JP2006261481A - 駆動装置及び光学要素駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被駆動対象の駆動方向の寸法を小さくした薄型の駆動装置及びこの駆動装置を備える光学要素駆動装置を提供する。
【解決手段】長軸方向に変位出力部を有する駆動手段を用いて、該長軸と直交する方向に被駆動対象を駆動する機構において、駆動手段の出力変位を被駆動対象の駆動変位に変換するための方向変換用リンク機構を、該駆動手段の長軸と平行な軸に沿って配置し、所定の機械特性を維持しながら、被駆動方向の寸法を極小化した。
【選択図】図1

Description

本発明は、積層ピエゾアクチュエータ等の駆動手段を用いて被駆動対象を駆動するための駆動装置に関するものである。
半導体露光装置は、数多くの異なる種類のパターンを有する原版(レチクル)をシリコンウエハ(基板)に転写する装置である。高集積度の回路を作成するためには、投影光学系の解像性能だけでなく重ね合せ精度の向上が不可欠である。
半導体露光装置における重ね合せ誤差はアライメント誤差、像歪み、および倍率誤差に分類される。アライメント誤差は、原版(レチクル)と基板(ウエハ)との相対位置調整によって軽減される。一方、倍率誤差は、投影光学系の一部を光軸方向に移動させることによって調整可能である。光軸方向に移動させる際には、移動方向以外の他成分、とりわけ平行偏心、および傾き誤差が大きくならないようにしなければならない。また像歪みは、投影光学系の一部を意図的に平行偏心あるいは傾き偏心させることにより、調整可能である。
従来、半導体露光装置用の光学素子、あるいは一般的な機械装置の駆動装置としては、以下のような技術が開示されている。
例えば特開2001−343575号公報(特許文献1)には、固定鏡筒に相当するアウタリングと、可動レンズ枠に相当するインナーリングの構造が図2に開示されている。当図においては、レンズ駆動装置に相当する光学素子保持装置が、アウタリング上の相対角度120の位置に3組配置され、該駆動装置の変位出力部である連結アームが前記インナーリングに結合され、3組の駆動装置の出力変位を所望の値に制御することで、前記可動レンズを光軸方向にシフト駆動するとともに、光軸と直交する2軸周りにチルト駆動可能な構造が開示されている。そして図11及び図12には、前記駆動装置の詳細構造が開示されている。当図においては、駆動源であるピエゾアクチュエータと、剛体リンクと弾性ヒンジからなる変位拡大及び案内機能を有したフレクシャ機構を用いて、前記可動レンズと結合された連結アーム部をレンズの光軸方向に駆動する機構が開示されている。
また特開2002−131605号公報(特許文献2)には、固定鏡筒に相当する枠体と、可動レンズ枠に相当するレンズ枠体の構造が図2に開示されている。当図においては、レンズ駆動装置に相当するフレクシャ機構が、枠体上の相対角度120の位置に3組配置され、該フレクシャ機構の変位出力部がレンズ枠体の突起部であるフレクシャ接合部に結合され、3組の駆動装置の出力変位を所望の値に制御することで、前記可動レンズを光軸方向にシフト駆動するとともに、光軸と直交する2方向にシフト駆動し、さらに光軸と直交する2軸周りにチルト駆動可能な構造が開示されている。そして図11には、前記フレクシャ機構の詳細構造が開示されている。当図においては、水平方向駆動レバーと垂直方向駆動レバーの回動変位を、フレクシャ機構の変位出力部の水平及び垂直方向のシフト変位に変換する機構が開示されている。
また特開平04−203629号公報(特許文献3)には、自動車のエンジンマウントの防振装置に好適な駆動装置の構造が開示されている。例えば図20には、軸方向に伸縮するアクチュエータを楕円リング内に装着し、アクチュエータの伸縮変位を拡大かつ方向変換して、前記楕円リング上面を上下方向に変位させる振動装置が開示されている。また図21には、軸方向に伸縮するアクチュエータをパンタグラフユニット内に装着し、アクチュエータの伸縮変位を拡大かつ方向変換して、前記パンタグラフの上板を上下方向に変位させる振動装置が開示されている。
特開2001−343575号公報 特開2002−131605号公報 特開平04−203629号公報
特開2001−343575号公報(特許文献1)において開示された駆動装置は、アクチュエータとフレクシャ機構がレンズの光軸方向に並列配置されるため、固定鏡筒に相当するアウタリングの光軸方向の厚さが大きくなる。
特開2002−131605号公報(特許文献2)において開示された駆動装置は、水平方向駆動レバーと垂直方向駆動レバーの先端変位を調整ワッシャと調整ボタンで調節するものであり、レンズの駆動変位を自動制御する構造とはなっていない。また仮に、前記調整ワッシャと調整ボタンをピエゾアクチュエータ等に置き換えて自動調節可能な構造とすることはできるが、アクチュエータが光軸方向に張り出し、前記特許文献1と同様に光軸方向の厚さが大きくなる。
特開平04−203629号公報(特許文献3)において開示された駆動装置では、アクチュエータの駆動変位を拡大及び方向変換する機構が、最終出力変位方向に並列的に配置されているため、最終出力方向の寸法が大きくなる。
そこで、本発明は薄型の駆動装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の駆動装置は、全長の変化、もしくは、変位出力部の移動により、第1の軸の方向に駆動変位を発生する駆動手段と、
前記駆動変位を取り出すために前記第1の軸の方向と直交する第2の軸の方向に延伸する変位取り出し手段と、
前記変位取り出し手段の変位を前記第1及び第2の軸の方向と直交する第3の軸の方向に変換する方向変換手段と、から成り、
前記方向変換手段は前記駆動手段に対して前記第2の軸の方向に配置される。
さらに、本発明の第9の前記駆動装置は、前記変位取り出し手段と方向変換手段は個別の部材から製作されたのち、結合される。
さらに、本発明の光学要素駆動装置は、光学要素と、
前記光学要素の近傍に配置された前記駆動装置と、
前記駆動装置を保持する筐体と、
前記駆動装置の制御手段と、を備える。
薄型の駆動装置を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明をその実施例に基づいて説明する。
図1から図6は、本発明の実施例1の駆動装置に係わる図である。
本発明の実施例1の駆動装置110は、全長の変化、もしくは、変位出力部の移動により、第1の軸の方向に駆動変位を発生する駆動手段と、
前記駆動変位を取り出すために前記第1の軸の方向と直交する第2の軸の方向に延伸する変位取り出し手段と、
前記変位取り出し手段の変位を前記第1及び第2の軸の方向と直交する第3の軸の方向に変換する方向変換手段と、から成り、
前記方向変換手段は前記駆動手段に対して前記第2の軸の方向に配置される。
さらに、本発明の実施例1の駆動装置110は、前記方向変換手段は前記第1の軸の方向において略対称形状に構成される。
さらに、本発明の実施例1の駆動装置110は、前記方向変換手段は略同一形状の2組のリンク機構から成り、
前記2組のリンク機構は前記駆動手段を挟んで互いに反対側に配置される。
さらに、本発明の実施例1の駆動装置110は、前記変位取り出し手段は前記第1の軸の方向に略平行移動する。
さらに、本発明の実施例1の駆動装置110は、前記変位取り出し手段と方向変換手段は実質上単一の部材から製作される。
さらに、本発明の実施例の光学要素駆動装置は、光学要素と、
前記光学要素の近傍に配置された前記駆動装置と、
前記駆動装置を保持する筐体と、
前記駆動装置の制御手段と、を備える。
図2は、本発明が適用される半導体露光装置の概略構成を示す図である。
この半導体露光装置は、スリット照明下でレチクルをスキャン駆動し、これに同期して半導体ウェハをスキャン駆動しながら露光動作を行なう、スキャナ式露光装置である。
図2において、投影光学系1は本発明の駆動装置を搭載し、所定の光学パワーを有したレンズ、このレンズの駆動装置、及びこれらを収納する固定鏡筒で構成されたものを個々のレンズユニットとし、複数のレンズユニットが積層されて1本の投影光学系を構成する。
鏡筒マウント3は投影光学系1を露光装置本体2に固定するためので、設置地面の振動が投影光学系1に伝達しないよう、本体1と鏡筒マウント3は除振機構を介して締結される。
照明ユニット4は、原版となるレチクル5を種々の照明モードにて照明可能に構成される。
レチクルステージ6はレチクル5をスキャン駆動する装置である。
レチクル架台7はレチクルステージ6を鏡筒マウント3に固定するものである。半導体ウェハ8は感光剤が塗布され、ウェハステージ9は半導体ウェハ8を保持するものである。
ウェハステージ9は半導体ウェハ8の光軸方向の位置調整を行なうとともに、レチクルステージ6のスキャン動作に同期して半導体ウェハ8をスキャン制御する。
レンズ制御手段10は所定の制御フローに従って本発明の駆動装置を制御する。
具体的には、気圧センサ等の各種センサ情報に基づいて計算された結果、及びあらかじめ記憶されたプログラムに基づいて、所定のレンズを調整駆動することで、投影光学系1の光学性能を最適化する。詳しくは図6及び図7にて説明する。
図3は本発明の実施例1の駆動装置と、この駆動装置を複数個搭載して、レンズを所望の方向に駆動可能な光学要素駆動装置を示した図である。
図3(a)はレンズ及びレンズ枠を取り除いた平面図、図3(b)はレンズ及びレンズ枠を搭載した平面図、図3(c)は断面図である。
