JP6076288B2 - ロータ製造方法、ロータおよびモータ - Google Patents

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Description

この発明は、ロータ製造方法、ロータおよびモータに関するものである。
近年、燃料電池自動車、ハイブリッド自動車、電気自動車など車両駆動用の電動機(モータ)を搭載した車両が次々と開発されている。電動機としては、コイルが配されたステータと、ステータの内周側において軸線周りに回転自在に支持され、磁石が配設されたロータと、を備えたものが一般的である。ロータとしては、ロータコアにスロットを形成し、スロットに磁石を挿入してロータに磁石を埋め込む、いわゆるIPM(Interior Permanent Magnet)ロータが広く知られている。
通常、ロータコアのスロットに挿入された磁石は、スロットの内壁と磁石の外面との間に樹脂材料を充填した後、固化することにより固定される。
ここで、樹脂材料は、熱硬化性樹脂材料と熱可塑性樹脂材料とに大別されるが、一般に熱硬化性樹脂材料のほうが熱可塑性樹脂材料よりも粘性が低い。したがって、IPMロータの磁石の固定には、粘性が低く、スロットの内壁と磁石の外面との間に浸透しやすい熱硬化性樹脂材料が広く採用されている。
しかしながら、熱硬化性樹脂材料を固化させるためには、スロットに樹脂材料を充填した後、ロータを例えば恒温槽等の加熱器に投入して、所定温度になるまで所定時間加熱する必要がある。したがって、製造工程の時間の短縮という点で改善の余地があった。
これに対して、熱可塑性樹脂材料は、自然冷却により固化することができる。したがって、IPMロータの磁石の固定に熱可塑性樹脂材料を採用した場合、スロットに樹脂材料を充填した後に加熱する必要がないため、固化時間の短縮という点では優位性がある。しかしながら、熱可塑性樹脂材料は、粘性が高くかつ固化しやすいため、高い射出速度および高い射出圧力で充填する必要がある。したがって、スロットに充填された樹脂材料の圧力によりロータコアが変形し、製造不良が発生するおそれがあった。
このような問題を解決するため、例えば特許文献1には、積層鉄心(ロータコア)の外周の一部または全部と当接する当接部材を備え、上型および下型により当接部材を挟持し固定した状態で穴部(スロット)と磁石の間に樹脂部材(熱可塑性樹脂材料)を充填させる射出成型用金型装置が記載されている。特許文献1に記載の技術によれば、磁石をバランス良く確実に固定するとともに、樹脂部材の充填時に積層鉄心に樹脂の成型圧力が加わった場合にも積層鉄心の破損を防止し、信頼性の向上を図ることができるとされている。
ところで、近年では、磁気特性の向上や、ロータの回転時におけるロータコアへの応力集中の緩和の観点から、形状の異なるスロットが混在することがある。したがって、形状の異なるスロット同士では、スロットの内壁と磁石の外面との間に熱可塑性樹脂材料が流入する際の流入し易さ(以下「流入抵抗」という。)が異なることになる。
特開2007−318942号公報
しかしながら、従来技術にあっては、スロットの形状の違いに起因する各スロットの流入抵抗差については考慮されていない。したがって、例えば、流入抵抗の小さなスロットを基準として熱可塑性樹脂材料の充填時の射出圧力を決定した場合には、流入抵抗の大きなスロットの内壁と磁石の外面との間に熱可塑性樹脂材料が十分浸透できず、磁石を固定できないおそれがある。これに対して、例えば、流入抵抗の大きなスロットを基準として熱可塑性樹脂材料の充填時の射出圧力を決定した場合には、流入抵抗の小さなスロットに過度の内部圧力が加わりロータコアが変形するおそれがある。
このように、従来技術にあっては、ロータコアの変形を防止しつつ、形状の異なるスロットの内壁と磁石の外面との間に熱可塑性樹脂材料を充填するという点で改善の余地がある。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みたものであって、ロータコアの変形を防止しつつ、形状の異なるスロットの内壁と磁石の外面との間に熱可塑性樹脂材料を充填することができるロータ製造方法、ロータおよびこのロータを備えたモータの提供を課題とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明に係るロータ製造方法は、第一磁石(例えば、後述の実施形態における第一磁石36A)が挿入されて熱可塑性樹脂材料により固定される第一スロット(例えば、後述の実施形態における第一スロット31)と、第二磁石(例えば、後述の実施形態における第二磁石36B)が挿入されて前記熱可塑性樹脂材料により固定される第二スロット(例えば、後述の実施形態における第二スロット32)と、を少なくとも備え、前記第一スロットの内壁と前記第一磁石の外面との間に前記熱可塑性樹脂材料が流入する際の流入抵抗が、前記第二スロットの内壁と前記第二磁石の外面との間に前記熱可塑性樹脂材料が流入する際の流入抵抗よりも大きいロータコア(例えば、後述の実施形態におけるロータコア30)を有するロータ(例えば、後述の実施形態におけるロータ3)を製造するためのロータ製造方法であって、前記第一スロットおよび前記第二スロットに、それぞれ前記第一磁石および前記第二磁石を挿入する磁石挿入配置工程(例えば、後述の実施形態における磁石挿入配置工程S11)と、所定の射出圧力により第一金型(例えば、後述の実施形態における充填用金型53)の充填孔(例えば、後述の実施形態における充填孔53a)から前記熱可塑性樹脂材料を射出し、前記第一スロットの内壁と前記第一磁石の外面との間、および前記第二スロットの内壁と前記第二磁石の外面との間に充填する充填工程(例えば、後述の実施形態における充填工程S13)と、を含み、前記充填工程では、前記第二磁石を前記第一磁石よりも前記第一金型側に寄せた状態で行うことを特徴としている。
