JPWO2004012245A1 - 位置計測方法、位置制御方法、露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

位置計測方法、位置制御方法、露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

レチクルY干渉計(13y1,13y2)及びレチクルX干渉計(13x)の計測結果それぞれに基づいてレチクルステージ(RST)の走査方向及び非走査方向に関する位置情報を計測するとともに、ウエハ干渉計の計測結果に基づいてウエハステージ(WST)の走査方向に関する位置情報を計測する。そして、レチクルステージの非走査方向に関する位置情報の計測結果と、予め記憶された反射面(15y1,15y2)上の基準点の位置計測誤差とこれに対応するレチクルステージの非走査方向に関する位置との関係を示す相関情報とに基づいて、レチクルY干渉計による計測誤差を補正したレチクルステージの位置情報を求め、その補正後の位置情報とウエハステージの走査方向に関する位置情報に基づいて両ステージを駆動制御する。

Description

本発明は、位置計測方法、位置制御方法、露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法に係り、更に詳しくは、反射面が設けられた移動体の少なくとも一軸方向の位置情報を光波干渉式測長器、例えばレーザ干渉計を用いて計測する位置計測方法、該計測方法を利用した位置制御方法、該位置制御方法を利用した露光方法及び前記位置計測方法などの実施に好適な露光装置、並びに前記露光方法又は露光装置を用いるデバイス製造方法に関する。
従来より半導体素子、液晶表示素子等を製造するためのリソグラフィ工程では、マスク又はレチクル(以下、「レチクル」と総称する)に形成されたパターンを投影光学系を介してレジスト等の感光剤が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の基板(以下、適宜「ウエハ」という)上に転写する露光装置が用いられている。かかる露光装置としては、いわゆるステッパ等の静止型の投影露光装置や、いわゆるスキャニング・ステッパ等の走査型の投影露光装置が主として用いられている。
特に走査型の投影露光装置では、ウエハが載置されるウエハステージのみでなく、レチクルが載置されるレチクルステージをも、所定の走査方向に関して大きく移動させる必要がある。このため、殆どの走査型の投影露光装置では、レチクルステージの走査方向の位置及び非走査方向の位置を計測するための計測装置として光波干渉式測長器の一種である計測精度が高いレーザ干渉計が用いられている。また、レチクルステージの走査方向の位置計測の精度は、ウエハとレチクルとの重ね合わせ精度及び同期精度にも大きく影響を与えるため、近年の走査型の投影露光装置では、レチクルステージの回転誤差などに起因する位置計測精度の劣化を防止する観点から、そのレーザ干渉計用の移動鏡として反射面の形成精度やレチクルステージの回転誤差に起因する一種のいわゆるアッベ誤差などに起因する計測精度の低下が平面移動鏡に比べて十分に小さいレトロリフレクタを採用したものが比較的多い。これはレトロリフレクタは、入射光軸に平行な軸に沿って反射光束を射出するので、レチクルステージの残存回転誤差の影響により戻り光束の光量低下などの生じる確率が格段に低いからである。
この種の移動鏡を備えたレーザ干渉計によると、移動体の位置計測を0.5nm〜1nm程度の分解能で計測することが可能である。
しかるに、半導体素子(集積回路等)の高集積化に伴い回路パターンは年々微細化しており、このため、最近の露光装置に許容されるトータル・オーバレイ誤差は非常に小さく、レチクルステージの位置計測誤差などを更に小さく抑制する必要が生じている。
発明者は、鋭意研究を重ねた結果、これまで全く着目されていなかったレーザ干渉計における参照ビームの光軸(基準光軸)に対する測定ビームの光軸(計測光軸)のずれが計測誤差の主要な要因となり得ること、及び前記光軸のずれは移動鏡反射面が理想的な取り付け状態であっても生じ、しかもレチクルステージの位置に応じて変化することなどを見出した。以下、これについて更に詳述する。
a. 上記の計測光軸の基準光軸に対するずれが計測誤差の要因となるのは、通常レーザ干渉計の参照ビーム、測定ビームには波面収差があるからである。
すなわち、図9Aに示されるように、参照ビームRa(その光軸は基準光軸)及び測定ビームMa(その光軸は計測光軸)にともに波面収差があるが、両ビーム間に光軸ずれが存在しない場合を基準状態とする。そして、図9Bに示されるように、基準光軸に対して計測光軸がずれた場合には、図9Aの幅WD1と幅WD2(<WD1)とを比べると明らかなように、両ビームRa、Maの干渉部分(この部分が計測結果を決定する)が、相対的に狭くなる。この結果、図9Aのずれ量ΔL1と図9Bのずれ量ΔL2(<ΔL1)とを比較するとわかるように、その干渉部分について見れば、両ビームRa、Maの波面の相対位置が上記基準状態と明らかに異なっており、δL(=ΔL1−ΔL2)の計測誤差が発生する。
なお、レーザ干渉計の参照ビーム及び測定ビームには、これらのビームが光路中のガラス(レンズなどの透過光学素子)を透過し、あるいはガラス面(ミラーなどの反射光学素子)で反射されることで波面収差が発生する。あるいは、参照ビーム及び測定ビームが相対的に傾斜することで波面収差が発生する場合にも、上記の波面収差が存在する場合と同様の計測誤差が発生する。
b. 次に、上記の光軸ずれが生じる原因について説明する。すなわち、移動体(レチクルステージなど)の計測方向に直交する方向(計測直交方向とも呼ぶ)の位置が所定位置にあり、このとき、図10Aに示されるように参照鏡14yに照射される参照ビームRaの光軸(基準光軸)に移動鏡15yに照射される測定ビームMaの光軸(計測光軸)が正確に重なった状態(基準状態)になっている場合を考える。この図10Aの状態から、移動体が計測直交方向にΔ移動(このとき移動鏡15yの頂点の移動量もΔ)して図10Bの状態になると、測定ビームMaの光軸(計測光軸)が図10Aの基準状態から2Δずれる。この場合、ずれ量2Δは、移動体の計測直交方向の位置に応じて変化することは明らかであろう。
また、図示は省略されているが、測定ビームをレトロリフレクタなどに入射し、その出射光を反射ミラーで反射し、その反射光を同一光路に沿って逆向きに折り返した戻り光を受光する、いわゆるダブルパス方式のレーザ干渉計の場合を考える。この場合には、前記反射ミラーが傾斜して取り付けられているときには、前述と同様に移動体の位置の変化により光軸ずれが生じると、その反射ミラー上における測定ビームの入射点(反射点)の計測方向位置が基準状態から変化するので、ビームの波面収差の有無に拘わらず、計測誤差が発生する。
このように、ビームの波面収差とビームの重なり具合(以下「ウォークオフ」と呼ぶ)との相互作用などに起因して計測誤差が発生するのであるが、このような要因による計測誤差については、これまでは全く考慮されていなかった。
また、発明者は、上記の波面収差とウォークオフ量はともに再現性が高いことを確認した。
本発明は、発明者が得た上記の新規知見に基づいてなされたもので、その第1の目的は、反射面が設けられた移動体の少なくとも一軸方向の位置情報を光波干渉式測長器を用いて精度良く計測することが可能な位置計測方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、少なくとも一軸方向の位置情報が光波干渉式測長器を用いて計測される移動体の位置を精度良く制御する位置制御方法を提供することにある。
本発明の第3の目的は、高精度な露光を走査露光方式により実現する露光方法を提供することにある。
本発明の第4の目的は、高精度な露光を走査露光方式により実現する露光装置を提供することにある。
本発明の第5の目的は、デバイスの生産性の向上が可能なデバイス製造方法を提供することにある。
本発明は、第1の観点からすると、反射面が設けられた移動体の少なくとも一軸方向の位置情報を光波干渉式測長器を用いて計測する位置計測方法であって、前記反射面に測定ビームを照射してその反射光束を受光する前記光波干渉式測長器の出力に基づいて第1軸方向に関する前記移動体の位置情報を計測するとともに、前記第1軸に直交する第2軸方向に関する前記移動体の位置情報を第2軸方向位置計測装置を用いて計測する工程と;前記光波干渉式測長器の測定ビームの光軸と参照ビームの光軸との位置関係に少なくとも起因する前記反射面上の基準点の位置計測誤差とこれに対応する前記第2軸方向に関する前記移動体の位置との関係を示す相関情報と、計測された前記第2軸方向に関する前記移動体の位置情報とに基づいて、前記光波干渉式測長器による前記第1軸方向に関する前記移動体の位置情報の計測誤差を算出する工程と;を含む位置計測方法である。
これによれば、移動体の位置計測に際しては、移動体上の反射面に測定ビームを照射してその反射光束を受光する光波干渉式測長器の出力に基づいて第1軸方向に関する移動体の位置情報を計測するとともに、第1軸に直交する第2軸方向に関する移動体の位置情報を第2軸方向位置計測装置を用いて計測する。次いで、光波干渉式測長器の測定ビームの光軸と参照ビームの光軸との位置関係に少なくとも起因する前記反射面上の基準点の位置計測誤差とこれに対応する第2軸方向に関する移動体の位置との関係を示す相関情報と、計測された第2軸方向に関する移動体の位置情報とに基づいて、光波干渉式測長器による第1軸方向に関する移動体の位置情報の計測誤差を算出する。これにより、その計測誤差を用いて、先に光波干渉式測長器の出力に基づいて計測された第1軸方向に関する移動体の位置情報を補正することが可能となり、その計測誤差が補正された第1軸方向に関する移動体の位置情報を得ることが可能となる。すなわち、光波干渉式測長器の光軸ずれに起因する第1軸方向に関する移動体の位置計測誤差を、移動体の第2軸方向の位置に応じて補正した位置情報を得ることが可能となる。従って、反射面が設けられた移動体の少なくとも一軸方向の位置情報を光波干渉式測長器を用いて精度良く計測することが可能となる。
この場合において、前記計測する工程に先立って、前記反射面に測定ビームを照射してその反射光束を受光する前記光波干渉式測長器の出力に基づいて前記移動体の前記第1軸方向の位置を検出しつつ、前記第2軸方向位置計測装置を用いて前記移動体を前記第2軸方向に移動し、前記第2軸方向の複数の位置における前記反射面上の基準点の位置計測誤差をそれぞれ求め、その位置毎に求めた位置計測誤差に基づいて前記相関情報を作成する工程を、更に含むこととすることができる。
この場合において、上記の反射面上の基準位置の位置計測誤差を得る方法は種々考えられる。例えば光波干渉式測長器の計測光軸の基準光軸に対するずれ量と移動体の第2軸方向の位置情報とに基づいて所定の演算により前記反射面上の基準点の位置計測誤差を算出することとすることができる。但し、ビームのウォークオフ量は再現性が高いことを考慮すれば、前記反射面上の基準点の位置計測誤差は、前記移動体の一部に設けられた計測マークと基準物体上に設けられた基準マークとの位置関係を計測した計測結果に基づいて求められることとすることもできる。
本発明の位置計測方法では、計測する工程に先立って、前述の相関情報を作成する工程を含む場合、前記相関情報は、前記第2軸方向の位置毎に求められた前記反射面上の基準点の位置計測誤差を所定の座標系上にプロットした各プロット点のデータに基づいて算出した関数のデータであることとすることもできるし、あるいは、前記相関情報は、前記第2軸方向の位置毎に求められた前記反射面上の基準点の位置計測誤差を用いて作成されたテーブルデータであることとすることもできる。
本発明の位置計測方法では、計測する工程に先立って、前述の相関情報を作成する工程を含む場合に、計測誤差を算出する工程では、計測された前記第2軸方向に関する前記移動体の位置情報に応じて前記相関情報中の前記第2軸方向の位置毎の前記位置計測誤差を所定の補間演算により補間した演算結果を用いて前記計測誤差を算出することとすることができる。
本発明の位置計測方法では、計測する工程に先立って、前述の相関情報を作成する工程を含む場合に、前記相関情報を作成する工程では、前記光波干渉式測長器の出力に基づいて前記移動体の前記第1軸方向の位置を所定の座標位置に実質的に維持しつつ前記移動体を前記第2軸方向に移動することとすることができる。
