JP4120361B2 - 計測装置、ステージ装置、及び計測方法 - Google Patents

計測装置、ステージ装置、及び計測方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウエハやガラスプレート等の基板を保持して移動する移動体を有するステージ装置および保持された基板に対して露光処理を施す露光装置に関し、特に移動体の位置を検出する際に用いて好適なステージ装置および露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイス製造のフォトリソグラフィ工程では、フォトレジストが塗布されたウエハやガラスプレート(以下、基板ともいう)にマスクのパターンを転写するステップ・アンド・リピート式の露光装置が広く用いられている。このステップ・アンド・リピート式露光装置は、マスクのパターンの像をウエハ上のショット領域に一括して縮小投影することにより該ショット領域を露光するものである。一つのショット領域の露光を終了すると、ウエハをステップ移動して次のショット領域の露光を行い、これを順次繰り返すことからステップ・アンド・リピート方式(ステッパー)と呼ばれている。
【0003】
また、マスクパターンの露光範囲を拡大するために、照明系からの露光光をスリット状(矩形状)に制限し、このスリット光を用いてマスクパターンの一部をウエハ上に縮小投影した状態で、マスクとウエハとを投影光学系に対して同期走査させるステップ・アンド・スキャン式露光装置も開発されている。このステップ・アンド・スキャン式露光装置は、一回の走査露光でマスク全面のパターンを等倍でウエハの全面に転写するアライナーの転写方式の長所と、上述したステッパーの転写方式の長所とを兼ね備えたものである。
【0004】
この種の露光装置では、露光前および露光中に焦点合わせが行われるが、感光性材料が塗布された基板の焦点合わせの方法として、いわゆるオートフォーカスセンサを用いた方法が知られている。オートフォーカスセンサによる焦点合わせは、投影光学系が設置された架台に光学的センサである投光器および受光器を固定し、投光器から基板表面に斜めに光を照射し、この基板表面からの反射光を受光器で受光することで、基板表面の高さ(投影光学系の光軸方向の位置)を検出する。そして、その信号で基板ステージの光軸方向の位置を制御して投影光学系の焦点に基板表面を合わせるものである。
【0005】
上記の焦点合わせは、投影光学系の焦点位置と基板表面とのギャップを直接的に測定している訳ではなく、オートフォーカスセンサの制御目標位置と基板表面とのギャップを測定し、該測定結果に基づいてオートフォーカスセンサの制御目標位置と基板表面とをほぼ一致させることで、投影光学系の焦点位置に基板表面を一致させるものなので、投影光学系とオートフォーカスセンサとの相対位置が何らかの原因でずれてしまうと、オートフォーカスセンサにより検出されるギャップの測定値が適正範囲であっても、実際には投影光学系の焦点が基板表面(基板の露光面)に合っていない状態で露光が行なわれてしまうことがある。
【0006】
そこで、特許文献1には、投影光学系と基板テーブルとの光軸方向の距離を測定するセンサを設け、オートフォーカスセンサの焦点位置(制御目標位置)を補正することにより、オートフォーカスセンサが光学的及び機械的に変動した場合でも、基板表面を投影光学系の焦点に正確に合わせることが可能な技術が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−160535
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来技術には、以下のような問題が存在する。
投影光学系に測定ミラーを設ける必要があるが、投影光学系の近傍にはオートフォーカスセンサ等の各種機器が設置されているため、測定ミラーを設置するためのスペースを確保することが困難である。また、単にスペースを確保した場合でも、他の機器によって配置に制約を受けるため、測定ミラーを最適な位置に固定できなくなる可能性があり、常に高精度に測定できるとは限らない。また、投影光学系と基板テーブルの双方に測定ミラーを取り付けるため、取り付け誤差が生じやすくなり、精度低下の一因になりうるという問題もあった。
【0009】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、投影光学系近傍の機器に配置の制約を受けることなく、テーブル等の移動体の位置情報を高精度に検出できるステージ装置及び露光装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、実施の形態を示す図1ないし図8に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明の計測装置は、少なくとも第1方向に移動可能で、基板を保持する保持面を有する移動体(10)の第1方向の位置情報を計測する計測装置であって、第1方向は、保持面の法線方向であり、移動体に設けられ、第1方向に交差する方向で且つ互いに異なる方向に向き、前記第1方向に並ぶ第1及び第2の反射面(M1、M2またはM4、M5)と、前記第1方向に略直交する第2方向に平行な検知光を第1の検知光と第2の検知光とに前記第1方向に分離し、第1の反射面(M1またはM4)のそれぞれに第1の検知光を照射するとともに、前記第2の反射面(M2またはM5)に対して第2の検知光を照射する照射装置(62)と、第1及び第2のの反射面(M1、M2またはM4、M5)でそれぞれ反射した第1及び第2の検知光を受光した結果に基づいて、移動体(10)の第1方向の位置情報を検出する検出装置(63)とを備えることを特徴とするものである。
【0011】
従って、本発明の計測装置では、移動体(10)に設けられた第1及び第2の反射面(M1、M2またはM4、M5)で反射した第1及び第2の検知光を用いて移動体(10)の位置情報を検出するので、投影光学系(PL)近傍の各種機器によって配置の制約を受けることがなくなり、好適な環境下での位置検出を実施することが可能になる。また、本発明では、取り付け誤差が生じる可能性が第1及び第2のの反射面(M1、M2またはM4、M5)となり、従来のように、複数箇所に測定ミラーを取り付ける場合に比較して誤差要因が少なくなり、位置検出精度の向上に寄与できる。
