JPWO2004051184A1 - 形状計測方法、形状計測装置、チルト計測方法、ステージ装置、露光装置、露光方法、及びデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
基準平面に沿って移動するステージ4の反射面7XS,7YSの形状を計測する形状計測方法である。ステージ4をY軸方向に沿って移動しつつ、Y軸方向に関する反射面7XSの1次元形状を、Z軸方向に離間した2つの位置で計測し、その一方と他方の1次元形状データの差分に相当する第1データを求め、反射面7XSのZ軸方向に離間した2つの位置に同時に照射した計測ビームLWXPに基づく計測結果が一定となるようにステージ4を姿勢調整しつつY軸方向に移動するとともに、この移動中にステージ4の姿勢調軸方向の変位を複数箇所で計測して、Y軸方向に関する該Y軸を中心とする回転量の変化に相当する第2データを求め、前記第1データと前記第2データとの差分に相当する第3データを直線近似して得られた第4データに基づいて前記1次元形状データを補正する。
Description
本発明は、ステージ等の移動体に設けられた反射面の形状計測方法及び形状計測装置、該移動体の姿勢を計測するチルト計測方法、該移動体を移動するステージ装置、露光装置、並びに露光方法及び該露光方法を用いるデバイス製造方法に関する。
従来より、半導体素子、液晶表示素子等を製造するためのリソグラフィ工程では、マスク又はレチクル(以下、「レチクル」と総称する)に形成されたパターンを投影光学系を介してレジスト等が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の基板(以下、適宜「基板」又は「ウエハ」という)上に転写する露光装置が用いられている。こうした露光装置としては、いわゆるステッパ等の静止露光型の投影露光装置や、いわゆるスキャニング・ステッパ等の走査露光型の投影露光装置が主として用いられている。これらの種類の投影露光装置では、レチクルに形成されたパターンをウエハ上の複数のショット領域に順次転写する必要から、ウエハを保持して2次元移動可能なウエハステージが設けられている。また、走査露光型の投影露光装置の場合には、レチクルを保持するレチクルステージも走査方向に移動可能となっている。
かかる投影露光装置においては、非常に微細な構造を有する回路パターンをウエハに転写するので、ウエハやレチクルの位置制御を高精度に行う必要がある。この高精度な位置制御のため、ウエハステージやレチクルステージの2次元位置が、ウエハステージやレチクルステージに設けられた反射鏡にレーザ干渉計からの測長ビームを照射し、その反射光と参照光との干渉光のフリンジパターンあるいは位相差に基づいて高精度に検出されている。
ところで、このようなウエハステージやレチクルステージの位置の計測においては、該ステージに設けられる反射鏡の鏡面にうねりやねじれがあると、レーザ干渉計による計測値に誤差を生じ、精度の高い露光をなしえない場合がある。そこで、反射鏡の鏡面の面形状(2次元形状)を測定し、その測定結果に基づいて、レーザ干渉計の計測結果を補正することが行われる。
反射鏡の鏡面の面形状の測定技術としては、例えば、本願出願人による国際公開第WO00/22376号パンフレット及びこれに対応する米国特許第6,486,955号に記載された技術が知られている。この技術では、反射鏡の短手方向(高さ方向)の2箇所(以下、上段、下段という場合がある)のそれぞれにおいて、該反射鏡の長手方向に沿う1次元形状をそれぞれ適宜な基準に基づいて測定するとともに、上段の測定値と下段の測定値の相対関係(ここでは反射面に直交する方向のオフセット)を以下のようにして求めることにより、反射鏡の鏡面の面形状を特定するようにしている。
即ち、所定の関係で配列された複数の基準マークが形成された計測用ウエハを、該基準マークの配列方向とウエハステージの軸方向が厳密に一致するようにウエハステージ上に載置して、前記上段1次元形状測定と下段1次元形状測定のそれぞれの前又は後に、該計測用ウエハ上の基準マークの位置をオフアクシス方式のアライメントセンサでそれぞれ測定し、このときの基準マークの位置ずれから上記のオフセットを求めるようにしている。
しかしながら、上述した従来技術では、所定の基準マークを形成した計測用ウエハを準備して、これをウエハステージに所定の姿勢で載置した後に、複数の基準マークの位置をアライメントセンサで測定するので、作業工数が多く、簡単にかつ迅速に測定することができないという問題がある。
また、測定結果には、計測用ウエハの基準マークの形成誤差、計測用ウエハのステージ載置時の表面のうねり等による誤差、基準マークの計測誤差などが必然的に包含されるので、測定精度が低いという問題もある。
かかる投影露光装置においては、非常に微細な構造を有する回路パターンをウエハに転写するので、ウエハやレチクルの位置制御を高精度に行う必要がある。この高精度な位置制御のため、ウエハステージやレチクルステージの2次元位置が、ウエハステージやレチクルステージに設けられた反射鏡にレーザ干渉計からの測長ビームを照射し、その反射光と参照光との干渉光のフリンジパターンあるいは位相差に基づいて高精度に検出されている。
ところで、このようなウエハステージやレチクルステージの位置の計測においては、該ステージに設けられる反射鏡の鏡面にうねりやねじれがあると、レーザ干渉計による計測値に誤差を生じ、精度の高い露光をなしえない場合がある。そこで、反射鏡の鏡面の面形状(2次元形状)を測定し、その測定結果に基づいて、レーザ干渉計の計測結果を補正することが行われる。
反射鏡の鏡面の面形状の測定技術としては、例えば、本願出願人による国際公開第WO00/22376号パンフレット及びこれに対応する米国特許第6,486,955号に記載された技術が知られている。この技術では、反射鏡の短手方向(高さ方向)の2箇所(以下、上段、下段という場合がある)のそれぞれにおいて、該反射鏡の長手方向に沿う1次元形状をそれぞれ適宜な基準に基づいて測定するとともに、上段の測定値と下段の測定値の相対関係(ここでは反射面に直交する方向のオフセット)を以下のようにして求めることにより、反射鏡の鏡面の面形状を特定するようにしている。
即ち、所定の関係で配列された複数の基準マークが形成された計測用ウエハを、該基準マークの配列方向とウエハステージの軸方向が厳密に一致するようにウエハステージ上に載置して、前記上段1次元形状測定と下段1次元形状測定のそれぞれの前又は後に、該計測用ウエハ上の基準マークの位置をオフアクシス方式のアライメントセンサでそれぞれ測定し、このときの基準マークの位置ずれから上記のオフセットを求めるようにしている。
しかしながら、上述した従来技術では、所定の基準マークを形成した計測用ウエハを準備して、これをウエハステージに所定の姿勢で載置した後に、複数の基準マークの位置をアライメントセンサで測定するので、作業工数が多く、簡単にかつ迅速に測定することができないという問題がある。
また、測定結果には、計測用ウエハの基準マークの形成誤差、計測用ウエハのステージ載置時の表面のうねり等による誤差、基準マークの計測誤差などが必然的に包含されるので、測定精度が低いという問題もある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ステージ等の移動体に設けられた反射面を簡単、迅速、高精度で計測できるようにし、当該ステージ等の位置の制御を精度良く行えるようにすることである。
本発明の第1の観点によると、第1軸と直交する基準平面に沿って移動する移動体に設けられ、前記第1軸方向と直交する第2軸方向に沿って延びる反射面の形状を計測する形状計測方法であって、前記移動体を前記第2軸方向に沿って移動しつつ、前記第2軸方向に関する前記反射面の1次元形状を、前記第1軸方向に離間した2つの位置のそれぞれについて計測し、前記2つの位置の一方についての1次元形状データと他方についての1次元形状データとの差分に相当する第1データを求め、前記反射面の前記第1軸方向に離間した2つの位置に同時に照射した計測ビームに基づく計測結果が一定となるように前記移動体を姿勢調整しつつ該移動体を前記第2軸方向に移動するとともに、この移動中に該移動体の姿勢調整に伴う前記第1軸方向の変位を複数箇所で計測して、前記移動体の前記第2軸方向に関する該第2軸を中心とする回転量の変化に相当する第2データを求め、前記第1データと前記第2データとの差分に相当する第3データを直線近似して得られた第4データに基づいて前記1次元形状データを補正するようにした形状計測方法が提供される。
本発明の第2の観点によると、第1軸と直交する基準平面に沿って移動する移動体に設けられ、前記第1軸方向と直交する第2軸方向に沿って延びる反射面の形状を計測する形状計測装置であって、前記第2軸方向に関する前記反射面の1次元形状を、前記第1軸方向に離間した2つの位置のそれぞれについて計測する1次元形状計測装置と、前記移動体の前記基準平面に対する姿勢を調整する姿勢調整装置と、前記姿勢調整装置による前記移動体の姿勢調整に伴う、該移動体の前記第1軸方向の変位を互いに異なる複数の位置で計測する変位計測装置と、前記反射面の前記第1軸方向に離間した2つの位置に計測ビームを同時に照射して該反射面の前記第2軸を中心とする回転量を計測するチルト計測装置と、前記1次元形状計測装置による前記2つの位置の一方についての1次元形状データと他方についての1次元形状データとの差分に相当する第1データを求め、前記チルト計測装置による計測結果が一定となるように前記姿勢調整装置を制御しつつ、該移動体を前記第2軸方向に移動し、この移動中の前記変位計測装置による計測結果に基づき前記移動体の前記第2軸方向に関する該第2軸を中心とする回転量の変化に相当する第2データを求め、前記第1データと前記第2データとの差分に相当する第3データを直線近似して得られた第4データに基づいて、前記1次元形状計測装置による計測結果としての前記1次元形状データを補正する制御装置とを備えた形状計測装置が提供される。
本発明の第3の観点によると、第1軸と直交する第2軸方向に沿って延びる反射面を有し、前記第1軸と直交する基準平面に沿って移動する移動体の該基準平面に対する姿勢を、前記反射面の前記第1軸方向に離間した2つの位置に同時に照射した計測ビームにより計測するチルト計測方法であって、前記反射面の前記第1軸方向に離間した2つの位置のそれぞれについて計測された前記第2軸方向に関する前記反射面の1次元形状データの一方と他方との差分に相当する第1データを求め、前記計測ビームに基づく計測結果が一定となるように前記移動体を姿勢調整しつつ、かつ該移動体の姿勢調整に伴う前記第1軸方向の変位を複数箇所で計測しつつ、該移動体を前記第2軸方向に移動して、前記移動体の前記第2軸方向に関する該第2軸を中心とする回転量の変化に相当する第2データを求め、前記第1データと前記第2データとの差分に相当する第3データを直線近似して得られた第4データに前記第1データを加算して求めた第5データに基づき、前記計測ビームによる計測結果を補正するようにしたチルト計測方法が提供される。
本発明の第4の観点によると、第1軸と直交する第2軸方向に沿って延びる反射面を有し、前記第1軸と直交する基準平面に沿って移動する移動体を有するステージ装置であって、前記反射面の前記第1軸方向に離間した2つの位置に計測ビームを同時に照射して該反射面の前記第2軸を中心とする回転量を計測するチルト計測装置と、前記第2軸方向に関する前記反射面の1次元形状を、前記第1軸方向に離間した2つの位置のそれぞれについて計測する1次元形状計測装置と、前記移動体の前記基準平面に対する姿勢を調整するため、該移動体を互いに異なる複数の位置で前記第1軸方向にそれぞれ変位させる姿勢調整装置と、前記姿勢調整装置による前記移動体の姿勢調整に伴う、該移動体の前記第1軸方向の変位を互いに異なる複数の位置で計測する変位計測装置と、前記1次元形状計測装置による前記2つの位置の一方についての1次元形状データと他方についての1次元形状データとの差分に相当する第1データを求め、前記チルト計測装置による計測結果が一定となるように前記姿勢調整装置を制御しつつ、該移動体を前記第2軸方向に移動し、このときの前記変位計測装置による計測結果に基づき前記移動体の前記第2軸方向に関する該第2軸を中心とする回転量の変化に相当する第2データを求め、前記第1データと前記第2データとの差分に相当する第3データを直線近似して得られた第4データに前記第1データを加算して求めた第5データに基づき、前記チルト計測装置による計測結果を補正する制御装置とを備えたステージ装置が提供される。
本発明の第5の観点によると、第1面の像を第2面へ投影露光する露光装置であって、前記第1面にマスクを配置するマスクステージ及び前記第2面に基板を配置する基板ステージの少なくとも一方を前記移動体として移動する前記本発明の第4の観点に係るステージ装置を備えた露光装置が提供される。
上述した第1〜第5の観点に係る発明における前記計測や前記演算により求められる前記第4データは、反射面の第1軸方向に離間した2つの位置の一方についての1次元形状データと他方についての1次元形状データの相対関係を示しており、本発明では、従来技術のように、当該相対関係の導出のために基準マークを形成した計測用ウエハを用いることなく当該相対関係を求めることができる。従って、反射面の形状データを簡単かつ迅速に得ることができるとともに、基準マークの計測に伴う誤差が包含されることもないので、精度を向上することができる。
本発明の第6の観点によると、第1軸と直交する基準平面に沿って可動な移動体に保持される感光物体上にマスクのパターンを転写する露光方法において、前記第1軸方向と直交する第2軸方向に延びる前記移動体の反射面で前記第1軸方向に離間した2つの位置に照射される計測ビームによる計測結果が一定となるように前記移動体の姿勢を調整しつつ前記移動体を前記第2軸方向に移動して、前記移動体の前記第2軸回りの回転量の変化に関する回転データを計測し、前記第1軸方向に離間した複数の位置の各々における前記反射面の前記第2軸方向に関する形状データと、前記計測された回転データとを用いて、前記移動体の移動を制御するようにした露光方法が提供される。
本発明の第6の観点に係る露光方法において、前記移動中に前記姿勢調整による前記移動体の前記第1軸方向の変位量に関する情報を検出し、前記検出した情報に基づいて前記回転データを求めるようにできる。
本発明の第6の観点に係る露光方法において、前記移動体を前記第2軸方向に移動して得られる、前記反射面の前記第2軸方向に離間した複数の位置にそれぞれ計測ビームを照射する干渉計システムの計測結果に基づいて前記形状データを求めるようにできる。
本発明の第6の観点に係る露光方法において、前記反射面で前記第2軸方向に離間した複数の位置の少なくとも1つに対して第1軸方向に離間した位置に前記干渉計システムからの計測ビームが照射され、前記回転データの計測時、前記干渉計システムを用いて前記移動体の姿勢を調整するようにできる。
本発明の第7の観点によると、前記本発明の第6の観点に係る露光方法を用いてマスクのパターンを感光物体上に転写する露光工程を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の第8の観点によると、マスクのパターンを感光物体上に転写する露光装置において、前記感光物体を保持して第1軸と直交する基準平面に沿って可動で、かつ該基準平面に対する姿勢が調整可能であるとともに、前記第1軸と直交する第2軸と平行な反射面が形成される移動体を有するステージシステムと、前記反射面の前記第1軸方向に離間した2つの位置に計測ビームを照射して、前記移動体の前記第2軸回りの回転情報を少なくとも計測可能な干渉計システムと、前記反射面の前記第1軸方向に離間した2つの位置に計測ビームを照射して、前記姿勢調整による前記移動体の前記第1軸方向の変位情報を計測する変位計測装置と、前記移動体を、前記干渉計システムの前記回転情報に関する計測結果が一定となるようにその姿勢を調整しつつ前記第2軸方向に移動して得られる前記変位計測装置の計測結果に基づいて、前記移動体の前記第2軸回りの回転量の変化に関する回転データを求めるとともに、前記第1軸方向に離間した複数の位置の各々における前記反射面の前記第2軸方向に関する形状データと前記回転データとを用いて、前記移動体の移動を制御する制御装置とを備えた露光装置が提供される。
本発明の第8の観点に係る露光装置において、前記干渉計システムは、前記反射面で前記第1軸方向に離間した2つの位置の少なくとも一方に対して前記第2軸方向に離間した位置に計測ビームを照射して、前記移動体の前記第1軸回りの回転情報を計測し、前記制御装置は、前記移動体を前記第2軸方向に移動して得られる前記干渉計システムの前記第1軸回りの回転情報に関する計測結果に基づいて前記形状データを求めるようにできる。
本発明の第8の観点に係る露光装置において、前記ステージシステムは、前記移動体の姿勢を調整する複数のアクチュエータを含み、前記変位計測装置は、前記変位情報として前記複数のアクチュエータの駆動量に関する情報を計測するようにできる。
本発明の第1の観点によると、第1軸と直交する基準平面に沿って移動する移動体に設けられ、前記第1軸方向と直交する第2軸方向に沿って延びる反射面の形状を計測する形状計測方法であって、前記移動体を前記第2軸方向に沿って移動しつつ、前記第2軸方向に関する前記反射面の1次元形状を、前記第1軸方向に離間した2つの位置のそれぞれについて計測し、前記2つの位置の一方についての1次元形状データと他方についての1次元形状データとの差分に相当する第1データを求め、前記反射面の前記第1軸方向に離間した2つの位置に同時に照射した計測ビームに基づく計測結果が一定となるように前記移動体を姿勢調整しつつ該移動体を前記第2軸方向に移動するとともに、この移動中に該移動体の姿勢調整に伴う前記第1軸方向の変位を複数箇所で計測して、前記移動体の前記第2軸方向に関する該第2軸を中心とする回転量の変化に相当する第2データを求め、前記第1データと前記第2データとの差分に相当する第3データを直線近似して得られた第4データに基づいて前記1次元形状データを補正するようにした形状計測方法が提供される。
本発明の第2の観点によると、第1軸と直交する基準平面に沿って移動する移動体に設けられ、前記第1軸方向と直交する第2軸方向に沿って延びる反射面の形状を計測する形状計測装置であって、前記第2軸方向に関する前記反射面の1次元形状を、前記第1軸方向に離間した2つの位置のそれぞれについて計測する1次元形状計測装置と、前記移動体の前記基準平面に対する姿勢を調整する姿勢調整装置と、前記姿勢調整装置による前記移動体の姿勢調整に伴う、該移動体の前記第1軸方向の変位を互いに異なる複数の位置で計測する変位計測装置と、前記反射面の前記第1軸方向に離間した2つの位置に計測ビームを同時に照射して該反射面の前記第2軸を中心とする回転量を計測するチルト計測装置と、前記1次元形状計測装置による前記2つの位置の一方についての1次元形状データと他方についての1次元形状データとの差分に相当する第1データを求め、前記チルト計測装置による計測結果が一定となるように前記姿勢調整装置を制御しつつ、該移動体を前記第2軸方向に移動し、この移動中の前記変位計測装置による計測結果に基づき前記移動体の前記第2軸方向に関する該第2軸を中心とする回転量の変化に相当する第2データを求め、前記第1データと前記第2データとの差分に相当する第3データを直線近似して得られた第4データに基づいて、前記1次元形状計測装置による計測結果としての前記1次元形状データを補正する制御装置とを備えた形状計測装置が提供される。
本発明の第3の観点によると、第1軸と直交する第2軸方向に沿って延びる反射面を有し、前記第1軸と直交する基準平面に沿って移動する移動体の該基準平面に対する姿勢を、前記反射面の前記第1軸方向に離間した2つの位置に同時に照射した計測ビームにより計測するチルト計測方法であって、前記反射面の前記第1軸方向に離間した2つの位置のそれぞれについて計測された前記第2軸方向に関する前記反射面の1次元形状データの一方と他方との差分に相当する第1データを求め、前記計測ビームに基づく計測結果が一定となるように前記移動体を姿勢調整しつつ、かつ該移動体の姿勢調整に伴う前記第1軸方向の変位を複数箇所で計測しつつ、該移動体を前記第2軸方向に移動して、前記移動体の前記第2軸方向に関する該第2軸を中心とする回転量の変化に相当する第2データを求め、前記第1データと前記第2データとの差分に相当する第3データを直線近似して得られた第4データに前記第1データを加算して求めた第5データに基づき、前記計測ビームによる計測結果を補正するようにしたチルト計測方法が提供される。
本発明の第4の観点によると、第1軸と直交する第2軸方向に沿って延びる反射面を有し、前記第1軸と直交する基準平面に沿って移動する移動体を有するステージ装置であって、前記反射面の前記第1軸方向に離間した2つの位置に計測ビームを同時に照射して該反射面の前記第2軸を中心とする回転量を計測するチルト計測装置と、前記第2軸方向に関する前記反射面の1次元形状を、前記第1軸方向に離間した2つの位置のそれぞれについて計測する1次元形状計測装置と、前記移動体の前記基準平面に対する姿勢を調整するため、該移動体を互いに異なる複数の位置で前記第1軸方向にそれぞれ変位させる姿勢調整装置と、前記姿勢調整装置による前記移動体の姿勢調整に伴う、該移動体の前記第1軸方向の変位を互いに異なる複数の位置で計測する変位計測装置と、前記1次元形状計測装置による前記2つの位置の一方についての1次元形状データと他方についての1次元形状データとの差分に相当する第1データを求め、前記チルト計測装置による計測結果が一定となるように前記姿勢調整装置を制御しつつ、該移動体を前記第2軸方向に移動し、このときの前記変位計測装置による計測結果に基づき前記移動体の前記第2軸方向に関する該第2軸を中心とする回転量の変化に相当する第2データを求め、前記第1データと前記第2データとの差分に相当する第3データを直線近似して得られた第4データに前記第1データを加算して求めた第5データに基づき、前記チルト計測装置による計測結果を補正する制御装置とを備えたステージ装置が提供される。
本発明の第5の観点によると、第1面の像を第2面へ投影露光する露光装置であって、前記第1面にマスクを配置するマスクステージ及び前記第2面に基板を配置する基板ステージの少なくとも一方を前記移動体として移動する前記本発明の第4の観点に係るステージ装置を備えた露光装置が提供される。
上述した第1〜第5の観点に係る発明における前記計測や前記演算により求められる前記第4データは、反射面の第1軸方向に離間した2つの位置の一方についての1次元形状データと他方についての1次元形状データの相対関係を示しており、本発明では、従来技術のように、当該相対関係の導出のために基準マークを形成した計測用ウエハを用いることなく当該相対関係を求めることができる。従って、反射面の形状データを簡単かつ迅速に得ることができるとともに、基準マークの計測に伴う誤差が包含されることもないので、精度を向上することができる。
本発明の第6の観点によると、第1軸と直交する基準平面に沿って可動な移動体に保持される感光物体上にマスクのパターンを転写する露光方法において、前記第1軸方向と直交する第2軸方向に延びる前記移動体の反射面で前記第1軸方向に離間した2つの位置に照射される計測ビームによる計測結果が一定となるように前記移動体の姿勢を調整しつつ前記移動体を前記第2軸方向に移動して、前記移動体の前記第2軸回りの回転量の変化に関する回転データを計測し、前記第1軸方向に離間した複数の位置の各々における前記反射面の前記第2軸方向に関する形状データと、前記計測された回転データとを用いて、前記移動体の移動を制御するようにした露光方法が提供される。
本発明の第6の観点に係る露光方法において、前記移動中に前記姿勢調整による前記移動体の前記第1軸方向の変位量に関する情報を検出し、前記検出した情報に基づいて前記回転データを求めるようにできる。
本発明の第6の観点に係る露光方法において、前記移動体を前記第2軸方向に移動して得られる、前記反射面の前記第2軸方向に離間した複数の位置にそれぞれ計測ビームを照射する干渉計システムの計測結果に基づいて前記形状データを求めるようにできる。
本発明の第6の観点に係る露光方法において、前記反射面で前記第2軸方向に離間した複数の位置の少なくとも1つに対して第1軸方向に離間した位置に前記干渉計システムからの計測ビームが照射され、前記回転データの計測時、前記干渉計システムを用いて前記移動体の姿勢を調整するようにできる。
本発明の第7の観点によると、前記本発明の第6の観点に係る露光方法を用いてマスクのパターンを感光物体上に転写する露光工程を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の第8の観点によると、マスクのパターンを感光物体上に転写する露光装置において、前記感光物体を保持して第1軸と直交する基準平面に沿って可動で、かつ該基準平面に対する姿勢が調整可能であるとともに、前記第1軸と直交する第2軸と平行な反射面が形成される移動体を有するステージシステムと、前記反射面の前記第1軸方向に離間した2つの位置に計測ビームを照射して、前記移動体の前記第2軸回りの回転情報を少なくとも計測可能な干渉計システムと、前記反射面の前記第1軸方向に離間した2つの位置に計測ビームを照射して、前記姿勢調整による前記移動体の前記第1軸方向の変位情報を計測する変位計測装置と、前記移動体を、前記干渉計システムの前記回転情報に関する計測結果が一定となるようにその姿勢を調整しつつ前記第2軸方向に移動して得られる前記変位計測装置の計測結果に基づいて、前記移動体の前記第2軸回りの回転量の変化に関する回転データを求めるとともに、前記第1軸方向に離間した複数の位置の各々における前記反射面の前記第2軸方向に関する形状データと前記回転データとを用いて、前記移動体の移動を制御する制御装置とを備えた露光装置が提供される。
本発明の第8の観点に係る露光装置において、前記干渉計システムは、前記反射面で前記第1軸方向に離間した2つの位置の少なくとも一方に対して前記第2軸方向に離間した位置に計測ビームを照射して、前記移動体の前記第1軸回りの回転情報を計測し、前記制御装置は、前記移動体を前記第2軸方向に移動して得られる前記干渉計システムの前記第1軸回りの回転情報に関する計測結果に基づいて前記形状データを求めるようにできる。
本発明の第8の観点に係る露光装置において、前記ステージシステムは、前記移動体の姿勢を調整する複数のアクチュエータを含み、前記変位計測装置は、前記変位情報として前記複数のアクチュエータの駆動量に関する情報を計測するようにできる。
図1は一実施形態の露光装置の概略的な構成図、
図2は基板テーブルの構成、及び基板テーブルの位置検出のためのレーザ干渉計の配置を説明するための図、
図3は基板テーブルの2次元位置を検出するためのレーザ干渉計の概略的な構成図、
図4は図3のレーザ干渉計における光路を説明するための図、
図5は図3のレーザ干渉計における光路を説明するための図、
図6は図3のレーザ干渉計における光路を説明するための図、
図7は反射面のチルト情報を検出するためのレーザ干渉計の概略的な構成図、
図8は図7のレーザ干渉計における光路を説明するための図、
図9は図7のレーザ干渉計における光路を説明するための図、
図10は図7のレーザ干渉計における光路を説明するための図、
図11はレチクル微動ステージの構成、及びレチクル微動ステージの位置検出のためのレーザ干渉計の配置を説明するための図、
図12は1次元形状計測時における基板テーブルの移動及び基準マークを説明するための図、
図13は1次元形状計測時のレーザ干渉計における光路を説明するための図、
図14は1次元形状計測時のレーザ干渉計における光路を説明するための図、
図15は基準マーク位置測定による補正前における反射面の形状計測結果を説明するための図、
図16は基準マーク位置測定による補正後における反射面の形状計測結果を説明するための図、
図17は図1に示された露光装置を用いたデバイス製造方法を説明するためのフローチャート、
図18は図17のウエハプロセスステップ(ステップ204)における処理のフローチャート、
図19は基板ステージの姿勢制御に関する周辺部の構成を示す斜視図、
図20Aは上下段形状データの差分及びエンコーダ計測結果の一例を示す図、
図20Bは上下段形状データの差分とエンコーダ計測結果との差分及びその直線近似の一例を示す図、
図21はステージの形状が三角形の変形例を説明するための図、