本発明の位置計測方法では、前記計測誤差を算出する工程では、前記移動体の姿勢を更に考慮して前記計測誤差を算出することとすることができる。ここで、移動体の姿勢には、移動体のヨーイング、ローリング及びピッチングの少なくとも1つが含まれる。
本発明の位置計測方法では、前記相関情報に含まれる前記位置計測誤差は、少なくとも前記測定ビームに発生する波面収差に更に起因するものであることとすることができる。本明細書において、波面収差は、測定ビームがその光路上の光学素子を透過しあるいは光学素子で反射される際に発生する波面収差の他、測定ビームが参照ビームに対して相対的に傾斜を持つことで発生する波面収差のいずれをも含むものとする。
本発明の位置計測方法では、反射面としては、プリズムその他の反射面を用いることもできるが、前記反射面は、前記移動体に固定された中空レトロリフレクタの反射面であることとすることもできる。
本発明の位置計測方法では、前記計測誤差が補正された前記第1軸方向に関する前記移動体の位置情報を算出する工程;を更に含むこととすることができる。
本発明は、第2の観点からすると、少なくとも一軸方向の位置情報が光波干渉式測長器を用いて計測される移動体の位置を制御する位置制御方法であって、本発明の位置計測方法を実行して前記移動体の前記第1軸方向の位置情報を計測する位置計測工程と;前記位置計測工程で得られた情報を考慮して、前記移動体の少なくとも前記第1軸方向の位置を制御する工程と;を含む位置制御方法である。
これによれば、本発明の位置計測方法を実行して移動体の第1軸方向に関する位置情報を計測するので、その移動体の第1軸方向の位置情報を光波干渉式測長器を用いて精度良く計測することができる。そして、この精度良く計測された位置情報に基づいて、少なくとも一軸方向(第1軸方向)の位置情報が光波干渉式測長器を用いて計測される移動体の第1軸方向の位置を制御するので、その移動体の位置を高精度に制御することが可能となる。
本発明は、第3の観点からすると、マスクと感光物体とを所定方向に同期移動して前記マスクに形成されたパターンを前記感光物体上に転写する露光方法であって、前記マスクが載置される第1移動体と前記感光物体が載置される第2移動体との少なくとも一方の前記所定方向の位置情報を、本発明の位置計測方法を用いて計測し、その計測の結果得られた情報を考慮して、前記第1移動体と前記第2移動体の少なくとも一方の前記所定方向の位置を制御して、前記感光物体上への前記パターンの転写を行う露光方法である。
これによれば、マスクが載置される第1移動体と感光物体が載置される第2移動体との少なくとも一方の所定方向(同期移動方向)の位置情報を、本発明の位置計測方法を用いて計測し、その計測の結果得られた情報を考慮して、第1移動体と第2移動体の少なくとも一方(例えば同期移動に際して追従側となる移動体)の所定方向の位置を制御して、感光物体上へのパターンの転写を行う。従って、上記の位置制御により第1移動体と第2移動体、すなわちマスクと感光物体との同期精度の向上や同期整定時間の短縮、ひいては高精度な露光を走査露光方式により実現することができ、マスクのパターンを感光物体上に精度良く転写することが可能となる。
本発明は、第4の観点からすると、マスクと感光物体とを所定の走査方向に同期移動して前記マスクに形成されたパターンを前記感光物体上に転写する露光装置であって、前記マスクが載置されるとともに反射面が設けられた第1ステージと;前記感光物体が載置される第2ステージと;前記第1ステージと前記第2ステージとを駆動する駆動系と;前記反射面に測定ビームを照射して前記走査方向に関する前記第1ステージの位置情報を計測する光波干渉式測長器と、前記第1ステージの前記走査方向に直交する非走査方向に関する位置情報を計測する計測装置とを有する第1計測系と;前記第2ステージの少なくとも前記走査方向に関する位置情報を計測する第2計測系と;前記第1及び第2計測系の計測結果と、前記光波干渉式測長器の測定ビームの光軸と参照ビームの光軸との位置関係に少なくとも起因する前記反射面上の基準点の位置計測誤差とこれに対応する前記非走査方向に関する前記第1ステージの位置との関係を示す相関情報とに基づいて前記駆動系を制御する制御装置と;を備える第1の露光装置である。
これによれば、第1計測系が、光波干渉式測長器から第1ステージに設けられた反射面に測定ビームを照射して第1ステージの走査方向に関する位置情報を計測するとともに、計測装置を用いて第1ステージの非走査方向に関する位置情報を計測する。一方、第2計測系は、第2ステージの少なくとも走査方向に関する位置情報を計測する。そして、制御装置が、第1及び第2計測系の計測結果と、光波干渉式測長器の測定ビームの光軸と参照ビームの光軸との位置関係に少なくとも起因する前記反射面上の基準点の位置計測誤差とこれに対応する前記非走査方向に関する第1ステージの位置との関係を示す相関情報とに基づいて前記駆動系を制御する。すなわち、第1ステージの非走査方向の位置に応じた光波干渉式測長器の光軸ずれ(計測光軸の基準光軸に対するずれ)に起因する第1ステージの走査方向の位置計測誤差を考慮して、制御装置により駆動系を介して第1ステージと第2ステージとの同期制御、すなわちマスクと感光物体の同期制御が精度良く行われる。これにより、マスクと感光物体との同期精度の向上や同期整定時間の短縮などが可能となり、高精度な露光を走査露光方式により実現してマスクのパターンを感光物体上に精度良く転写することが可能となる。
この場合において、前記制御装置は、前記相関情報と前記第1ステージの前記非走査方向に関する位置情報とを用いて、前記光波干渉式測長器による前記第1ステージの計測誤差に起因する前記マスクと前記感光物体との前記走査方向に関する相対的な位置誤差を補正することとすることができる。
本発明の第1の露光装置では、前記制御装置は、前記相関情報と前記第1ステージの前記非走査方向に関する位置情報とに基づいて、前記光波干渉式測長器による前記第1ステージの計測誤差に関する情報を算出し、前記第1ステージの前記走査方向への移動時に前記算出された情報を用いることとすることができる。あるいは、前記制御装置は、前記相関情報と前記第1ステージの前記非走査方向に関する位置情報とに基づいて、前記光波干渉式測長器による計測誤差を補正した前記第1ステージの前記走査方向に関する位置情報を算出し、前記第1ステージの前記走査方向への移動時に前記算出された情報を用いることとすることもできる。
本発明の第1の露光装置では、前記相関情報は、前記制御装置が前記光波干渉式測長器の出力に基づいて前記第1ステージの前記走査方向の位置を検出しつつ、前記駆動系を介して前記第1ステージを前記非走査方向に移動し、前記非走査方向の複数の位置でそれぞれ得られる前記反射面上の基準点の位置計測誤差に基づいて予め作成されたものであることとすることができる。
この場合において、前記制御装置は、前記相関情報の作成時に前記駆動系を介して前記第1ステージの移動を制御するとともに、前記作成された相関情報を記憶する記憶装置を含むこととすることができる。
本発明の第1の露光装置では、前記第1ステージの一部に設けられた計測マークと基準物体上に設けられた基準マークとの位置関係を計測するマーク計測系を更に備える場合には、前記マーク計測系の計測結果に基づいて得られた前記反射面上の基準点の位置計測誤差に基づいて前記相関情報を予め作成することとすることができる。
本発明の第1の露光装置では、前記相関情報は、前記非走査方向の位置毎に求められた前記反射面上の基準点の位置計測誤差を用いて作成されたテーブルデータであることとすることができる。
この場合において、前記制御装置は、前記計測された前記第1ステージの前記非走査方向に関する位置情報に応じて前記相関情報中の前記非走査方向の位置毎の前記位置計測誤差を所定の補間演算により補間した演算結果を用いて前記光波干渉式測長器の計測誤差を算出することとすることができる。
本発明の第1の露光装置では、前記相関情報は、前記非走査方向の位置毎に求められた前記反射面上の基準点の位置計測誤差を所定の座標系上にプロットした各プロット点のデータに基づいて算出した関数のデータであることとすることができる。
本発明の第1の露光装置では、前記相関情報の作成の際に、前記制御装置は、前記第1ステージを、前記光波干渉式測長器の出力に基づいて前記走査方向に関して所定位置に実質的に維持しつつ、前記非走査方向に移動することとすることができる。
本発明の第1の露光装置では、前記制御装置は、前記第1ステージの姿勢を更に考慮して前記位置計測誤差を算出することとすることができる。
本発明の第1の露光装置では、前記相関情報に含まれる前記位置計測誤差は、前記測定ビームに発生する波面収差に更に起因するものであることとすることができる。
本発明の第1の露光装置では、前記反射面は、中空レトロリフレクタの反射面であることとすることができる。
本発明は、第5の観点からすると、第1物体と第2物体とを同期移動して前記第1物体のパターンを前記第2物体上に転写する露光装置であって、前記第1物体を保持する第1可動体と、前記第2物体を保持する第2可動体と、前記第1及び第2可動体をそれぞれ独立に駆動する駆動系とを有するステージ系と;前記第1可動体に設けられるレトロリフレクタに測定ビームを照射して前記第1物体が同期移動される走査方向に関する前記第1可動体の位置情報を計測する第1干渉計システムと;前記第2可動体の位置情報を計測する第2干渉計システムと;前記第1及び第2干渉計システムの計測結果と、前記レトロリフレクタに起因する前記第1可動体の位置計測に関する誤差情報とに基づいて前記駆動系を制御する制御装置と;を備える第2の露光装置である。
これによれば、制御装置により、第1及び第2干渉計システムの計測結果と、レトロリフレクタに起因する第1可動体の位置計測に関する誤差情報(例えば、レトロリフレクタの計測直交方向の位置変化に伴う基準光軸に対する計測光軸の光軸ずれに起因する第1可動体の位置計測に関する誤差情報)とに基づいて駆動系が制御される。すなわち、上記のレトロリフレクタに起因する第1可動体の位置計測に関する誤差情報を考慮して、制御装置により駆動系を介して第1可動体と第2可動体との同期制御が精度良く行われる。これにより、第1物体と第2物体との同期精度の向上や同期整定時間の短縮などが可能となり、高精度な露光を走査露光方式により実現して第1物体のパターンを第2物体上に精度良く転写することが可能となる。
この場合において、前記制御装置は、前記走査方向と直交する非走査方向に関する前記第1可動体の位置に応じて異なる誤差情報を用いて前記駆動系を制御することとすることができる。
また、リソグラフィ工程において、本発明の露光方法を用いてマイクロデバイスのパターンを感光物体上に転写することにより、感光物体上にパターンを精度良く形成することができ、これにより、より高集積度のマイクロデバイスを歩留まり良く製造することができる。また、リソグラフィ工程において、本発明の第1、第2の露光装置のいずれかを用いて露光を行うことにより、感光物体上にパターンを精度良く形成することができ、これにより、より高集積度のマイクロデバイスを歩留まり良く製造することができる。従って、本発明は、更に別の観点からすると、本発明の露光方法、本発明の第1、第2の露光装置のいずれかを用いるデバイス製造方法であるとも言える。
図1は、本発明の一実施形態の露光装置の構成を示す図である。
図2は、図1のレチクルステージ、該レチクルステージの位置を計測するレチクル干渉計、及びレチクルR又はレチクル基準板RFM上のマークと基準マーク板FM上の基準マークとの同時計測を行うためのレチクルアライメント系などの構成部分を取り出して示す斜視図である。
図3Aは、基準マーク板FM上の基準マークWM、WMの配置を示す平面図であり、図3Bは、レチクル基準板RFM上の計測マークの配置を示す平面図である。
図4は、レチクルY干渉計の計測誤差の補正のための相関情報の作成時の主制御装置(内部のCPU)の処理アルゴリズムを示すフローチャートである。
図5A、図5C、図5E、図5G及び図5Iは、一方のレチクルアライメント系RAによって計測されたマーク画像、及び該画像に基づいて求められる一方のレチクルY干渉計の計測誤差を示す図、図5B、図5D、図5F、図5H及び図5Jは、他方のレチクルアライメント系RAによって計測されたマーク画像、及び該画像に基づいて求められる他方のレチクルY干渉計の計測誤差を示す図である。
