JP4655520B2 - 光学素子保持装置、鏡筒及び露光装置並びにデバイスの製造方法 - Google Patents

光学素子保持装置、鏡筒及び露光装置並びにデバイスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば半導体素子、液晶表示素子、撮像素子、薄膜磁気ヘッド等のデバイス、あるいはレチクル、フォトマスク等のマスクなどの製造プロセスにおけるリソグラフィ工程で使用される露光装置の光学素子を保持する光学素子保持装置に関するものである。また、本発明は、その光学素子保持装置を備えた鏡筒及び露光装置に関するものである。さらに、本発明は、その露光装置を用いたデバイスの製造方法に関するものである。
例えば、特許文献1に示すように、この種の光学素子保持装置としては、光学素子をインナリングに保持し、そのインナリングを、等間隔で配置されたフレクシャ部材を介して枠体上に支持する構成が知られる。この構成において、フレクシャ部材は、インナリングに接続される接続ブロックと、枠体に固定されるフレクシャ固定部とを備え、このフレクシャ部材によって光学素子は、光学素子の光軸中心を原点として極座標系内で、光学素子の径方向、周方向、光軸方向の各軸に沿った移動及び回転が可能に支持される。すなわち、光学素子は、6つの運動自由度が確保された状態、つまりキネマチックに保持されている。
米国特許出願公開第2002/0163741号明細書
ところで、近年における半導体素子等の著しい高度集積化に伴って、パターンがますます微細化してきている。このため、特に半導体装置製造用の露光装置では、波面収差やディストーションの極めて少ない投影光学系が要求されるようになってきており、鏡筒の内部に収容される各光学素子の相対位置を細かく制御する必要がある。
しかも、200nm以下の極めて短波長の露光光を使用するような場合には、その露光光が通過する鏡筒内に、例えば水や酸素などの吸光物質が存在すると、露光光が大きく減衰されることになる。また、露光装置内には、例えば各種電動機器への給電やセンサとの間での信号通信のために、被覆線が使用されている。これらの被覆線からは極微量の有機物質が徐々に揮散しており、この有機物質は、やはり汚染物質となり得る。
このため、鏡筒の内部を窒素や希ガスといった不活性ガスで置換する必要がある。しかしながら、鏡筒には、光学素子の位置調整等のため開口部が多く形成されていることがある。また、1つまたは複数の光学素子を保持する枠体を多数積層して、鏡筒を構成するような場合には、各枠体の端面を介して、鏡筒外の気体が鏡筒内に侵入する可能性があった。
さらに、より微細で複雑なパターンの像を精度よく基板上に結像させるため、使用される光学素子の数もますます増えてきている。こうした状況下、鏡筒を構成する枠体の数も多くなってきており、各枠体の小型化の要求も大きくなってきている。また、より多くの光学素子において、各光学素子の相対位置の調整を行うことができれば、光学系全体の光学性能が大きく向上させることができる。しかしながら、従来の光学素子の位置調整機構をそのまま適用した場合、その適用箇所が多くなるほど、鏡筒全体が大型化することがあった。
加えて、半導体素子製造用の露光装置では、基板上に区画された多数のショット領域に対して、高速で基板を移動させながら露光動作を繰り返す必要がある。この際、基板を保持するステージ装置の移動に伴って発生する微細な振動が、光学素子に伝達されると、光学系の光学性能が変化し、露光装置の露光精度を高く維持することができなくなるおそれがある。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的としては、光学素子の姿勢を細かく調整することができるとともに、内部の気密性を高く保つことができる光学素子保持装置及び鏡筒を提供することにある。また、本発明のその他の目的は、露光精度の向上可能な露光装置を提供することにある。さらに、本発明のその上の目的は、高集積度のデバイスを歩留まりよく生産することのできるデバイスの製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、光学素子を保持する光学素子保持装置において、枠部材と、前記光学素子を保持する保持部材と、前記枠部材の内側に設けられ、前記保持部材に連結されるフレクシャ部材と、前記フレクシャ部材に設けられ、前記枠部材の内側に配置される駆動レバーと、前記枠部材に形成された貫通孔内に設けられ、前記フレクシャ部材を介して、前記保持部材に保持された前記光学素子の位置を調整するための調整力を前記駆動レバーに与える変位ロッドと、前記変位ロッドと前記枠部材との間に設けられ、前記貫通孔を介した前記枠部材の内側と外側とにおけるガスの流通を抑制する第1シール部材と、を備えたことを特徴とするものである。
この請求項1に記載の発明では、フレクシャ部材を介して保持部材に保持された光学素子の位置を調整するための調整力を駆動レバーに与える変位ロッドを収容するための貫通孔を介した枠部材の内側と外側とにおけるガスの流通が抑制される。このため、枠部材の外側から枠部材の内側にある光学素子の位置調整を、変位ロッド及び駆動レバーを介して行いつつも、その枠部材の内部の気密性を維持することができるという作用が奏される。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記枠部材の内壁に、前記駆動レバーを収容する収容溝を設けたことを特徴とするものである。
この請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明の作用に加えて、駆動レバーを、枠部材の内部において枠部材の大型化を回避しつつ収容することができるという作用が奏される。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記貫通孔は、前記枠部材の外壁面から内壁面に向かって凹んだ第1の穴と、前記第1の穴と前記収容溝を連通する第2の穴とを有することを特徴とするものである。
この請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の発明の作用に加えて、変位ロッドを第2の穴に収容することで、貫通孔を塞ぎつつ、第1の穴を介して枠部材の外部から変位ロッドの調整力を調整することができるという作用が奏される。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記第2の穴は、前記光学素子の光軸と平行な方向に沿って形成され、前記変位ロッドは、前記光学素子の光軸と平行な方向に沿って変位可能に、前記第2の穴に収容され、かつ前記光学素子の光軸と平行な方向の調整力を前記駆動レバーに与えることを特徴とするものである。
この請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の発明の作用に加えて、枠部材の径方向における大型化を回避することができるという作用が奏される。
また、請求項5に記載の発明は、請求項に記載の発明において、記第1の穴に配置され、かつ調整軸を有する調整部材を備え、前記変位ロッドは、前記調整部材に係合する一端部と、前記駆動レバーに係合する他端部とを有し、記調整部材の移動に伴い、前記第2の穴の中を変位することを特徴とするものである。
この請求項5に記載の発明では、簡単な構成で請求項に記載の発明の作用を発揮させることができる。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記第1シール部材は、前記第2の穴と前記変位ロッドとの間に配置されることを特徴とするものである。
この本願請求項6に記載の発明では、請求項5に記載の発明の作用に加えて、枠部材の内部の気密性をより確実に高めることができるという作用が奏される。
また、本願請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の発明において、前記枠部材の一方の端面または他方の端面の少なくとも一つと、積層される他の枠部材の端面との間に設けられる第2シール部材を備えることを特徴とするものである。
この本願請求項7に記載の発明では、請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、積層される枠部材間における気密性を高めることができるという作用が奏される。
