JP2016067140A - ロータおよびロータの製造方法 - Google Patents

ロータおよびロータの製造方法 Download PDF

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裕介 沼田
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Abstract

【課題】 磁石がロータコアの積層方向の所望の位置に正確に内蔵された高品質なロータおよびロータの製造方法を提供すること。【解決手段】 本発明に係るロータは,ロータコアが,電磁鋼板の積層方向について,スロット内に磁石を収容する収容領域と,収容領域の一方の端部に隣接するとともに,スロット内に磁石を収容していない,2枚以上の電磁鋼板よりなる端部領域とを有するものである。そして,端部領域の電磁鋼板のうち,少なくとも収容領域に隣接する電磁鋼板は,磁石を,貫通孔の内側に通さない第1種の電磁鋼板である。【選択図】図2

Description

本発明は,回転電機に用いることのできるロータおよびロータの製造方法に関する。さらに詳細には,電磁鋼板を複数枚重ねてなるロータコアに磁石が内蔵されてなるロータおよびロータの製造方法に関する。
従来より,電動機や発電機などの回転電機に用いられるロータとして,電磁鋼板を積層してなるロータコアに複数の磁石が内蔵されているものがある。このようなロータは,例えば,ロータコアの積層方向に形成されたスロット内に磁石を収容し,スロットの壁面と磁石との隙間に充填樹脂を充填することにより製造することができる。
ロータの従来技術として,例えば,特許文献1が挙げられる。特許文献1には,鉄心片(電磁鋼板)を複数積層してなる積層体の磁石挿入部に永久磁石を挿入し,積層体を上下より金型で挟んだ状態で,上下の金型の一方の樹脂充填用の金型から磁石挿入部に樹脂部材を充填してなる回転子積層鉄心(ロータ)が開示されている。特許文献1では,複数の鉄心片のうち,樹脂充填用の金型に当接する鉄心片を除いた鉄心片に磁石挿入部を設けている。つまり,樹脂充填用の金型に当接する,積層方向の一端に位置する鉄心片については,磁石挿入部が設けられていないものを用いている。また,その樹脂充填用の金型に当接する積層方向の一端に位置する鉄心片については,樹脂充填用の金型から磁石挿入部に樹脂部材を充填するための樹脂充填孔が形成されている。樹脂充填孔は,平面視において磁石挿入部と重なる領域内に設けられており,磁石挿入部より小さいものである。そして,回転子積層鉄心をこのような構成とすることで,回転子積層鉄心の製造装置の装置構成を簡素なものとすることができるとされている。
特開2007−336718号公報
ところで,磁石としては,複数の電磁鋼板を積層してなるロータコアの積層方向の長さよりも,電磁鋼板2枚分の厚み程度よりもさらに短いものが用いられがちである。そして,ロータにおいて,磁石は,ロータコアのうち,積層方向における中央位置に固定されていることが好ましい。ロータをステータと組み合わせてなる回転電機の性能を安定して発揮させることができる,品質の高いロータとすることができるからである。
しかしながら,上記の従来技術においては,磁石は,樹脂充填用の金型に当接する積層方向の一端に位置する電磁鋼板に突き当たった状態で,充填された樹脂によって固定されてしまう。このため,上記の従来技術に係るロータにおいて,磁石は,ロータコアのうち,その積層方向の一方の端に偏った位置に内蔵されてしまうという問題があった。そして,そのような磁石が偏って内蔵されたロータによっては,十分な性能を安定して発揮することのできる回転電機を製造することが出来ないおそれがあった。
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点の解決を目的としてなされたものである。すなわちその課題とするところは,磁石がロータコアの積層方向の所望の位置に正確に内蔵された高品質なロータおよびロータの製造方法を提供することである。
