JP2006100817A - 製造方法、調整方法及びデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】移動体のX軸、Y軸回りの回転角がともに零(所定値)となる状態を再現する。
【解決手段】ステージ(テーブル)と第2防振機構とが初期位置に調整された状態で、干渉計システムがテーブルの位置情報を計測する測長ビームの光路上に、それぞれ工具プリズムを挿入し(ステップ408)、該工具プリズムを介してテーブルのX軸回り、Y軸回りの回転角をそれぞれ計測し、それらの回転角がともに零(又は所定値)となるように、ステージベースと一体的にステージの姿勢を変更して、その際の第2防振機構の姿勢を該第2防振機構のリセット姿勢とする(ステップ410)。その状態で、各工具プリズムを前記光路上から各々外した後、干渉計システムによって計測される絶対位相に基づいてX軸、Y軸それぞれの回りの回転方向の絶対角度を算出して保存する(ステップ412、414)。
【選択図】図7
【解決手段】ステージ(テーブル)と第2防振機構とが初期位置に調整された状態で、干渉計システムがテーブルの位置情報を計測する測長ビームの光路上に、それぞれ工具プリズムを挿入し(ステップ408)、該工具プリズムを介してテーブルのX軸回り、Y軸回りの回転角をそれぞれ計測し、それらの回転角がともに零(又は所定値)となるように、ステージベースと一体的にステージの姿勢を変更して、その際の第2防振機構の姿勢を該第2防振機構のリセット姿勢とする(ステップ410)。その状態で、各工具プリズムを前記光路上から各々外した後、干渉計システムによって計測される絶対位相に基づいてX軸、Y軸それぞれの回りの回転方向の絶対角度を算出して保存する(ステップ412、414)。
【選択図】図7
Description
本発明は、製造方法、調整方法及びデバイス製造方法に係り、更に詳しくは、半導体素子等の電子デバイスを製造するリソグラフィ工程で用いられ、感光物体を保持する移動体と、該移動体の位置情報を計測する干渉計システムとを備えた露光装置を製造する製造方法、該製造方法によって製造された露光装置の調整方法、及びこの調整された露光装置を用いるデバイス製造方法に関する。
従来より、半導体素子(集積回路等)、液晶表示素子等の電子デバイスを製造するリソグラフィ工程では、マスク又はレチクルのパターンの像を投影光学系を介して、レジスト(感光剤)が塗布されたウエハ又はガラスプレート等(以下、「ウエハ」と呼ぶ)上の複数のショット領域の各々に転写するステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)や、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる))などが、主として用いられている。
この種の投影露光装置として、従来は、ウエハステージを支持するステージ定盤(ステージベース)と投影光学系を保持するメインフレームとが一体化されたタイプ(以下、便宜上「ステージ定盤一体化タイプ」と呼ぶ)が多く用いられていたが、近年では、半導体素子の高集積化、レチクル及びウエハの大型化に伴い、上記ステージ定盤一体化タイプよりも振動の影響を低減できる構造として、ステージ定盤がメインフレームとは、物理的に分離して投影光学系の下方に設置されるタイプ(以下、便宜上「ステージ定盤別置きタイプ」と呼ぶ)の投影露光装置が比較的多く用いられるようになってきた。このステージ定盤別置きタイプの投影露光装置では、投影光学系を保持するメインフレームは、床面に設置されたフレームキャスタと呼ばれる支持部材によって第1防振機構を介して支持される。また、ウエハステージを支持するステージ定盤は、フレームキャスタ上又は床面に第2防振機構を介して支持される。また、ウエハステージは、投影光学系の光軸に直交する移動面、すなわちステージ定盤の上面に沿って前記光軸に直交する2次元平面内で自在に移動可能であるとともに、ウエハステージは、その少なくとも一部のウエハが載置される部分(以下、「ウエハ載置部」と呼ぶ)が、ウエハの表面を投影光学系の像面(最良結像面)に合わせ込むために、前記光軸の方向及び前記2次元平面に対する傾斜方向にも移動可能になっている。
このステージ定盤別置きタイプの露光装置では、光軸の方向以外の5自由度方向に関するウエハ載置部の位置情報が、そのウエハ載置部に対して2次元平面に平行な測長ビームを照射する干渉計によって計測されている。また、この場合、前記光軸の方向に関するウエハの位置情報は、そのウエハ表面の面位置情報を計測する、干渉計とは別の面位置検出装置(例えば、焦点位置検出系)によって計測されている(例えば、特許文献1、2等参照)。
投影露光装置では、ウエハ載置部が前記2次元平面に対して傾斜すると、その傾斜角に応じたパターンの像の横ずれが発生するため、その傾斜角を正確に計測して管理することが重要である。
しかしながら、干渉計は、原理的に、リセット時の基準位置からの測定対象物の変位は計測できるが、絶対的な位置情報を計測できない相対位置情報の計測装置である。ここで、測定対象物の上記2次元平面内の位置情報は、例えばウエハステージ上の基準マークをマーク検出系によって検出し、対応する干渉計のリセットを行うことで容易にその原点位置を再現できるが、これと異なり、前記傾斜方向に関してはその原点を正確に設定、再現すること、すなわち前記ウエハ載置部材の表面を前記2次元平面に平行に設定できるような干渉計の原点設定及び再現が困難であった。
本発明は、第1の観点からすると、エネルギビームを感光物体に照射する露光光学系と、該露光光学系の下方に配置されたベースと、前記感光物体を保持して前記ベース上を移動可能でかつ前記露光光学系の光軸方向にも移動可能な移動体と、前記ベースを前記露光光学系に対して前記光軸方向に移動可能に支持する支持部と、前記移動体の前記光軸方向を除く5自由度方向の位置情報を計測する干渉計システムと、前記光軸方向に関する検出物体の位置を検出する焦点位置検出系と、を備えた露光装置を製造する製造方法であって、前記移動体と前記支持部とが初期位置に調整された状態で、前記光軸に直交する第1軸、第2軸それぞれの回りの回転方向に関する前記移動体の位置情報を計測する前記干渉計システムの測定光の光路上に、それぞれ第1、第2の工具用光学素子を挿入し、該第1、第2の工具用光学素子を介して前記移動体の前記第1軸、第2軸回りの回転角をそれぞれ計測し、それらの回転角を所定値となるように、前記ベースと一体的に前記移動体の姿勢を変更して、その際の前記支持部の姿勢を該支持部のリセット姿勢とする第1工程と;前記各工具用光学素子を前記光路上から各々外した後、前記移動体の位置を計測する前記干渉計システムの絶対位相に基づいて前記第1軸、第2軸それぞれの回りの回転方向の絶対角度を算出し、該絶対角度を保存する第2工程と;を含む第1の製造方法である。
これによれば、移動体と支持部とが初期位置に調整された状態で、露光光学系の光軸に直交する第1軸、第2軸それぞれの回りの回転方向に関する前記移動体の位置情報を計測するための干渉計システムの測定光の光路上に、それぞれ第1、第2の工具用光学素子を挿入し、該第1、第2の工具用光学素子を介して前記移動体の前記第1軸、第2軸回りの回転角をそれぞれ計測し、それらの回転角が所定値となるように、前記ベースと一体的に前記移動体の姿勢を変更して、その際の前記支持部の姿勢を該支持部のリセット姿勢とする(第1工程)。その状態で、前記各工具用光学素子を前記光路上から各々外した後、前記移動体の位置を計測する前記干渉計システムの絶対位相に基づいて前記第1軸、第2軸それぞれの回りの回転方向の絶対角度を算出し、該絶対角度を保存する(第2工程)。
従って、その後(露光装置の製造後を含む)、支持部の姿勢を上記支持部のリセット姿勢とし、前記干渉計システムによって計測される移動体の前記第1軸、第2軸それぞれの回りの回転方向の位置情報が保存した絶対角度となるように移動体の姿勢を調整することで、上記の移動体の前記第1軸、第2軸回りの回転角が所定値となる状態を、容易に再現可能である。特に、上記の所定値を零にする場合には、移動体又は該移動体の物体の表面を露光光学系の光軸に直交する面に平行に設定できるような干渉計システムの原点設定及び再現を容易に実現することができる。
この場合において、前記第1工程に先立って、前記移動体を、該移動体に設置された基準部材が前記第1軸、第2軸を含む平面内で前記露光光学系の直下となり、かつ前記光軸回りの回転方向の位置が所定の位置となるように位置決めしたうえで、前記移動体又は該移動体上に載置される物体の表面が前記ベース上面と平行になる前記第1軸、第2軸それぞれの回りの回転方向に関する基準位置に前記移動体の姿勢を調整し、設計上の像面に一致する前記焦点位置検出系の検出原点に前記基準部材の表面が一致するように前記移動体の前記光軸方向の位置を調整した後、基準位置に調整されている前記支持部によって支持されている前記ベース上に前記移動体を着地させる第3工程を更に含むこととすることができる。
本発明の第1の製造方法では、前記第2工程の後に、前記移動体を、該移動体に設置された基準部材が前記第1軸、第2軸を含む平面内で前記露光光学系の直下となり、かつ前記光軸回りの回転方向の位置が所定の位置となるように位置決めしたうえで、前記移動体又は該移動体上に載置される物体の表面が前記ベース上面と平行になる前記第1軸、第2軸それぞれの回りの回転方向に関する基準位置に前記移動体の姿勢を調整し、設計上の像面に一致する前記焦点位置検出系の検出原点に前記基準部材の表面が一致するように前記移動体の前記光軸方向の位置を調整した後、前記支持部を前記リセット姿勢に設定する第4工程と;前記第4工程により、前記移動体の前記第1軸、第2軸それぞれの軸回りの回転角が所定値になった際の、前記干渉計システムの絶対位相に基づいて算出される前記第1軸、第2軸それぞれの回りの回転方向の絶対角度を求めて保存する第5工程と;をさらに含むこととすることができる。
この場合において、前記第5工程では、求めた絶対角度と前記第2工程で保存された対応する絶対角度の差と、所定の上限、下限値との大小関係に基づいて、フリンジずれを修正した絶対角度を求めることとすることができる。
本発明の第1の製造方法では、前記第2工程の後に、上記第4工程と第5工程とを含む場合、前記移動体の前記光軸方向及び前記第1軸、第2軸それぞれの回りの回転方向に関する位置・姿勢制御を、前記基準部材表面が所定のリセット用目標面に一致するように前記焦点位置検出系によるサーボ制御に設定する第6工程と;前記サーボ制御に切り換える前後の前記第1軸、第2軸それぞれの回りの回転方向に関する前記移動体の駆動量を求め、該駆動量と前記第2、第5工程でそれぞれ得られた対応する絶対角度とを用いて、前記移動体が、前記支持部が基準位置にあり前記第1軸、第2軸それぞれの回りの回転角がともに所定値であった基準姿勢から前記サーボ制御により前記基準部材の表面が所定のリセット用目標面に追い込まれた状態までの、前記第1軸、第2軸それぞれの回りの回転方向に関する前記移動体の駆動量を求めて記憶する第7工程と;をさらに含むこととすることができる。
本発明は、第2の観点からすると、製造段階で本発明の第1の製造方法を用いて製造された露光装置の調整方法であって、前記焦点位置検出系の出力のドリフト対策として、前記干渉計システムが前記第1軸、第2軸それぞれの回りの回転方向に関する前記移動体の位置情報の計測に用いる測定光によって得られる位置情報の初期値をプリセットする工程を含む調整方法である。
この場合において、前記初期値をプリセットする工程は、前記第1軸、第2軸それぞれの回りの回転方向に関する前記移動体の絶対角度を求める第1副工程と;前記第2工程で保存された前記第1軸及び第2軸それぞれの回りの回転方向に関する前記移動体の絶対角度と、前記第7工程で記憶された前記第1軸、第2軸それぞれの回りの回転方向に関する前記移動体の駆動量との和と前記第1副工程で求めた対応する方向の前記絶対角度との差を、前記干渉計システムで計測される隣接するフリンジ間隔に相当する角度で除して、前記基準姿勢から前記駆動量だけ駆動した状態からの前記移動体の姿勢変化量のフリンジ数換算値を求める第2副工程と;該フリンジ数換算値と前記フリンジ間隔に相当する角度との積と、前記第2工程で保存された前記第1軸及び第2軸それぞれの回りの絶対角度と、前記第1副工程で求めた対応する方向の絶対角度とに基づいて前記第1軸、第2軸それぞれの回りの回転方向に関する前記移動体の駆動量の更新値を算出するとともに、その更新値を前記干渉計システムが前記第1軸、第2軸それぞれの回りの回転方向に関する前記移動体の位置情報の計測に用いる測定光によって得られる位置情報の初期値としてプリセットする第3副工程と;を含むこととすることができる。
