JP4324848B2 - 走査露光特性の評価方法及び露光装置 - Google Patents

走査露光特性の評価方法及び露光装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体素子等の各種デバイスを製造するためのフォトリソグラフィ工程で使用される走査露光方式の露光装置における露光特性を評価するための評価技術に関し、特にいわゆる走査露光時のダイナミック・ディストーションのような動的特性を評価する際に使用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子、撮像素子(CCD等)、液晶表示素子、又は薄膜磁気ヘッド等を製造するためのフォトリソグラフィ工程は、感光材料の塗布工程、露光工程、及びエッチング等のパターン形成工程等を含み、その露光工程において、マスクとしてのレチクル(又はフォトマスク等)のパターンを基板としての感光材料の塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)上に転写する露光装置が使用されている。最近は、投影光学系をあまり大型化することなく、各種デバイスのチップの大面積化に対応するため、レチクルのパターンの一部を投影光学系を介してウエハ上に投影した状態で、投影光学系に対してレチクルとウエハとを同期して走査することにより露光を行う走査露光方式の露光装置(走査型露光装置)、例えばステップ・アンド・スキャン方式の露光装置(スキャニング・ステッパー/スキャナー)も使用されている。
【0003】
このような走査型露光装置においても、重ね合わせ誤差、ステッピング誤差、投影像のディストーション、及びレチクルステージとウエハステージとの同期誤差等の露光特性の評価を行う必要がある。これらの露光特性の内で、重ね合わせ誤差、ステッピング誤差、及び投影像のディストーションよりなる静的特性は、一括露光方式/静止露光方式の露光装置(例えば、ステッパー等)の場合と同様に、テストレチクルのパターンを実際にレジストが塗布されたウエハ上に露光し、現像によって形成されるレジスト像を計測することによって評価していた。また、その露光特性の内で、走査型露光装置に特有の動的特性である同期誤差については、例えばレチクルステージの位置を計測する干渉計の計測値と、ウエハステージの位置を計測する干渉計の計測値とを所定のサンプリングレートで順次取り込んで記憶し、走査終了後に記憶された一連の計測値の対の比較を行うことによって評価していた。
【0004】
また、走査型露光装置に特有であり、且つ2つの干渉計の計測値の比較では計測困難な動的特性として、走査露光中のレチクルのパターンの実際の投影像の理想像からのずれであるダイナミック・ディストーションがある。従来は、そのダイナミック・ディストーションを計測するために、レチクルステージ上に走査方向に沿って複数の評価用マークの形成されたテストレチクルを設置し、ウエハステージ上に空間像を計測するための光電センサを配置しておき、レチクルステージとウエハステージとを同期走査した状態で、その光電センサによってそのテストレチクル上の一つの評価用マークの像を複数回撮像していた(例えば、特許文献1参照)。この場合、その撮像された像を重ね合わせて得られる像の位置及び幅から、その一つの評価用マークの投影像の走査中の位置のずれ等が分かるため、その動作を全部の評価用マークについて繰り返して行うことによって、レチクルのパターンの走査露光中の投影像のダイナミック・ディストーションを評価することができた。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−50955号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如く、従来は走査露光時の動的特性であるダイナミック・ディストーションを計測するために、テストレチクルを保持するレチクルステージと、光電センサを備えたウエハステージとを同期走査して、1回の走査中にその光電センサで対応する一つの評価用マークの像を複数回撮像していた。
【0007】
この方式では、テストレチクル上の評価用マークの個数と同じ回数だけ、そのレチクルステージとウエハステージとの同期走査及びマーク像の撮像を繰り返して行う必要があるため、ダイナミック・ディストーションの評価に時間がかかるという不都合があった。その評価時間を短縮するためには、ウエハステージ上にその複数の評価用マークと同じ個数の光電センサを配置しておけばよいが、ウエハステージ上に1つのショット領域内で数個程度の細かいピッチで複数の光電センサを配置することは困難である。
【0008】
また、評価用マークの個数と同じ回数だけレチクルステージとウエハマークとを同期走査して、各評価用マークの投影像の状態を計測する方法では、各回の同期走査の状態が必ずしも互いに等しくはない場合もあるため、レチクルのパターン全体でのダイナミック・ディストーションを必ずしも正確に計測できない恐れがあった。
【0009】
なお、従来の評価方法において、ウエハステージ側に光電センサを配置して、その光電センサとレチクルステージ上の計測対象の評価用マークとをほぼ相対的に静止させた状態で、両ステージを同期走査していたのは、従来の光電センサとして使用できた通常の撮像装置(例えば通常の2次元CCD)は、フレーム転送レートがせいぜい30(フレーム/sec)程度と遅かったことにも依る。これに関して最近の走査型露光装置における1回の走査時間は0.1sec程度に短縮されており、従来の通常の光電センサで1回の同期走査時に得ることができる画像はせいぜい3画像程度である。そのため、従来は2つのステージを同期走査する際に、その光電センサと計測対象の評価用マークとをほぼ相対的に静止させておく必要があった。
【0010】
本発明は斯かる点に鑑み、走査露光時のダイナミック・ディストーション等の動的特性を短時間に、かつ高精度に評価できる評価技術又は露光技術を提供することを目的とする。
更に本発明は、走査露光時の動的特性を短時間に、かつ高精度に評価できる機構を備えた露光装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明による走査露光特性の評価方法は、第1ステージ(6)に保持された第1物体(R)及び投影光学系(PL)を介した露光ビーム(IL)で、第2ステージ(12)に保持された第2物体(W)を露光した状態で、その第1ステージとその第2ステージとを同期して走査して、その第2物体を走査露光する際の動的特性の評価を行うための走査露光特性の評価方法であって、その第1ステージに配置され、かつ走査方向(Y方向)に配列される複数の第1マーク(36j)のうち2つの第1マークと、その第2ステージに配置された第1基準マーク及び第2基準マークとを用いて、その第1ステージの座標系とその第2ステージの座標系との対応関係を求める対応工程と、その第1ステージを走査するのと同期して、その第2ステージを走査した状態で、その露光ビームと実質的に同じ波長域の照明光(ALA)のもとで、その投影光学系に関して静止した計測位置で、その複数の第1マークと、その走査方向に配列され、かつその第1基準マーク及びその第2基準マークとは別に、その複数の第1マークに対応してその第2ステージに配置された複数の第2マークとの2次元的な位置関係をその投影光学系を介して順次計測する第1工程と、その第1工程での計測結果を用いて、その第1ステージとその第2ステージとを同期して走査する際の所定の動的特性を求める第2工程とを有するものである。
【0012】
本発明は、最近、高速フレーム転送カメラのようにフレーム転送レートが100(フレーム/sec)程度以上の高速の2次元の撮像装置が使用できるようになってきたことに鑑みてなされたものである。即ち、本発明によれば、その第1物体とその第2物体とを通常の露光時のように1回だけ同期走査する間に、その投影光学系に関して静止した計測位置で、例えばその複数の第1マークとその複数の第2マークの投影光学系を介した像とを走査方向に順次撮像することによって、その複数の第1マークと対応する複数の第2マークとのその投影光学系を介した位置関係を正確に計測することができる。そして、その位置関係を演算処理することにより、走査露光時の所定の動的特性を短時間に、かつ高精度に求めることができる。
【0013】
この場合、その第1及び第2マークは、それぞれその第1及び第2ステージ上に走査方向に沿って2列で配列され、その第1工程で、その投影光学系に関して静止した2箇所の計測位置で、2列のその第1及び第2マークの2次元的な位置関係を走査方向に順次計測することが望ましい。走査方向に沿って2列の2組のマークの位置関係を計測することによって、その第1ステージとその第2ステージとのその投影光学系を介した2次元的な位置関係を1回の同期走査で計測することができる。その計測結果より、走査露光時の2次元的な動的特性を求めることができる。
【0014】
また、一例としてその露光ビームはパルス光であり、その照明光はその露光ビームよりも発光周波数の低いパルス光である。例えばKrF又はArFエキシマレーザ光などの露光ビームの周波数は1〜4kHz程度である。そのため、撮像装置のフレーム転送レートを例えば100フレーム/secとすると、その露光ビームをそのまま使用すると、1回の撮像画面中に10〜40個の画像が重ねて写り込んでしまい、2つのマークの位置ずれ量の計測が困難となる。また、エキシマレーザでは、発光周波数を大きく下げると、パルス毎のエネルギーのばらつきが大きくなる恐れがある。そこで、その露光ビームから変調装置等によって10〜40分の1程度に間引いたパルス光をマーク計測用の照明光として使用することによって、安定に、かつ高精度に2組のマークの位置ずれ量を計測できる。
