束される。かつ、そ
の姿勢は、両駆動レバー125a,125bの駆動量と
1:1で対応しているため、レンズ枠体82及びそれに
保持される像面側レンズ39aの姿勢を、それらに無理
な力、歪みを与えることなく自在に調節することが可能
である。
【0123】このように、レンズ枠体82は、各フレク
シャ部材81を介して、前記枠体80に対して、いわゆ
るキネマティックに支持されている。ここで、像面側レ
ンズ39aの中心を原点、その像面側レンズ39aの光
軸方向をZ軸、像面側レンズ39aの径方向をR軸及び
像面側レンズ39aの周方向をθ軸とする極座標系R−
θ−Z系を考える。このフレクシャ部材81のリンク機
構144によれば、レンズ枠体82とリンク機構144
との連結点をなす前記第3フレクシャ首部129cは、
所定の範囲内においてR、θ、Zの各軸方向に変位可能
となる。また、枠体各リンク機構144における、前記
第3フレクシャ首部129cの枠体80からの高さ位置
を適宜変更して組み合わせることにより、レンズ枠体8
2を前記枠体80に対して任意の方向に傾けることがで
きる。これにより、レンズ枠体82が枠体80に対し
て、いわゆるキネマティックに、つまりR、θ、Zの各
軸方向への移動とR軸、θ軸及びZ軸の各軸周りの回転
とが可能なように保持される。
【0124】次に、鏡筒38の組立てについて、説明す
る。まず、本実施形態における複数の像面側鏡筒モジュ
ール37aと、複数の物体面側鏡筒モジュール37bと
を、各モジュール37a,37bが保持するレンズ39
a,39bm,39bsの光軸方向に沿って積み重ね
る。
【0125】そして、各モジュール37a,37bのそ
れぞれに関して、光軸方向と直交する方向の位置を相対
的に調整することによって、各モジュール37a,37
b間の位置調整を行う。この位置調整は、像面側鏡筒モ
ジュール37aの枠体80及び物体面側鏡筒モジュール
37bの鏡筒本体44を回転させた際の偏心量に基づい
て行われる。
【0126】なお、像面側鏡筒モジュール37aの枠体
80及び物体面側鏡筒モジュール37bの鏡筒本体44
に対するレンズ39a,39bm,39bsの位置決め
は、芯出し装置上において、レンズ39a,39bm,
39bsを保持した枠体80及び鏡筒本体44を回転さ
せて行う。ここで、各レンズ39a,39bm,39b
sは、枠体80及び鏡筒本体44を回転させたときに、
それらレンズ39a,39bm,39bsの光軸の振れ
具合が小さくなるように、予め枠体80及び鏡筒本体4
4に対して位置決めされている。また、上述したモジュ
ール37a,37bのそれぞれの位置調整は、これら枠
体80及び鏡筒本体44に対するレンズ39a,39b
m,39bsの位置決めが完了した後に行われるものと
する。
【0127】このように、各モジュール37a,37b
間の位置調整を行うことによって、鏡筒38が完成す
る。この完成した鏡筒38がフレーム42上に載置さ
れ、露光装置31として組み上げられる。鏡筒38をフ
レーム42上に載置する際の衝撃や、鏡筒38を搬送す
る際に生じる衝撃などによって、上述した位置調整に誤
差が生じる可能性がある。そこで、露光装置31のフレ
ーム42上に鏡筒38を載置した状態で、投影光学系3
5の波面収差を波面収差測定器で測定する。そして、そ
の測定結果に基づいて、波面収差の収差量が小さくなる
ように、固定光学素子保持装置41における駆動レバー
125a,125bの位置を調整して、像面側レンズ3
9aの位置を変位させた後、調整ワッシャ139または
調整ボタン140を必要に応じて交換する。この調整ワ
ッシャ139及び調整ボタン140の交換によって、フ
レーム42上に載置された鏡筒38、すなわち、露光装
置31に装備された状態の投影光学系35の結像性能が
最適な状態に設定される。このように、投影光学系35
の性能が最適な状態に設定された後、物体面側鏡筒モジ
ュール37b内の可動レンズ39bmを駆動する前記ア
クチュエータ50の動作の基準位置を設定する。
【0128】まず、前記アクチュエータ50が非作動状
態にあって、可動レンズ39bmを支持するインナリン
グ部44aが原位置に配置された状態で、検出ヘッド7
6にてスケール74上の目盛74aを読み取る。このと
きの検出ヘッド76の検出値をインナリング部44aの
移動量計測のための原点とし、このときのアクチュエー
タ50の位置をアクチュエータ50の変位の基準位置に