本発明は、第3の観点からすると、本発明の調整方法が実行された露光装置を用いて、感光物体をエネルギビームで露光し、所定のパターンの像を前記感光物体上に形成するリソグラフィ工程を含むデバイス製造方法である。
本発明は、第4の観点からすると、エネルギビームを感光物体に照射する露光光学系と、該露光光学系の下方に配置されたベースと、前記感光物体を保持して前記ベース上を移動可能でかつ前記露光光学系の光軸方向にも移動可能な移動体と、前記移動体の前記光軸方向を除く5自由度方向の位置情報を計測する干渉計システムと、前記干渉計システムを支持する計測フレームと、前記ベースを前記計測フレームに対して移動可能に支持する支持部と、を備えた露光装置を製造する製造方法であって、前記干渉計システムから前記移動体に向けて照射される測定光の光軸と前記計測フレームとの位置関係を所定の関係に設定した後、前記測定光の光軸と該測定光に対する前記移動体の姿勢に関する情報とに基づいて前記支持部によって前記ベースの位置を設定する工程を含む第2の製造方法である。
これによれば、干渉計システムから移動体に向けて照射される測定光の光軸と前記干渉計システムを支持する計測フレームとの位置関係を所定の関係に設定した後、前記測定光の光軸と該測定光に対する前記移動体の姿勢に関する情報とに基づいて前記支持部によって前記ベースの位置を設定する。
従って、干渉計システムの各測長ビームの光軸と計測フレームとの位置関係と、前記各測長ビームの光軸とベースとの位置関係をそれぞれ所望の位置関係に設定することで、結果的に前記各測長ビームの光軸を使って、計測フレームとベースとの位置関係を所望の関係に設定することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図9に基づいて説明する。
図1には、本発明の製造方法及び調整方法が適用される一実施形態の露光装置100の概略構成が示されている。この露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる))である。
この露光装置100は、光源及び照明光学系を含み、エネルギビームとしての照明光(露光光)ILによりマスクとしてのレチクルRを照明する照明系10、レチクルRを保持するレチクルステージRS、露光光学系としての投影光学系PLを含む投影ユニットPU、感光物体としてのウエハWが載置されるウエハステージWS、前記レチクルステージRS及び前記投影ユニットPUなどが搭載されたボディBD、及びこれらの制御系等を備えている。
前記照明系10は、例えば特開2001−313250号公報(対応する米国特許出願公開第2003/0025890号公報)などに開示されるように、光源、オプティカルインテグレータ等を含む照度均一化光学系、ビームスプリッタ、リレーレンズ、可変NDフィルタ、レチクルブラインド等(いずれも不図示)を含んで構成されている。この照明系10では、レチクルブラインドで規定されたレチクルR上のスリット状の照明領域を照明光ILによりほぼ均一な照度で照明する。ここで、照明光ILとしては、一例としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられている。また、オプティカルインテグレータとしては、フライアイレンズ、ロッドインテグレータ(内面反射型インテグレータ)あるいは回折光学素子などを用いることができる。
前記レチクルステージRSは、後述する第2コラム34の天板を構成するレチクルベース36上に、その底面に設けられた不図示のエアベアリングによって例えば数μm程度のクリアランスを介して浮上支持されている。このレチクルステージRS上には、レチクルRが、例えば真空吸着(又は静電吸着)され、保持されている。レチクルステージRSは、ここでは、リニアモータ等を含むレチクルステージ駆動部12により、後述する投影光学系PLの光軸AXに垂直なXY平面内で2次元的に(X軸方向、Y軸方向及びXY平面に直交するZ軸回りの回転方向(θz方向)に)微少駆動可能であるとともに、レチクルベース36上を所定の走査方向(ここでは、図1における紙面直交方向であるY軸方向とする)に指定された走査速度で駆動可能となっている。
本実施形態では、レチクルステージRSの駆動時(特に走査駆動時)のリニアモータの固定子に作用する反力に起因する振動の影響を極力低減するための対策が講じられている。具体的には、例えば特開平8−63231号公報(対応する米国特許第6,246,204号)などに開示される運動量保存則を利用した反力キャンセル機構をレチクルステージRSの反力キャンセル機構として採用している。この他、例えば特開平8−330224号公報(対応する米国特許第5,874,820号)などに開示されるように、前述のリニアモータの固定子を、ボディBDとは別に設けられた不図示の支持部材(リアクションフレーム)によってそれぞれ支持し、レチクルステージRSの駆動の際にリニアモータの固定子に作用する反力は、それらのリアクションフレームを介してクリーンルームの床面Fに伝達される(逃がされる)ようにしても良い。
なお、レチクルステージRSを、リニアモータによりレチクルベース36上をY軸方向に所定ストローク範囲で駆動可能なレチクル粗動ステージと、該レチクル粗動ステージに対して少なくとも3つのアクチュエータ(例えばボイスコイルモータなど)によりX軸方向、Y軸方向及びθz方向に微小駆動可能なレチクル微動ステージとから成る粗微動構造のステージとしても勿論構わない。
レチクルステージRSのステージ移動面内の位置は、レチクルベース36に取り付けられたレチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)16によって、移動鏡15を介して、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出されている。この場合、投影ユニットPUを構成する鏡筒40の側面に固定された固定鏡14を基準として位置計測が行われる。ここで、実際には、レチクルステージRS上にはY軸方向に直交する反射面を有するY移動鏡とX軸方向に直交する反射面を有するX移動鏡とが設けられ、これらの移動鏡に対応してレチクルY干渉計とレチクルX干渉計とが設けられ、更に、これに対応して、X軸方向位置計測用の固定鏡と、Y軸方向位置計測用の固定鏡が設けられているが、図1ではこれらが代表的に移動鏡15、レチクル干渉計16、固定鏡14として示されている。なお、例えば、レチクルステージRSの端面を鏡面加工して反射面(移動鏡15の反射面に相当)を形成しても良い。また、レチクルステージRSの走査方向(本実施形態ではY軸方向)の位置検出に用いられるX軸方向に伸びた反射面の代わりに、少なくとも1つのコーナーキューブ型ミラー(例えばレトロリフレクタ)を用いても良い。ここで、レチクルY干渉計とレチクルX干渉計の一方、例えばレチクルY干渉計は、光軸を2軸有する2軸干渉計であり、このレチクルY干渉計の計測値に基づきレチクルステージRSのY位置に加え、θz方向の回転も計測できるようになっている。
レチクル干渉計16の計測値は、ステージ制御装置20及びこれを介して主制御装置50に送られている。ステージ制御装置20では、主制御装置50からの指示に応じ、レチクル干渉計16の計測値に基づいてレチクルステージ駆動部12を介してレチクルステージRSを駆動制御する。
レチクルRの上方には、投影光学系PLを介してウエハステージWS上の一対の基準マークとこれに対応するレチクルR上の一対のレチクルマークとを同時に観察するための露光波長の光を用いたTTR(Through The Reticle)アライメント系から成る一対のレチクルアライメント系13A,13B(図1では不図示、図4参照)がX軸方向に所定距離隔てて設けられている。この一対のレチクルアライメント系13A,13Bとしては、例えば特開平7−176468号公報(対応する米国特許第5,646,413号)などに開示されるものと同様の構成のものが用いられている。
前記投影ユニットPUは、レチクルステージRSの図1における下方でボディBDの一部に保持されている。このボディBDは、クリーンルームの床面F上に設置されたフレームキャスタFC上に設けられた第1コラム(メインフレーム)32と、この第1コラム32の上に固定された第2コラム34とを備えている。
前記フレームキャスタFCは、床面F上に水平に置かれたベースプレートBSと、該ベースプレートBS上に固定された複数本、例えば3本(又は4本)の脚部39(但し、図1における紙面奥側の脚部は図示省略)とを備えている。
前記第1コラム32は、上記フレームキャスタFCを構成する複数本、例えば3本(又は4本)の脚部39それぞれの上端に個別に固定された複数、ここでは3つの第1防振機構56A,56B,56C(但し、図1では紙面奥側の第1防振機構56Cは図示省略、図4参照)によって、ほぼ水平に支持されている。なお、第1防振機構56A,56B,56Cの構成等については後述する。
前記第1コラム32は、例えば鋳物から成り、そのほぼ中央部に不図示の円形開口が形成されている。この円形開口内に、投影ユニットPUが、上方から挿入され、次のようにして保持されている。すなわち、投影ユニットPUは、円筒状でその外周部の下端部近傍にフランジFLGが設けられた鏡筒40と、該鏡筒40に保持された複数の光学素子から成る露光光学系としての投影光学系PLとによって構成されている。この場合、第1コラム32上面の前記円形開口の外側とフランジFLGとの間には、レンズワッシャIVが介装され、このレンズワッシャIVの上面がフランジFLGの下面に下方から当接することで、投影ユニットPUが第1コラム32に保持されている。レンズワッシャIVは、鏡筒40のZ軸方向の位置及び投影光学系PLの像面とフランジFLGの下面(及び上面)との平行度を調整するなどの役目を有する。本実施形態では、レンズワッシャIVの材料として、フランジFLGと同一の低熱膨張の材料、例えばインバー(Inver:ニッケル36%、マンガン0.25%、及び微量の炭素と他の元素を含む鉄からなる低膨張の合金)が用いられている。
前記第1コラム32の上面には、投影ユニットPUを取り囲む位置に、複数本、例えば3本の脚41(但し、図1における紙面奥側の脚は図示省略)の一端(下端)が固定されている。これらの脚41それぞれの他端(上端)面は、ほぼ同一の水平面上にあり、これらの脚41それぞれの上端面に前述のレチクルベース36の下面が固定されている。このようにして、複数本の脚41によってレチクルベース36が水平に支持されている。すなわち、レチクルベース36とこれを支持する3本の脚41とによって第2コラム34が構成されている。レチクルベース36には、その中央部に照明光ILの通路となる開口36aが形成されている。
前記投影光学系PLとしては、例えばZ軸方向の共通の光軸AXを有する複数のレンズ(レンズエレメント)から成る屈折光学系が用いられている。この投影光学系PLは、例えば両側テレセントリックで所定の投影倍率(例えば1/4倍又は1/5倍)を有する。このため、照明系10からの照明光ILによってレチクルRの照明領域が照明されると、このレチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介してその照明領域内のレチクルRの回路パターンの縮小像(回路パターンの一部の縮小像)が表面にレジスト(感光剤)が塗布されたウエハW上に形成される。ここで、ウエハWは、例えば半導体(シリコンなど)又はSOI(Silicon Insulator)などの円板状の基板であり、その上にレジスト(感光剤)が塗布されている。
