JP2007159223A - ロータ、回転電機およびロータの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁石の保護が十分に図られるロータ、回転電機およびロータの製造方法を提供する。
【解決手段】ロータ10は、端面20aを有するロータコア20と、永久磁石31と、エンドプレート41と、ピン36と、樹脂26とを備える。ロータコア20には、端面20aに開口する孔24が形成されている。永久磁石31は、孔24に位置決めされている。エンドプレート41は、孔24を塞ぐように端面20aに固定されている。ピン36は、永久磁石31とエンドプレート41との間に配置されている。ピン36は、永久磁石31をエンドプレート41から離間した位置に保持するとともに永久磁石31とエンドプレート41との間に隙間を形成する。樹脂26は、孔24に配置され、永久磁石31とエンドプレート41との間に形成された隙間を充填する。
【選択図】図4
【解決手段】ロータ10は、端面20aを有するロータコア20と、永久磁石31と、エンドプレート41と、ピン36と、樹脂26とを備える。ロータコア20には、端面20aに開口する孔24が形成されている。永久磁石31は、孔24に位置決めされている。エンドプレート41は、孔24を塞ぐように端面20aに固定されている。ピン36は、永久磁石31とエンドプレート41との間に配置されている。ピン36は、永久磁石31をエンドプレート41から離間した位置に保持するとともに永久磁石31とエンドプレート41との間に隙間を形成する。樹脂26は、孔24に配置され、永久磁石31とエンドプレート41との間に形成された隙間を充填する。
【選択図】図4
Description
この発明は、一般的には、ロータ、回転電機およびロータの製造方法に関し、より特定的には、コア体に埋設された磁石を備えるロータ、そのロータを備える回転電機およびそのロータの製造方法に関する。
従来のロータに関して、たとえば、特開2000−14062号公報には、簡単な構造で確実にロータの永久磁石を固定し、保護することを目的としたトルクモータが開示されている(特許文献1)。特許文献1では、ロータコアの外周に、円筒状のカバーが永久磁石群を覆うように設けられている。カバーとロータコアとの間には、各永久磁石の径方向および周方向の面を覆うように樹脂材料が充填されている。
また、特開2001−157394号公報には、永久磁石をバランス良く確実に固定し、信頼性の向上を図ることを目的とした磁石埋め込み型回転子が開示されている(特許文献2)。特許文献2では、磁石埋め込み型回転子の製造に使用される注入金型に、永久磁石が載置される突起部が設けられている。
特開2000−14062号公報
特開2001−157394号公報
上述の特許文献1および2に開示されているように、ロータコアに永久磁石を埋設する場合に樹脂部材を用いることが知られている。このような構成では、樹脂部材を設ける工程時に、永久磁石の周りに隙間が確保されていないと、永久磁石が樹脂部材から部分的に露出するおそれが生じる。この場合、永久磁石を外部雰囲気から十分に保護することが難しくなる。
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、磁石の保護が十分に図られるロータ、回転電機およびロータの製造方法を提供することである。
この発明に従ったロータは、表面を有するコア体と、磁石と、プレート部材と、スペーサと、樹脂部材とを備える。コア体には、表面に開口する孔が形成されている。磁石は、孔に位置決めされている。プレート部材は、孔を塞ぐように表面に固定されている。スペーサは、磁石とプレート部材との間に配置されている。スペーサは、磁石をプレート部材から離間した位置に保持するとともに磁石とプレート部材との間に隙間を形成する。樹脂部材は、孔に配置され、磁石とプレート部材との間に形成された隙間を充填する。
このように構成されたロータによれば、スペーサを設けることによって、磁石とプレート部材との間に樹脂部材を確実に充填することができる。これにより、プレート部材に向い合う位置で磁石が樹脂部材から露出することを防止し、磁石の保護を十分に図ることができる。
また、コア体は、表面の反対側に面し、孔が開口する裏面をさらに有する。裏面には、プレート部材とは別のプレート部材が固定されている。好ましくは、樹脂部材は、磁石と別のプレート部材との間に形成された隙間をさらに充填している。このように構成されたロータによれば、孔が開口するコア体の表面および裏面の双方にプレート部材が配置されたロータにおいて、磁石が樹脂部材から露出することを防止できる。