図22はレチクルステージにおいて反射面の形状計測を行う変形例を説明するための図である。
図2は基板テーブルの構成、及び基板テーブルの位置検出のためのレーザ干渉計の配置を説明するための図、
図3は基板テーブルの2次元位置を検出するためのレーザ干渉計の概略的な構成図、
図4は図3のレーザ干渉計における光路を説明するための図、
図5は図3のレーザ干渉計における光路を説明するための図、
図6は図3のレーザ干渉計における光路を説明するための図、
図7は反射面のチルト情報を検出するためのレーザ干渉計の概略的な構成図、
図8は図7のレーザ干渉計における光路を説明するための図、
図9は図7のレーザ干渉計における光路を説明するための図、
図10は図7のレーザ干渉計における光路を説明するための図、
図11はレチクル微動ステージの構成、及びレチクル微動ステージの位置検出のためのレーザ干渉計の配置を説明するための図、
図12は1次元形状計測時における基板テーブルの移動及び基準マークを説明するための図、
図13は1次元形状計測時のレーザ干渉計における光路を説明するための図、
図14は1次元形状計測時のレーザ干渉計における光路を説明するための図、
図15は基準マーク位置測定による補正前における反射面の形状計測結果を説明するための図、
図16は基準マーク位置測定による補正後における反射面の形状計測結果を説明するための図、
図17は図1に示された露光装置を用いたデバイス製造方法を説明するためのフローチャート、
図18は図17のウエハプロセスステップ(ステップ204)における処理のフローチャート、
図19は基板ステージの姿勢制御に関する周辺部の構成を示す斜視図、
図20Aは上下段形状データの差分及びエンコーダ計測結果の一例を示す図、
図20Bは上下段形状データの差分とエンコーダ計測結果との差分及びその直線近似の一例を示す図、
図21はステージの形状が三角形の変形例を説明するための図、
図22はレチクルステージにおいて反射面の形状計測を行う変形例を説明するための図である。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1には、一実施形態に係る露光装置100の概略構成が示されている。この露光装置100は、いわゆるステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置である。この露光装置100は、マスクとしてのレチクルR上のスリット状(矩形状又は円弧状)の照明領域を均一に照明する不図示の照明系と、レチクルを保持するマスクステージとしてのレチクルステージRSTと、レチクルRのパターンをその表面にフォトレジストが塗布された基板としてのウエハW上に投影する投影光学系PLと、ウエハWを保持する基板テーブル4を含むウエハステージ装置及びこれらの制御系とを備えている。
前記照明系は、光源ユニット、オプティカル・インテグレータを含む照度均一化光学系、ビームスプリッタ、集光レンズ系、レチクルブラインド(視野絞り)、及び結像レンズ系等(いずれも不図示)から構成されている。この照明系の構成等については、例えば特開平6−349701号公報及びこれに対応する米国特許第5,534,970号に開示されている。ここで、光源ユニットとしては、KrFエキシマレーザ光源(発振波長248nm)、ArFエキシマレーザ光源(発振波長193nm)、若しくはF2レーザ光源(発振波長157nm)、Kr2(クリプトンダイマ)レーザ光源(発振波長146nm)、Ar2(アルゴンダイマ)レーザ光源(発振波長126nm)、銅蒸気レーザ光源やYAGレーザの高調波発生装置、又は超高圧水銀ランプ(g線、i線等)等が用いられる。なお、以下では光源ユニットを除く照明系を照明光学系とも呼ぶものとする。
前記レチクルステージRST(移動体)は、照明光学系の下方に水平に配置されたレチクル支持台(定盤)9の上面(基準平面)上を所定の走査方向(ここでは、図1における紙面直交方向であるY方向とする)に所定ストロークで移動可能なレチクル走査ステージ10と、このレチクル走査ステージ10上に載置され、該レチクル走査ステージ10に対してX方向、Y方向及びZ軸回りの回転方向(θZ方向)にそれぞれ微小駆動可能なレチクル微動ステージ11とを備えている。このレチクル微動ステージ11上にレチクルRが真空吸着又は静電吸着等により固定されている。なお、レチクルRはその下面(パターン面)が少なくとも前述の照明領域内で後述する投影光学系PLの第1面(物体面)と実質的に一致するようにレチクルステージRSTによって保持される。また、レチクル微動ステージ11のX方向、Y方向及びθZ方向の位置は、レチクル支持台9上に配置されたレチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」と呼ぶ)14によって常時モニタされている。なお、レチクル微動ステージ11上には、後述するように、X軸の反射鏡21X及び2個のY軸の反射鏡(コーナーキューブ、レトロリフレクタ)21Y1,21Y2が固定され、これに対応してレチクル干渉計14もレーザ干渉計14X1,14X2,14Y1,14Y2から構成されているが(図11参照)、図1では、これらが代表して反射鏡21、レチクル干渉計14として示されている。なお、レチクルステージRSTは、レチクルRを保持するレチクルテーブルの微動機構(ボイスコイルモータなどのアクチュエータ)が組み込まれた可動体を、例えばリニアモータで走査方向(Y方向)に一次元駆動する構成でもよい。また、レチクル微動ステージ11(またはレチクルテーブル)の端面を鏡面加工して反射面(前述の反射鏡21X,21Y1,21Y2の反射面に相当)として用いてもよい。
そして、このレチクル干渉計14により得られたレチクル微動ステージ11の位置情報(又は速度情報)は、装置全体の動作を統轄制御する主制御系22に供給されている。主制御系22は、レチクル走査ステージ10駆動用のリニアモータ、レチクル微動ステージ11駆動用のボイスコイルモータ等を含むレチクル駆動装置25を介してレチクル走査ステージ10、及びレチクル微動ステージ11の動作を制御する。
前記投影光学系PLとしては、ここでは両側テレセントリックで所定の縮小倍率β(βは例えば1/4,1/5等)を有する屈折光学系が使用され、前述の照明領域(36:図11参照)と共役な露光領域(34:図2参照)内にレチクルRのパターンの縮小像を投影する。この投影光学系PLの光軸AXの方向は、XY平面に直交するZ方向とされている。また、投影光学系PLのY方向の側面部には、ウエハW上の各ショット領域SA(図2参照)に付設されたアライメントマーク(ウエハマーク)を観察するための画像処理方式のオフ・アクシス・アライメントセンサ(以下、「アライメントセンサ」という)26が配置されている。このアライメントセンサ26の光学系の光軸FXは、投影光学系の光軸AXと平行とされている。かかるアライメントセンサ26の詳細な構成は、例えば特開平9−219354号公報及びこれに対応する米国特許第5,859,707号等に開示されている。なお、アライメントセンサ26によってマーク検出系が構成されている。
前記ウエハステージ装置は、投影光学系PLの下方に配置され、ウエハ支持台(定盤)1の上面(基準平面)上をY方向に移動可能なウエハY軸駆動ステージ2と、このウエハY軸駆動ステージ2上をY方向に直交するX方向(図1における紙面左右方向)に移動可能なウエハX軸駆動ステージ3と、このウエハX軸駆動ステージ3上に載置され、Z方向の微動(X軸回りの回転及びY軸回りの回転を含む)及びZ軸回りの回転が可能な基板テーブル(移動体)4とを備えている。この基板テーブル4上にウエハWが真空吸着、静電吸着等によって保持されている。なお、ウエハWはその表面(感応面)が少なくとも前述の露光領域内で投影光学系PLの第2面(結像面)と実質的に一致する(即ち、投影光学系PLの焦点深度内に設定される)ようにウエハステージ装置によって保持される。また、ウエハステージ装置は基板テーブル4の微動機構(ボイスコイルモータなどのアクチュエータ)が組み込まれた可動体を、例えばリニアモータなどで二次元駆動する構成でもよいし、その微動機構によって基板テーブル4をX方向及びY方向にそれぞれ微動可能としてもよい。
基板テーブル4は、図19に示されているように、3個のZ軸方向に伸縮可能なアクチュエータAC1〜AC3(姿勢調整装置)を介してウエハX駆動ステージ3上に載置されている。各アクチュエータAC1〜AC3の変位は、それぞれに付随したエンコーダEN1〜EN3(姿勢計測装置)によって計測される。アクチュエータAC1〜AC3は、ロータリーモータ及びカムを使用する方式、積層型圧電素子(ピエゾ素子)、又はボイスコイルモータ(ここではボイスコイルモータとする)等を使用して構成される。エンコーダEN1〜EN3は、各アクチュエータAC1〜AC3の近傍に配置され、エンコーダEN1〜EN3としては光学式又は静電容量式等のリニアエンコーダを用いることができる。なお、アクチュエータAC1〜AC3の変位(駆動量)を計測するセンサEN1〜EN3はエンコーダに限られるものでなく任意で構わない。
3個のアクチュエータAC1〜AC3は主制御系22により制御される。アクチュエータAC1〜AC3を均等に伸縮させることにより、基板ステージ4のZ方向の位置(焦点位置)を調整することができ、3個のアクチュエータAC1〜AC3の伸縮量を個別に調整することにより、基板ステージ4のX軸及びY軸の回りの傾斜角を調整することができる。3個のエンコーダEN1〜EN3から得られたZ軸方向の検出値(変位量)は主制御系22に供給される。主制御系22は、各エンコーダEN1〜EN3の検出値及び各エンコーダEN1〜EN3の配置(X−Y平面内での位置関係)に基づき、ウエハWのZ軸方向の位置、X軸回りの傾斜角及びY軸回りの傾斜角を求める。
基板テーブル4側面には反射鏡7が設けられており、外部に配置されたウエハレーザ干渉計(以下、「ウエハ干渉計」と呼ぶ)13により、基板テーブル4(ウエハW)のX方向、Y方向及びZ軸回りの回転方向(θZ方向)の位置がモニタされ、ウエハ干渉計13により得られた位置情報も主制御系22に供給されている。なお、基板テーブル4側面には、後述するように、X軸の反射鏡7XとY軸の反射鏡7Yとが固定されているが(図2参照)、図1では反射鏡7X,7Yが代表して反射鏡7として示されている。さらに、反射鏡7を設ける代わりに、例えば基板テーブル4の側面を鏡面加工して反射面(前述の反射鏡7の反射面に相当)として用いてもよい。また、ウエハ干渉計13は、基板テーブル4のXY位置を検出するために反射鏡7X、7Yに対して各2軸のレーザビームを投射する2次元位置検出系としてのレーザ干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2,13FX、並びに基板テーブル4のX軸に対する傾き(Y軸回りの回転角)及び基板テーブル4のY軸に対する傾き(X軸回りの回転角)を検出するために反射鏡7X、7Yに対して各2軸のレーザビームを投射するチルト検出系としてのレーザ干渉計13XP,13YP,13FP(チルト計測装置)から構成されているが(図2参照)、これらのレーザ干渉計が図1では代表してウエハ干渉計13として示されている。
なお、投影光学系PLの鏡筒(または投影光学系PLが載置される架台など)には、前記レチクル干渉計14が参照光束を照射するレチクル参照鏡(不図示)及び前記ウエハ干渉計13が参照光束を照射するウエハ参照鏡MRWが固定されている。なお、ウエハ参照鏡MRWは、前記レーザ干渉計13X1,13X2が参照光束を照射するX軸ウエハ参照鏡MRWX(図3参照)及び前記レーザ干渉計13Y1,13Y2が参照光束を照射するY軸ウエハ参照鏡(不図示)から構成されているが、図1ではX軸ウエハ参照鏡MRWX及びY軸ウエハ参照鏡がウエハ参照鏡MRWとして示されている。また、レチクル参照鏡もウエハ参照鏡と同様に、前記レーザ干渉計14X1,14X2が参照光束を照射するX軸レチクル参照鏡及び前記レーザ干渉計14Y1,14Y2が参照光束を照射するY軸レチクル参照鏡(いずれも不図示)から構成されている。
また、アライメントセンサ26(またはアライメントセンサ26が固定される架台など)には、レーザ干渉計13FXが参照光束を照射するアライメント参照鏡(不図示)が固定されている。
更に、図1の装置100には、送光系28及び受光系29から構成され、投影光学系PLに関してレチクルR上の照明領域と共役なウエハW上の露光領域34の内部及びその近傍に設定される複数の検出点でそれぞれウエハ表面のZ方向(光軸AX方向)位置を検出するための斜入射光式のフォーカス検出系(焦点検出系)の一つであるレベリング検出系としての多点フォーカス位置検出系が設けられている。この多点フォーカス位置検出系(28,29)の詳細な構成等については、例えば特開平6−283403号公報及びこれに対応する米国特許第5,448,332号等に開示されている。なお、多点フォーカス位置検出系は露光領域34の内部及び外部の一方のみに複数の検出点が設定されているだけでもよい。また、その複数の検出点は、走査露光時にウエハWが移動される走査方向(Y方向)及びこれと直交する非走査方向(X方向)のうち少なくとも非走査方向に関して離れた検出点を含むことが好ましい。
上記の多点フォーカス位置検出系(28,29)からのZ方向位置情報は、主制御系22に供給される。そして、主制御系22は、ウエハ干渉系13及び多点フォーカス位置検出系(28,29)から供給された位置情報に基づいて、ウエハY軸駆動ステージ2駆動用のリニアモータ、ウエハX軸駆動ステージ3駆動用のリニアモータ、基板テーブル4のXY微動用のアクチュエータ、基板テーブル4の姿勢調整用のアクチュエータAC1〜AC3等を含むウエハ駆動装置24を介してウエハY軸駆動ステージ2、ウエハX軸駆動ステージ3、及び基板テーブル4の動作を制御することにより、ウエハWをXYZの各軸方向及びXYZの各軸回り方向に位置制御する。
なお、ウエハステージ装置をウエハ支持台1と基板テーブル4とから構成し、ウエハ駆動装置24が平面型モータを含む構成とすることも可能である。また、基板テーブル4上のウエハWの近傍には、基準マーク板6が固定されている。この基準マーク板6の表面は、ウエハWの表面と同じ高さに設定され、この表面には後述するアライメント用の基準マーク等の各種の基準マークが形成されている。
また、レチクルRの図1における上方には、1対のレチクルアライメント系19及び20が配置されている。これらのレチクルアライメント系19,20は、ここでは図示を省略したが、それぞれ露光光ELまたはそれと同じ波長の照明光にて検出対象のマークを照明するための落射照明系と、その検出対象のマークの像を撮像するためのアライメント顕微鏡とを含んで構成されている。アライメント顕微鏡は、結像光学系と撮像素子とを含んでいる。この場合、レチクルRからの検出光をそれぞれレチクルアライメント系19及び20に導くための偏向ミラー15及び16が移動自在に配置されており、露光シーケンスが開始されると、主制御系22からの指令により、駆動装置17及び18により偏向ミラー15及び16はそれぞれレチクルアライメント系19,20と一体的に露光光ELの光路外に退避される。
更に、図1の装置は、レーザ干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2の反射鏡7X,7Yへの照射光束の光路を変更するための光路変更装置40を有している。この光路変更装置40については後述する。
また、前記主制御系22は、マイクロコンピュータ又はワークステーション等から構成されており、装置全体を統括的に制御する。例えば、走査露光時には、この主制御系22は、レチクル駆動装置25、ウエハ駆動装置24をそれぞれ制御し、露光光ELの照射領域(照明領域36及び露光領域34)に対して、ウエハWを図1の紙面と直交する+Y方向(又は−Y方向)に一定速度Vで走査するのと同期して、レチクルRを−Y方向(又は+Y方向)に一定速度V/βで走査するように制御する。この主制御系22には、オペレータが各種コマンド等を入力するための入力装置23が接続されている。また、本実施形態では、この主制御系22には、基板テーブル4に設けられた反射鏡7(実際には、反射鏡7X及び反射鏡7Y:図2参照)の形状情報データ27aを含む動作パラメータが記憶された記憶装置27が併設されている。
次に、図2〜図11を参照してレチクルステージRST側のレチクル干渉計14、及びウエハステージ装置側のウエハ干渉計13の構成等について説明する。
図2には基板テーブル4周辺の平面図が示されている。この図2に示されるように、基板テーブル4上のウエハWの近傍に基準マーク板6が固定されている。基準マーク板6上には、レチクルRのアライメント用の1組の基準マーク30A,30B,30C,30D,30E,30F及び不図示のベースライン計測用マークが形成されている。
また、基板テーブル4の−X方向、+Y方向の端部側面にY方向に延びたX軸の反射鏡7X、X方向に延びたY軸の反射鏡7Yがそれぞれ固定されている。また、ウエハW上のスリット状の露光領域34にレチクルRのパターンの一部の像が投影され、X方向に関する露光領域34の両端部に所定間隔で図1のレチクルアライメント系19,20の観察領域が設定されている。
反射鏡7Xには、Y軸方向に沿って距離L11を隔てて並べられ、X軸に平行なレーザビームLWX1及びLWX2が照射されている。また、Z軸方向に沿って距離DX(図8参照)を隔てて並べられ、X軸に平行な1対のレーザビームLWXPが照射されている。なお、レーザビームLWX1,LWX2は、X軸に平行で且つ投影光学系PLの光軸AXを通る軸XWAに対してY軸方向に振り分けられている。
さらに、反射鏡7Xには、X軸に平行なレーザビームLFXが照射され、また、上記のレーザビームLWXPと同様にZ軸方向に沿って距離DXを隔てて並べられ、X軸に平行な1対のレーザビームLFXPが照射されている。なお、レーザビームLFXは、X軸に平行で且つアライメントセンサ26の光軸FXを通る軸XFAに沿って反射鏡7Xに照射されている。
レーザビームLWX1,LWX2,LWXP,LFX,LFXPのそれぞれは、図2に示されるレーザ干渉計13X1,13X2,13XP,13FX,13FPから供給される。これらのレーザ干渉計13X1,13X2,13XP,13FX,13FPについて、図3〜図10を参照して説明する。
前記レーザ干渉計13X1は、図3に示されるように、光源51X1、受光器52X1、偏光ビームスプリッタ53X1、1/2波長板54X1、偏光ビームスプリッタ55X1、1/4波長板56X1、反射プリズム(コーナーキューブ)57X1、並びに反射プリズム58X1、偏光ビームスプリッタ59X1、1/4波長板60X1、反射プリズム(コーナーキューブ)61X1を有している。
ここで、レーザ干渉計13X1の作用を説明する。前記レーザ干渉計13X1では、図3に示されるように、光源51X1から+X方向へ進行する光束が射出される。ここで、光源51X1は、例えばゼーマン効果を利用した2周波レーザが用いられ、周波数(すなわち、波長)が僅かに異なり、かつ、偏光方向が互いに直交する第1偏光成分と第2偏光成分とからなるレーザ光束を出力する。なお、第1偏光成分が垂直偏光成分(V偏光)であり、第2偏光成分が水平偏光成分(H偏光)であるとする。
光源51X1から射出された光束は、図4に示されるように、偏光ビームスプリッタ53X1に入射し、偏光方向に応じて2光束に分割される。すなわち、光源51X1から射出された第1偏光成分から成る光束LWX1は、偏光ビームスプリッタ53X1をそのまま透過して+X方向に進行し、また、第2偏光成分から成る光束LWXR1は、偏光ビームスプリッタ53X1によって偏向されて+Z方向に進行する。
偏光ビームスプリッタ53X1をそのまま透過した光束LWX1は、図5に示されるように、1/2波長板54X1を介することにより偏光方向が90°回転されて偏光ビームスプリッタ55X1に入射し、偏光ビームスプリッタ55X1をそのまま透過する。偏光ビームスプリッタ55X1をそのまま透過した光束LWX1は、1/4波長板56X1によって円偏光に変換された後、Z位置がZW1でY位置がYW1近傍である反射面7XS上の点に入射して反射される。反射面7XSで反射された光束LWX1は、1/4波長板56X1によって先の偏光ビームスプリッタ55X1からの射出時から偏光方向が90°回転されて偏光ビームスプリッタ55X1に戻る。そして、光束LWX1は、偏光ビームスプリッタ55X1によって偏向されて、−Y方向に進行する。
こうして、−Y方向に進行した光束LWX1は、コーナーキューブの機能を果たす反射プリズム57X1によって反射され、偏光ビームスプリッタ55X1に再び入射する。そして、反射プリズム57X1から偏光ビームスプリッタ55X1に再入射した光束LWX1は、偏光ビームスプリッタ55X1によって偏向されて+X方向に進行し、1/4波長板56X1によって円偏光に変換された後、Z位置がZW1でY位置がYW1近傍である反射面7XS上の点に入射して再度反射される。反射面7XSで再度反射された光束LWX1は、1/4波長板56X1によって先の偏光ビームスプリッタ55X1からの射出時から偏光方向が90°回転されて偏光ビームスプリッタ55X1に再度戻り、偏光ビームスプリッタ55X1をそのまま透過する。
こうして偏光ビームスプリッタ55X1を透過した光束LWX1は、1/2波長板54X1を介することにより偏光方向が90°回転されて偏光ビームスプリッタ55X1に入射した後、偏光ビームスプリッタ55X1を透過し、測定光束として受光器52X1へ向けて進行する。
一方、偏光ビームスプリッタ53X1によって偏向され、+Z方向に進行した光束LWXR1は、反射プリズム58X1によって反射されて+X方向に進行し、偏向ビームスプリッタ59X1に入射する。以後、図6に示されるように、上記の図5の場合と同様にして、偏向ビームスプリッタ59X1、1/4波長板60X1、及び反射プリズム61X1を介しつつX軸ウエハ参照鏡MRWXで2度反射された後に、偏光ビームスプリッタ59X1から射出されて反射プリズム58X1に入射する。こうして反射プリズム58X1に入射した光束LWXR1は、反射プリズム58X1で反射されて−Z方向に進行した後、偏光ビームスプリッタ53X1によって偏向されて−X方向に進行し、上記の光束LWX1とほぼ同一の光路上を参照光束として受光器52X1へ向かう。
すなわち、受光器52X1への入射光束は、上記の測定光束LWX1と参照光束LWXR1との合成光となっている。そして、受光器52X1では、測定光束LWX1と参照光束LWXR1の偏光方向を同一として干渉させることにより、測定光束LWX1と参照光束LWXR1との光路長差を反映した干渉光を発生させ、その干渉状態を測定する。ところで、X軸ウエハ参照鏡MRWXは、投影光学系PLに固定されており、光源51X1からX軸ウエハ参照鏡MRWXを介して受光器52X1に至る参照光束の光路長は不変とみなしてよいので、被測定光束と参照光束との干渉状態を測定することにより、反射面7XS上における測定光束の照射点の測長方向(X軸方向)位置、すなわちX位置を検出する。なお、実際には、所定状態(例えば、レチクルアライメント時の状態)においてレーザ干渉計13X1をリセットし、そのリセット状態における反射面7XS上の測定光束の照射点のX軸方向位置をX軸方向の座標原点として、位置検出が行われる。以上のようにして検出されたX位置を、以下「XW1」と表す。
図3に戻り、前記レーザ干渉計13X2は、上記のレーザ干渉計13X1に隣接して設けられており、レーザ干渉計13X1と同様に構成されている。より具体的には、レーザ干渉計13X2では、図3に示されるように、レーザ干渉計13X1との隣接面を基準として、レーザ干渉計13X1の構成要素51X1〜61X1に対応する構成要素51X2〜61X2が、前記隣接面に対して面対称に配置されている。
すなわち、レーザ干渉計13X2では、レーザ干渉計13X1と同様にして、反射面7XSに光束LWX2が照射され、反射されて受光器52X2へ向かう測定光束(図5参照)と、X軸ウエハ参照鏡MRWXに光束LWXR2が照射され、反射されて受光器52X2へ向かう参照光束(図6参照)との干渉状態を測定することにより、反射面7XS上における測定光束の照射点の測長方向(X軸方向)位置を検出する。以上のようにして検出されたX位置を、以下「XW2」と表す。
前記レーザ干渉計13XPは、図7に示されるように、光源51XP、受光器52XP、偏光ビームスプリッタ53XP、1/2波長板54XP、偏光ビームスプリッタ55XP、1/4波長板56XP、反射プリズム(コーナーキューブ)57XP、並びに反射プリズム58XP、偏光ビームスプリッタ59XP、1/4波長板60XP、反射プリズム(コーナーキューブ)61XPを有している。すなわち、レーザ干渉計13XPは、上記のレーザ干渉計13X1と同様の構成要素を有しているが、各構成要素のZ軸方向の配置位置が異なっている。
ここで、レーザ干渉計13XPの作用を説明する。レーザ干渉計13XPでは、図7に示されるように、光源51XPから+X方向へ進行する光束が射出される。ここで、光源51XPは、レーザ干渉計13X1における光源51X1と同様に、例えばゼーマン効果を利用した2周波レーザが用いられており、光束LWXPとして周波数(すなわち、波長)が僅かに異なり、かつ、偏光方向が互いに直交する第1偏光成分と第2偏光成分とからなるレーザ光束を出力する。なお、第1偏光成分が垂直偏光成分(V偏光)であり、第2偏光成分が水平偏光成分(H偏光)であるとする。
光源51XPから射出された光束は、図8に示されるように、偏光ビームスプリッタ53XPに入射し、偏光方向に応じて2光束に分割される。すなわち、光源51XPから射出された光束の第1偏光成分から成る光束LWXP2は、偏光ビームスプリッタ53XPをそのまま透過して+X方向に進行し、また、第2偏光成分から成る光束LWXP1は、偏光ビームスプリッタ53XPによって偏向されて+Z方向に進行する。
偏光ビームスプリッタ53XPをそのまま透過した光束LWXP2は、図9に示されるように、レーザ干渉計13X1の場合と同様に、1/2波長板54XP、偏光ビームスプリッタ55XP、1/4波長板56XPを順次介した後、Z位置がZW2(=ZW1−DX)、Y位置がYWP近傍である反射面7XS上の点に入射して反射される。反射面7XSで反射された光束LWXP2は、1/4波長板56XP、偏光ビームスプリッタ55XP、反射プリズム57XP、1/4波長板56XPを順次介した後、Z位置がZW2(=ZW1−DX)、Y位置がYWP近傍である反射面7XS上の点に入射して再反射される。反射面7XSで再反射された光束LWXP2は、1/4波長板56XP、偏光ビームスプリッタ55XP、1/2波長板54XP、ビームスプリッタ53XPを順次介した後、第1測定光束として受光器52XPへ向けて進行する。
一方、偏光ビームスプリッタ53XPによって偏向され、+Z方向に進行した光束LWXP1は、反射プリズム58XPによって反射されて+X方向に進行し、偏向ビームスプリッタ59XPに入射する。以後、図10に示されるように、上記の図9の場合と同様にして、偏向ビームスプリッタ59XP、1/4波長板60XP、及び反射プリズム61XPを介しつつ反射面7XSのYZ座標(YWP,ZW1)近傍で2度反射された後に、偏光ビームスプリッタ59XPから射出されて反射プリズム58XPに入射する。こうして反射プリズム58XPに入射した光束LWXP1は、反射プリズム58XPで反射されて−Z方向に進行した後、偏光ビームスプリッタ52XPによって偏向されて−X方向に進行し、上記の第1測定光束とほぼ同一の光路上を第2測定光束として受光器52XPへ向かう。
すなわち、受光器52XPへの入射光束は、上記の第1測定光束と第2測定光束との合成光となっている。そして、受光器52XPでは、第1測定光束と第2測定光束との偏光方向を同一として干渉させることにより、第1測定光束と第2測定光束との光路長差を反映した干渉光を発生させ、その干渉状態を測定する。この干渉状態の測定により、反射面7XSのY軸回りの回転量が検出される。なお、上記のレーザ干渉計13X1の場合と同様に、実際には、所定状態(例えば、レチクルアライメント時の状態)においてレーザ干渉計13XPをリセットし、そのリセット状態における反射面7XSのY軸回りの回転量を零として、反射面7XSのY軸回りの回転量(ローリング量)検出が行われる。以下、レーザ干渉計13XPによって検出されたチルト情報(Y軸回りの回転量であるピッチング量)を、以下「ΔLWXP」と表す。
