JP2016123227A - 樹脂充填方法及び樹脂充填装置 - Google Patents

樹脂充填方法及び樹脂充填装置 Download PDF

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Abstract

【課題】磁石と積層鉄心との接触を避けて、磁石の能力に損失が生じることを防止することができる樹脂充填方法及び樹脂充填装置を提供すること。【解決手段】樹脂充填方法においては、丸形状を有する一対の大ゲート2Aと、大ゲート2Aの開口面積よりも開口面積が小さく、かつ長辺部52Aが伸びる方向に長いスリット形状を有する小ゲート2Bとを備えた樹脂充填装置1を用いる。積層鉄心4の端面41Aにおいて、一対の樹脂溜まり部44に大ゲート2Aをそれぞれ対向させるとともに、第2微小間隙部45Bに小ゲート2Bを対向させる。この状態において、大ゲート2A及び小ゲート2Bから充填用隙間43へ樹脂6を注入するとともに、ガイドピン26を、大ゲート2A及び小ゲート2Bが配置された積層鉄心4の端面41Aとは反対側の端面41Bへ引き出す。【選択図】図5

Description

本発明は、回転電機用ロータの積層鉄心の磁石配置穴に磁石を固定するための樹脂を充填する樹脂充填方法及び樹脂充填装置に関する。
回転電機に用いられるロータを製造する技術としては、複数の電磁鋼板が積層された積層鉄心に磁石配置穴を設け、磁石配置穴に磁石を配置したときに形成される隙間に樹脂(熱硬化性樹脂)を充填する技術が知られている。例えば、特許文献1の回転子積層鉄心の製造装置及び製造方法においては、回転子積層鉄心の複数の磁石挿入孔に挿入された永久磁石を、磁石挿入孔に注入する樹脂によって固定することが開示されている。
特開2006−197693号公報
樹脂によって磁石を固定する、特許文献1等の技術においては、ステータの内周側に回転可能に配置されるインナーロータを製造する際に、インナーロータの積層鉄心の磁石配置穴における隙間に対して、内周側から樹脂を注入している。そして、磁石ができるだけステータに近い位置に配置される状態で、この磁石を固定し、磁気回路の形成を有利にしている。
しかしながら、最近の研究により、磁石が積層鉄心に接触すると、磁石の能力に損失を生じさせることが分かってきた。具体的には、磁石が積層鉄心に接触することによって磁石内に渦電流が発生しやすくなり、磁石の能力の損失が増加する。また、渦電流が発生すると磁石が発熱して磁石の減磁が起こりやすくなり、これを回避しようとすると高価な希少材料(ジスプロシウム等)の使用量を増やす必要があり、コストの増加を招くことになる。ここで、特許文献1に示されるように、磁石配置穴における隙間に対して、内周側からのみ樹脂の注入を行う場合には、磁石配置穴における隙間の全体に樹脂が到達しにくく、磁石が積層鉄心に接触するおそれがある。この場合、上述したような磁石の能力が損失する課題がある。そのため、磁石配置穴における隙間に対して樹脂を注入するゲートの位置の設計が重要になる。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、磁石と積層鉄心との接触を避けて、磁石の能力に損失が生じることを防止することができる樹脂充填方法及び樹脂充填装置を提供しようとして得られたものである。
本発明の一態様は、回転電機用ロータの積層鉄心の端面から軸線方向に沿って設けられた磁石配置穴に磁石が配置されて形成される充填用隙間へ樹脂を充填する樹脂充填方法であって、
上記充填用隙間における、上記磁石の一対の短辺部との対向部位には、樹脂が溜められる一対の樹脂溜まり部が形成されており、上記充填用隙間における、上記磁石の一対の長辺部との対向部位には、該長辺部が伸びる方向に沿って第1微小間隙部及び第2微小間隙部が形成されており、
上記一対の樹脂溜まり部には、上記磁石配置穴に上記磁石を保持するためのガイドピンがそれぞれ挿入されており、
該ガイドピンは、該ガイドピンの中心から、上記短辺部における、上記第2微小間隙部の側に位置する角部までの距離が、該ガイドピンの中心から、上記短辺部における、上記第1微小間隙部の側に位置する角部までの距離よりも短くなる位置に配置されており、
上記積層鉄心の端面において、上記一対の樹脂溜まり部と上記第1微小間隙部とに、樹脂を吐出させるためのゲートをそれぞれ対向させ、
該各ゲートから上記充填用隙間へ上記樹脂を注入するとともに、上記ガイドピンを、上記ゲートが配置された上記積層鉄心の端面とは反対側の端面へ引き出すことを特徴とする樹脂充填方法にある。
本発明の他の態様は、回転電機用ロータの積層鉄心の端面から軸線方向に沿って設けられた磁石配置穴に磁石が配置されて形成される充填用隙間へ樹脂を充填する樹脂充填方法であって、