前記ウエハステージWSは、投影ユニットPUの下方に水平に配置されたベースとしてのステージベース(ステージ定盤)71の上面に、その底面に設けられた複数のエアベアリングを介して非接触で浮上支持されている。このウエハステージWS上に、ウエハホルダWHを介してウエハWが真空吸着(又は静電吸着)によって固定されている。
前記ステージベース71は、前述のベースプレートBS上に設置されたメンテプレートと呼ばれる平板MP上の複数箇所(例えば3箇所)にそれぞれ配置された、複数(例えば3つ)の支持部材73と、該各支持部材73の上面にそれぞれ固定された複数(ここでは3つ)の第2防振機構66A〜66C(但し、図1では紙面奥側の第2防振機構66Cは図示省略、図4参照)とによって、支持金物89A〜89Cをそれぞれ介してほぼ水平に支持されている。
これを更に詳述すると、ステージベース71の−X側面には、そのY軸方向の一側と他側の端部近傍にそれぞれ断面L字状の金属等からなる支持金物89A、89B(但し、図1においては支持金物89Bは、支持金物89Aの奥に隠れている)が固定されている。また、ステージベース71の+X側面には、そのY軸方向の中央部に、断面L字状の金属等からなる支持金物89Cが固定されている。ステージベース71は、これら3つの支持金物89A〜89Cをそれぞれ介して、3つの支持部材73の各々の上で支持部としての第2防振機構66A、66B、66Cをそれぞれ介して支持されるようになっている。
前記ステージベース71の+Z側の面(上面)は、その平坦度が非常に高くなるように加工されており、ウエハステージWSの移動基準面であるガイド面とされている。
前記ウエハステージWSは、投影光学系PLの図1における下方で、リニアモータ(あるいは平面モータ)などのアクチュエータを含むXY駆動部31(図1では不図示、図4参照)によって上記ガイド面に沿ってXY面内で駆動されるXYステージ28と、該XYステージ28上にZ・チルト駆動部29(図4参照)を介して搭載され、該Z・チルト駆動部29によってZ軸方向、θx方向(X軸回りの回転方向)、θy方向(Y軸回りの回転方向)の3自由度方向に微小駆動されるウエハテーブルWTとを含んで構成されている。ウエハテーブルWTの上面に、ウエハホルダWHを介してウエハWが真空吸着(又は静電吸着)等により固定されている。
前記Z・チルト駆動部29は、例えば、XYステージ28上でウエハテーブルWTを3点で支持する3つのアクチュエータ(例えば、ボイスコイルモータ又は電磁石)と、各アクチュエータによるウエハテーブルWTの支持点のZ軸方向の駆動量を個別に計測する3つのリニアエンコーダとを含んで構成されている。なお、Z・チルト駆動部29は実際には、XYステージ28上に存在するが、本明細書では、一部の箇所で図示及び説明の便宜上から図1のウエハステージ駆動部27の一部であるかのような説明を行っている(図4等参照)。
このように、ウエハステージWSを構成するXYステージ28、ウエハテーブルWTは、XY駆動部31、Z・チルト駆動部29(図4参照)によってそれぞれ駆動されるが、図1では、これらXY駆動部31、Z・チルト駆動部29が纏めてウエハステージ駆動部27として示されている。
前記ウエハホルダWHの上面には、外周縁に沿ってリング状のリム部が形成され、このリム部内部の円形領域には、多数のピンが配置されている。そして、ウエハWがその多数のピンによって支持された状態で真空吸着されている。
前記ウエハテーブルWT上には、基準マーク板FMがその表面が、ウエハWとほぼ同一高さとなる状態で設けられている。この基準マーク板FMの表面には、少なくとも一対のレチクルアライメント用の第1基準マークと、これらの第1基準マークに対して既知の位置関係にあるFIA系ALGのベースライン計測用の第2基準マークなどが形成されている。
ウエハテーブルWT(ウエハステージWS)のXY面内の位置情報は、ウエハテーブルWTの上部に固定された移動鏡17に測長ビームを照射する干渉計システム18によって、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出されている。この干渉計システム18は、第1コラム32に吊り下げ状態で固定され、投影ユニットPUを構成する鏡筒40の側面に固定された固定鏡57の反射面を基準とする移動鏡17の反射面の位置情報をウエハステージWSの位置情報として計測する。干渉計システム18としては、ヘテロダイン方式のマイケルソン干渉計が用いられている。
ここで、ウエハテーブルWT上には、実際には、図2に示されるように、走査方向であるY軸方向に直交する反射面を有するY移動鏡17Yと、非走査方向であるX軸方向に直交する反射面を有するX移動鏡17Xとが設けられ、これに対応して固定鏡及びレーザ干渉計も、X軸方向位置計測用とY軸方向位置計測用のものがそれぞれ設けられているが、図1ではこれらが代表的に移動鏡17、固定鏡57、干渉計システム18として図示されている。なお、例えば、ウエハテーブルWTの端面を鏡面加工して反射面(移動鏡17X、17Yの反射面に相当)を形成しても良い。
また、ウエハテーブルWTには、不図示の空間像計測器を構成するスリット板(AIS板)や、多点AF系のセンサ間オフセットの調整などに用いられる基準平面板なども設けられている。
前記干渉計システム18は、図2に示されるように、Y軸干渉計ユニット19Yと、2つのX軸干渉計ユニット19X1、19X2とを含んで構成されている。
Y軸干渉計ユニット19Yからは、投影光学系PLの光軸と直交するY軸方向の光軸WYEを有する参照ビームがY固定鏡57Yに照射されている。また、このY軸干渉計ユニット19Yからは、光軸WYEの下方でウエハW表面とほぼ同一のXY平面上をそれぞれ通り、平面視で(上方から見て)光軸WYEに対して対称な配置のY軸方向の光軸WYLU、WYRUをそれぞれ有する一対の測長ビーム(測定光)がY移動鏡17Yの上半部にそれぞれ照射されている。また、Y軸干渉計ユニット19Yからは、前記光軸WYLU、WYRUの下方で同一のXY平面上に位置し、平面視で光軸WYLU、WYRUに重なるY軸方向の光軸WYLD、WYRDをそれぞれ有する一対の測長ビーム(測定光)がY移動鏡17Yの下半部にそれぞれ照射されている。
前記X軸干渉計ユニット19X1からは、光軸WYEと同一の面上を通り投影光学系PLの光軸に直交するX軸方向の光軸WXEを有する参照ビームがX固定鏡57X1に照射されている。また、このX軸干渉計ユニット19X1からは、光軸WXEの下方に位置し、平面視で光軸WXEに重なるX軸方向の光軸WXBUを有する測長ビーム(測定光)がX移動鏡17Xの上半部に照射されるとともに、前記光軸WXBUの下方に位置し、平面視で光軸WXBUに重なるX軸方向の光軸WXBDを有する測長ビーム(測定光)がX移動鏡17Xの下半部に照射されている。
一方、前記X軸干渉計ユニット19X2からは、光軸WXE(及びWYE)と同じXY面上を通り、かつ後述するオフアクシス・アライメント系の検出中心を通るX軸方向の光軸WXAを有する参照ビームがオフアクシス・アライメント系に固定されたX固定鏡57X2に照射されている。また、このX軸干渉計ユニット19X2からは、前記光軸WXBUとほぼ同じXY面上を通り、平面視で光軸WXAに重なるX軸方向の光軸WXFUを有する測長ビーム(測定光)がX移動鏡17Xの上半部に照射されるとともに、前記光軸WXFUの下方に位置し、平面視で光軸WXAに重なるX軸方向の光軸WXFDを有する測長ビーム(測定光)がX移動鏡17Xの下半部に照射されている。
本実施形態では、Y軸干渉計ユニット19Yの光軸WYLU、WYRUの計測値の平均値に基づいて、ウエハテーブルWTのY軸方向位置がステージ制御装置20及び主制御装置50によって計測される。また、Y軸干渉計ユニット19Yの光軸WYLU、WYRUの計測値の差に基づいて、Z軸回りの回転方向(θz方向)に関するウエハテーブルWTの位置情報(すなわちヨーイング情報)が、ステージ制御装置20及び主制御装置50によって計測される。さらに、Y軸干渉計ユニット19Yの光軸WYLU,WYLDの計測値の差、及び光軸WYRU、WYRDの計測値の差の少なくとも一方に基づいて、X軸回りの回転方向(θx方向)に関するウエハテーブルWTの位置情報(すなわちピッチング情報)が、ステージ制御装置20及び主制御装置50によって計測される。
また、X軸干渉計ユニット19X1の光軸WXBUの計測値に基づいて、ウエハテーブルWTのX軸方向位置がステージ制御装置20及び主制御装置50によって計測される。また、X軸干渉計ユニット19X1の光軸WXBU,WXBDの計測値の差に基づいて、Y軸回りの回転方向(θy方向)に関するウエハテーブルWTの位置情報(すなわちローリング情報)が、ステージ制御装置20及び主制御装置50によって計測される。
また、X軸干渉計ユニット19X2の光軸WXFUの計測値に基づいて、ウエハテーブルWTのX軸方向の位置情報がステージ制御装置20及び主制御装置50によって計測される。また、X軸干渉計ユニット19X2の光軸WXFU,WXFDの計測値の差に基づいて、Y軸回りの回転方向(θy方向)に関するウエハテーブルWTの位置情報(すなわちローリング情報)が、ステージ制御装置20及び主制御装置50によって計測される。
ステージ制御装置20及び主制御装置50は、後述するオフアクシス・アライメント系を用いてウエハW上のアライメントマーク(ウエハマーク)を検出するウエハアライメントの際には、X軸干渉計ユニット19X2の計測値に基づいて、ウエハテーブルWTのX位置情報、ローリング情報を計測するが、それ以外の露光時などには、X軸干渉計ユニット19X1の計測値に基づいて、ウエハテーブルWTのX位置情報、ローリング情報を計測する。従って、露光時、ウエハアライメント時のいずれにおいても、いわゆるアッベ誤差なく、ウエハテーブルWTのX位置情報を計測することが可能である。
上述のように、干渉計システム18は、3つの干渉計ユニット19Y、19X1、19X2を含んで構成されるが、干渉計システム18は、上述した、Z軸方向を除く5自由度方向に関するウエハテーブルWTの位置情報を計測する、1つのシステムとして観念することができる。従って、以下では、特に必要な場合を除き、干渉計システム18は、ウエハテーブルWTのX、Y、θz、θx及びθy方向に関する位置情報を計測可能な単一のシステムであるものとして説明する。
ウエハステージWSの位置情報(又は速度情報)は、ステージ制御装置20及びこれを介して主制御装置50に送られ、ステージ制御装置20では、主制御装置50からの指示に応じて、ウエハステージWSの位置情報(又は速度情報)に基づいて、XY駆動部31を介してウエハステージWSのXY面内の位置を制御する。
図3には、前述した第1コラム32の一端部近傍及びステージベース71の一端部近傍の構成部分が、一部断面して示されている。前記第1防振機構56A〜56Cは、そのうちの一つの第1防振機構56Aを代表的に採りあげて、図3に示されるように、支持対象物としての第1コラム32を支持する第1のエアマウント(以下、単に「エアマウント」とも記述する)60と、第1コラム32をZ軸方向(図3における紙面内上下方向(重力方向に一致))に高応答で微小駆動可能な微小駆動部62とを備えている。
前記エアマウント60は、上部に開口を有するハウジング61と、ハウジング61の前記開口を塞ぐ状態で設けられた保持部材63と、前記ハウジング61と保持部材63とに接続され、これらハウジング61及び保持部材63とともにほぼ気密状態の気体室64を形成するダイヤフラム65と、前記気体室64の内部に充填された気体、例えば空気の圧力を調整する電磁レギュレータ(以下、適宜「レギュレータ」とも呼ぶ)67とを備えている。この場合、気体室64内部の空気の圧力により保持部材63を介して第1コラム32が保持されている。
前記微小駆動部62は、第1コラム32に直接取り付けられた可動子68aと、該可動子68aとの間で電磁相互作用を行い第1コラム32をZ軸方向に駆動する電磁力を発生する固定子68bとを有するボイスコイルモータ68と、該ボイスコイルモータ68に駆動電流を供給する電流供給源69とを備えている。