なお、レーザビームLWX1、レーザビームLWX2、及びレーザビームLWXP1とは、同一のZ位置ZW1でY軸方向に配列され、図2に示されるようにレーザビームLWX1とレーザビームLWXP1とのY軸方向の間隔がL12とされている。
図2に戻り、前記レーザ干渉計13FXは、上述のレーザ干渉計13X1と同様に構成されている。そして、レーザ干渉計13FXでは、レーザ干渉計13X1と同様にして、反射面7XSに照射され、反射されて受光器へ向かう測定光束と、X軸ウエハ参照鏡MRWXとは別設される前述のアライメント参照鏡(不図示)に照射され、反射されて受光器へ向かう参照光束との干渉状態を測定することにより、反射面7XS上における測定光束の照射点の測長方向(X軸方向)位置を検出する。以上のようにして検出されたX位置を、以下「XF」と表す。
また、前記レーザ干渉計13FPは、上述のレーザ干渉計13XPと同様に構成されている。そして、レーザ干渉計13FPでは、レーザ干渉計13XPと同様にして、反射面7XSに照射され、反射されて受光器へ向かう第1測定光束と第2測定光束との干渉状態を測定することにより、リセット状態における反射面7XSのY軸回りの回転量を零として、反射面7XSのY軸回りの回転量検出が行われる。以下、レーザ干渉計13FPによって検出されたチルト情報を、以下「ΔLFXP」と表す。なお、レーザ干渉計13XP,13FPはそれぞれ反射面7XS上でZ位置が異なる点に照射される第1及び第2測定光束の干渉光を検出することで前述のチルト情報を得るものとしたが、例えば2つのレーザ干渉計からの測定光束を、反射面7XS上でZ位置が異なる点に照射し、各レーザ干渉計で得られる反射面7XSのX位置に基づいて前述のチルト情報を得るようにしてもよい。このとき、レーザ干渉計13XPではその2つの干渉計の一方を、レーザ干渉計13X1又は13X2で兼用させてもよいし、レーザ干渉計13FPではその2つのレーザ干渉計の一方とレーザ干渉計13FXとでそれぞれ得られるX位置に基づいて反射面7XSのZ軸回りの回転量(ヨーイング量)を求めてもよい。
反射鏡7Yには、X軸方向に沿って間隔L21で隔てられ、Y軸に平行なレーザビームLWY1及びLWY2が照射されている。また、Z軸方向に沿って間隔DY(不図示)で隔てられ、X軸に平行な1対のレーザビームLWYPが照射されている。なお、レーザビームLWY1,LWY2は、Y軸に平行で且つ投影光学系PLの光軸AXを通る軸YWAに対してX方向に振り分けられている。
レーザビームLWY1,LWY2,LWYPのそれぞれは、図2に示されるレーザ干渉計13Y1,13Y2,13YPから供給されており、レーザ干渉計13Y1,13Y2は、測長方向がY軸方向であり、反射鏡7Y及びY軸ウエハ参照鏡に対向して配置される点を除いて、上述のレーザ干渉計13X1,13X2と同様に構成される。なお、レーザ干渉計13Y1,13Y2によって検出されたY位置を、以下「YW1」、「YW2」と表す。また、前記レーザ干渉計13YPは、測長方向がY軸方向であり、反射鏡7Yに対向して配置される点を除いて、上述のレーザ干渉計13XPと同様に構成される。なお、レーザ干渉計13YPによって検出されたチルト情報(X軸回りの回転量であるピッチング量)を、以下「ΔLWYP」と表す。
以上の反射鏡7X,7Yは、ウエハWの走査露光又はステッピング等の位置制御時に、レーザビームLWX1,LWX2,LWXP,LWY1,LWY2,LWYPが外れることが無いように、また、ウエハWのアライメントセンサ26によるアライメント計測時に、レーザビームLFX,LFXP,LWY1,LWY2,LWYPが外れることが無いように十分長く形成されている。なお、本実施形態の露光装置では走査露光時とアライメント計測時とでレーザ干渉計13Y1,13Y2,13YPを兼用するものとしたが、例えばレーザ干渉計13FX,13FPと同一構成の1組のレーザ干渉計を、アライメント計測時におけるY位置及びX軸回りの回転量(さらにはヨーイング量)の検出用として設けてもよい。この構成では、ウエハステージ装置を大型化することなく(即ち、反射面7を長くすることなく)、投影光学系PLを介してレチクルのパターンの転写が行われる露光位置と、アライメントセンサ26によるマーク検出が行われる計測位置(アライメント位置)とを大きく離して設定することができ、ウエハステージ装置として、露光動作とアライメント動作とをほぼ並行して実行可能とするように、それぞれ独立に可動な2つのウエハステージを備えるダブルウエハステージ方式を採用することもできる。
上記のレーザ干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2によって、走査露光又はステッピング等の位置制御時における基板テーブル4のXY位置(XW,YW)、ひいてはウエハWのXY位置が検出される。すなわち、レーザ干渉計13X1,13X2によるX位置測定結果XW1,XW2に基づいて、基板テーブル4のX位置XWが、
XW=(XW1+XW2)/2 …(3)
によって検出される。また、レーザ干渉計13Y1,13Y2によるY位置測定結果YW1,YW2に基づいて、基板テーブル4のY位置YWが、
YW=(YW1+YW2)/2 …(4)
によって検出される。
また、レーザ干渉計13FX,13Y1,13Y2によって、アライメント計測時における基板テーブル4のXY位置(XW(=XF),YW)、ひいてはウエハWのXY位置が検出される。すなわち、レーザ干渉計13FXによるX位置測定結果XFが、基板テーブル4のX位置XWとして検出される。また、レーザ干渉計13Y1,13Y2によるY位置測定結果YW1,YW2に基づいて、基板テーブル4のY位置YWが検出される。
また、測定値XW1,XW2又は測定値YW1,YW2に基づいて、基板テーブル4のヨーイング量(Z軸回りの回転量)θZWが、
θZW=(XW1−XW2)/L11 …(5)
または、
θZW=(YW1−YW2)/L21 …(5’)
によって検出される。すなわち、反射面7XSにおける測定光束LWX1の照射点と測定光束LWX2の照射点との間における反射面7XSのZ軸回りの局所的な回転角、または、反射面7YSにおける測定光束LWY1の照射点と測定光束LWY2の照射点との間における反射面7YSのZ軸回りの局所的な回転角から、基板テーブル4のヨーイング量θZWが検出される。
さらに、測定値XW1,XW2,YW1,YW2に基づいて、反射鏡7X,7Yのリセット状態からの基板テーブル4における直交度誤差変動ΔωWが、 ΔωW=(YW1−YW2)/L21−(XW1−XW2)/L11…(6)
によって検出される。すなわち、反射面7XSにおける測定光束LWX1の照射点と測定光束LWX2の照射点との間における反射面7XSのZ軸回りの局所的な回転角と、反射面7YSにおける測定光束LWY1の照射点と測定光束LWY2の照射点との間における反射面7YSのZ軸回りの局所的な回転角との差から、反射鏡7X,7Yのリセット状態からの基板テーブル4における直交度誤差変動ΔωWが検出される。
以上のようにして検出されるX座標XW及びY座標YWよりなる座標系を、ウエハステージの座標系(XW,YW)と呼ぶ。この座標系(XW,YW)は、リセット状態からの値であり、X軸及びY軸よりなる設計上の理想的な直交座標系とは或る程度異なっているが、所定の条件に較正された後、ウエハWの移動は較正されたウエハステージの新座標系(XW,YW)に基づいて行われる。
図11には、レチクル微動ステージ11周辺の平面図が示されている。この図11に示されるように、レチクル微動ステージ11上にレチクルRが保持されている。また、レチクル微動ステージ11の+X方向の端部、及び−Y方向の端部にはY方向に延びたX軸の反射鏡21X、コーナーキューブよりなる2個のY軸の反射鏡21Y1,21Y2がそれぞれ固定されている。また、レチクル微動ステージ11は、主制御系22の制御の下で、ボイスコイルモータを駆動源とするアクチュエータ38L,38Rによって駆動される。なお、レチクル微動ステージ11をX方向に微動するアクチュエータも設けられているが、図11では図示省略している。
反射鏡21Xには、Y軸方向に沿って間隔L3で隔てられ、X軸に平行なレーザビームLRX1及びLRX2が照射されている。なお、レーザビームLRX1,LRX2は、X軸に平行で且つそれぞれ投影光学系PLの光軸AXを通る軸XRAに対してY軸方向に振り分けられている。また、反射鏡21Y1,21Y2には、X軸方向に沿って間隔L3で隔てられ、Y軸に平行なレーザビームLRY1及びLRY2が照射されている。なお、レーザビームLRY1,LRY2は、Y軸に平行で且つそれぞれ投影光学系PLの光軸AXを通る軸YRAに対してX軸方向に振り分けられている。
レーザビームLRX1,LRX2,LRY1,LRY2のそれぞれは、レチクル干渉計14X1,14X2,14Y1,14Y2から供給されている。そして、レチクル微動ステージ11のX位置がレチクル干渉計14X1,14X2による測定値に基づいて検出され、また、レチクル微動ステージ11のY位置がレチクル干渉計14Y1,14Y2による測定値に基づいて検出される。
前記レチクル干渉計14X1,14X2は、反射鏡21X及びX軸レチクル参照鏡に対向して配置される点を除いて、上述のレーザ干渉計13X1,13X2と同様に構成される。なお、レチクル干渉計14X1,14X2によって検出されたX位置を、以下「XR1」、「XR2」と表す。
また、前記レチクル干渉計14Y1,14Y2は、反射鏡21Y1,21Y2及びY軸レチクル参照鏡に対向して配置される点を除いて、上述のレーザ干渉計13Y1,13Y2と同様に構成される。なお、レチクル干渉計14Y1,14Y2によって検出されたY位置を、以下「YR1」、「YR2」と表す。
なお、Y方向の反射鏡(コーナーキューブ)21Y1,21Y2で反射されたレーザビームLRY1,LRY2はそれぞれ反射ミラー14M1,14M2で反射されて戻されており、レチクル微動ステージ11が回転してもレーザビームの位置ずれが生じない構成になっている。また、レチクルR上の矩形の照明領域36に露光光ELが照射され、X方向に関する照明領域36の両端にレチクルアライメント系19,20の観察領域が設定されている。なお、照明領域36は、図2のウエハW上の露光領域34と共役である。また、図11に示されるように、一例としてレチクルRのパターン領域の両側には十字型のアライメントマーク32A〜32Fが形成されている。図2の基準マーク板6上の基準マーク30A〜30Fをレチクル側に投影したときの各投影像の位置関係は、アライメントマーク32A〜32Fの相互の位置関係とほぼ等しい。
上記のレーザ干渉計14X1,14X2,14Y1,14Y2によって、レチクル微動ステージ11のXY位置(XR,YR)、ひいてはレチクルRのXY位置が検出される。すなわち、レーザ干渉計14X1,14X2によるX位置測定結果XR1,XR2に基づいて、微動ステージ11のX位置XRが、
XR=(XR1+XR2)/2 …(7)
によって検出される。また、レチクル干渉計14Y1,14Y2によるY位置測定結果YR1,YR2に基づいて、微動ステージ11のY位置YRが、
YR=(YR1+YR2)/2 …(8)
によって検出される。
また、測定値XR1,XR2に基づいて、レチクルRのヨーイング量θZRが、
θZR=(XR1−XR2)/L3 …(9)
によって検出される。さらに、測定値XR1,XR2,YR1,YR2に基づいて、反射鏡21Xと反射鏡21Y1,21Y2との直交度誤差変動ΔωRが、
ΔωR=(YR1−YR2)/L4−(XR1−XR2)/L3 …(10)
によって検出される。
以上のように検出されるX座標XR及びY座標YRよりなる座標系がレチクルステージの座標系(XR,YR)と呼ばれる。この座標系(XR,YR)は、X軸及びY軸よりなる設計上の理想的な直交座標系とは或る程度異なっている場合があるが、レチクルRはレチクルステージの座標系(XR,YR)に基づいて駆動される。
次に、上述の基板テーブル4のXY位置(XW,YW)の補正及びウエハWのXY位置のアッベ誤差の補正に使用される、基板テーブル4の側面に設けられた反射鏡7X,7Yの反射面の形状計測について、図12〜図16、図19及び図20A、図20Bを参照して説明する。かかる形状計測にあたっては、上述の露光装置100の構成要素の内、主制御系22、レーザ干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2、ウエハ駆動装置24、及び光路変更装置40等が使用される。すなわち、主制御系22、レーザ干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2、ウエハ駆動装置24、及び光路変更装置40等から反射鏡7X,7Yの反射面の形状計測装置(1次元形状計測装置)が構成されている。
ここで、光路変更装置40について説明する。図12及び図14においてレーザ干渉計13X1について代表的に示されるように、レーザ干渉計13X1,13X2の測定光束LWX1,LWX2が射出される1/4波長板56X1,56X2の後段には、光路変更装置40が配置されている。なお、同図を参照した以下の説明では、代表的にレーザ干渉計13X1の各構成要素についての符号を付して位置関係等を説明する。
光路変更装置40は、可動ミラー410及び固定ミラー420を備えて構成される。可動ミラー410は、レーザ干渉計13X1の1/4波長板56X1から射出されて反射面7XSに向かう測定光束LWX1の光路に対して、その鏡面が45°の角度をなすように配置される反射位置と、測定光束LWX1の光路外に配置される退避位置とで選択的に移動できるように構成されている。
すなわち、可動ミラー410は、可動ミラー支持部材411に支持されており、可動ミラー支持部材411は支持軸412を中心に所定の角度範囲(ここでは45°)で回動可能な状態で不図示のフレーム(例えば、投影光学系PLが載置される架台)等に支持されている。可動ミラー支持部材411は、エアシリンダ等の駆動装置413により駆動され、駆動装置413は主制御系22から送られる制御信号に基づいて、可動ミラー410が反射位置又は退避位置に設定されるように制御される。なお、図12で実線で示す可動ミラー410の位置、図14で点線で示す可動ミラー410の位置が退避位置であり、図12で点線で示す可動ミラー410の位置、図14で実線で示す可動ミラー410の位置が反射位置である。
可動ミラー410が退避位置に設定された状態(図12)では、1/4波長板56X1から射出され、+X方向に向かう測定光束LWX1は、そのまま直進して、反射面7XSのZ方向位置がZW1の位置に照射され、可動ミラー410が反射位置に設定された状態(図14)では、1/4波長板56X1から射出され、+X方向に向かう測定光束LWX1は、可動ミラー410により90°の角度で−Z方向に向けて全反射される。
固定ミラー420は、可動ミラー410が反射位置にあるときに、該可動ミラー410により反射された光束LWX1を反射鏡7Xの反射面7XSに向けて反射するように、反射位置にある可動ミラー410に対して平行な状態で不図示のフレーム(例えば、投影光学系PLが載置される架台)等に固定されている。可動ミラー410により反射されて、−Z方向に進行する測定光束LWX1は、固定ミラー420により+X方向に全反射され、反射面7XSのZ方向位置がZW1から距離DXだけシフトした位置ZW2に照射される(図14参照)。
さて、基板テーブル4の側面に設けられた反射鏡7X,7Yの反射面の形状計測は、まず、主制御系22がウエハ駆動装置24を介して基板テーブル4を制御し、基板テーブル4表面がXY面とほぼ平行になるように、基板テーブル4を駆動する。そして、主制御系22が光路変更装置40の駆動装置413を制御して、図12においてウエハ干渉系13X1について代表的に示されるように、可動ミラー410を、レーザ干渉計13X1,13X2から射出された測定光束LWX1,LWX2の反射鏡7Xに至る光路上から退避させる。この結果、測定光束LWX1,LWX2は、反射鏡7XのZ位置ZW1に照射されることになる。引き続き、主制御系22がウエハ駆動装置24を介してウエハX軸駆動ステージ2及びウエハY軸駆動ステージ3を制御し、基板テーブル4を図13において実線で示される計測開始位置に移動させる。以上の基板テーブル4の移動中において基板テーブル4が所定位置となったときに、レーザ干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2をリセットする。なお、本実施形態では、基板テーブル4が計測開始位置にきたときに、レーザ干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2をリセットしている。また、形状計測時におけるレーザ干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2のリセット位置と、後述する位置制御時におけるレーザ干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2のリセット位置とは所定の位置関係となっている。
次に、主制御系22がウエハ駆動装置24を介して、Y軸ウエハ駆動ステージ2を制御し、基板テーブル4を−Y方向に移動させつつ、レーザ干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2によって検出されたX位置XW1(t,ZW1),XW2(t,ZW1)及びY位置YW1(t,ZW1),YW2(t,ZW1)(t:時刻)をほぼ同時に収集する作業を逐次実行する。
ところで、各収集時における反射面7XSのZ軸回りの局所的な回転量θZX(t,ZW1)及び反射面7YSのZ軸回りの局所的な回転量θZY(t,ZW1)は、
θZX(t,ZW1)=(XW1(t,ZW1)
−XW2(t,ZW1))/L11 …(11)
θZY(t,ZW1)=(YW1(t,ZW1)
−YW2(t,ZW1))/L21 …(12)
によって求められる。
ここで、基板テーブル4は−Y方向に移動するので、ウエハ干渉計13Y1,13Y2から射出された測定光束LWY1,LWY2は、実質的には反射鏡7Yの同一位置に照射され続ける。したがって、反射鏡7YのZ軸回りの局所的な回転量θZY(t,ZW1)には、Y軸方向に関する反射鏡7Yの1次元的な形状変化の寄与は含まれていないので、回転量θZY(t,ZW1)は、基板テーブル4の移動に伴う基板テーブル4の時刻tにおけるZ軸回りの回転量、すなわち基板テーブル4のヨーイング量そのものとなっているとみなしてよい。
一方、反射鏡7XのZ軸回りの局所的な回転量θZX(t,ZW1)は、各収集時における基板テーブル4のヨーイング量と反射鏡7Xの反射面7XSのX軸方向に関する1次元的な形状変化との和となっている。したがって、反射鏡7Xの反射面7XSのX軸方向に関する1次元的な形状変化による、反射鏡7XのZ軸回りの局所的な回転量θZX(t,ZW1)は、
θZX(t,ZW1)=θZX(t,ZW1)
−θZY(t,ZW1) …(13)
によって求められる。
ところで、各収集時における基板テーブル4のY位置YW(t,ZW1)は、
YW(t,ZW1)=(YW1(t,ZW1)
+YW2(t,ZW1))/2 …(14)
によって求められ、時刻tに対して一義的に決まる。
すなわち、反射鏡7XのZ軸回りの局所的な回転量θZX(t,ZW1)を、反射鏡7XのZ軸回りの局所的な回転最θZX(YW,ZW1)と表すことができる。したがって、レーザ干渉計13X1,13X2のリセット時におけるY位置(以下、「計測基準Y位置」という)をYWSとして、Z位置ZW1における反射鏡7XのY軸方向に関する1次元形状DXW(YW,ZW1)は、次式によって求められる。
そこで、主制御系22は、収集したX位置XW1(t,ZW1),XW2(t,ZW1)及びY位置YW1(t,ZW1),YW2(t,ZW1)に基づいて、上記の(11)式から(15)式までを使用して、Z位置ZW1における反射鏡7XのY軸方向に関する1次元形状DXW(YW,ZW1)を算出する。
次に、主制御系22がウエハ駆動装置24を介してウエハX軸駆動ステージ2及びウエハY軸駆動ステージ3を制御し、基板テーブルを図13において実線で示される計測開始位置に移動させる。引き続き、主制御系22が光路変更装置40の駆動装置413を制御して、図14においてウエハ干渉計13X1について代表的に示されるように、レーザ干渉計13X1,13X2から射出された測定光束LWX1,LWX2の反射鏡7Xに至る光路上(反射位置)に可動ミラー410を移動させる。この結果、測定光束LWX1,LWX2は、反射鏡7XのZ位置ZW2に照射されることになる。この後、レーザ干渉計13X1,13X2をリセットする。
次いで、Z位置ZW1における1次元形状計測と同様にして、主制御系22がウエハ駆動装置24を介して、Y軸ウエハステージ3を制御し、基板テーブル4を−Y方向に移動させつつ、レーザ干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2によって検出されたX位置XW1(t,ZW2),XW2(t,ZW2)及びY位置YW1(t,ZW2),YW2(t,ZW2)をほぼ同時に収集する作業を逐次実行する。そして、主制御系22が、収集したX位置XW1(t,ZW2),XW2(t,ZW2)及びY位置YW1(t,ZW2),YW2(t,ZW2)に基づいて、上記の(11)式から(15)式と同様の式を利用して、Z位置ZW2における反射鏡7XのY軸方向に関する1次元形状DXW(YW,ZW2)が算出される。
こうして、反射鏡7Xの反射面7XSの形状情報[DXW(YW,ZW1),DXW(YW,ZW2)]が得られる。
また、反射鏡7Yの反射面7YSの形状情報[DYW(XW,ZW1),DYW(XW,ZW2)]は、上記の反射面7XSの形状計測と同様にして、主制御系22、レーザ干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2、ウエハ駆動装置24、及び光路変更装置40等が使用される。すなわち、主制御系22、レーザ干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2、ウエハ駆動装置24、及び光路変更装置40等によって、反射鏡7Yの反射面7YSの形状計測を行うことによって得られる。
以上のようにして得られた反射鏡7Xの反射面7XSの形状情報[DXW(YW,ZW1),DXW(YW,ZW2)]及び反射鏡7Yの反射面7YSの形状情報[DYW(XW,ZW1),DYW(XW,ZW2)]が、図15に示されている。ここで、1次元形状DXW(YW,ZW1)と1次元形状DXW(YW,ZW2)とを比較してみると、計測基準Y位置YWSにおいて、
DXW(YWS,ZW1)=DXW(YWS,ZW2)
となっている。これは、1次元形状DXW(YW,ZW1)及び1次元形状DXW(YW,ZW2)の計測それぞれの計測基準Y位置YWSにおいて、レーザ干渉計13X1,13X2の双方をリセットするからである。
したがって、1次元形状DXW(YW,ZW1)と1次元形状DXW(YW,ZW2)とに基づいて、反射面7XSの各Y位置におけるY軸回りの回転量θY(YW)を、
θY(YW)=(DXW(YW,ZW1)
−DXW(YW,ZW2))/DX …(16)
で求めると、必ず、
θY(YWS)=0 …(17)
となることになる。
すなわち、上記の(17)式によると、反射面7XSの計測基準Y位置YWSでは、反射面7XSのY軸回りの回転量が必ず「0」として計測されることになる。しかし、実際には、Z位置ZW1における1次元形状計測及びZ位置ZW2における1次元形状計測でそれぞれ、レーザ干渉計13X1,13X2のリセット時における状態が同一であるとは限らない。したがって、一般には、Z位置ZW1における2次元位置検出値XW(ZW1),YW(ZW1)と、Z位置ZW2における2次元位置検出値XW(ZW2),YW(ZW2)との間にはオフセットが存在することになる。このため、(16)式によって求められる反射面7XSの各Y位置におけるY軸回りの回転量θY(YW)は、実際の反射面7XSのY軸回りの回転量とは異なっている。かかる事情は、反射面7YSのX軸回りの回転量についても同様である。
この実施形態では、反射鏡7X,7Yの反射面7XS,7YSのZ位置ZW1(以下、上段ということがある)における1次元形状データDXW(YW,ZW1),DYW(XW,ZW1)とZ位置ZW2(以下、下段ということがある)における1次元形状データDXW(YW,ZW2),DYW(XW,ZW2)との相対関係(オフセット)を以下のようにして求める。
Y軸方向に沿う反射鏡7Xの反射面7XSについては以下の通りである。まず、主制御系22はウエハ駆動装置24を介して基板テーブル4を制御して所定の計測開始位置(ここでは、前記計測基準Y位置)に設定するとともに、図19に示したアクチュエータAC1〜AC3を制御して、基板テーブル4表面が所定面、例えばXY面とほぼ平行となるように設定する。この状態で、レーザ干渉計13XPをリセット(零リセット)する。
その後、レーザ干渉計13XPの計測結果としてのチルト情報ΔLWXPが一定(ここでは零)の状態を保つように、アクチュエータAC1〜AC3の変位量を適宜に制御しつつ、基板テーブル4をY軸方向に沿って一定の速度で移動させる。このとき、各エンコーダEN1〜EN3の出力(Z軸方向の変位)を基板テーブル4のY位置(YW)との関係で逐次サンプリングする。基板テーブル4は所定の計測終了位置に至るまでこれらを行いつつ移動される。
主制御系22は、各エンコーダEN1〜EN3の出力(Z軸方向の変位)及び各エンコーダEN1〜EN3の配置(位置関係)に基づき、基板テーブル4のY軸に沿う方向のY軸回りの回転角の変化θYEN(YW)を算出する。基板テーブル4のY軸に沿う方向のY軸回りの回転角の変化θYEN(YW)は、本発明の第2データに相当する。このθYEN(YW)は、例えば図20Aに点線で示したような結果となる。なお、図20A及び図20Bにおいて、縦軸はY軸回りの回転角(θY)であり、横軸はY軸方向の位置(YW)である。
次いで、上段形状データDXW(YW,ZW1)と下段形状データDXW(YW,ZW2)との差(以下、上下段の曲がりの差ということがある)を求め、これを角度換算(Z位置ZW1とZW2との距離DXで除算)した上下段曲がりの差、即ち、上記(16)式のθY(YW)を求める。この上下段の曲がりの差θY(YW)は本発明の第1データに相当する。θY(YW)は、上段形状データDXW(YW,ZW1)及び下段形状データDXW(YW,ZW2)が図15に示したような結果である場合には、図20Aに実線で示したようなものとなる。
その後、このθY(YW)とθYEN(YW)との差を求める。即ち、この差をDIFθY(YW)として、
DIFθY(YW)=θYEN(YW)−θY(YW)
を求める。DIFθY(YW)は、例えば図20Bに点線で示したような結果となる。
ここで、DIFθY(YW)はレーザ干渉計13X1,13X2のリセット時における上段形状データDXW(YWS,ZW1)と下段形状データDXW(YWS,ZW2)の相対関係(ここではY軸回りの角度)を反映することになるので、理想状態(各部の誤差が無いと仮定した場合)においては傾きが零の直線となる筈である。しかし、そのような理想状態は現実にはあり得ないため、DIFθY(YW)は通常は直線とはならない。この場合の誤差の主要なものとしては、基板テーブル4の移動の基準平面を構成するウエハ支持台1の上面のうねりやねじれ等の影響がエンコーダEN1〜EN3の出力に基づくθYEN(YW)に含まれてしまうことによるものと考えられる。
このように、DIFθY(YW)は通常は直線とはならないので、例えば最小二乗法を用いて誤差の二乗の総和が最小となるように直線近似して、これをY軸方向に沿う反射鏡7Xについての上下段の形状データの相対関係RELθY(YW)とする。この場合のRELθY(YW)は、例えば図20Bに実線で示すようなものとなる。DIFθY(YW)をこのように直線近似することにより、ウエハ支持台1の上面の局所的なうねりやねじれ等の影響をある程度軽減することができる。なお、このとき、傾き零の直線で直線近似する、即ち、θY軸方向の誤差の二乗の総和が最小となるように直線近似するようにしてもよい。この場合、RELθY(YW)は図20BのYW軸に平行な直線となり、YWの値によらない上下段形状データDXW(YW,ZW1),DXW(YW,ZW2)の相対関係を反映することになる。