上記充填用隙間における、上記磁石の一対の短辺部との対向部位には、樹脂が溜められる一対の樹脂溜まり部が形成されており、上記充填用隙間における、上記磁石の一対の長辺部との対向部位には、該長辺部が伸びる方向に沿って一対の微小間隙部が形成されており、
上記積層鉄心の端面において、上記一対の樹脂溜まり部に、樹脂を吐出させるための大ゲートをそれぞれ対向させるとともに、上記一対の微小間隙部に、上記大ゲートの開口面積よりも開口面積が小さく、かつ上記長辺部が伸びる方向に長い形状を有する、樹脂を吐出させるための小ゲートをそれぞれ対向させ、
上記大ゲート及び上記小ゲートから上記充填用隙間へ上記樹脂を注入することを特徴とする樹脂充填方法にある。
本発明のさらに他の態様は、回転電機用ロータの積層鉄心の端面に設けられた磁石配置穴に磁石が配置されて形成される充填用隙間へ樹脂を充填する際に、上記積層鉄心の端面に対向して配置される樹脂充填装置であって、
上記充填用隙間における、上記磁石の一対の短辺部との対向部位には、樹脂が溜められる一対の樹脂溜まり部が形成されており、上記充填用隙間における、上記磁石の一対の長辺部との対向部位には、該長辺部が伸びる方向に沿って一対の微小間隙部が形成されており、
上記樹脂充填装置は、上記一対の樹脂溜まり部にそれぞれ対向して配置され、該一対の樹脂溜まり部から上記充填用隙間へ上記樹脂を注入する一対の大ゲートと、
上記一対の微小間隙部の少なくとも一方に対向して配置され、該微小間隙部から上記充填用隙間へ上記樹脂を注入するとともに、上記大ゲートの開口面積よりも開口面積が小さい小ゲートと、
上記一対の大ゲート及び上記小ゲートにつながるランナーと、を備えており、
上記小ゲートは、上記長辺部が伸びる方向に沿って長い形状に形成されていることを特徴とする樹脂充填装置にある。
上記一態様の樹脂充填方法においては、一対の樹脂溜まり部にガイドピンがそれぞれ挿入されている場合について、充填用隙間へのゲートの配置に工夫をしている。
具体的には、一対の樹脂溜まり部においては、磁石の短辺部における第2微小間隙部に近い側にガイドピンが配置されている。また、一対の樹脂溜まり部と第1微小間隙部とには、ゲートを対向させる。
ここで、「短辺部」とは、積層鉄心の端面に現れる磁石の略長方形の平面における短辺を含む、積層鉄心の軸線方向に形成される面のことをいう。「長辺部」とは、積層鉄心の端面に現れる磁石の略長方形の平面における長辺を含む、積層鉄心の軸線方向に形成される面のことをいう。
充填用隙間へ樹脂を充填するに当たっては、各樹脂溜まり部及び第1微小間隙部に対向するそれぞれのゲートから充填用隙間へ樹脂を注入する。また、この樹脂の注入を行う際には、ガイドピンを、各ゲートが配置された積層鉄心の端面とは反対側の端面へ引き出す。そして、各ゲートから各樹脂溜まり部にそれぞれ注入される樹脂は、各樹脂溜まり部から各微小間隙部へ流動することができる。また、ゲートから第1微小間隙部に注入される樹脂は、第1微小間隙部を重点的に充満しつつ、各樹脂溜まり部へ流動することができる。
さらに、樹脂溜まり部からガイドピンを引き出すときには、ガイドピンが配置されていた部分は負圧状態になる。ガイドピンは、一対の樹脂溜まり部における、磁石の短辺部の第2微小間隙部に近い側に配置されており、樹脂溜まり部においては、ゲートから注入される樹脂が、負圧状態になる第2微小間隙部に近い側へ流動しやすい状態が形成される。これにより、ゲートが配置されていない第2微小間隙部へは、ガイドピンが引き出される際に生じる負圧状態を利用して、重点的に樹脂を充満させることができる。
こうして、第1微小間隙部と第2微小間隙部とにバランスよく樹脂を充満させることができ、充填用隙間の全体に樹脂を容易に到達させることができる。これにより、磁石の一対の短辺部及び一対の長辺部の全体において、磁石と積層鉄心とが直接接触することを防止することができる。その結果、磁石の能力に損失が生じることを防止して、回転電機用ロータを製造することができる。
それ故、上記樹脂充填方法によれば、磁石と積層鉄心との接触を避けて、磁石の能力に損失が生じることを防止することができる。
上記他の態様の樹脂充填方法においては、充填用隙間へのゲートの配置に工夫をしている。
具体的には、一対の樹脂溜まり部には、大ゲートをそれぞれ対向させ、一対の微小間隙部には、小ゲートをそれぞれ対向させる。そして、充填用隙間へ樹脂を充填するに当たっては、一対の大ゲートから各樹脂溜まり部に樹脂を注入するとともに、一対の小ゲートから各微小間隙部に樹脂を注入する。