また好ましくは、スペーサは、樹脂材料から形成されている。このように構成されたロータによれば、スペーサと樹脂部材との双方が樹脂材料から形成されている。このため、スペーサと樹脂部材との親和性を向上させ、両者の接合力を増大させることができる。
また好ましくは、樹脂部材は、単一の樹脂材料から形成され、磁石およびコア体に接触している。このように構成されたロータによれば、樹脂部材が、孔に磁石を保持する役割と、磁石を外部雰囲気から隔離する役割との双方を果たしている。このため、ロータを簡易に構成することができる。
この発明に従った回転電機は、上述のいずれかに記載のロータを備える。このように構成された回転電機によれば、ロータに設けられた磁石の保護が十分に図られているため、回転電機の信頼性を向上させることができる。
この発明に従ったロータの製造方法は、表面を有し、表面に開口する孔が形成されたコア体と、孔に位置決めされる磁石と、孔を塞ぐように表面に固定されたプレート部材とを備えるロータの製造方法である。ロータの製造方法は、プレート部材の鉛直上側にコア体を配置する工程と、スペーサを介在させてプレート部材上に磁石を載置し、磁石とプレート部材との間に隙間を形成する工程と、磁石とプレート部材との間に形成された隙間を充填するように、孔に樹脂部材を設ける工程とを備える。
このように構成されたロータの製造方法によれば、スペーサを設けることによって、磁石とプレート部材との間に樹脂部材を確実に充填することができる。これにより、プレート部材に向い合う位置で磁石が樹脂部材から露出することを防止し、磁石の保護を十分に図ることができる。
また好ましくは、スペーサは、樹脂部材を形成する樹脂材料と同一の樹脂材料から形成されている。このように構成されたロータの製造方法によれば、スペーサと樹脂部材との親和性を向上させ、両者の接合力を増大させることができる。
以上説明したように、この発明に従えば、磁石の保護が十分に図られるロータ、回転電機およびロータの製造方法を提供することができる。
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1におけるロータを備える回転電機を示す断面図である。図中に示す回転電機は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関と、充放電可能な2次電池(バッテリ)から電力供給されるモータとを動力源とするハイブリッド自動車に搭載されたモータである。
図1は、この発明の実施の形態1におけるロータを備える回転電機を示す断面図である。図中に示す回転電機は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関と、充放電可能な2次電池(バッテリ)から電力供給されるモータとを動力源とするハイブリッド自動車に搭載されたモータである。
図1を参照して、回転電機100は、ロータ10と、ロータ10の外周上に配置されたステータ50とを備える。ロータ10は、中心軸101に沿って延びるシャフト58に設けられている。シャフト58は、ロータ10とともに中心軸101を中心に回転する。
ロータ10は、ロータコア20と、ロータコア20に埋設された永久磁石31と、ロータコア20に設けられたプレート部材としてのエンドプレート41および別のプレート部材としてのエンドプレート46とを有する。すなわち、回転電機100は、IPM(Interior Permanent Magnet)モータである。ロータコア20は、中心軸101に沿った円筒形状を有する。ロータコア20は、中心軸101の軸方向に積層された複数の電磁鋼板21から構成されている。
ステータ50は、ステータコア55と、ステータコア55に巻回されたコイル51とを有する。ステータコア55は、中心軸101の軸方向に積層された複数の電磁鋼板52から構成されている。なお、ロータコア20およびステータコア55は、電磁鋼板に限定されず、たとえば圧粉磁心から構成されても良い。
コイル51は、3相ケーブル60によって制御装置70に電気的に接続されている。3相ケーブル60は、U相ケーブル61、V相ケーブル62およびW相ケーブル63からなる。コイル51は、U相コイル、V相コイルおよびW相コイルからなり、これらの3つのコイルの端子に、それぞれ、U相ケーブル61、V相ケーブル62およびW相ケーブル63が接続されている。