この課題の解決を目的としてなされた本発明のロータは,貫通孔が形成された複数枚の電磁鋼板を貫通孔が重なり合うように積層してなるロータコアと,電磁鋼板の貫通孔が重なることにより形成されたスロット内に収容された磁石と,スロット内における磁石が占める空間以外の空間に充填されている充填樹脂とを有するロータであって,ロータコアは,電磁鋼板の積層方向について,スロット内に磁石を収容する収容領域と,収容領域の一方の端部に隣接するとともに,スロット内に磁石を収容していない,2枚以上の電磁鋼板よりなる端部領域とを有するものであり,端部領域の電磁鋼板のうち,少なくとも収容領域に隣接する電磁鋼板は,磁石を,貫通孔の内側に通さない第1種の電磁鋼板であり,端部領域の収容領域に隣接する第1種の電磁鋼板以外の電磁鋼板のうち,少なくとも1枚の電磁鋼板は,磁石を,貫通孔の内側に通すことのできる第2種の電磁鋼板であることを特徴とするロータである。
本発明のロータでは,端部領域の電磁鋼板のうち,収容領域に隣接する第1種の電磁鋼板により,磁石がロータコアの収容領域におけるスロット内に適切に収容されている。また,端部領域の収容領域に隣接する第1種の電磁鋼板以外に少なくとも1枚の第2種の電磁鋼板が積層されていることにより,磁石から発生する磁束への影響が低減されている。つまり,ロータをステータと組み合わせた回転電機において形成される磁界への影響も低減されているため,回転電機の性能が十分に発揮される。すなわち,磁石がロータコアの積層方向の所望の位置に正確に内蔵された高品質なロータである。
また上記に記載のロータにおいて,端部領域の収容領域に隣接する第1種の電磁鋼板以外の電磁鋼板はいずれも,第2種の電磁鋼板であることが好ましい。磁石から発生する磁束への影響をより低減することができるからである。
また上記に記載のロータにおいて,ロータコアは,電磁鋼板の積層方向について,収容領域の端部領域とは反対側の端部に隣接するとともに,スロット内に磁石を収容していない他端部領域を有するものであり,他端部領域は,端部領域の第1種の電磁鋼板と第2種の電磁鋼板とを合わせた枚数と同じ枚数の第2種の電磁鋼板よりなるものであることが好ましい。収容領域の両端に端部領域と他端部領域とがそれぞれ設けられていることにより,回転電機において,ロータがその軸方向に設けられている遊びの分,ステータに対して移動した場合にも,回転電機の性能が安定して発揮されるからである。
また本発明は,貫通孔が形成された複数枚の電磁鋼板を貫通孔が重なり合うように積層してなるロータコアと,電磁鋼板の貫通孔が重なることにより形成されたスロット内に収容された磁石と,スロット内における磁石が占める空間以外の空間に充填されている充填樹脂とを有するロータの製造方法であって,電磁鋼板を積層してロータコアとする積層工程と,ロータコアのスロット内に磁石を収容する収容工程と,磁石が収容されたスロット内に充填樹脂を充填する充填工程とを有し,積層工程では,電磁鋼板の積層方向について,スロット内に磁石を収容することとなる収容領域と,収容領域の一方の端部に隣接するとともに,スロット内に磁石を収容しない,2枚以上の電磁鋼板よりなる端部領域とを設けるとともに,端部領域の電磁鋼板のうち,少なくとも収容領域に隣接する電磁鋼板として,磁石を,貫通孔の内側に通さない第1種の電磁鋼板を用い,端部領域の収容領域に隣接する第1種の電磁鋼板以外の電磁鋼板のうち,少なくとも1枚の電磁鋼板として,磁石を,貫通孔の内側に通すことのできる第2種の電磁鋼板を用い,収容工程では,ロータコアの端部領域を収容領域よりも重力方向の下側としつつ,磁石を,スロット内に,ロータコアの上側より収容することを特徴とするロータの製造方法にもおよぶ。
本発明によれば,磁石がロータコアの積層方向の所望の位置に正確に内蔵された高品質なロータおよびロータの製造方法が提供されている。
実施形態に係るロータの平面図である。 実施形態に係るロータの図1のA−A位置における断面図である。 ロータコアに積層されている,第2の端部領域のうちの収容領域に隣接する電磁鋼板以外の電磁鋼板の貫通孔を示す拡大平面図である。 第2の端部領域のうちの収容領域に隣接する電磁鋼板の貫通孔を示す拡大平面図である。 第2の端部領域におけるスロットの位置での拡大断面図である。 電磁鋼板を積層してなるロータコアを示す図である。 ロータコアのスロットに磁石を収容した状態を示す図である。 ロータコアを充填装置の上型と下型とにより挟み込んだ状態を示す図である。 充填装置の注入部によりスロット内に充填樹脂を注入した状態を示す図である。 第2の端部領域のうちの収容領域に隣接する電磁鋼板の変形例について説明するための図である。 第2の端部領域のうちの収容領域に隣接する電磁鋼板の変形例について説明するための図である。