このように構成される第1防振機構56Aでは、ステージ制御装置20により不図示の圧力センサの計測値に基づいて電磁レギュレータ67が制御され、気体室64内の気体、例えば空気の圧力制御が行われる。但し、気体室64内の気体の内圧は高いため、制御応答が20Hz程度しか確保できないので、高応答の制御が必要な場合には、ステージ制御装置20は、第1コラム32に取り付けられた不図示の加速度計などの出力に応じてボイスコイルモータ68を制御する。勿論、床振動などの微振動は、エアマウント60の空気ばねによって除振される(マイクロGレベルで絶縁される)。
残りの第1防振機構56B、56Cは、上述の第1防振機構56Aと同様に構成され、同様に機能する。
前記3つの第2防振機構66A〜66Cのそれぞれは、支持対象物が異なる点を除き、上述の第1防振機構56Aと同様にして構成されている。図3には、3つの第2防振機構66A〜66Cのうちの支持金物89Aを介してステージベース71を支持する第2防振機構66Aが代表的に採り挙げて示されている。この図3に示されるように、第2防振機構66A(66B、あるいは66C)は、支持対象物としてのステージベース71を支持金物89A(89B、あるいは89C)を介して支持する第2のエアマウント(以下、単に「エアマウント」とも記述する)80と、ステージベース71を支持金物89A(89B、あるいは89C)を介してZ軸方向(図3における紙面内上下方向)に高応答で微小駆動可能な微小駆動部90とを備えている。
前記エアマウント80は、前述のエアマウント60と同様に、上部に開口を有するハウジング82と、ハウジング82の前記開口を塞ぐ状態で設けられ、ステージベース71を支持金物89Aを介して保持する保持部材83と、前記ハウジング82と保持部材83とに接続され、これらハウジング82及び保持部材83とともにほぼ気密状態の気体室84を形成するダイヤフラム85と、前記気体室84の内部に充填された気体、例えば空気の圧力を調整する電磁レギュレータ(以下、適宜「レギュレータ」とも呼ぶ)86とを備えている。
前記微小駆動部90は、支持金物89A(89B、あるいは89C)に直接取り付けられた可動子87aと、該可動子87aとの間で電磁相互作用を行い支持金物89A(89B、あるいは89C)を介してステージベース71を重力方向に駆動する電磁力を発生する固定子87bとを有するボイスコイルモータ87と、該ボイスコイルモータ87に駆動電流を供給する電流供給源88とを備えている。
このように構成される第2防振機構66A〜66Cでは、ステージ制御装置20によって、不図示の圧力センサの計測値に基づいて電磁レギュレータ86が制御され、ハウジング82の内部に形成された気体室84内の気体、例えば空気の圧力制御が行われる。この場合も、高応答の制御が必要な場合には、ステージ制御装置20は、不図示の加速度計などの出力に応じてボイスコイルモータ87を制御する。また、ベースプレートBS及び平板MPなどを介して伝達される床振動などの微振動は、エアマウント80の空気ばねによって除振される(マイクロGレベルで絶縁される)。
図1に戻り、前記第1コラム32の下面には、干渉計システム18が吊り下げ状態で固定されている。また、第1コラム32の下面には、照射系42a及び受光系42bから成る、例えば特開平6−283403号公報(対応米国特許第5,448,332号)等に開示されるものと同様の斜入射方式の多点焦点位置検出系(以下、適宜「多点AF系」とも呼ぶ)が設けられている。このように、照射系42a及び受光系42bと、投影光学系PLとが、同一の部材(第1コラム32)に取り付けられており、両者の位置関係が一定に維持されている。
照射系42aは、主制御装置50によってオンオフが制御される光源を有し、多数のピンホール又はスリットの像を形成するための結像光束を投影光学系の結像面に向け、かつ光軸AXに対して斜め方向からウエハ表面に対して照射する。一方、ウエハ表面で反射されたそれらの結像光束の反射光束は、受光系42b内の受光素子によって受光され、電気信号(焦点ずれ信号)に変換される。この焦点ずれ信号(デフォーカス信号)は、ステージ制御装置20及びこれを介して主制御装置50に供給されている。ステージ制御装置20は、走査露光時などに、主制御装置50からの指示に応じ、焦点ずれ信号(デフォーカス信号)、例えばSカーブ信号に基づいてウエハW表面のZ位置、θx方向の回転,θy方向回転を算出し、その算出結果にもとづいて、ウエハテーブルWTに対する3つの支持点のそれぞれをZ軸方向に駆動する各アクチュエータの駆動量を算出し、各アクチュエータによって駆動される対応する支持点のZ軸方向の位置を検出するリニアエンコーダの出力をモニタしつつ、各アクチュエータを駆動する。このようにして、ウエハテーブルWTのZ軸方向への移動、及び2次元方向の傾斜(すなわち、θx,θy方向の回転)が制御され、照明光ILの照射領域(前述の照明領域と共役な照明光ILの照射領域)内で投影光学系PLの結像面にウエハWの表面を実質的に合致させる、ウエハWのフォーカス・レベリング動作が実行される。
さらに、本実施形態の露光装置100では、図1では図示が省略されているが、第1コラム32の投影ユニットPUの−Y側には、オフアクシス・アライメント系ALG(図1では不図示、図4参照)が設けられている。このアライメント系ALGとしては、例えば、ウエハ上のレジストを感光させないブロードバンドな検出光束を対象マークに照射し、その対象マークからの反射光により受光面に結像された対象マークの像と不図示の指標の像とを撮像素子(CCD)等を用いて撮像し、それらの撮像信号を出力する画像処理方式のFIA(Field Image Alignment)系のセンサ(以下、「FIA系」とも記述する)が用いられている。このFIA系ALGは、指標中心を基準とするマークの位置情報を主制御装置50に供給する。主制御装置50は、この供給された情報と、干渉計システム18の計測値とに基づいて、検出対象のマーク、具体的には前述した基準マーク板FM上の第2基準マーク又はウエハ上のアライメントマークのアライメント座標系(X軸干渉計ユニット19X2の光軸と、Y軸干渉計ユニット19Yの光軸とによって規定される前述のウエハアライメントの際の座標系)上における位置情報を計測するようになっている。
さらに、第1コラム32には、3つのZ干渉計ユニット102A〜102C(但し、図1では紙面奥側に位置するZ干渉計ユニット102Cは、Z干渉計ユニット102Aの奥に隠れている、図4参照。)が、前述の3つの支持金物89A、89B、89Cに個別に対応して設けられている。また、この第1コラム32には、3つのZ干渉計ユニット102A〜102Cに個別に対応して、その内部にZ干渉計ユニット102A〜102Cのそれぞれからの測長ビームのビーム路が形成された3つのストッパ81が設けられている。ここで、Z干渉計ユニット102A〜102Cの役割について説明する。
Z干渉計ユニット102A、102B、102Cのそれぞれは、支持金物89A、89B、89Cそれぞれの上面に固定されたコーナーキューブ型ミラー(例えばレトロリフレクタ)86A、86B、86C(図2参照)に、第1コラム32に形成された貫通孔及びストッパ81の中空部を介して測長ビームを照射し、その反射光を中空部及び貫通孔を介して受光することで、それぞれの内部の参照鏡を基準としてコーナーキューブ型ミラー86A、86B、86C、すなわち支持金物89A、89B、89CのZ軸方向の位置(Z干渉計ユニット102A、102B、102Cと支持金物89A、89B、89Cとの相対位置)を、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出する。
Z干渉計ユニット102A、102B、102Cの計測値は、ステージ制御装置20及びこれを介して主制御装置50に供給されるようになっている。ステージ制御装置20及び主制御装置50は、Z干渉計ユニット102A、102B、102Cの計測値に基づいて、第1コラム32の下面(又は上面)を基準として、ステージベース71上面のZ軸方向、θx方向、θy方向に関する位置情報を計測する。図2においては、Z干渉計ユニット102A、102B、102Cそれぞれの光軸が、WZCF、WZLB、WZRBとしてそれぞれ示されている。
ここで、上記3つのストッパ81は、Z干渉計ユニット102A〜102Cそれぞれからの測長ビームの通路を形成するものではあるが、本来の目的は、地震などの際に前述の第1、第2防振機構では吸収しきれない程度の比較的大きな振動が露光装置に伝達された場合や、第2防振機構66A〜66Cを構成するエアマウントが暴走したとき、例えばエアマウントの内圧を強制的に高くしようとしてしまった場合などに、投影光学系PLの最下端部とウエハステージWSの一部との干渉が生じるのを機械的に阻止するためのものである。
なお、ウエハステージWSに45°傾いて不図示の反射面を設置し、該反射面を介して第1コラム32に設けられる不図示の反射面にレーザビームを照射し、投影光学系PLの光軸AX方向(Z軸方向)に関する相対位置情報を検出する干渉計を、別途設けても構わない。
図4には、本実施形態の露光装置100における、制御系の主要な構成がブロック図にて示されている。この図4中、主制御装置50及びステージ制御装置20を中心として、制御系が構成されている。
主制御装置50は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)等から成るいわゆるマイクロコンピュータ(又はワークステーション)を含んで構成され、装置全体を統括して制御する。また、ステージ制御装置20は、マイクロコンピュータから成り、主制御装置50の指示に応じ、レチクルステージ駆動部12、ウエハステージ駆動部27、第1防振機構56A〜56C及び第2防振機構66A〜66C等を制御する。
次に、本実施形態における、露光装置100の製造方法を、図5〜図8を参照して説明する。
本実施形態では、露光装置100を、照明モジュール(IUモジュール)、レチクルステージモジュール(RSモジュール)、投影レンズモジュール(PLモジュール)、ウエハステージモジュール(WSモジュール)に分けて、基本的にモジュール別に組立調整を行い、所定段階で複数のモジュール同士をドッキングすることによって、1台の露光装置100を製造する。この製造は温度管理のなされたクリーンルーム内で行われる。
また、各モジュールは、複数のサブモジュールを個別に組立調整を行い、所定段階で複数のサブモジュール同士のドッキングすることによって組み立てられる。例えば、WSモジュールは、アライメントサブモジュール(ALGサブモジュール)とウエハステージサブモジュール(WSサブモジュール)とをドッキングすることで組み立てられる。
説明が前後したが、ここで、上記の各モジュール、各サブモジュールの構成部分について説明する。
上記IUモジュールは、光源と、照明光学系とによって構成される図1の照明系10のモジュールである。
上記RSモジュールは、第2コラム34と、レチクルステージRS、レチクルステージ駆動部12及びレチクル干渉計によって構成されるモジュールである。
上記PLモジュールは、鏡筒40及び投影光学系PLから成る投影ユニットPUのモジュールである。
上記ALGサブモジュールは、第1コラム32と、第1コラム32に取り付けられたFIA系ALG、多点AF系(42a、42b)及び干渉計システム18などによって構成されるサブモジュールである。
上記WSサブモジュールは、フレームキャスタFC、第1防振機構56A〜56C、平板MP、支持部材73、第2防振機構66A〜66C、ステージベース71、ウエハステージWS及びウエハステージ駆動部27等によって構成されるサブモジュールである。
本実施形態では、複数の製造ラインで並行して、露光装置を構成する一部のサブモジュール及びモジュールがそれぞれ製造され、かつ互いに一部のモジュールの受け渡しを行いながら露光装置100を製造する。なお、その製造ラインとは、クリーンルーム内で露光装置の組立調整を行う領域を意味している。以下では、説明を簡単にするために、第1製造ラインと第2製造ラインのみが存在するとの前提で説明を行う。また、この場合、第1製造ラインの設置されているクリーンルームと、第2製造ラインの設置されているクリーンルームとは異なっている。但し、同一のクリーンルーム内に第1製造ラインと第2製造ラインとを並列に設置しても良い。