図3(a)及び(c)において、固定鏡筒101は、後述する本発明の駆動装置及びレンズ位置検出手段を固定する平坦部と、上下に隣接する他のレンズユニットと結合するための側壁円筒部を有する。
本発明の実施例1の駆動装置110は、同一の駆動装置3組が固定鏡筒101の底面平坦部に設置される。 レンズ位置検出手段102は後述するレンズ枠の光軸方向変位及び光軸と直交する半径方向変位を検出するもので、半導体レーザを用いた干渉型測長器が好適に用いられる。
図3(b)はレンズとレンズ枠を搭載した状態を示した図で、レンズ103を収納するレンズ枠104には上面6箇所にフランジ状の突起が設けられ、そのうちの3箇所のフランジ部は、駆動装置110の変位出力部にレンズ枠取付ネジ105を用いて締結される。 またこのフランジ部の他の3箇所はレンズ枠変位検出用のターゲットとして利用される。
その構成を図3(c)で説明するが、レンズ位置検出手段102はレンズ103の光軸方向と半径方向に検出用レーザビームを投射し、その反射光の干渉情報から、レンズ枠104の3箇所(フランジ部近傍)の光軸方向及び半径方向の変位を検出する。
以上の構成において、3組の駆動装置110を等量だけ駆動するとレンズ103を光軸方向、すなわち図3(c)に示したZ軸方向に並進駆動することができる。また3組の駆動量に所定の差を設けることで、図3(b)に示したθa及びθb方向のチルト駆動が可能である。 この際、位置検出手段102の光軸方向の出力をフィードバックすることで、レンズ103の並進及びチルト駆動量を正確に制御できる。 また、位置検出手段102の半径方向の出力をモニタすることで、レンズ103の光軸に直交した平面内での平行偏心に伴う像のシフト量を計算する。 そしてこの計算結果を、図2に示したウェハステージ9の駆動量に加味することで、レンズ偏心に伴うレチクル像のアライメント誤差を解消する。
図1は本発明の実施例1の駆動装置110の詳細図で、図2に示した駆動装置110の詳細構造を示したものである。
図1(a)はレンズの光軸方向上方から俯瞰した平面図で、X軸及びY軸を図示のように定義する。 図1(b)はレンズ中心から見た側面図で、X軸及びZ軸を図示のように定義する。 図1(c)は図1(a)のA−A線で切断した断面図である。
以上の図1において、固定鏡筒101は平坦部を示している。 駆動装置本体111は、単一の金属ブロックから、ワイヤ放電加工及び切削加工にて形成されたリンク機構を構成する。 積層型ピエゾアクチュエータ112は、電歪素子と電極が交互に積層された駆動源が密閉型円筒容器内に封入され、X軸方向の全長が印加電圧に略比例して増加する。 ピエゾ調整ネジ113はアクチュエータ112の寸法誤差を補正するためもので、駆動装置本体111とアクチュエータ112の間に介在される。 駆動装置取付ネジ114は、固定鏡筒101の裏面より駆動装置本体111をネジ締結する。
図4は駆動装置本体111からピエゾアクチュエータ112とピエゾ調整ネジ113を取り除いたリンク機構の詳細を示したもので、図4(a)は平面図、図4(b)は斜視図である。
図1と図4を用いて駆動装置本体111の製作方法を説明する。
まず母材となる金属ブロックから、図4(a)及び(b)に示したリンク機構の最外形を形成する面、及び図4(a)に示した機構の底部111wをフライス加工にて除去する。 続いてこのフライス加工で残った底部111WのコーナーR部を除去するために、底部穴111pをワイヤ放電加工で形成する。
次に図1(b)に図示されているスリット部をワイヤ放電加工により形成し、リンク部は、変位取り出し111a、111b、方向変換リンク111c、111d、サポートリンク111e、111f、レンズ枠駆動リンク111g、カウンターリンク111hから成り、弾性ヒンジ部は、このリンク部を連結する。 最後に穴あけ機でレンズ枠取付ネジ穴111j、ピエゾ調整ネジ穴111m、及び固定鏡筒に締結するための裏面ネジ穴の下穴を穿孔し、ネジ加工を行なってリンク機構が完成する。以上の工程により、駆動装置本体111のリンク機構が単一の金属ブロックから製造できる。
図5は駆動装置本体111のリンク動作を説明するための図で、図5(a)はピエゾアクチュエータ112が伸張したときのリンク機構側面図、図5(b)は該リンク機構の模式図である。
以下に図1と図5を用いて駆動装置本体111の組立手順と駆動原理について説明する。
まず図1(a)において、駆動装置本体111の中央空間にピエゾアクチュエータ112を装填し、次にピエゾ調整ネジ穴111mの右側からピエゾ調整ネジ113をねじ込んでピエゾアクチュエータ112の底部112bを左方向に押し、ピエゾアクチュエータ112の出力端112aをリンク機構の変位取り出しリンク111aの右端面に圧接させる。
これでピエゾアクチュエータ112の装着が完了する。
次にピエゾアクチュエータ112の右端底部に設けられた2本の電極端子に所定電圧を印加すると、ピエゾアクチュエータ112の全長LはX軸方向にdLだけ伸張する。
次に、図5(b)に示したように、一方の変位取り出しリンク111aは左方に−dL/2だけ、他方の変位取り出しリンク111bは右方にdL/2だけ変位する。
次にX軸に対して略45度の傾斜を有するリンクから成る、いわゆるパンタグラフ構造を有する方向変換リンク111c及び111dが回動し、変位取り出しリンク111a及び111bはX軸方向への変位のほかにZ軸方向にもおよそdL/2だけ上昇する。 このためレンズ枠駆動リンク111gはZ軸方向におよそdLだけ上昇するため、レンズ枠駆動リンク111g上面のレンズ枠取付ネジ穴111jに結合された図示されないレンズ枠104もおよそdLだけZ方向に上昇する。
以上説明したように、ピエゾアクチュエータ112の伸張に伴ってレンズ枠駆動リンク111gがZ方向に変位するが、レンズ枠駆動リンク111gはZ方向のみに変位し、X方向及びY方向には変位しないことが望ましい。
そこでこのような特性を実現するために、以下のような補助リンクが設けられる。
まず、レンズ枠駆動リンク111gのX軸方向の移動を規制するため、その下部にはサポートリンク111e及び111fが連結される。
このサポートリンク111e及び111fにより、レンズ枠駆動リンク111gはZ軸方向の変位自由度は有するが、X軸方向の自由度は規制され、Z軸方向のみ変位可能となる。
また、レンズ枠駆動リンク111gのY軸方向の移動を規制するため、図1(a)に示したカウンターリンク111hが設けられる。 カウンターリンク111hの構造は図4(b)の斜視図に示したように、上面から見た平面形状はレンズ枠駆動リンク111gと若干異なるが、側面から見たリンク構造はレンズ枠駆動リンク111g及びこれにつながる各リンクとまったく同一の形状をなしている。
すなわち図1(a)において、ピエゾアクチュエータ112は略同一構成の2組のパンタグラフリンクの中間に配置されると共に、この2組のパンタグラフリンクは、Y軸方向に延伸した変位取り出しリンク111a及び111bにて連結されている。
このためピエゾアクチュエータ112の伸張に伴ってレンズ枠駆動リンク111gとカウンターリンク111hは等量だけZ方向に変位し、かつY方向へのせん断剛性が高い構造となる。
このため、レンズ枠取付ネジ穴111jの領域はZ方向のみに変位し、X方向及びY方向への自由度が規制されるため、図示されないレンズ枠104をZ方向に正確に駆動することができる。
また、変位取り出しリンク111a及び111bはX軸方向及びZ軸方向に並進移動するが、X軸まわり、Y軸まわり及びZ軸まわりの回動変位は生じない。 従ってピエゾアクチュエータ112にたわみ応力を生じることがないので、脆性材であるピエゾアクチュエータ112の破壊を防ぐことができる。
図6は図2に示した半導体露光装置の露光動作やレンズ駆動動作を制御するための制御ブロック図である。
本体CPU21は露光装置全体の動作を制御し、マウント制御手段31は鏡筒マウント3の除振動作を制御する。 照明制御手段41は照明ユニットの照明モードや光量を制御し、レチクルステージ制御手段61はレチクルステージ6の駆動制御を行ない、ウェハステージ制御手段91はウェハステージ9の駆動制御を行なうものである。
レンズ制御手段10は複数のレンズCPU11を有し、各レンズCPU11は図3に示した1個のレンズの駆動制御を行なう。
各レンズCPU11には、3個のピエゾドライバ12が接続され、各ピエゾドライバ12は図3に示される3組の駆動装置110に内蔵された各ピエゾアクチュエータ112を駆動する。
また各レンズCPU11には6個のレンズ位置検出手段102が接続されるが、レンズ位置検出手段102は図3に示したレンズ位置検出手段102に対応する。
この6個のレンズ位置検出手段102の内、3個のレンズ位置検出手段12はレンズ枠104の光軸方向、すなわちZ軸方向の変位を検出し、残り3個のレンズ位置検出手段102はレンズ枠104の半径方向の位置を検出する。他のレンズCPU11も同様にピエゾドライバ12とレンズ位置検出手段102が接続される。
図7は前述の各レンズCPU11の制御フローを説明する図である。
ステップS101では、本体CPU21との通信により、レンズ駆動ルーチンの実行を開始する。
ステップS103では、本体CPU21より、駆動対象となるレンズの駆動波形に関するルックアップテーブルを読み込む。このルックアップテーブルには、照明モードによるレンズ駆動位置の補正量、レチクルスキャン駆動に伴って発生するレチクル像の各種収差を実時間で補正するための駆動波形、照明光がレンズに吸収されて発熱することによるレンズの光学特性変化を補正するための補正量等の各種補正パラメータが含まれる。