【0012】
また、本発明のステージ装置は、先に記載の計測装置を備えるものである。
また、本発明のステージ装置は、前記移動体がマスクを保持するマスクステージと、前記マスクのパターンが露光される感光基板を保持する基板ステージとの少なくとも一方であるものである。
さらに、本発明の計測方法は、少なくとも第1方向に移動可能で、基板を保持する保持面を有する移動体の前記第1方向の位置情報を計測する計測方法であって、前記第1方向は、前記保持面の法線方向であり、前記第1方向に交差する方向で且つ互いに異なる方向に向き、前記第1方向に並ぶ第1及び第2の反射面を前記移動体に設け、前記第1方向に略直交する第2方向に平行な検知光を第1の検知光と前記第2の検知光とに前記第1方向に分離し、前記第1の反射面に対して前記第1の検知光を照射するとともに、前記第2の反射面に対して前記第2の検知光を照射するステップと、前記第1及び第2の反射面でそれぞれ反射した前記第1及び第2の検知光を受光した結果に基づいて、前記移動体の前記第1方向の位置情報を検出するステップとを有するものである。
【0013】
従って、本発明の露光装置では、投影光学系(PL)近傍の各種機器によって配置に制約を受けることなく、マスクステージ(2)の位置情報(すなわちマスクの位置情報)や基板ステージ(9)の位置情報(すなわち感光基板(W)の位置情報)を高精度に検出することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のステージ装置及び露光装置の第1の実施形態を、図1ないし図7を参照して説明する。
ここでは、例えば露光装置として、レチクルとウエハとを同期移動しつつ、レチクルに形成された半導体デバイスの回路パターンをウエハ上に転写する、スキャニング・ステッパを使用する場合の例を用いて説明する。また、この露光装置においては、本発明のステージ装置をウエハステージに適用するものとする。
【0015】
図1は、本実施形態の露光装置の概略構成を示すものである。
露光装置は、照明光学系1、レチクルステージ(マスクステージ)2、投影光学系PL、ステージ装置としてのウエハステージ(基板ステージ)9とから概略構成されている。
【0016】
この図において露光時には、光源、フライアイレンズ、視野絞り、コンデンサレンズ等を含む照明光学系1からの水銀ランプのi線やg線、又はエキシマレーザ光等の露光光ILがレチクル(マスク)Rのパターン面(下面)のスリット状の照明領域を照明する。露光光ILの下で、レチクルRの照明領域内のパターンの像が投影光学系PLを介して所定の倍率β(例えば1/4、1/5等)でフォトレジストが塗布されたウエハ(感光基板)W上のスリット状の投影領域(露光スリット)内に投影露光される。以下、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を取り、その光軸AXに垂直な平面内で図1の紙面に平行にX軸を、図1の紙面に垂直にY軸を取って説明する。
【0017】
レチクルRは、レチクルステージ2上に真空吸着によって保持され、レチクルステージ2は、レチクルベース3上でエアーベアリングを介して浮上した状態で、リニアモータによってY方向(走査方向)に連続移動するとともに、X方向、Y方向、及び回転方向(Z軸回りの回転方向)にレチクルRの位置の微調整を行う。レチクルステージ2の側面に固定された移動鏡4に外部のレーザ干渉計5から計測用のレーザビームが照射され、レーザ干渉計5の内部で生成される不図示の参照用レーザビームと移動鏡4から反射されるレーザビームとの干渉光を、レーザ干渉計5内の光電検出器で受光することによって、レチクルステージ2(すなわちレチクルR)の2次元的な位置が計測されている。この計測結果がレチクルステージ制御系6に供給され、レチクルステージ制御系6は、装置全体の動作を統括制御する主制御系7の制御下でレチクルステージ2の位置や移動速度を制御する。
【0018】
ウエハステージ9は、基板としてのウエハWを吸着保持して移動するステージ本体(移動体)10と、このステージ本体10をXY平面に沿った2次元方向に移動可能に支持するウエハ定盤11を主体に構成されている。ステージ本体10は、Z方向を法線方向としてウエハWを保持する保持面10aを有している。ステージ本体10の底面には、非接触ベアリングである複数のエアベアリング(エアパッド;不図示)が固定されており、これらのエアベアリングによってステージ本体10がウエハ定盤11上に、例えば数ミクロン程度のクリアランスを介して浮上支持されている。また、ステージ本体10は、リニアモータによってX方向、Y方向(走査方向)、及び回転方向(Z軸回りの回転方向)にウエハWの移動及び位置決めを行うとともに、駆動装置によってZ方向(光軸方向;第1方向)の位置(フォーカス位置)及びZ軸と垂直な方向を軸(X軸又は/及びY軸)として傾斜させる際の傾斜角(レベリング)に関してもウエハWの移動及び位置決めを行う構成となっている。
【0019】
ウエハステージ9には、ウエハWのフォーカス位置およびレベリングの制御のため、投影光学系PLの側面に光学式で斜入射方式のオートフォーカスセンサ(以下、AFセンサと称する)44が配置され、このAFセンサによってウエハWの表面における投影領域内及びこれに対して走査方向に先行する先読み領域内の複数の検出点でのフォーカス位置(光軸AX方向の位置)が検出され、検出結果が合焦制御系45に供給されている。また、ウエハステージ9には、ステージ本体10のZ方向の変位量を計測するためのZ計測器61が配設されている。Z計測器61で計測された結果は、合焦制御系45に出力される。
【0020】
合焦制御系45は、主制御系7の制御の下で、供給されたフォーカス位置及びステージ本体10のZ方向位置の情報からウエハWの投影領域内の表面を投影光学系PLの像面に合焦させるための、ステージ本体10のフォーカス位置及び傾斜角の制御量をウエハWの位置に対応して算出し、この制御量に基づいてオートフォーカス方式、オートレベリング方式でステージ本体10の動作を制御する。本実施形態では、ステージ本体10の走査方向に対するピッチング量の計測結果も合焦制御系45に供給され、合焦制御系45は、そのピッチング量の計測結果よりステージ本体10のフォーカス位置及び傾斜角の制御量を補正する。