このように、最も誤差が小さくなるように直線近似すると、RELθY(YW)は通常はある傾きを持つことになる。この傾きは、ウエハ支持台1の上面の全体的なうねりやたわみの影響を反映していると考えられる。本実施形態では、これをそのまま含めたかたちでRELθY(YW)を求める。
次いで、上下段の曲がりの差θY(YW)にRELθY(YW)を加算したものを、レーザ干渉計13XPによる計測結果ΔLWXPに対する補正値XOFθY(YW)として、記憶装置27に格納する。
X軸方向に沿う反射鏡7Yの反射面7YSについては以下の通りである。まず、主制御系22はウエハ駆動装置24を介して基板テーブル4を制御して所定の計測開始位置(ここでは、1次元形状計測におけるレーザ干渉計13Y1,13Y2のリセット位置)に設定するとともに、図19に示したアクチュエータAC1〜AC3を制御して、基板テーブル4表面が所定面、例えばXY面とほぼ平行となるように設定する。この状態で、レーザ干渉計13YPをリセット(零リセット)する。
その後、レーザ干渉計13YPの計測結果としてのチルト情報ΔLWYPが一定(ここでは零)の状態を保つように、アクチュエータAC1〜AC3の変位量を適宜に制御しつつ、基板テーブル4をX軸方向に沿って一定の速度で移動させる。このとき、各エンコーダEN1〜EN3の出力(Z軸方向の変位)を基板テーブル4のX位置(XW)との関係で逐次サンプリングする。基板テーブル4は所定の計測終了位置に至るまでこれらを行いつつ移動される。
主制御系22は、各エンコーダEN1〜EN3の出力(Z軸方向の変位)及び各エンコーダEN1〜EN3の配置(位置関係)に基づき、基板テーブル4のX軸に沿う方向のX軸回りの回転角の変化θXEN(XW)を算出する。基板テーブル4のX軸に沿う方向のX軸回りの回転角の変化θXEN(XW)は、本発明の第2データに相当する。
次いで、上段形状データDYW(XW,ZW1)と下段形状データDYW(XW,ZW2)との差(以下、上下段の曲がりの差ということがある)を求め、これを角度換算(Z位置ZW1とZW2との距離DXで除算)した上下段曲がりの差θX(XW)を求める。即ち、
θX(XW)=(DYW(XW,ZW1)−DYW(XW,ZW2))/DX
を求める。この上下段の曲がりの差θX(XW)は本発明の第1データに相当する。
その後、このθX(XW)とθXEN(XW)との差を求める。即ち、この差をDIFθX(XW)として、
DIFθX(XW)=θXEN(XW)−θX(XW)
を求める。
ここで、DIFθX(XW)はレーザ干渉計13Y1,13Y2のリセット時における上段形状データDYW(XWS,ZW1)と下段形状データDYW(XWS,ZW2)の相対関係(ここではX軸回りの角度)を反映することになるので、理想状態(各部の誤差が無いと仮定した場合)においては傾きが零の直線となる筈である。しかし、そのような理想状態は現実にはあり得ないため、DIFθX(XW)は通常は直線とはならない。この場合の誤差の主要なものとしては、基板テーブル4の移動の基準平面を構成するウエハ支持台1の上面のうねりやねじれ等の影響がエンコーダEN1〜EN3の出力に基づくθXEN(XW)に含まれてしまうことによるものと考えられる。
このように、DIFθX(XW)は通常は直線とはならないので、例えば最小二乗法を用いて誤差の二乗の総和が最小となるように直線近似して、これをX軸方向に沿う反射鏡7Yについての上下段の形状データの相対関係RELθX(XW)とする。DIFθX(XW)をこのように直線近似することにより、ウエハ支持台1の上面の局所的なうねりやねじれ等の影響をある程度軽減することができる。なお、このとき、傾き零の直線で直線近似するようにしてもよいことは上述したX軸方向に沿う反射鏡7Yの場合と同様である。
このように、最も誤差が小さくなるように直線近似すると、RELθX(XW)は通常はある傾きを持つことになる。この傾きは、ウエハ支持台1の上面の全体的なうねりやたわみの影響を反映していると考えられる。本実施形態では、これをそのまま含めたかたちでRELθX(XW)を求める。
次いで、上下段の曲がりの差θX(XW)にRELθX(XW)を加算したものを、レーザ干渉計13YPによる計測結果ΔLWYPに対する補正値YOFθX(XW)として、記憶装置27に格納する。
なお、上記の1次元形状計測とエンコーダEN1〜EN3を用いた計測とは、どちらを先に行ってもよい。
上記のようにして求めた補正値XOFθY(YW),YOFθX(XW)に基づいて、レーザ干渉計13XP,13YPの計測結果ΔLWXP,ΔLWYPを補正することにより、基板テーブル4のY軸回りの回転最θYW及びX軸回りの回転量θXWを正確に求めることができる。
即ち、レーザ干渉計13XP,13YPによる検出値ΔLWXP,ΔLWYPには、レーザ干渉計13XP,13YPのリセット状態を基準とした基板テーブル4のY軸回りの回転量、X軸回りの回転量に起因して発生した光路差ΔLWXP1,ΔLWYP1と、反射面7XS,7YSのY軸方向、X軸方向に関するうねりやねじれ等に起因して発生した光路差ΔLWXP2,ΔLWXP2とが含まれている。なお、上述の反射面7XS,7YSの形状計測時におけるレーザ干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2のリセット位置と、基板テーブル4の位置検出時のレーザ干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2のリセット位置との位置関係は予め定められており、既知である。
レーザ干渉計13XP,13YPから射出された測定光束LWXP,LWYPの照射点のY位置YWP,X位置XWPは、
YWP=YW−(L11/2)−L12
XWP=XW−(L21/2)−L22 …(18)
によって求められる。また、レーザ干渉計13XP,13YPのリセット時における測定光束LWXP,LWYPの照射点のY位置YWP0,X位置XW0は、上述のように既知である。従って、光路差ΔLWXP2,ΔLWYP2は、
ΔLWXP2=
{XOFθY(YWP)−XOFθY(YWP0)}・DX
ΔLWYP2=
{YOFθX(XWP)−YOFθX(XWP0)}・DX …(19)
によって求めることができる。
したがって、光路差ΔLWXP1,ΔLWYP1は、
ΔLWXP1=ΔLWXP−ΔLWXP2
ΔLWYP1=ΔLWYP−ΔLWYP2 …(20)
によって求めることができる。この結果、基板テーブル4のY軸回りの回転量θYW、X軸回りの回転量θXWは、
θYW=ΔLWXP1/DX
θXW=ΔLWYP1/DX …(21)
によって求めることができる。
基板テーブル4のX軸又はY軸回りの回転量に基づいて、アッベ誤差を補正する場合には、基板テーブル4のXY位置検出のZ位置ZW1とウエハW表面のZ位置との差L(図4参照)が既知であるものとして、基板テーブル4のY軸回りの回転量θYWによるX軸方向のアッベ誤差ΔXA、及びX軸回りの回転量θXWによるY軸方向のアッベ誤差ΔYAは、
ΔXA=L・θYW
ΔYA=L・θXW …(22)
によって求められる。なお、以上の(18)〜(22)式の計算は主制御系22によって行われる。
なお、前記レーザ干渉計13FPによって検出されるチルト情報ΔLFXPについては、上述のレーザ干渉計13XPの場合と同様に処理されるので、その説明は省略する。
ところで、上述した上下段形状データの相対関係を示すRELθY(YW)及びRELθX(XW)は、ウエハ支持台1の上面のうねりやねれじ等の影響により、ある傾きを持っており、これを含めたかたちで、補正値としてのXOFθY(YW)及びYOFθX(XW)を求めていた。従って、レーザ干渉計13XP,13YPの計測結果をこれらの補正値で補正すると、当該傾きに相当する誤差が含まれてしまうことになる。
この傾きによる誤差は、実際にウエハを露光した場合には、ウエハ上に形成される回路パターンの配列の直交度誤差となって表出することになる。従って、パターン配列の直交度誤差を補正するために通常行われている補正方法をさらに実行することによりその影響を排除することができる。
この直交度誤差の補正方法としては、複数の基準マークが格子状に配列的に形成された直交度計測用ウエハを基板テーブル4に所定の状態で搭載し、主制御系22がウエハ駆動装置24を介してウエハX軸駆動ステージ2及びウエハY軸駆動ステージ3を制御し、計測用ウエハ上の基準マークを順次、アライメントセンサ26で計測し、そのXY位置を求める。この計測結果と基準マークが本来あるべき基準位置との関係からその補正値を求め、この補正値に基づきステージの駆動を制御する。なお、直交度計測用ウエハの基準マークの計測を行った後、さらに直交度計測用ウエハを90度回転させた状態で基板ステージ4上に載置して、さらに基準マークの計測を行い、これらの計測結果を統計的に処理する等して反射面7Xと反射面7Yとの直交度を求めることにより、直交度計測用ウエハの基準マークが形成された表面のうねりやねじれ等に基づく誤差の影響を小さくすることができる。なお、ウエハを90度回転させて前述の補正値を求める方法では、計測専用のウエハを用いないで、例えばレチクルパターンと一緒にアライメントマークが形成されたデバイス製造用のウエハを用いてもよい。
なお、このような直交度誤差の補正は、通常行われる工程であり、レーザ干渉計13XP,13YPについての補正値としてのXOFθY(YW)及びYOFθX(XW)に含まれるウエハ支持台1のうねりやねじれの影響による誤差を排除するために特別に行うものではないので、特に工数が増大するようなことはない。
上述したように、上段形状データと下段形状データの相対関係を、従来技術のような基準マークを形成した計測用ウエハを用いることなく求めることができるので、補正データの収集のための作業工数を減少することができるとともに、基準マークの計測に伴う誤差が包含されることもないので、計測精度を向上することができる。
なお、反射面7XSの形状情報DXW(YW,ZW1),DXW(YW,ZW2)、反射面7YSの形状情報DYW(XW,ZW1),DYW(XW,ZW2)を、上下段の形状データの相対関係RELθY(YW)及びRELθX(XW)により補正することにより、反射面7XS,7YSのより正確な2次元形状データを得ることができる。即ち、反射面7XSの補正後の2次元形状データをdXW(YW,ZW1),dXW(YW,ZW2)、反射面7YSの補正後の2次元形状データをdYW(XW,ZW1),dYW(XW,ZW2)、反射鏡7Xの1次元形状計測時の基板テーブル4のX位置をXWP、反射鏡7Yの1次元形状計測時の基板テーブル4のY位置をYWPとして、
dXW(YW,ZW1)=DXW(YW,ZW1)
dXW(YW,ZW2)=DXW(YW,ZW2)+RELθY(YW)
dYW(XW,ZW1)=DYW(XW,ZW1)
dYW(XW,ZW2)=DYW(XW,ZW2)+RELθX(XW)
によって求めることができる。RELθY(YW)及びRELθX(XW)が一定の値ΔXOF,ΔYOFである場合(傾き零の場合)の補正後の形状データdXW(YW,ZW1),dXW(YW,ZW2),dYW(XW,ZW1),dYW(XW,ZW2)が図16に示されている。
次に、本実施形態の露光装置100による、レチクルRに形成されたパターンをウエハWに転写する露光動作について説明する。
まず、不図示のレチクルローダによって、レチクルがレチクルステージRSTの微動ステージ11上にロードされる。そして、基準マーク板6を用いてレチクルアライメントが行われる。
このレチクルアライメントの動作を簡単に説明すると、まず、主制御系22の制御により、ウエハY軸駆動ステージ2及びウエハX軸駆動ステージ3を駆動することによって、基準マーク板6の基準マーク30A,30Bを投影光学系PLに関してレチクルR上の照明領域36と共役な露光領域(パターン像の投影領域)34内に移動して静止させるとともに、レチクル走査ステージ10を駆動して図11のレチクル12上のアライメントマーク32A,32Bを照明領域36内に移動する。
次に、レチクルアライメント系19,20によって、基準マーク30A,30Bと対応するアライメントマーク32A,32Bとの位置ずれ量を検出する。そして、主制御系22は、検出された位置ずれ量に基づいて、レチクル走査ステージ10及びレチクル微動ステージ11を駆動して、基準マーク30A及び30Bの像に対してアライメントマーク32A及び32Bの位置ずれ量が対称になるように合わせ込む。これによって、レチクルRの位置及び回転角が基準マーク板6に対して合わせ込まれる。また、この状態で例えば、レチクルステージRST側の4軸のレチクル干渉計14X1,14X2,14Y1,14Y2の計測値、及びウエハステージ側の4軸のレーザ干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2の計測値をリセットすることによって、上述のレチクルステージの座標系(XR,YR)と、ウエハステージの座標系(XW,YW)との原点のオフセットが補正される。このとき、各レーザ干渉計の計測値をリセットすることなくオフセットを記憶するだけでもよいし、オフセットの補正又は記憶に先立ってレチクルステージを移動(回転など)させることなく、レチクルアライメント系19,20の検出結果を用いてオフセットの補正又は記憶を行ってもよい。
次いで、後に行われる走査露光時における基板テーブル4の走査方向が、基準マーク板6の基準マーク30A,30C,30Eの配列方向に平行となるようにする。このためには、例えば、機械的に基準マーク30A,30C,30Eの配列方向が反射鏡7Xの反射面7XSと平行に設定される。但し、機械的な調整誤差が残存する際には、ウエハステージのY座標YWが所定ステップ変化する毎に、そのX座標XWが対応する量だけ変化するようにして、ソフトウエア的に基板テーブル4の走査方向を補正してもよい。以下では、このように補正された走査方向をY軸とする座標系をウエハステージの座標系(XW,YW)と呼ぶ。
次に、露光光ELを照射することなく、走査露光時と同様にウエハステージ側のステージとレチクルステージ側のステージとを互いに反対向き移動させて、基準マーク板6上の基準マーク30C〜30Fと対応するレチクルR上のアライメントマーク32C〜32Fとの相対的な位置ずれ量をレチクルアライメント系19,20によって順次検出する。これらの相対的な位置ずれ量の平均値より、レチクルRの走査方向とウエハWの走査方向との傾き角、すなわちレチクルステージの座標系(XR,YR)と、ウエハステージの座標系(XW,YW)との走査方向の軸の回転角を求める。その後、レチクルRを走査する際には、レチクル走査ステージ10及びレチクル微動ステージ11を介して、Y座標YRが所定間隔変化する間にX座標XRを対応する量だけ横ずれさせることによって、ソフトウエア的にレチクルRの走査方向を基準マーク板6の基準マークの配列方向に合わせ込む。以下では、このように補正された走査方向をY軸とする座標系をレチクルステージの座標系(XR,YR)と呼ぶ。
この結果、ウエハステージの座標系(XW,YW)及びレチクルステージの座標系(XR,YR)は、基準マーク板6を基準として走査方向の軸が互いに平行になり、走査露光時にレチクルRとウエハWとは平行に走査される。この場合、各ステージの移動は各ステージのガイド面基準であるので、露光装置100の組立調整時に、例えばレチクル走査ステージ10のガイド面とウエハY軸駆動ステージ2のガイド面との平行度を数100μrad程度以下に機械的に合わせておく。
更に、それらのガイド面に対して反射鏡及び基準マーク板6を合わせて固定することで、走査露光時に各ステージを非走査方向へも駆動することによるソフトウエア的な補正量を小さくし、制御精度を向上させている。なお、レチクルステージとウエハステージは共にガイドレスであってもよく、この場合には仮想的なガイド面を規定し、その仮想面に対して反射鏡などを合わせて固定すればよい。このように調整されたレチクル微動ステージ11に対し、実際にレチクルRを載置した場合、レチクルRが外形基準等で設けられると、各反射鏡21X,21Y1,21Y2及び基準マーク板6に対しレチクルRのアライメントマーク32A〜32Fのみが大きく回転している可能性がある。これは、レチクルRの外形と転写用パターンとの間の位置ずれ量は大きいときには0.5mm程度あるからである。
図11のレチクルRの外形と転写用パターンとの位置ずれ量が大きいと、レチクルRのアライメントマーク32A〜32Fと基準マーク板6の基準マーク30A〜30Fとの位置ずれ量を計測した場合、相対的にレチクルRと基準マーク板6とが大きく回転しているか、大きなオフセットを持っていると認識される。かかる場合には、基準マーク板6は反射鏡7X,7Yに合わせて固定されていることから、レチクル微動ステージ11を回転又はシフトさせることで補正が行われる。
レチクル微動ステージ11を回転させた場合には、反射鏡21Xも同様に回転するので、レチクルRの走り方向に対し反射鏡21Xが傾くこととなるが、レチクルR上のアライメントマーク32A〜32Fは基準マーク板6上の基準マーク30A〜30Fに平行になっており、走査露光時にはレチクルRの走り方向とウエハWの走り方向とが平行となるように制御される。
以上のレチクルアライメント時に、基準マーク板6を用いたいわゆるベースラインチェックによって、アライメントセンサ26の検出中心と、露光領域34内の基準点との間隔(ベースライン量)が求められて記憶装置27に記憶される。
次に、不図示のウエハローダによってウエハWが基板テーブル4上にロードされ、基板テーブル4によって保持される。そして、ウエハW上における各ショット領域のウエハステージの座標系(XW,YW)上での配列を求めるためのウエハアライメントが行われる。かかるウエハアライメントでは、図1のアライメントセンサ26を用いて、例えば特開昭61−44429号公報及びこれに対応する米国特許第4,780,617号等に開示されているように、ウエハW上から選択された所定個数のショット領域(サンプルショット)のウエハマーク(不図示)の座標位置を検出し、この計測結果を統計処理するEGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)方式でウエハW上の全部のショット領域に関する配列座標が算出される。なお、ウエハマーク座標位置は、上述のレーザ干渉計13FX,13Y1,13Y2による計測結果(XW(=XF),YW)、レーザ干渉計13FPによる計測結果ΔLFXP、及びレーザ干渉計13YPによる計測結果ΔLWYPに基づいて検出される。
そして、ウエハW上の各ショット領域の配列座標、アライメントセンサ26のベースライン量、及びウエハステージの座標系(XW,YW)とレチクルステージの座標系(XR,YR)との関係に基づいて、ウエハW上の露光対象のショット領域が走査開始位置に位置決めされると共に、レチクルRも対応する位置に位置決めされる。
次に、露光光ELを照射しつつ、先のレチクルアライメント時に定められたウエハステージの座標系(XW,YW)及びレチクルステージの座標系(XR,YR)に従ってレチクルRとウエハWとを同期移動させることにより、走査露光動作が行われる。この場合の座標系(XW,YW)及び座標系(XR,YR)は、反射鏡7X,7Y,21X,21Y1,21Y2の反射面を基準としてソフトウエア的に補正されたものであり、各反射鏡の位置がレチクルRやウエハWに対して相対的にずれた場合、ショット領域の形状やショット配列に影響を及ぼすこととなる。本実施形態では、このようなときでも正確な矩形のショット領域、及び直交格子状のショット配列が形成されるように、以下の方法により走査露光及びステッピングを行っている。
すなわち、ウエハアライメントによって、露光対象のショット領域とレチクルとが位置合わせされたときのレチクルステージの座標系(XR,YR)の座標を(XR0,YR0)、ウエハステージの座標系(XW,YW)の座標を(XW0,YW0)とすると、投影光学系PLの投影倍率はβであるため、それ以後のレチクル微小駆動ステージ11(レチクルR)と基板テーブル4(ウエハW)との走査方向、及び非走査方向の同期誤差ΔX,ΔYは、
ΔX=(XW−XW0)/β−(XR−XR0) …(23)
ΔY=(YW−YW0)/β−(YR−YR0) …(24)
となる。但し、これらの同期誤差はレチクル12上に換算した誤差である。また、図1の投影光学系PLは反転投影系であるが、図2に示すように、レチクル干渉計14とウエハ干渉計13とはX軸方向及びY軸方向について測長方向が反転しているため、同期誤差は単に移動量の倍率補正値の差分を取るだけで求められる。
また、本実施形態では、(5)式で表される基板テーブル4のヨーイング角θZWと、(9)式で表されるレチクル微動ステージ11のヨーイング角θZRとの差分を次式のように回転方向の同期誤差Δθとする。
Δθ=θZW−θZR=(XW1−XW2)/L11
−(XR1−XR2)/L3 …(25)
そして、走査露光時には、図1のレチクル走査ステージ10及びウエハY軸駆動ステージ2が加速を開始し、これらがそれぞれ所定の走査速度に達した後、上記の同期誤差ΔX,ΔY,Δθがそれぞれ零、又は所定の許容値以下となるようにレチクル微動ステージ11を駆動して同期制御を行う。この状態で所定の整定時間が経過した後、レチクルR上の照明領域36への露光光ELの照射が開始されて露光が行われる。なお、本実施形態ではレチクル微動ステージ11を駆動して同期誤差ΔX,ΔY,Δθをそれぞれ零または許容値以下とするものとしたが、レチクル微動ステージ11の代わりに、あるいはそれと組み合わせてウエハステージ装置(例えば基板テーブル4)を駆動して前述の同期誤差を補正してもよい。
また、走査露光時には、ウエハW(レチクルのパターンが転写されるショット領域)のZ位置、X軸回りの回転角、及びY軸回りの回転角は、多点フォーカス検出系(28,29)によって検出されている。そして、この検出結果に基づいて、主制御系22がウエハ駆動装置22を介して基板テーブル4を駆動し、前述の露光領域34内でウエハWの表面を投影光学系PLの像面と焦点深度の範囲内で一致させている。
更に、ウエハアライメント時には、レーザ干渉計13FP,13YPによって、反射面7XS,7YSのチルト量が検出されており、また、走査露光時には、レーザ干渉計13XP,13YPによって、反射面7XS,7YSのチルト量が検出されている。そして、この検出結果に基づいて、前述のようにしてアッベ誤差ΔXA,ΔYAが求められ、アッベ誤差ΔXA,ΔYA分だけ基板テーブル4(ウエハW)のXY位置が補正される。
なお、上記実施形態では可動ミラー410と固定ミラー420とを含む光路変更装置40を用いているが、その表面に、例えば複数の誘電体膜を積層した誘電体多層膜、あるいは金属膜などを蒸着して、その2つのミラーにそれぞれ測定光束の偏光状態を崩さないで極力忠実に反射させる良好な反射偏光特性を持たせることが好ましい。また、上記実施形態では光路変更装置40の可動ミラー410を回転させて反射面上での測定光束のZ位置を変更するものとしたが、例えば可動ミラー410のみ、あるいは一対のミラーをその表面が平行となるように一体に保持して、Z方向にスライドさせるように構成してもよいし、ミラー以外、例えばプリズムなどの他の光学部材を用いても良い。
さらに、上記実施形態では光路変更装置40によって干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2の各測定光束の反射面上でのZ位置をZW1とZW2とに切り替えてそれぞれ反射面の形状情報を計測するものとしたが、必ずしも光路変更装置40を設けなくてもよい。例えば、干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2をそれぞれ、Z方向に離れた一対の測定光束(一方はLWX1,LWX2,LWY1,LWY2)を反射面に照射して異なるZ位置ZW1,ZW2でそれぞれ基板テーブル4の位置情報を独立に計測する構成としてもよい。この構成では、その一対の測定光束の反射面上でのZ位置をそれぞれ干渉計13XP,13YPの一対の測定光束(LWXP1,LWXP2),(LWYP1,LWYP2)とほぼ一致させておくことが好ましい。また、この構成ではその一対の測定光束によって基板テーブル4のチルト計測が可能となることから、干渉計13XP,13YPを別途設けなくてもよく、前述のエンコーダEN1〜EN3を用いた計測では干渉計13XP,13YPの代わりに、反射面7XSでは干渉計13X1,13X2の一方、反射面7YSでは干渉計13Y1,13Y2の一方を用いればよい。
また、上記実施形態では前述した反射面の形状情報の計測時にウエハステージを一方向、例えば−Y方向(−X方向)のみに移動するものとしたが、Z位置ZW1,ZW2でそれぞれウエハステージを往復移動させる、即ち±Y方向(±X方向)に移動し、往路(−Y方向/−X方向への移動)で得られる形状情報と、復路(+Y方向/+X方向への移動)で得られる形状情報とを平均化して最終的な形状情報を決定することが好ましい。
さらに、上記実施形態では前述した反射面の形状情報の計測時にウエハステージを一方向に連続移動させてもよいし、あるいはステップ移動させてもよい。なお、ウエハステージを連続移動させるときは、実質的にその加減速期間を除く等速期間に得られる干渉計の計測値を用いて形状情報を求めることが好ましい。このため、連続移動ではステップ移動に比べて計測時間を短縮できるものの、反射面の計測範囲が狭くなり得る。また、前述のエンコーダEN1〜EN3を用いた計測時にもウエハステージを連続移動させても、あるいはステップ移動させてもよい。
また、上記実施形態では前述した反射面の形状情報の計測を定期的、例えば所定時間毎、または1ロットの処理が終わるたびに行うようにし、その形状情報を逐次更新するようにしてもよいし、あるいはその形状情報を蓄積してその平均値を用いるようにしてもよい。このとき、2回目以降の形状情報の計測では、例えば▲1▼2つの反射面7XS,7YSの形状計測、▲2▼異なるZ位置ZW1,ZW2での形状計測、▲3▼同じZ位置での往路と復路の形状計測、及び▲4▼反射面の形状計測と前述のエンコーダを用いた計測の少なくとも1つで、その計測を異なるタイミングで行うようにしてもよい。この場合、それら計測による露光装置の停止時間を短くしてスループットの向上を図ることが可能となる。
さらに、上記実施形態ではレチクル干渉計とウエハ干渉計は共に参照鏡が投影光学系PLの鏡筒又はその架台などに設けられるものとしたが、参照鏡の配置はこれに限定されるものでなく、例えば干渉計の内部に参照鏡を設けてもよい。また、アライメントセンサ26によるマーク検出時に用いられる干渉計13FX,13FPの参照鏡も、アライメントセンサ26の鏡筒又はその架台でなく、干渉計の内部などに設けてもよい。
また、上記実施形態では前述した反射面の形状情報の計測やエンコーダを用いた計測の前に干渉計の計測値をリセットするものとしたが、零以外の所定値にプリセットするだけでもよいし、必ずしもそのリセット(又はプリセット)を行わなくてもよい。
なお、本実施形態の露光装置100は、上記実施形態で説明した、多数の機械部品及び光学部品等を有する照明系、複数のレンズ等を有する投影光学系PL、並びに多数の機械部品等を有するレチクルステージRST及びウエハステージ装置、並びにレーザ干渉計13X1,13X2,13XP,13Y1,13Y2,13YP,13FX,13FP,14X1,14X2,14M1,14M2、光路変更装置40をそれぞれ組み立てて機械的及び光学的に連結し、さらに、主制御系22、及び記憶装置27等と機械的及び電気的に組み合わせた後に、総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより製造することができる。
なお、露光装置100の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
次に、本実施形態の露光装置を使用したデバイスの製造について説明する。
図17には、本実施形態におけるデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の生産のフローチャートが示されている。図17に示されるように、まず、ステップ201(設計ステップ)において、デバイスの機能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップ202(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ203(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