本発明によれば、充填工程では、流入抵抗の小さい第二スロットの第二磁石を、流入抵抗の大きい第一スロットの第一磁石よりも第一金型側に寄せた状態で行うので、第二磁石と第一金型との間に形成される熱可塑性樹脂材料が通流するスペースを狭くすることができる。すなわち、第二磁石と第一金型との間に形成される熱可塑性樹脂材料の流路断面積を小さくして、第二スロット側における熱可塑性樹脂材料の流入抵抗と、第一スロット側における熱可塑性樹脂材料の流入抵抗とが均衡するように調節できる。これにより、所定の射出圧力で第一スロットおよび第二スロットに対してバランスよく熱可塑性樹脂材料を充填できるので、ロータコアの変形を防止しつつ、形状の異なる第一スロットの内壁と第一磁石の外面との間、および第二スロットの内壁と第二磁石の外面との間に熱可塑性樹脂材料を充填することができる。
また、請求項2に記載の発明に係るロータ製造方法は、前記磁石挿入配置工程では、前記ロータコアを挟んで前記第一金型とは反対側に配置され、前記ロータコアの軸方向から見たときに、前記第二磁石の外形よりも小さい外形を有するとともに、前記軸方向に突出した凸部(例えば、後述の実施形態における凸部52)を備えた第二金型(例えば、後述の実施形態における下型51)を用いて行い、前記充填工程では、前記凸部と前記第二磁石の端面とが当接することにより、前記第二磁石を前記第一磁石よりも前記第一金型側に配置して行うことを特徴としている。
本発明によれば、第二金型に凸部を設けるだけで、第二磁石を第一磁石よりも第一金型側に簡単に寄せることができる。また、凸部は、第二磁石の外形よりも小さい外形を有するので、凸部の周辺に熱可塑性樹脂材料を充填して配置することができる。したがって、第二スロット内において第二磁石を強固に保持することができる。
また、請求項3に記載の発明に係るロータ製造方法は、前記充填工程で充填される前記熱可塑性樹脂材料は、液晶ポリマーであることを特徴としている。
本発明によれば、充填工程で各スロットに充填される熱可塑性樹脂材料として、液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer:LCP)を好適に採用できる。
また、請求項4に記載の発明に係るロータは、第一磁石(例えば、後述の実施形態における第一磁石36A)が挿入されて熱可塑性樹脂材料により固定される第一スロット(例えば、後述の実施形態における第一スロット31)と、第二磁石(例えば、後述の実施形態における第二磁石36B)が挿入されて前記熱可塑性樹脂材料により固定される第二スロット(例えば、後述の実施形態における第二スロット32)と、を少なくとも備えたロータコア(例えば、後述の実施形態におけるロータコア30)を有するロータ(例えば、後述の実施形態におけるロータ3)であって、前記第一スロットと前記第二スロットとは、前記ロータコアの軸方向の一方側から所定の射出圧力により前記熱可塑性樹脂材料を充填したときに、前記第一スロットの内壁と前記第一磁石の外面との間に前記熱可塑性樹脂材料が流入する際の流入抵抗が、前記第二スロットの内壁と前記第二磁石の外面との間に前記熱可塑性樹脂材料が流入する際の流入抵抗よりも大きくなるように形成され、前記第二磁石は、前記第一磁石よりも前記軸方向の一方側に寄った状態で配置されていることを特徴としている。
本発明によれば、第二磁石は、第一磁石よりも軸方向の一方側に寄った状態で配置されているので、第一磁石と第二磁石とにより軸方向の全体にわたってバランス良くロータコアを磁化させることができる。したがって、高トルクのロータとすることができる。また、第一磁石よりも軸方向の一方側の領域と、第二磁石よりも軸方向の他方側の領域とに、それぞれ充填された熱可塑性樹脂を配置できるので、第一磁石および第二磁石をそれぞれ第一スロット内および第二スロット内に強固に固定できる。
また、請求項5に記載の発明に係るロータは、前記第二スロット内に前記熱可塑性樹脂材料が充填されて形成されたモールド部(例えば、後述の実施形態における第二モールド部38B)には、前記軸方向の他方側の端面に、凹部(例えば、後述の実施形態における凹部39)が形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、第二磁石よりも軸方向の他方側において、凹部の周辺に熱可塑性樹脂材料を配置することができるので、第二スロット内において第二磁石を強固に保持することができる。
また、請求項6に記載の発明に係るモータは、上述のロータを備えたことを特徴としている。