また、本願請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の発明において、前記保持部材及び前記フレクシャ部材は、前記枠部材の内側であって、かつ前記枠部材の一方の端面を含む面と、前記枠部材の他方の端面を含む面との間に配置されることを特徴とするものである。
この本願請求項8に記載の発明では、請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、前記保持部材及び前記フレクシャ部材が枠部材から突出することがなく、複数の枠部材を積層した状態で鏡筒の大型化を回避することができるという作用が奏される。
また、本願請求項に記載の発明は、請求項1〜請求項のうちいずれか一項に記載の発明において、前記フレクシャ部材を介して前記保持部材に伝達される外部環境の振動を吸収する振動吸収機構を備えたことを特徴とするものである。
この本願請求項に記載の発明では、請求項1〜請求項のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、露光装置の内部で発生する振動や露光装置の設置される周辺環境からの振動が、光学素子に伝達されることが抑制され、光学素子の光学性能を高く維持することができるという作用が奏される。
また、本願請求項10に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記振動吸収機構は、前記光学素子の位置を調整するときには前記枠部材と前記保持部材との相対移動を許容する摩擦力を有する摩擦機構を備えることを特徴とするものである。
この本願請求項10に記載の発明では、請求項に記載の発明の作用に加えて、光学素子保持装置に外部環境の振動が伝達されたときには、摩擦機構における摩擦力により枠部材と保持部材との間での滑りが規制され、光学素子の位置安定性が損なわれることがない。一方、光学素子の位置を調整するために、フレクシャ部材に調整力が与えられると、摩擦機構は、枠部材と保持部材との相対移動を許容し、光学素子を所望の位置に調整することができるという作用が奏される。
また、本願請求項11に記載の発明は、少なくとも1つの光学素子を収容する鏡筒において、前記光学素子の少なくとも1つを、請求項1〜請求項10のうちいずれか一項に記載の光学素子保持装置で保持したことを特徴とするものである。
この本願請求項11に記載の発明では、少なくとも1つの光学素子を収容する鏡筒において、請求項1〜請求項10のうちいずれか一項に記載の発明の作用が奏され、光学素子の姿勢を細かく調整することのできるとともに、内部の気密性を高く保つことのできる鏡筒が実現される。
また、本願請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の発明において、前記光学素子は、マスク上に形成された所定のパターンの像を基板上に投影する投影光学系を構成する複数の光学素子の一つであることを特徴とするものである。
この本願請求項12に記載の発明では、請求項11に記載の発明の作用に加えて、光学素子の位置を細かく調整しつつ、鏡筒内の気密性が高く保つことができ、露光精度が向上されるという作用が奏される。
また、本願請求項13に記載の発明は、マスク上に形成された所定のパターンの像を基板上に露光する露光装置において、前記所定のパターンの像を請求項12に記載の投影光学系を介して前記基板上に転写することを特徴とするものである。
この本願請求項13に記載の発明では、光学素子の位置を細かく調整しつつ、鏡筒内の気密性が高く保つことができ、露光精度が向上されるという作用が奏される。
また、本願請求項14に記載の発明は、リソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法において、前記リソグラフィ工程で請求項13に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とするものである。
この本願請求項14に記載の発明では、高集積度のデバイスを歩留まりよく生産することができるという作用が奏される。
次に、前記各請求項に記載の発明にさらに含まれる技術的思想について、それらの作用とともに以下に記載する。
(1) 前記振動吸収機構は、前記枠部材と前記保持部材との間に介装され、前記枠部材と前記保持部材との一方に固定され、前記枠部材と前記保持部材との他方に接触した状態で摺動する摺動部材を備えることを特徴とする請求項または請求項10に記載の光学素子保持装置。
従って、この(1)に記載の発明によれば、摺動部材により、簡単な構成で所望の摩擦力を発生させることができるという作用が奏される。
(2) 前記摺動部材は、前記光学素子の光軸と交差する方向には剛性を有するとともに、前記光学素子の光軸方向には可撓性を有するものであることを特徴とする前記(1)に記載の光学素子保持装置。
従って、この(2)に記載の発明によれば、光学素子の位置調整時における抵抗を大きく増大させることなく、外部環境から伝達される振動による枠部材と保持部材との間の滑りを効率よく規制することができるという作用が奏される。
(3) 前記摺動部材は、前記光学素子の光軸と交差する方向に長手方向を有する板バネからなり、前記板バネは、一端部が前記枠部材または前記保持部材の一方に固定されるとともに、他端部が前記枠部材または前記保持部材の他方に摺接することを特徴とする前記(1)または(2)に記載の光学素子保持装置。
従って、この(3)に記載の発明によれば、簡単な構成で、前記(1)または(2)に記載の作用を発揮させることができる。
(4) 前記振動吸収機構は、前記板バネを前記枠部材または前記保持部材の他方に対して付勢する付勢機構を有することを特徴とする前記(3)に記載の光学素子保持装置。
従って、この(4)に記載の発明によれば、板バネをより確実に枠部材または保持部材の他方に対して摺接させることができるという作用が奏される。
(5) 前記付勢機構は、前記板バネの付勢力を調整する調整機構を有することを特徴とする前記(4)に記載の光学素子保持装置。
従って、この(5)に記載の発明によれば、板バネと枠部材または保持部材の他方との間で発生される摩擦力を、外部環境の振動の大きさに応じて調整することができるという作用が奏される。
以上、詳述したように、本発明によれば、光学素子の位置を細かく調整することのできるとともに、内部の気密性を高く保つことのできる光学素子保持装置及び鏡筒を提供することができる。また、光学素子の位置を調整する機能を有する光学素子保持装置を小型化することができ、ひいては鏡筒が大型化することなく、より多くの光学素子の位置を調整することの可能な光学素子保持装置及び鏡筒を提供することができる。さらに、光学素子の位置調整の機能を損なうことなく、光学素子への外部環境の振動の伝達を抑制することができ、光学素子を所定の位置において安定して保持することが可能な光学素子保持装置及び鏡筒を提供することができる。
また、露光精度の向上可能な露光装置を提供することができる。さらに、高集積度のデバイスを歩留まりよく生産することのできるデバイスの製造方法を提供することができる。
以下に、本発明の露光装置及びその投影光学系を収容する鏡筒、そして投影光学系を構成する複数の光学素子のうち、一部の光学素子を保持する光学素子保持装置に具体化した一実施形態について図1〜図10に基づいて説明する。
図1は、露光装置21の概略構成を、その投影光学系25を中心として示している。図1に示すように、この実施形態の露光装置21は、光源22と、照明光学系23と、マスクとしてのレチクルRを保持するレチクルステージ24と、投影光学系25と、基板としてのウエハWを保持するウエハステージ26とから構成されている。
光源22は、例えば波長193nmのArFエキシマレーザ、あるいは波長157nmのFレーザを発振する。照明光学系23は、図示しないフライアイレンズやロッドレンズ等のオプティカルインテグレータ、リレーレンズ、コンデンサレンズ等の各種レンズ系及び開口絞り等を含んで構成されている。そして、光源22から出射される露光光ELが、この照明光学系23を通過することにより、レチクルR上のパターンを均一に照明するように調整される。
レチクルステージ24は、照明光学系23の射出側、すなわち、後述する投影光学系25の物体面側(露光光ELの入射側)において、そのレチクルRの載置面が投影光学系25の光軸方向とほぼ直交するように配置されている。投影光学系25は、互いの光軸が一致するように配列された複数の光学素子27からなっている。この投影光学系25は、各光学素子27が光学素子保持装置28を介してほぼ水平(いわゆる横置きタイプ)に保持された状態で、複数の鏡筒モジュール29aが積層されてなる分割鏡筒構造の鏡筒29内に収容されている。