図6Aは、直交座標系上にプロットされた一方のレチクルY干渉計の計測誤差に対応する複数の点及びこれらの点の近似曲線を示す図、図6Bは、直交座標系上にプロットされた他方のレチクルY干渉計の計測誤差に対応する複数の点及びこれらの点の近似曲線を示す図である。
図7は、本発明のデバイス製造方法の実施形態を説明するためのフローチャートである。
図8は、図7のステップ204の詳細例を示すフローチャートである。
図9A及び図9Bは、参照ビームと測定ビームとの間の光軸ずれと波面収差との相互作用により、測定誤差が生じる原理を説明するための図である。
図10A及び図10Bは、移動鏡(移動体)の計測直交方向の移動により、参照ビームと測定ビームとの間の光軸ずれが生じる原理を説明するための図である。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図6Bに基づいて説明する。図1には、本発明の位置計測方法、位置制御方法及び露光方法を実施するのに好適な一実施形態に係る露光装置100の概略的な構成が示されている。この露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光装置、すなわちいわゆるスキャニング・ステッパである。
この露光装置100は、光源及び照明光学系を含む照明系10、マスクとしてのレチクルRを保持する第1ステージ(第1移動体、移動体)としてのレチクルステージRST、投影光学系PL、感光物体としてのウエハWを保持してXY平面内を自在に移動可能な第2ステージ(第2移動体)としてのウエハステージWST、及び投影光学系PLなどが搭載されたボディBD等を備えている。
前記照明系10は、不図示の光源と、ビーム整形光学系、エネルギ粗調器、オプティカルインテグレータ(フライアイレンズ、ロッド型(内面反射型)インテグレータ、あるいは回折光学素子など)、照明系開口絞り板、ビームスプリッタ、リレー光学系、固定レチクルブラインド及び可動レチクルブラインド(いずれも図示省略)等を含む照明光学系とを備えている。この照明系10は、レチクルステージRST上に保持されたレチクルR上でX軸方向に細長く延びる矩形(例えば長方形)スリット状の照明領域IAR(前記固定レチクルブラインドの開口で規定される)を均一な照度分布で照明する。本実施形態と同様の照明系の構成は、例えば特開平6−349701号公報及びこれに対応する米国特許第5,534,970号、特開2000−260682号公報などに詳細に開示されている。本国際出願で指定した指定国又は選択した選択国の国内法令が許す限りにおいて、上記米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
前記光源としては、KrFエキシマレーザ(発振波長248nm)、ArFエキシマレーザ(発振波長193nm)あるいはFレーザ(発振波長157nm)等が使用される。この光源は、実際には、露光装置本体が設置されるクリーンルーム内の床面F、あるいは該クリーンルームとは別のクリーン度の低い部屋(サービスルーム)等に設置され、不図示の引き回し光学系を介して前述の照明光学系の入射端に接続されている。
前記レチクルステージRSTは、後述する第2コラム34の天板部を構成するレチクルベース36の上面の上方にその底面に設けられた不図示のエアベアリングなどによって例えば数μm程度のクリアランスを介して浮上支持されている。このレチクルステージRST上には、レチクルRが、例えば真空吸着(又は静電吸着)により固定されている。レチクルステージRSTは、ここでは、リニアモータ等を含むレチクルステージ駆動部12により、後述する投影光学系PLの光軸AXに垂直なXY平面内で2次元的に(X軸方向、Y軸方向及びXY平面に直交するZ軸回りの回転方向(θz方向)に)微少駆動可能であるとともに、レチクルベース36上をY軸方向に指定された走査速度で駆動可能となっている。
ここで、実際には、レチクルステージRSTは、リニアモータによりレチクルベース36上をY軸方向に所定ストローク範囲で駆動可能なレチクル粗動ステージと、該レチクル粗動ステージに対して少なくとも3つのボイスコイルモータなどのアクチュエータによりX軸方向、Y軸方向及びθz方向に微小駆動可能なレチクル微動ステージとによって構成されるが、図1及び図2等では、レチクルステージRSTが単一のステージとして示されている。従って、以下の説明においても、レチクルステージRSTはレチクルステージ駆動部12により前述の如くX軸方向、Y軸方向及びθz方向に微少駆動可能であるとともに、Y軸方向に走査駆動が可能な単一のステージであるものとして説明する。
レチクルステージRSTは、レチクルRの全面が少なくとも投影光学系PLの光軸AXを横切ることができるだけのY軸方向の移動ストロークを有している。本実施形態の場合、前述のリニアモータの可動子はレチクルステージRSTのX軸方向の一側と他側(図1における紙面手前側と奥側)の面にそれぞれ取り付けられ、これらの可動子にそれぞれ対応する固定子は、ボディBDとは別に設けられた不図示の支持部材によってそれぞれ支持されている。このため、レチクルステージRSTの駆動の際にリニアモータの固定子に作用する反力は、それらの支持部材を介してクリーンルームの床面Fに伝達される(逃がされる)ようになっている。なお、レチクルステージ駆動部12は、前述の如く、リニアモータ、ボイスコイルモータなどのアクチュエータを含んで構成されるが、図1では図示の便宜上から単なるブロックとして示されている。
なお、本実施形態ではボディBDと別に設けられた支持部材を介して反力を逃がすリアクションフレーム構造を採用するものとしたが、このような構成は、例えば特開平8−330224号公報及びこれに対応する米国特許第5,874,820号などに開示されており、本国際出願で指定した指定国又は選択した選択国の国内法令が許す限りにおいて、上記公報及び米国特許出願における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
但し、上記のリアクションフレーム構造に限らず、レチクルステージRSTの移動時にその反力を相殺するカウンターマスを有する、運動量保存則を利用したカウンターマス構造を採用しても構わない。かかる運動量保存則を利用した反力キャンセル機構は、特開平8−63231号公報及びこれに対応する米国特許第6,255,796号などに詳細に開示されている。なお、本国際出願で指定した指定国又は選択した選択国の国内法令が許す限りにおいて、上記公報及び米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
レチクルステージRSTのY軸方向−側(+Y側)の端部上面には、レチクルベース36に固定された第1計測系としてのレチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)13からのレーザビームを反射する移動鏡15が固定されており、レチクルステージRSTのXY面内の位置(Z軸回りの回転方向であるθz方向の回転を含む)はレチクル干渉計13によって、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。ここで、実際には、レチクルステージRST上面には、図2に示されるように、そのY軸方向−側(+Y側)の端部に中空レトロリフレクタから成る一対のY軸移動鏡15y、15yがX軸方向に所定間隔を隔てて固定され、そのX軸方向の−側(+X側)の端部にX軸方向に直交する反射面を有する平面鏡から成るX軸移動鏡15xが固定されている。また、これらの移動鏡15y、15y及び15xに個別に対応して一対の光波干渉式測長器としてのレーザ干渉計から成るレチクルY干渉計13y、13y及び計測装置としてのレチクルX干渉計13xが設けられている。このように、レチクル干渉計及び移動鏡はそれぞれ複数設けられているが、図1ではこれらが代表的に移動鏡15、レチクル干渉計13として示されている。また、実際には移動鏡15x、15y、15yはレチクル微動ステージに設けられている。なお、例えば、レチクルステージRSTの+X側の端面を鏡面加工して反射面(移動鏡15xの反射面に相当)を形成しても良い。
前記一方のレチクルY干渉計13yとしては、シングルパス方式のレーザ干渉計が用いられている。このレチクルY干渉計13yは、例えば光源としてゼーマン効果を利用した2周波レーザが用いられ、その内部には偏光ビームスプリッタ、1/4波長板、偏光子、光電変換素子などを有する、ヘテロダイン・レーザ干渉計が用いられている。上記の2周波レーザは、例えば2〜3MHzだけ周波数が異なり、かつ偏光方向が互いに直交する2成分を含むレーザ光、より具体的には垂直と水平の2つの直交する偏光成分で波長が異なり、ガウス分布の円形ビームを出力する。このうち、垂直偏光成分(V成分)が偏光ビームスプリッタを透過して測定パスを通る測定ビームMaになり、水平偏光成分(H成分)が偏光ビームスプリッタで反射されて参照パスを通る参照ビームRaとなる。勿論これらの測定ビームMa、参照ビームRaは、干渉計13yから射出される直前に1/4波長板をそれぞれ透過する際に円偏光に変換される。例えば測定ビームMaは、前述した図10Aにも示されるように、移動鏡15yの第1反射面、第2反射面を順次介してレチクルY干渉計13yに戻り、内部の光学系及び偏光子に入射する。一方、参照ビームRaは、図2に示されるように、投影光学系PLの鏡筒の側面に固定された中空レトロリフレクタから成る参照鏡14yの第1反射面、第2反射面を順次介してレチクルY干渉計13yに戻り、内部の光学系及び偏光子に入射する。この場合、偏光子は、H成分、V成分に対して偏光角が45°の方向になるように設定されており、これによって両成分、すなわち測定ビームMa、参照ビームRaの戻り光束の干渉光を光電変換素子に与えるようになっている。光電変換素子は、両成分の干渉光を光電変換し、その電気信号(干渉信号)を不図示の信号処理系に与えるようになっている。この場合、移動鏡15yの移動によって測定ビームの位相が参照ビームの位相に対してドップラーシフトし、位相変化が生じる。信号処理系では、参照ビームと測定ビームの位相差をヘテロダイン検出することによって、移動鏡15yの移動距離、すなわち移動鏡15y(より正確には、該移動鏡15yの基準点、すなわち移動鏡15yを構成する中空レトロリフレクタの頂点)の参照鏡14yの位置を基準とする位置あるいは位置変化を検出する。この信号処理は、ヘテロダイン干渉計に関して周知の方法が用いられる。
他方のレチクルY干渉計13yは、上記レチクルY干渉計13yと同様に構成され、この干渉計13yからの測定ビームMb、参照ビームRbがそれぞれ図2に示される中空レトロリフレクタから成る移動鏡15y、参照鏡14yにそれぞれ照射され、これらの反射光(戻り光)の干渉信号が上述と同様にしてレチクルY干渉計13y内部の光電変換素子で光電検出され、信号処理系によって参照ビームと測定ビームの位相差をヘテロダイン検出することによって、移動鏡15y(より正確には、該移動鏡15yの基準点、すなわち移動鏡15yを構成する中空レトロリフレクタの頂点)の参照鏡14yの位置を基準とする位置あるいは位置変化が検出されるようになっている。
従って、レチクルY干渉計13y、13yの計測値の少なくとも一方(例えば、両計測値の平均値など)に基づいて、レチクルステージRSTのY軸方向の位置を計測することができるとともに、それらの計測値の差と計測軸相互間の距離とに基づいてレチクルステージRSTのθz方向の回転も計測(算出)できるようになっている。
また、レチクルX干渉計13xとしては、上記各干渉計13y、13yと同様のヘテロダイン干渉計が用いられている。このレチクルX干渉計13xからの測定ビーム、参照ビームが図2に示されるX移動鏡15x、平面ミラーから成る参照鏡14xにそれぞれ照射され、これらの反射光(戻り光)の干渉信号が上述と同様にしてレチクルX干渉計13x内部の光電変換素子で光電検出され、信号処理系によって参照ビームと測定ビームの位相差をヘテロダイン検出が行われ、参照鏡14xの位置を基準とする位置あるいは位置変化が検出されるようになっている。このレチクルX干渉計13xの計測値に基づいてレチクルステージRSTのX軸方向の位置が計測される。
上述のレチクルY干渉計13y、13y及びレチクルX干渉計13xからのレチクルステージRSTの位置情報は、主制御装置20に送られ、主制御装置20ではそのレチクルステージRSTの位置情報に基づいてレチクルステージ駆動部12を介してレチクルステージRSTを制御する。