次に、ステップ204(ウエハプロセスステップ)において、ステップ201〜ステップ203で用意したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップ205(組立ステップ)において、ステップ204において処理されたウエハを用いてチップ化する。このステップ205には、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程が含まれる。
最後に、ステップ206(検査ステップ)において、ステップ205で作製されたデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
図18には、半導体デバイスの場合における、上記ステップ204の詳細なフロー例が示されている。図18において、ステップ211(酸化ステップ)においてはウエハの表面を酸化させる。ステップ212(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ213(電極形成ステップ)においてはウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ214(イオン打込みステップ)においてはウエハにイオンを打ち込む。以上のステップ211〜ステップ214のそれぞれは、ウエハプロセスの各段階の前工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウエハプロセスの各段階において、前工程が終了すると、以下のようにして後工程が実行される。この後工程では、まず、ステップ215(レジスト処理ステップ)において、ウエハに感光剤を塗布し、引き続き、ステップ216(露光ステップ)において、上記で説明した走査型露光装置によってマスクの回路パターンをウエハに焼付露光する。次に、ステップ217(現像ステップ)においては露光されたウエハを現像し、引き続き、ステップ218(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップ219(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
これらの前工程と後工程とを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
以上のようにして、精度良く微細なパターンが形成されたデバイスが、高い量産性で製造される。
上記の実施形態においては、基板テーブルのウエハ搭載面の形状を矩形状としたが、他の形状とすることができる。例えば、三角形状とした場合には、図21に示されるように、基板テーブル4’の3側面に形成された反射面4’a,4’b,4’cのそれぞれに対向して、2次元位置検出用のレーザ干渉計13X11,13X12,13X21,13X22,13Y1,13Y2とチルト検出用のレーザ干渉計13P1,13P2,13YPを配置すればよい。
なお、レーザ干渉計13X11,13X12及びレーザ干渉計13X21,13X22については、上記の実施形態のレーザ干渉計13X1,13X2と同様に構成すればよく、また、レーザ干渉計13XP1,13XP2については、上記の実施形態のレーザ干渉計13XPと同様に構成すればよい。この場合、光路変更装置は、上述した光路変更装置40と同様の構成のものを、レーザ干渉計13X11と13X12、レーザ干渉計13X21と13X22、及びレーザ干渉計13Y1と13Y2についてそれぞれ、すなわち3組設ける。
かかる場合における、例えば反射面4’aの形状計測では、例えば基板テーブル4’をY軸方向へ移動しつつ、レーザ干渉計13Y1,13Y2によって基板テーブル4’のZ軸回りの回転量を測定するとほぼ同時に、レーザ干渉計13X11,13X12によって反射面4’aのZ軸回りの局所的な回転量を測定する。これにより、上記の実施形態と同様にして、反射面4’aの形状が計測される。なお、図21に示される三角形状の基板ステージ4’の場合には、3側面全てに対向してレーザ干渉計を配置せず、互いに交差する2面についてレーザ干渉計を配置することも可能である。
また、上記の実施形態においては、基板テーブル4に設けられた反射面7XS,7YSの形状を計測し、その形状情報を使用して基板テーブル4の位置制御を行ったが、レチクル微動ステージ11に設けられた反射面21XSの形状を計測し、その形状情報を使用してレチクル微動ステージ11の位置制御を行うことも可能である。かかる場合には、図22に示されるように、上記の実施形態である図11に示されたレーザ干渉計14X1,14X2,14M1,14M2に加えて、図22に示されるように、チルト検出用のレーザ干渉計14XPを新たに配置する。この場合、光路変更装置は、上述した光路変更装置40と同様の構成のものを、レーザ干渉計14X1と14X2について1組設ける。そして、基板テーブル4の場合と同様にして、反射面21XSの形状を計測し、その形状情報を使用してレチクル微動ステージ11の位置制御を行えばよい。
また、上記の実施形態においては、チルト検出用のレーザ干渉計の検出結果は、専らアッベ誤差の補正のために使用されたが、ステージのX軸回りの回転やY軸回りの回転の補正に使用することも可能である。
また、レチクルステージ及びウエハステージの構成は、上記の実施形態に限られるものではなく、いかなる構成でもよい。すなわち、レチクルステージは粗微動構造でなくともよいし、また、ウエハステージは上記実施形態のようにステージを積み上げた構成や平面モータ等でなくともよい。
また、上記の実施形態では、レーザ干渉計をゼーマン効果を利用したものとしたが、他の構成の干渉計であってもよい。また、ダブルパス方式ではなく、シングルパス方式であってもよい。さらに、前述のレチクル干渉計及びウエハ干渉計は共に上記実施形態の構成に限定されるものでなく、前述した形状計測に必要な複数の測長軸(干渉計)を備えていれば、その構成は任意で構わない。例えば、投影光学系PL又はその架台と基板テーブル4とのZ方向の相対位置関係(間隔)を計測する干渉計を更に備えていてもよい。
さらに、上記実施形態の露光装置は、例えばそれぞれ独立に可動な2つのウエハステージを備えるダブルウエハステージ方式を採用してもよく、この場合には2つのウエハステージでそれぞれ各反射面の形状計測が行われることになる。このとき、投影光学系PLを介してレチクルRのパターンが転写される露光位置に各ウエハステージを配置して、上記実施形態と全く同様の動作で各反射面の形状を計測してもよいし、その露光位置におけるウエハの露光動作と並行して、アライメントセンサ26によるウエハのアライメントマークやウエハステージの基準マークの位置計測が行われる計測位置で各ウエハステージの反射面の形状を計測してもよい。また、各ウエハステージにつき反射面の形状情報を露光位置と計測位置とでそれぞれ計測しておき、その2つの位置で異なる形状情報を用いるようにしてもよい。なお、計測用干渉計システムは露光用干渉計システムと同一構成、あるいは前述の形状計測に必要な複数の測長軸(干渉計)を備えたものであることが好ましい。なお、ダブルウエハステージ方式の露光装置は、例えば特開平10−214783号公報及び対応する米国特許第6,341,007号、あるいは国際公開WO98/40791号及び対応する米国特許第6,262,796号などに開示されている。
上記の実施形態では、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置について説明したが、ステージ(ひいてはステージに搭載された試料)の位置制御にあたって、ステージに設けられた反射面の形状を計測し、その形状情報を用いて位置制御を行う各種の露光装置に適用が可能である。露光用照明光(露光ビーム)として、前述の紫外光、遠紫外光、又は真空紫外光を用いる露光装置だけでなく、例えば波長10nm程度の軟X線(EUV光)を用いる露光装置、波長1nm程度のX線を用いる露光装置、EB(電子ビーム)やイオンビームなどの荷電粒子線を用いる露光装置などにも適用できる。また、例えば、紫外線を光源にする縮小投影露光装置、波長10nm前後の軟X線を光源にする縮小投影露光装置、波長1nm前後を光源にするX線露光装置、EB(電子ビーム)やイオンビームによる露光装置などあらゆるウエハ露光装置、液晶露光装置等に適応できる。また、ステップ・アンド・リピート機、ステップ・アンド・スキャン機、ステップ・アンド・スティッチング機を問わず、適用が可能である。
さらに、例えば国際公開(WO)99/49504号に開示される液浸型露光装置、あるいはミラープロジェクション・アライナーなどにも本発明を適用することができる。なお、上記実施形態の投影光学系は屈折系に限られるものでなく反射屈折系または反射系でもよいし、縮小系に限られるものでなく等倍系または拡大系でもよい。また、投影光学系はレチクルパターンの倒立像を投影するものとしたが、その投影像は正立像でもよい。また、投影光学系を持たない、例えばプロキシミティ方式の露光装置などにも本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では半導体素子の製造に用いられる露光装置について説明したが、半導体素子以外のマイクロデバイス(電子デバイス)、例えば液晶表示素子、プラズマディスプレイ、及び有機ELなどの表示装置、撮像素子(CCDなど)、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン、DNAチップなどの製造に用いられる露光装置、さらには露光装置で使用するマスク(レチクル)の製造に用いられる露光装置にも本発明を適用することができる。
また、露光装置のステージ装置に限定されることもなく、ステージの位置制御にあたって、ステージに設けられた反射面の形状を計測し、その形状情報を用いて位置制御を行う各種の装置のステージ装置にも適用することができる。例えば、上記の実施形態における前記形状計測装置と前記ウエハステージ装置とに対応する構成要素によってステージ装置を構成することにより、基板テーブルに相当する試料テーブルの位置制御を、上記の実施形態における基板テーブルの位置制御と同様に行うことができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができることは言うまでもない。また、本国際出願で指定した指定国又は選択した選択国の国内法令が許す限りにおいて、前述した全ての公報や米国特許の開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
本発明によると、ステージ等の移動体に設けられた反射面の形状を簡単、迅速に計測することができるようになるので、計測に伴う作業工数を減少させることができるとともに、高精度で計測できるようになるので、当該ステージ等の位置の制御を精度良く行うことができるようになり、ひいては高品質で高精度なデバイス等を製造することができるようになるという効果がある。
本開示は、2002年12月3日に提出された日本国特許出願第2002−351650号に含まれた主題に関連し、その開示の全てはここに参照事項として明白に組み込まれる。
図1には、一実施形態に係る露光装置100の概略構成が示されている。この露光装置100は、いわゆるステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置である。この露光装置100は、マスクとしてのレチクルR上のスリット状(矩形状又は円弧状)の照明領域を均一に照明する不図示の照明系と、レチクルを保持するマスクステージとしてのレチクルステージRSTと、レチクルRのパターンをその表面にフォトレジストが塗布された基板としてのウエハW上に投影する投影光学系PLと、ウエハWを保持する基板テーブル4を含むウエハステージ装置及びこれらの制御系とを備えている。
前記照明系は、光源ユニット、オプティカル・インテグレータを含む照度均一化光学系、ビームスプリッタ、集光レンズ系、レチクルブラインド(視野絞り)、及び結像レンズ系等(いずれも不図示)から構成されている。この照明系の構成等については、例えば特開平6−349701号公報及びこれに対応する米国特許第5,534,970号に開示されている。ここで、光源ユニットとしては、KrFエキシマレーザ光源(発振波長248nm)、ArFエキシマレーザ光源(発振波長193nm)、若しくはF2レーザ光源(発振波長157nm)、Kr2(クリプトンダイマ)レーザ光源(発振波長146nm)、Ar2(アルゴンダイマ)レーザ光源(発振波長126nm)、銅蒸気レーザ光源やYAGレーザの高調波発生装置、又は超高圧水銀ランプ(g線、i線等)等が用いられる。なお、以下では光源ユニットを除く照明系を照明光学系とも呼ぶものとする。
前記レチクルステージRST(移動体)は、照明光学系の下方に水平に配置されたレチクル支持台(定盤)9の上面(基準平面)上を所定の走査方向(ここでは、図1における紙面直交方向であるY方向とする)に所定ストロークで移動可能なレチクル走査ステージ10と、このレチクル走査ステージ10上に載置され、該レチクル走査ステージ10に対してX方向、Y方向及びZ軸回りの回転方向(θZ方向)にそれぞれ微小駆動可能なレチクル微動ステージ11とを備えている。このレチクル微動ステージ11上にレチクルRが真空吸着又は静電吸着等により固定されている。なお、レチクルRはその下面(パターン面)が少なくとも前述の照明領域内で後述する投影光学系PLの第1面(物体面)と実質的に一致するようにレチクルステージRSTによって保持される。また、レチクル微動ステージ11のX方向、Y方向及びθZ方向の位置は、レチクル支持台9上に配置されたレチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」と呼ぶ)14によって常時モニタされている。なお、レチクル微動ステージ11上には、後述するように、X軸の反射鏡21X及び2個のY軸の反射鏡(コーナーキューブ、レトロリフレクタ)21Y1,21Y2が固定され、これに対応してレチクル干渉計14もレーザ干渉計14X1,14X2,14Y1,14Y2から構成されているが(図11参照)、図1では、これらが代表して反射鏡21、レチクル干渉計14として示されている。なお、レチクルステージRSTは、レチクルRを保持するレチクルテーブルの微動機構(ボイスコイルモータなどのアクチュエータ)が組み込まれた可動体を、例えばリニアモータで走査方向(Y方向)に一次元駆動する構成でもよい。また、レチクル微動ステージ11(またはレチクルテーブル)の端面を鏡面加工して反射面(前述の反射鏡21X,21Y1,21Y2の反射面に相当)として用いてもよい。
そして、このレチクル干渉計14により得られたレチクル微動ステージ11の位置情報(又は速度情報)は、装置全体の動作を統轄制御する主制御系22に供給されている。主制御系22は、レチクル走査ステージ10駆動用のリニアモータ、レチクル微動ステージ11駆動用のボイスコイルモータ等を含むレチクル駆動装置25を介してレチクル走査ステージ10、及びレチクル微動ステージ11の動作を制御する。
前記投影光学系PLとしては、ここでは両側テレセントリックで所定の縮小倍率β(βは例えば1/4,1/5等)を有する屈折光学系が使用され、前述の照明領域(36:図11参照)と共役な露光領域(34:図2参照)内にレチクルRのパターンの縮小像を投影する。この投影光学系PLの光軸AXの方向は、XY平面に直交するZ方向とされている。また、投影光学系PLのY方向の側面部には、ウエハW上の各ショット領域SA(図2参照)に付設されたアライメントマーク(ウエハマーク)を観察するための画像処理方式のオフ・アクシス・アライメントセンサ(以下、「アライメントセンサ」という)26が配置されている。このアライメントセンサ26の光学系の光軸FXは、投影光学系の光軸AXと平行とされている。かかるアライメントセンサ26の詳細な構成は、例えば特開平9−219354号公報及びこれに対応する米国特許第5,859,707号等に開示されている。なお、アライメントセンサ26によってマーク検出系が構成されている。
前記ウエハステージ装置は、投影光学系PLの下方に配置され、ウエハ支持台(定盤)1の上面(基準平面)上をY方向に移動可能なウエハY軸駆動ステージ2と、このウエハY軸駆動ステージ2上をY方向に直交するX方向(図1における紙面左右方向)に移動可能なウエハX軸駆動ステージ3と、このウエハX軸駆動ステージ3上に載置され、Z方向の微動(X軸回りの回転及びY軸回りの回転を含む)及びZ軸回りの回転が可能な基板テーブル(移動体)4とを備えている。この基板テーブル4上にウエハWが真空吸着、静電吸着等によって保持されている。なお、ウエハWはその表面(感応面)が少なくとも前述の露光領域内で投影光学系PLの第2面(結像面)と実質的に一致する(即ち、投影光学系PLの焦点深度内に設定される)ようにウエハステージ装置によって保持される。また、ウエハステージ装置は基板テーブル4の微動機構(ボイスコイルモータなどのアクチュエータ)が組み込まれた可動体を、例えばリニアモータなどで二次元駆動する構成でもよいし、その微動機構によって基板テーブル4をX方向及びY方向にそれぞれ微動可能としてもよい。
基板テーブル4は、図19に示されているように、3個のZ軸方向に伸縮可能なアクチュエータAC1〜AC3(姿勢調整装置)を介してウエハX駆動ステージ3上に載置されている。各アクチュエータAC1〜AC3の変位は、それぞれに付随したエンコーダEN1〜EN3(姿勢計測装置)によって計測される。アクチュエータAC1〜AC3は、ロータリーモータ及びカムを使用する方式、積層型圧電素子(ピエゾ素子)、又はボイスコイルモータ(ここではボイスコイルモータとする)等を使用して構成される。エンコーダEN1〜EN3は、各アクチュエータAC1〜AC3の近傍に配置され、エンコーダEN1〜EN3としては光学式又は静電容量式等のリニアエンコーダを用いることができる。なお、アクチュエータAC1〜AC3の変位(駆動量)を計測するセンサEN1〜EN3はエンコーダに限られるものでなく任意で構わない。
3個のアクチュエータAC1〜AC3は主制御系22により制御される。アクチュエータAC1〜AC3を均等に伸縮させることにより、基板ステージ4のZ方向の位置(焦点位置)を調整することができ、3個のアクチュエータAC1〜AC3の伸縮量を個別に調整することにより、基板ステージ4のX軸及びY軸の回りの傾斜角を調整することができる。3個のエンコーダEN1〜EN3から得られたZ軸方向の検出値(変位量)は主制御系22に供給される。主制御系22は、各エンコーダEN1〜EN3の検出値及び各エンコーダEN1〜EN3の配置(X−Y平面内での位置関係)に基づき、ウエハWのZ軸方向の位置、X軸回りの傾斜角及びY軸回りの傾斜角を求める。
基板テーブル4側面には反射鏡7が設けられており、外部に配置されたウエハレーザ干渉計(以下、「ウエハ干渉計」と呼ぶ)13により、基板テーブル4(ウエハW)のX方向、Y方向及びZ軸回りの回転方向(θZ方向)の位置がモニタされ、ウエハ干渉計13により得られた位置情報も主制御系22に供給されている。なお、基板テーブル4側面には、後述するように、X軸の反射鏡7XとY軸の反射鏡7Yとが固定されているが(図2参照)、図1では反射鏡7X,7Yが代表して反射鏡7として示されている。さらに、反射鏡7を設ける代わりに、例えば基板テーブル4の側面を鏡面加工して反射面(前述の反射鏡7の反射面に相当)として用いてもよい。また、ウエハ干渉計13は、基板テーブル4のXY位置を検出するために反射鏡7X、7Yに対して各2軸のレーザビームを投射する2次元位置検出系としてのレーザ干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2,13FX、並びに基板テーブル4のX軸に対する傾き(Y軸回りの回転角)及び基板テーブル4のY軸に対する傾き(X軸回りの回転角)を検出するために反射鏡7X、7Yに対して各2軸のレーザビームを投射するチルト検出系としてのレーザ干渉計13XP,13YP,13FP(チルト計測装置)から構成されているが(図2参照)、これらのレーザ干渉計が図1では代表してウエハ干渉計13として示されている。
なお、投影光学系PLの鏡筒(または投影光学系PLが載置される架台など)には、前記レチクル干渉計14が参照光束を照射するレチクル参照鏡(不図示)及び前記ウエハ干渉計13が参照光束を照射するウエハ参照鏡MRWが固定されている。なお、ウエハ参照鏡MRWは、前記レーザ干渉計13X1,13X2が参照光束を照射するX軸ウエハ参照鏡MRWX(図3参照)及び前記レーザ干渉計13Y1,13Y2が参照光束を照射するY軸ウエハ参照鏡(不図示)から構成されているが、図1ではX軸ウエハ参照鏡MRWX及びY軸ウエハ参照鏡がウエハ参照鏡MRWとして示されている。また、レチクル参照鏡もウエハ参照鏡と同様に、前記レーザ干渉計14X1,14X2が参照光束を照射するX軸レチクル参照鏡及び前記レーザ干渉計14Y1,14Y2が参照光束を照射するY軸レチクル参照鏡(いずれも不図示)から構成されている。
また、アライメントセンサ26(またはアライメントセンサ26が固定される架台など)には、レーザ干渉計13FXが参照光束を照射するアライメント参照鏡(不図示)が固定されている。
更に、図1の装置100には、送光系28及び受光系29から構成され、投影光学系PLに関してレチクルR上の照明領域と共役なウエハW上の露光領域34の内部及びその近傍に設定される複数の検出点でそれぞれウエハ表面のZ方向(光軸AX方向)位置を検出するための斜入射光式のフォーカス検出系(焦点検出系)の一つであるレベリング検出系としての多点フォーカス位置検出系が設けられている。この多点フォーカス位置検出系(28,29)の詳細な構成等については、例えば特開平6−283403号公報及びこれに対応する米国特許第5,448,332号等に開示されている。なお、多点フォーカス位置検出系は露光領域34の内部及び外部の一方のみに複数の検出点が設定されているだけでもよい。また、その複数の検出点は、走査露光時にウエハWが移動される走査方向(Y方向)及びこれと直交する非走査方向(X方向)のうち少なくとも非走査方向に関して離れた検出点を含むことが好ましい。
上記の多点フォーカス位置検出系(28,29)からのZ方向位置情報は、主制御系22に供給される。そして、主制御系22は、ウエハ干渉系13及び多点フォーカス位置検出系(28,29)から供給された位置情報に基づいて、ウエハY軸駆動ステージ2駆動用のリニアモータ、ウエハX軸駆動ステージ3駆動用のリニアモータ、基板テーブル4のXY微動用のアクチュエータ、基板テーブル4の姿勢調整用のアクチュエータAC1〜AC3等を含むウエハ駆動装置24を介してウエハY軸駆動ステージ2、ウエハX軸駆動ステージ3、及び基板テーブル4の動作を制御することにより、ウエハWをXYZの各軸方向及びXYZの各軸回り方向に位置制御する。
なお、ウエハステージ装置をウエハ支持台1と基板テーブル4とから構成し、ウエハ駆動装置24が平面型モータを含む構成とすることも可能である。また、基板テーブル4上のウエハWの近傍には、基準マーク板6が固定されている。この基準マーク板6の表面は、ウエハWの表面と同じ高さに設定され、この表面には後述するアライメント用の基準マーク等の各種の基準マークが形成されている。
また、レチクルRの図1における上方には、1対のレチクルアライメント系19及び20が配置されている。これらのレチクルアライメント系19,20は、ここでは図示を省略したが、それぞれ露光光ELまたはそれと同じ波長の照明光にて検出対象のマークを照明するための落射照明系と、その検出対象のマークの像を撮像するためのアライメント顕微鏡とを含んで構成されている。アライメント顕微鏡は、結像光学系と撮像素子とを含んでいる。この場合、レチクルRからの検出光をそれぞれレチクルアライメント系19及び20に導くための偏向ミラー15及び16が移動自在に配置されており、露光シーケンスが開始されると、主制御系22からの指令により、駆動装置17及び18により偏向ミラー15及び16はそれぞれレチクルアライメント系19,20と一体的に露光光ELの光路外に退避される。
更に、図1の装置は、レーザ干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2の反射鏡7X,7Yへの照射光束の光路を変更するための光路変更装置40を有している。この光路変更装置40については後述する。
また、前記主制御系22は、マイクロコンピュータ又はワークステーション等から構成されており、装置全体を統括的に制御する。例えば、走査露光時には、この主制御系22は、レチクル駆動装置25、ウエハ駆動装置24をそれぞれ制御し、露光光ELの照射領域(照明領域36及び露光領域34)に対して、ウエハWを図1の紙面と直交する+Y方向(又は−Y方向)に一定速度Vで走査するのと同期して、レチクルRを−Y方向(又は+Y方向)に一定速度V/βで走査するように制御する。この主制御系22には、オペレータが各種コマンド等を入力するための入力装置23が接続されている。また、本実施形態では、この主制御系22には、基板テーブル4に設けられた反射鏡7(実際には、反射鏡7X及び反射鏡7Y:図2参照)の形状情報データ27aを含む動作パラメータが記憶された記憶装置27が併設されている。
次に、図2〜図11を参照してレチクルステージRST側のレチクル干渉計14、及びウエハステージ装置側のウエハ干渉計13の構成等について説明する。
図2には基板テーブル4周辺の平面図が示されている。この図2に示されるように、基板テーブル4上のウエハWの近傍に基準マーク板6が固定されている。基準マーク板6上には、レチクルRのアライメント用の1組の基準マーク30A,30B,30C,30D,30E,30F及び不図示のベースライン計測用マークが形成されている。
また、基板テーブル4の−X方向、+Y方向の端部側面にY方向に延びたX軸の反射鏡7X、X方向に延びたY軸の反射鏡7Yがそれぞれ固定されている。また、ウエハW上のスリット状の露光領域34にレチクルRのパターンの一部の像が投影され、X方向に関する露光領域34の両端部に所定間隔で図1のレチクルアライメント系19,20の観察領域が設定されている。
反射鏡7Xには、Y軸方向に沿って距離L11を隔てて並べられ、X軸に平行なレーザビームLWX1及びLWX2が照射されている。また、Z軸方向に沿って距離DX(図8参照)を隔てて並べられ、X軸に平行な1対のレーザビームLWXPが照射されている。なお、レーザビームLWX1,LWX2は、X軸に平行で且つ投影光学系PLの光軸AXを通る軸XWAに対してY軸方向に振り分けられている。
さらに、反射鏡7Xには、X軸に平行なレーザビームLFXが照射され、また、上記のレーザビームLWXPと同様にZ軸方向に沿って距離DXを隔てて並べられ、X軸に平行な1対のレーザビームLFXPが照射されている。なお、レーザビームLFXは、X軸に平行で且つアライメントセンサ26の光軸FXを通る軸XFAに沿って反射鏡7Xに照射されている。
レーザビームLWX1,LWX2,LWXP,LFX,LFXPのそれぞれは、図2に示されるレーザ干渉計13X1,13X2,13XP,13FX,13FPから供給される。これらのレーザ干渉計13X1,13X2,13XP,13FX,13FPについて、図3〜図10を参照して説明する。
前記レーザ干渉計13X1は、図3に示されるように、光源51X1、受光器52X1、偏光ビームスプリッタ53X1、1/2波長板54X1、偏光ビームスプリッタ55X1、1/4波長板56X1、反射プリズム(コーナーキューブ)57X1、並びに反射プリズム58X1、偏光ビームスプリッタ59X1、1/4波長板60X1、反射プリズム(コーナーキューブ)61X1を有している。
ここで、レーザ干渉計13X1の作用を説明する。前記レーザ干渉計13X1では、図3に示されるように、光源51X1から+X方向へ進行する光束が射出される。ここで、光源51X1は、例えばゼーマン効果を利用した2周波レーザが用いられ、周波数(すなわち、波長)が僅かに異なり、かつ、偏光方向が互いに直交する第1偏光成分と第2偏光成分とからなるレーザ光束を出力する。なお、第1偏光成分が垂直偏光成分(V偏光)であり、第2偏光成分が水平偏光成分(H偏光)であるとする。
光源51X1から射出された光束は、図4に示されるように、偏光ビームスプリッタ53X1に入射し、偏光方向に応じて2光束に分割される。すなわち、光源51X1から射出された第1偏光成分から成る光束LWX1は、偏光ビームスプリッタ53X1をそのまま透過して+X方向に進行し、また、第2偏光成分から成る光束LWXR1は、偏光ビームスプリッタ53X1によって偏向されて+Z方向に進行する。
