JP2002044915A - 磁石埋込型回転子及び充填方法 - Google Patents

磁石埋込型回転子及び充填方法

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JP2002044915A
JP2002044915A JP2000226285A JP2000226285A JP2002044915A JP 2002044915 A JP2002044915 A JP 2002044915A JP 2000226285 A JP2000226285 A JP 2000226285A JP 2000226285 A JP2000226285 A JP 2000226285A JP 2002044915 A JP2002044915 A JP 2002044915A
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magnet
rotor
slit
embedded
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JP2000226285A
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Hiroyuki Ishihara
弘之 石原
Kazuyoshi Kaneko
和佳 金子
Shinya Naito
真也 内藤
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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    • Y10T29/49002Electrical device making
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    • Y10T29/49012Rotor

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造装置内におけるロータコアの回転を防ぐ
ことができる磁石埋込型回転子及びその製造に好適な充
填方法を提供すること。 【解決手段】 本発明の磁石埋込型回転子は、ロータコ
ア1に設けられたスリット2に樹脂磁石が充填されて形
成される磁石埋込型回転子であって、前記樹脂磁石の充
填に利用される金型7のコアピン16の凸部15に嵌合
可能な凹部4を、ロータコア1に設けられたシャフト穴
5に備える。したがって、上記構成を備えたことによ
り、本発明の磁石埋込型回転子は、ロータコア1の凹部
4をコアピンの16の凸部15に嵌合して、金型7内に
おけるロータコア1の回転を防ぐことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動機や発電機等
の回転電機に用いられる磁石埋込型回転子に関し、特
に、積層鉄心などのロータコアに設けられたスリットに
樹脂磁石が充填されて形成された磁石埋込型回転子であ
って、製造装置内におけるロータコアの回転を防ぐこと
ができる磁石埋込型回転子及びその製造に好適な充填方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁石埋込型回転子としては、円筒
状のロータコアの円周方向に等間隔に設けられた円弧状
のスリットに、異方性の樹脂磁石が充填されて形成され
たものが知られている。上記従来の磁石埋込型回転子に
あっては、前記樹脂磁石の充填には下型と上型とからな
る金型が利用されており、前記下型は、前記ロータコア
の外周に沿って前記スリットと等しい間隔で配される永
久磁石と、その永久磁石間に配される強磁性体と、を有
し、前記上型は、前記下型の上面に配置されて前記ロー
タコアの前記スリットに前記樹脂磁石を充填可能なゲー
トを有している。
【0003】そして、前記スリットの円弧の端部が前記
磁石に向けられた状態でロータコアが前記下型に装着さ
れて、前記スリットに樹脂磁石が磁気配向しながら充填
され、その後着磁装置により充填された樹脂磁石が着磁
されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、磁石埋
込型回転子は、磁気的な突極性を有しているため、上記
従来の磁石埋込型回転子にあっては、金型に装着された
ロータコアには、金型の磁石とロータコアの突極性とに
より回転力が働いてしまい、前記ロータコアが金型内で
回転することがあり、上型のゲートとロータコアのスリ
ットとの位置がずれて、前記スリット内での樹脂磁石の
流れが充填中に変化し、前記スリットの前記樹脂磁石の