また、レチクルステージRST上面の−Y方向の端部には、レチクルと同材質のガラス素材から成る固定のマーク板、すなわちレチクルフィデューシャルマーク板(以下、「レチクル基準板」と呼ぶ)RFMがX軸方向に沿って延設されている。このレチクル基準板RFM上には、図2に示されるように、前述の一対のY軸移動鏡15y、15yにそれぞれほぼ対向する位置に、X軸方向に沿って所定ピッチで配置された少なくとも各3つの基準マークの組がそれぞれ形成されている。本実施形態では、図3Bに示されるように、例えばレチクル基準板RFMの+X側、−X側それぞれの領域内に各5つ配置されているものとする。具体的には、+X側の領域に計測マークRM11〜RM15が配置され、−X側の領域に計測マークRM21〜RM25が配置されているものとする。計測マークRM11〜RM15及びRM21〜RM25としては、十字マークが用いられている。この場合、基準マーク間のピッチpは、例えば数100μm〜1mm程度であり、相互に対を成す計測マークRM1iとRM2i(i=1〜5)との間隔4Dは、例えば100〜150mm程度となっているものとする。
前記投影光学系PLは、レチクルステージRSTの図1における下方でボディBDを構成する第1コラム32に保持されている。ここで、ボディBDの構成について説明する。
ボディBDは、クリーンルームの床面(又はフレームの上面)F上に設置された第1コラム32と、この第1コラム32の上面に載置された第2コラム34とを備えている。第1コラム32は、3本の脚部37A〜37C(但し、図1における紙面奥側の脚部37Cは図示省略)と、これらの脚部37A〜37Cの上端面がその下端面にそれぞれ接続されるとともに、第1コラム32の天井部を構成する鏡筒定盤38とを備えている。
脚部37A〜37Cのそれぞれは、床面に設置された防振ユニット39と、この防振ユニット39の上部に固定された支柱40とを備えている。各防振ユニット39によって、床面Fからの微振動がマイクロGレベルで絶縁され、鏡筒定盤38に殆ど伝達されないようになっている。鏡筒定盤38は、そのほぼ中央部に、不図示の円形開口が形成され、この開口内に投影光学系PLがその光軸AX方向をZ軸方向として上方から挿入されている。
投影光学系PLの鏡筒には、フランジFLGが設けられ、該フランジFLGを介して投影光学系PLが鏡筒定盤38によって支持されている。鏡筒定盤38の上面には、投影光学系PLを取り囲む位置に、例えば3本の脚41A〜41C(但し、図1における紙面奥側の脚41Cは図示省略)の下端が固定されており、これらの脚41A〜41Cの上部に前述のレチクルベース36が載置され、水平に支持されている。すなわち、レチクルベース36とこれを支持する3本の脚41A〜41Cとによって第2コラム34が構成されている。
前記投影光学系PLとしては、ここでは両側テレセントリックな縮小系であり、光軸AX方向に沿って所定間隔で配置された複数枚のレンズエレメントから成る屈折光学系が使用されている。この投影光学系PLとしては投影倍率βが、一例として1/4の縮小光学系が用いられている。このため、照明系10からの照明光ILによってレチクルR上のスリット状照明領域IARが照明されると、このレチクルRを通過した照明光ILにより、そのスリット状照明領域IAR内のレチクルRの回路パターンの投影光学系PLを介した縮小像(部分倒立像)が表面にフォトレジストが塗布されたウエハW上の前記照明領域IARに共役な露光領域IAに形成される。
前記ウエハステージWSTは、実際にはXY2次元面内で移動するXYステージと、該XYステージ上に搭載されたウエハテーブルとを含んで構成されている。この場合、XYステージは、リニアモータあるいは平面モータ等の不図示の駆動系によってXY2次元面内(θz回転を含む)でステージベース16上面に沿って自在に駆動されるようになっている。
ウエハテーブルは、XYステージ上に配置されたボイスコイルモータなどのアクチュエータを含む不図示の駆動系によって光軸AX方向(Z軸方向)及び光軸に直交する面(XY面)に対する傾斜方向、すなわちX軸回りの回転方向であるθx方向、Y軸回りの回転方向であるθy方向に駆動される。
ウエハテーブル上に、不図示のウエハホルダを介してウエハWが真空吸着(又は静電吸着)によって保持されている。
このようにウエハステージWSTは、実際には複数の構成部分を含んで構成されるが、以下では、便宜上、ウエハステージWSTは、主制御装置20によって制御されるウエハステージ駆動部28によってX、Y、Z、θx、θy、θzの6自由度方向に自在に駆動される単一のステージであるものとして説明する。なお、ウエハステージ駆動部28はリニアモータあるいは平面モータ、ボイスコイルモータなどを含んで構成されるが、図1では図示の便宜上から単なるブロックとして示されている。また、例えばウエハテーブルをXYステージに対して少なくともX軸及びY軸方向に微動可能とすることで、ウエハステージWSTを粗微動ステージとしても良い。
前記ステージベース16は、定盤とも呼ばれ、本実施形態では、床面F上に複数の防振台43を介して設置されている。すなわち、ステージベース16は、投影光学系PL等を保持するボディBDとは分離された構成となっている。
ウエハステージWST(正確にはウエハテーブル)上には、第2計測系としてのウエハレーザ干渉計(以下、「ウエハ干渉計」という)31からのレーザビームを反射する移動鏡27が固定され、ボディBDに固定されたウエハ干渉計31により、ウエハステージWSTのXY面内の位置が例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出されている。
ここで、実際には、ウエハステージWST(正確には前述のウエハテーブル)上には、走査露光時の走査方向であるY軸方向に直交する反射面を有する移動鏡と非走査方向であるX軸方向に直交する反射面を有する移動鏡とが設けられ、これに対応してレーザ干渉計もX軸方向位置計測用のXレーザ干渉計とY軸方向位置計測用のYレーザ干渉計とが設けられているが、図1ではこれらが代表して移動鏡27、ウエハ干渉計31として図示されている。なお、例えば、ウエハステージWSTの端面を鏡面加工して反射面(移動鏡27の反射面に相当)を形成しても良い。また、Xレーザ干渉計及びYレーザ干渉計は測長軸を複数有する多軸干渉計であり、ウエハテーブルのX、Y位置の他、回転(ヨーイング(Z軸回りの回転であるθz回転)、ピッチング(X軸回りの回転であるθx回転)、ローリング(Y軸回りの回転であるθy回転))も計測可能となっている。従って、以下の説明ではウエハ干渉計31によって、ウエハステージWSTのX、Y、θz、θy、θxの5自由度方向の位置が計測されるものとする。また、多軸干渉計は45°傾いてウエハステージWSTに設置される反射面を介して、投影光学系PLが載置されるボディBDに設置される不図示の反射面にレーザビームを照射し、投影光学系PLの光軸方向(Z軸方向)に関する相対位置情報を検出するようにしても良い。
ウエハステージWSTの位置情報(又は速度情報)は主制御装置20に送られ、主制御装置20では前記位置情報(又は速度情報)に基づいて不図示のウエハステージ駆動部28を介してウエハステージWSTを制御する。
ウエハステージWST上には、基準マーク板FMが固定されている。この基準マーク板FMの表面は、ウエハステージWSTに保持されたウエハWの表面とほぼ同一の高さとされている。この基準マーク板FM表面には、前述した計測マークRM11〜RM15、RM21〜RM25に対応する一対の基準マークWM、WM、後述するアライメント系のベースライン計測用の基準マークなどを含む多数の基準マークが形成されている。基準マークWM、WMは、図3Aに示されるように間隔DでX軸方向に並んで基準マーク板FM上に配置されている。これらの基準マークWM、WMとしては、ここではボックスマークが用いられている。なお、これら多数の基準マークの少なくとも一部をウエハステージWST(例えばウエハテーブルなど)に直接形成しても良い。
さらに、レチクルステージRSTの上方には、例えば特開平7−176468号公報及びこれに対応する米国特許第5,646,413号などに詳細に開示されるように、CCD等の撮像素子を有し、露光波長の光(本実施形態では照明光IL)をアライメント用照明光とする画像処理方式の一対のレチクルアライメント系RA,RA(但し図1においては紙面奥側のレチクルアライメント系RAは図示省略、図2参照)が配置されている。この場合、一対のレチクルアライメント系RA,RAは、投影光学系PLの光軸AXを含むYZ平面に関して対称(左右対称)な配置で設置されている。また、この一対のレチクルアライメント系RA,RAは光軸AXを通るXZ面内でX軸方向に往復移動が可能な構造となっている。本国際出願で指定した指定国又は選択した選択国の国内法令が許す限りにおいて、上記公報並びにこれに対応する上記米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
通常、一対のレチクルアライメント系RA,RAは、レチクルRがレチクルステージRST上に載置された状態で、レチクルRの遮光帯の外側に配置された一対のレチクルアライメントマークをそれぞれ観察可能な位置に設定されている。この一対のレチクルアライメントマークは、X軸方向に間隔4Dで配置される。
さらに、本実施形態の露光装置100では、図示は省略されているが、主制御装置20によってオンオフが制御される光源を有し、ウエハWの光軸AX方向(Z軸方向)に関する位置及びXY面に対する傾斜を検出する斜入射方式の多点焦点位置検出系(以下、適宜「多点AF系」と呼ぶ)が設けられている。本実施形態の多点AF系と同様の多点AF系は、例えば特開平6−283403号公報及びこれに対応する米国特許第5,448,332号などに詳細に開示されている。
なお、主制御装置20では、後述する走査露光時等に、多点AF系からのフォーカス信号FSに基づいてウエハステージ駆動部28を介してウエハステージWSTのZ軸方向への移動に加え、2次元的な傾斜(すなわち、θx,θy方向の回転)をも制御する、すなわち多点AF系を用いてウエハステージWSTの移動を制御することにより、照明光ILの照射領域(照明領域IARと共役な領域)内で投影光学系PLの結像面とウエハWの表面とを実質的に合致させるオートフォーカス(自動焦点合わせ)及びオートレベリングを実行する。本国際出願で指定した指定国又は選択した選択国の国内法令が許す限りにおいて、上記公報及び米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
さらに、本実施形態の露光装置では、図示は省略されているが、ウエハW上のアライメントマーク(位置合わせマーク)、基準マーク板FM上の基準マークなどを検出するオフアクシス・アライメント系が投影光学系PLの鏡筒の側面に配置されている。このアライメント系としては、例えばウエハW上のレジストを感光させないブロードバンドな検出光束を対象マークに照射し、その対象マークからの反射光により受光面に結像された対象マークの像と不図示の指標の像とを撮像素子(CCD等)を用いて撮像し、それらの撮像信号を出力する画像処理方式のFIA(Field Image Alignment)系のセンサが用いられる。なお、FIA系に限らず、コヒーレントな検出光を対象マークに照射し、その対象マークから発生する散乱光又は回折光を検出したり、その対象マークから発生する2つの回折光(例えば同次数)を干渉させて検出するアライメントセンサを単独であるいは適宜組み合わせて用いることは勿論可能である。
前記主制御装置20は、ワークステーション(又はマイクロコンピュータ)などから成り、この主制御装置20には、図1に示されるように、ハードディスクなどから成る記憶装置51、及びキーボード、マウス等のポインティングデバイスや、CRT又は液晶パネル等のディスプレイを備えた入出力装置30が併設されている。記憶装置51には、前述のレチクルY干渉計13y、13yそれぞれの測定ビームMa,Mbの光軸と、これらに個別に対応する参照ビームRa,Rbの光軸との位置関係に少なくとも起因する移動鏡15y、15yの基準点の位置計測誤差とこれに対応する非走査方向に関するレチクルステージRSTの位置との関係を示す相関情報が記憶されている。
ここで、この相関情報の作成方法について主制御装置20(内部のCPU)の処理アルゴリズムを示す図4のフローチャートに沿って、かつ適宜他の図面を参照しつつ説明する。
この図4のフローチャート(対応する処理アルゴリズム)は、オペレータにより入出力装置30を介して計測開始の指令が入力されたときにスタートする。