本発明によれば、バランス良くロータコアが磁化されるとともに、第一磁石および第二磁石をそれぞれ第一スロット内および第二スロット内に強固に固定できるロータを備えているので、高性能かつ耐久性に優れたモータとすることができる。
本発明によれば、充填工程では、流入抵抗の小さい第二スロットの第二磁石を、流入抵抗の大きい第一スロットの第一磁石よりも第一金型側に寄せた状態で行うので、第二磁石と第一金型との間に形成される熱可塑性樹脂材料が通流するスペースを狭くすることができる。すなわち、第二磁石と第一金型との間に形成される熱可塑性樹脂材料の流路断面積を小さくして、第二スロット側における熱可塑性樹脂材料の流入抵抗と、第一スロット側における熱可塑性樹脂材料の流入抵抗とが均衡するように調節できる。これにより、所定の射出圧力で第一スロットおよび第二スロットに対してバランスよく熱可塑性樹脂材料を充填できるので、ロータコアの変形を防止しつつ、形状の異なる第一スロットの内壁と第一磁石の外面との間、および第二スロットの内壁と第二磁石の外面との間に熱可塑性樹脂材料を充填することができる。
モータユニットの概略断面図である。 ロータの斜視図である。 ロータを軸方向の一方側から見たときの平面図であって、磁極部の拡大図である。 図3のA−A線に沿った変位側面断面図である。 ロータを軸方向の他方側から見たときの平面図であって、磁極部の拡大図である。 ロータの製造工程のフローチャートである。 インジェクション装置の側面断面模式図である。 磁石挿入配置工程の説明図である。 充填工程の説明図である。 流入抵抗の調節に関する説明図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、モータユニット1の概略断面図である。
図1に示すように、モータユニット1は、モータ4と、モータ4を収容するハウジング5と、を備えている。なお、以下の説明では、モータ4の中心軸Oに沿う方向を軸方向といい、中心軸Oと直交する方向を径方向といい、中心軸O周りに周回する方向を周方向という。
モータ4は、いわゆるインナーロータ型のモータであって、筒状のステータ2と、ステータ2の内側に配置されたロータ3と、ロータ3と同軸に圧入固定され回転可能に支持されたシャフト6と、を備えている。
ステータ2は、電磁鋼板が軸方向に沿って複数積層されることにより形成されたステータコア20を有している。ステータコア20は、径方向の内側に向かって延びるティース21を備えている。ティース21には、インシュレータ22を介してコイル23が巻装されている。
図2は、ロータ3の斜視図である。
図2に示すように、ロータ3は、電磁鋼板が軸方向に沿って複数積層されることにより形成されたロータコア30を有している。
ロータコア30の中央部には、貫通孔30aが形成されている。ロータコア30の中央部には、貫通孔30aにシャフト6(図1参照)が挿入されて圧入固定される。また、ロータコア30は、貫通孔30aの周囲に複数の肉抜き部30bを有している。
ロータコア30は、周方向にわたって等間隔に配される複数のスロット群35を有している。スロット群35は、肉抜き部30bよりも径方向の外側において、周方向に約45°ピッチとなるように8か所に設けられている。
スロット群35は、第一スロット31、第二スロット32および第三スロット33により構成されている。第一スロット31、第二スロット32および第三スロット33には、それぞれ第一磁石36A、第二磁石36B、第三磁石36Cが挿入される。本実施形態では、第一磁石36A、第二磁石36Bおよび第三磁石36Cは、同一形状となっている。
ロータコア30には、スロット群35の周辺部分が第一磁石36A、第二磁石36Bおよび第三磁石36Cによって磁化されることにより、磁極部37が形成されている。本実施形態のロータ3は、スロット群35が8か所に設けられており、8極(4極対)の磁極部37を有している。周方向に隣り合う磁極部37は、第一磁石36A、第二磁石36Bおよび第三磁石36Cによりそれぞれ異なる極に磁化されている。すなわち、ロータ3の磁極部37は、周方向にN極37AとS極37Bとが交互に並ぶように形成される。
図3は、ロータ3を軸方向の一方側から見たときの平面図であって、磁極部37の拡大図である。なお、ロータ3の軸方向の一方側は、後述する充填工程において、熱可塑性樹脂材料が充填される側となっている。
図3に示すように、スロット群35は、第一スロット31と、第一スロット31を挟んで周方向の両側に形成された第二スロット32および第三スロット33と、により形成されている。
第一スロット31は、平面視で等脚台形状をしており、長手方向が径方向と直交するように設けられている。
第一スロット31の径方向の外側における内壁(以下、「外側壁31a」という。)には、長手方向の中間部において径方向の外側に窪むとともに、軸方向に沿うように充填溝31Aが形成されている。充填溝31Aに対応する位置には、後述のロータ3の製造工程において第一スロット31に熱可塑性樹脂材料を充填するときに、充填用金型53の充填孔53a(図7参照)が配置される。
第一スロット31の内部には、第一磁石36Aが挿入配置されている。第一磁石36Aは、例えばネオジム磁石等の永久磁石であって、矩形板状に形成されている。