このとき、各大ゲートから各樹脂溜まり部にそれぞれ注入される樹脂は、各樹脂溜まり部から各微小間隙部へ流動することができる。また、各小ゲートから各微小間隙部に注入される樹脂は、各微小間隙部を充満しつつ、各樹脂溜まり部へ流動することができる。また、小ゲートが、長辺部が伸びる方向に長く形成されていることにより、微小間隙部への樹脂の注入を容易にすることができる。
こうして、一対の微小間隙部にバランスよく樹脂を充満させることができ、充填用隙間の全体に樹脂を容易に到達させることができる。これにより、磁石の一対の短辺部及び一対の長辺部の全体において、磁石と積層鉄心とが直接接触することを防止することができる。その結果、磁石の能力に損失が生じることを防止して、回転電機用ロータを製造することができる。
それ故、上記他の態様の樹脂充填方法によっても、磁石と積層鉄心との接触を避けて、磁石の能力に損失が生じることを防止することができる。
上記樹脂充填装置においては、大ゲート及び小ゲートを備えていることにより、上記樹脂充填方法の場合と同様に、充填用隙間の全体に樹脂を到達させることができ、磁石と積層鉄心とが接触することを防止することができる。
それ故、上記樹脂充填装置によっても、磁石と積層鉄心との接触を避けて、磁石の能力に損失が生じることを防止することができる。
実施例1にかかる、樹脂充填装置を示す断面説明図。 実施例1にかかる、充填用隙間へ樹脂を充填する前の樹脂充填装置を、図1とは異なる方向から見た状態で示す断面説明図。 実施例1にかかる、充填用隙間へ樹脂を充填した状態の樹脂充填装置を、図1とは異なる方向から見た状態で示す断面説明図。 実施例1にかかる、積層鉄心の磁石配置穴に磁石が配置されて形成された充填用隙間を示す平面図。 実施例1にかかる、充填用隙間へ樹脂を充填する樹脂充填装置を示す平面図。 実施例2にかかる、充填用隙間へ樹脂を充填する樹脂充填装置を示す平面図。 実施例2にかかる、充填用隙間へ樹脂を充填する他の樹脂充填装置を示す平面図。 実施例2にかかる、充填用隙間へ樹脂を充填する他の樹脂充填装置を示す断面説明図。
上述した樹脂充填方法における好ましい実施の形態について説明する。
上記樹脂充填方法においては、上記一対の樹脂溜まり部にそれぞれ挿入された上記ガイドピンの中心から、上記短辺部における、上記第2微小間隙部の側に位置する角部までの距離は、上記一対の樹脂溜まり部にそれぞれ配置された上記ゲートの中心から、上記短辺部における、上記第2微小間隙部の側に位置する角部までの距離よりも短くすることができる。
この場合には、一対の樹脂溜まり部から、ゲートが配置されていない第2微小間隙部への樹脂の流れを、より確実に形成することができる。
また、上記第1微小間隙部に対向させるゲートの開口面積は、上記一対の樹脂溜まり部に対向させるゲートの開口面積よりも小さくし、かつ、上記第1微小間隙部に対向させるゲートは、上記長辺部が伸びる方向に長い形状にすることができる。
この場合には、第1微小間隙部への樹脂の注入を容易にすることができ、第1微小間隙部への樹脂の充填を、より確実に行うことができる。
また、上記小ゲートは、上記長辺部が伸びる方向に長いスリット形状に形成することができる。
この場合には、小ゲートの形状が適切であり、小ゲートから微小間隙部へ一層容易に樹脂を注入することができる。
なお、小ゲートは、長辺部が伸びる方向に並ぶ複数の微小開口部によって形成することもできる。
また、上記積層鉄心の周方向に複数並ぶ上記磁石配置穴のうちの互いに隣り合う2つの磁石配置穴である磁石配置穴組の上記充填用隙間に対して同時に上記樹脂を充填するとともに、全ての上記磁石配置穴組の上記充填用隙間に対して順次上記樹脂を充填することができる。
この場合には、樹脂の充填を磁石配置穴組ごとに行うことができ、樹脂を充填するための動力を低減することができる。
以下に、樹脂充填方法及び樹脂充填装置にかかる実施例について、図面を参照して説明する。
(実施例1)
本例の樹脂充填方法においては、図1に示すように、回転電機用ロータの積層鉄心4の端面41Aから軸線方向Lに沿って設けられた磁石配置穴42に、略直方体の磁石5が配置されて形成される充填用隙間43へ樹脂6を充填する。
図4に示すように、充填用隙間43における、磁石5の一対の短辺部51との対向部位には、樹脂6が溜められる一対の樹脂溜まり部44が形成されており、充填用隙間43における、磁石5の一対の長辺部52A,52Bとの対向部位には、長辺部52A,52Bが伸びる方向に沿って第1微小間隙部45A及び第2微小間隙部45Bが形成されている。
ここで、「短辺部51」とは、積層鉄心4の端面41Aに現れる磁石5の略長方形の平面における短辺を含む、積層鉄心4の軸線方向Lに形成される面のことをいう。「長辺部52A,52B」とは、積層鉄心4の端面41Aに現れる磁石5の略長方形の平面における長辺を含む、積層鉄心4の軸線方向Lに形成される面のことをいう。