充填に不具合を生じることがあった。
【0005】また、前記スリットに前記樹脂磁石を不具
合なく充填することができたとしても、前記ロータコア
が装着時の位置からずれてしまっては、前記樹脂磁石を
配向することはできず、配向不良の発生率が高かった。
また、着磁工程においても着磁電流によりリラクタンス
トルクが発生し、ロータコアが着磁装置内で回転するこ
とがあり、着磁不良品の発生率が高かった。
【0006】なお、着磁時の問題は、異方性の樹脂磁石
に限ったものではなく、配向を必要としない等方性の樹
脂磁石にあっても同様に存在するものである。そこで、
本発明は上記従来の技術の問題点に着目してなされたも
のであって、製造装置内におけるロータコアの回転を防
ぐことができる磁石埋込型回転子を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明である磁石埋込型回転子は、ロ
ータコアに設けられたスリットに樹脂磁石が充填されて
形成される磁石埋込型回転子において、前記ロータコア
に設けられたシャフト穴の内周面に、前記樹脂磁石の配
向工程又は着磁工程で利用される製造装置に設けられた
製造装置側嵌合部に嵌合可能なロータコア側嵌合部を設
けたことを特徴とする。
【0008】また、請求項2に係る発明である磁石埋込
型回転子は、ロータコアに設けられたスリットに樹脂磁
石が充填されて形成される磁石埋込型回転子において、
前記ロータコアの外周面に、前記樹脂磁石の配向工程又
は着磁工程で利用される製造装置に設けられた製造装置
側嵌合部に嵌合可能なロータコア側嵌合部を設けたこと
を特徴とする。
【0009】さらに、請求項3に係る発明である磁石埋
込型回転子は、ロータコアに設けられたスリットに樹脂
磁石が充填されて形成される磁石埋込型回転子におい
て、前記ロータコアの端面のうち少なくとも一方に、前
記樹脂磁石の配向工程又は着磁工程で利用される製造装
置に設けられた製造装置側嵌合部に嵌合可能なロータコ
ア側嵌合部を設けたことを特徴とする。
【0010】また、請求項4に係る発明である磁石埋込
型回転子は、ロータコアに設けられたスリットに樹脂磁
石が充填されて形成される磁石埋込型回転子において、
前記ロータコアにシャフトを備え、そのシャフトの少な
くとも一端に、前記樹脂磁石の配向工程又は着磁工程で
利用される製造装置に設けられた製造装置側嵌合部に嵌
合可能なシャフト側嵌合部を設けたことを特徴とする。
【0011】また、請求項5に係る発明である充填方法
は、ロータコアに設けられたスリットに樹脂磁石を充填
する充填方法であって、前記スリットにエジェクターピ
ンを挿入した状態で、前記スリットに前記樹脂磁石を充
填することを特徴とする。一方、請求項6に係る発明で
ある充填方法は、注入対象空間の内面に沿って摺動可能
なエジェクターピンを前記注入空間の注入口まで挿入し
た後、前記注入口から注入物を注入するとともに、注入
物の注入に連動して前記エジェクターピンを引き抜く方
向に移動させることを特徴とする。
【0012】請求項1〜3に係る発明にあっては、ロー
タコア側嵌合部を製造装置側嵌合部に嵌合することによ
り、製造装置内における前記ロータコアの回転を防ぐこ
とができるため、前記スリットに前記樹脂磁石を不具合
なく充填することができ、且つ前記樹脂磁石に確実に配
向及び着磁することができるので、不良品の発生率を低
くすることができる。
【0013】請求項1又は2に係る発明にあっては、ロ
ータコア側嵌合部として凹部や凸部などを設けることが
考えられ、例えば凹部を設ける場合には、ロータコアの
一端から中間まで達する溝を設けてもよく、ロータコア
の一端から他端まで達する溝を設けてもよい。ロータコ
ア側嵌合部として凹部を設ける場合には、製造装置側嵌
合部としてはロータコアの凹部と嵌合する凸部を設けれ
ばよく、ロータコアの溝の形状に対応させて、ロータコ
アの一端から中間まで達する突条やロータコアの一端か
ら他端まで達する突条を設けてもよく、ロータコアの溝
の内部に突き出た突起を設けてもよい。
【0014】また、逆にロータコア側嵌合部として凸部
を設け、製造装置側嵌合部として凹部を設けてもよい。
請求項3に係る発明にあっては、上記請求項1又は2の
場合と同様に、ロータコア側嵌合部として凹部や凸部な
どを設けることが考えられ、例えば凹部を設ける場合に
は、穴を設けてもよく、ロータコアのシャフト穴から外
周まで達する溝を設けてもよい。ロータコア側嵌合部と
して凹部を設ける場合には、製造装置側嵌合部はロータ
コアの凹部と嵌合する凸部を設ければよく、ロータコア
の凹部の形状に対応させて、突起やロータコアのシャフ
ト穴から外周まで達する突条を設けてもよい。また、ロ