【0021】
図2に、AFセンサ44の概略構成を示す。
この図に示すAFセンサ44においては、露光光ILとは異なりウエハW上のフォトレジストを感光させない検出光としての照明光が、図示省略された照明光源から光ファイバ束20を介して導かれている。光ファイバ束20から射出された照明光は、集光レンズ21を経てパターン形成板22を照明する。パターン形成板22を透過した照明光は、レンズ23、ミラー24及び照射対物レンズ25を経てウエハWの露光面に投影され、ウエハWの露光面にはパターン形成板22上のパターンの像が光軸AXに対して斜めに投影結像される。ウエハWで反射された照明光は、集光対物レンズ26、回転方向振動板27及び結像レンズ28を経て受光器29の受光面に再投影され、受光器29の受光面には、パターン形成板22上のパターンの像が再結像される。この場合、合焦制御系45は、加振装置30を介して回転方向振動板27に振動を与え、受光器29の多数の受光素子からの検出信号が信号処理装置31に供給され、信号処理装置31は、各検出信号を加振装置30の駆動信号で同期検波して得た多数のフォーカス信号を合焦制御系45に供給する。
【0022】
図3に、ステージ本体10及びZ計測器61の概略構成を示す。
Z計測器61は、この図に示すように、露光装置本体10に設けられた第1及び第2の反射面としての反射面M1、M2のそれぞれに第1及び第2の検知光としての検知光B1、B2(適宜、光線B1、B2と称する)を照射する照射装置62と、反射面M1、M2でそれぞれ反射した検知光B1、B2を受光した信号を用いて演算処理する演算装置(検出装置)63とから概略構成されている。
【0023】
照射装置62は、X方向(第2方向)と平行な方向に反射面M1、M2に検知光を照射する光源64と、ビームスプリッタ66を透過した検知光を分離してV字形を成す反射面M1、M2のそれぞれに照射するとともに、反射面M1、M2のそれぞれで反射した光を合成して、ビームスプリッタ66を介して演算装置63に向けるプリズム部材(光分離合成手段)65とから構成されている。なお、これら光源64、ビームスプリッタ66、プリズム部材65は、ステージ本体10の可動範囲から外れた位置に、投影光学系PLを支持するコラム(不図示)から吊設状態で固定されている。
【0024】
光源64としては、ここではゼーマン効果を利用して二つの周波数f1、f2を発振させるHe−Neレーザ光源を用いている。なお、図示していないものの、光源64の検知光出射側には、λ/4板、λ/2及びテレスコープが設けられており、光源64から出射された光線は、左右円偏光f1、f2のコヒーレントな光から互いに90°異なる直線偏光に変化するとともに、拡大されて平行光線に変換される。
【0025】
プリズム部材65としては、例えばウォーラストンプリズムが用いられ、プリズム部材65に入射した二周波の偏光は、p成分、s成分(境界面の垂線を含む面を入射面と称し、入射面内方向の振動成分をp偏光、これに垂直な方向の振動成分をs偏光と称する)とで屈折率(それぞれn1、n2とする)が異なるため、光線B1がp成分のみを含み、光線B2がs成分のみを含む直線偏光とすると、光線B1、B2は小さな夾角(ここでは2θとする)をもって出射する。そして、反射面M1、M2でそれぞれ反射した光線は、再度プリズム部材65に入射して合成された光線となって光路を戻り、ビームスプリッタ66で反射されて演算装置63に入射する。
【0026】
反射面M1、M2は、ステージ本体10の−X側の側部にY方向に沿って延在し、X方向に向く断面V字形を互いに成すように一体的に形成されている。各反射面M1、M2は、照射された検知光の光軸が法線となるように、Z方向に対して角度θ傾斜して形成されている。また、各反射面M1、M2及び角度θは、図3に実線及び二点鎖線で示すように、ステージ本体10が最大限の範囲で移動した場合でも、検知光が反射面M1、M2で反射してプリズム部材65に入射する条件を満たすように設定・形成される。なお、図3に示すように、ステージ本体10の反射面M1、M2が交差する箇所近傍に、反射面とは異なる平面M3が設けられて反射面M1、M2が互いに交差しない構成も、本発明に係る断面略V字形の反射面に実質的に含まれるものとする。
【0027】
演算装置63は、いずれも不図示のフォトディテクタ、ドップラ信号増幅器、ダブラー、カウンタ等を有しており、入射した反射光からステージ本体10のZ方向の移動量(変位量)ΔZを演算・検出し、第2検出装置としての合焦制御系45に出力する構成となっている。
【0028】
図1に戻り、ステージ本体10上には、Y方向に延在する反射面を有する移動鏡8Xと、X方向に延在する反射面を有する移動鏡8Y(8Yは図示せず)が設けられている。そして、投影光学系PLの−X方向の側部下面には、Y方向に沿った反射面を有するX軸の参照鏡14Xが固定され、投影光学系PLの+Y方向の側部下面には、X方向に沿った反射面を有するY軸の参照鏡14Y(図示はしないが、便宜上符号を付す)が固定されている。また、ステージ本体10上には、AFセンサ44を較正する際に用いられる基準指標板(不図示)が表面をウエハ表面と略同一の高さで設けられている。
【0029】
そして、図1において、X軸の干渉計本体12Xから射出されたレーザビームが分岐合成光学系13XによってそれぞれX軸に平行な計測用のレーザビーム(以下、計測用ビームと称する)LX1、及び参照用のレーザビーム(以下、参照用ビームと称する)LX2に分岐され、計測用ビームLX1は移動鏡8Xに入射し、参照用ビームLX2はX軸の参照鏡14Xに入射する。また、計測用ビームLX1は、分岐合成光学系13Xと移動鏡8Xとの間を2往復して干渉計本体12Xに戻り、参照用ビームLX2も分岐合成光学系13Xと参照鏡14Xとの間を2往復して干渉計本体12Xに戻る。
【0030】
すなわち、干渉計本体12X、分岐合成光学系13X、及び参照鏡14XからX軸のダブルパス方式のレーザ干渉計(第3検出装置)15Xが構成され、干渉計本体12Xでは戻ってくる計測用ビームLX1、及び参照用ビームLX2の干渉光を光電変換して得た検出信号を補間及び積算処理することによって、参照鏡14Xを基準としてXY平面(所定平面)内における移動鏡8XのX方向の変位を求め、得られた変位をウエハステージ制御系43に供給する。ウエハステージ制御系43では、その変位に所定のオフセットを加算してステージ本体10のX座標を求める。