ステップS105では、図示されない気圧センサ出力よりレンズを取り巻く環境気体の気圧を検出し、その屈折率変動によるレンズ位置補正量を算出する。
ステップS107では、ステップS103及びステップS105で取得した情報から、図3に示したレンズ103のZ軸方向の並進駆動波形、及びθa及びθb方向のチルト駆動波形を創生する。
ステップS109では、ステップS107で創生した3種類のレンズ駆動波形を、図3に示した3組の駆動装置110のZ方向駆動波形Za、Zb、Zcに変換する。
ステップS111では、本体CPU21と通信し、レンズ駆動開始指令を待つ。
次に、レンズ駆動開始指令が未受信のうちはステップS111で待機し、レンズ駆動開始指令を受信した場合にステップS113に移行する。
ステップS113では3組の駆動装置110をステップS109にて作成した駆動波形にて駆動制御すべく、レンズ位置検出手段102の出力をモニタしながら、ピエゾドライバ12を駆動制御する。
次にステップS115で1回のレンズ駆動が終了し、リターンする。
以上のフローを実行することで、図3に示されるレンズ103を所望の波形で駆動制御するが、同様の制御を他のレンズでも行なうことで、図2に示される投影レンズ1全体の光学系の結像性能を最適化し、レチクル5の像をウェハ8の上に正確に投影することができる。
なお、本実施例では積層ピエゾアクチュエータを駆動手段として用いたが、モータとボールネジを組み合わせた直動機構を用いてもよい。
以上の実施例1によると、以下の効果を奏する。
(1-1)第1の方向に延伸した積層ピエゾアクチュエータ等の駆動手段を用い、第1の方向と直交する第2の方向にリンク機構を配し、該リンク機構は前記第1の方向に生じたアクチュエータの出力変位を前記第1及び第2の方向と直交する第3の方向に変換することで、最終変位出力方向である第3の方向の寸法を短縮した薄型駆動装置が提供できる。
(1-2)リンク機構の形状が第1の方向において略対称であるため、最終変位出力部の第1の方向への不要変位を極めて少なくすることができる。
(1-3)アクチュエータを挟んで前記第2の方向の両側に、略同一形状の2組のリンク機構をアクチュエータに対して略対称の位置に配したため、リンク機構内に発生する第2方向の内部応力が釣り合い、最終変位出力部の第2の方向への不要変位を極めて少なくすることができる。
(1-4)アクチュエータと当接する変位取り出しリンクは並進運動のみを生じて回動変位は生じないため、アクチュエータに曲げ方向の撓み応力が発生せず、アクチュエータの破壊を回避できる。
(1-5)剛体リンク部と弾性ヒンジ部からなるリンク機構を単一のブロック状母材から製作できるため、複数部品の結合による寸法精度低下と剛性低下が回避できるほか、組み立てが容易で小型化にも有利である。
(1-6)該駆動装置を光学要素の周囲に複数配置することで、該光学要素を所望の方向に正確に駆動しながら、光学要素と駆動装置を含めた光学要素駆動装置全体の大きさ、特に光学要素の光軸方向の厚さを低減できる。その結果、隣接する複数の光学要素に該駆動装置を搭載できるため、光学系全体の調整自由度が増し、光学性能の向上に寄与する。さらに装置全体を小型化できるので、設置面積低減と低コスト化にも有利である。
以上説明した本発明の実施例1の駆動装置では、駆動装置本体111のリンク機構はX軸方向に略対称な構造をなしていたが、以下に説明される本発明の実施例2の駆動装置はX方向の形状を非対称とし、構造の簡略化とX軸方向の剛性向上を図ったものである。
図8(a)は本発明の実施例2の駆動装置本体の側面図、図8(b)はリンク機構の動作説明図である。
本発明の実施例2の駆動装置は、全長の変化、もしくは、変位出力部の移動により、第1の軸の方向に駆動変位を発生する駆動手段と、
前記駆動変位を取り出すために前記第1の軸の方向と直交する第2の軸の方向に延伸する変位取り出し手段と、
前記変位取り出し手段の変位を前記第1及び第2の軸の方向と直交する第3の軸の方向に変換する方向変換手段と、から成り、
前記方向変換手段は前記駆動手段に対して前記第2の軸の方向に配置される。
さらに、本発明の実施例2の駆動装置は、前記方向変換手段は前記第1の軸の方向において非対称形状に構成され、
前記駆動手段は前記第1の軸の方向の一端が前記駆動装置の固定部に実質的に固定されるとともに、前記方向変換手段は前記第1の軸の方向において前記駆動手段の固定部とは反対側に配置される。
さらに、本発明の実施例2の駆動装置は、前記方向変換手段は略同一形状の2組のリンク機構から成り、
前記2組のリンク機構は前記駆動手段を挟んで互いに反対側に配置される。
さらに、本発明の実施例2の駆動装置は、前記変位取り出し手段は前記第1の軸の方向に略平行移動する。
さらに、本発明の実施例2の駆動装置は、前記変位取り出し手段と方向変換手段は実質上単一の部材から製作される。
さらに、本発明の実施例の光学要素駆動装置は、光学要素と、
前記光学要素の近傍に配置された前記駆動装置と、
前記駆動装置を保持する筐体と、
前記駆動装置の制御手段と、を備える。
図8(a)において、固定鏡筒101は平坦部を示す。駆動装置本体211は、単一の金属ブロックから、ワイヤ放電加工及び切削加工にて形成されたリンク機構を構成する。 積層型ピエゾアクチュエータ212は、実施例1のピエゾアクチュエータ112と同じ構成で、電歪素子と電極が交互に積層された駆動源が密閉型円筒容器内に封入され、X軸方向の全長が印加電圧に略比例して増加する。
ピエゾ調整ネジ213はアクチュエータ212の寸法誤差を補正するためのもので、駆動装置本体211とアクチュエータ212の間に介在される。
駆動装置取付ネジ214は、固定鏡筒101の裏面から駆動装置本体211をネジ締結する。
駆動装置本体211の平面図は省略するが、実施例1の駆動装置110と同様に、ピエゾアクチュエータ212の手前側に配置されたリンク機構と同一断面形状のリンク機構が、アクチュエータ212を挟んでその向こう側にも配置されている。
また、駆動装置本体211の製作方法は実施例1の駆動装置本体111と同様なため説明は省略する。
次に図8(a)を用いて駆動装置の組み立て方法を説明する。
まず、駆動装置本体211の中央空間にピエゾアクチュエータ212を装填する。
次にピエゾ固定部211bに設けられたピエゾ調整ネジ穴211mの右側からピエゾ調整ネジ213をねじ込んでピエゾアクチュエータ212の底部212bを左方向に押し、ピエゾアクチュエータ212の出力端212aをリンク機構の変位取り出しリンク211aの右端面に圧接させる。これでピエゾアクチュエータ212の装着が完了する。
次にピエゾアクチュエータ212の右端底部に設けられた2本の電極端子に所定電圧を印加すると、ピエゾアクチュエータ212の全長LはX軸方向にdLだけ伸張する。
次に図8(b)を用いてリンク機構の動作を説明する。
駆動装置本体211の右端に設けられたピエゾ固定部211bは、底部211wから連続した剛体部であるため、ピエゾアクチュエータ212の全長LがX軸方向にdLだけ伸張すると、ピエゾ固定部は不動のため、左端の変位取り出しリンク211aのみが左方に−dLだけ変位する。 次にX軸に対して略45度の傾斜を有するリンクからなる、いわゆるパンタグラフ構造を有する方向変換リンク211cが回動し、変位取り出しリンク211aはX方向への変位のほかにZ方向にもおよそdLだけ上昇する。 次にレンズ枠駆動リンク211gはZ軸方向におよそ2dLだけ上昇するため、レンズ枠駆動リンク211g上面の図示されないレンズ枠取付ネジ穴に結合された図示されないレンズ枠104もおよそ2dLだけZ方向に上昇する。
以上説明したように、ピエゾアクチュエータ212の伸張に伴ってレンズ枠駆動リンク211gがZ方向に変位するが、レンズ枠駆動リンク211gはZ方向のみに変位し、X方向及びY方向には変位しないことが望ましい。
そこでこのような特性を実現するために、以下のような補助リンクが設けられる。
まず、レンズ枠駆動リンク211gのX軸方向の移動を規制するため、その下部にはサポートリンク211eが、また右端にはサポートリンク211fが設けられる。 次に右端のサポートリンク211fは平行リンク機構を構成するため、レンズ枠駆動リンク211gはZ軸方向の変位自由度は有するが、X軸方向の自由度は規制され、かつY軸周りの回転運動も規制される。
また、レンズ枠駆動リンク211gのY軸方向の移動を規制するため、図8(a)で説明したように、レンズ枠駆動リンク211gと同一断面形状を有した不図示のカウンターリンク111hが、ピエゾアクチュエータ212を挟んで反対側に設けられる。
次に2組のリンク機構は、その左側はY軸方向に延伸した変位取り出しリンク211aで連結され、右側はピエゾ固定部211bで連結される。
このため、ピエゾアクチュエータ212の伸張に伴ってレンズ枠駆動リンク211gとカウンターリンク211hは等量だけZ方向に変位し、かつY方向へのせん断剛性が高い構造に構成される。 このため、レンズ枠取付ネジ穴211jの領域はZ方向のみに変位し、X方向及びY方向への自由度が規制され、レンズ枠104をZ方向に正確に駆動することができる。
また、変位取り出しリンク211a及び111bはX軸方向及びZ軸方向に並進移動するが、ピエゾアクチュエータ212の右端212bは固定されるため、厳密には変位取り出しリンク211aはY軸まわりに微小量回動変位する。