ータコア側嵌合部として前記溝を設け、製造装置側嵌合
部として前記溝の内部に突き出た突起を設けてもよい。
また、ロータコアに設けたスリットを利用し、スリット
に嵌合する凸部を製造装置側に設けてもよい。
【0015】また、逆にロータコア側嵌合部として凸部
を設け、製造装置側嵌合部として凹部を設けてもよい。
さらに、請求項4に係る発明にあっては、ロータコアに
備えられたシャフトのシャフト側嵌合部を製造装置側嵌
合部に嵌合することにより、製造装置内における前記ロ
ータコアの回転を防ぐことができるため、請求項1〜3
に係る発明と同様に、前記スリットに前記樹脂磁石を不
具合なく充填することができ、且つ前記樹脂磁石を確実
に配向及び着磁することができるので、不良品の発生率
を低くすることができる。
【0016】また、請求項5に係る発明にあっては、ロ
ータコアに設けられたスリットにエジェクターピンを挿
入した状態で、前記スリットに前記樹脂磁石を充填する
ことにより、製造装置内における前記ロータコアの回転
を防ぐことができるため、請求項1〜4に係る発明と同
様に、前記スリットに前記樹脂磁石を不具合なく充填す
ることができ、且つ前記樹脂磁石を確実に配向すること
ができるので、不良品の発生率を低くすることができ
る。
【0017】エジェクターピンは、どのような形状のも
のでもよく、棒状のものであってもよいし、スリットの
内周と同一の外周を有する形状のものであってもよい。
また、前記エジェクターピンの先端を浅く挿入してもよ
いし、スリットの中間部まで挿入してもよいし、スリッ
トの樹脂磁石注入口まで深く挿入してもよい。前記エジ
ェクターピンの先端を、スリットの中間部まで挿入する
場合や樹脂磁石注入口まで挿入する場合には、樹脂を注
入する際にエジェクターピンを積極的に引き抜くように
してもよいし、樹脂磁石の注入圧により自動的に引き抜
くようにしてもよい。
【0018】一方、請求項6に係る発明にあっては、前
記注入対象空間の内面に沿って摺動可能なエジェクター
ピンを注入対象空間の注入口まで挿入したため、前記注
入口の位置がずれることがなく、前記注入対象空間に前
記注入物を不具合なく充填することができる。また、前
記エジェクターピンを、注入物の注入に連動して引き抜
く方向に移動させることにより、型の内部を減圧するこ
とができ、樹脂注入口から樹脂を吸引する作用が得られ
るため、樹脂の注入圧を低く抑えて、型の変形を防止す
ることができるとともに、前記樹脂を型にほぼ隙間なく
充填して、充填効率を高めることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明に係る磁石埋込型回転子の
第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本
発明の磁石埋込型回転子の第1の実施形態を示す図であ
って、(a)は平面図であり、(b)は(a)のA−A
線断面図である。また、図2は、本発明の磁石埋込型回
転子の製造に用いられる金型を示す図であって、(a)
は断面図であり、(b)は上型が取り外された状態を示
す平面図である。なお、図2(a)は、上型が取り付け
られた状態での(b)のB−B線断面図に相当する。
【0020】図1(a)に示すように、本実施形態の磁
石埋込型回転子は、ロータコア1と、そのロータコア1
に設けられたスリット2に充填された異方性の樹脂磁石
3と、から構成される。ロータコア1は、図1(b)に
示すように、凹部4を有する鍵穴状のシャフト穴5とス
リット2とが打ち抜かれた円盤状の電磁鋼板6が積層さ
れて形成されたものであり、円筒状の外形を有するとと
もに、内部にロータコア1を軸方向に貫通するシャフト
穴5やスリット2を有する。
【0021】スリット2は、ロータコア1の円周方向に
等間隔に設けられた円弧状に形成されており、その内部
に樹脂磁石3が充填されている。樹脂磁石3の充填に
は、図2(a)に示すように、金型7が利用され、その
金型7は、上型8、中間型9、下型10とから構成され
る。上型8は、ロータコア1のスリット2に樹脂磁石3
を注入可能なゲート11を有し、中間型9は、図2
(b)に示すように、中央にロータコア1を装着可能な
空間が設けられ、その空間に装着されるロータコア1の
外周に沿ってスリット2と等しい間隔で配される永久磁
石12と、その永久磁石12間に配される強磁性体13
と、永久磁石12及び強磁性体13を囲む非磁性体14
と、を有する。
【0022】中間型9には、図2(a)に示すように、
ロータコア1の凹部4に嵌合可能な凸部15が軸方向に
沿って形成された鍵状のコアピン16が下方から挿通さ
れており、そのコアピン16に、中間型9に装着された