第一磁石36Aの径方向に沿う厚さは、第一スロット31の径方向に沿う幅よりも薄くなっている。第一磁石36Aは、第一スロット31の径方向における内側の内壁(以下、「内側壁31b」という。)に当接した状態で配されている。これにより、第一磁石36Aの径方向の外側面と第一スロット31の外側壁31aとの間には、間隙31cが形成される。
図4は、図3のA−A線に沿った変位側面断面図である。
図4に示すように、本実施形態の第一磁石36Aの軸方向の長さは、ロータコア30の軸方向の長さよりもわずかに短くなっている。第一磁石36Aは、軸方向における他方側(図4における下側)の端面が、ロータコア30の軸方向における他方側の端面と略面一となるように配置されている。
図3に示すように、第一スロット31には、空洞部31d,31eが形成されている。空洞部31d,31eは、それぞれ第一磁石36Aの周方向の両側から、第一磁石36Aの径方向における外側の角部に対応した位置にわたって形成されている。空洞部31d,31eは、対称形状となっており、体積が略同一となっている。空洞部31d,31eは、第一スロット31に挿入された第一磁石36Aの磁束が漏洩するのを防止する、いわゆるフラックスバリアとして機能している。
図4に示すように、第一スロット31の内壁と第一磁石36Aの外面との間、および第一磁石36Aにおける軸方向の一方側の端面上には、熱可塑性樹脂材料が充填されて第一モールド部38Aが形成されている。第一モールド部38Aは、後述のロータ3の製造工程において、熱可塑性樹脂材料が充填されて固化することにより形成される。第一モールド部38Aは、第一スロット31に対して第一磁石36Aを保持している。なお、第一モールド部38Aを形成する熱可塑性樹脂としては、液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer:LCP)が好適である。
図3に示すように、第二スロット32および第三スロット33は、それぞれ平面視で台形状をしており、径方向の内側から外側に向かって、互いに漸次広がるように配置されている。第二スロット32と第三スロット33とは、第一スロット31を挟んで互いに対称形状に形成されている。
第二スロット32の外側壁32aには、長手方向の中間部よりも第一スロット31側において、径方向の外側に窪むとともに、軸方向に沿うように充填溝32Aが形成されている。充填溝32Aに対応する位置には、後述のロータ3の製造工程において第二スロット32に熱可塑性樹脂材料を充填するときに、充填用金型53の充填孔53a(図7参照)が配置される。
第二スロット32の内部には第二磁石36Bが挿入配置されている。第二磁石36Bは、第二スロット32の内側壁32bに当接した状態で配されている。これにより、第二磁石36Bの径方向の外側面と第二スロット32の外側壁32aとの間には、間隙32cが形成される。
図4に示すように、第二磁石36Bは、軸方向における一方側(図4における上側)の端面が、ロータコア30の軸方向における一方側の端面と略面一となるように配置されている。
図3に示すように、第二スロット32には、空洞部32d,32eが形成されている。空洞部32d,32eのうち、第一スロット31側の空洞部32dは、第二磁石36Bの周方向における側方に形成されている。また、第二磁石36Bを挟んで第一スロット31とは反対側の空洞部32eは、第二磁石36Bの周方向における側方から、第二磁石36Bよりも径方向の外側における第二磁石36Bの長手方向の中間部近傍にわたって形成されている。空洞部32d,32eは、非対称形状となっている。空洞部32d,32eは、第二スロット32に挿入された第二磁石36Bの磁束が漏洩するのを防止する、いわゆるフラックスバリアとして機能している。
図4に示すように、第二スロット32の内壁と第二磁石36Bの外面との間、および第二磁石36Bにおける軸方向の他方側の端面上には、熱可塑性樹脂材料が充填されて第二モールド部38Bが形成されている。第二モールド部38Bは、後述のロータ3の製造工程において、熱可塑性樹脂材料が充填されて固化することにより形成される。第二モールド部38Bは、第二スロット32に対して第二磁石36Bを保持している。なお、第二モールド部38Bを形成する熱可塑性樹脂としては、第一モールド部38Aと同様に、液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer:LCP)が好適である。
図5は、ロータ3を軸方向の他方側から見たときの平面図であって、磁極部37の拡大図である。
図5に示すように、第二スロット32内に熱可塑性樹脂材料が充填されて形成された第二モールド部38Bには、軸方向の他方側の端面に、凹部39が形成されている。凹部39は、平面視で円形状をしている。凹部39からは、第二磁石36Bが露出している。凹部39が形成される過程については、後述のロータ3の製造方法で説明する。