但しその量は非常に僅かであるため、ピエゾアクチュエータ212に生ずる曲げ方向のたわみ応力も微小であり、脆性材であるピエゾアクチュエータ212の破壊を防ぐことができる。
また、実施例2の駆動装置211を図3の駆動装置110と置き換え、図6及び図7で説明した制御ブロックと制御フローを用いることで、実施例1と同様の作用を得ることができる。
以上説明した実施例2によると、実施例1にて説明した以下の効果を奏する。
(1-1)第1の方向に延伸した積層ピエゾアクチュエータ等の駆動手段を用い、第1の方向と直交する第2の方向にリンク機構を配し、該リンク機構は前記第1の方向に生じたアクチュエータの出力変位を前記第1及び第2の方向と直交する第3の方向に変換することで、最終変位出力方向である第3の方向の寸法を短縮した薄型駆動装置が提供できる。
(1-3)アクチュエータを挟んで前記第2の方向の両側に、略同一形状の2組のリンク機構をアクチュエータに対して略対称の位置に配したため、リンク機構内に発生する第2方向の内部応力が釣り合い、最終変位出力部の第2の方向への不要変位を極めて少なくすることができる。
(1-4)アクチュエータと当接する変位取り出しリンクは並進運動のみを生じて回動変位は生じないため、アクチュエータに曲げ方向の撓み応力が発生せず、アクチュエータの破壊を回避できる。
(1-5)剛体リンク部と弾性ヒンジ部からなるリンク機構を単一のブロック状母材から製作できるため、複数部品の結合による寸法精度低下と剛性低下が回避できるほか、組み立てが容易で小型化にも有利である。
(1-6)該駆動装置を光学要素の周囲に複数配置することで、該光学要素を所望の方向に正確に駆動しながら、光学要素と駆動装置を含めた光学要素駆動装置全体の大きさ、特に光学要素の光軸方向の厚さを低減できる。その結果、隣接する複数の光学要素に該駆動装置を搭載できるため、光学系全体の調整自由度が増し、光学性能の向上に寄与する。さらに装置全体を小型化できるので、設置面積低減と低コスト化にも有利である。
が同様に得られるとともに、効果(1−2)に代わって、
(2-2)アクチュエータの一端が固定部に連結されるため、リンク機構の第1の方向の剛性が高くでき、外部から有害な振動が伝わった際の共振を低減することができる。
以上説明した本発明の実施例1及び実施例2の駆動装置では、アクチュエータの出力変位方向に対して略45度の角度をなす方向変換リンク、いわゆるパンタグラフ状のリンクを用いて出力変位の方向変換を行なっていたが、以下に示す本発明の実施例3の駆動装置は、L字型のてこ状リンクを用いて薄型化と不要変位防止の両立を図ったものである。
図9ないし図11は、本発明の実施例3に係わる図である。
本発明の実施例3の駆動装置は、全長の変化、もしくは、変位出力部の移動により、第1の軸の方向に駆動変位を発生する駆動手段と、
前記駆動変位を取り出すために前記第1の軸の方向と直交する第2の軸の方向に延伸する変位取り出し手段と、
前記変位取り出し手段の変位を前記第1及び第2の軸の方向と直交する第3の軸の方向に変換する方向変換手段と、から成り、
前記方向変換手段は前記駆動手段に対して前記第2の軸の方向に配置される。
さらに、本発明の実施例3の駆動装置は、前記方向変換手段は前記第1の軸の方向において略対称形状に構成される。
さらに、本発明の実施例3の駆動装置は、前記変位取り出し手段は前記第2の軸まわりに回動変位する。
さらに、本発明の実施例3の駆動装置は、前記変位取り出し手段と方向変換手段は実質上単一の部材から製作される。
さらに、本発明の実施例の光学要素駆動装置は、光学要素と、
前記光学要素の近傍に配置された前記駆動装置と、
前記駆動装置を保持する筐体と、
前記駆動装置の制御手段と、を備える。
図9は本発明の実施例3の駆動装置の詳細図で、図9(a)はレンズの光軸方向上方から俯瞰した平面図、図9(b)はレンズ中心から見た側面図である。
X軸、Y軸及びZ軸は実施例1と同様、図示のように定義する。
固定鏡筒101は図3に示される平坦部を表わす。
駆動装置本体311は、単一の金属ブロックから、ワイヤ放電加工及び切削加工にて形成されたリンク機構を構成する。
積層型ピエゾアクチュエータ312は、実施例1のピエゾアクチュエータ112と同様の構成で、電歪素子と電極が交互に積層された駆動源が密閉型円筒容器内に封入され、X軸方向の全長が印加電圧に略比例して増加する。
ピエゾ調整ネジ313はアクチュエータ312の寸法誤差を補正するためのもので、駆動装置本体311とアクチュエータ312の間に介在される。
駆動装置取付ネジ314は、固定鏡筒101に対して駆動装置本体311の上面側よりネジ締結される。
図10は駆動装置本体311からピエゾアクチュエータ312とピエゾ調整ネジ313を取り除いたリンク機構を示したもので、図10(a)は平面図、図10(b)は斜視図である。
図9と図10を用いて駆動装置本体111の製作方法を説明する。
まず、母材となる金属ブロックから、リンク機構の最外形をなす面、及び図10(a)に示した機構の底部311wをフライス加工にて除去する。
続いてこのフライス加工で残った底部311WのコーナーR部を除去するために、底部穴311pをワイヤ放電加工で形成する。
次に図9(b)に図示されるスリットをワイヤ放電加工により形成し、リンク部である変位取り出しリンク311a、311b、方向変換リンク311c、311d、サポートリンク311e、311f、レンズ枠駆動リンク311g、レンズ枠取付ネジ穴311j、ピエゾ当接部311k、ピエゾ調整ネジ穴311m、底部穴311p、ピエゾ受けリンク311q、311r、直動変換リンク311s、311tを構成し、これらリンク部を連結する弾性ヒンジ部を構成する。
最後に穴あけ機でレンズ枠取付ネジ穴311j、ピエゾ調整ネジ穴311m、及び固定鏡筒に締結するための3箇所の穴を穿孔し、ネジ加工を行なってリンク機構が完成する。
以上の工程により、駆動装置本体311のリンク機構が単一の金属ブロックから製造できる。
図11は駆動装置本体311のリンク機構を説明するための図で、図11(a)はピエゾアクチュエータ312が伸張したときのリンク機構側面図、図11(b)は該リンク機構の模式図である。
以下、図9と図11を用いて駆動装置本体311の組み立て手順と動作原理について説明する。
まず図9(a)において、駆動装置本体311の中央空間にピエゾアクチュエータ312を装填する。 次にピエゾ調整ネジ穴311mの右側からピエゾ調整ネジ313をねじ込んでピエゾアクチュエータ312の底部312bを左方向に押し、ピエゾアクチュエータ312の出力端112aをリンク機構のピエゾ受けリンク311qの右端面に圧接させる。
これによりピエゾアクチュエータ312の装着が完了する。
次にピエゾアクチュエータ312の右端底部に設けられた2本の電極端子に所定電圧を印加すると、ピエゾアクチュエータ112の全長LはX軸方向にdLだけ伸張する。
この結果、図11(b)に示したように、一方のピエゾ受けリンク311qは左方に−dL/2だけ、他方のピエゾ受けリンク311rは右方にdL/2だけ変位し、該変位は弾性ヒンジH31及びH36にて連結された変位取り出しリンク311a及び311bに伝達される。 ここで、Y軸方向に延伸した変位取り出しリンク311aは、X軸方向右側に延伸した方向変換リンク311cと一体化されたL字状リンクの一部であり、このL字状リンクは弾性ヒンジH32を中心に、すなわちY軸まわりに回動可能で、かつ右端部は弾性ヒンジH33を介して直動変換リンク311sに連結される。
同様にY軸方向に延伸した変位取り出しリンク311baはX軸方向左側に延伸した方向変換リンク311dと一体化されたL字状リンクの一部であり、このL字状リンクは弾性ヒンジH37を中心に、すなわちY軸まわりに回動可能で、かつ左端部は弾性ヒンジH38を介して直動変換リンク311tに連結される。
以上説明した構造において、ピエゾ受けリンク311qのX軸方向変位dX1は、L字型リンクの回動に変換され、直動変換リンク311sのZ軸方向変位dZ3に変換される。 ここでdX1に対するdZ3の比率である変位拡大率は、ヒンジH36とH37の間隔と、ヒンジH37とH38の間隔の比率に一致する。
本実施例3においては、この変位拡大率がおよそ3となるようにリンク長及びヒンジ位置が設定されている。
同様に、右側の各リンク311r、311b、311dと各ヒンジH36、H37、H38は前記左側のリンク機構に対して対称形状に構成される。
従ってピエゾアクチュエータ312の伸張変位dLは、ピエゾ受けリンク311qの変位−dL/2、及びピエゾ受けリンク311rの変位dL/2に分配され、L字型リンクで方向変換および変位拡大が施され、最終的にレンズ枠駆動リンク311gのZ方向変位(3/2)×dLに変換される。
以上説明したように、ピエゾアクチュエータ312の伸張に伴ってレンズ枠駆動リンク311gがZ方向に変位するが、レンズ枠駆動リンク311gはZ方向のみに変位し、X方向及びY方向には変位しないことが好適である。
このため、このような特性を実現するために、以下のような補助リンクが設けられる。
まず、レンズ枠駆動リンク311gのX軸方向の移動を規制するため、レンズ枠駆動リンク311gの下部にはサポートリンク311e及び311fが連結される。
このサポートリンク311e及び311fにより、レンズ枠駆動リンク311gはZ軸方向の変位自由度は有するが、X軸方向の自由度は規制され、Z軸方向のみ変位可能となる。