偏光ビームスプリッタ53X1をそのまま透過した光束LWX1は、図5に示されるように、1/2波長板54X1を介することにより偏光方向が90°回転されて偏光ビームスプリッタ55X1に入射し、偏光ビームスプリッタ55X1をそのまま透過する。偏光ビームスプリッタ55X1をそのまま透過した光束LWX1は、1/4波長板56X1によって円偏光に変換された後、Z位置がZW1でY位置がYW1近傍である反射面7XS上の点に入射して反射される。反射面7XSで反射された光束LWX1は、1/4波長板56X1によって先の偏光ビームスプリッタ55X1からの射出時から偏光方向が90°回転されて偏光ビームスプリッタ55X1に戻る。そして、光束LWX1は、偏光ビームスプリッタ55X1によって偏向されて、−Y方向に進行する。
こうして、−Y方向に進行した光束LWX1は、コーナーキューブの機能を果たす反射プリズム57X1によって反射され、偏光ビームスプリッタ55X1に再び入射する。そして、反射プリズム57X1から偏光ビームスプリッタ55X1に再入射した光束LWX1は、偏光ビームスプリッタ55X1によって偏向されて+X方向に進行し、1/4波長板56X1によって円偏光に変換された後、Z位置がZW1でY位置がYW1近傍である反射面7XS上の点に入射して再度反射される。反射面7XSで再度反射された光束LWX1は、1/4波長板56X1によって先の偏光ビームスプリッタ55X1からの射出時から偏光方向が90°回転されて偏光ビームスプリッタ55X1に再度戻り、偏光ビームスプリッタ55X1をそのまま透過する。
こうして偏光ビームスプリッタ55X1を透過した光束LWX1は、1/2波長板54X1を介することにより偏光方向が90°回転されて偏光ビームスプリッタ55X1に入射した後、偏光ビームスプリッタ55X1を透過し、測定光束として受光器52X1へ向けて進行する。
一方、偏光ビームスプリッタ53X1によって偏向され、+Z方向に進行した光束LWXR1は、反射プリズム58X1によって反射されて+X方向に進行し、偏向ビームスプリッタ59X1に入射する。以後、図6に示されるように、上記の図5の場合と同様にして、偏向ビームスプリッタ59X1、1/4波長板60X1、及び反射プリズム61X1を介しつつX軸ウエハ参照鏡MRWXで2度反射された後に、偏光ビームスプリッタ59X1から射出されて反射プリズム58X1に入射する。こうして反射プリズム58X1に入射した光束LWXR1は、反射プリズム58X1で反射されて−Z方向に進行した後、偏光ビームスプリッタ53X1によって偏向されて−X方向に進行し、上記の光束LWX1とほぼ同一の光路上を参照光束として受光器52X1へ向かう。
すなわち、受光器52X1への入射光束は、上記の測定光束LWX1と参照光束LWXR1との合成光となっている。そして、受光器52X1では、測定光束LWX1と参照光束LWXR1の偏光方向を同一として干渉させることにより、測定光束LWX1と参照光束LWXR1との光路長差を反映した干渉光を発生させ、その干渉状態を測定する。ところで、X軸ウエハ参照鏡MRWXは、投影光学系PLに固定されており、光源51X1からX軸ウエハ参照鏡MRWXを介して受光器52X1に至る参照光束の光路長は不変とみなしてよいので、被測定光束と参照光束との干渉状態を測定することにより、反射面7XS上における測定光束の照射点の測長方向(X軸方向)位置、すなわちX位置を検出する。なお、実際には、所定状態(例えば、レチクルアライメント時の状態)においてレーザ干渉計13X1をリセットし、そのリセット状態における反射面7XS上の測定光束の照射点のX軸方向位置をX軸方向の座標原点として、位置検出が行われる。以上のようにして検出されたX位置を、以下「XW1」と表す。
図3に戻り、前記レーザ干渉計13X2は、上記のレーザ干渉計13X1に隣接して設けられており、レーザ干渉計13X1と同様に構成されている。より具体的には、レーザ干渉計13X2では、図3に示されるように、レーザ干渉計13X1との隣接面を基準として、レーザ干渉計13X1の構成要素51X1〜61X1に対応する構成要素51X2〜61X2が、前記隣接面に対して面対称に配置されている。
すなわち、レーザ干渉計13X2では、レーザ干渉計13X1と同様にして、反射面7XSに光束LWX2が照射され、反射されて受光器52X2へ向かう測定光束(図5参照)と、X軸ウエハ参照鏡MRWXに光束LWXR2が照射され、反射されて受光器52X2へ向かう参照光束(図6参照)との干渉状態を測定することにより、反射面7XS上における測定光束の照射点の測長方向(X軸方向)位置を検出する。以上のようにして検出されたX位置を、以下「XW2」と表す。
前記レーザ干渉計13XPは、図7に示されるように、光源51XP、受光器52XP、偏光ビームスプリッタ53XP、1/2波長板54XP、偏光ビームスプリッタ55XP、1/4波長板56XP、反射プリズム(コーナーキューブ)57XP、並びに反射プリズム58XP、偏光ビームスプリッタ59XP、1/4波長板60XP、反射プリズム(コーナーキューブ)61XPを有している。すなわち、レーザ干渉計13XPは、上記のレーザ干渉計13X1と同様の構成要素を有しているが、各構成要素のZ軸方向の配置位置が異なっている。
ここで、レーザ干渉計13XPの作用を説明する。レーザ干渉計13XPでは、図7に示されるように、光源51XPから+X方向へ進行する光束が射出される。ここで、光源51XPは、レーザ干渉計13X1における光源51X1と同様に、例えばゼーマン効果を利用した2周波レーザが用いられており、光束LWXPとして周波数(すなわち、波長)が僅かに異なり、かつ、偏光方向が互いに直交する第1偏光成分と第2偏光成分とからなるレーザ光束を出力する。なお、第1偏光成分が垂直偏光成分(V偏光)であり、第2偏光成分が水平偏光成分(H偏光)であるとする。
光源51XPから射出された光束は、図8に示されるように、偏光ビームスプリッタ53XPに入射し、偏光方向に応じて2光束に分割される。すなわち、光源51XPから射出された光束の第1偏光成分から成る光束LWXP2は、偏光ビームスプリッタ53XPをそのまま透過して+X方向に進行し、また、第2偏光成分から成る光束LWXP1は、偏光ビームスプリッタ53XPによって偏向されて+Z方向に進行する。
偏光ビームスプリッタ53XPをそのまま透過した光束LWXP2は、図9に示されるように、レーザ干渉計13X1の場合と同様に、1/2波長板54XP、偏光ビームスプリッタ55XP、1/4波長板56XPを順次介した後、Z位置がZW2(=ZW1−DX)、Y位置がYWP近傍である反射面7XS上の点に入射して反射される。反射面7XSで反射された光束LWXP2は、1/4波長板56XP、偏光ビームスプリッタ55XP、反射プリズム57XP、1/4波長板56XPを順次介した後、Z位置がZW2(=ZW1−DX)、Y位置がYWP近傍である反射面7XS上の点に入射して再反射される。反射面7XSで再反射された光束LWXP2は、1/4波長板56XP、偏光ビームスプリッタ55XP、1/2波長板54XP、ビームスプリッタ53XPを順次介した後、第1測定光束として受光器52XPへ向けて進行する。
一方、偏光ビームスプリッタ53XPによって偏向され、+Z方向に進行した光束LWXP1は、反射プリズム58XPによって反射されて+X方向に進行し、偏向ビームスプリッタ59XPに入射する。以後、図10に示されるように、上記の図9の場合と同様にして、偏向ビームスプリッタ59XP、1/4波長板60XP、及び反射プリズム61XPを介しつつ反射面7XSのYZ座標(YWP,ZW1)近傍で2度反射された後に、偏光ビームスプリッタ59XPから射出されて反射プリズム58XPに入射する。こうして反射プリズム58XPに入射した光束LWXP1は、反射プリズム58XPで反射されて−Z方向に進行した後、偏光ビームスプリッタ52XPによって偏向されて−X方向に進行し、上記の第1測定光束とほぼ同一の光路上を第2測定光束として受光器52XPへ向かう。
すなわち、受光器52XPへの入射光束は、上記の第1測定光束と第2測定光束との合成光となっている。そして、受光器52XPでは、第1測定光束と第2測定光束との偏光方向を同一として干渉させることにより、第1測定光束と第2測定光束との光路長差を反映した干渉光を発生させ、その干渉状態を測定する。この干渉状態の測定により、反射面7XSのY軸回りの回転量が検出される。なお、上記のレーザ干渉計13X1の場合と同様に、実際には、所定状態(例えば、レチクルアライメント時の状態)においてレーザ干渉計13XPをリセットし、そのリセット状態における反射面7XSのY軸回りの回転量を零として、反射面7XSのY軸回りの回転量(ローリング量)検出が行われる。以下、レーザ干渉計13XPによって検出されたチルト情報(Y軸回りの回転量であるピッチング量)を、以下「ΔLWXP」と表す。
なお、レーザビームLWX1、レーザビームLWX2、及びレーザビームLWXP1とは、同一のZ位置ZW1でY軸方向に配列され、図2に示されるようにレーザビームLWX1とレーザビームLWXP1とのY軸方向の間隔がL12とされている。
図2に戻り、前記レーザ干渉計13FXは、上述のレーザ干渉計13X1と同様に構成されている。そして、レーザ干渉計13FXでは、レーザ干渉計13X1と同様にして、反射面7XSに照射され、反射されて受光器へ向かう測定光束と、X軸ウエハ参照鏡MRWXとは別設される前述のアライメント参照鏡(不図示)に照射され、反射されて受光器へ向かう参照光束との干渉状態を測定することにより、反射面7XS上における測定光束の照射点の測長方向(X軸方向)位置を検出する。以上のようにして検出されたX位置を、以下「XF」と表す。
また、前記レーザ干渉計13FPは、上述のレーザ干渉計13XPと同様に構成されている。そして、レーザ干渉計13FPでは、レーザ干渉計13XPと同様にして、反射面7XSに照射され、反射されて受光器へ向かう第1測定光束と第2測定光束との干渉状態を測定することにより、リセット状態における反射面7XSのY軸回りの回転量を零として、反射面7XSのY軸回りの回転量検出が行われる。以下、レーザ干渉計13FPによって検出されたチルト情報を、以下「ΔLFXP」と表す。なお、レーザ干渉計13XP,13FPはそれぞれ反射面7XS上でZ位置が異なる点に照射される第1及び第2測定光束の干渉光を検出することで前述のチルト情報を得るものとしたが、例えば2つのレーザ干渉計からの測定光束を、反射面7XS上でZ位置が異なる点に照射し、各レーザ干渉計で得られる反射面7XSのX位置に基づいて前述のチルト情報を得るようにしてもよい。このとき、レーザ干渉計13XPではその2つの干渉計の一方を、レーザ干渉計13X1又は13X2で兼用させてもよいし、レーザ干渉計13FPではその2つのレーザ干渉計の一方とレーザ干渉計13FXとでそれぞれ得られるX位置に基づいて反射面7XSのZ軸回りの回転量(ヨーイング量)を求めてもよい。
反射鏡7Yには、X軸方向に沿って間隔L21で隔てられ、Y軸に平行なレーザビームLWY1及びLWY2が照射されている。また、Z軸方向に沿って間隔DY(不図示)で隔てられ、X軸に平行な1対のレーザビームLWYPが照射されている。なお、レーザビームLWY1,LWY2は、Y軸に平行で且つ投影光学系PLの光軸AXを通る軸YWAに対してX方向に振り分けられている。
レーザビームLWY1,LWY2,LWYPのそれぞれは、図2に示されるレーザ干渉計13Y1,13Y2,13YPから供給されており、レーザ干渉計13Y1,13Y2は、測長方向がY軸方向であり、反射鏡7Y及びY軸ウエハ参照鏡に対向して配置される点を除いて、上述のレーザ干渉計13X1,13X2と同様に構成される。なお、レーザ干渉計13Y1,13Y2によって検出されたY位置を、以下「YW1」、「YW2」と表す。また、前記レーザ干渉計13YPは、測長方向がY軸方向であり、反射鏡7Yに対向して配置される点を除いて、上述のレーザ干渉計13XPと同様に構成される。なお、レーザ干渉計13YPによって検出されたチルト情報(X軸回りの回転量であるピッチング量)を、以下「ΔLWYP」と表す。
以上の反射鏡7X,7Yは、ウエハWの走査露光又はステッピング等の位置制御時に、レーザビームLWX1,LWX2,LWXP,LWY1,LWY2,LWYPが外れることが無いように、また、ウエハWのアライメントセンサ26によるアライメント計測時に、レーザビームLFX,LFXP,LWY1,LWY2,LWYPが外れることが無いように十分長く形成されている。なお、本実施形態の露光装置では走査露光時とアライメント計測時とでレーザ干渉計13Y1,13Y2,13YPを兼用するものとしたが、例えばレーザ干渉計13FX,13FPと同一構成の1組のレーザ干渉計を、アライメント計測時におけるY位置及びX軸回りの回転量(さらにはヨーイング量)の検出用として設けてもよい。この構成では、ウエハステージ装置を大型化することなく(即ち、反射面7を長くすることなく)、投影光学系PLを介してレチクルのパターンの転写が行われる露光位置と、アライメントセンサ26によるマーク検出が行われる計測位置(アライメント位置)とを大きく離して設定することができ、ウエハステージ装置として、露光動作とアライメント動作とをほぼ並行して実行可能とするように、それぞれ独立に可動な2つのウエハステージを備えるダブルウエハステージ方式を採用することもできる。
上記のレーザ干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2によって、走査露光又はステッピング等の位置制御時における基板テーブル4のXY位置(XW,YW)、ひいてはウエハWのXY位置が検出される。すなわち、レーザ干渉計13X1,13X2によるX位置測定結果XW1,XW2に基づいて、基板テーブル4のX位置XWが、
XW=(XW1+XW2)/2 …(3)
によって検出される。また、レーザ干渉計13Y1,13Y2によるY位置測定結果YW1,YW2に基づいて、基板テーブル4のY位置YWが、
YW=(YW1+YW2)/2 …(4)
によって検出される。
また、レーザ干渉計13FX,13Y1,13Y2によって、アライメント計測時における基板テーブル4のXY位置(XW(=XF),YW)、ひいてはウエハWのXY位置が検出される。すなわち、レーザ干渉計13FXによるX位置測定結果XFが、基板テーブル4のX位置XWとして検出される。また、レーザ干渉計13Y1,13Y2によるY位置測定結果YW1,YW2に基づいて、基板テーブル4のY位置YWが検出される。
また、測定値XW1,XW2又は測定値YW1,YW2に基づいて、基板テーブル4のヨーイング量(Z軸回りの回転量)θZWが、
θZW=(XW1−XW2)/L11 …(5)
または、
θZW=(YW1−YW2)/L21 …(5’)
によって検出される。すなわち、反射面7XSにおける測定光束LWX1の照射点と測定光束LWX2の照射点との間における反射面7XSのZ軸回りの局所的な回転角、または、反射面7YSにおける測定光束LWY1の照射点と測定光束LWY2の照射点との間における反射面7YSのZ軸回りの局所的な回転角から、基板テーブル4のヨーイング量θZWが検出される。
さらに、測定値XW1,XW2,YW1,YW2に基づいて、反射鏡7X,7Yのリセット状態からの基板テーブル4における直交度誤差変動ΔωWが、 ΔωW=(YW1−YW2)/L21−(XW1−XW2)/L11…(6)
によって検出される。すなわち、反射面7XSにおける測定光束LWX1の照射点と測定光束LWX2の照射点との間における反射面7XSのZ軸回りの局所的な回転角と、反射面7YSにおける測定光束LWY1の照射点と測定光束LWY2の照射点との間における反射面7YSのZ軸回りの局所的な回転角との差から、反射鏡7X,7Yのリセット状態からの基板テーブル4における直交度誤差変動ΔωWが検出される。
以上のようにして検出されるX座標XW及びY座標YWよりなる座標系を、ウエハステージの座標系(XW,YW)と呼ぶ。この座標系(XW,YW)は、リセット状態からの値であり、X軸及びY軸よりなる設計上の理想的な直交座標系とは或る程度異なっているが、所定の条件に較正された後、ウエハWの移動は較正されたウエハステージの新座標系(XW,YW)に基づいて行われる。
図11には、レチクル微動ステージ11周辺の平面図が示されている。この図11に示されるように、レチクル微動ステージ11上にレチクルRが保持されている。また、レチクル微動ステージ11の+X方向の端部、及び−Y方向の端部にはY方向に延びたX軸の反射鏡21X、コーナーキューブよりなる2個のY軸の反射鏡21Y1,21Y2がそれぞれ固定されている。また、レチクル微動ステージ11は、主制御系22の制御の下で、ボイスコイルモータを駆動源とするアクチュエータ38L,38Rによって駆動される。なお、レチクル微動ステージ11をX方向に微動するアクチュエータも設けられているが、図11では図示省略している。
反射鏡21Xには、Y軸方向に沿って間隔L3で隔てられ、X軸に平行なレーザビームLRX1及びLRX2が照射されている。なお、レーザビームLRX1,LRX2は、X軸に平行で且つそれぞれ投影光学系PLの光軸AXを通る軸XRAに対してY軸方向に振り分けられている。また、反射鏡21Y1,21Y2には、X軸方向に沿って間隔L3で隔てられ、Y軸に平行なレーザビームLRY1及びLRY2が照射されている。なお、レーザビームLRY1,LRY2は、Y軸に平行で且つそれぞれ投影光学系PLの光軸AXを通る軸YRAに対してX軸方向に振り分けられている。
レーザビームLRX1,LRX2,LRY1,LRY2のそれぞれは、レチクル干渉計14X1,14X2,14Y1,14Y2から供給されている。そして、レチクル微動ステージ11のX位置がレチクル干渉計14X1,14X2による測定値に基づいて検出され、また、レチクル微動ステージ11のY位置がレチクル干渉計14Y1,14Y2による測定値に基づいて検出される。
前記レチクル干渉計14X1,14X2は、反射鏡21X及びX軸レチクル参照鏡に対向して配置される点を除いて、上述のレーザ干渉計13X1,13X2と同様に構成される。なお、レチクル干渉計14X1,14X2によって検出されたX位置を、以下「XR1」、「XR2」と表す。
また、前記レチクル干渉計14Y1,14Y2は、反射鏡21Y1,21Y2及びY軸レチクル参照鏡に対向して配置される点を除いて、上述のレーザ干渉計13Y1,13Y2と同様に構成される。なお、レチクル干渉計14Y1,14Y2によって検出されたY位置を、以下「YR1」、「YR2」と表す。
なお、Y方向の反射鏡(コーナーキューブ)21Y1,21Y2で反射されたレーザビームLRY1,LRY2はそれぞれ反射ミラー14M1,14M2で反射されて戻されており、レチクル微動ステージ11が回転してもレーザビームの位置ずれが生じない構成になっている。また、レチクルR上の矩形の照明領域36に露光光ELが照射され、X方向に関する照明領域36の両端にレチクルアライメント系19,20の観察領域が設定されている。なお、照明領域36は、図2のウエハW上の露光領域34と共役である。また、図11に示されるように、一例としてレチクルRのパターン領域の両側には十字型のアライメントマーク32A〜32Fが形成されている。図2の基準マーク板6上の基準マーク30A〜30Fをレチクル側に投影したときの各投影像の位置関係は、アライメントマーク32A〜32Fの相互の位置関係とほぼ等しい。
上記のレーザ干渉計14X1,14X2,14Y1,14Y2によって、レチクル微動ステージ11のXY位置(XR,YR)、ひいてはレチクルRのXY位置が検出される。すなわち、レーザ干渉計14X1,14X2によるX位置測定結果XR1,XR2に基づいて、微動ステージ11のX位置XRが、
XR=(XR1+XR2)/2 …(7)
によって検出される。また、レチクル干渉計14Y1,14Y2によるY位置測定結果YR1,YR2に基づいて、微動ステージ11のY位置YRが、
YR=(YR1+YR2)/2 …(8)
によって検出される。
また、測定値XR1,XR2に基づいて、レチクルRのヨーイング量θZRが、
θZR=(XR1−XR2)/L3 …(9)
によって検出される。さらに、測定値XR1,XR2,YR1,YR2に基づいて、反射鏡21Xと反射鏡21Y1,21Y2との直交度誤差変動ΔωRが、
ΔωR=(YR1−YR2)/L4−(XR1−XR2)/L3 …(10)
によって検出される。
以上のように検出されるX座標XR及びY座標YRよりなる座標系がレチクルステージの座標系(XR,YR)と呼ばれる。この座標系(XR,YR)は、X軸及びY軸よりなる設計上の理想的な直交座標系とは或る程度異なっている場合があるが、レチクルRはレチクルステージの座標系(XR,YR)に基づいて駆動される。
次に、上述の基板テーブル4のXY位置(XW,YW)の補正及びウエハWのXY位置のアッベ誤差の補正に使用される、基板テーブル4の側面に設けられた反射鏡7X,7Yの反射面の形状計測について、図12〜図16、図19及び図20A、図20Bを参照して説明する。かかる形状計測にあたっては、上述の露光装置100の構成要素の内、主制御系22、レーザ干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2、ウエハ駆動装置24、及び光路変更装置40等が使用される。すなわち、主制御系22、レーザ干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2、ウエハ駆動装置24、及び光路変更装置40等から反射鏡7X,7Yの反射面の形状計測装置(1次元形状計測装置)が構成されている。
ここで、光路変更装置40について説明する。図12及び図14においてレーザ干渉計13X1について代表的に示されるように、レーザ干渉計13X1,13X2の測定光束LWX1,LWX2が射出される1/4波長板56X1,56X2の後段には、光路変更装置40が配置されている。なお、同図を参照した以下の説明では、代表的にレーザ干渉計13X1の各構成要素についての符号を付して位置関係等を説明する。
光路変更装置40は、可動ミラー410及び固定ミラー420を備えて構成される。可動ミラー410は、レーザ干渉計13X1の1/4波長板56X1から射出されて反射面7XSに向かう測定光束LWX1の光路に対して、その鏡面が45°の角度をなすように配置される反射位置と、測定光束LWX1の光路外に配置される退避位置とで選択的に移動できるように構成されている。
すなわち、可動ミラー410は、可動ミラー支持部材411に支持されており、可動ミラー支持部材411は支持軸412を中心に所定の角度範囲(ここでは45°)で回動可能な状態で不図示のフレーム(例えば、投影光学系PLが載置される架台)等に支持されている。可動ミラー支持部材411は、エアシリンダ等の駆動装置413により駆動され、駆動装置413は主制御系22から送られる制御信号に基づいて、可動ミラー410が反射位置又は退避位置に設定されるように制御される。なお、図12で実線で示す可動ミラー410の位置、図14で点線で示す可動ミラー410の位置が退避位置であり、図12で点線で示す可動ミラー410の位置、図14で実線で示す可動ミラー410の位置が反射位置である。
可動ミラー410が退避位置に設定された状態(図12)では、1/4波長板56X1から射出され、+X方向に向かう測定光束LWX1は、そのまま直進して、反射面7XSのZ方向位置がZW1の位置に照射され、可動ミラー410が反射位置に設定された状態(図14)では、1/4波長板56X1から射出され、+X方向に向かう測定光束LWX1は、可動ミラー410により90°の角度で−Z方向に向けて全反射される。
固定ミラー420は、可動ミラー410が反射位置にあるときに、該可動ミラー410により反射された光束LWX1を反射鏡7Xの反射面7XSに向けて反射するように、反射位置にある可動ミラー410に対して平行な状態で不図示のフレーム(例えば、投影光学系PLが載置される架台)等に固定されている。可動ミラー410により反射されて、−Z方向に進行する測定光束LWX1は、固定ミラー420により+X方向に全反射され、反射面7XSのZ方向位置がZW1から距離DXだけシフトした位置ZW2に照射される(図14参照)。
さて、基板テーブル4の側面に設けられた反射鏡7X,7Yの反射面の形状計測は、まず、主制御系22がウエハ駆動装置24を介して基板テーブル4を制御し、基板テーブル4表面がXY面とほぼ平行になるように、基板テーブル4を駆動する。そして、主制御系22が光路変更装置40の駆動装置413を制御して、図12においてウエハ干渉系13X1について代表的に示されるように、可動ミラー410を、レーザ干渉計13X1,13X2から射出された測定光束LWX1,LWX2の反射鏡7Xに至る光路上から退避させる。この結果、測定光束LWX1,LWX2は、反射鏡7XのZ位置ZW1に照射されることになる。引き続き、主制御系22がウエハ駆動装置24を介してウエハX軸駆動ステージ2及びウエハY軸駆動ステージ3を制御し、基板テーブル4を図13において実線で示される計測開始位置に移動させる。以上の基板テーブル4の移動中において基板テーブル4が所定位置となったときに、レーザ干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2をリセットする。なお、本実施形態では、基板テーブル4が計測開始位置にきたときに、レーザ干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2をリセットしている。また、形状計測時におけるレーザ干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2のリセット位置と、後述する位置制御時におけるレーザ干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2のリセット位置とは所定の位置関係となっている。
次に、主制御系22がウエハ駆動装置24を介して、Y軸ウエハ駆動ステージ2を制御し、基板テーブル4を−Y方向に移動させつつ、レーザ干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2によって検出されたX位置XW1(t,ZW1),XW2(t,ZW1)及びY位置YW1(t,ZW1),YW2(t,ZW1)(t:時刻)をほぼ同時に収集する作業を逐次実行する。
ところで、各収集時における反射面7XSのZ軸回りの局所的な回転量θZX(t,ZW1)及び反射面7YSのZ軸回りの局所的な回転量θZY(t,ZW1)は、
θZX(t,ZW1)=(XW1(t,ZW1)
−XW2(t,ZW1))/L11 …(11)
θZY(t,ZW1)=(YW1(t,ZW1)
−YW2(t,ZW1))/L21 …(12)
によって求められる。
ここで、基板テーブル4は−Y方向に移動するので、ウエハ干渉計13Y1,13Y2から射出された測定光束LWY1,LWY2は、実質的には反射鏡7Yの同一位置に照射され続ける。したがって、反射鏡7YのZ軸回りの局所的な回転量θZY(t,ZW1)には、Y軸方向に関する反射鏡7Yの1次元的な形状変化の寄与は含まれていないので、回転量θZY(t,ZW1)は、基板テーブル4の移動に伴う基板テーブル4の時刻tにおけるZ軸回りの回転量、すなわち基板テーブル4のヨーイング量そのものとなっているとみなしてよい。
一方、反射鏡7XのZ軸回りの局所的な回転量θZX(t,ZW1)は、各収集時における基板テーブル4のヨーイング量と反射鏡7Xの反射面7XSのX軸方向に関する1次元的な形状変化との和となっている。したがって、反射鏡7Xの反射面7XSのX軸方向に関する1次元的な形状変化による、反射鏡7XのZ軸回りの局所的な回転量θZX(t,ZW1)は、
θZX(t,ZW1)=θZX(t,ZW1)
−θZY(t,ZW1) …(13)
によって求められる。
ところで、各収集時における基板テーブル4のY位置YW(t,ZW1)は、
YW(t,ZW1)=(YW1(t,ZW1)
+YW2(t,ZW1))/2 …(14)
によって求められ、時刻tに対して一義的に決まる。
すなわち、反射鏡7XのZ軸回りの局所的な回転量θZX(t,ZW1)を、反射鏡7XのZ軸回りの局所的な回転最θZX(YW,ZW1)と表すことができる。したがって、レーザ干渉計13X1,13X2のリセット時におけるY位置(以下、「計測基準Y位置」という)をYWSとして、Z位置ZW1における反射鏡7XのY軸方向に関する1次元形状DXW(YW,ZW1)は、次式によって求められる。