まず、ステップ102において、計測対象となる一対の計測マークのマーク番号を示すカウンタnを1に初期化する(n←1)。
次のステップ104で、ウエハ干渉計31の計測値をモニタしつつ一対の基準マークWM、WMの設計値に基づいてウエハステージ駆動部28を制御し、ウエハステージWSTを計測位置に移動する。ここで、計測位置とは、一対の基準マークWM、WM間の中点が投影光学系PLの光軸にほぼ一致する位置であり、前述の一対のレチクルアライメント系RA、RAが通常位置にあるときに、レチクルアライメント系RA、RAの検出視野内に基準マークWM、WMが位置する位置である。
次のステップ106では、一対のレチクルY干渉計13y、13yの計測値をモニタしつつ、レチクルステージRSTのθ回転誤差=0に保持し、かつY軸方向の位置(Y位置)を所定位置に保ちつつ、レチクルX干渉計13xの計測値に基づいてn番目(ここでは、1番目)の一対の計測マークRM1n、RM2n(この場合RM11、RM21)がレチクルアライメント系RA、RAの検出視野内に位置するように、レチクルステージ駆動部12を介してレチクルステージRSTを移動する。
次のステップ108では、一対のレチクルアライメント系RA、RAを用いて、一対の計測マークRM1n、RM2n(この場合RM11、RM21)と対応する基準マークWM、WMの像を同時計測する。この場合、計測マークRM1nの像RM1n’と基準マークWMの像WM’とがレチクルアライメント系RAで同時計測され、計測マークRM2nの像RM2n’と基準マークWMの像WM’とがレチクルアライメント系RAで同時計測される。ここでは、一例として、図5Aに示される、計測マークRM11の像RM11’と基準マークWMの像WM’とが、レチクルアライメント系RAで計測され、図5Bに示される計測マークRM21の像RM21’と基準マークWMの像WM’とが、レチクルアライメント系RAで計測される。
次のステップ110では、上記ステップ108の計測結果に基づいて基準マークの像WM’に対する計測マークの像RM1n’の位置ずれ量Δy1n、及び基準マークの像WM’に対する計測マークの像RM2n’の位置ずれ量Δy2nを算出し、その算出結果をRAMなどのメモリに記憶する。この場合、図5AのΔy11、図5BのΔy21が算出される。
次のステップ112では、上記ステップ110で算出した、位置ずれ量Δy1nに対応する点P1n(Δy1n、x)及び位置ずれ量Δy2nに対応する点P2n(Δy2n、x)を、横軸をレチクルステージRSTのX軸方向の位置(X位置)とする座標系上にプロットする。この場合、図6Aに示される座標系上に点P11、図6Bに示される座標系上に点P21がプロットされる。
次のステップ114では、カウンタnのカウント値nが計測すべきマーク総数の1/2であるN(ここでは、N=5)以上であるか否かを判断し、この判断が否定された場合には、ステップ116に進んでカウンタnを1インクリメントする(n←n+1)。その後、ステップ106に戻り、以降ステップ106→108→110→112→114→116のループの処理を、ステップ114における判断が肯定されるまで繰り返す。これにより、n=2〜5のそれぞれのときに以下のような処理が行われる。
<n=2のとき>
この場合、ステップ108で、図5Cに示される、計測マークRM12の像RM12’と基準マークWMの像WM’とが、レチクルアライメント系RAで計測され、図5Dに示される計測マークRM22の像RM22’と基準マークWMの像WM’とが、レチクルアライメント系RAで計測される。また、ステップ110で、図5CのΔy12、図5DのΔy22が算出される。また、ステップ112では、図6Aに示される座標系上に点P12が、図6Bに示される座標系上に点P22がそれぞれプロットされる。
<n=3のとき>
この場合、ステップ108で、図5Eに示される、計測マークRM13の像RM13’と基準マークWMの像WM’とが、レチクルアライメント系RAで計測され、図5Fに示される計測マークRM23の像RM23’と基準マークWMの像WM’とが、レチクルアライメント系RAで計測される。また、ステップ110で、図5EのΔy13、図5FのΔy23が算出される。また、ステップ112では、図6Aに示される座標系上に点P13が、図6Bに示される座標系上に点P23がそれぞれプロットされる。
<n=4のとき>
この場合、ステップ108で、図5Gに示される、計測マークRM14の像RM14’と基準マークWMの像WM’とが、レチクルアライメント系RAで計測され、図5Hに示される計測マークRM24の像RM24’と基準マークWMの像WM’とが、レチクルアライメント系RAで計測される。また、ステップ110で、図5GのΔy14、図5HのΔy24が算出される。また、ステップ112では、図6Aに示される座標系上に点P14が、図6Bに示される座標系上に点P24がそれぞれプロットされる。
<n=N=5のとき>
この場合、ステップ108で、図51に示される、計測マークRM15の像RM15’と基準マークWMの像WM’とが、レチクルアライメント系RAで計測され、図5Jに示される計測マークRM25の像RM25’と基準マークWMの像WM’とが、レチクルアライメント系RA2で計測される。また、ステップ110で、図51のΔy15、図5JのΔy25が算出される。また、ステップ112では、図6Aに示される座標系上に点P15が、図6Bに示される座標系上に点P25がそれぞれプロットされる。
このようにして、n=N=5のときに、ステップ112の処理が終了すると、ステップ114における判断が肯定され、ステップ118に移行する。このステップ118では、離散点P11〜P15、及びP21〜P25をそれぞれ用いて統計演算、例えば最小自乗演算により近似曲線y=f(x)、y=f(x)をそれぞれ求め、前述の相関情報としてRAM等のメモリ又は記憶装置51内に記憶した後、本ルーチンの一連の処理を終了する。この結果図6A中の曲線y=f(x)、図6B中のy=f(x)が記憶される。なお、上記の統計演算として、最小自乗演算に代えて、適宜な補間演算、例えばスプライン法により、前述の離散データ間を連続的に補間して関数を求め、この関数を上記相関情報としても良い。
なお、上記のような関数に限らず、例えばn=1からn=Nのそれぞれの場合で、上記ステップ112において、上記点P1n、P2nの座標値をRAM等のメモリ内に順次記憶してテーブルデータ(補正マップ)を作成し、このテーブルデータを上記相関情報としても良い。
上述のようにして作成された相関情報(関数y=f(x)、y=f(x)又は補正マップ)が、図1の記憶装置51内に記憶されている。
上述の相関情報の作成工程の説明から明らかなように、上記の相関情報(関数y=f(x)、y=f(x)又は補正マップ)は、レチクルY干渉計13y、13yそれぞれの計測誤差の情報に他ならない。その理由は、上記のマーク計測に際して、レチクルY干渉計13y、13yの計測値に基づいて、すなわち該計測値を信用してレチクルステージRSTのY位置を所定値に保った状態で、X軸方向にピッチpでステップ移動しつつ、ステップ位置毎に、一対の計測マークRM1n、RM2nの対応する基準マークWM、WMに対するY軸方向の位置ずれ量Δy1n、Δy2nを計測している。この場合、仮にレチクルY干渉計13y、13yに計測誤差がないものとすると、計測マークRM1nの中心と基準マークWMの中心とは一致し、かつ計測マークRM2nの中心は基準マークWMの中心に一致し、位置ずれ量Δy1n、Δy2nは全て零になる筈である。しかし、現実には、レチクルY干渉計13y、13yそれぞれの計測誤差分だけ、それぞれのレチクルY干渉計の計測ビームによる計測基準点、本実施形態の移動鏡15y、15yの頂点の位置がY軸方向に位置ずれするようにレチクルステージRSTの位置姿勢が理想状態から変化する(この場合レチクルステージRSTはθz回転誤差を持つことになる)結果、上記の位置ずれ量13y、13yが計測されているからである。
次に、本実施形態の露光装置100における露光工程の動作について簡単に説明する。
まず、不図示のレチクル搬送系によりレチクルRが搬送され、ローディングポジションにあるレチクルステージRSTに吸着保持される。次いで、主制御装置20により、ウエハステージWST及びレチクルステージRSTの位置が制御され、レチクルR上に形成された少なくとも一対のレチクルアライメントマークと対応する基準マーク板FM上のレチクルアライメント用基準マークとの相対位置計測が前述の一対のレチクルアライメント系RA、RAによって行われ、その相対位置計測の結果に基づいてレチクル干渉計13の測長軸で規定されるレチクルステージ座標系とウエハ干渉計31の測長軸で規定されるウエハステージ座標系との関係の算出、すなわちレチクルアライメントが行われる。
次に、主制御装置20により、基準マーク板FMがオフアクシス・アライメント系の直下へ位置するように、ウエハステージWSTが移動され、アライメント系の検出中心と基準マーク板FM上のベースライン計測用基準マークと位置関係が計測される。主制御装置20では、この位置関係と、先のレチクルアライメントの際に求められた一対のレチクルアライメントマークと対応する基準マークとの位置関係と、それぞれの位置関係の計測時のウエハ干渉計31の計測値とに基づいて、アライメント系のベースライン、すなわちレチクルパターンの投影位置とアライメント系の検出中心との関係を求める。なお、上記のレチクルアライメント、ベースライン計測等については、例えば前述した特開平7−176468号公報及びこれに対応する米国特許第5,646,413号に詳細に開示されている。
上述のベースライン計測が終了すると、主制御装置20により、例えば特開昭61−44429号公報及びこれに対応する米国特許第4,780,617号などに詳細に開示されるEGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)方式等のウエハアライメントが行われ、ウエハW上の全てのショット領域の位置が求められる。本国際出願で指定した指定国又は選択した選択国の国内法令が許す限りにおいて、上記公報及び対応する上記米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
次いで、主制御装置20では、上で求めたウエハW上の各ショット領域の位置情報及びベースラインに基づいて、干渉計31、13からの位置情報をモニタしつつ、ウエハステージWSTを第1ショット領域の露光のための走査開始位置(加速開始位置)に移動するとともに、レチクルステージRSTを走査開始位置に移動して、その第1ショット領域の走査露光を開始する。ここで、主制御装置20は、レチクルステージRSTを走査開始位置に移動するに際し、レチクル干渉計13(より正確にはレチクルX干渉計13x)で計測されるレチクルステージRSTのX位置情報と記憶装置51内に記憶されている前述の相関情報(y=f(x)、y=f(x))とに基づいて、レチクルY干渉計13y、13yの計測値を補正する。この結果、レチクルY干渉計13y、13yの計測誤差の値(補正値)が異なる場合には、レチクルステージRSTのθz回転も併せて補正されることとなる。
主制御装置20では、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとのY軸方向逆向きの相対走査を開始し、両ステージRST、WSTがそれぞれの目標走査速度に達すると、照明光ILによってレチクルRのパターン領域が照明され始め、走査露光が開始される。この走査露光の開始に先立って、光源の発光は開始されているが、主制御装置20によってレチクルブラインドを構成する可動ブラインドの各ブレードの移動がレチクルステージRSTの移動と同期制御されているため、レチクルR上のパターン領域外への照明光ILの照射が防止されることは、通常のスキャニング・ステッパと同様である。
主制御装置20では、特に上記の走査露光時にレチクルステージRSTのY軸方向の移動速度VrとウエハステージWSTのX軸方向の移動速度Vwとが投影光学系PLの投影倍率βに応じた速度比に維持されるようにレチクルステージRST及びウエハステージWSTを同期制御する。主制御装置20では、このレチクルステージRST及びウエハステージWSTの同期制御中も、前述と同様に、レチクル干渉計13(より正確にはレチクルX干渉計13x)で計測されるレチクルステージRSTのX位置情報と記憶装置51内に記憶されている前述の相関情報(y=f(x)、y=f(x))とに基づいて、レチクルY干渉計13y、13yの計測値を補正する。