設定する。そして、また、アクチュエータ50にてイン
ナリング部44aが光軸方向に移動された状態では、検
出ヘッド76によりスケール74上の目盛74aを読み
取らせることにより、前記原点に基づいてインナリング
部44aの移動量が計測される。
【0129】なお、前記鏡筒38を露光装置31のフレ
ーム42上に載置する場合は、3点で、いわゆる「キネ
マティックに」支持されている。すなわち、鏡筒38の
フランジ部38a(図1参照)の下面と、フレーム42
の上面との間には、キネマティックカップリング機構が
設置される。このキネマティックカップリング機構は、
フランジ部38aとフレーム42との一方に取付けら
れ、V溝が形成された第1の係合部材と、フランジ部3
8aとフレーム42との他方に取付けられ、上記第1の
係合部材に係合する凸部(例えば、ボール)を有する第
2の係合部材とを備える。
【0130】さらに、フランジ部38aとフレーム42
との間には、鏡筒38の荷重をキャンセルするための荷
重キャンセル機構(例えば、弾性部材としてのばねを利
用したばね機構)が取付けられている。また、荷重キャ
ンセル機構の代わりに、エアパッド(ワッシャパッド)
を用いてもよい。
【0131】このように、フランジ部38aとフレーム
42との間に、荷重キャンセル機構やエアパッドを設置
することによって、鏡筒38をフランジ部38a上に載
置するときに発生する応力の均一化を図ることができ、
鏡筒38に対して不均一な応力がかからないようにする
ことができる。
【0132】従って、本実施形態によれば、以下のよう
な効果を得ることができる。 (イ) この露光装置31では、まず像面側レンズ39
aの位置を固定光学素子保持装置41により所定位置に
調整する。そして、この状態で、アクチュエータ50の
駆動量を検出するセンサ72の測定の原点を設定するこ
とで、可動レンズ39bmを駆動するアクチュエータ5
0における変位の基準位置を設定するようになってい
る。このため、アクチュエータ50における変位の基準
位置が、像面側レンズ39aの光軸調整が行われた状
態、すなわち投影光学系35が所定状態に調整された上
で設定されることになる。これにより、アクチュエータ
50の基準位置の設定をより正確に行うことができて、
投影光学系35の結像特性を補正する際の誤差を小さく
することができる。
【0133】(ロ) この露光装置31では、投影光学
系35の物体面側に配置された可動レンズ39bmの位
置を可動光学素子保持装置40により調整するととも
に、像面側に配置された像面側レンズ39aの位置を固
定光学素子保持装置41により調整するようになってい
る。このため、像面側に配置された各像面側レンズ39
aの位置決めを固定光学素子保持装置41により、光軸
を厳密に調整した状態とすることで、投影光学系35全
体の結像特性の調整を容易にかつより正確に行うことが
できる。この上で、可動光学素子保持装置40により、
物体面側に配置された可動レンズ39bmの位置を調整
することで、稼動状態における投影光学系35の結像特
性の変動を容易かつより正確に補正することができる。
【0134】(ハ) この露光装置31では、レチクル
R上に形成された所定のパターンの像をウエハW上に投
影する投影光学系35の各レンズ39a,39bmの位
置を固定光学素子保持装置41または可動光学素子保持
装置40で調整するようになっている。このため、投影
光学系35の結像特性をより正確に補正することがで
き、レチクルR上のパターンの像をウエハW上に、より
正確に投影することができる。そして、露光装置31に
おける露光精度の向上を図ることができる。
【0135】(変形例)なお、本発明の実施形態は、以
下のように変形してもよい。 ・ 前記実施形態では、フランジ部38aより像面側に
可動光学素子保持装置40を配置し、フランジ部38a
より物体面側に固定光学素子保持装置41を配置する構
成を説明したが、本発明は、この構成に限定されるもの
ではない。例えば、フランジ部38aより像面側、物体
面側に可動光学素子保持装置40と固定光学素子保持装
置41とを組み合わせて配置してもよい。また、フラン
ジ部38aより物体面側に可動光学素子保持装置40を
配置し、フランジ部38aより物体面側に可動光学素子
保持装置40を配置する構成であってもよい。
【0136】・ 前記実施形態では、各像面側レンズ3
9aの位置を固定光学素子保持装置41により所定位置
に調整する。そして、この状態で、アクチュエータ50