ここで、図3に示すように、軸方向から見たとき、第一スロット31における空洞部31d,31eの領域の面積は、第二スロット32における空洞部32d,32eの領域の面積よりも小さくなっている。このため、軸方向から見たとき、第一スロット31の外側壁31aと第一磁石36Aの外面との間の狭小な間隙31cの形成範囲は、第二スロット32の外側壁32aと第二磁石36Bの外面との間の狭小な間隙32cの形成範囲よりも大きくなる。したがって、第一スロット31および第二スロットに対して同一の射出圧力で熱可塑性樹脂材料を充填したとき、第一スロット31の外側壁31aと第一磁石36Aの外面との間隙31cに熱可塑性樹脂材料が流入する際の流入抵抗(以下、単に「第一スロット31の流入抵抗R1」という。)は、第二スロット32の外側壁32aと第二磁石36Bの外面との間隙32cに熱可塑性樹脂材料が流入する際の流入抵抗(以下、単に「第二スロット32の流入抵抗R2」という。)よりも大きくなる。
第三スロット33は、第二スロット32と対称形状に形成されている。したがって、第三スロット33の充填溝33Aや、外側壁33a、内側壁33b、間隙33c、空洞部33d,33e、第三モールド部38Cの構成は、上述した第二スロット32の充填溝32Aや、外側壁32a、内側壁32b、間隙32c、空洞部32d,32e、第二モールド部38Bと同様であるため、詳細な説明を省略する。
図1に示すように、ハウジング5は、略筒状に形成されてモータ4を覆うモータハウジング5Aと、モータハウジング5Aの軸方向の一端側に設けられた不図示のセンサハウジングと、を備えている。
モータハウジング5Aには、ステータ2のステータコア20が例えば不図示のボルト等により固定されている。
センサハウジングには、ロータ3の回転角度を検出可能な例えばレゾルバ等の不図示の回転センサが、ロータ3と同軸となるように取り付けられている。また、センサハウジングには、ロータ3のシャフト6の一端を回転自在に支持する不図示のベアリングが設けられている。なお、ロータ3のシャフト6の他端は、不図示のミッションハウジング等に設けられたベアリングにより回転自在に支持されている。これにより、ロータ3は、ステータ2の内側において回転可能となっている。
(ロータの製造方法)
続いて、上述したロータ3の製造工程(請求項の「ロータ製造方法」に相当。)について説明する。なお、以下の説明において、各部品の符号については、必要に応じて図1から図5を参照されたい。
図6は、ロータ3の製造工程S10のフローチャートである。
図6に示すように、本実施形態のロータ3の製造工程S10は、主に、磁石挿入配置工程S11と、充填工程S13と、固化工程S15と、を含む。以下に、各工程の詳細について、図面を用いて説明をする。なお、以下で述べる工程では、ロータコア30の第一スロット31から第三スロット33の各スロットに対して、それぞれ同様に同一のタイミングで行われる。また、第二スロット32に対して第二磁石36Bを挿入して固定する工程と、第三スロット33に対して第三磁石36Cを挿入して固定する工程とは同一である。したがって、以下では、ロータコア30の第一スロット31および第二スロット32に対してそれぞれ第一磁石36Aおよび第二磁石36Bを挿入して固定する工程について説明をし、第三スロット33に対して第三磁石36Cを挿入して固定する工程については説明を省略する。また、以下では、まず本実施形態に係るロータ3の製造工程S10で使用されるインジェクション装置50の概要について図面を用いて説明をした後、充填工程S13の詳細について説明をする。
図7は、インジェクション装置50の側面断面模式図である。なお、図7以降のインジェクション装置50およびロータコア30の側面断面は、図3に示すロータコア30のA−A線に沿う変位断面に対応している。また、図7では、ロータコア30をインジェクション装置50に対してセットした状態を図示している。また、第一磁石36Aおよび第二磁石36Bを二点鎖線で図示している。
図7に示すように、本実施形態に係るインジェクション装置50は、主に下型51(請求項の「第二金型」に相当。)と、充填用金型53(請求項の「第一金型」に相当。)と、により構成されている。
下型51は、設置台S上に設置されている。下型51の上面51aには、ロータコア30が径方向および周方向に位置決めされた状態で載置可能となっている。
下型51の上面51aには、第二スロット32および第三スロット33(図3参照)に対応した位置に、凸部52が形成されている。凸部52は、例えば円柱状をしており、軸方向に沿って立設されている。凸部52は、軸方向から見たときに、例えば第二スロット32および第三スロット33(図3参照)の周方向および径方向の中央近傍に位置している。
凸部52は、ロータコア30の軸方向から見たときに、第二磁石36Bの外形よりも小さい外形を有している。これにより、後述の充填工程S13では、凸部52の周辺に熱可塑性樹脂材料が充填される。
充填用金型53は、下型51とは反対側において、例えば不図示の油圧アクチュエータによりロータコア30の軸方向に沿って移動可能となっている。充填用金型53は、熱可塑性樹脂材料の充填時において、ロータコア30の軸方向端面と当接するとともに、ロータコア30から離反しないように、ロータコア30の軸方向端面に向かって所定の押圧力により押圧する(いわゆる型締め)。
充填用金型53の充填孔53aは、複数形成されている。複数の充填孔53aは、それぞれ第一スロット31から第三スロット33(図3参照)の各充填溝31A,31B,31C(図3参照)に対応する位置に形成されている。
また、充填用金型53の外面における中央には、不図示のインジェクションノズルが接続される接続孔53bが設けられている。接続孔53bと充填孔53aとは、熱可塑性樹脂材料が通流する通流路53cを通じて連通している。