制御装置70には、ハイブリッド自動車に搭載されたECU(Electrical Control Unit)80から、回転電機100が出力すべきトルク指令値が送られる。制御装置70は、そのトルク指令値によって指定されたトルクを出力するためのモータ制御電流を生成し、そのモータ制御電流を、3相ケーブル60を介してコイル51に供給する。
図2は、図1のII−II線上に沿ったステータの正面図である。図1および図2を参照して、ステータコア55は、中心軸101に沿った円筒形状を有する。ステータコア55は、中心軸101を中心としてその周方向に配列された複数のティース1を内周面に有する。本実施の形態では、ステータコア55は、48個のティース1を有する。
コイル51は、U相コイルを構成するコイル510〜517、V相コイルを構成するコイル520〜527およびW相コイルを構成するコイル530〜537からなる。コイル510〜517,520〜527,530〜537の各々は、周方向に連続する複数のティース1に集中して巻回されている。コイル510〜517は、最外周に配置されている。コイル520〜527は、コイル510〜517の内側であって、それぞれ、コイル510〜517に対して周方向に一定の位相だけずれた位置に配置されている。コイル530〜537は、コイル520〜527の内側であって、それぞれ、コイル520〜527に対して周方向に一定の位相だけずれた位置に配置されている。
コイル510〜513は、直列に接続されており、その一方端が端子U1であり、他方端が中性点UN1である。コイル514〜517は、直列に接続されており、その一方端が端子U2であり、他方端が中性点UN2である。
コイル520〜523は、直列に接続されており、その一方端が端子V1であり、他方端が中性点VN1である。コイル524〜527は、直列に接続されており、その一方端が端子V2であり、他方端が中性点VN2である。
コイル530〜533は、直列に接続されており、その一方端が端子W1であり、他方端が中性点WN1である。コイル534〜537は、直列に接続されており、その一方端が端子W2であり、他方端が中性点WN2である。
中性点UN1,UN2,VN1,VN2,WN1,WN2は、1点に共通接続されている。端子U1,U2は、3相ケーブル60のU相ケーブル61に接続され、端子V1,V2は、V相ケーブル62に接続され、端子W1,W2は、W相ケーブル63に接続されている。
図3は、図1中のIII−III線上に沿ったロータおよびステータの断面図である。図3を参照して、永久磁石31は、中心軸101を中心としてその周方向に沿って複数、配設されている。本実施の形態では、8個の永久磁石31が配設されている。
永久磁石31A,31C,31E,31Gは、ロータコア20の外周側がN極になるように配置されている。永久磁石31B,31D,31F,31Hは、ロータコア20の外周側がS極になるように配置されている。このように、永久磁石31は、中心軸101を中心としてその径方向に着磁され、磁石の極性が隣接する磁石間で反転するように配設されている。図2に示すコイル510〜517,520〜527,530〜537は、これらの永久磁石31(31A〜31H)に対向するように配置されている。
ティース1の個数は、ロータコア20に埋設された永久磁石31の個数の整数倍になるように決定される。ティース1および永久磁石31の個数は、本実施の形態に挙げた数に限定されない。
図4は、図1中のロータの詳細な形状を示す断面図である。図5は、図4中のV−V線上に沿ったロータの断面図である。図4および図5を参照して、ロータコア20は、エンドプレート41が固定される表面としての端面20aと、エンドプレート46が固定される裏面としての端面20bとを有する。端面20aと端面20bとは、図1中の中心軸101の軸方向に離間しており、互いに反対側に面している。
ロータコア20には、永久磁石31が配置される孔24が形成されている。孔24は、図1中の中心軸101に平行に延び、ロータコア20を貫通している。孔24は、端面20aおよび20bに開口している。端面20aに開口する孔24は、エンドプレート41によって塞がれている。端面20bに開口する孔24は、エンドプレート46によって塞がれている。永久磁石31は、エンドプレート41、エンドプレート46およびロータコア20によって全周を取り囲まれている。