【0015】
また、一例としてその照明光はパルス光であり、その第1工程で、その第1ステージとその第2ステージとを同期して走査する時間は0.05〜0.5secであり、その第1マークとその第2マークとの2次元的な位置関係を毎秒100回以上の頻度で計測することが望ましい。
この場合、その計測はフレーム転送レートが100フレーム/sec以上の2次元CCDで行うことができる。そして、1回の走査で5〜50個の2次元画像を得ることができるため、最低でも5組のマークの位置関係を計測できる。
【0016】
また、その第1工程で、その第1マークとその第2マークとの走査方向の位置関係と、走査方向に直交する非走査方向の位置関係とを互いに異なる1次元の撮像素子を用いて計測してもよい。1次元の撮像素子は2次元の撮像素子よりも撮像データの転送レートを高くできるため、これによって1回の走査で計測できるマーク対の個数を増やすことができる。また、同じ1対のマークの位置関係を走査方向の異なる位置で複数回計測してもよい。
【0017】
また、その第2工程で求める動的特性の一例は、その第1ステージ及びその第2ステージの走査方向のその投影光学系を介して計測される交差角、及びその投影光学系による像のダイナミック・ディストーションの少なくとも一方を含むものである。
次に、本発明による露光装置は、第1ステージ(6)に保持された第1物体(R)及び投影光学系(PL)を介した露光ビーム(IL)で、第2ステージ(12)に保持された第2物体(W)を露光した状態で、その第1ステージとその第2ステージとを同期して走査して、その第2物体を走査露光する露光装置において、その第1ステージに配置され、かつ走査方向に配列される複数の第1マークのうち2つの第1マークと、その第2ステージに配置された第1基準マーク及び第2基準マークとの位置ずれ量を求めるアライメント制御部(11)と、その複数の第1マークと、走査方向に配列され、かつその第1基準マーク及びその第2基準マークとは別に、その複数の第1マークに対応してその第2ステージに配置された複数の第2マークとをその投影光学系を介してその露光ビームと実質的に同じ波長域の照明光で照明するマーク照明系(22A〜26A)と、その投影光学系に関して静止した位置で、複数のその第1マーク及び第2マークをその投影光学系を介して順次撮像する2次元の撮像装置(28A)と、その第1ステージとその第2ステージとを同期して走査している期間に、所定周期でその撮像装置からの一連の2つのマークの画像情報を逐次記憶する記憶装置(29)と、その記憶装置に記憶されている画像情報を用いて、その第1ステージとその第2ステージとを同期して走査する際の所定の動的特性を求める演算装置(30)とを有するものである。
【0018】
斯かる本発明によれば、例えばその第1物体及び第2物体としてそれぞれ走査方向に複数の第1マーク及び第2マークの形成された物体を用いて、通常の露光時のように第1及び第2ステージ(6,12)を1回だけ同期走査する間に、その撮像装置の画像情報を順次その記憶装置に取り込み、例えば走査終了後に2組のマークの位置関係を求めることによって、走査露光時の所定の動的特性を短時間に、かつ高精度に求めることができる。
【0019】
この場合、その2次元の撮像装置を用いて、その第1ステージ上の第1物体(マスク)のアライメントを行うようにしてもよい。これによって、別途マスクアライメント用のセンサを設ける必要が無くなる。
また、その2次元の撮像装置(28A,28B)は、走査方向に直交する非走査方向に離れた2箇所の計測位置でそれぞれ複数のその第1及び第2マークを順次撮像するために2組設けられることが望ましい。また、一例としてその露光ビームはパルス光であり、そのマーク照明系は、その露光ビームよりも発光周波数が低いパルス光をその照明光として用いる。この構成では、そのマーク照明系は、その露光ビームから間引いてその照明光を得る変調装置(32)を備えることが望ましい。
【0020】
その変調装置を用いることによって、その露光ビームをその照明光として兼用することができる。
また、一例としてその照明光はパルス光であり、その2次元の撮像装置は、転送フレームが100フレーム/sec以上の撮像装置である。1回の走査時間が0.05〜0.5secであれば、最低でも5組のマークの位置関係を計測することができる。
【0021】
また、その撮像装置を、2つのマークの走査方向の強度分布を検出する第1の1次元の撮像素子と、その2つのマークの走査方向に直交する非走査方向の強度分布を検出する第2の1次元の撮像素子とを含んで構成してもよい。これによって、実質的に画像のサンプリング周波数を高めることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例につき図1〜図9を参照して説明する。本例は、ステップ・アンド・スキャン方式よりなる走査露光型の投影露光装置の露光特性を評価する場合に、本発明を適用したものである。
図1は本例の投影露光装置を示し、この図1において、露光光源1としてはパルス光源であるKrFエキシマレーザ光源(波長247nm)が使用されている。なお、露光光源としては、ArFエキシマレーザ光源(波長193nm)、F2 レーザ光源(波長157nm)、Kr2 レーザ光源(波長146nm)、Ar2 レーザ光源(波長126nm)などの紫外レーザ光源、YAGレーザの高調波発生光源、固体レーザ(半導体レーザなど)の高調波発生装置、又は水銀ランプ(i線等)なども使用することができる。
【0023】
露光時に露光光源1からパルス発光された露光ビームとしての露光光ILは、光路折り曲げ用のミラー2で上方に反射されて、露光中は光路外に退避しているミラー31の近傍を通過した後、不図示のビームマッチングユニットを経て照明光学系3に入射する。照明光学系3は、ビーム整形光学系、オプティカル・インテグレータ(ユニフォマイザ又はホモジナイザ)、照明系開口絞り、結像レンズ、視野絞り(ブラインド)、及びコンデンサレンズ等を備えており、照明光学系3から射出される露光光ILは、マスク(第1物体)としてのレチクルRのパターン面(下面)の照明領域を均一な照度分布で照明する。その視野絞りは、その照明領域の形状を規定する固定視野絞りと、走査露光の開始時及び終了時にその照明領域を走査方向に閉じて、必要に応じて非走査方向の幅を制限する可動視野絞りとを備えている。図1の露光本体部の斜視図である図2に示すように、レチクルRの露光光ILによる照明領域18は、レチクルRの走査方向SD(本例ではY方向と一致)を短辺方向とする長方形状の領域である。
【0024】
図1に戻り、露光時には投影光学系PLの物体面にレチクルRのパターン面(レチクル面)が配置され、それに対応する像面に被露光基板(第2物体)としてのウエハWの表面(ウエハ面)が配置される。そして、露光光ILのもとで、レチクルRの照明領域内のパターンは、両側テレセントリックの投影光学系PLを介して投影倍率β(βは1/4,1/5等)で、フォトレジストが塗布されたウエハW上の一つのショット領域上の長方形状の露光領域に投影される。ウエハWは、例えば半導体(シリコン等)又はSOI(silicon on insulator)等の直径が200〜300mm程度の円板状の基板である。露光光源1と照明光学系3との間の露光光ILの光路及び照明光学系3は更に気密室としての不図示のサブチャンバに覆われている。露光光ILに対する透過率を高く維持するために、そのサブチャンバ内及び投影光学系PLの鏡筒内には、不純物を高度に除去したドライエアー(露光光がArFエキシマレーザ光やF2 レーザ光などの場合には窒素ガス、ヘリウムガス等も使用される)が供給されている。
【0025】
また、本例の投影光学系PLは屈折系であるが、露光光がF2 レーザ光のような真空紫外光である場合には、投影光学系PLを反射屈折系等から構成してもよい。また、投影光学系PLには、像面湾曲、歪曲収差(ディストーション)、倍率誤差等の回転対称な収差を補正するための結像特性補正機構が組み込まれている。結像特性補正機構としては、例えば特開平4−134813号公報に開示されているように、投影光学系PLを構成する所定の1つ又は複数の光学部材(レンズ等)の光軸方向の位置及び傾斜角を制御する機構を使用することができる。本例では、装置全体の動作を統轄制御するコンピュータよりなる主制御系11中の結像特性制御部が、例えば露光光ILの積算エネルギー及び投影光学系PLの周囲の気圧や温度等に基づいて、その結像特性補正機構を介して投影光学系PLの結像特性を制御する。これによって、その結像特性が所望の状態に維持される。
【0026】
以下では、図1の投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で走査露光時のレチクルR及びウエハWの設計上の走査方向にY軸を取り、その走査方向に直交する非走査方向にX軸を取って説明する。本例ではXY平面がほぼ水平面に合致している。
先ず、レチクルRはレチクルステージ6上に吸着保持され、レチクルステージ6はレチクルベース7上にエアーベアリングを介して非接触状態で載置され、レチクルステージ6は例えばガイドレス方式でレチクルベース7上をY方向に一定速度で移動すると共に、同期誤差を補正するようにX方向、Y方向、Z軸の回りの回転方向に微動して、レチクルRの走査を行う。レチクルステージ6のX方向、Y方向の位置、及びZ軸の回りの回転角は、この上に設けられた移動鏡9及びレーザ干渉計(レチクル干渉計)8によって計測され、この計測値がレチクルステージ駆動系10に供給されている。レチクルステージ駆動系10は、その計測値及び主制御系11からの制御情報に基づいて不図示のリニアモータ等の駆動機構を介してレチクルステージ6の位置及び速度を制御する。