インジェクションノズルは、熱可塑性樹脂材料を射出してロータコア30の第一スロット31から第三スロット33(図3参照)の各スロットに充填するためのものである。インジェクションノズルは、熱可塑性樹脂材料の充填時において、先端の射出口が充填用金型53の接続孔53bに挿入配置される。インジェクションノズルから射出された熱可塑性樹脂材料は、通流路53cおよび充填孔53aを通じて、ロータコア30の第一スロット31から第三スロット33(図3参照)の各スロットに射出される。
図8は、磁石挿入配置工程S11の説明図であって、ロータコア30の側面断面模式図である。
本実施形態のロータ3の製造工程S10は、上述のように構成されたインジェクション装置50により行われる。
図8に示すように、ロータ3の製造工程S10では、まず磁石挿入配置工程S11を行う。
磁石挿入配置工程S11では、下型51にロータコア30の軸方向端面を当接させ、ロータコア30を位置決めした状態でセットする。続いて、ロータコア30の第一スロット31および第二スロット32に対して、それぞれ第一磁石36Aおよび第二磁石36Bを軸方向に沿って挿入して配置する。
このとき、第一磁石36Aは、一方側(図8における上側)の端面がロータコア30の一方側の端面よりも一段下がった位置に配置されるとともに、他方側(図8における下側)の端面が下型51に当接する。
また、第二磁石36Bは、一方側(図8における上側)の端面がロータコア30の一方側の端面と略面一となるように配置されるとともに、他方側(図8における下側)の端面が下型51の凸部52に当接する。これにより、下型51の上面51aと第二磁石36Bとの間にはスペースが設けられる。
第一磁石36Aおよび第二磁石36Bをそれぞれ第一スロット31および第二スロット32に配置した時点で、磁石挿入配置工程S11が終了する。
図9は、充填工程S13の説明図であって、ロータコア30の側面断面模式図である。
続いて、図9に示すように、充填工程S13を行う。
充填工程S13では、充填用金型53を移動させて、ロータコア30の軸方向端面に向かって所定の押圧力により押圧(型締め)する。ここで、充填用金型53の押圧力は、熱可塑性樹脂材料の充填時において、熱可塑性樹脂材料の充填時の内部圧力により充填用金型53がロータコア30から離反しないような大きさに設定される。続いて、不図示のインジェクションノズルの先端の射出口を充填用金型53の接続孔53bに挿入する。
続いて、インジェクションノズルから熱可塑性樹脂材料を射出し、第一スロット31および第二スロット32に充填する。
ここで、ロータコア30の第一スロット31に形成された充填溝31Aおよび第二スロット32に形成された充填溝32Aに対応した位置には、充填用金型53の充填孔53aが配置される。したがって、第一スロット31内に配置された第一磁石36Aおよび第二スロット32内に配置された第二磁石36Bは、充填された熱可塑性樹脂材料の内部圧力により径方向の内側に押圧されて、それぞれ第一スロット31の内側壁31bおよび第二スロット32の内側壁32bに当接する。
ところで、前述したとおり、図3に示すように、第一スロット31の外側壁31aと第一磁石36Aの外面との間の狭小な間隙31cの形成範囲は、第二スロット32の外側壁32aと第二磁石36Bの外面との間の狭小な間隙32cの形成範囲よりも大きくっているため、第一スロット31の流入抵抗R1は、第二スロット32の流入抵抗R2よりも大きくなっていた。
これに対して、図9に示すように、充填工程S13では、下型51の凸部52と第二磁石36Bの他方側(図9における下側)の端面とが当接することにより、第二磁石36Bを第一磁石36Aよりも充填用金型53側に配置して熱可塑性樹脂材料の充填を行っている。本実施形態においては、第二磁石36Bの一方側(図9における上側)の端面がロータコア30の一方側の端面と略面一となる位置まで、第二磁石36Bを充填用金型53側に寄った状態で配置している。
これにより、第二磁石36Bと充填用金型53との間に形成されるスペースは、第一磁石36Aと充填用金型53との間に形成されるスペースよりも狭くなっている。すなわち、凸部52を設けるとともに、第二磁石36Bを第一磁石36Aよりも充填用金型53側に配置することにより、第二磁石36Bと充填用金型53との間に形成される熱可塑性樹脂材料の流路断面積を小さくしている。これにより、充填孔53aから第二スロット32までの流入抵抗は、充填孔53aから第一スロット31までの流入抵抗よりも大きくなるので、第一スロット31の流入抵抗R1と第二スロット32の流入抵抗R2との差を相殺することができる。したがって、本実施形態によれば、第一スロット31の内壁と第一磁石36Aの外面との間、および第二スロット32の内壁と第二磁石36Bの外面との間に対して、第一スロット31および第二スロット32の形状の違いにかかわらず、均等に熱可塑性樹脂材料を充填することができる。
第一スロット31および第二スロット32内に熱可塑性樹脂材料を充填した時点で、充填工程S13が終了する。
図10は、流入抵抗の調節に関する説明図である。なお、図10では、調節された凸部52および第二磁石36Bを二点鎖線で図示している。