以下,本発明を具体化した最良の形態について,図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,8極のロータについて本発明を適用したものである。
図1は,本形態に係るロータ10を平面より見たときの概略図である。ロータ10は,図1に示すように,シャフト20の外周にロータコア30が組み付けられてなるものである。また,ロータコア30には,複数の磁石50が内蔵されている。具体的には,ロータコア30には1極につき2つのスロット40が8極分,設けられており,各スロット40内にはそれぞれ,2つの磁石50が内蔵されている。
図2は,図1に示すロータ10のA−A位置における断面図である。図2に示すように,ロータコア30は,複数枚の電磁鋼板を積層してなるものである。具体的には,ロータコア30は,図2に示すように,2種類の電磁鋼板70および電磁鋼板80を積層してなるものである。電磁鋼板70と電磁鋼板80とは,ともに同じ厚みの薄い板状のものである。なお,本形態では,電磁鋼板70および電磁鋼板80としてともに,厚みが0.25mm程度のものを用いている。
また,図2に示すように,本形態のロータ10において,ロータコア30は,その積層方向の長さが,同方向における磁石50の長さよりも長いものである。このため,ロータコア30は,積層方向について,スロット40内に磁石50が収容されている収容領域31と,スロット40内に磁石50が収容されていない第1の端部領域32および第2の端部領域33とを有している。第1の端部領域32および第2の端部領域33は,収容領域31の両端にそれぞれ隣接している領域である。
図2には,収容領域31,第1の端部領域32,第2の端部領域33の積層方向における長さをそれぞれ,R1,R2,R3として示している。収容領域31の長さR1は当然,積層方向における磁石50と同じ長さである。なお,収容領域31は,電磁鋼板70を200枚から250枚程度,積層してなるものである。また,第1の端部領域32の長さR2および第2の端部領域33の長さR3はともに,電磁鋼板70,80の3枚分の厚みと同じ長さである。
さらに,スロット40内における磁石50が占める空間以外の空間には,充填樹脂60が充填されている。この充填樹脂60により,磁石50は,ロータコア30の収容領域31におけるスロット40内に固定されている。
ここで,本形態のロータコア30を構成する2種類の電磁鋼板70および電磁鋼板80について説明する。図3に電磁鋼板70を平面より見たときのスロット40の位置における拡大図を,図4に電磁鋼板80を平面より見たときのスロット40の位置における拡大図をそれぞれ示している。
すなわち,図3に示すように,電磁鋼板70のスロット40の位置には,電磁鋼板70をその厚さ方向に貫通する貫通孔71が形成されている。また,図4に示すように,電磁鋼板80のスロット40の位置には,電磁鋼板80をその厚さ方向に貫通する貫通孔81が形成されている。ロータコア30においては,これら貫通孔71および貫通孔81がいずれも重なり合うように電磁鋼板70および電磁鋼板80が積層されていることにより,スロット40が形成されている。
図3に示すように,電磁鋼板70の貫通孔71は,二点鎖線で示す磁石50よりも大きなものである。つまり,電磁鋼板70の貫通孔71は,その壁面が,2つ並べて配置されている磁石50をその外側より囲う形状および大きさのものである。このため,電磁鋼板70は,積層方向を投影方向としたとき,貫通孔71の壁面よりも外側の部分が磁石50に重ならないものである。
具体的には,貫通孔71における磁石50が収容される箇所の長手方向の長さS1は,同方向の磁石50の長さM1の2倍よりも長いものである。また,貫通孔71における磁石50が収容される箇所の短手方向の長さS2は,同方向の磁石50の長さM2よりも長いものである。このため,貫通孔71における磁石50が収容される箇所の壁面と,二点鎖線で示す磁石50との間には,隙間が形成されている。