の駆動量を検出するセンサ72の測定の原点を設定する
ことで、可動レンズ39bmを駆動するアクチュエータ
50における変位の基準位置を設定するようにした。こ
れに対して、予めそれぞればね定数の異なる複数の引っ
張りばね69を用意する。そして、各像面側レンズ39
aの位置を所定の設定位置に調整した後に、アクチュエ
ータ50が非作動状態で所定長さとなるような引っ張り
ばね69を選択してインナリング部44aとアウタリン
グ部44bとの間に装着して、アクチュエータ50にお
ける変位の基準位置を設定するようにしてもよい。
【0137】・ 前記実施形態では、鏡筒38をフレー
ム42上に載置する際の衝撃や、鏡筒38を搬送する際
に生じる衝撃などによって生じた位置調整の誤差を、固
定光学素子保持装置41における駆動レバー125a,
125bの位置を調整して、像面側レンズ39aの位置
を変位させて調整する。そして、投影光学系35の性能
が最適な状態に設定された後、物体面側鏡筒モジュール
37b内の可動レンズ39bmを駆動するアクチュエー
タ50の動作の基準位置を設定するようにした。
【0138】これに対して、例えば次のような方法で、
前記誤差を補正するようにしてもよい。すなわち、固定
光学素子保持装置41における駆動レバー125a,1
25bの位置を調整して像面側レンズ39aの位置を変
位させるとともに、アクチュエータ50を駆動させて可
動レンズ39bmの位置を変位させる。そして、投影光
学系35の性能が最適な状態に設定された後、前記アク
チュエータ50の動作の基準位置を設定するようにして
もよい。
【0139】・ 前記実施形態では、光学素子として各
レンズ39a,39bm,39bsが例示されている
が、この光学素子は平行平板、ミラー、ハーフミラー等
の他の光学素子であってもよい。
【0140】・ この発明の可動光学素子保持装置40
及び固定光学素子保持装置41は、前記実施形態の露光
装置31の投影光学系35における横置きタイプの各レ
ンズ39a,39bm,39bsの保持構成に限定され
るものではない。例えば露光装置31の照明光学系33
における光学素子の保持構成、縦置きタイプの光学素子
の保持構成に具体化してもよい。さらに、他の光学機
械、例えば顕微鏡、干渉計等の光学系における光学素子
の保持構成に具体化してもよい。
【0141】以上のようにした場合でも、前記実施形態
における効果とほぼ同様の効果が得られる。 ・ また、露光装置として、投影光学系を用いることな
く、マスクと基板とを密接させてマスクのパターンを露
光するコンタクト露光装置、マスクと基板とを近接させ
てマスクのパターンを露光するプロキシミティ露光装置
の光学系にも適用することができる。また、投影光学系
としては、全屈折タイプに限らず、反射屈折タイプであ
ってもよい。
【0142】さらに、本発明の露光装置は、縮小露光型
の露光装置に限定されるものではなく、例えば等倍露光
型、拡大露光型の露光装置であってもよい。また、半導
体素子などのデバイスだけでなく、光露光装置、EUV
露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使
用されるレチクルまたはマスクを製造するために、マザ
ーレチクルからガラス基板やシリコンウエハなどへ回路
パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。
ここで、DUV(深紫外)やVUV(真空紫外)光など
を用いる露光装置では一般に透過型レチクルが用いら
れ、レチクル基板としては、石英ガラス、フッ素がドー
プされた石英ガラス、蛍石、フッ化マグネシウム、また
は水晶などが用いられる。また、プロキシミティ方式の
X線露光装置や電子線露光装置などでは、透過型マスク
(ステンシルマスク、メンバレンマスク)が用いられ、
マスク基板としてはシリコンウエハなどが用いられる。
【0143】もちろん、半導体素子の製造に用いられる
露光装置だけでなく、液晶表示素子(LCD)などを含
むディスプレイの製造に用いられてデバイスパターンを
ガラスプレート上へ転写する露光装置にも、本発明を適
用することができる。また、薄膜磁気ヘッド等の製造に
用いられてデバイスパターンをセラミックウエハ等へ転
写する露光装置、及びCCD等の撮像素子の製造に用い
られる露光装置などにも本発明を適用することができ
る。
【0144】さらに、本発明は、マスクと基板とが相対