図2、図4に示すように、一対の樹脂溜まり部44には、磁石配置穴42に磁石5を保持するためのガイドピン26がそれぞれ挿入されている。ガイドピン26は、ガイドピン26の中心から、短辺部51における、第2微小間隙部45Bの側に位置する角部53Bまでの距離が、ガイドピン26の中心から、短辺部51における、第1微小間隙部45Aの側に位置する角部53Aまでの距離よりも短くなる位置に配置されている。
樹脂充填方法においては、図5に示すように、丸形状を有する、樹脂6を吐出させるための一対の大ゲート2Aと、大ゲート2Aの開口面積よりも開口面積が小さく、かつ長辺部52Aが伸びる方向に長いスリット形状を有する、樹脂6を吐出させるための小ゲート2Bとを備えた樹脂充填装置1を用いる。充填用隙間43へ樹脂6を充填するに当たっては、積層鉄心4の端面41Aにおいて、一対の樹脂溜まり部44に大ゲート2Aをそれぞれ対向させるとともに、第2微小間隙部45Bに小ゲート2Bを対向させる。そして、この状態において、大ゲート2A及び小ゲート2Bから充填用隙間43へ樹脂6を注入するとともに、ガイドピン26を、大ゲート2A及び小ゲート2Bが配置された積層鉄心4の端面41Aとは反対側の端面41Bへ引き出す。
ここで、本例においては、第1微小間隙部45Aとは、積層鉄心4の外周側に位置する微小間隙部45Aのことをいい、第2微小間隙部45Bとは、積層鉄心4の内周側に位置する微小間隙部45Bのことをいう。また、積層鉄心4の外周側に位置する長辺部を符号52Aで示し、積層鉄心4の内周側に位置する長辺部を符号52Bで示す。
次に、回転電機用ロータについて説明する。
図1、図4に示すように、本例の回転電機用ロータは、ステータの内周側に配置されるインナーロータである。ロータは、積層鉄心4の磁石配置穴42に樹脂6によって磁石(永久磁石)5が固定され、積層鉄心4の中心部に回転軸が取り付けられて形成される。積層鉄心4は、その軸線方向Lに複数の電磁鋼板40を積層して形成されており、磁石配置穴42は、各電磁鋼板40に設けられた穴部によって形成されている。積層鉄心4における磁石配置穴42は、磁石配置穴42に配置される磁石5がステータにおける各コイルと対向して磁気回路が形成されるよう、積層鉄心4の周方向Cに複数並んで配列されている。また、積層鉄心4においては、互いに隣り合う2つの磁石配置穴42が磁石配置穴組420を構成しており、この磁石配置穴組420が、積層鉄心4の中心の回りの周方向Cに並んで、放射状に複数組形成されている。
図4に示すように、磁石配置穴42は、積層鉄心4の径方向Rにおける長さに比べて、積層鉄心4の周方向Cにおける長さが長くなる状態で形成されている。磁石5は、周方向C及び径方向Rに対して傾斜して、磁石配置穴42に配置されている。積層鉄心4の端面41Aから見たときの磁石5における一対の短辺部51は、周方向Cに近い方向に向けられて配置されており、積層鉄心4の端面41Aから見たときの磁石5における一対の長辺部52A,52Bは、径方向Rに近い方向に向けられて配置されている。
なお、磁石5における、一対の短辺部51と外周側の長辺部52Aとの角部53Aには、傾斜面が形成されていてもよい。
磁石配置穴42における樹脂溜まり部44は、磁石5の性能を確保するために形成された部分である。磁石配置穴42における一対の微小間隙部45A,45Bは、磁石5の長辺部52A,52Bと磁石配置穴42の内壁面との間隙幅をほぼ一定にして形成されている。この微小間隙部45A,45Bの間隙幅は、磁石5を磁石配置穴42に配置するために最低限必要な間隙に、寸法公差を加味して設定される。また、樹脂6は、熱可塑性樹脂であり、加熱することによって溶融し、その後冷却されて硬化するものである。
また、樹脂溜まり部44は、充填用隙間43における、磁石5の一対の長辺部52A,52Bとの対向部位であって、磁石5の角部53A,53Bの周辺にも形成されている(この樹脂溜まり部44を符号441で示す。)。
次に、本例の樹脂充填装置1について説明する。
図5に示すように、樹脂充填装置1は、一対の大ゲート2Aと、1つの小ゲート2Bと、一対の大ゲート2A及び1つの小ゲート2Bにつながるランナー22と、ランナー22につながるスプルー23と、スプルー23に樹脂6を送り出すためのスクリュー24及びシリンダー25とを備えている。
一対の大ゲート2Aは、一対の樹脂溜まり部44にそれぞれ対向して配置され、小ゲート2Bは、第1微小間隙部45Aに対向して配置される。スリット形状の小ゲート2Bが、第1微小間隙部45Aに沿って配置されることにより、この第1微小間隙部45Aへの樹脂6の注入を容易にすることができる。