一方,図4に示すように,電磁鋼板80の貫通孔81には,その内側へ向けて突出している凸部82が複数形成されている。具体的には,2つの向かい合う凸部82が2対,形成されている。電磁鋼板80の貫通孔81は,凸部82以外の箇所では,電磁鋼板70の貫通孔71と同じ形状および大きさのものである。
そして,図4に示すように,向かい合う凸部82同士の間隔の長さS3は,磁石50の長さM2よりも短いものである。このため,凸部82の箇所では,積層方向を投影方向としたとき,貫通孔81の壁面よりも外側の部分の一部が,二点鎖線で示す磁石50に重なっている。すなわち,電磁鋼板80の貫通孔81は,凸部82があることによって磁石50が通り抜けることができない形状および大きさである。
そして,図2に示すロータ10において,ロータコア30の収容領域31および第1の端部領域32はいずれも,電磁鋼板70が積層されることにより構成されている。一方,ロータコア30の第2の端部領域33については,電磁鋼板70と電磁鋼板80とが積層されることにより構成されている。
図5に,ロータコア30の第2の端部領域33におけるスロット40の位置での拡大断面図を示す。前述したように,第2の端部領域33の長さR3は,電磁鋼板70および電磁鋼板80の3枚分の厚みと同じ長さである。このため,図5に示すように,第2の端部領域33は,電磁鋼板70と電磁鋼板80とが合わせて3枚,積層されて構成されている。
そして,図5に示すように,電磁鋼板80は,第2の端部領域33の最も上側に配置されている。このため,第2の端部領域33の電磁鋼板80は,収容領域31の下側に隣接している。なお,本形態では,第2の端部領域33の電磁鋼板80以外はいずれも,電磁鋼板70である。また,電磁鋼板80は,収容領域31の下側に隣接しているため,その凸部82の上面において,磁石50の下面と接している。
次に,本形態のロータ10の製造方法について,図6から図9により説明する。図6は,電磁鋼板70,80を積層する積層工程により作製されたロータコア30を示す断面図である。図6に示すロータコア30は,シャフト20が組み付けられる前のものである。さらには,スロット40内に磁石50が収容される前のものである。
また,積層工程においては,図6に示すように,ロータコア30の収容領域31および第1の端部領域32をいずれも,電磁鋼板70のみを積層して構成している。一方,ロータコア30の第2の端部領域33については,電磁鋼板70と電磁鋼板80とを積層することにより構成している。ロータコア30の第2の端部領域33について,具体的には,図6における最も上側の,収容領域31に隣接するものに電磁鋼板80を用い,その他については電磁鋼板70を用いている。
次に,積層工程により作製されたロータコア30のスロット40内に,磁石50を収容する収容工程を行う。収容工程では,図7に示すように,ロータコア30の第2の端部領域33を重力方向の下側となるようにした状態で,ロータコア30の上側より,磁石50を各スロット40内に収容する。
ここで,ロータコア30の収容領域31および第1の端部領域32は,いずれも電磁鋼板70を積層することにより構成されている。よって,磁石50は,ロータコア30の収容領域31および第1の端部領域32のスロット40内を通過する。一方,ロータコア30の第2の端部領域33における最も収容領域31側の電磁鋼板80は,前述したように,凸部82を有している。このため,スロット40内に収容された磁石50は,電磁鋼板80の凸部82の上面に突き当たってそれ以上,下側へと落ちることはない。よって,磁石50は,図7に示すように,ロータコア30の収容領域31におけるスロット40内に収容される。
続いて,スロット40内に磁石50が収容されたロータコア30について,充填樹脂60を充填する充填工程を行う。図8に,本形態における充填工程を行うための充填装置100を示す。
充填装置100は,上型110,下型120,注入部130を有している。上型110と下型120とは,それぞれ互いに対面する押し当て面111,121により,ロータコア30をその積層方向に挟み込むためのものである。図8には,上型110と下型120とにより,ロータコア30を挟み込んだ状態を示している。