一例として、第1製造ラインにおける製造工程につき説明する。
図5のステップ202において、ALGサブモジュールの部組・調整を行う。このALGサブモジュールの部組に際しては、前述の如く、第1コラム32に、多点AF系(42a,42b)、干渉計システム18を構成する各干渉計ユニット、及びFIA系ALGが設置される。このため、これらの関係を合わせるために、絶対基準面を第1コラム32の一部に設け、投影ユニットPUの鏡筒40のフランジFLG近傍部分と全く同形状の部分を有し、下端部に干渉計基準面と、FIA系及び多点AF系の基準面とが設けられた専用工具(以下、「調整用専用工具」と呼ぶ)等を用意し、この専用工具を投影ユニットPUの代わりに、第1コラム32に組み付け、上記の各基準面を基準として、多点AF系(42a,42b)、干渉計システム18を構成する各干渉計ユニット及びFIA系ALGのθx、θy及びθz方向の位置関係の調整、並びに多点AF系(42a,42b)、各干渉計ユニット及びFIA系ALGそれぞれの必要な調整(この調整には、各干渉計ユニットの軸間平行度を含めたユニット単体での光軸調整なども含む)などを行う。なお、Z干渉計ユニット102A〜102C及び3つのストッパ81などは、後述するステップ206のALGサブモジュールとWSサブモジュールとのドッキングの際に邪魔にならないもの以外は、このときは、第1コラム32に取り付けない。このステップ202により、干渉計システム18の各干渉計ユニットからウエハテーブルWT(ウエハステージWS)に向けて照射される測長ビーム(測定光)の光軸と干渉計システム18を支持している計測フレームとして機能する第1コラム32との位置関係が決まる。
次のステップ204では、WSサブモジュールの部組・調整を行う。このWSサブモジュールの部組に際しては、フレームキャスタFCのベースプレートBS上に平板MPが設置され、その平板MP上にウエハステージWS、第2防振機構66A〜66C及びウエハステージWS及びウエハステージ駆動部27のリニアモータ等が設置される。この際、ウエハステージWS、第2防振機構66A〜66C及びウエハテーブルWTの位置関係を調整するために、フレームキャスタFCに基準面を設け、この基準面に対してウエハステージWSのθx、θy及びθz方向の姿勢を調整する。
次のステップ206では、ALGサブモジュールとWSサブモジュールとのドッキングを行う。このとき、ALGサブモジュールのY軸干渉計ユニット19Yから射出される測長ビームがY移動鏡17Yに対して垂直になるような調整が最終的に可能になるように、ウエハステージWSのヨーイングを規制するYガイドの位置関係を、第1コラム32の位置調整などで調整する。さらに、第1防振機構56A〜56Cの着地再現性、Y移動鏡17YとY軸干渉計ユニット19Yの光軸の垂直度、投影光学系搭載面とステージ定盤71の平行度の調整など、WSモジュールの組み立て後には困難な調整(この調整がなされていることが、以降の工程の前提となる)を行う。また、Z干渉計ユニット102A〜102C及び3つのストッパ81などのうち、前述のステップ202において、取り付けなかったものを、第1コラム32に取り付け、必要な調整を行う。
次のステップ208では、上記ステップ206のドッキングにより組み立てられたWSモジュールの調整を行うWSモジュール調整工程に移行する。このWSモジュール調整工程では、まず、図6のステップ302において、部組後の調整を保存するため、ウエハテーブルWT、第1防振機構56A〜56C、第2防振機構66A〜66Cの位置センサの原点をメモリに書き込む。
次のステップ304で、ウエハテーブルWT、第1防振機構56A〜56C、第2防振機構66A〜66Cのリセット動作を確認する。このとき、第1防振機構56A〜56CのX、Y、θz方向に関する位置修正も必要に応じて行う。
次のステップ306では、ウエハステージWSの浮上量確認、ウエハステージWSのリセット動作確認を行う。
次のステップ308では、第2防振機構66A〜66Cの偏荷重補正を行う。具体的には、ウエハステージWSに対して、第2防振機構66A〜66Cのエアマウント内圧が最適になる偏荷重補正値を求める。
次のステップ310では、第1防振機構56A〜56Cの基準位置設定を行う。すなわち、前述の調整用専用工具に設けられたFIA系及び多点AF系の基準面に対して零点が一致するように調整されている多点AF系(42a,42b)を用いて例えば前述の基準平面板を検出し、その多点AF系(42a,42b)の計測値が零となる、第1防振機構56A〜56CのZ軸方向に関する位置を求め、その位置を第1防振機構56A〜56Cの制御目標値(装置定数)として保存する。
次のステップ312では、多点AF系(42a,42b)の電気的調整、例えばセンサ間オフセット調整などを行う。
次のステップ314では、上記ステップ312で調整が行われた多点AF系(42a,42b)を用いて、ウエハホルダWH、基準マーク板FM、基準平面板、AIS板のフラットネス(平坦度)計測を行う。
次のステップ316では、第2防振機構のセット用パラメータ計測を行う。具体的には、多点AF系(42a,42b)で基準マーク板FM表面上の複数点のZ位置情報を計測し、その複数点の計測結果から求まる近似平面の、前述のZ干渉計ユニット102A〜102Cによるステージベース71上面の計測結果から得られる近似平面を基準とする、θx、θy方向に関する位置情報(相対角度)を計測する。このような計測を、ウエハテーブルWTの傾斜角を徐々に変更しながら繰り返し、θx、θy方向に関する位置情報(相対角度)が、ともに所定角度以下となったときに、前述のエンコーダの出力で定まるθx、θy成分(θx2、θy2)を装置定数として記憶する。
次のステップ318では、ウエハテーブルの基準姿勢設定の処理を行う。このステップ318では、まず図7のステップ402において、ウエハステージWSを、ウエハテーブルWT上に設置された基準マーク板FMがX軸(第1軸)、Y軸(第2軸)を含む平面(XY平面)内で投影ユニットPU(投影光学系PL)の直下となり、かつ光軸AX(Z軸)回りの回転方向(θz方向)の位置が所定の位置(例えば、前述のフレームキャスタFCに設けられた基準面に対して設定されているメカ的な原点)となるように位置決めする。
次に、ステップ404において、ウエハテーブルWT又は該ウエハテーブルWT上に載置される物体、例えばウエハホルダWHの表面がステージベース71上面と平行になるθx方向、θy方向に関する基準位置(すなわち基準姿勢)にウエハテーブルWTの姿勢(θx方向、θy方向)を調整するとともに、設計上の像面に一致する多点AF系(42a,42b)の検出原点に基準マーク板FMの表面が一致するようにウエハテーブルWTのZ軸方向の位置を調整する。
次に、ステップ406において、このときの状態を維持するようにウエハテーブルWTをエンコーダによりサーボ制御した状態で、基準位置(前述のステップ302でメモリに書き込んだ位置センサの原点)に設定されている第2防振機構66A〜66Cによって支持されたステージベース71上にウエハステージWSを着地させる。ここで、上記のウエハテーブルWTの姿勢のサーボ制御は、前述のステップ316と同様にZ干渉計ユニット102A〜102Cによりステージベース71上面の3箇所のZ位置を計測するのと並行して多点AF系(42a,42b)で基準マーク板FM表面上の複数点のZ位置情報を計測しながら行われる。
次に、ステップ408において、上記のようにしてウエハステージWSと第2防振機構66A〜66Cとが基準位置(所定の初期位置)に調整された状態で、θx方向、θy方向に関するウエハテーブルWTの位置情報を計測するための干渉計システム18の測長ビーム(測定光)の光路(例えばY軸干渉計ユニット19Yの光軸WYLU及びWYLD(又は光軸WYRU及びWYRD)上の光路、並びにX軸干渉計ユニット19X1の光軸WXBU及びWXBD上の光路)上に、それぞれ第1、第2の工具用光学素子としての第1、第2の工具プリズムを挿入する。
次に、ステップ410において、第1、第2の工具プリズムを介して、各測長ビームの移動鏡17Y、17Xからの反射光をそれぞれ取り出し、この取り出した反射光を画像処理方式のオートコリメータ(画像観察用のTVカメラが接続されたオートコリメータ)で観察することで、各測長ビームに対する移動鏡17Y,17Xの直交度、換言すればXY平面に対するウエハテーブルWTのX軸回り、Y軸回りの回転角(θx,θy)を、それぞれ計測し、それらの回転角θx,θyがともに所定値、例えば零となるように、第2防振機構66A〜66Cを介してステージベース71と一体的にウエハステージWSの姿勢を変更する。そして、このときの第2防振機構66A〜66Cの姿勢(対応するサーボ目標値)を第2防振機構66A〜66Cのリセット姿勢とする(装置定数として記憶する)。ここで、このステップ410では、Z干渉計システム102A〜102Cの計測値に基づく第2防振機構66A〜66Cのサーボ制御と、エンコーダの計測値に基づくウエハテーブルWTのサーボ制御が行われているので、上記の姿勢変更は第2防振機構66A〜66Cのサーボ目標値にオフセットを与えることで行う。なお、前記各測長ビームの移動鏡17Y、17Xからの反射光を取り出す際に工具用光学素子として工具プリズムを用いたが、工具用光学素子はプリズムに限定されるものではなく、ミラー等の他の光学素子を用いることも可能である。
次に、ステップ412において、前記第1、第2の工具プリズムを前記光路上から各々外した後、干渉計システム18の各干渉計ユニットをクリアして値(絶対位相)を読み取り、保存する。この場合、干渉計システム18の全ての測長ビームの光軸の絶対位相を読み取り保存する。
ここで、絶対位相とは、干渉計(例えば、干渉計システム18)において、参照信号を基準にした測定信号の位相差を、0〜2πの間で定義した値とする。また、前記参照信号は、測定ビームの光源直下で直接、P偏光成分とS偏光成分とを干渉させて得られる信号であって、各測定軸が共通の光源を有する場合はその各測定軸に対して位相計測の共通の基準となるものとする。さらに、前記測定信号は、各測定ビームとそれに対応する参照ビームとの干渉光を受信して得られる信号とする。但し、前記参照信号は、必ずしも干渉によって得られる信号に限定されるものではなく、例えば、電気的に得られる信号としても良い。前記参照信号は、干渉計システムで使用される光源から発する偏光や周波数等が互いに異なる2つの光を用い、それら2つの光の位相差に基づいて生成されるようにしている。従って、例えば、干渉計システムが、2つの光の間に周波数差を生じさせるための駆動装置(例えば、AOM等の音響光学効果を用いた変調器)を有している場合、その駆動装置を駆動する駆動信号が前記位相差に相当するようなものであれば、その駆動信号を参照信号として用いるようにしても良い。
次に、ステップ414において、上記ステップ412で読み取った光軸WXBUとWXBDの絶対位相の差ΔXB、光軸WXFUとWXFDの絶対位相の差ΔXF、光軸WYLUとWYLDの絶対位相の差ΔYL、光軸WYRUとWYRDの絶対位相の差ΔYRに基づいて、Y軸、X軸それぞれの軸回りの絶対角度θyb0、θyf0、θxl0、θxr0をそれぞれ算出し、保存する。
ここで、絶対角度とは、2軸に関して得られた前記各絶対位相の差を距離に換算し、その値を前記2軸の間隔で除した値とする。例えば、図2を参照すると、2軸方向(例えば、光軸WXBUと光軸WXBD)に関する絶対位相の差ΔXBを距離に換算し、その換算値(ΔXB’とする)を光軸WXBUと光軸WXBDの間隔hで除した値であり、θyb0=ΔXB’/hと表すことができる。
次に、ステップ416において、第1防振機構56A〜56C,第2防振機構66A〜66C、ウエハステージWS及びウエハテーブルWTをそれぞれリセットする。これは後に、リセット用目標面の計測を行うためである。
次に、ステップ418において、前述のステップ402と同様の目標位置にウエハステージWSを位置決めする。
次に、ステップ420において、前述のステップ404と同様にして、ウエハテーブルWTの姿勢を基準姿勢に調整するとともに、ウエハテーブルWTのZ位置を調整する。