【0031】
この場合、計測用ビームLX1及び参照用ビームLX2としては、一例として波長633nmのHe−Neレーザビームをそれぞれ所定の周波数Δf及び−Δfで周波数変調した光束が使用され、且つ両ビームはそれぞれ直線偏光で偏光方向が直交している。この方式にて両光束の分割・合成を行うことで、ヘテロダイン干渉方式で変位計測がなされる。また、上記の形態はダブルパス方式であるため、計測用ビームLX1の波長をλとすると、電気的な補間を行わないときにはステージ本体10の変位を分解能λ/4で検出することが可能である。
【0032】
なお、本実施形態では、X軸のダブルパス方式のレーザ干渉計とともに、Y軸のダブルパス方式のレーザ干渉計(第3検出装置;不図示)15Yも設けられ、上記X軸と同様にステージ本体10のY座標を求めることができるが、ここではその説明を省略する。
【0033】
ウエハステージ制御系43は、主制御系7の制御の下で、干渉計本体12X、12Yを介して計測される移動鏡8XのX座標、Y座標に基づいてステージ本体10の移動速度や位置決め動作を制御する。露光時には、まずステージ本体10をステッピング駆動することによって、ウエハW上の次に露光されるショット領域を走査開始位置に設定する。その後、レチクルステージ2を介してレチクルRを+Y方向(又は−Y方向)に速度VRで走査するのと同期して、ステージ本体10を介してウエハWを−Y方向(又は+Y方向)に速度VW(=β×VR;βは投影光学系PLのレチクルRからウエハWへの投影倍率)で走査することにより、当該ショット領域にレチクルRのパターン像が走査露光される。
【0034】
また、不図示であるが、本実施形態の露光装置にはレチクルRの位置、及びウエハWの位置を計測するためのアライメントセンサが備えられ、このアライメントセンサの計測結果に基づいて、レチクルRとウエハW上の各ショット領域との位置合わせが行われる。
【0035】
次に、上記の構成の露光装置の中、Z計測器61のプリズム部材65及び演算装置63について図4を参照して説明する。なお、実際には、固定状態のプリズム部材65(及び光源64)に対してステージ本体10(反射面M1、M2)が移動(変位)するが、ここでは便宜上、固定状態の反射面M1、M2に対してプリズム部材65が移動するものとして説明する。そして、図4においては、移動前のプリズム部材65を実線で表し、移動量ΔZで移動した後のプリズム部材65を破線で表している。また、プリズム部材65における移動前及び移動後の検知光の入射点をそれぞれO1、O2とし、プリズム部材65に入射した二周波数f1、f2の光線B1、B2が屈折して進行する角度をそれぞれi1、i2とする。
【0036】
既述したように、周波数f1、f2の光線B1、B2は互いに直交する直線偏光をしており、ウォーラストンプリズムの特性として周知のように、ウォーラストンプリズムを構成する最初のプリズムに対して周波数f1の光線B1が常光線(屈折率をn1とする)とすると、周波数f2の光線B2は異常光線(屈折率をn2とする)となる。そして、2番目のプリズムに対しては常光線と異常光線との関係が逆になるため屈折率も逆となる。
【0037】
ここで、点O1、O2間の距離をLとすると、プリズム部材65の移動前と移動後との光線B1の光路差δ1は次式で表される。
Figure 0004120361
また、点O2及び射出面における屈折率の法則から次式が得られる。
n1×sinθ0=n2×sin(θ0−i1) …(2)
n2×sini1=sinθ …(3)
そして、式(1)に式(2)、(3)を代入し、ウォーラストンプリズムを往復するために光路差が二倍になることを考慮すると次式が得られる。
δ1=2×ΔZ×sinθ …(4)
【0038】
同様に、プリズム部材65の移動前と移動後との光線B2の光路差δ2は次式で表される。
δ2=n2×L−n1×L×cosi2 …(5)
また、点O2及び射出面における屈折率の法則から次式が得られる。
n2×sinθ0=n1×sin(θ0+i2) …(6)
n1×sini2=sinθ …(7)
そして、式(5)に式(6)、(7)を代入し、往復光路を考慮すると次式が得られる。
δ2=2×ΔZ×sinθ …(8)
従って、ウォーラストンプリズム(プリズム部材65)の変位(移動)によって生じる光路長の変化δは、次式で表される。
Figure 0004120361
【0039】
一方、プリズム部材65の移動に伴うドップラ効果により、光線B1、B2の周波数f1、f2は、それぞれf1±Δf1、f2±Δf2にシフトし、各周波数の光線が互いに干渉してビート信号光(時間的に変動する干渉縞)となって演算装置63に入力される。演算装置63においてビート信号光は、フォトディテクタで検出された後に電気信号に変換される。そして、演算装置63は、信号の振幅および周波数をドップラ信号増幅器およびダブラーでそれぞれ逓倍し、カウンタで信号の周期をカウントする。別途入力する周波数f1、f2の参照用信号光も同様に信号変換及び演算処理を施し、ドップラ信号と参照信号との差を取ることで、ドップラ効果によりシフトした周波数成分Δf=±(Δf1−Δf2)が得られる。
【0040】
ここで、プリズム部材65が毎秒ΔZ(μm)変位したときの、ドップラ効果による周波数シフト量Δfと光路長の変化δとは以下の関係がある。
Δf=δ/λ …(10)
λ;光線B1、B2の波長
従って、求めた周波数シフト量Δf、式(9)、(10)を用いることにより、ΔZを検出することができる。換言すると、演算装置63により周波数シフト量Δfを求めることで、ステージ本体10のZ方向の変位ΔZを検出することが可能である。
【0041】
続いて、図5に示すフローチャートを参照してオートフォーカスセンサ44の補正について説明する。
まず、露光装置の稼動を開始するときに第1回目の較正動作(キャリブレーション)が実行される。その第1回目の較正動作では、投影光学系PLの焦点位置(パターン像の結像位置)が実測される(ステップS1)。その計測情報は合焦制御系45へ送られ、オートフォーカスの制御目標位置を、実測された投影光学系PLの焦点位置と一致させる(ステップS2)。