ウエハステージ26は、投影光学系25の像面側(露光光ELの射出側)において、ウエハWの載置面が投影光学系25の光軸方向と交差するように配置されている。そして、露光光ELにて照明されたレチクルR上のパターンの像が、投影光学系25を通して所定の縮小倍率に縮小された状態で、ウエハステージ26上のウエハWに投影転写されるようになっている。
図2は、複数の鏡筒モジュール29aのうち、任意の鏡筒モジュール29aの平面図であり、図3は鏡筒モジュール29aの一部を示す分解斜視図である。光学素子27は、合成石英、蛍石等の所定以上の破壊強度を有する硝材で形成されている。図3に示すように、鏡筒モジュール29aは、枠部材としてのアウタリング32と、光学素子27を保持する保持部材としてのインナリング33と、アウタリング32に対するインナリング33の位置を調整する光学素子保持装置28とを有している。
アウタリング32とインナリング33とは、ともに鉄、アルミニウム等、またはそれらの合金等の金属材料で形成される。ここで、アウタリング32は、全周にわたって、切り欠き部がなく連続した端面31を備え、この端面31が他の鏡筒モジュール29aが備えるアウタリングの端面に接合する接合部として機能する。
光学素子保持装置28は、第1調整機構として、例えば本実施形態では図3に示すフレクシャ部材34と、第2調整機構として、例えば本実施形態では変位ロッド79とを備える。なお、本実施形態において、フレクシャ部材34は、等間隔おきに3つ配置される。
このフレクシャ部材34は、図3に示すようにフレクシャ本体35とその両端から延設された一対の駆動レバー36a,36bとを有している。本実施形態では、一例として、フレクシャ本体35が変位部として機能し、また、駆動レバー36aの少なくとも一方が伝達部として機能する。
図4は、図3のフレクシャ部材34の主要部を示す正面拡大図であり、図5は、アウタリング32、フレクシャ部材34及びインナリング33をフレクシャ本体35のほぼ中央において光学素子27の径方向に沿って破断した拡大部分断面図である。
図4に示すように、フレクシャ本体35は、インナリング33に取り付けられる接続ブロック48と、接続ブロック48を介してインナリング33の位置または姿勢を調整可能に支持する支持機構49が形成される支持ブロック50と、アウタリング32の内壁38に取り付けられる取付ブロック62とを備えている。
これらの接続ブロック48と、支持ブロック50と取付ブロック62とは、ワイヤカット及び放電加工によりもともと一つの構造体からなるフレクシャ本体35に区画して形成されている。すなわち、フレクシャ本体35に、図4のY軸方向に貫通する複数の第1スリット53を形成することによって、取付ブロック62と支持ブロック50とを区画し、さらに、フレクシャ本体35に、図4のY軸方向に貫通する複数の第2スリット57を形成することによって、支持ブロック50と接続ブロック48とを区画している。なお、支持ブロック50は、Y軸方向に貫通する複数の第3スリット54が形成されており、後述するように支持ブロック50がさらに複数のブロックに区画されている。なお、複数の第1スリット53、複数の第3スリット54の一部は、支持ブロック50に形成された基準孔55をワイヤカット及び放電加工の開始位置にしている。
接続ブロック48には、インナリング33の外周部に形成されてフレクシャ取付部46に取り付けられる取付面45(図4において下方の端面)が形成されている。この実施形態では、接続ブロック48が第1締結部として機能する。
この第1、第2及び第3スリット53,57,54を形成する際、全部のスリット53,57,54が互いに連続しないように、スリット53,57,54の間に加工を施さない部分を残す。さらに、第2、第3スリット57,54の間に加工を施さない部分に対して、彫り込み部56がY方向の−方向(図4の紙面の手前側)から彫り込む加工と、Y方向の+方向(図4の紙面の向こう側)から彫り込む加工とを施し、彫り込み部56を形成する。
ここで、この彫り込み部56は、光学素子27の径方向と平行な方向に沿うように形成される。このY方向の−方向からの加工と+方向からの加工とによって、接続ブロック48と支持ブロック50との間、及び支持ブロック50には、回転ピボット及び切欠ばねをなす複数のフレクシャ首部58a〜58d(本実施形態では4つ)が形成される。そして、各フレクシャ首部58a〜58dの両側には、光学素子27の径方向と平行な方向に貫通する矩形状貫通孔59が形成される。
この第1,第2,第3,第4のフレクシャ首部58a〜58dに予測不能な歪みが残存するのを回避するために、各矩形状貫通孔59の深さ方向における各フレクシャ首部58a〜58dの近傍は、各フレクシャ首部58a〜58dの両側が同じ加工方法により切削加工が施されている。この加工方法としては、例えば型彫放電加工、機械的切削加工等が有効である。
また、第1スリット53の間に、加工を施さない部分(2ヶ所)の両側に、断面略円形状をなし、光学素子27の径方向に貫通する円形状貫通孔60が形成されている。この対向する一対の円形状貫通孔60の間には、切欠ばねをなす第1及び第2薄肉部61a,61bが形成されている。
ここで、支持ブロック50は、第2及び第3スリット57,54により、大きく4つの部分に分割されている。すなわち、支持ブロック50は、第1拘束ブロック63と、第2拘束ブロック64と、第1駆動ブロック65と、第2駆動ブロック66とに分割されている。取付ブロック62は、取付部39において、前記アウタリング32の内壁38の段部40にボルト43を介して固定されている。この実施形態では、取付部39が第2締結部として機能する。
第1フレクシャ首部58aは、第1駆動ブロック65と第1拘束ブロック63とを連結するものである。第2フレクシャ首部58bは、第2駆動ブロック66と第2拘束ブロック64とを連結するものである。第3フレクシャ首部58cは、第1拘束ブロック63と第2拘束ブロック64とを連結するものである。第4フレクシャ首部58dは、第1拘束ブロック63と接続ブロック48とを連結するものである。これら複数のフレクシャ首部58a〜58dは断面略正方形をなし、各拘束ブロック63,64、各駆動ブロック65,66、接続ブロック48の断面積に比べて著しく小さな断面積を有する。
そして、第1拘束ブロック63は、第1フレクシャ首部58a及び第4フレクシャ首部58dによって、第1駆動ブロック65と接続ブロック48とに固定される。この第1拘束ブロック63は、第1フレクシャ首部58a及び第4フレクシャ首部58dの協働により、Z方向(光学素子27の光軸方向)周りに回転可能に保持されるが、Z方向への変位は拘束される。従って、第1拘束ブロック63、第1フレクシャ首部58a及び第4フレクシャ首部58dにより光学素子27の垂直方向(光軸方向)への変位を拘束する垂直方向拘束リンク67が形成される。
また、第2拘束ブロック64は、第2フレクシャ首部58b及び第3フレクシャ首部58cによって、第2駆動ブロック66と第1拘束ブロック63とに固定される。この第2拘束ブロック64は、第2フレクシャ首部58b及び第3フレクシャ首部58cの協働により、X方向(光学素子25の接線方向)周りに回転可能に保持されるが、X方向への変位は拘束される。従って、第2拘束ブロック64、第2フレクシャ首部58b及び第3フレクシャ首部58cにより光学素子27の水平方向(接線方向)への変位を拘束する水平方向拘束リンク68が形成される。
この垂直方向拘束リンク67の拘束方向と、水平方向拘束リンク68の拘束方向とは、互いにほぼ直交する。言い換えれば、垂直方向拘束リンク67の回転軸と、水平方向拘束リンク68の回転軸とが、互いにほぼ直交する。この垂直方向拘束リンク67と、水平方向拘束リンク68により一対のリンク機構が構成される。
そして、接続ブロック48は、第4フレクシャ首部58dによって、支持ブロック50に連結されている。すなわち、接続ブロック48は、一対のリンク機構によって変位可能に支持されている。
第1及び第4フレクシャ首部58a,58dは、接続ブロック48のほぼ中心を通りZ軸に平行な線上に配置されている。一方、第2及び第3フレクシャ首部58b,58cは、接続ブロック48の取付面45にほぼ平行な線上に配置されている。さらに、第3フレクシャ首部58cは、第4フレクシャ首部58dの近傍に配置されている。
接続ブロック48は、垂直方向拘束リンク67及び水平方向拘束リンク68により、第1及び第2駆動ブロック65,66に対して、X方向、Y方向、Z方向周りに回転可能に、かつX方向、Z方向への変位が抑制されるよう支持されている。さらに、接続ブロック48は、第4フレクシャ首部58dによりY方向に変位可能に支持されている。