【0027】
図2に示すように、図1の移動鏡9は、実際にはレチクルステージ6の+Y方向の端部にX方向に所定間隔を隔てて設置されたY軸の移動鏡としての2つのレトロリフレクタ9YA,9YBと、レチクルステージ6の+X方向の端部に設置されたX軸の移動鏡9Xとから構成されている。それに対応して、図1のレチクル干渉計8は、図2に示すように、レトロリフレクタ9YA,9YBにレーザビームを照射する2台のY軸のレチクル干渉計8YA,8YBと、移動鏡9Xにレーザビームを照射するX軸のレチクル干渉計8Xとから構成されている。そして、例えば2台のY軸のレチクル干渉計8YA,8YBの計測値の平均値がレチクルステージ6のY座標となり、それらの計測値の差分からレチクルステージ6のZ軸の回りの回転角が計測される。この場合、露光光ILの照明領域18の中心(設計上の露光中心)は光軸AXに合致しており、レチクル干渉計8YA,8YBの計測軸の中心及びレチクル干渉計8Xの計測軸は、それぞれY方向及びX方向に光軸AXを通過しているため、アッベ誤差が殆ど生じない。なお、移動鏡9Xを設ける代わりに、例えばレチクルステージ6の端面(側面)を鏡面加工して形成される反射面を用いてもよい。
【0028】
また、レチクルRの非走査方向(X方向)の周辺部の上方には、レチクルRのアライメントを行うための1対のレチクルアライメント顕微鏡(以下、「RA顕微鏡」と言う)21A及び21Bが配置されている(詳細後述)。本例では、それらのRA顕微鏡21A,21Bを走査露光時の動的特性を計測するためのマーク検出系としても兼用する。
【0029】
図1に戻り、ウエハWは、ウエハホルダ(不図示)を介してウエハステージ12上に吸着保持され、ウエハステージ12は定盤よりなるウエハベース13上にエアーベアリングを介して非接触状態で載置されている。ウエハステージ12はウエハベース13上をY方向に一定速度で移動すると共に、X方向、Y方向にステップ移動する。また、ウエハステージ12には、ウエハWのZ方向の位置及びX軸、Y軸の回りの傾斜角を制御するためのZチルト機構が組み込まれている。更に、投影光学系PLの下部側面には、ウエハ面に斜めに複数のスリット像を投影し、そのウエハ面からの反射光を受光してそれらのスリット像を再結像し、それらのスリット像の横ずれ量からウエハ面のZ方向への変位(デフォーカス量)及び傾斜角を検出する斜入射方式のオートフォーカスセンサ(不図示)が配置されている。そのZチルト機構は、走査露光中にそのオートフォーカスセンサからの検出信号に基づいてオートフォーカス方式でウエハ面を投影光学系PLの像面に合わせ込む。
【0030】
また、ウエハステージ12のX方向、Y方向の位置、並びにX軸、Y軸、及びZ軸の回りの回転角は、その上の移動鏡15及び外部に設置されたレーザ干渉計(ウエハ干渉計)14によって計測され、この計測値がウエハステージ駆動系16に供給されている。ウエハステージ駆動系16は、その計測値及び主制御系11からの制御情報に基づいてリニアモータ等の駆動機構(不図示)を介してウエハステージ12の位置及び速度を制御する。移動鏡15は、実際には図2に示すように、ウエハステージ12の+X方向及び+Y方向の端部に設置されたX軸及びY軸の移動鏡15X及び15Yから構成され、ウエハ干渉計14は、移動鏡15X,15Yに対向するように配置されて複数の計測軸を持つX軸及びY軸のウエハ干渉計14X,14Yから構成されている。ウエハ干渉計14X,14YのX軸及びY軸の計測軸もそれぞれX方向及びY方向に光軸AXを通過しているため、アッベ誤差が殆ど生じない。なお、移動鏡15X,15Yを設ける代わりに、例えばウエハステージ12の端面(側面)を鏡面加工して形成される反射面を用いてもよい。
【0031】
また、投影光学系PLの−Y方向の側面には、ウエハアライメント用のオフ・アクシス方式のアライメントセンサ17(図2参照)が配置されている。更に、図1のウエハステージ12上のウエハWの近傍には、所定の基準マークの形成された基準マーク部材(不図示)も固定されている。上記のRA顕微鏡21A,21B、アライメントセンサ17、及びその基準マーク部材を用いることによって、レチクルRのパターンの投影光学系PLによる像の中心(露光中心)とアライメントセンサ17の検出中心との間隔であるベースライン量を計測することができる。そして、このベースライン量とアライメントセンサ17によって計測されるウエハW上の所定のアライメントマーク(ウエハマーク)の座標とに基づいてウエハアライメントを行うことができる。
【0032】
露光時には、照明光学系3によってレチクルR上の照明領域18に露光光ILを照射すると共に、投影光学系PLを介してウエハW上の前述の露光領域内に露光光ILを照射した状態で、レチクルステージ6及びウエハステージ12を駆動して、レチクルRとウエハW上の一つのショット領域とを投影光学系PLに関する結像関係を維持してY方向に同期走査する動作と、ウエハステージ12を駆動してウエハWをX方向、Y方向にステップ移動する動作とが繰り返される。同期走査時のレチクルステージ6のY方向の走査速度をVRとすると、ウエハステージ12のY方向の走査速度は−β×VRとなる。但し、βは投影光学系PLの投影倍率であり、本例では投影光学系PLは反転投影を行うため、ウエハステージ12の走査方向はレチクルステージ6に対して逆方向になる。上記の動作によって、ステップ・アンド・スキャン方式でウエハW上の各ショット領域にレチクルRのパターン像が露光される。
【0033】
次に、レチクルアライメント時の他に、露光特性中の走査露光時の動的特性を評価する際にも使用される本例のRA顕微鏡21A,21Bの構成につき説明する。RA顕微鏡21A及び21Bは、レチクルステージ6の上方に光軸AXをX方向(非走査方向)に挟むように対称に配置されている。
図1において、露光光源1から射出される露光光ILの光路を折り曲げるミラー2の上方に退避できる状態でミラー31が配置されている。通常の露光時にはミラー31は退避しているが、レチクルアライメント時及び動的特性の評価時には、ミラー31は露光光ILの光路に45°で交差するように配置される。この状態で、ミラー31によって光路が折り曲げられた露光光ILは、音響光学変調器等の光変調器32を通過した後、ハーフミラー33に至る。光変調器32は、パルス光を間引いて発光周波数を下げるために使用される。この場合、露光光源1は、露光時には例えば1〜4kHz程度の発光周波数で、かつ20〜40nsec程度のパルス幅で使用される。即ち、投影光学系PL中の光学部材等の損傷を防止するためには、露光光ILのパルスエネルギーはあまり大きくないことが望ましく、かつ露光時間を短縮して露光工程のスループットを高めるためには、露光光ILの発光周波数をできるだけ大きくして、単位時間当たりの露光エネルギーを高めることが望ましい。これに対して、動的特性の評価時には、後述のように評価用マークの撮像信号のフレーム転送速度は300フレーム/sec程度であるが、露光光源1の出力を安定に維持するためには、その発光周波数を大きく変化させないことが望ましい。そこで、本例では光変調器32によって露光光ILの周波数を1/3〜1/10程度に下げて、光変調器32から出力されるパルス光の周波数はそのフレーム転送レートとほぼ等しい値になっている。
【0034】
ハーフミラー33で2分割された一方の露光光ILであるマーク検出用の照明光ALAは、集光レンズ35Aで光ファイバ束22Aの一端に集光される。光ファイバ束22Aの他端から射出された照明光ALAは、コリメータレンズ23Aで略平行光束にされてハーフミラー24Aに向かう。そして、ハーフミラー24Aで反射された照明光ALAは、コンデンサレンズ25A及び落射照明用のミラー26Aを経て−Z方向(投影光学系PL側)に集光されて、投影光学系PLの物体面の第1マーク(レチクルのアライメントマーク又は動的特性の評価用マーク36j)を照明する。図5(A)に示すように、露光光ILは1〜4kHz程度の周波数であるが、図5(B)に示すように、照明光ALAの周波数はそれよりも下げられている。
【0035】
照明光ALAは露光光ILと同じ波長であるため、照明光ALAのもとで投影光学系PLの物体面(レチクル面)と像面(ウエハ面)とは共役である。そのため、その第1マークの周囲を透過した照明光ALAは、投影光学系PLを介して投影光学系PLの像面の第2マーク(アライメント用の基準マーク又は動的特性の評価用マーク39j)を照明する。その第2マークで反射された照明光ALAは、投影光学系PLを介してその第1マークの近傍にその第2マークの像を形成する。そして、その第1マークで上方に反射された光及びその第2マークの像からの光である照明光ALAは、ミラー26A及びコンデンサレンズ25Aを経てハーフミラー24Aに入射する。ハーフミラー24Aを透過した照明光ALAは、結像レンズ27Aを介して2次元の撮像装置としての高速フレーム転送カメラ28Aの撮像面にその第1及び第2マークの像を形成する。高速フレーム転送カメラ28Aは、最大でほぼ300フレーム/secの高速転送が可能であり、その撮像素子は2次元CCDである。高速フレーム転送カメラ28Aとしては、例えば株式会社浜松フォトニクスのC7770カメラを使用することができる。なお、本例では照明光ALAの1パルスの光量で撮像を行うため、光量が少ない場合には、イメージインテンシファイアを設けてもよい。光ファイバ束22A(照明光源)、集光レンズ23A、ハーフミラー24A、コンデンサレンズ25A、ミラー26A、結像レンズ27A、及び高速フレーム転送カメラ28Aより第1のRA顕微鏡21Aが構成され、光ファイバ束22A、集光レンズ23A、ハーフミラー24A、コンデンサレンズ25A、及びミラー26Aが照明光ALAの照明系を構成している。高速フレーム転送カメラ28Aの撮像素子からの1フレーム(1画面)毎の撮像信号は、順次フレームメモリ29(記憶装置)に画像情報として記憶される。