上型110の押し当て面111には,ロータコア30のスロット40に対応する位置に,ピン112が設けられている。ピン112は,スロット40よりも細いものである。よって,充填装置100がロータコア30を挟み込んだ状態では,ピン112はスロット40内に進入している。また,本形態の充填装置100において,ピン112の長さは,電磁鋼板70の3枚分の厚みよりもわずかに短い長さである。このため,充填装置100がロータコア30を挟み込んだ状態では,ピン112の先端と磁石50の上面との間に,わずかな隙間が形成されている。なお,ピン112は,磁石50の上面に,上型110の押し当て面111によるロータコア30の上面の押圧力よりも弱い押圧力で接触するものであってもよい。
下型120は,その押し当て面121のロータコア30のスロット40に対応する位置に開口しているポッド122が形成されているものである。ポッド122の内部には,充填樹脂60が収容されている。充填樹脂60は,ポッド122内では流動性のある状態とされている。また,下型120のポッド122には,その下側より,注入部130のプランジャ131が挿入されている。注入部130は,充填装置100に挟み込まれているロータコア30に向けて移動することができるものである。そして,注入部130は,ロータコア30に向けて移動することにより,ポッド122内の充填樹脂60をロータコア30のスロット40内に注入するためのものである。
図9に,注入部130が移動することにより,充填樹脂60がロータコア30のスロット40内に注入された状態を示す。すなわち,注入部130の移動によってプランジャ131が押し上げられることで,ポッド122内に収容されていた充填樹脂60は,ロータコア30のスロット40内へと注入されている。
なお,注入部130による充填樹脂60の注入は,上型110と下型120とによりロータコア30を挟み込んだ状態のままで行う。このため,スロット40内に注入された充填樹脂60により,磁石50が浮き上がってしまうことはない。磁石50の浮き上がりは,その上面が上型110のピン112に突き当たることで抑制されるからである。また,磁石50の下側には,凸部82を有する電磁鋼板80があるため,磁石50が下向きに移動してしまうこともない。
これにより,磁石50をロータコア30の収容領域31におけるスロット40内の位置に保持したまま,充填樹脂60を,スロット40内の空間の,磁石50が占める空間以外の空間に充填することができる。また,充填樹脂60は充填後,硬化される。充填樹脂60が硬化することにより,ロータコア30の収容領域31におけるスロット40内に磁石50が固定される。
なお,スロット40内の空間のうち,ピン112の箇所では,充填樹脂60が充填されないこととなる。このため,ピン112はできるだけ細い方が好ましい。ピン112が太過ぎた場合には,そのピン112によって充填樹脂60が充填されなかった箇所が起点となり,充填樹脂60の割れが生じ易くなってしまうおそれがあるからである。よって、ピン112は,太さが1mm程度のものであることが好ましい。また,充填樹脂60の注入時には,磁石50が浮き上がってピン112に接触することがある。しかし,その浮き上がりによって磁石50がピン112に衝突する際の衝撃は,それほど大きいものではない。よって,磁石50がピン112に接触することによって割れてしまうことはない。
また,スロット40内へ注入される充填樹脂60の粘度や流入速度によっては,充填樹脂60が注入される際に磁石50が浮き上がらないこともある。このような場合には,上型110にピン112を設ける必要はない。
そして,充填工程の後,充填装置100から取り出されたロータコア30にシャフト20を組み付けることでロータ10を製造することができる。また,収容工程において,磁石50を未着磁の磁石素材としてロータコア30のスロット40内に収容した場合には,ステータと組み合わせて回転電機とされる前に,磁石素材を外部磁界によって着磁する着磁工程を行えばよい。
また,本形態の収容工程では,ロータコア30の第2の端部領域33を下側にした状態で磁石50をスロット40内に収容している。ロータコア30の第2の端部領域33のうちの収容領域31に隣接する位置には,電磁鋼板80が積層されている。このため,磁石50を,ロータコア30の収容領域31におけるスロット40内に正確に収容することができる。