ところで、第1駆動ブロック65は、第1フレクシャ首部58aにより第1拘束ブロック63に連結され、第1薄肉部61aにより取付ブロック62に連結されている。そして、その第1駆動ブロック65には、長尺状をなす駆動レバー36aが光学素子27の接線方向に沿って延びるように一体形成されている。この第1駆動ブロック65は、駆動レバー36aに光学素子27の光軸と平行な方向(上下方向)に付与された調整力を、第1フレクシャ首部58aに対して第1の方向をなす上下方向の調整力に変換して伝達する。この調整力の変換は、切り欠きばねをなす第1薄肉部61aの作用によりもたらされる。従って、第1駆動ブロック65、第1フレクシャ首部58a及び第1薄肉部61aにより、駆動レバー36aに付与された上下方向の調整力を垂直方向拘束リンク67に上下方向の調整力として伝達する垂直方向駆動リンク69が形成される。
一方、第2駆動ブロック66は、第2フレクシャ首部58bにより第2拘束ブロック64に連結され、第2薄肉部61bにより取付ブロック62に連結されている。そして、その第2駆動ブロック66の外端には、長尺状をなす駆動レバー36bが光学素子27の接線方向に沿って延びるように一体形成されている。この第2駆動ブロック66は、駆動レバー36bに光学素子27の光軸と平行な方向(上下方向)に付与された調整力を、第2フレクシャ首部58bに対して光学素子27の第2の方向をなす接線方向(水平方向)の調整力に変換して伝達する。この調整力の変換は、切り欠きばねをなす第2薄肉部61bの作用によりもたらされる。従って、第2駆動ブロック66、第2フレクシャ首部58b及び第2薄肉部61bにより、水平方向駆動レバー36bに付与された上下方向の調整力を前記水平方向拘束リンク68に水平方向の調整力として伝達する水平方向駆動リンク70が形成される。
ここで、第1フレクシャ首部58aは、第1薄肉部61aの中央を通り前記光学素子27の接線方向に沿う直線上に配置されている。一方、第2フレクシャ首部58bは、第2薄肉部61bの中央を通り光学素子27の光軸方向に沿う直線上に配置されている。
図3に示すように、アウタリング32の内壁38には、段部40と、120°間隔でアウタリング32の内壁38の内壁面から外壁面に向かって形成された3つの凹部41とが設けられており、この凹部41内にフレクシャ部材34のフレクシャ本体35が収容される。また、アウタリング32の接線方向と平行に延びる収容溝42が設けられる。凹部41内にフレクシャ部材34のフレクシャ本体35が収容された際、この収容溝42にフレクシャ部材34の両駆動レバー36a,36bがそれぞれ収容されるようになっている。
アウタリング32の段部40における凹部41の近傍には、フレクシャ部材34の取付部39をボルト43により締結固定するためのねじ穴44が穿設されている。
インナリング33の外周部には、フレクシャ部材34の接続ブロック48が取り付けられるフレクシャ取付部46が外方に延出するように形成されている。
図3に示すように、フレクシャ部材34は、フレクシャ本体35に区画された取付ブロック62が備える取付部39がアウタリング32の段部40に載置された後、上方からボルト43をねじ穴44に螺合することによって、アウタリング32に固定される。さらに、フレクシャ部材34は、フレクシャ本体35に区画された接続ブロック48の取付面45が、インナリング33のフレクシャ取付部46に載置された後、下方からボルト47(図5参照)を接続ブロック48に形成された不図示のねじ穴に螺合することによってインナリング33に固定される。
図6に示すように、アウタリング32の収容溝42において、両駆動レバー36a,36bの先端と対応する部分には、貫通孔73が穿設されている。この貫通孔73は、アウタリング32の外壁面74から内壁面75に向かって凹むように設けられた第1の穴76と、アウタリング32の一方の端面から、段部40とは反対側の他方の端面31に向かって凹むように設けられた第2の穴78とが連通したものとなっている。
なお、第2の穴78は、穴の形成方向を規定するために、アウタリング32の一方の端面31から他方の端面31に向かって凹むように形成されているが、第2の穴78は、アウタリング32の一方の端面31に形成される必要はなく、段部40、あるいはアウタリング32の一方の端面31と段部40とに跨って形成されていてもよい。
これら第1の穴76と第2の穴78とは、互いに直交するように設けられており、この貫通孔73により、アウタリング32の内側の空間と外側の空間とが連通することになる。
アウタリング32に形成された貫通孔73には、フレクシャ本体35に調整力を与える第2調整機構が配置される。第2調整機構は、後述する調整軸82と変位ロッド79とを含む。なお、本実施形態において、調整軸82が第1調整部材として機能し、変位ロッド79が第2調整部材として機能する。
変位ロッド79は、第2の穴78内に、光学素子27の光軸と平行な方向に変位可能に収容されている。この変位ロッド79は、その一端がフレクシャ部材34の駆動レバー36aの先端部に係合するように配置されている。
なお、本実施形態では、一対の駆動レバー36a,36bの先端部のそれぞれの変位ロッド79の一端が係合する構成について説明するが、この構成に限定されるものではない。
また、第1の穴76には、第1の穴76の内面に沿うように、受け板80が設けられている。この受け板80の一端部には、第2の穴78と対向するようにねじ穴81が設けられており、受け板80の他端部は、アウタリング32にボルトにより固定されている。そして、このねじ穴81には、調整軸82が螺着され、その調整軸82の先端が変位ロッド79の他端に係合するようになっている。また、調整軸82の頭部83と受け板80との間には、調整軸82の締め込み量を規定する調整ワッシャ84が介装されている。
この調整ワッシャ84は、調整軸82を螺退させることにより、容易に取り外して交換することができるように配置されている。この調整ワッシャ84は、その厚さが、例えば1μmおき、10μmおき等所定の厚み差をもって、予めそれぞれ複数用意されている。すなわち、調整軸82と頭部83と受け板80との間に、調整ワッシャ84を選択的に配置することによって、変位ロッド79の変位量を調整することができる。つまり、調整軸82と頭部83と受け板80との間に、調整ワッシャ84を選択的に配置することによって、駆動レバー36aに付与される調整力を任意に設定することができる。
しかも、駆動レバー36a,36bは、光学素子27の接線方向に沿って所定の長さを有するように形成されている。このため、調整ワッシャ84で設定され、駆動レバー36a,36bに付与される調整力は、その長さに応じた割合で低減されてフレクシャ本体35に伝達されるようになっている。
また、図3に示すように、アウタリング32における収容溝42において、第2の穴78の近傍であってフレクシャ本体35側の底面には、非貫通の収容穴が設けられており、一端がアウタリング32に固定された引っ張りばねからなる復帰ばね85が収容されている。この復帰ばね85の他端は、駆動レバー36a,36bに螺着されたプラグ86に固定される。これにより、駆動レバー36a,36bはアウタリング32側に付勢され、駆動レバー36a,36bが変位ロッド79に当接していない状態では、駆動レバー36a,36bが所定の基準位置の復帰するようになっている。
ここで、調整ワッシャ84をより薄いものに交換すると、調整軸82の締め込み量が増大し、変位ロッド79が第2の穴78内を駆動レバー36a,36b側に変位し、駆動レバー36a,36bの先端部が変位ロッド79により復帰ばね85の付勢力に抗してアウタリング32から離れるように押し上げられる。一方、調整ワッシャ84をより厚いものに交換すると、調整軸82の締め込み量が減少し、復帰ばね85の付勢力により、駆動レバー36a,36bの先端部がアウタリング32からに近づくように変位し、変位ロッド79が押し下げられる。これにより、変位ロッド79は、第2の穴78内を調整軸82側に駆動レバー36a,36b側に変位し、復帰ばね85の付勢力によって調整軸82に当接する。このようにして、駆動レバー36a,36bに付与される調整力が調整されるようになっている。
変位ロッド79の外周面には、環状溝87が(本実施形態では2本)凹設されている。この環状溝87内には、第1シール部材としての中空Oリング88が収容されている。この中空Oリング88は、環状溝87の内面と第2の穴78の内周面とに密着して、アウタリング32の内側と外側とにおける貫通孔73を介したガスの流通を規制する役割を担っている。