そして、レチクルRのパターン領域の異なる領域が紫外パルス光で逐次照明され、パターン領域全面に対する照明が完了することにより、ウエハW上の第1ショット領域の走査露光が終了する。これにより、レチクルRの回路パターンが投影光学系PLを介して第1ショット領域に縮小転写される。なお、上記の走査露光中には、主制御装置20により、前述の多点AF系を用いて、前述したオートフォーカス・オートレベリングが行われる。
こうして第1ショット領域の走査露光が終了すると、ウエハステージWSTを第2ショット領域の露光のための走査開始位置(加速開始位置)へ移動させるショット間のステッピング動作を行う。そして、その第2ショット領域の走査露光を上述と同様にして行う。以後、第3ショット領域以降も同様の動作を行う。
このようにして、ショット間のステッピング動作とショットの走査露光動作とが繰り返され、ステップ・アンド・スキャン方式でウエハW上の全てのショット領域にレチクルRのパターンが転写される。
本実施形態の露光装置100において、前述した相関情報の作成処理(図4のステップ102〜118の処理)を、例えばオペレータの指示により所定のタイミングで繰り返し、その都度、ステップ118で算出されたf(x)、f(x)を用いて記憶装置内の相関情報を更新することとしても良い。このようにすれば、何らかの要因により経時的にレチクルY干渉計の計測誤差が変動した場合にもこれに影響を受けることなく、常にレチクルステージRSTを精度良く位置制御することが可能となる。
これまでの説明から明らかなように、本実施形態では、レチクルステージ駆動部12とウエハステージ駆動部28とによって、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとを走査方向に駆動する駆動系が構成されている。また、主制御装置20によって、制御装置が構成されている。
以上説明したように、本実施形態の露光装置100によると、レチクルステージRSTの位置計測に際しては、主制御装置20は、レチクルステージRST上の一対のY軸移動鏡15y,15yに測定ビームMa,Mbを照射してその反射光束を受光するレチクルY干渉計13y,13yの出力に基づいてレチクルステージRSTのY軸方向(第1軸方向)に関する位置情報を計測するとともに、レチクルステージRSTのX軸方向(第2軸方向)に関する位置情報を第2軸方向位置計測装置としてのレチクルX干渉計13xを用いて計測する。次いで、主制御装置20は、記憶装置51内に記憶されている、レチクルY干渉計13y,13yの測定ビームMa,Mbの光軸と参照ビームRa,Rbの光軸との位置関係及びビームMa,Mb及びRa,Rbの波面収差に起因するY軸移動鏡15y,15yの反射面上の基準点(前述の頂点位置)の位置計測誤差とこれに対応するX軸方向に関するレチクルステージRSTの位置との関係を示す相関情報(関数y=f(x)、y=f(x)など)と、計測されたレチクルステージRSTのX軸方向に関する位置情報とに基づいて、レチクルY干渉計13y,13yの計測誤差が補正されたレチクルステージRSTのY軸方向及びθz方向の位置情報を算出する。これにより、レチクルY干渉計13y,13yの光軸ずれによるウォークオフとビーム波面収差との相互作用に起因するレチクルステージRSTのY軸方向及びθz方向の位置計測誤差を、レチクルステージRSTのX軸方向の位置に応じて補正した位置情報を得ることが可能となる。従って、レチクルステージRSTのY軸方向及びθz方向の位置情報をレチクルY干渉計13y,13yのような光波干渉式測長器を用いて精度良く計測することが可能となる。
また、本実施形態の露光装置100では、主制御装置20が、図4のフローチャートに従った処理を予め行うことにより前述の相関情報を実測によって求め、その情報を記憶装置51に記憶している。このため、この記憶装置51内の相関情報を用いて前述の如くしてレチクルステージRSTの位置を制御することにより、レチクルY干渉計13y,13y、移動鏡、及び固定鏡を含む計測系の各構成部材の製造誤差、調整誤差(取り付け誤差を含む)の影響を一括して補正した位置情報に基づいた高精度な位置制御が可能となる。
また、本実施形態の露光装置100によると、上で説明した位置計測方法によりレチクルステージRSTのY軸方向(及びθz方向)に関する位置情報を、レチクルY干渉計13y,13yを用いて精度良く計測することができる。そして、主制御装置20が、この精度良く計測された位置情報に基づいてレチクルステージRSTのY軸方向(第1軸方向)の位置を制御するので、レチクルステージRSTのY軸方向(走査方向)の位置を高精度に制御することが可能となる。
さらに、本実施形態の露光装置100によると、走査露光の際には、主制御装置20が、レチクルY干渉計13y,13y及びレチクルX干渉計13xの計測結果それぞれに基づいてレチクルRが載置されるレチクルステージRSTのY軸方向(走査方向)及びX軸方向(非走査方向)に関する位置情報を計測するとともに、ウエハ干渉計31の計測結果に基づいてウエハWが載置されるウエハステージWSTのY軸、X軸、θz方向を含む少なくとも5自由度方向に関する位置情報を計測する。そして、主制御装置20は、レチクルステージRSTについては、X軸方向に関する位置情報の計測結果と記憶装置51内に記憶された前述の相関情報とに基づいて、レチクルY干渉計13y,13yによる計測誤差を補正した第1ステージのY軸方向(及びθz方向)に関する位置情報を求め、その補正後のレチクルステージRSTのY軸方向(及びθz方向)に関する位置情報及びウエハステージWSTのY軸、X軸、θz、方向を含む少なくとも5自由度方向に関する位置情報に基づいてレチクルステージRST、ウエハステージWSTを制御する。
従って、主制御装置20により、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとの同期制御、すなわちレチクルRとウエハWとの同期制御が精度良く行われ、これにより、レチクルRとウエハWとの同期精度の向上や同期整定時間の短縮などが可能となり、高精度な露光を走査露光方式により実現してレチクルRのパターンをウエハW上の各ショット領域に精度良く転写することが可能となる。
なお、上記実施形態では、レチクルステージRSTのY軸方向の位置計測用として一対のY干渉計13y,13yを用いているので、必然的に、Y軸方向に加え、θz方向の位置情報を精度良く求めるようになっているが、これに限らず、レチクルステージRSTのY軸方向の位置計測用の干渉計を1つのみにする場合には、前述と同様にしてレチクルステージRSTのY軸方向の位置情報のみが精度良く得られることとなる。また、レチクルステージRSTのY軸方向の位置計測用のY干渉計13y及び13yの少なくとも一方を、測長軸を2軸有する2軸干渉計で構成し、それぞれの測長軸の計測ビームを対応する移動鏡の異なるZ位置に入射する構成を採用する場合には、上記Y軸方向、θz方向に加え、X軸回りの回転方向であるθx方向(ピッチング方向)の位置情報をも精度良く計測することが可能となる。
また、上記実施形態では、レチクルステージRST上の計測マークと基準板FM上の基準マークとの位置ずれ量を計測することにより、移動鏡15y,15yの頂点(反射面上の基準点)の位置計測誤差を求めることとしたが、これに限らず、レチクルY干渉計13y,13yの計測値に基づいてレチクルステージRSTのY方向の位置を所定の座標位置に維持しつつ、レチクルX干渉計13xの計測値を用いてレチクルステージRSTをX軸方向の複数の位置にステップ移動し、該ステップ位置毎に移動鏡15y,15yの頂点(反射面上の基準点)の位置計測誤差を求めるのであれば、その位置誤差の計測方法あるいは算出方法は、如何なる方法であっても良い。例えば、前述の計測ビーム、参照ビームの波面収差を予め計測しておき、X位置に応じてビームの光軸ずれ量を前述の図10A、図10Bで説明した関係から算出(推測)し、その推測結果と前記波面収差とに基づいて演算により、前述の計測誤差δL(=ΔL1−ΔL2)を算出しても良い(図10A、図10B参照)。如何なる方法によるかを問わず、上記のステップ位置毎に求めた位置計測誤差に基づいて前記相関情報を、前述と同様にして作成することとすれば良い。
また、上記実施形態において、相関情報として関数データ(y=f(x)、y=f(x))でなく、テーブルデータ(補正マップ)を作成する場合には、主制御装置20では、実際のレチクルステージRSTの位置計測の際に、計測されたレチクルステージRSTのX軸方向に関する位置情報に応じて補正マップ中の前記ステップ位置毎の位置計測誤差(離散データ)を所定の補間演算により補間した演算結果を用いて、そのX位置におけるレチクルY干渉計13y,13yの計測誤差を算出することとしても良く、この場合には、その算出された計測誤差が補正された位置情報を算出することとすれば良い。
さらに、上記実施形態では主制御装置20が、前述の相関情報に基づいてレチクルY干渉計13y,13yの計測値(すなわち、走査方向の位置とθz方向の回転量)を補正し、この補正値に基づいてレチクルステージRSTの走査方向の位置や回転を制御するものとしたが、これに限らず、主制御装置20は、レチクルY干渉計13y,13yによる、走査方向の位置とθz方向の回転量との少なくとも一方に関する計測誤差に起因して生じるレチクルRとウエハWとの相対的な位置誤差を補正するために、レチクルステージRSTの代わりに、あるいはそれと組み合わせて、ウエハステージのWSTの走査方向の位置や回転を、前述の相関情報とレチクルステージRSTの非走査方向に関する位置情報とを用いて、制御しても良い。また、主制御装置20は、レチクルY干渉計13y,13yの計測値を補正しないで、前述の相関情報とレチクルステージRSTの非走査方向に関する位置情報とを用いて前述の計測誤差を算出するだけでも良く、この場合にはこの計測誤差に起因して生じるレチクルRとウエハWとの相対位置誤差がほぼ零となるように、その算出した計測誤差に基づいてレチクルステージRSTとウエハステージWSTとの少なくとも一方でその位置及び回転の少なくとも一方を制御すれば良い。さらに、主制御装置20は、前述の相関情報とレチクルステージRSTの非走査方向に関する位置情報とに基づき、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとの少なくとも一方で走査方向(Y軸方向)に関するその目標位置情報を補正し、この補正した目標位置情報とY干渉計の計測値とがほぼ一致するようにその少なくとも一方のステージの移動を制御しても良い。
また、上記実施形態では、前述の相関情報あるいはテーブルデータなどの作成時に、一対のレチクルアライメント系RA、RAでそれぞれn個の計測マークRM1n、RM2nが検出されるように、レチクルステージRSTをX軸方向にステップ移動するものとしたが、計測マークRM1n、RM2nの検出時にレチクルステージRSTを位置決め(停止)することなく、レチクルステージRSTを連続的に移動してその検出を行っても良い。
さらに、上記実施形態では、レチクルアライメント系RA、RAによる計測マークRM1n、RM2nの検出時に、レチクルY干渉計13y、13yの計測値に基づき、レチクルステージRSTのY軸方向の位置を所定の座標位置に維持しつつ移動させるものとしたが、この移動時にレチクルステージRSTのY軸方向の位置を所定の座標位置に維持しなくても良い。この場合、レチクルアライメント系RA、RAによる計測マークRM1n、RM2nの検出時に得られるレチクルY干渉計13y、13yの計測値に基づき、例えばレチクルアライメント系RA、RAの検出結果(前述の位置ずれ量Δy1n、Δy2n)を補正することで、レチクルステージRSTのY軸方向の位置変動や回転量(ヨーイング量)の影響を除外し、その補正値を用いて前述の相関情報あるいはテーブルデータなどを算出すれば良い。
また、上記実施形態では、前述の相関情報あるいはテーブルデータなどの作成時に、レチクル基準板RFMや基準マーク板FMの取付誤差及び製造誤差(すなわち、計測マークRM1n、RM2nや基準マークWM、WMの形成位置に関する誤差)などを考慮していないが、これらの誤差の少なくとも1つを用いて前述の相関情報などを算出しても良い。なお、これらの誤差が振動や熱などによって経時的に変動するときは、計算やシミュレーションなどによるその誤差情報の更新、あるいはその実測を定期的に行い、その結果に基づいて前述の相関情報などの算出、すなわちレチクルステージRSTとウエハステージWSTとの少なくとも一方の位置制御を行っても良い。