ここで、図10に示すように、充填孔53aから第二スロット32までの流入抵抗は、軸方向における第二磁石36Bの位置により調節可能となっている。
例えば、凸部52を上述の実施形態よりも短くすることにより、第二磁石36Bと充填用金型53との間にはスペースFが形成される。スペースFは、熱可塑性樹脂材料の流路となる。したがって、凸部52の軸方向の長さを調節することにより、熱可塑性樹脂材料の流路断面積、すなわち充填孔53a以降の第二スロット32側における熱可塑性樹脂材料の流入抵抗を調節することができる。なお、流入抵抗を大きくしたい場合には、凸部52の軸方向の長さを長く設定するとともに、第二磁石36Bを充填用金型53に近接配置し、スペースFを小さくすればよい。また、流入抵抗を小さくしたい場合には、凸部52の軸方向の長さを短く設定するとともに、第二磁石36Bを充填用金型53から離間して配置し、スペースFを大きくすればよい。
続いて、固化工程S15を行う。固化工程S15では、第一スロット31および第二スロット32内に充填された熱可塑性樹脂材料を自然冷却により固化させる。ここで、従来技術において、第一スロット31および第二スロット32内に熱硬化性樹脂材料を充填していた場合には、例えば恒温槽等の加熱器にロータ3を投入して所定温度になるまで所定時間加熱する必要があった。これに対して、本実施形態では、第一スロット31および第二スロット32内に熱可塑性樹脂材料を充填しているので、所定時間加熱することなく自然冷却にて素早く固化することができる。したがって、ロータ3を製造する際の製造工程の簡素化および製造時間の短縮化をすることができる。
このとき、図5に示すように、第二スロット32および第三スロット33に充填された熱可塑性樹脂材料が固化することにより形成された第二モールド部38Bおよび第三モールド部38Cには、軸方向の他方側の端面における下型51の凸部52(図7参照)に対応した位置に、凹部39が形成される。
熱可塑性樹脂材料が固化した時点で固化工程S15が終了するとともに、ロータ3の製造工程S10が終了する。
本実施形態によれば、充填工程S13では、流入抵抗の小さい第二スロット32の第二磁石36Bおよび第三スロット33の第三磁石36Cを、流入抵抗の大きい第一スロット31の第一磁石36Aよりも充填用金型53側に寄せた状態で行うので、第二磁石36Bおよび第三磁石36Cと充填用金型53との間に形成される熱可塑性樹脂材料が通流するスペースFを狭くすることができる。すなわち、第二磁石36Bおよび第三磁石36Cと充填用金型53との間に形成される熱可塑性樹脂材料の流路断面積を小さくして、第二スロット32側における熱可塑性樹脂材料の流入抵抗および第三スロット33側における熱可塑性樹脂材料の流入抵抗と、第一スロット31側における熱可塑性樹脂材料の流入抵抗とが均衡するように調節できる。これにより、所定の射出圧力で第一スロット31、第二スロット32および第三スロット33に対してバランスよく熱可塑性樹脂材料を充填できるので、ロータコア30の変形を防止しつつ、形状の異なる第一スロット31の内壁と第一磁石36Aの外面との間、第二スロット32の内壁と第二磁石36Bの外面との間、および第三スロット33の内壁と第三磁石36Cの外面との間に熱可塑性樹脂材料を充填することができる。
また、下型51に凸部52を設けるだけで、第二磁石36Bおよび第三磁石36Cを第一磁石36Aよりも充填用金型53側に簡単に寄せることができる。また、凸部52は、第二磁石36Bおよび第三磁石36Cの外形よりも小さい外形を有するので、凸部52の周辺に熱可塑性樹脂材料を充填して配置することができる。したがって、第二スロット32内および第三スロット33内において、それぞれ第二磁石36Bおよび第三磁石36Cを強固に保持することができる。
また、充填工程S13で第一スロット31から第三スロット33の各スロットに充填される熱可塑性樹脂材料として、液晶ポリマーを好適に採用できる。
また、第二磁石36Bおよび第三磁石36Cは、第一磁石36Aよりも軸方向の一方側に寄った状態で配置されているので、第一磁石36Aと第二磁石36Bと第三磁石36Cとにより軸方向の全体にわたってバランス良くロータコア30を磁化させることができる。したがって、高トルクのロータ3とすることができる。また、第一磁石36Aよりも軸方向の一方側の領域と、第二磁石36Bおよび第三磁石36Cよりも軸方向の他方側の領域とに、それぞれ充填された熱可塑性樹脂を配置できるので、第一磁石36A、第二磁石36Bおよび第三磁石36Cをそれぞれ第一スロット31、第二スロット32および第三スロット33内に強固に固定できる。
また、第二磁石36Bおよび第三磁石36Cよりも軸方向の他方側において、凹部39の周辺に熱可塑性樹脂材料を配置することができるので、第二スロット32および第三スロット33内において、第二磁石36Bおよび第三磁石36Cを強固に保持することができる。