移動した状態でマスクのパターンを基板へ転写し、基板
を順次ステップ移動させるスキャニング・ステッパに適
用することができる。また、本発明は、マスクと基板と
が静止した状態でマスクのパターンを基板へ転写し、基
板を順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピー
ト方式のステッパにも適用することができる。
【0145】・ また、露光装置の光源としては、例え
ばg線(436nm)、i線(365nm)、KrFエ
キシマレーザ(248nm)、F2レーザ(157n
m)、Kr2レーザ(146nm)、Ar2レーザ(1
26nm)等を用いてもよい。また、DFB半導体レー
ザまたはファイバレーザから発振される赤外域、または
可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(また
はエルビウムとイッテルビウムの双方)がドープされた
ファイバアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外
光に波長変換した高調波を用いてもよい。
【0146】なお、前記実施形態の露光装置31は、例
えば次のように製造される。すなわち、まず、照明光学
系33、投影光学系35を構成する複数のレンズ39
a,39bm,39bsまたはミラー等の光学素子の少
なくとも一部を前記実施形態または前記各変形例の実施
形態の固定光学素子保持装置41または可動光学素子保
持装置40で保持する。この照明光学系33及び投影光
学系35を、露光装置31の本体に組み込み、光学調整
を行う。次いで、多数の機械部品からなるウエハステー
ジ36(スキャンタイプの露光装置の場合は、レチクル
ステージ34も含む)を露光装置31の本体に取り付け
て配線を接続する。そして、露光光ELの光路内にガス
を供給するガス供給配管を接続した上で、さらに総合調
整(電気調整、動作確認など)を行う。
【0147】ここで、可動光学素子保持装置40または
固定光学素子保持装置41を構成する各部品は、超音波
洗浄などにより、加工油や、金属物質などの不純物を落
としたうえで、組み上げられる。なお、露光装置31の
製造は、温度、湿度や気圧が制御され、かつクリーン度
が調整されたクリーンルーム内で行うことが望ましい。
【0148】前記実施形態における硝材として、蛍石、
石英などを例に説明したが、フッ化リチウム、フッ化マ
グネシウム、フッ化ストロンチウム、リチウム−カルシ
ウム−アルミニウム−フロオライド、及びリチウム−ス
トロンチウム−アルミニウム−フロオライド等の結晶
や、ジルコニウム−バリウム−ランタン−アルミニウム
からなるフッ化ガラスや、フッ素をドープした石英ガラ
ス、フッ素に加えて水素もドープされた石英ガラス、O
H基を含有させた石英ガラス、フッ素に加えてOH基を
含有した石英ガラス等の改良石英を用いた場合にも、前
記実施形態の固定光学素子保持装置41及び可動光学素
子保持装置40を適用することができる。
【0149】次に、上述した露光装置31をリソグラフ
ィ工程で使用したデバイスの製造方法の実施形態につい
て説明する。図27は、デバイス(ICやLSI等の半
導体素子、液晶表示素子、撮像素子(CCD等)、薄膜
磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャ
ートを示す図である。図27に示すように、まず、ステ
ップS151(設計ステップ)において、デバイス(マ
イクロデバイス)の機能・性能設計(例えば、半導体デ
バイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するため
のパターン設計を行う。引き続き、ステップS152
(マスク製作ステップ)において、設計した回路パター
ンを形成したマスク(レクチルR等)を製作する。一
方、ステップS153(基板製造ステップ)において、
シリコン、ガラスプレート等の材料を用いて基板(シリ
コン材料を用いた場合にはウエハWとなる。)を製造す
る。
【0150】次に、ステップS154(基板処理ステッ
プ)において、ステップS151〜S153で用意した
マスクと基板を使用して、後述するように、リソグラフ
ィ技術等によって基板上に実際の回路等を形成する。次
いで、ステップS155(デバイス組立ステップ)にお
いて、ステップS154で処理された基板を用いてデバ
イス組立を行う。このステップS155には、ダイシン