本例の樹脂充填装置1は、シリンダー25内に配置されたスクリュー24の回転によって、溶融した樹脂6を押し出して射出成形を行うものである。樹脂充填装置1において、シリンダー25の先端部には、樹脂6が通過するスプルー23が設けられており、スプルー23と一対の大ゲート2A及び小ゲート2Bとの間は、ランナー22によって接続されている。ランナー22は、スプルー23から複数に分岐して形成されており、各ランナー22の先端位置には、一対の大ゲート2A及び小ゲート2Bが形成されている。
より具体的には、スプルー23は、磁石配置穴組420の周方向Cにおける中間位置に配置され、ランナー22は、磁石配置穴組420における各充填用隙間43に向けて、スプルー23から2つに分岐して形成されている。また、ランナー22の先端部分221は、2つの大ゲート2Aと1つの小ゲート2Bとに向けて3つに分岐されている。
本例のランナー22は、ブロック27の内部に穴加工を行って形成されている。これ以外にも、ランナー22は、配管によって形成することもできる。
樹脂充填装置1は、互いに隣り合う2つの磁石配置穴42である磁石配置穴組420における充填用隙間43に対して同時に樹脂6の充填を行うよう構成されている。そして、樹脂充填装置1と積層鉄心4とを相対的に移動させることにより、樹脂充填装置1が未充填の磁石配置穴組420に対して順次配置され、この移動を繰り返すことによって全ての磁石配置穴組420の充填用隙間43に対して樹脂6を充填する。
なお、樹脂充填装置1と積層鉄心4との相対的な移動を行うための具体的な機構は図示していない。例えば、樹脂充填装置1をアーム上に設けて移動可能とし、固定された積層鉄心4に対して樹脂充填装置1を逐次移動させて、樹脂の充填を行うことができる。また、積層鉄心4を載置する載置台に回転機構を設け、位置を固定した樹脂充填装置1に対して積層鉄心4を順次所定量ずつ回転させて(インデックスさせて)、樹脂の充填を行うこともできる。
図1、図2に示すように、積層鉄心4は、載置台3に載置されて位置が固定される。そして、載置台3に載置された積層鉄心4の上側の端面41Aに樹脂充填装置1を配置するときには、載置台3と樹脂充填装置1との間に積層鉄心4を挟み込むことができる。
積層鉄心4を挟み込むに当たっては、樹脂充填装置1にシリンダー機構、モータ等の荷重を加えられる機構を連結させて積層鉄心4を押圧できるように構成し、樹脂充填装置1と載置台3とによって積層鉄心4を押圧するようにすることができる。これにより、樹脂充填装置1と積層鉄心4の端面41Aとの間、載置台3と積層鉄心4の端面41Bとの間、さらに電磁鋼板40同士の間を密閉することができる。そして、これらの間の隙間から樹脂6が漏れることを防止しつつ、充填用隙間43に樹脂6を充填することができる。
また、樹脂充填装置1が積層鉄心4の端面41Aに配置されるときには、積層鉄心4の磁石配置穴組420における各充填用隙間43における、一対の大ゲート2A及び小ゲート2Bの配置位置を除く残りの開口部分は、ブロック27によって塞がれる。そして、一対の大ゲート2A及び小ゲート2Bから充填用隙間43へ、所定の圧力で樹脂6を吐出させることができる。
また、図示は省略するが、ブロック27には、一対の大ゲート2A及び小ゲート2Bを開閉することができるシャッターが設けられている。このシャッターは、充填用隙間43への樹脂6の充填を行っていないときには、各ゲート2A,2Bを閉じるように構成されている。そして、充填時以外の時には、シャッターによって、樹脂6が各ゲート2A,2Bから漏れないようにする。
なお、積層鉄心4の端面41Aにおける各充填用隙間43を完全に塞がなくてもよい場合もあると考えられる。この場合には、一対の大ゲート2A及び小ゲート2Bから充填用隙間43へ樹脂6を流し込むことができる。
積層鉄心4の各磁石配置穴42にそれぞれ磁石5を配置するときには、図2、図4に示すように、磁石配置穴42に対する磁石5の配置状態を維持するためのガイドピン26を使用する。ガイドピン26は、積層鉄心4の軸線方向Lに平行に伸びる状態で、一対の樹脂溜まり部44に挿入される。ガイドピン26は、樹脂溜まり部44における、第2微小間隙部45Bに近い位置に配置されている。そして、第1微小間隙部45Aには小ゲート2Bから樹脂6が充填されやすくなっており、第2微小間隙部45Bには、樹脂溜まり部44から樹脂6が充填されやすくなっている。
図5に示すように、一方のガイドピン26は、積層鉄心4を端面41Aから見たときの平面方向において、大ゲート2Aが配置される位置と略同じ位置に配置されている。また、他方のガイドピン26は、積層鉄心4を端面41Aから見たときの平面方向において、大ゲート2Aが配置される位置よりも積層鉄心4の内周側の位置(大ゲート2Aが配置された位置よりも第2微小間隙部45Bに近い位置)に配置されている。