また、サポートリンク311e及び311fは、レンズ枠駆動リンク311gのY軸方向の移動規制にも役立っているが、本実施例3では方向変換リンクの回動軸がねじれるのを防止するため、回動軸となる弾性ヒンジH32及びH37の回動軸方向の長さを長大にしている。
その様子を図10にて説明するが、Y軸方向に延伸した変位取り出しリンク311aの底面にワイヤ放電加工で形成されたヒンジH32は、駆動装置本体311のY軸方向において可能な限り最大の寸法にて形成されている。
このため、方向変換リンク311cのZ軸まわりのねじり剛性を高くでき、直動リンク311sとの結合部H33がY軸方向に変位するのを防止している。また、右側のヒンジH37も同様の構成となっている。
以上説明した構成により、ピエゾアクチュエータ312の伸張変位が所定の比率にて拡大及び方向変換され、レンズ枠駆動リンク311gをZ軸方向に変位させる。
そこで、その際に、X方向及びY方向への不要変位発生を防止しているので、図示されないレンズ枠をZ方向のみに正確に駆動することができる。
また、ヒンジH31とH33の間隔、及びH37とH38の間隔を所望の値に設定することで、ピエゾアクチュエータ312の変位拡大率を所望の値に容易に設定できる。
また、実施例3の駆動装置311を図3の駆動装置110と置き換え、図6及び図7で説明した制御ブロックと制御フローを用いることで、実施例1と同様の作用を得ることができる。
以上説明した本発明の実施例3よると、実施例1にて説明した以下の効果を奏する。
(1-1)第1の方向に延伸した積層ピエゾアクチュエータ等の駆動手段を用い、第1の方向と直交する第2の方向にリンク機構を配し、該リンク機構は前記第1の方向に生じたアクチュエータの出力変位を前記第1及び第2の方向と直交する第3の方向に変換することで、最終変位出力方向である第3の方向の寸法を短縮した薄型駆動装置が提供できる。
(1-2)リンク機構の形状が第1の方向において略対称であるため、最終変位出力部の第1の方向への不要変位を極めて少なくすることができる。
(1-5)剛体リンク部と弾性ヒンジ部からなるリンク機構を単一のブロック状母材から製作できるため、複数部品の結合による寸法精度低下と剛性低下が回避できるほか、組み立てが容易で小型化にも有利である。
(1-6)該駆動装置を光学要素の周囲に複数配置することで、該光学要素を所望の方向に正確に駆動しながら、光学要素と駆動装置を含めた光学要素駆動装置全体の大きさ、特に光学要素の光軸方向の厚さを低減できる。その結果、隣接する複数の光学要素に該駆動装置を搭載できるため、光学系全体の調整自由度が増し、光学性能の向上に寄与する。さらに装置全体を小型化できるので、設置面積低減と低コスト化にも有利である。
が同様に得られるとともに、効果(1−3)(1−4)に代わって、
(3-3)不要変位の発生を防止するカウンターリンクを廃止したため、さらに小型化できるとともに、カウンターリンクの負荷抵抗がないため、より低出力のアクチュエータでも同等の駆動変位を得ることができる。
(3-4)変位取り出しリンクと方向変換リンクのリンク長の設定自由度が高いため、ピエゾアクチュエータの変位拡大率を所望の値に容易に設定できる。
以上説明した本発明の実施例3の駆動装置では、駆動装置本体311のリンク機構はX軸方向に略対称な構造をなしていたが、以下に説明される本発明の実施例4の駆動装置では、既に説明された実施例2と同様にX方向の形状を非対称とし、構造の簡略化を図ったものである。
図12(a)は本発明の実施例4の駆動装置本体の側面図、図12(b)はリンク機構の動作説明図である。
本発明の実施例4の駆動装置は、全長の変化、もしくは、変位出力部の移動により、第1の軸の方向に駆動変位を発生する駆動手段と、
前記駆動変位を取り出すために前記第1の軸の方向と直交する第2の軸の方向に延伸する変位取り出し手段と、
前記変位取り出し手段の変位を前記第1及び第2の軸の方向と直交する第3の軸の方向に変換する方向変換手段と、から成り、
前記方向変換手段は前記駆動手段に対して前記第2の軸の方向に配置される。
さらに、本発明の実施例4の駆動装置は、前記方向変換手段は前記第1の軸の方向において非対称形状に構成され、
前記駆動手段は前記第1の軸の方向の一端が前記駆動装置の固定部に実質的に固定されるとともに、前記方向変換手段は前記第1の軸の方向において前記駆動手段の固定部とは反対側に配置される。
さらに、本発明の実施例4の駆動装置は、前記変位取り出し手段は前記第2の軸まわりに回動変位する。
さらに、本発明の実施例4の駆動装置は、前記変位取り出し手段と方向変換手段は実質上単一の部材から製作される。
さらに、本発明の実施例の光学要素駆動装置は、光学要素と、
前記光学要素の近傍に配置された前記駆動装置と、
前記駆動装置を保持する筐体と、
前記駆動装置の制御手段と、を備える。
図12(a)において、固定鏡筒101は平坦部を示している。 駆動装置本体411は、単一の金属ブロックから、ワイヤ放電加工及び切削加工にて形成されたリンク機構を構成する。 積層型ピエゾアクチュエータ412は、実施例1のピエゾアクチュエータ112と同じ構成で、電歪素子と電極が交互に積層された駆動源が密閉型円筒容器内に封入され、X軸方向の全長が印加電圧に略比例して増加する。
ピエゾ調整ネジ413はアクチュエータ412の寸法誤差を補正するためのもので、駆動装置本体411とアクチュエータ412の間に介在される。
駆動装置取付ネジ414は、固定鏡筒101に対して駆動装置本体411の上面側よりネジ締結される。
駆動装置本体411の平面図は省略するが、実施例3の駆動装置と同様に、リンク機構はピエゾアクチュエータ412の手前側のみに配置される。
また、駆動装置本体411の製作方法は実施例1の駆動装置本体111と同様なため、説明は省略する。
次に図12(a)を用いて駆動装置の組み立て方法を説明する。
まず、駆動装置本体411の中央空間にピエゾアクチュエータ412を装填する。
次にピエゾ固定部411bに設けられたピエゾ調整ネジ穴411mの右側からピエゾ調整ネジ413をねじ込んでピエゾアクチュエータ412の底部412bを左方向に押し、ピエゾアクチュエータ412の出力端412aをリンク機構の変位取り出しリンク411aの右端面に圧接させる。これによりピエゾアクチュエータ412の装着が完了する。
このためピエゾアクチュエータ412の右端底部に設けられた2本の電極端子に所定電圧を印加すると、ピエゾアクチュエータ412の全長LはX軸方向にdLだけ伸張する。
次に図12(b)を用いてリンク機構の動作を説明する。
駆動装置本体411の右端に設けられたピエゾ固定部411bは、底部411wから連続した剛体部であるため、ピエゾアクチュエータ412の全長LがX軸方向にdLだけ伸張すると、ピエゾ固定部は不動のため、左端の変位取り出しリンク411aのみが左方にdX1=−dLだけ変位する。
このため、変位取り出しリンク411aと方向変換リンク411cが一体となったL字型の方向変換リンクが弾性ヒンジH42を中心に回動し、直動変換リンク411sをZ軸にdZ3だけ上昇させる。
この際の、dX1に対するdZの比率は実施例3で説明した原理と同様に、3個のヒンジ間の寸法で決定される。
本実施例4でも、変位拡大率はおよそ3となるように設定されている。
このため、ピエゾアクチュエータ412の伸張変位dLに対して、レンズ枠駆動リンク411gはZ軸方向におよそ3dLだけ上昇するため、レンズ枠駆動リンク411g上面の図示されないレンズ枠取付ネジ穴411に結合された図示されないレンズ枠104もおよそ3dLだけZ方向に上昇する。
以上説明したように、ピエゾアクチュエータ412の伸張に伴ってレンズ枠駆動リンク411gがZ方向に変位するが、レンズ枠駆動リンク411gはZ方向のみに変位し、X方向及びY方向には変位しないことが望ましい。
そこでこのような特性を実現するために、実施例3と同様の補助リンクが設けられる。
まず、レンズ枠駆動リンク411gのX軸方向の移動を規制するため、レンズ枠駆動リンク411gの下部にはサポートリンク411eが、また右端にはサポートリンク411fが設けられる。
右端のサポートリンク411fは平行リンク機構をなすため、レンズ枠駆動リンク411gはZ軸方向の変位自由度は有するが、X軸方向の自由度は規制され、かつY軸周りの回転自由度も規制される。
また、サポートリンク411fがレンズ枠駆動リンク411gのY軸方向の移動を規制するのに役立っているが、更に実施例3と同様、変位取り出しリンク411aはY軸方向に延伸しているため、L字型方向変換リンクの回転中心をなす弾性ヒンジH42もY軸方向に長大になり、L字型方向変換リンクのZ軸まわりのねじれを防止できる。
このため、レンズ枠駆動リンク411gに設けられたレンズ枠取付ネジ穴211jの領域はZ方向のみに変位し、X方向及びY方向への自由度が規制されるため、レンズ枠104をZ方向に正確に駆動することができる。
また、実施例4の駆動装置211を図3の駆動装置110と置き換え、図6及び図7で説明した制御ブロックと制御フローを用いることで、実施例1と同様の作用を得ることができる。
以上説明した実施例4によると、実施例1にて説明した以下の効果を奏する。
(1-1)第1の方向に延伸した積層ピエゾアクチュエータ等の駆動手段を用い、第1の方向と直交する第2の方向にリンク機構を配し、該リンク機構は前記第1の方向に生じたアクチュエータの出力変位を前記第1及び第2の方向と直交する第3の方向に変換することで、最終変位出力方向である第3の方向の寸法を短縮した薄型駆動装置が提供できる。