また、バランス良くロータコア30が磁化されるとともに、第一磁石36A、第二磁石36Bおよび第三磁石36Cをそれぞれ第一スロット31、第二スロット32および第三スロット33内に強固に固定できるロータ3を備えているので、高性能かつ耐久性に優れたモータ4とすることができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、実施形態では、第一スロット31、第二スロット32および第三スロット33により構成されたスロット群35を有するロータ3の製造方法について説明をしたが、スロットの個数や形状等は実施形態に限定されない。また、インジェクション装置50を構成する下型51に形成された凸部52の形状や本数等は、実施形態に限定されない。
例えば、実施形態では、第一スロット31、第二スロット32および第三スロット33の各スロットに挿入される第一磁石36A、第二磁石36Bおよび第三磁石36Cとして、ネオジムを主成分とするいわゆるネオジム磁石を採用していたが、第一磁石36A、第二磁石36Bおよび第三磁石36Cの種類は実施形態に限定されない。したがって、第一磁石36A、第二磁石36Bおよび第三磁石36Cは、例えば、サマリウム(Sm)やコバルト(Co)等を主原料とするいわゆるサマリウムコバルト磁石や、アルミニウム(Al)やニッケル(Ni)、コバルト(Co)等を主原料とするいわゆるアルニコ磁石であってもよい。
また、実施形態では、第一スロット31から第三スロット33の各スロットに対して充填される熱可塑性樹脂材料として、液晶ポリマーを採用した場合について説明をしたが、各スロットに対して充填される熱可塑性樹脂材料は、液晶ポリマーに限定されない。したがって、例えば、ポリブチレンテレフタレート(Polybutylene Terephthalate:PBT)やポリフェニレンサルファイド(Poly Phenylene Sulfide Resin:PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(Polyetheretherketone:PEEK)等、液晶ポリマー以外の熱可塑性樹脂材料であってもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
3 ロータ
30 ロータコア
31 第一スロット
32 第二スロット
36A 第一磁石
36B 第二磁石
38B 第二モールド部(モールド部)
39 凹部
51 下型(第二金型)
52 凸部
53 充填用金型(第一金型)
53a 充填孔
S11 磁石挿入配置工程
S13 充填工程

Claims (6)

  1. 第一磁石が挿入されて熱可塑性樹脂材料により固定される第一スロットと、第二磁石が挿入されて前記熱可塑性樹脂材料により固定される第二スロットと、を少なくとも備え、前記第一スロットの内壁と前記第一磁石の外面との間に前記熱可塑性樹脂材料が流入する際の流入抵抗が、前記第二スロットの内壁と前記第二磁石の外面との間に前記熱可塑性樹脂材料が流入する際の流入抵抗よりも大きいロータコアを有するロータを製造するためのロータ製造方法であって、
    前記第一スロットおよび前記第二スロットに、それぞれ前記第一磁石および前記第二磁石を挿入する磁石挿入配置工程と、
    所定の射出圧力により第一金型の充填孔から前記熱可塑性樹脂材料を射出し、前記第一スロットの内壁と前記第一磁石の外面との間、および前記第二スロットの内壁と前記第二磁石の外面との間に充填する充填工程と、
    を含み、
    前記充填工程では、前記第二磁石を前記第一磁石よりも前記第一金型側に寄せた状態で行うことを特徴とするロータ製造方法。
  2. 請求項1に記載のロータ製造方法であって、
    前記磁石挿入配置工程では、前記ロータコアを挟んで前記第一金型とは反対側に配置され、前記ロータコアの軸方向から見たときに、前記第二磁石の外形よりも小さい外形を有するとともに、前記軸方向に突出した凸部を備えた第二金型を用いて行い、
    前記充填工程では、前記凸部と前記第二磁石の端面とが当接することにより、前記第二磁石を前記第一磁石よりも前記第一金型側に配置して行うことを特徴とするロータ製造方法。
  3. 請求項1または2に記載のロータ製造方法であって、
    前記充填工程で充填される前記熱可塑性樹脂材料は、液晶ポリマーであることを特徴とするロータ製造方法。
  4. 第一磁石が挿入されて熱可塑性樹脂材料により固定される第一スロットと、第二磁石が挿入されて前記熱可塑性樹脂材料により固定される第二スロットと、を少なくとも備えたロータコアを有するロータであって、
    前記第一スロットと前記第二スロットとは、前記ロータコアの軸方向の一方側から所定の射出圧力により前記熱可塑性樹脂材料を充填したときに、前記第一スロットの内壁と前記第一磁石の外面との間に前記熱可塑性樹脂材料が流入する際の流入抵抗が、前記第二スロットの内壁と前記第二磁石の外面との間に前記熱可塑性樹脂材料が流入する際の流入抵抗よりも大きくなるように形成され、
    前記第二磁石は、前記第一磁石よりも前記軸方向の一方側に寄った状態で配置されていることを特徴とするロータ。
  5. 請求項4に記載のロータであって、
    前記第二スロット内に前記熱可塑性樹脂材料が充填されて形成されたモールド部には、前記軸方向の他方側の端面に、凹部が形成されていることを特徴とするロータ。
  6. 請求項4または5に記載のロータを備えたことを特徴とするモータ。
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