グ工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程
(チップ封入等)等の工程が必要に応じて含まれる。
【0151】最後に、ステップS156(検査ステッ
プ)において、ステップS155で作製されたデバイス
の動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こう
した工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷され
る。
【0152】図28は、半導体デバイスの場合におけ
る、図27のステップS154の詳細なフローの一例を
示す図である。図28において、ステップS161(酸
化ステップ)では、ウエハWの表面を酸化させる。ステ
ップS162(CVDステップ)では、ウエハW表面に
絶縁膜を形成する。ステップS163(電極形成ステッ
プ)では、ウエハW上に電極を蒸着によって形成する。
ステップS164(イオン打込みステップ)では、ウエ
ハWにイオンを打ち込む。以上のステップS161〜S
164のそれぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程
を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選
択されて実行される。
【0153】ウエハプロセスの各段階において、上述の
前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程
が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS
165(レジスト形成ステップ)において、ウエハWに
感光剤を塗布する。引き続き、ステップS166(露光
ステップ)において、先に説明したリソグラフィシステ
ム(露光装置31)によってマスク(レチクルR)の回
路パターンをウエハW上に転写する。次に、ステップS
167(現像ステップ)では露光されたウエハWを現像
し、ステップS168(エッチングステップ)におい
て、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材
をエッチングにより取り去る。そして、ステップS16
9(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済
んで不要となったレジストを取り除く。
【0154】これらの前処理工程と後処理工程とを繰り
返し行うことによって、ウエハW上に多重に回路パター
ンが形成される。以上説明した本実施形態のデバイス製
造方法を用いれば、露光工程(ステップS166)にお
いて上記の露光装置31が用いられ、真空紫外域の露光
光ELにより解像力の向上が可能となり、しかも露光量
制御を高精度に行うことができる。従って、結果的に最
小線幅が0.1μm程度の高集積度のデバイスを歩留ま
りよく生産することができる。
【0155】
【発明の効果】以上詳述したように、本願請求項1に記
載の発明によれば、光学素子をその光軸がより厳密に位
置決めした状態で装着することができるとともに、例え
ば光学素子の温度状態の変化に伴う結像特性の変動を露
光装置の可動状態で補正することができる。
【0156】また、本願請求項2に記載の発明によれ
ば、前記請求項1に記載の発明の効果に加えて、操作部
の操作により、少なくとも一部の光学素子の位置決めを
容易かつより正確に行うことができる。
【0157】また、本願請求項3に記載の発明によれ
ば、前記請求項1または請求項2に記載の発明の作用に
加えて、少なくとも一部の光学素子とは異なる光学素子
を、露光装置の稼働状態で駆動部材を変位させることに
より、位置調整することができる。
【0158】また、本願請求項4、請求項6及び請求項
7に記載の発明によれば、前記請求項3に記載の発明の
効果に加えて、光学素子の位置決めをより正確に行うこ
とができて、光学系の結像特性を補正する際の誤差を小
さくすることができる。
【0159】また、本願請求項5に記載の発明によれ
ば、前記請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載
の発明の効果に加えて、像面側に配置された少なくとも
一部の光学素子の位置決めを第1位置調整機構により行
うことで、光学系全体の結像特性の調整を容易にかつよ