なお、上記実施形態では、レチクルY干渉計13y,13yからの測定ビームが照射される移動鏡15y、15yを中空レトロリフレクタで形成する場合について説明したが、これは、波面収差とウォークオフとの相互作用で発生する計測誤差が比較的大きくなりがちな中空レトロリフレクタを用いてもその計測誤差を補正することができる点、ヨーイングの影響による計測誤差の発生し難さなどを考慮したものである。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、プリズムその他の反射面を用いても良い。
また、参照鏡14y、14yとしては、中空レトロリフレクタ以外のプリズム、中空でないレトロリフレクタ(コーナキューブプリズムとも呼ばれる)などは勿論、平面ミラーを用いても良い。また、レチクルステージRSTの非走査方向の位置計測装置としては、レーザ干渉計に限らず、エンコーダその他の位置計測装置を用いても構わない。
なお、レチクルステージRSTの非走査方向の位置計測装置としてレーザ干渉計を用いるとき、前述のレチクルX干渉計は非走査方向(X軸方向)の位置情報に加え、θy方向とθz方向との少なくとも一方の回転量を計測可能となるように複数の測長軸を有する多軸干渉計としても良い。
また、上記実施形態では、計測マークが形成されたレチクル基準板RFMを用いて、前述の誤差計測を行う場合について説明したが、これに限らず、専用の計測レチクルあるいはデバイス製造用のレチクルに計測マークを形成したものなどを用いても良い。また、いずれの場合にも、計測マークの製造誤差は予め計測しておき、レチクルステージの位置計測時、位置制御時あるいは前述の相関情報の作成時などにこの計測誤差を補正することが望ましい。さらに、レチクル基準板RFM又は計測レチクルに形成する計測マークは十字マークに限定されるものでなく、その形状などは任意で構わない。
また、上記実施形態では前述の相関情報などを求めるときに撮像方式のレチクルアライメント系を用いるものとしたが、レチクルアライメント系は撮像方式に限られるものではなく、前述の計測マークや基準マークから発生する散乱光又は回折光などを検出する方式などでも良いし、レチクルアライメント系は他の光学センサなどを用いても良い。例えば、投影光学系の物体面側に配置される計測マークとその像面側に配置される基準マークとの一方にコヒーレントビームを照射するととともに、投影光学系を介して、その一方のマークから発生する回折光を他方のマークに照射し、その他方のマークから発生する同次数の回折光同士を干渉させて検出する方式でも良い。
また、上記実施形態では、レチクルY干渉計13y,13yとしてシングルパス方式のヘテロダイン干渉計を用いる場合について説明したが、本発明がこれに限定されないことは勿論である。すなわち、レチクルY干渉計13y,13yとして、いわゆるダブルパス方式のレーザ干渉計を用いても良く、この場合にも主制御装置20は前述と同様の手順により精度良く補正したレチクルステージRSTの位置計測、位置制御を行うことが可能となる。また、ヘテロダイン干渉計のみでなく、その他の方式のレーザ干渉計は勿論、その他の光波干渉式測長器を用いる場合であっても、本発明は好適に適用することができる。
さらに、上記実施形態では一対のY軸移動鏡15y、15yをレチクルステージRSTの上面に固定するものとしたが、その配置はこれに限定されるものではなく、例えばレチクルステージRSTの側面に固定しても良いし、あるいはレチクルステージRST(レチクル微動ステージ)の端部を加工して移動鏡とする一体構造としても良い。なお、投影光学系PLの光軸方向(Z軸方向)に関してレチクルY干渉計の測長軸(測定ビーム)をレチクルRのパターン面とほぼ一致させることが好ましいので、Y軸移動鏡はこの状態で測定ビームを反射可能となっていればその配置は任意で構わない。また、Y軸移動鏡15y、15yは、その数が1つ又は3つ以上でも良い。さらに、上記実施形態ではレチクル干渉計13の参照鏡14x、14y、14yを投影光学系PLの鏡筒に固定するものとしたが、これに限定されるものではなくその配置は任意で良い。また、上記実施形態ではレチクル微動ステージに移動鏡を設けるものとしているが、これに加えてレチクル粗動ステージにもY軸干渉計を配置し、これに対応してその端部に移動鏡(レトロリフレクタ)を設けても良く、この場合にも本発明を適用することができる。さらに、レチクルステージRSTは粗微動ステージに限られるものでなくその構成は任意で構わない。
なお、上記実施形態では、本発明がステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置に適用された場合について説明したが、これに限らず、一軸方向に比較的大きな移動ストロークを有するステージ装置を少なくとも1つ備える露光装置であれば、本発明は好適に適用することが可能である。例えば、マスクステージと基板ステージとが同期して投影光学系に対して例えば同一方向に移動する等倍の走査型露光装置(液晶露光装置として用いられる)などの場合には、マスクステージに代え、あるいはマスクステージとともに基板ステージに対しても本発明の位置計測方法及び位置制御方法を適用することが可能である。さらに、本発明の位置計測方法及び位置制御方法は、露光装置のステージに限らず、反射面が設けられ、少なくとも一軸方向に所定ストロークを有し、前記一軸に直交する方向にも移動可能な移動体であれば、好適に適用することが可能である。
また、上記実施形態では、本発明が半導体製造用の露光装置に適用された場合について説明したが、これに限らず、例えば、角型のガラスプレート上に液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置や、プラズマディスプレイや有機ELなどの表示装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるデバイスパターンをセラミックウエハ上に転写する露光装置、及び撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン、DNAチップなどの製造に用いられる露光装置などにも適用することができる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(遠紫外)光やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、螢石、フッ化マグネシウム、又は水晶などが用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置、又は電子線露光装置などでは透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが用いられる。
また、上記実施形態では、光源としてKrFエキシマレーザ光源などの紫外光源、Fレーザ、ArFエキシマレーザ等の真空紫外域のパルスレーザ光源を用いるものとしたが、これに限らずArレーザ光源(出力波長126nm)などの他の真空紫外光源を用いても良い。また、例えば、真空紫外光として上記各光源から出力されるレーザ光に限らず、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(Er)(又はエルビウムとイッテルビウム(Yb)の両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。さらに、例えばEUV光又はX線、あるいは電子線やイオンビームなどの荷電粒子線を用いる露光装置などにも本発明を適用できる。この他、例えば国際公開WO99/49504号などに開示される、投影光学系PLとウエハとの間に液体が満たされる液浸型露光装置などにも本発明を適用しても良い。また、それぞれ独立に可動な2つのウエハステージを有する露光装置に本発明を適用しても良い。このツインウエハステージ方式の露光装置は、例えば特開平10−214783号公報及び対応する米国特許第6,341,007号、あるいは国際公開WO98/40791号及び対応する米国特許第6,262,796号などに開示されており、本国際出願で指定した指定国又は選択した選択国の国内法令が許す限りにおいて、その米国特許の開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
また、上記実施形態では、投影光学系として縮小系かつ屈折系を用いる場合について説明したが、これに限らず、投影光学系として等倍あるいは拡大系を用いても良いし、屈折系、反射屈折系、あるいは反射系のいずれを用いても良い。また、上記実施形態と同様の縮小系を用いる場合に、その投影倍率βは1/5、1/6などであっても良く、このような場合には、計測マーク、基準マークのサイズ、配置などを、その投影倍率に応じて定めることが望ましい。
なお、複数のレンズから構成される照明光学系、投影光学系PLを露光装置本体に組み込み光学調整をするとともに、多数の機械部品からなるレチクルステージRSTやウエハステージWSTを露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより本実施形態の露光装置100を製造することができる。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
《デバイス製造方法》
次に上述した露光装置をリソグラフィ工程で使用したデバイスの製造方法の実施形態について説明する。
図7には、デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートが示されている。図7に示されるように、まず、ステップ201(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップ202(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ203(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
次に、ステップ204(ウエハ処理ステップ)において、ステップ201〜ステップ203で用意したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップ205(デバイス組立てステップ)において、ステップ204で処理されたウエハを用いてデバイス組立てを行う。このステップ205には、ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
最後に、ステップ206(検査ステップ)において、ステップ205で作成されたデバイスの動作確認テスト、耐久テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
図8には、半導体デバイスにおける、上記ステップ204の詳細なフロー例が示されている。図8において、ステップ211(酸化ステップ)においてはウエハの表面を酸化させる。ステップ212(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ213(電極形成ステップ)においてはウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ214(イオン打ち込みステップ)においてはウエハにイオンを打ち込む。以上のステップ211〜ステップ214それぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ215(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップ216(露光ステップ)において、上で説明した露光装置及び露光方法によってマスクの回路パターンをウエハに転写する。次に、ステップ217(現像ステップ)においては露光されたウエハを現像し、ステップ218(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップ219(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