図2に示すように、アウタリング32の段部40には、ウエハステージ26やレチクルステージ24の移動に起因する振動や、露光装置21を設置する環境に存在する微小な外部環境振動を吸収するための振動吸収機構91が、アウタリング32の周方向において各フレクシャ部材34の中間に設けられている。
図7は、この振動吸収機構91の部分の断面図である。図7に示すように、振動吸収機構91は、アウタリング32の段部40に締結固定される台座部92と、その台座部92に締結固定され、インナリング33の外周縁に形成された突部93に摺接する板バネ94とからなっている。この板バネ94は、その長手方向が、光学素子27の光軸と交差する方向に沿うように配置されている。これにより、この板バネ94は、光学素子27の光軸と交差する方向に剛性を有し、光軸と平行な方向に可撓性を有するものとなる。
板バネ94は、ウエハステージ26の移動等に起因するような外部環境からの振動がアウタリング32に加えられた時には、アウタリング32とインナリング33との滑りを規制して相対位置を一定に保つことのできる程度の摩擦力を有するように、インナリング33の突部93に対して押しつけられている。この一方で、板バネ94の有する摩擦力は、光学素子27の位置を調整すべく変位ロッド79から駆動レバー36a,36bに調整力が加えられた時には、アウタリング32とインナリング33との相対移動を許容することができるように調整されている。
また、台座部92のインナリング33の突部93と対応する部分には貫通穴95が形成されており、この貫通穴95の内部には板バネ94をインナリング33側に付勢する付勢機構96が収納されている。この付勢機構96は、コイルバネ97と、そのコイルバネ97を保持する保持軸98と、台座部92の貫通穴95に進退自在に螺入されたバネ押さえ99とからなっている。
このバネ押さえ99を、板バネ94側に螺進させるとコイルバネ97が圧縮され、板バネ94に対する付勢力が強められる。一方、バネ押さえ99を、板バネ94とは反対側に螺退させると、コイルバネ97の圧縮が緩和され、板バネ94に対する付勢力が弱められる。これにより、板バネ94の突部93に対する押しつけ力が調整され、板バネ94の有する摩擦力が調整される。
次に、フレクシャ部材34の動作について、さらに詳細に説明する。図8は、3つのフレクシャ部材34のうち、1つのフレクシャ部材34の一部を模式的に描いたものである。
ここで、駆動レバー36aの先端部に所定の調整力F1を作用させる場合を考える。図8において、調整力F1により、駆動レバー36aの先端部が垂直方向に変位されると、その第1薄肉部61aでは光学素子27の径方向を軸線とする回動力M1が生じる。
ここで、第1フレクシャ首部58aは、第1薄肉部61aの中心を通るとともに光学素子27の接線方向に沿う直線L1上に形成されている。このため、第1薄肉部61aにおける回動力M1が、第1駆動ブロック65を介して、第1フレクシャ首部58aにおける垂直方向への直線駆動に変換される。この直線駆動が第1拘束ブロック63及び第4フレクシャ首部58dを介して接続ブロック48に伝達され、インナリング33内の光学素子27における光軸方向に沿った変位が実現される。
次に、駆動レバー36bの先端部に所定の調整力F2を作用させる場合を考える。調整力F2により駆動レバー36bの先端部が垂直方向に変位されると、その第2薄肉部61bでは光学素子27の径方向を軸線とする回動力M2が生じる。
ここで、第2フレクシャ首部58bは、第2薄肉部61bの中心を通るとともに光学素子27の光軸方向に沿う直線L2上に形成されている。このため、第2薄肉部61bにおける回動力M2が、第2駆動ブロック66を介して、第2フレクシャ首部58bにおける水平方向への直線駆動に変換される。この直線駆動が第2拘束ブロック64、第3フレクシャ首部58c及び第4フレクシャ首部58dを介して接続ブロック48に伝達され、インナリング33内の光学素子27における接線方向に沿った変位が実現される。
さらに、調整力F1,F2を作用させて駆動レバー36a,36bの先端部をそれぞれ垂直方向に変位させると、第1拘束ブロック63、第2拘束ブロック64及び第3フレクシャ首部58cを介して、2つの方向への調整力が合成される。つまり、光学素子27の光軸をZ軸とする極座標R−θ−Z系を考えた場合、第3フレクシャ首部58cのθ座標、Z座標が、両駆動レバー36a,36bの動きに応じた位置に変化する。
一方、第1拘束ブロック63及び第2拘束ブロック64は、調整力の伝達方向に沿って拘束され(その長さが変化することなく)、かつ第3フレクシャ首部58cは、第1フレクシャ首部58aと第2フレクシャ首部58bとを結ぶ直線L3を中心軸として微少回転することが可能である。すなわち、極座標でいうところのR方向(光学素子27の径方向)に変位する自由度を有している。
従って、インナリング33に対して不動な点である第3フレクシャ首部58cは、極座標で言うところのθ、Z並進移動の自由度を、望むべく位置に拘束され、かつR並進自由度を有している。また、第3フレクシャ首部58cは回転ピポットであるので、R、θ、Zの各軸回りの回転自由度を有している。
以上の動き及び拘束状態は、アウタリング32の3ヶ所に設置されたフレクシャ本体35のそれぞれの中で独立に生じる。従って、インナリング33に対して固定された3つの点(第3フレクシャ首部58c)のそれぞれにおいてインナリング33の自由度がそれぞれ2ずつ拘束され、インナリング33の姿勢(6自由度)は機構学の教えるところにより過不足なく拘束される。かつ、その姿勢は、駆動レバー36a,36bの駆動量と1:1で対応しているため、インナリング33及びそれに保持される光学素子27の姿勢を、それらに無理な力、歪みを与えることなく自在に調節することが可能である。
このように、インナリング33は、各フレクシャ部材34を介して、アウタリング32に対して、いわゆるキネマティックに支持されている。ここで、光学素子27の中心を原点、その光学素子27の光軸方向をZ軸、光学素子27の径方向をR軸及び光学素子27の周方向をθ軸とする極座標系R−θ−Z系を考える。このフレクシャ部材34のリンク機構によれば、インナリング33とリンク機構との連結点をなす第3フレクシャ首部58cは、所定の範囲内においてR、θ、Zの各軸方向に変位可能となる。また、枠体各リンク機構における、第3フレクシャ首部58cのアウタリング32からの高さ位置を適宜変更して組み合わせることにより、インナリング33をアウタリング32に対して任意の方向に傾けることができる。これにより、インナリング33がアウタリング32に対して、いわゆるキネマティックに、つまりR、θ、Zの各軸方向への移動とR軸、θ軸及びZ軸の各軸周りの回転とが可能なように保持される。
従って、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(ア) この光学素子保持装置28では、インナリング33に連結されるとともに、アウタリング32の内壁38に取り付けられ、光学素子27の位置を調整するフレクシャ部材34が設けられている。そして、アウタリング32に形成された貫通孔73内には、光学素子27の位置を調整するための調整力をフレクシャ部材34に与える変位ロッド79、調整軸82が設けられている。さらに、変位ロッド79とアウタリング32との間に設けられ、貫通孔73を介したアウタリング32の内側と外側とにおけるガスの流通を抑制する中空Oリング88が設けられている。
この光学素子保持装置28によれば、光学素子27の位置を調整するための変位ロッド79、調整軸82を収容するための貫通孔73を介したアウタリング32の内側と外側とにおけるガスの流通が抑制される。このため、アウタリング32の外側からアウタリング32の内側にある光学素子27の位置調整を、調整軸82、変位ロッド79、そしてフレクシャ部材34を介して行いつつも、そのアウタリング32の内部の気密性を維持することができる。従って、アウタリング32内部の気密性を高く保ちながら、光学素子27の位置を細かく調整することができる。
(イ) この光学素子保持装置28では、アウタリング32の内壁38に、フレクシャ部材34を収容する凹部41及び収容溝42が設けられている。このため、フレクシャ部材34を、アウタリング32の内部においてアウタリング32の大型化を回避しつつ収容することができる。