これに対し,ロータコア30の第2の端部領域33のうちの収容領域31に隣接する位置に,電磁鋼板80に替えて電磁鋼板70を配置した場合,そのままでは磁石50を収容領域31に収容することができない。磁石50は,電磁鋼板70の貫通孔71を通り抜けてしまうからである。よって,この場合,収容工程では,例えば,磁石50の位置を収容領域31内に規定するためのピンを,ロータコア30の下側よりスロット40内に,第2の端部領域33の長さR3の分だけ差し込んでおくなどの必要がある。
しかし,磁石50の位置を規定するピンとして,あまり細いものを用いることはできない。ロータコア30の上側よりスロット40内に収容された磁石50は,そのピンの先端に当たることとなる。よって,磁石50の位置を規定するピンが細過ぎた場合には,その先端に当たった磁石50の箇所が割れてしまうおそれがあるからである。
一方で,その磁石50の位置を規定するピンとして,それほど太いものを用いることもできない。充填樹脂60の充填を,磁石50の位置を規定するピンが差し込まれたまま行うこととなるからである。よって,磁石50の位置を規定するピンの太さが太すぎる場合には,そのピンによって充填樹脂60の充填されなかった箇所が起点となり,充填樹脂60の割れが生じ易くなってしまうおそれがあるからである。
そして,本形態では,第2の端部領域33の収容領域31に隣接する位置に電磁鋼板80が積層されていることにより,収容工程において,磁石50を,割れを生じさせることなく,正確に収容領域31に収容することができる。また,充填樹脂60が割れてしまうことのない高品質なロータ10を製造することができる。
また,図10および図11には,ロータコア30において,電磁鋼板80に替えて用いることのできる電磁鋼板180および電磁鋼板280をそれぞれ示している。図10に示す電磁鋼板180においては,貫通孔181の長手方向に長い凸部182が,互いに向かい合う位置に1対,形成されている。電磁鋼板180の貫通孔181は,凸部182以外の箇所では,電磁鋼板70の貫通孔71と同じ形状および大きさのものである。そして,向かい合う凸部181同士の間隔の長さS11は,磁石50の長さM2よりも短いものである。このため,電磁鋼板180においても,積層方向を投影方向としたとき,凸部182の箇所では,貫通孔181の壁面よりも外側の部分の一部が,二点鎖線で示す磁石50に重なっている。
図11に示す電磁鋼板280は,3つの貫通孔281,282,283が形成されているものである。3つの貫通孔281,282,283は,それぞれの間の電磁鋼板280の部分を除いた形状が,電磁鋼板70の貫通孔71と同じ形状および大きさのものである。そして,貫通孔281,282,283について図11に示すそれぞれの長さS21,S22,S23はいずれも,磁石50の長さM1よりも短いものである。このため,電磁鋼板280においても,積層方向を投影方向としたとき,貫通孔281,282,283の壁面よりも外側の部分の一部が,二点鎖線で示す磁石50に重なっている。
よって,図10に示す電磁鋼板180および図11に示す電磁鋼板280はともに,その貫通孔が,磁石50が通り抜けることができない形状および大きさである。このため,電磁鋼板180(図10)あるいは電磁鋼板280(図11)はそれぞれ,電磁鋼板80(図4)に替えて,ロータ10に用いることができる。
また,ロータコア30において,積層方向を投影方向としたときに,磁石50に重なる電磁鋼板80の部分はできるだけ小さいことが好ましい。具体的には,例えば,図4に示す電磁鋼板80について,凸部82の貫通孔81の内側への突出量は,できるだけ少ないことが好ましい。また,凸部82の貫通孔81の長手方向における長さについても,できるだけ短いことが好ましい。
磁石50に重なる電磁鋼板80の部分が大きいほど,その重なる電磁鋼板80の部分による,磁石50から発生する磁束への影響は大きくなる。このため,ロータ10をステータと組み合わせた回転電機において形成される磁界への影響も大きくなってしまうからである。例えば,磁石50に重なる電磁鋼板80の部分が大き過ぎた場合には,第1の端部領域32の付近に形成される磁界と,第2の端部領域33の付近に形成される磁界とが異なるものとなってしまうおそれがある。これにより,回転電機において,その性能が十分に発揮されないおそれがあるからである。