ロータコア1を挿通することができるようになってい
て、金型7内におけるロータコア1の回転を防ぐことが
でき、図2(b)に示すように、配向及び着磁のために
スリット2の円弧の端部が永久磁石12に向けられた状
態でロータコア1を保持することができるようになって
いる。
【0023】そして、下型10は、図2(a)に示すよ
うに、平板状に形成されて上面で上型8、中間型9、及
びコアピン16を支持するようになっている。また、金
型7には、エジェクターピン17を下方から挿入可能な
ピン孔18が設けられ、エジェクターピン17の先端を
中間型9に装着されたロータコア1の下面に当接するこ
とができるようになっている。
【0024】上記構成により、金型7は、中間型9に装
着されたロータコア1のスリット2に樹脂磁石3を磁気
配向しながら注入することができる。次に金型7を用い
てロータコア1のスリット2に樹脂磁石3を充填する手
順を説明する。まず、図2(b)に示すように、ロータ
コア1のシャフト穴5にコアピン16を挿通して、スリ
ット2の円弧の端部を金型7の永久磁石12に向けた状
態でロータコア1を中間型9に装着するとともに、図2
(a)に示すように、ロータコア1の下面にエジェクタ
ーピン17の先端を当接する。
【0025】次いで、中間型9の上面に上型8を配した
後、金型7の永久磁石12により磁気配向しながら、上
型8のゲート11から樹脂磁石3をロータコア1のスリ
ット2に注入する。そして、スリット2内に注入された
樹脂磁石3が凝固した後、中間型9の上面から上型8を
取り除き、エジェクターピン17でロータコア1を押し
上げて、ロータコア1を中間型9から取り出す。
【0026】このように、ロータコア1の凹部4にコア
ピン16の凸部15を嵌合した状態で磁気配向を行うた
め、金型7内におけるロータコア1の回転を防ぐことが
でき、スリット2に樹脂磁石3を不具合なく充填するこ
とができるとともに、スリット2に充填される樹脂磁石
3を確実に配向することができ、不良品の発生率を低く
することができる。
【0027】上記実施形態においては、製造装置とし
て、磁気配向しながら充填する工程に用いられる金型7
の例を示したが、ロータコアに埋設された磁石を着磁す
る工程に用いられる着磁装置でもよく、着磁電流による
ロータコア1の回転を防ぐことができる。図3は、本発
明の磁石埋込型回転子の第2の実施形態を示す図であっ
て、図2(b)と同様の平面図である。なお、第1の実
施形態と同一部分には同一符号を付している。
【0028】図3に示すように、この実施形態において
は、ロータコア1の外周部に凹部としてロータコア1の
一端から他端まで達する溝4aを複数設けるとともに、
その溝4aに嵌合する突条15aを中間型9の強磁性体
13の内周面に複数設けた点が第一の実施形態と異な
る。なお、作用及び効果は、上記第一の実施形態と同様
である。
【0029】図4は、本発明の磁石埋込型回転子の第3
の実施形態を示す図であって、図2(a)と同様の断面
図である。なお、第1の実施形態と同一部分には同一符
号を付している。図4に示すように、この実施形態にお
いては、ロータコア1の一端に凹部として穴4bを設け
るとともに、その穴4bに嵌合する突起15bを中間型
9の底部の上面に設けた点が異なる。
【0030】なお、作用及び効果は、上記第一の実施形
態と同様である。図5は、本発明の磁石埋込型回転子の
第4の実施形態を示す図であって、図2(a)と同様の
断面図である。なお、第1の実施形態と同一部分には同
一符号を付している。図5に示すように、この実施形態
においては、上記実施形態と異なり、ロータコア1に直
接に凹部を設けるのではなく、一端に凹部として溝4c
が設けられたシャフト19をロータコア1のシャフト穴
5に圧入するとともに、そのシャフト19の溝4cに嵌
合する突条15cを有する穴20を中間型9の底部の上
面に設けた点が上記実施の形態と異なる。
【0031】図6は、本発明の磁石埋込型回転子の第5
の実施形態を示す図であり、図2と同様に、本発明の磁
石埋込型回転子の製造に用いられる金型を示す図であっ
て、(a)は断面図であり、(b)は上型が取り外され
た状態を示す平面図である。図6(a)に示すように、
この実施形態においては、上記実施形態と異なり、ロー
タコア1やシャフト19等に凹部を設けるのではなく、
凹部としてロータコア1のスリット2を利用し、そのス
リット2内で摺動可能なエジェクターピン17を用いる
点が上記実施の形態と異なる。
【0032】上記のような構成を備えたことにより、本
実施形態においては、スリット2に樹脂磁石3を充填す
る手順が上記実施の形態とは異なるため、以下にその手