り正確に行うことできる。この上で、第2位置調整機構
により、物体面側に配置された前記少なくとも一部の光
学素子とは異なる光学素子の位置を調整することで、稼
動状態における光学系の結像特性の変動を容易かつより
正確に補正することができる。
【0160】また、本願請求項8に記載の発明によれ
ば、複数の光学素子からなる光学系を収容する鏡筒にお
いて、請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の
発明とほぼ同様の効果を実現することができる。
【0161】また、本願請求項9に記載の発明によれ
ば、前記請求項8に記載の発明の効果に加えて、マスク
上のパターンの像を基板上に、より正確に投影すること
ができる。
【0162】また、本願請求項10に記載の発明によれ
ば、前記請求項8または請求項9に記載の発明の効果に
加えて、投影光学系の結像性能が向上されて、露光精度
の向上を図ることができる。
【0163】また、本願請求項11に記載の発明によれ
ば、高集積度のデバイスを歩留まりよく製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の露光装置の一実施形態を示す概略構
成図。
【図2】 図1の物体面側鏡筒モジュールの一部切欠斜
視図。
【図3】 図2の物体面側鏡筒モジュールの平面図。
【図4】 図3の4−4線における断面図。
【図5】 図2の物体面側鏡筒モジュールのアクチュエ
ータ周辺の拡大要部側面図。
【図6】 図5の6−6線における部分断面図。
【図7】 図2の物体面側鏡筒モジュールのセンサ周辺
の拡大要部側面図。
【図8】 図7の8−8線における部分断面図。
【図9】 図2の物体面側鏡筒モジュールの鏡筒本体を
示す斜視図。
【図10】 図9の鏡筒本体の一部分を拡大して示す要
部斜視図。
【図11】 図5の物体面側鏡筒モジュールにおけるア
クチュエータ、変位拡大機構及び案内機構の部分をさら
に拡大して示す要部側面図。
【図12】 図11の構成の動作を説明する説明図。
【図13】 図1の像面側鏡筒モジュールを示す斜視
図。
【図14】 図13の像面側鏡筒モジュールの平面図。
【図15】 図13の像面側鏡筒モジュールの側面図。
【図16】 図14の16−16線断面図。
【図17】 図13のレンズ枠体を示す部分拡大斜視
図。
【図18】 図13の支持部材を示す部分拡大分解斜視
図。
【図19】 図13の枠体を示す斜視図。
【図20】 図13のフレクシャ本体の周辺構成を示す
部分拡大平面図。
【図21】 図13のフレクシャ本体の周辺構成を示す
部分拡大側面図。
【図22】 図21のフレクシャ本体を中心に示す部分
拡大側面図。
【図23】 図20の23−23線断面図。
【図24】 図20の24−24線断面図。
【図25】 図13の像面側鏡筒モジュールを積層状態
で示す斜視図。
【図26】 図13の固定光学素子保持装置を模式的に
示す説明図。
【図27】 デバイスの製造例のフローチャート。
【図28】 半導体デバイスの場合における図27の基
板処理に関する詳細なフローチャート。
【符号の説明】
31…露光装置、35…投影光学系、37a…像面側鏡
筒モジュール、37b…物体面側鏡筒モジュール、38
…鏡筒、38a…フランジ部、39a…少なくとも一部
の光学素子としての像面側レンズ、39af…周縁部と
してのフランジ部、39bm…少なくとも一部の光学素
子とは異なる光学素子としての可動レンズ、39bs…
少なくとも一部の光学素子とは異なる光学素子としての
静止レンズ、40…第2位置調整機構をなす可動光学素
子保持装置、41…第1位置調整機構をなす固定光学素
子保持装置、42…架台としてのフレーム、44a…イ
ンナリング部、44b…アウタリング部、50…駆動部
材をなすアクチュエータ、60…リンク機構をなす変位
拡大機構、72…基準位置調整機構をなすセンサ、81
…フレクシャ部材、82…保持部をなすレンズ枠体、1
25a…操作部としての垂直方向駆動レバー、125b
…操作部としての水平方向駆動レバー、R…マスクとし
てのレチクル、W…基板としてのウエハ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/027 H01L 21/30 515D

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の光学素子からなる光学系を保持す