【0042】
次に、基準指標板が投影光学系PLの直下に位置する較正位置にステージ本体10を位置決めし、AFセンサ44を使って基準指標板の焦点合わせを行なう(ステップS3)。その結果、基準指標板の表面がオートフォーカスの制御目標位置(投影光学系PLの焦点位置)と一致することになる。そして、この状態で上述のZ計測器61を使ってステージ本体10のZ方向の位置(以下、Z位置と称する)を計測する(ステップS4)。計測したZ位置は、AFセンサ44の変動(ドリフト)がないときの基準位置となる(以下Z基準位置と称する)。このZ基準位置の計測が終了すると第1回目の較正動作が終了する。
【0043】
較正が終了して、ステップS5でウエハWに対してオートフォーカス処理を実施する際には、AFセンサ44により第2検知光としての照明光をウエハWの表面に射出し、その反射光を受光することでウエハWの露光面における傾斜角及びフォーカス位置を検出する(ステップS6)。なお、合焦制御系45によるウエハWの露光面における傾斜角及びフォーカス位置の算出方法は、特開平6−283403号公報等で開示されているため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0044】
フォーカス位置が検出されると、Z計測器61によりステージ本体10のZ位置を計測する(ステップS7)。合焦系制御系45は、計測されたZ位置とステップS5で得られたZ基準位置とを比較し、ステージ本体10に変位が生じていなければオフセット値をゼロとし、変位が生じていればその変位量(Z変位量と称する)をオフセット値とし、AFセンサ44により検出されたフォーカス位置を補正する(ステップS8)。そして、合焦制御系45は、補正されたフォーカス位置に基づいて、ステージ本体10をZ方向に駆動する(ステップS9)。
【0045】
なお、所定時間間隔毎、あるいは所定枚数のウエハ処理後に、第2回目の較正動作を実行する際には、まず、ステージ本体10を再び較正位置に移動させ、AFセンサ44を使って基準指標板の焦点合わせを行う。その結果、基準指標板の表面がオートフォーカスの制御目標位置と一致する。さらに、この状態でZ計測器61を使ってステージ本体10のZ位置が測定される。第1回目の較正動作と第2回目の較正動作との間にAFセンサ44の変動がなければ、ステージ本体10のZ基準位置は第1回目で測定された値となるが、AFセンサ44に変動があると、ステージ本体10のZ位置が変位することになる。この場合、新たに計測されたステージ本体10のZ位置をZ基準位置とすればよい。
【0046】
続いて、上記の構成の露光装置における露光動作について以下に説明する。
いずれも不図示のレチクル顕微鏡およびオフアクシス・アライメントセンサ等を用いたレチクルアライメント、ベースライン計測等の準備作業が行われ、その後アライメントセンサを用いたウエハWのファインアライメント(EGA;エンハンスト・グローバル・アライメント等)が終了し、ウエハW上の複数のショット領域の配列座標が求められる。そして、アライメント結果に基づいてレーザ干渉計15X、15Yの計測値をモニタしつつ、リニアモータを制御してウエハWの第1ショットの露光のための走査開始位置にステージ本体10を移動する。そして、リニアモータを介してレチクルステージ2とウエハステージ9のステージ本体10とのY方向の走査を開始し、両ステージがそれぞれの目標走査速度に達すると、露光用照明光によってレチクルRのパターン領域が照明され、走査露光が開始される。
【0047】
この走査露光時には、レチクルステージ2のY方向の移動速度と、ウエハステージ9のY方向の移動速度とが投影光学系PLの投影倍率(1/5倍あるいは1/4倍)に応じた速度比に維持されるように、リニアモータを介してレチクルステージ2およびウエハステージ9を同期制御する。そして、レチクルRのパターン領域の異なる領域が照明光で逐次照明され、パターン領域全面に対する照明が完了することにより、ウエハW上の第1ショットの走査露光が完了する。これにより、レチクルRのパターンが投影光学系PLを介してウエハW上の第1ショット領域に縮小転写される。この後、上記第1ショット領域と同様に、第2ショット領域に対して走査露光を行う。そして、ウエハW上のショット領域の走査露光と次ショット露光のためのステップ移動とが繰り返し行われ、ウエハW上の露光対象ショット領域の全てにレチクルRのパターンが順次転写される。
【0048】
以上のように、本実施の形態では、ステージ本体10に形成された反射面M1、M2で反射した検知光を用いてステージ本体10のZ位置を検出するので、AFセンサ44等の投影光学系PL近傍の機器に制約を受けることなく最適な位置にZ計測器61を設置することが可能であり、ステージ本体10のZ位置を高精度に計測することができる。さらに、本実施の形態では、Z計測器61に係る検知光の照射対象が反射面M1、M2のみなので、複数の反射ミラーを設置する場合に生じる取り付け誤差等の外乱要因を減少させることができ、より正確なZ位置計測を実現することができる。
【0049】
また、本実施の形態では、検出したZ位置に基づいてAFセンサ44の計測結果を補正しているので、AFセンサ44が光学的及び機械的に変動した場合でも、ウエハWの表面を正確に投影光学系PLの焦点位置に一致させることが可能であり、焦点深度が浅くなる微細パターン等にも容易に対応可能となる。
【0050】
なお、上記実施形態では、反射面M1、M2がステージ本体10に設けられる構成として説明したが、これに限定されるものではなく、例えば図6に示すように、ウエハステージ9が二次元平面内で移動可能なステージ本体10と、ウエハWを保持し、ステージ本体10に対して不図示の駆動機構により6自由度で移動自在に設けられたテーブル(移動体)16とからなる構成とすることもできる。この場合、反射面M1、M2をステージ本体10に設けることも可能であるが、図示するように、ウエハWと一体的に移動するテーブル16に設けることが好ましい。
【0051】