【0036】
その第1のRA顕微鏡21Aと対称に、第2のRA顕微鏡21Bも、光ファイバ束22B(照明光源)、集光レンズ23B、ハーフミラー24B、コンデンサレンズ25B、ミラー26B、結像レンズ27B、及び高速フレーム転送カメラ28B(2次元の撮像装置)より構成されている。そして、ハーフミラー33で2分割された他方の露光光ILであるマーク検出用の照明光ALBは、集光レンズ35Bで光ファイバ束22Bの一端に集光される。光ファイバ22Bの他端から射出された照明光ALBは、照明光照明光ALAと同じく露光光ILよりも発光周波数が低くされており(図5(B)参照)、第2のRA顕微鏡21Bの照明光として使用される。光ファイバ束22B、集光レンズ23B、ハーフミラー24B、コンデンサレンズ25B、及びミラー26Bが照明光ALBの照明系を構成している。照明光ALBのもとで、投影光学系PLの物体面の第1マーク(レチクルのアライメントマーク又は動的特性の評価用マーク37j)で上方に反射された光、及び投影光学系PLの像面の第2マーク(アライメント用の基準マーク又は動的特性の評価用マーク40j)で反射されて投影光学系PLを介して像を形成した光が、第2のRA顕微鏡21Bの高速フレーム転送カメラ28Bの撮像面にその第1及び第2マークの像を形成する。高速フレーム転送カメラ28Bの2次元の撮像素子からの1フレーム毎の撮像信号も、順次フレームメモリ29に画像情報として記憶される。
【0037】
なお、集光レンズ35A,35Bによる照明光ALA,ALBの集光点はそれぞれ光ファイバ束22A,22Bの一端(入射面)からずらしておくことが好ましい。また、RA顕微鏡21A,21Bはそれぞれ照明系内に、その検出視野での照度均一性を高める光学部材を備えることが好ましい。
図2に示すように、RA顕微鏡21A及び21Bによる検出視野(照明光ALA及びALBの照明領域)は、光軸AXに関してX方向(非走査方向)に対称であると共に、露光光ILによる長方形の照明領域18をX方向(非走査方向)に挟む領域である。なお、露光時に露光光ILが落射照明用のミラー26A,26Bにかからないように、ミラー26A,26Bをそれぞれ−X方向及び+X方向に退避できるように構成してもよい。このようにミラー26A,26Bを退避できるように構成する場合には、RA顕微鏡21A及び21Bによる検出視野を露光光ILの照明領域18のX方向の端部の内側に設定してもよい。この構成では、ミラー26A,26Bをハーフミラーとして、照明光学系3からの露光光ILをそのまま照明光ALA,ALBとして使用してもよく、この際に露光光ILの発光周波数を下げるために、露光光源1とミラー2との間に光変調器32を配置してもよい。
【0038】
図1に戻り、コンピュータよりなる画像処理系30(動的特性を求める演算装置)は、必要に応じてフレームメモリ29から1フレーム毎の画像情報を読み出して、その第1マークに対するその第2マークの像のX方向、Y方向への位置ずれ量を求める。レチクルアライメント時には、画像処理系30はそのように求めた位置ずれ量をアライメント情報として主制御系11に供給する。動的特性の評価時には、画像処理系30は、複数フレームに関して求めた2つのマークの位置ずれ量を用いて、後述のようにダイナミック・ディストーション等を求める。
【0039】
次に、RA顕微鏡21A,21Bを用いて走査露光時の動的特性を評価するための動作の一例につき、第1工程と第2工程とに分けて説明する。
[第1工程]
その動的特性を評価する際には、レチクルステージ6上には所定の評価用マーク(第1マーク)の形成されたテストレチクル4が載置され、それに対応してウエハステージ12上には対応する評価用マーク(第2マーク)の形成された評価用基板5が載置される。本例では、テストレチクル4及び評価用基板5がそれぞれ評価用マークが形成される第1及び第2マーク部材となる。テストレチクル4は、照明光ALA,ALB(及び露光光IL)を透過する例えば石英の基板に、照明光ALA,ALBを反射する材料で複数の評価用マークを描画したものである。一方、評価用基板5は、ウエハWと同様のシリコン基板上に例えば別の基準となる投影露光装置(倍率は本例の投影露光装置と同じ)を用いて、テストレチクル4のパターンを転写することによって形成されたものである。なお、評価用基板5の基板としては、評価用基板5の製造時と動的特性の評価時との温度の僅かの相違の影響を低減するために、インバー等の低膨張合金などを使用してもよい。
【0040】
図3(A)は図1のテストレチクル4を示す平面図であり、図3(A)において、テストレチクル4の−X方向及び+X方向の端部付近にそれぞれY方向に沿ってJ個(Jは2以上の整数で本例ではJ=9)の評価用マーク36j及び37j(j=1〜J)が一定のピッチで平行に形成されている。即ち、評価用マーク36j及び37jはテストレチクル4のパターン面上にそれぞれX方向(非走査方向)に所定の間隔で配列されている。また、図2に示すように、1列の評価用マーク36jは、第1のRA顕微鏡21Aの検出視野をY方向に横切る位置に形成され、他の1列の評価用マーク37jは、第2のRA顕微鏡21Bの検出視野をY方向に横切る位置に形成されている。評価用マーク36j,37jは例えばクロムなどの高反射率の材料から形成されている。図3(B)の拡大図で示すように、評価用マーク36j,37jは、それぞれX方向に所定ピッチで配列された3本のライン・アンド・スペースパターン(以下、「L&Sパターン」と言う)と、Y方向に所定ピッチで配列された3本のL&Sパターンとを組み合わせた箱形マークである。評価用マーク36j,37jを構成する各L&Sパターンの線幅は、投影光学系PLを介して投影した像の状態でほぼ300μm程度である。評価用マーク36j,37jの配列座標は予め高精度な座標計測装置によって計測されている。そして、例えば左上の評価用マーク361の中心を原点とした設計上の配列座標に対して、他の評価用マーク36j(j=2〜J)及び37j(j=1〜J)の実際の配列座標のX方向、Y方向への位置ずれ量が、レチクルの描画誤差として求められて、図1の画像処理系30の記憶部に記憶されている。
【0041】
図4(A)は図1の評価用基板5を示す平面図であり、図4(A)において、評価用基板5の上面は、露光時のウエハ面とほぼ同じ高さに設定され、その上面はX方向及びY方向にそれぞれ所定ピッチで互いに同一の大きさのI個(Iは2以上の整数で本例ではI=12)の区画領域38i(i=1〜I)に区分されている。図4(A)では、区画領域38iはX方向に4行でY方向に4列で配列されている。一つの区画領域38iは、露光時のウエハW上の1つのショット領域とほぼ同じ大きさであり、本例では区画領域38iのX方向の幅は26mm、Y方向(走査方向)の幅は33mmである。この場合、各区画領域38iにはそれぞれ図3(A)のテストレチクル4の2列の評価用マーク36j,37jを投影光学系PLと同様に反転投影して転写することによって、Y方向に沿って2列の評価用マーク39j,40j(j=1〜J)が平行に形成されている。即ち、投影光学系PLのレチクル側からウエハ側への投影倍率を1/4とすると、図3(A)のテストレチクル4の2×J個の評価用マークが形成されている領域のX方向及びY方向の幅は区画領域38iの幅のほぼ4倍(即ち、投影光学系PLの投影倍率の逆数倍:1/β)である。
【0042】
また、図4(B)に拡大して示すように、評価用基板5上の区画領域38iに形成されているY方向に2列の評価用マーク39j,40jは、X方向に所定間隔で形成されている。更に、評価用マーク39j,40jの形状は、図3(B)の評価用マーク36j,37jと相似の箱形のマークであり、このマークを構成するL&Sパターンの線幅は300μm程度である。評価用マーク39j,40jも例えばクロムなどの高反射率の材料から形成され、それ以外の区画領域38i上の領域は照明光ALA,ALBに対する反射率が低く抑えられている。図4(A)の評価用基板5上のI個の区画領域38i内の評価用マーク39j,40jの配列座標も、それぞれ予め高精度な座標計測装置によって計測されている。そして、各区画領域38i内の例えば右下の評価用マーク391の中心を原点とした設計上の配列座標に対して、他の評価用マーク39j(j=2〜J)及び40j(j=1〜J)の実際の配列座標のX方向、Y方向への位置ずれ量が、評価用基板の製造誤差として求められて、図1の画像処理系30の記憶部に記憶されている。
【0043】
次に、図1において、主制御系11の制御のもとで、ミラー31を露光光ILの光路上に設置して、露光光ILを光ファイバ束22A,22Bを介してRA顕微鏡21A,21Bの照明光ALA,ALBとして使用できる状態にしておく。そして、図2に示すように、レチクルステージ6をY方向に駆動して、テストレチクル4のY方向の中央の評価用マーク36j,37jをそれぞれRA顕微鏡21A,21Bの検出視野の中央付近に移動してから、レチクルステージ6を静止させる。この状態で、ウエハステージ12を駆動して、ウエハステージ12上の基準マーク部材(不図示)の第1及び第2の基準マーク(不図示)をそれぞれ評価用マーク36j,37jとほぼ共役な領域に移動して、ウエハステージ12を静止させる。この状態で、図1の露光光源1をパルス発光させて、RA顕微鏡21A,21B内の高速フレーム転送カメラ28A,28Bによって、それぞれ中央の評価用マーク36j,37jの像と第1及び第2の基準マークの像とを撮像する。そして、得られた画像情報を用いて、図1の画像処理系30は、対応する基準マークの像に対する中央の評価用マーク36j,37jのX方向、Y方向への位置ずれ量を求め、これらの位置ずれ量を主制御系11内のアライメント制御部に供給する。