また、図示は省略するが、一対のガイドピン26は、積層鉄心4を端面41Aから見たときの平面方向において、大ゲート2Aが配置される位置よりも積層鉄心4の内周側の位置に配置することもできる。言い換えれば、一対の樹脂溜まり部44にそれぞれ挿入されたガイドピン26の中心から、短辺部51における、第2微小間隙部45Bの側に位置する角部53Bまでの距離は、一対の樹脂溜まり部44にそれぞれ配置された小ゲート2Bの中心から、短辺部51における、第2微小間隙部45Bの側に位置する角部53Bまでの距離よりも短くすることもできる。
本例の樹脂充填装置1においては、図3に示すように、充填用隙間43に一対の大ゲート2A及び小ゲート2Bから樹脂6を注入する際には、一対のガイドピン26を、大ゲート2A及び小ゲート2Bが配置された積層鉄心4の端面41Aとは反対側の端面41Bへ引き出す。そして、一対のガイドピン26を一対の樹脂溜まり部44から引き出す際には、ガイドピン26が配置されていた部分を負圧状態にし、この部分に樹脂6が流動しやすくする。
また、上述したように、ガイドピン26から第2微小間隙部45Bまでの距離を、大ゲート2Aから第2微小間隙部45Bまでの距離よりも短くすることができる。この場合には、一対の大ゲート2Aから吐出される樹脂6の流れを、ガイドピン26が引き出されたときに生じる負圧状態によって、小ゲート2Bが配置されていない第2微小間隙部45Bの側へ向けやすくすることができる。
次に、本例の樹脂充填装置1を用いて充填用隙間43に樹脂6の充填を行う方法、及び本例の作用効果について説明する。
まず、図4に示すように、載置台3に、積層鉄心4を載置するとともに、積層鉄心4における各磁石配置穴42に磁石5を配置する。そして、磁石5が配置された磁石配置穴42における一対の樹脂溜まり部44に一対のガイドピン26を挿入し、一対のガイドピン26によって、磁石5が磁石配置穴42に配置された状態を保持する。
次いで、図1、図2に示すように、積層鉄心4におけるいずれかの磁石配置穴組420の2つの充填用隙間43に対して、樹脂充填装置1を配置する。このとき、一対の大ゲート2Aが一対の樹脂溜まり部44に対向して配置され、小ゲート2Bが第1微小間隙部45Aに対向して配置される。また、充填用隙間43における、大ゲート2A及び小ゲート2Bの配置位置を除く残りの開口部分は、ブロック27によって塞がれる。
次いで、図3、図5に示すように、シャッターによって一対の大ゲート2A及び小ゲート2Bが開けられ、スプルー23及びランナー22を経由して送られる樹脂6が、一対の大ゲート2A及び小ゲート2Bから、それぞれ一対の樹脂溜まり部44及び第1微小間隙部45Aへ注入される。また、シャッターによって一対の大ゲート2A及び小ゲート2Bが開けられると同時に、一対のガイドピン26が、一対の樹脂溜まり部44から積層鉄心4の端面41Bの側へ引き出される。
このとき、充填用隙間43における、積層鉄心4の端面41A側の開口部分がブロック27によって塞がれ、充填用隙間43における、積層鉄心4の端面41B側の開口部分が載置台3によって塞がれている。そのため、各ガイドピン26が引き出されるときには、各ガイドピン26が配置されていた部分が負圧状態になる。これにより、各大ゲート2Aから各樹脂溜まり部44にそれぞれ注入される樹脂6は、ガイドピン26が位置する第2微小間隙部45Bの方向(短辺部51の内周側の方向)へ流動しやすくなる。そのため、一対の樹脂溜まり部44に注入される樹脂6を、ガイドピン26が引き出される際に生じる負圧状態を利用して、第2微小間隙部45Bへ導き、この第2微小間隙部45Bに充満させることができる。
また、図4、図5に示すように、磁石5の角部53Bの周辺であって、第2微小間隙部45Bの両側に隣接する位置に樹脂溜まり部441が形成されている。これにより、一対の大ゲート2Aから吐出される樹脂6の流れを、ガイドピン26が引き出されたときに生じる負圧状態によって、小ゲート2Bが配置されていない第2微小間隙部45Bの側へ、さらに導きやすくし、第2微小間隙部45Bに充満させることができる。
一方、第1微小間隙部45Aへは、小ゲート2Bから注入される樹脂6を充満させることができる。また、小ゲート2Bから第1微小間隙部45Aに注入される樹脂6は、この微小間隙部45Aを充満しつつ、一対の樹脂溜まり部44へ流動することもできる。また、スリット形状の小ゲート2Bが、長辺部52Aが伸びる方向に長く形成されていることにより、第1微小間隙部45Aへの樹脂6の注入を容易にすることができる。
以降、樹脂充填装置1と積層鉄心4とを相対的に順次移動させて、全ての磁石配置穴組420の充填用隙間43に対して樹脂6を充填する。