次のステップ422において、ウエハテーブルWTをサーボ制御した状態で、先にステップ410で保存した第2防振機構のリセット姿勢に対応するサーボ目標値(装置定数)をサーボ目標値として第2防振機構66A〜66Cを制御することで、第2防振機構66A〜66Cをリセット姿勢に設定し、これにより前述のウエハテーブル基準姿勢を再現する。但し、サーボ誤差により前述のウエハテーブル基準姿勢を正確に再現することは困難であるため、この誤差を補正する必要がある。
このため、次のステップ424において、上記のステップ422の処理により、ウエハテーブルWTのX軸、Y軸それぞれの軸回りの回転角が所定値(例えば、ステップ410と同じく零とする)になった際の、干渉計システム18の光軸WYLUとWYLDの絶対位相の差ΔYL、光軸WYRUとWYRDの絶対位相の差ΔYR、光軸WXBUとWXBDの絶対位相の差ΔXB、光軸WXFUとWXFDの絶対位相の差ΔXFに基づいて、X軸、Y軸それぞれの軸回りの絶対角度θxl0’、θxr0’、θyb0’、θyf0’を算出する。
ここで、各光軸の計測値(絶対位相)には、フリンジずれが存在する場合があり、この場合、算出される絶対角度にそのフリンジピッチ(干渉縞の間隔)に応じた誤差(例えば8μradとする)が生じる。そこで、本実施形態では、このステップ424で、各光軸について、算出した絶対角度θ0’(θxl0’、θxr0’、θyb0’、θyf0’)と、先に保存した絶対角度θ0(θxl0、θxr0、θyb0、θyf0)との差を求め、この差と、所定の下限値(ここでは−4μrad)、所定の上限値(ここでは+4μrad)それぞれとの大小関係を判断する。
そして、差>+4μradが成り立つときには、算出した絶対角度θ0’−8μradをθ0’とし、差<−4μradが成り立つときには、算出した絶対角度θ0’+8μradをθ0’とする。すなわち、このようにしてフリンジずれを修正した絶対角度θxl0’、θxr0’、θyb0’、θyf0’を求め、装置定数として保存する。
なお、前述のステップ414からステップ424の工程を以下のようにしても良い。まず、ステップ414(ステップ406の処理によりウエハステージWSはステージベース71上に着地している状態)において、得られた絶対角度θyb0、θyf0、θxl0、θxr0から各干渉計の測長ビームの光軸とそれに対応する移動鏡の反射面とが直交する状態にあるか否かを確認する。そして、直交する状態にあれば、多点AF系で基準マーク板FMを計測し、その際のθx、θyの計測値(θxaf1、θyaf1)を保存しておく。
次にステップ406と同様に、第1防振機構56A〜56C、第2防振機構66A〜66C、ウエハステージWS及びウエハテーブルWTをそれぞれリセットする。
次に、前述のステップ402と同様の目標位置にウエハステージWSを位置決めし、さらに、前述のステップ404と同様にして、ウエハテーブルWTの姿勢を前記基準姿勢に調整するとともに、ウエハテーブルWTのZ位置を調整する。
次に、前述のステップ406と同様に、前記基準位置に設定されている第2防振機構66A〜66Cによって支持されたステージベース71上にウエハステージWSを着地させ、この状態において多点AF系で基準マーク板FMを計測する。そして、このときのθx、θyの計測値(θxaf2、θyaf2)と、保存しておいた先の基準マーク板FMに対する計測値(θxaf1、θyaf1)との差(θxaf1−θxaf2、θyaf1−θyaf2)を求め、ウエハテーブルWTをこの差(θxaf1−θxaf2、θyaf1−θyaf2)の分だけ動かす。
このようにしても、前記ウエハテーブル基準姿勢の再現が可能であるが、この場合でも前記サーボ誤差を補正する必要がある。そこで、この後、ステップ424と同様にして、X軸、Y軸それぞれの軸回りの絶対角度θxl0’、θxr0’、θyb0’、θyf0’を算出しておく。
次に、ステップ426において、ウエハテーブルWTのZ軸方向及びθx方向及びθy方向に関する位置・姿勢制御を、基準マーク板FMの表面を所定のリセット用目標面に一致させる多点AF系(42a,42b)の出力に基づくサーボ制御に切り換える。ここで、リセット用目標面とは、多点AF系(42a,42b)の各センサ出力が零となる面であり、前述の調整用工具のAF基準面に対して、各センサの出力は調整されている。
次に、ステップ428において、上記の多点AF系(42a,42b)の出力に基づくサーボ制御に切り換える前後のθx、θy方向に関するウエハテーブルWTの駆動量θxl1’、θxr1’、θyb1’、θyf1’を、干渉計システム18の光軸WYLUの計測値と光軸WYLDの計測値との差/軸間隔設計値、光軸WYRUの計測値と光軸WYRDの計測値との差/軸間隔設計値、光軸WXBUの計測値と光軸WXBDの計測値との差/軸間隔設計値、光軸WXFUの計測値と光軸WXFDの計測値との差/軸間隔設計値に基づいてそれぞれ計測する。
この場合、前述のステップ414で絶対角度を求めたときの状態からの誤差を考慮する必要がある。
そこで、次のステップ430では、すでに求められている(θxl0、θxr0、θyb0、θyf0)、(θxl0’、θxr0’、θyb0’、θyf0’)を使って駆動量θxl1’、θxr1’、θyb1’、θyf1’を次の式(1a)、式(1b)、式(2a)、式(2b)に基づいて補正し、この補正後の駆動量、すなわち上記誤差を考慮した駆動量θxl1、θxr1、θyb1、θyf1を装置定数として保存する。
θxl1=θxl1’+(θxl0’−θxl0)……(1a)
θxr1=θxr1’+(θxr0’−θxr0)……(1b)
θyb1=θyb1’+(θyb0’−θyb0)……(2a)
θyf1=θyf1’+(θyf0’−θyf0)……(2b)
θxl1=θxl1’+(θxl0’−θxl0)……(1a)
θxr1=θxr1’+(θxr0’−θxr0)……(1b)
θyb1=θyb1’+(θyb0’−θyb0)……(2a)
θyf1=θyf1’+(θyf0’−θyf0)……(2b)
この誤差を考慮した駆動量が、ウエハテーブルWTが、第2防振機構66A〜66Cが基準位置にありθx、θy方向の回転角がともに零(所定値)であった基準姿勢から上述のサーボ制御により基準マーク板FMの表面が所定のリセット用目標面に追い込まれた状態までの、θx、θy方向に関するウエハテーブルWTの駆動量に他ならない。これにより、ステップ318のウエハテーブルWT基準姿勢設定の処理を終了する。
次に、図6のステップ320において、FIA系ALGの調整を行う。多点AF系(42a,42b)を用い、前述の調整用専用工具のFIA系及び多点AF系の基準面と等価な面に対し、FIA系ALGのZ軸方向に関する位置の調整を実施する。
次に、ステップ322において、ウエハステージのセット(FIAサーチ)の目標座標を計測・保存する。具体的には、基準マーク板FM上の所定のマークがFIA系ALGの直下にくるように、マニュアルでウエハステージWSを位置決めし、そのときの座標(Xfs、Yfs)を記録する。
これにより、WSモジュール調整工程の処理を終了する。
次に、図5のステップ210において、RSモジュール部組・調整を行う。
次に、ステップ212において、PLモジュールの組付けを行う。ここで、PLモジュールは、上記ステップ202〜212の工程と並行して、別の製造ライン、ここでは第2製造ラインでその部組及び調整が行われ、この時点ではPLモジュール単体での必要な調整が終了している。そこで、このステップ212においては、フランジFLGの下面に対する投影光学系PLの像面の傾斜量に基づいて、多数のレンズワッシャの中からフランジFLGの下面と像面とがほぼ平行となるレンズワッシャIVを選択し、このレンズワッシャIVを介してALGサブモジュール(第1コラム32)にPLモジュールをドッキングする。
次に、図5のステップ214において、WSモジュールの一部を成すALGサブモジュール(第1コラム32)上に上記ステップ210で部組・調整が行われたRSモジュールをドッキングする。
そして、次のステップ216において、WSモジュールとRSモジュールとの結合体に対して、第2製造ラインで部組及び調整が完了しているIUモジュールをドッキングする。
次のステップ218では、ドッキング後調整工程に移行する。このドッキング後調整工程では、まず、図8のステップ502において、不図示の空調機が運転されている状態で、レチクルステージRSの位置によるレチクルステージRSの浮上量(不図示のエアベアリングによる)の確認を行う。浮上量が不十分な場合には、必要な作業を行う。
次に、ステップ504において、第1防振機構56A〜56Cの定常推力が小さく、照明光学系、並びに後に接続される、ウエハローダ、レチクルローダとの関係も満足する姿勢になるように第1コラム32の位置(X、Y、θz方向)を調整し、そのときの姿勢を第1防振機構56A〜56Cの制御目標(装置定数)として記憶する。
次のステップ506では、レチクルアライメント系13A,13Bの第1段階の調整、例えばピント、カメラ位置の調整等を行う。
次のステップ508では、多点AF系(42a,42b)の電気的調整、例えばセンサ間オフセット調整などを行う。
次のステップ510では、上記ステップ508で調整が行われた多点AF系(42a,42b)を用いて、ウエハホルダWH、基準マーク板FM、基準平面板、AIS板のフラットネス(平坦度)計測を行う。
次のステップ512では、前述のステップ316と同様にして、第2防振機構のセット用パラメータ計測を行う。
次のステップ514では、前述のステップ318と同様の手順で、ウエハテーブルの基準姿勢設定の処理を行う。
次に、ステップ516において、ウエハステージのセット目標値計測(θz方向)の処理を行う。具体的には、ウエハステージWSをリセット後、Y移動鏡17YとY軸干渉計ユニット19Yの光軸の直交度誤差が所定値以下になるようにウエハステージWSを位置決めする。
次のステップ518では、レチクルアライメント系13A,13Bの第2段階の調整、例えば、基準マーク板FMに対するレチクルアライメント系13A,13Bのθz回転誤差の調整、レチクルアライメント系13A,13Bによる基準マーク板FM上の基準マーク計測結果に基づく、ヨーイングオフセット、XYオフセットを計測し、パラメータとして保存する。
次に、ステップ520において、投影光学系PLの像面を確認し、ウエハホルダWH表面と投影光学系PLの像面を一致させる。像面の確認は、例えば前述の空間像計測器を用いて行う。
次のステップ522において、多点AF系の調整を行う。具体的には、上記ステップ520の処理により、PL像面に一致しているウエハホルダWH表面に多点AF系の各センサの検出原点の集合からなる近似平面(AF面)が一致するように、多点AF系の調整を行う。
次のステップ524において、FIA系ALGの調整を行う。上記ステップ522の処理によって調整されたAF面に対するFIA系ALGの調整を行う。
次のステップ526において、ウエハステージのセット(FIA系)目標値計測の処理を行う。すなわち、Y軸干渉計ユニット19Yの光軸がY移動鏡17Yに直交するウエハテーブルWTの位置情報(θz)を、レチクルアライメント系13A,13BとFIA系ALGとを用いて求める。
次のステップ528では、ウエハテーブルWTが上記のY軸干渉計ユニット19Yの光軸がY移動鏡17Yに直交する姿勢にあるときの、干渉計ユニット18のθz方向の絶対角度を、前述と同様にして光軸WYLU、WYRUの絶対位相の差に基づいて計測し、装置定数として保存する。
次のステップ530において、その他の必要な計測・調整、例えばウエハステージ側、レチクルステージ側の移動鏡の曲がり計測、レチクル干渉計の較正などを含む。これにより、ドッキング後調整工程を終了し、図5のステップ220で、露光装置の製造に関する諸々の処理を経て、露光装置100の製造が終了する。
次に、上述のようにして製造された本実施形態の露光装置100の調整方法について、干渉計システム18のθx,θy方向の原点合わせ(較正)、すなわちθx、θy方向に関するウエハテーブルWTの位置情報の計測に用いる干渉計システム18の光軸(測長ビーム)によって得られる位置情報の初期値のプリセット処理を、代表的に採り上げて説明する。図9は、このプリセット処理の一例を示すフローチャートである。