【0044】
なお、その位置ずれ量と、RA顕微鏡21A,21Bによる撮像時に得られるレチクル干渉計8及びウエハ干渉計14の計測値とに基づき、レチクル干渉計8によって規定されるレチクル座標系と、ウエハ干渉計14によって規定されるウエハ座標系との対応付けが行われる。
次に、ウエハステージ12上の上記の基準マーク部材(不図示)上の所定の第3の基準マーク(不図示)を図2のアライメントセンサ17によって検出し、その検出信号を主制御系11内のアライメント制御部に供給する。そのアライメント制御部は、その第3の基準マークの位置とアライメントセンサ17の検出中心との位置ずれ量を求めた後、この位置ずれ量と上記の中央の評価用マーク36j,37jの位置ずれ量とを用いて、テストレチクル4のパターン像の中心とアライメントセンサ17の検出中心との位置ずれ量(ベースライン量)を求める。また、そのアライメント制御部は、前述した第1及び第2基準マークと評価用マーク36j,37jとの位置ずれ量に基づいて、それらの基準マークに対するテストレチクル4の回転角を求め、この回転角を相殺するようにレチクルステージ駆動系10を介してレチクルステージ6を回転する。
【0045】
その後、ウエハステージ12をX方向、Y方向に駆動して、図4(A)の評価用基板5の全面からほぼ均一な分布で選択された例えば10個程度の評価用マーク39j(又は40j)を順次図2のアライメントセンサ17の検出視野に移動して、その配列座標を計測する。この配列座標に基づいて主制御系11内のアライメント制御部は、例えばエンハンスト・グローバル・アライメント(EGA)方式で評価用基板5の全部の区画領域38i(i=1〜I)の中心座標(原点座標)を求める。これによって、テストレチクル4及び評価用基板5の通常の露光時と同様のアライメントが完了したことになる。
なお、前述のベースライン計測時に、基準マーク部材の第3基準マークを用いるものとしたが、RA顕微鏡21A,21Bによる第1及び第2基準マークの検出後にウエハステージ12を移動することで、第3基準マークの代わりに第1及び第2基準マークの一方をアライメントセンサ17にて検出してもよい。
【0046】
次に、図1の投影露光装置の走査露光特性(動的特性)を評価するために、RA顕微鏡21A,21Bによってテストレチクル4の評価用マーク36j,37jと、評価用基板5上の各区画領域38iの評価用マーク39j,40jとを検出する。そこで、前述したアライメントの結果に基づき、レチクルステージ6を駆動してテストレチクル4を走査開始位置に移動すると共に、ウエハステージ12を駆動して評価用基板5上の1番目の区画領域38lを走査開始位置に移動し、図2のレチクルステージ6とウエハステージ12との同期移動を開始する。これにより、テストレチクル4は照明領域18に対して−Y方向側に移動し、図4(A)の評価用基板5の1番目の区画領域381は、照明領域18と共役な露光領域に対して+Y方向側に移動する。ここで、投影光学系PLの投影倍率βを1/4として、レチクルステージ6の+Y方向への走査速度VRを1200mm/secとすると、ウエハステージ12の−Y方向への走査速度β・VRは300mm/secとなる。本例では、実際の走査露光時の動的特性を評価するために、動的特性の評価時のステージ6,12の走査速度は、走査露光時のステージ6,12の走査速度と同一である。
【0047】
また、本例の図4(A)の区画領域38iのY方向の幅は33mmであるが、評価用マーク39j,40jの形成されている領域のY方向の幅はほぼ30mmであるため、テストレチクル4と評価用基板5の区画領域38i(ここではi=1)とが同期走査している期間はほぼ0.1(=30/300)secである。また、高速フレーム転送カメラ28A,28Bの最大のフレーム転送レートはほぼ300フレーム/secであるため、その同期走査の期間(0.1sec)中に最大でほぼ30フレームの2次元画像を得ることができる。また、本例では図4(A)に示すように、テストレチクル4上の評価用マーク36j,37jのY方向の個数は9個であるため、各評価用マーク36j,37j(j=1〜9)をそれぞれ一度はRA顕微鏡21A,21Bの検出視野の中心付近で撮像するためには、その0.1secの同期走査期間中の撮像の回数(即ち、フレーム転送回数)を8(評価用マークの個数よりも1だけ小さい数)のN倍(Nは1以上の整数)に1を加えた回数とすることが望ましい。なお、その0.1secの期間の最初と最後でそれぞれ撮像するものとしている。そこで、一例としてNを3とすると、高速フレーム転送カメラ28A,28Bのフレーム転送レートFRは、次のように240フレーム/secに設定され、撮像の回数は25(=3×8+1)回となる。
【0048】
FR=8×3/0.1=240(フレーム/sec) …(1)
この場合、図1の照明光ALA,ALBの繰り返し周波数は、そのフレーム転送レートFRと同じ値に設定される。露光光ILの周波数を1〜4kHzとすると、光変調器32ではその周波数をそれぞれほぼ240/1000〜240/4000に下げればよい。この際に、照明光ALA,ALBの繰り返し周波数を微調整するために、露光光源1の発光周波数を例えば数%程度の範囲内で微調整してもよい。なお、本例の高速フレーム転送カメラ28A,28Bの撮像素子のY方向の長さには比較的余裕があるため、上記の評価用マーク36j,37jをそれぞれ一度はRA顕微鏡21A,21Bの検出視野の中心付近で撮像するという条件は必ずしも満たす必要はない。この場合には、高速フレーム転送カメラ28A,28Bのフレーム転送レートは、単に最大値に設定すればよい。
【0049】
次に、図2のテストレチクル4の評価用マーク36j,37jと図4(A)の評価用基板5上の1番目の区画領域381内の評価用マーク39j,40jとが結像関係を維持されるように、レチクルステージ6を+Y方向に速度VRで走査するのと同期して、ウエハステージ12を−Y方向に速度β・VRで走査する。この際に、図2において、テストレチクル4の+Y方向の端部が照明領域18(露光光ILは照射されていない)にかかるときにレチクルステージ6の速度はほぼVRに達しており、テストレチクル4の−Y方向の端部が照明領域18を出た直後付近からレチクルステージ6は急激に減速する。また、図3(A)の1番目の評価用マーク361,371の中心がそれぞれ図2のRA顕微鏡21A,21Bの検出視野の中心にさしかかった時点で、図1の光変調器32によって露光光ILの1パルス(照明光ALA,ALB)を通過させて、高速フレーム転送カメラ28A,28Bで1つの画像を撮像し、1フレーム分の撮像信号をフレームメモリ29に転送する。その後、上記のフレーム転送レートFRと同じ周波数で照明光ALA,ALBを照射して、高速フレーム転送カメラ28A,28Bで順次そのフレーム転送レートFRで撮像及び撮像信号のフレームメモリ29への転送を繰り返す。この撮像動作は、図3(A)のJ番目(J=9)番目の評価用マーク36J,37Jの中心がそれぞれ図2のRA顕微鏡21A,21Bの検出視野の中心付近を通過するまで繰り返される。
【0050】
この結果、25回の撮像及び撮像信号のフレーム転送が行われ、その内の9回の撮像は、図3(A)の評価用マーク36j,37j(j=1〜J)及び対応する図4(A)の評価用基板5の区画領域381の評価用マーク39j,40jの像が、ほぼ図2のRA顕微鏡21A,21Bの検出視野の中心付近にある状態で行われる。図1の画像処理系30は、その9回の撮像で2個の高速フレーム転送カメラ28A,28Bによって得られた18画面分の画像情報を用いて、それぞれ図3(A)のテストレチクル4の評価用マーク36j,37jに対する図4(B)の評価用基板5の評価用マーク39j,40jの投影光学系PLによる像のX方向、Y方向の位置ずれ量を求める。なお、得られた全部の画像情報を使用してもよいことは明らかである。
【0051】
図6(A)は、図1の高速フレーム転送カメラ28Aの撮像面のテストレチクル4への共役像である検出視野28Aaを示し、検出視野28Aaのほぼ中心に評価用マーク36j(j=1〜J)及び評価用マーク39jの像39jRが納まっている。この状態で1回の撮像が行われて、この撮像信号(画像情報)を処理することによって、X方向、Y方向への位置ずれ量(Δx,Δy)が求められる。なお、照明光ALA,ALBのパルス幅は20〜40nsec程度で、ウエハステージ12の走査速度は300mm/secであるため、評価用マーク36j等が1パルスの発光期間に移動する距離(投影光学系PLの像面での距離)はほぼ6〜12nm程度である。これに対して、評価用マーク36j等の線幅はほぼ300μmであるため、その1パルスの発光期間に評価用マーク36j等が移動する距離は全く計測誤差とはならない。同様にして、図3(A)の評価用マーク37j(j=1〜J)に対する図4(B)の評価用マーク40jの像のX方向、Y方向への位置ずれ量も求められる。
【0052】
なお、本例では1パルスの発光毎に1画面分の画像を撮像しているが、仮に1画面分の画像を撮像する間に3パルスの発光があるものとすると、図6(B)に示すように、検出視野28Aaの1画面分の画像中に評価用マーク36jと評価用マーク39jの像39jRとが重なった像が、前後の位置P1及びP2にも形成される。そのため、正確に評価用マーク36jに対する評価用マーク39jの像39jRの位置ずれ量を求めることが困難になる恐れがある。