順を説明する。まず、図6(b)に示すように、ロータ
コア1のシャフト穴5にコアピン16を挿通するととも
に、ロータコア1のスリット2の上端までエジェクター
ピン17を挿入して、図6(a)に示すように、スリッ
ト2の円弧の端部を金型7の永久磁石12に向けた状態
でロータコア1を中間型9に装着する。このように、エ
ジェクターピン17をスリット2内に挿入したことによ
り、ロータコア2の回転を防ぐことができ、且つスリッ
ト2とゲート11との位置合わせをすることができる。
【0033】次いで、中間型9の上面に上型8を配した
後、金型7の永久磁石12により磁気配向しながら、上
型8のゲート11から樹脂磁石3をロータコア1のスリ
ット2に注入するとともに、前記エジェクターピン15
を樹脂磁石3の注入量に応じて下方に移動させる。この
ように樹脂磁石3を注入することに連動してエジェクタ
ーピン17を下方に移動させることにより、スリット2
内を減圧することができるから、上型8のゲート11か
ら樹脂磁石3を吸引する作用が得られるため、樹脂磁石
3の注入圧を低く抑えてスリット2の変形を防止するこ
とができるとともに、樹脂磁石3をスリット2にほぼ隙
間なく充填することができ、不良品の発生率を低くする
ことができる。
【0034】そして、エジェクターピン17の先端部を
スリット2内に残した状態でエジェクターピン17の移
動を止め、スリット2内に注入された樹脂磁石3が凝固
した後、中間型9の上面から上型8を取り除き、エジェ
クターピン17で樹脂磁石3を押し上げて、ロータコア
1を中間型9から取り出す。その際、エジェクターピン
17と樹脂磁石3との接触面積は十分に大きいので、樹
脂磁石3のエジェクターピン接触面にエジェクターピン
17が食い込んだり、エジェクターピン17の跡が残っ
たりすることはほとんどない。
【0035】このように、スリット2にエジェクターピ
ン17を挿入した状態で磁気配向を行うため、金型7内
におけるロータコア1の回転を防ぐことができ、スリッ
ト2に樹脂磁石3を不具合なく充填することができると
ともに、スリット2に充填される樹脂磁石3を確実に配
向することができ、不良品の発生率を低くすることがで
きる。
【0036】なお、上記実施の形態は、本発明に係る磁
石埋込型回転子の実施例を示したものであり、ロータコ
ア1の種類、嵌合部の形状や位置などを限定するもので
はない。例えば、上記実施形態において、ロータコア1
に設けた凹部4をロータコア1の一端から他端まで達す
るように設けた例を示したが、一端から中間まで達する
ようにしても問題ない。
【0037】また、ロータコア1に設けた凹部4に対応
する凸部15を金型7に設けた例を示したが、凸部15
は凹部4に嵌合すればよく、突起であってもよい。さら
に、ロータコア1側に凹部4を設け、金型7側に凸部1
5を設けた例を示したが、逆にロータコア1側に凸部を
設け、金型7側に凹部を設けても問題ない。
【0038】また、ロータコア1のスリット2に異方性
の樹脂磁石3を磁気配向しながら充填する例を示した
が、等方性の樹脂磁石3を無配向で充填するのでもよ
く、その場合は配向磁場による回転力は発生しないが、
スリット2とゲート11との位置合わせとして使用する
とともに、着磁工程における回転止めとして使用すれば
よい。
【0039】さらに、ロータコア1に対して1極あたり
1つのスリット2を設ける例を示したが、上記実施の形
態はスリット2の数を限定するものではなく、複数層の
スリット2を設けてもよい。また、スリット2が円弧状
に形成されたものを示したが、スリット2の形状を限定
するものではなく、例えば、長方形であってもよい。
【0040】さらに、上記実施形態では、配向金型とし
て永久磁石埋込型としているが、電磁石により配向磁場
を発生するコイル励磁型であってもよい。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る磁石
埋込型回転子は、ロータコアに設けられたスリットに樹
脂磁石が充填されて形成される磁石埋込型回転子であっ
て、前記樹脂磁石の配向工程又は着磁工程で利用される
製造装置に設けられた製造装置側嵌合部に嵌合可能なロ
ータコア側嵌合部を設けたことにより、前記ロータコア
側嵌合部を前記製造装置側嵌合部に嵌合して、前記製造
装置内における前記ロータコアの回転を防ぐことができ
る。
【0042】また、本発明に係る充填方法は、前記注入
対象空間の内面に沿って摺動可能なエジェクターピンを
注入対象空間の注入口まで挿入したため、前記注入口の
位置がずれることがなく、前記注入対象空間に前記注入
物を不具合なく充填することができる。さらに、前記エ
ジェクターピンを、注入物の注入に連動して引き抜く方