このプリセット処理では、前提として第1防振機構56A〜56Cは、リセット後の状態を維持しており、第2防振機構66A〜66Cは、Z干渉計ユニット102A〜102Cの較正後のZ干渉計ユニット102A〜102Cの計測値が0になる状態(すなわちリセット用目標面とステージベース71上面とが平行になる状態)となっている。また、ウエハステージWSのXY面内の位置は、基準マーク板FMが多点AF系(42a,42b)で検出可能な位置にあり、ウエハテーブルWTのθz方向の位置は、ウエハステージWSのリセット後の状態を維持している。さらに、ウエハテーブルWTのZ、θx、θy方向の位置は、ウエハテーブルのセット後の状態(リセット用目標面と基準マーク板FMの表面とが平行)を維持している。
このプリセット処理に際しては、まず、図9のステップ702において、干渉計システム18の光軸WYLUとWYLDの絶対位相の差ΔYL、光軸WYRUとWYRDの絶対位相の差ΔYR、光軸WXBUとWXBDの絶対位相の差ΔXB、光軸WXFUとWXFDの絶対位相の差ΔXFにそれぞれ基づいて、X軸、Y軸それぞれの軸回りの絶対角度θxl3、θxr3、θyb3、θyf3を算出する。
次にステップ704において、次の式(3)〜式(6)を満足するような整数Mxl、Mxr、Myb、Myfを求める。
Mxl≒(θxl0+θxl1−θxl3)/P …(3)
Mxr≒(θxr0+θxr1−θxr3)/P …(4)
Myb≒(θyb0+θyb1−θyb3)/P …(5)
Myf≒(θyf0+θyf1−θyf3)/P …(6)
但しPは、干渉計システム18で計測される隣接するフリンジ間隔に相当する角度(≒8μrad)である。
Mxr≒(θxr0+θxr1−θxr3)/P …(4)
Myb≒(θyb0+θyb1−θyb3)/P …(5)
Myf≒(θyf0+θyf1−θyf3)/P …(6)
但しPは、干渉計システム18で計測される隣接するフリンジ間隔に相当する角度(≒8μrad)である。
上式(3)〜(6)からわかるように、上記の整数Mxl、Mxr、Myb、Myfは、前述の基準姿勢から前記駆動量だけ駆動した状態に対する、ウエハステージWS(ウエハテーブルWT)の姿勢変化量のフリンジ数換算値である。
次にステップ706において、次の式(7)〜式(10)により前記ウエハテーブルWTの駆動量θxl1、θxr1、θyb1、θyf1の更新値θxl、θxr、θyb、θyfを算出し、当該各駆動量を更新する。
θxl=P・Mxl−θxl0+θxl3 …(7)
θxr=P・Mxr−θxr0+θxr3 …(8)
θyb=P・Myb−θyb0+θyb3 …(9)
θyf=P・Myf−θyf0+θyf3 …(10)
θxl=P・Mxl−θxl0+θxl3 …(7)
θxr=P・Mxr−θxr0+θxr3 …(8)
θyb=P・Myb−θyb0+θyb3 …(9)
θyf=P・Myf−θyf0+θyf3 …(10)
また、次のステップ708において、この時点でピッチング角θx=(θxl+θxr)/2、並びに露光座標系のローリング角θyb及びアライメント座標系のローリング角θyfを得る。
そして、次のステップ710において、干渉計システム18の露光座標系のピッチング値、ローリング値の初期値として(θx,θyb)をプリセットするとともに、アライメント座標系のピッチング値、ローリング値の初期値として(θx,θyf)をプリセットする。
このように、本実施形態では、干渉計システム18の露光座標系、アライメント座標系のピッチング値、ローリング値の初期値として、ウエハテーブルWTの駆動量θxl1、θxr1、θyb1、θyf1の更新値がプリセットされるので、多点AF系(42a,42b)の出力が経時的にドリフトしてもそのドリフトの影響をキャンセルすることが可能である。
以上説明したように、本実施形態に係る露光装置100の製造方法によると、ウエハステージWS(ウエハテーブルWT)と第2防振機構66A〜66Cとが初期位置に調整された状態で、投影光学系PLの光軸AXに直交するX軸、Y軸それぞれの回りの回転方向に関するウエハテーブルWTの位置情報を計測するための干渉計システム18の測長ビームの光路上に、それぞれ第1、第2の工具プリズムを挿入し(図7のステップ408)、該第1、第2の工具プリズムを介してウエハテーブルWTのX軸回り、Y軸回りの回転角(θx、θy)をそれぞれ計測し、それらの回転角がともに零(又は所定値)となるように、ステージベース71と一体的にウエハステージWSの姿勢を変更して、その際の第2防振機構66A〜66Cの姿勢を該第2防振機構66A〜66Cのリセット姿勢とする(ステップ410)。
その状態で、各工具プリズムを前記光路上から各々外した後、ウエハテーブルWTの位置を計測する干渉計システム18の絶対位相に基づいてX軸、Y軸それぞれの回りの回転方向の絶対角度を算出し、該絶対角度を保存する(ステップ412、414)。
従って、その後、第2防振機構66A〜66Cの姿勢を上記の第2防振機構66A〜66Cのリセット姿勢とし、干渉計システム18によって計測されるウエハテーブルWTのX軸、Y軸それぞれの回りの回転方向の位置情報が先に保存した絶対角度となるようにウエハテーブルWT(ウエハステージWS)の姿勢を調整することで、上記のウエハテーブルWTのX軸、Y軸回りの回転角がともに所定値となる状態を、容易に再現可能である。
特に、上記の所定値を零にする場合には、ウエハテーブルWT又は該ウエハテーブルWT上のウエハホルダWHの表面を投影光学系PLの光軸AXに直交する面に平行に設定できるような干渉計システム18の原点設定及び再現を容易に実現することができる。
また、本実施形態に係る露光装置100の製造方法によると、図5のステップ202において、ALGサブモジュールの部組・調整の段階で、干渉計システム18の各干渉計ユニットからウエハテーブルWTに向けて照射される測長ビーム(測定光)の光軸と干渉計システム18を支持する第1コラム32との位置関係を所定の関係に設定しているので、その後に、例えば上記ステップ410において画像処理方式のオートコリメータで計測した前記測長ビーム(測定光)の光軸と該測長ビーム(測定光)に対するウエハテーブルWTの姿勢に関する情報とに基づいて、前記第2防振機構66A〜66Cによってステージベース71と一体的にウエハステージWSの姿勢(θx方向及びθy方向の位置)を設定する。これにより、第1コラム32とステージベース71との位置関係が所望の関係に設定される。
すなわち、本実施形態では、干渉計システム18の各測長ビームの光軸と第1コラム32との位置関係と、前記各測長ビームの光軸とステージベース71との位置関係をそれぞれ所望の位置関係に設定することで、結果的に前記各測長ビームの光軸を使って、第1コラム32とステージベース71との位置関係を所望の関係に設定できるようになっている。
また、例えばステップ410で一旦、第1コラム32とステージベース71との位置関係を所望の関係に設定し、ステップ412、414でそのとき干渉計システム18計測される、ウエハテーブルWTの位置に関する絶対位相に基づくX軸、Y軸それぞれの回りの回転方向の絶対角度を計測、保存した後は、ウエハステージWS、ウエハテーブルWT、及び第1、第2防振機構などのリセット後であっても、保存した絶対角度を用いることで、第1コラム32とステージベース71との所望の位置関係を再現させることができる。
なお、上記実施形態では、移動体としてのウエハステージWSが、XY面内で移動するXYステージ28と、該XYステージ28上にZ・チルト駆動部を介して搭載されたZ、θx、θy方向に移動可能なウエハテーブルWTとを含んで構成される場合について説明したが、これに限らず移動体は6自由度方向に移動可能な単一のステージであっても良い。
また、上記実施形態では、本発明の製造方法及び調整方法がスキャナに適用された場合について説明したが、これに限らず、ステップ・アンド・リピート方式の露光装置(ステッパ)などの静止露光型の露光装置にも本発明の製造方法及び調整方法は適用が可能である。
また、上記実施形態の露光装置における投影光学系の倍率は縮小系のみならず等倍および拡大系のいずれでも良いし、投影光学系PLは屈折系のみならず、反射系及び反射屈折系のいずれでも良いし、その投影像は倒立像及び正立像のいずれでも良い。
なお、上記実施形態では、露光装置100が、照明光ILとしてArFエキシマレーザ光を用いる場合について説明したが、これに限らず、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)は勿論、超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(例えばg線、i線など)や、波長が170nm以下の光、例えばF2レーザ光(波長157nm)、Kr2レーザ光(波長146nm)等の他の真空紫外光を用いても良い。
また、例えば、真空紫外光として上記各光源から出力されるレーザ光に限らず、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(Er)(又はエルビウムとイッテルビウム(Yb)の両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
また、本発明の製造方法及び調整方法が適用される、露光装置では、照明光として波長100nm以上の光に限らず、波長100nm未満の光を用いても良いことはいうまでもない。例えば、近年、70nm以下のパターンを露光するために、SORやプラズマレーザを光源として、軟X線領域(例えば5〜15nmの波長域)のEUV(Extreme Ultraviolet)光を発生させるとともに、その露光波長(例えば13.5nm)の下で設計されたオール反射縮小光学系、及び反射型マスクを用いたEUV露光装置の開発が行われている。この装置においては、円弧照明を用いてマスクとウエハを同期走査してスキャン露光する構成が考えられるので、かかる装置にも本発明の製造方法及び調整方法を好適に適用できる。さらに、例えば特開平10−154659号公報などに開示される、投影光学系PLとウエハとの間に液体(例えば純水など)が満たされる液浸型露光装置、あるいはステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置、又はプロキシミティ方式の露光装置なども、本発明の製造方法及び調整方法を好適に適用できる。さらに、照明光ILとして紫外光などだけでなく、電子線やイオンビームなどの荷電粒子線を用いる露光装置、X線露光装置などにも本発明の製造方法及び調整方法を好適に適用できる。
なお、本発明の製造方法及び調整方法は、半導体製造用の露光装置に限らず、液晶表示素子などを含むディスプレイの製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるデバイスパターンをセラミックウエハ上に転写する露光装置、及び撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン、有機EL、DNAチップなどの製造に用いられる露光装置などにも適用することができる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明の製造方法及び調整方法を適用できる。ここで、DUV(遠紫外)光やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、螢石、フッ化マグネシウム、又は水晶などが用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置、又は電子線露光装置などでは透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが用いられる。
《デバイス製造方法》
図10には、デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートが示されている。図10に示されるように、まず、ステップ901(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップ902(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ903(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