さらに、反射面M1、M2を設ける箇所としては、上記構成に限られず、例えば図7に示すように、ステージ本体10(またはテーブル16)上に設けられた移動鏡8X(8Y)に一体的に形成する構成としてもよい。この構成では、ステージ本体10やテーブル16に比較して小型の部材に対して加工を施すため、反射面M1、M2の形成作業が容易になるという効果を奏する。
【0052】
また、上記実施の形態では、反射面M1、M2をステージ本体10(またはテーブル16)の一方の側にのみ設ける構成としたが、例えば図1及び図6に二点鎖線で示すように、ステージ本体10(またはテーブル16)のX方向両側に設け、各側の反射面を用いてそれぞれステージ本体10(またはテーブル16)のZ位置を双方検出してもよい。この構成では、Z位置をより高精度に検出できることに加えて、両検出結果からY軸周りの変位も検出することができ、ステージ本体10(またはテーブル16)の姿勢制御に関してもより高精度化を図ることができる。また、反射面M1、M2をステージ本体10(またはテーブル16)のY方向側にも設け、X方向側及びY方向側のそれぞれでステージ本体10(またはテーブル16)のZ位置を検出してもよい。さらに、Y方向(又はX方向)に延びる反射面M1、M2に対して、Y方向(又はX方向)の複数箇所でステージ本体10(またはテーブル16)のZ位置を検出してもよい。これにより、ステージ本体10(またはテーブル16)のX軸周り(又はY軸周り)の変位も検出することができる。
また、上記実施の形態では、反射面M1、M2はそれぞれX方向に対してほぼ対称となる角度で配置されているが、本発明はこれに限られず、例えば一方の反射面をZ軸にほぼ平行に配置し、他方の反射面をZ軸から所定の角度をもって配置するように構成してもよい。
【0053】
続いて、図8を用いて本発明のステージ装置の第2の実施形態について説明する。図8は、ウエハステージ9の平面図である。
この図において、図1乃至図7に示す第1の実施の形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。第2の実施の形態と上記の第1の実施の形態とが異なる点は、ステージ本体10のZ方向の変位を検出するのではなく、X方向及びY方向の変位を検出する構成としたことである。
【0054】
図8に示すように、本実施の形態のウエハステージ9には、ステージ本体10のX方向の変位を検出するためにX計測器71と反射鏡72とが設けられており、さらにステージ本体10のY方向の変位を検出するためにY計測器73と反射鏡74とが設けられいる。X計測器71及びY計測器73は、図8では簡略化して図示しているが、図3に示したZ計測器61と同様に、光源、ビームスプリッタ、ウォーラストンプリズムを有するプリズム部材、演算装置等から構成されている。
【0055】
反射鏡72は、第1方向としてのX方向の位置情報を検出するX計測器71に対して、第2方向としてのY方向に向く断面略V字形の反射面M4、M5を有している。また、反射鏡74は、第1方向としてのY方向の位置情報を検出するY計測器73に対して、第2方向としてのX方向に向く断面略V字形の反射面M6、M7を有している。これらX計測器71及びY計測器73で計測されたステージ本体10の変位量ΔX、ΔYは、第4検出装置としてのウエハステージ制御系43に出力される。ウエハステージ制御系43は、レーザ干渉計15X、15Yの計測結果と、計測器71、73の計測結果とに基づいてステージ本体10のXY平面内での移動を制御する。
【0056】
以下、ステージ本体10の位置制御について説明するが、X計測器71を用いたX方向の位置制御と、Y計測器73を用いたY方向の位置制御とはほぼ同様であるので、ここではX方向の位置制御についてのみ説明する。
【0057】
ウエハステージ制御系43は、第2方向であるY方向に延在する第3の反射面としての移動鏡8Xの反射面に対してレーザビームを照射するレーザ干渉計15Xの計測結果に基づいてステージ本体10のX方向の位置情報を検出するが、移動鏡8Xの反射面はY方向に完全にフラットではなく微小ながら曲がりが存在するため、検出した位置情報には曲がりに起因する誤差が生じる。この誤差は、ステージ本体10をY方向に移動させながらレーザ干渉計15Xで逐次X方向の位置を計測し、Y方向の位置に応じた反射面のX方向の変位(以下、X変位)として求めることができる。ところが、求めた反射面のX変位には、ステージ本体10のY方向の走行に伴う変位(いわゆる走り誤差)が含まれている。
【0058】
そこで、ウエハステージ制御系43は、ステージ本体10をY方向に移動させる際に、X計測器71を用いてY方向の位置に応じたX変位も計測する。X計測器71で計測されたX変位は、移動鏡8Xの曲がり誤差を含まない走り誤差であるので、レーザ干渉計15Xで計測されたX変位とX計測器71で計測されたX変位の差分が純粋な曲がり誤差となる。なお、ステージ本体10のY方向の移動中におけるヨーイングも移動鏡8Xの曲がり誤差の要因となるため、Y方向の2本の計測ビームによってステージ本体10のヨーイング量を計測しておくことが好ましい。
【0059】
そこで、ウエハステージ制御系43は、ステージ本体10のX変位とヨーイングとに応じた移動鏡8Xの曲がり誤差をY方向の位置に応じてオフセット値として予め求めて記憶しておき、レーザ干渉計15Xで計測されたステージ本体10のX方向の位置をオフセット値を用いて補正することで、X方向に関してステージ本体10を正確に位置制御することができる。また、Y方向に関しても、Y計測器73及び計測用ビームLX1(図8参照)を用いることで、ステージ本体10のY変位とヨーイングとに応じた移動鏡8Yの曲がり誤差を求めることができ、ステージ本体10を正確に位置制御することが可能になる。
【0060】
なお、上記実施の形態では、本発明のステージ装置をウエハステージ9に用いる構成としたが、レチクルステージ2に対しても適用可能である。また、上記実施の形態では、本発明のステージ装置を露光装置に適用する構成としたが、これに限定されるものではなく、露光装置以外にも転写マスクの描画装置、マスクパターンの位置座標測定装置等の精密測定機器にも適用可能である。
【0061】
なお、本実施の形態の基板としては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハWのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