また,上記において説明したロータコア30は,第2の端部領域33のうち,収容領域31に隣接するものを電磁鋼板80とし,その他のものについては電磁鋼板70を使用している。しかし,例えば,第2の端部領域33のうち,図6において最も下側の,ロータコア30の端に位置するもののみを電磁鋼板70とし,その他のものを電磁鋼板80としてもよい。収容工程において,ロータコア30のスロット40内に,その上側より収容する磁石50が,収容領域31に収容されることに変わりはないからである。
ただし,前述したように,磁石50から発生する磁束への,電磁鋼板80の凸部82による影響はできるだけ低減されていることが好ましい。よって,ロータコア30の第2の端部領域33に積層されている電磁鋼板80の枚数は,できるだけ少ないことが好ましい。すなわち,ロータコア30の第2の端部領域33には,少なくとも1枚は,電磁鋼板70が積層されていることが好ましい。
また,回転電機において,ロータ10の軸方向には,ステータに対してわずかに遊びが設けられることがある。よって,ロータ10がその遊びの分,軸方向に移動した場合にも,回転電機の性能が安定して発揮されることが好ましい。
そこで,本形態のロータコア30では,収容領域31を挟んで積層方向の両端にそれぞれ,第1の端部領域32と第2の端部領域33とが設けられている。また,ロータコア30において,第1の端部領域32に積層されている電磁鋼板70の枚数と,第2の端部領域33に積層されている電磁鋼板70および電磁鋼板80を合わせた枚数とは同じである。
よって,本形態のロータ10を用いた回転電機では,収容領域31の両端に第1の端部領域32と第2の端部領域33とがそれぞれ設けられていることにより,ロータ10がその軸方向に設けられている遊びの分,移動した場合にも,安定して性能が発揮される。これに対し,例えば,第1の端部領域32の積層枚数と第2の端部領域33の積層枚数とが異なる場合には,ロータ10が軸方向の一端に偏ったときと,他端に偏ったときとでは,出力値が大きく異なってしまうおそれがある。すなわち,回転電機の性能を安定して発揮させることができないおそれがある。
以上詳細に説明したように,本形態に係るロータ10は,ロータコア30に複数設けられたスロット40内に磁石50を内蔵するものである。ロータコア30は,積層方向について,磁石50を収容する収容領域31の一方の端部に,合わせて2枚以上の電磁鋼板70,80を積層してなる第2の端部領域33を有している。そして,第2の端部領域33のうちの収容領域31に隣接する電磁鋼板80は,貫通孔81の内側に向けて突出している凸部82を有している。よって,磁石50は,ロータコア30の収容領域31におけるスロット40内に適切に収容されている。また,ロータコア30の第2の端部領域33は,収容領域31に隣接する電磁鋼板80を除き,電磁鋼板70が積層されている。このため,磁石50から発生する磁束への影響が低減されている。よって,磁石がロータコアの積層方向の所望の位置に正確に内蔵された高品質なロータおよびロータの製造方法が実現されている。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。従って本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲で種々の改良,変形が可能である。すなわち,上記の実施形態では,充填工程において,充填装置100により,ロータコア30のスロット40内に,下側より充填樹脂60を注入している。しかし,ロータコア30のスロット40内に,上側より充填樹脂60を注入する充填装置を用いることもできる。また,充填装置100は,上型110および下型120の一方が固定であってもよい。
また例えば,上記の実施形態では,1極につき2つのスロット40が設けられたロータコア30について説明している。しかし,1極につき1つ,または3つ以上のスロットが形成されているロータコアにも適用することができる。また,1つのスロット40内に2つの磁石50を収容するロータ10に限らず,1つのスロットに1つの磁石,または3つ以上の磁石が収容されたロータコアにも適用することができる。また,8極のロータ10に限らず,8極以外の極数のロータにも適用することが可能である。