    る光学系の保持装置において、 前記複数の光学素子の少なくとも一部の光学素子の位置
    を調整する第1位置調整機構と、その第1位置調整機構
    とは異なる機構を有し、前記複数の光学素子のうち、前
    記少なくとも一部の光学素子とは異なる光学素子の位置
    を調整する第2位置調整機構とを備えたことを特徴とす
    る光学系の保持装置。
  2. 【請求項2】 前記第1位置調整機構は、前記光学素子
    の周縁部を保持する保持部と、前記保持部を支持する複
    数のフレクシャ部材と、前記複数のフレクシャ部材のう
    ち、少なくとも1つのフレクシャ部材に接続される2つ
    の操作部とを備え、前記光学素子は、一方の前記操作部
    の操作によって、前記複数のフレクシャ部材を介して前
    記光学素子を第1の方向へ移動し、他方の前記操作部の
    操作によって、前記複数のフレクシャ部材を介して前記
    光学素子を前記第1の方向とは異なる第2の方向に移動
    することを特徴とする請求項1に記載の光学系の保持装
    置。
  3. 【請求項3】 前記第2位置調整機構は、前記光学素子
    の周縁部を保持するインナリング部と、前記インナリン
    グ部と一体に形成されたアウタリング部と、前記アウタ
    リング部に設けられ、所定の方向に変位する駆動部材
    と、前記駆動部材の変位量を前記インナリング部に伝達
    するリンク機構とを有することを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2に記載の光学系の保持装置。
  4. 【請求項4】 前記少なくとも一部の光学素子の位置を
    前記第1位置調整機構により所定位置に調整した状態
    で、前記第2位置調整機構における変位の基準位置を設
    定する基準位置調整機構を設けたことを特徴とする請求
    項3に記載の光学系の保持装置。
  5. 【請求項5】 前記光学系は、該光学系を載置する架台
    上で支持されるためのフランジ部を備え、前記少なくと
    も一部の光学素子は、前記フランジ部に対し、前記光学
    系の像面側に配置され、前記少なくとも一部の光学素子
    と異なる光学素子は、前記フランジ部に対し、前記光学
    系の物体面側に配置されることを特徴とする請求項1〜
    請求項4のうちいずれか一項に記載の光学系の保持装
    置。
  6. 【請求項6】 光学系を構成する複数の光学素子の位置
    を調整する光学素子の位置調整方法において、 前記複数の光学素子の位置を互いの光軸方向に沿って配
    列し、前記複数の光学素子を配列した後、前記複数の光
    学素子のうち、少なくとも一部の光学素子の位置を第1
    位置調整機構により調整し、前記少なくとも一部の光学
    素子の位置を調整した後、前記少なくとも一部の光学素
    子とは異なる光学素子の位置を調整する第2位置調整機
    構の駆動部材における変位の基準位置を設定することを
    特徴とする光学素子の位置調整方法。
  7. 【請求項7】 前記第2位置調整機構により、前記少な
    くとも一部の光学素子とは異なる光学素子の位置を調整
    した後、前記基準位置を設定することを特徴とする請求
    項6に記載の光学素子の位置調整方法。
  8. 【請求項8】 複数の光学素子からなる光学系を収容す
    る鏡筒において、 前記光学系の各光学素子を請求項1〜請求項5のうちい
    ずれか一項に記載の光学系の保持装置を介して保持する
    ようにしたことを特徴とする鏡筒。
  9. 【請求項9】 前記光学系がマスク上に形成された所定
    のパターンの像を基板上に投影する投影光学系であるこ
    とを特徴とする請求項8に記載の鏡筒。
  10. 【請求項10】 マスク上に形成された所定のパターン
    の像を基板上に露光する露光装置において、 請求項8または請求項9に記載の鏡筒を備えたことを特
    徴とする露光装置。
  11. 【請求項11】 リソグラフィ工程を含むデバイスの製
    造方法において、 前記リソグラフィ工程で請求項10に記載の露光装置を
    用いて露光を行うことを特徴とするデバイスの製造方
    法。
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