こうして、充填用隙間43における、磁石5の一対の短辺部51との対向部位に形成された一対の樹脂溜まり部44、及び磁石5の一対の長辺部52A,52Bとの対向部位に形成された一対の微小間隙部45A,45Bの全体に樹脂6を到達させることができる。そして、磁石5と積層鉄心4とが直接接触することを防止することができる。その結果、磁石5の能力に損失が生じることを防止して、回転電機用ロータを製造することができる。
それ故、本例の樹脂充填装置1及び樹脂充填方法によれば、磁石5と積層鉄心4との接触を避けて、磁石5の能力に損失が生じることを防止することができる。
なお、本例の樹脂充填装置1及び樹脂充填方法においては、一対のガイドピン26の引き出しを利用することによって、充填用隙間43へ樹脂6を注入するゲート数を、一対の大ゲート2Aと小ゲート2Bとの3つにすることができる。これにより、ゲート数を4つとする場合(後述する実施例2の図7参照。)に比べて、ゲート2A,2B及びランナー22の設計自由度を向上させることができる。さらに、ガイドピン26を用いることにより、磁石5を磁石配置穴42内の所望の位置に位置決めすることができるという効果も得られる。
また、磁石5が積層鉄心4に接触しないことにより、磁石5内に渦電流が発生しにくくすることができる。これにより、渦電流による磁石5の発熱を抑えることができ、磁石5の減磁が起こりにくくすることができる。そして、磁石5の減磁を回避するために、高価な希少材料(ジスプロシウム等)の使用量を増やす必要もなくなり、回転電機用ロータの製造コストを低く抑えることができる。
また、詳細は省略するが、磁石配置穴42に磁石5を保持するためのガイドピン26は、磁石の長辺部52A,52Bに対向して形成された樹脂溜まり部441にそれぞれ挿入することもできる(図4参照)。この場合には、ガイドピン26を引き出す際に生じる負圧状態を、第1微小間隙部45A及び第2微小間隙部45Bに直接作用させ、一対の樹脂溜まり部44から注入される樹脂6を、第1微小間隙部45A及び第2微小間隙部45Bへ導きやすくすることができる。また、この場合には、小ゲート2Bを廃止することができ、充填用隙間43へは、一対の大ゲート2Aのみから樹脂6を注入することができる。
(実施例2)
本例においては、実施例1に示した樹脂充填装置1とは異なる種々の構成の樹脂充填装置1について示す。
図6に示すように、樹脂充填装置1におけるスプルー23は、磁石配置穴42に配置された磁石5に軸線方向Lから対向する位置に配置することもできる。この場合、ランナー22は、磁石5に対向する位置において、一対の大ゲート2Aと小ゲート2Bとに分岐して形成される。
また、図7に示すように、スプルー23を磁石5に対向する位置に配置し、小ゲート2Bを、第1微小間隙部45Aに対向する位置と、第2微小間隙部45Bに対向する位置とに配置することもできる。この場合、ランナー22は、磁石配置穴42に対向する位置において、一対の大ゲート2Aと一対の小ゲート2Bとに分岐して形成される。また、この場合には、ガイドピン26は、充填用隙間43へ樹脂6の充填を開始する前に予め抜き出しておくことができる。そして、一対の小ゲート2Bによって第1微小間隙部45Aと第2微小間隙部45Bとにバランスよく樹脂6を充満させることができ、充填用隙間43の全体に樹脂6を容易に到達させることができる。
また、図8に示すように、樹脂充填装置1Aは、成形を1回行うごとに樹脂6を補充するトランスファ成形を行うものとすることもできる。この場合、樹脂成形装置1Aは、樹脂6を押し出すプランジャー32が設けられた下型31、及び下型31に対して配置された積層鉄心4を、下型31との間に挟み込む上型33によって構成することができる。また、下型31には、大ゲート2A及び小ゲート2Bが設けられたゲートプレート34を着脱可能に配置する。そして、プランジャー32によって、ゲートプレート34における大ゲート2A及び小ゲート2Bを介して充填用隙間43へ樹脂6を送り出すことができる。
樹脂充填装置1Aにおいても、大ゲート2A及び小ゲート2Bの構成は、上述した種々の構成と同様にすることができる。また、この場合には、積層鉄心4における全ての磁石配置穴42における充填用隙間43に対して同時に樹脂6の充填が行われる。
本例の樹脂充填装置1のその他の構成及び図中の符号は実施例1と同様であり、本例のその他の作用効果は、実施例1と同様である。
1 樹脂充填装置
2A 大ゲート
2B 小ゲート
22 ランナー
26 ガイドピン
4 積層鉄心
41A,41B 端面
42 磁石配置穴
420 磁石配置穴組
43 充填用隙間
44 樹脂溜まり部
45A 第1微小間隙部
45B 第2微小間隙部
5 磁石
51 短辺部
52A,52B 長辺部
6 樹脂

Claims (7)

  1. 回転電機用ロータの積層鉄心の端面から軸線方向に沿って設けられた磁石配置穴に磁石が配置されて形成される充填用隙間へ樹脂を充填する樹脂充填方法であって、