(ウ) この光学素子保持装置28では、貫通孔73が、アウタリング32の外壁面74から内壁面75に向かって凹んだ第1の穴76と、アウタリング32の段部40から裏面77に向かって凹んだ第2の穴78とが連通することによって形成されている。
このため、変位ロッド79を第2の穴78に収容することで、フレクシャ部材34に加えられる調整力の調整を行う際にも、貫通孔73を開放することなく塞いだ状態で、第1の穴76を介してアウタリング32の外部から調整軸82及び調整ワッシャ84の調整により調整力を調整することができる。
(エ) この光学素子保持装置28では、変位ロッド79が貫通孔73内に光学素子27の光軸と平行な方向に沿って変位可能に収容されている。このため、アウタリング32の径方向における大型化を回避することができる。
(オ) この光学素子保持装置28では、第1の穴76に調整軸82と調整ワッシャ84とが配置され、第2の穴78に変位ロッド79が配置されている。そして、変位ロッド79は、一端部がフレクシャ部材34に、他端部が調整軸82に係合し、調整軸82の移動に伴い、第2の穴78の中を変位するようになっている。このため、簡単な構成で前記(ウ)に記載の作用及び効果を発揮させることができる。
(カ) この光学素子保持装置28では、中空Oリング88が、第2の穴78と変位ロッド79との間に配置されている。このため、アウタリング32の内壁38に近い部分でシールをすることで、アウタリング32の内部の気密性をより確実に高めることができる。
(キ) この光学素子保持装置28では、インナリング33及びフレクシャ部材34がアウタリング32の内側であって、アウタリング32の一方の端面31と他方の端面31との間に配置されている。このため、インナリング33及びフレクシャ部材34がアウタリング32から突出することがなく、複数のアウタリング32を積層した状態で鏡筒29の大型化を回避することができる。従って、光学素子27の位置を調整する機能を有する光学素子保持装置28を小型化することができ、ひいては鏡筒29が大型化することなく、より多くの光学素子27の位置を調整することができるようになる。
(ク) この光学素子保持装置28では、フレクシャ部材34が、インナリング33に連結される接続ブロック48と、アウタリング32の内壁38に取り付けられる取付部39とを有している。また、フレクシャ部材34は、アウタリング32に対してインナリング33の位置を変位させるフレクシャ本体35と、取付部39の一端部に係合し、変位ロッド79の変位を縮小して、フレクシャ本体35に伝達する駆動レバー36a,36bとを有している。
このため、フレクシャ部材34が、アウタリング32及びインナリング33とは別体の部材で構成することができて、アウタリング32及びインナリング33の加工を簡単に行うことができる。
(ケ) この光学素子保持装置28では、フレクシャ部材34を介してインナリング33に伝達される外部環境の振動を吸収する振動吸収機構91が設けられている。このため、露光装置21の内部において他の部分で発生する振動や露光装置21の設置される周辺環境からの振動が、光学素子27に伝達されることが抑制され、光学素子27の光学性能を高く維持することができる。従って、光学素子27の位置調整の機能を損なうことなく、光学素子27への外部環境の振動の伝達を抑制することができ、光学素子27を所定の位置において安定して保持することができる。そして、露光装置21の露光精度を高めることができる。
(コ) この光学素子保持装置28では、光学素子27の位置を調整するときにはアウタリング32とインナリング33との相対移動を許容する摩擦力を有する板バネ94を備えている。
このため、光学素子保持装置28に外部環境の振動が伝達されたときには、板バネ94における摩擦力によりアウタリング32とインナリング33との間での滑りが規制され、光学素子27の位置安定性が損なわれることがない。これにより、光学素子27が、外部環境からの振動により、想定外に変位され、投影光学系25の光学性能に変動が生じ、露光装置21の露光精度が低下することを抑制することができる。
一方、光学素子27の位置を調整するために、フレクシャ部材34に調整力が与えられると、板バネ94は、アウタリング32とインナリング33との相対移動を許容するため、光学素子27を所望の位置に調整して、露光装置21の露光精度を高めることができる。
(サ) この光学素子保持装置28では、振動吸収機構91が、アウタリング32とインナリング33との間に介装され、アウタリング32に固定され、インナリング33に接触した状態で摺動する板バネ94を備えている。このため、板バネ94を使用するといった簡単な構成で、所望の摩擦力を発生させることができる。
(シ) この光学素子保持装置28では、板バネ94が、光学素子27の光軸と交差する方向には剛性を有するとともに、光学素子27の光軸方向には可撓性を有するものとなっている。このため、光学素子27の位置調整時における抵抗を大きく増大させることなく、外部環境から伝達される振動によるアウタリング32とインナリング33との間の滑りを効率よく規制することができる。
(ス) この光学素子保持装置28では、板バネ94が、光学素子27の光軸と交差する方向に長手方向を有し、一端部がアウタリング32に固定されるとともに、他端部がインナリング33の突部93に摺接するようになっている。このため、簡単な構成で、前記(サ)または(シ)に記載の作用及び効果を発揮させることができる。
(セ) この光学素子保持装置28では、板バネ94をインナリング33側に付勢する付勢機構96を有している。このため、板バネ94をより確実にインナリング33に対して摺接させることができる。
(ソ) この光学素子保持装置28では、付勢機構96が台座部92に対して進退可能に螺入されコイルバネ97の圧縮量を調整するバネ押さえ99を備えている。このため、板バネ94の付勢力を調整することができ、板バネ94とインナリング33との間で発生される摩擦力を、外部環境の振動の大きさに応じて調整することができる。
(タ) この鏡筒29は、多数の光学素子27を、それぞれ本発明の光学素子保持装置28で保持して、その複数の光学素子27を積層することにより構成している。
このため、内部の気密性を高く保ったままで、多くの光学素子27の姿勢を細かく調整することができる。また、鏡筒29内部の不活性ガスでの置換状態を乱すことなく、光学素子27の位置を調整することができる。特に、200nm以下の波長を有する露光光ELを使用する露光装置21においては、鏡筒29の内部に収容された光学系を迅速に調整することができるだけでなく、その後の露光装置21のダウンタイムの大幅に削減することができる。
(チ) この露光装置21では、レチクルR上に形成された所定のパターンの像をウエハW上に投影する投影光学系25が、本発明の光学素子保持装置28で保持しつつ、その光学素子保持装置28を積層した鏡筒29内に収容されている。このため、光学素子27の位置を細かく調整しつつ、鏡筒29内の気密性が高く保つことができ、露光装置21の露光精度を向上させることができる。
(変形例)
なお、本発明の実施形態は、以下のように変形してもよい。
・ 前記実施形態では、変位ロッド79と第2の穴78との間に、中空Oリング88を介装したが、このOリングを、中実構造のものとしてもよい。また、この中空Oリング88に代えて、例えば磁性流体シールを用いてもよい。このようにした場合、ヒステリシス要素が排除されるため、露光装置21の動作中に光学素子27の姿勢を制御するような構成において、特に有効である。
・ 前記実施形態では、アウタリング32の端面31を切り欠きのない状態とすることで、積層される他の鏡筒モジュール間の気密性を保つようにしている。これに対して、図3に一点鎖線で示すように、アウタリング32の端面31上に第2シール部材としての中空Oリング100を配置して、積層される他の鏡筒モジュールの端面との間で気密性を確保するようにしてもよい。このようにした場合、積層される鏡筒モジュール29a間における気密性を高めることができる。また、この端面31間に介装されるOリングを、中実構造のものとしてもよい。
また、鏡筒モジュール間、例えば端面31の間にガスケットを介装したり、2つの鏡筒モジュール間の端面間をカバーで覆い、そのカバーと端面31の外周面との間にOリングを配置したりするような構成としてもよい。
・ 前記実施形態では、調整軸82において発生される調整力F1,F2の調整を、複数の調整ワッシャ84の中から適宜選択して交換することで、変位ロッド79を変位させることにより行っている。これに対して、調整軸82に、例えばマイクロメータを装備して、そのマイクロメータの進退により変位ロッド79を変位させる構成としてもよい。このようにした場合、調整力F1,F2の調整作業が容易なものとなるとともに、微調整も容易なものとすることができる。