そこで、主制御系22は、収集したX位置XW1(t,ZW1),XW2(t,ZW1)及びY位置YW1(t,ZW1),YW2(t,ZW1)に基づいて、上記の(11)式から(15)式までを使用して、Z位置ZW1における反射鏡7XのY軸方向に関する1次元形状DXW(YW,ZW1)を算出する。
次に、主制御系22がウエハ駆動装置24を介してウエハX軸駆動ステージ2及びウエハY軸駆動ステージ3を制御し、基板テーブルを図13において実線で示される計測開始位置に移動させる。引き続き、主制御系22が光路変更装置40の駆動装置413を制御して、図14においてウエハ干渉計13X1について代表的に示されるように、レーザ干渉計13X1,13X2から射出された測定光束LWX1,LWX2の反射鏡7Xに至る光路上(反射位置)に可動ミラー410を移動させる。この結果、測定光束LWX1,LWX2は、反射鏡7XのZ位置ZW2に照射されることになる。この後、レーザ干渉計13X1,13X2をリセットする。
次いで、Z位置ZW1における1次元形状計測と同様にして、主制御系22がウエハ駆動装置24を介して、Y軸ウエハステージ3を制御し、基板テーブル4を−Y方向に移動させつつ、レーザ干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2によって検出されたX位置XW1(t,ZW2),XW2(t,ZW2)及びY位置YW1(t,ZW2),YW2(t,ZW2)をほぼ同時に収集する作業を逐次実行する。そして、主制御系22が、収集したX位置XW1(t,ZW2),XW2(t,ZW2)及びY位置YW1(t,ZW2),YW2(t,ZW2)に基づいて、上記の(11)式から(15)式と同様の式を利用して、Z位置ZW2における反射鏡7XのY軸方向に関する1次元形状DXW(YW,ZW2)が算出される。
こうして、反射鏡7Xの反射面7XSの形状情報[DXW(YW,ZW1),DXW(YW,ZW2)]が得られる。
また、反射鏡7Yの反射面7YSの形状情報[DYW(XW,ZW1),DYW(XW,ZW2)]は、上記の反射面7XSの形状計測と同様にして、主制御系22、レーザ干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2、ウエハ駆動装置24、及び光路変更装置40等が使用される。すなわち、主制御系22、レーザ干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2、ウエハ駆動装置24、及び光路変更装置40等によって、反射鏡7Yの反射面7YSの形状計測を行うことによって得られる。
以上のようにして得られた反射鏡7Xの反射面7XSの形状情報[DXW(YW,ZW1),DXW(YW,ZW2)]及び反射鏡7Yの反射面7YSの形状情報[DYW(XW,ZW1),DYW(XW,ZW2)]が、図15に示されている。ここで、1次元形状DXW(YW,ZW1)と1次元形状DXW(YW,ZW2)とを比較してみると、計測基準Y位置YWSにおいて、
DXW(YWS,ZW1)=DXW(YWS,ZW2)
となっている。これは、1次元形状DXW(YW,ZW1)及び1次元形状DXW(YW,ZW2)の計測それぞれの計測基準Y位置YWSにおいて、レーザ干渉計13X1,13X2の双方をリセットするからである。
したがって、1次元形状DXW(YW,ZW1)と1次元形状DXW(YW,ZW2)とに基づいて、反射面7XSの各Y位置におけるY軸回りの回転量θY(YW)を、
θY(YW)=(DXW(YW,ZW1)
−DXW(YW,ZW2))/DX …(16)
で求めると、必ず、
θY(YWS)=0 …(17)
となることになる。
すなわち、上記の(17)式によると、反射面7XSの計測基準Y位置YWSでは、反射面7XSのY軸回りの回転量が必ず「0」として計測されることになる。しかし、実際には、Z位置ZW1における1次元形状計測及びZ位置ZW2における1次元形状計測でそれぞれ、レーザ干渉計13X1,13X2のリセット時における状態が同一であるとは限らない。したがって、一般には、Z位置ZW1における2次元位置検出値XW(ZW1),YW(ZW1)と、Z位置ZW2における2次元位置検出値XW(ZW2),YW(ZW2)との間にはオフセットが存在することになる。このため、(16)式によって求められる反射面7XSの各Y位置におけるY軸回りの回転量θY(YW)は、実際の反射面7XSのY軸回りの回転量とは異なっている。かかる事情は、反射面7YSのX軸回りの回転量についても同様である。
この実施形態では、反射鏡7X,7Yの反射面7XS,7YSのZ位置ZW1(以下、上段ということがある)における1次元形状データDXW(YW,ZW1),DYW(XW,ZW1)とZ位置ZW2(以下、下段ということがある)における1次元形状データDXW(YW,ZW2),DYW(XW,ZW2)との相対関係(オフセット)を以下のようにして求める。
Y軸方向に沿う反射鏡7Xの反射面7XSについては以下の通りである。まず、主制御系22はウエハ駆動装置24を介して基板テーブル4を制御して所定の計測開始位置(ここでは、前記計測基準Y位置)に設定するとともに、図19に示したアクチュエータAC1〜AC3を制御して、基板テーブル4表面が所定面、例えばXY面とほぼ平行となるように設定する。この状態で、レーザ干渉計13XPをリセット(零リセット)する。
その後、レーザ干渉計13XPの計測結果としてのチルト情報ΔLWXPが一定(ここでは零)の状態を保つように、アクチュエータAC1〜AC3の変位量を適宜に制御しつつ、基板テーブル4をY軸方向に沿って一定の速度で移動させる。このとき、各エンコーダEN1〜EN3の出力(Z軸方向の変位)を基板テーブル4のY位置(YW)との関係で逐次サンプリングする。基板テーブル4は所定の計測終了位置に至るまでこれらを行いつつ移動される。
主制御系22は、各エンコーダEN1〜EN3の出力(Z軸方向の変位)及び各エンコーダEN1〜EN3の配置(位置関係)に基づき、基板テーブル4のY軸に沿う方向のY軸回りの回転角の変化θYEN(YW)を算出する。基板テーブル4のY軸に沿う方向のY軸回りの回転角の変化θYEN(YW)は、本発明の第2データに相当する。このθYEN(YW)は、例えば図20Aに点線で示したような結果となる。なお、図20A及び図20Bにおいて、縦軸はY軸回りの回転角(θY)であり、横軸はY軸方向の位置(YW)である。
次いで、上段形状データDXW(YW,ZW1)と下段形状データDXW(YW,ZW2)との差(以下、上下段の曲がりの差ということがある)を求め、これを角度換算(Z位置ZW1とZW2との距離DXで除算)した上下段曲がりの差、即ち、上記(16)式のθY(YW)を求める。この上下段の曲がりの差θY(YW)は本発明の第1データに相当する。θY(YW)は、上段形状データDXW(YW,ZW1)及び下段形状データDXW(YW,ZW2)が図15に示したような結果である場合には、図20Aに実線で示したようなものとなる。
その後、このθY(YW)とθYEN(YW)との差を求める。即ち、この差をDIFθY(YW)として、
DIFθY(YW)=θYEN(YW)−θY(YW)
を求める。DIFθY(YW)は、例えば図20Bに点線で示したような結果となる。
ここで、DIFθY(YW)はレーザ干渉計13X1,13X2のリセット時における上段形状データDXW(YWS,ZW1)と下段形状データDXW(YWS,ZW2)の相対関係(ここではY軸回りの角度)を反映することになるので、理想状態(各部の誤差が無いと仮定した場合)においては傾きが零の直線となる筈である。しかし、そのような理想状態は現実にはあり得ないため、DIFθY(YW)は通常は直線とはならない。この場合の誤差の主要なものとしては、基板テーブル4の移動の基準平面を構成するウエハ支持台1の上面のうねりやねじれ等の影響がエンコーダEN1〜EN3の出力に基づくθYEN(YW)に含まれてしまうことによるものと考えられる。
このように、DIFθY(YW)は通常は直線とはならないので、例えば最小二乗法を用いて誤差の二乗の総和が最小となるように直線近似して、これをY軸方向に沿う反射鏡7Xについての上下段の形状データの相対関係RELθY(YW)とする。この場合のRELθY(YW)は、例えば図20Bに実線で示すようなものとなる。DIFθY(YW)をこのように直線近似することにより、ウエハ支持台1の上面の局所的なうねりやねじれ等の影響をある程度軽減することができる。なお、このとき、傾き零の直線で直線近似する、即ち、θY軸方向の誤差の二乗の総和が最小となるように直線近似するようにしてもよい。この場合、RELθY(YW)は図20BのYW軸に平行な直線となり、YWの値によらない上下段形状データDXW(YW,ZW1),DXW(YW,ZW2)の相対関係を反映することになる。
このように、最も誤差が小さくなるように直線近似すると、RELθY(YW)は通常はある傾きを持つことになる。この傾きは、ウエハ支持台1の上面の全体的なうねりやたわみの影響を反映していると考えられる。本実施形態では、これをそのまま含めたかたちでRELθY(YW)を求める。
次いで、上下段の曲がりの差θY(YW)にRELθY(YW)を加算したものを、レーザ干渉計13XPによる計測結果ΔLWXPに対する補正値XOFθY(YW)として、記憶装置27に格納する。
X軸方向に沿う反射鏡7Yの反射面7YSについては以下の通りである。まず、主制御系22はウエハ駆動装置24を介して基板テーブル4を制御して所定の計測開始位置(ここでは、1次元形状計測におけるレーザ干渉計13Y1,13Y2のリセット位置)に設定するとともに、図19に示したアクチュエータAC1〜AC3を制御して、基板テーブル4表面が所定面、例えばXY面とほぼ平行となるように設定する。この状態で、レーザ干渉計13YPをリセット(零リセット)する。
その後、レーザ干渉計13YPの計測結果としてのチルト情報ΔLWYPが一定(ここでは零)の状態を保つように、アクチュエータAC1〜AC3の変位量を適宜に制御しつつ、基板テーブル4をX軸方向に沿って一定の速度で移動させる。このとき、各エンコーダEN1〜EN3の出力(Z軸方向の変位)を基板テーブル4のX位置(XW)との関係で逐次サンプリングする。基板テーブル4は所定の計測終了位置に至るまでこれらを行いつつ移動される。
主制御系22は、各エンコーダEN1〜EN3の出力(Z軸方向の変位)及び各エンコーダEN1〜EN3の配置(位置関係)に基づき、基板テーブル4のX軸に沿う方向のX軸回りの回転角の変化θXEN(XW)を算出する。基板テーブル4のX軸に沿う方向のX軸回りの回転角の変化θXEN(XW)は、本発明の第2データに相当する。
次いで、上段形状データDYW(XW,ZW1)と下段形状データDYW(XW,ZW2)との差(以下、上下段の曲がりの差ということがある)を求め、これを角度換算(Z位置ZW1とZW2との距離DXで除算)した上下段曲がりの差θX(XW)を求める。即ち、
θX(XW)=(DYW(XW,ZW1)−DYW(XW,ZW2))/DX
を求める。この上下段の曲がりの差θX(XW)は本発明の第1データに相当する。
その後、このθX(XW)とθXEN(XW)との差を求める。即ち、この差をDIFθX(XW)として、
DIFθX(XW)=θXEN(XW)−θX(XW)
を求める。
ここで、DIFθX(XW)はレーザ干渉計13Y1,13Y2のリセット時における上段形状データDYW(XWS,ZW1)と下段形状データDYW(XWS,ZW2)の相対関係(ここではX軸回りの角度)を反映することになるので、理想状態(各部の誤差が無いと仮定した場合)においては傾きが零の直線となる筈である。しかし、そのような理想状態は現実にはあり得ないため、DIFθX(XW)は通常は直線とはならない。この場合の誤差の主要なものとしては、基板テーブル4の移動の基準平面を構成するウエハ支持台1の上面のうねりやねじれ等の影響がエンコーダEN1〜EN3の出力に基づくθXEN(XW)に含まれてしまうことによるものと考えられる。
このように、DIFθX(XW)は通常は直線とはならないので、例えば最小二乗法を用いて誤差の二乗の総和が最小となるように直線近似して、これをX軸方向に沿う反射鏡7Yについての上下段の形状データの相対関係RELθX(XW)とする。DIFθX(XW)をこのように直線近似することにより、ウエハ支持台1の上面の局所的なうねりやねじれ等の影響をある程度軽減することができる。なお、このとき、傾き零の直線で直線近似するようにしてもよいことは上述したX軸方向に沿う反射鏡7Yの場合と同様である。
このように、最も誤差が小さくなるように直線近似すると、RELθX(XW)は通常はある傾きを持つことになる。この傾きは、ウエハ支持台1の上面の全体的なうねりやたわみの影響を反映していると考えられる。本実施形態では、これをそのまま含めたかたちでRELθX(XW)を求める。
次いで、上下段の曲がりの差θX(XW)にRELθX(XW)を加算したものを、レーザ干渉計13YPによる計測結果ΔLWYPに対する補正値YOFθX(XW)として、記憶装置27に格納する。
なお、上記の1次元形状計測とエンコーダEN1〜EN3を用いた計測とは、どちらを先に行ってもよい。
上記のようにして求めた補正値XOFθY(YW),YOFθX(XW)に基づいて、レーザ干渉計13XP,13YPの計測結果ΔLWXP,ΔLWYPを補正することにより、基板テーブル4のY軸回りの回転最θYW及びX軸回りの回転量θXWを正確に求めることができる。
即ち、レーザ干渉計13XP,13YPによる検出値ΔLWXP,ΔLWYPには、レーザ干渉計13XP,13YPのリセット状態を基準とした基板テーブル4のY軸回りの回転量、X軸回りの回転量に起因して発生した光路差ΔLWXP1,ΔLWYP1と、反射面7XS,7YSのY軸方向、X軸方向に関するうねりやねじれ等に起因して発生した光路差ΔLWXP2,ΔLWXP2とが含まれている。なお、上述の反射面7XS,7YSの形状計測時におけるレーザ干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2のリセット位置と、基板テーブル4の位置検出時のレーザ干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2のリセット位置との位置関係は予め定められており、既知である。
レーザ干渉計13XP,13YPから射出された測定光束LWXP,LWYPの照射点のY位置YWP,X位置XWPは、
YWP=YW−(L11/2)−L12
XWP=XW−(L21/2)−L22 …(18)
によって求められる。また、レーザ干渉計13XP,13YPのリセット時における測定光束LWXP,LWYPの照射点のY位置YWP0,X位置XW0は、上述のように既知である。従って、光路差ΔLWXP2,ΔLWYP2は、
ΔLWXP2=
{XOFθY(YWP)−XOFθY(YWP0)}・DX
ΔLWYP2=
{YOFθX(XWP)−YOFθX(XWP0)}・DX …(19)
によって求めることができる。
したがって、光路差ΔLWXP1,ΔLWYP1は、
ΔLWXP1=ΔLWXP−ΔLWXP2
ΔLWYP1=ΔLWYP−ΔLWYP2 …(20)
によって求めることができる。この結果、基板テーブル4のY軸回りの回転量θYW、X軸回りの回転量θXWは、
θYW=ΔLWXP1/DX
θXW=ΔLWYP1/DX …(21)
によって求めることができる。
基板テーブル4のX軸又はY軸回りの回転量に基づいて、アッベ誤差を補正する場合には、基板テーブル4のXY位置検出のZ位置ZW1とウエハW表面のZ位置との差L(図4参照)が既知であるものとして、基板テーブル4のY軸回りの回転量θYWによるX軸方向のアッベ誤差ΔXA、及びX軸回りの回転量θXWによるY軸方向のアッベ誤差ΔYAは、
ΔXA=L・θYW
ΔYA=L・θXW …(22)
によって求められる。なお、以上の(18)〜(22)式の計算は主制御系22によって行われる。
なお、前記レーザ干渉計13FPによって検出されるチルト情報ΔLFXPについては、上述のレーザ干渉計13XPの場合と同様に処理されるので、その説明は省略する。
ところで、上述した上下段形状データの相対関係を示すRELθY(YW)及びRELθX(XW)は、ウエハ支持台1の上面のうねりやねれじ等の影響により、ある傾きを持っており、これを含めたかたちで、補正値としてのXOFθY(YW)及びYOFθX(XW)を求めていた。従って、レーザ干渉計13XP,13YPの計測結果をこれらの補正値で補正すると、当該傾きに相当する誤差が含まれてしまうことになる。
この傾きによる誤差は、実際にウエハを露光した場合には、ウエハ上に形成される回路パターンの配列の直交度誤差となって表出することになる。従って、パターン配列の直交度誤差を補正するために通常行われている補正方法をさらに実行することによりその影響を排除することができる。
この直交度誤差の補正方法としては、複数の基準マークが格子状に配列的に形成された直交度計測用ウエハを基板テーブル4に所定の状態で搭載し、主制御系22がウエハ駆動装置24を介してウエハX軸駆動ステージ2及びウエハY軸駆動ステージ3を制御し、計測用ウエハ上の基準マークを順次、アライメントセンサ26で計測し、そのXY位置を求める。この計測結果と基準マークが本来あるべき基準位置との関係からその補正値を求め、この補正値に基づきステージの駆動を制御する。なお、直交度計測用ウエハの基準マークの計測を行った後、さらに直交度計測用ウエハを90度回転させた状態で基板ステージ4上に載置して、さらに基準マークの計測を行い、これらの計測結果を統計的に処理する等して反射面7Xと反射面7Yとの直交度を求めることにより、直交度計測用ウエハの基準マークが形成された表面のうねりやねじれ等に基づく誤差の影響を小さくすることができる。なお、ウエハを90度回転させて前述の補正値を求める方法では、計測専用のウエハを用いないで、例えばレチクルパターンと一緒にアライメントマークが形成されたデバイス製造用のウエハを用いてもよい。
なお、このような直交度誤差の補正は、通常行われる工程であり、レーザ干渉計13XP,13YPについての補正値としてのXOFθY(YW)及びYOFθX(XW)に含まれるウエハ支持台1のうねりやねじれの影響による誤差を排除するために特別に行うものではないので、特に工数が増大するようなことはない。
上述したように、上段形状データと下段形状データの相対関係を、従来技術のような基準マークを形成した計測用ウエハを用いることなく求めることができるので、補正データの収集のための作業工数を減少することができるとともに、基準マークの計測に伴う誤差が包含されることもないので、計測精度を向上することができる。
なお、反射面7XSの形状情報DXW(YW,ZW1),DXW(YW,ZW2)、反射面7YSの形状情報DYW(XW,ZW1),DYW(XW,ZW2)を、上下段の形状データの相対関係RELθY(YW)及びRELθX(XW)により補正することにより、反射面7XS,7YSのより正確な2次元形状データを得ることができる。即ち、反射面7XSの補正後の2次元形状データをdXW(YW,ZW1),dXW(YW,ZW2)、反射面7YSの補正後の2次元形状データをdYW(XW,ZW1),dYW(XW,ZW2)、反射鏡7Xの1次元形状計測時の基板テーブル4のX位置をXWP、反射鏡7Yの1次元形状計測時の基板テーブル4のY位置をYWPとして、
dXW(YW,ZW1)=DXW(YW,ZW1)
dXW(YW,ZW2)=DXW(YW,ZW2)+RELθY(YW)
dYW(XW,ZW1)=DYW(XW,ZW1)
dYW(XW,ZW2)=DYW(XW,ZW2)+RELθX(XW)
によって求めることができる。RELθY(YW)及びRELθX(XW)が一定の値ΔXOF,ΔYOFである場合(傾き零の場合)の補正後の形状データdXW(YW,ZW1),dXW(YW,ZW2),dYW(XW,ZW1),dYW(XW,ZW2)が図16に示されている。
次に、本実施形態の露光装置100による、レチクルRに形成されたパターンをウエハWに転写する露光動作について説明する。
まず、不図示のレチクルローダによって、レチクルがレチクルステージRSTの微動ステージ11上にロードされる。そして、基準マーク板6を用いてレチクルアライメントが行われる。
このレチクルアライメントの動作を簡単に説明すると、まず、主制御系22の制御により、ウエハY軸駆動ステージ2及びウエハX軸駆動ステージ3を駆動することによって、基準マーク板6の基準マーク30A,30Bを投影光学系PLに関してレチクルR上の照明領域36と共役な露光領域(パターン像の投影領域)34内に移動して静止させるとともに、レチクル走査ステージ10を駆動して図11のレチクル12上のアライメントマーク32A,32Bを照明領域36内に移動する。
次に、レチクルアライメント系19,20によって、基準マーク30A,30Bと対応するアライメントマーク32A,32Bとの位置ずれ量を検出する。そして、主制御系22は、検出された位置ずれ量に基づいて、レチクル走査ステージ10及びレチクル微動ステージ11を駆動して、基準マーク30A及び30Bの像に対してアライメントマーク32A及び32Bの位置ずれ量が対称になるように合わせ込む。これによって、レチクルRの位置及び回転角が基準マーク板6に対して合わせ込まれる。また、この状態で例えば、レチクルステージRST側の4軸のレチクル干渉計14X1,14X2,14Y1,14Y2の計測値、及びウエハステージ側の4軸のレーザ干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2の計測値をリセットすることによって、上述のレチクルステージの座標系(XR,YR)と、ウエハステージの座標系(XW,YW)との原点のオフセットが補正される。このとき、各レーザ干渉計の計測値をリセットすることなくオフセットを記憶するだけでもよいし、オフセットの補正又は記憶に先立ってレチクルステージを移動(回転など)させることなく、レチクルアライメント系19,20の検出結果を用いてオフセットの補正又は記憶を行ってもよい。
次いで、後に行われる走査露光時における基板テーブル4の走査方向が、基準マーク板6の基準マーク30A,30C,30Eの配列方向に平行となるようにする。このためには、例えば、機械的に基準マーク30A,30C,30Eの配列方向が反射鏡7Xの反射面7XSと平行に設定される。但し、機械的な調整誤差が残存する際には、ウエハステージのY座標YWが所定ステップ変化する毎に、そのX座標XWが対応する量だけ変化するようにして、ソフトウエア的に基板テーブル4の走査方向を補正してもよい。以下では、このように補正された走査方向をY軸とする座標系をウエハステージの座標系(XW,YW)と呼ぶ。
次に、露光光ELを照射することなく、走査露光時と同様にウエハステージ側のステージとレチクルステージ側のステージとを互いに反対向き移動させて、基準マーク板6上の基準マーク30C〜30Fと対応するレチクルR上のアライメントマーク32C〜32Fとの相対的な位置ずれ量をレチクルアライメント系19,20によって順次検出する。これらの相対的な位置ずれ量の平均値より、レチクルRの走査方向とウエハWの走査方向との傾き角、すなわちレチクルステージの座標系(XR,YR)と、ウエハステージの座標系(XW,YW)との走査方向の軸の回転角を求める。その後、レチクルRを走査する際には、レチクル走査ステージ10及びレチクル微動ステージ11を介して、Y座標YRが所定間隔変化する間にX座標XRを対応する量だけ横ずれさせることによって、ソフトウエア的にレチクルRの走査方向を基準マーク板6の基準マークの配列方向に合わせ込む。以下では、このように補正された走査方向をY軸とする座標系をレチクルステージの座標系(XR,YR)と呼ぶ。
この結果、ウエハステージの座標系(XW,YW)及びレチクルステージの座標系(XR,YR)は、基準マーク板6を基準として走査方向の軸が互いに平行になり、走査露光時にレチクルRとウエハWとは平行に走査される。この場合、各ステージの移動は各ステージのガイド面基準であるので、露光装置100の組立調整時に、例えばレチクル走査ステージ10のガイド面とウエハY軸駆動ステージ2のガイド面との平行度を数100μrad程度以下に機械的に合わせておく。
更に、それらのガイド面に対して反射鏡及び基準マーク板6を合わせて固定することで、走査露光時に各ステージを非走査方向へも駆動することによるソフトウエア的な補正量を小さくし、制御精度を向上させている。なお、レチクルステージとウエハステージは共にガイドレスであってもよく、この場合には仮想的なガイド面を規定し、その仮想面に対して反射鏡などを合わせて固定すればよい。このように調整されたレチクル微動ステージ11に対し、実際にレチクルRを載置した場合、レチクルRが外形基準等で設けられると、各反射鏡21X,21Y1,21Y2及び基準マーク板6に対しレチクルRのアライメントマーク32A〜32Fのみが大きく回転している可能性がある。これは、レチクルRの外形と転写用パターンとの間の位置ずれ量は大きいときには0.5mm程度あるからである。
図11のレチクルRの外形と転写用パターンとの位置ずれ量が大きいと、レチクルRのアライメントマーク32A〜32Fと基準マーク板6の基準マーク30A〜30Fとの位置ずれ量を計測した場合、相対的にレチクルRと基準マーク板6とが大きく回転しているか、大きなオフセットを持っていると認識される。かかる場合には、基準マーク板6は反射鏡7X,7Yに合わせて固定されていることから、レチクル微動ステージ11を回転又はシフトさせることで補正が行われる。
レチクル微動ステージ11を回転させた場合には、反射鏡21Xも同様に回転するので、レチクルRの走り方向に対し反射鏡21Xが傾くこととなるが、レチクルR上のアライメントマーク32A〜32Fは基準マーク板6上の基準マーク30A〜30Fに平行になっており、走査露光時にはレチクルRの走り方向とウエハWの走り方向とが平行となるように制御される。
以上のレチクルアライメント時に、基準マーク板6を用いたいわゆるベースラインチェックによって、アライメントセンサ26の検出中心と、露光領域34内の基準点との間隔(ベースライン量)が求められて記憶装置27に記憶される。
次に、不図示のウエハローダによってウエハWが基板テーブル4上にロードされ、基板テーブル4によって保持される。そして、ウエハW上における各ショット領域のウエハステージの座標系(XW,YW)上での配列を求めるためのウエハアライメントが行われる。かかるウエハアライメントでは、図1のアライメントセンサ26を用いて、例えば特開昭61−44429号公報及びこれに対応する米国特許第4,780,617号等に開示されているように、ウエハW上から選択された所定個数のショット領域(サンプルショット)のウエハマーク(不図示)の座標位置を検出し、この計測結果を統計処理するEGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)方式でウエハW上の全部のショット領域に関する配列座標が算出される。なお、ウエハマーク座標位置は、上述のレーザ干渉計13FX,13Y1,13Y2による計測結果(XW(=XF),YW)、レーザ干渉計13FPによる計測結果ΔLFXP、及びレーザ干渉計13YPによる計測結果ΔLWYPに基づいて検出される。
そして、ウエハW上の各ショット領域の配列座標、アライメントセンサ26のベースライン量、及びウエハステージの座標系(XW,YW)とレチクルステージの座標系(XR,YR)との関係に基づいて、ウエハW上の露光対象のショット領域が走査開始位置に位置決めされると共に、レチクルRも対応する位置に位置決めされる。
次に、露光光ELを照射しつつ、先のレチクルアライメント時に定められたウエハステージの座標系(XW,YW)及びレチクルステージの座標系(XR,YR)に従ってレチクルRとウエハWとを同期移動させることにより、走査露光動作が行われる。この場合の座標系(XW,YW)及び座標系(XR,YR)は、反射鏡7X,7Y,21X,21Y1,21Y2の反射面を基準としてソフトウエア的に補正されたものであり、各反射鏡の位置がレチクルRやウエハWに対して相対的にずれた場合、ショット領域の形状やショット配列に影響を及ぼすこととなる。本実施形態では、このようなときでも正確な矩形のショット領域、及び直交格子状のショット配列が形成されるように、以下の方法により走査露光及びステッピングを行っている。