エンドプレート41と永久磁石31との間には、ピン36が配置されている。ピン36は、孔24内に設けられている。ピン36は、エンドプレート41から永久磁石31に向かって突出している。ピン36は、エンドプレート41から離れた位置で永久磁石31に当接している。ピン36により、永久磁石31は、エンドプレート41から離間した位置に保持されている。ピン36により、エンドプレート41と永久磁石31との間には、隙間が形成されている。エンドプレート41と永久磁石31との間に形成される隙間は、たとえば0.05mmから0.3mm程度の大きさを有する。
エンドプレート41は、端面20aに向い合う表面41aを有する。エンドプレート41には、表面41aに開口する差し込み孔41hが形成されている。ピン36は、差し込み孔41hに圧入されている。本実施の形態では、ピン36がエンドプレート41に固定されている。なお、ピン36は、永久磁石31に固定されても良いし、エンドプレート41および永久磁石31のいずれにも固定されなくても良い。
永久磁石31は、エンドプレート41に向い合い、ピン36が当接する端面31aを有する。端面31aは、略矩形形状を有する。ピン36は、端面31aの中心付近に当接している。ピン36は、端面31aの向い合う端辺を結ぶ経路を全て遮ることのないように端面31aに当接している。
ピン36は、金属から形成されている。ピン36は、非磁性材料から形成されている。ピン36は、たとえばアルミニウムや真鍮から形成されている。ピン36は、円柱形状を有する。ピン36は、これに限定されず、たとえば四角柱等の多角柱の形状を有しても良いし、円錐台や角錐台等の形状を有しても良い。ピン36は、複数、設けられても良い。
孔24内には、さらに、永久磁石31とエンドプレート46との間に隙間が形成されている。孔24内には、さらに、永久磁石31と、孔24を規定するロータコア20の内壁との間に隙間が形成されている。つまり、永久磁石31は、エンドプレート41、エンドプレート46およびロータコア20に接触しないように孔24内に配置されている。永久磁石31の周りに形成される隙間は、一定の大きさを有しなくても良い。
孔24には、永久磁石31を保持する樹脂26が設けられている。樹脂26は、エンドプレート41と永久磁石31との間に形成された隙間を充填している。樹脂26は、さらに、永久磁石31とエンドプレート46との間に形成された隙間を充填している。樹脂26は、さらに、永久磁石31と、孔24を規定するロータコア20の内壁との間に形成された隙間を充填している。樹脂26は、永久磁石31の全周を覆っている。樹脂26は、ロータコア20とエンドプレート41との間に介在しても良い。
樹脂26は、単一の樹脂材料から形成されている。樹脂26は、ロータコア20および永久磁石31の双方に接触している。
樹脂26は、たとえば、エポキシ、不飽和ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートまたはポリフェニレンスルフィド等の樹脂材料から形成されている。
続いて、図1中のロータの製造方法について説明を行なう。図6は、図1中のロータの製造方法の工程を示す断面図であり、図6(D)には、図6(C)中のVI−VI線上に沿った形状が表されている。
図6(A)を参照して、エンドプレート41にピン36を固定する。エンドプレート41の鉛直上側にロータコア20が配置されるように、エンドプレート41およびロータコア20を治具201に設置する。図6(B)を参照して、孔24に永久磁石31を挿入する。この際、永久磁石31は、ピン36上に載置され、エンドプレート41と永久磁石31との間に隙間が形成される。なお、以上に説明した各工程は、順序が前後しても良い。
図6(C)および図6(D)を参照して、次に、治具201上に、射出型203と押し型204とを備えるインジェクション装置202を配置する。射出型203内に樹脂材料を供給し、その上に押し型204を配置する。押し型204を図中の矢印に示す方向に押し込む。射出型203のゲート205を介して、樹脂材料が孔24内に注入される。この際、樹脂材料が、永久磁石31の周囲のみならず、ロータコア20の端面20aとエンドプレート41の表面41aとの間に浸入しても良い。樹脂材料が固化し、永久磁石31の周りに樹脂26が形成される。
樹脂材料が固化した後、ロータコア20およびエンドプレート41を治具201から取り外す。図1を参照して、取り外したロータコア20およびエンドプレート41をエンドプレート46とともにシャフト58に固定する。