(1-5)剛体リンク部と弾性ヒンジ部からなるリンク機構を単一のブロック状母材から製作できるため、複数部品の結合による寸法精度低下と剛性低下が回避できるほか、組み立てが容易で小型化にも有利である。
(1-6)該駆動装置を光学要素の周囲に複数配置することで、該光学要素を所望の方向に正確に駆動しながら、光学要素と駆動装置を含めた光学要素駆動装置全体の大きさ、特に光学要素の光軸方向の厚さを低減できる。その結果、隣接する複数の光学要素に該駆動装置を搭載できるため、光学系全体の調整自由度が増し、光学性能の向上に寄与する。さらに装置全体を小型化できるので、設置面積低減と低コスト化にも有利である。
が同様に得られるとともに、効果(1−2)ないし(1−4)に代わって、
(4-2)アクチュエータの一端が固定部に連結されるため、リンク機構の第1の方向の剛性が高くでき、外部から有害な振動が伝わった際の共振を低減することができる。
(4-3)不要変位の発生を防止するカウンターリンクを廃止したため、さらに小型化できるとともに、カウンターリンクの負荷抵抗がないため、より低出力のアクチュエータでも同等の駆動変位を得ることができる。
(4-4)変位取り出しリンクと方向変換リンクのリンク長の設定自由度が高いため、ピエゾアクチュエータの変位拡大率を所望の値に容易に設定できる。
以上説明した実施例1から実施例4のでは、アクチュエータの出力変位を取り出す部材と、該変位の方向変換を行なうリンク機構部材を、ひとつの母材から製作可能な形状としていたが、以下に説明される本発明の実施例5の駆動装置は両部材を2つに構成し、更なる薄型化を図ったものである。
図13ないし図15は、本発明の実施例5の駆動装置に係わる図である。
本発明の実施例5の駆動装置は、全長の変化、もしくは、変位出力部の移動により、第1の軸の方向に駆動変位を発生する駆動手段と、
前記駆動変位を取り出すために前記第1の軸の方向と直交する第2の軸の方向に延伸する変位取り出し手段と、
前記変位取り出し手段の変位を前記第1及び第2の軸の方向と直交する第3の軸の方向に変換する方向変換手段と、から成り、
前記方向変換手段は前記駆動手段に対して前記第2の軸の方向に配置される。
さらに、本発明の実施例5の駆動装置は、前記方向変換手段は前記第1の軸の方向において略対称形状に構成される。
さらに、本発明の実施例5の駆動装置は、前記変位取り出し手段は前記第3の軸まわりに回動変位する。
さらに、本発明の実施例5の駆動装置は、前記変位取り出し手段と方向変換手段は個別の部材から製作されたのち、結合される。
さらに、本発明の実施例の光学要素駆動装置は、光学要素と、
前記光学要素の近傍に配置された前記駆動装置と、
前記駆動装置を保持する筐体と、
前記駆動装置の制御手段と、を備える。
図13は本発明の駆動装置詳細図で、図13(a)はレンズの光軸方向上方から俯瞰した平面図、図13(b)はレンズ中心から見た側面図である。
X軸、Y軸及びZ軸は実施例1と同様、図示のように定義する。
固定鏡筒101は図3に示した平坦部を表わす。 駆動装置本体511は、単一の金属ブロックから、ワイヤ放電加工及び切削加工にて形成されたリンク機構を構成する。 積層型ピエゾアクチュエータ512は、実施例1のピエゾアクチュエータ112と同じく構成され、電歪素子と電極が交互に積層された駆動源が密閉型円筒容器内に封入され、X軸方向の全長が印加電圧に略比例して増加する。 ピエゾ調整ネジ513はアクチュエータ112の寸法誤差を補正するためのもので、駆動装置本体511とアクチュエータ512の間に介在される。 駆動装置取付ネジ514は、固定鏡筒101に対して駆動装置本体511の上面側よりネジ締結される。
方向変換部材515は、ピエゾアクチュエータ512から駆動装置本体511に伝達された出力変位をZ軸方向に変換する。
変換部材結合ネジ516は、駆動装置本体511の変位出力部である連結リンク511e及び511fと、方向変換部材515の変位入力部である水平リンク515a及び5151bを結合する。
変換部材取付ネジ517は、固定鏡筒101に対して方向変換部材515の上面側よりネジ締結する。
図14は駆動装置本体111からピエゾアクチュエータ112とピエゾ調整ネジ113を取り除いたリンク機構を示したもので、図14(a)は平面図、図14(b)は側面図、図14(c)は斜視図である。
図14を用いて駆動装置本体511と方向変換部材515の製作方法を説明する。
まず駆動装置本体511は、母材となる所定厚さの板状金属ブロックから、図14(a)に示したリンク機構の外形部をワイヤ放電加工により形成する。
次に、穴あけ加工機を用いて、中央のネジ用丸穴を加工したのち、両側の腕部側面から取付ネジ穴の下穴およびネジの逃げ穴を加工する。 最後にピエゾ調整ネジ513を装填するための調整ネジ穴511mをネジ加工し、加工が完了する。
次に方向変換部材515は、母材となる所定厚さの板状金属ブロックから、図14(b)に示したリンク機構の外形部及びスリット部をワイヤ放電加工により形成する。 次に穴あけ加工機を用いて、図14(a)の中央に示したレンズ枠取付ネジ穴515jの下穴を加工したのち、両側側面から取付ネジ穴の下穴およびネジの逃げ穴を加工する。 最後にレンズ枠取付ネジ穴515jと、水平リンク515a及び515bの下穴にネジ加工し、加工が完了する。
次に図13及び図14を用いて実施例5の駆動装置の組立手順を説明する。
まず図14(c)の斜視図において、方向変換部材515の2箇所の窓部に対して駆動装置本体511の両側腕部を挿入し、両者を図13(a)に示したように変換部材結合ネジ516にて結合する。 次に駆動装置本体511の中央空間にピエゾアクチュエータ512を装填し、次にピエゾ調整ネジ穴511mの右側からピエゾ調整ネジ513をねじ込んでピエゾアクチュエータ512の底部512bを左方向に押し、ピエゾアクチュエータ512の出力端512aをリンク機構のピエゾ受けリンク511qの右端面に圧接させる。 このためピエゾアクチュエータ512の装着が完了する。 最後に駆動装置取付ネジ514と変換部材取付ネジ517を用いて、上記リンク機構を固定鏡筒101にネジ止めし、組み立てが完了する。
図15は駆動装置本体511及び方向変換部材515のリンク動作を説明するための図で、駆動装置本体511は図14(a)の平面図を模式化したもの、方向変換部材515は同図(b)の側面図を模式化したものである。
以下に、図13ないし図15を用いて実施例5の駆動装置の動作原理について説明する。
ピエゾアクチュエータ512の右端底部に設けられた2本の電極端子に所定電圧を印加すると、ピエゾアクチュエータ512の全長LはX軸方向にdLだけ伸張する。 このため、図15の上図に示したように、一方のピエゾ受けリンク511qは左方にdX1=−dL/2だけ、他方のピエゾ受けリンク511rは右方にdX2=dL/2だけ変位する。 このため、ヒンジH52及びH57を中心に回動可能に構成され、Y軸方向に延伸した変位取り出しリンク511a及び511bは、Z軸まわりに所定の微小角度だけ回動する。 このため、連結リンク511eはdX3だけ変位し、連結リンク511fはdX4だけ変位する。
連結リンク511e及び511fのX軸方向の変位は、図15の下図に示したように、方向変換部材515の水平リンク515a及び515fに伝達される。
このため、X軸に対して略45度の角度に配置された方向変換リンク515c及び515dが回動し、レンズ枠駆動リンク515gをZ軸方向にdZ5だけ上昇させる。
以上説明したように、ピエゾアクチュエータ512の伸張に伴ってレンズ枠駆動リンク515gがZ方向に変位するが、該リンクはZ方向のみに変位し、X方向及びY方向には変位しないことが好適である。
そこでこのような特性を実現するために、以下のような補助リンクが設けられる。
まず、レンズ枠駆動リンク515gのX軸方向の移動を規制するため、その左右両側にサポートリンク515e及び515fが連結される。
このリンクにより、レンズ枠駆動リンク515gはZ軸方向の変位自由度は有するが、X軸方向の自由度は規制される。
また、レンズ枠駆動リンク515gのY軸方向の移動を規制するため、他のサポートリンク515s及び515tが設けられる。
サポートリンク515s及び515tは水平リンク515a及び515bの中央よりに配置され、水平リンクのX軸方向の自由度を維持したまま、Y軸方向の自由度を規制している。
そこで、水平リンク515a及び515bY軸方向の規制効果は、方向変換リンク515c及び515dを介してレンズ枠駆動リンク515gに伝達される。
以上説明した構成により、レンズ枠取付リンク515g上のネジ穴515jの領域はZ方向のみに変位し、X方向及びY方向への自由度が規制されるため、レンズ枠104をZ方向に正確に駆動することができる。
また、ヒンジH51、H52、H53の間隔、及びH56、H57,H58の間隔を所望の値に設定することで、ピエゾアクチュエータ512の変位拡大率を所望の値に容易に設定できる。
また、実施例5の駆動装置511及び515を図3の駆動装置110と置き換え、図6及び図7で説明した制御ブロックと制御フローを用いることで、実施例1と同様の作用を得ることができる。
以上説明した実施例5によると、実施例1にて説明した以下の効果を奏する。