【0062】
露光装置としては、レチクルRとウエハWとを同期移動してレチクルRのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニング・ステッパー;USP5,473,410)の他に、レチクルRとウエハWとを静止した状態でレチクルRのパターンを露光し、ウエハWを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパー)にも適用することができる。また、本発明はウエハW上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写するステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用可能である。
【0063】
露光装置の種類としては、ウエハWに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
【0064】
また、露光用光源として、超高圧水銀ランプから発生する輝線(g線(436nm)、h線(404.nm)、i線(365nm))、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、F2レーザ(157nm)、Ar2レーザ(126nm)のみならず、電子線やイオンビームなどの荷電粒子線を用いることができる。例えば、電子線を用いる場合には電子銃として、熱電子放射型のランタンヘキサボライト(LaB6)、タンタル(Ta)を用いることができる。また、YAGレーザや半導体レーザ等の高調波などを用いてもよい。
【0065】
例えば、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域又は可視域の単一波長レーザを、例えばエルビウム(又はエルビウムとイットリビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、かつ非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を露光光として用いてもよい。なお、単一波長レーザの発振波長を1.544〜1.553μmの範囲内とすると、193〜194nmの範囲内の8倍高調波、即ちArFエキシマレーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られ、発振波長を1.57〜1.58μmの範囲内とすると、157〜158nmの範囲内の10倍高調波、即ちF2レーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られる。
【0066】
また、レーザプラズマ光源、又はSORから発生する波長5〜50nm程度の軟X線領域、例えば波長13.4nm、又は11.5nmのEUV(Extreme Ultra Violet)光を露光光として用いてもよく、EUV露光装置では反射型レチクルが用いられ、かつ投影光学系が複数枚(例えば3〜6枚程度)の反射光学素子(ミラー)のみからなる縮小系となっている。
【0067】
投影光学系PLは、縮小系のみならず等倍系および拡大系のいずれでもよい。また、投影光学系PLは屈折系、反射系、及び反射屈折系のいずれであってもよい。なお、露光光の波長が200nm程度以下であるときは、露光光が通過する光路を、露光光の吸収が少ない気体(窒素、ヘリウムなどの不活性ガス)でパージすることが望ましい。また電子線を用いる場合には光学系として電子レンズおよび偏向器からなる電子光学系を用いればよい。なお、電子線が通過する光路は、真空状態にすることはいうまでもない。
【0068】
ウエハステージ9やレチクルステージ2にリニアモータ(USP5,623,853またはUSP5,528,118参照)を用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもよい。また、各ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを設けないガイドレスタイプであってもよい。
【0069】
各ステージの駆動機構としては、二次元に磁石を配置した磁石ユニットと、二次元にコイルを配置した電機子ユニットとを対向させ電磁力により各ステージを駆動する平面モータを用いてもよい。この場合、磁石ユニットと電機子ユニットとのいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットとの他方をステージの移動面側に設ければよい。
【0070】
ウエハステージ9の移動により発生する反力は、投影光学系PLに伝わらないように、特開平8−166475号公報(USP5,528,118)に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。
レチクルステージ2の移動により発生する反力は、投影光学系PLに伝わらないように、特開平8−330224号公報(US S/N 08/416,558)に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。
【0071】
以上のように、本願実施形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0072】
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図9に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、シリコン材料からウエハを製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置によりレチクルのパターンをウエハに露光する露光処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、投影光学系近傍の機器に制約を受けることなく最適な位置で移動体の変位計測が可能になり、移動体の位置情報を高精度に計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態を示す図であって、Z計測器を備えた露光装置の概略構成図である。