本実施の形態では、ピン36を設けることによって、図6(C)および図6(D)に示す樹脂インジェクション工程時に、エンドプレート41と永久磁石31との間に形成された隙間に、樹脂材料を充填することができる。
また、本実施の形態におけるロータ10の製造方法では、エンドプレート41とロータコア20とを一体にした状態で樹脂インジェクション工程が実施されている。このため、ロータコア20単体で樹脂インジェクション工程を実施する場合と比較して、孔24から端面20aに食み出した樹脂材料を除去する作業を省略することができる。これにより、ロータ10の製造工程時の作業性を向上させることができる。
この発明の実施の形態1におけるロータ10は、表面としての端面20aを有するコア体としてのロータコア20と、磁石としての永久磁石31と、プレート部材としてのエンドプレート41と、スペーサとしてのピン36と、樹脂部材としての樹脂26とを備える。ロータコア20には、端面20aに開口する孔24が形成されている。永久磁石31は、孔24に位置決めされている。エンドプレート41は、孔24を塞ぐように端面20aに固定されている。ピン36は、永久磁石31とエンドプレート41との間に配置されている。ピン36は、永久磁石31をエンドプレート41から離間した位置に保持するとともに永久磁石31とエンドプレート41との間に隙間を形成する。樹脂26は、孔24に配置され、永久磁石31とエンドプレート41との間に形成された隙間を充填する。
このように構成された、この発明の実施の形態1におけるロータ10およびその製造方法によれば、エンドプレート41と永久磁石31との間に樹脂26が確実に充填されるため、外部雰囲気に含まれる水分が、エンドプレート41とロータコア20との間から永久磁石31に達することを防止できる。これにより、永久磁石31に錆びが発生することを防止し、延いては、回転電機100の信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、樹脂26が、永久磁石31を孔24内に保持する役割と、永久磁石31の防錆の役割との両方を果たしている。このため、本実施の形態では、永久磁石31に防錆のみを目的としたニッケルメッキやスズメッキ等のコーティング層が設けられていない。このため、ロータ10の製造コストを削減することができる。なお、このことは、本発明が、磁石にコーティング層が設けられた構成を排除することを意味するものではなく、永久磁石31がコーティング層および樹脂26によって順に覆われても良い。
図7は、図4中のロータの変形例を示す断面図である。図中には、ピン36が設けられた位置が拡大して示されている。図7を参照して、本変形例では、永久磁石31にスペーサ挿入孔としてのピン挿入孔31hが形成されている。ピン挿入孔31hは、エンドプレート41に向い合う位置に形成されている。ピン挿入孔31hは、端面31aに開口している。永久磁石31は、ピン36がピン挿入孔31hに挿入された状態で孔24に配置されている。
このような構成により、図6(B)に示す工程時、孔24に配置された永久磁石31の姿勢をピン36によって正すことができる。これにより、図6(C)および図6(D)に示す樹脂インジェクション工程時、永久磁石31と、孔24を規定するロータコア20の内壁との間により確実に隙間を形成することができる。したがって、永久磁石31の全周が樹脂26によって覆われた構成を容易に得ることができる。
なお、本実施の形態では、回転電機100がハイブリッド自動車に搭載されるモータである場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明による回転電機は、ハイブリッド自動車に搭載されるジェネレータであっても良いし、電気自動車に搭載されるモータであっても良い。また、本発明による回転電機は、一般的な産業用モータであっても良い。
(実施の形態2)
図8は、この発明の実施の形態2におけるロータを示す断面図である。図8は、実施の形態1における図4に対応する図である。本実施の形態におけるロータは、実施の形態1におけるロータ10と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造についてはその説明を繰り返さない。
図8は、この発明の実施の形態2におけるロータを示す断面図である。図8は、実施の形態1における図4に対応する図である。本実施の形態におけるロータは、実施の形態1におけるロータ10と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造についてはその説明を繰り返さない。