また、調整軸82に代えて、例えばピエゾ素子等のアクチュエータを装備して、そのアクチュエータの駆動により変位ロッド79を変位させるようにしてもよい。このようにした場合、アクチュエータを遠隔操作することができ、光学素子27の姿勢制御を離れた位置で行うことができ便利である。また、例えば露光装置21の稼働中に、得られる収差情報、光学素子27の照射履歴、露光装置21の配置される環境条件の変化、照明条件等の露光条件の変化等に基づく所定の制御信号の入力により、光学素子27の姿勢を制御して、収差の補正をより細かく行うことができる。これにより、露光装置21における露光精度の向上と、ダウンタイムの短縮によるスループットの向上を図ることができる。
なお、アクチュエータとしては、流体圧アクチュエータ等を採用してもよい。
・ 前記実施形態において、光学素子27の姿勢を検出するセンサを設けてもよい。このようにした場合、光学素子27のより正確な姿勢制御ができるようになる。
センサとしては、アウタリング32の外周面上に光学窓を設け、その光学窓を介して光学素子27またはインナリング33に取着したスケールを、鏡筒29外に配置したヘッドで読みとるような光学エンコーダ式、静電容量式等のセンサが好ましい。このように構成することで、センサに接続されるコードやセンサの基板等を鏡筒29内に配置する必要がなくなり、鏡筒29内をより清浄に保つことができる。
・ 前記実施形態において、インナリング33を省略し、フレクシャ本体35の接続ブロック48が、直接、光学素子27を保持するようにしてもよい。
・ 前記実施形態では、変位ロッド79の光学素子27の光軸方向への移動により、各駆動レバー36a,36bに調整力F1,F2を与える構成とした。これに対して、例えば変位ロッド79を、回転させること、または光学素子27の径方向またはその他の方向に移動させること、各駆動レバー36a,36bに調整力F1,F2を与えるような構成としてもよい。
・ 前記実施形態では、板バネ94をアウタリング32に固定し、インナリング33に摺接するようになっているが、板バネ94をインナリング33に固定し、アウタリング32に摺接するようにしてもよい。
・ 前記実施形態では、板バネ94をインナリング33側に付勢するためにコイルバネ97を設けているが、磁石、アクチュエータ等を設けて板バネ94をインナリング33側に付勢するようにしてもよい。
・ 前記実施形態では、光学素子27としてレンズが例示されているが、この光学素子27は平行平板、ミラー、ハーフミラー等の他の光学素子であってもよい。
・ この発明の光学素子保持装置28は、前記実施形態の露光装置21の投影光学系25における横置きタイプの光学素子27の保持構成に限定されることなく、例えば露光装置21の照明光学系23における光学素子の保持構成、縦置きタイプの光学素子27の保持構成に具体化してもよい。さらに、他の光学機械、例えば顕微鏡、干渉計等の光学系における光学素子の保持構成に具体化してもよい。
・ また、露光装置として、投影光学系を用いることなく、マスクと基板とを密接させてマスクのパターンを露光するコンタクト露光装置、マスクと基板とを近接させてマスクのパターンを露光するプロキシミティ露光装置の光学系にも適用することができる。また、投影光学系としては、全屈折タイプに限らず、反射屈折タイプであってもよい。
さらに、本発明の露光装置は、縮小露光型の露光装置に限定されるものではなく、例えば等倍露光型、拡大露光型の露光装置であってもよい。
また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクルまたはマスクを製造するために、マザーレチクルからガラス基板やシリコンウエハなどへ回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(深紫外)やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては、石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、蛍石、フッ化マグネシウム、または水晶などが用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置や電子線露光装置などでは、透過型マスク(ステンシルマスク、メンバレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが用いられる。
もちろん、半導体素子の製造に用いられる露光装置だけでなく、液晶表示素子(LCD)などを含むディスプレイの製造に用いられてデバイスパターンをガラスプレート上へ転写する露光装置にも、本発明を適用することができる。また、薄膜磁気ヘッド等の製造に用いられて、デバイスパターンをセラミックウエハ等へ転写する露光装置、及びCCD等の撮像素子の製造に用いられる露光装置などにも本発明を適用することができる。
さらに、本発明は、マスクと基板とが相対移動した状態でマスクのパターンを基板へ転写し、基板を順次ステップ移動させるスキャニング・ステッパに適用することができる。また、本発明は、マスクと基板とが静止した状態でマスクのパターンを基板へ転写し、基板を順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式のステッパにも適用することができる。
・ また、露光装置の光源としては、前記実施形態に記載のArFエキシマレーザ(193nm)、Fレーザ(157nm)の他、例えばg線(436nm)、i線(365nm)、KrFエキシマレーザ(248nm)、Krレーザ(146nm)、Arレーザ(126nm)等を用いてもよい。また、DFB半導体レーザまたはファイバレーザから発振される赤外域、または可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(またはエルビウムとイッテルビウムの双方)がドープされたファイバアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いてもよい。
なお、前記実施形態の露光装置21は、例えば次のように製造される。
すなわち、まず、照明光学系23、投影光学系25を構成する複数のレンズまたはミラー等の光学素子27の少なくとも一部を前記実施形態または前記各変形例の光学素子保持装置28で保持し、この照明光学系23及び投影光学系25を露光装置21の本体に組み込み、光学調整を行う。次いで、多数の機械部品からなるウエハステージ36(スキャンタイプの露光装置の場合は、レチクルステージ24も含む)を露光装置21の本体に取り付けて配線を接続する。そして、露光光の光路内にガスを供給するガス供給配管を接続した上で、さらに総合調整(電気調整、動作確認など)を行う。
ここで、光学素子保持装置28を構成する各部品は、超音波洗浄などにより、加工油や、金属物質などの不純物を落としたうえで、組み上げられる。なお、露光装置21の製造は、温度、湿度や気圧が制御され、かつクリーン度が調整されたクリーンルーム内で行うことが望ましい。
前記実施形態における硝材として、蛍石、石英などを例に説明したが、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウム、リチウム−カルシウム−アルミニウム−フロオライド、及びリチウム−ストロンチウム−アルミニウム−フロオライド等の結晶や、ジルコニウム−バリウム−ランタン−アルミニウムからなるフッ化ガラスや、フッ素をドープした石英ガラス、フッ素に加えて水素もドープされた石英ガラス、OH基を含有させた石英ガラス、フッ素に加えてOH基を含有した石英ガラス等の改良石英を用いた場合にも、前記実施形態の光学素子保持装置28を適用することができる。
次に、上述した露光装置21をリソグラフィ工程で使用したデバイスの製造方法の実施形態について説明する。
図9は、デバイス(ICやLSI等の半導体素子、液晶表示素子、撮像素子(CCD等)、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートを示す図である。図9に示すように、まず、ステップS201(設計ステップ)において、デバイス(マイクロデバイス)の機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS202(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レクチルR等)を製作する。一方、ステップS203(基板製造ステップ)において、シリコン、ガラスプレート等の材料を用いて基板(シリコン材料を用いた場合にはウエハWとなる。)を製造する。