【0053】
同様にして、図4(A)の評価用基板5上の2番目以降の区画領域38i(i=2〜I)に対しても、それぞれ同期走査を行った状態で図3(A)のテストレチクル4の評価用マーク36j,37jに対する評価用マーク39j,40jの像のX方向、Y方向への位置ずれ量が求められる。
[第2工程]
次に、画像処理系30は、得られたI組(本例ではI=16)でそれぞれ2J個(本例ではJ=9)の位置ずれ量から走査露光時の動的特性を求める。
【0054】
図7は、テストレチクル4の評価用マーク36j,37j(j=1〜J)に対する、図4(B)の評価用基板5の区画領域38iの評価用マーク39j,40jの投影光学系PLを介した像39jR,40jRのX方向、Y方向への位置ずれ量の一例を示し、この図7において、画像処理系30によって評価用マーク36j,37jの描画誤差の補正は行われており、かつ評価用マーク39j,40jの像39jR,40jRの製造誤差による位置ずれの補正も行われているものとする。この場合、理想格子としての評価用マーク36j,37jの配列に対する走査露光後の投影像としての評価用マークの像39jR,40jRの位置ずれが、実質的に走査露光時のダイナミック・ディストーションである。なお、実際のダイナミック・ディストーションは、テストレチクル4のパターンを投影光学系PLを介して評価用基板5上に投影して得られる像の理想格子からのずれであるが、これは本例のように評価用基板5のパターンを投影光学系PLを介してテストレチクル4上に投影して得られる像の理想格子からのずれと等価である。なお、本例の方法で得られるダイナミック・ディストーションを、投影光学系PLに対してウエハ側でのダイナミック・ディストーションに換算するには、各理想格子点での像の位置ずれ量に−β(投影倍率)を乗ずればよい。
【0055】
また、そのダイナミック・ディストーションは、数値データ上では2J個の評価用マーク36j及び37j(j=1〜J)に対する評価用マークの像39jR,40jRのX方向、Y方向への位置ずれ量(ΔX1j,ΔY1j),(ΔX2j,ΔY2j)の集合で表すことができる。本例では、これらの位置ずれ量(ΔX1j,ΔY1j),(ΔX2j,ΔY2j)(j=1〜J)は、図4(A)の評価用基板5上のI個の区画領域38i(i=1〜I)のそれぞれについて計測される位置ずれ量の平均値である。このダイナミック・ディストーションの数値データは、主制御系11に供給される。
【0056】
次に、更に画像処理系30は、図7の評価用マーク36j,37i(i=1〜J)の配列方向をテストレチクル4の走査方向SD(Y方向)として、例えば最小2乗法によって評価用マークの像39jR,40jRの配列方向を評価用基板5の区画領域38iの走査方向として求める。
これによって、例えば図8(A)に示すように、テストレチクル4に対して区画領域38iの像38Aが所定角度で交差していることが分かった場合には、走査露光時に図1のレチクルステージ6の走査方向とウエハステージ12の走査方向とがその所定角度で交差していることを意味する。この場合には、その後の実際の走査露光時には、ウエハステージ12とレチクルステージ6との少なくとも一方でその走査方向を補正してもよい。これによって、テストレチクル4に対して区画領域38iの像38Aをほぼ完全に重ねることができ、実際の走査露光時の重ね合わせ精度が向上する。
【0057】
また、例えば図8(B)に示すように、テストレチクル4に対して区画領域38iの像38Bが円弧状に歪んでいる場合には、図2のレチクルステージ6のX軸の移動鏡9X、又はウエハステージ12のX軸の移動鏡15Xが円弧状に歪んでいることが考えられる。そこで、実際の走査露光時には、例えばレチクルステージ6のX軸のレチクル干渉計8Xの計測値に、レチクルステージ6のY方向の位置に応じて変化するオフセットを加えることによって、重ね合わせ精度が向上する。このとき、レチクル干渉計8Xの代わりに、或いはそれと組み合わせてウエハ干渉計14Xの計測値にオフセットを加えるようにしてもよいし、或いはレチクルステージ6とウエハステージ12との少なくとも一方で、Y方向の位置に応じてその目標位置を補正してもよい。
【0058】
また、図7において、評価用マーク36j及び37jのX方向(非走査方向)の間隔の平均値に対して評価用マークの像39jR及び40jRのX方向の間隔の平均値がずれている場合には、投影光学系PLの投影倍率βがずれていると考えられる。この場合に主制御系11は、上記の結像特性補正機構を介してその投影倍率βを補正すればよい。一方、評価用マーク361及び36JのY方向(走査方向)の間隔に対して評価用マークの像391R及び39JRのY方向の間隔がずれている場合には、レチクルステージ6の走査速度に対してウエハステージ12の走査速度が正確にβ倍になっていない可能性がある。この場合に主制御系11は、ステージ駆動系10,16を介してステージ6,12の走査速度の比を調整すればよい。
【0059】
次に、画像処理系30は、図4(A)の評価用基板5上の区画領域38i(i=1〜I)のそれぞれについて、図7の評価用マーク36j,37jの位置の平均値に対する評価用マークの像39jR,40jRの位置の平均値のX方向、Y方向への位置ずれ量(ΔxRi,ΔyRi)を求める。次に、それらの位置ずれ量に符号付きの投影倍率(−β)を乗ずることによって、評価用基板5側でのテストレチクル4の投影像を基準にした場合の各区画領域38iの位置ずれ量であるアライメント誤差(Δxi,Δyi)(i=1〜I)を求め、このアライメント誤差も主制御系11に供給する。このアライメント誤差は、実際の走査露光後のアライメント誤差と等しい値である。
【0060】
図9は、そのようにして求めたアライメント誤差の一例を示し、この図9において、評価用基板5の各区画領域38i毎に矢印でアライメント誤差(Δxi,Δyi)が表示されている。主制御系11では、このアライメント誤差に基づいて例えばEGA方式でアライメントを行う場合の座標の変換パラメータの補正等を行うようにしてもよい。これによって、アライメント誤差が低減される。なお、その変換パラメータを補正する代わりに、EGA方式にて算出されたウエハ上の各ショット領域の配列座標を補正してもよい。
【0061】
上述のように本例によれば、実際の走査露光時と同様にテストレチクル4と評価用基板5とを同期走査して、RA顕微鏡21A,21Bの高速フレーム転送カメラ28A,28Bによってテストレチクル4上の複数のマーク及び評価用基板5上の複数のマークの像を撮像し、撮像によって得られた画像情報を処理することによって、ダイナミック・ディストーションを含む動的特性を短時間に、かつ高精度に計測することができる。
【0062】
なお、本例では評価用基板5上の複数の区画領域38iについて、それぞれレチクルステージ6及びウエハステージ12を同期走査して、テストレチクル4の評価用マークとの位置ずれ量を計測しているため、平均化によって誤差の低減されたダイナミック・ディストーションを求めることができる。更に、実際にテストプリント及び現像等の煩雑な処理を経ることなく、評価用マークの像の検出のみで、走査露光後のアライメント誤差も効率的に計測することができる。
【0063】
但し、例えば実際の露光工程中で、露光光の照射エネルギーによるダイナミック・ディストーションの変化を確認したいような場合には、評価用基板5上の一つの区画領域38i(例えば381)のみについて同期走査を行って、図7のような評価用マークの像の位置ずれ量を計測し、この計測結果のみからダイナミック・ディストーションを求めても良い。これによって、極めて短時間にダイナミック・ディストーションを計測することができる。
【0064】
なお、上記の実施形態では、2次元の撮像装置としてフレーム転送レートが最大で300フレーム/sec程度の2次元の撮像素子が使用されているが、フレーム転送レートが100/sec程度以上の2次元の撮像素子であっても使用することができる。また、テストレチクル4上の評価用マーク36j,37jの走査方向の個数(評価用基板5の区画領域38i上の評価用マーク39j,40jの個数も同じ)は、撮像装置の最大のフレーム転送レートに応じて例えば5〜100個程度の範囲内で変えてもよい。
【0065】
なお、上記の実施形態では撮像装置として2次元の撮像素子を用いていたが、その代わりに2つの1次元の撮像素子を組み合わせて用いてもよい。
図10(A)は、そのように1次元の撮像素子を組み合わせて用いる場合のRA顕微鏡の要部を示し、この図10(A)は図1のRA顕微鏡21Aにおいて高速フレーム転送カメラ28Aの代わりにハーフミラー51、画素がX方向に対応する方向に配列された1次元のX軸のラインセンサ52X、及び画素がY方向に対応する方向に配列された1次元のY軸のラインセンサ52Yを配置したものである。即ち、結像レンズ27Aからの照明光ALAは、ハーフミラー51で2分割され、第1の反射された光束及び第2の透過した光束はそれぞれラインセンサ52X及び52Yの撮像面に、図1の評価用マーク36j及び39jの像を形成する。ラインセンサ52X,52Yからの1ライン毎の撮像信号SX,SYは逐次フレームメモリ29に画像情報として記憶される。
【0066】
この場合、図10(B)及び図10(C)は、それぞれ図10(A)のラインセンサ52Y及び52Xの撮像面を図1のテストレチクル4のパターン面に投影した場合の位置関係を示している。図10(B)に示すように、Y軸のラインセンサ52Yは評価用マーク36j及び評価用マークの像39jRのY方向に配列された3本のラインパターンの一部の像を撮像する。それによって得られる撮像信号SYは、図11に示すように、位置Yに沿って3対のピークを持つ信号となる。そこで、図1の画像処理系30では、一例としてその撮像信号SYを所定の閾値で2値化することによって、その3対のピークのY方向の位置ずれ量ΔY1,ΔY2,ΔY3を求め、それらの位置ずれ量の平均値をその評価用マーク36jに対する評価用マークの像39jRのY方向への位置ずれ量とする。