図8を参照して、本実施の形態では、図4中のピン36に替えてスペーサとしての突起部材37が設けられている。突起部材37は、エンドプレート41の表面41aから半球状に突出し、永久磁石31に当接している。突起部材37は、樹脂材料から形成されている。好ましくは、突起部材37は、樹脂26を形成する樹脂材料と同一の樹脂材料から形成されている。
本実施の形態におけるロータは、実施の形態1において説明したロータ10の製造方法と同様の工程により製造される。
このように構成された、この発明の実施の形態2におけるロータおよびその製造方法によれば、実施の形態1に記載の効果と同様の効果を得ることができる。加えて、本実施の形態では、突起部材37と樹脂26とが樹脂材料から形成されているため、ピン36が金属から形成された実施の形態1と比較して、突起部材37と樹脂26との接合力を増大させることができる。また、突起部材37と樹脂26との間で熱膨張率の差を小さく抑えることができる。このため、回転電機100で発熱が生じた際に、突起部材37と樹脂26との接合位置に過大な応力が発生することを防止できる。
なお、突起部材37が有する形状は、半球状に限定されない。突起部材37は、たとえば、表面41a上に点在するように設けられても良いし、表面41a上で帯状の延びる形状を有しても良い。
図9は、図8中のロータの変形例を示す断面図である。図9を参照して、本変形例では、孔24を規定するロータコア20の内壁に、突起部材37と同様の構成を備える突起部材38が設けられている。突起部材38は、孔24を規定するロータコア20の内壁から半球状に突出し、永久磁石31に当接している。突起部材38により、孔24を規定するロータコア20の内壁と永久磁石31との間に隙間が形成されている。このような構成により、永久磁石31の全周が樹脂26によって覆われた構成を容易に得ることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 ロータ、20 ロータコア、20a,20b 端面、24 孔、26 樹脂、31 永久磁石、36 ピン、37 突起部材、41,46 エンドプレート、100 回転電機。
Claims (8)
- 表面を有し、前記表面に開口する孔が形成されたコア体と、
前記孔に位置決めされる磁石と、
前記孔を塞ぐように前記表面に固定されたプレート部材と、
前記磁石と前記プレート部材との間に配置され、前記磁石を前記プレート部材から離間した位置に保持するとともに前記磁石と前記プレート部材との間に隙間を形成するスペーサと、
前記孔に配置され、前記磁石と前記プレート部材との間に形成された隙間を充填する樹脂部材とを備える、ロータ。 - 前記コア体は、前記表面の反対側に面し、前記孔が開口する裏面をさらに有し、
前記裏面には、前記プレート部材とは別のプレート部材が固定されており、
前記樹脂部材は、前記磁石と前記別のプレート部材との間に形成された隙間をさらに充填している、請求項1に記載のロータ。 - 前記樹脂部材は、前記磁石の全周を取り囲むように設けられている、請求項1または2に記載のロータ。
- 前記スペーサは、樹脂材料から形成されている、請求項1から3のいずれか1項に記載のロータ。
- 前記樹脂部材は、単一の樹脂材料から形成され、前記磁石および前記コア体に接触している、請求項1から4のいずれか1項に記載のロータ。
- 請求項1から5のいずれか1項に記載のロータを備える、回転電機。
- 表面を有し、前記表面に開口する孔が形成されたコア体と、
前記孔に位置決めされる磁石と、
前記孔を塞ぐように前記表面に固定されたプレート部材とを備えるロータの製造方法であって、
前記プレート部材の鉛直上側に前記コア体を配置する工程と、
スペーサを介在させて前記プレート部材上に前記磁石を載置し、前記磁石と前記プレート部材との間に隙間を形成する工程と、
前記磁石と前記プレート部材との間に形成された隙間を充填するように、前記孔に樹脂部材を設ける工程とを備える、ロータの製造方法。 - 前記スペーサは、前記樹脂部材を形成する樹脂材料と同一の樹脂材料から形成されている、請求項7に記載のロータの製造方法。
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A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
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