(1-1)第1の方向に延伸した積層ピエゾアクチュエータ等の駆動手段を用い、第1の方向と直交する第2の方向にリンク機構を配し、該リンク機構は前記第1の方向に生じたアクチュエータの出力変位を前記第1及び第2の方向と直交する第3の方向に変換することで、最終変位出力方向である第3の方向の寸法を短縮した薄型駆動装置が提供できる。
(1-2)リンク機構の形状が第1の方向において略対称であるため、最終変位出力部の第1の方向への不要変位を極めて少なくすることができる。
(1-6)該駆動装置を光学要素の周囲に複数配置することで、該光学要素を所望の方向に正確に駆動しながら、光学要素と駆動装置を含めた光学要素駆動装置全体の大きさ、特に光学要素の光軸方向の厚さを低減できる。その結果、隣接する複数の光学要素に該駆動装置を搭載できるため、光学系全体の調整自由度が増し、光学性能の向上に寄与する。さらに装置全体を小型化できるので、設置面積低減と低コスト化にも有利である。
が同様に得られるとともに、効果(1−3)ないし(1−5)に代わって、
(5-3)最終変位出力部の両側に隣接してX軸方向の自由度を規制するリンクを設けたため、最終変位出力部のX軸方向の不要変位を極小化できるとともに、該方向の剛性を極めて高くできる。
(5-4)変位取り出しリンクに設けられた3箇所の弾性ヒンジ位置の設定自由度が高いため、ピエゾアクチュエータの変位拡大率を所望の値に容易に設定できる。
(5-5)アクチュエータの出力変位取り出し部材と、取り出した変位の方向変換部材を別部材として製作する構造としたため、リンク機構最厚部の寸法をアクチュエータの高さと同等程度に薄くすることが可能で、最終変位出力方向である第3の方向の寸法を更に短縮した薄型駆動装置が提供できる。
以下に説明される本発明の実施例6の駆動装置は、実施例3と実施例5を組み合わせることで更に機械的特性を改善した駆動装置を実現するものである。
図16ないし図18は、本発明の実施例6の駆動装置に係わる図である。
本発明の実施例6の駆動装置は、全長の変化、もしくは、変位出力部の移動により、第1の軸の方向に駆動変位を発生する駆動手段と、
前記駆動変位を取り出すために前記第1の軸の方向と直交する第2の軸の方向に延伸する変位取り出し手段と、
前記変位取り出し手段の変位を前記第1及び第2の軸の方向と直交する第3の軸の方向に変換する方向変換手段と、から成り、
前記方向変換手段は前記駆動手段に対して前記第2の軸の方向に配置される。
さらに、本発明の実施例6の駆動装置は、前記方向変換手段は前記第1の軸の方向において略対称形状に構成される。
さらに、本発明の実施例6の駆動装置は、前記変位取り出し手段は前記第2の軸まわりに回動変位する。
さらに、本発明の実施例6の駆動装置は、前記変位取り出し手段と方向変換手段は実質上単一の部材から製作される。
さらに、本発明の実施例の光学要素駆動装置は、光学要素と、
前記光学要素の近傍に配置された前記駆動装置と、
前記駆動装置を保持する筐体と、
前記駆動装置の制御手段と、を備える。
図16は本発明の実施例6の駆動装置の詳細図で、図16(a)はレンズの光軸方向上方から俯瞰した平面図、図16(b)はレンズ中心から見た側面図である。
X軸、Y軸及びZ軸は実施例1と同様、図示のように定義する。101は図3に示した固定鏡筒の平坦部を表わす。駆動装置本体611は、単一の金属ブロックから、ワイヤ放電加工及び切削加工にて形成されたリンク機構をなしている。
積層型ピエゾアクチュエータ612は、実施例1のピエゾアクチュエータ112と同様に構成され、電歪素子と電極が交互に積層された駆動源が密閉型円筒容器内に封入され、X軸方向の全長が印加電圧に略比例して増加する。ピエゾ調整ネジ613はアクチュエータ612の寸法誤差を補正するためのもので、駆動装置本体611とアクチュエータ612の間に介在される。
駆動装置取付ネジ614は、固定鏡筒101に対して駆動装置本体611の上面側よりネジ締結する。
図17は駆動装置本体611からピエゾアクチュエータ612とピエゾ調整ネジ613を取り除いたリンク機構を示したもので、図17(a)は平面図、図17(b)は側面図、図17(c)は斜視図である。
図17を用いて駆動装置本体611の製作方法を説明する。
まず母材となる金属ブロックから、リンク機構の外形、及び図17(a)に示した機構の底部611wをフライス加工にて除去する。 続いて、図17(c)に示した上面2箇所M1、M2をフライス加工にて除去し、溝部M1、M2を形成する。 このフライス加工は、後述するワイヤ放電加工で形成する弾性ヒンジH63及びH68が、不要な箇所に創生されるのを防止するためである。 次に、フライス加工で残った底部611WのコーナーR部を除去するために、底部穴611pをワイヤ放電加工で形成する。
次に図17(b)の側面図に描写されているスリットをワイヤ放電加工により形成し、リンク部である611a、611b、611c、611d、611e、611f、611g、611h、611i、611j、611k、611l、611m、611n、611o、611p、611q、611r、611s、611t、611u、611v、611w、611x、611y、及びこれらリンク部を連結する弾性ヒンジ部を形成する。 その後フライス加工にて、図17(c)に示したM3,M4の箇所を除去し、ザグリ部M3,M4を形成する。 このフライス加工は、前記ワイヤ放電加工で形成された弾性ヒンジH61及びH66の不要部分を削除するためである。
最後に穴あけ機でレンズ枠取付ネジ穴611j、ピエゾ調整ネジ穴611m、及び固定鏡筒に締結するための3箇所の穴を穿孔し、ネジ加工を行なってリンク機構が完成する。
以上の工程により、駆動装置本体611のリンク機構が単一の金属ブロックから製造できる。
次に図16を用いて実施例6の駆動装置の組立手順を説明する。
まず駆動装置本体611の中央空間にピエゾアクチュエータ612を装填する。 次にピエゾ調整ネジ穴611mの右側からピエゾ調整ネジ613をねじ込んでピエゾアクチュエータ112の底部612bを左方向に押し、ピエゾアクチュエータ612の出力端612aをリンク機構のピエゾ受けリンク611qの右端面に圧接させる。
これによりピエゾアクチュエータ612の装着が完了する。
次に駆動装置取付ネジ614を用いて、上記駆動装置本体611を固定鏡筒101にネジ止めし、組み立てが完了する。
図18は駆動装置本体611のリンク動作を説明するための図で、図18(a)は図16(b)と同一の側面図、図18(b)はこれを模式化したものである。
以下に、図16、図17、図18を用いて本発明の実施例6の駆動装置の動作原理について説明する。
まず、ピエゾアクチュエータ612の右端底部に設けられた2本の電極端子に所定電圧を印加すると、ピエゾアクチュエータ612の全長LはX軸方向にdLだけ伸張する。 このため、一方のピエゾ受けリンク611qは左方にdX1=−dL/2だけ、他方のピエゾ受けリンク611rは右方にdX2=dL/2だけ変位し、この変位はヒンジH61及びH66を介して、Y軸方向に延伸した変位取り出しリンク611a及び611bに伝達される。 ここで、変位取り出しリンク611a及び611bはヒンジH62及びH67を中心に回動可能に構成されているので、変位取り出しリンク611a及び611bはY軸まわりに所定の微小角度だけ回動する。 このため、変位取り出しリンク611aの上端はX軸方向におよそdX3=−dLだけ変位し、リンク611bの上端はX軸方向におよそdX3=dLだけ変位する。 この際、両変位取り出しリンク611a及び611bはヒンジH63及びH68を介してX軸方向に延伸する水平リンク611h及び611yと連結されているため、水平リンク611hはX軸方向におよそdX3=−dLだけ変位し、水平リンク611yはX軸方向におよそdX3=dLだけ変位する。 このため、X軸に対して略45度の角度に配置された方向変換リンク611c及び611dが回動し、レンズ枠駆動リンク611gをZ軸方向にdZ5≒dLだけ上昇させる。
以上説明したように、ピエゾアクチュエータ612の伸張に伴ってレンズ枠駆動リンク611gがZ方向に変位するが、レンズ枠駆動リンク611gはZ方向のみに変位し、X方向及びY方向には変位しないことが好適である。
そこでこのような特性を実現するために、以下のような補助リンクが設けられる。
まず、レンズ枠駆動リンク611gのX軸方向の移動を規制するため、その左右両側にサポートリンク611e及び611fが連結される。 このサポートリンク611e及び611fにより、レンズ枠駆動リンク611gはZ軸方向の変位自由度は有するが、X軸方向の自由度は強固に規制される。
また、レンズ枠駆動リンク611gのY軸方向の移動を規制するため、他のサポートリンク611s及び611tが設けられる。 サポートリンク611s及び611tは水平リンク611h及び611yの中央よりに配置され、水平リンクのX軸方向の自由度を維持したまま、Y軸方向の自由度を規制している。 そこで、水平リンク611h及び611yのY軸方向の規制効果は、方向変換リンク611c及び611dを介してレンズ枠駆動リンク611gに伝達される。
次にヒンジH61ないしH63の形状について補足する。
ヒンジH63は、図18(a)の側面図に示したごとくワイヤ放電加工によって形成されるが、変位取り出しリンク611aと水平リンク611hのみを連結するため、その奥行き方向の寸法は、図17(a)の平面図に示されたサポートリンク611aのY軸方向寸法に一致した範囲のみに限定する必要がある。
そこで前述したように、ワイヤ放電加工に先立って、図17(a)に示した溝部M1をあらかじめフライス加工で除去することにより、ヒンジ63を変位取り出しリンク611aと水平リンク611hの連結部のみに形成することができる。