すなわち、ウエハアライメントによって、露光対象のショット領域とレチクルとが位置合わせされたときのレチクルステージの座標系(XR,YR)の座標を(XR0,YR0)、ウエハステージの座標系(XW,YW)の座標を(XW0,YW0)とすると、投影光学系PLの投影倍率はβであるため、それ以後のレチクル微小駆動ステージ11(レチクルR)と基板テーブル4(ウエハW)との走査方向、及び非走査方向の同期誤差ΔX,ΔYは、
ΔX=(XW−XW0)/β−(XR−XR0) …(23)
ΔY=(YW−YW0)/β−(YR−YR0) …(24)
となる。但し、これらの同期誤差はレチクル12上に換算した誤差である。また、図1の投影光学系PLは反転投影系であるが、図2に示すように、レチクル干渉計14とウエハ干渉計13とはX軸方向及びY軸方向について測長方向が反転しているため、同期誤差は単に移動量の倍率補正値の差分を取るだけで求められる。
また、本実施形態では、(5)式で表される基板テーブル4のヨーイング角θZWと、(9)式で表されるレチクル微動ステージ11のヨーイング角θZRとの差分を次式のように回転方向の同期誤差Δθとする。
Δθ=θZW−θZR=(XW1−XW2)/L11
−(XR1−XR2)/L3 …(25)
そして、走査露光時には、図1のレチクル走査ステージ10及びウエハY軸駆動ステージ2が加速を開始し、これらがそれぞれ所定の走査速度に達した後、上記の同期誤差ΔX,ΔY,Δθがそれぞれ零、又は所定の許容値以下となるようにレチクル微動ステージ11を駆動して同期制御を行う。この状態で所定の整定時間が経過した後、レチクルR上の照明領域36への露光光ELの照射が開始されて露光が行われる。なお、本実施形態ではレチクル微動ステージ11を駆動して同期誤差ΔX,ΔY,Δθをそれぞれ零または許容値以下とするものとしたが、レチクル微動ステージ11の代わりに、あるいはそれと組み合わせてウエハステージ装置(例えば基板テーブル4)を駆動して前述の同期誤差を補正してもよい。
また、走査露光時には、ウエハW(レチクルのパターンが転写されるショット領域)のZ位置、X軸回りの回転角、及びY軸回りの回転角は、多点フォーカス検出系(28,29)によって検出されている。そして、この検出結果に基づいて、主制御系22がウエハ駆動装置22を介して基板テーブル4を駆動し、前述の露光領域34内でウエハWの表面を投影光学系PLの像面と焦点深度の範囲内で一致させている。
更に、ウエハアライメント時には、レーザ干渉計13FP,13YPによって、反射面7XS,7YSのチルト量が検出されており、また、走査露光時には、レーザ干渉計13XP,13YPによって、反射面7XS,7YSのチルト量が検出されている。そして、この検出結果に基づいて、前述のようにしてアッベ誤差ΔXA,ΔYAが求められ、アッベ誤差ΔXA,ΔYA分だけ基板テーブル4(ウエハW)のXY位置が補正される。
なお、上記実施形態では可動ミラー410と固定ミラー420とを含む光路変更装置40を用いているが、その表面に、例えば複数の誘電体膜を積層した誘電体多層膜、あるいは金属膜などを蒸着して、その2つのミラーにそれぞれ測定光束の偏光状態を崩さないで極力忠実に反射させる良好な反射偏光特性を持たせることが好ましい。また、上記実施形態では光路変更装置40の可動ミラー410を回転させて反射面上での測定光束のZ位置を変更するものとしたが、例えば可動ミラー410のみ、あるいは一対のミラーをその表面が平行となるように一体に保持して、Z方向にスライドさせるように構成してもよいし、ミラー以外、例えばプリズムなどの他の光学部材を用いても良い。
さらに、上記実施形態では光路変更装置40によって干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2の各測定光束の反射面上でのZ位置をZW1とZW2とに切り替えてそれぞれ反射面の形状情報を計測するものとしたが、必ずしも光路変更装置40を設けなくてもよい。例えば、干渉計13X1,13X2,13Y1,13Y2をそれぞれ、Z方向に離れた一対の測定光束(一方はLWX1,LWX2,LWY1,LWY2)を反射面に照射して異なるZ位置ZW1,ZW2でそれぞれ基板テーブル4の位置情報を独立に計測する構成としてもよい。この構成では、その一対の測定光束の反射面上でのZ位置をそれぞれ干渉計13XP,13YPの一対の測定光束(LWXP1,LWXP2),(LWYP1,LWYP2)とほぼ一致させておくことが好ましい。また、この構成ではその一対の測定光束によって基板テーブル4のチルト計測が可能となることから、干渉計13XP,13YPを別途設けなくてもよく、前述のエンコーダEN1〜EN3を用いた計測では干渉計13XP,13YPの代わりに、反射面7XSでは干渉計13X1,13X2の一方、反射面7YSでは干渉計13Y1,13Y2の一方を用いればよい。
また、上記実施形態では前述した反射面の形状情報の計測時にウエハステージを一方向、例えば−Y方向(−X方向)のみに移動するものとしたが、Z位置ZW1,ZW2でそれぞれウエハステージを往復移動させる、即ち±Y方向(±X方向)に移動し、往路(−Y方向/−X方向への移動)で得られる形状情報と、復路(+Y方向/+X方向への移動)で得られる形状情報とを平均化して最終的な形状情報を決定することが好ましい。
さらに、上記実施形態では前述した反射面の形状情報の計測時にウエハステージを一方向に連続移動させてもよいし、あるいはステップ移動させてもよい。なお、ウエハステージを連続移動させるときは、実質的にその加減速期間を除く等速期間に得られる干渉計の計測値を用いて形状情報を求めることが好ましい。このため、連続移動ではステップ移動に比べて計測時間を短縮できるものの、反射面の計測範囲が狭くなり得る。また、前述のエンコーダEN1〜EN3を用いた計測時にもウエハステージを連続移動させても、あるいはステップ移動させてもよい。
また、上記実施形態では前述した反射面の形状情報の計測を定期的、例えば所定時間毎、または1ロットの処理が終わるたびに行うようにし、その形状情報を逐次更新するようにしてもよいし、あるいはその形状情報を蓄積してその平均値を用いるようにしてもよい。このとき、2回目以降の形状情報の計測では、例えば▲1▼2つの反射面7XS,7YSの形状計測、▲2▼異なるZ位置ZW1,ZW2での形状計測、▲3▼同じZ位置での往路と復路の形状計測、及び▲4▼反射面の形状計測と前述のエンコーダを用いた計測の少なくとも1つで、その計測を異なるタイミングで行うようにしてもよい。この場合、それら計測による露光装置の停止時間を短くしてスループットの向上を図ることが可能となる。
さらに、上記実施形態ではレチクル干渉計とウエハ干渉計は共に参照鏡が投影光学系PLの鏡筒又はその架台などに設けられるものとしたが、参照鏡の配置はこれに限定されるものでなく、例えば干渉計の内部に参照鏡を設けてもよい。また、アライメントセンサ26によるマーク検出時に用いられる干渉計13FX,13FPの参照鏡も、アライメントセンサ26の鏡筒又はその架台でなく、干渉計の内部などに設けてもよい。
また、上記実施形態では前述した反射面の形状情報の計測やエンコーダを用いた計測の前に干渉計の計測値をリセットするものとしたが、零以外の所定値にプリセットするだけでもよいし、必ずしもそのリセット(又はプリセット)を行わなくてもよい。
なお、本実施形態の露光装置100は、上記実施形態で説明した、多数の機械部品及び光学部品等を有する照明系、複数のレンズ等を有する投影光学系PL、並びに多数の機械部品等を有するレチクルステージRST及びウエハステージ装置、並びにレーザ干渉計13X1,13X2,13XP,13Y1,13Y2,13YP,13FX,13FP,14X1,14X2,14M1,14M2、光路変更装置40をそれぞれ組み立てて機械的及び光学的に連結し、さらに、主制御系22、及び記憶装置27等と機械的及び電気的に組み合わせた後に、総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより製造することができる。
なお、露光装置100の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
次に、本実施形態の露光装置を使用したデバイスの製造について説明する。
図17には、本実施形態におけるデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の生産のフローチャートが示されている。図17に示されるように、まず、ステップ201(設計ステップ)において、デバイスの機能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップ202(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ203(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
次に、ステップ204(ウエハプロセスステップ)において、ステップ201〜ステップ203で用意したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップ205(組立ステップ)において、ステップ204において処理されたウエハを用いてチップ化する。このステップ205には、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程が含まれる。
最後に、ステップ206(検査ステップ)において、ステップ205で作製されたデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
図18には、半導体デバイスの場合における、上記ステップ204の詳細なフロー例が示されている。図18において、ステップ211(酸化ステップ)においてはウエハの表面を酸化させる。ステップ212(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ213(電極形成ステップ)においてはウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ214(イオン打込みステップ)においてはウエハにイオンを打ち込む。以上のステップ211〜ステップ214のそれぞれは、ウエハプロセスの各段階の前工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウエハプロセスの各段階において、前工程が終了すると、以下のようにして後工程が実行される。この後工程では、まず、ステップ215(レジスト処理ステップ)において、ウエハに感光剤を塗布し、引き続き、ステップ216(露光ステップ)において、上記で説明した走査型露光装置によってマスクの回路パターンをウエハに焼付露光する。次に、ステップ217(現像ステップ)においては露光されたウエハを現像し、引き続き、ステップ218(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップ219(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
これらの前工程と後工程とを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
以上のようにして、精度良く微細なパターンが形成されたデバイスが、高い量産性で製造される。
上記の実施形態においては、基板テーブルのウエハ搭載面の形状を矩形状としたが、他の形状とすることができる。例えば、三角形状とした場合には、図21に示されるように、基板テーブル4’の3側面に形成された反射面4’a,4’b,4’cのそれぞれに対向して、2次元位置検出用のレーザ干渉計13X11,13X12,13X21,13X22,13Y1,13Y2とチルト検出用のレーザ干渉計13P1,13P2,13YPを配置すればよい。
なお、レーザ干渉計13X11,13X12及びレーザ干渉計13X21,13X22については、上記の実施形態のレーザ干渉計13X1,13X2と同様に構成すればよく、また、レーザ干渉計13XP1,13XP2については、上記の実施形態のレーザ干渉計13XPと同様に構成すればよい。この場合、光路変更装置は、上述した光路変更装置40と同様の構成のものを、レーザ干渉計13X11と13X12、レーザ干渉計13X21と13X22、及びレーザ干渉計13Y1と13Y2についてそれぞれ、すなわち3組設ける。
かかる場合における、例えば反射面4’aの形状計測では、例えば基板テーブル4’をY軸方向へ移動しつつ、レーザ干渉計13Y1,13Y2によって基板テーブル4’のZ軸回りの回転量を測定するとほぼ同時に、レーザ干渉計13X11,13X12によって反射面4’aのZ軸回りの局所的な回転量を測定する。これにより、上記の実施形態と同様にして、反射面4’aの形状が計測される。なお、図21に示される三角形状の基板ステージ4’の場合には、3側面全てに対向してレーザ干渉計を配置せず、互いに交差する2面についてレーザ干渉計を配置することも可能である。
また、上記の実施形態においては、基板テーブル4に設けられた反射面7XS,7YSの形状を計測し、その形状情報を使用して基板テーブル4の位置制御を行ったが、レチクル微動ステージ11に設けられた反射面21XSの形状を計測し、その形状情報を使用してレチクル微動ステージ11の位置制御を行うことも可能である。かかる場合には、図22に示されるように、上記の実施形態である図11に示されたレーザ干渉計14X1,14X2,14M1,14M2に加えて、図22に示されるように、チルト検出用のレーザ干渉計14XPを新たに配置する。この場合、光路変更装置は、上述した光路変更装置40と同様の構成のものを、レーザ干渉計14X1と14X2について1組設ける。そして、基板テーブル4の場合と同様にして、反射面21XSの形状を計測し、その形状情報を使用してレチクル微動ステージ11の位置制御を行えばよい。
また、上記の実施形態においては、チルト検出用のレーザ干渉計の検出結果は、専らアッベ誤差の補正のために使用されたが、ステージのX軸回りの回転やY軸回りの回転の補正に使用することも可能である。
また、レチクルステージ及びウエハステージの構成は、上記の実施形態に限られるものではなく、いかなる構成でもよい。すなわち、レチクルステージは粗微動構造でなくともよいし、また、ウエハステージは上記実施形態のようにステージを積み上げた構成や平面モータ等でなくともよい。
また、上記の実施形態では、レーザ干渉計をゼーマン効果を利用したものとしたが、他の構成の干渉計であってもよい。また、ダブルパス方式ではなく、シングルパス方式であってもよい。さらに、前述のレチクル干渉計及びウエハ干渉計は共に上記実施形態の構成に限定されるものでなく、前述した形状計測に必要な複数の測長軸(干渉計)を備えていれば、その構成は任意で構わない。例えば、投影光学系PL又はその架台と基板テーブル4とのZ方向の相対位置関係(間隔)を計測する干渉計を更に備えていてもよい。
さらに、上記実施形態の露光装置は、例えばそれぞれ独立に可動な2つのウエハステージを備えるダブルウエハステージ方式を採用してもよく、この場合には2つのウエハステージでそれぞれ各反射面の形状計測が行われることになる。このとき、投影光学系PLを介してレチクルRのパターンが転写される露光位置に各ウエハステージを配置して、上記実施形態と全く同様の動作で各反射面の形状を計測してもよいし、その露光位置におけるウエハの露光動作と並行して、アライメントセンサ26によるウエハのアライメントマークやウエハステージの基準マークの位置計測が行われる計測位置で各ウエハステージの反射面の形状を計測してもよい。また、各ウエハステージにつき反射面の形状情報を露光位置と計測位置とでそれぞれ計測しておき、その2つの位置で異なる形状情報を用いるようにしてもよい。なお、計測用干渉計システムは露光用干渉計システムと同一構成、あるいは前述の形状計測に必要な複数の測長軸(干渉計)を備えたものであることが好ましい。なお、ダブルウエハステージ方式の露光装置は、例えば特開平10−214783号公報及び対応する米国特許第6,341,007号、あるいは国際公開WO98/40791号及び対応する米国特許第6,262,796号などに開示されている。
上記の実施形態では、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置について説明したが、ステージ(ひいてはステージに搭載された試料)の位置制御にあたって、ステージに設けられた反射面の形状を計測し、その形状情報を用いて位置制御を行う各種の露光装置に適用が可能である。露光用照明光(露光ビーム)として、前述の紫外光、遠紫外光、又は真空紫外光を用いる露光装置だけでなく、例えば波長10nm程度の軟X線(EUV光)を用いる露光装置、波長1nm程度のX線を用いる露光装置、EB(電子ビーム)やイオンビームなどの荷電粒子線を用いる露光装置などにも適用できる。また、例えば、紫外線を光源にする縮小投影露光装置、波長10nm前後の軟X線を光源にする縮小投影露光装置、波長1nm前後を光源にするX線露光装置、EB(電子ビーム)やイオンビームによる露光装置などあらゆるウエハ露光装置、液晶露光装置等に適応できる。また、ステップ・アンド・リピート機、ステップ・アンド・スキャン機、ステップ・アンド・スティッチング機を問わず、適用が可能である。
さらに、例えば国際公開(WO)99/49504号に開示される液浸型露光装置、あるいはミラープロジェクション・アライナーなどにも本発明を適用することができる。なお、上記実施形態の投影光学系は屈折系に限られるものでなく反射屈折系または反射系でもよいし、縮小系に限られるものでなく等倍系または拡大系でもよい。また、投影光学系はレチクルパターンの倒立像を投影するものとしたが、その投影像は正立像でもよい。また、投影光学系を持たない、例えばプロキシミティ方式の露光装置などにも本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では半導体素子の製造に用いられる露光装置について説明したが、半導体素子以外のマイクロデバイス(電子デバイス)、例えば液晶表示素子、プラズマディスプレイ、及び有機ELなどの表示装置、撮像素子(CCDなど)、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン、DNAチップなどの製造に用いられる露光装置、さらには露光装置で使用するマスク(レチクル)の製造に用いられる露光装置にも本発明を適用することができる。
また、露光装置のステージ装置に限定されることもなく、ステージの位置制御にあたって、ステージに設けられた反射面の形状を計測し、その形状情報を用いて位置制御を行う各種の装置のステージ装置にも適用することができる。例えば、上記の実施形態における前記形状計測装置と前記ウエハステージ装置とに対応する構成要素によってステージ装置を構成することにより、基板テーブルに相当する試料テーブルの位置制御を、上記の実施形態における基板テーブルの位置制御と同様に行うことができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができることは言うまでもない。また、本国際出願で指定した指定国又は選択した選択国の国内法令が許す限りにおいて、前述した全ての公報や米国特許の開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
本発明によると、ステージ等の移動体に設けられた反射面の形状を簡単、迅速に計測することができるようになるので、計測に伴う作業工数を減少させることができるとともに、高精度で計測できるようになるので、当該ステージ等の位置の制御を精度良く行うことができるようになり、ひいては高品質で高精度なデバイス等を製造することができるようになるという効果がある。
本開示は、2002年12月3日に提出された日本国特許出願第2002−351650号に含まれた主題に関連し、その開示の全てはここに参照事項として明白に組み込まれる。
Claims (13)
- 第1軸と直交する基準平面に沿って移動する移動体に設けられ、前記第1軸方向と直交する第2軸方向に沿って延びる反射面の形状を計測する形状計測方法であって、
前記移動体を前記第2軸方向に沿って移動しつつ、前記第2軸方向に関する前記反射面の1次元形状を、前記第1軸方向に離間した2つの位置のそれぞれについて計測し、
前記2つの位置の一方についての1次元形状データと他方についての1次元形状データとの差分に相当する第1データを求め、
前記反射面の前記第1軸方向に離間した2つの位置に同時に照射した計測ビームに基づく計測結果が一定となるように前記移動体を姿勢調整しつつ該移動体を前記第2軸方向に移動するとともに、この移動中に該移動体の姿勢調整に伴う前記第1軸方向の変位を複数箇所で計測して、前記移動体の前記第2軸方向に関する該第2軸を中心とする回転量の変化に相当する第2データを求め、
前記第1データと前記第2データとの差分に相当する第3データを直線近似して得られた第4データに基づいて前記1次元形状データを補正するようにした形状計測方法。 - 第1軸と直交する基準平面に沿って移動する移動体に設けられ、前記第1軸方向と直交する第2軸方向に沿って延びる反射面の形状を計測する形状計測装置であって、
前記第2軸方向に関する前記反射面の1次元形状を、前記第1軸方向に離間した2つの位置のそれぞれについて計測する1次元形状計測装置と、
前記移動体の前記基準平面に対する姿勢を調整する姿勢調整装置と、
前記姿勢調整装置による前記移動体の姿勢調整に伴う、該移動体の前記第1軸方向の変位を互いに異なる複数の位置で計測する変位計測装置と、
前記反射面の前記第1軸方向に離間した2つの位置に計測ビームを同時に照射して該反射面の前記第2軸を中心とする回転量を計測するチルト計測装置と、
前記1次元形状計測装置による前記2つの位置の一方についての1次元形状データと他方についての1次元形状データとの差分に相当する第1データを求め、
前記チルト計測装置による計測結果が一定となるように前記姿勢調整装置を制御しつつ、該移動体を前記第2軸方向に移動し、この移動中の前記変位計測装置による計測結果に基づき前記移動体の前記第2軸方向に関する該第2軸を中心とする回転量の変化に相当する第2データを求め、
前記第1データと前記第2データとの差分に相当する第3データを直線近似して得られた第4データに基づいて、前記1次元形状計測装置による計測結果としての前記1次元形状データを補正する制御装置とを備える形状計測装置。 - 第1軸と直交する第2軸方向に沿って延びる反射面を有し、前記第1軸と直交する基準平面に沿って移動する移動体の該基準平面に対する姿勢を、前記反射面の前記第1軸方向に離間した2つの位置に同時に照射した計測ビームにより計測するチルト計測方法であって、
前記反射面の前記第1軸方向に離間した2つの位置のそれぞれについて計測された前記第2軸方向に関する前記反射面の1次元形状データの一方と他方との差分に相当する第1データを求め、
前記計測ビームに基づく計測結果が一定となるように前記移動体を姿勢調整しつつ、かつ該移動体の姿勢調整に伴う前記第1軸方向の変位を複数箇所で計測しつつ、該移動体を前記第2軸方向に移動して、前記移動体の前記第2軸方向に関する該第2軸を中心とする回転量の変化に相当する第2データを求め、
前記第1データと前記第2データとの差分に相当する第3データを直線近似して得られた第4データに前記第1データを加算して求めた第5データに基づき、前記計測ビームによる計測結果を補正するようにしたチルト計測方法。 - 第1軸と直交する第2軸方向に沿って延びる反射面を有し、前記第1軸と直交する基準平面に沿って移動する移動体を有するステージ装置であって、
前記反射面の前記第1軸方向に離間した2つの位置に計測ビームを同時に照射して該反射面の前記第2軸を中心とする回転量を計測するチルト計測装置と、
前記第2軸方向に関する前記反射面の1次元形状を、前記第1軸方向に離間した2つの位置のそれぞれについて計測する1次元形状計測装置と、
前記移動体の前記基準平面に対する姿勢を調整するため、該移動体を互いに異なる複数の位置で前記第1軸方向にそれぞれ変位させる姿勢調整装置と、
前記姿勢調整装置による前記移動体の姿勢調整に伴う、該移動体の前記第1軸方向の変位を互いに異なる複数の位置で計測する変位計測装置と、
前記1次元形状計測装置による前記2つの位置の一方についての1次元形状データと他方についての1次元形状データとの差分に相当する第1データを求め、
前記チルト計測装置による計測結果が一定となるように前記姿勢調整装置を制御しつつ、該移動体を前記第2軸方向に移動し、このときの前記変位計測装置による計測結果に基づき前記移動体の前記第2軸方向に関する該第2軸を中心とする回転量の変化に相当する第2データを求め、
前記第1データと前記第2データとの差分に相当する第3データを直線近似して得られた第4データに前記第1データを加算して求めた第5データに基づき、前記チルト計測装置による計測結果を補正する制御装置とを備えるステージ装置。 - 第1面の像を第2面に転写する露光装置であって、
前記第1面にマスクを配置するマスクステージ及び前記第2面に基板を配置する基板ステージの少なくとも一方を前記移動体として移動する請求項4に記載のステージ装置を備える露光装置。 - 第1軸と直交する基準平面に沿って可動な移動体に保持される感光物体上にマスクのパターンを転写する露光方法であって、
前記第1軸方向と直交する第2軸方向に延びる前記移動体の反射面で前記第1軸方向に離間した2つの位置に照射される計測ビームによる計測結果が一定となるように前記移動体の姿勢を調整しつつ前記移動体を前記第2軸方向に移動して、前記移動体の前記第2軸回りの回転量の変化に関する回転データを計測し、
前記第1軸方向に離間した複数の位置の各々における前記反射面の前記第2軸方向に関する形状データと、前記計測された回転データとを用いて、前記移動体の移動を制御するようにした露光方法。 - 前記移動中に前記姿勢調整による前記移動体の前記第1軸方向の変位量に関する情報を検出し、前記検出した情報に基づいて前記回転データを求めるようにした請求項6に記載の露光方法。
- 前記移動体を前記第2軸方向に移動して得られる、前記反射面の前記第2軸方向に離間した複数の位置にそれぞれ計測ビームを照射する干渉計システムの計測結果に基づいて前記形状データを求めるようにした請求項6又は7に記載の露光方法。
- 前記反射面で前記第2軸方向に離間した複数の位置の少なくとも1つに対して前記第1軸方向に離間した位置に前記干渉計システムからの計測ビームが照射され、前記回転データの計測時、前記干渉計システムを用いて前記移動体の姿勢を調整するようにした請求項8に記載の露光方法。
- 請求項6〜9のいずれか一項に記載の露光方法を用いてマスクのパターンを感光物体上に転写する露光工程を含むデバイス製造方法。
- マスクのパターンを感光物体上に転写する露光装置であって、
前記感光物体を保持して第1軸と直交する基準平面に沿って可動で、かつ該基準平面に対する姿勢が調整可能であるとともに、前記第1軸と直交する第2軸と平行な反射面が形成される移動体を有するステージシステムと、
前記反射面の前記第1軸方向に離間した2つの位置に計測ビームを照射して、前記移動体の前記第2軸回りの回転情報を少なくとも計測可能な干渉計システムと、
前記姿勢調整による前記移動体の前記第1軸方向の変位情報を計測する変位計測装置と、
前記移動体を、前記干渉計システムの前記回転情報に関する計測結果が一定となるようにその姿勢を調整しつつ前記第2軸方向に移動して得られる前記変位計測装置の計測結果に基づいて、前記移動体の前記第2軸回りの回転量の変化に関する回転データを求めるとともに、前記第1軸方向に離間した複数の位置の各々における前記反射面の前記第2軸方向に関する形状データと前記回転データとを用いて、前記移動体の移動を制御する制御装置とを備える露光装置。 - 前記干渉計システムは、前記反射面で前記第1軸方向に離間した2つの位置の少なくとも一方に対して前記第2軸方向に離間した位置に計測ビームを照射して、前記移動体の前記第1軸回りの回転情報を計測し、前記制御装置は、前記移動体を前記第2軸方向に移動して得られる前記干渉計システムの前記第1軸回りの回転情報に関する計測結果に基づいて前記形状データを求めるようにした請求項11に記載の露光装置。
- 前記ステージシステムは、前記移動体の姿勢を調整する複数のアクチュエータを含み、前記変位計測装置は、前記変位情報として前記複数のアクチュエータの駆動量に関する情報を計測するようにした請求項11又は12に記載の露光装置。
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