以上説明した本実施形態のデバイス製造方法を用いれば、露光工程(ステップ216)において上記実施形態の露光装置及びその露光方法が用いられるので、精度良くレチクルのパターンをウエハ上に転写することができる。この結果、高集積度のマイクロデバイスの生産性(歩留まりを含む)を向上させることが可能になる。
以上説明したように、本発明の位置計測方法は、反射面が設けられた移動体の位置情報を光波干渉式測長器を用いて計測するのに適している。また、本発明の位置制御方法は、一軸方向の位置情報が光波干渉式測長器を用いて計測される移動体の位置を制御するのに適している。また、本発明の露光方法及び露光装置は、感光物体上にマイクロデバイスのパターンを転写するのに適している。また、本発明のデバイス製造方法は、マイクロデバイスの生産に適している。

Claims (32)

  1. 反射面が設けられた移動体の少なくとも一軸方向の位置情報を光波干渉式測長器を用いて計測する位置計測方法であって、
    前記反射面に測定ビームを照射してその反射光束を受光する前記光波干渉式測長器の出力に基づいて第1軸方向に関する前記移動体の位置情報を計測するとともに、前記第1軸に直交する第2軸方向に関する前記移動体の位置情報を第2軸方向位置計測装置を用いて計測する工程と;
    前記光波干渉式測長器の測定ビームの光軸と参照ビームの光軸との位置関係に少なくとも起因する前記反射面上の基準点の位置計測誤差とこれに対応する前記第2軸方向に関する前記移動体の位置との関係を示す相関情報と、計測された前記第2軸方向に関する前記移動体の位置情報とに基づいて、前記光波干渉式測長器による前記第1軸方向に関する前記移動体の位置情報の計測誤差を算出する工程と;を含む位置計測方法。
  2. 請求項1に記載の位置計測方法において、
    前記計測する工程に先立って、前記反射面に測定ビームを照射してその反射光束を受光する前記光波干渉式測長器の出力に基づいて前記移動体の前記第1軸方向の位置を検出しつつ、前記第2軸方向位置計測装置を用いて前記移動体を前記第2軸方向に移動し、前記第2軸方向の複数の位置における前記反射面上の基準点の位置計測誤差をそれぞれ求め、その位置毎に求めた位置計測誤差に基づいて前記相関情報を作成する工程を、更に含む位置計測方法。
  3. 請求項2に記載の位置計測方法において、
    前記光波干渉式測長器の計測光軸の基準光軸に対するずれ量と前記移動体の第2軸方向の位置情報とに基づいて所定の演算により前記反射面上の基準点の位置計測誤差を算出することを特徴とする位置計測方法。
  4. 請求項2に記載の位置計測方法において、
    前記反射面上の基準点の位置計測誤差は、前記移動体の一部に設けられた計測マークと基準物体上に設けられた基準マークとの位置関係を計測した計測結果に基づいて求められることを特徴とする位置計測方法。
  5. 請求項2に記載の位置計測方法において、
    前記相関情報は、前記第2軸方向の位置毎に求められた前記反射面上の基準点の位置計測誤差を所定の座標系上にプロットした各プロット点のデータに基づいて算出した関数のデータであることを特徴とする位置計測方法。
  6. 請求項2に記載の位置計測方法において、
    前記相関情報は、前記第2軸方向の位置毎に求められた前記反射面上の基準点の位置計測誤差を用いて作成されたテーブルデータであることを特徴とする位置計測方法。
  7. 請求項2に記載の位置計測方法において、
    前記計測誤差を算出する工程では、計測された前記第2軸方向に関する前記移動体の位置情報に応じて前記相関情報中の前記第2軸方向の位置毎の前記位置計測誤差を所定の補間演算により補間した演算結果を用いて前記誤差を算出することを特徴とする位置計測方法。
  8. 請求項2に記載の位置計測方法において、
    前記相関情報を作成する工程では、前記光波干渉式測長器の出力に基づいて前記移動体の前記第1軸方向の位置を所定の座標位置に実質的に維持しつつ前記移動体を前記第2軸方向に移動することを特徴とする位置計測方法。
  9. 請求項1に記載の位置計測方法において、
    前記計測誤差を算出する工程では、前記移動体の姿勢を更に考慮して前記計測誤差を算出することを特徴とする位置計測方法。
  10. 請求項1に記載の位置計測方法において、
    前記相関情報に含まれる前記位置計測誤差は、前記測定ビームに発生する波面収差に更に起因するものであることを特徴とする位置計測方法。
  11. 請求項1に記載の位置計測方法において、
    前記反射面は、前記移動体に固定された中空レトロリフレクタの反射面であることを特徴とする位置計測方法。
  12. 請求項1に記載の位置計測方法において、
    前記計測誤差が補正された前記第1軸方向に関する前記移動体の位置情報を算出する工程;を更に含む位置計測方法。
  13. 少なくとも一軸方向の位置情報が光波干渉式測長器を用いて計測される移動体の位置を制御する位置制御方法であって、
    請求項1〜12のいずれか一項に記載の位置計測方法を実行して前記移動体の前記第1軸方向の位置情報を計測する位置計測工程と;
    前記位置計測工程で得られた情報を考慮して、前記移動体の少なくとも前記第1軸方向の位置を制御する工程と;を含む位置制御方法。
  14. マスクと感光物体とを所定方向に同期移動して前記マスクに形成されたパターンを前記感光物体上に転写する露光方法であって、
    前記マスクが載置される第1移動体と前記感光物体が載置される第2移動体との少なくとも一方の前記所定方向の位置情報を、請求項1〜12のいずれか一項に記載の位置計測方法を用いて計測し、その計測の結果得られた情報を考慮して、前記第1移動体と前記第2移動体の少なくとも一方の前記所定方向の位置を制御して、前記感光物体上への前記パターンの転写を行う露光方法。
  15. リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、
    前記リソグラフィ工程では、請求項14に記載の露光方法を用いてマイクロデバイスのパターンを感光物体上に転写することを特徴とするデバイス製造方法。
  16. マスクと感光物体とを所定の走査方向に同期移動して前記マスクに形成されたパターンを前記感光物体上に転写する露光装置であって、
    前記マスクが載置されるとともに反射面が設けられた第1ステージと;
    前記感光物体が載置される第2ステージと;
    前記第1ステージと前記第2ステージとを駆動する駆動系と;
    前記反射面に測定ビームを照射して前記走査方向に関する前記第1ステージの位置情報を計測する光波干渉式測長器と、前記第1ステージの前記走査方向に直交する非走査方向に関する位置情報を計測する計測装置とを有する第1計測系と;
    前記第2ステージの少なくとも前記走査方向に関する位置情報を計測する第2計測系と;
    前記第1及び第2計測系の計測結果と、前記光波干渉式測長器の測定ビームの光軸と参照ビームの光軸との位置関係に少なくとも起因する前記反射面上の基準点の位置計測誤差とこれに対応する前記非走査方向に関する前記第1ステージの位置との関係を示す相関情報とに基づいて前記駆動系を制御する制御装置と;を備える露光装置。
  17. 請求項16に記載の露光装置において、
    前記制御装置は、前記相関情報と前記第1ステージの前記非走査方向に関する位置情報とを用いて、前記光波干渉式測長器による前記第1ステージの計測誤差に起因する前記マスクと前記感光物体との前記走査方向に関する相対的な位置誤差を補正することを特徴とする露光装置。
  18. 請求項16に記載の露光装置において、
    前記制御装置は、前記相関情報と前記第1ステージの前記非走査方向に関する位置情報とに基づいて、前記光波干渉式測長器による前記第1ステージの計測誤差に関する情報を算出し、前記第1ステージの前記走査方向への移動時に前記算出された情報を用いることを特徴とする露光装置。
  19. 請求項16に記載の露光装置において、
    前記制御装置は、前記相関情報と前記第1ステージの前記非走査方向に関する位置情報とに基づいて、前記光波干渉式測長器による計測誤差を補正した前記第1ステージの前記走査方向に関する位置情報を算出し、前記第1ステージの前記走査方向への移動時に前記算出された情報を用いることを特徴とする露光装置。
  20. 請求項16に記載の露光装置において、
    前記相関情報は、前記制御装置が前記光波干渉式測長器の出力に基づいて前記第1ステージの前記走査方向の位置を検出しつつ、前記駆動系を介して前記第1ステージを前記非走査方向に移動し、前記非走査方向の複数の位置でそれぞれ得られる前記反射面上の基準点の位置計測誤差に基づいて予め作成されたものであることを特徴とする露光装置。
  21. 請求項20に記載の露光装置において、
    前記制御装置は、前記相関情報の作成時に前記駆動系を介して前記第1ステージの移動を制御するとともに、前記作成された相関情報を記憶する記憶装置を含むことを特徴とする露光装置。
  22. 請求項20に記載の露光装置において、
    前記第1ステージの一部に設けられた計測マークと基準物体上に設けられた基準マークとの位置関係を計測するマーク計測系を更に備え、
    前記反射面上の基準点の位置計測誤差は、前記マーク計測系の計測結果に基づいて得られたものであることを特徴とする露光装置。
  23. 請求項20に記載の露光装置において、
    前記相関情報は、前記非走査方向の位置毎に求められた前記反射面上の基準点の位置計測誤差を用いて作成されたテーブルデータであることを特徴とする露光装置。
  24. 請求項23に記載の露光装置において、
    前記制御装置は、前記計測された前記第1ステージの前記非走査方向に関する位置情報に応じて前記相関情報中の前記非走査方向の位置毎の前記位置計測誤差を所定の補間演算により補間した演算結果を用いて前記光波干渉式測長器の計測誤差を算出することを特徴とする露光装置。
  25. 請求項20に記載の露光装置において、
    前記相関情報は、前記非走査方向の位置毎に求められた前記反射面上の基準点の位置計測誤差を所定の座標系上にプロットした各プロット点のデータに基づいて算出した関数のデータであることを特徴とする露光装置。
  26. 請求項20に記載の露光装置において、
    前記相関情報の作成の際に、前記制御装置は、前記第1ステージを、前記光波干渉式測長器の出力に基づいて前記走査方向に関して所定位置に実質的に維持しつつ、前記非走査方向に移動することを特徴とする露光装置。
  27. 請求項16に記載の露光装置において、
    前記制御装置は、前記第1ステージの姿勢を更に考慮して前記位置計測誤差を算出することを特徴とする露光装置。
  28. 請求項16に記載の露光装置において、
    前記相関情報に含まれる前記位置計測誤差は、前記測定ビームに発生する波面収差に更に起因するものであることを特徴とする露光装置。
  29. 請求項16に記載の露光装置において、
    前記反射面は、中空レトロリフレクタの反射面であることを特徴とする露光装置。
  30. 第1物体と第2物体とを同期移動して前記第1物体のパターンを前記第2物体上に転写する露光装置であって、
    前記第1物体を保持する第1可動体と、前記第2物体を保持する第2可動体と、前記第1及び第2可動体をそれぞれ独立に駆動する駆動系とを有するステージ系と;
    前記第1可動体に設けられるレトロリフレクタに測定ビームを照射して前記第1物体が同期移動される走査方向に関する前記第1可動体の位置情報を計測する第1干渉計システムと;
    前記第2可動体の位置情報を計測する第2干渉計システムと;
    前記第1及び第2干渉計システムの計測結果と、前記レトロリフレクタに起因する前記第1可動体の位置計測に関する誤差情報とに基づいて前記駆動系を制御する制御装置と;を備える露光装置。
  31. 請求項30に記載の露光装置において、
    前記制御装置は、前記走査方向と直交する非走査方向に関する前記第1可動体の位置に応じて異なる誤差情報を用いて前記駆動系を制御することを特徴とする露光装置。
  32. リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、
    前記リソグラフィ工程では、請求項16〜31のいずれか一項に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とするデバイス製造方法。
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