    上記充填用隙間における、上記磁石の一対の短辺部との対向部位には、樹脂が溜められる一対の樹脂溜まり部が形成されており、上記充填用隙間における、上記磁石の一対の長辺部との対向部位には、該長辺部が伸びる方向に沿って第1微小間隙部及び第2微小間隙部が形成されており、
    上記一対の樹脂溜まり部には、上記磁石配置穴に上記磁石を保持するためのガイドピンがそれぞれ挿入されており、
    該ガイドピンは、該ガイドピンの中心から、上記短辺部における、上記第2微小間隙部の側に位置する角部までの距離が、該ガイドピンの中心から、上記短辺部における、上記第1微小間隙部の側に位置する角部までの距離よりも短くなる位置に配置されており、
    上記積層鉄心の端面において、上記一対の樹脂溜まり部と上記第1微小間隙部とに、樹脂を吐出させるためのゲートをそれぞれ対向させ、
    該各ゲートから上記充填用隙間へ上記樹脂を注入するとともに、上記ガイドピンを、上記ゲートが配置された上記積層鉄心の端面とは反対側の端面へ引き出すことを特徴とする樹脂充填方法。
  2. 上記一対の樹脂溜まり部にそれぞれ挿入された上記ガイドピンの中心から、上記短辺部における、上記第2微小間隙部の側に位置する角部までの距離は、上記一対の樹脂溜まり部にそれぞれ配置された上記ゲートの中心から、上記短辺部における、上記第2微小間隙部の側に位置する角部までの距離よりも短いことを特徴とする請求項1に記載の樹脂充填方法。
  3. 上記第1微小間隙部に対向させるゲートの開口面積は、上記一対の樹脂溜まり部に対向させるゲートの開口面積よりも小さくし、かつ、上記第1微小間隙部に対向させるゲートは、上記長辺部が伸びる方向に長い形状にすることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂充填方法。
  4. 回転電機用ロータの積層鉄心の端面から軸線方向に沿って設けられた磁石配置穴に磁石が配置されて形成される充填用隙間へ樹脂を充填する樹脂充填方法であって、
    上記充填用隙間における、上記磁石の一対の短辺部との対向部位には、樹脂が溜められる一対の樹脂溜まり部が形成されており、上記充填用隙間における、上記磁石の一対の長辺部との対向部位には、該長辺部が伸びる方向に沿って一対の微小間隙部が形成されており、
    上記積層鉄心の端面において、上記一対の樹脂溜まり部に、樹脂を吐出させるための大ゲートをそれぞれ対向させるとともに、上記一対の微小間隙部に、上記大ゲートの開口面積よりも開口面積が小さく、かつ上記長辺部が伸びる方向に長い形状を有する、樹脂を吐出させるための小ゲートをそれぞれ対向させ、
    上記大ゲート及び上記小ゲートから上記充填用隙間へ上記樹脂を注入することを特徴とする樹脂充填方法。
  5. 上記小ゲートは、上記長辺部が伸びる方向に長いスリット形状に形成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の樹脂充填方法。
  6. 上記積層鉄心の周方向に複数並ぶ上記磁石配置穴のうちの互いに隣り合う2つの磁石配置穴である磁石配置穴組の上記充填用隙間に対して同時に上記樹脂を充填するとともに、
    全ての上記磁石配置穴組の上記充填用隙間に対して順次上記樹脂を充填することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂充填方法。
  7. 回転電機用ロータの積層鉄心の端面に設けられた磁石配置穴に磁石が配置されて形成される充填用隙間へ樹脂を充填する際に、上記積層鉄心の端面に対向して配置される樹脂充填装置であって、
    上記充填用隙間における、上記磁石の一対の短辺部との対向部位には、樹脂が溜められる一対の樹脂溜まり部が形成されており、上記充填用隙間における、上記磁石の一対の長辺部との対向部位には、該長辺部が伸びる方向に沿って一対の微小間隙部が形成されており、
    上記樹脂充填装置は、上記一対の樹脂溜まり部にそれぞれ対向して配置され、該一対の樹脂溜まり部から上記充填用隙間へ上記樹脂を注入する一対の大ゲートと、
    上記一対の微小間隙部の少なくとも一方に対向して配置され、該微小間隙部から上記充填用隙間へ上記樹脂を注入するとともに、上記大ゲートの開口面積よりも開口面積が小さい小ゲートと、
    上記一対の大ゲート及び上記小ゲートにつながるランナーと、を備えており、
    上記小ゲートは、上記長辺部が伸びる方向に沿って長い形状に形成されていることを特徴とする樹脂充填装置。
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