また例えば,ロータコア30の第1の端部領域32,第2の端部領域33に積層される電磁鋼板の枚数は,3枚に限定されるものではない。ロータコア30の第2の端部領域33に少なくとも2枚以上の電磁鋼板が積層されているものであれば,本発明を適用することができる。
10 ロータ
20 シャフト
30 ロータコア
31 収容領域
32 第1の端部領域
33 第2の端部領域
40 スロット
50 磁石
60 充填樹脂
70,80 電磁鋼板
71,81 貫通孔
82 凸部

Claims (4)

  1. 貫通孔が形成された複数枚の電磁鋼板を前記貫通孔が重なり合うように積層してなるロータコアと,
    前記電磁鋼板の前記貫通孔が重なることにより形成されたスロット内に収容された磁石と,
    前記スロット内における前記磁石が占める空間以外の空間に充填されている充填樹脂とを有するロータにおいて,
    前記ロータコアは,前記電磁鋼板の積層方向について,
    前記スロット内に前記磁石を収容する収容領域と,
    前記収容領域の一方の端部に隣接するとともに,前記スロット内に前記磁石を収容していない,2枚以上の電磁鋼板よりなる端部領域とを有するものであり,
    前記端部領域の電磁鋼板のうち,少なくとも前記収容領域に隣接する電磁鋼板は,
    前記磁石を,前記貫通孔の内側に通さない第1種の電磁鋼板であり,
    前記端部領域の前記収容領域に隣接する前記第1種の電磁鋼板以外の電磁鋼板のうち,少なくとも1枚の電磁鋼板は,
    前記磁石を,前記貫通孔の内側に通すことのできる第2種の電磁鋼板であることを特徴とするロータ。
  2. 請求項1に記載のロータにおいて,
    前記端部領域の前記収容領域に隣接する前記第1種の電磁鋼板以外の電磁鋼板はいずれも,前記第2種の電磁鋼板であることを特徴とするロータ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のロータにおいて,
    前記ロータコアは,前記電磁鋼板の積層方向について,
    前記収容領域の前記端部領域とは反対側の端部に隣接するとともに,前記スロット内に前記磁石を収容していない他端部領域を有するものであり,
    前記他端部領域は,前記端部領域の前記第1種の電磁鋼板と前記第2種の電磁鋼板とを合わせた枚数と同じ枚数の前記第2種の電磁鋼板よりなるものであることを特徴とするロータ。
  4. 貫通孔が形成された複数枚の電磁鋼板を前記貫通孔が重なり合うように積層してなるロータコアと,
    前記電磁鋼板の前記貫通孔が重なることにより形成されたスロット内に収容された磁石と,
    前記スロット内における前記磁石が占める空間以外の空間に充填されている充填樹脂とを有するロータの製造方法において,
    前記電磁鋼板を積層してロータコアとする積層工程と,
    前記ロータコアのスロット内に前記磁石を収容する収容工程と,
    前記磁石が収容された前記スロット内に前記充填樹脂を充填する充填工程とを有し,
    前記積層工程では,
    前記電磁鋼板の積層方向について,
    前記スロット内に前記磁石を収容することとなる収容領域と,
    前記収容領域の一方の端部に隣接するとともに,前記スロット内に前記磁石を収容しない,2枚以上の電磁鋼板よりなる端部領域とを設けるとともに,
    前記端部領域の電磁鋼板のうち,少なくとも前記収容領域に隣接する電磁鋼板として,
    前記磁石を,前記貫通孔の内側に通さない第1種の電磁鋼板を用い,
    前記端部領域の前記収容領域に隣接する前記第1種の電磁鋼板以外の電磁鋼板のうち,少なくとも1枚の電磁鋼板として,
    前記磁石を,前記貫通孔の内側に通すことのできる第2種の電磁鋼板を用い,
    前記収容工程では,
    前記ロータコアの前記端部領域を前記収容領域よりも重力方向の下側としつつ,
    前記磁石を,前記スロット内に,前記ロータコアの上側より収容することを特徴とするロータの製造方法。
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