向に移動させることにより、型の内部を減圧することが
でき、樹脂注入口から樹脂を吸引する作用が得られるた
め、樹脂の注入圧を低く抑えて、型の変形を防止するこ
とができるとともに、前記樹脂を型にほぼ隙間なく充填
して、充填効率を高めることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁石埋込型回転子の第1の実施形態を
示す図であって、(a)は平面図であり、(b)は
(a)のA−A線断面図である。
【図2】本発明の磁石埋込型回転子の製造に用いられる
金型を示す図であって、(a)は上型が取り付けられた
状態を示す(b)のB−B線断面図であり、(b)は上
型が取り外された状態を示す平面図である。
【図3】本発明の磁石埋込型回転子の第2の実施形態を
示す図であって、図2(b)と同様の平面図である。
【図4】本発明の磁石埋込型回転子の第3の実施形態を
示す図であって、図2(a)と同様の断面図である。
【図5】本発明の磁石埋込型回転子の第4の実施形態を
示す図であって、図2(a)と同様の断面図である。
【図6】本発明の磁石埋込型回転子の第5の実施形態を
示す図であって、図2と同様に、(a)は上型が取り付
けられた状態を示す(b)のC−C線断面図であり、
(b)は上型が取り外された状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 ロータコア 2 スリット 3 樹脂磁石 4 凹部 4a、4c 溝 4b 穴 5 シャフト穴 7 金型 8 上型 9 中間型 10 下型 12 永久磁石 15 凸部 15a、15c 突条 15b 突起 16 コアピン 19 シャフト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 1/28 H02K 1/28 A (72)発明者 内藤 真也 静岡県磐田市新貝2500番地 ヤマハ発動機 株式会社内 Fターム(参考) 5H002 AA07 AB07 AB08 AC07 AE08 5H622 CA02 CA07 CA13 CB04 CB05 PP20 QA03 QA04 QB05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータコアに設けられたスリットに樹脂
    磁石が充填されて形成される磁石埋込型回転子におい
    て、前記ロータコアに設けられたシャフト穴の内周面
    に、前記樹脂磁石の配向工程又は着磁工程で利用される
    製造装置に設けられた製造装置側嵌合部に嵌合可能なロ
    ータコア側嵌合部を設けたことを特徴とする磁石埋込型
    回転子。
  2. 【請求項2】 ロータコアに設けられたスリットに樹脂
    磁石が充填されて形成される磁石埋込型回転子におい
    て、前記ロータコアの外周面に、前記樹脂磁石の配向工
    程又は着磁工程で利用される製造装置に設けられた製造
    装置側嵌合部に嵌合可能なロータコア側嵌合部を設けた
    ことを特徴とする磁石埋込型回転子。
  3. 【請求項3】 ロータコアに設けられたスリットに樹脂
    磁石が充填されて形成される磁石埋込型回転子におい
    て、前記ロータコアの端面のうち少なくとも一方に、前
    記樹脂磁石の配向工程又は着磁工程で利用される製造装
    置に設けられた製造装置側嵌合部に嵌合可能なロータコ
    ア側嵌合部を設けたことを特徴とする磁石埋込型回転
    子。
  4. 【請求項4】 ロータコアに設けられたスリットに樹脂
    磁石が充填されて形成される磁石埋込型回転子におい
    て、前記ロータコアにシャフトを備え、そのシャフトの
    少なくとも一端に、前記樹脂磁石の配向工程又は着磁工
    程で利用される製造装置に設けられた製造装置側嵌合部
    に嵌合可能なシャフト側嵌合部を設けたことを特徴とす
    る磁石埋込型回転子。
  5. 【請求項5】 ロータコアに設けられたスリットに樹脂
    磁石を充填する充填方法であって、前記スリットにエジ
    ェクターピンを挿入した状態で、前記スリットに前記樹
    脂磁石を充填することを特徴とする充填方法。
  6. 【請求項6】 注入対象空間の内面に沿って摺動可能な
    エジェクターピンを前記注入空間の注入口まで挿入した
    後、前記注入口から注入物を注入するとともに、注入物
    の注入に連動して前記エジェクターピンを引き抜く方向
    に移動させることを特徴とする充填方法。
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