ヒンジH61も図18(a)の側面図に示されるようにワイヤ放電加工によって形成されるが、ヒンジH61は変位取り出しリンク611aとピエゾ受けリンク611qのみを連結するため、その奥行き方向の寸法は、図17(a)の平面図に示されたピエゾ受けリンク611qのY軸方向寸法に一致した範囲のみに限定する必要がある。
そこで前述したように、ワイヤ放電加工に先立って、図17(c)に示した溝部M3をあらかじめフライス加工で除去することにより、ヒンジH61を変位取り出しリンク611aとピエゾ受けリンク611qの連結部のみに形成することができる。
また、Y軸方向に延伸した変位取り出しリンク611aの回動中心となるヒンジH62は、フライス加工で除去されることなく、ワイヤ放電加工のみの加工で形成されるため、図17(a)のY軸方向において、駆動装置本体611の上端から下端まで連続して形成される。
従って、変位取り出しリンク611aはY軸周りの回動のみが許容され、X軸及びZ軸周りのねじれに対しては非常に高い剛性を有する。 また、これらの弾性ヒンジH61ないしH63と対称の位置にある弾性ヒンジH66ないしH68も、同様の手順で形成される。
以上説明した構成により、レンズ枠取付リンク611g上のネジ穴611jの領域はZ方向のみに変位し、X方向及びY方向への自由度が規制されるため、図示されないレンズ枠をZ方向に正確に駆動することができる。
また、実施例6の駆動装置611を図3の駆動装置110と置き換え、図6及び図7で説明した制御ブロックと制御フローを用いることで、実施例1と同様の作用を得ることができる。
以上の実施例6によると、実施例1にて説明した以下の効果を奏する。
(1-1)第1の方向に延伸した積層ピエゾアクチュエータ等の駆動手段を用い、第1の方向と直交する第2の方向にリンク機構を配し、該リンク機構は前記第1の方向に生じたアクチュエータの出力変位を前記第1及び第2の方向と直交する第3の方向に変換することで、最終変位出力方向である第3の方向の寸法を短縮した薄型駆動装置が提供できる。
(1-2)リンク機構の形状が第1の方向において略対称であるため、最終変位出力部の第1の方向への不要変位を極めて少なくすることができる。
(1-5)剛体リンク部と弾性ヒンジ部からなるリンク機構を単一のブロック状母材から製作できるため、複数部品の結合による寸法精度低下と剛性低下が回避できるほか、組み立てが容易で小型化にも有利である。
(1-6)該駆動装置を光学要素の周囲に複数配置することで、該光学要素を所望の方向に正確に駆動しながら、光学要素と駆動装置を含めた光学要素駆動装置全体の大きさ、特に光学要素の光軸方向の厚さを低減できる。その結果、隣接する複数の光学要素に該駆動装置を搭載できるため、光学系全体の調整自由度が増し、光学性能の向上に寄与する。さらに装置全体を小型化できるので、設置面積低減と低コスト化にも有利である。
が同様に得られるとともに、効果(1−3)及び(1−4)に代わって、
(6-3)不要変位の発生を防止するカウンターリンクを廃止したため、さらに小型化できるとともに、カウンターリンクの負荷抵抗がないため、より低出力のアクチュエータでも同等の駆動変位を得ることができる。
(6-4)変位取り出しリンクに形成される3個の弾性ヒンジ位置の設定自由度が高いため、ピエゾアクチュエータの変位拡大率を所望の値に容易に設定できる。
(6-7)最終変位出力部の近傍に第1の方向への変位を規制するリンク部材を設けたため、最終変位出力部の第1の方向への剛性を高めるとともに不要変位を一層少なくすることができる。
以上の各実施例において、駆動手段は全長が変化する積層型ピエゾアクチュエータを例に説明したが、その他の駆動手段を用いてもよい。
その一例として、モータとボールネジを組み合わせた精密直動機構を、実施例1のリンク機構に組み込んだ例を図19に示す。
図19(a)の平面図において、駆動装置本体711は、実施例1の駆動装置本体111と同様に構成される。 直動アクチュエータ712、ステップモータあるいは超音波モータ等のモータ本体712bを備え、直動変換手段712cはリニアガイドとボールネジを組み込んだもの、変位出力部712aはX軸方向に並進移動するものである。 モータ本体712bはネジ715により、変位取り出しリンク711bに締結され、変位出力部711aはネジ716により変位取り出しリンク711aに締結される。
その他の構成は実施例1と同様である。 直動アクチュエータ712を実施例2、実施例3、実施例4、実施例5、実施例6にも適用できることは言うまでもない。
また、実施例1、実施例2、実施例4、実施例5、実施例6の方向変換リンクは、両端のヒンジ部を連結した線分とX軸がなすリンク角度を略45度に構成したが、アクチュエータの出力変位特性と光学要素に要求される駆動変位最大値を勘案し、このリンク角度はおよそ20度から70度の間で適宜設定すればよい。
本発明の駆動装置は、高剛性で薄型であるため、限られた空間内で被駆動対象を精密に駆動するための機構、特に光学要素駆動装置に適用される。
本発明の実施例1の駆動装置の構成図である。 本発明の駆動装置を搭載する半導体露光装置の全体構成図である。 本発明の駆動装置をレンズ駆動装置に応用した構成図である。 本発明の実施例1の駆動装置の詳細構成図である。 本発明の実施例1の駆動装置の動作説明図である。 本発明の光学要素駆動装置の制御ブロック図である。 本発明の光学要素駆動装置の制御フロー図である。 本発明の実施例2の駆動装置の構成図と動作説明図である。 本発明の実施例3の駆動装置の構成図である。 本発明の実施例3の駆動装置の構成詳細図である。 本発明の実施例3の駆動装置の動作説明図である。 本発明の実施例4の駆動装置の構成図と動作説明図である。 本発明の実施例5の駆動装置の構成図である。 本発明の実施例5の駆動装置の構成詳細図である。 本発明の実施例5の駆動装置の動作説明図である。 本発明の実施例6の駆動装置の構成図である。 本発明の実施例6の駆動装置の構成詳細図である。 本発明の実施例6の駆動装置の動作説明図である。 本発明の駆動装置の変形例の構成図である。
符号の説明
1 投影レンズ
10 レンズ制御手段
11 レンズCPU
12 ピエゾドライバ
21 本体CPU
101 固定鏡筒
102 レンズ位置検出手段
103 レンズ
104 レンズ枠
110 駆動装置
111、211、311、411、511、611、711 駆動装置本体
112、212、312、412、512、612 ピエゾアクチュエータ
113、213、313、413、513、613 ピエゾ調整ネジ
111a、111b、211a、211b、311a、311b、411a、411b、511a、511b、611a、611b、711a、711b 変位取り出しリンク
111c、111d、211c、311c、311d、411c、515c、515d、611c、611d 方向変換リンク
111g、211g、311g、411g、515g、611g レンズ枠駆動リンク
311q、311r、411q、511q、511r、611q、611r 変位取り出しリンク
111w、211w、311w、411w、611w 底部
712 直動アクチュエータ

Claims (10)

  1. 全長の変化、もしくは、変位出力部の移動により、第1の軸の方向に駆動変位を発生する駆動手段と、
    前記駆動変位を取り出すために前記第1の軸の方向と直交する第2の軸の方向に延伸する変位取り出し手段と、
    前記変位取り出し手段の変位を前記第1及び第2の軸の方向と直交する第3の軸の方向に変換する方向変換手段と、から成り、
    前記方向変換手段は前記駆動手段に対して前記第2の軸の方向に配置されたことを特徴とする駆動装置。
  2. 前記方向変換手段は前記第1の軸の方向において略対称形状に構成される請求項1記載の駆動装置。
  3. 前記方向変換手段は前記第1の軸の方向において非対称形状に構成され、
    前記駆動手段は前記第1の軸の方向の一端が前記駆動装置の固定部に実質的に固定されるとともに、前記方向変換手段は前記第1の軸の方向において前記駆動手段の固定部とは反対側に配置される請求項1記載の駆動装置。
  4. 前記方向変換手段は略同一形状の2組のリンク機構から成り、
    前記2組のリンク機構は前記駆動手段を挟んで互いに反対側に配置される請求項1から3のいずれかに記載の駆動装置。
  5. 前記変位取り出し手段は前記第1の軸の方向に略平行移動する請求項1、2及び4のいずれかに記載の駆動装置。
  6. 前記変位取り出し手段は前記第2の軸まわりに回動変位する請求項1、2及び3のいずれかに記載の駆動装置。
  7. 前記変位取り出し手段は前記第3の軸まわりに回動変位する請求項1又は2記載の駆動装置。
  8. 前記変位取り出し手段と方向変換手段は実質上単一の部材から製作される請求項1から6のいずれかに記載の駆動装置。
  9. 前記変位取り出し手段と方向変換手段は個別の部材から製作されたのち、結合される請求項1、2及び7のいずれかに記載の駆動装置。
  10. 光学要素と、
    前記光学要素の近傍に配置された請求項1から9のいずれかに記載の駆動装置と、
    前記駆動装置を保持する筐体と、
    前記駆動装置の制御手段と、を備えたことを特徴とする光学要素駆動装置。
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