【0067】
同様に、図10(C)に示すように、X軸のラインセンサ52Xは評価用マーク36j及び評価用マークの像39jRのX方向に配列された3本のラインパターンの一部の像を撮像する。そこで、ラインセンサ52Xから出力される撮像信号SXから3対のピークのX方向の位置ずれ量を求め、それらの位置ずれ量を平均化することによって、評価用マーク36jに対する評価用マークの像39jRのX方向への位置ずれ量を高精度に求めることができる。これ以降の処理は、図1の実施形態と同様である。
【0068】
このように撮像装置として1次元の撮像素子(ラインセンサ52X,52Y)を組み合わせて用いる場合には、1次元の撮像素子は1画面(ライン)の転送レートを2次元の撮像素子に比べて撮像素子の配列数分だけ(例えば数100〜数1000倍)高速化できる。従って、1回の走査露光でより多くの評価用マークの検出が可能となり、ダイナミック・ディストーション等を走査方向により細かいピッチで評価することができる。また、転送レートがほぼ露光光ILの発光周波数程度に高くできるため、露光光ILの周波数を間引くための光変調器32等も不要になるという利点もある。なお、ラインセンサ52X,52Yとしては、計測方向に直交する方向に数個画素が配列されている撮像素子も含まれる。
【0069】
なお、上記実施形態ではウエハWの露光処理に用いるレチクルRの走査範囲(即ち、パターン領域の走査方向の幅)と同一の範囲内でその全域に渡って複数の評価用マークをテストレチクル4に形成するものとしているが、複数の評価用マークはその走査範囲の全域ではなくその一部のみに対応するテストレチクル4上の所定範囲内に形成するだけでもよい。このことは、評価用基板5上の区画領域38iに形成される評価用マークについても同様である。更に、上記実施形態では評価用基板5上の全ての区画領域で前述の位置ずれ量を計測するものとしたが、前述の位置ずれ量を計測する区画領域は評価用基板5上の一部(1個又は複数個)でもよく、その数は任意で構わない。
【0070】
また、上記実施形態では実際に露光処理されるウエハW上のショット領域とサイズが同一の区画領域38iを評価用基板5上に形成するものとしているが、区画領域38iはそのサイズがショット領域と異なっていてもよい。更に、そのサイズを含めて評価用基板5上の区画領域38iの配列(数や位置など)を、ウエハW上のショット領域の配列と実質的に同一としてもよい。この場合、前述の動的特性の計測精度を向上させることが可能となる。また、区画領域毎に前述の位置ずれ量を計測するとき、テストレチクル4及び評価用基板5の駆動条件を、各区画領域に対応するウエハ上のショット領域の走査露光時と同一にしてもよい。更に、前述した評価用基板のアライメント条件をウエハと同一にしてもよい。なお、ウエハ上のショット領域と区画領域の配列が実質的に同一の評価用基板を用いる場合であっても、その全ての区画領域で前述の位置ずれ量を計測しなくてもよい。
【0071】
また、上記実施形態では評価用基板5上の複数の区画領域38iでそれぞれテストレチクル4の評価用マークとの位置ずれ量を計測してその平均値を用いるものとしているが、その複数の区画領域を複数のグループに分け、グループ単位でその位置ずれ量の平均値から前述の動的特性を得るようにしてもよい。なお、区画領域のグルーピングは、評価用基板上での位置、或いは評価用基板の駆動条件などに応じて行ってよい。例えば、複数の区画領域を、同期移動が+Y方向である第1グループと、−Y方向である第2グループとに分け、グループ毎にその位置ずれ量の平均値を求めることで、移動方向が+Y方向と−Y方向とで別々に前述の動的特性を得るようにしてもよい。このとき、前述の位置ずれ量を計測する区画領域は、+Y方向と−Y方向とでそれぞれ1個ずつでもよいが、平均化効果による誤差の低減を測るために複数個ずつとすることが好ましい。また、ウエハWの走査露光では+Y方向に移動されるショット領域と−Y方向に移動されるショット領域とで、前述した走査方向の補正やオフセット量などが異なることになる。更に、前述の如く評価用基板5上の区画領域とウエハW上のショット領域とでその配列を実質的に同一とする場合には、区画領域毎にその複数個(本例では2J個)の位置ずれ量から前述の動的特性を得ると共に、実際の走査露光ではショット単位で前述した走査方向の補正などを行うようにしてもよい。この場合、複数の区画領域でそれぞれテストレチクル4の評価用マークとの位置ずれ量を複数回ずつ計測して、区画領域毎にその複数回の計測で得られる位置ずれ量の平均値を用いて前述の動的特性を得るようにしてもよい。
【0072】
なお、上記実施形態ではテストレチクル4の評価用マーク36j,37j及び評価用基板5の評価用マーク39j,40jとして、2組のL&Sパターンを組み合わせた2次元マークを用いるものとしたが、これに限定されるものでなくその形状などは任意で構わない。例えば、対応する2つの評価用マークとしてボックス・イン・ボックスマークなども使用できる。更に、例えば1次元のX軸のマークと1次元のY軸のマークとを、走査方向(Y方向)及び非走査方向(X方向)の少なくとも一方に関して離して配置してもよい。更に、上記実施形態ではテストレチクル4と評価用基板5とで評価用マークの構成が同一であるものとしたが、その両者で評価用のマークの構成を異ならせてもよい。
【0073】
また、上記実施形態ではテストレチクル4及び評価用基板5でそれぞれ複数の評価用マークを走査方向に沿って2列に配置するものとしたが、2列に限定されるものではなく、例えば1列でも構わない。
更に、上記実施形態では評価用基板上の複数の区画領域にそれぞれ評価用マークを形成するものとしたが、評価用マークを形成する区画領域は1個でも構わない。
【0074】
また、上記実施形態では前述の評価用マークをテストレチクル4及び評価用基板5に設けるものとしたが、投影光学系PLの物体面側に配置される第1マーク部材及びその像面側に配置される第2マーク部材はそれぞれテストレチクル4及び評価用基板5に限られるものではなく、前述の評価用マークが形成されるマーク板をレチクルステージ6及びウエハステージ12にそれぞれ取り付けてもよいし、或いは前述の評価用マークをレチクルステージ6及びウエハステージ12にそれぞれ直接形成してもよい。前者ではその2つのマーク板が、後者ではレチクルステージ6及びウエハステージ12がそれぞれ第1及び第2マーク部材となる。なお、レチクルステージ6及びウエハステージ12にそれぞれ前述のマーク板を取り付ける場合には、前述した描画誤差だけでなくその取付誤差をも考慮して前述の位置ずれ量を計測することが好ましい。更に、例えば振動や熱などによって評価用マークの位置(間隔)やマーク板の取付誤差などが経時的に変動するときは、計算やシミュレーションによるその誤差情報の更新、或いはその実測を定期的に行い、その結果に基づいて前述の位置ずれ量を求めることが好ましい。
【0075】
なお、上記実施形態では1パルスの発光毎に1画面分の画像を撮像するものとしたが、前述の撮像素子の種類や転送レートなどによっては1画面分の画像を複数のパルスの発光にて得ることとしてもよい。また、上記実施形態ではRA顕微鏡21A,21Bの照明光源として露光光源1を兼用するものとしたが、露光光源1とは別にRA顕微鏡の照明光源を設けてもよい。更に、投影光学系PLの物体面及び像面にそれぞれ配置される前述の評価用マークを検出するマーク検出系はRA顕微鏡に限られるものでなく、例えば専用の検出系を設けてもよいし、或いはRA顕微鏡以外のアライメント系を用いてもよい。
【0076】
なお、上記の実施の形態の投影露光装置は、複数のレンズから構成される照明光学系、投影光学系を露光装置本体に組み込み光学調整をして、多数の機械部品からなるレチクルステージやウエハステージを露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより製造することができる。なお、その露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0077】
また、上記の実施の形態の投影露光装置を用いて半導体デバイスを製造する場合、この半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、このステップに基づいてレチクルを製造するステップ、シリコン材料からウエハを形成するステップ、上記の実施の形態の投影露光装置によりアライメントを行ってレチクルのパターンをウエハに露光するステップ、エッチング等の回路パターンを形成するステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、及び検査ステップ等を経て製造される。
【0078】
なお、本発明の露光装置の用途としては半導体デバイス製造用の露光装置に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置用の露光装置や、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスを製造するための露光装置にも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグフィ工程を用いて製造する際の、露光工程(露光装置)にも適用することができる。