次に、ステップS204(基板処理ステップ)において、ステップS201〜S203で用意したマスクと基板を使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によって基板上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS205(デバイス組立ステップ)において、ステップS204で処理された基板を用いてデバイス組立を行う。このステップS205には、ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程(チップ封入等)等の工程が必要に応じて含まれる。
最後に、ステップS206(検査ステップ)において、ステップS205で作製されたデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
図10は、半導体デバイスの場合における、図9のステップS204の詳細なフローの一例を示す図である。図10において、ステップS211(酸化ステップ)では、ウエハWの表面を酸化させる。ステップS212(CVDステップ)では、ウエハW表面に絶縁膜を形成する。ステップS213(電極形成ステップ)では、ウエハW上に電極を蒸着によって形成する。ステップS214(イオン打込みステップ)では、ウエハWにイオンを打ち込む。以上のステップS211〜S214のそれぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS215(レジスト形成ステップ)において、ウエハWに感光剤を塗布する。引き続き、ステップS216(露光ステップ)において、先に説明したリソグラフィシステム(露光装置21)によってマスク(レチクルR)の回路パターンをウエハW上に転写する。次に、ステップS217(現像ステップ)では露光されたウエハWを現像し、ステップS218(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS219(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハW上に多重に回路パターンが形成される。
以上説明した本実施形態のデバイス製造方法を用いれば、露光工程(ステップS216)において上記の露光装置21が用いられ、真空紫外域の露光光ELにより解像力の向上が可能となり、しかも露光量制御を高精度に行うことができる。従って、結果的に最小線幅が0.1μm程度の高集積度のデバイスを歩留まりよく生産することができる。
本発明の露光装置の一実施形態を示す概略構成図。 図1の光学素子保持装置を示す平面図。 図1の光学素子保持装置の一部を示す分解斜視図。 図3のフレクシャ部材の要部を示す拡大正面図。 図4の5−5線断面図。 図2の6−6線断面図。 図2の7−7線断面図。 図1の光学素子保持装置を模式的に示す説明図。 デバイスの製造例のフローチャート。 半導体デバイスの場合における図9の基板処理に関する詳細なフローチャート。
符号の説明
21…露光装置、25…投影光学系、27…光学素子、28…光学素子保持装置、29…鏡筒、31…端面、32…枠部材としてのアウタリング、33…保持部材としてのインナリング、34…第1調整機構としてのフレクシャ部材、35…変位部として機能するフレクシャ本体、36a,36b…伝達部として機能する駆動レバー、38…内壁、39…第2締結部として機能する取付部、40…一方の端面をなす段部、41…凹部、48…第1締結部として機能する接続ブロック、73…貫通孔、74…外壁面、75…内壁面、76…第1の穴、77…他方の端面をなす裏面、78…第2の穴、79…第2調整機構の一部を構成する第2調整部材としての変位ロッド、82…第2調整機構の一部を構成するとともに第1調整部材の一部を構成する調整軸、88…第1シール部材としての中空Oリング、91…振動吸収機構、94…摩擦機構としての板バネ、100…第2シール部材としての中空Oリング、F1,F2…調整力、R…マスクとしてのレチクル、W…基板としてのウエハ。

Claims (14)

  1. 学素子を保持する光学素子保持装置において、
    枠部材と、
    前記光学素子を保持する保持部材と、
    前記枠部材の内側に設けられ、前記保持部材に連結されるフレクシャ部材と、
    前記フレクシャ部材に設けられ、前記枠部材の内側に配置される駆動レバーと、
    前記枠部材に形成された貫通孔内に設けられ、前記フレクシャ部材を介して、前記保持部材に保持された前記光学素子の位置を調整するための調整力を前記駆動レバーに与える変位ロッドと、
    前記変位ロッドと前記枠部材との間に設けられ、前記貫通孔を介した前記枠部材の内側と外側とにおけるガスの流通を抑制する第1シール部材と、を備えたことを特徴とする光学素子保持装置。
  2. 前記枠部材の内壁に、前記駆動レバーを収容する収容溝を設けたことを特徴とする請求項1に記載の光学素子保持装置。
  3. 前記貫通孔は、前記枠部材の外壁面から内壁面に向かって凹んだ第1の穴と、前記第1の穴と前記収容溝を連通する第2の穴とを有することを特徴とする請求項2に記載の光学素子保持装置。
  4. 前記第2の穴は、前記光学素子の光軸と平行な方向に沿って形成され、
    前記変位ロッドは、前記光学素子の光軸と平行な方向に沿って変位可能に、前記第2の穴に収容され、かつ前記光学素子の光軸と平行な方向の調整力を前記駆動レバーに与えることを特徴とする請求項3に記載の光学素子保持装置。
  5. 記第1の穴に配置され、かつ調整軸を有する調整部材を備え、
    前記変位ロッドは、前記調整部材に係合する一端部と、前記駆動レバーに係合する他端部とを有し、記調整部材の移動に伴い、前記第2の穴の中を変位することを特徴とする請求項に記載の光学素子保持装置。
  6. 前記第1シール部材は、前記第2の穴と前記変位ロッドとの間に配置されることを特徴とする請求項5に記載の光学素子保持装置。
  7. 前記枠部材の一方の端面または他方の端面の少なくとも一つと、積層される他の枠部材の端面との間に設けられる第2シール部材を備えることを特徴とする請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の光学素子保持装置。
  8. 前記保持部材及び前記フレクシャ部材は、前記枠部材の内側であって、かつ前記枠部材の一方の端面を含む面と、前記枠部材の他方の端面を含む面との間に配置されることを特徴とする請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の光学素子保持装置。
  9. 前記フレクシャ部材を介して前記保持部材に伝達される外部環境の振動を吸収する振動吸収機構を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項のうちいずれか一項に記載の光学素子保持装置。
  10. 前記振動吸収機構は、前記光学素子の位置を調整するときには前記枠部材と前記保持部材との相対移動を許容する摩擦力を有する摩擦機構を備えることを特徴とする請求項に記載の光学素子保持装置。
  11. 少なくとも1つの光学素子を収容する鏡筒において、
    前記光学素子の少なくとも1つを、請求項1〜請求項10のうちいずれか一項に記載の光学素子保持装置で保持したことを特徴とする鏡筒。
  12. 前記光学素子は、マスク上に形成された所定のパターンの像を基板上に投影する投影光学系を構成する複数の光学素子の一つであることを特徴とする請求項11に記載の鏡筒。
  13. マスク上に形成された所定のパターンの像を基板上に露光する露光装置において、
    前記所定のパターンの像を請求項12に記載の鏡筒に収容された投影光学系を介して前記基板上に転写することを特徴とする露光装置。
  14. リソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法において、
    前記リソグラフィ工程で請求項13に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とするデバイスの製造方法。
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