図10には、デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートが示されている。図10に示されるように、まず、ステップ901(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップ902(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ903(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
次に、ステップ904(ウエハ処理ステップ)において、ステップ901〜ステップ903で用意したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップ905(デバイス組立てステップ)において、ステップ904で処理されたウエハを用いてデバイス組立てを行う。このステップ905には、ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
最後に、ステップ906(検査ステップ)において、ステップ905で作成されたデバイスの動作確認テスト、耐久テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
図11には、半導体デバイスにおける、上記ステップ904の詳細なフロー例が示されている。図11において、ステップ911(酸化ステップ)においてはウエハの表面を酸化させる。ステップ912(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ913(電極形成ステップ)においてはウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ914(イオン打ち込みステップ)においてはウエハにイオンを打ち込む。以上のステップ911〜ステップ914それぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ915(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップ916(露光ステップ)において、前述した調整方法が実行された上記実施形態の露光装置100で、感光物体としてのウエハWをエネルギビームとしての照明光ILで露光し、所定のパターン(レチクルに形成されたパターン)の像をウエハ上に形成する。次に、ステップ917(現像ステップ)においては露光されたウエハを現像し、ステップ918(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップ919(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
以上説明した本実施形態のデバイス製造方法を用いれば、露光工程(ステップ916)において前述した調整方法が実行された上記実施形態の露光装置100が用いられるので、ウエハ上にレチクルのパターンを高精度に転写することができ、結果的に高集積度のデバイスの生産性(歩留まりを含む)を向上させることが可能となる。
本発明の製造方法は、半導体素子(集積回路等)、液晶表示素子等の電子デバイスを製造するリソグラフィ工程で用いられる露光装置の製造に適している。また、本発明の調整方法は、その露光装置の調整に適している。また、本発明のデバイス製造方法は、電子デバイスの製造に適している。
18…干渉計システム、32…第1コラム(計測フレーム)、42a…照射系(焦点位置検出系の一部)、42b…受光系(焦点位置検出系の一部)、66A〜66C…第2防振機構(支持部)、71…ステージベース(ベース)、100…露光装置、IL…照明光(エネルギビーム)、W…ウエハ(感光物体)、PL…投影光学系(露光光学系)、WS…ウエハステージ(移動体)、FM…基準マーク板(基準部材)、WH…ウエハホルダ(物体)。
Claims (10)
- エネルギビームを感光物体に照射する露光光学系と、該露光光学系の下方に配置されたベースと、前記感光物体を保持して前記ベース上を移動可能でかつ前記露光光学系の光軸方向にも移動可能な移動体と、前記ベースを前記露光光学系に対して前記光軸方向に移動可能に支持する支持部と、前記移動体の前記光軸方向を除く5自由度方向の位置情報を計測する干渉計システムと、前記光軸方向に関する検出物体の位置を検出する焦点位置検出系と、を備えた露光装置を製造する製造方法であって、
前記移動体と前記支持部とが初期位置に調整された状態で、前記光軸に直交する第1軸、第2軸それぞれの回りの回転方向に関する前記移動体の位置情報を計測するための前記干渉計システムの測定光の光路上に、それぞれ第1、第2の工具用光学素子を挿入し、該第1、第2の工具用光学素子を介して前記移動体の前記第1軸、第2軸回りの回転角をそれぞれ計測し、それらの回転角が所定値となるように、前記ベースと一体的に前記移動体の姿勢を変更して、その際の前記支持部の姿勢を該支持部のリセット姿勢とする第1工程と;
前記各工具用光学素子を前記光路上から各々外した後、前記移動体の位置を計測する前記干渉計システムの絶対位相に基づいて前記第1軸、第2軸それぞれの回りの回転方向の絶対角度を算出し、該絶対角度を保存する第2工程と;を含む製造方法。 - 前記第1工程に先立って、前記移動体を、該移動体に設置された基準部材が前記第1軸、第2軸を含む平面内で前記露光光学系の直下となり、かつ前記光軸回りの回転方向の位置が所定の位置となるように位置決めしたうえで、前記移動体又は該移動体上に載置される物体の表面が前記ベース上面と平行になる前記第1軸、第2軸それぞれの回りの回転方向に関する基準位置に前記移動体の姿勢を調整し、設計上の像面に一致する前記焦点位置検出系の検出原点に前記基準部材の表面が一致するように前記移動体の前記光軸方向の位置を調整した後、基準位置に調整されている前記支持部によって支持されている前記ベース上に前記移動体を着地させる第3工程を更に含む請求項1に記載の製造方法。
- 前記第2工程の後に、前記移動体を、該移動体に設置された基準部材が前記第1軸、第2軸を含む平面内で前記露光光学系の直下となり、かつ前記光軸回りの回転方向の位置が所定の位置となるように位置決めしたうえで、前記移動体又は該移動体上に載置される物体の表面が前記ベース上面と平行になる前記第1軸、第2軸それぞれの回りの回転方向に関する基準位置に前記移動体の姿勢を調整し、設計上の像面に一致する前記焦点位置検出系の検出原点に前記基準部材の表面が一致するように前記移動体の前記光軸方向の位置を調整した後、前記支持部を前記リセット姿勢に設定する第4工程と;
前記第4工程により、前記移動体の前記第1軸、第2軸それぞれの軸回りの回転角が所定値になった際の、前記干渉計システムの絶対位相に基づいて算出される前記第1軸、第2軸それぞれの回りの回転方向の絶対角度を求めて保存する第5工程と;を更に含む請求項1又は2に記載の製造方法。 - 前記第5工程では、求めた絶対角度と前記第2工程で保存された対応する絶対角度の差と、所定の上限、下限値との大小関係に基づいて、フリンジずれを修正した絶対角度を求めることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
- 前記移動体の前記光軸方向及び前記第1軸、第2軸それぞれの回りの回転方向に関する位置・姿勢制御を、前記基準部材表面が所定のリセット用目標面に一致するように前記焦点位置検出系によるサーボ制御に設定する第6工程と;
前記サーボ制御に切り換える前後の前記第1軸、第2軸それぞれの回りの回転方向に関する前記移動体の駆動量を求め、該駆動量と前記第2、第5工程でそれぞれ得られた対応する絶対角度とを用いて、前記移動体が、前記支持部が基準位置にあり前記第1軸、第2軸それぞれの回りの回転角がともに所定値であった基準姿勢から前記サーボ制御により前記基準部材の表面が所定のリセット用目標面に追い込まれた状態までの、前記第1軸、第2軸それぞれの回りの回転方向に関する前記移動体の駆動量を求めて記憶する第7工程と;を更に含む請求項3又は4に記載の製造方法。 - 製造段階で請求項5に記載の製造方法を用いて製造された露光装置の調整方法であって、
前記焦点位置検出系の出力のドリフト対策として、前記干渉計システムが前記第1軸、第2軸それぞれの回りの回転方向に関する前記移動体の位置情報の計測に用いる測定光によって得られる位置情報の初期値をプリセットする工程を含む調整方法。 - 前記初期値をプリセットする工程は、前記第1軸、第2軸それぞれの回りの回転方向に関する前記移動体の絶対角度を求める第1副工程と;
前記第2工程で保存された前記第1軸及び第2軸それぞれの回りの回転方向に関する前記移動体の絶対角度と、前記第7工程で記憶された前記第1軸、第2軸それぞれの回りの回転方向に関する前記移動体の駆動量との和と前記第1副工程で求めた対応する方向の前記絶対角度との差を、前記干渉計システムで計測される隣接するフリンジ間隔に相当する角度で除して、前記基準姿勢から前記駆動量だけ駆動した状態からの前記移動体の姿勢変化量のフリンジ数換算値を求める第2副工程と;
該フリンジ数換算値と前記フリンジ間隔に相当する角度との積と、前記第2工程で保存された前記第1軸及び第2軸それぞれの回りの絶対角度と、前記第1副工程で求めた対応する方向の絶対角度とに基づいて前記第1軸、第2軸それぞれの回りの回転方向に関する前記移動体の駆動量の更新値を算出するとともに、その更新値又は所定の複数の更新値の平均値を前記干渉計システムが前記第1軸、第2軸それぞれの回りの回転方向に関する前記移動体の位置情報の計測に用いる測定光によって得られる位置情報の初期値としてプリセットする第3副工程と;を含む請求項6に記載の調整方法。 - 請求項6又は7に記載の調整方法が実行された露光装置を用いて、感光物体をエネルギビームで露光し、所定のパターンの像を前記感光物体上に形成するリソグラフィ工程を含むデバイス製造方法。
- エネルギビームを感光物体に照射する露光光学系と、該露光光学系の下方に配置されたベースと、前記感光物体を保持して前記ベース上を移動可能でかつ前記露光光学系の光軸方向にも移動可能な移動体と、前記移動体の前記光軸方向を除く5自由度方向の位置情報を計測する干渉計システムと、前記干渉計システムを支持する計測フレームと、前記ベースを前記計測フレームに対して移動可能に支持する支持部と、を備えた露光装置を製造する製造方法であって、
前記干渉計システムから前記移動体に向けて照射される測定光の光軸と前記計測フレームとの位置関係を所定の関係に設定した後、前記測定光の光軸と該測定光に対する前記移動体の姿勢に関する情報とに基づいて前記支持部によって前記ベースの位置を設定する工程を含む製造方法。 - 前記移動体の姿勢に関する情報は、前記干渉計システムによって計測される前記移動体の位置に関する絶対位相に基づいて前記露光光学系の光軸に直交する第1、第2軸それぞれの回りの回転方向の絶対角度を含むことを特徴とする請求項9に記載の製造方法。
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JP2013519994A (ja) * | 2010-02-12 | 2013-05-30 | 株式会社ニコン | 露光装置の製造方法及びデバイス製造方法 |
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CN115729167A (zh) * | 2022-11-26 | 2023-03-03 | 重庆大学 | 基于车刀形状及对刀方式的五轴车床后处理方法 |
-
2005
- 2005-09-01 JP JP2005254053A patent/JP2006100817A/ja active Pending
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