【0079】
また、例えば国際公開(WO)99/49504号に開示される液浸型露光装置にも本発明を適用することができる。更に、例えば国際公開(WO)98/24115号、98/40791号に開示されるように、露光動作とアライメント動作(マーク検出動作)とをほぼ並行に可能な2つのウエハステージを備える露光装置にも本発明を適用することができる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得ることは勿論である。
【0080】
【発明の効果】
本発明によれば、走査露光時のダイナミック・ディストーション等の動的特性を短時間に、かつ高精度に評価できる。
また、露光ビームがパルス光であり、マーク計測用の照明光としてその露光ビームよりも発光周波数の低いパルス光を用いる場合には、マーク計測用の撮像装置の1回の撮像中に複数の画像が重なって写り込むことを防止できるため、動的特性を高精度に評価できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の一例の投影露光装置の概略構成を示す一部を切り欠いた図である。
【図2】 図1の露光本体部の構成を示す斜視図である。
【図3】 (A)はテストレチクル4の評価用マークの配置を示す平面図、(B)はその評価用マークを示す拡大平面図である。
【図4】 (A)は評価用基板5の区画領域及び評価用マークの配置を示す平面図、(B)はその区画領域内の評価用マークの配置を示す拡大平面図である。
【図5】 (A)は露光光ILのパルス列を示す図、(B)は露光光ILを間引いて得られる照明光ALA,ALBのパルス列を示す図である。
【図6】 (A)は図1の高速フレーム転送カメラ28Aで観察される評価用マークの一例を示す図、(B)は複数パルスの照明光のもとで高速フレーム転送カメラ28Aで観察される評価用マークの一例を示す図である。
【図7】 本発明の実施形態の一例で計測されるダイナミック・ディストーションの一例を示す図である。
【図8】 走査露光時のレチクルステージとウエハステージとの走査方向の相違による投影パターンの状態を示す図である。
【図9】 本発明の実施形態の一例で計測されるアライメント誤差の一例を示す図である。
【図10】 (A)は図1の高速フレーム転送カメラ28Aの代わりに2つの1次元のラインセンサを用いる場合の要部の構成を示す図、(B)は図10(A)のY軸のラインセンサで観察される評価用マークを示す図、(C)は図10(A)のX軸のラインセンサで観察される評価用マークを示す図である。
【図11】 図10(A)のY軸のラインセンサの撮像信号SYの一例を示す図である。
【符号の説明】
1…露光光源、3…照明光学系、R…レチクル、PL…投影光学系、W…ウエハ、4…テストレチクル、5…評価用基板、6…レチクルステージ、12…ウエハステージ、21A,21B…レチクルアライメント顕微鏡(RA顕微鏡)、28A,28B…高速フレーム転送カメラ、29…フレームメモリ、30…画像処理系、36j,37j…評価用マーク、38i…区画領域、39j,40j…評価用マーク、52X,52Y…ラインセンサ

Claims (14)

  1. 第1ステージに保持された第1物体及び投影光学系を介した露光ビームで、第2ステージに保持された第2物体を露光した状態で、前記第1ステージと前記第2ステージとを同期して走査して、前記第2物体を走査露光する際の動的特性の評価を行うための走査露光特性の評価方法であって、
    前記第1ステージに配置され、かつ走査方向に配列される複数の第1マークのうち2つの第1マークと、前記第2ステージに配置された第1基準マーク及び第2基準マークとを用いて、前記第1ステージの座標系と前記第2ステージの座標系との対応関係を求める第1工程と、
    前記第1ステージを走査するのと同期して、前記第2ステージを走査した状態で、前記露光ビームと実質的に同じ波長域の照明光のもとで、前記投影光学系に関して静止した計測位置で、前記複数の第1マークと、前記走査方向に配列され、かつ前記第1基準マーク及び前記第2基準マークとは別に、前記複数の第1マークに対応して前記第2ステージに配置された複数の第2マークとの2次元的な位置関係を前記投影光学系を介して順次計測する第2工程と、
    前記第2工程での計測結果を用いて、前記第1ステージと前記第2ステージとを同期して走査する際の所定の動的特性を求める第3工程とを有することを特徴とする走査露光特性の評価方法。
  2. 前記第1及び第2マークは、それぞれ前記第1及び第2ステージに走査方向に沿って2列で配列され、
    前記第2工程で、前記投影光学系に関して静止した2箇所の計測位置で、2列の前記第1及び第2マークの2次元的な位置関係を走査方向に順次計測することを特徴とする請求項1に記載の走査露光特性の評価方法。
  3. 前記露光ビームはパルス光であり、前記照明光は前記露光ビームよりも発光周波数の低いパルス光であることを特徴とする請求項1又は2に記載の走査露光特性の評価方法。
  4. 前記照明光はパルス光であり、
    前記第2工程で、前記第1ステージと前記第2ステージとを同期して走査する時間は0.05〜0.5secであり、前記第1マークと前記第2マークとの2次元的な位置関係を毎秒100回以上の頻度で計測することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の走査露光特性の評価方法。
  5. 前記第2工程で、前記第1マークと前記第2マークとの走査方向の位置関係と、走査方向に直交する非走査方向の位置関係とを互いに異なる1次元の撮像素子を用いて計測することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の走査露光特性の評価方法。
  6. 前記第3工程で求める動的特性は、前記第1ステージ及び前記第2ステージの走査方向の前記投影光学系を介して計測される交差角、及び前記投影光学系による像のダイナミック・ディストーションの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の走査露光特性の評価方法。
  7. 前記第1マークは、アライメントマークと、複数の評価用マークとを含み、
    前記第1工程は、前記アライメントマークと、前記第1及び第2基準マークと用いて、前記第1ステージの座標系と前記第2ステージの座標系との対応関係を求め、
    前記第2工程は、複数の前記評価用マークと複数の前記第2マークとの2次元的な位置関係を前記投影光学系を介して順次計測することを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の走査露光特性の評価方法。
  8. 第1ステージに保持された第1物体及び投影光学系を介した露光ビームで、第2ステージに保持された第2物体を露光した状態で、前記第1ステージと前記第2ステージとを同期して走査して、前記第2物体を走査露光する露光装置において、
    前記第1ステージに配置され、かつ走査方向に配列される複数の第1マークのうち2つの第1マークと、前記第2ステージに配置された第1基準マーク及び第2基準マークとの位置ずれ量を求めるアライメント制御部と、
    前記複数の第1マークと、走査方向に配列され、かつ前記第1基準マーク及び前記第2基準マークとは別に、前記複数の第1マークに対応して前記第2ステージに配置された複数の第2マークとを前記投影光学系を介して前記露光ビームと実質的に同じ波長域の照明光で照明するマーク照明系と、
    前記投影光学系に関して静止した位置で、複数の前記第1及び第2マークを前記投影光学系を介して順次撮像する2次元の撮像装置と、
    前記第1ステージと前記第2ステージとを同期して走査している期間に、所定周期で前記撮像装置からの一連の2つのマークの画像情報を逐次記憶する記憶装置と、
    前記記憶装置に記憶されている画像情報を用いて、前記第1ステージと前記第2ステージとを同期して走査する際の所定の動的特性を求める演算装置とを有することを特徴とする露光装置。
  9. 前記撮像装置は、走査方向に直交する非走査方向に離れた2箇所の計測位置でそれぞれ複数の前記第1及び第2マークを順次撮像するために2組設けられることを特徴とする請求項8に記載の露光装置。
  10. 前記露光ビームはパルス光であり、前記マーク照明系は、前記露光ビームよりも発光周波数が低いパルス光を前記照明光として用いることを特徴とする請求項8又は9に記載の露光装置。
  11. 前記マーク照明系は、前記露光ビームから間引いて前記照明光を得る変調装置を含むことを特徴とする請求項10に記載の露光装置。
  12. 前記照明光はパルス光であり、
    前記撮像装置は、フレーム転送レートが100フレーム/sec以上の撮像装置であることを特徴とする請求項8〜11の何れか一項に記載の露光装置。
  13. 前記撮像装置は、2つのマークの走査方向の強度分布を検出する第1の1次元の撮像素子と、前記2つのマークの走査方向に直交する非走査方向の強度分布を検出する第2の1次元の撮像素子とを含むことを特徴とする請求項8〜12の何れか一項に記載の露光装置。
  14. 複数の前記第1マークは、
    前記第1及び第2基準マークとの位置ずれを求めるためのアライメントマークと、前記第1ステージと前記第2ステージとを同期して走査している間に、複数の前記第2マークとともに撮像される複数の評価用マークとを含むことを特徴とする請求項8〜13の何れか一項に記載の露光装置。
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