【図2】 AFセンサの概略構成図である。
【図3】 ステージ本体とZ計測器との関係を示す図である。
【図4】 Z位置を計測する原理を説明するための図である。
【図5】 オートフォーカスセンサの補正方法を示すフローチャート図である。
【図6】 別形態のウエハステージを示す外観斜視図である。
【図7】 移動鏡に反射面が設けられた図である。
【図8】 本発明の第2の実施形態に係るウエハステージの平面図である。
【図9】 半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
B1 検知光(第1の検知光)
B2 検知光(第2の検知光)
M1 反射面(第1の反射面)
M2 反射面(第2の反射面)
R レチクル(マスク)
W ウエハ(感光基板、基板)
2 レチクルステージ(マスクステージ)
8X、8Y 移動鏡
9 ウエハステージ(ステージ装置、基板ステージ)
10 ステージ本体(移動体)
10a 保持面
15X レーザ干渉計(第3検出装置)
16 テーブル(移動体)
43 ウエハステージ制御系(第4検出装置)
44 オートフォーカスセンサ(AFセンサ)
45 合焦制御系(第2検出装置)
62 照射装置
63 演算装置(検出装置)
64 光源
65 プリズム部材(光分離合成手段)

Claims (12)

  1. 少なくとも第1方向に移動可能で、基板を保持する保持面を有する移動体の前記第1方向の位置情報を計測する計測装置であって、
    前記第1方向は、前記保持面の法線方向であり、
    前記移動体に設けられ、前記第1方向に交差する方向で且つ互いに異なる方向に向き、前記第1方向に並ぶ第1及び第2の反射面と、
    前記第1方向に略直交する第2方向に平行な検知光を第1の検知光と第2の検知光とに前記第1方向に分離し、前記第1の反射面に対して前記第1の検知光を照射するとともに、前記第2の反射面に対して前記第2の検知光を照射する照射装置と、
    前記第1及び第2の反射面でそれぞれ反射した前記第1及び第2の検知光を受光した結果に基づいて、前記移動体の前記第1方向の位置情報を検出する検出装置とを備えることを特徴とする計測装置
  2. 請求項1記載の計測装置において、
    前記移動体は、前記第1及び第2の反射面から構成される断面略V字形の反射面有することを特徴とする計測装置
  3. 請求項2記載の計測装置において、
    前記基板の表面に検出光を照射して前記表面の前記第1方向の位置情報を検出した結果と、前記検出装置の検出結果とに基づいて前記表面の位置情報を補正する第2検出装置を有することを特徴とする計測装置
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の計測装置において、
    前記第1及び第2の反射面は、前記第1方向と略直交する第2方向における前記移動体の両側に設けられることを特徴とする計測装置
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の計測装置において、
    前記移動体は、前記第1方向に直交する所定平面内で二次元的に移動可能であり、
    前記移動体に設けられた移動鏡と、前記移動鏡に対して計測ビームを照射し、その反射光を検出することによって前記移動体の前記所定平面内における位置情報を得る第3検出装置とをさらに有し、
    前記第1及び第2の反射面は、前記移動鏡と一体に設けられることを特徴とする計測装置
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の計測装置において、
    前記第1及び第2の反射面は、前記移動体と一体に設けられていることを特徴とする計測装置
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の計測装置において、
    前記照射装置は、前記第1方向に略直交する第2方向に平行な方向から前記第1及び第2の反射面に対して前記検知光を照射する光源と、前記検知光を前記第1及び第2の検知光に分離して前記第1及び第2の反射面のそれぞれに略垂直に照射するとともに前記第1及び第2の反射面のそれぞれで反射した光を合成して前記検出装置に向ける光分離合成手段とをさらに有することを特徴とする計測装置
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の計測装置を備えるステージ装置。
  9. 請求項8記載のステージ装置において、
    前記移動体を前記第1の方向に垂直な方向を軸として傾斜させる駆動装置を有することを特徴とするステージ装置。
  10. 請求項8または9記載のステージ装置において、
    前記移動体は、マスクを保持するマスクステージと、前記マスクのパターンが露光される感光基板を保持する基板ステージとの少なくとも一方であることを特徴とするステージ装置。
  11. 少なくとも第1方向に移動可能で、基板を保持する保持面を有する移動体の前記第1方向の位置情報を計測する計測方法であって、
    前記第1方向は、前記保持面の法線方向であり、
    前記第1方向に交差する方向で且つ互いに異なる方向に向き、前記第1方向に並ぶ第1及び第2の反射面を前記移動体に設け、
    前記第1方向に略直交する第2方向に平行な検知光を第1の検知光と前記第2の検知光とに前記第1方向に分離し、前記第1の反射面に対して前記第1の検知光を照射するとともに、前記第2の反射面に対して前記第2の検知光を照射するステップと、
    前記第1及び第2の反射面でそれぞれ反射した前記第1及び第2の検知光を受光した結果に基づいて、前記移動体の前記第1方向の位置情報を検出するステップとを有することを特徴とする計測方法
  12. 請求項11記載の計測方法において、
    前記基板の表面に検出光を照射して前記表面の前記第1方向の位置情報を検出した結果と、前記検出装置の検出結果とに基づいて前記表面の位置情報を補正するステップを有することを特徴とする計測方法
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